説明

レンズ装置

【課題】レンズ装置と指令装置の位置関係に拘らず、運用性の向上を可能とする。
【解決手段】レンズ本体20からの位置信号とズームデマンド40からの指令信号を無線で受信する無線通信手段35、52と、信号が有線できたのか、無線通信手段35、52を介してきたのかを認識する接続識別手段36、53と、接続識別手段36、53からの識別結果より、ズームレンズ21を駆動制御する指令信号として有線接続による指令か無線接続による指令かを選択する接続選択手段34、51とを、レンズ本体20とデマンド40に設けている。これにより、レンズ本体20とズームデマンド40間の接続は有線接続でも無線接続でも可能となり、様々な形態に対応した運用ができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の指令装置によりズームレンズ、フォーカスレンズ、絞り等の可動光学部材を駆動、制御する例えば放送用テレビレンズに使用するレンズ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
テレビカメラにおけるズームレンズ、フォーカスレンズ等の可動光学部材の制御システムは、例えば特許文献1、2に示されている。これらのシステム構成では、レンズ本体に対して、ズーム駆動に対する指令信号を出力する指令装置であるズームデマンドと、フォーカス駆動に対する指令信号を出力するフォーカスデマンドとが接続されている。
【0003】
この他に、レンズ本体に接続される指令装置としては、絞り指令出力を行うもの、防振光学系の制御を行うもの等の複数の指令装置が接続可能となっている。また、レンズ本体と指令装置との接続は、特許文献1で示す多ピンのコネクタを使用したケーブル接続で行われている。
【0004】
また、スタジオ撮影などの場合は、テレビカメラ、テレビレンズ、ズームデマンド、フォーカスデマンドを三脚に取り付けて運用する三脚運用がある。この他に、ズームデマンド、フォーカスデマンドを使用せずに、テレビカメラとテレビレンズとを組合わせて、カメラマンが肩に担いで運用する肩担ぎ運用がある。
【0005】
図8は上述した従来例のテレビ撮影システムのブロック図を示している。レンズ本体1のズームレンズを操作するズームデマンド2には、ズームの駆動制御を行うズーム指令の他に、リターンスイッチ指令、VTRスイッチ指令、ショット指令、ショット記憶指令が可能となっている。また、レンズ本体1のフォーカスレンズを操作するフォーカスデマンド3には、フォーカスの駆動制御を行うフォーカス指令の他に、ズームデマンド2と同等のスイッチ指令が可能となっている。レンズ本体1と、ズームデマンド2及びフォーカスデマンド3との接続は、標準的に用意されている20芯前後で長さ1m程度のケーブル4、5が使用されている。
【0006】
【特許文献1】特開2005−328496号公報
【特許文献2】特開平9−68640号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように従来技術では、レンズ本体1とデマンド2、3とは多芯のケーブル4、5で接続されており、更に複数の指令装置を接続する際はその指令装置分のケーブル本数を必要とする。このため、放送局での撮影現場では次のような問題がある。
【0008】
例えば、3〜5m程度のクレーンの先端にカメラとレンズを設置し、クレーン元でカメラマンが指令装置を操作して撮影を行うクレーン撮影や、自然の中で設置したカメラとレンズから離れて猛獣等の撮影を行うことがある。このような場合に、レンズ本体と指令装置間の標準的なケーブルでは長さが足りず、専用の延長ケーブルの製作と設置が必要になる。このための製作と設置に際し、費用と時間がかかることになる。また、ケーブル1本当たり20芯前後で芯数が多く長いケーブルを指令装置の台数分設置するため、設置作業における芯線やケーブル破損の危険性があり、信頼性が低下する問題がある。
【0009】
また、三脚運用から肩担ぎ運用とを即座に切換えて運用することで、撮影状況に応じた運用形態の変更が、1台のテレビカメラとテレビレンズで可能となることが要望されている。しかし三脚運用の際には、テレビカメラとテレビレンズは一体で即座に外すことができるが、ズームデマンド、フォーカスデマンドを使用している場合には接続ケーブルをテレビレンズから外さないと、肩担ぎ運用ができず即座に切換えることはできない。
【0010】
本発明の目的は、レンズ本体と指令装置とが離れた撮影においても、設置作業が容易で、信頼性を低下することがないレンズ装置を提供することにある。
【0011】
特に、ドラマ、音楽、ニュース、スポーツ、スタジオ、屋外等の撮影状況によって変化・要求されるレンズ本体と指令装置との運用形態の切換えを容易に可能とすると共に、運用性の向上を可能とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するための本発明に係るレンズ装置の技術的特徴は、指令装置からの指示により可動光学部材を駆動制御すると共に前記指令装置と有線接続するレンズ装置において、前記指令装置からの指令信号を無線で受信する無線通信手段と、前記指令装置からの指令が有線接続であるか無線通信手段であるかを認識する接続識別手段と、該接続識別手段からの識別結果により前記可動光学部材を駆動制御する指令信号として有線接続による指令か無線接続による指令かを選択する接続選択手段とを設けたことにある。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るレンズ装置によれば、指令装置との接続を有線接続と無線接続との何れも使用できるようになり、撮影状況に応じた接続形態の切換えが容易に、かつ信頼性を落とすことなく可能となる。
【0014】
有線での接続時は指令装置の電源はレンズ装置から供給され、無線での接続時は指令装置内のバッテリを使用すると、接続方式が変わっても中断することなく運用が可能となると共に、指令装置のバッテリが長寿命化する。
【0015】
指令装置の電源として外部電源を使用した際に、有線接続か無線接続かを任意に選択可能とすると、運用形態に合わせた設定ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明を図1〜図7に図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0017】
図1は実施例1のブロック回路構成図を示す。カメラ本体10にレンズ本体20が装着されており、レンズ本体20に対してズームレンズを駆動する指令装置であるズームデマンド40がレンズ側コネクタ61、デマンド側コネクタ62を介して接続ケーブル70により接続されている。
【0018】
カメラ本体10にはCCDから成る撮像素子11が設けられ、レンズ本体20においては、撮像素子11と同一光軸上に可動光学部材としてズームレンズ21が配置されている。なお、図示は省略しているが、光軸上にはフォーカスレンズ、絞りも配列されており、本実施例においては主としてズームレンズ21の動作について説明しているが、フォーカスレンズ、絞りについてもデマンドを用いることができる。
【0019】
ズームレンズ21にはズームポテンショメータ22、ズームモータ23が取り付けられている。ズームポテンショメータ22の出力は、増幅器24、A/D変換器25を介してズーム位置信号としてレンズCPU26に接続され、レンズCPU26の出力は、D/A変換器27、増幅器28を介してズーム指令信号としてズームモータ23に接続されている。
【0020】
また、レンズCPU26からのD/A変換器29、増幅器30を介したズームアナログ位置信号bは、レンズ側コネクタ61に接続されている。また、コネクタ61からのズームアナログ指令信号aは、増幅器31、A/D変換器32を介してレンズCPU26に接続されている。また、レンズ電源33からの電源線はコネクタ61に接続されている。
【0021】
レンズCPU26にはレンズ側接続選択手段34が内蔵され、レンズCPU26にはレンズ側無線通信手段35を接続されており、レンズ側無線通信手段35の出力は、レンズ側接続識別手段36を経てレンズCPU26に接続されている。
【0022】
更に、レンズCPU26からの各スイッチアンサ信号c、デジタル通信アンサ信号dはコネクタ61に接続され、コネクタ61からの各スイッチ指令信号e、デジタル通信指令信号fはレンズCPU26に接続されている。これらの信号はレンズ本体20とズームデマンド40との接続をコネクタ61、62経由で行う場合に必要となる各種の信号線である。
【0023】
このレンズ本体20において、D/A変換器27はレンズCPU26からのデジタル値であるズーム指令信号をアナログ値に変換し、増幅器28はD/A変換器27からのアナログ駆動信号を電力増幅しモータ23を駆動し、ズームレンズ21を作動する。増幅器24はポテンショメータ22からの信号を増幅し、A/D変換器25はポテンショメータ22のアナログ電圧をデジタル値に変換し、レンズCPU26はズーム位置信号として読み込む。なお、ズームレンズ21の位置検出手段として、ズームポテンショメータ22の代りにエンコーダが使用されることもある。
【0024】
増幅器31、A/D変換器32は、ズームデマンド40からコネクタ61、62、接続ケーブル70を経由して入力されるズームアナログ指令信号aをレンズCPU26に取り込む。レンズCPU26からのD/A変換器29、増幅器30を経た出力は、コネクタ61、62、ケーブル70を介してデマンド40にズームアナログ位置信号bとして送出する。
【0025】
レンズ電源33はコネクタ61、62、ケーブル70経由でデマンド40に電力を給電し、レンズ側無線通信手段35はズームデマンド40との接続を無線接続で行う場合に機能する。
【0026】
レンズ側接続識別手段36はズームデマンド40との接続がコネクタ61、62経由の有線接続か、レンズ側無線通信手段35による無線接続かを識別する。レンズ側接続選択手段34はレンズ側接続識別手段36の識別結果に基づいて、デマンド40との接続を有線で行うか、無線で行うかを選択する。
【0027】
ズームデマンド40において、ズーム操作部に連動するポテンショメータ41によるズーム指令信号は、増幅器42、A/D変換器43を経てデマンドCPU44に接続されている。デマンドCPU44からのD/A変換器45、増幅器46を経たズームアナログ指令信号aは、デマンド側コネクタ62に接続されている。コネクタ62からのズームアナログ位置信号bは、増幅器47、A/D変換器48を経てデマンドCPU44に接続されている。また、各種スイッチ49の出力がデマンドCPU44に接続され、デマンドCPU44の出力により各表示灯50を点灯するようにされている。
【0028】
コネクタ62からの各スイッチアンサ信号c、デジタル通信アンサ信号dはデマンドCPU44に接続され、デマンドCPU44からの各スイッチ指令信号e、デジタル通信指令信号fはコネクタ62に接続されている。
【0029】
デマンドCPU44にはデマンド側接続選択手段51が内蔵され、デマンドCPU44はデマンド側無線通信手段52と接続され、デマンド側無線通信手段52の出力はデマンド側接続識別手段53を経てデマンドCPU44に接続されている。更に、デマンドCPU44の出力は充電制御手段54と電源選択手段55に接続され、充電制御手段54の出力はバッテリ56を介して電源選択手段55に接続されている。
【0030】
コネクタ62からの電源線はレンズ供給電源57に接続され、レンズ供給電源57の出力は電源選択手段55、デマンド側接続識別手段53に接続され、電源選択手段55の出力はデマンド内電源58に接続されている。
【0031】
ズーム指示手段はポテンショメータ41により構成され、ポテンショメータ41からの信号を増幅器42、A/D変換器43を経てデマンドCPU44にズーム指令信号として取り込まれる。
【0032】
各種スイッチ49はズームデマンド40上にあるリターンスイッチ指令、VTRスイッチ指令、ショット記憶指令、ショット指令などのスイッチ指令であり、デマンドCPU44に各スイッチ情報として読み込まれる。また、各表示灯50はズームデマンド40の各種指示に基づいたレンズ本体20側の処理結果を表示する。
【0033】
D/A変換器45、増幅器46は、デマンドCPU44に入力されたズーム指令信号をズームアナログ指令信号aとして、コネクタ61、62、接続ケーブル70経由でレンズ本体20に送信する。レンズ本体20からコネクタ62経由で入力されるズームアナログ位置信号bは増幅器47、A/D変換器48を経てデマンドCPU44に取り込まれる。
【0034】
レンズ供給電源57はレンズ本体20からコネクタ61、62、接続ケーブル70経由で給電され、デマンド側無線通信手段52はレンズ本体20との無線接続をする場合に機能する。デマンド側接続識別手段53はレンズ本体20との接続がコネクタ61、62経由の有線接続か、デマンド側無線通信手段52による無線接続かを識別する。デマンド側接続選択手段51はデマンド側接続識別手段53の識別結果に基づいて、レンズ本体20との接続を有線で行うか、無線で行うかを選択する。
【0035】
また、バッテリ56は一次電池又は二次電池であり、電源選択手段55はレンズ供給電源57かバッテリ56かの何れかを選択し、デマンド内電源58として用いる。充電制御手段54はバッテリ56の充電を行うか否かの制御を行う。
【0036】
複数の入出力信号は、例えばアナログ信号/デジタル信号/パラレル信号/シリアル信号などの複数の信号形式で存在する。無線通信手段35、52はこれら複数の信号を一連の時系列信号に変換し、この時系列信号を使用して無線により送受信する。無線通信手段35、52は無線化の方式として、無線LAN、Bluetooth、Zigbee等の規格化された通信方式を利用することもできる。
【0037】
図2はレンズ側接続選択手段34、レンズ側接続識別手段36における処理フローチャート図である。ステップS100は処理のスタートであり、ステップS101では無線通信手段35から受信の有無を確認、判断し、受信がある場合にはステップS102に、ない場合にはステップS103に移行する。ステップS102ではズームデマンド40からの無線受信により、以降のデマンド40との接続は無線通信手段により行う。ステップS103では、デマンド40からの無線受信がないので、以降のデマンド40との接続はコネクタ61、62、接続ケーブル70経由の有線接続で行う。ステップS102、ステップS103の処理後にステップS101に戻る。
【0038】
また、図3はデマンド側接続選択手段51、デマンド側接続識別手段53での処理フローチャート図である。ステップS200は処理のスタートであり、ステップS201に移行する。ステップS201ではレンズ供給電源57への給電の有無を確認・判断し、ない場合にはステップS202に、ある場合にはステップS203に移行する。ステップS202では、レンズ本体20との接続が有線接続されていないと判断し、レンズ本体20との接続は無線接続で行い、ステップS203ではレンズ本体20と有線接続されていると判断し、レンズ本体20との接続は有線接続で行う。ステップS202、ステップS203の処理後にステップS201に戻る。
【0039】
上記の構成と処理により、レンズ本体20とズームデマンド40の間の接続が、接続ケーブル70の有無に拘らず可能となり、レンズ本体20、デマンド40間の接続を有線接続と無線接続との何れも使用できる。レンズ本体20とズームデマンド40とを近い位置で固定して撮影する際には通常の有線接続で運用し、距離を離れて撮影する場合には無線接続で運用することで、運用の切換時の設置作業が容易にできると共に、信頼性を低下することはなくなる。
【0040】
従って、三脚運用と肩担ぎ運用との切換えがワンタッチで可能となる。また、従来の接続ケーブルを延長敷設する際の作業の手間と、ケーブル破損のリスクが解消される。更に、ドラマ、音楽、ニュース、スポーツ、スタジオ、屋外等の撮影状況によって変化、要求されるレンズ本体20とズームデマンド40との運用形態の切換えを、容易に可能とすると共に、運用性が向上する。
【0041】
図4はズームデマンド40の電源選択手段55における処理フローチャート図である。ステップS300は処理の開始であり、ステップS301ではデマンド側接続選択手段51の選択結果が無線接続の場合にはステップS302に、有線接続の場合にはステップS303に移行する。ステップS302では、無線接続時のズームデマンド40に供給する電源としてバッテリ56を選択し、ステップS303では有線接続時のデマンド40に供給する電源として、レンズ本体20から供給されるレンズ供給電源57を選択する。ステップS302、ステップS303の処理後にステップS301に戻る。
【0042】
これにより、ズームデマンド40で使用する電源は、有線接続時はレンズ本体20から供給される電源を使用し、無線接続時はデマンド40内のバッテリ56を用いる切換えを行う。この処理により、レンズ本体20とデマンド40間の接続が、有線接続でも無線接続でも可能となる。更に、有線接続時にバッテリ56を使用しないことで、バッテリ56の長寿命化が可能となる。
【0043】
図5はズームデマンド40での充電制御手段54における処理フローチャート図である。ステップS400は処理の開始であり、ステップS401ではバッテリ56が充電可能な二次電池かどうかを判断し、充電可能な二次電池の場合にはステップS402に移行して、その旨を図示しない表示手段に表示する。充電不可能な一次電池の場合にはステップS401に戻る。
【0044】
ステップS401の判断は設定スイッチのオン/オフ状態によって判断してもよい。ステップS402でデマンド側接続選択手段51の選択結果が有線接続かどうかを判断し、有線接続の場合にはステップS403に移行し、バッテリ56の充電を始め、無線接続の場合にはステップS401に戻る。
【0045】
この処理により、ズームデマンド40に充電可能な二次電池が搭載されていた場合で、レンズ本体20とデマンド40とが接続ケーブル70による有線接続された場合に、充電制御手段54はバッテリ56を充電する。これにより、有線接続から無線接続に切換えて運用する際でも、電池切れによる不具合が発生することはなくなる。
【0046】
このように、ズームデマンド40側の電源選択手段55により、有線での接続時はデマンド40の電源はレンズ本体20から供給され、無線での接続時はデマンド40内のバッテリ56を使用することで、接続方式が変わっても中断することなく運用が可能となる。更に、有線接続時にはデマンド40内のバッテリ56を充電することができ、更なるバッテリ56の長寿命化が可能となる。
【実施例2】
【0047】
図6は実施例2のズームデマンドの構成図を示し、実施例1と同じ部材については同じ符号を付している。実施例1とはズームデマンド40内に外部電源81、接続設定手段82とが設けられていることの違いがある。
【0048】
外部電源81は外部からデマンド40に直接入力される電源であり、電源選択手段55、デマンド側接続識別手段53に接続されている。外部電源81の外部電源供給があるかないかの電源供給状態は、電源選択手段55、デマンド側接続識別手段53により認識される。
【0049】
接続設定手段82は図7に示す処理フローチャート図において、カメラマンが有線接続か、無線接続かを選択、設定するものであり、接続設定手段82のスイッチオン/オフなどで実現する。
【0050】
図7におけるステップS500は処理の開始であり、ステップS501に移行し、外部電源81が供給されているか、供給されていないかを確認、判断し、供給されている場合はステップS502に、ない場合はステップS506に移行する。ステップS502で接続設定手段82の内容が無線接続であるか否かを確認、判断し、無線接続の設定であればステップS503に移行し、有線接続の設定であればステップS504に移行する。
【0051】
ステップS503及びS504では接続設定手段82に従って、レンズ本体20との接続をそれぞれ無線接続と有線接続で行うことを決定し、ステップS505に移行する。ステップS505では、デマンド内電源58として外部電源81を選択しステップS501に戻る。
【0052】
また、ステップS506では、レンズ供給電源57が供給されているか、供給されていないかを確認、判断し、供給されている場合はステップS507に、ない場合はステップS509に移行する。ステップS507では、レンズ本体20との接続を有線接続で行い、ステップS508に移行する。ステップS508ではデマンド内電源58としてレンズ供給電源57を選択し、ステップS501に戻る。一方、ステップS509では、レンズ本体20との接続を無線接続で行い、ステップS510に移行する。ステップS510ではデマンド内電源58として、バッテリ56を選択しステップS501に戻る。
【0053】
このように実施例1に追加して、外部電源81、接続設定手段82を設けることにより、ズームデマンド40にA/D変換器等の外部電源81が利用できる。更に、外部電源81がある場合に、接続設定手段82により有線か無線かの接続方式を任意に設定可能となり、外部電源81の使用時は有線/無線の何れの接続方法を選択可能となり、様々な運用状況に対応できる。
【0054】
更に、外部電源81を設けている場合には、バッテリ56を充電することが可能になり、電池切れ等の不具合はなくなり、運用性が更に向上する。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】実施例1のブロック回路構成図である。
【図2】レンズ側接続識別手段、レンズ側接続選択手段での処理フローチャート図である。
【図3】デマンド側接続識別手段、デマンド側接続選択手段での処理フローチャート図である。
【図4】ズームデマンドの電源選択手段での処理フローチャート図である。
【図5】ズームデマンドの充電制御手段での処理フローチャート図である。
【図6】実施例2のズームデマンドの構成図である。
【図7】デマンド側接続識別手段、電源選択手段、接続設定手段での処理フローチャート図である。
【図8】従来例のテレビ撮影システムのブロック図である。
【符号の説明】
【0056】
10 カメラ本体
11 撮像素子
20 レンズ本体
21 ズームレンズ
22 ズームポテンショメータ
23 ズームモータ
26 レンズCPU
33 レンズ電源
34 レンズ側接続選択手段
35 レンズ側無線通信手段
36 レンズ側接続識別手段
40 ズームデマンド
41 ポテンショメータ
44 デマンドCPU
49 各種スイッチ
50 各表示灯
51 デマンド側接続選択手段
52 デマンド側無線通信手段
53 デマンド側接続識別手段
55 電源選択手段
56 バッテリ
57 レンズ供給電源
58 デマンド内電源
61 レンズ側コネクタ
62 デマンド側コネクタ
70 接続ケーブル
81 外部電源
82 接続設定手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
指令装置からの指示により可動光学部材を駆動制御すると共に前記指令装置と有線接続するレンズ装置において、前記指令装置からの指令信号を無線で受信する無線通信手段と、前記指令装置からの指令が有線接続であるか無線通信手段であるかを認識する接続識別手段と、該接続識別手段からの識別結果により前記可動光学部材を駆動制御する指令信号として有線接続による指令か無線接続による指令かを選択する接続選択手段とを設けたことを特徴とするレンズ装置。
【請求項2】
前記接続識別手段の識別結果又は前記接続選択手段の選択結果により、前記指令装置の制御に使用する電源を選択する電源選択手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載のレンズ装置。
【請求項3】
前記接続選択手段の識別結果又は前記接続選択手段の選択結果により、前記指令装置に内蔵された二次電池に対して充電を行う充電制御手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載のレンズ装置。
【請求項4】
前記指令装置に内蔵された電池が充電可能であるか否かを表す表示手段を設けたことを特徴とする請求項3に記載のレンズ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−310094(P2008−310094A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−158335(P2007−158335)
【出願日】平成19年6月15日(2007.6.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.ZIGBEE
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】