説明

レバースイッチ装置

【課題】コストの低廉化を図ることができるとともに、ロバスト性を維持することができるレバースイッチ装置を提供する。
【解決手段】レバースイッチ装置1は、スイッチ基板10を有するベース2と、ベース2に回転可能に配置され、レバー操作によって回転する操作レバー4と、操作レバー4に回転可能に保持され、ノブ操作によってスイッチ7,8をスイッチ基板10上でスイッチ動作させる一対の操作ノブ5,6とを備え、一対の操作ノブ5,6のうち一方の操作ノブ5は、そのノブ操作力を受けてスイッチ動作力に変換するカム部材15、及びスイッチ動作力をスイッチ7に伝達する伝達部材16を有するノブ操作力伝達機構9を連結してなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロータリノブを保持する操作レバーを備えたレバースイッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のレバースイッチ装置には、ディマ・パッシングスイッチ及びターンシグナルスイッチをそれぞれのレバー操作によって切り換え可能な操作レバーを備えたものがある(例えば特許文献1)。
【0003】
操作レバーは、ロータリノブとしてのスモールランプスイッチ用の操作ノブ及びヘッドランプスイッチ用の操作ノブを有し、ブラケットに第1の支軸を介して回転可能に配置されている。ブラケットは、装置本体に第2の支軸を介して回転可能に配置されている。
【0004】
そして、操作レバーは、第1のレバー操作によって第1の支軸の回りに回転し、ディマ・パッシングスイッチをスイッチ動作させるように構成されている。また、操作レバーは、第2のレバー操作によって第2の支軸の回りにブラケットと共に回転し、ターンシグナルスイッチをスイッチ動作させるように構成されている。
【0005】
第1の操作ノブは、操作レバーに回転可能に保持されている。そして、第1の操作ノブは、そのノブ操作によって操作レバーの軸線回りに回転し、スモールランプスイッチをスイッチ動作させるように構成されている。
【0006】
スモールランプスイッチは、スモールランプスイッチ用の固定コンダクト及びスモールランプスイッチ用の可動コンタクトを有し、スモールランプスイッチ用のコンタクトホルダとスモールランプスイッチ用のスイッチ基板との間に配置されている。
【0007】
スモールランプスイッチ用の固定コンタクトは、スモールランプスイッチ用のスイッチ基板上に配置されている。スモールランプ用の可動コンタクトは、スモールランプスイッチ用のコンタクトホルダに弾性変形可能に保持されている。
【0008】
スモールランプスイッチ用のコンタクトホルダは、装置本体の一方側でスモールランプスイッチ用のスイッチ基板上に進退可能に配置されている。
【0009】
第2の操作ノブは、第1の操作ノブの回転軸線上に配置され、かつ操作レバーに回転可能に保持されている。そして、第2の操作ノブは、そのノブ操作によって操作レバーの軸線回りに回転し、ヘッドランプスイッチをスイッチ動作させるように構成されている。
【0010】
ヘッドランプスイッチは、ヘッドランプスイッチ用の固定コンダクト及びヘッドランプスイッチ用の可動コンタクトを有し、ヘッドランプスイッチ用のコンタクトホルダとヘッドランプスイッチ用のスイッチ基板との間に配置されている。
【0011】
ヘッドランプスイッチ用の固定コンタクトは、ヘッドランプスイッチ用のスイッチ基板上に配置されている。ヘッドランプ用の可動コンタクトは、ヘッドランプスイッチ用のコンタクトホルダに弾性変形可能に保持されている。
【0012】
ヘッドランプスイッチ用のコンタクトホルダは、装置本体の他方側でヘッドランプスイッチ用のスイッチ基板上に進退可能に配置されている。
【0013】
以上の構成により、第1の操作ノブを回転操作すると、スモールランプスイッチがスイッチオフ状態からスイッチオン状態に、またスイッチオン状態からスイッチオフ状態にそれぞれ切り換えられる。
【0014】
一方、第2の操作ノブを回転操作すると、ヘッドランプスイッチがスイッチオフ状態からスイッチオン状態に、またスイッチオン状態からスイッチオフ状態にそれぞれ切り換えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2009−295337号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら、特許文献1に示す従来のレバースイッチ装置によると、スモールランプスイッチが装置本体の一方側に、またヘッドランプスイッチが装置本体の他方側にそれぞれ配置されているため、各スイッチを構成する接点部が装置本体の両側に必要になる。この結果、部品点数が嵩むばかりか、配線作業が複雑になり、コスト高になるという問題がある。
【0017】
一方、操作ノブと可動コンタクト(コンタクトホルダ)との間に介在する伝達部材を装置本体に回動可能に保持することにより、各スイッチの接点部を装置本体の片側に単に配置してコストの低廉化を図ることが考えられるが、この場合には伝達部材が屈曲部材となり、伝達部材の剛性が低下し、所謂ロバスト性を維持することができないという問題がある。
【0018】
従って、本発明の目的は、コストの低廉化を図ることができるとともに、ロバスト性を維持することができるレバースイッチ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、上記目的を達成するために、(1)〜(3)のレバースイッチ装置を提供する。
【0020】
(1)基板を有する装置本体と、前記装置本体に回転可能に配置され、レバー操作によって回転する操作レバーと、前記操作レバーに回転可能に保持され、ノブ操作によってスイッチを前記基板上でスイッチ動作させる一対の操作ノブとを備え、前記一対の操作ノブのうち一方の操作ノブは、そのノブ操作力を受けてスイッチ動作力に変換するカム部材、及び前記スイッチ動作力を前記スイッチに伝達する伝達部材を有するノブ操作力伝達機構を連結してなるレバースイッチ装置。
【0021】
(2)上記(1)に記載のレバースイッチ装置において、前記ノブ操作力伝達機構は、前記カム部材が進退可能に、また前記伝達部材が回転可能にそれぞれ前記装置本体内に配置されている。
【0022】
(3)上記(1)又は(2)に記載のレバースイッチ装置において、前記ノブ操作力伝達機構は、前記ノブ操作力を前記スイッチ動作力に変換するためのカム溝が前記カム部材に、また前記カム溝に嵌合するアーム部が前記伝達部材にそれぞれ設けられている。
【発明の効果】
【0023】
本発明によると、コストの低廉化を図ることができるとともに、ロバスト性を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施の形態に係るレバースイッチ装置の全体を説明するために概略化して示す断面図。
【図2】図1のA−A断面図。
【図3】本発明の実施の形態に係るレバースイッチ装置の要部を説明するために示す斜視図。
【図4】本発明の実施の形態に係るレバースイッチ装置の要部を説明するために示す断面図。
【図5】(a)及び(b)は、本発明の実施の形態に係るレバースイッチ装置のスイッチ動作を説明するために示す断面図。(a)は一方のスイッチ動作を、また(b)は他方のスイッチ動作をそれぞれ示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[実施の形態]
〔レバースイッチ装置の全体構成〕
図1はレバースイッチ装置を示す。図1及び図2に示すように、符号1で示す自動車用のレバースイッチ装置は、装置本体としてのベース2と、このベース2に対して第1の操作面F内で軸線Oの回りに回転するブラケット3と、このブラケット3に対して第2の操作面F(図2に示す)内で軸線Oの回りに回転する操作レバー4と、この操作レバー4に対して軸線Oの回りに回転する一対の操作ノブ5,6と、これら一対の操作ノブ5,6のノブ操作によってスイッチ動作を行う一対のスイッチ7,8と、これら一対のスイッチ7,8のうち一方のスイッチ7と一対の操作ノブ5,6のうち一方の操作ノブ5との間に介在するノブ操作力伝達機構9とから大略構成されている。
【0026】
(ベース2の構成)
ベース2は、スイッチ基板10を内蔵するとともに、スイッチ基板10のコンタクト搭載面側に開口する軸孔2aを有し、ステアリングホイール(図示せず)の右側(自動車用座席から見て右側:図1では右側)に配置され、全体が略角形状の箱体によって形成されている。ベース2には、軸線Oを中心軸線とする曲率をもち、かつブラケット3を案内する円弧状のガイド溝2b(図4に示す)が設けられている。
【0027】
(ブラケット3の構成)
ブラケット3は、軸孔2aに嵌合する支軸3a、及び自動車の上下方向(図1では紙面に直交する方向)に開口する軸孔3b,3c(軸孔3bは図2に、また軸孔3cは図5(a)にそれぞれ示す)を有し、スイッチ基板10のコンタクト搭載面側に配置され、かつベース2に軸線Oの回りに回転可能に保持されている。そして、ブラケット3は、操作レバー4のレバー操作によって第1の操作面F内で軸線Oの回りに矢印a,a方向に回転するように構成されている。軸孔3bは操作レバー4から近い側に、また軸孔3cは軸孔3bと比べて操作レバー4から遠い側にそれぞれ配置されている。
【0028】
ブラケット3には、自動車の上下方向に延び、かつスイッチ基板10のコンタクト搭載面側に突出する凸部3dが設けられている。
【0029】
また、ブラケット3には、ベース2との間に節度付与機構(図示せず)が配置されている。これにより、ブラケット3の回転動作に節度が付与される。
【0030】
(操作レバー4の構成)
操作レバー4は、ベース2外に露出する中空のレバー操作部4a、及び軸孔3b,3cのうち一方の軸孔3bに嵌合する支軸4bを有し、ベース2にブラケット3を介して第2の操作面F内で軸線O(支軸4b)の回り(矢印b,b方向)に回転可能に保持されている。
【0031】
そして、操作レバー4は、そのレバー操作によって第2の操作面F内で矢印b,b方向に回転し、ディマ・パッシングスイッチ(図示せず)をスイッチオン状態又はスイッチオフ状態とするように構成されている。
【0032】
また、操作レバー4は、そのレバー操作によって第1の操作面F内で矢印a,a方向にブラケット3と共に回転し、ターンシグナルスイッチ(図示せず)をスイッチオン状態又はスイッチオフ状態とするように構成されている。
【0033】
レバー操作部4aには、その内外に開口し、かつノブ回転操作方向に延びる貫通窓40a,41aが円周方向に等間隔をもって設けられている。一方の貫通窓40aはブラケット3の支軸3a側に、また他方の貫通窓41aはスイッチ基板10側にそれぞれ配置されている。
【0034】
(操作ノブ5,6の構成)
一方の操作ノブ5は、第3の操作面Fに直交するノブ回転軸11を有し、操作レバー4に軸線O(ノブ回転軸11)の回り(矢印c,c方向)に回転可能に保持されている。そして、一方の操作ノブ5は、そのノブ操作によって第3の操作面F内で矢印c,c方向にノブ回転軸11と共に回転し、一対のスイッチ7,8のうち一方のスイッチ7をスイッチオン状態又はスイッチオフ状態とするように構成されている。
【0035】
ノブ回転軸11は、操作レバー4の貫通窓40aを挿通する棒状のアーム部11a、及び操作ノブ5のノブ操作力をノブ操作力伝達機構9のカム部材15(後述)に付与する球状のノブ操作力付与部11bを有し、操作レバー4のレバー操作部4a内に軸線Oの回り(矢印c,c方向)に回転可能に配置され、全体が軸線方向両側に開口する円筒部材によって形成されている。
【0036】
他方の操作ノブ6は、第3の操作面Fに直交するノブ回転軸12を有し、操作レバー4に軸線O(ノブ回転軸12)の回りに回転可能に保持されている。そして、他方の操作ノブ6は、そのノブ操作によって第3の操作面F内で矢印c,c方向にノブ回転軸12と共に回転し、一対のスイッチ7,8のうち他方のスイッチ8をスイッチオン状態又はスイッチオフ状態とするように構成されている。
【0037】
ノブ回転軸12は、操作レバー4の貫通窓41aを挿通する棒状のアーム部12a、及び他方の操作ノブ6のノブ操作力を第2のコンタクトホルダ14に付与する球状のノブ操作力付与部12bを有し、一方の操作ノブ5のノブ回転軸11内に回転可能に配置されている。
【0038】
(スイッチ7,8の構成)
一方のスイッチ7は、固定コンタクト7a及び可動コンタクト7bを有する例えばスモールランプスイッチからなり、第1のコンタクトホルダ13とスイッチ基板10との間に配置されている。
【0039】
固定コンタクト7aはスイッチ基板10に搭載されている。可動コンタクト7bは第1のコンタクトホルダ13に弾性変形可能に保持されている。これにより、固定コンタクト7aと可動コンタクト7bとの導通・非導通によって一方のスイッチ7がスイッチ動作する。
【0040】
第1のコンタクトホルダ13は、ブラケット3の支軸3aを中心軸とする曲率をもつ円弧状の凹溝13aを有し、スイッチ基板10のコンタクト搭載面側に可動コンタクト7bを介して矢印d,d(図1に示す)方向に進退可能に配置されている。そして、第1のコンタクトホルダ13は、ノブ操作力伝達機構9からスイッチ動作力を受けて矢印d,d方向に進退するように構成されている。凹溝13aは、ノブ回転軸11のノブ操作力付与部11bを介して互いに対向する壁部130a,131aによって形成されている。
【0041】
他方のスイッチ8は、固定コンタクト8a及び可動コンタクト8bを有するヘッドランプスイッチからなり、第2のコンタクトホルダ14とスイッチ基板10との間に配置されている。
【0042】
固定コンタクト8aはスイッチ基板10に搭載されている。可動コンタクト8bは第2のコンタクトホルダ14に弾性変形可能に保持されている。これにより、固定コンタクト8aと可動コンタクト8bとの導通・非導通によって他方のスイッチ8がスイッチ動作する。
【0043】
第2のコンタクトホルダ14は、ノブ回転軸12のノブ操作力付与部12bを介して互いに対向する一対のホルダ壁14a,14bを有し、スイッチ基板10のコンタクト搭載面側に可動コンタクト8bを介して矢印d,d方向に直交する方向(矢印e,e方向)に進退可能に配置されている。そして、第2のコンタクトホルダ14は、ノブ回転軸12らスイッチ動作力を受けて矢印e,e方向に進退するように構成されている。一対のホルダ壁14a,14bは、矢印e,e方向に互いに並列して配置されている。
【0044】
(ノブ操作力伝達機構9の構成)
図3及び図4はノブ操作力伝達機構を示す。図3及び図4に示すように、ノブ操作力伝達機構9は、カム部材15及び伝達部材16を有し、一方の操作ノブ5に連結され、かつベース2内に配置されている。
【0045】
カム部材15は、ブラケット3に自動車の上下方向(図4では矢印e,e方向)に進退可能に配置されている。カム部材15には、ブラケット3の凸部3dに嵌合する凹部15aが設けられている。そして、カム部材15は、一方の操作ノブ5のノブ操作力をスイッチ動作力に変換するように構成されている。
【0046】
凹部15aは、矢印e,e方向に延び、カム部材15におけるスイッチ基板10側と反対側に配置されている。
【0047】
また、カム部材15には、操作ノブ5(図1に示す)のノブ操作力をノブ操作力付与部11bから受けるノブ操作力受部15b、及びノブ操作力受部15bで受けたノブ操作力をスイッチ動作力に変換するためのカム溝15cが設けられている。
【0048】
ノブ操作力受部15bは、矢印e,e方向に沿って互いに並列し、かつノブ回転軸11のノブ操作力付与部11bを介して対向する一対の受部片150b,151bからなり、カム部材15のスイッチ基板10側に配置されている。
【0049】
カム溝15cは、自動車下部から自動車上部に向かって凹部15aから漸次離間する開口面をもつ傾斜孔によって形成されている。そして、カム溝15cは、その溝壁がスイッチ動作力を伝達部材16に付与するように構成されている。
【0050】
伝達部材16は、胴部16a及び伝達部16b,16cを有し、ブラケット3(図1に示す)に第2の操作面F(図2に示す)内で矢印g,g方向に回転可能に配置されている。そして、伝達部材16は、スイッチ動作力を一方のスイッチ7に伝達するように構成されている。
【0051】
胴部16aは、軸孔3c(図5(a)に示す)に嵌合する支軸160aを有し、両伝達部16b,16c間に介在して配置されている。
【0052】
伝達部16bは、胴部16aのカム部材15側に突出する棒状のアーム部160b、及びカム溝15cに嵌合する球状のスイッチ動作力受部161b(図1に示す)を有し、胴部16aの一方側端部(図3では上方端部)に配置されている。
【0053】
伝達部16cは、胴部16aのスイッチ基板10側に突出する棒状のアーム部160c、及び第1のコンタクトホルダ13の凹溝13aに嵌合する球状のスイッチ動作力伝達部161cを有し、胴部16aの他方側端部(図3では下方端部)に配置されている。
【0054】
〔レバースイッチ装置の動作〕
次に、本発明の実施の形態に係るレバースイッチ装置の動作につき、図1,図3,図5(a)及び(b)を用いて説明する。図5(a)及び(b)はノブ操作力伝達機構の動作状態を示す。
【0055】
本実施の形態に示すレバースイッチ装置の動作は、「ディマ・パッシングスイッチ」,「ターンシグナルスイッチ」,「スモールランプスイッチ」及び「ヘッドランプスイッチ」の各動作であるが、このうちライトコントロールスイッチとしての「スモールランプスイッチ」及び「ヘッドランプスイッチ」の各動作について説明する。
【0056】
「スモールランプスイッチ」
図1に示すように、操作ノブ5を軸線Oの回り(矢印c,c方向)に回転操作すると、ノブ回転軸11がアーム部11a及びノブ操作力付与部11bと共に矢印c,c方向に回転する。
【0057】
この場合、操作ノブ5の矢印c,c方向への回転によってカム部材15のノブ操作力受部15b(図3に示す)が操作ノブ5のノブ操作力をノブ操作力付与部11bから矢印e,e方向(図3に示す)に受け、カム部材15が矢印e,e方向に進退する。これに伴い、伝達部材16における伝達部16bのスイッチ動作力受部161bがカム部材15おけるカム溝15cの溝壁からノブ操作力をスイッチ動作力(回転力)として受け、伝達部材16が伝達部16cのスイッチ動作力伝達部161cと共に図5(a)に示すように矢印g,g方向に回転する。
【0058】
このため、伝達部材16のスイッチ動作力伝達部161cから第1のコンタクトホルダ13における凹溝13aの溝壁にスイッチ動作力が伝達され、第1のコンタクトホルダ13が可動コンタクト7bと共に矢印d,d方向にスイッチ基板10上を進退する。
【0059】
これにより、スイッチ基板10上の固定コンタクト7aと可動コンタクト7bとが非導通状態から接触によって導通状態になると、スイッチ7がスイッチオン状態となり、スモールランプが点灯する。一方、固定コンタクト7aと可動コンタクト7bとが導通状態から互いに離間して非導通状態になると、スイッチ7がスイッチオフ状態となり、スモールランプが消灯する。
【0060】
「ヘッドランプスイッチ」
図1に示すように、操作ノブ6を軸線Oの回り(矢印c,c方向)に回転操作すると、ノブ回転軸12がアーム部12a及びノブ操作力付与部12bと共に矢印c,c方向に回転する。
【0061】
この場合、操作ノブ6の矢印c,c方向への回転によって第2のコンタクトホルダ14のホルダ壁14a,14bが操作ノブ6のノブ操作力をノブ操作力付与部12bから矢印e,e方向(図3に示す)に受け、図5(b)に示すように第2のコンタクトホルダ14が矢印e,e方向にスイッチ基板10上を進退する。
【0062】
これにより、スイッチ基板10上の固定コンタクト8aと可動コンタクト8bとが非導通状態から接触によって導通状態になると、スイッチ8がスイッチオン状態となり、ヘッドランプが点灯する。一方、固定コンタクト8aと可動コンタクト8bとが導通状態から互いに離間して非導通状態になると、スイッチ8がスイッチオフ状態となり、ヘッドランプが消灯する。
【0063】
本実施の形態においては、スイッチ7,8が共にベース2の一方側に配置されているため、スイッチ7,8を構成する固定コンタクト7a,8aが共通のスイッチ基板10上に搭載することができる。
【0064】
また、本実施の形態においては、スイッチ7,8をベース2の一方側に配置するために、ノブ操作力伝達機構9の各構成要素(カム部材15,伝達部材16)の剛性が低下することがない。
【0065】
なお、ターンシグナルスイッチは操作レバー4を軸線Oの回り(矢印a,a方向)に、またディマ・パッシングスイッチは操作レバー4を軸線Oの回り(矢印b,b方向)にそれぞれ回転操作することによりスイッチ動作させることができる。
【0066】
[実施の形態の効果]
以上説明した実施の形態によれば、次に示す効果が得られる。
【0067】
(1)スイッチ7,8を構成する固定コンタクト7a,8aを共通のスイッチ基板10上に搭載することができる。これにより、部品点数を削減することができるとともに、配線作業を簡単に行うことができ、コストの低廉化を図ることができる。
【0068】
(2)ノブ操作力伝達機構9の各構成要素の剛性が低下することがないため、ノブ操作力伝達機構9のロバスト性を維持することができる。
【0069】
以上、本発明のレバースイッチ装置を上記の実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能であり、例えば次に示すような変形も可能である。
【0070】
(1)上記実施の形態では、スイッチ7,8が接触型スイッチである場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、非接触型スイッチであってもよい。
【0071】
(2)上記実施の形態では、スイッチ7,8がスモールランプスイッチ,ヘッドランプスイッチ等のライトコントロールスイッチ)である場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、例えばワイパスイッチ,リヤワイパスイッチあるいはウォッシャスイッチなど他のスイッチであっても勿論よい。
【0072】
(3)上記実施の形態では、自動車に適用する場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、他の車両にも上記実施の形態の場合と同様に適用可能である。
【符号の説明】
【0073】
1…レバースイッチ装置、2…ベース、2a…軸孔、2b…ガイド溝、3…ブラケット、3a…支軸、3b,3c…軸孔、3d…凸部、4…操作レバー、4a…レバー操作部、40a,41a…貫通窓、5,6…操作ノブ、7…スイッチ、7a…固定コンタクト、7b…可動コンタクト、8…スイッチ、8a…固定コンタクト、8b…可動コンタクト、9…ノブ操作力伝達機構、10…スイッチ基板、11…ノブ回転軸、11a…アーム部、11b…ノブ操作力付与部、12…ノブ回転軸、12a…アーム部、12b…ノブ操作力付与部、13…第1のコンタクトホルダ、13a…凹溝、130a,131a…壁部、14…第2のコンタクトホルダ、14a,14b…ホルダ壁、15…カム部材、15a…凹部、15b…ノブ操作力受部、15c…カム溝、16…伝達部材、16a…胴部、160a…支軸、16b…伝達部、160b…アーム部、161b…スイッチ動作力受部、16c…伝達部、160c…アーム部、161c…スイッチ動作力伝達部、F…第1の操作面、F…第2の操作面、F…第3の操作面、a,a,b,b,c,c,d,d,e,e,g,g…矢印、O,O,O…軸線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を有する装置本体と、
前記装置本体に回転可能に配置され、レバー操作によって回転する操作レバーと、
前記操作レバーに回転可能に保持され、ノブ操作によってスイッチを前記基板上でスイッチ動作させる一対の操作ノブとを備え、
前記一対の操作ノブのうち一方の操作ノブは、そのノブ操作力を受けてスイッチ動作力に変換するカム部材、及び前記スイッチ動作力を前記スイッチに伝達する伝達部材を有するノブ操作力伝達機構を連結してなる
レバースイッチ装置。
【請求項2】
前記ノブ操作力伝達機構は、前記カム部材が進退可能に、また前記伝達部材が回転可能にそれぞれ前記装置本体内に配置されている請求項1に記載のレバースイッチ装置。
【請求項3】
前記ノブ操作力伝達機構は、前記ノブ操作力を前記スイッチ動作力に変換するためのカム溝が前記カム部材に、また前記カム溝に嵌合するアーム部が前記伝達部材にそれぞれ設けられている請求項1又は2に記載のレバースイッチ装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−9251(P2012−9251A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−143644(P2010−143644)
【出願日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】