説明

レーザマーキング装置

【課題】 マーキングの処理効率を高めることができるレーザマーキング装置を提供する。
【解決手段】 レーザ光をマーク付与領域18に向けて照射するためのレーザマーカ6と、ワーク22をマーク付与領域18に搬送してこれを反転させるための反転ユニット8と、を備える。ワーク22が搬送される搬送路34にはマーク付与領域18が位置されている。ワーク22が搬送路34を通してマーク付与領域18に搬送されると、レーザマーカ6からのレーザ光がワーク22の片面に照射されてマークが付与され、その後、反転ユニット本体24が反転手段58により反転されることによってワーク22が反転され、レーザマーカ6からのレーザ光がワーク22の他面に照射されてマークが付与される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばプリント配線基板などの平板状のワークの両面に、レーザ光によりマーキングを施すためのレーザマーキング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリント配線基板の製造ラインでは、各工程で処理対象のプリント配線基板の種類や型式などを確認できるように、予めプリント配線基板の所定箇所にその種類情報や型式情報などを示すマークがレーザ光により付与(マーキング)される。特に、両面に電子部品が実装されるタイプのプリント配線基板では、プリント配線基板の両面にレーザ光によりマーキングが施される。
【0003】
このようなレーザ光によるマーキングには、レーザマーキング装置が用いられている(例えば、特許文献1参照)。従来のレーザマーキング装置は、レーザ光を照射するためのレーザ照射装置と、このレーザ照射装置の後工程に設置され、プリント配線基板を反転させるための反転装置と、を備えている。
【0004】
このレーザマーキング装置を用いたマーキングは、次のようにして行われる。プリント配線基板がレーザ照射装置のマーク付与領域に搬送されると、レーザ照射装置からのレーザ光がプリント配線基板の片面に照射されてマーキングが施される。その後、プリント配線基板は反転装置に搬送され、この反転装置によってプリント配線基板の上下が反転される。更にその後、反転されたプリント配線基板がレーザ照射装置のマーク付与領域に再び搬送され、レーザ照射装置からのレーザ光がプリント配線基板の他面に照射されてマーキングが施される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−83909号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述のような従来のレーザマーキング装置では、次のような問題がある。プリント配線基板の片面にマーキングを施してから、プリント配線基板を反転させてその他面にマーキングを施すまでに、プリント配線基板をレーザ照射装置と反転装置との間を往復移動させなければならないため、プリント配線基板の搬送距離が長くなる。このため、プリント配線基板を反転させるのに要する時間が長くなり、マーキングの処理効率が低下してしまう。
【0007】
本発明の目的は、マーキングの処理効率を高めることができるレーザマーキング装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1に記載のレーザマーキング装置では、平板状のワークの両面にレーザ光によりマークを付与するためのレーザマーキング装置であって、
マーク情報を有するレーザ光をマーク付与領域に向けて照射するためのレーザマーカと、前記ワークを前記マーク付与領域に搬送してこれを反転させるための反転ユニットと、を備え、前記反転ユニットは、前記ワークが搬送される搬送路を有する反転ユニット本体と、前記ワークを前記搬送路を通して搬送するための搬送手段と、前記反転ユニット本体を反転させるための反転手段と、を備え、前記搬送路には前記マーク付与領域が位置されており、
前記ワークが前記搬送手段により前記搬送路を通して前記マーク付与領域に搬送されると、前記レーザマーカからのレーザ光が前記ワークの片面に照射されてマークが付与され、その後、前記反転ユニット本体が前記反転手段により反転されることによって前記ワークが反転され、前記レーザマーカからのレーザ光が前記ワークの他面に照射されてマークが付与されることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項2に記載のレーザマーキング装置では、前記搬送路の上流側又は下流側には、前記反転ユニット本体の反転時に前記ワークの移動を阻止する移動阻止手段が設けられ、前記移動阻止手段は、前記ワークの上流側端部又は下流側端部に作用する作用位置と、前記ワークの前記上流側端部又は前記下流側端部に対する作用が解除される解除位置との間を移動自在に構成されており、
前記反転ユニット本体が前記反転手段により反転されるときには、前記移動阻止手段が前記解除位置から前記作用位置に移動され、これによって前記ワークの前記上流側端部又は前記下流側端部が前記作用位置にある前記移動阻止手段に作用されることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項3に記載のレーザマーキング装置では、前記反転ユニット本体に関連して、前記反転ユニット本体を第1の方向に往復移動させるための第1の移動手段と、前記反転ユニット本体を前記第1の方向に垂直な第2の方向に往復移動させるための第2の移動手段とが設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の請求項1に記載のレーザマーキング装置によれば、マーク付与領域が反転ユニット本体の搬送路に位置されているので、ワークの片面にマーキングを施した後に、ワークがマーク付与領域に保持された状態で反転ユニット本体を反転させることにより、ワークの他面にマーキングを施すことができる。従って、ワークを反転させるのに要する時間を短縮することができ、マーキングの処理効率を高めることができる。
【0012】
また、本発明の請求項2に記載のレーザマーキング装置によれば、搬送路の上流側又は下流側に移動阻止手段が設けられているので、反転ユニット本体の反転時において、ワークの上流側端部又は下流側端部は作用位置にある移動阻止手段に支持されるようになり、ワークをマーク付与領域に確実に保持させることができる。
【0013】
また、本発明の請求項3に記載のレーザマーキング装置によれば、第1の移動手段を移動させることによって、マーク付与領域に搬送されたワークを第1の方向に往復移動させることができ、また、第2の移動手段を移動させることによって、マーク付与領域に搬送されたワークを第1の方向に垂直な第2の方向に往復移動させることができる。これにより、ワークの水平方向に対する位置合わせを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態によるレーザマーキング装置を示す斜視図である。
【図2】図1の反転ユニットを示す斜視図である。
【図3】プリント配線基板の反転前における図1のレーザマーキング装置を簡略的に示す説明図である。
【図4】プリント配線基板の反転中における図1のレーザマーキング装置を簡略的に示す説明図である。
【図5】プリント配線基板の反転後における図1のレーザマーキング装置を簡略的に示す説明図である。
【図6】図1のレーザマーキング装置によるマーキング処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】本発明の他の実施形態によるレーザマーキング装置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して、本発明に従うレーザマーキング装置の一実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態によるレーザマーキング装置を示す斜視図であり、図2は、図1の反転ユニットを示す斜視図であり、図3は、プリント配線基板の反転前における図1のレーザマーキング装置を簡略的に示す説明図であり、図4は、プリント配線基板の反転中における図1のレーザマーキング装置を簡略的に示す説明図であり、図5は、プリント配線基板の反転後における図1のレーザマーキング装置を簡略的に示す説明図であり、図6は、図1のレーザマーキング装置によるマーキング処理の流れを示すフローチャートである。
【0016】
図1を参照して、本実施形態のレーザマーキング装置2は基台4を備え、この基台4の上端部には、レーザマーカ6及び反転ユニット8が設けられている。また、基台4の下端部の四隅にはそれぞれ、基台4を支持するための支持脚10が設けられている。以下、レーザマーキング装置2の構成について詳細に説明する。
【0017】
レーザマーカ6は、レーザマーカ本体部12と、レーザマーカ本体部12の先端部に設けられた照射部14と、を備えている。レーザマーカ本体部12は、基台4の上面に支持された支柱16の上端部に取り付けられ、その先端部は支柱16の上端部から実質上水平方向に延びている。これにより照射部14は、反転ユニット8に形成されたマーク付与領域18(後述する)の上方に配設される。
【0018】
また、レーザマーカ6に関連して、カメラユニット15が設けられている。カメラユニット15は、基台4の上方に配設されたXテーブル17と、Xテーブル17の上面に往復移動自在に支持されたYテーブル19と、Yテーブル19の側面に往復移動自在に支持された画像処理検査用のCCDカメラ20と、を備えている。Xテーブル17はX方向(図1において左右方向)に延び、駆動モータ(図示せず)によって、Yテーブル19をXテーブル17に対してX方向に往復移動させるように構成されている。また、Yテーブル19はY方向(図1において前後方向)に延び、駆動モータ(図示せず)によって、CCDカメラ20をYテーブル19に対してY方向に往復移動させるように構成されている。従って、これらXテーブル17及びYテーブル19によって、CCDカメラ20をマーク付与領域18の上方においてX方向及びY方向に移動させることができ、マーク付与領域18に搬送された平板状のワーク、本実施形態ではプリント配線基板22がこのCCDカメラ20により撮像される。撮像された画像データは画像処理検査装置(図示せず)に送られ、この画像処理検査装置では、撮像されたプリント配線基板22の画像に基づいて、プリント配線基板22に付与されたマーク(図示せず)の良否、例えばマークの配置や印字状態などが検査される。
【0019】
図2を参照して、反転ユニット8は反転ユニット本体24を備えている。この反転ユニット本体24は、基台4の上面に間隔を置いて支持された略L字状の一対の本体フレーム26と、各本体フレーム26の内面に回転自在に支持された一対の回転フレーム28と、各回転フレーム28の内面に固定的に支持された一対の第1及び第2支持フレーム30,32と、を有している。一対の第1及び第2支持フレーム30,32は、それらの内面が対向されるようにして配設されており、またそれらの間には、プリント配線基板22が搬送される搬送路34が形成されている。搬送路34の中央部には、照射部14からのレーザ光が照射されるマーク付与領域18が位置されている。また、一対の本体フレーム26はそれぞれカバー部材36によって覆われている(図1参照)。なお、図2では、カバー部材36の図示は省略してある。
【0020】
第1及び第2支持フレーム30,32の内面にはそれぞれ、プリント配線基板22を搬送路34を通して搬送するための第1及び第2コンベヤ38,40(搬送手段を構成する)が設けられている。第1コンベヤ38は、第1支持フレーム30の内面に回転自在に支持された一対の第1ローラ42と、一対の第1ローラ42の間に架け渡された無端状の第1搬送ベルト44と、第1支持フレーム30の外面に設けられ、一対の第1ローラ42をそれぞれ回転させるための第1モータ46とから構成されている。また、第2コンベヤ40は、第2支持フレーム32の内面に回転自在に支持された一対の第2ローラ48と、一対の第2ローラ48に架け渡された無端状の第2搬送ベルト50と、第2支持フレーム32の外面に設けられ、一対の第2ローラ48をそれぞれ回転させるための第2モータ52とから構成されている。第1及び第2支持フレーム30,32の内面にはそれぞれ、実質上水平方向に延びる第1及び第2ガイド部54,56が設けられ、これら第1及び第2ガイド部54,56にはそれぞれ第1及び第2搬送ベルト44,50が移動自在にガイドされる。
【0021】
第1モータ46が回転されると、第1モータ46の回転が一方の第1ローラ42に伝達されてこの第1ローラ42が図3中の矢印Pで示す方向に回転され、これにより第1搬送ベルト44が図3中の矢印で示す方向Qに回転移動される。また、第2モータ52が回転されると、第2モータ52の回転が一方の第2ローラ48に伝達されてこの第2ローラ48が図3中の矢印Rで示す方向に回転され、これにより第2搬送ベルト50が図3中の矢印Sで示す方向に回転移動される。プリント配線基板22の両側端部がそれぞれ一対の第1搬送ベルト44(又は一対の第2搬送ベルト50)に支持された状態で、一対の第1搬送ベルト44(又は一対の第2搬送ベルト50)が同期して回転移動されることにより、プリント配線基板22が搬送路34をその下流側から上流側に向けて搬送される。
【0022】
また、反転ユニット8には、一対の第1及び第2支持フレーム30,32をそれぞれ上下に反転させるための反転機構58(反転手段を構成する)が設けられている。この反転機構58は、モータ60と、モータ60の出力軸(図示せず)に駆動連結された駆動軸62と、駆動軸62の回転を一対の回転フレーム28にそれぞれ伝達させるための一対の回転伝達機構64と、を備えている。回転伝達機構64は、駆動軸62に取り付けられた駆動プーリ66と、回転フレーム28の支持軸(図示せず)に駆動連結された従動プーリ68と、これら駆動プーリ66と従動プーリ68との間に架け渡された無端状の伝達ベルト70とから構成されている。なお、モータ60、駆動軸62及び一対の駆動プーリ66はそれぞれ基台4の内部に配設されている。
【0023】
モータ60が正方向(又は逆方向)に回転されると、図2中の実線の矢印(又は一点鎖線の矢印)で示すように、モータ60の回転が駆動軸62を介して一対の駆動プーリ66にそれぞれ伝達され、更にその回転が伝達ベルト70を介して一対の従動プーリ68にそれぞれ伝達される。これにより一対の回転フレーム28とともに一対の第1及び第2支持フレーム30,32がそれぞれ図2中の矢印T(又は矢印U)で示すように同期して約180°回転され、一対の第1及び第2支持フレーム30,32の上下が反転される。
【0024】
また、搬送路34の下流側には移動阻止手段72が配設されている。この移動阻止手段72は、ブロック体74と、ブロック体74を移動させるための伸縮自在のシリンダ機構76と、を備えている。シリンダ機構76は一対の第1支持フレーム30の間に支持されており、これにより移動阻止手段72は、一対の第1及び第2支持フレーム30,32と一体的に回転される。シリンダ機構76が伸長されると、ブロック体74は搬送路34内に突出して、マーク付与領域18に搬送されたプリント配線基板22の下流側端部(即ち、搬送路34の下流側に位置される端部)に作用する作用位置(図3において実線で示す)に移動される。また、シリンダ機構76が収縮されると、ブロック体74は搬送路34から後退して、マーク付与領域18に搬送されたプリント配線基板22の下流側端部に対する作用が解除される解除位置(図3において一点鎖線で示す)に移動される。なお、搬送路34には、プリント配線基板22の下流側端部がブロック体74に接触したことを検知するための基板検知センサ(図示せず)が配設されている。
【0025】
なお、プリント配線基板22の製造ラインにおいて、レーザマーキング装置2の上流側には、マーキング処理前の複数枚のプリント配線基板22を収容するためのローダ(図示せず)が配設され、またその下流側には、マーキング処理後のプリント配線基板22を順に回収するためのアンローダ(図示せず)が配設されている。
【0026】
次に、図3〜図6をも参照して、本実施形態のレーザマーキング装置2によるマーキング処理の流れについて説明する。マーキング処理前においては、第1支持フレーム30が下側に、第2支持フレーム32が上側に位置付けられるようにして、回転フレーム28の回転角度位置が保持されている。マーキング処理が開始されると(ステップS1)、第1及び第2コンベヤ38,40が作動され(ステップS2)、ブロック体74が解除位置から作動位置に移動される(ステップS3)。ローダより送り出されたプリント配線基板22は、第1コンベヤ38により搬送路34を通してマーク付与領域18に搬送される(ステップS4)(図3参照)。
【0027】
プリント配線基板22の下流側端部がブロック体74に接触すると、基板検知センサからの検知信号に基づいて、第1及び第2コンベヤ38,40の作動が停止される(ステップS5,S6)。その後、レーザマーカ6の照射部14からのレーザ光がプリント配線基板22の片面の所定箇所に照射され(ステップS7)、プリント配線基板22のマーク情報(例えば種類情報や型式情報など)を示すマークが付与される。マーキングが終了すると、CCDカメラ20によってプリント配線基板22が撮像され、画像処理検査装置では、プリント配線基板22に付与されたマークの良否が検査される(ステップS8,S9)。
【0028】
その後、モータ60が作動することにより(ステップS10)、一対の第1及び第2支持フレーム30,32が図4中の矢印Vで示す方向に回転される(ステップS11)(図4参照)。一対の第1及び第2支持フレーム30,32が約180°回転されると、モータ60の作動が停止され(ステップS12,S13)、プリント配線基板22の上下が反転される(図5参照)。この反転時、プリント配線基板22の下流側端部はブロック体74によって下方より支持されるようになるので、プリント配線基板22は、搬送路34から落下することなくマーク付与領域18に保持される。
【0029】
プリント配線基板22の反転後、レーザマーカ6によって上述と同様にしてプリント配線基板22の他面にマーキングが施される(ステップS14)。マーキングの終了後、モータ60が再び作動することにより(ステップS15,S16)、一対の第1及び第2支持フレーム30,32が図4中の矢印Wで示す方向に回転される(ステップS17)。一対の第1及び第2支持フレーム30,32が約180°回転されると、モータ60の作動が停止され(ステップS18,S19)、プリント配線基板22の上下が再び反転されて元の状態(図3参照)となる。更にその後、ブロック体74が作用位置から解除位置に移動され(ステップS20)、第1及び第2コンベヤ38,40が作動される(ステップS21)。これにより、プリント配線基板22は第1コンベヤ38によって搬送路34を通してレーザマーキング装置2の下流側に搬送され(ステップS22)、アンローダによって回収される。
【0030】
その後、マーキング処理を継続して行う場合は、ステップS23からステップS3に戻る。マーキング処理を終了する場合は、第1及び第2コンベヤ38,40の作動が停止される(ステップS23,S24)。
【0031】
本実施形態のレーザマーキング装置2では、レーザマーカ6の照射部14が反転ユニット8の上方に配設され、マーク付与領域18が搬送路34に位置されているので、プリント配線基板22の片面にマーキングを施してから、プリント配線基板22を反転させてその他面にマーキングを施すまでの間に要する時間を短縮することができ、マーキングの処理効率を高めることができる。
【0032】
次に、図7を参照して、他の実施形態のレーザマーキング装置について説明する。図7は、本発明の他の実施形態によるレーザマーキング装置を示す斜視図である。なお、本実施形態において、上記実施形態と実質上同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0033】
本実施形態のレーザマーキング装置2Aでは、CCDカメラ20Aは、L字状の支持部材77を介して支柱16の上端部近傍に取り付けられている。反転ユニット8はベースプレート78の上面に支持されており、このベースプレート78の内部には、反転機構のモータ、駆動軸及び一対の駆動プーリ(図示せず)がそれぞれ配設されている。ベースプレート78は、上下に積み重ねられたXテーブル80(第1の移動手段を構成する)及びYテーブル82(第2の移動手段を構成する)を介して基台4の上端部に設置されている。Xテーブル80は基台4の上面に配設され、駆動モータ84によって基台4に対してX方向(第1の方向、図7において左右方向)に往復移動自在に構成されている。また、Yテーブル82は、Xテーブル80とベースプレート78との間に配設され、駆動モータ86によってXテーブル80に対してY方向(第1の方向に垂直な第2の方向、図7において前後方向)に往復移動自在に構成されている。
【0034】
従って、Xテーブル80をX方向に移動させることによって、マーク付与領域18に搬送されたプリント配線基板(図示せず)を基台4に対してX方向に往復移動させることができ、また、Yテーブル82をY方向に移動させることによって、マーク付与領域18に搬送されたプリント配線基板をXテーブル80に対してY方向に往復移動させることができる。これにより、プリント配線基板の水平方向に対する位置合わせを容易に行うことができる。
【0035】
以上、本発明に従うレーザマーキング装置の種々の実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能である。
【0036】
例えば、上記各実施形態では、移動阻止手段72を搬送路34の下流側に配設するようにしたが、一対の第1及び第2支持フレーム30,32を上述したのとは反対方向に回転させる場合には、搬送路34の上流側に配設するようにしてもよい。かかる場合には、ブロック体74が解除位置から作用位置に移動されると、プリント配線基板22の上流側端部(即ち、搬送路34の上流側に位置される端部)がブロック体74に作用される。
【0037】
また例えば、上記各実施形態では、モータ60の回転を伝達ベルト70を介して回転フレーム28に伝達させるように構成したが、回転フレーム28の回転軸にモータの出力軸を駆動連結させ、モータの回転を回転フレーム28に直接的に伝達させるように構成してもよい。
【符号の説明】
【0038】
2,2A レーザマーキング装置
6 レーザマーカ
8 反転ユニット
18 マーク付与領域
22 プリント配線基板
24 反転ユニット本体
34 搬送路
38 第1コンベヤ
40 第2コンベヤ
58 反転機構
72 移動阻止手段
80 Xテーブル
82 Yテーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板状のワークの両面にレーザ光によりマークを付与するためのレーザマーキング装置であって、
マーク情報を有するレーザ光をマーク付与領域に向けて照射するためのレーザマーカと、前記ワークを前記マーク付与領域に搬送してこれを反転させるための反転ユニットと、を備え、前記反転ユニットは、前記ワークが搬送される搬送路を有する反転ユニット本体と、前記ワークを前記搬送路を通して搬送するための搬送手段と、前記反転ユニット本体を反転させるための反転手段と、を備え、前記搬送路には前記マーク付与領域が位置されており、
前記ワークが前記搬送手段により前記搬送路を通して前記マーク付与領域に搬送されると、前記レーザマーカからのレーザ光が前記ワークの片面に照射されてマークが付与され、その後、前記反転ユニット本体が前記反転手段により反転されることによって前記ワークが反転され、前記レーザマーカからのレーザ光が前記ワークの他面に照射されてマークが付与されることを特徴とするレーザマーキング装置。
【請求項2】
前記搬送路の上流側又は下流側には、前記反転ユニット本体の反転時に前記ワークの移動を阻止する移動阻止手段が設けられ、前記移動阻止手段は、前記ワークの上流側端部又は下流側端部に作用する作用位置と、前記ワークの前記上流側端部又は前記下流側端部に対する作用が解除される解除位置との間を移動自在に構成されており、
前記反転ユニット本体が前記反転手段により反転されるときには、前記移動阻止手段が前記解除位置から前記作用位置に移動され、これによって前記ワークの前記上流側端部又は前記下流側端部が前記作用位置にある前記移動阻止手段に作用されることを特徴とする請求項1に記載のレーザマーキング装置。
【請求項3】
前記反転ユニット本体に関連して、前記反転ユニット本体を第1の方向に往復移動させるための第1の移動手段と、前記反転ユニット本体を前記第1の方向に垂直な第2の方向に往復移動させるための第2の移動手段とが設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のレーザマーキング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−194563(P2010−194563A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−40300(P2009−40300)
【出願日】平成21年2月24日(2009.2.24)
【出願人】(501020730)ワイエス株式会社 (5)
【Fターム(参考)】