説明

リリース支援システム、リリース支援方法及びプログラム

【課題】リリース作業者の作業負荷を軽減することができるリリース支援システム、リリース支援方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】リリース支援システムのリリース支援サーバ群1は、ソースサーバ11と、リリースサーバ12と、結果照会サーバ13と、を備えている。ソースサーバ11は、オブジェクトソースのリリースを依頼する依頼者の依頼者用端末3からオブジェクトソースに関する情報を受信し、記憶した後、オブジェクトソースに関する情報をリリースサーバ12に転送する。リリースサーバ12は、転送されたオブジェクトソースに関する情報をリリースする。結果照会サーバ13は、リリース結果を示すログファイルを、WEB上に公開する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リリース支援システム、リリース支援方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、リリース対象としてのオブジェクトをリリースする作業は、例えば、以下のような手順で行われる。
【0003】
リリース依頼者は、例えば、オブジェクトソースを所定のデータベースに登録するとともに、メールにてリリース作業者に依頼書を送信する。依頼書には、例えば、リリース対象オブジェクト名、オブジェクトタイプ、バージョン、リリース先(リリース環境)、リリース順を記載する。
【0004】
メールを受信したリリース作業者は、依頼書を参照して、登録されたデータベースから該当するオブジェクトソースのバージョン、タイプ(拡張子)を判別して、リリース先別ディレクトリにオブジェクトソースを転送する。そして、リリース作業者は、リリースシェルを起動して、リリース先とオブジェクト種別を指定して同環境、同種別のリリースをリリース先とオブジェクト種別の組み合わせ分繰り返す。
【0005】
リリースツールは指定されたリリース先にオブジェクトタイプ毎に適切なリリース処理を行い、リリース結果をログファイルに出力する。リリース作業者は、リリース結果ログを参照して、成果の適否をリリース依頼者にメールで連絡する。なお、リリース依頼者はリリース結果の報告を受け、その結果が否の場合は、原因、手順を修正、場合によっては登録したオブジェクトソースを更新の上、リリース作業者に再度リリース依頼を行う。
【0006】
オブジェクトをリリースする作業については、各種の提案がなされており、例えば、特許文献1には、公開希望者が希望する公開時期に、掲載情報とテンプレートとを用いてウェブページデータを作成して、公開希望者が公開を希望する掲載情報を公開することができるウエーブページ管理方法が提案されている。
【特許文献1】特開2005−182160号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、リリース作業においては、リリ−ス作業者がオブジェクトソースをリリース先別ディレクトリに転送した後、リリース先とオブジェクト種別を指定して同環境、同種別のリリースを、リリース先とオブジェクト種別の組み合わせ分繰り返しているので、リリ−ス作業者に作業負荷がかかってしまうという問題がある。また、リリース時にミスが発生してしまうおそれがある。
【0008】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、リリース作業者の作業負荷を軽減することができるリリース支援システム、リリース支援方法及びプログラムを提供することを目的とする。
また、本発明は、リリース時におけるミスの発生を抑制することができるリリース支援システム、リリース支援方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点にかかるリリース支援システムは、
オブジェクトソースのリリースを依頼する依頼者の依頼者端末から当該オブジェクトソースに関する情報を受信し、記憶する記憶手段と、
前記記憶手段により記憶されたオブジェクトソースに関する情報を転送部に転送する転送手段と、
前記転送手段により転送されたオブジェクトソースに関する情報をリリースするリリース手段と、
を備える、ことを特徴とする。
【0010】
前記記憶手段は、前記オブジェクトソースのリリース先、リリース順序を含む情報を記憶してもよい。
【0011】
前記記憶手段は、さらに拡張子にて前記リリース順序を判断する判断手段を備えてもよい。
【0012】
前記リリース手段によるリリース結果を示すログファイルを、WEB上に公開する公開手段をさらに備えてもよい。
【0013】
前記リリース手段によるリリース結果を示すログファイルを前記依頼者端末に送信する送信手段をさらに備えてもよい。
【0014】
前記転送手段は、前記転送部へのオブジェクトソースに関する情報の転送が完了すると、転送完了を示す情報を作成し、作成した転送完了を示す情報を前記リリース手段に送信してもよい。この場合、前記リリース手段は、前記転送完了を示す情報を受信した後、転送されたオブジェクトソースに関する情報をリリースする。
【0015】
本発明の第2の観点にかかるリリース支援方法は、
オブジェクトソースのリリースを依頼する依頼者の依頼者端末から当該オブジェクトソースに関する情報を受信し、記憶する記憶ステップと、
前記記憶ステップで記憶されたオブジェクトソースに関する情報を転送部に転送する転送ステップと、
前記転送ステップで転送されたオブジェクトソースに関する情報をリリースするリリースステップと、
を備える、ことを特徴とする。
【0016】
本発明の第3の観点にかかるプログラムは、
コンピュータを、
オブジェクトソースのリリースを依頼する依頼者の依頼者端末から当該オブジェクトソースに関する情報を受信し、記憶する記憶手段、
前記記憶手段により記憶されたオブジェクトソースに関する情報を転送部に転送する転送手段、
前記転送手段により転送されたオブジェクトソースに関する情報をリリースするリリース手段、
として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、リリース作業者の作業負荷を軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態にかかるリリース支援システム、リリース支援方法及びプログラムについて説明する。図1に本実施の形態のリリース支援システムの構成を示す。
【0019】
図1に示すように、リリース支援システムは、リリース支援サーバ群1と、通信ネットワーク2と、通信ネットワーク2を介して接続された依頼者用端末3(3〜3)と、通信ネットワーク2を介して接続された作業者用端末4と、を備えている。
【0020】
リリース支援サーバ群1は、支援システムに関する各種の処理をするためのものである。リリース支援サーバ群1は、ソースサーバ11と、リリースサーバ12と、結果照会サーバ13と、を備えている。
【0021】
ソースサーバ11は、リリース依頼者がリリースの対象となるオブジェクトソースに関する情報を受信、収容し、リリースサーバ12に送信するためのサーバである。このオブジェクトソースに関する情報には、オブジェクトソースのリリース先、リリース順序等が含まれている。図2にソースサーバ11の構成を示す。図2に示すように、ソースサーバ11は、通信制御部111と、処理制御部112と、データ記憶部113と、ソース収容部114と、依頼者情報データベース115と、を備えている。
【0022】
通信制御部111は、例えば、ルータなどの所定の通信装置から構成され、ソースサーバ11と通信ネットワーク2とを接続する。
【0023】
処理制御部112は、通信制御部111を介して通信を行い、また、各種の情報を処理する。処理制御部112は、例えば、CPU(Central Processing Unit)を備え、データ記憶部113から読み出した動作プログラムを実行する等により各種の処理を実行する。
【0024】
データ記憶部113は、半導体メモリ、磁気ディスク記録装置などから構成され、各種の情報やプログラムを記録する。データ記憶部113には、例えば、リリースサーバ12に送信(転送)する転送ツールが記憶されている。
【0025】
ソース収容部114は、例えば、半導体メモリ、磁気ディスク記録装置などから構成されている。ソース収容部114には、リリースの対象となるオブジェクトソースが収容される。このソース収容部114は、例えば、共有フォルダであり、リリースを依頼するリリース依頼者により、オブジェクトソースのリリース優先順序に従って収容(配置)される。
【0026】
ソース収容部114は、例えば、図3に示すように、複数の環境別フォルダが形成され、各フォルダには、リリース順序に従って分類された所定数のサブフォルダが形成されている。ここで、リリースの順序には、データベース定義リリース後にアプリケーションオブジェクトをリリースするように、ソースのタイプ(拡張子)によって優先順位を持っている。このため、リリース依頼者は、この優先順位に応じたサブフォルダ内に該当するオブジェクトソースを収容(配置)する。例えば、リリース依頼者は、最も優先順位が高いオブジェクトソースを「1」のサブフォルダ内に配置し、次に最も優先順位が高いオブジェクトソースを「2」のサブフォルダに配置する等のように、所定のオブジェクトソースを優先順位に応じて区分けしたサブフォルダ内に配置する。
【0027】
このソース収容部114に収容されたオブジェクトソースは、処理制御部112によりリリースサーバ12に転送され、リリースサーバ12によりリリースされる。このように、リリースされるオブジェクトソースに関する情報をソース収容部114(ソースサーバ11)に一旦収容した後、リリースサーバ12に転送し、リリースサーバ12によりリリースするのは、セキュリティ確保等の観点から、リリース依頼者(依頼者用端末3)がリリースサーバ12に直接アクセス(接続)することを制限しているためである。
【0028】
依頼者情報データベース115は、リリース依頼者に関する情報を記憶するデータベースである。依頼者情報データベース115には、例えば、図4に示すように、依頼者ID毎にレコードが作成され、各レコードには、氏名、所属、使用端末番号、パスワード等が記憶されている。ここで、依頼者IDは、リリース依頼者の識別情報である。氏名及び所属は、そのリリース依頼者の氏名及び所属先である。パスワードは、リリース依頼者がリリース支援システムにログインするためのパスワードである。
【0029】
リリースサーバ12は、ソースサーバ11から転送されたオブジェクトソースをリリースするためのサーバである。このリリースサーバ12は、前述のように、セキュリティ確保等の観点から、依頼者用端末3が接続できないように設定されている。図5にリリースサーバ12の構成を示す。図5に示すように、リリースサーバ12は、通信制御部121と、処理制御部122と、データ記憶部123と、転送ソース収容部124と、ソース保管部125と、を備えている。
【0030】
通信制御部121は、例えば、ルータなどの所定の通信装置から構成され、リリースサーバ12と通信ネットワーク2とを接続する。通信制御部121は、例えば、通信ネットワーク2を介して、ソースサーバ11から転送されたオブジェクトソースに関する情報を受信する。
【0031】
処理制御部122は、通信制御部121を介して通信を行い、また、各種の情報を処理する。処理制御部122は、例えば、CPU(Central Processing Unit)を備え、データ記憶部123から読み出した動作プログラムを実行する等により各種の処理を実行する。例えば、処理制御部122は、ソースサーバ11からオブジェクトソースに関する情報が転送されると、転送されたオブジェクトソースに関する情報をリリースする。このリリースのタイミングは、オンライン中、オンライン終了後、夜間処理開始前(全て停止中)の3つがあり、それぞれ、例えば、1時間おきに実行する。
【0032】
データ記憶部123は、半導体メモリ、磁気ディスク記録装置などから構成され、各種の情報やプログラムを記録する。データ記憶部123には、転送ソース収容部124に収容されたオブジェクトソースに関する情報をリリースするリリースツール(リリースシェル)が記憶されている。
【0033】
転送ソース収容部124は、例えば、半導体メモリ、磁気ディスク記録装置などから構成され、ソースサーバ11から転送されたオブジェクトソースに関する情報を収容する。転送ソース収容部124は、ソースサーバ11から転送されたオブジェクトソースに関する情報を収容するため、ソースサーバ11のソース収容部114に対応した複数の環境別フォルダが形成されている。この各環境別フォルダには、ソース収容部114に対応した所定数のサブフォルダが形成されている。そして、この転送ソース収容部124に全てのオブジェクトソースに関する情報が転送されると、処理制御部122は、転送されたオブジェクトソースに関する情報をその到着順にリリースする。
【0034】
ソース保管部125は、半導体メモリ、磁気ディスク記録装置などから構成され、リリースされたオブジェクトソースを保管する。
【0035】
結果照会サーバ13は、リリース結果を公開するためのサーバである。図6に結果照会サーバ13の構成を示す。図6に示すように、結果照会サーバ13は、通信制御部131と、処理制御部132と、データ記憶部133と、を備えている。
【0036】
通信制御部131は、例えば、ルータなどの所定の通信装置から構成され、結果照会サーバ13と通信ネットワーク2とを接続する。通信制御部131は、例えば、通信ネットワーク2を介して、リリースサーバ12から送信されたリリース結果に関する情報を受信する。
【0037】
処理制御部132は、通信制御部131を介して通信を行い、また、各種の情報を処理する。処理制御部132は、例えば、CPU(Central Processing Unit)を備え、データ記憶部133から読み出した動作プログラムを実行する等により各種の処理を実行する。例えば、処理制御部132は、リリースサーバ12からリリース結果に関するログ(ログファイル)を受信すると、受信したリリース結果をWebで公開する。リリース依頼者は、この公開されたリリース結果により、リリースの結果を確認することができる。
【0038】
データ記憶部133は、半導体メモリ、磁気ディスク記録装置などから構成され、各種の情報やプログラムを記録する。
【0039】
通信ネットワーク2は、例えば、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)などの所定の通信プロトコルに基づくインターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などの通信ネットワークである。
【0040】
依頼者用端末3は、例えば、通信機能を有するコンピュータ、携帯端末などから構成されている。依頼者用端末3は、例えば、ソースサーバ11にオブジェクトソースに関する情報を送信し、ソースサーバ11のソース収容部114に収容(配置)させる。
作業者用端末4は、例えば、通信機能を有するコンピュータ、携帯端末などから構成されている。
【0041】
次に、以上のように構成されたリリース支援システムを用いたリリース支援方法について説明する。以下、オブジェクトソース転送処理、リリース処理、結果公開処理の順に説明する。
【0042】
(オブジェクトソース転送処理)
オブジェクトソース転送処理は、リリース依頼者によりソースサーバ11のソース収容部114に、リリースするオブジェクトソースに関する情報を収納させ、収納されたオブジェクトソースに関する情報をリリースサーバ12に転送する処理である。図7は、オブジェクトソース転送処理を説明するためのフローチャートである。
【0043】
リリース依頼者が依頼者用端末3を操作して、リリース支援サーバ群1のソースサーバ11にアクセスすると、ソースサーバ11の処理制御部112は、ユーザ認証を行う(ステップS11)。例えば、処理制御部112は、依頼者用端末3にログイン画面を送信し、依頼者用端末3の表示部にログイン画面を表示させる。リリース依頼者は、表示されたログイン画面にログイン名(依頼者ID)及びパスワードを入力し、これを送信する。処理制御部112は、送信されたログイン名及びパスワードと、依頼者情報データベース115に記憶されているリリース依頼者に関する情報とを照合し、リリース依頼者であるか否かを判別する(ステップS12)。
【0044】
処理制御部112は、リリース依頼者でないと判別すると(ステップS12;No)、この処理を終了する。処理制御部112は、リリース依頼者であると判別すると(ステップS12;Yes)、依頼者用端末3をソースサーバ11のソース収容部114に接続する(ステップS13)。
【0045】
依頼者用端末3がソース収容部114に接続されると、リリース依頼者は、依頼者用端末3を操作して、リリースするオブジェクトソースに関する情報をソース収容部114に送信することにより、ソース収容部114の所定の環境別フォルダにオブジェクトソースが収容(配置)される。ここで、ソース収容部114が共有フォルダであるため、リリース依頼者が依頼者用端末3に記憶されているオブジェクトソースをコピー、または、移動することにより、ソース収容部114にオブジェクトソースに関する情報が送信され、ソース収容部114の所定の位置にオブジェクトソースが収容される。また、オブジェクトソースに関する情報にリリース順番(例えば、拡張子による優先順位)がある場合、リリース依頼者は、この優先順位に応じた所定のサブフォルダ内に該当するオブジェクトソースを配置する。
【0046】
次に、処理制御部112は、オブジェクトソースの収容が終了したか否かを判別する(ステップS14)。このオブジェクトソースの収容が終了したか否かは、例えば、依頼者用端末3から終了した旨を受信したか否か、依頼者用端末3とソース収容部114とが接続されなくなったか否か等により判別される。処理制御部112は、オブジェクトソースの収容が終了したと判別すると(ステップS14;Yes)、ソース収容部114にオブジェクトソースに関する情報を送信した依頼者用端末3、ユーザ情報、時刻、転送オブジェクトの一覧等に関する収容情報を記憶する(ステップS15)。
【0047】
続いて、処理制御部112は、データ記憶部113に記憶された転送ツールを実行し、収容されたオブジェクトソースに関する情報をリリースサーバ12(転送ソース収容部124)に転送する(ステップS16)。そして、処理制御部112は、ソース収容部114に収容された全てのオブジェクトソースに関する情報がリリースサーバ12に転送されると、記憶した収容情報に基づいて転送完了を示すファイルを作成し、作成した転送完了を示すファイルをリリースサーバ12に送信し(ステップS17)、この処理を終了する。転送完了を示すファイルには、セキュリティ等の観点から、例えば、ソース収容部114にオブジェクトソースを配置した依頼者用端末3、ユーザ情報、時刻、転送オブジェクトの一覧等に関する情報が記載されている。
【0048】
このように、従来、リリース作業を行う作業者が行っていたリリースの受付、オブジェクトソースの取得をリリース依頼者が行うことができるので、リリース作業者の作業負荷を軽減することができる。また、リリースするオブジェクトソースの配置、順番指定等をリリース依頼者本人が行っているので、手順に誤りが生じにくく、リリース作業者側のミスもなくなる。このため、リリース時におけるミスの発生を抑制することができ、リリース品質が格段に向上する。
【0049】
(リリース処理)
リリース処理は、リリースサーバ12が転送されたオブジェクトソースに関する情報をリリースする処理である。図8は、リリース処理を説明するためのフローチャートである。
【0050】
まず、リリースサーバ12の処理制御部122は、転送ソース収容部124にオブジェクトソースに関する情報が収容され、ソースサーバ11から転送完了を示すファイルを受信したか否かを判別する(ステップS21)。すなわち、処理制御部122は、ソースサーバ11からのオブジェクトソースに関する情報の転送が完了したか否かを判別する。処理制御部122は、転送完了を示すファイルを受信したと判別すると(ステップS21;Yes)、データ記憶部123に記憶されたリリースツール(リリースシェル)を実行し、転送ソース収容部124に収容されたオブジェクトソースに関する情報を、対応する各環境にオブジェクトソース到着順にリリースを行う(ステップS22)。このリリースシェルは、例えば、1回の実行で1サブチーム単位で全環境、全オブジェクト種別に対してリリースを行う。
【0051】
次に、処理制御部122は、リリース結果に関するログ(ログファイル)を作成し、この作成したログファイルを結果照会サーバ13に送信する(ステップS23)。続いて、処理制御部122は、リリースしたオブジェクトソースに関する情報をソース保管部125に保管し(ステップS24)、この処理を終了する。
【0052】
このように、リリースシェルを実行することにより、リリースサーバ12上のオブジェクトソースを対応する各環境に自動的にリリースを行うことができるので、作業者がリリース作業を行うことがなくなり、リリース作業者の作業負荷を軽減することができる。
【0053】
また、転送完了を示すファイルを受信した後に、リリースサーバ12(処理制御部122)が、そのオブジェクトソース到着順にリリースするので、全てのオブジェクトソースが転送された後にリリースを開始することができる。
【0054】
(結果公開処理)
結果公開処理は、リリースした結果を公開する処理である。図9は、結果公開処理を説明するためのフローチャートである。
【0055】
結果照会サーバ13の処理制御部132は、リリースサーバ12からログファイルを受信したか否かを判別する(ステップS31)。処理制御部132は、ログファイルを受信したと判別すると(ステップS31;Yes)、受信したログファイルを、例えば、HTML形式のファイルに編集して(ステップS32)、WEB上で公開する(ステップS33)。そして、この処理を終了する。
【0056】
このように、リリース結果をWEB上で公開することにより、リリース依頼者は随時、リリース結果を確認することができ、リリース作業者からのリリース結果報告を待たなくてもよく、リリース作業者もリリース結果を報告する必要がなくなる。このため、リリース作業者の作業負荷を軽減することができる。また、リリース依頼者がリリース結果をすぐに確認できるので、リリースによる効果や不具合の確認を早期に行うことができる。
【0057】
以上説明したように、本実施の形態によれば、リリース依頼者がリリースするオブジェクトソースの配置、順番指定等が行っているので、リリース作業者の作業負荷を軽減することができる。また、リリース時におけるミスの発生を抑制することができる。
【0058】
なお、本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な他の実施の形態について説明する。
【0059】
例えば、データ記憶部113に、適切な位置にオブジェクトソースが収容(配置)されているか否かを検査(オブジェクト種別とリリース先、リリース順序、ライブラリ管理のバージョン記入等を検査)する検査ツールを記憶してもよい。この場合、オブジェクトソース転送処理において、処理制御部112は、リリースサーバ12にオブジェクトソースに関する情報を転送する前に、検査ツールを実行し、リリース依頼者にその動作確認をさせることができる。これにより、リリース依頼者は、リリースする内容や表示イメージを確認することができる。
【0060】
また、オブジェクトソースに関する情報に、例えば、拡張子による優先順位(リリース順序)がある場合、例えば、ソースサーバ11、または、リリースサーバ12に、拡張子による優先順位(リリース順序)を判断する判断手段を設けてもよい。この場合、リリース依頼者がソース収容部114に間違ってオブジェクトソースを配置しても適切なリリース作業を行うことができる。
【0061】
上記実施の形態では、リリース処理において、転送完了を示すファイルを受信するとリリースシェルを実行して、オブジェクトソースをリリースする場合を例に本発明を説明したが、例えば、リリースサーバ12側がオンライン、オンライン終了後、夜間処理開始前などの段階別に定期的(例えば、1時間おき)にサブチーム単位でリリースシェルを実行してもよい。この場合にも、作業者がリリース作業を行うことなく、オブジェクトソースを対応する各環境に自動的にリリースすることができる。
【0062】
上記実施の形態では、結果公開処理において、リリース結果をWEB上で公開する場合を例に本発明を説明したが、例えば、リリース結果をメールにて依頼者用端末3に送信してもよい。この場合にも、リリース依頼者は、リリース結果を確認することができる。
【0063】
上記実施の形態では、リリース処理において、転送完了を示すファイルを受信するとリリースシェルを実行する場合を例に本発明を説明したが、例えば、リリース依頼者によるソース収容部114へのオブジェクトソース収容の際に、リリース予定日時を設定し、リリース処理では、リリース予定日時となったときにリリースシェルを実行するようにしてもよい。
【0064】
上記実施の形態では、リリース支援システムがソースサーバ11とリリースサーバ12と結果照会サーバ13とを備えるリリース支援サーバ群1を有する場合を例に本発明を説明したが、本発明はこれら3つのサーバを有するものに限定されるものではない。例えば、図10に示すように、サーバ21が通信部22と制御部23とデータ記憶部24とソース部25とリリース部26とDB部27とを備えていてもよい。この場合、通信部22が通信制御部111,121及び131に相当し、制御部23が処理制御部112,122及び132に相当し、データ記憶部24がデータ記憶部113,123及び133に相当し、ソース部25がソース収容部114に相当し、リリース部26が転送ソース収容部124に相当し、DB部27が依頼者情報データベース115に相当する。この場合、制御部23がオブジェクトソース転送処理、リリース処理及び結果公開処理を実行することにより、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。また、ソース収容部114は、オブジェクトソースを一時的に収容できるものであればよく、共有フォルダでなくともよい。
【0065】
本発明の実施の形態にかかるリリース支援サーバ1は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。例えば、汎用コンピュータに、上述の処理を実行するためのプログラムを格納した記録媒体(フレキシブルディスク、CD−ROMなど)から当該プログラムをインストールすることにより、上述の処理を実行するリリース支援サーバ1を構成することができる。
【0066】
そして、これらのプログラムを供給するための手段は任意である。上述のように所定の記録媒体を介して供給できる他、例えば、通信回線、通信ネットワーク、通信システムなどを介して供給してもよい。この場合、例えば、通信ネットワークの掲示板(BBS)に当該プログラムを掲示し、これをネットワークを介して搬送波に重畳して提供してもよい。そして、このように提供されたプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、上述の処理を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の実施の形態のリリース支援システムの構成を示す図である。
【図2】ソースサーバの構成を示す図である。
【図3】ソース収容部の一例を示す図である。
【図4】依頼者情報データベースの構成を示す図である。
【図5】リリースサーバの構成を示す図である。
【図6】結果照会サーバの構成を示す図である。
【図7】オブジェクトソース転送処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】リリース処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】結果公開処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】他の実施の形態のリリース支援システムの構成を示す図である。
【符号の説明】
【0068】
1 リリース支援サーバ群
2 通信ネットワーク
3 依頼者用端末
4 作業者用端末
11 ソースサーバ
12 リリースサーバ
13 結果照会サーバ
111 通信制御部
112 処理制御部
113 データ記憶部
114 ソース収容部
115 依頼者情報データベース
121 通信制御部
122 処理制御部
123 データ記憶部
124 転送ソース収容部
125 ソース保管部
131 通信制御部
132 処理制御部
133 データ記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オブジェクトソースのリリースを依頼する依頼者の依頼者端末から当該オブジェクトソースに関する情報を受信し、記憶する記憶手段と、
前記記憶手段により記憶されたオブジェクトソースに関する情報を転送部に転送する転送手段と、
前記転送手段により転送されたオブジェクトソースに関する情報をリリースするリリース手段と、
を備える、ことを特徴とするリリース支援システム。
【請求項2】
前記記憶手段は、前記オブジェクトソースのリリース先、リリース順序を含む情報を記憶する、ことを特徴とする請求項1に記載のリリース支援システム。
【請求項3】
前記記憶手段は、さらに拡張子にて前記リリース順序を判断する判断手段を備える、ことを特徴とする請求項2に記載のリリース支援システム。
【請求項4】
前記リリース手段によるリリース結果を示すログファイルを、WEB上に公開する公開手段をさらに備える、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のリリース支援システム。
【請求項5】
前記リリース手段によるリリース結果を示すログファイルを前記依頼者端末に送信する送信手段をさらに備える、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のリリース支援システム。
【請求項6】
前記転送手段は、前記転送部へのオブジェクトソースに関する情報の転送が完了すると、転送完了を示す情報を作成し、作成した転送完了を示す情報を前記リリース手段に送信し、
前記リリース手段は、前記転送完了を示す情報を受信した後、転送されたオブジェクトソースに関する情報をリリースする、ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のリリース支援システム。
【請求項7】
オブジェクトソースのリリースを依頼する依頼者の依頼者端末から当該オブジェクトソースに関する情報を受信し、記憶する記憶ステップと、
前記記憶ステップで記憶されたオブジェクトソースに関する情報を転送部に転送する転送ステップと、
前記転送ステップで転送されたオブジェクトソースに関する情報をリリースするリリースステップと、
を備える、ことを特徴とするリリース支援方法。
【請求項8】
コンピュータを、
オブジェクトソースのリリースを依頼する依頼者の依頼者端末から当該オブジェクトソースに関する情報を受信し、記憶する記憶手段、
前記記憶手段により記憶されたオブジェクトソースに関する情報を転送部に転送する転送手段、
前記転送手段により転送されたオブジェクトソースに関する情報をリリースするリリース手段、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−272286(P2007−272286A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−93796(P2006−93796)
【出願日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【出願人】(596017761)リコーテクノシステムズ株式会社 (37)
【Fターム(参考)】