レチクルポッド
【課題】ウエハー又はレチクルと協働して拡散バリアを与える最小の接触を含む支持構造及び環境制御手段を与える容器において、ウエハー又はレチクルの面上に置かれる微粒子を軽減する。
【解決手段】容器は、突起物を伴う平坦で研磨された表面を有するベースを含み、ウエハー或いはレチクルはこの突起物上に設置される。突起物は、ウエハー又はレチクルと最小の接触を与えるとともにウエハー又はレチクルをベースに浮かせる球としての配置を有し、それらの間にギャップを与える。このギャップは、ウエハー又はレチクルをベースの平坦で研磨された表面から分離するとともに微粒子のギャップへの移動を防止し、それによってウエハー又はレチクルの高感度面の汚染を防止する。拡散フィルタは、ろ材なしで圧力均一化を与える。トップカバー上の移動可能なレチクルのピンはレチクルを規定する。二重ポッドの実施態様によってさらなる分離及び保護が得られる。
【解決手段】容器は、突起物を伴う平坦で研磨された表面を有するベースを含み、ウエハー或いはレチクルはこの突起物上に設置される。突起物は、ウエハー又はレチクルと最小の接触を与えるとともにウエハー又はレチクルをベースに浮かせる球としての配置を有し、それらの間にギャップを与える。このギャップは、ウエハー又はレチクルをベースの平坦で研磨された表面から分離するとともに微粒子のギャップへの移動を防止し、それによってウエハー又はレチクルの高感度面の汚染を防止する。拡散フィルタは、ろ材なしで圧力均一化を与える。トップカバー上の移動可能なレチクルのピンはレチクルを規定する。二重ポッドの実施態様によってさらなる分離及び保護が得られる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、次の米国仮出願を優先権主張している。2005年9月27日出願の米国出願番号60/720,762、2005年9月27日出願の米国出願番号60/720,777、2005年9月27日出願の米国出願番号60/720,778、2006年2月18日出願の米国出願番号60/774,391、2006年2月18日出願の米国出願番号60/774,537。これによって上記出願の全てをここに参照によりそのまま組み入れる。
【背景技術】
【0002】
発明の技術分野
本発明は、フォトマスク、レチクルおよびウエハーのような傷みやすいデバイスの保存、運搬、輸送および処理のための容器に関し、特には、本発明は保護手段、特に、レチクルのためにきれいな環境を維持するための手段を有するレチクルを設置して固定するための支持構造を含んだ粒子制御手段に関する。
【0003】
発明の背景
集積回路および他の半導体デバイスの製造において共通して直面する処理工程の一つは、フォトリソグラフィである。広義には、フォトリソグラフィは、特別に準備されたウエハー表面をパターンが形成されたテンプレートを用いて放射線源に選択的に露光して、エッチング加工された表面層を得ることを含んでいる。典型的には、パターン形成テンプレートはレチクルであり、このレチクルはウエハー上で再生されるパターンを含む非常に平坦なガラスプレートである。例としては、ウエハー表面は、その上にシリコン窒化物を配置し、続いて感光性液体ポリマのコーティング或いはフォトレジストのコーティングを配置することによって、準備される。次に、所望のパターンをフォトレジストで覆われたウエハー上に投影させるために、紫外線(UV)光がマスク或いはレチクルの表面を通して照射されるか或いはそこから反射される。露光されたフォトレジストの一部は化学修飾される。続いてそのウエハーが、未露光のフォトレジストを除去する化学物質にさらされると、その露光されたフォトレジストの一部は影響を受けないで残り、ウエハー上の修飾されたフォトレジストをマスクのパターンの正確な形状にする。ウエハーは、それから、窒素層の露光部を除去するエッチング工程にさらされて、ウエハー上の窒素パターンをマスクの正確な設計にする。このエッチング層は、単独で或いは他の同様に生成された層とともに、デバイスを表現するとともに特定の集積回路或いは半導体チップの“回路”を特徴付けるデバイス間を相互接続する。
【0004】
業界動向は、より小さいおよび/或いはよりロジックの高密度をともなったチップの製造に向かっており、より大きなウエハー上でのさらにより小さな線幅を必要としている。明らかに、レチクル表面がパターン化され得る微細度およびこのパターンがウエハー表面上に忠実に再生され得る度合いは、最終的な半導体製品の品質に影響を与える要因である。ウエハー表面上に再生され得るパターンの解像度は、フォトレジストで覆われたウエハーの表面上にパターンを投影するのに使用される紫外線光に依存する。最先端のフォトリソグラフィのツールは、193nmの波長を有する遠紫外線光を使用しており、この波長は100nmのオーダーの最小形状を可能にする。現在開発されているツールは、70nmより小さい形状の分解能を可能とするために、157nmの極紫外線(EUV)光が使用されている。レチクルは、ウエハー上に再生されるパターンを含む非常に平坦なガラスプレートである。
【0005】
典型的なレチクル基板物質は光学的に透明な石英である。現代の集積回路の重要要素である極小寸法により、レチクルの作業される表面(すなわち、パターン化された表面)は、汚染物質のない状態に保たれることが重要である。この汚染物質は、表面を損傷させるか或いは工程中フォトレジスト層上に投影される像を変形させる可能性があり、結果として最終製品が許容できない品質になるものである。典型的には、この粒子の臨界寸法は、EUVがフォトリソグラフィ工程の一部である場合、非パターン化面およびパターン化面に対して、それぞれ0.1μmおよび0.03μmである。
【0006】
通常、レチクルのパターン化された表面は、薄くて光学的に透明なフィルム、典型的にはニトロセルロースのフィルムでコートされているとともに、フレームに取り付けられて支持され、レチクルに取り付けられる。その目的は、汚染物質の混入を防いで、像面においてそのような汚染物質によって生じる可能性のある焼付け欠陥を低減させることである。EUVに関しては、しかしながら、遠紫外線光フォトリソグラフィのレチクル特性を通しての伝達とは対照的に、パターン化面からの反射が使用される。このときに、この技術はEUVに対して透明な薄膜物質を提供しない。その結果、EUVフォトリソグラフィにおいて使用される反射型フォトマスク(レチクル)は、従来のフォトリソグラフィにおいて使用されるレチクルよりもかなり大きな程度で、汚染物質の影響を受けやすく損傷を受けやすい。この状況によって、EUVフォトリソグラフィの使用予定にあるレチクルを保存、輸送および運送するために設計される容器つまりポッドに対して、高度な機能的要求が課される。一般的には、レチクルは、SMIF容器つまりポッド内で作られるミニクリーンルーム型の環境内で保存および/或いは輸送される。そのような容器は、典型的には、ドアと、レチクルを保持するための密封されたエンクロージャを形成するためにドアと結合するカバーとを有している。ドアは、一般的に、ドアの自動或いは手動開放のための処理手段と連動するとともに、レチクルを周囲大気にさらさないでレチクルを処理手段の環境へと移動することを可能にするための特別な特徴およびメカニズムを備えるように設計される。
【0007】
半導体製造における微粒子の深刻な影響を考えると、製造、処理、運送、処理、輸送或いは保存の間におけるレチクルと他の表面との間の不必要および意図しない接触は、レチクルが、滑り摩擦および磨耗によってパターン化面上の精巧な特徴に対して損傷を受けやすいという観点からして、極めて好ましくない。第二に、レチクルの表面のいかなる粒子汚染も、処理の間でのそのようなレチクルの使用から得られたいかなる最終製品にも深刻に影響を与えるのに十分な程度に、レチクルの性能を落とす可能性がある。粒子は、処理、移動および輸送の間において、レチクルを含んだ制御された環境内で生成され得る。レチクルと容器との間の滑り摩擦およびその結果生じる磨耗は、汚染粒子源の一つである。そのような状況は、レチクルを容器内に配置しようとする間に、或いは、移動或いは輸送の間におけるレチクルと容器との間の相対的な動きによって発生し得る。例えば、レチクルは、移動中に、レチクル容器内でその位置から滑り得、それによって粒子を生成する。容器の壁の変形は、容器内のレチクルの位置のシフトを生じさせるのに十分である。そのような誤配置されたレチクルは、容器から自動的に取り出されて処理設備へと設置されるときに、正しく位置合わせがされないことも起こり得、結果として、予測できない品質の最終製品となる。容器の衝撃および振動は、レチクルおよびレチクルを保持する構成要素に伝達され得、相対的な動きおよび関連する粒子の発生を生じさせる。そのような状況下では、レチクル或いは薄膜は傷が付き或いは破損するかもしれないという可能性もある。もちろん、微粒子源は、レチクル上に定着する浮遊粒子であり得る。典型的には、この問題は、レチクル周辺の制御された環境を作り出して維持するための密封SMIF容器を利用することによって軽減される。
【0008】
この議論は、非EUV関連の半導体製造に向かうことになっている半導体ウエハー基板およびレチクルを移動および/或いは保存するために設計される容器に等しく適応可能である。例えば、FOUP(フロントオープニングユニファイドポッドの頭字語)、FOSBS(フロントオープニングシッピングボックスの頭字語)およびSMIF(シールドメカニカルインターフェースの頭字語)である。
【0009】
特に保存、処理および移動の間におけるウエハー周辺の制御された環境の必要性を認識して、従来技術は、レチクルの保存、輸送および移動に伴う操作の間において、レチクルをレチクル容器内で固定された位置にしっかりと保持する取り組みを展開している。最もよく見られる取り組みは、ポッドの底面或いはドア上に、レチクルのパターン化面に接触するとともにそれを容器表面に対してほぼ平面形状で保持する支持材を提供することを含んでいる。非常にしばしば、その保持する支持材は、ポッドのカバー或いはシェルからのびているとともに、パターン化面と反対の表面上でレチクルと接触する、一つあるいは二つ以上の押圧部材で補強される。この配置は、パターン化面に垂直なレチクルの動きを抑止する働きをする一方、レチクルをパターン化面の平面での並進運動に対して保持するには非効果的である。この点で、従来技術は、レチクル周辺に沿って配置された制限的な構造を開示しており、その全部がレチクルの横方向の動きを制限するのに有効である。レチクルを容器内にしっかりと保持する従来技術の試みは、上記の構造的部材の全てと組み合わせて、ラッチを提供することまでも及んでいる。ラッチは、ドア或いはベースに対して閉じられた状態でしっかりと押圧されてカバーを保持するように設計され、それによって、押圧部材をレチクルに対してしっかりと圧迫させる。押圧部材は、押圧部材がレチクル表面に対して接触するとともに、カバーがドアに係合するように至らせるに従って徐々に押圧するように、弾力材から成っているか或いはカバーから延びる片持ちアームの端部で搭載される。片持ちの配置は、弾性の適応およびレチクル支持材によるレチクルへの制御された力を可能にするという意図である。そのような弾性および制御された力は、容器がわずかに変形された環境下においても、レチクル上に過度な力がかからず、或いはレチクルの変形がなく、レチクルを容器内にしっかりと固定するためであると言われている。これらの構造が、レチクルと支持部材、制限構造物および押圧部材との間の相対的な滑りを防止しないであろうことは当業者にとって容易に明らかである。これは、ショックおよび振動負荷にさらされやすい容器には特に当てはまる。滑りは、レチクルの磨耗を引き起こし、微粒子を発生させる。
【0010】
この問題を認識して、従来技術の容器は、レチクルの四つのそれぞれの角を支持するためのポストを含んでいる。このポストは容器に取り付けられる。ポストのそれぞれの角は、互いに直角をなす傾斜面を有する面取り付凹面(beveled concavities)を含んでいる。レチクルがレチクル支持材まで下げられるとき、レチクルの端が面取り付凹面のそれぞれの傾斜面に接触する単一の水平面がある。レチクルは、自身の重みおよびレチクルの端と面取り付凹面の表面との間の低摩擦の結果、すばやく容易にそして反復可能に、この“単一の解決策”の位置に落ち着く。それぞれの面取り付凹面の傾斜面は、レチクルの支持材がレチクルの上側若しくは下側の面に又はレチクルの垂直端に接触することなく、レチクルが四つの角でしっかりと支持されるように、レチクルのより低い端の周りの面取り面に係合する。押圧部材は、レチクル支持材上の面取り付凹面に対して反転された面取り付凹面を含んでおり、その結果、いったんレチクルがレチクル支持材に位置すると、容器カバーと容器ドアとの結合によって、それぞれの面取り付凹面の傾斜面はレチクルの上側端の周りの面取り面に係合される。そして、レチクルはその四つの角で、レチクル支持材と押圧部材との間に挟まれて、その結果、レチクルは、容器の移動および/又は容器への衝撃の間において、しっかりと位置が保持される。
【0011】
SMIF容器のなかには、レチクルの四つのそれぞれの角を支持するためのポストを含んでいるものもある。このポストは容器に取り付けられる。ポストのそれぞれの角は、互いに直角をなす傾斜面を有する面取り付凹面を含んでいる。レチクルがレチクル支持材まで下げられるとき、レチクルの端が面取り付凹面のそれぞれの傾斜面に接触する単一の水平面がある。レチクルは、自身の重みおよびレチクルの端と面取り付凹面の表面との間の低摩擦の結果、すばやく容易にそして反復可能に、この“単一の解決策”の位置に落ち着く。それぞれの面取り付凹面の傾斜面は、レチクルの支持材がレチクルの上側若しくは下側の面に又はレチクルの垂直端に接触することなく、レチクルが四つの角でしっかりと支持されるように、レチクルのより低い端の周りの面取り面に係合する。押圧部材は、レチクル支持材上の面取り付凹面に対して反転された面取り付凹面を含んでおり、その結果、いったんレチクルがレチクル支持材に位置すると、容器カバーと容器ドアとの結合によって、それぞれの面取り付凹面の傾斜面はレチクルの上側端の周りの面取り面に係合される。そして、レチクルはその四つの角で、レチクル支持材と押圧部材との間に挟まれて、その結果、レチクルは、容器の移動および/又は容器への衝撃の間において、しっかりと位置が保持される。
【0012】
従来技術のSMIF容器は、概して、レチクルとの接触を最小化しない。実際に、レチクルが容器内の位置に戻される前には、レチクル支持構造物とレチクルとの間においてかなりの滑り接触が生じる。そのような接触はすべて、微粒子を発生させ、および/又はレチクルにエッチングされたパターンに影響を及ぼす。加えて、レチクルを容器内の固定位置にしっかりと支持させる従来技術の試みは、こすれおよび磨耗が付加的に生じやすいレチクルの付加的な接触を引き起こす。これは、レチクルが容器に設置されるとき或いは容器から移動させるときに、レチクルが抑制部材に係合されおよび係合から外れるからである。
【0013】
微小環境内における微粒子発生の問題は、レチクルの輸送に容器が使用されるときに悪化される。そのような容器は、多岐にわたる操作上の状況に遭遇する。操作上の危険の一つは、レチクルを容器内の固定位置から押し出す傾向のある衝撃および振動負荷にさらされることである。そのような衝撃の下では、容器は変形することもあり、それによって、レチクルに取り付けられた内部構造物の移動を引き起こし、ひいてはレチクルが容器内での正しい位置がずれる。この点で、レチクルの容器からの分離とは対照的に、容器の衝撃からの分離が重要な考慮すべき事項である。
【0014】
微粒子の沈降は考慮すべき別の問題である。発生した微粒子或いは発生しなければ制御された環境内に持ち込まれる微粒子は、レチクル上に容易に沈降しないことが望ましい。この点で、レチクルが運ばれるとともに微粒子の汚染を防止するために制御されなければならない環境に対して最小限の量を有するだけでなく、制御された容積における空気が相対的に静的であることが望まれる。突然の圧力変化或いは大きな圧力変化は、制御された容積への空気の突然の排出或いは注入を引き起こし、乱流をもたらす。突然の大きな圧力差に応じた、フィルタ表面或いは容器壁のゆがみは、制御された容積内部での圧力波を引き起こし、微粒子の移動をもたらす。
【0015】
克服すべき他の課題は、制御された環境においてさえ、制御された環境において閉じ込められた空気の圧力変化、或いは、容器の急な動きにより或いは閉じ込められた空気の容積を乱すことによってもたらされる、閉じ込められた空気の乱流によって、制御された環境内に存在すると思われる微粒子の移動がなお可能であるという事実である。例えば、薄い壁を有するSMIFのポッドは、圧力変化に関係した高度により壁運動を生じ、制御された環境内における閉じ込められた空気の移動をもたらす。温度変化は、容器内の対流の流れを作りえる。容器および容器の構成物の寸法変化は、支持機能および保持機構を危うくする可能性があり、ウエハーの位置合わせずれ或いは容器内に運ばれる基板のゆがみをもたらす。圧力変動による容器の壁の寸法変化は、カバーとキャリアのドアとの間の密閉を損傷およびキャリア内の微粒子の侵入をもたらす。従来技術の取り組み方法は、外部環境と内部の制御された空気の容積との間の呼吸装置を意図している。この呼吸装置は、空気のための流れの通路を提供している。通路の間に置かれたフィルタは、外部環境からキャリアの制御された環境への微粒子の侵入を妨げる障壁を提供する。しかしながら、上述したように、EUVフォトリソグラフィ工程において使用されるレチクルは、非常に微細で精巧な特徴を有しており、粒子の臨界寸法は、レチクルの非パターン化面およびパターン化面に対して、それぞれわずか0.1μmおよび0.03μmのオーダーである。そのような低微粒子寸法において、フィルタには非常に微細な細孔寸法が要求され、流体の流れに対してかなりの抵抗が生じ、それによって、より大きなフィルタ表面積が必要となる。より大きなフィルタ表面積の代替は、容器の輸送において遭遇するような急な圧力変化に対する、より遅い応答である。これらの両者ともに、好ましい代替ではないが、それは、レチクルのSMIFポッド設計の目的の一つが、SMIFポッドが微粒子の進入に対して有効に密閉されるように、制御された容積を最小に保持することだからである。圧力の同等化を達成するために大きなフィルタ面積を備える一方で、レチクルがその中に配置される制御された容積を最小化することは、矛盾する目的である。
【0016】
通常、従来技術の制御された環境は、ドアとカバーとの間にシールを入れる。しかしながら、非常にしばしば、シールは弾性材でできており、その弾性材は、微粒子つまり汚染源の中にあることもあり、自身が汚染源であり得る。さらに、弾性のシールを使用したシールを作る従来技術の試みは、例えば溝や隆起したタブのような構造物を必要とし、この構造物は、微粒子が内部の制御された環境に入る通路を提供する。それらの広範囲に及ぶ使用にもかかわらず、この技術で一般的に容認されていることは、そのような構造物には、ポッドを洗浄する際に洗浄の容易でない隙間が存在し、それによって、流出洗浄溶液からの化学物質および微粒子を潜在的に保有しているということである。
【0017】
必要とされることは、安定および安全な支持材と制御された環境とを提供することによって、レチクルを微粒子および汚染から最大限に保護する、レチクル格納システムである。これは、制御された環境からの空気の侵入および排出がなく、および制御された環境内にすでに存在する空気の最小限の乱流により、キャリアの内部の制御された環境とキャリアの外部の空気との間の圧力を有効に均一にする、レチクル圧力均一化システムを含んでいる。いかなる形式の微粒子発生物質も利用しない密閉システムも必要とされる。
【0018】
発明の要約
レチクルを含むためのエンクロージャを形成するために、カバーと協働するベース或いはドアを有するレチクルが開示されている。レチクルの配置および支持手段を含んだレチクル保護手段、および環境制御手段を有するポッドが開示されている。レチクル配置手段および支持手段は、環境制御手段の一部を容易にして形成している。
【0019】
一つの実施形態において、主題のレチクルは、一般的に長方形であり、パターン化面を有するとともに、複数の位置決め球状ボールを利用し或いはベース若しくはドア上のレチクルの位置を規定する、ポッドのベース或いはドアに取り付けられた支持構造物上に配置される。レチクルは、球状ボール或いはポッドのベース或いはドアの角に隣接して位置する斜面によって、設置位置に位置合わせされて、レチクルの角に隣接したレチクル端に接線方向で接触することによって、レチクルを位置合わせするように構成される。レチクルを最小限の接触面積で配置することは、内部の粒子の発生を減少させるのに役立つ。本発明の実施態様は、カバーに取り付けられるレチクル保持器も含んでいる。レチクル保持器は、球状ボールであり、この球状ボールは一点でレチクル表面をと接触する。他の実施態様では、角での接線方向の一点接触が球状ボール以外の構造物によってなされる。
【0020】
本発明のある実施態様によれば、レチクル上で円形の点接触を与える二つの突起物の間でレチクルを固定することによって、レチクルはSMIFレチクルポッド容器内に配置されて固定される。一つの実施態様において、この突起物は球状ボールを構成する。球状ボール突起物の第一のセットは、ベース上に備えられて、レチクルの一つの表面、通常はパターン化面に接触する。球状ボール突起物の第二のセットは、ポッドのカバーに取り付けられて、通常はレチクルの非パターン化面つまりチャック表面に接触する。このようにレチクルを支持して保持することによって、レチクルとポッドとの間の接触は最小化されるとともに、接触物質の自由度が可能になる。ドア上に取り付けられるとともに、レチクルがそこに置かれる球状ボールは、レチクルパターン化面とドア表面との間に細いギャップが備わるように寸法化される。この球状物のための好ましい物質は、ポリアミド−イミドである。構成要素は、レチクルとドアの内部表面との間の接触を防ぐ許容誤差で組み立てられ、さらに、微粒子がギャップにおよびレチクルの重要表面上に移動することを防ぐ拡散バリアを与えるのに十分狭い隙間を提供する。ポッドは、内部の容積を最小化するように形成され、それによって、圧力の均一化の間において移動させられるのに必要な空気量を少なくする。
【0021】
本発明の他の実施態様においては、二つの容器ポッドは、カセットとしても知られている、第一のつまり内部ポッドを有しており、この第一のポッドは、レチクルSMIFポッドとして知られている、第二のつまり外部ポッド或いはパケージに収容されている。内部ポッドのベースおよびトップカバーは、密閉を提供するために、協働する平坦表面において結合する。そのような表面は、研磨されるか或いは超平面のメタル表面である。ベースは、二つの密閉表面を提供するために、主に或いは専ら、そこに取り付けられるリングメタルインサートを有するカバー付きのメタルで形成される。好ましくは、ベースの研磨されたメタル表面は、レチクル設置位置の下に延びるとともにレチクルから離間し、レチクルとベースの研磨された或いは超平面中央メタル表面との間に、約0.008cm(0.003インチ)〜約0.018cm(0.007インチ)、好ましくは約0.010cm(0.004インチ)〜約0.013cm(0.005インチ)のギャップを提供する。このように、ベースの外部の密閉表面は、レチクルとベースとの間の拡散バリアとともに同時に形成されるため、製造コストを最小化するとともに、内部ポッドの設置面積をも最小化する。外部ポッドは、カバー部と、このカバー部を密閉するとともにカバー部を留めるドアとを有している。
【0022】
拡散フィルタは、プレートにような一対の対向する平面のみを利用するものであり、このフィルタは、いずれかのポッド上の圧力を均一化するためにトップカバー上に位置合わせされる。そのようなフィルタは、千分の数インチのギャップを有する対向する表面の通路を有している。この通路は、ポッド内部からポッド外部へ湾曲して延びている。フィルタは、レーザによって組み立てられ、そこに形成される千分の数インチの厚さの溝を有するベース部分上でカバーパネルを結合する。二つの部分は、好ましくは透明或いは半透明であり、他方はレーザのエネルギを吸収するために不透明或いは十分に不透明である、二つの部分の一つに接触して配置される。レーザビームは、透明部分を通して、ビームが吸収される場所である他の部分へと伝わり、それらが結合している点において二つの部分の結合部を加熱する。そのようなフィルタは、編んだ物質、繊維、焼結物質などのようなろ材を利用しておらず、そのようなろ材に関係した微粒子の発生の可能性は排除される。
【0023】
他の実施態様は、カバーするためにポッドのベース或いはドアを留めるとともに、ポッド周囲に均一なクランプ力を提供するための一連のラッチをも含んでいる。ベース或いはドア上に取り付けられるとともにレチクルが置かれる球状のボールは、レチクルパターン化面とドア表面との間の特定距離を可能にするように寸法化される。この層は、微粒子のレチクルの重要部位への移動を防ぐための拡散バリアを与える。本発明の他の配置は、ドアおよびカバー周辺の近くに、連続して補完的な“平坦”表面をそれぞれ含んでいる。カバーをドアと結合させると、平坦表面は互いに隣接し、ポッド外部の環境からポッド内部への微粒子の移動を防ぐためのシールを生成し、それによって、従来の弾性シールの必要性をなくしている。
【0024】
本発明のさらに他の実施態様において、カセットとしても知られている、第一のポッドすなわち内部ポッドは、第二のポッド或いは外部ポッドに収容される。外部ポッドは、技術的に、標準機構インターフェース(SMIF)ポッドとして知られているものである。内部ポッドは、レチクル或いはマスクを保護的に収容するためのエンクロージャを形成するために、ベースと結合するトップカバーを有している。内部ポッドのトップカバーは、一端に錐台或いは円錐のようなテーパー面を有する位置決めピンを受けるように適合された少なくとも一つの開口を備えている。位置決めピンは、テーパー面と内部ポッドのエンクロージャ内に位置合わせされるレチクルの端との間で格納的に係合するために、構成されて位置合わせされる。一つの配置において、トップカバーは、複数のそのような位置決めピンに取り付けられ、外部パッケージは、ピンをその外部パッケージのアセンブリに係合するように設計される。外部パッケージが内部ポッドのカバーと係合すると、位置決めピンは、ピンのテーパー面がレチクルの上端と接触するように、内部ポッドに係合すると同時に押し込められ、そのため、レチクルはエンクロージャ内の適切な横位置に強制配置される。外部ポッドのトップカバー部分に取り付けられる弾性パッドは、ピンを係合させてピンを内部へ押し込めるために使用される。他の弾性ポッドは、内部ポッドのトップカバーのトップ面に接触する。
【0025】
他の実施態様では、一対のスプリングローラーが、ポッドの対向する角のドア或いはベース上に取り付けられる。スプリングローラーは、最小の磨耗で水平方向のレチクルの位置合わせをする。
【0026】
他の実施態様において、スプリングクランプは、球状突起物に係合するレチクルを保持するために、カバー上に取り付けられる。典型的な実施例において、それぞれのスプリングクランプは、第一の端でカバーに取り付けられるとともに、対応する端で球状の保持突起物を備えている。変形の実施態様では、球状の保持突起物は球状ボールであり、スプリングクランプはレチクルに対して球状ボールを保持する。スプリングの剛性は、スプリングが容器に支持されるときに、水平方向のすなわちレチクルの表面に沿ったスプリングのたわみを最小にするために選択される。許容されるたわみは、主として垂直方向であり、レチクルのパターン化面に垂直であるので、したがい、パターン化された表面と対向するレチクル面と点接触することによって、レチクルを球状突起物内の位置に保持するレチクル保持力を提供する。一つの実施例では、本発明は、補完的な“平坦“表面を特徴付けており、それぞれの表面はドアおよびカバーそれぞれの周辺上にある。カバーをドアと結合させることによって、この二つの面は互いに対して隣接し、ポッドの外部の環境からポッドの内部への微粒子の移動を防ぐためのシールを生成し、それによって、従来の弾性シールの必要性をなくしている。
【0027】
本発明のある実施態様の利点は、圧力の均一化の間において移動する空気量を減少させるために、最小の内部容積を提供することにある。さらに、ある実施態様は、内部ポッドの最小設置面積を提供する。
【0028】
本発明のある実施態様の利点は、底面での球状の接触およびマスク上部での端の接触を伴うマスク上の接触面積を最小にすることにある。
【0029】
本発明のある実施態様の他の利点は、カバーおよびベースプレートを密閉するための面を提供し、従来の弾性シールおよび付随する微粒子の発生をなくすことにある。カバーにおけるフィルタは、従来のろ材の必要性をなくす。
【0030】
本発明のある実施態様の他の利点は、微粒子をマスクの品質表面上への移動から保護する或いは防止する拡散バリアを生成することにある。
【0031】
本発明の様々な実施態様の利点は、レチクルと容器との間の最小限の接触を維持しつつ、レチクルのパターン化面の平面内および垂直な動きに対するレチクルの抑制にある。
【0032】
本発明のある実施態様の他の利点は、底面での球状接触、および、端での線接触或いはマスク上部での端の角での接触を伴う、マスク上での接触面積を最小にすることにある。
【0033】
さらに、本発明の他の利点は、輸送の間における内部ポッド内のマスクの動きを最小化することにある。この点で、本発明は、レチクルとカバーとの間の、平面内の相対的な動きおよびパターン化面の平面に垂直な相対的な動きを抑制する一方、レチクル或いはマスクのキャリア内にレチクルを適切に配置する手段を提供し、それによって、移動および輸送の間におけるレチクルの動きに誘発される衝撃および振動によって与えられるレチクルの表面損傷が最小化される。さらに、本発明によれば、レチクル容器内或いはレチクル支持材上でのレチクルの手動による位置合わせは、例えば、正確に要求されないが、その理由は、レチクルを配置する構造によってレチクルが正確に中心揃えされるからである。
【0034】
本発明の付加的な利点および新規な特徴は、以下の記述において一部説明される。さらにその一部は、以下の説明によって当業者にとって明らかになり、或いは本発明の実施によって習得されるであろう。本発明の目的および利点は、添付の請求項において特に指摘される装置および組み合わせによって、実現されると共に達成される。
【0035】
本発明は、以下のように、異なる実施態様において記述される。
レチクルを保持するための容器であって、レチクルは、周辺と上面と底面と側面と四つの周辺の角と上端と下端とを有し、容器は、
周辺と、上方へ延びる複数の接触要素を備えた上方で向かい合った上部水平面とを有するベースを有しており、接触要素はレチクルを底面で係合するための丸い上面を有し、ベースプレートはレチクルの周辺を規定するために位置合わせされる複数のポストをさらに有し、接触要素の上面および複数のポストはレチクル設置位置を規定し、上方で向かい合った水平面は前記ベースの周辺で或いはそれに隣接してベースの周りに延びる密閉面をさらに有しており、
ベースプレート周辺に沿ってベースプレート上面に係合するためのカバーを有し、それによって、レチクルを保持するための内部を規定しており、カバーは、前記それぞれの面が接触するときにそれらの間で密閉を生み出すために、上方で向かい合ったベースの上部水平面の密閉面と協働するための下方で向かい合った水平面の密閉面を有している、容器。
【0036】
ベースプレートは少なくとも主にメタルで形成されており、上面は密閉面からレチクルのレチクル設置位置の下まで連続して平面であるとともに一体化している上記容器。
【0037】
下方で向かい合った水平面密閉面はメタルで形成されており、それによって、ベースとカバーとの間の密閉が金属対金属である上記容器。
【0038】
ポストは、メタルで構成されるとともにレチクル設置位置に向かって傾斜した斜面を備えた上部を有する上記容器。
【0039】
ポストは、レチクルがレチクル設置位置に位置されるとき、横方向においてレチクルの側面に隣接する垂直部分を有する上記容器。
【0040】
複数のポストのそれぞれの斜面はレチクル設置位置を規定し、それによってレチクルが前記斜面部に設置される上記容器。
【0041】
複数の接触要素のそれぞれが球面を有する上記容器。
【0042】
球面は、上方で向かい合った上部水平面から、下方に延びる凹部或いは穴へと下方に圧入される上記容器。
【0043】
底面プレートは、球面を受けるために底面プレートの底部側からの複数の穴を有しており、それぞれの球面は位置決めネジによってそこに保持される上記容器。
【0044】
請求項1に記載の容器を有するとともに、内部を規定するために外部カバー内で受けることが可能な外部カバーおよびドアをさらに有し、外部カバーおよび外部ベースは請求項1に記載の容器を受けるように寸法化されている上記容器。
【0045】
カバーは、カバーにスライド可能に位置決めされる垂直移動可能な複数のレチクルポストを含み、ポストはレチクルの上端に係合するように位置決めされる上記容器。
【0046】
移動可能なレチクルポストはそれぞれ、カバーに弾性的に位置決めされる上記容器。
【0047】
移動可能なレチクルポストはそれぞれ、レチクルをレチクル設置位置に強制配置するために、レチクルの上端に係合するための斜面部分を有する上記容器。
【0048】
容器に取り付けられるとともに横方向に移動可能な複数の部材をさらに有し、各部材はレチクルを適切な位置に規定するために内部で付勢される上記容器。
【0049】
圧力均一化のためのフィルタをさらに有し、フィルタはろ材を有さないで拡散バリアを与えるギャップによって分離された向かい合った一対の平面を有しており、フィルタは容器内部から容器外部へ通路を提供する上記容器。
【0050】
ギャップが約0.0025cm(0.001インチ)〜約0.018cm(0.007インチ)の厚さである上記容器。
【0051】
通路は蛇行しており、複数の角および通路セグメントを有する請求項15に記載の容器。
【0052】
一対の向かい合った面は、互いに固定されるとともにトップカバーの上面に配置される上記容器。
【0053】
一対の向かい合った面はトップカバーの一部であり、他方はベースの一部であり、フィルタは、トップカバーがベースに設置されたときにのみ操作可能である上記容器。
【0054】
前記上部に受け入れられてラッチ可能な付加的な容器上部および付加的な容器ドアを有する付加的な容器をさらに有し、付加的な容器は請求項15に記載の容器を受け入れるように寸法化されており、それによって請求項15に記載の前記容器が内部容器である上記容器。
【0055】
付加的な容器上部は、前記上部の内面上で下方に延びる複数の弾性部材を含んでおり、前記弾性部材は内部容器のトップカバーに係合する上記容器。
【0056】
内部容器のトップカバーは、カバーにスライド可能に位置合わせされた複数の垂直動作可能なレチクルポストを有しており、ポストはレチクルの上端に係合するように位置合わせされており、弾性部材が前記垂直動作可能なポストに係合する上記容器。
【0057】
レチクルを保持するための容器であって、レチクルは、周辺と上面と底面と側面と四つの周辺の角と上端と下端とを有しており、容器は、
周辺と、ベースに配置された複数の球面を備えた上方で向かい合った上部水平面とを有するベースを有し、それぞれの球面は、上方で向かい合った水平面の下で主に位置合わせされており、接触要素は、レチクル設置位置を規定しており、ベースは、ベースの周辺で或いはそれに隣接して上方で向かい合った密閉面を有しており、
ベースプレート周辺に沿ってベースプレート上面に係合するためのカバーを有し、それによって、レチクルを保持するための内部を規定しており、カバーは、前記それぞれの面が接触するときにそれらの間で密閉を生み出すために、上方で向かい合ったベースの上部水平面の密閉面と協働するための下方で向かい合った水平面の密閉面を有している、容器。
【0058】
ベースの密閉面およびカバーの密閉面は共にメタルであり、それぞれの面が係合するとメタル対メタルの密閉が形成される上記容器。
【0059】
トップカバーが主としてポリマーで形成されており、トップカバーの密閉面は前記ポリマーに固定されるメタルリングの一部である上記容器。
【0060】
ベースは、レチクル設置位置に隣接して位置合わせされるベースに固定された複数のポストを有する上記容器。
【0061】
レチクルと組み合わせられた複数のレチクルを保持するための容器であって、上記レチクルは、周辺と上面と底面と側面と四つの周辺の角と上端と下端とを有しており、容器は、
周辺と、ベースに配置された複数の球面を備えた上方で向かい合った上部水平面とを有するベースを有しており、それぞれの球面は上方で向かい合った水平面の下に主に位置合わせされているとともに、表面の上に約0.005cm(0.002インチ)〜約0.018cm(0.007インチ)の距離だけ延びており、接触要素はレチクル設置位置を規定しており、ベースは、ベースの周辺で或いはそれに隣接して上方で向かい合った密閉面を有しており、
ベースプレート周辺に沿ってベースプレート上面に係合するためのカバーを有し、それによって、レチクルを保持するための内部を規定しており、カバーは、前記それぞれの表面が接触するときにそれらの間で密閉を生み出すために、上方で向かい合ったベースの上部水平面の密閉面と協働するための下方で向かい合った密閉面を有している、容器。
【0062】
ベースの密閉面およびカバーの密閉面は共に非弾性的である上記結合。
【0063】
内部ポッドおよび外部ポッドを有するレチクルのための二重格納ポッドであって、内部ポッドはベースと前記ベースと協働するカバーを有し、内部ポッドはそこにレチクル設置位置を有し、外部ポッドは格納部分および格納部分と協働するベースを有し、外部ポッドは内部ポッドを受けるために寸法化される、ポッド。
【0064】
ろ材を有しない圧力均一手段をさらに有している上記二重格納ポッド。
【0065】
圧力均一手段は、蛇行通路を有する拡散フィルタを含む上記二重格納ポッド。
【0066】
レチクルは、微粒子をベース上面に面したレチクル面に到達しないように防止するための拡散バリアを与えるために、内部ポッドのベース上面に十分隣接して位置合わせされる上記二重格納ポッド。
【0067】
内部ポッドのベースは、レチクルがその上に設置される複数の球面を有し、それぞれの球面は前記ベース上面の下に主に位置合わせされる上記二重格納ポッド。
【0068】
球面は、ポリアミド−イミドから成る上記二重格納ポッド。
【0069】
球面は、ベースに回転可能に取り付けられる上記二重格納ポッド。
【0070】
内部ポッドのトップカバーは、カバーにスライド可能に位置合わせされた垂直動作可能な複数のレチクルポストを有し、ポストはレチクルの上端に係合するように位置合わせされる上記二重格納ポッド。
【0071】
外部ポッドの上部は、外部ポッドの上部がドアに係合した状態で、内部ポッドが外部ポッドに設置されるときに、垂直動作可能なレチクルポストに係合するように位置合わせされた複数の部材を有する上記二重格納ポッド。
【0072】
垂直動作可能なポストは、ポストが正規位置から外れたときにレチクルに向かう付勢を伴って、トップカバーに弾性的に取り付けられる上記二重格納ポッド。
【0073】
ベースおよびトップカバーを有するレチクル容器であって、ベースはレチクルを支持するための複数のレチクル係合部材を有し、レチクル係合部材はポリアミド−イミドから成る、容器。
【0074】
それぞれのレチクル係合部材は、ベースの上面の下に球面の部分を備えて、トップカバーに位置合わせされた球面として構成される上記レチクル容器。
【0075】
図の詳細な説明
上側および下側、前方および後方、左および右など相対的な用語の参照は、記述の便宜のためであり、本発明或いはその構成要素をいかなる一つの位置合わせされた或いは特別の方向に制限する意図のものではない。“接触”、“係合”、“取付け”およびこれらの語の様々な形式は、ここで使用されるときは、直接の要素対要素の接触を要求しない。文脈によって別段に推測或いは要求されない限り、中間の連結構成要素は使用され、これらの語の意図された意味に依然として含まれる。図において示された全ての寸法は、本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の特定の実施態様の可能な設計および意図された使用によって変化する。
【0076】
ここで開示される付加的な図および方法のそれぞれは、同様の製造および使用のための改善された容器および方法を提供するために、別々に使用され、或いは他の特徴および方法と結合する。従って、ここで開示される特徴および方法の組み合わせは、本発明をその最も広い意味において実施することを必要とせず、代わりに本発明の代表の実施態様を単に記述するために開示される。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の実施態様に従ったレチクル支持機構を備えた容器を示した分解斜視図である。
【図2】図1のレチクルの位置合わせおよびレチクル保持を示した部分的に断面の側面図である。
【図3】図1の一対のレチクル位置合わせボールを示した部分的な平面図である。
【図4】本発明の典型的な実施態様に従ったラッチおよびロードバーを示した部分的な側面図である。
【図5】本発明の典型的な実施態様に従ったラッチおよびロードバーを示した部分的な側面図である。
【図6】本発明の実施態様における球状突起物の概略図である。
【図7】本発明の実施態様における隣接する一対の球状突起物の平面図である。
【図8】本発明の実施態様に従った一体構造として形成された隣接する一対の球状突起物の平面図である。
【図9】本発明の典型的な実施態様に従った球状ボールのベースへの埋め込みを図示した正面断面図である。
【図10】一対の隣接する球状突起物の上に載ったレチクルを図示した断面図である。
【図11】球状突起物上に自己位置合わせされたレチクルに隣接面を与える補助的な凸状突起物を示した平面図である。
【図12】本発明の典型的な実施態様に従った補助的な凸状突起物を示した平面図である。
【図13】レチクル端と球状突起物との間の接線方向の接触を示した図である。
【図14】本発明の典型的な実施態様に従った、ベースの補助的な凸状突起物上で支持されるとともにドア上のレチクル保持ボールによって接触されたレチクルを示した部分的に断面の側面図である。
【図15】本発明の実施態様における容器のアセンブリの斜視図である。
【図15A】断面において図15の保持機構の詳細を示している。
【図16】図15の容器の分解斜視図である。
【図17】図15の容器の分解斜視図である。
【図18】本発明の実施態様に従ったレチクルキャリアの内部ポッドの側面図である。
【図19】図18のレチクルキャリアの内部ポッドの分解斜視図である。
【図20】本発明に従った位置決めピンを示した断面側面図である。
【図21】本発明の実施態様に従った外部ポッド内における内部ポッドの斜視断面図である。
【図22】本発明に従ったレチクルキャリアの内部ポッドカバーの斜視図である。
【図23】図18の内部ポッドレチクルのドア或いはベースの斜視図である。
【図24】レチクルが所定位置に置かれた状態での図23のベース或いはドアの斜視図である。
【図25】図24の部分的な平面図である。
【図26】図25の26−26で切り取られた断面図である。
【図27】本発明に従った球状突起物の実施態様である。
【図28】本発明に従ったレチクル位置決めピンの実施態様である。
【図29】本発明に従った実施態様において縮小された設置面積を有する剛性の密閉リングの斜視図である。
【図30】図29の剛性の密閉リングと協働するガイドポストの断面図である。
【図31】図29の位置決めピン詳細の断面図である。
【図32】本発明に従った二つの容器の分解斜視図である。
【図33】構成要素の底面を示す図32のポッドの分解斜視図である。
【図34】本発明に従ったレチクルポッドのトップカバーの分解図である。
【図35】本発明に従った拡散フィルタの部分を形成するプレートの斜視図である。
【図36】本発明に従った、曲がった通路が上に挿入されている拡散フィルタの部分を形成するプレートの斜視図である。
【図37】本発明に従った拡散フィルタを示すトップカバーの上部平面図である。
【図38】本発明の実施態様の斜視図である。
【図39】本発明に従ったレチクルポッドの密閉面の一つにおける曲がった通路の拡散フィルタの上部平面図である。
【図40】図39の線40−40で切り取られた断面である。
【図41】ここにおける適応に適したおよび本発明に従った、曲がった通路拡散フィルタの図である。
【0078】
図1を参照して、レチクル110を保存および移動するために使用される容器100は、レチクル110を収容するのに適した密閉エンクロージャ124(図4)を形成するために、カバー130との係合が可能なベース120を一般的に含んでいる。図1に示された特定のレチクルは、一般的に形状が長方形であり、四つの角を有している(例えば、角290)。容器100は、さらに、ドア120と回転結合可能なラッチ140を有している。ラッチ140は、輸送および移動の間に容器100が受ける外部負荷に対して、ドア120とカバー130との間での係合を取り外し可能に保持するように適合される。レチクル110は、ドア120に取り付けられたレチクル位置合わせ部材180上で、それぞれの角290によって配置されるとともにその近くで支持される。カバー130から延びるレチクル固定部材200は、図2に見られるように、カバー130をドア120に係合させる際に、レチクル110に接触する。レチクル110は、このように、レチクル位置合わせ部材180とレチクル保持部材200との間で固定される。
【0079】
レチクル110は、第二のチャック面220に対向する第一のパターン化面210を有しており、この第二のチャック面220は第一のパターン化面210から外側面230だけ離間している。第一のパターン化面210は、第一および第二の下側の一対の平行エッジ240および260それぞれにおいて外側面230と交差している。第二のチャック面220は、第一および第二の上側の一対の平行エッジ270および280それぞれにおいて外側面230と交差している。通常、第一および第二の下側の一対の角240および260は、第一および第二の上側の一対の角270および280とそれぞれ平行であり、面の対応する一対の各平行エッジは、丸みを与えられた角290において、他の対応する一対の平行エッジと混合する。パターン化面210は、回路パターン(図示されていない)でエッチングされる。チャック面220は、レチクルの製造および処理中において参照面として使用される。例えば、面220は静電チャックにおいて保持される。本発明は、長方形の形状のチャックに関して記述されるが、全ての形状のレチクルが本発明の範囲内であることは、当業者にとって明らかであろう。レチクルは、多角形或いは四角の形状のレチクルでも良いし、しかしそれに制限されない。
【0080】
図2および3を参照して、および図1で示されているように、レチクル位置合わせ部材180は、ドア120の内部面340上でベース120からに延びている。内部面340は、カバー130がドア120と係合するときに形成されるエンクロージャ124の境界を形成する。一つの実施態様において、レチクル位置合わせ部材180は、ベース120の内部面340上に規則正しく配置された、球状の表面335を有する複数のほぼ同一の突起物330(例えば、複数のボール或いは半球)を有している。突起物330は、第一および第二の下側の一対のエッジ240および260が球面335と接線方向の関係でおよび球面335と点接触して配置されるように、第一および第二の下側の一対のエッジ240および260の部分に沿って角290に近接してレチクル110を支持するように配置され寸法化される。容器100が様々な形状であっても良い一方、図1で示された一つの実施態様は、レチクル110の角290に対応しているカバー130上の角360を含んでいるという点で、レチクル110の形状に一般的に従った形状を有する容器100を示している。この実施態様において、一対の球状突起物330は、レチクル110がエンクロージャ124内に位置合わせされた状態で、球状面335に接触するように、ベース120のそれぞれの角360近くに配置される。その結果、角290は、図1および3に示されるように、カバー130上の角360にほぼ合わされて配置される。
【0081】
さらに、図2、3、6−10および13に示されるように、各球状突起物330が、容器100のベース120上で対を成す角290間で延びている二つの対角線332(図1での点線)の一つの一方の側に互いに隣接して配置されるように、各一対の球状突起物330は配置されおよび/又は取り付けられる。突起物は、例えば図9に示されるように、ベース120に埋め込まれた球状ボール330によって形成されて球状面335を与えるか、或いはこの突起物は、図6、7、8および10に示された凸面336によって形成される。この凸面は、容器と一体で形成される。この配置において、それぞれの隣接する一対の球状ボール330は、エンクロージャ124の内部に向かうとともに内部面340に向かって一般的に傾いている球状面335の補足的部分337を与えている。
【0082】
これらをもとに、補足的部分337は、レチクルの配置および位置合わせ構造を構成し、この構成において、パターン化面210が内部面340に面した状態で、レチクル110が球状突起物330上で位置合わせされる。角290を容器100のカバー130上の角360にほぼ合わせることによって、レチクル110のレチクル位置合わせ部材180上への配置により、レチクル110がレチクル位置合わせ部材180内に自動位置合わせされて保持されることが可能となる。第一および第二の下側の(上側の)一対のエッジ240(270)および260(280)は、従って、内部面340にほぼ平面的に平行に配置される。この形状において、第一および第二の下側(上側)の一対のエッジ240(270)および260(280)のそれぞれは、図13によく示されているように、球面335の補足的部分337において接線338に沿って点接触して配置される。球状ボール330の半径(R)390は、図2に示されるように、内部面340の上の所定の高さでレチクル110を保持するように選択される。従って、面340およびレチクル110は、レチクルとドアとの間で拡散バリア400を規定する。拡散バリア400は、微粒子の拡散バリア400への拡散的な流れを防止するため或いはその流れに対するバリアを与えるために寸法化されて、それによって、微粒子がレチクルのパターン化面から別の通路を取ることを可能にしている。
【0083】
三次元配置は、レチクル110と点接触のみするとともに、同一の位置合わせ機能を達成するために、球状突起物330の適正配置において利用される。例えば、円形或いは円錐の配置は、下側の一対のエッジ240および260と係合するとともに点接触のみを提供する。他の配置も、熟練した当業者に明らかになるであろう。
【0084】
レチクル保持部材200は、図1および2に示されるように、カバー130上に取り付けられるか、或いは別の方法としてカバー130から延びている。図2の容器100の断面側面図において見られるように、各レチクル保持部材200は、球状のベアリング面420を有する球状の保持部材410を含んでおり、これはボールでもよい。図14によく示されているように、カバー130をドア120に係合させると、球状のベアリング面420の一部は、チャック面220上の点430においてチャック面220と強制的に接触される。一つの実施例において、レチクルのレチクル位置合わせ部材180からの傾きを生じさせる可能性のあるレチクルの非対称的な負荷を防止するために、それぞれの点430は、その点430においてチャック面420によって及ぼされる力の作用線が、容器100の対角線332の一つを通過するように配置される。レチクル110は、従って、カバー130がドア120に係合されたときに、レチクル位置合わせ部材180とレチクル保持部材200との間で強固に固定される。
【0085】
球状突起物330および球状保持突起物410は、低微粒子発生物質から製造され、ドア120およびカバー130上でそれぞれの位置に圧入される。本発明の典型的な実施態様において、球状突起物330および保持ボール410は、例えば、管路のボールベアリングにおいて見出される種類の球状ボールであることが可能である。さらに別の実施態様において、球状突起物330或いは保持突起物410は、ボールの中心を通過する一つ或いは二つ以上の軸の周りに回転するように構成され、したがって、ボールは回転可能となってレチクルのあらゆる部分によって接触される。そのような配置によって、レチクル位置合わせ部材180間の或いはレチクル保持部材200とレチクル110との間のすべり摩擦に付随する磨耗に起因する微粒子の発生が減少する。そのような配置においては、レチクルの側面以外のエッジに係合する付加的な底面係合突起物333(図12における点線)が適切である。
【0086】
本発明の別の側面が図1に示されている。複数の垂直のポスト440がドア120に取り付けられているか或いはドア120から延びている。カバー130は、カバー130をドア120に設置するために、垂直ポスト440と協働し、球状ベアリング面420とチャック面220との間における反復可能でスライドが生じない接触を点430で可能にする。
【0087】
カバー130がドア120と係合すると、ラッチ140はドア120とカバー130との間での係合を維持するように作動される。再び図1、4および5を参照して、形状付けられた二つの“U”を利用する実施態様の斜視図および側面図が示されており、弾性負荷バー460が回転可能にドア120に結合されるとともに互いに離間している。ローラー470、480および手での保持が可能なタブ490が各“U”形状の負荷バー460に備えられている。弾性負荷バー460は、同期回転を可能にするように運動学的に結合され(図示されていない)、それによって負荷バー460は反対方向に、結合して回転する。
【0088】
操作において、図4に図示されているように、カバー130はドア120と係合し、タブ490を使用することによって一つの或いは両方の負荷バー460は、ローラー470,480がカバー130を超えて接触して位置合わせされるまで、回転される。負荷バー460およびローラー470、480は、球状ベアリング面420およびチャック面220との間で接触点430を通過して線或いは軸431に沿ってカバー130上に圧縮力を与えるために、ローラー470、480を配置するように形付けられて寸法化される。この配置によって、負荷バー460は、球状保持ボール410に直接に作用する均一の閉じる力および位置クランプ力を提供する。他の実施態様において、他のラッチ機構が、保持突起物410によるレチクルの係合に対応したカバー領域に直接作用するダンピング力を提供する。
【0089】
図11、12および14に示された変形の実施態様において、ベースは、球状突起物330に隣接して配置された少なくとも一つの補助の突起物331を備えている。凸状突起物331は、レチクル110がレチクル位置合わせ部材180と平衡状態にある後にパターン化面210への台を提供する先端部334を有し、それによって、レチクル110は、ドア120の内部面340にほぼ平行な凸状突起物331の先端部334によって規定される平面341(図14)上に強制的に位置される。
【0090】
図15、15A、16および17を参照して、本発明に従ったレチクル容器500の他の実施態様が示されている。ドア或いはベース502およびカバー504は、エンクロージャ506を形成するように協働する。複数のレチクル位置合わせ部材508がドア502の面510上に取り付けられる。レチクル位置合わせ部材508は、複数のほぼ同一の球状ボール512を有しており、この球状ボール512は、面510上で規則正しく配置される(図示されていない)とともに、容器500の角516に隣接した面510に隣接して機能のない部分に接触することによって、面510にほぼ平行なレチクル514を支持するように寸法化される。レチクル保持部部材518は、カバー504上に取り付けられる。
【0091】
図15Aに示されるように、各レチクル保持部材518は、スプリングクランプ或いはスプリングクッション522によってカバー504に取り付けられる球状保持ボール520を有している。カバー504をドア502に係合させると、球状保持ボール520はチャック面上でチャック面524と接触し、スプリングクランプ522を垂直方向に沿ってたわませる。スプリングクランプ522は、水平方向よりも垂直方向においてよりたわむように構成される。カバーが一旦ドアおよび係合されたラッチと結合されると、スプリングクランプ522は、保持部材が衝撃および振動の負荷を受けるときでさえ、面間の相対的な滑りを防止する。レチクル514は、それによって、レチクル514とレチクル保持部材518との間の点接触のみで、レチクル位置合わせ部材508とレチクル保持部材518との間でしっかりと保持される。球状ボール512および球状保持ボール520は、低微粒子発生物質から製造されて、ドア502およびカバー504上の各位置へ圧入される。
【0092】
様々な実施態様において示されている球状ボールおよび突起物(例えば、330、331、410、512および520)は、低微粒子発生物質から製造される。ある実例の実施態様において、低微粒子発生物質は、ポリアミド−イミド(PAI)、無水トリメリット酸および芳香族ジアミンの反応生成物である。PAIは、ポリマー鎖がアミド結合を有するイミド結合の代替を含むことから、“アミド−イミド”と呼ばれている。
【0093】
一つのそのようなPAIは、ソルベイアドバンストポリマーズ社の登録商標であるブランド名トーロン(TORLON)で販売されている。トーロンは、高性能アモルファス(非晶質の)エンジニアリング熱可塑性物質である。芳香族基とイミド結合の組み合わせは、ポリマーの優れた熱安定性を可能にしている。アミド基は、耐屈曲性および延性を与え、その結果、優れた靭性を有するエンジニアリングプラスチックをもたらす。トーロンは、最も高性能の溶融処理可能なプラスチックである。トーロンは、優れた耐高温性を有し、連続的な温度500°F(260°C)での厳しいストレス状況のもとでの機能が可能である。トーロンの在庫形状から機械加工された部品は、最も進歩したエンジニアリングプラスチックに比べて、より大きい圧縮力およびより高い耐衝撃性を与える。その相対的に低い線熱膨張率および高い耐クリープ性は、広い使用範囲にわたり寸法安定性を与える。
【0094】
トーロンは、537°F(280°C)のガラス転移温度を有するアモルファス物質である。米国テキサス州のボーデッカープラスチック社(Boedeker Plastics,Inc.)によって供給されるトーロン4301(ベアリンググレード)は、本発明の典型的な実施態様において、有利に使用される。トーロン4301押し出しPAIは、主として、磨耗および摩擦部品として使用される。トーロン4301押し出しPAIは、非常に低い膨張率および低い摩擦係数を与え、使用においてはわずかなスティックスリップを示すか或いはそれを全く示さない。トーロン4301の曲げ弾性率は、多くのエンジニアリングプラスチックよりも高い6.89×109Pa(1,000,000psi)である。このグレードは、非潤滑ベアリング、シール、ベアリングケージおよび往復圧縮機の部品のような厳しいサービス磨耗アプリケーションにおいて優れている。
【0095】
PAIに構造的に類似しているポリマーの他のグレードおよび組成は、本発明の範囲から逸脱しないで使用される。特に、トーロンは、相対的に低い微粒子発生を示し、EUVポッド100内の環境132がほぼ微粒子がない状態で維持されることを保証する。そのような配置は、レチクル位置合わせ/保持部材とレチクルとの間の滑り摩擦による磨耗から発生するほとんど全ての微粒子の発生を有意に除去する。
【0096】
トーロンは、射出成形可能であるが非導電性である。静的な消散が要求される実施態様において、セミトロン(SEMITRON)(例えば、SEMITRON ESd520HR)のような静的消散強化ポリアミド−イミド物質が有利に使用される。セミトロンは、クアドラント・エンジニアリング・プラスチックス・プロダクト社(Quadrant Engineering Plastics Products)の登録商標である。当業者であれば、トーロンに類似する構造および/又は特性を有する他のエンジニアリングポリマーが有利に使用されることを認識するであろう。
【0097】
本発明の他の典型的な実施態様において、球状ボール512および保持ボール520は、ステンレススチールのようなメタルから加工されてもよい。レースにおけるボールベアリングアセンブリの使用に適した物質は、例えば、その相対的な高い耐磨耗性により候補の物質である。さらに他の実施態様において、球状ボール512および/又は保持ボール520は、ボールの中心を通る一つの或いは二つ以上の軸の周りに回転可能なようにドアおよび/又はカバーに取り付けられ、それによって、ボールは回転し、レチクルのあらゆる部分によって接触させられる。そのような配置によって、レチクル位置合わせ/保持部材508、518とレチクル514との間の滑り摩擦が軽減する。
【0098】
図18から26を参照して、本発明の他の局面を示した実施態様が図示されている。透視的に示された容器1099は、例えば、米国特許番号6,513,654号、6,216,873号および6,824,916号において示されたようなレチクルSMIFポッド容器として構成される、外部パッケージ或いはポッドである。前記特許は、本発明の譲受人によって所有されており、それによって、ここに参照によって全体が組み込まれる。アセンブリは、レチクルを保持するのではなく、EUVレチクルのようにレチクル(或いはマスク)1110を格納および移動するために保持する内部ポッド或いはカセット1100を保持するとともに、レチクル1110を含むのに適した密閉エンクロージャ1132を形成するためにカバー1130と係合可能なドア1120(ポッドのベースとして可換的に参照される)を一般に含んでいる。図19から21において、カバー1130は、ベース1120の密閉面1135に係合する剛性の密閉リング1133によってベース1120を密閉する。剛性の密閉リングは、カバー1130の外部エッジ1139に隣接して周囲に配置される、例えば押さえネジのようなネジ部品によってカバーに固定される。
【0099】
図18の実施態様の分解図が、図19に示されている。レチクル1110は、第一の面1210を有する、形状がほぼ長方形として示されており、第一の面1210は、その第一の面1210から外側面1230だけ離間する第二の面1220に面している。第一の面1210は、第一および第二の下側の一対の平行エッジ1240および1260それぞれにおいて外側面1230と交差する。第二の面1220は、第一および第二の上側の一対の平行エッジ1270および1280それぞれにおいて外側面1230と交差する。典型的な長方形の形状のレチクルにおいて、第一および第二の下側の一対のエッジ1240および1260は、第一および第二の上側の一対の1270および1280とそれぞれ平行であり、面の対応する一対の平行エッジは、他の対応する一対のエッジと丸みを与えられた角1290において混合する。変形の実施態様において、第一の面1210は所望の回路パターン(図示されていない)でエッチングされ、第二の面1220は、レチクルの製造および処理の間において参照面として使用される。例えば、面1270は静電チャックにおいて保持される。レチクル1110は、ドア1120に取り付けられたレチクル接触部材1350上で、その角のそれぞれの近くに配置されて支持される。レチクル接触部材1350は、技術的に既知のやり方でドア1120に取り付けられる。本発明は、四角の形状のレチクルを参照して記載されているが、本発明の範囲を逸脱しないで、例えば、長方形、多角形或いは円形の形状のレチクルが使用されるということは、当業者にとって明らかであろう。図19の図示された実施態様は、容器1100がレチクル1110の丸みを与えられた角1290に対応した角1160を含んでいる点で、レチクル1110の形状に一般的に対応した形状を有している容器1100を示している。しかしながら、当業者であれば、容器1100が、本発明の範囲を逸脱することなく、例えば、長方形、多角形或いは円形の形状のような他の形状を有しても良いことは容易に認識するであろう。
【0100】
図19および23において、本発明の実施態様に従った内部ポッドのドア或いはベース1120が示されている。ベース1120は、一般的にはレチクルの形状に対応しており、対向した第一および第二の主の平行面1305および1306ならびに丸みを与えられた角1345を有するベースプレート1300を含んでいる。レチクル1110のパターン化面1210は、主面1305に面して配置される。ベースプレート1300は、第一の主面1305の周辺近くに連続的な接触密閉面1135を含んでいる。一般的に、第一の主面1305の全体は、均一の表面仕上げを備えている。他の方法として、密閉面1135は、第一の表面仕上げ1320を備えており、カバー1130がベース1120に係合するときに形成されるエンクロージャ1132の内部にさらされる第一の主面1305の残りの部分は、第二の表面仕上げ1325によって特徴付けられる。
【0101】
図19および24から26において示されているように、レチクルガイド1330は、第一の主面1305上で内部ポッドのドア或いはベース1120に取り付けられる。レチクルガイド1330は、ベースプレート1300上でドア1120に固定して取り付けられるとともに、第一の主面1305から外側に延びてポスト端部分1135で終結する、複数のほぼ同一のポスト1310を有している。ある実施態様において、ポスト端部分1335は、テーパー面1340を示すように形付けられ、そのテーパー面1340はほぼ円錐形状を示すために傾斜していてポスト端部分1335に隣接する頂点を有している。テーパー面1340を有するポスト1310は、面1305上に規則正しく配置されるとともに、第一および第二の下側の一対のエッジ1240および1260の部分に沿って、レチクルの角1290に隣接したレチクル1110を規定するために寸法化され、その結果、図19から23に図示されるように、レチクル1110の丸みを与えられた角1290がベースプレート1300の丸みを与えられた角1345とほぼ一直線になって配置されるように、第一および第二の下側の一対のエッジ1240および1260は、テーパー面1340と接線関係にあるようにおよびテーパー面1340に点接触して配置される。
【0102】
テーパー面1340を有するレチクルガイド1330の他の形状が、ポスト1310の代わりに使用されるということは、当業者にとって容易に明らかであろう。特に、例えば、球面がレチクル1110に、ポスト1310のテーパー面1340のように接触するように配置される、球面を有する球状ボールベアリングのような球状ボールが、図1から4に図示されるように、本発明の範囲から逸脱しないで有利に使用されるであろう。ポスト1310は、メタル、例えばスチール或いはアルミニウムであってもよいし、或いはポリマーを含む他の剛性物質でもよい。
【0103】
図19から23において示されるように、ポスト1310は、各ポスト1310が容器1100の一対の角1360間で延びる二つの対角線1302および1304の一つのいずれかの側上に、互いに隣接して配置される。この配置において、それぞれの隣接する一対のポスト1310は、エンクロージャ1132の内部に向かっておよびベースプレート1300の面1305に向かって一般に傾斜する、テーパー面1340の補足的な部分を与えている。
【0104】
これらをもとに、テーパー面1340の補足的な部分は、図24から26において示されているように、レチクルの配置および位置合わせ構造を有している。レチクル1110は、丸みを与えられた角1290が容器1100の角1345とほぼ一直線になって、パターン化面1210が面1305に面した状態でポスト1310上に位置合わせされる。レチクルは、第一および第二の下側(上側)の一対のエッジ1240(1270)および1260(1280)がほぼ平面的および面1305に平行に配置された状態で、ポスト1310内に規制されるように自己整合する。この配置において、それぞれの第一および第二の下側(上側)の一対のエッジ1240(1270)および1260(1280)は、テーパー面1340の補足的な部分と接線方向に係合するとともに補足的な部分と点接触して配置される。
【0105】
図18から26の実施態様において、複数のレチクル接触1350は、球状ボール或いは突起物1355の形状であり、それぞれの一対のポスト1310間での接触である。図19および図23は、突起物1355が対角線1302および1304上に位置されるものとして描かれており、レチクルガイド1330間から等距離にある。しかしながら、突起物1355の位置は、パターン化面1210の高感度部分との接触をさけるために別に配置される。
【0106】
再び図26を参照し、それぞれのマスクの接触1350の半径1390は、ベースプレート1300の主面1305の上の所定の高さ1400において、レチクル1110のパターン化面1210を浮かせるように選択され、それによって、ギャップ1402を生じさせる。全てのマスクの接触1350は、内部面1305にほぼ平行な平面1341を規定するために、ほぼ同一の高さ1400で内面1305の上に延びている。ギャップ1402が、レチクルとドアとの間において拡散層或いは拡散バリアを規定するように寸法化される。拡散バリアは、微粒子がギャップ1402へ移動するのを防止し、微粒子がレチクルのパターン化面から離れた別の通路を取ることを可能にする。ギャップ1402の代表的および非制限的な高さ1400は、約0.0025cm(0.001インチ)〜約0.025cm(0.010インチ)の範囲である。
【0107】
図18から26の実施態様において、複数のレチクル接触1350は、球状ボール或いは突起物1355の形状であり、それぞれの一対のポスト1310間での接触である。図19および図23は、球状突起物1355が対角線1302および1304上に位置されるものとして描かれており、レチクルガイド1330間から等距離にある。しかしながら、球状突起物1355の位置は、パターン化面1210の高感度部分との接触をさけるように配置される。例えば、球状突起物1355は、エッジペア1240および1260の中央近くに配置される。三点接触が、レチクル1110の安定的な取付けおよび平面1341の十分な規定のために実施されることも可能である。
【0108】
図27を参照し、球状ボール或いは突起物1355がベースプレート1300の裏面(面1306)から取り付けられた実施態様が示されている。空洞1404が形成され、ベースプレート1300の裏面1306から主に接近して、主面1305まで突破する球状先端部1408を規定する。この突破は、球状ボール1355よりも小さい所定の直径を有する開口1410を形成するように制御される。球状ボール1355は、部分がギャップ1402の高さ1400を設定するために主面1305の上に突起するように、開口1410内に設置される。球状ボール1355は、位置決めネジ1412によって所定位置に保持され、主面の上に延びるボールの高さは、位置決めネジの回転によって微調整される。
【0109】
本発明の別の局面が、図19から図21の参照によって最もよく記述される。カバー1130は、外部面1410を含み、この外部面1410はそこから厚さ1425だけ離れている内部面1420と対向している。内部面1420は、カバー1130がポッドのドア或いはベース1120と係合するときは、密閉エンクロージャ1132に開口する。カバー1130には、一つ或いは二つ以上の孔1430が形成され、それぞれはカバー1130の厚さ1425を貫通する。孔1430は、ネジ部品1136の内側であってカバー1130の外部エッジ1139から遠位にあるカバー上に、正確な位置1440に互いから離間して配置される。
【0110】
図20および図21の図示では、孔1430内に適合する空間距離のために寸法設計されるとともに、外部面1410にほぼ垂直な作動軸1432に沿って延びる位置決めピン1450を示している。位置決めピン1450は、第一の端部1460を有するシャフト部1452および対向する第二の端部1465を有するテーパー部1462を有している。シャフト部1452は、その長さに沿ってほぼ均一の断面によって特徴付けられて、第一の端部1460が密閉エンクロージャ1132の外側に留まるとともに外部面1410に隣接するように、孔1430を貫通して延びている。テーパー部1462は、密閉エンクロージャ1132内に配置されて、レチクル1110に隣接する第二の端部1465において丸みを与えられた先端部1480に向かって狭まる傾斜面1475によって特徴付けられる。テーパー部1462は、円錐、錐台或いは角錐のようないくつかの三次元形態の一つを取る。さらに、テーパー部は、線対称である必要はなく、その代わり、レチクル1110に面した面上のみにテーパーを与える。
【0111】
一つの実施態様において、テーパーの位置決めピン1450は、第一の端部1460で、外部面1410上に留まる弾性部材1478に取り付けられる。弾性部材1478は、内部面1420に隣接した密閉エンクロージャ内に位置された第二の1465からの通常の引っ込み位置において、および密閉エンクロージャ内であって内部面1420から離れて位置される第二の端部1465での配置位置において、テーパーの位置決めピン1450を付勢するように構成される。典型的な実施態様において、弾性部材1478は、外部面1410と、テーパーの位置決めピンおよび孔1430の間の空間距離との間の密閉を形成するディスク形態のエラストマーであり、密閉エンクロージャ1132への微粒子の流入を防止する。
【0112】
レチクルのポスト1310は、マスクの接触部1350および位置決めピン1450のテーパー部1457と同様に、ステンレススチール或いはトーロン(上述した)のような低微粒子発生物質から製造される。レチクルのポスト1310およびマスクの接触部1350は、ベースプレート1300上でそれぞれの位置に圧入される。
【0113】
図21の実施態様では、さらに、カバー1130の外部面1410に隣接する外部パッケージ1500が示されている。外部ポッド1500は、カバー1507およびドア或いはベース1509を有している。これは、マスクを保持する内部パッケージと内部パッケージを保持するとともに固定する外部パッケージとを有する二重ポッドの考え方である。外部パッケージは輸送用に使用される。内部ポッドは取り外されて、レチクルの寿命のためにクリーンルーム内部で使用される。外部パッケージ1500は、レチクルの設置位置のそれぞれの側で中央に位置合わせされた複数のパッド1503と、内部ポッドカバー1130の上面に係合するように配置された複数のパッド1504とを含む構造を備えている。複数のパッド1504は、弾力性部材1478と接触するように適合されて、テーパーの位置合わせピン1450の第一端部1460上に下方の力を及ぼし、その結果、それぞれの位置合わせピン1450の傾斜面1475が接触位置1525でレチクル1110の第一および第二の上部一対のエッジ1270および1280の少なくとも一つに接触するまで、それらを下方に移動させる。それぞれの接触位置1525において(図21)、テーパー面1475は、第二の面1220の平面であってレチクルの方に導かれる水平方向の付勢1580を及ぼすとともに、第一の面1210に方に導かれる垂直方向の付勢1585を及ぼす。位置決めピン1450の数および孔1430の位置は、一対のテーパー面1475が、直径方向において対向する位置であって正確なおよび安全な水平位置を与える位置でのみ、対応する上側の一対のエッジ1270および1280と接触するように、好適に選択される。これは、図19において、弾性部材1478の位置によって証明される。
【0114】
作業中において、位置合わせピン1450のテーパー部1462の断面は、上側の一対のエッジ1270および1280(図19)の一つに接線方向に接触して、レチクル1110と位置合わせピン1450との間において最小の接触を与える。垂直方向の付勢1585の合力は、ドアに対するレチクルの動きを抑制するように働く。当業者であれば、例えば、四角、三角或いは多角形のような他の断面形状が、本発明の範囲を逸脱しないで、整合した断面を有する孔とともに有利に実行されることを容易に認識するであろう。
【0115】
図28、図32および図33の実施態様では、レチクル1110の設置位置のちょうど外に位置された位置合わせピン1450およびレチクルポスト1310を利用している。
【0116】
機能的には、レチクルのポスト1310は、レチクル1110を球状突起物1355上に導くためだけに働く。位置合わせピン1450の作動によって、レチクル1110はベースプレート1300上に中心揃えされる。レチクル1110が一つの或いは二つ以上のレチクルのポスト1310に接触する場合は、この中心揃え作業はレチクル1110をレチクルのポスト1310から移動し、レチクル1110とレチクルのポスト1310との間のギャップ1312を空ける。この配置において、テーパー面1340は、レチクル1110のパターン化面1210よりも高く配置される。
【0117】
図18から図21を再び参照して、カバー1130は、カバー1130の外側エッジ1605に隣接した面1420上に配置された密閉リング1133を備えている。密閉リング1133は、密閉面1135の表面仕上げ1320とほぼ同一の表面仕上げを有する密閉接触面1610を有している。さらに、面1420は、カバー1130がドア1120に結合されたとき、密閉接触面1610が剛性の密閉面1135と係合して密閉が生じるように、配置される。二つの面は、毛細血管引力、ファンデルワールス力および水素結合の一つ或いは二つ以上を含む付着機構によって接触が保持される。本発明の一般の実施態様において、全体の第一の主面1305は、均一の表面仕上げを備えている。変形として、密閉面1135は、第一の表面仕上げ1320を備えており、第一の主面1305の残りの部分は、第二の表面仕上げ1325によって特徴付けられる。密閉接触面1610および密閉面1135は、例えば、よりニッケルの少ない静電塗装を有するアルミニウムである。一般的に、約1.27μcm(0.50マイクロインチ)までの平均粗さ(RA)を有する表面仕上げは許容可能であり、0.20〜0.40RAが好適な範囲である。表面仕上げは、ラップ仕上げ、研磨或いは他の既知技術を通じて得られる。密閉リング1133は、カバーの内面にレーザ溶接された、或いは接着又は取り付けられたメタルバンドである。
【0118】
ドア1120を組み立てる工程は、上述の平坦および仕上げ仕様まで主面1305をラップ仕上げ或いは研磨することを含み、それに続いて、ポスト1310との締まりはめ用に寸法設計された主面1305上にポスト孔を形成するとともに、マスク接触1350を収容するためのベースプレート1300の裏面1306に空洞を形成する。図28の実施態様として、球状ボール1355はマスク接触1350のために使用される。従って、マスク接触1350を収容するための空洞が、面1305をブレークするとともに、球状ボール1355の部分のみを面1305の上におよび所定の高さ1400において延びることを可能とする所定の直径の開口1410を生成するように、形成される。その後、ポスト1310がベースプレート1300に圧入されて、球状ボール1355が位置決めネジ1412で所定位置に固定される。
【0119】
図29から図36を参照して、設置面積が縮小されるとともに剛性の密閉リング1650を有する本発明の実施態様が図示されている。剛性の密閉リング1650が、前述のように、カバー1652に取り付けられる。カバー1652は、前述のように、位置決めピン1450を含んでいる。剛性の密閉リング1650は、取付面1654、密閉面1656、内部周辺面1658、複数の取付面の凹部1660および密閉面の凹部1662を含んでいる。取付面の凹部1660は、取付面1654および内部周辺面1658上に形成されるとともに、接触しないで位置合わせピン1450を収容するように寸法化される。密閉面の凹部1662は、密閉面1656および内部周辺面1658上に形成されるとともに、接触しないでレチクルのポスト1310を収容するように寸法化される。
【0120】
機能的には、位置合わせピン1450は取付面の凹部1660内で機能し、カバー1652がベース1664に配置されると、レチクルのポスト1310は凹部1660内に収容される。構成要素1450および1310の凹部1660および1662との協働によって、剛性の密閉リング1650は、剛性の密閉配置の完全性を維持しつつ、縮小された寸法1666を可能にしている。カバー1652および1664の全体の図面寸法は、同様に縮小され、さらにコンパクトな全体設計を可能にしている。
【0121】
図34、図35、図36および図37を参照して、特定の実施態様の他の特徴が図示されている。図37に図式的に示されたように、カバー1130の外部面2410は蛇行するリブを構成し、溝或いは微小チャンネル1700を形成するために、プレート1705がそれにレーザ溶接される。微小チャンネル1700は、外部環境を、容器内の内部エンクロージャ1132に、ポッド内部へ導く入口ポート1725および出口1730を通して接続する。溝は、好適には、深さが約0.005cm(0.002インチ)〜約0.010cm(0.004インチ)であり、溝を通じて微粒子の拡散的な流れの急激な混合を示すように、互いに相互接続されるチャンネルセグメント1710、1715、1717および1718の繰り返しパターンが伴っている。各チャンネルは、一般的に幅が約0.64cm(0.25インチ)〜約1.91cm(0.75インチ)であり、長さが数インチである。微小チャンネルは、外部環境から内部エンクロージャへの微粒子の移動に対して拡散バリアを与えるとともに、容器の内部および外部間の圧力の均一化を可能にしている。微小チャンネル1700は、プレート1705上に適切に寸法設計されたチャンネルを作り出すとともに、プレートをトップカバー1130の上側シェル部1131の上面に貼ることによっても形成され、その結果、微小チャンネル1700を形成して拡散フィルタ或いは小さなギャップフィルタを生み出す。フィルタ機構は、微粒子はキャリアに入る前にチャンネル壁にひきつけられ従って微粒子は内部の密閉環境に入らない、という概念に基づいている。このチャンネルは、さらに、EUVポッド或いは容器100の内部環境と外部環境との間の圧力均一化を与える。このフィルタの効率は、例えば、ASTM D737において、上述したバリアフィルタを貫通する空気のフレーザ気孔率(Frazier Porosity)或いはフレーザ数(Frazier number)cfm/ft2@0.5インチH20delta−Pを使用して測定される。容器100(すなわち、EUVポッド)は、ほとんどの時間を真空環境内に置かれる。しかしながら、マスクが洗浄或いは置換の必要がある場合、容器100は大気のクリーンルーム環境へと移動される。そのような環境の下では、そこでの空気速度が非常に遅くなるように、遅効性フィルタすなわち低フレーザ数を有するフィルタが望ましい。典型的には、フレーザ数は、ろ材の平方フートあたり0.28立方フィート/分@0.5インチH20より小さいか等しい。
【0122】
図38から41を参照して、蛇行拡散フィルタの概念を実施している変形の実施態様が図示されている。ベース或いはドア1802およびカバー1804を有するレチクル容器1800は、エンクロージャ1806を形成するために協働する。ほぼ平坦および連続する下枠つまり周辺部1808は、ドア1802の上面およびその周辺に配置される。カバー1804も同様に、平坦および連続する下枠つまり周辺部1810を有している。周辺部1808および1810はそれぞれ、カバー1804がドア1802と結合してドアのラッチ1812が係合することによって、周辺部1808が周辺部1810に密閉して隣接するように寸法設計される。
【0123】
蛇行チャンネル1816は、周辺部1808或いは1810のいずれかの面上に形成される。蛇行通路1816は、ドアおよびカバーが係合すると、容器の外部環境を容器内部に接続する、狭く蛇行する形状を取る。図39の実施態様において、蛇行チャンネル1816は、順次接続されたセグメント1818、1820、1822および1824の繰り返しパターンを含んでいる。各セグメントは、周辺部1808或いは1810の面への深さが約0.005cm(約0.002インチ)〜約0.010cm(0.004インチ)であり、最短のセグメント(つまり、セグメント1820)の長さは、約0.64cm(約0.25インチ)である。セグメントの総数は、1826においてチャンネルに入る微粒子が1828において容器に入る前に少なくとも約15cm(6インチ)の通路を通過しなければならないように設定される。上述の寸法は、代表値として与えられ、限定するものとして理解されるべきでない。
【0124】
蛇行チャンネル1816へ移動する微粒子は、チャンネルを通じてエンクロージャ1806へと拡散するのでなく、蛇行チャンネル1816の壁に衝突して、チャンネル内部に集まる傾向がある。従って、蛇行チャンネル1816は、エンクロージャ1806内部の圧力をエンクロージャ外部の圧力と均一化するための手段を与えるとともに、微粒子侵入に対する拡散バリア或いは拡散フィルタを示している。
【0125】
図41を参照して、蛇行通路の概念の別の実施態様が図示されている。蛇行通路1830は、短い方の通路セグメント1836および1838によって結合される長い方の通路1832および1834の繰り返しパターンによって特徴付けられており、そこを通過する微粒子の拡散的な流れに対する急激な混合を示すために、互いにほぼ直角に相互接続されている。セグメント1832、1834、1836および1838のそれぞれは、それぞれの下流のセグメントを伴って結合点を通過して延びており、複数の微粒子補足セグメント1840を形成する。
【0126】
各微粒子補足セグメント1840は、“行き詰まり”であり、そこに流れるいかなる微粒子も、隣のセグメントへの混合に導くのではなく、セグメント1840内において流れから外れる。
【0127】
当業者であれば、他の物質、表面処理および接触面積が表面付着効果を得るために使用され、従って微粒子発生弾性シールを使用しないで密閉を与える、ということを容易に認識するであろう。例えば、本発明の密閉リングを作り出すために、ポリマー、ガラス、セラミックおよびメタルを結合することによって、同程度のシールが得られる。ここでのレチクルのポッドの特定の図示された特徴は、ウエハーキャリアおよび他の基板キャリアにも同様に有利であって適応可能である、ということも理解される。例えば、拡散フィルタはウエハー容器に適しており、ポリアミド−イミドは、ウエハーの接触面積およびFOUSおよびFOSBS(それぞれ、フロント オープニング ユニファイド ポッドおよびフロント オープニング シッピング ボックスを意味する頭字語)のようなウエハー容器におけるマシーンインターフェースに非常に適しているであろう。
【0128】
ここで示された容器の実施態様或いはその部分は、静電気散逸物質から成ることも可能であり、従って、そこに保存および移動されるレチクルへの損傷を防止する。
【0129】
本発明の様々な修正、置換および変形は、本発明の精神から逸脱しないで、当業者によって可能であり、本発明は、ここに図示され記載された実施態様に限定されない。むしろ、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲およびその相当のものによって決められるべきである。
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、次の米国仮出願を優先権主張している。2005年9月27日出願の米国出願番号60/720,762、2005年9月27日出願の米国出願番号60/720,777、2005年9月27日出願の米国出願番号60/720,778、2006年2月18日出願の米国出願番号60/774,391、2006年2月18日出願の米国出願番号60/774,537。これによって上記出願の全てをここに参照によりそのまま組み入れる。
【背景技術】
【0002】
発明の技術分野
本発明は、フォトマスク、レチクルおよびウエハーのような傷みやすいデバイスの保存、運搬、輸送および処理のための容器に関し、特には、本発明は保護手段、特に、レチクルのためにきれいな環境を維持するための手段を有するレチクルを設置して固定するための支持構造を含んだ粒子制御手段に関する。
【0003】
発明の背景
集積回路および他の半導体デバイスの製造において共通して直面する処理工程の一つは、フォトリソグラフィである。広義には、フォトリソグラフィは、特別に準備されたウエハー表面をパターンが形成されたテンプレートを用いて放射線源に選択的に露光して、エッチング加工された表面層を得ることを含んでいる。典型的には、パターン形成テンプレートはレチクルであり、このレチクルはウエハー上で再生されるパターンを含む非常に平坦なガラスプレートである。例としては、ウエハー表面は、その上にシリコン窒化物を配置し、続いて感光性液体ポリマのコーティング或いはフォトレジストのコーティングを配置することによって、準備される。次に、所望のパターンをフォトレジストで覆われたウエハー上に投影させるために、紫外線(UV)光がマスク或いはレチクルの表面を通して照射されるか或いはそこから反射される。露光されたフォトレジストの一部は化学修飾される。続いてそのウエハーが、未露光のフォトレジストを除去する化学物質にさらされると、その露光されたフォトレジストの一部は影響を受けないで残り、ウエハー上の修飾されたフォトレジストをマスクのパターンの正確な形状にする。ウエハーは、それから、窒素層の露光部を除去するエッチング工程にさらされて、ウエハー上の窒素パターンをマスクの正確な設計にする。このエッチング層は、単独で或いは他の同様に生成された層とともに、デバイスを表現するとともに特定の集積回路或いは半導体チップの“回路”を特徴付けるデバイス間を相互接続する。
【0004】
業界動向は、より小さいおよび/或いはよりロジックの高密度をともなったチップの製造に向かっており、より大きなウエハー上でのさらにより小さな線幅を必要としている。明らかに、レチクル表面がパターン化され得る微細度およびこのパターンがウエハー表面上に忠実に再生され得る度合いは、最終的な半導体製品の品質に影響を与える要因である。ウエハー表面上に再生され得るパターンの解像度は、フォトレジストで覆われたウエハーの表面上にパターンを投影するのに使用される紫外線光に依存する。最先端のフォトリソグラフィのツールは、193nmの波長を有する遠紫外線光を使用しており、この波長は100nmのオーダーの最小形状を可能にする。現在開発されているツールは、70nmより小さい形状の分解能を可能とするために、157nmの極紫外線(EUV)光が使用されている。レチクルは、ウエハー上に再生されるパターンを含む非常に平坦なガラスプレートである。
【0005】
典型的なレチクル基板物質は光学的に透明な石英である。現代の集積回路の重要要素である極小寸法により、レチクルの作業される表面(すなわち、パターン化された表面)は、汚染物質のない状態に保たれることが重要である。この汚染物質は、表面を損傷させるか或いは工程中フォトレジスト層上に投影される像を変形させる可能性があり、結果として最終製品が許容できない品質になるものである。典型的には、この粒子の臨界寸法は、EUVがフォトリソグラフィ工程の一部である場合、非パターン化面およびパターン化面に対して、それぞれ0.1μmおよび0.03μmである。
【0006】
通常、レチクルのパターン化された表面は、薄くて光学的に透明なフィルム、典型的にはニトロセルロースのフィルムでコートされているとともに、フレームに取り付けられて支持され、レチクルに取り付けられる。その目的は、汚染物質の混入を防いで、像面においてそのような汚染物質によって生じる可能性のある焼付け欠陥を低減させることである。EUVに関しては、しかしながら、遠紫外線光フォトリソグラフィのレチクル特性を通しての伝達とは対照的に、パターン化面からの反射が使用される。このときに、この技術はEUVに対して透明な薄膜物質を提供しない。その結果、EUVフォトリソグラフィにおいて使用される反射型フォトマスク(レチクル)は、従来のフォトリソグラフィにおいて使用されるレチクルよりもかなり大きな程度で、汚染物質の影響を受けやすく損傷を受けやすい。この状況によって、EUVフォトリソグラフィの使用予定にあるレチクルを保存、輸送および運送するために設計される容器つまりポッドに対して、高度な機能的要求が課される。一般的には、レチクルは、SMIF容器つまりポッド内で作られるミニクリーンルーム型の環境内で保存および/或いは輸送される。そのような容器は、典型的には、ドアと、レチクルを保持するための密封されたエンクロージャを形成するためにドアと結合するカバーとを有している。ドアは、一般的に、ドアの自動或いは手動開放のための処理手段と連動するとともに、レチクルを周囲大気にさらさないでレチクルを処理手段の環境へと移動することを可能にするための特別な特徴およびメカニズムを備えるように設計される。
【0007】
半導体製造における微粒子の深刻な影響を考えると、製造、処理、運送、処理、輸送或いは保存の間におけるレチクルと他の表面との間の不必要および意図しない接触は、レチクルが、滑り摩擦および磨耗によってパターン化面上の精巧な特徴に対して損傷を受けやすいという観点からして、極めて好ましくない。第二に、レチクルの表面のいかなる粒子汚染も、処理の間でのそのようなレチクルの使用から得られたいかなる最終製品にも深刻に影響を与えるのに十分な程度に、レチクルの性能を落とす可能性がある。粒子は、処理、移動および輸送の間において、レチクルを含んだ制御された環境内で生成され得る。レチクルと容器との間の滑り摩擦およびその結果生じる磨耗は、汚染粒子源の一つである。そのような状況は、レチクルを容器内に配置しようとする間に、或いは、移動或いは輸送の間におけるレチクルと容器との間の相対的な動きによって発生し得る。例えば、レチクルは、移動中に、レチクル容器内でその位置から滑り得、それによって粒子を生成する。容器の壁の変形は、容器内のレチクルの位置のシフトを生じさせるのに十分である。そのような誤配置されたレチクルは、容器から自動的に取り出されて処理設備へと設置されるときに、正しく位置合わせがされないことも起こり得、結果として、予測できない品質の最終製品となる。容器の衝撃および振動は、レチクルおよびレチクルを保持する構成要素に伝達され得、相対的な動きおよび関連する粒子の発生を生じさせる。そのような状況下では、レチクル或いは薄膜は傷が付き或いは破損するかもしれないという可能性もある。もちろん、微粒子源は、レチクル上に定着する浮遊粒子であり得る。典型的には、この問題は、レチクル周辺の制御された環境を作り出して維持するための密封SMIF容器を利用することによって軽減される。
【0008】
この議論は、非EUV関連の半導体製造に向かうことになっている半導体ウエハー基板およびレチクルを移動および/或いは保存するために設計される容器に等しく適応可能である。例えば、FOUP(フロントオープニングユニファイドポッドの頭字語)、FOSBS(フロントオープニングシッピングボックスの頭字語)およびSMIF(シールドメカニカルインターフェースの頭字語)である。
【0009】
特に保存、処理および移動の間におけるウエハー周辺の制御された環境の必要性を認識して、従来技術は、レチクルの保存、輸送および移動に伴う操作の間において、レチクルをレチクル容器内で固定された位置にしっかりと保持する取り組みを展開している。最もよく見られる取り組みは、ポッドの底面或いはドア上に、レチクルのパターン化面に接触するとともにそれを容器表面に対してほぼ平面形状で保持する支持材を提供することを含んでいる。非常にしばしば、その保持する支持材は、ポッドのカバー或いはシェルからのびているとともに、パターン化面と反対の表面上でレチクルと接触する、一つあるいは二つ以上の押圧部材で補強される。この配置は、パターン化面に垂直なレチクルの動きを抑止する働きをする一方、レチクルをパターン化面の平面での並進運動に対して保持するには非効果的である。この点で、従来技術は、レチクル周辺に沿って配置された制限的な構造を開示しており、その全部がレチクルの横方向の動きを制限するのに有効である。レチクルを容器内にしっかりと保持する従来技術の試みは、上記の構造的部材の全てと組み合わせて、ラッチを提供することまでも及んでいる。ラッチは、ドア或いはベースに対して閉じられた状態でしっかりと押圧されてカバーを保持するように設計され、それによって、押圧部材をレチクルに対してしっかりと圧迫させる。押圧部材は、押圧部材がレチクル表面に対して接触するとともに、カバーがドアに係合するように至らせるに従って徐々に押圧するように、弾力材から成っているか或いはカバーから延びる片持ちアームの端部で搭載される。片持ちの配置は、弾性の適応およびレチクル支持材によるレチクルへの制御された力を可能にするという意図である。そのような弾性および制御された力は、容器がわずかに変形された環境下においても、レチクル上に過度な力がかからず、或いはレチクルの変形がなく、レチクルを容器内にしっかりと固定するためであると言われている。これらの構造が、レチクルと支持部材、制限構造物および押圧部材との間の相対的な滑りを防止しないであろうことは当業者にとって容易に明らかである。これは、ショックおよび振動負荷にさらされやすい容器には特に当てはまる。滑りは、レチクルの磨耗を引き起こし、微粒子を発生させる。
【0010】
この問題を認識して、従来技術の容器は、レチクルの四つのそれぞれの角を支持するためのポストを含んでいる。このポストは容器に取り付けられる。ポストのそれぞれの角は、互いに直角をなす傾斜面を有する面取り付凹面(beveled concavities)を含んでいる。レチクルがレチクル支持材まで下げられるとき、レチクルの端が面取り付凹面のそれぞれの傾斜面に接触する単一の水平面がある。レチクルは、自身の重みおよびレチクルの端と面取り付凹面の表面との間の低摩擦の結果、すばやく容易にそして反復可能に、この“単一の解決策”の位置に落ち着く。それぞれの面取り付凹面の傾斜面は、レチクルの支持材がレチクルの上側若しくは下側の面に又はレチクルの垂直端に接触することなく、レチクルが四つの角でしっかりと支持されるように、レチクルのより低い端の周りの面取り面に係合する。押圧部材は、レチクル支持材上の面取り付凹面に対して反転された面取り付凹面を含んでおり、その結果、いったんレチクルがレチクル支持材に位置すると、容器カバーと容器ドアとの結合によって、それぞれの面取り付凹面の傾斜面はレチクルの上側端の周りの面取り面に係合される。そして、レチクルはその四つの角で、レチクル支持材と押圧部材との間に挟まれて、その結果、レチクルは、容器の移動および/又は容器への衝撃の間において、しっかりと位置が保持される。
【0011】
SMIF容器のなかには、レチクルの四つのそれぞれの角を支持するためのポストを含んでいるものもある。このポストは容器に取り付けられる。ポストのそれぞれの角は、互いに直角をなす傾斜面を有する面取り付凹面を含んでいる。レチクルがレチクル支持材まで下げられるとき、レチクルの端が面取り付凹面のそれぞれの傾斜面に接触する単一の水平面がある。レチクルは、自身の重みおよびレチクルの端と面取り付凹面の表面との間の低摩擦の結果、すばやく容易にそして反復可能に、この“単一の解決策”の位置に落ち着く。それぞれの面取り付凹面の傾斜面は、レチクルの支持材がレチクルの上側若しくは下側の面に又はレチクルの垂直端に接触することなく、レチクルが四つの角でしっかりと支持されるように、レチクルのより低い端の周りの面取り面に係合する。押圧部材は、レチクル支持材上の面取り付凹面に対して反転された面取り付凹面を含んでおり、その結果、いったんレチクルがレチクル支持材に位置すると、容器カバーと容器ドアとの結合によって、それぞれの面取り付凹面の傾斜面はレチクルの上側端の周りの面取り面に係合される。そして、レチクルはその四つの角で、レチクル支持材と押圧部材との間に挟まれて、その結果、レチクルは、容器の移動および/又は容器への衝撃の間において、しっかりと位置が保持される。
【0012】
従来技術のSMIF容器は、概して、レチクルとの接触を最小化しない。実際に、レチクルが容器内の位置に戻される前には、レチクル支持構造物とレチクルとの間においてかなりの滑り接触が生じる。そのような接触はすべて、微粒子を発生させ、および/又はレチクルにエッチングされたパターンに影響を及ぼす。加えて、レチクルを容器内の固定位置にしっかりと支持させる従来技術の試みは、こすれおよび磨耗が付加的に生じやすいレチクルの付加的な接触を引き起こす。これは、レチクルが容器に設置されるとき或いは容器から移動させるときに、レチクルが抑制部材に係合されおよび係合から外れるからである。
【0013】
微小環境内における微粒子発生の問題は、レチクルの輸送に容器が使用されるときに悪化される。そのような容器は、多岐にわたる操作上の状況に遭遇する。操作上の危険の一つは、レチクルを容器内の固定位置から押し出す傾向のある衝撃および振動負荷にさらされることである。そのような衝撃の下では、容器は変形することもあり、それによって、レチクルに取り付けられた内部構造物の移動を引き起こし、ひいてはレチクルが容器内での正しい位置がずれる。この点で、レチクルの容器からの分離とは対照的に、容器の衝撃からの分離が重要な考慮すべき事項である。
【0014】
微粒子の沈降は考慮すべき別の問題である。発生した微粒子或いは発生しなければ制御された環境内に持ち込まれる微粒子は、レチクル上に容易に沈降しないことが望ましい。この点で、レチクルが運ばれるとともに微粒子の汚染を防止するために制御されなければならない環境に対して最小限の量を有するだけでなく、制御された容積における空気が相対的に静的であることが望まれる。突然の圧力変化或いは大きな圧力変化は、制御された容積への空気の突然の排出或いは注入を引き起こし、乱流をもたらす。突然の大きな圧力差に応じた、フィルタ表面或いは容器壁のゆがみは、制御された容積内部での圧力波を引き起こし、微粒子の移動をもたらす。
【0015】
克服すべき他の課題は、制御された環境においてさえ、制御された環境において閉じ込められた空気の圧力変化、或いは、容器の急な動きにより或いは閉じ込められた空気の容積を乱すことによってもたらされる、閉じ込められた空気の乱流によって、制御された環境内に存在すると思われる微粒子の移動がなお可能であるという事実である。例えば、薄い壁を有するSMIFのポッドは、圧力変化に関係した高度により壁運動を生じ、制御された環境内における閉じ込められた空気の移動をもたらす。温度変化は、容器内の対流の流れを作りえる。容器および容器の構成物の寸法変化は、支持機能および保持機構を危うくする可能性があり、ウエハーの位置合わせずれ或いは容器内に運ばれる基板のゆがみをもたらす。圧力変動による容器の壁の寸法変化は、カバーとキャリアのドアとの間の密閉を損傷およびキャリア内の微粒子の侵入をもたらす。従来技術の取り組み方法は、外部環境と内部の制御された空気の容積との間の呼吸装置を意図している。この呼吸装置は、空気のための流れの通路を提供している。通路の間に置かれたフィルタは、外部環境からキャリアの制御された環境への微粒子の侵入を妨げる障壁を提供する。しかしながら、上述したように、EUVフォトリソグラフィ工程において使用されるレチクルは、非常に微細で精巧な特徴を有しており、粒子の臨界寸法は、レチクルの非パターン化面およびパターン化面に対して、それぞれわずか0.1μmおよび0.03μmのオーダーである。そのような低微粒子寸法において、フィルタには非常に微細な細孔寸法が要求され、流体の流れに対してかなりの抵抗が生じ、それによって、より大きなフィルタ表面積が必要となる。より大きなフィルタ表面積の代替は、容器の輸送において遭遇するような急な圧力変化に対する、より遅い応答である。これらの両者ともに、好ましい代替ではないが、それは、レチクルのSMIFポッド設計の目的の一つが、SMIFポッドが微粒子の進入に対して有効に密閉されるように、制御された容積を最小に保持することだからである。圧力の同等化を達成するために大きなフィルタ面積を備える一方で、レチクルがその中に配置される制御された容積を最小化することは、矛盾する目的である。
【0016】
通常、従来技術の制御された環境は、ドアとカバーとの間にシールを入れる。しかしながら、非常にしばしば、シールは弾性材でできており、その弾性材は、微粒子つまり汚染源の中にあることもあり、自身が汚染源であり得る。さらに、弾性のシールを使用したシールを作る従来技術の試みは、例えば溝や隆起したタブのような構造物を必要とし、この構造物は、微粒子が内部の制御された環境に入る通路を提供する。それらの広範囲に及ぶ使用にもかかわらず、この技術で一般的に容認されていることは、そのような構造物には、ポッドを洗浄する際に洗浄の容易でない隙間が存在し、それによって、流出洗浄溶液からの化学物質および微粒子を潜在的に保有しているということである。
【0017】
必要とされることは、安定および安全な支持材と制御された環境とを提供することによって、レチクルを微粒子および汚染から最大限に保護する、レチクル格納システムである。これは、制御された環境からの空気の侵入および排出がなく、および制御された環境内にすでに存在する空気の最小限の乱流により、キャリアの内部の制御された環境とキャリアの外部の空気との間の圧力を有効に均一にする、レチクル圧力均一化システムを含んでいる。いかなる形式の微粒子発生物質も利用しない密閉システムも必要とされる。
【0018】
発明の要約
レチクルを含むためのエンクロージャを形成するために、カバーと協働するベース或いはドアを有するレチクルが開示されている。レチクルの配置および支持手段を含んだレチクル保護手段、および環境制御手段を有するポッドが開示されている。レチクル配置手段および支持手段は、環境制御手段の一部を容易にして形成している。
【0019】
一つの実施形態において、主題のレチクルは、一般的に長方形であり、パターン化面を有するとともに、複数の位置決め球状ボールを利用し或いはベース若しくはドア上のレチクルの位置を規定する、ポッドのベース或いはドアに取り付けられた支持構造物上に配置される。レチクルは、球状ボール或いはポッドのベース或いはドアの角に隣接して位置する斜面によって、設置位置に位置合わせされて、レチクルの角に隣接したレチクル端に接線方向で接触することによって、レチクルを位置合わせするように構成される。レチクルを最小限の接触面積で配置することは、内部の粒子の発生を減少させるのに役立つ。本発明の実施態様は、カバーに取り付けられるレチクル保持器も含んでいる。レチクル保持器は、球状ボールであり、この球状ボールは一点でレチクル表面をと接触する。他の実施態様では、角での接線方向の一点接触が球状ボール以外の構造物によってなされる。
【0020】
本発明のある実施態様によれば、レチクル上で円形の点接触を与える二つの突起物の間でレチクルを固定することによって、レチクルはSMIFレチクルポッド容器内に配置されて固定される。一つの実施態様において、この突起物は球状ボールを構成する。球状ボール突起物の第一のセットは、ベース上に備えられて、レチクルの一つの表面、通常はパターン化面に接触する。球状ボール突起物の第二のセットは、ポッドのカバーに取り付けられて、通常はレチクルの非パターン化面つまりチャック表面に接触する。このようにレチクルを支持して保持することによって、レチクルとポッドとの間の接触は最小化されるとともに、接触物質の自由度が可能になる。ドア上に取り付けられるとともに、レチクルがそこに置かれる球状ボールは、レチクルパターン化面とドア表面との間に細いギャップが備わるように寸法化される。この球状物のための好ましい物質は、ポリアミド−イミドである。構成要素は、レチクルとドアの内部表面との間の接触を防ぐ許容誤差で組み立てられ、さらに、微粒子がギャップにおよびレチクルの重要表面上に移動することを防ぐ拡散バリアを与えるのに十分狭い隙間を提供する。ポッドは、内部の容積を最小化するように形成され、それによって、圧力の均一化の間において移動させられるのに必要な空気量を少なくする。
【0021】
本発明の他の実施態様においては、二つの容器ポッドは、カセットとしても知られている、第一のつまり内部ポッドを有しており、この第一のポッドは、レチクルSMIFポッドとして知られている、第二のつまり外部ポッド或いはパケージに収容されている。内部ポッドのベースおよびトップカバーは、密閉を提供するために、協働する平坦表面において結合する。そのような表面は、研磨されるか或いは超平面のメタル表面である。ベースは、二つの密閉表面を提供するために、主に或いは専ら、そこに取り付けられるリングメタルインサートを有するカバー付きのメタルで形成される。好ましくは、ベースの研磨されたメタル表面は、レチクル設置位置の下に延びるとともにレチクルから離間し、レチクルとベースの研磨された或いは超平面中央メタル表面との間に、約0.008cm(0.003インチ)〜約0.018cm(0.007インチ)、好ましくは約0.010cm(0.004インチ)〜約0.013cm(0.005インチ)のギャップを提供する。このように、ベースの外部の密閉表面は、レチクルとベースとの間の拡散バリアとともに同時に形成されるため、製造コストを最小化するとともに、内部ポッドの設置面積をも最小化する。外部ポッドは、カバー部と、このカバー部を密閉するとともにカバー部を留めるドアとを有している。
【0022】
拡散フィルタは、プレートにような一対の対向する平面のみを利用するものであり、このフィルタは、いずれかのポッド上の圧力を均一化するためにトップカバー上に位置合わせされる。そのようなフィルタは、千分の数インチのギャップを有する対向する表面の通路を有している。この通路は、ポッド内部からポッド外部へ湾曲して延びている。フィルタは、レーザによって組み立てられ、そこに形成される千分の数インチの厚さの溝を有するベース部分上でカバーパネルを結合する。二つの部分は、好ましくは透明或いは半透明であり、他方はレーザのエネルギを吸収するために不透明或いは十分に不透明である、二つの部分の一つに接触して配置される。レーザビームは、透明部分を通して、ビームが吸収される場所である他の部分へと伝わり、それらが結合している点において二つの部分の結合部を加熱する。そのようなフィルタは、編んだ物質、繊維、焼結物質などのようなろ材を利用しておらず、そのようなろ材に関係した微粒子の発生の可能性は排除される。
【0023】
他の実施態様は、カバーするためにポッドのベース或いはドアを留めるとともに、ポッド周囲に均一なクランプ力を提供するための一連のラッチをも含んでいる。ベース或いはドア上に取り付けられるとともにレチクルが置かれる球状のボールは、レチクルパターン化面とドア表面との間の特定距離を可能にするように寸法化される。この層は、微粒子のレチクルの重要部位への移動を防ぐための拡散バリアを与える。本発明の他の配置は、ドアおよびカバー周辺の近くに、連続して補完的な“平坦”表面をそれぞれ含んでいる。カバーをドアと結合させると、平坦表面は互いに隣接し、ポッド外部の環境からポッド内部への微粒子の移動を防ぐためのシールを生成し、それによって、従来の弾性シールの必要性をなくしている。
【0024】
本発明のさらに他の実施態様において、カセットとしても知られている、第一のポッドすなわち内部ポッドは、第二のポッド或いは外部ポッドに収容される。外部ポッドは、技術的に、標準機構インターフェース(SMIF)ポッドとして知られているものである。内部ポッドは、レチクル或いはマスクを保護的に収容するためのエンクロージャを形成するために、ベースと結合するトップカバーを有している。内部ポッドのトップカバーは、一端に錐台或いは円錐のようなテーパー面を有する位置決めピンを受けるように適合された少なくとも一つの開口を備えている。位置決めピンは、テーパー面と内部ポッドのエンクロージャ内に位置合わせされるレチクルの端との間で格納的に係合するために、構成されて位置合わせされる。一つの配置において、トップカバーは、複数のそのような位置決めピンに取り付けられ、外部パッケージは、ピンをその外部パッケージのアセンブリに係合するように設計される。外部パッケージが内部ポッドのカバーと係合すると、位置決めピンは、ピンのテーパー面がレチクルの上端と接触するように、内部ポッドに係合すると同時に押し込められ、そのため、レチクルはエンクロージャ内の適切な横位置に強制配置される。外部ポッドのトップカバー部分に取り付けられる弾性パッドは、ピンを係合させてピンを内部へ押し込めるために使用される。他の弾性ポッドは、内部ポッドのトップカバーのトップ面に接触する。
【0025】
他の実施態様では、一対のスプリングローラーが、ポッドの対向する角のドア或いはベース上に取り付けられる。スプリングローラーは、最小の磨耗で水平方向のレチクルの位置合わせをする。
【0026】
他の実施態様において、スプリングクランプは、球状突起物に係合するレチクルを保持するために、カバー上に取り付けられる。典型的な実施例において、それぞれのスプリングクランプは、第一の端でカバーに取り付けられるとともに、対応する端で球状の保持突起物を備えている。変形の実施態様では、球状の保持突起物は球状ボールであり、スプリングクランプはレチクルに対して球状ボールを保持する。スプリングの剛性は、スプリングが容器に支持されるときに、水平方向のすなわちレチクルの表面に沿ったスプリングのたわみを最小にするために選択される。許容されるたわみは、主として垂直方向であり、レチクルのパターン化面に垂直であるので、したがい、パターン化された表面と対向するレチクル面と点接触することによって、レチクルを球状突起物内の位置に保持するレチクル保持力を提供する。一つの実施例では、本発明は、補完的な“平坦“表面を特徴付けており、それぞれの表面はドアおよびカバーそれぞれの周辺上にある。カバーをドアと結合させることによって、この二つの面は互いに対して隣接し、ポッドの外部の環境からポッドの内部への微粒子の移動を防ぐためのシールを生成し、それによって、従来の弾性シールの必要性をなくしている。
【0027】
本発明のある実施態様の利点は、圧力の均一化の間において移動する空気量を減少させるために、最小の内部容積を提供することにある。さらに、ある実施態様は、内部ポッドの最小設置面積を提供する。
【0028】
本発明のある実施態様の利点は、底面での球状の接触およびマスク上部での端の接触を伴うマスク上の接触面積を最小にすることにある。
【0029】
本発明のある実施態様の他の利点は、カバーおよびベースプレートを密閉するための面を提供し、従来の弾性シールおよび付随する微粒子の発生をなくすことにある。カバーにおけるフィルタは、従来のろ材の必要性をなくす。
【0030】
本発明のある実施態様の他の利点は、微粒子をマスクの品質表面上への移動から保護する或いは防止する拡散バリアを生成することにある。
【0031】
本発明の様々な実施態様の利点は、レチクルと容器との間の最小限の接触を維持しつつ、レチクルのパターン化面の平面内および垂直な動きに対するレチクルの抑制にある。
【0032】
本発明のある実施態様の他の利点は、底面での球状接触、および、端での線接触或いはマスク上部での端の角での接触を伴う、マスク上での接触面積を最小にすることにある。
【0033】
さらに、本発明の他の利点は、輸送の間における内部ポッド内のマスクの動きを最小化することにある。この点で、本発明は、レチクルとカバーとの間の、平面内の相対的な動きおよびパターン化面の平面に垂直な相対的な動きを抑制する一方、レチクル或いはマスクのキャリア内にレチクルを適切に配置する手段を提供し、それによって、移動および輸送の間におけるレチクルの動きに誘発される衝撃および振動によって与えられるレチクルの表面損傷が最小化される。さらに、本発明によれば、レチクル容器内或いはレチクル支持材上でのレチクルの手動による位置合わせは、例えば、正確に要求されないが、その理由は、レチクルを配置する構造によってレチクルが正確に中心揃えされるからである。
【0034】
本発明の付加的な利点および新規な特徴は、以下の記述において一部説明される。さらにその一部は、以下の説明によって当業者にとって明らかになり、或いは本発明の実施によって習得されるであろう。本発明の目的および利点は、添付の請求項において特に指摘される装置および組み合わせによって、実現されると共に達成される。
【0035】
本発明は、以下のように、異なる実施態様において記述される。
レチクルを保持するための容器であって、レチクルは、周辺と上面と底面と側面と四つの周辺の角と上端と下端とを有し、容器は、
周辺と、上方へ延びる複数の接触要素を備えた上方で向かい合った上部水平面とを有するベースを有しており、接触要素はレチクルを底面で係合するための丸い上面を有し、ベースプレートはレチクルの周辺を規定するために位置合わせされる複数のポストをさらに有し、接触要素の上面および複数のポストはレチクル設置位置を規定し、上方で向かい合った水平面は前記ベースの周辺で或いはそれに隣接してベースの周りに延びる密閉面をさらに有しており、
ベースプレート周辺に沿ってベースプレート上面に係合するためのカバーを有し、それによって、レチクルを保持するための内部を規定しており、カバーは、前記それぞれの面が接触するときにそれらの間で密閉を生み出すために、上方で向かい合ったベースの上部水平面の密閉面と協働するための下方で向かい合った水平面の密閉面を有している、容器。
【0036】
ベースプレートは少なくとも主にメタルで形成されており、上面は密閉面からレチクルのレチクル設置位置の下まで連続して平面であるとともに一体化している上記容器。
【0037】
下方で向かい合った水平面密閉面はメタルで形成されており、それによって、ベースとカバーとの間の密閉が金属対金属である上記容器。
【0038】
ポストは、メタルで構成されるとともにレチクル設置位置に向かって傾斜した斜面を備えた上部を有する上記容器。
【0039】
ポストは、レチクルがレチクル設置位置に位置されるとき、横方向においてレチクルの側面に隣接する垂直部分を有する上記容器。
【0040】
複数のポストのそれぞれの斜面はレチクル設置位置を規定し、それによってレチクルが前記斜面部に設置される上記容器。
【0041】
複数の接触要素のそれぞれが球面を有する上記容器。
【0042】
球面は、上方で向かい合った上部水平面から、下方に延びる凹部或いは穴へと下方に圧入される上記容器。
【0043】
底面プレートは、球面を受けるために底面プレートの底部側からの複数の穴を有しており、それぞれの球面は位置決めネジによってそこに保持される上記容器。
【0044】
請求項1に記載の容器を有するとともに、内部を規定するために外部カバー内で受けることが可能な外部カバーおよびドアをさらに有し、外部カバーおよび外部ベースは請求項1に記載の容器を受けるように寸法化されている上記容器。
【0045】
カバーは、カバーにスライド可能に位置決めされる垂直移動可能な複数のレチクルポストを含み、ポストはレチクルの上端に係合するように位置決めされる上記容器。
【0046】
移動可能なレチクルポストはそれぞれ、カバーに弾性的に位置決めされる上記容器。
【0047】
移動可能なレチクルポストはそれぞれ、レチクルをレチクル設置位置に強制配置するために、レチクルの上端に係合するための斜面部分を有する上記容器。
【0048】
容器に取り付けられるとともに横方向に移動可能な複数の部材をさらに有し、各部材はレチクルを適切な位置に規定するために内部で付勢される上記容器。
【0049】
圧力均一化のためのフィルタをさらに有し、フィルタはろ材を有さないで拡散バリアを与えるギャップによって分離された向かい合った一対の平面を有しており、フィルタは容器内部から容器外部へ通路を提供する上記容器。
【0050】
ギャップが約0.0025cm(0.001インチ)〜約0.018cm(0.007インチ)の厚さである上記容器。
【0051】
通路は蛇行しており、複数の角および通路セグメントを有する請求項15に記載の容器。
【0052】
一対の向かい合った面は、互いに固定されるとともにトップカバーの上面に配置される上記容器。
【0053】
一対の向かい合った面はトップカバーの一部であり、他方はベースの一部であり、フィルタは、トップカバーがベースに設置されたときにのみ操作可能である上記容器。
【0054】
前記上部に受け入れられてラッチ可能な付加的な容器上部および付加的な容器ドアを有する付加的な容器をさらに有し、付加的な容器は請求項15に記載の容器を受け入れるように寸法化されており、それによって請求項15に記載の前記容器が内部容器である上記容器。
【0055】
付加的な容器上部は、前記上部の内面上で下方に延びる複数の弾性部材を含んでおり、前記弾性部材は内部容器のトップカバーに係合する上記容器。
【0056】
内部容器のトップカバーは、カバーにスライド可能に位置合わせされた複数の垂直動作可能なレチクルポストを有しており、ポストはレチクルの上端に係合するように位置合わせされており、弾性部材が前記垂直動作可能なポストに係合する上記容器。
【0057】
レチクルを保持するための容器であって、レチクルは、周辺と上面と底面と側面と四つの周辺の角と上端と下端とを有しており、容器は、
周辺と、ベースに配置された複数の球面を備えた上方で向かい合った上部水平面とを有するベースを有し、それぞれの球面は、上方で向かい合った水平面の下で主に位置合わせされており、接触要素は、レチクル設置位置を規定しており、ベースは、ベースの周辺で或いはそれに隣接して上方で向かい合った密閉面を有しており、
ベースプレート周辺に沿ってベースプレート上面に係合するためのカバーを有し、それによって、レチクルを保持するための内部を規定しており、カバーは、前記それぞれの面が接触するときにそれらの間で密閉を生み出すために、上方で向かい合ったベースの上部水平面の密閉面と協働するための下方で向かい合った水平面の密閉面を有している、容器。
【0058】
ベースの密閉面およびカバーの密閉面は共にメタルであり、それぞれの面が係合するとメタル対メタルの密閉が形成される上記容器。
【0059】
トップカバーが主としてポリマーで形成されており、トップカバーの密閉面は前記ポリマーに固定されるメタルリングの一部である上記容器。
【0060】
ベースは、レチクル設置位置に隣接して位置合わせされるベースに固定された複数のポストを有する上記容器。
【0061】
レチクルと組み合わせられた複数のレチクルを保持するための容器であって、上記レチクルは、周辺と上面と底面と側面と四つの周辺の角と上端と下端とを有しており、容器は、
周辺と、ベースに配置された複数の球面を備えた上方で向かい合った上部水平面とを有するベースを有しており、それぞれの球面は上方で向かい合った水平面の下に主に位置合わせされているとともに、表面の上に約0.005cm(0.002インチ)〜約0.018cm(0.007インチ)の距離だけ延びており、接触要素はレチクル設置位置を規定しており、ベースは、ベースの周辺で或いはそれに隣接して上方で向かい合った密閉面を有しており、
ベースプレート周辺に沿ってベースプレート上面に係合するためのカバーを有し、それによって、レチクルを保持するための内部を規定しており、カバーは、前記それぞれの表面が接触するときにそれらの間で密閉を生み出すために、上方で向かい合ったベースの上部水平面の密閉面と協働するための下方で向かい合った密閉面を有している、容器。
【0062】
ベースの密閉面およびカバーの密閉面は共に非弾性的である上記結合。
【0063】
内部ポッドおよび外部ポッドを有するレチクルのための二重格納ポッドであって、内部ポッドはベースと前記ベースと協働するカバーを有し、内部ポッドはそこにレチクル設置位置を有し、外部ポッドは格納部分および格納部分と協働するベースを有し、外部ポッドは内部ポッドを受けるために寸法化される、ポッド。
【0064】
ろ材を有しない圧力均一手段をさらに有している上記二重格納ポッド。
【0065】
圧力均一手段は、蛇行通路を有する拡散フィルタを含む上記二重格納ポッド。
【0066】
レチクルは、微粒子をベース上面に面したレチクル面に到達しないように防止するための拡散バリアを与えるために、内部ポッドのベース上面に十分隣接して位置合わせされる上記二重格納ポッド。
【0067】
内部ポッドのベースは、レチクルがその上に設置される複数の球面を有し、それぞれの球面は前記ベース上面の下に主に位置合わせされる上記二重格納ポッド。
【0068】
球面は、ポリアミド−イミドから成る上記二重格納ポッド。
【0069】
球面は、ベースに回転可能に取り付けられる上記二重格納ポッド。
【0070】
内部ポッドのトップカバーは、カバーにスライド可能に位置合わせされた垂直動作可能な複数のレチクルポストを有し、ポストはレチクルの上端に係合するように位置合わせされる上記二重格納ポッド。
【0071】
外部ポッドの上部は、外部ポッドの上部がドアに係合した状態で、内部ポッドが外部ポッドに設置されるときに、垂直動作可能なレチクルポストに係合するように位置合わせされた複数の部材を有する上記二重格納ポッド。
【0072】
垂直動作可能なポストは、ポストが正規位置から外れたときにレチクルに向かう付勢を伴って、トップカバーに弾性的に取り付けられる上記二重格納ポッド。
【0073】
ベースおよびトップカバーを有するレチクル容器であって、ベースはレチクルを支持するための複数のレチクル係合部材を有し、レチクル係合部材はポリアミド−イミドから成る、容器。
【0074】
それぞれのレチクル係合部材は、ベースの上面の下に球面の部分を備えて、トップカバーに位置合わせされた球面として構成される上記レチクル容器。
【0075】
図の詳細な説明
上側および下側、前方および後方、左および右など相対的な用語の参照は、記述の便宜のためであり、本発明或いはその構成要素をいかなる一つの位置合わせされた或いは特別の方向に制限する意図のものではない。“接触”、“係合”、“取付け”およびこれらの語の様々な形式は、ここで使用されるときは、直接の要素対要素の接触を要求しない。文脈によって別段に推測或いは要求されない限り、中間の連結構成要素は使用され、これらの語の意図された意味に依然として含まれる。図において示された全ての寸法は、本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の特定の実施態様の可能な設計および意図された使用によって変化する。
【0076】
ここで開示される付加的な図および方法のそれぞれは、同様の製造および使用のための改善された容器および方法を提供するために、別々に使用され、或いは他の特徴および方法と結合する。従って、ここで開示される特徴および方法の組み合わせは、本発明をその最も広い意味において実施することを必要とせず、代わりに本発明の代表の実施態様を単に記述するために開示される。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の実施態様に従ったレチクル支持機構を備えた容器を示した分解斜視図である。
【図2】図1のレチクルの位置合わせおよびレチクル保持を示した部分的に断面の側面図である。
【図3】図1の一対のレチクル位置合わせボールを示した部分的な平面図である。
【図4】本発明の典型的な実施態様に従ったラッチおよびロードバーを示した部分的な側面図である。
【図5】本発明の典型的な実施態様に従ったラッチおよびロードバーを示した部分的な側面図である。
【図6】本発明の実施態様における球状突起物の概略図である。
【図7】本発明の実施態様における隣接する一対の球状突起物の平面図である。
【図8】本発明の実施態様に従った一体構造として形成された隣接する一対の球状突起物の平面図である。
【図9】本発明の典型的な実施態様に従った球状ボールのベースへの埋め込みを図示した正面断面図である。
【図10】一対の隣接する球状突起物の上に載ったレチクルを図示した断面図である。
【図11】球状突起物上に自己位置合わせされたレチクルに隣接面を与える補助的な凸状突起物を示した平面図である。
【図12】本発明の典型的な実施態様に従った補助的な凸状突起物を示した平面図である。
【図13】レチクル端と球状突起物との間の接線方向の接触を示した図である。
【図14】本発明の典型的な実施態様に従った、ベースの補助的な凸状突起物上で支持されるとともにドア上のレチクル保持ボールによって接触されたレチクルを示した部分的に断面の側面図である。
【図15】本発明の実施態様における容器のアセンブリの斜視図である。
【図15A】断面において図15の保持機構の詳細を示している。
【図16】図15の容器の分解斜視図である。
【図17】図15の容器の分解斜視図である。
【図18】本発明の実施態様に従ったレチクルキャリアの内部ポッドの側面図である。
【図19】図18のレチクルキャリアの内部ポッドの分解斜視図である。
【図20】本発明に従った位置決めピンを示した断面側面図である。
【図21】本発明の実施態様に従った外部ポッド内における内部ポッドの斜視断面図である。
【図22】本発明に従ったレチクルキャリアの内部ポッドカバーの斜視図である。
【図23】図18の内部ポッドレチクルのドア或いはベースの斜視図である。
【図24】レチクルが所定位置に置かれた状態での図23のベース或いはドアの斜視図である。
【図25】図24の部分的な平面図である。
【図26】図25の26−26で切り取られた断面図である。
【図27】本発明に従った球状突起物の実施態様である。
【図28】本発明に従ったレチクル位置決めピンの実施態様である。
【図29】本発明に従った実施態様において縮小された設置面積を有する剛性の密閉リングの斜視図である。
【図30】図29の剛性の密閉リングと協働するガイドポストの断面図である。
【図31】図29の位置決めピン詳細の断面図である。
【図32】本発明に従った二つの容器の分解斜視図である。
【図33】構成要素の底面を示す図32のポッドの分解斜視図である。
【図34】本発明に従ったレチクルポッドのトップカバーの分解図である。
【図35】本発明に従った拡散フィルタの部分を形成するプレートの斜視図である。
【図36】本発明に従った、曲がった通路が上に挿入されている拡散フィルタの部分を形成するプレートの斜視図である。
【図37】本発明に従った拡散フィルタを示すトップカバーの上部平面図である。
【図38】本発明の実施態様の斜視図である。
【図39】本発明に従ったレチクルポッドの密閉面の一つにおける曲がった通路の拡散フィルタの上部平面図である。
【図40】図39の線40−40で切り取られた断面である。
【図41】ここにおける適応に適したおよび本発明に従った、曲がった通路拡散フィルタの図である。
【0078】
図1を参照して、レチクル110を保存および移動するために使用される容器100は、レチクル110を収容するのに適した密閉エンクロージャ124(図4)を形成するために、カバー130との係合が可能なベース120を一般的に含んでいる。図1に示された特定のレチクルは、一般的に形状が長方形であり、四つの角を有している(例えば、角290)。容器100は、さらに、ドア120と回転結合可能なラッチ140を有している。ラッチ140は、輸送および移動の間に容器100が受ける外部負荷に対して、ドア120とカバー130との間での係合を取り外し可能に保持するように適合される。レチクル110は、ドア120に取り付けられたレチクル位置合わせ部材180上で、それぞれの角290によって配置されるとともにその近くで支持される。カバー130から延びるレチクル固定部材200は、図2に見られるように、カバー130をドア120に係合させる際に、レチクル110に接触する。レチクル110は、このように、レチクル位置合わせ部材180とレチクル保持部材200との間で固定される。
【0079】
レチクル110は、第二のチャック面220に対向する第一のパターン化面210を有しており、この第二のチャック面220は第一のパターン化面210から外側面230だけ離間している。第一のパターン化面210は、第一および第二の下側の一対の平行エッジ240および260それぞれにおいて外側面230と交差している。第二のチャック面220は、第一および第二の上側の一対の平行エッジ270および280それぞれにおいて外側面230と交差している。通常、第一および第二の下側の一対の角240および260は、第一および第二の上側の一対の角270および280とそれぞれ平行であり、面の対応する一対の各平行エッジは、丸みを与えられた角290において、他の対応する一対の平行エッジと混合する。パターン化面210は、回路パターン(図示されていない)でエッチングされる。チャック面220は、レチクルの製造および処理中において参照面として使用される。例えば、面220は静電チャックにおいて保持される。本発明は、長方形の形状のチャックに関して記述されるが、全ての形状のレチクルが本発明の範囲内であることは、当業者にとって明らかであろう。レチクルは、多角形或いは四角の形状のレチクルでも良いし、しかしそれに制限されない。
【0080】
図2および3を参照して、および図1で示されているように、レチクル位置合わせ部材180は、ドア120の内部面340上でベース120からに延びている。内部面340は、カバー130がドア120と係合するときに形成されるエンクロージャ124の境界を形成する。一つの実施態様において、レチクル位置合わせ部材180は、ベース120の内部面340上に規則正しく配置された、球状の表面335を有する複数のほぼ同一の突起物330(例えば、複数のボール或いは半球)を有している。突起物330は、第一および第二の下側の一対のエッジ240および260が球面335と接線方向の関係でおよび球面335と点接触して配置されるように、第一および第二の下側の一対のエッジ240および260の部分に沿って角290に近接してレチクル110を支持するように配置され寸法化される。容器100が様々な形状であっても良い一方、図1で示された一つの実施態様は、レチクル110の角290に対応しているカバー130上の角360を含んでいるという点で、レチクル110の形状に一般的に従った形状を有する容器100を示している。この実施態様において、一対の球状突起物330は、レチクル110がエンクロージャ124内に位置合わせされた状態で、球状面335に接触するように、ベース120のそれぞれの角360近くに配置される。その結果、角290は、図1および3に示されるように、カバー130上の角360にほぼ合わされて配置される。
【0081】
さらに、図2、3、6−10および13に示されるように、各球状突起物330が、容器100のベース120上で対を成す角290間で延びている二つの対角線332(図1での点線)の一つの一方の側に互いに隣接して配置されるように、各一対の球状突起物330は配置されおよび/又は取り付けられる。突起物は、例えば図9に示されるように、ベース120に埋め込まれた球状ボール330によって形成されて球状面335を与えるか、或いはこの突起物は、図6、7、8および10に示された凸面336によって形成される。この凸面は、容器と一体で形成される。この配置において、それぞれの隣接する一対の球状ボール330は、エンクロージャ124の内部に向かうとともに内部面340に向かって一般的に傾いている球状面335の補足的部分337を与えている。
【0082】
これらをもとに、補足的部分337は、レチクルの配置および位置合わせ構造を構成し、この構成において、パターン化面210が内部面340に面した状態で、レチクル110が球状突起物330上で位置合わせされる。角290を容器100のカバー130上の角360にほぼ合わせることによって、レチクル110のレチクル位置合わせ部材180上への配置により、レチクル110がレチクル位置合わせ部材180内に自動位置合わせされて保持されることが可能となる。第一および第二の下側の(上側の)一対のエッジ240(270)および260(280)は、従って、内部面340にほぼ平面的に平行に配置される。この形状において、第一および第二の下側(上側)の一対のエッジ240(270)および260(280)のそれぞれは、図13によく示されているように、球面335の補足的部分337において接線338に沿って点接触して配置される。球状ボール330の半径(R)390は、図2に示されるように、内部面340の上の所定の高さでレチクル110を保持するように選択される。従って、面340およびレチクル110は、レチクルとドアとの間で拡散バリア400を規定する。拡散バリア400は、微粒子の拡散バリア400への拡散的な流れを防止するため或いはその流れに対するバリアを与えるために寸法化されて、それによって、微粒子がレチクルのパターン化面から別の通路を取ることを可能にしている。
【0083】
三次元配置は、レチクル110と点接触のみするとともに、同一の位置合わせ機能を達成するために、球状突起物330の適正配置において利用される。例えば、円形或いは円錐の配置は、下側の一対のエッジ240および260と係合するとともに点接触のみを提供する。他の配置も、熟練した当業者に明らかになるであろう。
【0084】
レチクル保持部材200は、図1および2に示されるように、カバー130上に取り付けられるか、或いは別の方法としてカバー130から延びている。図2の容器100の断面側面図において見られるように、各レチクル保持部材200は、球状のベアリング面420を有する球状の保持部材410を含んでおり、これはボールでもよい。図14によく示されているように、カバー130をドア120に係合させると、球状のベアリング面420の一部は、チャック面220上の点430においてチャック面220と強制的に接触される。一つの実施例において、レチクルのレチクル位置合わせ部材180からの傾きを生じさせる可能性のあるレチクルの非対称的な負荷を防止するために、それぞれの点430は、その点430においてチャック面420によって及ぼされる力の作用線が、容器100の対角線332の一つを通過するように配置される。レチクル110は、従って、カバー130がドア120に係合されたときに、レチクル位置合わせ部材180とレチクル保持部材200との間で強固に固定される。
【0085】
球状突起物330および球状保持突起物410は、低微粒子発生物質から製造され、ドア120およびカバー130上でそれぞれの位置に圧入される。本発明の典型的な実施態様において、球状突起物330および保持ボール410は、例えば、管路のボールベアリングにおいて見出される種類の球状ボールであることが可能である。さらに別の実施態様において、球状突起物330或いは保持突起物410は、ボールの中心を通過する一つ或いは二つ以上の軸の周りに回転するように構成され、したがって、ボールは回転可能となってレチクルのあらゆる部分によって接触される。そのような配置によって、レチクル位置合わせ部材180間の或いはレチクル保持部材200とレチクル110との間のすべり摩擦に付随する磨耗に起因する微粒子の発生が減少する。そのような配置においては、レチクルの側面以外のエッジに係合する付加的な底面係合突起物333(図12における点線)が適切である。
【0086】
本発明の別の側面が図1に示されている。複数の垂直のポスト440がドア120に取り付けられているか或いはドア120から延びている。カバー130は、カバー130をドア120に設置するために、垂直ポスト440と協働し、球状ベアリング面420とチャック面220との間における反復可能でスライドが生じない接触を点430で可能にする。
【0087】
カバー130がドア120と係合すると、ラッチ140はドア120とカバー130との間での係合を維持するように作動される。再び図1、4および5を参照して、形状付けられた二つの“U”を利用する実施態様の斜視図および側面図が示されており、弾性負荷バー460が回転可能にドア120に結合されるとともに互いに離間している。ローラー470、480および手での保持が可能なタブ490が各“U”形状の負荷バー460に備えられている。弾性負荷バー460は、同期回転を可能にするように運動学的に結合され(図示されていない)、それによって負荷バー460は反対方向に、結合して回転する。
【0088】
操作において、図4に図示されているように、カバー130はドア120と係合し、タブ490を使用することによって一つの或いは両方の負荷バー460は、ローラー470,480がカバー130を超えて接触して位置合わせされるまで、回転される。負荷バー460およびローラー470、480は、球状ベアリング面420およびチャック面220との間で接触点430を通過して線或いは軸431に沿ってカバー130上に圧縮力を与えるために、ローラー470、480を配置するように形付けられて寸法化される。この配置によって、負荷バー460は、球状保持ボール410に直接に作用する均一の閉じる力および位置クランプ力を提供する。他の実施態様において、他のラッチ機構が、保持突起物410によるレチクルの係合に対応したカバー領域に直接作用するダンピング力を提供する。
【0089】
図11、12および14に示された変形の実施態様において、ベースは、球状突起物330に隣接して配置された少なくとも一つの補助の突起物331を備えている。凸状突起物331は、レチクル110がレチクル位置合わせ部材180と平衡状態にある後にパターン化面210への台を提供する先端部334を有し、それによって、レチクル110は、ドア120の内部面340にほぼ平行な凸状突起物331の先端部334によって規定される平面341(図14)上に強制的に位置される。
【0090】
図15、15A、16および17を参照して、本発明に従ったレチクル容器500の他の実施態様が示されている。ドア或いはベース502およびカバー504は、エンクロージャ506を形成するように協働する。複数のレチクル位置合わせ部材508がドア502の面510上に取り付けられる。レチクル位置合わせ部材508は、複数のほぼ同一の球状ボール512を有しており、この球状ボール512は、面510上で規則正しく配置される(図示されていない)とともに、容器500の角516に隣接した面510に隣接して機能のない部分に接触することによって、面510にほぼ平行なレチクル514を支持するように寸法化される。レチクル保持部部材518は、カバー504上に取り付けられる。
【0091】
図15Aに示されるように、各レチクル保持部材518は、スプリングクランプ或いはスプリングクッション522によってカバー504に取り付けられる球状保持ボール520を有している。カバー504をドア502に係合させると、球状保持ボール520はチャック面上でチャック面524と接触し、スプリングクランプ522を垂直方向に沿ってたわませる。スプリングクランプ522は、水平方向よりも垂直方向においてよりたわむように構成される。カバーが一旦ドアおよび係合されたラッチと結合されると、スプリングクランプ522は、保持部材が衝撃および振動の負荷を受けるときでさえ、面間の相対的な滑りを防止する。レチクル514は、それによって、レチクル514とレチクル保持部材518との間の点接触のみで、レチクル位置合わせ部材508とレチクル保持部材518との間でしっかりと保持される。球状ボール512および球状保持ボール520は、低微粒子発生物質から製造されて、ドア502およびカバー504上の各位置へ圧入される。
【0092】
様々な実施態様において示されている球状ボールおよび突起物(例えば、330、331、410、512および520)は、低微粒子発生物質から製造される。ある実例の実施態様において、低微粒子発生物質は、ポリアミド−イミド(PAI)、無水トリメリット酸および芳香族ジアミンの反応生成物である。PAIは、ポリマー鎖がアミド結合を有するイミド結合の代替を含むことから、“アミド−イミド”と呼ばれている。
【0093】
一つのそのようなPAIは、ソルベイアドバンストポリマーズ社の登録商標であるブランド名トーロン(TORLON)で販売されている。トーロンは、高性能アモルファス(非晶質の)エンジニアリング熱可塑性物質である。芳香族基とイミド結合の組み合わせは、ポリマーの優れた熱安定性を可能にしている。アミド基は、耐屈曲性および延性を与え、その結果、優れた靭性を有するエンジニアリングプラスチックをもたらす。トーロンは、最も高性能の溶融処理可能なプラスチックである。トーロンは、優れた耐高温性を有し、連続的な温度500°F(260°C)での厳しいストレス状況のもとでの機能が可能である。トーロンの在庫形状から機械加工された部品は、最も進歩したエンジニアリングプラスチックに比べて、より大きい圧縮力およびより高い耐衝撃性を与える。その相対的に低い線熱膨張率および高い耐クリープ性は、広い使用範囲にわたり寸法安定性を与える。
【0094】
トーロンは、537°F(280°C)のガラス転移温度を有するアモルファス物質である。米国テキサス州のボーデッカープラスチック社(Boedeker Plastics,Inc.)によって供給されるトーロン4301(ベアリンググレード)は、本発明の典型的な実施態様において、有利に使用される。トーロン4301押し出しPAIは、主として、磨耗および摩擦部品として使用される。トーロン4301押し出しPAIは、非常に低い膨張率および低い摩擦係数を与え、使用においてはわずかなスティックスリップを示すか或いはそれを全く示さない。トーロン4301の曲げ弾性率は、多くのエンジニアリングプラスチックよりも高い6.89×109Pa(1,000,000psi)である。このグレードは、非潤滑ベアリング、シール、ベアリングケージおよび往復圧縮機の部品のような厳しいサービス磨耗アプリケーションにおいて優れている。
【0095】
PAIに構造的に類似しているポリマーの他のグレードおよび組成は、本発明の範囲から逸脱しないで使用される。特に、トーロンは、相対的に低い微粒子発生を示し、EUVポッド100内の環境132がほぼ微粒子がない状態で維持されることを保証する。そのような配置は、レチクル位置合わせ/保持部材とレチクルとの間の滑り摩擦による磨耗から発生するほとんど全ての微粒子の発生を有意に除去する。
【0096】
トーロンは、射出成形可能であるが非導電性である。静的な消散が要求される実施態様において、セミトロン(SEMITRON)(例えば、SEMITRON ESd520HR)のような静的消散強化ポリアミド−イミド物質が有利に使用される。セミトロンは、クアドラント・エンジニアリング・プラスチックス・プロダクト社(Quadrant Engineering Plastics Products)の登録商標である。当業者であれば、トーロンに類似する構造および/又は特性を有する他のエンジニアリングポリマーが有利に使用されることを認識するであろう。
【0097】
本発明の他の典型的な実施態様において、球状ボール512および保持ボール520は、ステンレススチールのようなメタルから加工されてもよい。レースにおけるボールベアリングアセンブリの使用に適した物質は、例えば、その相対的な高い耐磨耗性により候補の物質である。さらに他の実施態様において、球状ボール512および/又は保持ボール520は、ボールの中心を通る一つの或いは二つ以上の軸の周りに回転可能なようにドアおよび/又はカバーに取り付けられ、それによって、ボールは回転し、レチクルのあらゆる部分によって接触させられる。そのような配置によって、レチクル位置合わせ/保持部材508、518とレチクル514との間の滑り摩擦が軽減する。
【0098】
図18から26を参照して、本発明の他の局面を示した実施態様が図示されている。透視的に示された容器1099は、例えば、米国特許番号6,513,654号、6,216,873号および6,824,916号において示されたようなレチクルSMIFポッド容器として構成される、外部パッケージ或いはポッドである。前記特許は、本発明の譲受人によって所有されており、それによって、ここに参照によって全体が組み込まれる。アセンブリは、レチクルを保持するのではなく、EUVレチクルのようにレチクル(或いはマスク)1110を格納および移動するために保持する内部ポッド或いはカセット1100を保持するとともに、レチクル1110を含むのに適した密閉エンクロージャ1132を形成するためにカバー1130と係合可能なドア1120(ポッドのベースとして可換的に参照される)を一般に含んでいる。図19から21において、カバー1130は、ベース1120の密閉面1135に係合する剛性の密閉リング1133によってベース1120を密閉する。剛性の密閉リングは、カバー1130の外部エッジ1139に隣接して周囲に配置される、例えば押さえネジのようなネジ部品によってカバーに固定される。
【0099】
図18の実施態様の分解図が、図19に示されている。レチクル1110は、第一の面1210を有する、形状がほぼ長方形として示されており、第一の面1210は、その第一の面1210から外側面1230だけ離間する第二の面1220に面している。第一の面1210は、第一および第二の下側の一対の平行エッジ1240および1260それぞれにおいて外側面1230と交差する。第二の面1220は、第一および第二の上側の一対の平行エッジ1270および1280それぞれにおいて外側面1230と交差する。典型的な長方形の形状のレチクルにおいて、第一および第二の下側の一対のエッジ1240および1260は、第一および第二の上側の一対の1270および1280とそれぞれ平行であり、面の対応する一対の平行エッジは、他の対応する一対のエッジと丸みを与えられた角1290において混合する。変形の実施態様において、第一の面1210は所望の回路パターン(図示されていない)でエッチングされ、第二の面1220は、レチクルの製造および処理の間において参照面として使用される。例えば、面1270は静電チャックにおいて保持される。レチクル1110は、ドア1120に取り付けられたレチクル接触部材1350上で、その角のそれぞれの近くに配置されて支持される。レチクル接触部材1350は、技術的に既知のやり方でドア1120に取り付けられる。本発明は、四角の形状のレチクルを参照して記載されているが、本発明の範囲を逸脱しないで、例えば、長方形、多角形或いは円形の形状のレチクルが使用されるということは、当業者にとって明らかであろう。図19の図示された実施態様は、容器1100がレチクル1110の丸みを与えられた角1290に対応した角1160を含んでいる点で、レチクル1110の形状に一般的に対応した形状を有している容器1100を示している。しかしながら、当業者であれば、容器1100が、本発明の範囲を逸脱することなく、例えば、長方形、多角形或いは円形の形状のような他の形状を有しても良いことは容易に認識するであろう。
【0100】
図19および23において、本発明の実施態様に従った内部ポッドのドア或いはベース1120が示されている。ベース1120は、一般的にはレチクルの形状に対応しており、対向した第一および第二の主の平行面1305および1306ならびに丸みを与えられた角1345を有するベースプレート1300を含んでいる。レチクル1110のパターン化面1210は、主面1305に面して配置される。ベースプレート1300は、第一の主面1305の周辺近くに連続的な接触密閉面1135を含んでいる。一般的に、第一の主面1305の全体は、均一の表面仕上げを備えている。他の方法として、密閉面1135は、第一の表面仕上げ1320を備えており、カバー1130がベース1120に係合するときに形成されるエンクロージャ1132の内部にさらされる第一の主面1305の残りの部分は、第二の表面仕上げ1325によって特徴付けられる。
【0101】
図19および24から26において示されているように、レチクルガイド1330は、第一の主面1305上で内部ポッドのドア或いはベース1120に取り付けられる。レチクルガイド1330は、ベースプレート1300上でドア1120に固定して取り付けられるとともに、第一の主面1305から外側に延びてポスト端部分1135で終結する、複数のほぼ同一のポスト1310を有している。ある実施態様において、ポスト端部分1335は、テーパー面1340を示すように形付けられ、そのテーパー面1340はほぼ円錐形状を示すために傾斜していてポスト端部分1335に隣接する頂点を有している。テーパー面1340を有するポスト1310は、面1305上に規則正しく配置されるとともに、第一および第二の下側の一対のエッジ1240および1260の部分に沿って、レチクルの角1290に隣接したレチクル1110を規定するために寸法化され、その結果、図19から23に図示されるように、レチクル1110の丸みを与えられた角1290がベースプレート1300の丸みを与えられた角1345とほぼ一直線になって配置されるように、第一および第二の下側の一対のエッジ1240および1260は、テーパー面1340と接線関係にあるようにおよびテーパー面1340に点接触して配置される。
【0102】
テーパー面1340を有するレチクルガイド1330の他の形状が、ポスト1310の代わりに使用されるということは、当業者にとって容易に明らかであろう。特に、例えば、球面がレチクル1110に、ポスト1310のテーパー面1340のように接触するように配置される、球面を有する球状ボールベアリングのような球状ボールが、図1から4に図示されるように、本発明の範囲から逸脱しないで有利に使用されるであろう。ポスト1310は、メタル、例えばスチール或いはアルミニウムであってもよいし、或いはポリマーを含む他の剛性物質でもよい。
【0103】
図19から23において示されるように、ポスト1310は、各ポスト1310が容器1100の一対の角1360間で延びる二つの対角線1302および1304の一つのいずれかの側上に、互いに隣接して配置される。この配置において、それぞれの隣接する一対のポスト1310は、エンクロージャ1132の内部に向かっておよびベースプレート1300の面1305に向かって一般に傾斜する、テーパー面1340の補足的な部分を与えている。
【0104】
これらをもとに、テーパー面1340の補足的な部分は、図24から26において示されているように、レチクルの配置および位置合わせ構造を有している。レチクル1110は、丸みを与えられた角1290が容器1100の角1345とほぼ一直線になって、パターン化面1210が面1305に面した状態でポスト1310上に位置合わせされる。レチクルは、第一および第二の下側(上側)の一対のエッジ1240(1270)および1260(1280)がほぼ平面的および面1305に平行に配置された状態で、ポスト1310内に規制されるように自己整合する。この配置において、それぞれの第一および第二の下側(上側)の一対のエッジ1240(1270)および1260(1280)は、テーパー面1340の補足的な部分と接線方向に係合するとともに補足的な部分と点接触して配置される。
【0105】
図18から26の実施態様において、複数のレチクル接触1350は、球状ボール或いは突起物1355の形状であり、それぞれの一対のポスト1310間での接触である。図19および図23は、突起物1355が対角線1302および1304上に位置されるものとして描かれており、レチクルガイド1330間から等距離にある。しかしながら、突起物1355の位置は、パターン化面1210の高感度部分との接触をさけるために別に配置される。
【0106】
再び図26を参照し、それぞれのマスクの接触1350の半径1390は、ベースプレート1300の主面1305の上の所定の高さ1400において、レチクル1110のパターン化面1210を浮かせるように選択され、それによって、ギャップ1402を生じさせる。全てのマスクの接触1350は、内部面1305にほぼ平行な平面1341を規定するために、ほぼ同一の高さ1400で内面1305の上に延びている。ギャップ1402が、レチクルとドアとの間において拡散層或いは拡散バリアを規定するように寸法化される。拡散バリアは、微粒子がギャップ1402へ移動するのを防止し、微粒子がレチクルのパターン化面から離れた別の通路を取ることを可能にする。ギャップ1402の代表的および非制限的な高さ1400は、約0.0025cm(0.001インチ)〜約0.025cm(0.010インチ)の範囲である。
【0107】
図18から26の実施態様において、複数のレチクル接触1350は、球状ボール或いは突起物1355の形状であり、それぞれの一対のポスト1310間での接触である。図19および図23は、球状突起物1355が対角線1302および1304上に位置されるものとして描かれており、レチクルガイド1330間から等距離にある。しかしながら、球状突起物1355の位置は、パターン化面1210の高感度部分との接触をさけるように配置される。例えば、球状突起物1355は、エッジペア1240および1260の中央近くに配置される。三点接触が、レチクル1110の安定的な取付けおよび平面1341の十分な規定のために実施されることも可能である。
【0108】
図27を参照し、球状ボール或いは突起物1355がベースプレート1300の裏面(面1306)から取り付けられた実施態様が示されている。空洞1404が形成され、ベースプレート1300の裏面1306から主に接近して、主面1305まで突破する球状先端部1408を規定する。この突破は、球状ボール1355よりも小さい所定の直径を有する開口1410を形成するように制御される。球状ボール1355は、部分がギャップ1402の高さ1400を設定するために主面1305の上に突起するように、開口1410内に設置される。球状ボール1355は、位置決めネジ1412によって所定位置に保持され、主面の上に延びるボールの高さは、位置決めネジの回転によって微調整される。
【0109】
本発明の別の局面が、図19から図21の参照によって最もよく記述される。カバー1130は、外部面1410を含み、この外部面1410はそこから厚さ1425だけ離れている内部面1420と対向している。内部面1420は、カバー1130がポッドのドア或いはベース1120と係合するときは、密閉エンクロージャ1132に開口する。カバー1130には、一つ或いは二つ以上の孔1430が形成され、それぞれはカバー1130の厚さ1425を貫通する。孔1430は、ネジ部品1136の内側であってカバー1130の外部エッジ1139から遠位にあるカバー上に、正確な位置1440に互いから離間して配置される。
【0110】
図20および図21の図示では、孔1430内に適合する空間距離のために寸法設計されるとともに、外部面1410にほぼ垂直な作動軸1432に沿って延びる位置決めピン1450を示している。位置決めピン1450は、第一の端部1460を有するシャフト部1452および対向する第二の端部1465を有するテーパー部1462を有している。シャフト部1452は、その長さに沿ってほぼ均一の断面によって特徴付けられて、第一の端部1460が密閉エンクロージャ1132の外側に留まるとともに外部面1410に隣接するように、孔1430を貫通して延びている。テーパー部1462は、密閉エンクロージャ1132内に配置されて、レチクル1110に隣接する第二の端部1465において丸みを与えられた先端部1480に向かって狭まる傾斜面1475によって特徴付けられる。テーパー部1462は、円錐、錐台或いは角錐のようないくつかの三次元形態の一つを取る。さらに、テーパー部は、線対称である必要はなく、その代わり、レチクル1110に面した面上のみにテーパーを与える。
【0111】
一つの実施態様において、テーパーの位置決めピン1450は、第一の端部1460で、外部面1410上に留まる弾性部材1478に取り付けられる。弾性部材1478は、内部面1420に隣接した密閉エンクロージャ内に位置された第二の1465からの通常の引っ込み位置において、および密閉エンクロージャ内であって内部面1420から離れて位置される第二の端部1465での配置位置において、テーパーの位置決めピン1450を付勢するように構成される。典型的な実施態様において、弾性部材1478は、外部面1410と、テーパーの位置決めピンおよび孔1430の間の空間距離との間の密閉を形成するディスク形態のエラストマーであり、密閉エンクロージャ1132への微粒子の流入を防止する。
【0112】
レチクルのポスト1310は、マスクの接触部1350および位置決めピン1450のテーパー部1457と同様に、ステンレススチール或いはトーロン(上述した)のような低微粒子発生物質から製造される。レチクルのポスト1310およびマスクの接触部1350は、ベースプレート1300上でそれぞれの位置に圧入される。
【0113】
図21の実施態様では、さらに、カバー1130の外部面1410に隣接する外部パッケージ1500が示されている。外部ポッド1500は、カバー1507およびドア或いはベース1509を有している。これは、マスクを保持する内部パッケージと内部パッケージを保持するとともに固定する外部パッケージとを有する二重ポッドの考え方である。外部パッケージは輸送用に使用される。内部ポッドは取り外されて、レチクルの寿命のためにクリーンルーム内部で使用される。外部パッケージ1500は、レチクルの設置位置のそれぞれの側で中央に位置合わせされた複数のパッド1503と、内部ポッドカバー1130の上面に係合するように配置された複数のパッド1504とを含む構造を備えている。複数のパッド1504は、弾力性部材1478と接触するように適合されて、テーパーの位置合わせピン1450の第一端部1460上に下方の力を及ぼし、その結果、それぞれの位置合わせピン1450の傾斜面1475が接触位置1525でレチクル1110の第一および第二の上部一対のエッジ1270および1280の少なくとも一つに接触するまで、それらを下方に移動させる。それぞれの接触位置1525において(図21)、テーパー面1475は、第二の面1220の平面であってレチクルの方に導かれる水平方向の付勢1580を及ぼすとともに、第一の面1210に方に導かれる垂直方向の付勢1585を及ぼす。位置決めピン1450の数および孔1430の位置は、一対のテーパー面1475が、直径方向において対向する位置であって正確なおよび安全な水平位置を与える位置でのみ、対応する上側の一対のエッジ1270および1280と接触するように、好適に選択される。これは、図19において、弾性部材1478の位置によって証明される。
【0114】
作業中において、位置合わせピン1450のテーパー部1462の断面は、上側の一対のエッジ1270および1280(図19)の一つに接線方向に接触して、レチクル1110と位置合わせピン1450との間において最小の接触を与える。垂直方向の付勢1585の合力は、ドアに対するレチクルの動きを抑制するように働く。当業者であれば、例えば、四角、三角或いは多角形のような他の断面形状が、本発明の範囲を逸脱しないで、整合した断面を有する孔とともに有利に実行されることを容易に認識するであろう。
【0115】
図28、図32および図33の実施態様では、レチクル1110の設置位置のちょうど外に位置された位置合わせピン1450およびレチクルポスト1310を利用している。
【0116】
機能的には、レチクルのポスト1310は、レチクル1110を球状突起物1355上に導くためだけに働く。位置合わせピン1450の作動によって、レチクル1110はベースプレート1300上に中心揃えされる。レチクル1110が一つの或いは二つ以上のレチクルのポスト1310に接触する場合は、この中心揃え作業はレチクル1110をレチクルのポスト1310から移動し、レチクル1110とレチクルのポスト1310との間のギャップ1312を空ける。この配置において、テーパー面1340は、レチクル1110のパターン化面1210よりも高く配置される。
【0117】
図18から図21を再び参照して、カバー1130は、カバー1130の外側エッジ1605に隣接した面1420上に配置された密閉リング1133を備えている。密閉リング1133は、密閉面1135の表面仕上げ1320とほぼ同一の表面仕上げを有する密閉接触面1610を有している。さらに、面1420は、カバー1130がドア1120に結合されたとき、密閉接触面1610が剛性の密閉面1135と係合して密閉が生じるように、配置される。二つの面は、毛細血管引力、ファンデルワールス力および水素結合の一つ或いは二つ以上を含む付着機構によって接触が保持される。本発明の一般の実施態様において、全体の第一の主面1305は、均一の表面仕上げを備えている。変形として、密閉面1135は、第一の表面仕上げ1320を備えており、第一の主面1305の残りの部分は、第二の表面仕上げ1325によって特徴付けられる。密閉接触面1610および密閉面1135は、例えば、よりニッケルの少ない静電塗装を有するアルミニウムである。一般的に、約1.27μcm(0.50マイクロインチ)までの平均粗さ(RA)を有する表面仕上げは許容可能であり、0.20〜0.40RAが好適な範囲である。表面仕上げは、ラップ仕上げ、研磨或いは他の既知技術を通じて得られる。密閉リング1133は、カバーの内面にレーザ溶接された、或いは接着又は取り付けられたメタルバンドである。
【0118】
ドア1120を組み立てる工程は、上述の平坦および仕上げ仕様まで主面1305をラップ仕上げ或いは研磨することを含み、それに続いて、ポスト1310との締まりはめ用に寸法設計された主面1305上にポスト孔を形成するとともに、マスク接触1350を収容するためのベースプレート1300の裏面1306に空洞を形成する。図28の実施態様として、球状ボール1355はマスク接触1350のために使用される。従って、マスク接触1350を収容するための空洞が、面1305をブレークするとともに、球状ボール1355の部分のみを面1305の上におよび所定の高さ1400において延びることを可能とする所定の直径の開口1410を生成するように、形成される。その後、ポスト1310がベースプレート1300に圧入されて、球状ボール1355が位置決めネジ1412で所定位置に固定される。
【0119】
図29から図36を参照して、設置面積が縮小されるとともに剛性の密閉リング1650を有する本発明の実施態様が図示されている。剛性の密閉リング1650が、前述のように、カバー1652に取り付けられる。カバー1652は、前述のように、位置決めピン1450を含んでいる。剛性の密閉リング1650は、取付面1654、密閉面1656、内部周辺面1658、複数の取付面の凹部1660および密閉面の凹部1662を含んでいる。取付面の凹部1660は、取付面1654および内部周辺面1658上に形成されるとともに、接触しないで位置合わせピン1450を収容するように寸法化される。密閉面の凹部1662は、密閉面1656および内部周辺面1658上に形成されるとともに、接触しないでレチクルのポスト1310を収容するように寸法化される。
【0120】
機能的には、位置合わせピン1450は取付面の凹部1660内で機能し、カバー1652がベース1664に配置されると、レチクルのポスト1310は凹部1660内に収容される。構成要素1450および1310の凹部1660および1662との協働によって、剛性の密閉リング1650は、剛性の密閉配置の完全性を維持しつつ、縮小された寸法1666を可能にしている。カバー1652および1664の全体の図面寸法は、同様に縮小され、さらにコンパクトな全体設計を可能にしている。
【0121】
図34、図35、図36および図37を参照して、特定の実施態様の他の特徴が図示されている。図37に図式的に示されたように、カバー1130の外部面2410は蛇行するリブを構成し、溝或いは微小チャンネル1700を形成するために、プレート1705がそれにレーザ溶接される。微小チャンネル1700は、外部環境を、容器内の内部エンクロージャ1132に、ポッド内部へ導く入口ポート1725および出口1730を通して接続する。溝は、好適には、深さが約0.005cm(0.002インチ)〜約0.010cm(0.004インチ)であり、溝を通じて微粒子の拡散的な流れの急激な混合を示すように、互いに相互接続されるチャンネルセグメント1710、1715、1717および1718の繰り返しパターンが伴っている。各チャンネルは、一般的に幅が約0.64cm(0.25インチ)〜約1.91cm(0.75インチ)であり、長さが数インチである。微小チャンネルは、外部環境から内部エンクロージャへの微粒子の移動に対して拡散バリアを与えるとともに、容器の内部および外部間の圧力の均一化を可能にしている。微小チャンネル1700は、プレート1705上に適切に寸法設計されたチャンネルを作り出すとともに、プレートをトップカバー1130の上側シェル部1131の上面に貼ることによっても形成され、その結果、微小チャンネル1700を形成して拡散フィルタ或いは小さなギャップフィルタを生み出す。フィルタ機構は、微粒子はキャリアに入る前にチャンネル壁にひきつけられ従って微粒子は内部の密閉環境に入らない、という概念に基づいている。このチャンネルは、さらに、EUVポッド或いは容器100の内部環境と外部環境との間の圧力均一化を与える。このフィルタの効率は、例えば、ASTM D737において、上述したバリアフィルタを貫通する空気のフレーザ気孔率(Frazier Porosity)或いはフレーザ数(Frazier number)cfm/ft2@0.5インチH20delta−Pを使用して測定される。容器100(すなわち、EUVポッド)は、ほとんどの時間を真空環境内に置かれる。しかしながら、マスクが洗浄或いは置換の必要がある場合、容器100は大気のクリーンルーム環境へと移動される。そのような環境の下では、そこでの空気速度が非常に遅くなるように、遅効性フィルタすなわち低フレーザ数を有するフィルタが望ましい。典型的には、フレーザ数は、ろ材の平方フートあたり0.28立方フィート/分@0.5インチH20より小さいか等しい。
【0122】
図38から41を参照して、蛇行拡散フィルタの概念を実施している変形の実施態様が図示されている。ベース或いはドア1802およびカバー1804を有するレチクル容器1800は、エンクロージャ1806を形成するために協働する。ほぼ平坦および連続する下枠つまり周辺部1808は、ドア1802の上面およびその周辺に配置される。カバー1804も同様に、平坦および連続する下枠つまり周辺部1810を有している。周辺部1808および1810はそれぞれ、カバー1804がドア1802と結合してドアのラッチ1812が係合することによって、周辺部1808が周辺部1810に密閉して隣接するように寸法設計される。
【0123】
蛇行チャンネル1816は、周辺部1808或いは1810のいずれかの面上に形成される。蛇行通路1816は、ドアおよびカバーが係合すると、容器の外部環境を容器内部に接続する、狭く蛇行する形状を取る。図39の実施態様において、蛇行チャンネル1816は、順次接続されたセグメント1818、1820、1822および1824の繰り返しパターンを含んでいる。各セグメントは、周辺部1808或いは1810の面への深さが約0.005cm(約0.002インチ)〜約0.010cm(0.004インチ)であり、最短のセグメント(つまり、セグメント1820)の長さは、約0.64cm(約0.25インチ)である。セグメントの総数は、1826においてチャンネルに入る微粒子が1828において容器に入る前に少なくとも約15cm(6インチ)の通路を通過しなければならないように設定される。上述の寸法は、代表値として与えられ、限定するものとして理解されるべきでない。
【0124】
蛇行チャンネル1816へ移動する微粒子は、チャンネルを通じてエンクロージャ1806へと拡散するのでなく、蛇行チャンネル1816の壁に衝突して、チャンネル内部に集まる傾向がある。従って、蛇行チャンネル1816は、エンクロージャ1806内部の圧力をエンクロージャ外部の圧力と均一化するための手段を与えるとともに、微粒子侵入に対する拡散バリア或いは拡散フィルタを示している。
【0125】
図41を参照して、蛇行通路の概念の別の実施態様が図示されている。蛇行通路1830は、短い方の通路セグメント1836および1838によって結合される長い方の通路1832および1834の繰り返しパターンによって特徴付けられており、そこを通過する微粒子の拡散的な流れに対する急激な混合を示すために、互いにほぼ直角に相互接続されている。セグメント1832、1834、1836および1838のそれぞれは、それぞれの下流のセグメントを伴って結合点を通過して延びており、複数の微粒子補足セグメント1840を形成する。
【0126】
各微粒子補足セグメント1840は、“行き詰まり”であり、そこに流れるいかなる微粒子も、隣のセグメントへの混合に導くのではなく、セグメント1840内において流れから外れる。
【0127】
当業者であれば、他の物質、表面処理および接触面積が表面付着効果を得るために使用され、従って微粒子発生弾性シールを使用しないで密閉を与える、ということを容易に認識するであろう。例えば、本発明の密閉リングを作り出すために、ポリマー、ガラス、セラミックおよびメタルを結合することによって、同程度のシールが得られる。ここでのレチクルのポッドの特定の図示された特徴は、ウエハーキャリアおよび他の基板キャリアにも同様に有利であって適応可能である、ということも理解される。例えば、拡散フィルタはウエハー容器に適しており、ポリアミド−イミドは、ウエハーの接触面積およびFOUSおよびFOSBS(それぞれ、フロント オープニング ユニファイド ポッドおよびフロント オープニング シッピング ボックスを意味する頭字語)のようなウエハー容器におけるマシーンインターフェースに非常に適しているであろう。
【0128】
ここで示された容器の実施態様或いはその部分は、静電気散逸物質から成ることも可能であり、従って、そこに保存および移動されるレチクルへの損傷を防止する。
【0129】
本発明の様々な修正、置換および変形は、本発明の精神から逸脱しないで、当業者によって可能であり、本発明は、ここに図示され記載された実施態様に限定されない。むしろ、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲およびその相当のものによって決められるべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レチクルを保持するための容器であって、前記レチクルは、周辺と上面と底面と側面と四つの周辺の角と上端と下端とを有し、前記容器は、
周辺と、上方へ延びる複数の接触要素を備えた上方で向かい合った上部水平面とを有するベースを有しており、前記接触要素はレチクルを底面で係合するための丸い上面を有し、前記ベースプレートは前記レチクルの周辺を規定するために位置合わせされる複数のポストをさらに有し、前記接触要素の上面および前記複数のポストはレチクル設置位置を規定し、前記上方で向かい合った水平面は前記ベースの周辺で或いはそれに隣接して前記ベースの周りに延びる密閉面をさらに有しており、
前記ベースプレート周辺に沿って前記ベースプレート上面に係合するためのカバーを有し、それによって前記レチクルを保持するための内部を規定しており、前記カバーは、前記それぞれの面が接触するときにそれらの間で密閉を生み出すために、前記上方で向かい合ったベースの上部水平面の前記密閉面と協働するための下方で向かい合った水平面の密閉面を有している、容器。
【請求項2】
前記ベースプレートは少なくとも主にメタルで形成されており、前記上面は前記密閉面から前記レチクルの前記レチクル設置位置の下まで連続して平面であるとともに一体化している請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記下方で向かい合った水平面密閉面はメタルで形成されており、それによって、前記ベースとカバーとの間の密閉が金属対金属である請求項2に記載の容器。
【請求項4】
前記ポストは、メタルで構成されるとともに前記レチクル設置位置に向かって傾斜した斜面を備えた上部を有する請求項1に記載の容器。
【請求項5】
前記ポストは、前記レチクルが前記レチクル設置位置に位置されるとき、横方向において前記レチクルの側面に隣接する垂直部分を有する請求項1に記載の容器。
【請求項6】
前記複数のポストのそれぞれの斜面は前記レチクル設置位置を規定し、それによって前記レチクルが前記斜面部に設置される請求項1に記載の容器。
【請求項7】
前記複数の接触要素のそれぞれが球面を有する請求項1に記載の容器。
【請求項8】
前記球面は、前記上方で向かい合った上部水平面から、下方に延びる凹部或いは穴へと下方に圧入される請求項7に記載の容器。
【請求項9】
前記底面プレートは、前記球面を受けるために前記底面プレートの底部側からの複数の穴を有しており、それぞれの球面は位置決めネジによってそこに保持される請求項7に記載の容器。
【請求項10】
請求項1に記載の容器を有するとともに、内部を規定するために前記外部カバー内で受けることが可能な外部カバーおよびドアをさらに有し、前記外部カバーおよび外部ベースは請求項1に記載の容器を受けるように寸法化されている容器システム。
【請求項11】
前記カバーは、前記カバーにスライド可能に位置決めされる垂直移動可能な複数のレチクルポストを含み、前記ポストは前記レチクルの上端に係合するように位置決めされる請求項1に記載の容器。
【請求項12】
前記移動可能なレチクルポストはそれぞれ、前記カバーに弾性的に位置決めされる請求項11に記載の容器。
【請求項13】
前記移動可能なレチクルポストはそれぞれ、前記レチクルを前記レチクル設置位置に強制配置するために、前記レチクルの上端に係合するための斜面部分を有する請求項12に記載の容器。
【請求項14】
前記容器に取り付けられるとともに横方向に移動可能な複数の部材をさらに有し、各部材は前記レチクルを適切な位置に規定するために内部で付勢される請求項1に記載の容器。
【請求項15】
圧力均一化のためのフィルタをさらに有し、前記フィルタはろ材を有さないで拡散バリアを与えるギャップによって分離された向かい合った一対の平面を有しており、前記フィルタは前記容器内部から前記容器外部へ通路を提供する請求項1に記載の容器。
【請求項16】
前記ギャップが約0.0025cm(0.001インチ)〜約0.018cm(0.007インチ)の厚さである請求項15に記載の容器。
【請求項17】
前記通路は蛇行しており、複数の角および通路セグメントを有する請求項15に記載の容器。
【請求項18】
前記一対の向かい合った面は、互いに固定されるとともに前記トップカバーの上面に配置される請求項15に記載の容器。
【請求項19】
前記一対の向かい合った面は前記トップカバーの一部であり、他方は前記ベースの一部であり、前記フィルタは、前記トップカバーが前記ベースに設置されたときにのみ操作可能である請求項15に記載の容器。
【請求項20】
前記上部に受け入れられてラッチ可能な付加的な容器上部および付加的な容器ドアを有する付加的な容器をさらに有し、前記付加的な容器は請求項15に記載の容器を受け入れるように寸法化されており、それによって請求項15に記載の前記容器が内部容器である請求項15に記載の容器。
【請求項21】
前記付加的な容器上部は、前記上部の内面上で下方に延びる複数の弾性部材を含んでおり、前記弾性部材は前記内部容器の前記トップカバーに係合する請求項20に記載の容器。
【請求項22】
前記内部容器のトップカバーは、前記カバーにスライド可能に位置合わせされた複数の垂直動作可能なレチクルポストを有しており、前記ポストは前記レチクルの上端に係合するように位置合わせされており、前記弾性部材が前記垂直動作可能なポストに係合する請求項21に記載の容器。
【請求項23】
レチクルを保持するための容器であって、前記レチクルは、周辺と上面と底面と側面と四つの周辺の角と上端と下端とを有しており、前記容器は、
周辺と、前記ベースに配置された複数の球面を備えた上方で向かい合った上部水平面とを有するベースを有し、前記それぞれの球面は、上方で向かい合った水平面の下で主に位置合わせされており、前記接触要素は、レチクル設置位置を規定しており、前記ベースは、前記ベースの周辺で或いはそれに隣接して上方で向かい合った密閉面を有しており、
前記ベースプレート周辺に沿って前記ベースプレート上面に係合するためのカバーを有し、それによって前記レチクルを保持するための内部を規定しており、前記カバーは、前記それぞれの面が接触するときにそれらの間で密閉を生み出すために、前記上方で向かい合ったベースの上部水平面の前記密閉面と協働するための下方で向かい合った水平面の密閉面を有している、容器。
【請求項24】
前記ベースの密閉面および前記カバーの密閉面は共にメタルであり、前記それぞれの面が係合するとメタル対メタルの密閉が形成される請求項23に記載の容器。
【請求項25】
前記トップカバーが主としてポリマーで形成されており、前記トップカバーの密閉面は前記ポリマーに固定されるメタルリングの一部である請求項24に記載の容器。
【請求項26】
前記ベースは、前記レチクル設置位置に隣接して位置合わせされる前記ベースに固定された複数のポストを有する請求項23に記載の容器。
【請求項27】
レチクルと組み合わせられた複数のレチクルを保持するための容器であって、上記レチクルは、周辺と上面と底面と側面と四つの周辺の角と上端と下端とを有しており、前記容器は、
周辺と、前記ベースに配置された複数の球面を備えた上方で向かい合った上部水平面とを有するベースを有しており、それぞれの球面は上方で向かい合った水平面の下に主に位置合わせされているとともに、前記表面の上に約0.005cm(0.002インチ)〜約0.018cm(0.007インチ)の距離だけ延びており、前記接触要素はレチクル設置位置を規定しており、前記ベースは、前記ベースの周辺で或いはそれに隣接して上方で向かい合った密閉面を有しており、
前記ベースプレート周辺に沿って前記ベースプレート上面に係合するためのカバーを有し、それによって前記レチクルを保持するための内部を規定しており、前記カバーは、前記それぞれの表面が接触するときにそれらの間で密閉を生み出すために、前記上方で向かい合ったベースの上部水平面の前記密閉面と協働するための下方で向かい合った密閉面を有している、容器。
【請求項28】
前記ベースの密閉面および前記カバーの密閉面は共に非弾性的である請求項27に記載の結合。
【請求項29】
内部ポッドおよび外部ポッドを有するレチクルのための二重格納ポッドであって、前記内部ポッドはベースと前記ベースと協働するカバーを有し、前記内部ポッドはそこにレチクル設置位置を有し、前記外部ポッドは格納部分および前記格納部分と協働するベースを有し、前記外部ポッドは前記内部ポッドを受けるために寸法化される、ポッド。
【請求項30】
ろ材を有しない圧力均一手段をさらに有している請求項29に記載の二重格納ポッド。
【請求項31】
前記圧力均一手段は、蛇行通路を有する拡散フィルタを含む請求項29に記載の二重格納ポッド。
【請求項32】
前記レチクルは、微粒子を前記ベース上面に面したレチクル面に到達しないように防止するための拡散バリアを与えるために、前記内部ポッドのベース上面に十分隣接して位置合わせされる請求項29に記載の二重格納ポッド。
【請求項33】
前記内部ポッドのベースは、前記レチクルがその上に設置される複数の球面を有し、それぞれの球面は前記ベース上面の下に主に位置合わせされる請求項32に記載の二重格納ポッド。
【請求項34】
前記球面は、ポリアミド−イミドから成る請求項32に記載の二重格納ポッド。
【請求項35】
前記球面は、前記ベースに回転可能に取り付けられる請求項29に記載の二重格納ポッド。
【請求項36】
前記内部ポッドの前記トップカバーは、前記カバーにスライド可能に位置合わせされた垂直動作可能な複数のレチクルポストを有し、前記ポストは前記レチクルの上端に係合するように位置合わせされる請求項29に記載の二重格納ポッド。
【請求項37】
前記外部ポッドの上部は、前記外部ポッドの上部が前記ドアに係合した状態で、前記内部ポッドが前記外部ポッドに設置されるときに、前記垂直動作可能なレチクルポストに係合するように位置合わせされた複数の部材を有する請求項35に記載の二重格納ポッド。
【請求項38】
前記垂直動作可能なポストは、前記ポストが正規位置から外れたときに前記レチクルに向かう付勢を伴って、前記トップカバーに弾性的に取り付けられる請求項29に記載の二重格納ポッド。
【請求項39】
ベースおよびトップカバーを有するレチクル容器であって、前記ベースは前記レチクルを支持するための複数のレチクル係合部材を有し、前記レチクル係合部材はポリアミド−イミドから成る、容器。
【請求項40】
それぞれのレチクル係合部材は、前記ベースの上面の下に前記球面の部分を備えて、前記トップカバーに位置合わせされた球面として構成される請求項39に記載のレチクル容器。
【請求項1】
レチクルを保持するための容器であって、前記レチクルは、周辺と上面と底面と側面と四つの周辺の角と上端と下端とを有し、前記容器は、
周辺と、上方へ延びる複数の接触要素を備えた上方で向かい合った上部水平面とを有するベースを有しており、前記接触要素はレチクルを底面で係合するための丸い上面を有し、前記ベースプレートは前記レチクルの周辺を規定するために位置合わせされる複数のポストをさらに有し、前記接触要素の上面および前記複数のポストはレチクル設置位置を規定し、前記上方で向かい合った水平面は前記ベースの周辺で或いはそれに隣接して前記ベースの周りに延びる密閉面をさらに有しており、
前記ベースプレート周辺に沿って前記ベースプレート上面に係合するためのカバーを有し、それによって前記レチクルを保持するための内部を規定しており、前記カバーは、前記それぞれの面が接触するときにそれらの間で密閉を生み出すために、前記上方で向かい合ったベースの上部水平面の前記密閉面と協働するための下方で向かい合った水平面の密閉面を有している、容器。
【請求項2】
前記ベースプレートは少なくとも主にメタルで形成されており、前記上面は前記密閉面から前記レチクルの前記レチクル設置位置の下まで連続して平面であるとともに一体化している請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記下方で向かい合った水平面密閉面はメタルで形成されており、それによって、前記ベースとカバーとの間の密閉が金属対金属である請求項2に記載の容器。
【請求項4】
前記ポストは、メタルで構成されるとともに前記レチクル設置位置に向かって傾斜した斜面を備えた上部を有する請求項1に記載の容器。
【請求項5】
前記ポストは、前記レチクルが前記レチクル設置位置に位置されるとき、横方向において前記レチクルの側面に隣接する垂直部分を有する請求項1に記載の容器。
【請求項6】
前記複数のポストのそれぞれの斜面は前記レチクル設置位置を規定し、それによって前記レチクルが前記斜面部に設置される請求項1に記載の容器。
【請求項7】
前記複数の接触要素のそれぞれが球面を有する請求項1に記載の容器。
【請求項8】
前記球面は、前記上方で向かい合った上部水平面から、下方に延びる凹部或いは穴へと下方に圧入される請求項7に記載の容器。
【請求項9】
前記底面プレートは、前記球面を受けるために前記底面プレートの底部側からの複数の穴を有しており、それぞれの球面は位置決めネジによってそこに保持される請求項7に記載の容器。
【請求項10】
請求項1に記載の容器を有するとともに、内部を規定するために前記外部カバー内で受けることが可能な外部カバーおよびドアをさらに有し、前記外部カバーおよび外部ベースは請求項1に記載の容器を受けるように寸法化されている容器システム。
【請求項11】
前記カバーは、前記カバーにスライド可能に位置決めされる垂直移動可能な複数のレチクルポストを含み、前記ポストは前記レチクルの上端に係合するように位置決めされる請求項1に記載の容器。
【請求項12】
前記移動可能なレチクルポストはそれぞれ、前記カバーに弾性的に位置決めされる請求項11に記載の容器。
【請求項13】
前記移動可能なレチクルポストはそれぞれ、前記レチクルを前記レチクル設置位置に強制配置するために、前記レチクルの上端に係合するための斜面部分を有する請求項12に記載の容器。
【請求項14】
前記容器に取り付けられるとともに横方向に移動可能な複数の部材をさらに有し、各部材は前記レチクルを適切な位置に規定するために内部で付勢される請求項1に記載の容器。
【請求項15】
圧力均一化のためのフィルタをさらに有し、前記フィルタはろ材を有さないで拡散バリアを与えるギャップによって分離された向かい合った一対の平面を有しており、前記フィルタは前記容器内部から前記容器外部へ通路を提供する請求項1に記載の容器。
【請求項16】
前記ギャップが約0.0025cm(0.001インチ)〜約0.018cm(0.007インチ)の厚さである請求項15に記載の容器。
【請求項17】
前記通路は蛇行しており、複数の角および通路セグメントを有する請求項15に記載の容器。
【請求項18】
前記一対の向かい合った面は、互いに固定されるとともに前記トップカバーの上面に配置される請求項15に記載の容器。
【請求項19】
前記一対の向かい合った面は前記トップカバーの一部であり、他方は前記ベースの一部であり、前記フィルタは、前記トップカバーが前記ベースに設置されたときにのみ操作可能である請求項15に記載の容器。
【請求項20】
前記上部に受け入れられてラッチ可能な付加的な容器上部および付加的な容器ドアを有する付加的な容器をさらに有し、前記付加的な容器は請求項15に記載の容器を受け入れるように寸法化されており、それによって請求項15に記載の前記容器が内部容器である請求項15に記載の容器。
【請求項21】
前記付加的な容器上部は、前記上部の内面上で下方に延びる複数の弾性部材を含んでおり、前記弾性部材は前記内部容器の前記トップカバーに係合する請求項20に記載の容器。
【請求項22】
前記内部容器のトップカバーは、前記カバーにスライド可能に位置合わせされた複数の垂直動作可能なレチクルポストを有しており、前記ポストは前記レチクルの上端に係合するように位置合わせされており、前記弾性部材が前記垂直動作可能なポストに係合する請求項21に記載の容器。
【請求項23】
レチクルを保持するための容器であって、前記レチクルは、周辺と上面と底面と側面と四つの周辺の角と上端と下端とを有しており、前記容器は、
周辺と、前記ベースに配置された複数の球面を備えた上方で向かい合った上部水平面とを有するベースを有し、前記それぞれの球面は、上方で向かい合った水平面の下で主に位置合わせされており、前記接触要素は、レチクル設置位置を規定しており、前記ベースは、前記ベースの周辺で或いはそれに隣接して上方で向かい合った密閉面を有しており、
前記ベースプレート周辺に沿って前記ベースプレート上面に係合するためのカバーを有し、それによって前記レチクルを保持するための内部を規定しており、前記カバーは、前記それぞれの面が接触するときにそれらの間で密閉を生み出すために、前記上方で向かい合ったベースの上部水平面の前記密閉面と協働するための下方で向かい合った水平面の密閉面を有している、容器。
【請求項24】
前記ベースの密閉面および前記カバーの密閉面は共にメタルであり、前記それぞれの面が係合するとメタル対メタルの密閉が形成される請求項23に記載の容器。
【請求項25】
前記トップカバーが主としてポリマーで形成されており、前記トップカバーの密閉面は前記ポリマーに固定されるメタルリングの一部である請求項24に記載の容器。
【請求項26】
前記ベースは、前記レチクル設置位置に隣接して位置合わせされる前記ベースに固定された複数のポストを有する請求項23に記載の容器。
【請求項27】
レチクルと組み合わせられた複数のレチクルを保持するための容器であって、上記レチクルは、周辺と上面と底面と側面と四つの周辺の角と上端と下端とを有しており、前記容器は、
周辺と、前記ベースに配置された複数の球面を備えた上方で向かい合った上部水平面とを有するベースを有しており、それぞれの球面は上方で向かい合った水平面の下に主に位置合わせされているとともに、前記表面の上に約0.005cm(0.002インチ)〜約0.018cm(0.007インチ)の距離だけ延びており、前記接触要素はレチクル設置位置を規定しており、前記ベースは、前記ベースの周辺で或いはそれに隣接して上方で向かい合った密閉面を有しており、
前記ベースプレート周辺に沿って前記ベースプレート上面に係合するためのカバーを有し、それによって前記レチクルを保持するための内部を規定しており、前記カバーは、前記それぞれの表面が接触するときにそれらの間で密閉を生み出すために、前記上方で向かい合ったベースの上部水平面の前記密閉面と協働するための下方で向かい合った密閉面を有している、容器。
【請求項28】
前記ベースの密閉面および前記カバーの密閉面は共に非弾性的である請求項27に記載の結合。
【請求項29】
内部ポッドおよび外部ポッドを有するレチクルのための二重格納ポッドであって、前記内部ポッドはベースと前記ベースと協働するカバーを有し、前記内部ポッドはそこにレチクル設置位置を有し、前記外部ポッドは格納部分および前記格納部分と協働するベースを有し、前記外部ポッドは前記内部ポッドを受けるために寸法化される、ポッド。
【請求項30】
ろ材を有しない圧力均一手段をさらに有している請求項29に記載の二重格納ポッド。
【請求項31】
前記圧力均一手段は、蛇行通路を有する拡散フィルタを含む請求項29に記載の二重格納ポッド。
【請求項32】
前記レチクルは、微粒子を前記ベース上面に面したレチクル面に到達しないように防止するための拡散バリアを与えるために、前記内部ポッドのベース上面に十分隣接して位置合わせされる請求項29に記載の二重格納ポッド。
【請求項33】
前記内部ポッドのベースは、前記レチクルがその上に設置される複数の球面を有し、それぞれの球面は前記ベース上面の下に主に位置合わせされる請求項32に記載の二重格納ポッド。
【請求項34】
前記球面は、ポリアミド−イミドから成る請求項32に記載の二重格納ポッド。
【請求項35】
前記球面は、前記ベースに回転可能に取り付けられる請求項29に記載の二重格納ポッド。
【請求項36】
前記内部ポッドの前記トップカバーは、前記カバーにスライド可能に位置合わせされた垂直動作可能な複数のレチクルポストを有し、前記ポストは前記レチクルの上端に係合するように位置合わせされる請求項29に記載の二重格納ポッド。
【請求項37】
前記外部ポッドの上部は、前記外部ポッドの上部が前記ドアに係合した状態で、前記内部ポッドが前記外部ポッドに設置されるときに、前記垂直動作可能なレチクルポストに係合するように位置合わせされた複数の部材を有する請求項35に記載の二重格納ポッド。
【請求項38】
前記垂直動作可能なポストは、前記ポストが正規位置から外れたときに前記レチクルに向かう付勢を伴って、前記トップカバーに弾性的に取り付けられる請求項29に記載の二重格納ポッド。
【請求項39】
ベースおよびトップカバーを有するレチクル容器であって、前記ベースは前記レチクルを支持するための複数のレチクル係合部材を有し、前記レチクル係合部材はポリアミド−イミドから成る、容器。
【請求項40】
それぞれのレチクル係合部材は、前記ベースの上面の下に前記球面の部分を備えて、前記トップカバーに位置合わせされた球面として構成される請求項39に記載のレチクル容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図15A】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図15A】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【公開番号】特開2012−177930(P2012−177930A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−104706(P2012−104706)
【出願日】平成24年5月1日(2012.5.1)
【分割の表示】特願2008−533516(P2008−533516)の分割
【原出願日】平成18年9月27日(2006.9.27)
【出願人】(505307471)インテグリス・インコーポレーテッド (124)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年5月1日(2012.5.1)
【分割の表示】特願2008−533516(P2008−533516)の分割
【原出願日】平成18年9月27日(2006.9.27)
【出願人】(505307471)インテグリス・インコーポレーテッド (124)
【Fターム(参考)】
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