説明

レジ精算システム

【課題】余分な人件費を削減するとともに、初期投資の費用を低く抑え、さらには、店舗係員にとってストレスの少ないレジ精算システムを提供すること。
【解決手段】レジ精算システムは、購入商品を登録することができ、かつ、購入商品の決済金の決済処理を非現金で行うことができる商品登録決済装置10と、商品登録決済装置10と離れた場所に設けられ、当該商品登録決済装置10で登録された購入商品の決済金の支払いを購入顧客が行う顧客操作型現金決済装置15と、を備えている。顧客操作型現金決済装置15は、代金決済処理を現金のみで行うように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、購入商品の登録を行う商品登録決済装置と、商品登録決済装置で登録された購入商品の決済金の支払いを購入顧客が行う顧客操作型現金決済装置と、を備えたレジ精算システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、入力される商品情報から購入商品の代金を算出し、算出された代金及び取引の整理番号をローカルエリアネットワークに送出するレジスタと、当該ローカルエリアネットワークに接続され、レジスタで算出された代金及び取引の整理番号を受け取って、現金の受入れと釣銭の払出しを行う顧客操作型現金決済装置と、を備えたレジ精算システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、一方では、クレジットカード、電子マネー、デビットカード、商品券、ビール券などの非現金による代金決済処理を行うこともできる顧客操作型現金決済装置も知られている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】実用新案登録第2603807号
【特許文献2】特開2008−146598号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述のようなレジ精算システムの顧客操作型現金決済装置において、購入顧客が、クレジットカード、電子マネー、デビットカード、商品券、ビール券などの非現金を利用する場合には、購入顧客自身が操作画面を操作し入力することによって決済を行う必要があるが、操作が複雑なため、しばしば、店舗係員を呼んで操作方法を聞くことがある。また、非現金を利用する場合には、顧客の操作により店舗係員が呼び出されて、当該店舗係員が非現金で代金決済処理を行う場合もある。このため、操作を説明するための店舗係員を常駐させる必要があり、余分な人件費がかかってしまっている。また、顧客操作型現金決済装置がクレジットカード、電子マネー、デビットカード、商品券、ビール券などの非現金を処理することができる機能を備える必要があるので、初期投資の費用が高くなってしまっている。
【0004】
また、店舗係員が商品登録から決済処理まで全てを行う一般的なレジ精算システムにおいては、現金の取り扱い、つまり顧客との現金の受け渡しや受け取った現金の保管管理が最もストレスのかかる業務であり、店舗係員にとってストレスを要する業務となっていた。
【0005】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、余分な人件費を削減するとともに、初期投資の費用を低く抑えることができ、店舗係員にとってストレスの少ないレジ精算システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によるレジ精算システムは、
購入商品を登録することができ、かつ、購入商品の決済金の決済処理を非現金で行うことができる商品登録決済装置と、
前記商品登録決済装置と離れた場所に設けられ、該商品登録決済装置で登録された購入商品の決済金の支払いを購入顧客が行う顧客操作型現金決済装置と、を備え、
前記顧客操作型現金決済装置が、代金決済処理を現金のみで行う。
【0007】
本発明によるレジ精算システムにおいて、
前記商品登録決済装置は、最終的な決済金額の1000円未満の額を切り上げる精算手段と、該精算手段で切り上げられた額を購入顧客が所持する会員カードにチャージするチャージ部とを有し、
前記顧客操作型現金決済装置は、代金決済処理を紙幣のみで行うことが好ましい。
【0008】
本発明によるレジ精算システムにおいて、
前記商品登録決済装置は、最終的な決済金額の1000円未満の額を切り上げる精算手段と、該精算手段で切り上げられた額を購入顧客が所持する会員カードにチャージするチャージ部とを有し、
前記顧客操作型現金決済装置は、紙幣の入出金処理と硬貨の入金処理のみが可能となることが好ましい。
【0009】
本発明によるレジ精算システムにおいて、
前記商品登録決済装置は、購入商品の決済金の一部を非現金で決済することができ、
前記顧客操作型現金決済装置は、購入商品の決済金の残額を現金で決済することができることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、商品登録決済装置が購入商品の決済金の決済処理を非現金で行って、顧客操作型現金決済装置が代金決済処理を現金のみで行うように構成されているので、余分な人件費を削減するとともに、初期投資の費用を低く抑えることができ、さらには、店舗係員に加わるストレスを少なくすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
第1の実施の形態
以下、本発明に係るレジ精算システムの第1の実施の形態について、図面を参照して説明する。ここで、図1乃至図5は本発明の第1の実施の形態を示す図である。
【0012】
図1に示すように、レジ精算システムは、購入商品の登録を行う複数(本実施の形態では2つ)の会員用の第一商品登録決済装置(商品登録決済装置)10と、第一商品登録決済装置10と離れた場所に設けられ、第一商品登録決済装置10で登録された購入商品の代金決済処理を購入顧客自身が行う顧客操作型現金決済装置15と、購入商品の登録を行うとともに、登録された購入商品の代金決済処理を登録オペレータが行う複数の一般用(会員以外も利用可能)の第二商品登録決済装置20と、を備えている。
【0013】
このうち、第一商品登録決済装置10は、購入商品を登録することができるだけではなく、購入商品の決済金の決済処理を、クレジットカード、電子マネー、デビットカード、商品券、ビール券などの非現金で行うことができる。他方、顧客操作型現金決済装置15は、代金決済処理を現金のみで行うように構成されている。
【0014】
また、第一商品登録決済装置10は、購入商品の決済金の一部を非現金で決済することができ、他方、顧客操作型現金決済装置15は、購入商品の決済金の残額を現金で決済することができるようになっている。
【0015】
また、第一商品登録決済装置10および顧客操作型現金決済装置15は、個人を特定することができる個人特定情報(例えば、氏名、住所など)、または、当該個人特定情報に紐付けられた会員情報を有する会員カードによって利用可能となっている。そして、会員カードを所持する顧客のみが、第一商品登録決済装置10で登録された購入商品の代金決済処理を顧客操作型現金決済装置15で行うことができるようになっている。他方、第二商品登録決済装置20は、会員カードを用いなくても利用することができるようになっている。
【0016】
また、購入商品の登録を行ってもらう際の顧客の待ち時間を短くするために、第一商品登録決済装置10の総数(本実施の形態では2つ)は、顧客操作型現金決済装置15の総数(本実施の形態では1つ)よりも多くなっていることが好ましい(図1参照)。
【0017】
また、第一商品登録決済装置10は、購入商品の代金を特定するための代金特定情報を会員カードに記憶させる。そして、顧客操作型現金決済装置15は、会員カードに記憶された代金特定情報に基づいて、第一商品登録決済装置10で登録された購入商品の代金決済処理を行うように構成されている。
【0018】
また、図3(a)(b)に示すように、顧客操作型現金決済装置15は、紙幣の処理を行う紙幣処理ユニット60と、硬貨の処理を行う硬貨処理ユニット70とを有している。なお、図3(a)は、紙幣処理ユニット60の縦断面を正面に対して左側から見た側方断面図であり、図3(b)は、硬貨処理ユニット70の縦断面を正面に対して右側から見た側方断面図である。
【0019】
このうち、紙幣処理ユニット60は、図3(a)に示すように、紙幣を受け入れる紙幣受入部61と、紙幣を搬送する紙幣搬送機構62と、紙幣搬送機構62に設けられ、当該紙幣搬送機構62によって搬送される紙幣を識別する紙幣識別部65と、紙幣搬送機構62の端部に設けられ、紙幣を金種別に収納する金種別収納庫64と、を有している。このうち、紙幣搬送機構62は、紙幣搬送路62aと、紙幣搬送路62a内の紙幣に駆動力を付与する駆動部(図示せず)と、を有している。
【0020】
また、図3(a)に示すように、紙幣搬送機構62の端部には、紙幣を一時保留する紙幣一時保留部63が設けられ、紙幣搬送機構62の別の端部には、出金紙幣を払い出したり、入金紙幣をリジェクトしたりする紙幣払出部66が設けられ、紙幣搬送機構62のさらに別の端部には、リジェクトされた出金紙幣が搬送される出金紙幣リジェクト部67が設けられている。また、紙幣搬送機構62の前述の端部とは別の端部には、紙幣カセット69が着脱自在となっている。
【0021】
また、硬貨処理ユニット70は、図3(b)に示すように、硬貨を受け入れる硬貨受入部71と、硬貨を搬送する硬貨搬送機構72と、硬貨搬送機構72に設けられ、当該硬貨搬送機構72によって搬送される硬貨を識別する硬貨識別部75と、硬貨搬送機構72の端部に設けられ、硬貨を金種別に収納する金種別収納庫74と、を備えている。このうち、硬貨搬送機構72は、硬貨搬送路72aと、硬貨搬送路72a内の硬貨に駆動力を付与する駆動部(図示せず)と、を有している。
【0022】
また、図3(b)に示すように、硬貨搬送機構72には、硬貨を一時保留する硬貨一時保留部73が設けられ、硬貨搬送機構72の端部には、出金硬貨を払い出したり、入金硬貨をリジェクトしたりする硬貨払出部76が設けられている。また、硬貨搬送機構72の別の端部には、硬貨カセット79が着脱自在となっている。なお、一時保留された入金硬貨がリジェクトされる際には、当該硬貨は、金種別収納庫74の裏側(紙面に対して裏側)を通過することとなる(図3(b)の点線参照)。
【0023】
また、図2に示すように、顧客操作型現金決済装置15は、磁気カードからなる会員カードを読み取る磁気カードリーダ38と、ICカードからなる会員カードを読み取るICカードリーダ36と、様々な操作を行うためのタッチパネル機能を有する画面31と、様々な音声を発する(購入顧客へ操作方法を指示したりする)スピーカ32を有している。さらに、顧客操作型現金決済装置15は、決済が完了したことを示す決済完了媒体(登録媒体や領収書など)を発行するジャーナルプリンタ33と、印字されたバーコード情報を読み取るためのバーコードリーダ34も有している。なお、磁気カードリーダ38とICカードリーダ36の両方を設ける必要はなく、店舗のニーズ(会員カードの種類など)に合わせてどちらか一方のみを設けてもよい。また、バーコードリーダ34も、必ずしも必要ではなく、バーコード情報を読み取る運用を取らない店舗では設ける必要がない。
【0024】
また、図4に示すように、第一商品登録決済装置10と顧客操作型現金決済装置15とは電気的に接続され、直接通信可能となっている。また、顧客操作型現金決済装置15は、画面31で、今回、第一商品登録決済装置10で登録された購入商品のリスト(購入商品リスト)を購入顧客に対して表示するように構成されている。なお、代金決済処理が完了した購入商品は、随時、購入商品リストから削除されるようになっている。
【0025】
また、第一商品登録決済装置10および顧客操作型現金決済装置15は、会員番号などの会員カードに関する情報に基づいて、会員カードについての未決済情報の有無をチェックするように構成されている。
【0026】
より具体的には、第一商品登録決済装置10は、会員カードの会員番号を顧客操作型現金決済装置15に送信し、当該会員番号に基づいて、当該顧客操作型現金決済装置15から、前回以前の決済時に支払われなければならない未決済情報の有無(未決済リストの購入商品の有無)を取得し、未決済情報が有る場合には、その旨を、第一商品登録決済装置10で購入商品の登録を行う登録オペレータに対して表示するように構成されている。
【0027】
ところで、第一商品登録装置10は、購入商品の決済毎にその結果を顧客操作型現金決済装置15から受信し、その結果を記憶しておいてもよい。そして、第一商品登録装置10は、登録オペレータが第一商品登録装置10で購入商品を登録するときに、購入顧客の会員カードの会員番号に基づいて、前回以前の決済で未決済情報がある場合に、その旨を、当該登録オペレータに対して表示するように構成されていてもよい。
【0028】
なお、上述のように第一商品登録装置10が購入商品の決済毎にその結果を記憶している場合には、第一商品登録装置10で購入商品を登録するとき以外でも、未決済情報の有無をチェックすることができる。より具体的には、第一商品登録装置10は、管理者からの要求に応じて、未決済情報が有る場合には、その旨を、当該管理者に表示するように構成されている。
【0029】
また、上述した未決済リストは、顧客操作型現金決済装置15が会員カードの会員番号毎に第一商品登録決済装置10で登録された購入商品のうち未だ決済されていない購入商品(未決済情報)の有無をチェックすることによって、作成される。なお、当該未決済リストは、購入商品リストとともに、顧客操作型現金決済装置15の画面31で購入顧客に対して表示される(図2参照)。
【0030】
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について述べる。
【0031】
まず、購入したい商品を選んだ顧客は、登録オペレータによって購入商品の登録を行ってもらうために、第一商品登録決済装置10または第二商品登録決済装置20にならぶ(図1参照)。
【0032】
このとき、会員カードを持った会員は、第二商品登録決済装置20だけでなく第一商品登録決済装置10も利用することができ、第一商品登録決済装置10と第二商品登録決済装置20とを選択することができる。このため、会員である顧客は、空いている商品登録決済装置を利用することができ、会員である顧客の利便性を向上させることができる。なお、第一商品登録決済装置10を利用する場合には、会員カードに貯められるポイント率を高くして、顧客に第一商品登録決済装置10を積極的に利用するように促すようにしてもよい。
【0033】
次に、登録オペレータによって、第二商品登録決済装置20で購入商品の登録をしてもらうとともに代金決済処理をしてもらう。
【0034】
他方、第一商品登録決済装置10で購入商品の登録をしてもらった購入顧客(会員)は、第一商品登録決済装置10と離れた場所に設けられた顧客操作型現金決済装置15によって、自分自身で代金決済処理を行う。
【0035】
より具体的には、まず、第一商品登録決済装置10によって購入商品が登録される。このとき、購入顧客が、購入商品の決済金の決済処理を、クレジットカード、電子マネー、デビットカード、商品券、ビール券などの非現金で行う場合には、登録オペレータによって、非現金による決済が行われる。また、第一商品登録決済装置10で、購入商品の決済金の一部を非現金で決済することもできる(例えば、ビール券や商品券を用いた場合など)。ここで、登録オペレータ(店舗係員)は、現金の取り扱い、つまり顧客との現金の受け渡しや受け取った現金の保管管理といった最もストレスのかかる業務を行わないので、当該登録オペレータに加わるストレスを少なくすることができる。
【0036】
上述のような非現金での決済を行わなかった場合や、購入商品の決済金の一部のみが決済されて残額がある場合には、購入商品の代金を特定するための代金特定情報(一部のみが決済された場合には残額)が会員カードに記憶される。
【0037】
次に、購入顧客が、顧客操作型現金決済装置15の磁気カードリーダ38に会員カードを通したり、ICカードリーダ36に会員カードをかざしたりすることによって、会員カードに記憶された代金特定情報に基づいて、第一商品登録決済装置10で登録された購入商品の代金決済処理を行う(図2参照)。
【0038】
このとき、顧客操作型現金決済装置15での代金決済処理が現金のみで行われる。このため、余分な人件費を削減するとともに、初期投資の費用を低く抑えることができる。
【0039】
すなわち、従来であれば、購入顧客が、顧客操作型現金決済装置15で、クレジットカード、電子マネー、デビットカード、商品券、ビール券などの非現金を利用する場合には、購入顧客自身が操作画面を操作し入力することによって決済を行う必要があるが、操作が複雑なため、購入顧客は、しばしば、店舗係員を呼んで操作方法を聞いたり、係員を呼び出して当該係員に非現金による代金決済処理を行ってもらったりしている。
【0040】
このため、操作を説明したり操作を行ったりするための店舗係員を常駐させる必要があり、余分な人件費がかかってしまっている。また、そもそも顧客操作型現金決済装置15がクレジットカード、電子マネー、デビットカード、商品券、ビール券などの非現金を処理することができる機能を備える必要があるので、初期投資の費用が高くなってしまっている。
【0041】
これに対して、本実施の形態によれば、操作を説明したり操作を行ったりするための店舗係員を常駐させる必要が無く余分な人件費を削減することができ、また、顧客操作型現金決済装置15が非現金を処理することができる機能を備える必要がないので、初期投資の費用を低く抑えることができる。
【0042】
なお、第一商品登録決済装置10で購入商品の決済金の一部が非現金で決済された場合には、顧客操作型現金決済装置15では、購入商品の決済金の残額が現金で決済されることとなる。
【0043】
ところで、上述のように磁気カードリーダ38に会員カードが通されたり、ICカードリーダ36に会員カードがかざされたりすることによって、会員カードが読み取られると、顧客操作型現金決済装置15は、第一商品登録決済装置10で登録された購入商品の決済金の支払いを購入顧客が行うための代金決済モードになる。
【0044】
また、本実施の形態によれば、第一商品登録決済装置10および顧客操作型現金決済装置15が、個人を特定することができる個人特定情報(例えば、氏名、住所など)、または、当該個人特定情報に紐付けられた会員情報を有する会員カードによって利用可能となっている。このため、万が一、購入顧客が顧客操作型現金決済装置15で代金決済処理を行わずに店舗から出たとしても、個人特定情報(例えば、氏名、住所など)に基づいて、後で代金の支払いを請求することができ、代金を確実に回収することができる。
【0045】
そして、本実施の形態によれば、従来技術(例えば、実用新案登録第2603807号、特開平6−266973号、特許第3578868号などに記載されている従来技術)のように、代金未払表示ボード、カード監視手段、ゲート(自動開閉ゲートおよび退出用ゲート)などを設置したり、買物かごに情報記憶部を設けたりする必要がないため、低い投資コストで、代金を確実に回収することができる。
【0046】
ところで、本実施の形態によれば、登録オペレータが第一商品登録決済装置10で購入商品を登録するときに、会員カードの会員番号を認識した第一商品登録決済装置10によって、会員番号が顧客操作型現金決済装置15に送信され、当該会員番号に基づいて、前回以前の決済時に支払われなければならない未決済情報の有無(未決済リストの購入商品の有無)が顧客操作型現金決済装置15から取得される。そして、未決済情報が有る場合には、第一商品登録決済装置10によって、未決済リストが登録オペレータに対して表示される。このため、登録オペレータは、購入顧客に未だ支払っていない代金があることを認識することができ、購入顧客にその旨を伝えることができる。この結果、代金回収をより確実に行うことができる。
【0047】
また、本実施の形態では、購入顧客自身が顧客操作型現金決済装置15で代金決済処理を行うときに、顧客操作型現金決済装置15が、画面31で、今回、第一商品登録決済装置10で登録された購入商品のリスト(購入商品リスト)を購入顧客に対して表示する(このとき、前回以前の決済時に支払われなければならなかった購入商品が有る場合には、未決済リストも表示される)(図2参照)。
【0048】
このため、購入顧客は、代金決済しなければならない購入商品を容易に把握することができ、代金の支払い忘れを防止することができる。この結果、店舗としては、代金回収をより確実に行うことができる。ここで、顧客操作型現金決済装置15は、代金決済された購入商品を、随時、購入商品リストおよび未決済リストから削除する。
【0049】
そして、上述のようにして顧客操作型現金決済装置15での代金決済処理が完了すると、顧客操作型現金決済装置15は、ジャーナルプリンタ33で、代金決済が完了したことを示す決済完了媒体(登録媒体や領収書など)を発行する(図2参照)。このため、購入顧客は、代金決済が全て行われたことを認識することができ、代金の支払い忘れを防止することができる。この結果、店舗としては、代金回収をより確実に行うことができる。
【0050】
ところで、上記では、第一商品登録決済装置10が購入商品の代金を特定するための代金特定情報を会員カードに記憶させ、顧客操作型現金決済装置15が、会員カードに記憶された代金特定情報に基づいて、第一商品登録決済装置10で登録された購入商品の代金決済処理を行う態様を用いて説明した。しかしながら、これに限られることなく、以下に示すような態様も用いることができる。
【0051】
例えば、第一商品登録決済装置10が会員カードの会員番号(会員カードに関する会員情報)に紐付けられた購入商品の代金を特定するための代金特定情報を送信し、顧客操作型現金決済装置15が、当該顧客操作型現金決済装置15の磁気カードリーダ38やICカードリーダ36で取得される会員カードの会員番号と、第一商品登録決済装置10から送信された会員番号に紐付けられた購入商品の代金特定情報とに基づいて、第一商品登録決済装置10で登録された購入商品の代金決済処理を行うようにしてもよい。
【0052】
また、第一商品登録決済装置10が購入商品の代金を特定するための代金特定情報がバーコードで印字された登録媒体(取引特定媒体)を発行し、顧客操作型現金決済装置15が、バーコードリーダ34で登録媒体のバーコードを読み取って、第一商品登録決済装置10で登録された購入商品の代金決済処理を行うようにしてもよい。なお、登録媒体には、購入商品が記載され、購入商品の登録が完了したことが示されていてもよい。
【0053】
さらに、同じように登録媒体(取引特定媒体)を用いる態様としては、まず、第一商品登録決済装置10が、取引ID(取引情報)がバーコードで印字された登録媒体(取引特定媒体)を発行するとともに、当該取引IDに紐付けられた購入商品の代金を特定するための代金特定情報を顧客操作型現金決済装置15に送信する。そして、顧客操作型現金決済装置15が、バーコードリーダ34で読み取った取引IDと、第一商品登録決済装置10から送信された取引IDに紐付けられた購入商品の代金特定情報とに基づいて、第一商品登録決済装置10で登録された購入商品の代金決済処理を行うようにしてもよい。
【0054】
ところで、上記では、第一商品登録決済装置10と顧客操作型現金決済装置15とが電気的に接続され、直接通信可能となっている態様を用いて説明したが、これに限られることはない。例えば、図5に示すように、第一商品登録決済装置10と顧客操作型現金決済装置15とが、管理サーバ50を介して、通信可能となっていてもよい。
【0055】
このような態様では、管理サーバ50が、第一商品登録決済装置10と顧客操作型現金決済装置15から情報を受けて、第一商品登録決済装置10で登録された購入商品のうち未だ決済されていない購入商品(未決済情報)の有無を会員カードの会員番号毎にチェックする。そして、管理サーバ50は、未決済の購入商品の未決済リストを作成する。
【0056】
また、登録オペレータが第一商品登録決済装置10で購入商品を登録するときには、会員カードの会員番号を認識した第一商品登録決済装置10によって、会員番号が管理サーバ50に送信され、当該管理サーバ50から会員番号に基づいて、前回以前の決済時に支払われなければならない未決済情報の有無(未決済リストの購入商品の有無)が取得される。そして、未決済情報が有る場合には、第一商品登録決済装置10によって、未決済リストが登録オペレータに対して表示される。
【0057】
また、顧客操作型現金決済装置15は、管理サーバ50から会員カードの会員番号毎に、今回、第一商品登録決済装置10で登録された購入商品のリスト(購入商品リスト)を取得して、当該購入商品リストを画面31で購入顧客に対して表示する(このとき、前回以前の決済時に支払われなければならなかった購入商品が有る場合には、未決済リストも表示される)(図2参照)。
【0058】
また、本実施の形態では、例えば、営業時間の終了時に、顧客操作型現金決済装置15だけでなく、管理サーバ50でも、決済が完了したことを示す決済完了媒体を発行するようにしてもよい。この場合には、管理者が、取引情報を容易に把握することができるようになるので好ましい。
【0059】
第2の実施の形態
次に、図6および図7により、本発明の第2の実施の形態について説明する。図6および図7に示す第2の実施の形態は、第一商品登録決済装置10が、最終的な決済金額の1000円未満の額を切り上げる精算手段11と、当該精算手段11で切り上げられた額を購入顧客が所持する会員カードにチャージするチャージ部12とを有している。そして、顧客操作型現金決済装置15は、代金決済処理を紙幣のみで行うように構成されている。その他の構成は図1乃至図5に示す第1の実施の形態と略同一である。
【0060】
図6および図7に示す第2の実施の形態において、図1乃至図5に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0061】
本実施の形態によれば、精算手段11によって最終的な決済金額の1000円未満の額が切り上げられるとともに、チャージ部12によって精算手段11で切り上げられた額が購入顧客の所持する会員カードにチャージポイントとしてチャージされる(図6参照)。そして、顧客操作型現金決済装置15では、代金決済処理が紙幣のみで行われることとなる。
【0062】
このため、購入顧客は、顧客操作型現金決済装置15において硬貨を用いることなく代金決済処理を行うことができ、迅速に代金決済を行うことができる。また、顧客操作型現金決済装置15内に重さの重い硬貨が収容されず紙幣のみが収容されるので、貨幣の回収(紙幣の回収)を容易に行うことができる。さらに、紙幣処理ユニット60を設けるだけでよく硬貨処理ユニット70を設ける必要がないので初期投資を低く抑えることができる(図7参照)。
【0063】
また、チャージ部12によって精算手段11で切り上げられた額が会員カードにチャージされるので、購入顧客のリピート率を向上させることができる。なお、会員カードにチャージされる場合には、ポイント率を高くするようにしてもよい。
【0064】
なお、上述した最終的な決済金額とは、登録された購入商品の合計金額だけでなく、登録された購入商品の合計金額から、会員カードにチャージされたチャージポイントで支払った後で残った残額や非現金で一部を支払った際に残った残額なども意味している。
【0065】
ところで、上記では、顧客操作型現金決済装置15での代金決済処理が紙幣のみで行われる(顧客操作型現金決済装置15が紙幣の入出金処理のみを行う)態様を用いて説明したが、これに限られることなく、顧客操作型現金決済装置15は、紙幣の入出金処理に加えて硬貨の入金処理を行うように構成されてもよい。
【0066】
このように、顧客操作型現金決済装置15が硬貨の入金処理を行うようにすることで、購入顧客が紙幣を持たず硬貨しか持たない場合(例えば、500円玉が2枚しかない場合)などであっても、代金決済処理を行うことができ有益である。なお、この場合には、顧客操作型現金決済装置15は、紙幣処理ユニット60だけでなく硬貨処理ユニット70も有する必要がある。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるレジ精算システムの構成を示す斜視図。
【図2】本発明の第1の実施の形態によるレジ精算システムの顧客操作型現金決済装置を示した正面図。
【図3】本発明の第1の実施の形態によるレジ精算システムの紙幣処理ユニットおよび硬貨処理ユニットを示す側方断面図。
【図4】本発明の第1の実施の形態によるレジ精算システムにおける、第一商品登録決済装置と顧客操作型現金決済装置の電気的な接続態様を示した斜視図。
【図5】本発明の第1の実施の形態によるレジ精算システムにおける、第一商品登録決済装置、管理サーバおよび顧客操作型現金決済装置の電気的な接続態様を示した斜視図。
【図6】本発明の第2の実施の形態による第一商品登録決済装置の一部を示す斜視図。
【図7】本発明の第2の実施の形態によるレジ精算システムの顧客操作型現金決済装置を示した正面図。
【符号の説明】
【0068】
10 第一商品登録決済装置
11 精算手段
12 チャージ部
15 顧客操作型現金決済装置
20 第二商品登録決済装置
50 管理サーバ
60 紙幣処理ユニット
70 硬貨処理ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
購入商品を登録することができ、かつ、購入商品の決済金の決済処理を非現金で行うことができる商品登録決済装置と、
前記商品登録決済装置と離れた場所に設けられ、該商品登録決済装置で登録された購入商品の決済金の支払いを購入顧客が行う顧客操作型現金決済装置と、を備え、
前記顧客操作型現金決済装置は、代金決済処理を現金のみで行うことを特徴とするレジ精算システム。
【請求項2】
前記商品登録決済装置は、最終的な決済金額の1000円未満の額を切り上げる精算手段と、該精算手段で切り上げられた額を購入顧客が所持する会員カードにチャージするチャージ部とを有し、
前記顧客操作型現金決済装置は、代金決済処理を紙幣のみで行うことを特徴とする請求項1に記載のレジ精算システム。
【請求項3】
前記商品登録決済装置は、最終的な決済金額の1000円未満の額を切り上げる精算手段と、該精算手段で切り上げられた額を購入顧客が所持する会員カードにチャージするチャージ部とを有し、
前記顧客操作型現金決済装置は、紙幣の入出金処理と硬貨の入金処理のみが可能となることを特徴とする請求項1に記載のレジ精算システム。
【請求項4】
前記商品登録決済装置は、購入商品の決済金の一部を非現金で決済することができ、
前記顧客操作型現金決済装置は、購入商品の決済金の残額を現金で決済することができることを特徴とする請求項1に記載のレジ精算システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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