説明

レーザビーム照射装置、およびレーザビーム照射方法

【課題】ポインティングスタビリティおよびビーム径の変動に対応可能なレーザビーム照射装置を提供する。
【解決手段】レーザビーム照射装置1は、レーザ発振器11と、ビームエキスパンダ12と、ビームエキスパンダ12から出射したレーザビームの強度分布を変換する強度変換素子14と、強度変換素子14から出射したレーザビームを複数本のレーザビームに分岐するDOE15と、複数本のレーザビームを被照射物91の被照射面に集光する集光レンズ17と、集光レンズ17から出射した複数本のレーザビームのうち少なくとも1本のレーザビームのビームプロファイルを測定するビームプロファイラ18と、基準となるビームプロファイルを格納した記憶装置19と、測定されたビームプロファイルが基準となるビームプロファイルとなるように強度変換素子14の位置とビームエキスパンダ12によるビーム径の設定とを制御する制御装置20とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザビーム照射装置、およびレーザビーム照射方法に関する。特に、レーザビームの強度分布を変換するとともに、レーザビームを複数本に分岐させるレーザビーム照射装置、およびレーザビーム照射方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レーザビームを照射するレーザビーム照射装置においては、レーザビームの強度分布(以下、「ビームプロファイル」とも称する)が、フラットトップ分布やガウス分布などの理想の分布に近いことが求められている。とりわけ、レーザビームを回折および/または分岐させる構成を有するレーザビーム照射装置では、ビームプロファイルが理想に近い分布であることが強く要求されている。
【0003】
特許文献1には、ガウス分布を持つレーザビームを、ホモジナイザDOE(回折光学素子:Diffractive Optical Element)を使ってある範囲でほぼ均一の強度分布にし、さらに均一な強度分布にしたレーザビームを、分岐作用を持つDOEによって多数の分岐ビームに分ける構成が開示されている。当該構成では、ホモジナイザDOEにより、ビームプロファイルを理想の分布に近づけている。
【0004】
また、レーザビームを用いて加工や処理を行なう場合、複数に分岐したレーザビームを高速で走査する必要があるとき、ガルバノミラーなどを用いてスキャンする方法が考えられる。特許文献2には、ガルバノミラーなどを用いてスキャンする方法の一例が開示されている。
【0005】
特許文献3には、レーザビームを形状可変鏡の各駆動素子毎に異なる周波数で位相変調し、レーザビームの焦点強度に基づいて形状可変鏡の駆動素子を制御することによりレーザビームの波面歪みを補正するマルチディザー方式補償光学装置が開示されている。当該マルチディザー方式補償光学装置は、レーザビームを出射するレーザ出射手段からレーザビームが照射される被照射材までのレーザビームの光路中に設けられ、当該光路中で前記レーザビームの角度を制御する手段と、レーザビームの焦点強度に含まれる複数の位相変調信号からレーザビームの角度を制御する手段の角度制御量を決定する手段とを備えている。
【0006】
特許文献4には、回折レンズにより分岐されたレーザビームの一部を受信するセンサを設け、レーザによる加工点に作用しているエネルギー量をリアルタイムに検知および表示する同時一括溶着装置が開示されている。
【0007】
特許文献5には、液晶により、ビームの強度分布を任意の形に制御するレーザ装置が開示されている。当該レーザ装置では、レーザビーム発振器から出射されるレーザビームは、一部を反射させるビームスプリッターにより透過光と反射光に分割され、反射光は検出器に照射、吸収される。透過光は液晶を透過し、偏光素子にて反射し加工点へ照射される。検出器にて検出したビーム強度分布とあらかじめ設定したビーム強度分布とを比較し、その差信号に基づく電圧信号にて、マトリックス状の個々の液晶を各々制御する。これにより、レーザ装置は、任意のビーム強度分布を得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−230432号公報
【特許文献2】特開2001−62578号公報
【特許文献3】特開平10−123438号公報
【特許文献4】特開2003−164985号公報
【特許文献5】特開平6−31470号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に示したように、ホモジナイザDOE等の強度変換素子を用いてビームプロファイルを理想的な分布に近づけたつもりであっても、レーザビーム発振器においてポインティングスタビリティがある場合、強度変換素子から出射したレーザビームのビームプロファイルは理想的な分布から歪んだものとなってしまう。なお、「ポインティングスタビリティ」とは、強度変換素子へのレーザビームの入射位置の揺らぎをいう。特に、ホモジナイザDOE等の多階調のDOEでは、ポインティングスタビリティの影響が大きい。
【0010】
ところが、特許文献1は、多階調のDOEを備えているにもかかわらず、ポインティングスタビリティには対応できない。特許文献1の構成は、ビームプロファイルの均一化を行なうだけの機能しか有しない。
【0011】
また、特許文献4は、そもそもビームプロファイルを補正する機構は備えておらず、ポインティングスタビリティには対応できない。
【0012】
一方、特許文献3は、上述した形状可変鏡を備える構成であるため、ポインティングスタビリティに対応することが可能である。また、特許文献5は、液晶によってビームプロファイルを制御することでポインティングスタビリティには対応はできる。しかしながら、特許文献5は、液晶で透過光量を制御するためビームプロファイルのピーク値はレーザ発振器のそれよりも原理的に低下することや、液晶を破壊する程度の強い強度のレーザ光には対応できないなどの課題がある。
【0013】
しかしながら、特許文献3および5は、ビーム径の変動には対応できない。同様に、特許文献1、2、4、および5も、ビーム径の変動には対応できない。
【0014】
本願は、上記問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、ポインティングスタビリティおよびビーム径の変動に対応可能なレーザビーム照射装置、およびレーザビーム照射方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明のある局面に従うと、レーザビーム照射装置は、レーザビームを発振するレーザ発振器と、レーザビームのビーム径を、予め定められた範囲内の倍率のビーム径に設定可能なビームエキスパンダと、ビームエキスパンダから出射したレーザビームの強度分布を変換する変換素子と、変換素子から出射したレーザビームを、複数本のレーザビームに分岐する第1の回折光学素子と、複数本のレーザビームを被照射物の被照射面に集光する集光レンズと、集光レンズから出射した複数本のレーザビームのうち、少なくとも1本のレーザビームのビームプロファイルを測定する測定装置と、基準となるビームプロファイルを格納した記憶装置と、測定されたビームプロファイルが、基準となるビームプロファイルとなるように、変換素子の位置と、ビームエキスパンダによるビーム径の設定とを制御する制御装置とを備える。
【0016】
好ましくは、変換素子は、第2の回折光学素子である。制御装置は、変換素子に入射するレーザビームの光軸方向と垂直な方向に、第2の回折光学素子の位置を移動させる。
【0017】
好ましくは、制御装置は、分岐後の測定対象である各レーザビームについて、測定装置によって測定されたビームプロファイルに基づき、当該ビームプロファイルにおける少なくとも5つの位置の強度を算出し、当該算出された各強度に基づいて、変換素子の位置とビーム径の設定とを制御する。
【0018】
好ましくは、測定装置は、集光レンズから出射されたレーザビームの光軸と垂直な平面に、当該レーザビームを受光する受光面を含む。5つの位置のうちの1つの位置は、集光レンズから出射されたレーザビームの光軸と受光面との交点の位置であり、残りの4つの位置は、交点を中心点とする予め定められた半径の円における円周上に等間隔に並んだ4つの点の各位置である。
【0019】
好ましくは、制御装置は、円周上に等間隔に並んだ4つの点の各位置における強度に基づいて、変換素子の位置を制御する。
【0020】
好ましくは、制御装置は、交点の位置における強度と、変換素子の位置を制御した後の、円周上に等間隔に並んだ4つの点の各位置における強度とに基づいて、ビーム径の設定を制御する。
【0021】
本発明の他の局面に従うと、レーザビーム照射方法は、レーザビームのビーム径を予め定められた範囲内の倍率のビーム径に設定可能なビームエキスパンダを備えたレーザビーム照射装置におけるレーザビーム照射方法であって、レーザビームを発振するステップと、レーザビームの強度分布を、変換素子を用いて変換するステップと、強度分布が変換されたレーザビームを、複数本のレーザビームに分岐するステップと、複数本のレーザビームを、集光レンズを用いて被照射物の被照射面に集光するステップと、記集光レンズから出射した複数本のレーザビームのうち、少なくとも1本のレーザビームのビームプロファイルを測定するステップと、測定されたビームプロファイルが、記憶装置に予め格納された基準となるビームプロファイルとなるように、変換素子の位置と、ビームエキスパンダによるビーム径の設定とを制御するステップとを備える。
【発明の効果】
【0022】
本発明によると、ポインティングスタビリティおよびビーム径の変動に対応可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】レーザビーム照射装置の概略構成を示した図である。
【図2】制御装置が強度を算出するビームプロファイルにおける5つの位置を説明するための図である。
【図3】光軸が第1の方向に変動したときにビームプロファイラにより測定されるレーザビームのビームプロファイルを説明するための図である。
【図4】光軸が第1の方向とは反対方向の第2の方向に変動したときにビームプロファイラにより測定されるレーザビームのビームプロファイルを示した図である。
【図5】ビーム径が基準となるビーム径よりも小さくなったときにビームプロファイラにより測定されるレーザビームのビームプロファイルを説明するための図である。
【図6】ビーム径が基準となるビーム径よりも大きくなったときにビームプロファイラにより測定されるレーザビームのビームプロファイルを説明するための図である。
【図7】レーザビーム照射装置における処理の流れを示したフローチャートである。
【図8】レーザビームのビームプロファイルがガウス分布型となる場合における、強度変換素子の位置とビーム径の設定とを説明するための図である。
【図9】制御装置が強度を算出するビームプロファイルにおける5つの位置の他の例を説明するための図である。
【図10】レーザビーム照射装置の変形例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0025】
図1は、レーザビーム照射装置の概略構成を示した図である。図1を参照して、レーザビーム照射装置1は、レーザ発振器11と、ビームエキスパンダ12と、ミラー13と、強度変換素子14(第2の回折光学素子)と、DOE15(第1の回折光学素子)と、スキャンミラー16と、集光レンズ17と、ビームプロファイラ18(測定装置)と、記憶装置19と、制御装置20と、を備えている。
【0026】
レーザビーム照射装置1は、被照射物91に対してレーザビームを照射する。なお、被照射物91としては、たとえば、太陽電池のシリコン基板などが挙げられる。
【0027】
レーザ発振器11は、ビームエキスパンダ12に向けて、レーザビームを発振する。レーザ発振器11としては、たとえば、CO2レーザ、YAGレーザ、エキシマレーザなどがある。各レーザは、互いに、出力や、レーザビームの波長が相違する。また、CO2レーザおよびYAGレーザのレーザビームが連続波であるのに対して、エキシマレーザのレーザビームがパルス波である点において、CO2レーザおよびYAGレーザと、エキシマレーザとは異なる。
【0028】
なお、レーザ発振器11が、上記いずれのレーザであるかに応じて、強度変換素子14、DOE15などの、レーザ発振器11の下流に載置する光学素子の材質、DOE15の設計(構造)、後述するスキャンの速度が変わる。
【0029】
ビームエキスパンダ12は、制御装置20からの指示に基づき、上記レーザビームのビーム径を予め定められた範囲内の倍率のビーム径に設定する。つまり、ビームエキスパンダ12は、ビーム径可変型のビームエキスパンダである。ビームエキスパンダ12は、設定したビーム径を有するレーザビームをミラー13に送る。
【0030】
ビームエキスパンダ12について、より詳しく説明すると以下のとおりである。ビームエキスパンダ12は、ズーム式のビームエキスパンダである。ビームエキスパンダ12は、複数のレンズ121、122、123を備えている。レーザビームは、レンズ121、レンズ122、レンズ123をこの順に通過する。
【0031】
レンズ122は、矢印129で示す方向(レーザビームの光軸方向)に移動可能となるように設置されている。ビームエキスパンダ12は、制御装置20からの指示に基づき、レンズ122を矢印129で示す方向に移動する。ビームエキスパンダ12は、当該移動により、ビームエキスパンダ12に入射したレーザビームのビーム径を変更する。ビームエキスパンダ12は、当該ビーム径を変更した後のレーザビームをレンズ123から出射する。
【0032】
詳細については後述するが、ビームエキスパンダ12は、レーザ発振器11から発振したレーザビームのビーム径が変動したときに、当該ビーム径を一定にするために用いられる。
【0033】
ミラー13は、ビームエキスパンダ12から出射したレーザ光の進行方向を変更する。具体的には、ミラー13は、ビームエキスパンダ12から出射したレーザ光を反射し、当該レーザ光を強度変換素子14に入射させる。
【0034】
強度変換素子14は、ビームエキスパンダ12から出射したレーザビームの強度分布を変換する。より詳しくは、強度変換素子14は、レーザ発振器11が発振したレーザビームの位相を保持したまま、当該レーザビームの強度分布を予め定められた強度分布に変換する光学素子である。予め定められた強度分布とは、ビームプロファイルが、フラットトップ型のビームプロファイルや、ガウス分布型のビームプロファイルとなる強度分布である。なお、「ビームプロファイル」とは、レーザビームを断面で見たときの強度分布をグラフ化したものをいう。強度変換素子14は、たとえば、均一な強度のレーザビームを出射するDOE(以下、「均一照射DOE」と称する)、曲面ミラー、自在変形ミラーなどである。
【0035】
以下では、強度変換素子14が、均一照射DOEである場合を例に挙げて説明する。また、強度変換素子14が、レーザビームの強度分布を、ビームプロファイルがフラットトップ型となる強度分布に変換する構成を例に挙げて説明する。
【0036】
DOE15は、強度変換素子14から出射したレーザビームを、複数本のレーザビームに分岐する。つまり、DOE15は、分岐機能を有するDOEである。分岐した上記複数本のレーザビームは、スキャンミラー16に入射する。
【0037】
分岐後の各レーザビームの均一性が以降で述べるビームプロファイルのフィードバック機構において重要になる。強度変換素子14により理想的なビームプロファイル、例えば、理想的なフラットトップ分布に変換されたビームをDOE15に入射させることで複数の均一なビームプロファイルのレーザビームに分岐することができる。
【0038】
スキャンミラー16は、被照射物91(たとえば太陽電池のシリコン基板)などで点照射、または線照射する必要がある場合に用いられる。スキャンミラー16としては、たとえば、ガルバノミラーやポリゴンミラーなどを用いることができる。スキャンミラー16として、ガルバノミラーやポリゴンミラーなどを用いることにより、被照射物91上において高速な走査が可能となる。スキャンミラー16により反射した複数本のレーザビームは、集光レンズ17に入射する。
【0039】
集光レンズ17は、上記複数本のレーザビームを被照射物91の被照射面(たとえば、表面)に集光する。つまり、集光レンズ17は、上記複数に分岐した各レーザビームが、それぞれ被照射物91上で焦点を結ぶように設計されたものである。集光レンズ17としては、たとえば、fθレンズなどが用いられる。
【0040】
集光レンズ17を通過したレーザビームは、上述したように被照射物91上で焦点を結ぶが、複数に分岐されたうちの少なくとも1つのレーザビームは、ビームプロファイラ18に入射する。なお、以下では説明の便宜上、1つのレーザビームが、ビームプロファイラ18に入射するものとする。なお、ビームプロファイラ18に入射させる分岐したレーザビームの光軸は、静止している必要がある。
【0041】
ビームプロファイラ18は、集光レンズ17と被照射物91との間に設置されている。ビームプロファイラ18は、集光レンズ17から出射されたレーザビームの光軸と垂直な平面に、当該レーザビームを受光する受光面を備えている。ビームプロファイラ18は、複数に分岐されたうちの1つのレーザビームのビームプロファイルを測定する。より詳しくは、ビームプロファイラ18は、レーザビームの照射中に、上記1つのレーザビームを、その場観測(In−Sute測定)する。ビームプロファイラ18は、レーザビームを互いに垂直となる断面で見たときの2つのビームプロファイルを測定する。
【0042】
なお、レーザビーム照射装置1において、集光レンズ17とビームプロファイラ18の間に曲面レンズを挿入し、当該曲面レンズによって反射した分岐後のレーザビームをレーザプロファイルに入射させてもよい。
【0043】
記憶装置19は、基準となるビームプロファイルを予め格納している。
制御装置20は、フィードバック制御を行なう。具体的には、制御装置20は、ビームプロファイラ18によって測定されたビームプロファイルが、上記基準となるビームプロファイルとなるように、強度変換素子14の位置と、ビームエキスパンダ12によるビーム径の設定とを制御する。詳しくは、制御装置20は、強度変換素子に入射するレーザビームの光軸方向と垂直な方向に、強度変換素子14の位置を移動させる。つまり、制御装置20は、レーザビームの光軸方向と垂直となる面に沿って平行に、強度変換素子14を移動させる。また、制御装置20は、ビームエキスパンダ12にレンズ122の位置を移動させる。
【0044】
より具体的には、制御装置20は、分岐後の測定対象であるレーザビームについて、ビームプロファイラ18によって測定されたビームプロファイルに基づき、当該ビームプロファイルにおける少なくとも5つの位置の強度を算出する。さらに、制御装置20は、算出された強度に基づいて、強度変換素子14の位置とビーム径の設定とを制御する。
【0045】
なお、強度変換素子14の位置とビーム径の設定との具体的な制御方法については、後述する。また、以下では、説明の便宜上、制御装置20がビームプロファイルにおける5つの位置の強度を算出するものとする。
【0046】
なお、制御装置20がDOE15に入射する前の強度変換素子14でビームプロファイルと入射位置とをリアルタイムに補正(つまり、フードバック制御)することで、分岐後も各レーザビーム間で均一なビームプロファイルとなることが補償される。
【0047】
図2は、制御装置20が強度を算出するビームプロファイルにおける5つの位置を説明するための図である。図2を参照して、上記5つの位置のうちの1つの位置は、集光レンズ17から出射されたレーザビームの光軸とビームプロファイラ18の受光面181との交点P20の位置である。残りの4つの位置は、交点を中心点とする予め定められた半径の円における円周上に等間隔に並んだ4つの点P21〜P24の各位置である。
【0048】
ビームプロファイラ18が測定する1つ目のビームプロファイルは、点P20と点P21と点P23とを、ビームプロファイルの位置(図3等参照)に含むものである。ビームプロファイラ18が測定する2つ目のビームプロファイルは、点P20と点P22と点P24とを、ビームプロファイルの位置に含むものである。なお、点P21、点P20、および点P23を含む軸J1と、点P22、点P20、および点P24を含む軸J2とは、2次元空間において互いに独立である。つまり、軸J1と軸J2とは、2次元空間において互いに直交している。
【0049】
ところで、下流の光学系で回折等の光学現象を用いてレーザビームの分岐等を行なう場合、分岐されたレーザビームのビームプロファイルの均一性が保つためには、光学系上流でのレーザビーム品質管理が重要となる。しかしながら、レーザ発振器11から発振されるレーザビームは、光軸の位置を常に一定に保つことは難しく、当該位置は少なからず変動する。また、当該レーザビームのビーム径についても、常に一定を保つことは難しく、当該ビーム径は少なからず変動する。当該光軸の変動とビーム径の変動とにより、ビームプロファイラ18が測定するビームプロファイルは変動する。
【0050】
レーザビーム照射装置1は、上記光軸の変動に対応すべく、強度変換素子14の位置を移動させる。また、レーザビーム照射装置1は、上記ビーム径の変動に対応すべく、ビームエキスパンダ12のレンズ122を移動させる。
【0051】
図3は、光軸が第1の方向に変動したときにビームプロファイラ18により測定されるレーザビームのビームプロファイルを説明するための図である。図3(a)は、光軸の変動を説明するための図である。図3(b)は、光軸の変動後におけるレーザビームのビームプロファイルを示した図である。
【0052】
図3(a)を参照して、レーザビーム31の光軸32は、強度変換素子14の光軸33から図3(a)の上方向(第1の方向)にずれている。図3(b)を参照して、レーザビーム31の光軸32に対応する位置x2では、レーザビーム31の強度は「y2」となる。また、位置x2に関して互いに対象となる位置x1、x3では、それぞれ、レーザビーム31の強度は、「y1」、「y3」となる。ここで、光軸がずれているため、y1=y2=y3とはならず、y1>y2>y3となる。つまり、ビームプロファイルは、左肩上がりの形となる。
【0053】
なお、位置x2が、交点P20(図2参照)の位置であり、位置x1、x3が、たとえば、それぞれ点P21、P23の位置である。以下では、説明の便宜上、位置x1、x3がそれぞれ点P21、P23の位置であるとして説明する。
【0054】
図4は、光軸が第1の方向とは反対方向の第2の方向に変動したときにビームプロファイラ18により測定されるレーザビームのビームプロファイルを示した図である。図4(a)は、光軸の変動を説明するための図である。図4(b)は、光軸の変動後におけるレーザビームのビームプロファイルを示した図である。
【0055】
図4(a)を参照して、レーザビーム31の光軸32は、強度変換素子14の光軸33から図4(a)の下方向(第2の方向)にずれている。図4(b)を参照して、レーザビーム31の光軸32に対応する位置x2では、レーザビーム31の強度は「y5」となる。また、位置x2に関して互いに対象となる位置x1、x3では、それぞれ、レーザビーム31の強度は、「y4」、「y6」となる。ここで、光軸がずれているため、y4=y5=y6とはならず、y4<y5<y6となる。つまり、ビームプロファイルは、右肩上がりの形となる。
【0056】
図3および図4に示したとおり、レーザビーム31の光軸32が強度変換素子14の光軸33からずれると、測定されるビームプロファイルは、当該ずれの方向に応じた形となる。そこで、制御装置20は、上述した円周上に等間隔に並んだ4つの点P21〜P24(図2参照)の各位置における強度に基づいて、強度変換素子14の位置を制御する。
【0057】
図3および図4に基づき、より具体的に説明すると、以下のとおりである。まず、図2の点P22、P24に対応する位置の強度を、それぞれ、「ya」、「yb」とする。図3に基づけば、制御装置20は、y1=y3=ya=ybとなるように、強度変換素子14の位置を制御する。図4に基づけば、制御装置20は、y4=y6=ya=ybとなるように、強度変換素子14の位置を制御する。つまり、制御装置20は、強度変換素子14を移動させ、4つの点P21〜P24に対応する位置の強度を互いに等しくする。
【0058】
図5は、ビーム径が基準となるビーム径よりも小さくなったときにビームプロファイラ18により測定されるレーザビームのビームプロファイルを説明するための図である。図5(a)は、ビーム径の変動を説明するための図である。図5(b)は、ビーム径の変動後におけるレーザビームのビームプロファイルを示した図である。
【0059】
図5(a)を参照して、レーザビーム31のビーム径が、基準となるビーム径のレーザビーム51よりも、小さくなっている。なお、図5(a)は、レーザビーム31の光軸32と、レーザビーム51の光軸と、強度変換素子の光軸とは一致している状態を示している。
【0060】
図5(b)を参照して、レーザビーム31の光軸32に対応する位置x2では、レーザビーム31の強度は「y8」となる。また、位置x2に関して互いに対象となる位置x1、x3では、レーザビーム31の強度は、「y7」となる。ここで、ビーム径が基準となるビーム径よりも小さくなっているため、y1=y2=y3とはならず、y7<y8となる。つまり、ビームプロファイルは、トップハット型の上部(強度の高い部分)が、さらに膨らんだ形(凸状)となる。
【0061】
図6は、ビーム径が基準となるビーム径よりも大きくなったときにビームプロファイラ18により測定されるレーザビームのビームプロファイルを説明するための図である。図6(a)は、ビーム径の変動を説明するための図である。図6(b)は、ビーム径の変動後におけるレーザビームのビームプロファイルを示した図である。
【0062】
図6(a)を参照して、レーザビーム31のビーム径が、基準となるビーム径のレーザビーム51よりも、大きくなっている。なお、図6(a)は、レーザビーム31の光軸32と、レーザビーム51の光軸と、強度変換素子の光軸とは一致している状態を示している。
【0063】
図6(b)を参照して、レーザビーム31の光軸32に対応する位置x2では、レーザビーム31の強度は「y10」となる。また、位置x2に関して互いに対象となる位置x1、x3では、レーザビーム31の強度は、「y9」となる。ここで、ビーム径が基準となるビーム径よりも大きくなっているため、y1=y2=y3とはならず、y9>y10となる。つまり、ビームプロファイルは、トップハット型の上部(強度の高い部分)が、へこんだ形(凹状)となる。
【0064】
図5および図6に示したとおり、レーザビーム31のビーム径が基準となるビーム径からずれると、測定されるビームプロファイルは、当該ずれに応じた形となる。そこで、制御装置20は、交点P20の位置における強度と、強度変換素子14の位置を制御した後の、上記4つの点P21〜P24の各位置における強度とに基づいて、ビーム径を制御する。
【0065】
図5および図6に基づき、より具体的に説明すると、以下のとおりである。まず、図2の点P22、P24に対応する位置の強度を、それぞれ、「yc」、「yd」とする。なお、yc=ydである。図5に基づけば、制御装置20は、y7=y8=yc=ydとなるように、ビーム径を制御する。図6に基づけば、制御装置20は、y9=y10=yc=ydとなるように、ビーム径を制御する。つまり、制御装置20は、交点P20の位置における強度と、強度変換素子14の位置を制御した後の、上記4つの点P21〜P24の各位置における強度とが同じになるように、ビーム径を制御する。
【0066】
図7は、レーザビーム照射装置1における処理の流れを示したフローチャートである。図7を参照して、ステップS1において、レーザ発振器11は、レーザビームを発振する。ステップS3において、強度変換素子14は、レーザビームの強度分布を変換する。ステップS5において、EOD15は、強度分布が変換されたレーザビームを、複数本のレーザビームに分岐する。
【0067】
ステップS7において、集光レンズ17は、複数本のレーザビームを、被照射物91の被照射面に集光する。ステップS9において、ビームプロファイラ18は、集光レンズ17から出射した複数本のレーザビームのうち、1本のレーザビームのビームプロファイルを測定する。ステップS11において、制御装置20は、測定されたビームプロファイルが、記憶装置に予め格納された基準となるビームプロファイルとなるように、強度変換素子14の位置と、ビームエキスパンダ12によるビーム径の設定とを制御する。
【0068】
ステップS13において、制御装置20は、レーザビームの発振を終了させる指示を受け付けたか否かを判断する。当該指示は、たとえば、ユーザによる入力指示である。あるいは、当該指示は、他の装置(図示せず)からの指示である。あるいは、当該指示は、制御装置20内で実行されるレーザビーム照射に関する制御プログラムが所定のイベントを発生させた場合における当該イベントである。
【0069】
指示を受け付けたと判断した場合(ステップS13においてYES)、レーザビーム照射装置1は、一連の処理を終了する。指示を受け付けていないと判断した場合(ステップS13においてNO)、制御装置20は、処理をステップS9に進める。
【0070】
以上のような構成をレーザビーム照射装置1が採ることにより、レーザビーム照射装置1は、ポインティングスタビリティおよびビーム径の変動に対応可能となる。それゆえ、レーザビーム照射装置1は、空間的、時間的に安定した多分岐のレーザビームを被照射物に照射することができる。したがって、レーザビーム照射装置1を用いることにより、従来に比べ、品質の高い処理(たとえば、多数点での熱処理、溶接などの加工)を実現できる。なお、これらの効果は、特に、多階調のDOEを用いた場合に効果が大きい。多階調のDOEでは、入射光軸の位置ずれにビーム品質が大きく影響を受けるためである。
【0071】
上記においては、強度変換素子14が、レーザビームの強度分布を、ビームプロファイルがフラットトップ型となる強度分布に変換する構成を例に挙げて説明した。以下では、強度変換素子14がレーザビームの強度分布を、ビームプロファイルがガウス分布型となる強度分布に変換する構成について説明する。
【0072】
図8は、レーザビームのビームプロファイルがガウス分布型となる場合における、強度変換素子14の位置とビーム径の設定とを説明するための図である。図8を参照して、実線で示した曲線は、ビームプロファイラ18によって測定されたレーザビーム31のビームプロファイルである。また、破線で示した曲線は、記憶装置19に予め格納されている基準となるビームプロファイルである。
【0073】
なお、位置x5では、レーザビーム31の強度は「y12」となる。また、位置x5に関して互いに対象となる位置x4、x6では、それぞれ、レーザビーム31の強度は、「y11」、「y13」となる。
【0074】
制御装置20は、位置x4における強度y11と、位置x6における強度y13とが同じ値となるように、強度変換素子14の位置を移動させる。また、制御装置20は、位置x5における強度y12が、基準となるビームプロファイルにおける強度のピーク値となるように、ビームエキスパンダ12によるビーム径の設定を制御する。
【0075】
ところで、上記においては、強度変換素子14が均一照射DOEである場合を例に挙げて説明した。たとえば、上述したように、強度変換素子14を自在変形ミラーで構成してもよい。自在変形ミラーは、予め定められた可動範囲でミラー面の形状を任意に変形することができる。このたため、自在変形ミラーは、当該ミラーによる反射光を所望のビームプロファイルに変換することができる。
【0076】
さらに、自在変形ミラーでは、ビームプロファイルの微小な歪みも加えて補正することができる。なお、自在変形ミラーには、代表的なものとして、静電容量型、ピエゾアクチュエータ型、空圧型がある。静電容量型の自在変形ミラーは、応答速度が速く、小型化も可能である。ピエゾアクチュエータ型の自在変形ミラーは、応答速度は速いが、大型(ビーム径も大きいものになる)となる。空圧型の自在変形ミラーは、水冷であり、大出力レーザの使用が可能である。しかしながら、空圧型の自在変形ミラーは、大型で応答速度も高速ではない。このため、レーザビーム照射装置1には、高速応答性のある静電容量型か、あるいはピエゾアクチュエータ型の自在変形ミラーが好適である。
【0077】
また、レーザビーム照射装置1は、自在変形ミラーを用いる場合、自在変形ミラーの鏡面を変形することにより、ビームプロファイルの細かい凹凸を補正することができる。レーザビーム照射装置1は、曲面の状態をリアルタイムに制御することで、時間変動の小さい品質の高いレーザビームが得られる。
【0078】
ところで、上記においては、1つのレーザビームが、ビームプロファイラ18に入射する構成を例に挙げて説明した。このような構成とした理由は、複数に分岐後のレーザビームのビームプロファイルは、分岐前(DOE15への入射光)のビームプロファイルが理想的な分布であれば同一のビームプロファイルとなるためである。
【0079】
ただし、複数のレーザビームを、ビームプロファイラ18に入射させるように、レーザビーム照射装置1を構成してもよい。この場合には、複数のレーザビームにのうち1つのレーザビームのビームプロファイルを評価すればよい。あるいは、各レーザビームについてのビームプロファイルが異なる場合、複数の測定結果を平均化したデータを用いて、上記フィードバック制御を行えばよい。
【0080】
ところで、上記においては、制御装置20が強度を算出するビームプロファイルにおける5つの位置を、図2に基づいて説明した。しかしながら、当該5つの位置は、図2に示した位置に限定されるものではない。
【0081】
図9は、制御装置20が強度を算出するビームプロファイルにおける5つの位置の他の例を説明するための図である。図9を参照して、点P21、点P20、および点P23を含む軸J1と、点P22A、点P20、および点P24Aを含む軸J3とは、2次元空間において互いに独立である。点P20と点P21との距離と、点P20と点P23との距離は同じである。点P20と点P22Aとの距離と、点P20と点P24Aとの距離は同じである。
【0082】
このように、2つの軸J1、J3が2次元空間において互いに独立であって、かつ各軸上の点(点P20を除く)が点P20から等距離であれば、レーザビーム照射装置1は、図2に基づいて説明した場合と同様の効果を得ることができる。
【0083】
図10は、レーザビーム照射装置の変形例を示した図である。図10を参照して、レーザビーム照射装置1Aは、レーザ発振器11と、ビームエキスパンダ12と、ミラー13と、強度変換素子14(第2の回折光学素子)と、DOE15(第1の回折光学素子)と、集光レンズ17と、ビームプロファイラ18(測定装置)と、記憶装置19と、制御装置20と、可動ステージ21とを備えている。
【0084】
すなわち、レーザビーム照射装置1Aは、可動ステージ21を備えている点において、レーザビーム照射装置1(図1参照)とは異なる。また、レーザビーム照射装置1Aは、スキャンミラー16を備えていない点において、レーザビーム照射装置1とは異なる。
【0085】
可動ステージ21には、被照射物91が載置される。可動ステージ21は、レーザビームの光軸に対して垂直となる面に沿って、平行に移動する。
【0086】
レーザビーム照射装置1は、スキャンミラー16により走査を行なったが、レーザビーム照射装置1Aは、可動ステージ21を移動することにより走査を行なう。
【0087】
制御装置20による制御方法は、レーザビーム照射装置1と同じであるため、ここでは説明を繰り返さない。
【0088】
このような構成を有するレーザビーム照射装置1Aでも、レーザビーム照射装置1と同様の効果を得ることができる。
【0089】
今回開示された実施の形態は例示であって、上記内容のみに制限されるものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0090】
1 レーザビーム照射装置、1A レーザビーム照射装置、11 レーザ発振器、12 ビームエキスパンダ、13 ミラー、14 強度変換素子、16 スキャンミラー、17 集光レンズ、18 ビームプロファイラ、19 記憶装置、20 制御装置、21 可動ステージ、31 レーザビーム、32 光軸、33 光軸、51 レーザビーム、91 被照射物、121 レンズ、122 レンズ、123 レンズ、181 受光面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザビームを発振するレーザ発振器と、
前記レーザビームのビーム径を、予め定められた範囲内の倍率のビーム径に設定可能なビームエキスパンダと、
前記ビームエキスパンダから出射したレーザビームの強度分布を変換する変換素子と、
前記変換素子から出射したレーザビームを、複数本のレーザビームに分岐する第1の回折光学素子と、
前記複数本のレーザビームを被照射物の被照射面に集光する集光レンズと、
前記集光レンズから出射した前記複数本のレーザビームのうち、少なくとも1本のレーザビームのビームプロファイルを測定する測定装置と、
基準となるビームプロファイルを格納した記憶装置と、
前記測定されたビームプロファイルが、前記基準となるビームプロファイルとなるように、前記変換素子の位置と、前記ビームエキスパンダによる前記ビーム径の設定とを制御する制御装置とを備える、レーザビーム照射装置。
【請求項2】
前記変換素子は、第2の回折光学素子であって、
前記制御装置は、前記変換素子に入射する前記レーザビームの光軸方向と垂直な方向に、前記第2の回折光学素子の位置を移動させる、請求項1に記載のレーザビーム照射装置。
【請求項3】
前記制御装置は、
前記分岐後の測定対象である各前記レーザビームについて、前記測定装置によって測定されたビームプロファイルに基づき、当該ビームプロファイルにおける少なくとも5つの位置の強度を算出し、
当該算出された各前記強度に基づいて、前記変換素子の位置と前記ビーム径の設定とを制御する、請求項1または2に記載のレーザビーム照射装置。
【請求項4】
前記測定装置は、前記集光レンズから出射されたレーザビームの光軸と垂直な平面に、当該レーザビームを受光する受光面を含み、
前記5つの位置のうちの1つの位置は、前記集光レンズから出射されたレーザビームの光軸と前記受光面との交点の位置であり、残りの4つの位置は、前記交点を中心点とする予め定められた半径の円における円周上に等間隔に並んだ4つの点の各位置である、請求項3に記載のレーザビーム照射装置。
【請求項5】
前記制御装置は、前記円周上に等間隔に並んだ4つの点の各位置における前記強度に基づいて、前記変換素子の位置を制御する、請求項4に記載のレーザビーム照射装置。
【請求項6】
前記制御装置は、前記交点の位置における前記強度と、前記変換素子の位置を制御した後の、前記円周上に等間隔に並んだ4つの点の各位置における前記強度とに基づいて、前記ビーム径の設定を制御する、請求項5に記載のレーザビーム照射装置。
【請求項7】
レーザビームのビーム径を予め定められた範囲内の倍率のビーム径に設定可能なビームエキスパンダを備えたレーザビーム照射装置におけるレーザビーム照射方法であって、
前記レーザビームを発振するステップと、
前記レーザビームの強度分布を、変換素子を用いて変換するステップと、
前記強度分布が変換されたレーザビームを、複数本のレーザビームに分岐するステップと、
前記複数本のレーザビームを、集光レンズを用いて被照射物の被照射面に集光するステップと、
前記集光レンズから出射した前記複数本のレーザビームのうち、少なくとも1本のレーザビームのビームプロファイルを測定するステップと、
前記測定されたビームプロファイルが、記憶装置に予め格納された基準となるビームプロファイルとなるように、前記変換素子の位置と、前記ビームエキスパンダによる前記ビーム径の設定とを制御するステップとを備える、レーザビーム照射方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−118116(P2011−118116A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−274635(P2009−274635)
【出願日】平成21年12月2日(2009.12.2)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】