説明

リムロック機構およびこれを備えたタイヤ試験機

【課題】構造を簡素化するとともに加工費を抑えることができるようにする。
【解決手段】下リム保持部材7には、複数の第1の貫通孔11a〜11dが穿孔されている。また、シャフト8には、複数の第2の貫通孔12a〜12cが穿孔されている。複数の第1の貫通孔11a〜11dのいずれかと、複数の第2の貫通孔12a〜12cのいずれかとの高さおよび貫通方向を一致させ、高さおよび貫通方向が一致している第1の貫通孔および第2の貫通孔に対してピン9を挿抜することで、一対のリム5,6の間隔を固定し、その固定を解除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤの性能試験を行うタイヤ試験機およびこれに設けられたリムロック機構に関する。
【背景技術】
【0002】
タイヤの生産ラインにおいては、タイヤの動バランス(動的釣合)を測定する動バランス試験機や、タイヤのユニフォーミティを測定するユニフォーミティ試験機などにより、各種の性能試験が行われている。これらの試験機はタイヤを挟持する一対のリムを備えている。
【0003】
特許文献1には、中空円筒部材にスピンドルを挿入した際に、中空円筒部材の内周に設けられた複数の凹みのいずれかに、スピンドルの外周に突出したボールが嵌ることで、第1ホイール支持組立体(上リム)と第2ホイール支持組立体(下リム)との間隔がロックされる構成のタイヤ保持用治具が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、上端部に上部リムが固定されたロックシャフトを、上端部に下部リムが嵌入された中空シャフトを貫通させてスピンドルに挿入し、中空シャフトの側面に周方向に等間隔で穿孔された4つの貫通孔内の各々において、ロック部材をロックシャフトに向かって押圧して、ロックシャフトの外周に設けられたロック溝にロック部材のロック爪を係合させることで、上部リムと下部リムとの間隔をロックする構成のタイヤのユニフォーミティ試験装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−23865号公報
【特許文献2】特許第4456126号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1においては、上リムと下リムとの間隔をロックし、このロックを解除する機構(ピストンロッド)、および、この機構を動作させるアクチュエータ(ピストン)が、回転するスピンドルの内部に設けられている。さらに、アクチュエータを動作させる圧縮空気を、回転するスピンドルを通してアクチュエータに供給している。そのため、スピンドル上部の構造が複雑になっている。
【0007】
また、タイヤのインフレーションにより、ボールと凹みとの嵌合部には、ヘルツ応力と呼ばれる大きな集中応力が働く。そのため、この応力に耐えられるように、これらの部材には軸受鋼等を使用する必要がある。さらに、スピンドルの外周に設けられたボール用保持穴、中空円筒部材の内周に設けられた複数の凹み、および、ボールを凹みに向かって押し付ける第2部材のいずれにも、ベアリングと同等の高精度な加工を行う必要があり、加工費が高くつく。
【0008】
また、特許文献2においても、上リムと下リムとの間隔をロックし、このロックを解除する機構(ロック部材)、および、この機構を動作させるアクチュエータ(ロック用シリンダ)が、回転するスピンドルの内部に設けられている。さらに、アクチュエータを動作させる圧縮空気を、回転するスピンドルを通してアクチュエータに供給している。そのため、スピンドル上部の構造が複雑になっている。
【0009】
また、タイヤのインフレーションにより、ロック溝とロック爪との係合部には、非常に高い応力が発生する。そのため、この応力に耐えられるように、これらの部材には高級鋼等を使用する必要がある。さらに、ロックシャフトを周方向の4箇所からロック部材で押圧しているので、4つの押圧部に作用する力を均等にするために高精度な加工を行う必要があり、加工費が高くつく。
【0010】
本発明の目的は、構造を簡素化するとともに加工費を抑えることが可能なリムロック機構およびこれを備えたタイヤ試験機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明におけるリムロック機構は、タイヤ試験機に設けられ、タイヤを挟持する一対のリムの間隔を固定するためのリムロック機構であって、上下方向に固定されて当該上下方向の中心軸線まわりに回転可能であって、一方のリムを備えるとともに、前記中心軸線と直交する方向から前記中心軸線を通るように穿孔された第1の貫通孔を備えた筒状の回転部材と、上下動可能であって前記回転部材の内部に挿入可能であるとともに、前記回転部材とともに前記中心軸線まわりに回転可能であって、他方のリムを備えるとともに、互いに軸方向に所定の間隔をあけて前記中心軸線と直交する方向から前記中心軸線を通るようにそれぞれ穿孔された、前記第1の貫通孔と同径の複数の第2の貫通孔を備えたシャフトと、前記シャフトを上下動させる昇降機構と、前記回転部材を回転させる回転機構と、互いに高さおよび貫通方向が一致している前記第1の貫通孔および前記第2の貫通孔に対して挿抜される、前記回転部材の直径よりも全長が長いピンと、前記回転部材の外部に固定されて前記ピンを前記中心軸線と直交する方向に進退させることで、互いに高さおよび貫通方向が一致している前記第1の貫通孔および前記第2の貫通孔に前記ピンをその全長にわたって挿入可能であるとともに、互いに高さおよび貫通方向が一致している前記第1の貫通孔および前記第2の貫通孔から前記ピンをその全長にわたって抜脱可能なピン挿抜機構と、を有することを特徴とする。
【0012】
上記の構成によれば、互いに高さおよび貫通方向が一致している第1の貫通孔および第2の貫通孔にピンがその全長にわたって挿入されることで、一対のリムの間隔が固定される。そして、第1の貫通孔の高さに一致させる第2の貫通孔を異ならせることで、一対のリムの間隔が変更される。また、互いに高さおよび貫通方向が一致している第1の貫通孔および第2の貫通孔からピンがその全長にわたって抜脱されることで、一対のリムの間隔の固定が解除される。このように、回転部材に穿孔された第1の貫通孔と、シャフトに穿孔された複数の第2の貫通孔と、互いに高さおよび貫通方向が一致している第1の貫通孔および第2の貫通孔に対して挿抜されるピンとにより、一対のリムの間隔を固定し、その固定を解除することができる。そして、ピンを挿抜するピン挿抜機構を回転部材から離して外部に設けることで、回転部材の構造を簡素化することができる。また、回転部材に第1の貫通孔を穿孔する加工、および、シャフトに複数の第2の貫通孔を穿孔する加工は、いずれも汎用的な加工工具で簡単に行えて、加工精度も一般的な機械加工精度(IT6〜7級)でよいので、加工費を抑えることができる。
【0013】
また、本発明におけるリムロック機構において、前記第1の貫通孔は複数であって、互いに周方向に所定の間隔をあけて形成されているとともに、互いに軸方向に前記第2の貫通孔同士の間隔よりも短い間隔をあけて形成されており、前記ピン挿抜機構を上下動させる昇降装置を更に有していてよい。上記の構成によれば、第1の貫通孔が1つであれば、第2の貫通孔同士の間隔でしか一対のリムの間隔を変更することができない。そこで、第1の貫通孔を複数設け、第1の貫通孔同士の軸方向の間隔を第2の貫通孔同士の軸方向の間隔よりも短くしている。そして、ピン挿抜機構を上下動させることで、複数の第1の貫通孔のいずれに対してもピンを挿抜させることができるようにしている。これにより、第2の貫通孔同士の間隔よりも短い第1の貫通孔同士の間隔で一対のリムの間隔を変更することができるとともに、ピンを挿入させる第1の貫通孔と第2の貫通孔との組み合わせを異ならせることで、一対のリムの間隔を多段階で変更することができる。
【0014】
また、本発明におけるリムロック機構において、前記回転部材は、前記第1の貫通孔における前記ピンの挿入方向の出口側に、前記第1の貫通孔に挿入された前記ピンを固定するピンロック装置を有していてよい。上記の構成によれば、一対のリムの回転中に、遠心力でピンに第1の貫通孔および第2の貫通孔から抜け出ようとする力が作用する場合があるが、ピンロック装置でピンを固定することで、ピンが第1の貫通孔および第2の貫通孔から抜け出るのを防止することができる。
【0015】
また、本発明におけるリムロック機構においては、前記回転部材の内周に、当該回転部材に前記シャフトが挿入された際に前記シャフトの外周に当接するガイドブシュが設けられていてよい。上記の構成によれば、回転部材にシャフトが挿入された際にシャフトの外周に当接するガイドブシュを回転部材の内周に設けることで、回転部材に挿入されたシャフトと回転部材との隙間を小さくすることができて、回転部材に対するシャフトの揺れを抑制することができる。
【0016】
また、本発明におけるタイヤ試験機は、上記のリムロック機構を有していることを特徴とする。
【0017】
上記の構成によれば、回転部材に穿孔された第1の貫通孔と、シャフトに穿孔された複数の第2の貫通孔と、互いに高さおよび貫通方向が一致している第1の貫通孔および第2の貫通孔に対して挿抜されるピンとにより、一対のリムの間隔を固定し、その固定を解除することができる。そして、ピンを挿抜するピン挿抜機構を回転部材の外部に設けることで、回転部材の構造を簡素化することができる。また、回転部材に第1の貫通孔を穿孔する加工、および、シャフトに複数の第2の貫通孔を穿孔する加工は、いずれも汎用的な加工工具で簡単に行えて、加工精度も一般的な機械加工精度(IT6〜7級)でよいので、加工費を抑えることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明のリムロック機構およびこれを備えたタイヤ試験機によると、ピンを挿抜するピン挿抜機構を回転部材から離して外部に設けることで、回転部材の構造を簡素化することができる。また、回転部材に第1の貫通孔を穿孔する加工、および、シャフトに複数の第2の貫通孔を穿孔する加工は、いずれも汎用的な加工工具で簡単に行えて、加工精度も一般的な機械加工精度(IT6〜7級)でよいので、加工費を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】タイヤ試験機を示す正面図および側面図である。
【図2】図1(a)の要部Bの拡大図である。
【図3】下リム保持部材の側面図および上面図である。
【図4】図2の要部Cの拡大図である。
【図5】図4(a)の要部Dの拡大図である。
【図6】図2の部分拡大図である。
【図7】図4(a)の要部Dの拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0021】
[第1実施形態]
(タイヤ試験機の構成)
本実施形態によるタイヤ試験機1は、正面図である図1(a)および側面図である図1(b)に示すように、ベースフレーム2、鉛直フレーム3、一対のリム(下リム5、上リム6)、および、リムロック機構50を有している。
【0022】
ベースフレーム2は、床の上に載置されて水平方向に延在している。鉛直フレーム3は、ベースフレーム2上に立設されて、鉛直方向(上下方向)上方に延在している。上リム6と下リム5とは、上下方向の中心軸線Aに沿って上下方向に対向配置されている。下リム5と上リム6とは、タイヤを挟持することが可能である。
【0023】
(リムロック機構の構成)
リムロック機構50は、図1に示すように、下リム保持部材(回転部材)7、シャフト8、昇降機構20、および、回転機構30を有している。
【0024】
下リム保持部材7は、上下方向に固定されており、上下方向の中心軸線Aまわりに回転可能である。下リム保持部材7の上端には下リム5が固定されている。下リム保持部材7は、円柱状のシャフト8を挿入可能なように筒状に形成されている。
【0025】
回転機構30は、ハウジング31とモータ32とを有している。ハウジング31は、ベースフレーム2上に立設されたフレーム4に移動不能に固定されている。図1(a)の要部Bの拡大図である図2に示すように、ハウジング31内には、中心軸線Aまわりに回転可能なスピンドル33が配置されている。スピンドル33の上端には、下リム保持部材7が固定されている。モータ32は、スピンドル33を回転させることで、下リム保持部材7および下リム5を回転させる。
【0026】
スピンドル33の内部には、鉛直方向に沿って、下端から上端近傍に亘って、空気供給穴33xが形成されている。空気供給穴33xは、スピンドル33の下端に配置された図示しないロータリージョイントに接続されている。
【0027】
このような構成の回転機構30は、図示しない制御部により制御されている。制御部の制御により、下リム保持部材7を介して下リム5が回転されることとなる。
【0028】
図1に戻って、シャフト8は、上下動可能であって下リム保持部材7の内部に挿入することが可能である。そして、シャフト8と下リム保持部材7とが係合された際には、シャフト8は下リム保持部材7とともに中心軸線Aまわりに回転可能である。シャフト8の上部には、上リム6が固定されている。図2に示すように、シャフト8の内部には、鉛直方向に沿って、下端から上リム6の下方に亘って、空気供給穴8xが形成されている。空気供給穴8xは、シャフト8が下リム保持部材7の内部に挿入された際に、スピンドル33の内部に形成された空気供給穴33xに連通し、空気供給穴33xから供給される空気を図示しないタイヤ内に供給する。
【0029】
図1に戻って、昇降機構20は、一対のリニアモーションガイド21a,21bと、ボールネジ22と、モータ23と、電磁ブレーキ24と、上リムハンドリング部材25とを有している。
【0030】
一対のリニアモーションガイド21a,21bは、鉛直方向に延在して鉛直フレーム3に取り付けられている。また、ボールネジ22は、鉛直方向に延在して鉛直フレーム3に沿って設けられている。ボールネジ22には、モータ23及び電磁ブレーキ24が取り付けられている。ボールネジ22は、モータ23によって回転駆動され、モータ23との間に設けられている電磁ブレーキ24によりその回転が停止される。
【0031】
上リムハンドリング部材25は、先端側においてシャフト8の上端部を把持することで、シャフト8を支持しており、基端側においてボールネジ22のナットと接続されている。そして、上リムハンドリング部材25は、ボールネジ22及びリニアモーションガイド21a,21bを介して鉛直フレーム3に支持されている。上リムハンドリング部材25は、ボールネジ22の回転に伴ってリニアモーションガイド21a,21bにガイドされながら鉛直方向上方又は下方に移動する。これにより、上リム6が下リム5に対して近接・離隔される。上リムハンドリング部材25の鉛直方向に関する位置は、鉛直フレーム3に設けられた図示しない直線センサやボールネジの回転量を得るためのロータリーエンコーダなどの検出器により検出される。なお、電磁ブレーキ24は、上リム6が下リム5に対して離隔して上昇した際に、上リムハンドリング部材25が不意に降下することを防止する。
【0032】
このような構成の昇降機構20は、図示しない制御部により制御されている。制御部の制御により、上リムハンドリング部材25を介してシャフト8が上下動されることとなる。
【0033】
図2に示すように、下リム保持部材7は、中心軸線Aと直交する方向(水平方向)から中心軸線Aを通るようにそれぞれ穿孔された複数の第1の貫通孔11a〜11dを備えている。本実施形態においては、第1の貫通孔11a〜11dの数は4つであるが、これに限定されない。なお、図2においては、第1の貫通孔11aのみを図示している。これら第1の貫通孔11a〜11dは、丸孔とされており、互いに周方向および軸方向に所定の間隔をあけて形成されている。具体的には、下リム保持部材7の側面図である図3(a)および上面図である図3(b)に示すように、第1の貫通孔11bは、第1の貫通孔11aに対して周方向に45°の間隔をあけ、且つ、軸方向上方に1/2インチの間隔をあけて形成されている。同様に、第1の貫通孔11cは、第1の貫通孔11bに対して周方向に45°の間隔をあけ、且つ、軸方向上方に1/2インチの間隔をあけて形成されている。また、第1の貫通孔11dは、第1の貫通孔11cに対して周方向に45°の間隔をあけ、且つ、軸方向上方に1/2インチの間隔をあけて形成されている。下リム保持部材7に第1の貫通孔11a〜11dを穿孔する加工は、汎用的な加工工具で行われており、加工精度も一般的な機械加工精度(IT6〜7級)である。
【0034】
また、図2に示すように、シャフト8は、中心軸線Aと直交する方向(水平方向)から中心軸線Aを通るようにそれぞれ穿孔された、第1の貫通孔11a〜11dと同径の複数の第2の貫通孔12a〜12cを備えている。本実施形態においては、第2の貫通孔12a〜12cの数は3つであるが、これに限定されない。これら第2の貫通孔12a〜12cは、丸孔とされており、互いに軸方向に所定の間隔をあけて、互いに貫通方向が同一となるように形成されている。具体的には、第2の貫通孔12bは、第2の貫通孔12aに対して軸方向上方に2インチずれた位置に、互いに貫通方向が同一となるように形成されている。同様に、第2の貫通孔12cは、第2の貫通孔12bに対して軸方向上方に2インチずれた位置に、互いに貫通方向が同一となるように形成されている。シャフト8に第2の貫通孔12a〜12cを穿孔する加工は、汎用的な加工工具で行われており、加工精度も一般的な機械加工精度(IT6〜7級)である。
【0035】
また、リムロック機構50は、図2に示すように、ピン9、ピン挿抜機構40、昇降装置10、ピンロック装置15、および、プッシャ16を有している。
【0036】
ピン9は、第1の貫通孔11a〜11dおよび第2の貫通孔12a〜12cよりも僅かに細く、下リム保持部材7の直径よりも全長が長い。そして、図2に図示されているように、ピン9は、互いに高さおよび貫通方向が一致している第1の貫通孔(図2においては第1の貫通孔11a)および第2の貫通孔(図2においては第2の貫通孔12b)に対して挿抜される。図2の要部Cの拡大図である図4に示すように、ピン9の先端部(図中右側端部)には、ピンロック装置15が係合する係合溝9aが形成されている。また、ピン9の後端部(図中左側端部)には、ピン挿抜機構40が係合する係合溝9bが形成されている。下リム保持部材7に挿入されたピン9と下リム保持部材7とは、Oリング17によりシールされる。
【0037】
図2に示すように、ピン挿抜機構40は、フレーム14上に設けられている。このフレーム14は、ベースフレーム2上に立設されたフレーム4の側方に設けられたフレーム13上に、昇降装置10を介して設けられている。つまり、ピン挿抜機構40は、下リム保持部材7の外部において、間接的にベースフレーム2に固定されている。すなわち、ピン挿抜機構40は、下リム保持部材7から離して外部に設けられており、回転しない。
【0038】
ピン挿抜機構40は、シリンダ41と、ハンド42とを有している。ハンド42は、図3(b)に示すように、ピン9の後端部に形成された係合溝9bに係合可能な一対の爪部材42a,42bを備えており、一対の爪部材42a,42bを開閉させる。ハンド42が一対の爪部材42a,42bを閉じることで、ピン9の係合溝9bに一対の爪部材42a,42bが係合する。一方、ハンド42が一対の爪部材42a,42bを開くことで、ピン9の係合溝9bと一対の爪部材42a,42bとの係合が解除される。シリンダ41は、ハンド42を水平方向に進退させる。これにより、ピン9は水平方向に進退されることとなる。
【0039】
このような構成のピン挿抜機構40は、図示しない制御部により制御されている。制御部の制御により、互いに高さおよび貫通方向が一致している第1の貫通孔および第2の貫通孔にピン9がその全長にわたって挿入されるとともに、互いに高さおよび貫通方向が一致している第1の貫通孔および第2の貫通孔からピン9がその全長にわたって抜脱されることとなる。
【0040】
昇降装置10は、図2に示すように、ベースフレーム2上に立設されたフレーム4の側方に設けられたフレーム13上に設けられており、フレーム14を上下動させることで、ピン挿抜機構40を上下動させる。この昇降装置10は、図示しない制御部により制御されている。制御部の制御により、複数の第1の貫通孔11a〜11dのいずれに対してもピン9を挿抜させることが可能となるように、ピン挿抜機構40が上下動されることとなる。
【0041】
ピンロック装置15は、第1の貫通孔11a〜11dにおけるピン9の挿入方向の出口側に位置するように、下リム保持部材7に取り付けられている。なお、図2においては、第1の貫通孔11aの出口側に設けられたピンロック装置15のみを図示しているが、ピンロック装置15は4つの第1の貫通孔11a〜11dの各々の出口側にそれぞれ取り付けられている。
【0042】
ピンロック装置15は、図4に示すように、ピン9の先端部に形成された係合溝9aに係合可能な一対の爪部材15a,15bを備えている。図4(a)の要部Dの拡大図である図5に示すように、ピンロック装置15は、スプリング15cと、支持ピン15e,15fと、作動部15dと、を有している。スプリング15cは、一対の爪部材15a,15bにおける係合溝9aに係合可能な先端部同士が近接するように、一対の爪部材15a,15bを付勢している。支持ピン15eは、爪部材15aを下リム保持部材7に対して位置固定している。支持ピン15fは、爪部材15bを下リム保持部材7に対して位置固定している。作動部15dは、爪部材15aの後端部と爪部材15bの後端部との間に設けられて爪部材15a,15bの厚みよりも大径の円柱状に形成されており、ピン9の挿抜方向に対して直交する方向に延びる軸15gにより一対の爪部材15a,15bの後端部の各々と連結されている。
【0043】
プッシャ16は、図4に示すように、下リム保持部材7を間に挟んでピン挿抜機構40と対向するように、フレーム14上に設けられている。プッシャ16は、ピンロック装置15の作動部15dに対してロッド16aを進退させる。図4(a)に示すように、ロッド16aを作動部15dから後退させて、両者を離隔させることで、スプリング15cで付勢された一対の爪部材15a,15bは先端部同士が近接するように閉じる。これにより、一対の爪部材15a,15bと係合溝9aとが係合する。一方、図4(b)に示すように、ロッド16aを進出させて、ロッド16aで作動部15dを押圧することで、一対の爪部材15a,15bは支持ピン15e,15fを支点として先端部同士が離隔するように開く。これにより、一対の爪部材15a,15bと係合溝9aとの係合は解除される。
【0044】
このようなプッシャ16は、図示しない制御部により制御されている。制御部の制御により、第1の貫通孔に挿入されたピン9を固定し、その固定を解除するように、ピンロック装置15が動作されることとなる。
【0045】
(タイヤ試験機の動作)
次に、タイヤ試験機1の動作について説明する。なお、タイヤ試験機1は、図示しない制御部によりその動作が制御されている。
【0046】
まず、図1に示すように、下リム保持部材7内からシャフト8が抜き出された状態において、これから試験を行うタイヤのビード幅に基づいて、一対のリム5,6の間隔を変更する必要があるか否かを判断する。そして、一対のリム5,6の間隔を変更する必要があると判断した場合には、複数の第1の貫通孔と複数の第2の貫通孔とによる複数の組み合わせの中から、タイヤのビード幅にあった組み合わせを選択する。ここでは、図2に示すように、第1の貫通孔11aと第2の貫通孔12bとがその組み合わせとして選択されたものとして説明を行う。なお、一対のリム5,6の間隔を変更する必要がないと判断した場合には、複数の第1の貫通孔と複数の第2の貫通孔とによる複数の組み合わせの中から、前回と同じ組み合わせを選択すればよい。
【0047】
第1の貫通孔11aと第2の貫通孔12bとの組み合わせを選択した後、図2に示すように、回転機構30で下リム保持部材7を回転させることで、第1の貫通孔11aの貫通方向をピン挿抜機構40によるピン9の挿入方向に一致させる。次に、昇降装置10でピン挿抜機構40を上下動させることで、ピン9の高さを、貫通方向がピン挿抜機構40によるピン9の挿入方向に一致された第1の貫通孔11aの高さに一致させる。これにより、第1の貫通孔11aへのピン9の挿入が可能となる。その後、図示しない搬出入装置によって下リム5上にタイヤを載置する。
【0048】
その後、図1に示すように、昇降機構20のボールネジ22をモータ23で回転駆動させて、上リムハンドリング部材25を下方に移動させる。そして、図2に示すように、シャフト8を下リム保持部材7内に挿入し、図示しない直線センサで上リムハンドリング部材25の鉛直方向に関する位置を検出しながら、シャフト8を移動させることで、第2の貫通孔12bの高さを、貫通方向がピン挿抜機構40によるピン9の挿入方向に一致された第1の貫通孔11aの高さに一致させる。このとき、タイヤは一対のリム5,6で狭持される。ここで、第2の貫通孔12bの貫通方向は、先に第1の貫通孔および第2の貫通孔からピン9を抜いた際に、ピン挿抜機構40によるピン9の抜脱方向(挿入方向)に一致している。よって、第1の貫通孔11aと第2の貫通孔12bとの高さを一致させれば、第1の貫通孔11aおよび第2の貫通孔12bにピン9を挿入することが可能となる。その後、図4(b)に示すように、第1の貫通孔11aの出口側に設けられたピンロック装置15の作動部15dに向かって、プッシャ16のロッド16aを進出させる。ロッド16aが作動部15dを押圧することで、一対の爪部材15a,15bが開き、ピン9の先端部の受け入れが可能になる。
【0049】
その後或いはプッシャ16の作動と同時に、ピン挿抜機構40のシリンダ41で、ピン9の後端部の係合溝9bに係合しているハンド42を進出させることで、互いに高さおよび貫通方向が一致している第1の貫通孔11aおよび第2の貫通孔12bにピン9をその全長にわたって挿入させる。そして、図4(a)に示すように、プッシャ16のロッド16aを後退させることで、スプリング15cで付勢された一対の爪部材15a,15bを閉じて係合溝9aに係合させる。ピン9の挿入後、図2に示すように、ピン挿抜機構40の一対の爪部材42a,42bを開くことでハンド42とピン9との係合を解除し、ピン挿抜機構40のシリンダ41で、ハンド42をタイヤの回転に邪魔にならない位置まで後退させる。このようにして、一対のリム5,6の間隔が固定される。
【0050】
ここで、図3(a)に示すように、第2の貫通孔12bと組み合わせる第1の貫通孔を、第1の貫通孔11aから第1の貫通孔11bに変更すれば、一対のリム5,6の間隔が1/2インチ広くなる。また、第1の貫通孔11aから第1の貫通孔11cに変更すれば、一対のリム5,6の間隔が1インチ広くなる。また、第1の貫通孔11aから第1の貫通孔11dに変更すれば、一対のリム5,6の間隔が1.5インチ広くなる。このように、第2の貫通孔12bと組み合わせる第1の貫通孔を変更することで、1/2インチピッチで一対のリム5,6の間隔を変更することができる。
【0051】
さらに、図2に示すように、第1の貫通孔11aと組み合わせる第2の貫通孔を、第2の貫通孔12bから第2の貫通孔12aに変更すれば、一対のリム5,6の間隔が2インチ広くなる。また、第2の貫通孔12bから第2の貫通孔12cに変更すれば、一対のリム5,6の間隔が2インチ狭くなる。このように、第1の貫通孔11aと組み合わせる第2の貫通孔を変更することで、2インチピッチで一対のリム5,6の間隔を変更することができる。
【0052】
そして、複数の第1の貫通孔と複数の第2の貫通孔とによる複数の組み合わせのうち、一対のリム5,6の間隔が最も広くなる組み合わせは、第1の貫通孔11dと第2の貫通孔12aとの組み合わせである。また、一対のリム5,6の間隔が最も狭くなる組み合わせは、第1の貫通孔11aと第2の貫通孔12cとの組み合わせである。両者の差は5.5インチであり、一対のリム5,6の間隔を1/2インチピッチで12段階に変更することが可能である。
【0053】
図2に戻って、一対のリム5,6で挟持されたタイヤの内部空間は封止されている。この状態において、ロータリージョイントにつながる電磁弁を駆動することで、空気供給穴33xおよび空気供給穴8xを介してタイヤの内部空間に圧縮空気を供給する。そしてタイヤの空気圧が所定の圧力となったタイミングで、圧縮空気の供給を停止させる。
【0054】
その後、スピンドル33を回転させるモータ32の駆動を開始させ、スピンドル33とともに下リム保持部材7及び下リム5並びにシャフト8及び上リム6を中心軸線Aまわりに回転させることで、タイヤを回転させる。そして、タイヤの動バランス(動的釣合)の測定や、タイヤのユニフォーミティの測定など、各種の性能試験を行う。
【0055】
そして、タイヤの各種性能試験が終了すると、スピンドル33を回転させるモータ32の駆動を停止させ、スピンドル33等の回転を停止させる。その後、ロータリージョイントにつながる電磁弁を開放することにより、タイヤの空気圧を減少させる。
【0056】
その後、図2に示すように、互いに高さおよび貫通方向が一致している第1の貫通孔および第2の貫通孔にピン9がその全長にわたって挿入されている状態において、回転機構30で下リム保持部材7を回転させることで、第1の貫通孔および第2の貫通孔の貫通方向をピン挿抜機構40によるピン9の抜脱方向に一致させる。その後、図4(a)に示すように、ピンロック装置15の作動部15dから離隔しているプッシャ16のロッド16aを作動部15dに向かって進出させる。ロッド16aが作動部15dを押圧することで、図4(b)に示すように、一対の爪部材15a,15bが開き、一対の爪部材15a,15bと係合溝9aとの係合が解除される。
【0057】
また、図2に示すように、ピン挿抜機構40のハンド42をシリンダ41によりピン9に向かって進出させる。そして、一対の爪部材42a,42bを閉じることで、ピン9の後端部の係合溝9bに一対の爪部材42a,42bを係合させる。その後、ピン9を把持したハンド42をシリンダ41により後退させることで、互いに高さおよび貫通方向が一致している第1の貫通孔および第2の貫通孔からピン9をその全長にわたって抜脱させる。その後、図4(a)に示すように、プッシャ16のロッド16aをピンロック装置15の作動部15dから離隔させることで、一対の爪部材15a,15bを閉じる。
【0058】
次に、図1に示すように、昇降機構20のボールネジ22をモータ23で回転駆動させて、上リムハンドリング部材25を上方に移動させることで、下リム保持部材7に挿入された状態のシャフト8を下リム保持部材7から抜き出す。これにより、下リム5と上リム6とで狭持されていた試験後のタイヤから、上リム6が剥離される。続いて、図示しない搬出入装置により、試験後のタイヤを下リム5から剥離して、図示しないセンターコンベア上に載置する。その後、タイヤをセンターコンベアにより図示しない出口コンベア上に受け渡し、出口コンベア上で適宜のマーキングを施す。そして、次のタイヤの試験を開始する。
【0059】
(効果)
以上に述べたように、本実施形態に係るリムロック機構50によると、互いに高さおよび貫通方向が一致している第1の貫通孔および第2の貫通孔にピン9がその全長にわたって挿入されることで、一対のリム5,6の間隔が固定される。そして、第1の貫通孔の高さに一致させる第2の貫通孔を異ならせることで、一対のリム5,6の間隔が変更される。また、互いに高さおよび貫通方向が一致している第1の貫通孔および第2の貫通孔からピン9がその全長にわたって抜脱されることで、一対のリム5,6の間隔の固定が解除される。このように、下リム保持部材7に穿孔された第1の貫通孔と、シャフト8に穿孔された複数の第2の貫通孔と、互いに高さおよび貫通方向が一致している第1の貫通孔および第2の貫通孔に対して挿抜されるピン9とにより、一対のリム5,6の間隔を固定し、その固定を解除することができる。そして、ピン9を挿抜するピン挿抜機構40を下リム保持部材7から離して外部に設けることで、下リム保持部材7の構造を簡素化することができる。また、下リム保持部材7に第1の貫通孔11a〜11dを穿孔する加工、および、シャフト8に複数の第2の貫通孔12a〜12cを穿孔する加工は、いずれも汎用的な加工工具で簡単に行えて、加工精度も一般的な機械加工精度(IT6〜7級)でよいので、加工費を抑えることができる。
【0060】
また、第1の貫通孔が1つであれば、第2の貫通孔同士の間隔でしか一対のリム5,6の間隔を変更することができない。そこで、第1の貫通孔11a〜11dを複数設け、第1の貫通孔同士の軸方向の間隔を第2の貫通孔同士の軸方向の間隔よりも短くしている。そして、ピン挿抜機構40を上下動させることで、複数の第1の貫通孔11a〜11dのいずれに対してもピン9を挿抜させることができるようにしている。これにより、第2の貫通孔同士の間隔よりも短い第1の貫通孔同士の間隔で一対のリム5,6の間隔を変更することができるとともに、ピン9を挿入させる第1の貫通孔と第2の貫通孔との組み合わせを異ならせることで、一対のリム5,6の間隔を多段階で変更することができる。
【0061】
また、一対のリム5,6の回転中に、遠心力でピン9に第1の貫通孔および第2の貫通孔から抜け出ようとする力が作用する場合があるが、ピンロック装置15でピン9を固定することで、ピン9が第1の貫通孔および第2の貫通孔から抜け出るのを防止することができる。
【0062】
[第2実施形態]
(タイヤ試験機の構成)
次に、本発明の第2実施形態に係るタイヤ試験機201について説明する。なお、上述した構成要素と同じ構成要素については、同じ参照番号を付してその説明を省略する。本実施形態のタイヤ試験機201が第1実施形態のタイヤ試験機1と異なる点は、図2の部分拡大図である図6に示すように、リムロック機構250が、円筒状の一対のガイドブシュ18,18を有している点である。
【0063】
一対のガイドブシュ18,18は、下リム保持部材7の内周に設けられており、下リム保持部材7にシャフト8が挿入された際にシャフト8の外周に当接する。一対のガイドブシュ18,18の一方は、下リム保持部材7の内周の上端に設けられている。一対のガイドブシュ18,18の他方は、下リム保持部材7の内周の下端に設けられて、ガイドブシュ抑え19で抜け止めされている。これにより、下リム保持部材7に挿入されたシャフト8と下リム保持部材7との隙間を小さくすることができて、下リム保持部材7に対するシャフト8の揺れを抑制することができる。
【0064】
また、本実施形態のタイヤ試験機201が第1実施形態のタイヤ試験機1と異なる点は、図4の要部Dの拡大図である図7に示すように、ピン9の先端にテーパ9cが形成されているとともに、ピンロック装置15の一対の爪部材15a,15bの各々にテーパ15hがそれぞれ形成されている点である。
【0065】
テーパ9cは、ピン9におけるピンロック装置15に対向する先端に形成されている。テーパ15hは、一対の爪部材15a,15bにおける下リム保持部材7の外周面に対向する面に、それぞれ形成されている。
【0066】
第1実施形態においては、互いに高さおよび貫通方向が一致している第1の貫通孔および第2の貫通孔にピン9をその全長にわたって挿入する際に、ピン9の先端部を受け入れるために、プッシャ16でピンロック装置15の作動部15dを押圧することで、図4(b)に示すように、一対の爪部材15a,15bを開いていた。しかし、本実施形態においては、一対の爪部材15a,15bが閉じた状態において、互いに高さおよび貫通方向が一致している第1の貫通孔および第2の貫通孔にピン9を挿入する。ピン9の挿入過程において、ピン9の先端のテーパ9cが一対の爪部材15a,15bのテーパ15h,15hに当接する。この状態からさらにピン9の挿入を進めると、テーパ9cがテーパ15h,15hを摺動することにより、一対の爪部材15a,15bがスプリング15cの付勢力に反して開いていく。そして、さらにピン9の挿入を進めると、ピン9の先端部が通過できるほど一対の爪部材15a,15bが開いて、ピン9の先端部が一対の爪部材15a,15bの間を通過する。その後、スプリング15cの付勢力で一対の爪部材15a,15bが閉じることで、係合溝9aに一対の爪部材15a,15bが係合する。よって、ピン9の挿入時にプッシャ16でピンロック装置15の作動部15dを押圧する必要がないので、プッシャ16の制御を簡略化することができる。
【0067】
(効果)
以上に述べたように、本実施形態に係るリムロック機構250によると、下リム保持部材7にシャフト8が挿入された際にシャフト8の外周に当接するガイドブシュ18を下リム保持部材7の内周に設けることで、下リム保持部材7に挿入されたシャフト8と下リム保持部材7との隙間を小さくすることができて、下リム保持部材7に対するシャフト8の揺れを抑制することができる。
【0068】
(本実施形態の変形例)
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、具体的構成などは、適宜設計変更可能である。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0069】
例えば、上リム6が上下動される構成にされているが、下リム5が上下動される構成にされていてもよい。即ち、図1に示すタイヤ試験機1の構成が上下逆にされた構成にされていてもよい。
【符号の説明】
【0070】
1,201 タイヤ試験機
2 ベースフレーム
3 鉛直フレーム
4 フレーム
5 下リム
6 上リム
7 下リム保持部材(回転部材)
8 シャフト
9 ピン
9a,9b 係合溝
10 昇降装置
11a〜11d 第1の貫通孔
12a〜12c 第2の貫通孔
13,14 フレーム
15 ピンロック装置
15a,15b 爪部材
16 プッシャ
18 ガイドブシュ
20 昇降機構
21a,21b リニアモーションガイド
22 ボールネジ
23 モータ
24 電磁ブレーキ
25 上リムハンドリング部材
30 回転機構
31 ハウジング
32 モータ
33 スピンドル
40 ピン挿抜機構
41 シリンダ
42 ハンド
50,250 リムロック機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤ試験機に設けられ、タイヤを挟持する一対のリムの間隔を固定するためのリムロック機構であって、
上下方向に固定されて当該上下方向の中心軸線まわりに回転可能であって、一方のリムを備えるとともに、前記中心軸線と直交する方向から前記中心軸線を通るように穿孔された第1の貫通孔を備えた筒状の回転部材と、
上下動可能であって前記回転部材の内部に挿入可能であるとともに、前記回転部材とともに前記中心軸線まわりに回転可能であって、他方のリムを備えるとともに、互いに軸方向に所定の間隔をあけて前記中心軸線と直交する方向から前記中心軸線を通るようにそれぞれ穿孔された、前記第1の貫通孔と同径の複数の第2の貫通孔を備えたシャフトと、
前記シャフトを上下動させる昇降機構と、
前記回転部材を回転させる回転機構と、
互いに高さおよび貫通方向が一致している前記第1の貫通孔および前記第2の貫通孔に対して挿抜される、前記回転部材の直径よりも全長が長いピンと、
前記回転部材の外部に固定されて前記ピンを前記中心軸線と直交する方向に進退させることで、互いに高さおよび貫通方向が一致している前記第1の貫通孔および前記第2の貫通孔に前記ピンをその全長にわたって挿入可能であるとともに、互いに高さおよび貫通方向が一致している前記第1の貫通孔および前記第2の貫通孔から前記ピンをその全長にわたって抜脱可能なピン挿抜機構と、
を有することを特徴とするリムロック機構。
【請求項2】
前記第1の貫通孔は複数であって、互いに周方向に所定の間隔をあけて形成されているとともに、互いに軸方向に前記第2の貫通孔同士の間隔よりも短い間隔をあけて形成されており、
前記ピン挿抜機構を上下動させる昇降装置を更に有することを特徴とする請求項1に記載のリムロック機構。
【請求項3】
前記回転部材は、前記第1の貫通孔における前記ピンの挿入方向の出口側に、前記第1の貫通孔に挿入された前記ピンを固定するピンロック装置を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載のリムロック機構。
【請求項4】
前記回転部材の内周に、当該回転部材に前記シャフトが挿入された際に前記シャフトの外周に当接するガイドブシュが設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のリムロック機構。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のリムロック機構を有していることを特徴とするタイヤ試験機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−36802(P2013−36802A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−171686(P2011−171686)
【出願日】平成23年8月5日(2011.8.5)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【Fターム(参考)】