説明

レイヤ3ネットワークにおけるループ特定装置およびループ特定方法

【課題】ネットワーク内に発生したレイヤ3ループ障害を簡易にかつ迅速に特定することのできる特定装置を提供する。
【解決手段】レイヤ3ループが発生したらしいことを検知したとき、ループ特定指示機能部2はパケット送受信機能部3に対し、TTLを順次インクリメントさせた一連の検査パケットPisをネットワークに送信させ、そのPisの戻りパケットteを、返送数集計機能部4において監視する。その返送数が他よりも格段に多い該パケットteより、その返送元のルータをループ位置判定機能部5で割り出し、返送数の閾値を超えるルータを、ループ発生箇所として特定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、IP(Internet Protocol)ネットワーク、例えば複数のルータを含むIPマルチキャスト・レイヤ3ネットワークにおいて発生する障害、特にレイヤ3ループ障害の発生位置を特定するためのループ特定装置およびループ特定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
後に図(図16)を参照して説明するように、IPマルチキャスト・レイヤ3ネットワークにおいては、上記のレイヤ3ループ障害(以下、単に「ループ」と略称する)が発生することがある。この「ループ」とは、レイヤ3ネットワーク内のある端末から他の複数の端末へ、複数のルータを経由して、情報パケットをマルチキャスト送信したときに、該複数のルータのうちのある隣接する2つのルータ間でその情報パケットがループを描くように往復してそこに留まってしまい、その情報パケットがその先の端末へ転送されなくなることを意味する。
【0003】
このような「ループ」が発生する代表的な要因は、上記2つのルータ内にある各ルーティングテーブルに、例えば機器の設定ミス等により、当該情報パケットについての経路情報が設定されていないことにある。このような場合、その2つのルータは、設定されていない上記経路情報に代えてデフォルト経路情報を適用する。このとき上記2つのルータAおよびルータBのうち、ルータAはルータB方路へのデフォルト経路情報を有し、ルータBはルータA方路へのデフォルト経路情報を有していたとすると、該ルータAおよびBを通過しようとする情報パケットは、これらルータAおよびBの間で何度も往復してそこに留まり、上記のループを発生させることになる。
【0004】
そうすると各情報パケットは、TTL(Time to Live)の設定値が例えば256であったとすると、256回そのループを形成し終えたときに消滅することになるから、マルチキャストトラヒックはきわめて膨大なものとなり、結局、当該ネットワーク全体に過負荷を引き起こすことになる。したがって、かかるループの発生を検知したときは、当該ループの発生位置を迅速に特定し、ループ発生の要因を素早く除去しなければならない。
【0005】
なお本発明に関連する公知技術として、下記の〔特許文献1〕および〔特許文献2〕がある。〔特許文献1〕に開示される「中継通信装置」は、TTL相当の中継許容回数情報を検出し、その数値が「0」であったら、データの中継を中止することを特徴とするものである。また〔特許文献2〕に開示される「データ伝送装置試験方式」は、ネットワーク伝送装置に対し試験用フレームを送信し、それより受信した試験用レスポンスフレームを解析して期待値どおりのレスポンスが返ってくるか否かをチェックする。期待値どおりに返ってきていれば正常と判断することを特徴とするものである。
【0006】
したがって上記いずれの特許文献も、後述する本発明の特徴、すなわち、「TTLが順次インクリメントする一連の検査パケットをネットワーク送出し、この送出元への該ネットワークからの戻りパケットを解析してループの発生位置を特定する」といった思想は全く示唆されていない。
【0007】
【特許文献1】特開平8−288982号公報
【特許文献2】特開平1−223854号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したループの発生位置を特定する一般的な手法として、“traceroute”がある。ところが後に図(図17)を参照して説明するように、マルチキャストのストリームがループしたような場合、ユニキャストの経路と異なる場合があり、上記のtracerouteによる手法では正しい経路が把握できないことがある。
【0009】
このため従来は、各ルータにtelnet等でそれぞれログインし、マルチキャストに関する設定情報を個別に収集するということを行っていた。したがって、機器毎に設定方法が異なることから、全ての機器に対するその設定情報の確認方法を知っていなければならないという第1の問題があった。
【0010】
また、個々のマルチキャストアドレスに対して全てのルータからそれらの機器に対する上記設定情報を収集し、人手によってマルチキャストの経路の確認を行わなければならなかった。このため、ループ障害の発生箇所を特定するのに多大な時間を要するという第2の問題があった。
【0011】
したがって本発明は、短時間でかつ簡易な手法によって、上記のレイヤ3ループの発生を検知すると共に、その発生箇所を特定することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
図1は本発明に基づくループ特定装置の基本構成を示す図である。本図において、参照番号1は本発明に係るループ特定装置を示し、図示するように、ループ特定指示機能部2と、パケット送受信機能部3と、返送数集計機能部4と、ループ位置判定機能部5と、からなる。これら機能部のうち、パケット送受信機能部3がレイヤ3ネットワーク6に連係し、該ネットワーク6内には複数のルータ7が配置される。
【0013】
すなわち、本発明に基づくループ特定装置1は、複数のルータ7を含むレイヤ3ネットワーク6において発生するレイヤ3ループLの位置を特定するためのループ特定装置である。ここに、上記機能部2〜5の各機能は次のとおりである。
【0014】
1)ループ特定指示機能部2は、レイヤ3ループの発生位置を特定すべきことを指示し、
2)パケット送受信機能部3は、その指示に従って、レイヤ3ループLの発生位置を特定するための一連の検査パケットPis(inspection)を少なくとも送信し、また、レイヤ3ネットワーク6からの入力パケットPin(input)を受信し、
3)返送数集計機能部4は、いずれかのルータ7から返送される、検査パケットPisに対応する入力パケットPinの返送数を、複数のルータ7毎に個別に累積してカウントし、
4)ループ位置判定機能部5は、返送数集計機能部4において集計された、ルータ7毎の累積返送数を参照して、レイヤ3ループLが発生していることを確定すると共に、その発生位置のルータを特定する。
【0015】
なお、図中のINはループ特定指示を発生させる契機となる要因を表し、一方、図中のOUTはループ発生箇所を特定した結果を表す。
【発明の効果】
【0016】
以下の説明から明らかになるとおり、本発明によれば、通常の情報パケットと実質的に同様の検査パケットPisを所定個数連続的に形成してネットワーク6に流すだけで、ループ障害の探索を開始することができ、その後、その一連の検査パケットPisに対応する入力パケットPinすなわち戻りパケットを解析するだけでループの発生箇所を特定できる、というきわめて簡易な「ループ特定」手法が実現される。
【0017】
しかも、上記一連の検査パケットPisを流し始めてから、これら一連の検査パケットに対応する入力パケットPin(戻りパケット)を受信しさらにその戻りパケットを解析し終えるまでの時間はわずかであり、したがって迅速な「ループ特定」手法が実現される。
【0018】
この場合、マルチキャストかユニキャストかに関係なく正しくループを特定でき、また、全ての機器(ルータ)に対する設定情報を知っておく必要もない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明によりもたらされる効果を明確にするために、既述の「背景技術」において示した図16と、既述の「発明が解決しようとする課題」において示した図17とについてまず説明する。
【0020】
図16は、レイヤ3ループ(L)障害が発生している様子を、一例をもって示す図である。なお全図を通じて同様の構成要素には同一の参照番号または記号を付して示す。
【0021】
図16において、本図の例に示すレイヤ3ネット6は、3つのサブネットワーク8a,8bおよび8cを含んで構成される。本図の例によれば、サブネットワーク8aのルータ7aとサブネットワーク8bのルータ7bが、例えば機器(ルータ)の設定ミスによって、送信端末(一例として映像配信装置)9からマルチキャスト送信される、各受信端末(受信者メンバ)10への映像情報パケットが不達となる。これは既述したとおり、当該受信端末10への経路情報が設定されておらず、既述したデフォルト経路情報に起因して、レイヤ3ループLが発生したからである。そしてこれにより、トラヒックが極端に増大する。
【0022】
そこで、既述した一般的な手法である“traceroute”を用いてループLの障害探索をしたとすると、前述のとおりマルチキャストのストリームがループ障害となった場合、ユニキャストの経路と異なることがあり、正しい経路を常に把握することが難しいという問題があった。
【0023】
図17はマルチキャストの経路とユニキャストの経路とが異なる場合があることを例示する図である。送信端末9から受信端末10への経路は、通常、ユニキャストでの経路の場合、ルートA→ルートCの経路を通り、マルチキャストの経路もそれと同一経路を採るのが普通である。しかし、マルチキャストの場合は、ルータA→ルータB→ルータD→ルータCといった経路を採ることもあり得、ユニキャストルーティングと必ずしも同一経路とはならない。このため、ループLの探索が常に正しく行われるという保証はない。なお、図中の英記号の意味は次のとおりである。
DR :Designated Router
RPT:Rendezvous Point Tree
SPT:Shortest Path Tree
【0024】
上記の図16に表したレイヤ3ループLの発生位置を、上記の図17に表した従来のtraceroute手法で探索したときの上記の欠点等を排除するのが本発明の目的であり、この目的達成のために、上記の図1で示した基本構成を有するループ特定装置1を本発明において提案する。この図1の基本構成をさらに具体的に説明すると以下のとおりである。
【0025】
図2は図1の基本構成をさらに具体化した一例を示す図である。本図において、参照番号1〜6は、図1に既に示した構成要素1〜6に対応する。
【0026】
まずループ特定指示機能部2が、ループ特定装置1において、レイヤ3ループLを特定する動作を開始すべき旨のコマンドCMを上記の指示として発出する。そしてこのコマンドCMを受けてパケット送受信機能部3が検査パケットPisを生成してレイヤ3ネットワーク6側に送信する。そしてこの検査パケットPisに対応する戻りパケットである入力パケットPinを、返送数集計機能部4で解析し、さらにループ位置判定機能部5において、その戻りパケットの要因となったレイヤ3ループLのネットワーク6内での発生位置を特定したその結果OUTを例えばオペレータに通知し、当該ループの修復を迅速に行う。
【0027】
このようなレイヤ3ループの発生位置特定プロセスを実現するに当たり、上記検査パケットPisの構成について特別な工夫をしておく必要がある。この工夫については後に詳述するが、最も好適な工夫の一例を初めに示しておくと、TTLの設定値を順次インクリメントした、例えばTTL=1→2→3→…N(Nは256未満の整数)とした一連のN個の検査パケットPisをレイヤ3ネットワーク6側に送出していくことにある。
【0028】
一方その送出された検査パケットPisは、レイヤ3ループLにて戻されて上記戻りパケットとなり、パケット送受信機能部3に戻って、返送数集計機能部4への入力パケットPinとなる。さらに詳しくは、割出し部41を経て、テーブル42にてその返送された入力パケットPinの返送数が、“受信time exceeded数”として、各ルータ7毎(図ではsource address SAとして示す)に集計される。結論としては、その返送数が相対的に突出しているルータ(SA)が、レイヤ3ループLの発生元となっているルータとして特定される。
【0029】
ここでもう一度、ループ特定指示機能部2に注目してみると、上述したコマンドCMの発生要因すなわち上記指示を出す契機には種々ある。これについて具体的に説明する。
【0030】
ループ特定指示機能部2は、疎通確認のため略定期的に所定の複数の受信端末10に対して疎通確認パケットを送信してその戻りパケットから、レイヤ3ループLが発生している可能性があると判断したとき、パケット送受信機能部3に対して上述した一連の検査パケットPisを送信すべき旨の指示(コマンドCM)を行う。
【0031】
その第1例では、上記の疎通確認パケットは、マルチキャストping(Packet InterNet Groper)であり(図3参照)、その第2例では、上記の疎通確認パケットは、RTCP(Real-time Transport Control Protocol)パケットである(図15参照)。
【0032】
また第3例において、ループ特定指示機能部2は、転送すべき本来のストリームデータ・パケットの送信中に返送されてくるその戻りパケットから、レイヤ3ループLが発生している可能性があると判断したとき、パケット送受信機能部3に対して、上述した一連の検査パケットを送信すべき旨の指示(コマンドCM)を行う(図4参照)。
【0033】
上記の図3は、ループ検出の契機となる疎通確認プロセスの一例を示す図である。本図において、例えば映像配信装置(カメラ)としての送信端末9内に具備されるループ特定装置1からマルチキャストpingを対象の受信端末10に発行する。なおユニキャストの場合は、予め指定した受信端末10に対して発行する。もしレイヤ3ネットワーク6が正常であれば、いわゆるecho replyをその端末10から返送する。あるいは、無応答となる。
【0034】
しかし本図に示すようにそのネットワーク6が異常で、レイヤ3ループLが発生している場合には、当該ルータ7′からICMP(Internet Control Message Protocol)time exceededパケットが装置1に返送される。このtime exceededパケットの返送があることをもって(図2の“te”参照)ループ検出の契機とすることができ、ループ特定装置1は上記の指示(コマンドCM)を出す。
【0035】
なおループ特定装置1は、映像配信装置(カメラ)9内に構成されるか、または、その映像配信装置9と同一のサブネットワーク8d(図3)内に配置されたPC端末によって構成される。
【0036】
また上記の図4はループ検出の契機となる疎通確認プロセスの他の例を示す図である。本図において、例えば映像配信装置(カメラ)である送信端末9は映像のストリーム“ストリーム”やVoIP等の配信といったアプリケーションを実行しており、これに伴い、レイヤ3ループLが発生したとすると、そのとき当該ルータ7′より、前述の戻りパケットとして、ICMP time exceededパケットが図2の“te”として装置1に返送され、これをもってループ検出の契機とすることができる。
【0037】
次に図5および図6を参照して、ループ特定装置1(送信端末9に内蔵される例で示す)についてさらに詳しく説明する。
【0038】
図5は本発明における検査パケットと戻りパケットとの関連を示す図、
図6は図5に関連したテーブル42(図2)の内容を示す図である。まず図5を図2と共に参照すると、ループ特定装置1内のパケット送受信機能部3(図2)から送信する一連の検査パケットPisは、TTL(Time to Live)の設定値が順次インクリメントするIP(Internet Protocol)パケットである。一方パケット送受信機能部3が受信する入力パケットPinは、これら一連のIPパケット(Pis)に対応する一連のICMP(Internet Control Message Protocol)time exceededパケットである。
【0039】
このIPパケット(検査パケットPis)内に記述されるTTLの値は、デフォルト値として1〜K(Kは、2以上256未満の整数)に設定するか、または、X+Nで表されるインクリメント値に設定する。ここにXは任意の固定の整数、Nは0から順次1ずつインクリメントする整数で、かつ、X+Nは256未満の整数とする。なおそのXは、TTLの設定値を検査範囲として適切な範囲に絞って設定したいときにそれに合わせて自由に定めればよい。
【0040】
図5を参照すると、上記のとおりTTL=X〜X+Nに設定した一連の検査パケットPisを、送信端末9内のループ特定装置1(図2)より送信する。
【0041】
そうすると、レイヤ3ループ障害(L)を起こしている2つのルータ7′(R2とR3で示す)から大量のICMP time exceededパケット(te)がこれらルータからループ特定装置1に返送され、パケット送受信機能部3に戻りパケットとして受信され、入力パケットPin(図2)となる。
【0042】
上記のように大量のtime exceededパケット“te”が発生するのは、次のようなプロセスによる。図5においてまず、TTL=1の検査パケットPisに対応するパケットteは、図5のルータR1からループ特定装置1に返ってくる。次にループ障害のあるルータR2からは、TTL=2のパケットPisに対応するパケットteが装置1に返ってくる。さらにTTL=3のパケットPisを受信したそのルータR2は、デフォルトとしてルータR3が指定されているので(そのように予め指定されているものとする)、このパケットPis(TTL=3)をルータR3に渡す。これに応答してルータR3は、パケットteを装置1に返す。
【0043】
さらにTTL=4のパケットPisは、ルータR2を経てTTL=2となってルータR3に至り、このルータR3でTTL=1となってルータR2に戻り、このルータR2より装置1にパケットteが返送される。以上のようなパケットPisのループ状往復動作を、図5では、「ピンポン区間」として示している。
【0044】
このようにして、TTL=5、TTL=6、TTL=7…TTL=256(デフォルト設定の場合)が順次設定された一連の検査パケットPisに対応するtime exceededパケットteは、全てこのピンポン区間で上記ピンポン動作を経た後折り返されて、ループ特定装置1のパケット送受信機能部3にて受信され、入力パケットPinとして返送数集計機能部4に送り込まれる。すなわちパケット送受信機能部3(図2)は、順次受信した一連の入力パケットPinを、返送数集計機能部4に順次転送する。
【0045】
なおパケット送受信機能部3(図2)は、一連の入力パケットPinを受信し終えたとき、ループ位置判定機能部5(図2)に対してループ位置判定動作を開始すべきことを通知(図2の「通知」)することができる。あるいは、その終了「通知」に代え、検査パケットPisの開始「通知」とすることもできる。ループ位置判定機能部5は、該機能部3からその開始「通知」を受信してから所定時間経過後(一連の検査パケットPisを送信し終えるのに要する時間の経過後)、上記ループ位置判定動作を自律的に開始することもできる。なおこの機能部5については後に詳述する。
【0046】
ここで既述の図6を参照すると、上記図5において説明したプロセスにより各ルータ(R1,R2…)から次々と返送されるICMP time exceededパケットteは、前述の入力パケットPinとして次々と、図6に示すテーブル42に記録され、その入力数も一緒に記録される(図6の「返送集計値」参照)。このテーブル42は、上記の図5のループ探索の例に準拠しているので、ループ障害に係る2つのルータR2(ソースアドレスSA#2)およびルータR3(ソースアドレスSA#3)からのtime exceededパケットteの返送数が、飛び抜けて多くなっている。これらの返送数集計動作は、図2に示す返送数集計機能部4によって行われるので、この機能部4についてもう少し詳しく説明する。
【0047】
図2において、返送数集計機能部4は、パケット送受信機能部3より順次転送される各入力パケットPinを解析する。そしてその中に記述されている送信元アドレス(SA)から、各入力パケットPinをなすICMP time exceededパケットを送信した送信元アドレス(SA)を割り出す割出し部41を備え、さらにその割り出された送信元アドレス(SA)をエントリするテーブル42(図6)と、を含んでなる。そしてこのテーブル42上において各ルータ(R1,R2,R3…)毎に個別に累積して返送数をカウントアップする(図6の「返送集計値」)。
【0048】
これら割出し部41とテーブル42との間の動作をもう少し詳しく説明すると、この割出し部41により割り出された送信元アドレス(SA)がテーブル42内に無いときは、当該送信元アドレス(SA)をテーブル42に新規にエントリする。一方、この割出し部41により割り出された送信元アドレス(SA)が既にテーブル42にエントリ済みのときは、その送信元アドレス(SA)においてさらに累積して上記の返送数を1だけカウントアップする(図6の「返送集計値」)。
【0049】
かくして集計されたICMP time exceededパケットte、すなわち入力パケットPinの返送数を記録するテーブル42は、図2のループ位置判定機能部5によって参照され、所定の判定動作により判定された結果、すなわちループLの発生箇所を特定した結果OUTを生成する。このようにループ位置判定機能部5は、テーブル42により示される累積返送数(図6の「返送集計値」)を参照し、他に比べて相対的にその累積返送数が多い送信元アドレス(SA#1,SA#2…)に対応するルータ(R1,R2,R3…)においてレイヤ3ループLが発生しているものと判定する。
【0050】
さらに詳細には、ループ位置判定機能部5は、前述した相対的に累積返送数が多い送信元アドレス(SA)に対応するルータが2以上あるときに(図5のR2およびR3と、図6のSA#2およびSA#3参照)、レイヤ3ループLが当該2以上のルータにおいて発生しているものと確定し、そのレイヤ3ループLに係る2以上のルータ(R2,R3)を特定する。
【0051】
さらに好ましくは、ループ位置判定機能部5は、前述した累積返送数が予め設定した閾値(例えば、“10”)を超えたものと判定したときに、レイヤ3ループLが当該2以上のルータにおいて発生しているものと確定し、そのレイヤ3ループLに係る2以上のルータを特定する。そうすればその確定の精度が一層向上する。
【0052】
以上、図2を中心に本発明に係るレイヤ3ループ障害探索の装置構成を主体に説明したが、本発明のそのレイヤ3ループ障害探索は、方法の発明としても捉えることができる。
【0053】
図7は本発明に係るループ特定方法の基本ステップを示すフローチャートである。本図に示すとおり、そのループ特定方法は、図示するように指示ステップS11、送信ステップS12、受信ステップS13、カウントステップS14および判定ステップS15からなり、詳細は以下のとおりである。
【0054】
指示ステップS11では、レイヤ3ネットワーク6に送信されたIPパケットの宛先への到達不能を検知して、レイヤ3ループLの発生位置を特定すべきことを指示し、
送信ステップS12では、TTL(Time to Live)の設定値が順次インクリメントする一連のIP(Internet Protocol)パケットを、レイヤ3ループLの検査パケットPisとして送信する。
【0055】
受信ステップS13では、検査パケットPisに応答して返送される一連のIPパケットに対応する一連のICMP(Internet Control Message Protocol)time exceededパケット“te”を受信し、
カウントステップS14では、その受信したICMP time exceededパケット“te”から、当該ICMP time exceededパケットを送信した送信元アドレスSAを割り出し、かつ、同一の送信元アドレスSA毎に、そのICMP time exceededパケットの返送数を累積してカウントする。
【0056】
判定ステップS15では、前述の累積してカウントした返送数が相対的に多い送信元アドレスSAに対応するルータ(R2,R3)がレイヤ3ループLの発生位置であるものと判定する。これら基本ステップに従う、さらに具体的なステップの一例を以下に示す。
【0057】
図8は図7のステップに基づく具体的なステップの一例を示すフローチャート(その1)、
図9は同フローチャート(その2)、である。まず図8を参照すると、
【0058】
ステップS21:各ルータ7からICMP time exceededパケットteを受信する。
ステップS22:検査パケット送受信機能部3に、検査対象の宛先IPアドレスを通知する。
ステップS23:TTL=X〜X+Nに設定した一連の検査パケットPisを連続して送信する。
【0059】
ステップS24:上記Pisに対応する戻りパケットを受信したとき、それが新規に受信したICMP time exceededパケットteか否か判定する。
ステップS25:新規に受信したパケットならば、その送信ルータのIPアドレス(SA)をテーブル42にエントリし登録する。
ステップS26:IPアドレスについてパケットカウンタをインクリメントする(図6の「返送集計値」)。
【0060】
ステップS27:閾値(例えば既述の“10”)を超過した送信IPアドレス(SA)が2つ以上存在するか否か判定する。
ステップS28:2つ以上存在するならば、それらのIPアドレス(SA)を有する送信ルータをループ発生箇所として特定する。
【0061】
最後に、ICMP time exceededパケットおよび、本発明において用いる検査パケットの好適例について詳細例を示しておく。
【0062】
図10はICMP time exceededパケットのフォーマットを示す図(その1)、
図11は同図(その2)である。まず図10を参照すると、その下段に、例えば図4に示すカメラ(1)からの各「ストリーム」をなすIPパケットのフォーマットが示され、その中の「IPデータ」がICMPパケットをなす。これをその上段に示す。
【0063】
さらに詳細には、そのIPパケットは図11の上段に示され、その中の「IPデータ」の領域に、図11の下段に詳細を示すICMPパケットが入る。ここで、この下段のICMPパケットにおける「タイプ」および「コード」(図10の上段にも示す)がそれぞれ図示するように“11”と“0”を示すとき、ICMP time exceededパケット“te”となる。このパケット“te”内の送信元アドレス(図11の上段の“Source IP Address”)がすなわち、ループ障害Lを起こしているルータのIPアドレスとなる。これが図6等に示すソースアドレスSAである。
【0064】
図12は図5における検査パケットをマルチキャストpingとした第1例を示す図、
図13はそのマルチキャストpingのフォーマットを示す図である。まず図12を参照すると、左端のループ特定装置1から送信される検査パケットPisが「マルチキャストping」であることを示している。マルチキャストpingパケットの場合は、図13の下段に示す「タイプ」および「コード」は図示するように“0”および“0”である。このpingパケットがtime exceededパケット“te”として装置1に戻されるときは、その「タイプ」および「コード」は“11”および“0”に設定し直される。マルチキャストpingを用いることにより、マルチキャストの経路がユニキャストの経路と異なる場合でも(図17参照)、レイヤ3ループLの発生箇所を特定することができる。
【0065】
図14は図5における検査パケットをRTCPパケットとした第2例を示す図、
図15はRTCPパケットのフォーマットを示す図である。この第2例は、情報パケットの制御用としてのRTCP(Real-time Control Protocol)パケットにおける特に「アプリケーション」について特別の規定が今のところなく、自由に使えることを利用した例、すなわちAPPパケットフォーマットを利用した例である。このRTCPパケットを利用することにより、実際のストリーム(図4参照)の品質に影響を及ぼすことなく、レイヤ3ループLの発生箇所を特定することができる。
【0066】
以上詳述した本発明のループ特定手法によれば、既述したルータの設定情報を収集したり、ネットワーク6中の経路でのキャプチャを行うことなく、ループ監視のための装置1から検査パケットPisを送信して、これに対応するICMP time exceededパケットを受信し、その解析結果のみでループLの検知ができる。このため、管理者が異なるサブネットワーク(8)を含むネットワーク(6)であっても、管理者の異同に拘らず、どの場所に発生しているループであっても、これを検知することができる。
【0067】
また、そのループ監視装置1のみでループLの検知が可能であるから、ネットワークの監視範囲を自由に広げることが可能である。かくして、ループ障害の解析に要する時間を大幅に短縮でき、実施例によれば数分程度以内でのループ発生箇所の特定を実現することができる。
【0068】
以上詳述した本発明の実施態様は、以下のとおりである。
(付記1)
複数のルータを含むレイヤ3ネットワークにおいて発生するレイヤ3ループの位置を特定するためのループ特定装置であって、
前記レイヤ3ループの発生位置を特定すべきことを指示するループ特定指示機能部と、
前記の指示に従って、前記レイヤ3ループの発生位置を特定するための一連の検査パケットを少なくとも送信し、また、前記レイヤ3ネットワークからの入力パケットを受信するパケット送受信機能部と、
いずれかの前記ルータから返送される、前記検査パケットに対応する前記入力パケットの返送数を、前記複数のルータ毎に個別に累積してカウントする返送数集計機能部と、
前記返送数集計機能部において集計された前記のルータ毎の累積返送数を参照して、前記レイヤ3ループが発生していることを確定すると共に、その発生位置のルータを特定するループ位置判定機能部と、
を備えることを特徴とする、レイヤ3ネットワークにおけるループ特定装置。
【0069】
(付記2)
前記ループ特定指示機能部は、疎通確認のため略定期的に所定の複数の受信端末に対して疎通確認パケットを送信してその戻りパケットから前記レイヤ3ループの発生の可能性があると判断したとき、前記パケット送受信機能部に対して前記一連の検査パケットを送信すべき旨の前記指示を行うことを特徴とする付記1に記載のループ特定装置。
【0070】
(付記3)
前記疎通確認パケットは、マルチキャストping(Packet InterNet Groper)であることを特徴とする付記2に記載のループ特定装置。
【0071】
(付記4)
前記疎通確認パケットは、RTCP(Real-time Transport Control Protocol)パケットであることを特徴とする付記2に記載のループ特定装置。
【0072】
(付記5)
前記ループ特定指示機能部は、転送すべき本来のストリームデータ・パケットの送信中に返送されてくるその戻りパケットから前記レイヤ3ループの発生の可能性があると判断したとき、前記パケット送受信機能部に対して、前記一連の検査パケットを送信すべき旨の前記指示を行うことを特徴とする付記1に記載のループ特定装置。
【0073】
(付記6)
前記パケット送受信機能部から送信する前記一連の検査パケットは、TTL(Time to Live)の設定値が順次インクリメントするIP(Internet Protocol)パケットであって、該パケット送受信機能部が受信する前記入力パケットは、一連の該IPパケットに対応する一連のICMP(Internet Control Message Protocol)time exceededパケットであることを特徴とする付記1に記載のループ特定装置。
【0074】
(付記7)
前記検査パケットは、マルチキャストpingまたはRTCP(Real-time Transport Control Protocol)パケットであることを特徴とする付記6に記載のループ特定装置。
【0075】
(付記8)
前記IPパケット内に記述される前記TTLの値はデフォルト値として1〜K(Kは、2以上256未満の整数)に設定するか、または、X+Nで表されるインクリメント値であってXは任意の固定の整数、Nは0から順次1ずつインクリメントする整数で、かつ、X+Nは256未満の整数に設定することを特徴とする付記6に記載のループ特定装置。
【0076】
(付記9)
前記パケット送受信機能部は、順次受信した一連の入力パケットを前記返送数集計機能部に順次転送することを特徴とする付記6に記載のループ特定装置。
【0077】
(付記10)
前記パケット送受信機能部は、一連の前記入力パケットを受信し終えたとき、前記ループ位置判定機能部に対してループ位置判定動作を開始すべきことを通知することを特徴とする付記6に記載のループ特定装置。
【0078】
(付記11)
前記返送数集計機能部は、前記パケット送受信機能部より順次転送される各前記入力パケットを解析してその中に記述されている送信元アドレスから、該入力パケットをなす前記ICMP time exceededパケットを送信した送信元アドレスを割り出す割出し部と、その割り出された送信元アドレスをエントリするテーブルと、を含んでなり、該テーブル上において各前記のルータ毎に個別に累積して前記返送数をカウントアップすることを特徴とする付記9に記載のループ特定装置。
【0079】
(付記12)
前記割出し部により割り出された送信元アドレスが前記テーブル内に無いとき、当該送信元アドレスを該テーブルに新規にエントリし、該割出し部により割り出された送信元アドレスが既に該テーブルにエントリ済みのときは、その送信元アドレスにおいてさらに累積して前記返送数を1だけカウントアップすることを特徴とする付記11に記載のループ特定装置。
【0080】
(付記13)
前記ループ位置判定機能部は、前記テーブルにより示される前記累積返送数を参照し、他に比べて相対的にその累積返送数が多い前記送信元アドレスに対応する前記ルータにおいて前記レイヤ3ループが発生しているものと判定することを特徴とする付記11に記載のループ特定装置。
【0081】
(付記14)
前記ループ位置判定機能部は、前記の相対的に累積返送数が多い送信元アドレスに対応するルータが2以上あるときに、前記レイヤ3ループが当該2以上のルータにおいて発生しているものと確定し、そのレイヤ3ループに係る2以上のルータを特定することを特徴とする付記13に記載のループ特定装置。
【0082】
(付記15)
前記ループ位置判定機能部は、前記累積返送数が予め設定した閾値を超えたものと判定したときに、前記レイヤ3ループが当該2以上のルータにおいて発生しているものと確定し、そのレイヤ3ループに係る2以上のルータを特定することを特徴とする付記11に記載のループ特定装置。
【0083】
(付記16)
映像配信装置内に構成されるか、または、その映像配信装置と同一のサブネットワーク内に設置された端末によって構成されることを特徴とする付記11に記載のループ特定装置。
【0084】
(付記17)
レイヤ3ネットワークに送信されたIPパケットの宛先への到達不能を検知して、レイヤ3ループの発生位置を特定すべきことを指示する指示ステップと、
TTL(Time to Live)の設定値が順次インクリメントする一連のIP(Internet Protocol)パケットを、前記レイヤ3ループの検査パケットとして送信する送信ステップと、
前記検査パケットに応答して返送される一連の該IPパケットに対応する一連のICMP(Internet Control Message Protocol)time exceededパケットを受信する受信ステップと、
受信した前記ICMP time exceededパケットから当該ICMP time exceededパケットを送信した送信元アドレスを割り出し、かつ、同一の該送信元アドレス毎に、該ICMP time exceededパケットの返送数を累積してカウントするカウントステップと、
前記の累積してカウントした前記返送数が相対的に多い前記送信元アドレスに対応する前記ルータが前記レイヤ3ループの発生位置であるものと判定する判定ステップと、
を有することを特徴とする、レイヤ3ネットワークにおけるループ特定方法。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明に基づくループ特定装置の基本構成を示す図である。
【図2】図1の基本構成をさらに具体化した一例を示す図である。
【図3】ループ検出の契機となる疎通確認プロセスの一例を示す図である。
【図4】ループ検出の契機となる疎通確認プロセスの他の例を示す図である。
【図5】本発明における検査パケットと戻りパケットとの関連を示す図である。
【図6】図5に関連したテーブル42の内容を示す図である。
【図7】本発明に基づくループ特定方法の基本ステップを示すフローチャートである。
【図8】図7に基づく具体的なステップの一例を示すフローチャート(その1)である。
【図9】図7に基づく具体的なステップの一例を示すフローチャート(その2)である。
【図10】ICMP time exceededパケットのフォーマットを示す図(その1)である。
【図11】ICMP time exceededパケットのフォーマットを示す図(その2)である。
【図12】図5における検査パケットをマルチキャストpingとした第1例を示す図である。
【図13】マルチキャストpingのフォーマットを示す図である。
【図14】図5における検査パケットをRTCPパケットとした第2例を示す図である。
【図15】RTCPパケットのフォーマットを示す図である。
【図16】レイヤ3ループ障害が発生している様子を示す図である。
【図17】マルチキャストの経路とユニキャストの経路とが異なることがあることを例示する図である。
【符号の説明】
【0086】
1 ループ特定装置
2 ループ特定指示機能部
3 パケット送受信機能部
4 返送数集計機能部
5 ループ位置判定機能部
6 レイヤ3ネットワーク
7 ルータ
7′ レイヤ3ループに係るルータ
8 サブネットワーク
9 送信端末(映像配信装置)
10 受信端末
41 割出し部
42 テーブル
L レイヤ3ループ
Pis 検査パケット
Pin 入力パケット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のルータを含むレイヤ3ネットワークにおいて発生するレイヤ3ループの位置を特定するためのループ特定装置であって、
前記レイヤ3ループの発生位置を特定すべきことを指示するループ特定指示機能部と、
前記の指示に従って、前記レイヤ3ループの発生位置を特定するための一連の検査パケットを少なくとも送信し、また、前記レイヤ3ネットワークからの入力パケットを受信するパケット送受信機能部と、
いずれかの前記ルータから返送される、前記検査パケットに対応する前記入力パケットの返送数を、前記複数のルータ毎に個別に累積してカウントする返送数集計機能部と、
前記返送数集計機能部において集計された前記のルータ毎の累積返送数を参照して、前記レイヤ3ループが発生していることを確定すると共に、その発生位置のルータを特定するループ位置判定機能部と、
を備えることを特徴とする、レイヤ3ネットワークにおけるループ特定装置。
【請求項2】
前記パケット送受信機能部から送信する前記一連の検査パケットは、TTL(Time to Live)の設定値が順次インクリメントするIP(Internet Protocol)パケットであって、該パケット送受信機能部が受信する前記入力パケットは、一連の該IPパケットに対応する一連のICMP(Internet Control Message Protocol)time exceededパケットであることを特徴とする請求項1に記載のループ特定装置。
【請求項3】
前記返送数集計機能部は、前記パケット送受信機能部より順次転送される各前記入力パケットを解析してその中に記述されている送信元アドレスから、該入力パケットをなす前記ICMP time exceededパケットを送信した送信元アドレスを割り出す割出し部と、その割り出された送信元アドレスをエントリするテーブルと、を含んでなり、該テーブル上において各前記のルータ毎に個別に累積して前記返送数をカウントアップすることを特徴とする請求項1に記載のループ特定装置。
【請求項4】
前記ループ位置判定機能部は、前記テーブルにより示される前記累積返送数を参照し、他に比べて相対的にその累積返送数が多い前記送信元アドレスに対応する前記ルータにおいて前記レイヤ3ループが発生しているものと判定することを特徴とする請求項1に記載のループ特定装置。
【請求項5】
レイヤ3ネットワークに送信されたIPパケットの宛先への到達不能を検知して、レイヤ3ループの発生位置を特定すべきことを指示する指示ステップと、
TTL(Time to Live)の設定値が順次インクリメントする一連のIP(Internet Protocol)パケットを、前記レイヤ3ループの検査パケットとして送信する送信ステップと、
前記検査パケットに応答して返送される一連の該IPパケットに対応する一連のICMP(Internet Control Message Protocol)time exceededパケットを受信する受信ステップと、
受信した前記ICMP time exceededパケットから当該ICMP time exceededパケットを送信した送信元アドレスを割り出し、かつ、同一の該送信元アドレス毎に、該ICMP time exceededパケットの返送数を累積してカウントするカウントステップと、
前記の累積してカウントした前記返送数が相対的に多い前記送信元アドレスに対応する前記ルータが前記レイヤ3ループの発生位置であるものと判定する判定ステップと、
を有することを特徴とする、レイヤ3ネットワークにおけるループ特定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2007−274535(P2007−274535A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−99691(P2006−99691)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】