説明

レーザーバーコードスキャナ及びそのスキャン方法

【課題】自動的にスキャン光線の強度及び幅を調整し、読取り効率を向上できるレーザーバーコードスキャナ及びスキャン方法の提供。
【解決手段】レーザーバーコードスキャナのスキャン方法は、光線距離測定方式で迅速にレーザーバーコードスキャナとバーコードの間の距離を測定し、且つ信号プロセッサで演算と信号変換を行い、自動的に回動装置の回動角度を調整し、自動的にレーザーバーコードスキャナが発射するスキャン光線の幅を調整するため、異なる距離で使用するとき、スキャン光線が距離の変化に伴って自動的に適切な強度及び幅に調整される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光線を用いた距離測定方式により、レーザーバーコードスキャナとバーコード間の距離を測定し、自動的にスキャン光線の幅を調整し、読み取り距離の増加を達成するレーザーバーコードスキャナ及びそのスキャン方法に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザーバーコードスキャナの動作原理は、主に、レーザーダイオード(Laser Diode)を利用してレーザー光源の光点を発生し、それを往復揺動可能な反射鏡またはプリズムに投射した後、光点から一本の光線に変え、製品のバーコードに照射し、さらにフォトダイオード(Photo Diode)でバーコードから反射して戻ってくる光線を検出し、且つ電子信号に変換してバーコードが表すデータを判別している。
【0003】
しかしながら、従来の反射鏡またはプリズムの揺動角度は一定であるため、スキャン光線の幅も一定である。一方、レーザーバーコードスキャナを使用してバーコードをスキャンするとき、使用状況の違いに伴ってバーコードとの間の距離も異なるが、スキャン光線の発光角度が一定であるため、レーザーバーコードスキャナとバーコード間の距離が遠くなればなるほど、そのスキャン光線の幅もそれに伴って大きくなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図7に従来のレーザーバーコードスキャナの使用状態を示す。図7に示すように、従来のレーザーバーコードスキャナ10で異なる距離(l1、l2)のバーコード20に対しスキャンを行うとき、そのスキャン光線30の幅(W1、W2)は反射鏡またはプリズムの揺動角度θに依存せず、図7から分かるように、レーザーバーコードスキャナ10とバーコード20の距離が遠いほど(l2>l1)、スキャン光線30の幅も大きくなり(W2>W1)、且つ、距離が近いスキャン光線30と比較すると、スキャン光線30の強度も相対して弱くなる。
【0005】
このためバーコード20のデータを判読することができないことがあり、距離が近すぎるスキャン光線30は消費電力、価格及び安全性の考慮等の状況がありえるため、従来のレーザーバーコードスキャナ10の読取り距離は制限される。
【0006】
そこで、本発明は、従来のレーザーバーコードスキャナがその使用時に距離の影響でスキャン光線の幅及び強度に影響し、読取り距離及び正確性に影響することさえあるという点に鑑みてなされたもので、その目的は、自動的にスキャン光線の強度及び幅を調整し、読取り効率を向上できるレーザーバーコードスキャナ及びそのスキャン方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係るレーザーバーコードスキャナのスキャン方法は、上記課題を解決するために、
第1手順の測距光線の発射では、第1光発射装置により反射鏡またはプリズムを介してバーコードに対して測距光線を発射し、前記測距光線の発射に対応する電子信号を信号プロセッサに出力し、
第2手順の測距光線の接受では、前記バーコードに当って反射された前記測距光線を第1光レシーバにより接受し、前記測距光線の接受に対応する電子信号を前記信号プロセッサに出力し、
第3手順の距離の演算及び信号変換では、前記信号プロセッサが前記第1光発射装置及び前記第1光レシーバから出力された前記各電子信号を接受した後、前記バーコードと前記レーザーバーコードスキャナ間の距離に関する距離データを演算し、前記距離データを両者の時間差を表す電子信号に変換し、
第4手順の揺動角度の定義では、前記時間差を表す電子信号を回動装置に入力した後、前記回動装置の回動の角度値を定義し、前記回動装置の往復回動角度を制御し、
第5手順のスキャン光線の発射では、前記第1光発射装置によりスキャンに用いる光線を発射して前記往復揺動する反射鏡またはプリズム上に投射し、前記バーコード上にスキャン光線を投射し、
第6手順のスキャン光線の接受では、前記バーコードに当って反射された前記スキャン光線を前記第1光レシーバにより接受し、前記バーコードのデータを読み取る、
という手順を含むことを特徴とする。
【0008】
請求項2に係るレーザーバーコードスキャナのスキャン方法は、請求項1に係るレーザーバーコードスキャナのスキャン方法において、前記スキャン光線の幅を、距離が遠くなるにつれて小さくすることを特徴とするものである。
【0009】
請求項3に係るレーザーバーコードスキャナは、通孔が形成された筐体と、前記筐体内に設置された回動装置と、前記回動装置上に設置され、前記回動装置に伴って往復回動することができる反射鏡またはプリズムと、前記反射鏡またはプリズムの後方に設置され、前記反射鏡またはプリズムに対して光線を発射し、前記光線の発射に対応する電子信号を出力する第1光発射装置と、前記第1光発射装置の一側に設置され、バーコードで反射された前記光線を接受し、前記光線の接受に対応する電子信号を出力すると共に、前記バーコードに対してデコーディングを行う第1光レシーバと、
前記第1光発射装置の一側に設置され、前記第1光発射装置、前記第1光レシーバ及び前記回動装置とデータ接続され、前記第1光発射装置及び前記第1光レシーバから出力された各電子信号を入力し、前記バーコードと前記レーザーバーコードスキャナ間の距離に関する距離データの演算及び前記距離データから両者の時間差を表す電子信号への変換を行い、前記時間差を表す電子信号を前記回動装置に入力した後、前記回動装置の回動の角度値を定義し、前記回動装置の往復回動角度を制御し、前記回動装置を駆動して往復回動させる信号プロセッサと、を含むことを特徴とするものである。
【0010】
請求項4に係るレーザーバーコードスキャナは、請求項3に係るレーザーバーコードスキャナにおいて、前記第1光発射装置をレーザー点光源としたことを特徴とするものである。
【0011】
請求項5に係るレーザーバーコードスキャナは、請求項3に係るレーザーバーコードスキャナにおいて、前記第1光発射装置を赤外線光源としたことを特徴とするものである。
【0012】
請求項6に係るレーザーバーコードスキャナは、請求項3に係るレーザーバーコードスキャナにおいて、前記第1光レシーバをフォトダイオードとしたことを特徴とするものである。
【0013】
請求項7に係るレーザーバーコードスキャナは、請求項3に係るレーザーバーコードスキャナにおいて、前記レーザーバーコードスキャナの回路装置中に、光強度補償ICを設置したことを特徴とするものである。
【0014】
請求項8に係るレーザーバーコードスキャナは、請求項3に係るレーザーバーコードスキャナにおいて、前記信号プロセッサの一側に、測距光線を発射し、前記測距光線の発射に対応する電子信号を前記信号プロセッサに出力する第2光発射装置及び前記バーコードで反射された前記測距光線を接受し、前記測距光線の接受に対応する電子信号を前記信号プロセッサに出力する第2光レシーバが設置されたことを特徴とするものである。
【0015】
請求項9に係るレーザーバーコードスキャナのスキャン方法は、請求項8に係るレーザーバーコードスキャナによるスキャン方法であって、
第1手順の測距光線の発射では、前記第2光発射装置により反射鏡またはプリズムを介してバーコードに対して測距光線を発射し、前記測距光線の発射に対応する電子信号を前記信号プロセッサに出力し、
第2手順の測距光線の接受では、前記バーコードに当って反射された前記測距光線を前記第2光レシーバにより接受され、前記測距光線の接受に対応する電子信号を前記信号プロセッサに出力し、
第3手順の距離の演算及び信号変換では、前記信号プロセッサが前記第2光発射装置及び前記第2光レシーバから出力された前記各電子信号を接受した後、前記バーコードと前記レーザーバーコードスキャナ間の距離に関する距離データを演算し、前記距離データを両者の時間差を表す電子信号に変換し、
第4手順の揺動角度の定義では、前記時間差を表す電子信号を回動装置に入力した後、前記回動装置の回動の角度値を定義し、前記回動装置の往復回動角度を制御し、
第5手順のスキャン光線の発射では、前記第1光発射装置によりスキャンに用いる光線を発射して前記往復揺動する反射鏡またはプリズム上に投射し、前記バーコード上にスキャン光線を投射し、
第6手順のスキャン光線の接受では、前記バーコードに当って反射された前記スキャン光線を前記第1光レシーバで接受し、前記バーコードのデータを読み取る、
という手順を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明のレーザーバーコードスキャナのスキャン方法によれば、バーコードとの間の距離に伴って、自動的にスキャン光線の幅を調整するため、バーコードとの間の距離がかなり遠くても、スキャン光線の幅が自動的に縮減され、スキャン光線に充分な強度を維持させて読取り距離を効果的に増加することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に基いて詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係るレーザーバーコードスキャナの使用状態を示した斜視図である。レーザーバーコードスキャナ40は、一般には手持ち式と座体式との二種類があるが、本実施形態では手持ち式のレーザーバーコードスキャナ40を一形態として説明する。
【0018】
筐体401は正面に通孔4011が成型され、使用者が握るハンドル4012が設けられる。また、筐体401の下端部にコンピュータ設備または販売時点管理(POS)設備とデータ接続するための接続ケーブル4013が設置される。
【0019】
使用者が手持ち式レーザーバーコードスキャナ40を操作するときは、手持ち式レーザーバーコードスキャナ40が測距光線及びスキャン光線60を発射し、且つ、バーコード50の反射を経た後再度接受する。
【0020】
本発明は、測距光線によりあらかじめ距離測定を行ない、異なる距離(l1、l2)のバーコード50に対してスキャンを行うとき、スキャン光線60の幅(W1、W2)を変える。そして、レーザーバーコードスキャナ40とバーコード50の距離が遠いほど(即ち、l2>l1)、その発射するスキャン光線60の幅を小さくする(W1>W2)。このため、スキャン光線60の強度が距離の増加のために弱まることがなく、大幅にバーコード50読取り時の操作距離を増加することができる。
【0021】
図2は第1実施形態のレーザーバーコードスキャナの要部ブロック図である。図2に示すように、レーザーバーコードスキャナ40は、概略として、筐体401の内部に、往復回動の動力を発生することができる回動装置402と、回動装置402上に設置され、回動装置402に伴って往復回動し、かつ同一方向からの光線を異なる角度の光線に屈折することができる反射鏡またはプリズム403と、反射鏡またはプリズム403の後方に設置され、距離測定及びスキャンに用いる光線を発射することができ、且つ、距離測定用の光線を発射するとき、同時に電子信号を出力する第1光発射装置404と、第1光発射装置404の一側に設置され、バーコード50(図1参照)の反射を経た測距光線またはスキャン光線を接受し、且つ電子信号を発生するために用いられ、且つ、バーコード50に対しデコーディングを行うことができる第1光レシーバ405と、第1光発射装置404の片側に設置され、第1光発射装置404、第1光レシーバ405及び回動装置402とデータ接続された信号プロセッサ406とを含む。
【0022】
なお、第1光発射装置404は一般的なレーザー点光源、または赤外線光源等とすることができる。また、第1光レシーバ405はフォトダイオードで構成されている。
【0023】
第1光発射装置404が出力する電子信号及び第1光レシーバ405が出力する電子信号は、信号プロセッサ406に入力される。信号プロセッサ406は、各電子信号に基いて演算を行い、距離に関する距離データを得る。そして、信号プロセッサ406は、得られた距離データを回動装置402の駆動に用いる電子信号に変換し、反射鏡またはプリズム403を往復回動させると共に、第1光発射装置404に再度スキャンに用いる光線を発射させる。反射鏡またはプリズム403に投射するとき、反射鏡またはプリズム403が往復回動するため、屈折された光線がバーコード50の表面で線状を呈するスキャン光線60を形成し、かつ、反射鏡またはプリズム403の往復回動の角度の変化に伴って、前記スキャン光線60の幅も変化する。
【0024】
本発明のレーザーバーコードスキャナ40は、距離が遠いほど、スキャン光線60の幅が小さくなり、バーコード50に投射するスキャン光線60の強度を維持し、バーコード50を読み取ることができる距離を効果的に増加することができる。
【0025】
このほか、レーザーバーコードスキャナ40の回路装置中に光強度補償IC(図示していない)を設置してもよく、操作距離が遠いとき、前記光強度補償ICに予め設定した変数値を利用し、第1光発射装置404を駆動して光補償を発生し、有効な操作を維持することができる。反対に、操作距離が近すぎるときは、光強度補償ICに予め設定した変数値に基づき、第1光発射装置404の発光強度を調整し、電力を節約することができる。
【0026】
第1実施形態のレーザーバーコードスキャナによってバーコード50の読み取りを行うとき、次の手順に従う。図3は第1実施形態のレーザーバーコードスキャナが行うバーコードの読み取りに関する手順を示すフローチャートである。
【0027】
第1手順の測距光線の発射では、第1光発射装置404により反射鏡またはプリズム403を介してバーコード50に対して測距光線を発射し、測距光線の発射に対応する電子信号を信号プロセッサ406に出力する(ステップ701)。測距光線はバーコード50に当たると反射される。
【0028】
第2手順の測距光線の接受では、バーコード50に当って反射された測距光線を第1光レシーバ405により接受し、測距光線の接受に対応する電子信号を信号プロセッサ406に出力する(ステップ702)。
【0029】
第3手順の距離の演算及び信号変換では、信号プロセッサ406が第1光発射装置404及び第1光レシーバ405から出力された各電子信号を接受した後、バーコード50とレーザーバーコードスキャナ40との間の距離に関する距離データを演算し、距離データを両者の時間差を表す電子信号に変換する(ステップ703)。
【0030】
第4手順の揺動角度の定義では、時間差を表す電子信号を回動装置402に入力した後、回動装置402の回動の角度値を定義し、回動装置402の往復回動角度を制御する(ステップ704)。この場合、回動装置402上に設置された反射鏡またはプリズム403の揺動角度も距離が遠ければ遠いほど徐々に小さくする。
【0031】
第5手順のスキャン光線の発射では、第1光発射装置404によりスキャンに用いる光線を発射して往復揺動する反射鏡またはプリズム上に投射し、バーコード50上に適当な幅のスキャン光線を投射する(ステップ705)。なお、バーコード50上のスキャン光線の幅は揺動角度値に伴って変化する。
【0032】
第6手順のスキャン光線の接受では、バーコード50に当って反射されたスキャン光線を第1光レシーバ405により接受し、バーコード50のデータを読み取る(ステップ706)。
【0033】
図4は第2実施形態のレーザーバーコードスキャナの要部ブロック図である。図4に示すように、組み立て作業者が組み立てを行うときの利便性を向上するため、レーザーバーコードスキャナ40は、筐体401と、筐体401内に設置され、その位置が筐体401の通孔4011に対応し、往復回動の動力を提供する回動装置402と、回動装置402上に設置され、回動装置402に伴って往復回動され、かつ同一方向からくる光線を屈折して異なる角度の光線にすることができる反射鏡またはプリズム403と、反射鏡またはプリズム403の後方に設置され、スキャン光線を発射するために用いられる第1光発射装置404と、第1光発射装置404の側方に設置され、バーコード50の反射を経た測距光線またはスキャン光線を接受し、バーコード50に対しデコーディングを行うことができる第1光レシーバ405と、回動装置402の一側に設置された信号プロセッサ406と、信号プロセッサ406の側方に設置された第2光発射装置407と、第2光レシーバ408とを含んで構成されている。
【0034】
信号プロセッサ406は、第2光発射装置407、第2光レシーバ408及び回動装置402とデータ接続され、第2光発射装置407がバーコード50に対して測距光線を発射し、測距光線の発射に対応する電子信号を信号プロセッサ406に出力する。第2光レシーバ408は、反射を経た測距光線を接受し、測距光線の接受に対応する電子信号を信号プロセッサ406に出力する。信号プロセッサ406は、第2光発射装置407から出力された電子信号と、第2光レシーバ408から出力された電子信号とに基づいて距離に関するデータを取得した後、関連の電子信号に変換して回動装置402に出力し、回動装置402の回動する角度を制御する。
【0035】
なお、第1実施形態と同様に、第1光発射装置404は一般的なレーザー点光源、または赤外線光源等とすることができる。また、第1光レシーバ405はフォトダイオードで構成されている。
【0036】
また、レーザーバーコードスキャナ40の回動装置402中に光強度補償IC(図示していない)を設置してもよく、操作距離が遠いとき、この光強度補償ICに予め設定した変数値を利用し、第1光発射装置404またはもう一つの補助的な第2光発射装置407を駆動して光補償を発生し、有効な操作を維持することができる。反対に、操作距離が近すぎるときは、光強度補償ICに予め設定した変数値に基づき、第1光発射装置404及び第2光発射装置407の発光強度を調整し、電力を節約することができる。
【0037】
第2実施形態のレーザーバーコードスキャナによってバーコード50の読み取りを行うとき、次の手順に従う。図5は第2実施形態のレーザーバーコードスキャナが行うバーコードの読み取りに関する手順を示すフローチャートである。
【0038】
第1手順の測距光線の発射では、第2光発射装置407により反射鏡またはプリズム403を介してバーコード50に対して測距光線を発射し、測距光線の発射に対応する電子信号を信号プロセッサ406に出力する(ステップ801)。測距光線はバーコード50に当たると反射される。
【0039】
第2手順の測距光線の接受では、バーコード50に当って反射された測距光線を第2光レシーバ408により接受し、測距光線の接受に対応する電子信号を信号プロセッサ406に出力する(ステップ802)。
【0040】
第3手順の距離の演算及び信号変換では、信号プロセッサ406が第2光発射装置407及び第2光レシーバ408から出力された各電子信号を接受した後、バーコード50とレーザーバーコードスキャナ40との間の距離に関する距離データを演算し、距離データを両者の時間差を表す電子信号に変換する(ステップ803)。
【0041】
第4手順の揺動角度の定義では、時間差を表す電子信号を回動装置402に入力した後、回動装置402の回動の角度値を定義し、回動装置402の往復回動角度を制御する(ステップ804)。
この場合、回動装置402上に設置された反射鏡またはプリズム403の揺動角度も距離が遠ければ遠いほど徐々に小さくする。
【0042】
第5手順のスキャン光線の発射では、第1光発射装置404がスキャンに用いる光線を発射して往復揺動する反射鏡またはプリズム上に投射し、バーコード50上に適当な幅のスキャン光線を投射する(ステップ805)。なお、バーコード50上のスキャン光線の幅は揺動角度値に伴って変化する。
【0043】
第6手順のスキャン光線の接受では、バーコード50に当って反射されたスキャン光線を第1光レシーバ405により接受し、バーコード50のデータを読み取る(ステップ806)。
【0044】
図6は、本発明の別実施形態に係るレーザーバーコードスキャナの使用状態を示した斜視図である。図6に示すように、現在市場でよく見受けられる座体式のレーザーバーコードスキャナ40を別形態としている。レーザーバーコードスキャナ40は、平面上に固定して用いられ、且つ、傾斜角及び回動角を変化させることができる座体4014により、測距光線及びスキャン光線60の発射角度を調整し、使用者がバーコード50を読み取る角度を調整することができる。レーザーバーコードスキャナ40は固定されているが、バーコード50の読取り距離の違いに従ってスキャン光線60の発射の幅を変化させることができる。
【0045】
上述のように、本発明は、その実施時に、まず、第1光発射装置または第2光発射装置で測距光線を発射し、発生された第1電子信号と、第1光レシーバまたは第2光レシーバにより反射して戻ってきた測距光線を接受した後に発生された第2電子信号との間の時間差を信号プロセッサで演算し、距離に関する第3電子信号を発生して回動装置中に入力し、回動の角度値を定義すると共に、距離に従って回動の角度値を調整することができる。従って、自動的にスキャン光線の強度及び幅を調整し、読取り効率を向上するという目的を達成できるレーザーバーコードスキャナ及びそのスキャン方法を確実に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施形態に係るレーザーバーコードスキャナの使用状態を示した斜視図である。
【図2】第1実施形態のレーザーバーコードスキャナの要部ブロック図である。
【図3】第1実施形態のレーザーバーコードスキャナが行うバーコードの読み取りに関する手順を示すフローチャートである。
【図4】第2実施形態のレーザーバーコードスキャナの要部ブロック図である。
【図5】第2実施形態のレーザーバーコードスキャナが行うバーコードの読み取りに関する手順を示すフローチャートである。
【図6】本発明の別実施形態に係るレーザーバーコードスキャナの使用状態を示した斜視図である。
【図7】従来のレーザーバーコードスキャナの使用状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0047】
10 レーザーバーコードスキャナ
20 バーコード
30 スキャン光線
40 レーザーバーコードスキャナ
401 筐体
4011 通孔
4012 ハンドル
4013 接続ケーブル
4014 座体
402 回動装置
403 反射鏡またはプリズム
404 第1光発射装置
405 第1光レシーバ
406 信号プロセッサ
407 第2光発射装置
408 第2光レシーバ
50 バーコード
60 スキャン光線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザーバーコードスキャナのスキャン方法であって、
第1手順の測距光線の発射では、第1光発射装置により反射鏡またはプリズムを介してバーコードに対して測距光線を発射し、前記測距光線の発射に対応する電子信号を信号プロセッサに出力し、
第2手順の測距光線の接受では、前記バーコードに当って反射された前記測距光線を第1光レシーバにより接受し、前記測距光線の接受に対応する電子信号を前記信号プロセッサに出力し、
第3手順の距離の演算及び信号変換では、前記信号プロセッサが前記第1光発射装置及び前記第1光レシーバから出力された前記各電子信号を接受した後、前記バーコードと前記レーザーバーコードスキャナ間の距離に関する距離データを演算し、前記距離データを両者の時間差を表す電子信号に変換し、
第4手順の揺動角度の定義では、前記時間差を表す電子信号を回動装置に入力した後、前記回動装置の回動の角度値を定義し、前記回動装置の往復回動角度を制御し、
第5手順のスキャン光線の発射では、前記第1光発射装置によりスキャンに用いる光線を発射して前記往復揺動する反射鏡またはプリズム上に投射し、前記バーコード上にスキャン光線を投射し、
第6手順のスキャン光線の接受では、前記バーコードに当って反射された前記スキャン光線を前記第1光レシーバにより接受し、前記バーコードのデータを読み取る、
という手順を含むことを特徴とするレーザーバーコードスキャナのスキャン方法。
【請求項2】
前記スキャン光線の幅を、距離が遠くなるにつれて小さくすることを特徴とする請求項1に記載のレーザーバーコードスキャナのスキャン方法。
【請求項3】
通孔が形成された筐体と、
前記筐体内に設置された回動装置と、
前記回動装置上に設置され、前記回動装置に伴って往復回動することができる反射鏡またはプリズムと、
前記反射鏡またはプリズムの後方に設置され、前記反射鏡またはプリズムに対して光線を発射し、前記光線の発射に対応する電子信号を出力する第1光発射装置と、
前記第1光発射装置の一側に設置され、バーコードで反射された前記光線を接受し、前記光線の接受に対応する電子信号を出力すると共に、前記バーコードに対してデコーディングを行う第1光レシーバと、
前記第1光発射装置の一側に設置され、前記第1光発射装置、前記第1光レシーバ及び前記回動装置とデータ接続され、前記第1光発射装置及び前記第1光レシーバから出力された各電子信号を入力し、前記バーコードと前記レーザーバーコードスキャナ間の距離に関する距離データの演算及び前記距離データから両者の時間差を表す電子信号への変換を行い、前記時間差を表す電子信号を前記回動装置に入力した後、前記回動装置の回動の角度値を定義し、前記回動装置の往復回動角度を制御し、前記回動装置を駆動して往復回動させる信号プロセッサと、
を含むことを特徴とするレーザーバーコードスキャナ。
【請求項4】
前記第1光発射装置がレーザー点光源であることを特徴とする請求項3に記載のレーザーバーコードスキャナ。
【請求項5】
前記第1光発射装置が赤外線光源であることを特徴とする請求項3に記載のレーザーバーコードスキャナ。
【請求項6】
前記第1光レシーバがフォトダイオードであることを特徴とする請求項3に記載のレーザーバーコードスキャナ。
【請求項7】
前記レーザーバーコードスキャナの回路装置中に、光強度補償ICを設置したことを特徴とする請求項3に記載のレーザーバーコードスキャナ。
【請求項8】
前記信号プロセッサの一側に、測距光線を発射し、前記測距光線の発射に対応する電子信号を前記信号プロセッサに出力する第2光発射装置及び前記バーコードで反射された前記測距光線を接受し、前記測距光線の接受に対応する電子信号を前記信号プロセッサに出力する第2光レシーバが設置されたことを特徴とする請求項3に記載のレーザーバーコードスキャナ。
【請求項9】
請求項8に記載のレーザーバーコードスキャナのスキャン方法であって、
第1手順の測距光線の発射では、前記第2光発射装置により反射鏡またはプリズムを介してバーコードに対して測距光線を発射し、前記測距光線の発射に対応する電子信号を前記信号プロセッサに出力し、
第2手順の測距光線の接受では、前記バーコードに当って反射された前記測距光線を前記第2光レシーバにより接受され、前記測距光線の接受に対応する電子信号を前記信号プロセッサに出力し、
第3手順の距離の演算及び信号変換では、前記信号プロセッサが前記第2光発射装置及び前記第2光レシーバから出力された前記各電子信号を接受した後、前記バーコードと前記レーザーバーコードスキャナ間の距離に関する距離データを演算し、前記距離データを両者の時間差を表す電子信号に変換し、
第4手順の揺動角度の定義では、前記時間差を表す電子信号を回動装置に入力した後、前記回動装置の回動の角度値を定義し、前記回動装置の往復回動角度を制御し、
第5手順のスキャン光線の発射では、前記第1光発射装置によりスキャンに用いる光線を発射して前記往復揺動する反射鏡またはプリズム上に投射し、前記バーコード上にスキャン光線を投射し、
第6手順のスキャン光線の接受では、前記バーコードに当って反射された前記スキャン光線を前記第1光レシーバで接受し、前記バーコードのデータを読み取る、
という手順を含む、
ことを特徴とするレーザーバーコードスキャナのスキャン方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−193447(P2009−193447A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−34735(P2008−34735)
【出願日】平成20年2月15日(2008.2.15)
【出願人】(501078144)茂森科技股▲ふん▼有限公司 (1)
【Fターム(参考)】