ルーティング装置、通信制御方法および通信システム
【課題】通信システム内のPCRFに障害が発生したとき、通信システムが加入者への通信サービスの提供を継続するための技術を提供する。
【解決手段】本発明のルーティング装置は、加入者の通信について帯域あるいは課金の両方あるいは一方の制御を行う複数の制御装置のいずれへ制御の実行を要求するかを加入者に応じて振り分けるルーティング装置であって、加入者と、該加入者の通信についての制御を実行すべき制御装置との対応を示すマッピング情報を管理しており、いずれかの制御装置に障害が発生すると、該制御装置に制御の実行を要求する対象となっている加入者の制御の実行を他の制御装置に移すようにマッピング情報を更新する管理手段と、加入者の端末が通信を行うとき、該加入者に対応する制御装置をマッピング情報から取得し、該取得した制御装置に該加入者の通信についての制御の実行を要求する制御手段を有する。
【解決手段】本発明のルーティング装置は、加入者の通信について帯域あるいは課金の両方あるいは一方の制御を行う複数の制御装置のいずれへ制御の実行を要求するかを加入者に応じて振り分けるルーティング装置であって、加入者と、該加入者の通信についての制御を実行すべき制御装置との対応を示すマッピング情報を管理しており、いずれかの制御装置に障害が発生すると、該制御装置に制御の実行を要求する対象となっている加入者の制御の実行を他の制御装置に移すようにマッピング情報を更新する管理手段と、加入者の端末が通信を行うとき、該加入者に対応する制御装置をマッピング情報から取得し、該取得した制御装置に該加入者の通信についての制御の実行を要求する制御手段を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システム内の装置に障害が発生したときの通信システムの復旧方法に関する。
【背景技術】
【0002】
3GPP(3rd Generation Partnership Project)で規定される勧告TS29.213 V8.2.0において、PCRF(Policy and Charging Rules Function;帯域/課金制御装置)およびDRA(Diameter Routing Agent;PCRF選択装置)が示されている。3GPPの通信システムの構成としては、PCRFを備えた構成と、PCRFおよびDRAを備えた構成とが考えられる。
【0003】
PCRFを備えた通信システムの例を図5に示す。
【0004】
図5に示した通信システムは、ゲートウェイ1および複数のPCRF2、3、4を有する。
【0005】
ゲートウェイ1は、ゲートウェイ1と複数のPCRF2、3、4とを接続するネットワークと、外部のネットワークとの間のデータを相互に変換、中継する装置である。
【0006】
ゲートウェイ1は、不図示の端末から接続を要求されると、いずれかのPCRFに対して、その端末が通信で使用する帯域幅やQoSレベルなどを含むポリシーの取得要求を示すポリシー要求を送信する。ゲートウェイ1からポリシー要求を受信したPCRFは、ポリシー要求に対する応答としてその端末を利用する加入者に指定されているポリシーをゲートウェイ1に送信する。
【0007】
PCRF2、3、4は、ネットワークを利用する端末の通信についての帯域制御および課金制御を行う装置である。
【0008】
帯域制御および課金制御は、加入者毎に行われ、制御に必要な各加入者の加入者データは、不図示のHSS(Home Subscriber Server;家庭加入者向けサーバ)で管理されている。
【0009】
各PCRFは、ゲートウェイ1からポリシー要求を受信すると、その端末を利用する加入者の加入者データをHSSから取得し、ポリシー要求に対する応答として、加入者データでその加入者に指定されているポリシーをゲートウェイ1に送信する。
【0010】
加入者Aについての帯域制御および課金制御をPCRF2が行い、加入者Bについての帯域制御および課金制御をPCRF3が行う場合の例について説明する。
【0011】
ゲートウェイ1は、加入者Aの端末から接続を要求されると、加入者Aについての帯域制御および課金制御を行うPCRF2にポリシー要求を送信する。ポリシー要求を受信したPCRF2は、加入者Aの加入者データをHSSから取得し、ポリシー要求に対する応答として、加入者データで加入者Aに指定されているポリシーをゲートウェイ1に送信する。
【0012】
また、ゲートウェイ1は、加入者Bから接続を要求されると、加入者Bについての帯域制御および課金制御を行うPCRF3にポリシー要求を送信する。ポリシー要求を受信したPCRF3は、加入者Bの加入者データをHSSから取得し、ポリシー要求に対する応答として、加入者データで加入者Bに指定されているポリシーをゲートウェイ1に送信する。
【0013】
PCRFおよびDRAを備えた通信システムの例を図6に示す。
【0014】
図6に示した通信システムは、ゲートウェイ1および複数のPCRF2、3、4に加えて、複数のDRA5、6、7を有する。
【0015】
DRA5、6、7は、ゲートウェイ1の代わりに、ポリシー要求を送信すべきPCRFを選択する装置である。DRA5、6、7は、ネットワークを利用する加入者と各加入者についての帯域制御および課金制御を行うPCRFとの対応を示すマッピング情報を有しており、ゲートウェイ1から受信したポリシー要求を、マッピング情報に従って適切なPCRFに送信する。尚、ゲートウェイ1は、例えば、ラウンドロビン方式によって、ポリシー要求を送信するDRAを選択する。
【0016】
尚、ゲートウェイ1、PCRF2、3、4、およびDRA5、6、7は全てが互いにフルメッシュで接続される。
【0017】
加入者Aについての帯域制御および課金制御をPCRF2が行う場合の例について説明する。
【0018】
ゲートウェイ1は、加入者Aからの信号を受信すると、任意のDRAにポリシー要求を送信する。ゲートウェイ1からポリシー要求を受信したDRAは、自装置が有するマッピング情報より加入者Aについての帯域制御および課金制御を行うのはPCRF2であることを認識し、PCRF2にポリシー要求を送信する。ポリシー要求を受信したPCRF2は、加入者Aの加入者データをHSSから取得し、ポリシー要求に対する応答として、加入者データで加入者Aに指定されているポリシーをポリシー要求を送信したDRAに送信する。そして、PCRF2からポリシーを受信したDRAは、受信したポリシーをゲートウェイ1に送信する。
【0019】
しかしながら、このとき、PCRF2に障害が発生していると、PCRF2からDRAにポリシー要求に対する応答が返信されなくなる。その結果、加入者Aについての帯域制御および課金制御が行われなくなるため、加入者Aは、通信サービスを受けることができなくなる。
【0020】
例えば、特許文献1には、おのおの固有のメモリを有する、複数のプロセッサが、いずれかのメモリで障害が発生したときに動作を継続させるための技術が提案されている。特許文献1では、複数のプロセッサは、互いのメモリにアクセスでき、データを書き込む際は、互いのメモリに同一データを書き込む。これにより、あるプロセッサが有するメモリで障害が発生した場合でも、そのプロセッサは他のプロセッサが有するメモリを用いて動作を継続することができる。
【0021】
ただし、特許文献1の技術は、メモリに障害が発生したときのプロセッサの動作を継続させるための技術であり、PCRFに障害が発生したときに、そのPCRFが行うべき加入者への通信サービスの処理を継続させるのに有効ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0022】
【特許文献1】特開平5−94379号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
上述したように、従来の通信システムでは、PCRFに障害が発生すると、そのPCRFで帯域制御および課金制御を行う加入者について、通信サービスを提供することができなくなる。
【0024】
本発明の目的は、通信システム内のPCRFに障害が発生したとき、通信システムが加入者への通信サービスの提供を継続するための技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0025】
上記目的を達成するために、本発明のルーティング装置は、加入者の通信について帯域あるいは課金の両方あるいは一方の制御を行う複数の制御装置のうち、いずれの制御装置へ制御の実行を要求するかを加入者に応じて振り分けるルーティング装置であって、加入者と、該加入者の通信についての制御を実行すべき制御装置との対応を示すマッピング情報を管理しており、前記複数の制御装置のいずれかの制御装置に障害が発生すると、該障害の発生した制御装置に制御の実行を要求する対象となっている加入者の制御の実行を他の制御装置に移すように前記マッピング情報を更新する管理手段と、加入者の端末が通信を行うとき、該加入者に対応する制御装置を前記マッピング情報から取得し、該取得した制御装置に該加入者の通信についての制御の実行を要求する制御手段を有する。
【0026】
また、上記目的を達成するために、本発明の通信制御方法は、加入者の通信について帯域あるいは課金の両方あるいは一方の制御を行う複数の制御装置のうち、いずれの制御装置へ制御の実行を要求するかを加入者に応じて振り分けるルーティング装置の通信制御方法であって、管理手段が、加入者と、該加入者の通信についての制御を実行すべき制御装置との対応を示すマッピング情報を管理しており、前記複数の制御装置のいずれかの制御装置に障害が発生すると、該障害の発生した制御装置に制御の実行を要求する対象となっている加入者の制御の実行を他の制御装置に移すように前記マッピング情報を更新し、制御手段が、加入者の端末が通信を行うとき、該加入者に対応する制御装置を前記マッピング情報から取得し、前記取得した制御装置に該加入者の通信についての制御の実行を要求する。
【0027】
また、上記目的を達成するために、本発明の通信システムは、加入者の通信について帯域あるいは課金の両方あるいは一方の制御を行う複数の制御装置と、加入者と、該加入者の通信についての制御を実行すべき制御装置との対応を示すマッピング情報を管理しており、前記複数の制御装置のいずれかの制御装置に障害が発生すると、該障害の発生した制御装置に制御の実行を要求する対象となっている加入者の制御の実行を他の制御装置に移すように前記マッピング情報を更新し、加入者の端末が通信を行うとき、該加入者に対応する制御装置を前記マッピング情報から取得し、該取得した制御装置に該加入者の通信についての制御の実行を要求するルーティング装置を有する。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、通信システム内のPCRFに障害が発生したとき、通信システムは加入者への通信サービスの提供を継続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施形態における通信システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態におけるルーティング装置の構成を示すブロック図である。
【図3】記憶装置40に保存されるPCRF選択情報の例を示す図である。
【図4】図2に示したルーティング装置がPCRFの再割り当てをするときの処理を示すフローチャートである。
【図5】PCRFを備えた通信システムの例を示すブロック図である。
【図6】PCRFおよびDRAを備えた通信システムの例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
次に本発明について図面を参照して詳細に説明する。
【0031】
ゲートウェイ、複数のPCRF、複数のDRAおよびHSSを有する通信システムでは、PCRFが各加入者についての帯域制御および課金制御を行うために必要な、各加入者の加入者データは、HSSで一元的に管理される。
【0032】
そのため、あるPCRFで障害が発生しても、そのPCRFが帯域制御および課金制御を行うべき加入者についての帯域制御および課金制御を他のPCRFが実施すれば、加入者へ通信サービスを提供し続けることができる。
【0033】
しかし、ネットワークへ接続する端末の通信についての帯域制御および課金制御を行うのがいずれのPCRFであるかをDRAが認識していなければ、加入者へ通信サービスを提供することはできない。
【0034】
そこで、本実施形態の通信システムでは、DRAの機能を有するルーティング装置が、PCRFの障害発生を監視し、いずれかのPCRFで障害が発生すると、そのPCRFが帯域制御および課金制御を行うべき加入者毎に新たに帯域制御および課金制御を行うPCRFを割り当てなおす。本実施形態の通信システムでは、ルーティング装置毎にPCRFを割り当てなおすべき加入者が予め設定されており、ルーティング装置は、自装置が担当する加入者についてPCRFを割り当てなおすと、加入者とPCRFとの新たな関係付けを、自装置以外のルーティング装置に通知する。
【0035】
通信システム内のPCRFに障害が発生したときであっても、各ルーティング装置が加入者とPCRFとの関係付けを共有することにより、加入者へ提供する通信サービスの継続を図る。
【0036】
図1は本発明の一実施形態における通信システムの構成を示すブロック図である。
【0037】
図1に示すように、本発明の一実施形態における通信システムは、ゲートウェイ1、PCRF2、3、4およびルーティング装置8、9、10を有する。
【0038】
ゲートウェイ1は、図1に示すネットワークと外部のネットワークとの間のデータを相互に変換、中継する装置である。
【0039】
ゲートウェイ1は、不図示の端末から接続を要求されると、いずれかのルーティング装置にポリシー要求を送信する。
【0040】
PCRF2、3、4は、ネットワークを利用する端末の通信についての帯域制御および課金制御を行う装置である。
【0041】
帯域制御および課金制御は、加入者毎に行われ、制御に必要な各加入者の加入者データは、不図示のHSSで管理されている。
【0042】
PCRF2、3、4は、ルーティング装置からポリシー要求を受信すると、その端末を利用する加入者の加入者データをHSSから取得し、ポリシー要求に対する応答として、加入者データでその加入者に指定されているポリシーを、ポリシー要求を送信したルーティング装置に送信する。
【0043】
ルーティング装置8、9、10は、PCRF選択装置であるDRAの機能を拡張した装置であり、DRAが備える機能を有する。
【0044】
ルーティング装置8、9、10は、ゲートウェイ1からポリシー要求を受信すると、いずれのPCRFへポリシー要求を送信するかを加入者に応じて振り分ける。また、ルーティング装置8、9、10は、ポリシー要求を送信したPCRFからポリシー要求に対する応答として加入者毎に指定されているポリシーを受信すると、受信したポリシーをゲートウェイ1に送信する。
【0045】
図2は本発明の一実施形態におけるルーティング装置の構成を示すブロック図である。
【0046】
図2に示すように、本発明の一実施形態におけるルーティング装置は、制御部20と、管理部30と、記憶装置40とを有する。
【0047】
制御部20は、DRAが備える、ネットワークを利用する端末の通信についての帯域制御および課金制御を行うPCRFを選択する機能を有する。
【0048】
制御部20は、ゲートウェイ1からポリシー要求を受信すると、受信したポリシー要求を送信すべきPCRFを決定する。尚、ルーティング装置は、ネットワークを利用する加入者と各加入者についての帯域制御および課金制御を行うPCRFとの対応を示すマッピング情報として、PCRF選択情報を管理する。PCRF選択情報は、予めルーティング装置に設定され、記憶装置40に保存される。記憶装置40に保存されるPCRF選択情報の例を図3に示す。制御部20は、PCRF選択情報に基づいて、受信したポリシー要求を送信すべきPCRFを決定する。
【0049】
尚、制御部20は、ゲートウェイ1およびPCRFのそれぞれとDiameterプロトコルで規定されるデータを送受信する。
【0050】
管理部30は、PCRFの障害発生状況を監視し、障害が発生すると、障害が発生したPCRFが帯域制御および課金制御を行うべき加入者(以降、被制御加入者と称する)について、新たにその加入者についての帯域制御および課金制御を行うPCRFを割り当てなおす機能を有する。
【0051】
管理部30は、障害検出部31、再割当部32、再割当情報送信部33および再割当情報受信部34を有する。
【0052】
障害検出部31は、本実施形態の通信システムが有する、全てのPCRFの障害発生状況を監視する。障害検出部31は、例えば、ルーティング装置とPCRFとの間の通信で用いられるSCTP(Stream Control Transmission Protocol)の接続状況によって障害発生を判別してもよいし、ルーティング装置とPCRFとの間に障害監視用の通信手順を独自に設けて障害発生を判別してもよい。
【0053】
尚、本実施形態のルーティング装置は、あるPCRFに障害が発生すると、そのPCRFの被制御加入者毎に新たに帯域制御および課金制御を行うPCRFを割り当てなおす。本実施形態の通信システムは、複数のルーティング装置を有するため、混乱をきたさないように、加入者毎に帯域制御および課金制御を行うPCRFを割り当てなおすルーティング装置(以降、リーダルーティング装置と称する)を事前に定めておく。
【0054】
各ルーティング装置は、PCRFに障害が発生したときに自装置が帯域制御および課金制御を行うPCRFを割り当てなおすべき加入者をリーダ加入者情報として管理する。以降、自装置が帯域制御および課金制御を行うPCRFを割り当てなおすべき加入者をリーダ加入者と称し、そうでない被制御加入者を非リーダ加入者と称する。リーダ加入者情報は、予めルーティング装置に設定され、記憶装置40に保存される。記憶装置40に保存されるリーダ加入者情報の例を図3に示す。
【0055】
障害検出部31は、PCRFに障害が発生したことを判別すると、PCRF選択情報からそのPCRFの被制御加入者を抽出する。そして、障害検出部31は、抽出された被制御加入者がリーダ加入者であるか否かをリーダ加入者情報に基づいて判別する。
【0056】
障害検出部31は、リーダ加入者についてPCRFの再割り当てを再割当部32に依頼する。
【0057】
再割当部32は、障害検出部31からリーダ加入者についてPCRFの再割り当てを依頼されると、再割り当てを依頼されたリーダ加入者についての帯域制御および課金制御を行うPCRFを決定する。尚、ルーティング装置は、リーダ加入者についての帯域制御および課金制御を行うことができるPCRFを予備PCRF情報として管理する。予備PCRF情報は、予めルーティング装置に設定され、記憶装置40に保存される。記憶装置40に保存される予備PCRF情報の例を図3に示す。
【0058】
再割当部32は、再割り当てを依頼されたリーダ加入者についての帯域制御および課金制御を行うPCRFを予備PCRF情報に基づいて決定する。そして、再割当部32は、決定した結果に基づいて記憶装置40に保存されたPCRF選択情報を更新する。
【0059】
再割当部32は、記憶装置40に保存されたPCRF選択情報を更新すると、本実施形態の通信システムが有する、自装置以外のルーティング装置に更新したPCRF選択情報を通知するように再割当情報送信部33に依頼する。
【0060】
再割当情報送信部33は、更新したPCRF選択情報の通知を再割当部32から依頼されると、更新したPCRF選択情報を自装置以外のルーティング装置に通知する。尚、ルーティング装置は、更新したPCRF選択情報を通知すべき、自装置以外のルーティング装置を情報共有装置情報として管理する。情報共有装置情報は、予めルーティング装置に設定され、記憶装置40に保存される。記憶装置40に保存される情報共有装置情報の例を図3に示す。
【0061】
再割当情報送信部33は、更新したPCRF選択情報を情報共有装置情報で指定されるルーティング装置に通知する。
【0062】
再割当情報受信部34は、自装置以外のルーティング装置から、そのルーティング装置のリーダ加入者について更新されたPCRF選択情報を受信する。再割当情報受信部34は、記憶装置40に保存されたPCRF選択情報のうち、受信したPCRF選択情報で更新されている加入者の項目を更新する。
【0063】
記憶装置40は、PCRF選択情報、リーダ加入者情報、予備PCRF情報および情報共有装置情報を記憶する記憶装置である。
【0064】
次に図2に示したルーティング装置がPCRFの再割り当てをするときの処理について説明する。
【0065】
図4は図2に示したルーティング装置がPCRFの再割り当てをするときの処理を示すフローチャートである。
【0066】
まず、ルーティング装置の障害検出部31は、本実施形態の通信システムが有する全てのPCRFの障害発生状況を監視する(ステップS1)。
【0067】
障害検出部31は、全てのPCRFのいずれかに障害が発生したことを検出すると、そのPCRFの被制御加入者をPCRF選択情報から抽出する(ステップS2)。次に、障害検出部31は、抽出された被制御加入者毎に、その被制御加入者が自装置のリーダ加入者であるか否かを、リーダ加入者情報に基づいて判別する(ステップS3)。
【0068】
抽出された被制御加入者が自装置のリーダ加入者でない場合、障害検出部31は、その被制御加入者を非リーダ加入者として記憶し、ステップS8へ移行する(ステップS4)。
【0069】
一方、抽出された被制御加入者が自装置のリーダ加入者である場合、障害検出部31は、その被制御加入者のPCRFの再割り当てを再割当部32に依頼する。
【0070】
障害検出部31からPCRFの再割り当てを依頼されると、再割当部32は、予備PCRF情報に基づいて、再割り当てを依頼された被制御加入者についての帯域制御および課金制御を行うPCRFを決定する(ステップS5)。
【0071】
再割り当てを依頼された被制御加入者についての帯域制御および課金制御を行うPCRFを決定すると、再割当部32は、決定した結果に基づいて記憶装置40に保存されたPCRF選択情報を更新する(ステップS6)。
【0072】
記憶装置40に保存されたPCRF選択情報を更新すると、再割当部32は、自装置以外のルーティング装置に更新したPCRF選択情報を通知するように再割当情報送信部33に依頼する。
【0073】
更新したPCRF選択情報を通知するように再割当部32から依頼されると、再割当情報送信部33は、情報共有装置情報に基づいて、更新したPCRF選択情報を通知するルーティング装置を抽出し、更新したPCRF選択情報を通知する(ステップS7)。
【0074】
ある被制御加入者についての処理が完了すると、障害検出部31は、障害が発生したPCRFの全ての被制御加入者についての処理が完了したか否かを判別する(ステップS8)。
【0075】
まだ処理されてない被制御加入者が存在する場合、障害検出部31は、ステップS3に移行し、引き続き、処理されてない被制御加入者についての処理を続行する。
【0076】
一方、全ての被制御加入者の処理が完了した場合、障害検出部31は、障害が発生したPCRFの全ての被制御加入者の中に非リーダ加入者が存在したか否かを、ステップS4で記憶しておいた非リーダ加入者の情報に基づいて判別する(ステップS9)。
【0077】
非リーダ加入者が存在しない場合、障害検出部31は、ステップS1へ移行し、再度、本実施形態の通信システムが有する全てのPCRFの障害発生状況を監視する。
【0078】
一方、非リーダ加入者が存在する場合、障害検出部31は、その非リーダ加入者のリーダルーティング装置からその非リーダ加入者について更新されたPCRF選択情報を受信するように再割当情報受信部34に依頼する。このとき、障害検出部31は、ステップS4で記憶しておいた、非リーダ加入者の情報を再割当情報受信部34に通知する。
【0079】
PCRF選択情報の受信を障害検出部31から依頼されると、再割当情報受信部34は、非リーダ加入者のリーダルーティング装置からその非リーダ加入者について更新されたPCRF選択情報を受信するまで待機する(ステップS10)。非リーダ加入者のリーダルーティング装置からPCRF選択情報を受信すると、再割当情報受信部34は、記憶装置40に保存されたPCRF選択情報のうち、受信したPCRF選択情報で更新されている加入者の項目を更新する(ステップS11)。
【0080】
ある被制御加入者について処理が完了すると、再割当情報受信部34は、自装置のPCRF選択情報について、全ての非リーダ加入者の情報が更新されたか否かを、障害検出部31から受信した非リーダ加入者の情報に基づいて判別する(ステップS12)。
【0081】
まだ更新されてない非リーダ加入者の情報がある場合、再割当情報受信部34は、ステップS10に移行し、更新されてない非リーダ加入者の情報についてそれぞれの非リーダ加入者のリーダルーティング装置からPCRF選択情報を受信するまで待機する。
【0082】
一方、全ての非リーダ加入者の情報が更新された場合、再割当情報受信部34は、ステップS1へ移行する。障害検出部31は、再度、本実施形態の通信システムが有する全てのPCRFの障害発生状況を監視する。
【0083】
尚、障害が発生したPCRFの被制御加入者がリーダ加入者である場合、制御部20は、ステップS6でその被制御加入者についてのPCRF選択情報が更新されるまでは、その被制御加入者に対するデータを受信してもこれを破棄する。
【0084】
また、障害が発生したPCRFの被制御加入者が非リーダ加入者である場合、制御部20は、ステップS11でその被制御加入者についてのPCRF選択情報が更新されるまでは、その被制御加入者に対するデータを受信してもこれを破棄する。
【0085】
尚、ルーティング装置から新たな加入者を割り当てられたPCRFは、いずれかのルーティング装置からその加入者についてのポリシー要求を受信したときに、その加入者の加入者データをHSSから取得し、加入者データに基づいてその加入者についての帯域制御および課金制御を実施する。
【0086】
以下に、図1に示した通信システムにおいて、PCRFに障害が発生したときの例について説明する。
【0087】
例えば、ルーティング装置8には、図3に示すPCRF選択情報、リーダ加入者情報、予備PCRF情報および情報共有装置情報が管理されているとする。図3に示すように、加入者Aについての帯域制御および課金制御を行うPCRFは、PCRF2であり、加入者Aのリーダルーティング装置は、ルーティング装置8である。このとき、PCRF2に障害が発生したとする。
【0088】
まず、ルーティング装置8の障害検出部31は、PCRF2、3、4の障害発生状況を監視する。
【0089】
障害検出部31は、PCRF2に障害が発生したことを検出すると、PCRF選択情報から、PCRF2の被制御加入者として、まず、加入者Aを抽出する。
【0090】
PCRF選択情報に基づくと、加入者Aはルーティング装置8のリーダ加入者であるため、障害検出部31は、加入者AのPCRFの再割り当てを再割当部32に依頼する。
【0091】
再割当部32は、予備PCRF情報に基づいて、加入者AのPCRFの割り当て先をPCRF4に変更し、記憶装置40のPCRF選択情報を更新する。
【0092】
次に、再割当部32は、更新したPCRF選択情報を自装置以外のルーティング装置に通知するように再割当情報送信部33に依頼する。
【0093】
再割当情報送信部33は、情報共有装置情報から、更新したPCRF選択情報を通知するルーティング装置としてルーティング装置9、10を抽出し、ルーティング装置9、10に更新したPCRF選択情報を通知する。
【0094】
次に、障害検出部31は、PCRF選択情報から、PCRF2の被制御加入者として、加入者Eを抽出する。
【0095】
PCRF選択情報に基づくと、加入者Eはルーティング装置8のリーダ加入者でないため、障害検出部31は、加入者Eを非リーダ加入者として記憶しておく。
【0096】
PCRF選択情報に基づくと、PCRF2の被制御加入者は、加入者Aと加入者Eのみであるため、次に、障害検出部31は、PCRF2の被制御加入者の中に非リーダ加入者が存在したか否かを判別する。非リーダ加入者として加入者Eが存在するため、障害検出部31は、加入者Eのリーダルーティング装置から加入者Eの情報について更新されたPCRF選択情報を受信するように再割当情報受信部34に依頼する。
【0097】
再割当情報受信部34は、加入者Eのリーダルーティング装置から加入者Eの情報について更新されたPCRF選択情報を受信すると、受信したPCRF選択情報に基づいて、記憶装置40に保存されたPCRF選択情報のうち、加入者Eの項目を更新する。
【0098】
再割当情報受信部34が、記憶装置40に保存されたPCRF選択情報の加入者Eの項目を更新すると、障害検出部31は、再度、PCRF2、3、4の障害発生状況を監視する。
【0099】
尚、新たに加入者Aを割り当てられたPCRF4は、いずれかのルーティング装置から加入者Aについてのポリシー要求を受信したときに、加入者Aの加入者データをHSSから取得し、加入者データに基づいて加入者Aについての帯域制御および課金制御を実施する。
【0100】
これ以降、ルーティング装置8、9、10は、ゲートウェイ1から加入者Aについてのポリシー要求を受信すると、PCRF4にそのポリシー要求を送信する。
【0101】
以上説明したように、本実施形態によれば、DRAの機能を有するルーティング装置が、PCRFの障害発生を監視し、いずれかのPCRFで障害が発生すると、そのPCRFが帯域制御および課金制御を行うべき加入者毎に新たに帯域制御および課金制御を行うPCRFを割り当てなおす。これにより、通信システム内のPCRFに障害が発生したときであっても、通信システムは、加入者への通信サービスの提供を継続することができる。
【0102】
また、本実施形態によれば、PCRFを割り当てなおしたルーティング装置は、加入者とその加入者の通信についての制御を実行すべきPCRFとの対応を示すマッピング情報を、自装置以外のルーティング装置に通知する。これにより、通信システム内のPCRFに障害が発生したときであっても、各ルーティング装置は、加入者とその加入者の通信についての制御を実行すべきPCRFとの関係付けを共有することができる。
【0103】
また、ルーティング装置毎にPCRFを割り当てなおすべき加入者が予め設定され、各ルーティング装置が、自装置が担当する加入者についてPCRFを割り当てなおすことにより、通信システム内でのルーティング装置の処理の負荷を分散することができる。
【0104】
また、本実施形態によれば、新たなマッピング情報を通知されたルーティング装置は、受信したマッピング情報に従って自装置のマッピング情報を更新する。これにより、通信システム内のPCRFに障害が発生したときであっても、各ルーティング装置は、適切なPCRFにポリシー要求を送信することができる。
【0105】
また、本実施形態のルーティング装置は、PCRFに障害が発生すると、そのPCRFの被制御加入者についてのPCRF選択情報が更新されるまでは、その被制御加入者に対するデータを受信してもこれを破棄する。これにより、障害で動作できないPCRFへの要求を行うような冗長な処理を抑止することができる。
【符号の説明】
【0106】
1 ゲートウェイ
2、3、4 PCRF
5、6、7 DRA
8、9、10 ルーティング装置
20 制御部
30 管理部
31 障害検出部
32 再割当部
33 再割当情報送信部
34 再割当情報受信部
40 記憶装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システム内の装置に障害が発生したときの通信システムの復旧方法に関する。
【背景技術】
【0002】
3GPP(3rd Generation Partnership Project)で規定される勧告TS29.213 V8.2.0において、PCRF(Policy and Charging Rules Function;帯域/課金制御装置)およびDRA(Diameter Routing Agent;PCRF選択装置)が示されている。3GPPの通信システムの構成としては、PCRFを備えた構成と、PCRFおよびDRAを備えた構成とが考えられる。
【0003】
PCRFを備えた通信システムの例を図5に示す。
【0004】
図5に示した通信システムは、ゲートウェイ1および複数のPCRF2、3、4を有する。
【0005】
ゲートウェイ1は、ゲートウェイ1と複数のPCRF2、3、4とを接続するネットワークと、外部のネットワークとの間のデータを相互に変換、中継する装置である。
【0006】
ゲートウェイ1は、不図示の端末から接続を要求されると、いずれかのPCRFに対して、その端末が通信で使用する帯域幅やQoSレベルなどを含むポリシーの取得要求を示すポリシー要求を送信する。ゲートウェイ1からポリシー要求を受信したPCRFは、ポリシー要求に対する応答としてその端末を利用する加入者に指定されているポリシーをゲートウェイ1に送信する。
【0007】
PCRF2、3、4は、ネットワークを利用する端末の通信についての帯域制御および課金制御を行う装置である。
【0008】
帯域制御および課金制御は、加入者毎に行われ、制御に必要な各加入者の加入者データは、不図示のHSS(Home Subscriber Server;家庭加入者向けサーバ)で管理されている。
【0009】
各PCRFは、ゲートウェイ1からポリシー要求を受信すると、その端末を利用する加入者の加入者データをHSSから取得し、ポリシー要求に対する応答として、加入者データでその加入者に指定されているポリシーをゲートウェイ1に送信する。
【0010】
加入者Aについての帯域制御および課金制御をPCRF2が行い、加入者Bについての帯域制御および課金制御をPCRF3が行う場合の例について説明する。
【0011】
ゲートウェイ1は、加入者Aの端末から接続を要求されると、加入者Aについての帯域制御および課金制御を行うPCRF2にポリシー要求を送信する。ポリシー要求を受信したPCRF2は、加入者Aの加入者データをHSSから取得し、ポリシー要求に対する応答として、加入者データで加入者Aに指定されているポリシーをゲートウェイ1に送信する。
【0012】
また、ゲートウェイ1は、加入者Bから接続を要求されると、加入者Bについての帯域制御および課金制御を行うPCRF3にポリシー要求を送信する。ポリシー要求を受信したPCRF3は、加入者Bの加入者データをHSSから取得し、ポリシー要求に対する応答として、加入者データで加入者Bに指定されているポリシーをゲートウェイ1に送信する。
【0013】
PCRFおよびDRAを備えた通信システムの例を図6に示す。
【0014】
図6に示した通信システムは、ゲートウェイ1および複数のPCRF2、3、4に加えて、複数のDRA5、6、7を有する。
【0015】
DRA5、6、7は、ゲートウェイ1の代わりに、ポリシー要求を送信すべきPCRFを選択する装置である。DRA5、6、7は、ネットワークを利用する加入者と各加入者についての帯域制御および課金制御を行うPCRFとの対応を示すマッピング情報を有しており、ゲートウェイ1から受信したポリシー要求を、マッピング情報に従って適切なPCRFに送信する。尚、ゲートウェイ1は、例えば、ラウンドロビン方式によって、ポリシー要求を送信するDRAを選択する。
【0016】
尚、ゲートウェイ1、PCRF2、3、4、およびDRA5、6、7は全てが互いにフルメッシュで接続される。
【0017】
加入者Aについての帯域制御および課金制御をPCRF2が行う場合の例について説明する。
【0018】
ゲートウェイ1は、加入者Aからの信号を受信すると、任意のDRAにポリシー要求を送信する。ゲートウェイ1からポリシー要求を受信したDRAは、自装置が有するマッピング情報より加入者Aについての帯域制御および課金制御を行うのはPCRF2であることを認識し、PCRF2にポリシー要求を送信する。ポリシー要求を受信したPCRF2は、加入者Aの加入者データをHSSから取得し、ポリシー要求に対する応答として、加入者データで加入者Aに指定されているポリシーをポリシー要求を送信したDRAに送信する。そして、PCRF2からポリシーを受信したDRAは、受信したポリシーをゲートウェイ1に送信する。
【0019】
しかしながら、このとき、PCRF2に障害が発生していると、PCRF2からDRAにポリシー要求に対する応答が返信されなくなる。その結果、加入者Aについての帯域制御および課金制御が行われなくなるため、加入者Aは、通信サービスを受けることができなくなる。
【0020】
例えば、特許文献1には、おのおの固有のメモリを有する、複数のプロセッサが、いずれかのメモリで障害が発生したときに動作を継続させるための技術が提案されている。特許文献1では、複数のプロセッサは、互いのメモリにアクセスでき、データを書き込む際は、互いのメモリに同一データを書き込む。これにより、あるプロセッサが有するメモリで障害が発生した場合でも、そのプロセッサは他のプロセッサが有するメモリを用いて動作を継続することができる。
【0021】
ただし、特許文献1の技術は、メモリに障害が発生したときのプロセッサの動作を継続させるための技術であり、PCRFに障害が発生したときに、そのPCRFが行うべき加入者への通信サービスの処理を継続させるのに有効ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0022】
【特許文献1】特開平5−94379号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
上述したように、従来の通信システムでは、PCRFに障害が発生すると、そのPCRFで帯域制御および課金制御を行う加入者について、通信サービスを提供することができなくなる。
【0024】
本発明の目的は、通信システム内のPCRFに障害が発生したとき、通信システムが加入者への通信サービスの提供を継続するための技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0025】
上記目的を達成するために、本発明のルーティング装置は、加入者の通信について帯域あるいは課金の両方あるいは一方の制御を行う複数の制御装置のうち、いずれの制御装置へ制御の実行を要求するかを加入者に応じて振り分けるルーティング装置であって、加入者と、該加入者の通信についての制御を実行すべき制御装置との対応を示すマッピング情報を管理しており、前記複数の制御装置のいずれかの制御装置に障害が発生すると、該障害の発生した制御装置に制御の実行を要求する対象となっている加入者の制御の実行を他の制御装置に移すように前記マッピング情報を更新する管理手段と、加入者の端末が通信を行うとき、該加入者に対応する制御装置を前記マッピング情報から取得し、該取得した制御装置に該加入者の通信についての制御の実行を要求する制御手段を有する。
【0026】
また、上記目的を達成するために、本発明の通信制御方法は、加入者の通信について帯域あるいは課金の両方あるいは一方の制御を行う複数の制御装置のうち、いずれの制御装置へ制御の実行を要求するかを加入者に応じて振り分けるルーティング装置の通信制御方法であって、管理手段が、加入者と、該加入者の通信についての制御を実行すべき制御装置との対応を示すマッピング情報を管理しており、前記複数の制御装置のいずれかの制御装置に障害が発生すると、該障害の発生した制御装置に制御の実行を要求する対象となっている加入者の制御の実行を他の制御装置に移すように前記マッピング情報を更新し、制御手段が、加入者の端末が通信を行うとき、該加入者に対応する制御装置を前記マッピング情報から取得し、前記取得した制御装置に該加入者の通信についての制御の実行を要求する。
【0027】
また、上記目的を達成するために、本発明の通信システムは、加入者の通信について帯域あるいは課金の両方あるいは一方の制御を行う複数の制御装置と、加入者と、該加入者の通信についての制御を実行すべき制御装置との対応を示すマッピング情報を管理しており、前記複数の制御装置のいずれかの制御装置に障害が発生すると、該障害の発生した制御装置に制御の実行を要求する対象となっている加入者の制御の実行を他の制御装置に移すように前記マッピング情報を更新し、加入者の端末が通信を行うとき、該加入者に対応する制御装置を前記マッピング情報から取得し、該取得した制御装置に該加入者の通信についての制御の実行を要求するルーティング装置を有する。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、通信システム内のPCRFに障害が発生したとき、通信システムは加入者への通信サービスの提供を継続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施形態における通信システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態におけるルーティング装置の構成を示すブロック図である。
【図3】記憶装置40に保存されるPCRF選択情報の例を示す図である。
【図4】図2に示したルーティング装置がPCRFの再割り当てをするときの処理を示すフローチャートである。
【図5】PCRFを備えた通信システムの例を示すブロック図である。
【図6】PCRFおよびDRAを備えた通信システムの例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
次に本発明について図面を参照して詳細に説明する。
【0031】
ゲートウェイ、複数のPCRF、複数のDRAおよびHSSを有する通信システムでは、PCRFが各加入者についての帯域制御および課金制御を行うために必要な、各加入者の加入者データは、HSSで一元的に管理される。
【0032】
そのため、あるPCRFで障害が発生しても、そのPCRFが帯域制御および課金制御を行うべき加入者についての帯域制御および課金制御を他のPCRFが実施すれば、加入者へ通信サービスを提供し続けることができる。
【0033】
しかし、ネットワークへ接続する端末の通信についての帯域制御および課金制御を行うのがいずれのPCRFであるかをDRAが認識していなければ、加入者へ通信サービスを提供することはできない。
【0034】
そこで、本実施形態の通信システムでは、DRAの機能を有するルーティング装置が、PCRFの障害発生を監視し、いずれかのPCRFで障害が発生すると、そのPCRFが帯域制御および課金制御を行うべき加入者毎に新たに帯域制御および課金制御を行うPCRFを割り当てなおす。本実施形態の通信システムでは、ルーティング装置毎にPCRFを割り当てなおすべき加入者が予め設定されており、ルーティング装置は、自装置が担当する加入者についてPCRFを割り当てなおすと、加入者とPCRFとの新たな関係付けを、自装置以外のルーティング装置に通知する。
【0035】
通信システム内のPCRFに障害が発生したときであっても、各ルーティング装置が加入者とPCRFとの関係付けを共有することにより、加入者へ提供する通信サービスの継続を図る。
【0036】
図1は本発明の一実施形態における通信システムの構成を示すブロック図である。
【0037】
図1に示すように、本発明の一実施形態における通信システムは、ゲートウェイ1、PCRF2、3、4およびルーティング装置8、9、10を有する。
【0038】
ゲートウェイ1は、図1に示すネットワークと外部のネットワークとの間のデータを相互に変換、中継する装置である。
【0039】
ゲートウェイ1は、不図示の端末から接続を要求されると、いずれかのルーティング装置にポリシー要求を送信する。
【0040】
PCRF2、3、4は、ネットワークを利用する端末の通信についての帯域制御および課金制御を行う装置である。
【0041】
帯域制御および課金制御は、加入者毎に行われ、制御に必要な各加入者の加入者データは、不図示のHSSで管理されている。
【0042】
PCRF2、3、4は、ルーティング装置からポリシー要求を受信すると、その端末を利用する加入者の加入者データをHSSから取得し、ポリシー要求に対する応答として、加入者データでその加入者に指定されているポリシーを、ポリシー要求を送信したルーティング装置に送信する。
【0043】
ルーティング装置8、9、10は、PCRF選択装置であるDRAの機能を拡張した装置であり、DRAが備える機能を有する。
【0044】
ルーティング装置8、9、10は、ゲートウェイ1からポリシー要求を受信すると、いずれのPCRFへポリシー要求を送信するかを加入者に応じて振り分ける。また、ルーティング装置8、9、10は、ポリシー要求を送信したPCRFからポリシー要求に対する応答として加入者毎に指定されているポリシーを受信すると、受信したポリシーをゲートウェイ1に送信する。
【0045】
図2は本発明の一実施形態におけるルーティング装置の構成を示すブロック図である。
【0046】
図2に示すように、本発明の一実施形態におけるルーティング装置は、制御部20と、管理部30と、記憶装置40とを有する。
【0047】
制御部20は、DRAが備える、ネットワークを利用する端末の通信についての帯域制御および課金制御を行うPCRFを選択する機能を有する。
【0048】
制御部20は、ゲートウェイ1からポリシー要求を受信すると、受信したポリシー要求を送信すべきPCRFを決定する。尚、ルーティング装置は、ネットワークを利用する加入者と各加入者についての帯域制御および課金制御を行うPCRFとの対応を示すマッピング情報として、PCRF選択情報を管理する。PCRF選択情報は、予めルーティング装置に設定され、記憶装置40に保存される。記憶装置40に保存されるPCRF選択情報の例を図3に示す。制御部20は、PCRF選択情報に基づいて、受信したポリシー要求を送信すべきPCRFを決定する。
【0049】
尚、制御部20は、ゲートウェイ1およびPCRFのそれぞれとDiameterプロトコルで規定されるデータを送受信する。
【0050】
管理部30は、PCRFの障害発生状況を監視し、障害が発生すると、障害が発生したPCRFが帯域制御および課金制御を行うべき加入者(以降、被制御加入者と称する)について、新たにその加入者についての帯域制御および課金制御を行うPCRFを割り当てなおす機能を有する。
【0051】
管理部30は、障害検出部31、再割当部32、再割当情報送信部33および再割当情報受信部34を有する。
【0052】
障害検出部31は、本実施形態の通信システムが有する、全てのPCRFの障害発生状況を監視する。障害検出部31は、例えば、ルーティング装置とPCRFとの間の通信で用いられるSCTP(Stream Control Transmission Protocol)の接続状況によって障害発生を判別してもよいし、ルーティング装置とPCRFとの間に障害監視用の通信手順を独自に設けて障害発生を判別してもよい。
【0053】
尚、本実施形態のルーティング装置は、あるPCRFに障害が発生すると、そのPCRFの被制御加入者毎に新たに帯域制御および課金制御を行うPCRFを割り当てなおす。本実施形態の通信システムは、複数のルーティング装置を有するため、混乱をきたさないように、加入者毎に帯域制御および課金制御を行うPCRFを割り当てなおすルーティング装置(以降、リーダルーティング装置と称する)を事前に定めておく。
【0054】
各ルーティング装置は、PCRFに障害が発生したときに自装置が帯域制御および課金制御を行うPCRFを割り当てなおすべき加入者をリーダ加入者情報として管理する。以降、自装置が帯域制御および課金制御を行うPCRFを割り当てなおすべき加入者をリーダ加入者と称し、そうでない被制御加入者を非リーダ加入者と称する。リーダ加入者情報は、予めルーティング装置に設定され、記憶装置40に保存される。記憶装置40に保存されるリーダ加入者情報の例を図3に示す。
【0055】
障害検出部31は、PCRFに障害が発生したことを判別すると、PCRF選択情報からそのPCRFの被制御加入者を抽出する。そして、障害検出部31は、抽出された被制御加入者がリーダ加入者であるか否かをリーダ加入者情報に基づいて判別する。
【0056】
障害検出部31は、リーダ加入者についてPCRFの再割り当てを再割当部32に依頼する。
【0057】
再割当部32は、障害検出部31からリーダ加入者についてPCRFの再割り当てを依頼されると、再割り当てを依頼されたリーダ加入者についての帯域制御および課金制御を行うPCRFを決定する。尚、ルーティング装置は、リーダ加入者についての帯域制御および課金制御を行うことができるPCRFを予備PCRF情報として管理する。予備PCRF情報は、予めルーティング装置に設定され、記憶装置40に保存される。記憶装置40に保存される予備PCRF情報の例を図3に示す。
【0058】
再割当部32は、再割り当てを依頼されたリーダ加入者についての帯域制御および課金制御を行うPCRFを予備PCRF情報に基づいて決定する。そして、再割当部32は、決定した結果に基づいて記憶装置40に保存されたPCRF選択情報を更新する。
【0059】
再割当部32は、記憶装置40に保存されたPCRF選択情報を更新すると、本実施形態の通信システムが有する、自装置以外のルーティング装置に更新したPCRF選択情報を通知するように再割当情報送信部33に依頼する。
【0060】
再割当情報送信部33は、更新したPCRF選択情報の通知を再割当部32から依頼されると、更新したPCRF選択情報を自装置以外のルーティング装置に通知する。尚、ルーティング装置は、更新したPCRF選択情報を通知すべき、自装置以外のルーティング装置を情報共有装置情報として管理する。情報共有装置情報は、予めルーティング装置に設定され、記憶装置40に保存される。記憶装置40に保存される情報共有装置情報の例を図3に示す。
【0061】
再割当情報送信部33は、更新したPCRF選択情報を情報共有装置情報で指定されるルーティング装置に通知する。
【0062】
再割当情報受信部34は、自装置以外のルーティング装置から、そのルーティング装置のリーダ加入者について更新されたPCRF選択情報を受信する。再割当情報受信部34は、記憶装置40に保存されたPCRF選択情報のうち、受信したPCRF選択情報で更新されている加入者の項目を更新する。
【0063】
記憶装置40は、PCRF選択情報、リーダ加入者情報、予備PCRF情報および情報共有装置情報を記憶する記憶装置である。
【0064】
次に図2に示したルーティング装置がPCRFの再割り当てをするときの処理について説明する。
【0065】
図4は図2に示したルーティング装置がPCRFの再割り当てをするときの処理を示すフローチャートである。
【0066】
まず、ルーティング装置の障害検出部31は、本実施形態の通信システムが有する全てのPCRFの障害発生状況を監視する(ステップS1)。
【0067】
障害検出部31は、全てのPCRFのいずれかに障害が発生したことを検出すると、そのPCRFの被制御加入者をPCRF選択情報から抽出する(ステップS2)。次に、障害検出部31は、抽出された被制御加入者毎に、その被制御加入者が自装置のリーダ加入者であるか否かを、リーダ加入者情報に基づいて判別する(ステップS3)。
【0068】
抽出された被制御加入者が自装置のリーダ加入者でない場合、障害検出部31は、その被制御加入者を非リーダ加入者として記憶し、ステップS8へ移行する(ステップS4)。
【0069】
一方、抽出された被制御加入者が自装置のリーダ加入者である場合、障害検出部31は、その被制御加入者のPCRFの再割り当てを再割当部32に依頼する。
【0070】
障害検出部31からPCRFの再割り当てを依頼されると、再割当部32は、予備PCRF情報に基づいて、再割り当てを依頼された被制御加入者についての帯域制御および課金制御を行うPCRFを決定する(ステップS5)。
【0071】
再割り当てを依頼された被制御加入者についての帯域制御および課金制御を行うPCRFを決定すると、再割当部32は、決定した結果に基づいて記憶装置40に保存されたPCRF選択情報を更新する(ステップS6)。
【0072】
記憶装置40に保存されたPCRF選択情報を更新すると、再割当部32は、自装置以外のルーティング装置に更新したPCRF選択情報を通知するように再割当情報送信部33に依頼する。
【0073】
更新したPCRF選択情報を通知するように再割当部32から依頼されると、再割当情報送信部33は、情報共有装置情報に基づいて、更新したPCRF選択情報を通知するルーティング装置を抽出し、更新したPCRF選択情報を通知する(ステップS7)。
【0074】
ある被制御加入者についての処理が完了すると、障害検出部31は、障害が発生したPCRFの全ての被制御加入者についての処理が完了したか否かを判別する(ステップS8)。
【0075】
まだ処理されてない被制御加入者が存在する場合、障害検出部31は、ステップS3に移行し、引き続き、処理されてない被制御加入者についての処理を続行する。
【0076】
一方、全ての被制御加入者の処理が完了した場合、障害検出部31は、障害が発生したPCRFの全ての被制御加入者の中に非リーダ加入者が存在したか否かを、ステップS4で記憶しておいた非リーダ加入者の情報に基づいて判別する(ステップS9)。
【0077】
非リーダ加入者が存在しない場合、障害検出部31は、ステップS1へ移行し、再度、本実施形態の通信システムが有する全てのPCRFの障害発生状況を監視する。
【0078】
一方、非リーダ加入者が存在する場合、障害検出部31は、その非リーダ加入者のリーダルーティング装置からその非リーダ加入者について更新されたPCRF選択情報を受信するように再割当情報受信部34に依頼する。このとき、障害検出部31は、ステップS4で記憶しておいた、非リーダ加入者の情報を再割当情報受信部34に通知する。
【0079】
PCRF選択情報の受信を障害検出部31から依頼されると、再割当情報受信部34は、非リーダ加入者のリーダルーティング装置からその非リーダ加入者について更新されたPCRF選択情報を受信するまで待機する(ステップS10)。非リーダ加入者のリーダルーティング装置からPCRF選択情報を受信すると、再割当情報受信部34は、記憶装置40に保存されたPCRF選択情報のうち、受信したPCRF選択情報で更新されている加入者の項目を更新する(ステップS11)。
【0080】
ある被制御加入者について処理が完了すると、再割当情報受信部34は、自装置のPCRF選択情報について、全ての非リーダ加入者の情報が更新されたか否かを、障害検出部31から受信した非リーダ加入者の情報に基づいて判別する(ステップS12)。
【0081】
まだ更新されてない非リーダ加入者の情報がある場合、再割当情報受信部34は、ステップS10に移行し、更新されてない非リーダ加入者の情報についてそれぞれの非リーダ加入者のリーダルーティング装置からPCRF選択情報を受信するまで待機する。
【0082】
一方、全ての非リーダ加入者の情報が更新された場合、再割当情報受信部34は、ステップS1へ移行する。障害検出部31は、再度、本実施形態の通信システムが有する全てのPCRFの障害発生状況を監視する。
【0083】
尚、障害が発生したPCRFの被制御加入者がリーダ加入者である場合、制御部20は、ステップS6でその被制御加入者についてのPCRF選択情報が更新されるまでは、その被制御加入者に対するデータを受信してもこれを破棄する。
【0084】
また、障害が発生したPCRFの被制御加入者が非リーダ加入者である場合、制御部20は、ステップS11でその被制御加入者についてのPCRF選択情報が更新されるまでは、その被制御加入者に対するデータを受信してもこれを破棄する。
【0085】
尚、ルーティング装置から新たな加入者を割り当てられたPCRFは、いずれかのルーティング装置からその加入者についてのポリシー要求を受信したときに、その加入者の加入者データをHSSから取得し、加入者データに基づいてその加入者についての帯域制御および課金制御を実施する。
【0086】
以下に、図1に示した通信システムにおいて、PCRFに障害が発生したときの例について説明する。
【0087】
例えば、ルーティング装置8には、図3に示すPCRF選択情報、リーダ加入者情報、予備PCRF情報および情報共有装置情報が管理されているとする。図3に示すように、加入者Aについての帯域制御および課金制御を行うPCRFは、PCRF2であり、加入者Aのリーダルーティング装置は、ルーティング装置8である。このとき、PCRF2に障害が発生したとする。
【0088】
まず、ルーティング装置8の障害検出部31は、PCRF2、3、4の障害発生状況を監視する。
【0089】
障害検出部31は、PCRF2に障害が発生したことを検出すると、PCRF選択情報から、PCRF2の被制御加入者として、まず、加入者Aを抽出する。
【0090】
PCRF選択情報に基づくと、加入者Aはルーティング装置8のリーダ加入者であるため、障害検出部31は、加入者AのPCRFの再割り当てを再割当部32に依頼する。
【0091】
再割当部32は、予備PCRF情報に基づいて、加入者AのPCRFの割り当て先をPCRF4に変更し、記憶装置40のPCRF選択情報を更新する。
【0092】
次に、再割当部32は、更新したPCRF選択情報を自装置以外のルーティング装置に通知するように再割当情報送信部33に依頼する。
【0093】
再割当情報送信部33は、情報共有装置情報から、更新したPCRF選択情報を通知するルーティング装置としてルーティング装置9、10を抽出し、ルーティング装置9、10に更新したPCRF選択情報を通知する。
【0094】
次に、障害検出部31は、PCRF選択情報から、PCRF2の被制御加入者として、加入者Eを抽出する。
【0095】
PCRF選択情報に基づくと、加入者Eはルーティング装置8のリーダ加入者でないため、障害検出部31は、加入者Eを非リーダ加入者として記憶しておく。
【0096】
PCRF選択情報に基づくと、PCRF2の被制御加入者は、加入者Aと加入者Eのみであるため、次に、障害検出部31は、PCRF2の被制御加入者の中に非リーダ加入者が存在したか否かを判別する。非リーダ加入者として加入者Eが存在するため、障害検出部31は、加入者Eのリーダルーティング装置から加入者Eの情報について更新されたPCRF選択情報を受信するように再割当情報受信部34に依頼する。
【0097】
再割当情報受信部34は、加入者Eのリーダルーティング装置から加入者Eの情報について更新されたPCRF選択情報を受信すると、受信したPCRF選択情報に基づいて、記憶装置40に保存されたPCRF選択情報のうち、加入者Eの項目を更新する。
【0098】
再割当情報受信部34が、記憶装置40に保存されたPCRF選択情報の加入者Eの項目を更新すると、障害検出部31は、再度、PCRF2、3、4の障害発生状況を監視する。
【0099】
尚、新たに加入者Aを割り当てられたPCRF4は、いずれかのルーティング装置から加入者Aについてのポリシー要求を受信したときに、加入者Aの加入者データをHSSから取得し、加入者データに基づいて加入者Aについての帯域制御および課金制御を実施する。
【0100】
これ以降、ルーティング装置8、9、10は、ゲートウェイ1から加入者Aについてのポリシー要求を受信すると、PCRF4にそのポリシー要求を送信する。
【0101】
以上説明したように、本実施形態によれば、DRAの機能を有するルーティング装置が、PCRFの障害発生を監視し、いずれかのPCRFで障害が発生すると、そのPCRFが帯域制御および課金制御を行うべき加入者毎に新たに帯域制御および課金制御を行うPCRFを割り当てなおす。これにより、通信システム内のPCRFに障害が発生したときであっても、通信システムは、加入者への通信サービスの提供を継続することができる。
【0102】
また、本実施形態によれば、PCRFを割り当てなおしたルーティング装置は、加入者とその加入者の通信についての制御を実行すべきPCRFとの対応を示すマッピング情報を、自装置以外のルーティング装置に通知する。これにより、通信システム内のPCRFに障害が発生したときであっても、各ルーティング装置は、加入者とその加入者の通信についての制御を実行すべきPCRFとの関係付けを共有することができる。
【0103】
また、ルーティング装置毎にPCRFを割り当てなおすべき加入者が予め設定され、各ルーティング装置が、自装置が担当する加入者についてPCRFを割り当てなおすことにより、通信システム内でのルーティング装置の処理の負荷を分散することができる。
【0104】
また、本実施形態によれば、新たなマッピング情報を通知されたルーティング装置は、受信したマッピング情報に従って自装置のマッピング情報を更新する。これにより、通信システム内のPCRFに障害が発生したときであっても、各ルーティング装置は、適切なPCRFにポリシー要求を送信することができる。
【0105】
また、本実施形態のルーティング装置は、PCRFに障害が発生すると、そのPCRFの被制御加入者についてのPCRF選択情報が更新されるまでは、その被制御加入者に対するデータを受信してもこれを破棄する。これにより、障害で動作できないPCRFへの要求を行うような冗長な処理を抑止することができる。
【符号の説明】
【0106】
1 ゲートウェイ
2、3、4 PCRF
5、6、7 DRA
8、9、10 ルーティング装置
20 制御部
30 管理部
31 障害検出部
32 再割当部
33 再割当情報送信部
34 再割当情報受信部
40 記憶装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加入者の通信について帯域あるいは課金の両方あるいは一方の制御を行う複数の制御装置のうち、いずれの制御装置へ制御の実行を要求するかを加入者に応じて振り分けるルーティング装置であって、
加入者と、該加入者の通信についての制御を実行すべき制御装置との対応を示すマッピング情報を管理しており、前記複数の制御装置のいずれかの制御装置に障害が発生すると、該障害の発生した制御装置に制御の実行を要求する対象となっている加入者の制御の実行を他の制御装置に移すように前記マッピング情報を更新する管理手段と、
加入者の端末が通信を行うとき、該加入者に対応する制御装置を前記マッピング情報から取得し、該取得した制御装置に該加入者の通信についての制御の実行を要求する制御手段と、
を有するルーティング装置。
【請求項2】
前記ルーティング装置が複数あり、
前記管理手段は、自装置のマッピング情報を更新するとき、他のルーティング装置に同じマッピング情報の更新を指示する、
請求項1に記載のルーティング装置。
【請求項3】
前記ルーティング装置が複数あり、
前記管理手段は、他のルーティング装置からマッピング情報の更新を指示されたら、該指示に従って自装置のマッピング情報を更新する、
請求項1または2に記載のルーティング装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記複数の制御装置のいずれかの制御装置に障害が発生すると、該障害の発生した制御装置に制御の実行を要求する対象となっている加入者の制御の実行が他の制御端末に移るまでは、該加入者に対するデータを破棄する、
請求項1から3のいずれか1項に記載のルーティング装置。
【請求項5】
加入者の通信について帯域あるいは課金の両方あるいは一方の制御を行う複数の制御装置のうち、いずれの制御装置へ制御の実行を要求するかを加入者に応じて振り分けるルーティング装置の通信制御方法であって、
管理手段が、
加入者と、該加入者の通信についての制御を実行すべき制御装置との対応を示すマッピング情報を管理しており、
前記複数の制御装置のいずれかの制御装置に障害が発生すると、該障害の発生した制御装置に制御の実行を要求する対象となっている加入者の制御の実行を他の制御装置に移すように前記マッピング情報を更新し、
制御手段が、
加入者の端末が通信を行うとき、該加入者に対応する制御装置を前記マッピング情報から取得し、
前記取得した制御装置に該加入者の通信についての制御の実行を要求する、通信制御方法。
【請求項6】
前記ルーティング装置が複数あり、
前記管理手段が、自装置のマッピング情報を更新するとき、他のルーティング装置に同じマッピング情報の更新を指示する、
請求項5に記載の通信制御方法。
【請求項7】
前記ルーティング装置が複数あり、
前記管理手段が、他のルーティング装置からマッピング情報の更新を指示されたら、該指示に従って自装置のマッピング情報を更新する、
請求項5または6に記載の通信制御方法。
【請求項8】
前記制御手段が、前記複数の制御装置のいずれかの制御装置に障害が発生すると、該障害の発生した制御装置に制御の実行を要求する対象となっている加入者の制御の実行が他の制御端末に移るまでは、該加入者に対するデータを破棄する、
請求項5から7のいずれか1項に記載の通信制御方法。
【請求項9】
加入者の通信について帯域あるいは課金の両方あるいは一方の制御を行う複数の制御装置と、
加入者と、該加入者の通信についての制御を実行すべき制御装置との対応を示すマッピング情報を管理しており、前記複数の制御装置のいずれかの制御装置に障害が発生すると、該障害の発生した制御装置に制御の実行を要求する対象となっている加入者の制御の実行を他の制御装置に移すように前記マッピング情報を更新し、加入者の端末が通信を行うとき、該加入者に対応する制御装置を前記マッピング情報から取得し、該取得した制御装置に該加入者の通信についての制御の実行を要求するルーティング装置と、
を有する、通信システム。
【請求項10】
前記ルーティング装置を複数有し、
前記ルーティング装置は、自装置のマッピング情報を更新するとき、他のルーティング装置に同じマッピング情報の更新を指示する、
請求項9に記載の通信システム。
【請求項11】
前記ルーティング装置を複数有し、
前記ルーティング装置は、他のルーティング装置からマッピング情報の更新を指示されたら、該指示に従って自装置のマッピング情報を更新する、
請求項9または10に記載の通信システム。
【請求項12】
前記ルーティング装置は、前記複数の制御装置のいずれかの制御装置に障害が発生すると、該障害の発生した制御装置に制御の実行を要求する対象となっている加入者の制御の実行が他の制御端末に移るまでは、該加入者に対するデータを破棄する、
請求項9から11のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項1】
加入者の通信について帯域あるいは課金の両方あるいは一方の制御を行う複数の制御装置のうち、いずれの制御装置へ制御の実行を要求するかを加入者に応じて振り分けるルーティング装置であって、
加入者と、該加入者の通信についての制御を実行すべき制御装置との対応を示すマッピング情報を管理しており、前記複数の制御装置のいずれかの制御装置に障害が発生すると、該障害の発生した制御装置に制御の実行を要求する対象となっている加入者の制御の実行を他の制御装置に移すように前記マッピング情報を更新する管理手段と、
加入者の端末が通信を行うとき、該加入者に対応する制御装置を前記マッピング情報から取得し、該取得した制御装置に該加入者の通信についての制御の実行を要求する制御手段と、
を有するルーティング装置。
【請求項2】
前記ルーティング装置が複数あり、
前記管理手段は、自装置のマッピング情報を更新するとき、他のルーティング装置に同じマッピング情報の更新を指示する、
請求項1に記載のルーティング装置。
【請求項3】
前記ルーティング装置が複数あり、
前記管理手段は、他のルーティング装置からマッピング情報の更新を指示されたら、該指示に従って自装置のマッピング情報を更新する、
請求項1または2に記載のルーティング装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記複数の制御装置のいずれかの制御装置に障害が発生すると、該障害の発生した制御装置に制御の実行を要求する対象となっている加入者の制御の実行が他の制御端末に移るまでは、該加入者に対するデータを破棄する、
請求項1から3のいずれか1項に記載のルーティング装置。
【請求項5】
加入者の通信について帯域あるいは課金の両方あるいは一方の制御を行う複数の制御装置のうち、いずれの制御装置へ制御の実行を要求するかを加入者に応じて振り分けるルーティング装置の通信制御方法であって、
管理手段が、
加入者と、該加入者の通信についての制御を実行すべき制御装置との対応を示すマッピング情報を管理しており、
前記複数の制御装置のいずれかの制御装置に障害が発生すると、該障害の発生した制御装置に制御の実行を要求する対象となっている加入者の制御の実行を他の制御装置に移すように前記マッピング情報を更新し、
制御手段が、
加入者の端末が通信を行うとき、該加入者に対応する制御装置を前記マッピング情報から取得し、
前記取得した制御装置に該加入者の通信についての制御の実行を要求する、通信制御方法。
【請求項6】
前記ルーティング装置が複数あり、
前記管理手段が、自装置のマッピング情報を更新するとき、他のルーティング装置に同じマッピング情報の更新を指示する、
請求項5に記載の通信制御方法。
【請求項7】
前記ルーティング装置が複数あり、
前記管理手段が、他のルーティング装置からマッピング情報の更新を指示されたら、該指示に従って自装置のマッピング情報を更新する、
請求項5または6に記載の通信制御方法。
【請求項8】
前記制御手段が、前記複数の制御装置のいずれかの制御装置に障害が発生すると、該障害の発生した制御装置に制御の実行を要求する対象となっている加入者の制御の実行が他の制御端末に移るまでは、該加入者に対するデータを破棄する、
請求項5から7のいずれか1項に記載の通信制御方法。
【請求項9】
加入者の通信について帯域あるいは課金の両方あるいは一方の制御を行う複数の制御装置と、
加入者と、該加入者の通信についての制御を実行すべき制御装置との対応を示すマッピング情報を管理しており、前記複数の制御装置のいずれかの制御装置に障害が発生すると、該障害の発生した制御装置に制御の実行を要求する対象となっている加入者の制御の実行を他の制御装置に移すように前記マッピング情報を更新し、加入者の端末が通信を行うとき、該加入者に対応する制御装置を前記マッピング情報から取得し、該取得した制御装置に該加入者の通信についての制御の実行を要求するルーティング装置と、
を有する、通信システム。
【請求項10】
前記ルーティング装置を複数有し、
前記ルーティング装置は、自装置のマッピング情報を更新するとき、他のルーティング装置に同じマッピング情報の更新を指示する、
請求項9に記載の通信システム。
【請求項11】
前記ルーティング装置を複数有し、
前記ルーティング装置は、他のルーティング装置からマッピング情報の更新を指示されたら、該指示に従って自装置のマッピング情報を更新する、
請求項9または10に記載の通信システム。
【請求項12】
前記ルーティング装置は、前記複数の制御装置のいずれかの制御装置に障害が発生すると、該障害の発生した制御装置に制御の実行を要求する対象となっている加入者の制御の実行が他の制御端末に移るまでは、該加入者に対するデータを破棄する、
請求項9から11のいずれか1項に記載の通信システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【公開番号】特開2010−278884(P2010−278884A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−130785(P2009−130785)
【出願日】平成21年5月29日(2009.5.29)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月29日(2009.5.29)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
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