説明

リポソームおよびそれを含む処置用の組成物

【課題】リポソーム膜の構成成分を調整することにより、標的臓器に選択的に到達することができるリポソームを提供する。また、有効成分を含むリポソームを調整することにより、該有効成分を皮膚内に選択的に到達させることができる処置用組成物を提供すること。
【解決手段】下記一般式(I)で示されるセラミドをリポソーム膜に含むことを特徴とするリポソーム、ならびに当該リポソームを含む処置用組成物。


(一般式(I)において、R1は炭素数1〜8のアルキル基を表し、R2は炭素数11〜21の水酸基を有しても良いアルキル基またはアルケニル基を表す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はセラミドをリポソーム膜に含有するリポソームに関する。さらに詳細には、生体に投与されることにより標的臓器に選択的に到達することができるリポソームに関する。さらに本発明は、前記リポソームを含有する処置用の組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
リポソームはリン脂質などを含有する脂質二重膜で構成された小胞であり、該小胞内部には水性成分が保持されている。このためリポソームを生体中に投与すると、小胞の内部に保持された成分は、酵素などの生体成分に触れることなく生体中を移動することができる。更に、リポソーム膜を構成する脂質二重膜は生体臓器の細胞壁との親和性を有するので、臓器に到達したリポソームは細胞壁を通過して臓器中に取り込まれやすい性質を有するといわれている。これらの性質を利用して、リポソームはターゲッティング製剤の開発などに応用されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
臓器構成成分で構成されるリポソーム膜を有するリポソームの小胞の内部に保持された成分(「リポソームに内包された成分」ともいう)は、標的臓器に対するリリース性が向上され得ると報告されている(例えば、非特許文献1を参照)。リポソーム膜を構成する該臓器構成成分としてセラミドが知られており、特定の構造を有するセラミドをリポソーム膜の構成成分としたリポソームが報告されている(例えば、特許文献2、特許文献3、特許文献4を参照)。しかしながら、このようなセラミドをリポソーム膜の構成成分とするリポソームは、標的臓器へ到達しにくいという問題があった。
【0004】
【特許文献1】特再2000/061114号公報
【特許文献2】特表平08−502961号公報
【特許文献3】特開平10−059840号公報
【特許文献4】特開2004−230173号公報
【非特許文献1】M. Kirjavainen et.al.,Biochim Biophys Acta. 1996 ;1304(3):179-89
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者は、標的臓器(好ましくは皮膚の表皮・真皮)に選択的に到達することができるリポソームを求めて鋭意検討した。具体的には、リポソーム膜の構成成分を調整することにより、リポソームを標的臓器へ到達させやすくすることを検討した。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、下記一般式(I)に表されるセラミドをリポソーム膜に含むリポソームは、投与(例えば皮膚投与)されると、皮膚の表皮・真皮に選択的に到達することができることを見出した。
【0007】
すなわち、本発明は以下に示す通りである。
[1] 下記一般式(I)で示されるセラミドをリポソーム膜に含むことを特徴とする、リポソーム。
【0008】
【化1】

(一般式(I)において、R1は炭素数1〜8のアルキル基を表し、R2は炭素数11〜21の水酸基を有しても良いアルキル基またはアルケニル基を表す。)
【0009】
[2] 前記一般式(I)において、R1がメチル基またはヘプチル基を表し、R2がα−ペンタデセニル基を表すことを特徴とする、[1]に記載のリポソーム。
[3] 前記セラミドの含有量が、リポソーム膜の全質量に対して30〜60質量%であることを特徴とする、[1]または[2]に記載のリポソーム。
[4] 前記リポソーム膜が、コレステロール、脂肪酸、コレステロール硫酸、およびリン脂質、ならびにこれらの塩からなる群から選択される一種または二種以上をさらに含有することを特徴とする、[1]〜[3]のいずれか一つに記載のリポソーム。
[5] 前記リポソーム膜が形成する小胞の内部及び/又は小胞脂質膜中に、有効成分を含有する溶液または分散液が含まれていることを特徴とする、[1]〜[4]のいずれか一つに記載のリポソーム。
[6] 前記有効成分は、カルセインおよびその塩、FITC−デキストラン、リドカインおよびその塩、ビダラビン、ビタミンD3、ならびにウルソール酸エステルからなる群から選択される一種または二種以上であることを特徴とする、[5]に記載のリポソーム。
[7] [1]〜[6]のいずれか一つに記載のリポソームを含有する処置用組成物。
[8] 皮膚外用剤であることを特徴とする、[7]に記載の処置用組成物。
【発明の効果】
【0010】
本発明のリポソームは、投与(例えば皮膚投与)されることにより標的臓器(例えば皮膚の表皮・真皮)に選択的に到達することができる。従って、有効成分を含む本発明のリポソームを用いることにより、標的臓器における該有効成分の作用を効果的に奏させることができる。さらに、有効成分を含む本発明のリポソームは、有効成分の種類に応じて、種々の処置用組成物の成分として用いられることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
<本発明のリポソーム>
本発明のリポソームは下記一般式(I)に表されるセラミドをリポソーム膜に含有することを特徴とする。
【0012】
【化2】

(一般式(I)において、R1は炭素数1〜8のアルキル基を表し、R2は炭素数11〜21の水酸基を有しても良いアルキル基またはアルケニル基を表す。)
【0013】
一般的にリポソームのリポソーム膜は脂質二重膜で構成されるが、その脂質二重膜は多重の同心球(多重層)を形成している場合と、単層を形成している場合とがある。本発明のリポソームのリポソーム膜は単層または多重層の何れでも良いが、好ましくは多重層である。
【0014】
本発明のリポソームのリポソーム膜は少なくともセラミドを含有することを特徴とするが、リン脂質やその他の成分をさらに含有していてもよい。
一般的にセラミドとはスフィンゴシンまたはその類似体の、N−アシル誘導体の総称である。セラミドはその特徴部分であるN−アシル基の構造などによって、タイプ1〜タイプ7に大別されることがある(例えば、Robson KJ, Stewart ME, Michelsen S, Lazo ND,
Downing DT.: 6-Hydroxy-4-sphingenine in human epidermal ceramides. J Lipid Res.
1994 Nov;35(11):2060-8を参照)。そのタイプによって、生体内における臓器分布が異なっているといわれている。本発明のリポソームに含まれるセラミドは特に限定されるわけではないが、前記7つのタイプのうちタイプ2に属するものと考えられている。
【0015】
本発明のリポソームのリポソーム膜に含まれるセラミドは、下記一般式(I)で表されるセラミドであることが好ましい。
一般式(I)において、R1は好ましくは炭素数1〜8のアルキル基を示す。R1で示される基の具体的な例には、メチル基、プロピル基、ペンチル基、ヘプチル基などが含まれ、特に好ましくはメチル基またはヘプチル基などである。
一般式(I)において、R2は好ましくは炭素数11〜21の水酸基を有していてもよいアルキル基またはアルケニル基を示す。R2で示されるアルキル基の具体的な例には、1−ヒドロキシペンタデカニル(1-hydroxy-pentadecanyl)基などが含まれる。また、R2で示されるアルケニル基の具体的な例には、α−ペンタデセニル(α-pentadecenyl)基および2−ヒドロキシ−α−ペンタデセニル(2-hydroxy-α-pentadecenyl)基などが含まれる。R2の特に好ましい例には、α−ペンタデセニル基などが含まれる。
【0016】
【化3】

(一般式(I)において、R1は炭素数1〜8のアルキル基を表し、R2は炭素数11〜21の水酸基を有しても良いアルキル基またはアルケニル基を表す。)
【0017】
一般式(I)で表されるセラミドの具体的な例には、N−アセトイル−D−エリスロスフィンゴシン(N-Acetoyl-D-erythro-Sphingosine)またはN−オクタノイル−D−エリスロスフィンゴシン(N-Octanoyl-D-erythro-Sphingosine)などが含まれる。
【0018】
一般式(I)に表される化合物は、既知の化合物またはその類似体であるので、公知の製造方法やそれに準じた方法で製造することができる。また、一般式(I)で表される化合物の中には市販されている化合物もある。市販されている化合物の例には、N−アセトイル−D−エリスロスフィンゴシン(N-Acetoyl-D-erythro-Sphingosine)やN−オクタノイル−D−エリスロスフィンゴシン(N-Octanoyl-D-erythro-Sphingosine)などが含ま
れ、これらはアバンティ・ポーラー・リピッド社(Avanti Polar Lipids Inc.)より販売されている。
【0019】
本発明のリポソームのリポソーム膜における、一般式(I)で表されるセラミドの含有量は、リポソームが溶液中で安定に存在することができるように調整される。前記セラミドの含有量は、具体的にはリポソーム膜の全質量に対して、30〜60質量%であることが好ましく、35〜55質量%であることがより好ましい。前記セラミドの含有量がこの範囲から大きくずれると、リポソームが形成されない場合がある。
【0020】
前述の通り本発明のリポソームは、一般式(I)で表されるセラミド以外にリン脂質を含有することができる。リン脂質としては、通常リポソーム膜を構成するリン脂質であれば、特段の限定無く適用することができる。
リン脂質の好ましい例には、レシチンの主成分である、ホスファチジルコリン、ホスファチジル酸、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、およびホスファチジルグリセロール、ならびにこれらのリゾ体が含まれる。これらは大豆や卵黄から抽出したレシチンの形態で、あるいはこれらを水素添加した水添レシチンの形態であってもよい。本発明のリポソームのリポソーム膜は、かかるリン脂質の一種を単独で含有することもできるし、二種以上を組み合わせて含有することもできる。
リポソーム膜におけるリン脂質の総含有量は、リポソーム膜の総質量に対して、50質量%以下であることが好ましく、45質量%以下であることがより好ましい。リン脂質の量が多すぎると、必須成分であるセラミドの含有量を適切に調整することが困難になる場合がある。
【0021】
本発明のリポソームのリポソーム膜は、リン脂質以外の脂質を含有することができる。該脂質の例にはコレステロール類や脂肪酸が含まれる。
【0022】
本発明のリポソームのリポソーム膜に含まれ得るコレステロール類の好ましい例には、コレステロールそのもの、ならびにコレステロールの脂肪酸エステル、硫酸エステルおよびリン酸エステルなどが含まれる。特に好ましい例には、コレステロールそのもの、およびコレステロール硫酸エステルが含まれる。本発明のリポソームのリポソーム膜は、これらのコレステロール類の唯一種を含有することもできるし、二種以上を組み合わせて含有することもできる。
リポソーム膜におけるコレステロール類の好ましい総含有量は、リポソーム膜の総質量に対して50質量%以下であり、より好ましくは45質量%以下である。コレステロール類の量が多すぎると、必須成分であるセラミドの含有量を適切に制御することが困難になる場合がある。
【0023】
本発明のリポソームのリポソーム膜に含まれ得る脂肪酸は、炭素数10〜30の脂肪酸であることが好ましい。脂肪酸は飽和脂肪酸および不飽和脂肪酸のいずれでもよい。脂肪酸の好ましい例には、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、イソステアリン酸、オクチルドデカン酸などが含まれる。特に好ましい脂肪酸は不飽和脂肪酸であり、オレイン酸、リノール酸およびリノレイン酸から選択される。本発明のリポソームのリポソーム膜はこれらの脂肪酸の唯一種を含有することもできるし、二種以上を組み合わせて含有することもできる。
リポソーム膜における脂肪酸の総含有量は、リポソーム膜の総質量に対して50質量%以下であることが好ましく、45質量%以下であることがより好ましい。脂肪酸の量が多すぎると、必須成分であるセラミドの含有量を適切に制御することが困難である場合がある。
【0024】
本発明のリポソームのリポソーム膜は、前述した成分以外に通常リポソームを構成する
成分を、本発明の効果を損なわない範囲において任意に含有することができる。このような任意成分の例には、1,3−ブタンジオール、プロピレングリコールなどの多価アルコール類;POE脂肪酸エステルやPOEアルキルエーテルのような非イオン界面活性剤類;ポリ(メタ)アクリル酸エステルなどのような高分子類などが含まれる。
【0025】
本発明のリポソームのリポソーム膜は、一般式(I)で表されるセラミドに加えて、リン脂質、コレステロール、コレステロールの硫酸エステルおよび脂肪酸を組み合わせて含有することが特に好ましい。リポソーム膜におけるこれらの成分の好ましい質量比としては、セラミドの質量に対して、リン脂質の質量比が0〜150%(より好ましくは0〜100%)であり、脂肪酸の質量比が0〜50%(より好ましくは0〜15%)であり、コレステロールの質量比が0〜50%(より好ましくは0〜15%)であり、コレステロール硫酸エステルの質量比が0〜100%(より好ましくは50〜100%)である。
【0026】
前述の通り本発明のリポソームは多重層リポソームであっても単層リポソームであってもよいが、好ましくは多重層リポソームである。したがって、リポソームの粒径は、100nm〜10μmであることが好ましい。
本発明のリポソームは小胞内部または脂質二重膜同士の間に水性溶液を含む。その溶液の容量は、特に限定されないが0.1〜100μlであると考えられる。
【0027】
本発明のリポソームは、有効成分を含む溶液または分散液を、リポソーム膜が形成する小胞の内部および/又は小胞脂質膜内に含むことが好ましい。「小胞の内部に含む」とは脂質二重膜と脂質二重膜の間に存在する水性溶液に溶解されている状態を含む。また「小胞脂質膜中に含まれる」とは、脂質二重膜の間にはめ込まれている状態を含む。
【0028】
前記有効成分は、生体に対して生理作用を発揮するもの、或いは、医学的に有用に作用するものであれば特段の限定はない。医学的に有用とは、薬物の到達を確認するなどのトレーサー機能など、医学治療、医学的研究に有用である作用が好適に例示できる。有効成分としては、カルセイン、フルオレセインデキストラン(平均分子量4000)などの蛍光マーカー;リドカインなどの局部麻酔薬;ビダラビンなどの抗ウイルス剤;ビタミンD3などのビタミンDの活性化体;ウルソール酸エステルなど(ウルソール酸ベンジル、ウルソール酸メチル、ウルソール酸ヘキシル、ウルソール酸ステアリル、ウルソール酸オレイルなど)の抗シワ剤或いは光老化防止剤:4−n−ブチルレゾルシノール、プラセンターエキス、エラグ酸、アスコルビン酸およびその誘導体(アスコルビン酸グルコシドを含む)、トラネキサム酸、コウジ酸、アルブチンなどの美白成分;ならびにこれらの塩などが含まれる。皮膚外用剤の有効成分は、光老化防止剤、美白成分がより好ましい。
【0029】
また、有効成分は微粒子に担持されていてもよい。例えば、必要に応じて抗体や酵素または抗がん剤などの蛋白質または薬剤を担持したラテックス小球などの固体微粒子が溶媒に分散された分散液を、リポソーム膜が形成する小胞の内部および/又は小胞脂質膜内に含むことができる。前記固体微粒子の平均粒径は、20〜50nmであることが好ましい。
【0030】
本発明のリポソームは、リポソーム膜が形成する小胞の内部および/又は小胞脂質膜内に、前記有効成分の唯一種を含むこともできるし、二種以上を組み合わせて含むこともできる。
【0031】
前記有効成分を含む溶液または分散液の溶媒または分散媒としては、水性溶媒が好ましい。該水性溶媒としては、リン酸緩衝生理食塩水や、リンゲル氏液などが含まれる。その水性溶媒のpHは、有効成分が安定に存在できるpHであればよい。強酸性・強アルカリ性では脂質分子自体が変化してリポソーム形態を取れなくなる。好ましいpHは4〜10
である。
前記有効成分を含む溶液または分散液における、有効成分の含有濃度は、1〜50mMであることが好ましい。
【0032】
本発明のリポソームは、例えば薄膜法(1965)にしたがって製造することができる。薄膜法とは、例えばBangham, A.D., Standish, M.M. and Watkins, J.C. "Diffusion of univalent ions across the lamellae of swollen phospholipids."(1965) J. Mol. Biol. 13,238-252に記載される方法である。
具体的には、以下の手順に従って製造することができるが、これらの記載により本発明のリポソームの製造方法が特に限定されるわけではない。
1) リポソーム膜を構成する成分(一般式(I)で示されるセラミドを含む)を有機溶媒に溶解又は懸濁させる。ここで有機溶媒は、脂質を溶解することができ、かつ沸点が低いことが好ましい。有機溶媒の具体例には、クロロホルム、メタノール、エタノール、アセトンなどが含まれる。
2) 1)で得られた溶液または懸濁液から溶媒を除去することにより、リポソーム構成成分の薄膜を形成させる。溶媒の除去は減圧下で行うことが好ましい。
3) 2)で得られた薄膜に水性溶媒(好ましくは緩衝液)を添加して攪拌することにより、水性溶媒中に懸濁されたリポソームを得ることができる。
【0033】
また、有効成分を含む本発明のリポソームを得るには、1)で得られた溶液または懸濁液に、有効成分および/又はその塩を含む溶液または分散液を添加して、上記2)および3)に従う。ここで溶液の溶媒は、脂質を溶解することができ、かつ沸点が低いことが好ましい。この溶媒の例には、メタノール、クロロホルム、エタノール、アセトンなどが含まれる。
【0034】
上記で得られたリポソームを含む水性溶媒(懸濁液)を、さらにフィルターに通すことにより、リポソームの粒径を揃えることができる。リポソームの粒径は100〜500nmに揃えられることが好ましく、150〜300nmに揃えられることが特に好ましい。
またリポソームを含む水溶性溶媒を超遠心処理することにより、沈殿物としてリポソームを分離することができる。分離されたリポソームは必要に応じて洗浄されることもできる。
【0035】
<本発明の処置用組成物>
本発明の処置用組成物は、前述した本発明のリポソームを含むことを特徴とする。
本発明の処置用組成物としては、本発明のリポソームの効果が奏されれば特に制限はなく、皮膚外用剤、経口剤、注射剤などが含まれる。本発明の処置用組成物は、好ましくは皮膚外用剤である。
【0036】
本発明の処置用組成物におけるリポソームの含有量は、処置用組成物全質量に対して、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがより好ましい。本発明の処置用組成物においてリポソームは、懸濁もしくは分散されていてもよく、または溶解されていてもよいが、好ましくは分散されている。
また、本発明の処置用組成物における有効成分および/又はその塩の含有量は、処置用組成物全質量に対して0.01〜5質量%であることが好ましく、0.1〜1質量%であることがより好ましい。
【0037】
前述の通り本発明の処置用組成物は必須成分である本発明のリポソーム以外に、通常処置用組成物で使用される任意成分を含有することができる。任意成分の例には、オイルもしくはワックス、炭化水素類、高級脂肪酸類、アルコール類、油剤、界面活性剤、多価ア
ルコール類、保湿成分、増粘剤、防腐剤、粉体類、無機顔料類、パール剤、有機色素、紫外線吸収剤、ビタミン類、pH調整剤などが含まれる。
【0038】
オイルもしくはワックスの例には、マカデミアナッツ油、アボガド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等が含まれる。
炭化水素類の例には、流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等が含まれる。
高級脂肪酸類の例には、オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等が含まれる。
【0039】
アルコール類の例には、エタノール、イソプロパノールセチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等が含まれる。
油剤の例には、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコーン油等が含まれる。
【0040】
界面活性剤は、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤のいずれでもよい。
アニオン界面活性剤の例には、脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル等が含まれる。
カチオン界面活性剤の例には、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等が含まれる。
両性界面活性剤の例には、イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、アシルメチルタウリン等が含まれる。
非イオン界面活性剤の例には、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン(POE)ソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類(POE2−オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニ
ルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等が含まれる。
【0041】
多価アルコール類の例には、ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブタンジオール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、2−メチル2,4−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等が含まれる。
【0042】
保湿成分の例には、ポリメタクリロイルオキシエトキシホスホリルコリン、ポリグリコシルエトキシメタクリレート、ポリグルコシルエトキシメタクリレート、ポリメタクリロイルリジン等の、ポリアクリル酸またはポリメタクリル酸を基体とし、側鎖に親水性基を導入したポリマーまたはコポリマー、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等が含まれる。
【0043】
増粘剤の例には、グアガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、ペクチン、マンナン、デンプン、キサンタンガム、カードラン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、グリコーゲン、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、ムコイチン硫酸、ヒドロキシエチルグアガム、カルボキシメチルグアガム、デキストラン、ケラト硫酸、ローカストビーンガム、サクシノグルカン、カロニン酸、キチン、キトサン、カルボキシメチルキチン、寒天、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ベントナイト等が含まれる。
【0044】
粉体類は、無機粉体でも有機粉体でもよい。
無機粉体の例には、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等が含まれる。粉体類は表面を処理されていてもよい。
有機粉体の例には、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等が含まれる。
【0045】
無機顔料類の例には、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛等が含まれる。無機顔料類は、表面処理されていてもよい。
パール剤の例には、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等が含まれる。パール剤は、表面処理されていてもよい。
有機色素類の例には、赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等が含まれる。有機色素類は、レーキ化されていてもよい。
【0046】
防腐剤の例には、フェノキシエタノールなどが含まれる。
紫外線吸収剤の例には、パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、糖系紫外線吸収剤、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン等が含まれる。
【0047】
ビタミン類の例には、ビタミンAまたはその誘導体、ビタミンB6塩酸塩、ビタミンB6トリパルミテート、ビタミンB6ジオクタノエート、ビタミンB2またはその誘導体、ビタミンB12、ビタミンB15またはその誘導体などのビタミンB類、α−トコフェロール,β−トコフェロール,γ−トコフェロール等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノンなどが含まれる。
pH調整剤の例には、リン酸およびその塩(ナトリウム塩など)が含まれる。
【0048】
本発明の処置用組成物の剤型は特に制限されないが、ローション剤型、クリーム剤型、ハイドロゲル剤型、貼布剤型等の皮膚外用剤形、或いはリポソーム分散経口投与医薬などの経口投与医薬剤形、リポソーム分散注射薬などの注射薬剤形などが例示される。特に好ましいものは、皮膚外用剤形である。
【0049】
本発明の処置用組成物は剤型に応じて、前述のリポソームと任意成分とを常法に従って処理することにより製造することができる。
本発明の処置用組成物の製造において用いられるリポソームは、溶液または懸濁液に含まれた状態で配合されてもよく、あるいは必要に応じて溶媒から分離された状態または洗浄された単離された状態で配合されてもよい。
【0050】
本発明の処置用組成物が皮膚投与(例えば経皮投与)されると、それに含まれるリポソームは標的臓器(例えば皮膚の表皮・真皮)に選択的に到達することができる。これは、リポソームが角層間脂質への高い融合能を有するためであると推察される。
また、有効成分を含む本発明のリポソームを用いることにより、標的臓器に該有効成分の作用を効果的に奏させることができる。
【実施例】
【0051】
以下に、実施例を挙げて、本発明について、更に詳細に説明を加えるが、本発明がかかる実施例にのみ限定されないことは言うまでもない。
【0052】
<実施例1>
[リポソームの作製(1)]
リポソームをBanghamらの報告した薄膜法(1965)に従って作製した。
以下の表1に示される脂質15mgを、ナスフラスコ内のクロロホルム(15ml)に加えて懸濁した。エバポレーターにて溶媒を減圧除去して、フラスコの内壁に薄膜を形成した。薄膜が形成されたフラスコ中にカルセインNa 10mM/PBS(pH 7.4)(PBS:リン酸緩衝生理食塩)を6ml添加した。ウォーターバスにて60℃に温めながらボルテックスにかけて、フラスコの内壁から膜を剥離し、リポソーム液を得た。
得られたリポソーム液を、エクストルーダーに装着された200nmのメンブレンフィルターに10回通し、リポソーム液に含まれるリポソームの粒径を約200nmに揃えた。
さらに、得られたリポソーム液をSephadex−G75を装填したカラムに通し、リポソームに内封されていないカルセインNaを除去した。このリポソーム液を、超遠心処理(267000g, 60min)して生じた沈殿物を回収した。回収された沈殿物を、約1.5mlのPBS(pH7.4)に懸濁した。(以下、単に懸濁液という場合がある。)
得られた懸濁液をPBS(pH7.4)により希釈し、カルセインNa濃度を100μMとした。カルセインNa濃度は蛍光測定機により測定した。得られたリポソーム液をリポソーム液1と称する。
【0053】
【表1】

【0054】
【化4】

【0055】
<実施例2>
実施例1における脂質組成物を、以下の表2に示される脂質組成物に変更すること以外は、実施例1と同様にしてリポソーム液2を得た。
【0056】
【表2】

【0057】
【化5】

【0058】
<実施例3>
実施例1における脂質組成物を、以下の表3に示される脂質組成物に変更すること以外は、実施例1と同様にしてリポソーム液3を得た。
【0059】
【表3】

【0060】
<実施例4>
実施例1における脂質組成物を、以下の表4に示される脂質組成物に変更すること以外は、実施例1と同様にしてリポソーム液4を得た。
【0061】
【表4】

【0062】
<比較例1>
実施例1における脂質組成物を、以下の表5に示される脂質組成物に変更すること以外は、実施例1と同様にしてリポソーム液5を得た。リポソーム液5はSCLL(Stratum corneum lipid liposome)と称されることがある。
【0063】
【表5】

【0064】
【化6】

【0065】
<比較例2>
実施例1における脂質組成物を、以下の表6に示される脂質組成物に変更すること以外は、実施例1と同様にしてリポソーム液6を得た。
【0066】
【表6】

【0067】
<比較例3>
リポソーム液1,2,3,4,5,6と同濃度100μMのカルセインNa/PBS(pH7.4)溶液(比較溶液1)を調製した。
【0068】
[in vitro 皮膚透過試験(1)]
実施例1,2,3,4、比較例1,2および3で得られたリポソーム液1,2,3,4,5,6、および比較溶液1について、以下の手順でin vitro皮膚透過試験を行った。リポソーム液1,2,3,4,5,6、および比較溶液1それぞれについて、3つの皮膚透過試験用拡散セルを用いて試験を行った。
【0069】
ヘアレス・ラット(Hairless rat 7週齢オス)から採取した背部皮膚の裏面の脂肪組織を除去した。脂肪組織が除去された皮膚を、直径1.5cmのパンチにて丸くくり抜いた。くり抜かれた皮膚を、皮膚外面側を上にして皮膚透過試験用Frantzセルにセットした。
Frantzセルのレシーバー(皮膚内面側)にPBS(pH7.4)を満たし(4.5ml)、レシーバー内のPBSをスティアラーにて攪拌しながら32℃に保持した。(このラットから皮膚を採取し、セルにセットし、レシーバーにPBSを保持する工程を準備工程とする。)
【0070】
その後、セルのドナー(皮膚外面側)にリポソーム液1,2,3,4,5,6、および比較溶液1(各400μl)をそれぞれ入れた。
24時間後にFrantzセルのレシーバー溶液を200μl採取した。採取したレシーバー溶液の蛍光強度を測定し、レシーバー溶液内に含まれるカルセインNa量を求め、アプライしたカルセインNa量に対する重量%を計算した。
また、Frantzセルから皮膚を回収した。回収した皮膚をビーカー内のPBS(pH7.4)に浸して、30回揺らして皮膚表面に付着しているカルセインNaを除去した。皮膚のうちドナー溶液が接していた部分(直径1.5cm)のみを鋏で丸く切り出し、切り出された皮膚を細かく切断した。切断された皮膚をバイアル瓶中のメタノール5mlに浸した。各バイアル瓶に対しバス型超音波を60分間照射後、バイアルビン中の溶液200μlを採取した。採取した溶液の蛍光強度を測定し、皮膚内に含まれるカルセインNa量を求め、アプライしたカルセインNa量に対する重量%を計算した。
(この24時間後のレシーバー溶液内に含まれるカルセインNa量の測定および算出、ならびに皮膚内に含まれるカルセインNa量の測定および算出する工程を算出工程とする。)
【0071】
算出された結果を図1および2に示す。図1は皮膚内カルセインNa量、図2はレシーバー内カルセインNa量を示す。図1に示されたように、リポソーム液1,2,3,4(一般式(I’)のセラミドまたは一般式(I’’)のセラミドを含むリポソーム)が、選択的に皮膚内に到達していることが明確に分かる。また、図1,2よりリポソーム液1,2,3,4(一般式(I’)のセラミドまたは一般式(I’’)のセラミドを含むリポソーム)は比較例(リポソーム液5,6および比較溶液1)に比べて皮膚を透過せず、選択的に皮膚内に取り込まれていることがわかる。カルセインナトリウムは蛍光を有し、本発明のリポ
ソームによれば、該蛍光により、リポソームが皮膚内に到達し、内包成分を放出したことを知るトレーサーとしての有効性が判る。
【0072】
<実施例5>
[リポソームの作製(2)]
リポソームをBanghamらの報告した薄膜法(1965)に従って作製した。
以下の表7に示される脂質15mgを、ナスフラスコ内のクロロホルム(15ml)に加えて懸濁した。エバポレーターにて溶媒を減圧除去して、フラスコの内壁に薄膜を形成した。薄膜が形成されたフラスコ中にFITCデキストラン(分子量4000)40mM/PBS(pH 7.4)を1.5ml添加した。ウォーターバスにて60℃に温めながらボルテックスにかけて、フラスコの内壁から膜を剥離し、リポソーム液を得た。
得られたリポソーム液を、エクストルーダーに装着された200nmのメンブレンフィルターに10回通し、リポソーム液に含まれるリポソームの粒径を約200nmに揃えた。
さらに、得られたリポソーム液をSephadex−G75を装填したカラムに通し、リポソームに内封されていないFITCデキストランを除去した。このリポソーム液を、超遠心処理(267000g, 60min)して生じた沈殿物を回収した。回収された沈殿物を、約1.5mlのPBS(pH7.4)に懸濁した。(以下、単に懸濁液という場合がある。)
得られた懸濁液をPBS(pH7.4)により希釈し、FITCデキストラン濃度を300nMとした。FITCデキストラン濃度は蛍光測定機により測定した。得られたリポソーム液をリポソーム液7と称する。
【0073】
【表7】

【0074】
<比較例4>
実施例5における脂質組成物を、以下の表8に示される脂質組成物に変更すること以外は、実施例5と同様にしてリポソーム液8を得た。
【0075】
【表8】

【0076】
<比較例5>
リポソーム液7,8および同濃度300nMのFITCデキストラン/PBS(pH7.4)溶液(比較溶液2)を調製した。
【0077】
[in vitro 皮膚透過試験(2)]
実施例5、比較例4および比較例5で得られたリポソーム液7,8および比較溶液2について、以下の手順でin vitro皮膚透過試験を行った。リポソーム液7,8および比較溶液2それぞれについて、3つの皮膚透過試験用拡散セルを用いて試験を行った。
【0078】
実施例1と同様の準備工程後、セルのドナー(皮膚外面側)にリポソーム液7,8および比較溶液2(各400μl)をそれぞれ入れた。
24時間後にFrantzセルから皮膚を回収した。回収した皮膚をビーカー内のPBS(pH7.4)に浸して、30回揺らして皮膚表面に付着しているFITCデキストランを除去した。皮膚のうちドナー溶液が接していた部分(直径1.5cm)のみを鋏で丸く切り出し、切り出された皮膚を細かく切断した。切断された皮膚をバイアル瓶中のTriton0.08%/PBS5mlに浸した。各バイアル瓶に対しバス型超音波を60分間照射後、バイアルビン中の溶液200μlを採取した。採取した溶液の蛍光強度を測定し、皮膚内に含まれるFITCデキストラン量を求め、アプライしたFITCデキストラン量に対する重量%を計算した。
【0079】
算出された結果を図3に示す。図3は皮膚内FITCデキストラン(FD4)量を示す。図3に示されたように、リポソーム液7(一般式(I’)のセラミドを含むリポソーム)が、選択的に皮膚内に到達していることが明確に分かる。
【0080】
<実施例6>
[リポソームの作製(3)]
リポソームをBanghamらの報告した薄膜法(1965)に従って作製した。
以下の表9に示される脂質15mgを、ナスフラスコ内のクロロホルム(15ml)に加えて懸濁した。メタノール(1ml)に溶解したビタミンD3 3mgを添加した。エバポレーターにて溶媒を減圧除去して、フラスコの内壁に薄膜を形成した。薄膜が形成されたフラスコ中にPBS(pH 7.4)を6ml添加した。ウォーターバスにて60℃に温めながらボルテックスにかけて、フラスコの内壁から膜を剥離し、リポソーム液を得た。
得られたリポソーム液を、エクストルーダーに装着された200nmのメンブレンフィルターに10回通し、リポソーム液に含まれるリポソームの粒径を約200nmに揃えた。
さらにリポソーム液を、超遠心処理(267000g, 60min)して生じた沈殿物を回収した。回収された沈殿物を、約1.5mlのPBS(pH7.4)に懸濁した。(以下、単に懸濁液という場合がある。)
得られた懸濁液をPBS(pH7.4)により希釈し、ビタミンD3濃度を0.06重量%とした。ビタミンD3濃度はHPLCにより測定した。得られたリポソーム液をリポソーム液9と称する。
【0081】
【表9】

【0082】
<比較例6>
実施例6における脂質組成物を、以下の表10に示される脂質組成物に変更すること以外は、実施例6と同様にしてリポソーム液10を得た。
【0083】
【表10】

【0084】
<比較例7>
リポソーム液9,10と同濃度0.06重量%のビタミンD3/白色ワセリン(比較ワセリン)を調製した。
【0085】
[in vitro 皮膚透過試験(3)]
実施例6、比較例6および比較例7で得られたリポソーム液9,10および比較ワセリンについて、以下の手順でin vitro皮膚透過試験を行った。リポソーム液9,10および比較ワセリンそれぞれについて、3つの皮膚透過試験用拡散セルを用いて試験を行った。
【0086】
実施例1と同様の準備工程後、セルのドナー(皮膚外面側)にリポソーム液9,10および比較ワセリン(各400μl)をそれぞれ入れた。
24時間後にFrantzセルから皮膚を回収した。回収した皮膚をビーカー内のPBS(pH7.4)に浸して、30回揺らして皮膚表面に付着しているビタミンD3を除去した。皮膚のうちドナー溶液が接していた部分(直径1.5cm)のみを鋏で丸く切り出し、切り出された皮膚を細かく切断した。切断された皮膚をバイアル瓶中のメタノール5mlに浸した。各バイアル瓶に対しバス型超音波を60分間照射後、バイアルビン中の溶液200μlを採取した。採取した溶液のHPLCを測定し、皮膚内に含まれるビタミンD3量を求め、アプライしたビタミンD3量に対する重量%を計算した。
【0087】
算出された結果を図4に示す。図4は皮膚内ビタミンD3(VitD3)量を示す。図4に示されたように、リポソーム液9(一般式(I’)のセラミドを含むリポソーム)が、選択的に皮膚内に到達していることが明確に分かる。
【0088】
<実施例7>
[リポソームの作製(4)]
リポソームをBanghamらの報告した薄膜法(1965)に従って作製した。
以下の表11に示される脂質150mgを、ナスフラスコ内のクロロホルム(40ml)に加えて懸濁した。さらにビダラビン 30mgを添加した。エバポレーターにて溶媒を減圧除去して、フラスコの内壁に薄膜を形成した。薄膜が形成されたフラスコ中にPBS(pH 7.4)を6ml添加した。ウォーターバスにて60℃に温めながらボルテックスにかけて、フラスコの内壁から膜を剥離し、リポソーム液を得た。
得られたリポソーム液を、エクストルーダーに装着された200nmのメンブレンフィルターに5回通し、リポソーム液に含まれるリポソームの粒径を約200nmに揃えた。
さらにリポソーム液を、超遠心処理(267000g, 60min)して生じた沈殿物を回収した。回収された沈殿物を、約1.5mlのPBS(pH7.4)に懸濁した。(以下、単に懸濁液という場合がある。)
得られた懸濁液をPBS(pH7.4)により希釈し、ビダラビン濃度を0.675重量%とした。ビダラビン濃度はHPLCにより測定した。得られたリポソーム液をリポソーム液11と称する。
【0089】
【表11】

【0090】
<比較例8>
実施例7における脂質組成物を、以下の表12に示される脂質組成物に変更すること以外は、実施例7と同様にしてリポソーム液12を得た。
【0091】
【表12】

【0092】
<比較例9>
実施例7における脂質組成物を、以下の表13に示される脂質組成物に変更すること以外は、実施例7と同様にしてリポソーム液13を得た。
【0093】
【表13】

【0094】
<比較例10>
リポソーム液11,12,13と同濃度0.675重量%のビダラビン(市販クリーム剤型)(比較クリーム)を調製した。
【0095】
[in vitro 皮膚透過試験(4)]
実施例7、比較例8,9,10で得られたリポソーム液11,12,13および比較クリームについて、以下の手順でin vitro皮膚透過試験を行った。リポソーム液11,12,13および比較クリームそれぞれについて、3つの皮膚透過試験用拡散セルを用いて試験を行った。
【0096】
実施例1と同様の準備工程後、セルのドナー(皮膚外面側)にリポソーム液11,12、13および比較クリーム(各400μl)をそれぞれ入れた。
24時間後にFrantzセルから皮膚を回収した。回収した皮膚をビーカー内のPBS(pH7.4)に浸して、30回揺らして皮膚表面に付着しているビダラビンを除去し
た。皮膚のうちドナー溶液が接していた部分(直径1.5cm)のみを鋏で丸く切り出し、切り出された皮膚を細かく切断した。切断された皮膚をバイアル瓶中のメタノール5mlに浸した。各バイアル瓶に対しバス型超音波を60分間照射後、バイアルビン中の溶液200μlを採取した。採取した溶液のHPLCを測定し、皮膚内に含まれるビダラビン量を求め、アプライしたビダラビン量に対する重量%を計算した。
【0097】
算出された結果を図5に示す。図5は皮膚内ビタミンD3量を示す。図5に示されたように、リポソーム液11(一般式(I’)のセラミドを含むリポソーム)が、選択的に皮膚内に到達していることが明確に分かる。
【0098】
<実施例8>
[リポソームの作製(5)]
リポソームをBanghamらの報告した薄膜法(1965)に従って作製した。
以下の表14に示される脂質15mgを、ナスフラスコ内のクロロホルム(15ml)に加えて懸濁した。さらにリドカイン3mgを添加した。エバポレーターにて溶媒を減圧除去して、フラスコの内壁に薄膜を形成した。薄膜が形成されたフラスコ中にPBS(pH 7.4)を6ml添加した。ウォーターバスにて60℃に温めながらボルテックスにかけて、フラスコの内壁から膜を剥離し、リポソーム液を得た。
得られたリポソーム液を、エクストルーダーに装着された200nmのメンブレンフィルターに10回通し、リポソーム液に含まれるリポソームの粒径を約200nmに揃えた。
さらにリポソーム液を、超遠心処理(267000g, 60min)して生じた沈殿物を回収した。回収された沈殿物を、約1.5mlのPBS(pH7.4)に懸濁した。(以下、単に懸濁液という場合がある。)
得られた懸濁液をPBS(pH7.4)により希釈し、リドカイン濃度を0.2重量%とした。リドカイン濃度はHPLCにより測定した。得られたリポソーム液をリポソーム液14と称する。
【0099】
【表14】

【0100】
<比較例11>
実施例8における脂質組成物を、以下の表15に示される脂質組成物に変更すること以外は、実施例8と同様にしてリポソーム液15を得た。
【0101】
【表15】

【0102】
[in vitro 皮膚透過試験(5)]
実施例8および比較例11で得られたリポソーム液14および15について、以下の手順でin vitro皮膚透過試験を行った。リポソーム液14および15それぞれについて、3つの皮膚透過試験用拡散セルを用いて試験を行った。
【0103】
実施例1と同様の準備工程後、セルのドナー(皮膚外面側)にリポソーム液14および15(各400μl)をそれぞれ入れた。
24時間後にFrantzセルから皮膚を回収した。回収した皮膚をビーカー内のPBS(pH7.4)に浸して、30回揺らして皮膚表面に付着しているリドカインを除去した。皮膚のうちドナー溶液が接していた部分(直径1.5cm)のみを鋏で丸く切り出し、切り出された皮膚を細かく切断した。切断された皮膚をバイアル瓶中のメタノール5mlに浸した。各バイアル瓶に対しバス型超音波を60分間照射後、バイアルビン中の溶液200μlを採取した。採取した溶液のHPLCを測定し、皮膚内に含まれるリドカイン量を求め、アプライしたリドカイン量に対する重量%を計算した。
【0104】
算出された結果を図6に示す。図6は皮膚内リドカイン量を示す。図6に示されたように、リポソーム液14(一般式(I’)のセラミドを含むリポソーム)が、選択的に皮膚内に到達していることが明確に分かる。
【0105】
<実施例9>
[リポソームの作製(6)]
リポソームをBanghamらの報告した薄膜法(1965)に従って作製した。
以下の表16に示される脂質15mgを、ナスフラスコ内のクロロホルム(15ml)に加えて懸濁した。さらにウルソール酸ベンジル 3mgを添加した。エバポレーターにて溶媒を減圧除去して、フラスコの内壁に薄膜を形成した。薄膜が形成されたフラスコ中にPBS(pH 7.4)を6ml添加した。ウォーターバスにて60℃に温めながらボルテックスにかけて、フラスコの内壁から膜を剥離し、リポソーム液を得た。
得られたリポソーム液を、エクストルーダーに装着された200nmのメンブレンフィルターに10回通し、リポソーム液に含まれるリポソームの粒径を約200nmに揃えた。
さらにリポソーム液を、超遠心処理(267000g, 60min)して生じた沈殿物を回収した。回収された沈殿物を、約1.5mlのPBS(pH7.4)に懸濁した。(以下、単に懸濁液という場合がある。)
得られた懸濁液をPBS(pH7.4)により希釈し、ウルソール酸ベンジル濃度を0.2重量%とした。ウルソール酸ベンジル濃度はHPLCにより測定した。得られたリポソーム液をリポソーム液16と称する。
【0106】
【表16】

【0107】
<比較例12>
実施例9における脂質組成物を、以下の表17に示される脂質組成物に変更すること以外は、実施例9と同様にしてリポソーム液17を得た。
【0108】
【表17】

【0109】
[in vitro 皮膚透過試験(6)]
実施例9および比較例12で得られたリポソーム液16および17について、以下の手順でin vitro皮膚透過試験を行った。リポソーム液16および17それぞれについて、3つの皮膚透過試験用拡散セルを用いて試験を行った。
【0110】
実施例1と同様の準備工程後、セルのドナー(皮膚外面側)にリポソーム液16および17(各400μl)をそれぞれ入れた。
24時間後にFrantzセルから皮膚を回収した。回収した皮膚をビーカー内のPBS(pH7.4)に浸して、30回揺らして皮膚表面に付着しているリドカインを除去した。皮膚のうちドナー溶液が接していた部分(直径1.5cm)のみを鋏で丸く切り出し、切り出された皮膚を細かく切断した。切断された皮膚をバイアル瓶中のメタノール5mlに浸した。各バイアル瓶に対しバス型超音波を60分間照射後、バイアルビン中の溶液200μlを採取した。採取した溶液のHPLCを測定し、皮膚内に含まれるウルソール酸ベンジル量を求め、アプライしたウルソール酸ベンジル量に対する重量%を計算した。
【0111】
算出された結果を図7に示す。図7は皮膚内ウルソール酸ベンジル(UAB)量を示す。図7に示されたように、リポソーム液16(一般式(I’)のセラミドを含むリポソーム)が、選択的に皮膚内に到達していることが明確に分かる。
【0112】
<実施例10>
[リポソームの作製(7)]
リポソームをBanghamらの報告した薄膜法(1965)に従って作製した。
以下の表18に示される脂質15mgを、ナスフラスコ内のクロロホルム(15ml)に加えて懸濁した。エバポレーターにて溶媒を減圧除去して、フラスコの内壁に薄膜を形成した。薄膜が形成されたフラスコ中に、蛍光ラテックスビーズ懸濁水溶液(ポリサイエンス社製、カルボキシル基修飾、粒子径50nm)6mlを添加した。ウォーターバスにて60℃に温めながらボルテックスにかけて、フラスコの内壁から膜を剥離し、リポソーム液を得た。得られたリポソーム液を液体窒素中で冷却し、60℃のお湯にて融解する作業を5回以上実施した。本作業によってリポソームへのラテックスビーズ溶液の内包効率が上がる。ショ糖密度勾配遠心処理(267000g, 30min)にて、リポソーム画分を得た。
さらに得られたリポソーム画分を蒸留水で希釈し、超遠心処理(267000g, 60min)して生じた沈殿物を回収した。回収された沈殿物を、約1.5mlの蒸留水に懸濁した。(以下、単に懸濁液という場合がある。)
得られた懸濁液の蛍光強度を蛍光測定機により測定し、適宜蒸留水にて希釈した。得られたリポソーム液をリポソーム液18と称する。
【0113】
【表18】

【0114】
<比較例13>
実施例10における脂質組成物を、以下の表19に示される脂質組成物に変更すること以外は、実施例10と同様にしてリポソーム液19を得た。蒸留水を用いて希釈し、リポソーム液18と蛍光強度が等しくなるように揃えた。
【0115】
【表19】

【0116】
<比較例14>
蛍光ラテックスビーズ水溶液(比較溶液3)を調製した。蒸留水を用いて希釈し、リポソーム液18およびリポソーム液19と蛍光強度が等しくなるように揃えた。
【0117】
[in vitro 皮膚透過試験(7)]
実施例10および比較例13,14で得られたリポソーム液18および19、比較溶液3について、以下の手順でin vitro皮膚透過試験を行った。リポソーム液18および19、比較溶液3それぞれについて、3つの皮膚透過試験用拡散セルを用いて試験を行った。
【0118】
実施例1と同様の準備工程後、セルのドナー(皮膚外面側)にリポソーム液18および19、比較溶液3(各400μl)をそれぞれ入れた。
24時間後にFrantzセルから皮膚を回収した。回収した皮膚をビーカー内のPBS(pH7.4)に浸して、30回揺らして皮膚表面に付着している蛍光ラテックスビーズを除去した。皮膚のうちドナー溶液が接していた部分(直径1.5cm)のみを鋏で丸く切り出し、切り出された皮膚を細かく切断した。切断された皮膚をバイアル瓶中のメタノール5mlに浸した。各バイアル瓶に対しバス型超音波を60分間照射後、バイアルビン中の溶液200μlを採取した。採取した溶液の蛍光強度を測定し、皮膚内に含まれる蛍光量を求め、アプライしたラテックスビーズ蛍光量に対する重量%を計算した。
【0119】
算出された結果を図8に示す。図8は皮膚内蛍光ラテックスビーズ量を示す。図8に示されたように、リポソーム液18(一般式(I’)のセラミドを含むリポソーム)が、選択的に皮膚内に到達していることが明確に分かる。
【産業上の利用可能性】
【0120】
本発明は、標的臓器への到達率が高い皮膚外用剤に応用できる。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】実施例1,2,3,4、比較例1,2および比較例3の皮膚内のカルセインNaの量の比較を表す図である。
【図2】実施例1,2,3,4、比較例1,2および比較例3のレシーバー内のカルセインNaの量の比較を表す図である。
【図3】実施例5、比較例4および比較例5の皮膚内のFITCデキストランの量の比較を表す図である。
【図4】実施例6、比較例6および比較例7の皮膚内のビタミンD3量の比較を表す図である。
【図5】実施例7、比較例8,9および比較例10の皮膚内のビダラビン量の比較を表す図である。
【図6】実施例8、比較例11の皮膚内のビダラビン量の比較を表す図である。
【図7】実施例9、比較例12の皮膚内のウルソール酸ベンジル量の比較を表す図である。
【図8】実施例10、比較例13および比較例14の皮膚内の蛍光ラテックスビーズ量の比較を表す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(I)で示されるセラミドをリポソーム膜に含むことを特徴とする、リポソーム。
【化1】

(一般式(I)において、
1は炭素数1〜8のアルキル基を表し、
2は炭素数11〜21の水酸基を有しても良いアルキル基またはアルケニル基を表す。)
【請求項2】
前記一般式(I)において、
1がメチル基またはヘプチル基を表し、R2がα−ペンタデセニル基を表すことを特徴とする、請求項1に記載のリポソーム。
【請求項3】
前記セラミドの含有量が、リポソーム膜の全質量に対して30〜60質量%であることを特徴とする、請求項1または2に記載のリポソーム。
【請求項4】
前記リポソーム膜が、コレステロール、脂肪酸、コレステロール硫酸、およびリン脂質、ならびにこれらの塩からなる群から選択される一種または二種以上をさらに含有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のリポソーム。
【請求項5】
前記リポソーム膜が形成する小胞の内部および/又は小胞脂質膜中に、有効成分を含有する溶液または分散液が含まれていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のリポソーム。
【請求項6】
前記有効成分は、カルセインおよびその塩、FITC−デキストラン、リドカインおよびその塩、ビダラビン、ビタミンD3、ならびにウルソール酸エステルからなる群から選択される一種または二種以上であることを特徴とする、請求項5に記載のリポソーム。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載のリポソームを含有する処置用組成物。
【請求項8】
皮膚外用剤であることを特徴とする、請求項7に記載の処置用組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−335651(P2006−335651A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−158818(P2005−158818)
【出願日】平成17年5月31日(2005.5.31)
【出願人】(000113470)ポーラ化成工業株式会社 (717)
【Fターム(参考)】