説明

ルーツ式流体機械

【課題】従来のものより低騒音化を実現したルーツ式流体機械を提供する。
【解決手段】ポンプ室4、5が空気の吸入側配管と吐出側配管とで相互に直列的に連通され、空気を送給するための一対の3葉ロータ6A、6B、7A、7Bが各ポンプ室4、5にそれぞれ収納され、前記ロータの隣り合う葉片6a、7a間とケーシングXの内壁面との間に囲まれる空気搬送空間21が吐出口15、17に達する直前に空気搬送空間21と吐出側配管とを連通する複数の予圧縮孔20が設けられたルーツ式流体機械1において、吐出口15、17に接近するにつれてロータ軸2、3の軸芯方向に並ぶ予圧縮孔20の孔数が増加している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ルーツ式流体機械に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ルーツ式ブロワ、ルーツ式真空ポンプなどのルーツ式流体機械は、輸送用機械、産業機械など様々な分野で使用されている。ルーツ式流体機械では、吸入口および吐出口が形成されたケーシング内に一対のロータが収容され、これらロータが互いに反対方向に噛み合いながら回転駆動される。一対のロータがそのように回転駆動されると、ロータの隣り合う葉片間とケーシングの内壁面との間に囲まれる空気搬送空間により、吸入口から吐出口へ空気が搬送され、ルーツ式流体機械がブロワである場合は、吐出口側の空気が圧縮され、ルーツ式流体機械が真空ポンプである場合は、吸入口側の空気が負圧に減圧される(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
この種のルーツ式流体機械においては、空気搬送空間が吐出口に達する際に、吐出口側から空気搬送空間内へ急激に空気が流入することによって騒音が発生することが知られている。
【0004】
そのような騒音を抑制するために、特許文献1に開示されているルーツ式ブロワでは、吐出口の近くに多数の予圧縮孔が設けられている。予圧縮孔は、空気搬送空間が吐出口に達する直前に、空気搬送空間と吐出側配管とを徐々に連通して、吐出側配管内の空気を空気搬送空間へ徐々に流し込むために設けられている。このため、空気搬送空間が吐出口に達するときには、当該空気搬送空間内の空気圧と吐出口側の空気圧との圧力差が小さくなり、吐出口側から空気搬送空間内へ流れ込む空気の流れは緩やかなものとなって、騒音が抑制されるようになる。
【0005】
また、特許文献1に開示されているルーツ式ブロワの吐出口は、ロータの回転方向に対して斜めに交差するヘリカル形状に形成されているため、空気搬送空間と吐出口とが徐々に連通される。その結果、空気搬送空間が吐出口に達した後も吐出口側配管から空気搬送空間内へ流れ込む空気の流れが緩やかになり、さらに騒音が抑制されるようになっている。
【0006】
従来のルーツ式流体機械においては、空気搬送空間内への急激な空気の流入のほかに、以下に説明するような原因から騒音が発生することも知られている。
【0007】
すなわち、一対のロータが互いに反対方向に噛み合いながら回転する際に、一方のロータの凹円弧部と他方のロータの凸円弧部との間に冷却水が閉じ込められる、いわゆる閉じ込み現象が発生し、この閉じ込み現象によって騒音が発生することが知られている。
【0008】
上記閉じ込み現象による騒音を抑制するために、特許文献2に開示されているルーツ式ブロワは、ロータの凹円弧部にロータを貫通した連通口を設けている。この連通口により、一方のロータの凹円弧部と他方のロータの凸円弧部との間に入り込んだ冷却水は、当該連通口へ逃げ込むことができ、閉じ込み現象の発生が防止される。
【0009】
また、特許文献3に開示されているルーツ式真空ポンプは、ロータの凹円弧部の一部をロータ軸側に窪ませた溝を設けている。このような溝によっても、一方のロータの凹円弧部と他方のロータの凸円弧部との間に入り込んだ冷却水が当該溝へ逃げ込むことができ、閉じ込み現象の発生が防止される。
【特許文献1】特開平8−61272
【特許文献2】特開平8−303355
【特許文献3】実開平1−69193
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1に開示されているルーツ式ブロワのように予圧縮孔を設けたルーツ式流体機械によれば、ある程度低騒音化することができるものの、高圧縮、高真空型の多段ルーツ式流体機械では、吐出口側と空気搬送空間内との圧力差が大きいことから、吐出口側から空気搬送空間内へ流入する空気の流れを十分に緩やかにすることが困難であり、ユーザが満足する程度にまで低騒音化を実現することが困難であった。
【0011】
また、特許文献1に開示されているルーツ式ブロワでは、吐出口がヘリカル形状に形成されているため、当該吐出口を成形するための鋳型形状が複雑になるという問題もあった。
【0012】
また、予圧縮孔を設けたルーツ式流体機械では、予圧縮孔を流れる空気および冷却水の中に含まれる粉流体等の不純物が予圧縮孔にごみとして付着し、次第に予圧縮孔を塞いでしまうため、定期的に予圧縮孔に付着したゴミの清掃を行う必要があった。そして、そのために、ルーツ式流体機械のケーシングおよびルーツ式流体機械に接続されている配管類を分解しなければならず、予圧縮孔の清掃作業に多くの時間と労力を費やさなければならないという問題もあった。
【0013】
特許文献2に開示されているルーツ式ブロワにおいては、上記連通口が設けられた箇所およびその周囲部では、一方のロータの凹円弧部と他方のロータの凸円弧部との間に入り込んだ冷却水は、当該連通口へ逃げ込むものの、連通口から離れたロータの凹円弧部および凸円弧部に入り込んだ冷却水は連通口まで到達せず、ロータの凹円弧部と凸円弧部との間に閉じ込められて騒音を発生するおそれがある。
【0014】
また、特許文献2に開示されているルーツ式ブロワでは、凹円弧部の連通口の加工とロータ表面の加工とを別工程ないしは別工具にて行う必要があることから、加工工数が増加するという問題もあった。
【0015】
また、特許文献3に開示されているルーツ式真空ポンプでも、同様に、凹円弧部の溝の加工とロータ表面の加工とを別工程ないしは別工具にて行う必要があるため、加工工数が増加するという問題があった。
【0016】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、従来のものより低騒音化を実現したルーツ式流体機械を提供することを目的とする。また、冷却水の閉じ込み現象を防止する構造を有するロータの加工工数の削減を図ったルーツ式流体機械を提供することをも目的とする。さらに、予圧縮孔の清掃を簡単に行うことができるルーツ式流体機械を提供することをも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上述の課題を解決するための手段として、本発明のルーツ式流体機械は、以下のように構成されている。すなわち、本発明のルーツ式流体機械は、複数段のポンプ室が空気の吸入側配管と吐出側配管とで相互に直列的に連通され、空気を送給するための一対の3葉ロータが各ポンプ室にそれぞれ収納され、前記3葉ロータの隣り合う葉片間とケーシングの内壁面との間に囲まれる空気搬送空間が吐出口に達する直前に当該空気搬送空間と吐出側配管とを連通する複数の予圧縮孔が設けられたルーツ式流体機械において、前記吐出口に接近するにつれてロータ軸の軸芯方向に並ぶ前記予圧縮孔の孔数が増加していることを特徴としている。
【0018】
かかるルーツ式流体機械によれば、吐出口に接近するにつれてロータ軸の軸芯方向に並ぶ予圧縮孔の孔数が増加しているので、空気搬送空間が吐出口に接近するにつれて、空気搬送空間と吐出側配管との連通面積が徐々に増加するため、吐出側配管から空気搬送空間へ緩やかに空気が流れ込み、予圧縮孔から空気搬送空間へ空気が流れ込む際に発生する騒音が抑制される。
【0019】
また、本発明のルーツ式流体機械は、上記構成において、前記吐出口は、前記3葉ロータの回転方向に対して直交する方向を長手方向とした、矩形状であることを特徴としている。予圧縮孔のロータ軸の軸芯方向の孔数が吐出口に接近するにつれて増加し、吐出口のごく近傍において予圧縮孔の孔数が最大となるので、空気搬送空間が吐出口に達するまでに十分に空気搬送空間内の圧力を吐出側配管内の圧力に近づけることができる。このため、吐出口をヘリカル形状とするまでもなく上記矩形状とすることができ、この結果、吐出口を成形するための鋳型形状が単純化され、鋳型製作費の低減、鋳物製品の欠陥発生率の低減が図られる。
【0020】
また、本発明のルーツ式流体機械は、複数段のポンプ室が空気の吸入側配管と吐出側配管とで相互に直列的に連通され、空気を送給するための一対の3葉ロータが各ポンプ室にそれぞれ収納されたルーツ式流体機械において、前記3葉ロータの各凹円弧部に、ロータ軸の軸芯方向に延びた断面小円弧状の溝が複数形成されたことを特徴としている。ここで、小円弧とは、凹円弧部に対し、これより曲率が大きい(曲率半径が小さい)円弧のことを意味する。
【0021】
かかるルーツ式流体機械によれば、凹円弧部と凸円弧部とが互いに噛み合いながら反対方向に回転駆動されているとき、一方のロータの凹円弧部と他方のロータの凸円弧部との間に入り込んだ冷却水は断面小円弧状の溝へ逃げ込むため、閉じ込み現象による騒音・振動の発生が抑制される。
【0022】
また、本発明のルーツ式流体機械は、複数段のポンプ室が空気の吸入側配管と吐出側配管とで相互に直列的に連通され、空気を送給するための一対の3葉ロータが各ポンプ室にそれぞれ収納されたルーツ式流体機械において、前記3葉ロータの各凹円弧部に、ロータ軸の軸芯方向に延びた断面コ字状の溝が形成されたことを特徴としている。
【0023】
かかるルーツ式流体機械によれば、凹円弧部と凸円弧部とが互いに噛み合いながら反対方向に回転駆動されているとき、一方のロータの凹円弧部と他方のロータの凸円弧部との間に入り込んだ冷却水は断面コ字状の溝へ逃げ込むため、閉じ込み現象による騒音・振動の発生が抑制される。
【0024】
また、本発明のルーツ式流体機械は、複数段のポンプ室が空気の吸入側配管と吐出側配管とで相互に直列的に連通され、空気を送給するための一対のロータが各ポンプ室にそれぞれ収納され、前記ロータの隣り合う葉片間とケーシングの内壁面との間に囲まれる空気搬送空間が吐出口に達する直前に当該空気搬送空間と吐出側配管とを連通する複数の予圧縮孔が設けられたルーツ式流体機械において、前記一対のロータは互いに上下に配置されており、前記複数の予圧縮孔の吐出側端に連通した洗浄水供給空間が各ポンプ室の吐出側に形成され、前記洗浄水供給空間の上方に当該洗浄水供給空間と外部とを連通する洗浄水供給用連通孔が形成され、前記洗浄水供給空間の下方に当該洗浄水供給空間と外部とを連通する第1洗浄水排水用連通孔が形成されたことを特徴としている。
【0025】
また、本発明のルーツ式流体機械は、上記構成において、前記各ポンプ室の下方に各ポンプ室と外部とを連通する第2洗浄水排水用連通孔がそれぞれ形成されたことを特徴としている。
【0026】
これらのルーツ式流体機械によれば、ルーツ式流体機械やルーツ式流体機械に接続されている配管類の分解作業を行うことなく、予圧縮孔の清掃を簡単に行うことができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明に係るルーツ式流体機械によれば、上記従来のルーツ式流体機械よりさらに低騒音化を図ることができる。
【0028】
また、本発明に係るルーツ式流体機械によれば、冷却水の閉じ込み現象を防止する構造を有するロータの加工工数ないし加工時間の削減が図られる。
【0029】
また、本発明に係るルーツ式流体機械によれば、ルーツ式流体機械やルーツ式流体機械に接続されている配管類の分解作業を行うことなく、予圧縮孔の清掃を簡単に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態に係るルーツ式流体機械ついて図面を参照して説明する。本実施の形態では、ルーツ式流体機械として、3葉ロータを有する2段ルーツ式ブロワ(以下単に「ブロワ」という。)を例に挙げて説明する。
【0031】
図1は、ブロワ1をロータ軸2、3の軸芯を含む平面で切断した断面図であり、図2は、ブロワ1を、ロータ軸2、3の軸芯に直交する平面で切断した断面図であり、図2の括弧付符号は、括弧外符号が第1段ポンプ室4内のものに対応し、括弧内符号が第2ポンプ室5内のものに対応している。図3は、ブロワ1を吐出側から見た図である。図4は、図3において、後述する吐出レジューサR1、R2を取り外した状態を示した図である。
【0032】
図1〜図3に示すように、ブロワ1は、第1段ポンプ室4および第2段ポンプ室5を備えるケーシングX、各ポンプ室4、5にそれぞれ収納された各一対の第1段ロータ6A、6Bおよび第2段ロータ7A、7B、ロータ軸受8、タイミングギヤ9、9、これらタイミングギヤ9、9を収容したギアケース10などを備えている。
【0033】
ケーシングXは、ケーシング本体Xaと、該ケーシング本体Xaの両側にボルトにて固定された軸受けハウジングXb、Xbなどで構成され、ロータ6A、6B、7A、7Bを回転自在に収納している。
【0034】
ケーシング本体Xaの内壁面は、ロータ6A、6B、7A、7Bの回転領域(外径)に対応した空洞に形成されている。ケーシング本体Xa内は、ケーシング本体Xa内に一体的に形成されたロータ軸2、3に直交する隔壁Xcによって、一対の第1段ロータ6A、6Bを収納する第1段ポンプ室4と、一対の第2段ロータ7A、7Bを収納する第2段ポンプ室5とに隔てられている。
【0035】
第1段ポンプ室4には、第1段吸入口14(図2参照)および第1段吐出口15(図2参照)が、第2段ポンプ室5には、第2段吸入口16および第2段吐出口17が形成されている。
【0036】
図4に示すように、第1段吐出口15および第2段吐出口17は、ロータ6A、6B、7A、7Bの回転方向に対して直交する方向を長手方向とした矩形状に形成されている。また、第1段吐出口15と第2段吸入口16とは後述する連通管49(図1〜図4において不図示)を介して接続され、これにより、第1段ポンプ室4と第2段ポンプ室5とが直列的に連通されている。なお、ケーシング本体Xaの吐出口15、17側には、予圧縮室18、19が形成されている。
【0037】
軸受けハウジングXb、Xbには、ロータ側から順にオイルシール13、ロータ軸2の軸受8であるベアリングが嵌入されている。
【0038】
ロータ6A、6B、7A、7Bは、回転方向に120°の間隔をおいてロータ軸2、3から径方向に突出した3つの葉片6a、7aなどで構成されている。各葉片6a、7aは、慣性モーメントを低減させるために空洞化されている。
【0039】
各一対のロータ6A、6B、および7A、7Bは、互いに上下に配置されており、上方に配置されているロータ6A、7Aのロータ軸2は、回転駆動力が入力される駆動軸となっており、下方に配置されているロータ6B、7Bのロータ軸3は、駆動軸であるロータ軸2から各ロータ軸2、3の一側部に固定されたタイミングギヤ9、9を介して回転駆動力される従動軸となっている。また、第1段ポンプ室4に収容されているロータ6A、6Bは、第2ポンプ室5に収容されているロータ7A、7Bより軸方向に幅広に形成されている。
【0040】
図2に示すように、各ロータ6A、6B、7A、7Bの断面形状は、葉片6a、7aの外径側を形成する凸円弧部Aと、隣り合う凸円弧部A、A間に形成された凹円弧部Bとからなる。各凹円弧部Bにはロータ軸2、3の軸芯方向に延びた断面小円弧状の溝B1が複数(2本)形成されている。ここで、小円弧とは、凹円弧部Bに対し、これより曲率が大きい(曲率半径が小さい)円弧のことを意味する。
【0041】
つぎに、ケーシング本体Xaに形成された予圧縮室18、19およびその周辺部について説明する。
【0042】
図2に示すように、吐出口15、17の近くには、ケーシング本体Xaを貫通した複数の予圧縮孔20が設けられている。複数の予圧縮孔20は、ロータ6A、6B、7A、7Bの隣り合う葉片6a間又は葉片7a間とケーシング本体Xa(ケーシングX)の内壁面との間に囲まれる空気搬送空間21が吐出口15、17に達する直前に、空気搬送空間21と吐出側配管(第1ポンプ室4の場合は、後述する連通管49、第2ポンプ室5の場合は、後述する吐出側配管50)との連通面積を徐々に増して、吐出側配管の空気が空気搬送空間21へ徐々に流れ込むように配設されている。しかも、複数の予圧縮孔20は、吐出口15、17に接近するにつれて、ロータ軸2、3の軸芯方向に並ぶ予圧縮孔20の孔数(ロータ6A、6B、7A、7Bの回転方向に直交する方向に並ぶ予圧縮孔20の孔数)が増加し、吐出口15、17に最も近いところで、ロータ軸2、3の軸芯方向に並ぶ予圧縮孔20の孔数が最大となるように配設されている。
【0043】
例えば、図4に示すように、複数の予圧縮孔20が吐出口15、17に近い上下両側にそれぞれ形成され、複数の予圧縮孔20が設けられている領域C、Dの輪郭形状が、吐出口15、17側を底辺とした略三角形もしくは吐出口15、17側を長い底辺とした略台形を形成している。
【0044】
予圧縮室18、19は、ケーシング本体Xaの吐出側において、予圧縮孔20を取り囲むように吐出側へ延出して形成された側壁部18a、19aと、側壁部18a、19aに囲まれる領域を覆うように側壁部18a、19aにそれぞれボルト等にて固定された吐出レジューサR1、R2とに囲まれて形成されている。吐出レジューサR1、R2は、予圧縮孔20、吐出口15、17から吐出される吐出空気を合流して後述する吐出側配管49、50へ送給する役割を果たす。
【0045】
以上のように構成されたブロワ1は、駆動側ロータ軸2に外部から回転駆動力が与えられることにより、ロータ6A、6B、7A、7Bが回転駆動され、第1ポンプ室4の第1段吸入口14から空気が吸入され、第2ポンプ室5の吐出口17から空気が吐出されるポンプ動作を行う。
【0046】
ブロワ1は、例えば図5に示すような、汚泥吸引車30に搭載されて使用される。この場合、駆動側ロータ軸2は、汚泥吸引車30の図示しない動力取出し装置(PTO)の駆動力によって回転駆動される。具体的には、駆動側ロータ軸2の一側部および汚泥吸引車30の動力取出し装置(PTO)に連動連結されたプロペラシャフト31の後端部にそれぞれVプーリ32、33(図5参照)が固設され、これらVプーリ32、33にVベルト34が巻き掛けられて、PTOの回転駆動力がブロワ1の駆動側ロータ軸2に伝達される。ブロワ1の駆動側ロータ軸2が回転駆動されると、タイミングギヤ9、9を介してその回転駆動力が従動側ロータ軸3にも伝達され、各一対のロータ6A、6Bおよびロータ7A、7Bが互いに反対方向へ回転され、上記ポンプ動作が行われる。
【0047】
汚泥吸引車30は、その車台35上に搭載しているレシーバタンク37内の空気圧を減圧することにより、レシーバタンク37に連結された吸引ホース38を通じて外部から同タンク37内に汚泥を吸引する。一方で、レシーバタンク37内の空気圧を加圧し、レシーバタンク37の後底部に設けられているバルブ39を開放することにより、レシーバタンク37内に蓄積している汚泥を外部(例えば汚泥処理場など)へ排出する。
【0048】
レシーバタンク37内の空気圧を加減圧するために、上記汚泥吸引車30には、図6の配管図に示すような、ブロワ1を含む汚泥吸引装置40を搭載している。レシーバタンク37には、レシーバタンク37内の空気を加減圧するために空気を送給又は吸引するためのタンク加減圧配管41が接続されている。タンク加減圧配管41は、途中位置で吸引配管42と加圧配管43とに分岐している。なお、吸引配管42の途中位置には、管路を開閉するバルブV1が介設され、加圧配管43の途中位置には、同じく管路を開閉するバルブV2が介設されている。
【0049】
吸引配管42は、下流端において、第1サイクロン集塵機44の吸入口45に接続されている。第1サイクロン集塵機44の排出口46は、配管47を介してブロワ1の第1段吸入口14に接続されている。ブロワ1の第1段吐出口15は、連通管49を介してブロワ1の第2段吸入口16に接続されている。ブロワ1の第2段吐出口17は、吐出側配管50を介してサイレンサ51のインポート51aに接続されている。なお、連通管49と配管50とは、配管50から連通管49への流れを規制する逆止弁Sを介して連通されている。
【0050】
サイレンサ51の第1アウトポート51bに加圧配管43の下流端が接続されている。サイレンサ51の第2アウトポート51cは、配管53を介して第2サイクロン集塵機54の吸入口55に接続されている。なお、配管53の途中位置には、管路を開閉するバルブV3が介設されている。サイレンサ51の第3アウトポート51dは、連絡配管57を介して配管53に接続されており、連絡配管57の途中位置にはサイレンサ51を異常圧力から保護するためのリリーフ弁58が介設されている。
【0051】
第2サイクロン集塵機54の大気バイパスポート59は、配管61を介して配管47の途中位置に接続されている。なお、配管61の途中位置には、管路を開閉するバルブV4が介設されている。
【0052】
上記第1サイクロン集塵機44と第2サイクロン集塵機54とは、1つのタンク60に一体的に搭載されており、タンク60内の隔壁60aによって、第1サイクロン集塵機44および第2サイクロン集塵機54が収集したゴミ、水滴等は分別された状態でタンク60内に蓄積される。
【0053】
ブロワ1へは、ブロワ1の吸入空気に混入される冷却水の供給配管62(以下「冷却水供給配管62」という。)の下流端が接続されている。冷却水供給配管62の上流端は、水タンク63に接続されており、この水タンク63から冷却水供給配管62を介してブロワ1へ冷却水が供給される。なお、水タンク63は、ブロワ1より高所に設置されており、水頭差およびベンチュリー効果によって冷却水がブロワ1の吸入空気に供給される。
【0054】
なお、後に詳述するブロワ1の洗浄水供給用連通孔64とタンク60とは、途中位置に管路を開閉するバルブV5が介設された、供給配管65によって連通されている。
【0055】
上記配管構成において、レシーバタンク37を減圧する場合について説明する。この場合、バルブV1およびバルブV3が開放され、バルブV2およびバルブV4が閉鎖される。なお、バルブV5は後述する予圧縮孔20の洗浄時を除き、常時閉鎖されている。
【0056】
上記バルブ操作後、汚泥吸引車30のエンジンの回転駆動力によりブロワ1が回転駆動されて、ブロワ1の第1段吸入口14から空気が吸入され、第2段吐出口17から空気が吐出される。すると、図6の配管に沿った実線矢印で示されるように、レシーバタンク37内の空気は、タンク加減圧配管41、吸引配管42を通じて第1サイクロン集塵機44に吸入される。
【0057】
第1サイクロン集塵機44は、円筒状の円筒室と、該円筒室の下方に連続した略円錐形状の円錐室とからなる処理チャンバ44aを備えている。第1サイクロン集塵機44に粉塵等を含む空気が吸入されると、処理チャンバ44aの内壁面に沿って螺旋気流が発生し、大部分の粉塵等は円錐室の下端開口から下方へ落下してタンク60内に回収される。
【0058】
一方、粉塵等が分離された空気は、螺旋気流の中心を上昇して処理チャンバ44a内の上側に設けられた排出管44bから第1サイクロン集塵機44の上方へ排出される。なお、既述したようにタンク60内は隔壁60aによって2室に隔てられており、一方の室に第1サイクロン集塵機44が、他方の室に第2サイクロン集塵機54が配置され、各サイクロン集塵機44、54により回収された粉塵、冷却水等は分別された状態でタンク60内に蓄積されるようになっている。
【0059】
第1サイクロン集塵機44から上方へ排出された空気は配管47を通じて、ブロワ1の第1段吸入口14へ吸入され、第1段吐出口15から吐出される。第1段吐出口15から吐出された空気は、連通管49を通じて、さらにブロワ1の第2段吸入口16へ吸入され、第2段吐出口17から吐出される。このとき、ブロワ1の第1ポンプ室4および第2ポンプ室5には、水タンク63から冷却水供給配管62を通じて冷却水が供給され、吸入空気中に混入される。第2段吐出口17から吐出された冷却水を含んだ空気は、配管50、サイレンサ51、配管53を通じて第2サイクロン集塵機54に吸入される。
【0060】
第2サイクロン集塵機54も、円筒状の円筒室と、円筒室の下方に連続した略円錐形状の円錐室とからなる処理チャンバ54aを備えている。第2サイクロン集塵機54に粉塵、冷却水等を含む空気が吸入されると、処理チャンバ54aの内壁面に沿って螺旋気流が発生し、大部分の粉塵、冷却水等は円錐室の下端開口から下方へ落下し、タンク60内に回収される。
【0061】
一方、第2サイクロン集塵機54において粉塵等が分離された空気は螺旋気流の中心を上昇して処理チャンバ54a内の上側に設けられた排出筒54bから大気へ排出される。
【0062】
つぎに、上記配管構成において、レシーバタンク37を加圧する場合について説明する。この場合、バルブV1およびバルブV3が閉鎖され、バルブV2およびバルブV4が開放される。なお、バルブV5は後述する予圧縮孔20の洗浄時を除き、常時閉鎖されている。
【0063】
上記バルブ操作後、汚泥吸引車30のエンジンの回転駆動力によりブロワ1が回転駆動されて、ブロワ1の第1段吸入口14から空気が吸入され、第2段吐出口17から空気が吐出される。すると、図6の破線矢印で示されるように、第2サイクロン集塵機54の排気筒54bから大気が吸入され、大気バイパスポート59、配管61、配管47を通じて、空気がブロワ1の第1段吸入口14へ吸入され、第2段吐出口17から空気が吐出される。第2段吐出口17から吐出された空気は、配管50、サイレンサ51、加圧配管43、タンク加減圧配管41を通じてレシーバタンク37内に供給され、レシーバタンク37内の空気が加圧される。
【0064】
つぎに、ブロワ1の回転駆動時の騒音について説明する。まず、予圧縮孔20による低騒音化について説明する。
【0065】
既述したように、ブロワ1のポンプ室4、5に冷却水が供給されつつ、ロータ6A、6B、7A、7Bが回転駆動されると、ロータ6Aとロータ6B、ロータ7Aとロータ7Bは互いに逆方向に回転し、各ロータの隣り合う葉片6a、7aとポンプ室4、5の内壁面との間に囲まれる空気搬送空間21によって、吸入口14、16側の空気が吐出口15、17側へ搬送される。
【0066】
空気搬送空間21が吐出口15、17に達する直前に、まず、1又は2個の予圧縮孔20によって、当該空気搬送空間21と吐出側配管49、50とが連通される。このとき、空気搬送空間21と吐出側配管49、50との圧力差が大きくても、連通面積が小さいので、空気搬送空間21内への空気の流入は緩やかに行われ、このとき発生する音も小さく抑えられる。
【0067】
ロータ軸2、3の軸芯方向に並ぶ予圧縮孔20の孔数は、吐出口15、17に接近するにつれて増加していることから、ロータ6A、6B、7A、7Bの回転がその後更に進行するに従って徐々に上記連通面積が緩やかに拡大し、かかる連通面積の緩やかな拡大に伴って、空気搬送空間21内への空気の流入も緩やかに行われる。この結果、予圧縮孔20を通じて空気搬送空間21内へ空気が流れ込む際に発生する音も小さく抑えられる。勿論、空気搬送空間21が吐出口15、17に達するころには、空気搬送空間21と吐出側配管49、50との差圧が僅かになり、空気搬送空間21が吐出口15、17に達する際に発生する音の大きさも十分に抑制される。
【0068】
つぎにロータ6A、6B、7A、7Bの形状に基づく低騒音化について説明する。
【0069】
既述したように、ロータの各凹円弧部Bにロータ軸2、3の軸芯方向に延びた断面小円弧状の溝B1が複数形成されている。このため、凹円弧部Bと凸円弧部Aとが互いに噛み合いながら反対方向に各一対のロータが回転駆動されているとき、一方のロータの凹円弧部Bと他方のロータの凸円弧部Aとの間に入り込んだ冷却水は断面小円弧状の溝B1へ逃げ込む。この結果、閉じ込み現象による騒音・振動の発生が抑制される。また、溝B1はロータの幅全体に亘って形成されているので、上記冷却水の逃げ込む場所を確実に確保することができる。
【0070】
ロータ6A、6B、7A、7Bは、上記低騒音化効果を奏するのみならず、製造工程においても従来製品と比較した利点を備えている。すなわち、一般的にルーツ式流体機械のロータは、マシニングセンタによる切削加工により製造されるが、上記ロータの凹円弧部Bに形成される溝B1は、ロータ軸2、3の軸芯方向に延びた断面小円弧状であるため、マシニングセンタの切削工具として前記小円弧状に対応したボールエンドミルを使用すれば、短時間で簡単に加工することができる。つまり、ボールエンドミルを僅かに(例えば0.5mm〜1.5mm程度)ロータ軸2、3側に寄せて、ロータ軸2、3の軸芯方向に当該ボールエンドミルを移動させるだけで、溝B1の加工を行うことができる。
【0071】
なお、溝B1は各凹円弧部Bに複数箇所形成されているので、冷却水の逃げ場所を広く確保することができ、各凹円弧部Bに単数の溝を設ける場合に比べて格段に騒音・振動を抑えることができる。
【0072】
つぎに、予圧縮孔20に付着するゴミの清掃手順について説明する。本発明の実施の形態に係るブロワ1は、配管とケーシングの分解作業を必要とせずに、予圧縮孔20の洗浄を簡易に行えるよう、以下に説明するような構成を備えている。
【0073】
ブロワ1の一対のロータ6A、6Bおよびロータ7A、7Bは、図7に示すように、互いに上下に配置されており、予圧縮孔20の吐出側端には、洗浄水供給空間としての予圧縮室18、19が各ポンプ室4、5の吐出側にそれぞれ形成されている。
【0074】
予圧縮室18、19は、それぞれ各ポンプ室4、5に形成された予圧縮孔20の吐出側端に連通している。また、予圧縮室18、19の上方には、予圧縮室18、19と外部とを連通する洗浄水供給用連通孔64、64、64がそれぞれ形成されている。また、予圧縮室18、19の下方には、予圧縮室18、19と外部とを連通する第1洗浄水排水用連通孔66、66が形成されており、この第1洗浄水排水用連通孔66にねじ込まれているドレンプラグ67を取り外すと予圧縮室18、19と外部とが連通される。さらに、各ポンプ室4、5の底部にも、各ポンプ室4、5と外部とをそれぞれ連通する第2洗浄水排水用連通孔68、68が形成されている。
【0075】
洗浄水供給用連通孔64は、供給配管65を介してタンク60と連通されており、供給配管65の途中位置に介設されたバルブV5が開放されることにより、タンク60内の水が水頭差により予圧縮室18、19内に供給されるようになっている。
【0076】
なお、洗浄水の供給源は、タンク60に限定されず、供給配管65の上流端部を水タンク63に接続して水タンク63を洗浄水の供給源としてもよいし、その他の貯水源を供給源としてもよい。
【0077】
第2洗浄水排水用連通孔68には、排水案内配管69の上流端が接続されており、その下流端に開閉弁70が設けられている。
【0078】
上記構成を備えるブロワ1において、予圧縮孔20を洗浄する場合は、エンジンの回転駆動力によるブロワ1の回転駆動を停止した上で、図7に示すように、ドレンプラグ67が取り外され、バルブV5および開閉弁70が開放される。すると、タンク60内の水が水頭差により洗浄水供給用連通孔64から予圧縮室18、19および空気搬送空間21内へ供給される。同時に、ロータ軸2、3に固定されているプーリ33が作業者の手によって正逆方向に回転されることでロータ6A、6B、7A、7Bが正逆方向に回転され、予圧縮室18、19と空気搬送空間21との間を予圧縮孔20を通じて洗浄水が往来し、予圧縮孔20に付着したゴミが洗い流される。
【0079】
予圧縮孔20に付着したゴミを洗い流した洗浄水は、第1洗浄水排水用連通孔66から、あるいは第2洗浄水排水用連通孔68を通じて排水案内配管69から外部へ排出される。
【0080】
予圧縮孔20の清掃が完了した後は、バルブV5、開閉弁70が閉鎖され、第1洗浄水排水用連通孔66にドレンプラグ67が取り付けられて、洗浄水の出入口が封鎖される。
【0081】
以下、上記ロータ6A、6B、7A、7Bの変形例について説明する。
【0082】
図8に変形例に係るロータを備えたブロワ1Aを示す。変形例に係るロータ6A’、6B’、7A’、7B’は、各凹円弧部Bにロータ軸2、3の軸芯方向に延びた断面小円弧状の溝B1を形成する代わりに、各凹円弧部Bにロータ軸2、3の軸芯方向に延びた断面コ字状の溝B2を形成している点で既述したブロワ1のロータ6A、6B、7A、7Bと相違している。断面コ字状の溝B2以外の構成は、ブロワ1と同じであり、同一符号を付してその説明を省略する。
【0083】
変形例に係るロータ6A’、6B’、7A’、7B’を備えるブロワ1Aでも、凹円弧部Bと凸円弧部Aとが互いに噛み合いながら反対方向に回転駆動されているとき、一方のロータの凹円弧部Bと他方のロータの凸円弧部Aとの間に入り込んだ冷却水は断面コ字状の溝B2へ逃げ込むため、閉じ込み現象による騒音・振動の発生が抑制される。また、溝B2はロータの幅全体に亘って形成されているので、上記冷却水の逃げ込む場所を確実に確保することができる。
【0084】
ロータ6A’、6B’、7A’、7B’は、上記低騒音化効果を奏するのみならず、製造工程においても従来製品と比較した利点を備えている。すなわち、一般的にルーツ式流体機械のロータは、マシニングセンタによる切削加工により製造されるが、上記ロータ6A’、6B’、7A’、7B’の凹円弧部Bに形成される溝B2は、ロータ軸2、3の軸芯方向に延びた断面コ字状であるため、マシニングセンタの切削工具としてエンドミル使用し、このエンドミルを僅かに(例えば0.5mm〜1.5mm程度)ロータ軸2、3側に寄せて、ロータ軸2、3の軸芯方向に当該エンドミルを移動させるだけで、溝B2の加工を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明は、ルーツ式ブロワ、ルーツ式真空ポンプなどのルーツ式流体機械に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】ブロワの断面図であって、ブロワをロータ軸の軸芯を含む平面で切断した断面図である。
【図2】ブロワの断面図であって、ブロワをロータ軸の軸芯に直交する平面で切断した断面図である。
【図3】ブロワを吐出側から見た図である。
【図4】吐出レジューサを取り外した状態のブロワを吐出側から見た図である。
【図5】ブロワを搭載した汚泥吸引車の左側面図である。
【図6】ブロワを搭載した汚泥吸引車の配管図である。
【図7】ブロワをロータ軸の軸芯に直交する平面で切断した断面図であって、予圧縮孔の洗浄手順を説明するための図である。
【図8】変形例に係るロータを備えるブロワの断面図であって、当該ブロワをロータ軸の軸芯に直交する平面で切断した断面図である。
【符号の説明】
【0087】
A 凸円弧部
B 凹円弧部
B1 断面小円弧状の溝
B2 断面コ字状の溝
X ケーシング
1 ブロワ(ルーツ式流体機械)
2、3 ロータ軸
4、5 ポンプ室
6A、6B、7A、7B ロータ
6a、7a 葉片
15、17 吐出口
18、19 予圧縮室(洗浄水供給空間)
20 予圧縮孔
21 空気搬送空間
64 洗浄水供給用連通孔
66 第1洗浄水排水用連通孔
68 第2洗浄水排水用連通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数段のポンプ室が空気の吸入側配管と吐出側配管とで相互に直列的に連通され、空気を送給するための一対の3葉ロータが各ポンプ室にそれぞれ収納され、前記3葉ロータの隣り合う葉片間とケーシングの内壁面との間に囲まれる空気搬送空間が吐出口に達する直前に当該空気搬送空間と吐出側配管とを連通する複数の予圧縮孔が設けられたルーツ式流体機械において、
前記吐出口に接近するにつれてロータ軸の軸芯方向に並ぶ前記予圧縮孔の孔数が増加していることを特徴とするルーツ式流体機械。
【請求項2】
請求項1に記載のルーツ式流体機械において、前記吐出口は、前記3葉ロータの回転方向に対して直交する方向を長手方向とした、矩形状であることを特徴とするルーツ式流体機械。
【請求項3】
複数段のポンプ室が空気の吸入側配管と吐出側配管とで相互に直列的に連通され、空気を送給するための一対の3葉ロータが各ポンプ室にそれぞれ収納されたルーツ式流体機械において、
前記3葉ロータの各凹円弧部に、ロータ軸の軸芯方向に延びた断面小円弧状の溝が複数形成されたことを特徴とするルーツ式流体機械。
【請求項4】
複数段のポンプ室が空気の吸入側配管と吐出側配管とで相互に直列的に連通され、空気を送給するための一対の3葉ロータが各ポンプ室にそれぞれ収納されたルーツ式流体機械において、
前記3葉ロータの各凹円弧部に、ロータ軸の軸芯方向に延びた断面コ字状の溝が形成されたことを特徴とするルーツ式流体機械。
【請求項5】
複数段のポンプ室が空気の吸入側配管と吐出側配管とで相互に直列的に連通され、空気を送給するための一対のロータが各ポンプ室にそれぞれ収納され、前記ロータの隣り合う葉片間とケーシングの内壁面との間に囲まれる空気搬送空間が吐出口に達する直前に当該空気搬送空間と吐出側配管とを連通する複数の予圧縮孔が設けられたルーツ式流体機械において、
前記一対のロータは互いに上下に配置されており、
前記複数の予圧縮孔の吐出側端に連通した洗浄水供給空間が各ポンプ室の吐出側に形成され、
前記洗浄水供給空間の上方に当該洗浄水供給空間と外部とを連通する洗浄水供給用連通孔が形成され、
前記洗浄水供給空間の下方に当該洗浄水供給空間と外部とを連通する第1洗浄水排水用連通孔が形成されたことを特徴とするルーツ式流体機械。
【請求項6】
請求項5に記載のルーツ式流体機械において、前記各ポンプ室の下方に各ポンプ室と外部とを連通する第2洗浄水排水用連通孔がそれぞれ形成されたことを特徴とするルーツ式流体機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−236092(P2009−236092A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−86572(P2008−86572)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(000002358)新明和工業株式会社 (919)
【出願人】(000205144)大晃機械工業株式会社 (8)
【Fターム(参考)】