説明

レジンコーテッドサンドに用いられるポリオレフィン分散技術

粒状基材と塗布化合物を有し、前記塗布化合物が、前記粒状基材の表面の少なくとも50%をコートし、ならびに塗布時に前記塗布化合物が、熱可塑性ポリマーと安定化化合物とを含む分散液を含む、ポリマーコーテッド粒状材料。もう1つの態様において、本明細書に開示する実施形態は、ポリマーコーテッド粒状材料の形成方法に関し、この方法は、粒状基材と分散液を混ぜる段階(前記分散液は、熱可塑性ポリマーと、安定化化合物と、有機溶剤、水およびこれらの組み合わせから成る群より選択される分散媒とを含む);前記分散媒の少なくとも一部分を除去する段階を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照:本出願は、2006年9月11日出願の米国特許仮出願第60/843,682号の優先権を主張するものであり、該仮出願の開示は、本明細書に参照として取り入れられている。
【0002】
本明細書に開示する実施形態は、一般にはポリマーコーテッド(polymer coated)粒状材料に関する。もう1つの態様において、本明細書に開示する実施形態は、ポリマーコーテッド粒状材料を製造するためのプロセスに関する。より具体的な態様において、本明細書に開示する実施形態は、ポリマーコーテッドサンド(polymer coated sand)などの粒状材料に関する。前記サンドまたは他の粒状材料は、水性分散液として供給することができるポリマーもしくはポリマー混合物でコートされたものである場合もあり、または前記ポリマーもしくはポリマー混合物と一体化されたものである場合もある。
【背景技術】
【0003】
人工芝は、シート基材から上に伸びる人工の草のふさから成る。人工の草のふさの間に分散される充填用材料が、それらの人工の草のふさを直立状態で維持して、それらが倒伏するまたは別の望ましくない様子になることを防ぐ。
【0004】
充填材として使用される材料の1つの例として、特許文献1には、弾性材料または熱可塑性ポリマーのいずれかでシリカサンドをコートすることによって形成される充填材が記載されている。これらの充填用粒体は、先ず、シリカの一部分を200℃と300℃の間の温度に加熱し、そのサンドをミキサーに入れ、混合しながらエラストマーまたは熱可塑性ポリマーペレットを添加することによって形成される。その時、その熱可塑性ポリマーを溶融して、そのサンドをコートする。その後、そのミキサーに散水し、空気を流すことによって、その混合物の内容を冷却する。この散水の正確な量およびタイミングは、凝集塊の有意な形成を伴わずに易流動性材料を得るために、非常に重要である。
【0005】
充填材として使用される材料の別の例として、特許文献2には、リサイクルタイヤ材料の芯をプラスチックでコートすることによって形成された充填用粒体が記載されている。これらの充填用粒体は、プラスチックとリサイクルタイヤ粒体を混合し、そのプラスチックを溶融し、その混合物を圧延してシートを形成することによって形成される。それらのシートを冷却してプラスチックを凝固させ、その後、それらのシートを造粒に付し、結果として、充填材として使用するためのプラスチックでコートされたリサイクルタイヤ粒体が得られる。
【0006】
充填用材料、芯およびコーティングの選択は、人工芝の全ての特徴に大きな影響を及ぼし得る。充填材の望ましい特性としては、良好な外観と良好な耐摩耗性の両方をもたらす結果となる、均一で完全な粒状基材のコーティング;充填材の圧密の発生を防止することができる、長い使用期間にわたっての良好なすべり抵抗性および耐熱性;望ましい触感、美しさおよびプレーヤー安全性をもたらす柔軟なコーティングが挙げられ、ならびに充填材は、容易に施用できるように易流動性である必要がある。
【0007】
上で参照した特許および公開公報に記載されているように製造した充填用材料は、所望の特性の良好なバランスを示さない充填材を生じさせる結果となることが多い。加えて、用いられるプロセスが非効率的であり、その結果、粒状材料の不完全なコーティングが生じることまたは過剰な凝集塊が生成されることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許出願公開第2006−0100342号
【特許文献2】米国特許出願公開第2005−0003193号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、充填材を製造するために用いるプロセスには改善が必要である。無駄を減らしてより低いコストをもたらすプロセスを有することが望まれる。優れた耐摩耗性、良好な触感および美しさならびに卓越したプレーヤー安全性をもたらす結果となる均質で均一なコーティングを生じさせるレジンを有することも望まれる。結果として得られる充填材特性および特性のバランスの改善も必要である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
1つの態様において、本明細書に開示する実施形態は、粒状基材および塗布化合物を有するポリマーコーテッド粒状材料に関し、この場合、前記塗布化合物は、前記粒状基材の表面の少なくとも50%をコートし、ならびに塗布時に前記塗布化合物は、熱可塑性ポリマーと安定化化合物とを含む分散液を含む。
【0011】
もう1つの態様において、本明細書に開示する実施形態は、ポリマーコーテッド粒状材料の形成方法に関し、この方法は、粒状基材と分散液を混ぜる段階(前記分散液は、熱可塑性ポリマーと、安定化化合物と、有機溶剤、水およびこれらの組み合わせから成る群より選択される分散媒とを含む);前記分散媒の少なくとも一部分を除去する段階を含む。
【0012】
本発明の他の態様および利点は、後続の説明および添付の特許請求の範囲から明らかになる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
1つの態様において、本明細書に記載する実施形態は、ポリマーコーテッド粒状材料に関する。もう1つの態様において、本明細書に記載する実施形態は、ポリマーコーテッド粒状材料を製造するためのプロセスに関する。より具体的な態様において、本明細書に記載する実施形態は、ポリマーコーテッドサンドなどの粒状材料に関する。前記サンドまたは他の粒状材料は、水性分散液として供給することができるポリマーもしくはポリマー混合物でコートされたものである場合もあり、または前記ポリマーもしくはポリマー混合物と一体化されたものである場合もある。
【0014】
粒状材料
【0015】
一部の実施形態において、ポリマー外皮でコートされる粒状材料としては、鉱物粒およびサンドを挙げることができる。別の実施形態において、前記粒状材料としては、シリカ系サンド、例えば石英サンド、ホワイトサンド、例えば石灰石系サンド、アルコーズ、および磁鉄鉱、緑泥石、緑海石または石膏を含有するサンドを挙げることができる。別の実施形態において、前記鉱物粒としては、様々なフィラー、例えば、炭酸カルシウム、タルク、ガラス繊維、ポリマー繊維(ナイロン、レーヨン、綿、ポリエステルおよびポリアミドを含む)および金属繊維を挙げることができる。別の実施形態において、コートされる粒状材料としては、リサイクルタイヤをはじめとするゴム粒子を挙げることができる。
【0016】
一部の実施形態において、前記鉱物粒およびサンドのサイズは、0.1から3mmの範囲であり得る。別の実施形態において、前記鉱物粒およびサンドのサイズは、0.2から2.5mm、別の実施形態において0.3から2.0mm;およびさらに別の実施形態において0.4から1.2mmの範囲であり得る。
【0017】
分散液
【0018】
本明細書に開示する実施形態に従って使用す分散液は、ベースポリマーおよび場合によっては安定剤を含み得る。一部の実施形態において、前記分散液は、有機または水性分散液であり得る。別の実施形態において、前記分散液は、少なくとも1つの熱可塑性レジンと、水と、場合によっては少なくとも1つの安定剤と、場合によってはフィラーとを含む、水性分散液であり得る。
【0019】
ベースポリマー
【0020】
前記分散液組成物中に含まれているベースポリマーレジンは、特定の用途および所望される結果に依存して変わり得る。1つの実施形態において、例えば、前記ベースポリマーは、熱可塑性レジンであり得る。特定の実施形態において、前記熱可塑性レジンは、オレフィンポリマーであり得る。本明細書において用いる場合、一般に、オレフィンポリマーは、一般式C2nを有する炭化水素モノマーから成るポリマーの1類を指す。オレフィンポリマーは、コポリマー、例えば、共重合体、ブロックコポリマー、またはマルチブロック共重合体もしくはコポリマーとして存在し得る。
【0021】
1つの特定の実施形態において、例えば、前記オレフィンポリマーは、C−C20線状、分岐もしくは環状ジエン、またはエチレンビニル化合物、例えばビニルアセテート、および式HC=CHR(式中、Rは、C−C20線状、分岐もしくは環状アルキル基またはC−C20アリール基である)によって表される化合物から成る群より選択される少なくとも1つのコモノマーとエチレンのアルファ−オレフィン共重合体を含むことができる。コモノマーの例としては、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、および1−ドデセンが挙げられる。
【0022】
別の実施形態において、前記熱可塑性レジンは、C−C20線状、分岐もしくは環状ジエン、および式HC=CHR(式中、Rは、C−C20線状、分岐もしくは環状アルキル基またはC−C20アリール基である)によって表される化合物から成る群より選択される少なくとも1つのコモノマーとプロピレンのアルファ−オレフィン共重合体であり得る。コモノマーの例としては、エチレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、および1−ドデセンが挙げられる。一部の実施形態において、前記コモノマーは、その共重合体の約5重量%から約25重量%で存在する。1つの実施形態では、プロピレン−エチレン共重合体を使用する。
【0023】
本開示において使用することができる熱可塑性レジンの他の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−3−メチル−1−ブテン、ポリ−3−メチル−1−ペンテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−1−ブテンコポリマーおよびプロピレン−1−ブテンコポリマーによって典型的に代表されるような、オレフィン、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセンおよび1−ドデセン、のホモポリマーおよびコポリマー(エラストマーを含む);エチレン−ブタジエンコポリマーおよびエチレン−エチリデンノルボルネンコポリマーによって典型的に代表されるような、アルファ−オレフィンと共役または非共役ジエンのコポリマー(エラストマーを含む);ならびにポリオレフィン(エラストマーを含む)、例えば、エチレン−プロピレン−ブタジエンコポリマー、エチレン−プロピレン−ジシクロペンタジエンコポリマー、エチレン−プロピレン−1,5−ヘキサジエンコポリマーおよびエチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネンコポリマーによって典型的に代表されるような、2つまたはそれ以上のアルファ−オレフィンと共役または非共役ジエンのコポリマー;エチレン−ビニル化合物コポリマー、例えば、N−メチロイル官能性コモノマーを有するエチレン−ビニルアセテートコポリマー、N−メチロイル官能性コモノマーを有するエチレン−ビニルアルコールコポリマー、エチレン−ビニルクロライドコポリマー、エチレンアクリル酸またはエチレン−(メタ)アクリル酸コポリマー、およびエチレン−(メタ)アクリレートコポリマー;スチレン系コポリマー(エラストマーを含む)、例えば、ポリスチレン、ABS、アクリロニトリル−スチレンコポリマー、メチルスチレン−スチレンコポリマー;ならびにスチレンブロックコポリマー(エラストマーを含む)、例えば、スチレン−ブタジエンコポリマーおよびその水和物、ならびにスチレン−イソプレン−スチレントリブロックコポリマー;ポリビニル化合物、例えば、ポリビニルクロライド、ポリビニリデンクロライド、ビニルクロライド−ビニリデンクロライドコポリマー、ポリメチルアクリレート、およびポリメチルメタクリレート;ポリアミド、例えば、ナイロン6、ナイロン6,6、およびナイロン12;熱可塑性ポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレート;ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシドなどが挙げられる。これらのレジンは、単独で使用することができ、または2つまたはそれ以上の組み合わせで使用することができる。
【0024】
特定の実施形態では、ポリオレフィン、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ならびにそれらのコポリマーおよびそれらのブレンド、ならびにエチレン−プロピレン−ジエンターポリマーを使用することができる。一部の実施形態において、オレフィン系ポリマーとしては、Elstonにより米国特許第3,645,992号に記載された均一ポリマー;Andersonの米国特許第4,076,698号に記載されているような高密度ポリエチレン(HDPE);不均一に分岐した線状低密度ポリエチレン(LLDPE);不均一に分岐した線状超低密度(ULDPE);不均一に分岐した、線状エチレン/アルファ−オレフィンコポリマー;例えば米国特許第5,272,236号および米国特許第5,278,272号に記載されているプロセス(これらのプロセスの開示は、本明細書に参照として取り入れられている)によって作製することができる、不均一に分岐した、実質的に線状のエチレン/アルファ−オレフィンポリマー;不均一に分岐した線状エチレン/アルファ−オレフィンポリマー;ならびに高圧、ラジカル重合エチレンポリマーおよびコポリマー、例えば低密度ポリエチレン(LDPE)が挙げられる。
【0025】
もう1つの実施形態において、前記熱可塑性レジンとしては、エチレン−カルボン酸コポリマー、例えば、エチレン−ビニルアセテート(EVA)コポリマー、エチレン−アクリル酸(EAA)およびエチレン−メタクリル酸コポリマー、例えば、Dow Chemical Companyから商用名PRIMACOR(商標)、DuPontからNUCREL(商標)、およびExxonMobilからESCOR(商標)で入手できるもの、ならびに米国特許第4,599,392号、同第4,988,781号、および同第5,384,373号(これらのそれぞれは、その全体が本明細書に参照として取り入れられている)に記載されているものなどを挙げることができる。例示的ポリマーとしては、ポリプロピレン(耐衝撃性改質ポリプロピレン、アイソタクチックポリプロピレン、アタクチックポリプロピレンばかりでなく、ランダムエチレン/プロピレンコポリマーも)、様々なタイプのポリエチレン、例えば、高圧、フリーラジカルLDPE、チーグラー・ナッタLLDPE、メタロセンPE(チーグラー・ナッタPEとメタロセンPEの多反応器PE(「反応器内」)ブレンド、例えば米国特許第6,545,088号、同第6,538,070号、同第6,566,446号、同第5,844,045号、同第5,869,575号および同第6,448,341号に開示されている生成物、を含む)など、が挙げられる。均一ポリマー、例えば、オレフィンプラストマーおよびエラストマー、エチレンおよびプロピレン系コポリマー(例えば、The Dow Chemical Companyから入手できる商品名VERSIFY(商標)で入手できるポリマー、およびExxonMobileから入手できるVISTAMAXX(商標))も一部の実施形態において有用であり得る。勿論、ポリマーのブレンドも使用することができる。一部の実施形態において、前記ブレンドは、2つの異なるチーグラー・ナッタポリマーを含む。別の実施形態において、前記ブレンドとしては、チーグラー・ナッタとメタロセンポリマーのブレンドを挙げることができる。さらに別の実施形態において、ここで使用する熱可塑性レジンは、2つの異なるメタロセンポリマーのブレンドであり得る。
【0026】
1つの特定の実施形態において、前記熱可塑性レジンは、エチレンとアルケン、例えば1−オクテン、を含むコモノマーとのアルファ−オレフィン共重合体を含むことができる。前記エチレンとオクテンのコポリマーは、単独で存在する場合もあり、または別の熱可塑性レジン、例えばエチレン−アクリル酸コポリマー、との組み合わせで存在する場合もある。一緒に存在する場合、エチレンとオクテンのコポリマーと、エチレン−アクリル酸コポリマーとの重量比は、約1:10から約10:1、例えば、約3:2から約2:3であり得る。ポリマーレジン、例えばエチレン−オクテンコポリマーは、約50%未満、例えば約25%未満、の結晶度を有し得る。
【0027】
本明細書に開示する実施形態は、少なくとも1つのマルチブロックオレフィン共重合体を含み得るポリマー成分も含むことができる。適するマルチブロックオレフィン共重合体としては、例えば、米国特許仮出願第60/818,911号に記載されているものを挙げることができる。用語「マルチブロックコポリマー」または は、好ましくは直線的に連結された2つまたはそれ以上の化学的に異なる領域またはセグメント(「ブロック」と呼ばれる)を含むポリマー、すなわち、ペンダント様式またはグラフト様式ではなく、重合エチレン官能基についての末端と末端が連結されている化学的に区別されるユニットを含むポリマーを指す。一定の実施形態において、前記ブロックは、それらの中に組み込まれているコモノマーの量もしくはタイプ、密度、結晶度の量、そうした組成のポリマーに起因するクリスタリットサイズ、タクチシティーのタイプ(アイソタクチックもしくはシンジオタクチック)もしくは程度、立体規則性もしくは立体不規則性、分岐(長鎖分岐もしくは超分岐を含む)の量、均一性、または任意の他の化学的もしくは物理的特性の点で異なる。マルチブロックコポリマーは、それらのコポリマーを製造する固有のプロセスに起因する多分散指数(PDIもしくはM/M)の固有の分布、ブロック長分布および/またはブロック数分布によって特徴づけられる。より具体的には、連続プロセスで製造した場合、それらのポリマーの実施形態は、約1.7から約8;別の実施形態では約1.7から約3.5;別の実施形態では約1.7から約2.5;およびさらに別の実施形態では約1.8から約2.5または約1.8から約2.1の範囲のPDIを有し得る。バッチまたはセミバッチプロセスで製造した場合、それらのポリマーの実施形態は、約1.0から約2.9;別の実施形態では約1.3から約2.5;別の実施形態では約1.4から約2.0;およびさらに別の実施形態では約1.4から約1.8の範囲のPDIを有し得る。
【0028】
マルチブロックオレフィン共重合体の1つの例は、エチレン/α−オレフィンブロック共重合体である。マルチブロックオレフィン共重合体のもう1つの例は、プロピレン/α−オレフィン共重合体である。以下の説明は、主モノマーとしてエチレンを有するような共重合体に焦点を当てているが、一般的なポリマー特性に関してはプロピレン系マルチブロック共重合体にも同様に当てはまる。
【0029】
エチレン/α−オレフィンマルチブロック共重合体は、化学的または物理的特性が異なる2つまたはそれ以上の重合モノマーユニットの多数の(すなわち、2つまたはそれ以上の)ブロックまたはセグメント(ブロック共重合体)、好ましくはマルチブロック共重合体によって特徴付けられる、重合した形態でのエチレンと1つまたはそれ以上の共重合性α−オレフィンコモノマーを含むことができる。一部の実施形態において、前記マルチブロック共重合体は、次に式:
(AB)
によって表すことができ、式中、nは、少なくとも1、好ましくは1より大きい整数、例えば2、3、4、5、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、100またはそれ以上であり、「A」は、ハードブロックまたはセグメントを表し;ならびに「B」は、ソフトブロックまたはセグメントを表す。好ましくは、AおよびBは、分岐様式またはスター様式でではなく、線状様式で連結される。「ハード」セグメントは、一部の実施形態において95重量パーセントより多い、および別の実施形態において98重量パーセントより多い量でエチレンが存在する、重合ユニットのブロックを指す。言い換えると、ハードセグメントのコモノマー含有量は、一部の実施形態においてそれらのハードセグメントの総重量の5重量パーセント未満、および別の実施形態において2重量パーセント未満である。一部の実施形態において、ハードセグメントは、すべてまたは実質的にすべてエチレンで構成されている。一方、「ソフト」セグメントは、一部の実施形態においてコモノマー含量がそれらのソフトセグメントの総重量の5重量パーセントより多い、様々な別の実施形態において8重量パーセントより多い、10重量パーセントより多いまたは15重量パーセントより多い、重合ユニットのブロックを指す。一部の実施形態において、ソフトセグメントのコモノマー含有量は、20重量パーセントより多い、様々な別の実施形態において、25重量パーセントより多い、30重量パーセントより多い、35重量パーセントより多い、40重量パーセントより多い、45重量パーセントより多い、50重量パーセントより多い、または60重量パーセントより多いことがある。
【0030】
一部の実施形態において、AブロックおよびBブロックは、ポリマー鎖に沿ってランダムに分布している。言い換えると、ブロックコポリマーは、
AAA――AA−BBB――BB
にような構造を有さない。
【0031】
別の実施形態において、ブロックコポリマーは、第三のブロックを有さない。さらに別の実施形態では、ブロックAも、ブロックBも、2つまたはそれ以上のセグメント(またはサブブロック)、例えば先端セグメント(tip segument)、を含まない。
【0032】
マルチブロック共重合体は、ゼロより大きい値から約1.0の範囲の平均ブロック指数、ABI、および約1.3より大きい分子量分布、M/M、によって特徴付けることができる。平均ブロック指数、ABI、は、5℃の増分での20℃から110℃の分取TREFで得られるポリマー画分のそれぞれについてのブロック指数(「BI」)の重量平均である:
【数1】

(式中、BIは、分取TREFで得られるマルチブロック共重合体のi番目の画分についてのブロック指数であり、およびwは、i番目の画分の重量百分率である)。
【0033】
同様に、その平均値についての二次モーメントの平方根(以後、二次モーメント重量平均ブロック指数と呼ぶ)は、次のように定義することができる:
【数2】

【0034】
それぞれのポリマー画分についてのBIは、次の2つの方程式(これらの両方が同じBI値を与える):
【数3】

の一方によって定義され、式中、Tは、i番目の画分についての解析的昇温溶離分別(ATREF)溶離温度(好ましくは、ケルビンで表される)であり、Pは、下で説明するようにNMRまたはIRによって測定することができる、i番目の画分についてのエチレンモル分率である。PABは、(分別前の)全エチレン/α−オレフィン共重合体のエチレンモル分率であり、これもNMRまたはIRによって測定することができる。TおよびPは、純粋な「ハードセグメント」(これは、共重合体の結晶セグメントを指す)についてのATREF溶離温度およびエチレンモル分率である。近似として、または「ハードセグメント」組成が不明であるポリマーについては、TおよびP値を高密度ポリエチレンホモポリマーについての値とする。
【0035】
ABは、マルチブロック共重合体と同じ組成(PABのエチレンモル分率を有する)および分子量のランダムコポリマーについてのATREF溶離温度である。TABは、次の方程式:
Ln PAB=α/TAB+β
を用いて、(NMRによって測定される)エチレンのモル分率から計算することができ、この式中のαおよびβは、広い組成のランダムコポリマーの十分に特性付けされている多数の分取TREF画分および/または狭い組成を有する十分に特性付けされている多数のランダムエチレンコポリマーを用いる検量線の作成によって決定することができる2つの定数である。なお、αおよびβは計器によって変わり得る。さらに、その検量線を作成するために用いた分取TREF画分および/またはランダムコポリマーについての適切な分子量範囲およびコモノマータイプを用いて、対象となるポリマー組成で適切な検量線を作成する必要がある。わずかな分子量効果が生じる。同様の分子量範囲から検量線が得られたら、そのような影響は、本質的に無視してもよい。一部の実施形態において、ランダムエチレンコポリマーおよび/またはランダムコポリマーの分取TREF画分は、次の関係を満たす:
Ln P=−237.83/TATREF+0.639
【0036】
上の検量方程式は、エチレンのモル分率、P、を、狭い組成のランダムコポリマーについてのおよび/または広い組成のランダムコポリマーの分取TREF画分についての解析的TREF溶離温度、TATREF、と関係付けるものである。TXOは、Pのエチレンモル分率を有する、同じ組成のランダムコポリマーについてのATREF温度である。TXOは、Ln P=α/TXO+βから計算することができる。逆に言えば、TXOは、TのATREF温度を有する、同じ組成のランダムコポリマーについてのエチレンモル分率であり、Ln PXO=α/T+βから計算することができる。
【0037】
それぞれの分取TREF画分についてのブロック指数(BI)が得られたら、全ポリマーについての重量平均ブロック指数、ABI、を計算することができる。一部の実施形態において、ABIは、ゼロより大きいが、約0.4より小さく、または約0.1から約0.3である。別の実施形態において、ABIは、約0.4より大きく、且つ約1.0以下である。好ましくは、ABIは、約0.4から約0.7、約0.5から約0.7、または約0.6から約0.9の範囲内である。一部の実施形態において、ABIは、約0.3から約0.9、約0.3から約0.8、または約0.3から約0.7、約0.3から約0.6、約0.3から約0.5、または約0.3から約0.4の範囲内である。別の実施形態において、ABIは、約0.4から約1.0、約0.5から約1.0、または約0.6から約1.0、約0.7から約1.0、約0.8から約1.0、または約0.9から約1.0の範囲内である。
【0038】
マルチブロック共重合体のもう1つの特徴は、その共重合体が、分取TREFによって得ることができる少なくとも1つのポリマー画分を含むことができることであり、この場合、前記画分は、約0.1より大きく、且つ約1.0までのブロック指数を有し、前記ポリマーは、約1.3より大きい分子量分布、M/M、を有する。一部の実施形態において、前記ポリマー画分は、約0.6より大きく、且つ約1.0まで、約0.7より大きく、且つ約1.0まで、約0.8より大きく、且つ約1.0まで、または約0.9より大きく、且つ約1.0までのブロック指数を有する。別の実施形態において、前記ポリマー画分は、約0.1より大きく、且つ約1.0まで、約0.2より大きく、且つ約1.0まで、約0.3より大きく、且つ約1.0まで、約0.4より大きく、且つ約1.0まで、または約0.4より大きく、且つ約1.0までのブロック指数を有する。さらに別の実施形態において、前記ポリマー画分は、約0.1より大きく、且つ約0.5まで、約0.2より大きく、且つ約0.5まで、約0.3より大きく、且つ約0.5まで、または約0.4より大きく、且つ約0.5までのブロック指数を有する。さらに別の実施形態において、前記ポリマー画分は、約0.2より大きく、且つ約0.9まで、約0.3より大きく、且つ約0.8まで、約0.4より大きく、且つ約0.7まで、または約0.5より大きく、且つ約0.6までのブロック指数を有する。
【0039】
本発明の実施形態において使用するエチレンα−オレフィンマルチブロック共重合体は、エチレンと少なくとも1つのC−C20α−オレフィンとの共重合体であり得る。前記共重合体は、C−C18ジオレフィンおよび/またはアルケニルベンゼンをさらに含むことができる。エチレンとの重合に有用な適する不飽和コモノマーとしては、例えば、エチレン不飽和モノマー、共役または非共役ジエン、ポリエン、アルケニルベンゼンなどが挙げられる。そのようなコモノマーの例としては、C−C20α−オレフィン、例えば、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどが挙げられる。1−ブテンおよび1−オクテンが特に好ましい。他の適するモノマーとしては、スチレン、ハロ置換またはアルキル置換スチレン、ビニルベンゾシクロブタン、1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、およびナフテン系化合物(例えば、シクロペンテン、シクロヘキセン、およびシクロオクテンなど)が挙げられる。
【0040】
本明細書に開示するマルチブロック共重合体は、従来の、ランダムコポリマー、ポリマーの物理的ブレンド、および逐次的モノマー付加、可動性触媒およびアニオンまたはカチオンリビング重合技術によって作製されたブロックコポリマーとは区別することができる。特に、等価の結晶度またはモジュラスで同じモノマーおよびモノマー含有量のランダムコポリマーと比較すると、本共重合体は、より良好な(高い)耐熱性(例えば、融点によって測られる)、より高いTMA針侵入温度、より高い高温引張強度、および/またはより高い高温捩り貯蔵弾性率(high-temperature torsion storage modulus)(例えば、動的機械分析によって決定される)を有する。同じモノマーおよびモノマー含有量を含有するランダムコポリマーと比較して、本マルチブロック共重合体は、より低い圧縮永久ひずみ(特に、高温で)、より低い応力緩和、より高い耐クリープ性、より高い引裂強度、より高い耐ブロッキング性、より高い結晶化(凝固)温度に起因するより早い硬化、より高い回復率(特に、高温で)、より良好な耐摩損性、より高い収縮率、ならびにより良好な油およびフィラー受容性を有するので、充填材の特性は、本マルチブロック共重合体の実施形態の使用の恩恵を受けことができる。
【0041】
他のオレフィン共重合体としては、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、t−ブチルスチレンなどをはじめとするモノビニリデン芳香族モノマーを含むポリマーが挙げられる。特に、エチレンとスチレンを含む共重合体を使用することができる。別の実施形態において、エチレンとスチレンとC−C20αオレフィンを含む、場合によってはC−C20ジエンを含む、コポリマーを使用することができる。
【0042】
適する非共役ジエンモノマーとしては、6から15個の炭素原子を有する直鎖、分岐鎖または環式炭化水素ジエンを挙げることができる。適する非共役ジエンの例としては、直鎖非環式ジエン、例えば、1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、1,9−デカジエン;分岐鎖非環式ジエン、例えば、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、3,7−ジメチル−1,6−オクタジエン、3,7−ジメチル−1,7−オクタジエン、およびジヒドロミリセン(dihydromyricene)とジヒドロオシネン(dihydroocinene)の混合異性体;単環脂環式ジエン、例えば、1,3−シクロペンタジエン、1,4−シクロヘキサジエン、1,5−シクロオクタジエンおよび1,5−シクロドデカジエン;ならびに多環脂環式縮合および架橋環ジエン、例えば、テトラヒドロインデン、メチルテトラヒドロインデン、ジシクロペンタジエン、ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタ−2,5−ジエン;アルケニル、アルキリデン、シクロアルケニルおよびシクロアルキリデンノルボルネン、例えば、5−メチレン−2−ノルボルネン(MNB)、5−プロペニル−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−(4−シクロペンテニル)−2−ノルボルネン、5−シクロヘキシリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、およびノルボルナジエンが挙げられるが、これらに限定されない。EPDMを作製するために典型的に使用されるジエンのうち、特に好ましいジエンは、1,4−ヘキサジエン(HD)、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)、5−ビニリデン−2−ノルボルネン(VNB)、5−メチレン−2−ノルボルネン(MNB)、およびジシクロペンタジエン(DCPD)である。
【0043】
本明細書に開示する実施形態に従って使用することができる望ましいポリマーの1類は、エチレンと、C−C20α−オレフィン、特にプロピレンと、場合によっては1つまたはそれ以上のジエンモノマーとの弾性共重合体を含む。この実施形態において使用するために好ましいα−オレフィンは、式CH=CHRによって表され、この式中、Rは、1から12個の炭素原子の線状または分岐アルキル基である。適するα−オレフィンの例としては、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、および1−オクテンが挙げられるが、これらに限定されない。特に好ましいα−オレフィンは、プロピレンである。これらのプロピレン系ポリマーは、当分野において、一般に、EPまたはEPDMポリマーと呼ばれる。そのようなポリマー、特にマルチブロックEPDMタイプのポリマー、を作製する際に使用するために適するジエンとしては、4から20個の炭素原子を含む、共役または非共役、直鎖または分岐鎖、環式または多環式ジエンが挙げられる。好ましいジエンとしては、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、および5−ブチリデン−2−ノルボルネンが挙げられる。特に好ましいジエンは、5−エチリデン−2−ノルボルネンである。
【0044】
本明細書に記載するポリマー(ホモポリマー、コポリマー、共重合体およびマルチブロック共重合体)は、一部の実施形態において0.01から2000g/10分、別の実施形態において0.01から1000g/10分、別の実施形態において0.01から500g/10分、およびさらに別の実施形態において0.01から100g/10分のメルトインデックス、I、を有し得る。一定の実施形態において、前記ポリマーは、0.01から10g/10分、0.5から50g/10分、1から30g/10分、1から6g/10分、または0.3から10g/10分のメルトインデックス、I、を有し得る。一定の実施形態において、前記ポリマーのメルトインデックスは、約1g/10分、3g/10分、または5g/10分であり得る。
【0045】
本明細書に記載するポリマーは、一部の実施形態において1,000g/molから5,000,000g/mol、別の実施形態において1,000g/molから1,000,000g/mol、別の実施形態において10,000g/molから500,000g/mol、およびさらに別の実施形態において10,000g/molから300,000g/molの分子量、M、を有し得る。本明細書に記載するポリマーの密度は、一部の実施形態において0.80から0.99g/cm;エチレン含有ポリマーについては0.85g/cmから0.97g/cmであり得る。一定の実施形態において、前記エチレン/α−オレフィンポリマーの密度は、0.860から0.925g/cmまたは0.867から0.910g/cmの範囲であり得る。
【0046】
一部の実施形態において、本明細書に記載するポリマーは、10MPaより大きい引張強度、別の実施形態において11MPa以上の引張強度、およびさらに別の実施形態において13MPa以上の引張強度を有し得る。一部の実施形態において、本明細書に記載するポリマーは、11cm/分のクロスヘッド分離速度で少なくとも600パーセント、別の実施形態において少なくとも700パーセント、別の実施形態において少なくとも800パーセント、およびさらに別の実施形態において少なくとも900パーセントの破断点伸び率を有し得る。
【0047】
一部の実施形態において、本明細書に記載するポリマーは、1から50、別の実施形態において1から20、およびさらに別の実施形態において1から10の貯蔵弾性率比、G’(25℃)/G’(100℃)、を有し得る。一部の実施形態において、前記ポリマーは、80パーセント未満の70℃圧縮永久ひずみ、別の実施形態において70パーセント未満、別の実施形態において60パーセント未満、およびさらに別の実施形態において50パーセント未満、40パーセント未満、下は0パーセントに至るまでの圧縮永久ひずみを有し得る。
【0048】
一部の実施形態において、前記エチレン/α−オレフィン共重合体は、85J/g未満の融解熱を有し得る。別の実施形態において、前記エチレン/α−オレフィン共重合体は、100ポンド/フィート(4800Pa)であるまたはそれ以下の、別の実施形態において50 lbs/ft(2400Pa)であるまたはそれ以下の、さらに別の実施形態において5 lbs/ft(240Pa)であるまたはそれ以下の、および0 lbs/ft(0Pa)ほどもの低さのペレットブロッキング強度を有し得る。
【0049】
一部の実施形態において、異なる量のコモノマーを組み込む2つの触媒を用いて製造されたブロックポリマーは、95:5から5:95の範囲の、それによって形成されたブロックの重量比を有し得る。一部の実施形態において、前記弾性共重合体は、そのポリマーの総重量に基づき、20から90パーセントのエチレン含有量、0.1から10パーセントのジエン含有量、および10から80パーセントのα−オレフィン含有量を有する。別の実施形態において、前記マルチブロック弾性ポリマーは、そのポリマーの総重量に基づき、60から90パーセントのエチレン含有量、0.1から10パーセントのジエン含有量、および10から40パーセントのα−オレフィン含有量を有する。別の実施形態において、前記共重合体は、1から250の範囲のムーニー粘度(ML(1+4)125℃)を有し得る。別の実施形態において、そのようなポリマーは、65から75パーセントのエチレン含有量、0から6パーセントのジエン含有量、および20から35パーセントのα−オレフィン含有量を有し得る。
【0050】
一定の実施形態において、前記ポリマーは、5重量%と20重量%の間のエチレン含有量および0.5から300g/10分のメルトフローレート(2.16kg重量で230℃)を有する、プロピレン−エチレンコポリマーまたは共重合体であり得る。別の実施形態において、前記プロピレン−エチレンコポリマーまたは共重合体は、9重量%と12重量%の間のエチレン含有量および1から100g/10分のメルトフローレート(2.16kg重量で230℃)を有し得る。
【0051】
一部の実施形態において、前記ポリマーは、プロピレン系コポリマーまたは共重合体である。一定の実施形態において、前記プロピレン系ポリマーは、プロピレン−αオレフィンコポリマーであり得る。一部の実施形態において、プロピレン/エチレンコポリマーまたは共重合体は、実質的にアイソタクチックなプロピレン配列を有するという特徴がある。用語「実質的にアイソタクチックなプロピレン配列」および類似の用語は、その配列が、13C NMRによって測定して約0.85より大きい、好ましくは約0.90より大きい、さらに好ましくは約0.92より大きい、および最も好ましくは約0.93より大きいアイソタクチックトリアッド(mm)を有することを意味する。アイソタクチックトリアッドは、当分野では周知であり、例えば、米国特許第5,504,172号およびWO 00/01745に記載されており、これは、13C NMRスペクトルによって決定されるようなコポリマー分子鎖内のトリアッドユニットに関してのアイソタクチックな配列を指す。他の特定の実施形態において、前記エチレン−αオレフィンコポリマーは、エチレン−ブテン、エチレン−ヘキセン、またはエチレン−オクテンコポリマーまたは共重合体であり得る。他の特定の実施形態において、前記プロピレン−αオレフィンコポリマーは、プロピレン−エチレンまたはプロピレン−エチレン−ブテンコポリマーまたは共重合体であり得る。
【0052】
本明細書に記載するポリマー(ホモポリマー、コポリマー、共重合体、マルチブロック共重合体)は、シングルサイト触媒を使用して製造することができ、ならびに約15,000から約5,000,000、例えば、約20,000から約1,000,000の重量平均分子量を有し得る。前記ポリマーの分子量分布は、約1.01から約80、例えば、約1.5から約40、例えば約1.8から約20であり得る。
【0053】
前記レジンは、一部の実施形態において、比較的低い融点を有することもある。例えば、本明細書に記載するポリマーの融点は、約160℃未満、例えば、約130℃未満、例えば120℃未満であり得る。例えば、1つの実施形態において、前記融点は、約100℃未満であり得、もう1つの実施形態において、前記融点は、約90℃未満、別の実施形態において80℃未満、およびさらに別の実施形態において70℃未満であり得る。前記ポリマーレジンのガラス転移温度も比較的低いことがある。例えば、前記ガラス転移温度は、約50℃未満、例えば、約40℃未満であり得る。
【0054】
一部の実施形態において、前記ポリマーは、30から100のショアA硬度を有し得る。別の実施形態において、前記ポリマーは、40から90、別の実施形態において30から80、およびさらに別の実施形態において40から75のショアA硬度を有し得る。
【0055】
前記オレフィンポリマー、コポリマー、共重合体およびマルチブロック共重合体を、そのポリマー構造に少なくとも1つの官能基を組み込むことによって、官能化することができる。例示的官能基としては、例えば、エチレン不飽和一および二官能性カルボン酸、エチレン不飽和一および二官能性カルボン酸無水物、それらの塩ならびにそれらのエステルを挙げることができる。そのような官能基をオレフィンポリマーにグラフトさせることができ、またはそれをエチレンおよび任意の追加のコモノマーと共重合させて、エチレンと官能性コモノマーと任意の他のコモノマー(単数または複数)の共重合体を形成することができる。ポリエチレンに官能基をグラフトさせるための手段は、例えば、米国特許第4,762,890号、同第4,927,888号および同第4,950,541号に記載されており、これらの開示は、それら全体が本明細書に参照として取り入れられている。1つの特に有用な官能基は、無水マレイン酸である。
【0056】
官能性ポリマー中に存在する官能基の量は、様々であり得る。前記官能基は、一部の実施形態において少なくとも約1.0重量パーセント、別の実施形態において少なくとも約5重量パーセント、およびさらに別の実施形態において少なくとも約7重量パーセントの量で存在し得る。前記官能基は、一部の実施形態において約40重量パーセント未満、別の実施形態において約30重量パーセント未満、およびさらに別の実施形態において約25重量パーセント未満の量で存在し得る。
【0057】
安定剤
【0058】
本明細書に開示する実施形態は、安定な分散液またはエマルジョンの形成を促進するために1つまたはそれ以上の安定剤を使用することがある。一部の実施形態において、前記安定剤は、界面活性剤、分散剤、乳化剤、もしくはポリマー(上で詳述したベースポリマーとは異なる)、またはこれらの混合物であり得る。一定の実施形態において、前記ポリマーは、コモノマーまたはグラフトモノマーのいずれかとして極性基を有する、極性ポリマーであり得る。好ましい実施形態において、前記安定剤は、コモノマーまたはグラフトモノマーのいずれかとして極性基を有する、1つまたはそれ以上の極性ポリオレフィンを含む。代表的なポリマーとしては、エチレン−アクリル酸(EAA)およびエチレン−メタクリル酸コポリマー、例えば、商標PRIMACOR(商標)(The Dow Chemical Companyの商標)、NUCREL(商標)(E.I.DuPont de Nemoursの商標)、およびESCOR(商標)(ExxonMobilの商標)で入手できるもの、ならびに米国特許第4,599,392号、同第4,988,781号および同第5,938,437号(これらのそれぞれは、その全体が本明細書に参照として取り入れられている)に記載されているものが挙げられる。他のポリマーとしては、エチレンエチルアクリレート(EEA)コポリマー、エチレンメチルメタクリレート(EMMA)、およびエチレンブチルアクリレート(EBA)が挙げられる。他のエチレン−カルボン酸コポリマーも使用することができる。当業者には、多数の他の有用なポリマーも使用できることがわかる。
【0059】
一般に、任意の適する安定剤を使用することができる。1つの実施形態において、例えば、安定剤は、少なくとも1つのカルボン酸、少なくとも1つのカルボン酸の塩、またはカルボン酸エステルもしくはカルボン酸エステルの塩を含む。分散剤として有用なカルボン酸の例は、脂肪酸、例えば、モンタン酸、ステアリン酸、オレイン酸などを含む。一部の実施形態において、前記カルボン酸、カルボン酸の塩、またはカルボン酸エステルの少なくとも1つのカルボン酸フラグメント、もしくはカルボン酸エステルの塩の少なくとも1つのカルボン酸フラグメントは、25個より少ない炭素原子を有する。別の実施形態において、前記カルボン酸、カルボン酸の塩、またはカルボン酸エステルの少なくとも1つのカルボン酸フラグメント、もしくはカルボン酸エステルの塩の少なくとも1つのカルボン酸フラグメントは、12から25個の炭素原子を有する。一部の実施形態において、前記カルボン酸、カルボン酸の塩、カルボン酸エステルまたはその塩の少なくとも1つのカルボン酸フラグメントは、15から25個の炭素原子を有し、これらは好ましい。別の実施形態において、前記炭素数は、25から60である。塩の一部の例は、アルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属カチオン、またはアンモニウムもしくはアルキルアンモニウムカチオンから成る群より選択されるカチオンを含む。
【0060】
使用することができる他の界面活性剤としては、12から60個の炭素原子を有する長鎖脂肪酸または脂肪酸塩が挙げられる。別の実施形態において、前記長鎖脂肪酸または脂肪酸塩は、12から40個の炭素原子を有し得る。
【0061】
前記ポリマーの極性基が、本来、酸性または塩基性である場合、それらの安定化ポリマーを中和剤で部分的にまたは完全に中和して、対応する塩を形成することができる。一定の実施形態において、前記安定剤、例えば長鎖脂肪酸またはEAA、の中和は、モルベースで25から200%、別の実施形態において、モルベースで50から110%であり得る。例えば、EAAの場合、中和剤は、塩基、例えば、水酸化アンモニウムまたは水酸化カリウムなどである。他の中和剤としては、例えば、水酸化リチウムまたは水酸化ナトリウムを挙げることができる。適切な中和剤の選択が、配合される具体的な組成物に依存すること、およびそうした選択が、当業者の知識の範囲内であることは、当業者には理解される。
【0062】
本発明の実施に有用であり得る追加の界面活性剤としては、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、または非イオン性界面活性剤が挙げられる。アニオン性界面活性剤の例としては、スルホネート、カルボキシレート、およびホスフェートが挙げられる。カチオン性界面活性剤の例としては、第四アミンが挙げられる。非イオン性界面活性剤の例としては、エチレンオキシドを含有するブロックコポリマー、およびシリコーン界面活性剤が挙げられる。本発明の実施に有用な界面活性剤は、外部界面活性剤である場合もあり、内部界面活性剤である場合もある。外部界面活性剤は、分散液調製中にポリマーに化学的に作用するようにならない界面活性剤である。ここで有用な外部界面活性剤の例としては、ドデシルベンゼンスルホン酸の塩およびラウリル硫酸塩が挙げられる。内部界面活性剤は、分散液調製中にポリマーに化学的に作用するようになる界面活性剤である。ここで有用な内部界面活性剤の例としては、2,2−ジメチロールプロピオン酸およびその塩が挙げられる。
【0063】
特定の実施形態において、前記安定剤または安定剤は、使用するベースポリマー(またはベースポリマー混合物)の量に基づきゼロより大きい重量%から約60重量%の範囲の量で使用することができる。例えば、長鎖脂肪酸またはそれらの塩は、ベースポリマーの量に基づき0.5から10重量%の範囲の量で使用することができる。別の実施形態では、エチレン−アクリル酸またはエチレン−メタクリル酸コポリマーをポリマーに基づいて0.5から60重量%の量で使用することができる。さらに別の実施形態では、スルホン酸塩をベースポリマーの量に基づいて0.5から60重量%の量で使用することができる。
【0064】
使用する安定剤のタイプおよび量は、その分散液を組み込んで形成される物品の最終特性にも影響を及ぼし得る。例えば、改善された耐油脂性を有する物品は、エチレン−アクリル酸コポリマーまたはエチレン−メタクリル酸コポリマーをベースポリマーの総量に基づき約10から約50重量%の量で有する界面活性剤パッケージが組み込まれたものであり得る。改善された強度または柔軟性が所望の最終特性であるとき、同様の界面活性剤パッケージを使用することができる。もう1つの例として、改善された耐水性または防湿性を有する物品は、長鎖脂肪酸を0.5から5%の量で、またはエチレン−アクリル酸コポリマーを10から50%の量で(両方とも、ベースポリマーの総量に基づく重量%)用いている界面活性剤パッケージが組み込まれたものであり得る。別の実施形態において、界面活性剤または安定剤の最低量は、ベースポリマーの総量に基づき少なくとも1重量%でなければならない。
【0065】
別の実施形態において、前記安定剤は、アルキルエーテルカルボキシレート、石油スルホネート、スルホン化ポリオキシエチレン化アルコール、硫酸化またはリン酸化ポリオキシエチレン化アルコール、ポリマー性エチレンオキシド/プロピレンオキシド/エチレンオキシド安定剤、第一および第二アルコールエトキシレート、アルキルグリコシドならびにアルキルグリセリドから選択される。
【0066】
エチレン−アクリル酸コポリマーを安定剤として使用する場合、このコポリマーは、熱可塑性レジンとしての役割も果たすことができる。1つの特定の実施形態において、前記水性分散液は、エチレンとオクテンのコポリマー、エチレン−アクリル酸コポリマー、および脂肪酸、例えばステアリン酸またはオレイン酸を含有する。安定剤、例えばカルボン酸は、約0.1重量%から約10重量%の量で水性分散液中に存在し得る。
【0067】
添加剤
【0068】
本発明の範囲から逸脱することなく、添加剤を分散液と、または分散液に使用されるベースポリマー、安定剤もしくはフィラーと混合することができる。例えば、添加剤としては、湿潤剤、難燃剤、界面活性剤、静電防止剤、消泡剤、粘着防止剤、ワックス分散液、顔料、中和剤、増粘剤、相溶化剤、光沢剤、レオロジー改質剤、殺生剤、殺真菌剤、強化用繊維、および当業者に公知の他の添加剤を挙げることができる。本発明の目的にとっては任意であるが、他の成分が、製造プロセス中および後の製品安定性に非常に有利である場合もある。
【0069】
上に記載したポリマー、コポリマー、共重合体およびマルチブロック共重合体を含む任意の配合物に添加剤およびアジュバントを含めることができる。適する添加剤としては、フィラー、例えば、有機または無機粒子(クレー、タルク、二酸化チタン、ゼオライト、粉末金属を含む)、有機または無機繊維(炭素繊維、窒化ケイ素繊維、鋼線または網、およびナイロンまたはポリエステルロープ類を含む)、ナノサイズの粒子、クレーおよびその他;増粘剤、エキステンダー油(パラフィン系またはナフテレン系(napthelenic)油);ならびに他の天然および合成ポリマー(本発明の実施形態による他のポリマーを含む)が挙げられる。本発明の別の実施形態による熱可塑性組成物は、有機もしくは無機フィラーまたは他の添加剤、例えば、デンプン、タルク、炭酸カルシウム、ガラス繊維、ポリマー繊維(ナイロン、レーヨン、綿、ポリエステル、およびポリアラミドを含む)、金属繊維、フレークまたは粒子、発泡性層状シリケート、ホスホレートまたはカーボネート、例えばクレー、マイカ、シリカ、アルミナ、アルミノシリケートまたはアルミノホスフェート、カーボンウイスカー、炭素繊維、ナノ粒子(ナノチューブを含む)、ケイ灰石、グラファイト、ゼオライト、およびセラミックス、例えば炭化窒素、窒化ケイ素またはチアニアも含有し得る。より良好なフィラー結合のために、シラン系または他のカップリング剤も利用することができる。
【0070】
上に記載したポリマーとのブレンドに適するポリマーとしては、天然および合成ポリマーを含む、熱可塑性および非熱可塑性ポリマーが挙げられる。ブレンドするための例示的ポリマーとしては、エチレン−ビニルアセテート(EVA)、エチレン/ビニルアルコールコポリマー、ポリスチレン、耐衝撃性改質ポリスチレン、ABS、スチレン/ブタジンブロックコポリマーおよびそれらの水素化誘導体(SBSおよびSEBS)、ならびに熱可塑性ポリウレタンが挙げられる。
【0071】
本明細書に開示するポリマーとブレンドすることができる、適する従来のブロックコポリマーは、一部の実施形態において10から135、別の実施形態において25から100、およびさらに別の実施形態において30から80の範囲内のムーニー粘度(100℃でML 1+4)を有し得る。適するポリオレフィンとしては、線状または低密度ポリエチレン、ポリプロピレン(そのアタクチック、アイソタクチック、シンジオタクチックおよび耐衝撃性改質バージョンを含む)およびポリ(4−メチル−1−ペンテン)が特に挙げられる。適するスチレン系ポリマーとしては、ポリスチレン、ゴム改質ポリスチレン(HIPS)、スチレン/アクリロニトリルコポリマー(SAN)、ゴム改質SAN(ABSまたはAES)およびスチレン無水マレイン酸コポリマーが挙げられる。
【0072】
前記ブレンド組成物は、プロセス油、可塑剤、および加工助剤を含有し得る。一定のASTM呼称を有するゴムプロセス油、およびパラフィンナフテン系または芳香族プロセス油は、すべて、使用に適する。一般に、100部の全ポリマー当たり0から150部、さらに好ましくは0から100部、および最も好ましくは0から50部のプロセス油、可塑剤、および/または加工助剤を利用することができる。より高い油量は、結果として得られる生成物の、一部の物理的特性を犠牲にして、加工を改善する傾向があり得る。追加の加工助剤としては、従来のワックス、脂肪酸塩、例えばステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸亜鉛、(多価)アルコール、例えばグリコールなど、(多価)アルコールエーテル、例えばグリコールエーテルなど、(ポリ)エステル、例えば(ポリ)グリコールエステルなど、およびそれらの金属塩−、特に第1もしくは2族金属または亜鉛塩誘導体が挙げられる。
【0073】
従来のTPO、TPVおよびTPE用途のために、カーボンブラックは、UV吸収および安定化特性に有用な1つの添加剤である。カーボンブラックの代表的な例としては、ASTM N110、N121、N220、N231、N234、N242、N293、N299、S315、N326、N330、M332、N339、N343、N347、N351、N358、N375、N539、N550、N582、N630、N642、N650、N683、N754、N762、N765、N774、N787、N907、N908、N990およびN991が挙げられる。これらのカーボンブラックは、9から145g/kgの範囲のヨウ素吸着量および10から150cm/100gの範囲の平均孔隙容積を有する。一般に、コストの問題が許す限り、より小さな粒径のカーボンブラックを利用する。多くのそうした用途について、本発明のポリマーおよびそれらのブレンドは、カーボンブラックを殆どまたは全く必要とせず、その結果、代替顔料を含むまたは顔料を全く含まない相当な設計の自由度が可能となる。
【0074】
本発明の実施形態による熱可塑性ブレンドをはじめとする組成物は、通常技能のゴム化学者には公知である、オゾン分解防止剤または酸化防止剤も含有し得る。前記オゾン分解防止剤は、物理的保護剤、例えば表面に出てきて酸素もしくはオゾンからその部品を保護する蝋様材料であってもよいし、または酸素もしくはオゾンと反応する化学的保護剤であってもよい。適する化学的保護剤としては、スチレン化フェノール、ブチル化オクチル化フェノール、ブチル化ジ(ジメチルベンジル)フェノール、p−フェニレンジアミン、p−クレゾールとジシクロペンタジエン(DCPD)のブチル化反応生成物、ポリフェノール系酸化防止剤、ヒドロキノン誘導体、キノリン、ジフェニレン系酸化防止剤、チオエステル系酸化防止剤、およびそれらのブレンドが挙げられる。そのような製品の一部の代表的な商用名は、WINGSTAY(商標)S酸化防止剤、POLYSTAY(商標)100酸化防止剤、POLYSTAY(商標)100 AZ酸化防止剤、POLYSTAY(商標)200酸化防止剤、WINGSTAY(商標)L酸化防止剤、WINGSTAY(商標)LHLS酸化防止剤、WINGSTAY(商標)K酸化防止剤、WINGSTAY(商標)29酸化防止剤、WINGSTAY(商標)SN−1酸化防止剤、およびIRGANOX(商標)酸化防止剤である。一部の用途において、前記酸化防止剤およびオゾン分解防止剤は、好ましくは、非汚染性および非移行性である。
【0075】
UV線に対するさらなる安定性をもたらすために、ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)およびUV吸収剤も使用することができる。適する例としては、Ciba Specialty Chemicalsから入手できるTINUVIN(商標)123、TINUVIN(商標)144、TINUVIN(商標)622、TINUVIN(商標)765、TINUVIN(商標)770およびTINUVIN(商標)780、ならびに米国、テキサス州、ヒューストンのCytex Plasticsから入手できるCHEMISORB(商標)T944が挙げられる。米国特許第6,051,681号に開示されているように、優れた表面品質を獲得するためにHALS化合物と共にルイス酸を追加として含めることもできる。別の実施形態は、熱安定剤、例えば、IRGANOX(商標)PS 802 FLなどを含むことがある。
【0076】
一部の組成物については、追加の混合プロセスを利用して、熱安定剤、酸化防止剤、オゾン分解防止剤、カーボンブラック、UV吸収剤、および/または光安定剤を予備分散させてマスターバッチを形成し、その後、そこからポリマーブレンドを形成することができる。
【0077】
ここでの使用に適する架橋剤(硬化剤または加硫剤とも呼ばれる)としては、硫黄系、過酸化物系、またはフェノール系化合物が挙げられる。前述の材料の例は、米国特許第3,758,643号、同第3,806,558号、同第5,051,478号、同第4,104,210号、同第4,130,535号、同第4,202,801号、同第4,271,049号、同第4,340,684号、同第4,250,273号、同第4,927,882号、同第4,311,628号、および同第5,248,729号中を含めて、当分野において見出すことができる。
【0078】
硫黄系硬化剤を利用するとき、促進剤および硬化活性化剤も使用することがある。促進剤は、動的加硫に必要な時間および/または温度を制御するためならびに結果として得られる架橋品の特性を改善するために使用される。1つの実施形態では、単一促進剤または一次加速剤を使用する。前記一次加速剤(単数または複数)は、総組成物重量に基づき、約0.5から約4、好ましくは約0.8から約1.5phrの範囲の総量で使用することができる。もう1つの実施形態では、活性化するためおよび硬化品の特性を改善するために、一次促進剤と二次促進剤を、二次促進剤のほうが少ない量、例えば約0.05から約3phrで併用することがある。一般に、促進剤の併用は、単一の促進剤の使用によって生成されるものより多少良好な特性を有する物品を生じさせる。加えて、標準的な加工温度による影響は受けないが通常の加硫温度で申し分のない硬化を生じさせる遅効性促進剤を、使用することができる。加硫遅延剤を使用することもできる。本発明において使用することができる促進剤の適するタイプは、アミン、ジスルフィド、グアニジン、チオウレア、チアゾール、チウラム、スルフェンアミド、ジチオカルバメートおよびザンテートである。好ましくは、前記一次促進剤は、スルフェンアミドである。二次促進剤を使用する場合、その二次促進剤は、好ましくは、グアニジン、ジチオカルバメート(dithiocarbarnate)またはチオウラム化合物である。一定の加工助剤および硬化活性化剤、例えばステアリン酸およびZnOも使用することができる。過酸化物系硬化剤を使用する場合、共活性化剤または助剤をそれらと併用してもよい。適する助剤としては、数ある中でも、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA)、トリアリルシアヌレート(TAC)、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)が挙げられる。部分または完全動的加硫に使用される過酸化物架橋剤および任意の助剤の使用は、当分野において公知であり、例えば、出版物、「Peroxide Vulcanization of Elastomer」, Vol. 74, No. 3, July-August 2001に開示されている。
【0079】
ポリマー組成物が少なくとも部分的に架橋されるとき、その架橋度は、指定された期間その組成物を溶媒に溶解し、ゲルまたは非抽出成分のパーセントを計算することによって測定することができる。ゲルのパーセントは、通常、架橋レベルが増すと共に増す。本発明の実施形態による硬化品についてのゲル含有量パーセントは、望ましくは5から100パーセントの範囲である。
【0080】
一部の実施形態において、添加剤としては、香料、藻類抑制剤、抗微生物および抗真菌剤、難燃剤およびハロゲン負含難燃剤、ならびにスリップおよび粘着防止剤も挙げることができる。別の実施形態は、ポリマーの耐摩損性を低下させるためにPDMSを含むことがある。接着促進剤の使用、またはポリマーをオルガノシラン、ポリクロロプレン(ネオプレン)もしくは他のグラフト化剤で官能化するもしくはそれらとカップリングさせることによって、サンドへのポリマーの接着を改善することもできる。
【0081】
総合的な分散液の特徴/特性
【0082】
上記成分に加えて、前記水性分散液は、水も含有する。所望される場合には、水を脱イオン水として添加してもよい。前記水性分散液のpHは、一般に、約12未満、例えば、約5から約11.5、例えば約7から約11である。前記水性分散液は、約75%未満、例えば約70%未満の固体含有量を有し得る。例えば、前記水性分散液の固体含有量は、約5%から約60%の範囲であり得る。一般に、固体含有量は、添加剤組成物を塗布するまたは粒状基材と一体化する方法に依存して変わり得る。
【0083】
分散液(水性のものと非水性のもの、両方)は、上に記載したポリマーまたはそれらを含む配合物を使用して形成することができる。例えば、水性分散液は、ベースポリマー(上で説明したとおり)、安定剤および水を使用して形成することができる。例えば、非水性分散液は、ベースポリマー、安定剤および有機溶剤を使用して形成することができ、この場合、有機溶剤としては、低沸点(100℃未満)有機化合物、例えば、トルエン、塩化メチレン、および当業者に公知の他の一般的な有機溶剤を挙げることができる。
【0084】
2004年8月25日に出願され、WO2005/021622として公開された、PCT出願番号PCT/US2004/027593に開示されているように、前記ポリマーを含む起泡フォームも形成することができる。任意の公知の手段、例えば、過酸化物、電子ビーム、シラン、アジド、ガンマ線照射または他の架橋技術の使用、により、前記ポリマーを架橋することもできる。前記ポリマーを、化学的に、例えばグラフト化(例えば、無水マレイン酸(MAH)、シラン、もしくは他のグラフト化剤の使用によって)、ハロゲン化、アミノ化、スルホン化、または他の化学的改質によって、改質することもできる。
【0085】
本明細書に開示する実施形態に従って形成される分散液は、少なくとも1つのオレフィンポリマーを含み得るベースポリマーと、少なくとも1つの極性ポリオレフィンを含み得る安定剤とを含み得る。一部の実施形態において、前記オレフィンポリマーは、プロピレン系ホモポリマー、コポリマー、共重合体、およびマルチブロック共重合体であり得る。別の実施形態において、前記オレフィンポリマーは、エチレン系ホモポリマー、コポリマー、共重合体、およびマルチブロック共重合体であり得る。別の実施形態において、前記オレフィンポリマーは、本明細書に記載する1つまたはそれ以上のオレフィンポリマーの組み合わせであり得る。
【0086】
前記ベースポリマーおよび安定剤に関して、一部の実施形態において、前記ベースポリマーは、その組成物中のベースポリマーと安定剤の総量の約30重量パーセントから約99重量パーセントの間を構成し得る。別の実施形態において、前記ベースポリマーは、その組成物中のベースポリマーと安定剤の総量の約50パーセントと約90パーセントの間を構成し得る。さらに別の実施形態において、前記1つまたはそれ以上のベースポリマーは、その組成物中のベースポリマーと安定剤の総量の約60パーセントと約80パーセントの間を構成し得る。
【0087】
1つまたはそれ以上のオレフィンレジンを、約1重量パーセントから約96重量パーセントの量で、前記水性分散液中に含めることができる。一部の実施形態において、前記オレフィンポリマーは、前記水性分散液中に約10重量パーセントから約80重量パーセントの量で存在し得る。別の実施形態において、前記オレフィンポリマーは、約20重量パーセントから約70重量パーセントの量で、およびさらに別の実施形態において約30重量パーセントから約60重量パーセントの量で存在し得る。
【0088】
本明細書に開示する実施形態に従って形成される分散液は、上で説明したような少なくとも1つのオレフィンポリマーを含み得るベースポリマーと、少なくとも1つの熱可塑性ポリオレフィンを含み得る第二ポリマー成分と、安定剤とを含み得る。一部の実施形態において、前記少なくとも1つのオレフィンポリマーは、その組成物中のベースポリマーと第二ポリマーと安定剤の総量の約30重量パーセントから95重量パーセントを構成し得る。別の実施形態において、前記少なくとも1つのオレフィンポリマーは、約50重量パーセントと約80重量パーセントの間、およびさらに別の実施形態において約60重量パーセントから約70重量パーセントを構成し得る。一部の実施形態において、前記第二ポリマー成分は、その組成物中のベースポリマーと第二ポリマーと安定剤の総量の1から48重量パーセントを構成し得る。別の実施形態において、前記第二ポリマー成分は、5から30重量パーセント、およびさらに別の実施形態において10から25重量パーセントを構成し得る。
【0089】
オレフィンポリマーを分散液中の少数成分として使用すると、そのオレフィンポリマーに由来する利益も得ることができる。従って、本明細書に開示する別の実施形態に従って形成される分散液は、少なくとも1つの熱可塑性ポリオレフィンを含み得るベースポリマーと、上で説明したような少なくとも1つのオレフィンポリマーまたは共重合体を含み得る第二ポリマー成分と、安定剤とを含み得る。一部の実施形態において、ベースポリマーは、その組成物中のベースポリマーとオレフィンポリマーまたは共重合体と安定剤の総量の約30重量パーセントから95重量パーセントを構成し得る。別の実施形態において、前記ベースポリマーは、約50重量パーセントと約80重量パーセントの間、およびさらに別の実施形態において約60重量パーセントから約70重量パーセントの間を構成し得る。別の実施形態において、前記オレフィンポリマー成分は、その組成物中のベースポリマーとオレフィンポリマーと安定剤の総量の1から48重量パーセントを構成し得る。別の実施形態において、前記オレフィンポリマー成分は、5から30重量パーセント、およびさらに別の実施形態において10から25重量パーセントを構成し得る。
【0090】
フィラーに関しては、典型的に、100のポリマー(ポリマーは、ここでは、熱可塑性ポリマー(もしあれば)および安定剤を合わせたベースポリマーを意味する)当たり約0より大きい量から約1000部の量を使用する。選択される実施形態では、100当たり約50から250部の間を使用する。他の選択される実施形態では、100当たり約10から500部の間を使用する。さらに別の実施形態では、100当たり約20から400部の間を使用する。別の実施形態では、100当たり約0から約200部を使用する。
【0091】
固体材料(ベースポリマー+熱可塑性ポリマー(もしあれば)+安定剤)は、好ましくは、液体媒質(好ましい実施形態では、これは水である)に分散させる。好ましい実施形態では、得られた分散液を中和して約4から約14の間のpH範囲にするために十分な中和剤を添加する。好ましい実施形態では、約6から約11の間のpHを維持するために十分な塩基を添加し、別の実施形態では、前記pHは、約8から約10.5の間である。好ましくは、固形分含有量が約1容量%から約74容量%の間になるように、前記分散液の含水量を調節する。もう1つの実施形態において、前記固体含有量は、約25容量%から約74重量%の間である。特定の実施形態において、前記固形分範囲は、約10重量%から70重量%の間であり得る。他の特定の実施形態において、前記固形分範囲は、約20重量%から約60重量%の間である。特に好ましい実施形態において、前記固形分範囲は、約30重量%から約55重量%の間である。
【0092】
本発明の実施形態に従って形成される分散液は、約0.1から約5.0マイクロメートルの間の平均粒径を有することを特徴とする。別の実施形態において、分散液は、約0.5μmから約2.7μmの平均粒径を有する。別の実施形態では、約0.8μmから約1.2μm。「平均粒径」は、本発明では容積平均粒径を意味する。粒径の測定には、例えば、レーザー回折技術を利用することができる。本明細書において、粒径は、前記分散液中のポリマーの直径を指す。球形でないポリマー粒子の場合、粒子の直径は、その粒子の長軸と短軸の平均である。粒径は、Beckman−Coulter LS230レーザー回折粒径分析計または他の適する装置を用いて測定することができる。前記分散液中のポリマー粒子の粒径分布は、約2.0未満または約2.0であり得、例えば、1.9、1.7または1.5未満であり得る。
【0093】
加えて、本発明の実施形態は、フィラー湿潤剤を場合によっては含む。フィラー湿潤剤は、一般に、そのフィラーとポリオレフィン分散液をより相溶性にするために役立ち得る。有用な湿潤剤としては、リン酸塩、例えばヘキサメタリン酸ナトリウムが挙げられる。フィラー湿潤剤は、100重量部のフィラー当たり少なくとも約0.5重量部の濃度で本発明の組成物に含めることができる。
【0094】
さらに、本発明の実施形態は、場合によっては増粘剤を含むことがある。増粘剤は、低粘度分散液の粘度を上昇させるために本発明において有用であり得る。本発明の実施の際の使用に適する増粘剤は、例えばポリアクリレートタイプまたは関連非イオン性増粘剤、例えば、改質セルロースエーテル、のような当分野において公知のいずれかであり得る。例えば、適する増粘剤としては、ALCOGUM(商標)VEP−II(Alco Chemical Corporationの商標)、RHEOVIS(商標)およびVISCALEX(商標)(Ciba Ceigyの商標)、UCAR(登録商標)Thicknener 146、またはETHOCEL(商標)もしくはMETHOCEL(商標)(The Dow Chemical Companyの商標)ならびにPARAGUM(商標)241(Para−Chem Southern Inc.の商標)、またはBERMACOL(商標)(Akzo Nobelの商標)またはAQUALON(商標)(Herculesの商標)またはACUSOL(登録商標)(Rohm and Haasの商標)が挙げられる。増粘剤は、所望の粘度の分散液を調製するために必要な任意の量で使用することができる。
【0095】
従って、前記分散液の最終濃度は、調節可能である。フィラー量を含む分散液への増粘剤の添加を、従来の手段で行って、必要に応じた粘度を生じさせることができる。従って、分散液の粘度は、適度の増粘剤供給(100phrのポリマー分散液に基づき4%まで、好ましくは3%未満)で+3000cP(20rpmでのブルックフィールドスピンドル4)に達し得る。記載するような出発ポリマー分散液は、フィラーおよび添加剤との配合前に20cpと1000cpの間の初期粘度を有する(50rpmでスピンドルRV3を用いて室温で測定されるブルックフィールド粘度)。さらにいっそう好ましくは、前記分散液の出発粘度は、約100から約600cpの間であり得る。
【0096】
また、本発明の実施形態は、フィラーをポリマー/安定剤に添加するときのそれらの安定性によって特徴付けされる。これに関して、安定性は、得られる水性ポリオレフィン分散液の粘度の安定性を指す。その安定性を試験するために、一定の期間にわたって粘度を測定する。好ましくは、20℃で測定される粘度は、周囲温度で保管したとき、24時間の期間にわたって原粘度の+/−10%を維持する。
【0097】
本開示の実施形態に組み込むことができる水性分散液の例は、例えば、米国特許出願公開第2005/0100754号、米国特許出願公開第2005/0192365号、PCT公開第WO 2005/021638号、およびPCT公開第WO 2005/021622号(これらは、すべて、本明細書に参照として取り入れられている)に開示されている。
【0098】
分散液の形成
【0099】
本明細書に開示する実施形態において使用する分散液は、当業者が認知している、任意の数の方法によって形成することができる。選択される実施形態では、例えばWO2005021638号(これは、その全体が本明細書に参照として取り入れられている)に記載されているような手順による、技術を用いることにより、前記分散液を形成することができる。
【0100】
任意の方法を水性分散液の製造に用いることができるが、1つの実施形態において、前記分散液は、溶融混練プロセスによって形成することができる。例えば、混練機は、BANBURY(登録商標)ミキサー、一軸スクリュー押出機または多軸スクリュー押出機を含み得る。溶融混練は、1つまたはそれ以上の熱可塑性レジンを溶融混練するために典型的に使用される条件下で行うことができる。
【0101】
1つの特定の実施形態において、前記プロセスは、前記分散液を構成する成分の溶融混練を含む。その溶融混練機は、様々な成分のための多数の引入れ口を具備し得る。例えば、その押出機は、直列に配置された4つの引入れ口を具備し得る。さらに、所望される場合には、その押出機の任意の位置に吸気孔を加えることができる。
【0102】
特定に実施形態では、ベースポリマー、安定剤、および場合によってはフィラーを、水および中和剤、例えば、アンモニア、水酸化カルシウム、またはこれら2つの組み合わせ、と共に押出機内で溶融混練して、分散液を形成する。多数の他の中和剤を使用できることは、当業者には理解される。一部の実施形態では、ベースポリマーと安定剤をブレンドした後、フィラーを添加することができる。一部の実施形態では、前記分散液を、先ず、約1から3重量%の水を含有するように希釈し、その後、約25重量%より多くの水を含むようにさらに希釈する。
【0103】
当分野において公知の任意の溶融混練手段を使用することができる。一部の実施形態では、混練機、BANBURY(登録商標)ミキサー、一軸スクリュー押出機、または多軸スクリュー押出機を使用する。本発明による分散液を製造するためのプロセスは、特に限定されない。1つの好ましいプロセスは、例えば、米国特許第5,756,659号および米国特許第6,455,636号に従って上述の成分を溶融混練する段階を含むプロセスである。
【0104】
本発明に従って使用することができる押出装置は、次のように説明することができる。押出機、一定の実施形態では二軸スクリュー押出機、は、背圧調整器、メルトポンプ、またはギアポンプに連結されている。実施形態は、塩基溜め部および初期水溜め部も備えており、これらのそれぞれがポンプを具備する。その塩基溜め部および初期水溜め部から、それぞれ、所望の塩基および初期水量が供給される。任意の適するポンプを使用することができるが、一部の実施形態では、240barの圧で約150cc/分のフローを生じさせるポンプを使用して、塩基および初期水を押出機に供給する。別の実施形態における液体噴射ポンプは、200barで300cc/分または133barで600cc/分のフローを生じさせる。一部の実施形態では、塩基および初期水を予熱器で予熱する。
【0105】
例えばペレット、粉末またはフレークの形態のポリマーレジン(単数または複数)をフィーダーから押出機の引入れ口に供給し、そこでそのレジンを溶融または配合する。一部の実施形態では、そのレジンによっておよびそのレジンと一緒に安定剤をそのレジンに添加し、ならびに別の実施形態では、安定剤を、別途、その二軸スクリュー押出機に供給する。その後、そのレジンメルトをその押出機の混合および回収ゾーンから乳化ゾーンに送達し、そこで前記溜め部からの水および塩基の初期量をその引入れ口を通して添加する。一部の実施形態において、安定剤は、水流に、追加として添加することができ、または排他的に添加することができる。一部の実施形態では、その乳化混合物を、その押出機の希釈および冷却ゾーンにおける前記溜め部からの追加の水引入れ口でさらに希釈する。典型的には、前記分散液を、その冷却ゾーンにおいて少なくとも30重量パーセントの水に希釈する。加えて、この希釈混合物を、所望の希釈レベルが達成されるまで任意の回数、希釈することができる。一部の実施形態において、水は、二軸スクリュー押出機には添加せず、むしろ、レジンメルトを含有する流れに、そのメルトが押出機から出た後、添加する。このようにして、押出機内の圧力増大を無くす。
【0106】
特定の実施形態では、フォームの形態の分散液の利用が望まれることがある。フォームを調製するとき、多くの場合、分散液を起泡させることが好ましい。例えば、フロスおよびフォームは、WO2005021622(これは、本明細書に参照として全面的に取り入れられている)に記載されているように調製することができる。本発明の実施の際、ガスを起泡剤として使用することが好ましい。適する起泡剤の例としては、ガス、例えば空気、二酸化炭素、窒素、アルゴン、ヘリウムおよび/またはガスの混合物が挙げられる。空気を起泡剤として使用することが特に好ましい。典型的に、液体へのガスの機械的導入によって起泡剤を導入してフロスを形成する。この技術は、機械的起泡として公知である。起泡分散液を調製する際、すべての成分を混合し、その後、OAKES、MONDOまたはFIRESTONEフローサーなどの装置を使用してその混合物に空気またはガスをブレンドすることが好ましい。
【0107】
安定なフロスを調製するために有用な界面活性剤を本明細書ではフォーム安定剤と呼ぶ。フォーム安定剤は、本発明の実施に有用である。多数のフォーム安定剤を使用できることは、当業者には理解される。フォーム安定剤としては、例えば、スルフェート、スクシナマートおよびスルホスクシナマートを挙げることができる。
【0108】
ポリマーコーテッド粒子
【0109】
上で説明したように、前記サンドまたは他の粒状材料は、分散液として供給することができるポリマーもしくはポリマー混合物でコートされたものである場合もあり、または前記ポリマーもしくはポリマー混合物と一体化されたものである場合もある。前記分散液は、ベースポリマー、安定剤、および分散媒、例えば、水、有機溶剤、またはこれらの組み合わせ、を含むことができる。その後、分散液を形成するために使用した水または有機溶剤をその粒状基材−分散液混合物から除去して、ポリマーコーテッド粒状基材に戻すことができる。本明細書では水性分散液に関して説明するが、これらのプロセスおよび結果は非水性分散液にも同等にあてはまる。
【0110】
1つの実施形態において、前記ポリマー分散液および粒状材料は、先ず、コートすべき粒状材料を高温に予熱することによって、一体化することができる。その後、その粒状材料をミキサーに供給することができ、それを継続的に攪拌し、そのミキサーの内容物を分散させることができる。
【0111】
その後、上に記載したようなポリマー分散液をそのミキサーに添加することができる。別の実施形態では、起泡分散液をそのミキサーに添加することができる。ミキサーに添加する分散液の量は、コートすべき粒状材料の量に基づく場合もあり、分散液中のポリマー含有量に基づく場合もあり、ならびにそれらの粒子上に所望のレベルのコーティングを形成するために十分なものでなければならない。
【0112】
攪拌は、その分散液を全体にわたって均一に分散させて、その分散液で粒子を均一にコートするために十分なものでなければならない。一部の実施形態において、前記分散液は、前記粒状基材の表面の少なくとも50パーセントをコートすることができる。別の実施形態において、前記分散液は、前記粒状基材の表面の少なくとも60パーセント、別の実施形態において少なくとも70パーセント、別の実施形態において少なくとも80パーセント、およびさらに別の実施形態において少なくとも90パーセントをコートすることができる。一部の実施形態において、前記コーティングの程度は、顕微鏡での目視検査によって、その粒状基材の全体の色の変化によって、または重量増加/減少および/または粒子充填密度を測定することによって、観察することができる。例えば、ポリマーコーティングがある色であり、粒状基材が別の色である場合、それらの粒子の目視検査は、コート率を予測する手段となり得る。
【0113】
予熱する粒子の温度は、その水性分散液の少なくとも一部分を蒸発させるために十分なものであり得る。一部の実施形態では、前記粒状材料を約110℃と350℃の間の温度に予熱することができ、この温度は、蒸発させる水の量に基づき得る。それらの粒子への分散液の添加中に生成される水蒸気をそのミキサーから除去することができる。別の実施形態では、前記サンドおよび他の粒状材料を、約60℃と300℃の間、別の実施形態では約140℃と250℃の間、およびさらに別の実施形態では約160℃と230℃の間の温度に予熱することができる。別の実施形態では、前記粒状基材と分散液の混合物を、上に記載した温度に加熱して、溶剤および/または水を揮発させることができる。
【0114】
その後、それらのコーテッド粒子を100℃未満の温度に冷却することができ、その後、充填材としてまたは他の適する用途で使用するために、それらのコーテッド粒子を回収することができる。分散液を使用してそれらの粒子をコートすることによって易流動性材料を得ることができるが、形成してしまうことがある一切の凝集塊は、それらの粒子を篩いにかけることによって易流動性材料と分離することができ、ならびにそれらの凝集塊は、廃棄してもよいし、または充填材として使用するために解凝集してもよい。
【0115】
一部の実施形態において、前記コーテッド粒子は、0.1重量パーセントから20重量パーセントの範囲のドライポリマー含有量を有し得る。別の実施形態において、前記コーテッド粒子は、1重量パーセントから15重量パーセント、別の実施形態において2重量パーセントから13重量パーセント、別の実施形態において3重量パーセントから10重量パーセント、別の実施形態において4重量パーセントから8重量パーセント、およびさらに別の実施形態において5重量パーセントから7重量パーセントの範囲のドライポリマー含有量を有し得る。
【0116】
一定の実施形態では、前記熱可塑性ポリマーを架橋させることができる。1つの実施形態では、前記粒状基材を前記分散液でコートする前に、前記熱可塑性ポリマーを少なくとも部分的に架橋することができる。別の実施形態では、前記粒状基材を前記分散液でコートした後に、前記熱可塑性ポリマーを少なくとも部分的に架橋させることができる。上で説明した添加剤および方法のいずれかを用いて、前記熱可塑性ポリマーを架橋させることができる。例えば、前記ポリマーは、任意の公知手段、例えば、過酸化物、電子ビーム、シラン、アジド、ガンマ線照射、または他の架橋技術の使用により、架橋させることができる。
【0117】
一部の実施形態では、上に記載したコーテッド粒子を合成芝の充填材として使用することができる。長期使用後の合成芝システムの変形は、パイルの高さ、ふさの密度、および糸強度に依存し得る。充填用材料のタイプおよび体積も前記芝の最終的な耐変形性に有意な影響を及ぼす。リスポート試験は、摩耗性能を分析するために用いることができ、有効な芝システムを設計するために有用である。加えて、温度性能および老化、ならびに結果として得られる芝のバウンスおよび回転特性を分析するための試験を行うことができる。これらの特性のそれぞれに関して、上で説明したような充填用材料を含有する芝は、サッカーフィールドにおける芝として使用するためのFIFA規格を満たすことができる(例えば、「February 2005 FIFA Quality Concept Requirements for Artificial Turf Surfaces」, the FIFA handbook of test methods and requirements for artificial football turf(これは、全面的に本明細書に参照として取り入れられている)を参照のこと)。
【0118】
本明細書に記載するポリマーコーテッド基材の実施形態は、試験法EN ISO 20105−A02に従って、グレースケール3より高いまたは3である変退色を有し得る。本ポリマーコーテッド基材の別の実施形態は、試験法EN 933−パート1、prEN 14955、およびEN 13041をそれぞれ用いて試験して、粒径、粒子の形、およびかさ密度についてのFIFA要求事項を満たすことができる。本ポリマーコーテッド基材は、環境適合性についてのDIN V 18035−7−2002−06要求事項にも準拠し得る。
【0119】
実施例
【0120】
水性分散液
【0121】
分散液1:プロピレン−エチレンコポリマーの水性分散液を、WO2005021638に記載されているような手順に従って形成した。分散液1は、プロピレン−エチレンコポリマーを使用して形成した(約9重量パーセントのエチレン、25dg/分のMI2、および0.876g/ccの密度)。使用した界面活性剤系は、PRIMACOR(商標)5980I(The Dow Chemical Companyから入手できるエチレンアクリル酸コポリマー)であった。PRIMACOR(商標)は、そのプロピレン−エチレンコポリマーの重量に基づいて17重量パーセントの負荷量で使用した。
【0122】
そのプロピレン−エチレンコポリマーをその界面活性剤とドライブレンドした。その後、その混合物を、Berstorff ZE25(36L/D、450rpm)およびSchenck Mechatron ロス・イン・ウエイト・フィーダーを使用して4.5kg/時(10 lbs/時)で押出した。ISCOデュアルシリンジポンプによって45%(w/w)水酸化カリウム溶液を0.9cc/分でおよびDI水を1.2cc/分で計量供給した。その水酸化カリウム溶液とDI水を混合し、150℃にセットしたDC200シリコーン油浴によって調節する24インチのコア/シェル型熱交換器(20フィートの1/8インチのチュービングコア)によって予熱し、初期水溶液(IA)インジェクターに供給した。ISCOデュアルシリンジポンプを使用して100cc/分の速度で希釈水を希釈水インジェクターに送達した。150℃にセットした同様の予熱器にもその蒸留水を通した。上流の圧を約17.2barg(250psig)に維持するように調整したGO(Circor)BP−60背圧調整器によってバレルに背圧をもたらした。
【0123】
その背圧調整器を放置して冷却した後、その分散液生成物を直接回収し、濾過し、粒径、pH、固体含有量および粘度について分析した。生成した水性分散液は、51.6重量パーセントの固体含有量、10.0のpH、および308センチポイズの粘度(RV−2スピンドル、22.5℃、100rpm)を有した。Coulter LS230粒子分析計によって測定した分散ポリマー相は、0.99マイクロメートルの平均体積直径粒径および1.95の粒径分散度から成るものであった。
【0124】
分散液2:エチレン−オクテンコポリマー(The Dow Chemical Companyから入手できる、5.0dg/分のMI2および0.870g/ccの密度を有する、ENGAGE(商標)8200)を使用して、WO2005021638に記載されているような手順に従って分散液2も形成した。使用した界面活性剤系は、PRIMACOR(商標)5980I(上で説明したとおり)であった。そのエチレン−オクテン共重合体の重量に基づき15重量パーセントの負荷量でPRIMACOR(商標)を使用した。
【0125】
そのエチレン−オクテンコポリマーを前記界面活性剤とドライブレンドした。その後、その混合物を、Berstorff ZE25(36L/D、450rpm)およびSchenck Mechatron ロス・イン・ウエイト・フィーダーを使用して4.5kg/時(10 lbs/時)で押出した。ISCOデュアルシリンジポンプによって45%(w/w)水酸化カリウム溶液を0.9cc/分でおよびDI水を1.2cc/分で計量供給した。その水酸化カリウム溶液とDI水を混合し、150℃にセットしたDC200シリコーン油浴によって調節する24インチのコア/シェル型熱交換器(20フィートの1/8インチのチュービングコア)によって予熱し、初期水溶液(IA)インジェクターに供給した。ISCOデュアルシリンジポンプを使用して100cc/分の速度で希釈水を希釈水インジェクターに送達した。150℃にセットした同様の予熱器にもその蒸留水を通した。上流の圧を約17.2barg(250psig)に維持するように調整したGO(Circor)BP−60背圧調整器によってバレルに背圧をもたらした。
【0126】
その背圧調整器を放置して冷却した後、その分散液生成物を直接回収し、濾過し、粒径、pH、固体含有量および粘度について分析した。生成した水性分散液は、45.8重量パーセントの固体含有量、10.1のpH、および104センチポイズの粘度(RV−2スピンドル、22.5℃、100rpm)を有した。Coulter LS230粒子分析計によって測定した分散ポリマー相は、0.87マイクロメートルの平均体積直径粒径および1.62の粒径分散度から成るものであった。
【0127】
ポリマーコーテッドサンド
【0128】
上で説明した分散液を使用して、ポリマーコーテッドサンドを形成した。シリカ系サンドを予熱ユニットにおいてで220℃の温度に加熱した。その後、その予熱したサンドと水性分散液をタンブルミキサーにおいて混ぜた。予熱したサンドと分散液が接触した結果として生じた水蒸気は、混合中にそのタンブラーから除去した。その後、周囲温度の空気をそのミキサーに向けることによって、その形成された混合物を約60℃の温度に冷却した。その後、2mmの開口部を有する振動篩にその冷却した混合物を通して、このプロセスの間に形成されてしまうことがある一切の凝集塊から易流動性粒子を分離した。
【0129】
分散液1および分散液2をそれぞれ使用して、ポリマーコーテッドサンドを形成した。8重量パーセントのポリオレフィン含有量を有するポリマーコーテッドサンドを製造した。分散液1および2から形成されたポリマーコーテッドサンドの分析により、それらのコーテッド粒子が易流動性であることが証明された。
【0130】
本明細書に記載するように製造したポリマーコーテッドサンドは、数ある他の用途の中でも人工サッカーおよび競技面のための充填用材料として有用であり得る。有利なことに、本明細書に開示する実施形態は、均一で均質なコーティング、良好な耐熱性およびすべり抵抗性、ならびに良好な触感および美しさを有するポリマーコーテッドサンドを提供することができる。特に、本明細書に記載する実施形態は、先行技術の充填材と比較して、改善された保色性、良好な跳ね返りおよび耐摩耗性、良好な耐熱性、より低い充填レベルでのより良好な芝安定性、改善された可撓性および柔軟性、ならびにより低いコストを含めて、これらの特性の優れたバランスに備えるものであり得る。
【0131】
本明細書に記載するポリマーコーテッド基材の実施形態は、他の数ある中でも、回転成形された柔軟な物品、プロパント、他の人工芝生用途、例えばゴルフコースおよび造園、のための充填材、ならびに騒音および防振用の重質層での使用をはじめとする用途にも有用であり得る。
【0132】
本明細書に開示する別の実施形態は、より大きいコーティング重量、ならびに組成および分子量の点でのポリマー材料のより幅広い選択に備えており、これは、より柔軟な材料の使用を可能にし、その結果、改善された緩衝特性が得られる。例えば、本明細書に記載するポリオレフィンのメルトフローは、限定されない。生成される材料が柔軟なほど、表面のあらさが低減されるため、結果として長期の摩耗抵抗を得ることができる。
【0133】
限られた数の実施形態に関して本発明を説明したが、本明細書に開示する本発明の範囲から逸脱することなく別の実施形態を案出できることは、本開示の恩恵に与る当業者には理解される。従って、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されることとなる。
【0134】
すべての先行文献は、こうして取り入れることが許されるすべての権限について、参照により全面的に本明細書に取り入れられている。さらに、試験手順を含めて、本明細書に引用したすべての文献は、こうして取り入れることが許されるすべての権限について、そうした開示が本発明の記載に矛盾しない程度に、参照により全面的に本明細書に取り入れられている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒状基材および塗布化合物を含むポリマーコーテッド粒状材料であって、
前記塗布化合物が前記粒状基材の表面の少なくとも50%をコートし、そして塗布時に前記塗布化合物が熱可塑性ポリマーと安定化化合物とを含む分散液を含む、ポリマーコーテッド粒状材料。
【請求項2】
前記分散液が、水をさらに含む、請求項1に記載の粒状材料。
【請求項3】
前記熱可塑性ポリマーが、プロピレン系ホモポリマー、コポリマー、共重合体、およびマルチブロック共重合体;エチレン系ホモポリマー、コポリマー、共重合体、およびマルチブロック共重合体;ならびにこれらの組み合わせから成る群より選択される、請求項1に記載の粒状材料。
【請求項4】
前記熱可塑性ポリマーが、プロピレン系マルチブロック共重合体、エチレン系マルチブロック共重合体およびこれらの組み合わせから成る群より選択される、請求項3に記載の粒状材料。
【請求項5】
前記粒状基材が、鉱物粒、サンドおよびゴム粒子から成る群より選択される、請求項1に記載の粒状材料。
【請求項6】
前記粒状基材が、シリカ系サンドである、請求項1に記載の粒状材料。
【請求項7】
前記分散液が、起泡分散液(frothed dispersion)である、請求項1に記載の粒状材料。
【請求項8】
接着促進剤をさらに含む、請求項1に記載の粒状材料。
【請求項9】
前記粒状基材の重量に基づき1から20重量パーセントの範囲の量で前記熱可塑性ポリマーを含む、請求項1に記載の粒状材料。
【請求項10】
UV阻害剤をさらに含む、請求項1に記載の粒状材料。
【請求項11】
藻類抑制剤、抗微生物剤、殺生剤、殺真菌剤、またはこれらの組み合わせをさらに含む、請求項1に記載の粒状材料。
【請求項12】
前記熱可塑性ポリマーが、少なくとも部分的に架橋されている、請求項1に記載の粒状材料。
【請求項13】
請求項1に記載の粒状材料を充填材として含む人工芝。
【請求項14】
粒状基材と分散液を混ぜる段階(前記分散液は、熱可塑性ポリマーと、安定化化合物と、有機溶剤、水およびこれらの組み合わせから成る群より選択される分散媒とを含む);
前記分散媒の少なくとも一部分を除去する段階
を含む、ポリマーコーテッド粒状材料の形成方法。
【請求項15】
前記粒状基材を100℃より高い温度に加熱する段階をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
混ぜた粒状基材と分散液を100℃より高い温度に加熱する段階をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記熱可塑性ポリマーが、プロピレン系ホモポリマー、コポリマー、共重合体、およびマルチブロック共重合体;エチレン系ホモポリマー、コポリマー、共重合体、およびマルチブロック共重合体;ならびにこれらの組み合わせから成る群より選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記第一熱可塑性ポリマーが、プロピレン系マルチブロック共重合体、エチレン系マルチブロック共重合体およびこれらの組み合わせから成る群より選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記粒状基材が、鉱物粒、サンドおよびゴム粒子から成る群より選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記粒状基材が、シリカ系サンドである、請求項14に記載の方法。
【請求項21】
前記水性分散液を起泡させる段階をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項22】
接着促進剤と前記粒状基材を混合する段階をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項23】
前記熱可塑性ポリマーの少なくとも一部分を架橋させる段階をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項24】
前記塗布化合物が、UV阻害剤をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項25】
前記塗布化合物が、藻類抑制剤、抗微生物剤、殺生剤、殺真菌剤、またはこれらの組み合わせをさらに含む、請求項14に記載の方法。

【公表番号】特表2010−503518(P2010−503518A)
【公表日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−527460(P2009−527460)
【出願日】平成19年9月11日(2007.9.11)
【国際出願番号】PCT/US2007/019733
【国際公開番号】WO2008/033343
【国際公開日】平成20年3月20日(2008.3.20)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド (1,383)
【Fターム(参考)】