説明

レーザー加工方法及び装置

【課題】 加工部に変色なく且つ安定した加工を可能とする。
【解決手段】レーザー発信器3から発信されるレーザー光を走査エリア12内で走査しフレーム・サスペンション27の加工部にfシーター・レンズ7により垂直に当ててスポット溶接するレーザー加工方法であって、レーザー光の透過をガラス板9aから可能にしつつ走査エリア12上をチャンバ―部9により閉じ空間として覆い、配管21によってガス供給源から供給される窒素又はアルゴンを、ガス供給部11のバルブ15,17,19により走査エリア12に沿って扇状又は並列線状に噴出させ、閉じ空間の正圧を維持しながら排気部13の孔13a,13bから内部の窒素又はアルゴンを排気することができることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、極薄板材などのレーザー加工方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ハード・ディスク・ドライブ(HDD「Hard Disk Drive」)の小型化、高容量化、高速度化に伴い、読み取り書き込み素子を支持するヘッド・サスペンションも小型化、高容量化、高速度化への対応が要求されている。
【0003】
ヘッド・サスペンションの軽量化には、構成部品の薄板化が効果的であり、10〜15μmの箔レベルの材料も使用されるようになっている。
【0004】
かかる薄板材の接合にはレーザー溶接が使用されている。
【0005】
レーザー溶接には、薄板化に対応するため、安定出力且つ低出力による溶接ナゲット形成能力が必要とされる。ナゲット径は溶接対象の板厚の組み合わせによって異なるが、材料表面の径で100〜250μm程度となる。
【0006】
従来、レーザー溶接による多点接合では、出射光学部若しくはワーク側を駆動してワークに対するレーザー光の照射点を変更し、必要個所を溶接していた。これに対し、近年では、ガルバノ・スキャナー(ガルバノ・ミラー)を用い、出射部、ワーク部を固定したまま照射点を走査し、必要個所を高速に接合して生産性向上を図るものも存在する。
【0007】
かかるレーザー溶接のナゲット形成過程ではプルームが発生し、溶接が不安定となりナゲット径が安定しないという問題があった。
【0008】
これに対し、特許文献1では、ノズルから噴出される不活性ガスを溶接部に横方向から集中的に当ててプルームを飛ばすようにしている。
【0009】
しかし、ヘッド・サスペンションのようにガルバノ・スキャナーによる非連続高速加工等のように加工点を移動させる場合、ノズルを同期させて移動させることが難しく、各加工点に横から効果的にガスを当てることが困難となり、溶接ナゲットを安定的に形成することができなかった。
【0010】
一方、特許文献2のように走査エリア全体でプルームを飛ばす技術もある。
【0011】
この技術の前提は、ガルバノ・スキャナーを用いて走査されたパルス・レーザー光をfシーター・レンズにより被加工物の加工点に垂直に当ててスルーホールやビアホールを精度よく形成するものである。この加工において、走査エリア全体に横からガスを当ててプルームを飛ばし、加工点の移動に対応させたものである。
【0012】
しかし、かかる技術では、走査エリアが開放されていると共に、ガスが集塵ノズルで吸い込まれる構造であり、溶接対象の酸化防止が全く考慮されていなかった。このため、例えレーザー出力を調整することにより、穴開け加工ではなく薄板の溶接加工に適用できたとしても、ヘッド・サスペンションのように溶接部の変色が許されない製品への適用は困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開平3−234390号公報
【特許文献2】特開2003−251486号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
解決しようとする問題点は、被加工物をレーザー加工する場合に、加工部の変色がなく且つ安定した加工を行わせることが困難な点である。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、加工部の変色がなく且つ安定した加工を行わせることを可能とするために、レーザー発信器から発信されるレーザー光が走査される走査エリア内で被加工物を加工するレーザー加工方法であって、前記レーザー光の透過を可能にしつつ前記走査エリア上を閉じ空間として覆い、前記走査エリアに沿って不活性ガスをカーテン状に噴出させ、前記閉じ空間の正圧を維持しながら前記噴出された不活性ガスを排気し、前記レーザー加工部からプルームを除去すると共にレーザー加工部の酸化を防止することをレーザー加工方法の特徴とする。
【0016】
本発明は、レーザー発信器から発信されるレーザー光が走査される走査エリア内で被加工物を加工するレーザー加工装置であって、前記レーザー光の透過を可能にしつつ前記走査エリア上を閉じ空間として覆うチャンバー部と、前記走査エリアに沿って不活性ガスをカーテン状に噴出させるガス供給部と、前記閉じ空間の正圧を維持しながら前記噴出された不活性ガスを排気する排気部とを備え、前記レーザー加工部からプルームを除去すると共にレーザー加工部の酸化を防止することをレーザー加工装置の特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明のレーザー加工方法は、上記構成であるから、走査エリアに沿って噴出されるカーテン状の不活性ガスによりプルームを飛ばすことができ、走査エリア内でのレーザー加工を安定して行わせることができる。
【0018】
しかも、走査エリア上を覆う閉じ空間に不活性ガスを充満させることができ、レーザー加工部の酸化を抑制することができる。
【0019】
本発明のレーザー加工装置は、上記構成であるから、上記レーザー加工方法を確実に実現させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】レーザー加工装置の概略構成図である。(実施例1)
【図2】図1のII−II線矢視におけるチャンバー部の断面図である。実施例1)。
【図3】(A)は、バルブの側面図、(B)は、バルブの正面図、(C)は、バルブの噴出角度を示す平面図である。(実施例1)
【図4】バルブの変形例に係り、(A)は、バルブの平面図、(B)は、バルブの正面図、(C)は、バルブの噴出角度を示す平面図である。(実施例1)
【図5】バルブの他の変形例に係り、バルブの噴出を示す斜視図である。(実施例1)
【図6】サスペンション半製品がフレームで連設されたフレーム・サスペンションの平面図である。(実施例1)
【図7】ナゲット径測定結果を示すグラフである。(比較例)
【図8】ナゲット径測定結果を示すグラフである。(実施例1)
【発明を実施するための形態】
【0021】
レーザー加工部の変色なく且つ安定した加工を可能とするという目的を、走査エリア上を覆う閉じ空間に不活性ガスをカーテン状に噴出させ、前記閉じ空間の正圧を維持しながら前記噴出された不活性ガスを排気することにより実現した。
【実施例】
【0022】
[レーザー加工装置]
図1は、レーザー加工装置の概略構成図、図2は、図1の、II−II線矢視におけるチャンバー部の断面図である。
【0023】
図1、図2のように、レーザー加工装置1は、レーザー発信器3とガルバノ・スキャナー5とfシーター・レンズ7とチャンバー部9とガス供給部11と排気部13とを備えている。
【0024】
レーザー発信器3は、パルス・レーザー光を発信し、このパルス・レーザー光がガルバノ・スキャナー5の駆動により走査される。走査されたレーザー光は、fシーター・レンズ7により走査エリア12で被加工物、例えば後述するフレーム・サスペンションの複数の加工部(加工点)に垂直に当てられる。これにより、フレーム・サスペンションの複数の加工部がレーザー光により、非連続高速加工、例えばスポット溶接される。
【0025】
チャンバー部9は、ワーク支持部14上に形成される走査エリア12上をレーザー光の透過を可能にしつつ閉じ空間として覆うものである。
【0026】
このチャンバー部9は、底部が開口した矩形箱状に形成され、天部に、走査エリア12上に対向するガラス板9aを備えている。このガラス板9aで前記レーザー光の走査エリア12上への透過を可能にする。
【0027】
なお、チャンバー部9は、走査エリア12上をレーザー光の透過を可能にしつつ閉じ空間として覆うものであれば、その形態は限定されない。
【0028】
ワーク支持部14の中央部には、後述するヘッド・サスペンションを臨ませる開口が形成され、この開口にヘッド・サスペンションを臨ませた状態で固定し、ワーク支持部14に対しチャンバー部9で走査エリア12上を閉じ空間にすることができる。
【0029】
ガス供給部11は、走査エリアに沿って不活性ガスをカーテン状に噴出させるものであり、チャンバー部9の側壁9bに連設支持されたバルブ15,17,19を有している。バルブ15,17,19は、ガスのカーテン状の噴出を可能としている。各バルブ15,17,19は、配管21により不活性ガスの供給源に接続されている。
【0030】
排気部13は、チャンバー部9で形成された閉じ空間の正圧を維持しながら閉じ空間内に噴出された不活性ガスを排気するものであり、孔13a,13bで構成されている。孔13a,13bは、バルブ15,17,1を備えたチャンバー部9の一方の側壁9bに対向する他方の側壁9cに形成されている。
【0031】
図3(A)は、バルブの側面図、(B)は、バルブの正面図、(C)は、バルブの噴出角度を示す平面図である。
【0032】
バルブ15,17,19は、スリット15a,17a,19aを有し、平面から見て図3(C)のような噴出角度でガスを扇状のカーテン状に噴出させることができる。この噴出角度を図2のように交差させることでチャンバー部9内に不活性ガスをほぼ均一なカーテン状に噴出させることができる。
【0033】
図4は、バルブの変形例に係り、(A)は、バルブの平面図、(B)は、バルブの正面図、(C)は、バルブの噴出角度を示す平面図である。
【0034】
図4のバルブ23は、噴出口23aを扁平に形成し、平面から見て図4(C)のような噴出角度でガスを扇状のカーテン状に噴出させることができるようにした。
【0035】
図5は、バルブの他の変形例に係り、バルブの噴出を示す斜視図である。
【0036】
図5のバルブ25は、複数の微小噴出口25aを連設し、ガスを並列線状のカーテン状に噴出させることができるようにした。
【0037】
これら図4、図5のバルブ23又はバルブ25をバルブ15,17,19として構成しても、ガスをカーテン状に噴出させることができる。
[レーザー加工方法]
被加工物は、薄板材の積層品であり、例えばハード・ディスク・ドライブのヘッド・サスペンションである。
【0038】
図6は、フレームで連設された組立途中のフレーム・サスペンションの平面図である。
【0039】
薄板材の積層品であるフレーム・サスペンション27は、位置決め孔28を備えたフレーム29により各ヘッド・サスペンション半製品31を連設させたものである。
【0040】
各ヘッド・サスペンション半製品31は、ステンレス製等のベース・プレート33、スティフナー35、ロード・ビーム37、フレキシャ41、ヒンジ部材43の各部品がスポット溶接部45で結合され、連鎖品とされたものである。
【0041】
ベース・プレート33は、厚さ125〜150μm程度、スティフナー35は、厚さ125〜150μm程度、ロード・ビーム37は、厚さ25〜100μm程度、フレキシャ39は、厚さ10〜15μm程度、ヒンジ部材41は、厚さ20〜40μm程度に形成される。
【0042】
スポット溶接部45は、レーザー光により加工され、複数点の非連続高速加工となり、図1のレーザー加工装置1を用いて行われる。レーザー加工装置1では、レーザー発信器3から発信されるレーザー光がガルバノ・スキャナー5で走査され、fシーター・レンズ7により走査エリア12内でヘッド・サスペンション半製品31の加工部であるスポット溶接部45にレーザー光を垂直に当ててスポット溶接を行わせる。
【0043】
ヘッド・サスペンション半製品31は、ワーク支持部14の開口に下方から臨まされ、走査エリア12内に固定される。この状態でワーク支持部14の開口は閉じ状態となる。
【0044】
この走査エリア12上を、チャンバー部9によりレーザー光の透過を可能にしつつ閉じ空間として覆う。
【0045】
配管21によってガス供給源から供給される不活性ガスを、バルブ15,17,19の複数のスリット15a,17a,19a(図3)から走査エリア12(図2)に沿ってお扇状(カーテン状)に噴出させる。
【0046】
噴出される不活性ガスの量は、閉じ空間の大きさ及び走査エリア12内の加工の範囲に応じて調整される。
【0047】
不活性ガスは、窒素又はアルゴンが用いられる。不活性ガスのカーテン状の噴出は、図3のバルブ15,17,19による扇状である。但し、図4のバルブ23を用いた扇状、図5のバルブ25を用いた並列線状に噴出させることもできる。
【0048】
この不活性ガスの噴出に対し、排気部13の孔13a,13bから閉じ空間の正圧を維持しつつ噴出された不活性ガスが排気される。
【0049】
排気される不活性ガスの量は、噴出される不活性ガスの量よりも少なくコントロールされる。この場合、排気部131の孔13a,13bからの排気量と配管21からのガス供給量とが考慮される。孔13a,13bからの排気量は、孔13a,13bの数、大きさを考慮して算出することができる。
【0050】
図7は、ナゲット径測定結果を示す比較例のグラフ、図8は、同実施例1のグラフである。図7、図8は、横軸にナゲット径(μm)をとり、縦軸に出現頻度をとっている。
【0051】
図7の比較例の結果は、実施例1同様に走査エリア上をチャンバー部により閉じ空間とするが、内部に窒素ガスを単純に充填して得たものである。図8の実施例1の結果は、走査エリア上をチャンバー部9により閉じ空間とし、N流量を7.5 l/min、12.5l/min、17.5l/minと変化させてチャンバー部9内部に窒素ガスを扇状に噴出させると共にチャンバー部9内部を正圧に維持させ得たものである。
【0052】
実施例1及び比較例の何れもレーザー条件を、100W、2.0msとした。
【0053】
図7の比較例の結果では、ナゲット径σ=20.2(μm)であるのに対し、図8の本発明実施例1の結果では、ナゲット径σ=11.8(μm)、8.3(μm)、7.5(μm)となり、何れも標準偏差が小さくなり、ナゲット径のばらつきを抑制することができた。
[実施例1の効果]
本発明実施例1のレーザー加工方法は、レーザー発信器3から発信されるレーザー光を走査エリア12内で走査しフレーム・サスペンション27の加工部にfシーター・レンズ7により垂直に当ててスポット溶接するレーザー加工方法であって、レーザー光の透過をガラス板9aから可能にしつつ走査エリア12上をチャンバ―部9により閉じ空間として覆い、配管21によってガス供給源から供給される窒素又はアルゴンを、ガス供給部11のバルブ15,17,19により走査エリア12に沿って扇状又は並列線状に噴出させ、閉じ空間の正圧を維持しながら排気部13の孔13a,13bから内部の窒素又はアルゴンを排気することができる。
【0054】
このような走査エリア12に対する窒素又はアルゴンの供給、排気により、多点のスポット溶接の際にプルームを除去してスポット溶接部45の溶接ナゲット径の製品ごとのばらつきを抑制しながら、安定的に形成することができる。
【0055】
特に、ヘッド・サスペンションのように極めて薄い板材の接合では、安定した結合により、品質向上、製品歩留まりの向上を図ることができる。
【0056】
しかも、走査エリア12上を覆う閉じ空間に窒素又はアルゴンを充満させることができ、レーザー加工によるスポット溶接部45の酸化による変色を抑制し、外観上の品質向上を図ることができる。
【0057】
レーザー光は、ガルバノ・スキャナー5を使用して走査を行わせる。
【0058】
このため、走査エリア12でパルス・レーザー光を走査し、フレーム・サスペンション27の複数のスポット溶接部45に高速で照射することができる。
【0059】
排気される窒素又はアルゴンの量は、噴出される窒素又はアルゴンの量よりも少なくコントロールされる。
【0060】
このため、チャンバー部9内の閉じ空間を確実に正圧に維持させることができ、レーザー加工によるスポット溶接部45の酸化による変色を確実に抑制することができる。
【0061】
配管21によってガス供給源から供給され、バルブ15,17,19によりチャンバー部9内に噴出される窒素又はアルゴンの量は、チャンバー部9内の閉じ空間の大きさ及びレーザー光による加工の範囲に応じて調整する。
【0062】
このため、チャンバー部9内の閉じ空間の大きさ及びレーザー光による加工の範囲に応じて窒素又はアルゴンを走査エリア12に沿ってカーテン状に噴出させ、閉じ空間の正圧を維持することができる。
【0063】
レーザー発信器3から発信されるレーザー光を走査エリア12内で走査してフレーム・サスペンション27の加工部にfシーター・レンズ7により垂直に当ててスポット溶接するレーザー加工装置1であって、レーザー光の透過をガラス板9aから可能にしつつ走査エリア12上を閉じ空間として覆うチャンバー部9と、走査エリア12に沿って噴出されたバルブ15,17,19により走査エリア12に沿って窒素又はアルゴンを扇状又は並列線状に噴出させるガス供給部11と、閉じ空間の正圧を維持しながら孔13a,13bから内部の窒素又はアルゴンを排気する排気部13とを備え、レーザー光によるスポット溶接加工の際にプルームを除去すると共に加工点であるスポット溶接部45の酸化を防止する。
【0064】
このため、溶接ナゲット径の製品ごとのばらつきを抑制しながら、安定的に形成し、スポット溶接部45の酸化による変色を抑制することを実現することができる。
【0065】
チャンバー部9は、走査エリア12上に対向するガラス板9aを備え、このガラス板9aでレーザー光の透過を可能にする。
【0066】
このため、チャンバー部9内を正圧に維持しながら走査エリア12に沿って窒素又はアルゴンをカーテン状に噴出させ、スポット溶接を行わせることができる。
[その他]
レーザー光による加工は、チャンバー部9内の走査エリア12で行われる限りスポット溶接に限らない。例えば、ヘッド・サスペンションの姿勢矯正のためにレーザー・スポットを打つこと、或いはその他穴あけ、凹部形成、連続溶接等も含まれる。
【0067】
レーザー光による加工は、レーザー・マーカを用いることもできる。
【符号の説明】
【0068】
1 レーザー加工装置
3 レーザー発信器
5 ガルバノ・スキャナー
9 チャンバー部
11ガス供給部
12 走査エリア
13 排気部
13a,13b 孔
15,17,19,23,25 バルブ
15a,17a,19a スリット
21 配管
23a 扁平な噴出口
25a 連設された複数の微小噴出口
31 ヘッド・サスペンション半製品
45 スポット溶接部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザー発信器から発信されるレーザー光を走査エリア内で走査して被加工物を加工するレーザー加工方法であって、
前記レーザー光の透過を可能にしつつ前記走査エリア上を閉じ空間として覆い、
前記走査エリアに沿って不活性ガスをカーテン状に噴出させ、
前記閉じ空間の正圧を維持しながら前記噴出された不活性ガスを排気し、
前記加工の際にレーザー加工部からプルームを除去すると共にレーザー加工部の酸化を防止する、
ことを特徴とするレーザー加工方法。
【請求項2】
請求項1記載のレーザー加工方法であって、
前記レーザー光は、ガルバノ・スキャナーを使用して前記走査を行わせる、
ことを特徴とするレーザー加工方法。
【請求項3】
請求項1又は2記載のレーザー加工方法であって、
前記溶接は、複数点の非連続加工である、
ことを特徴とするレーザー加工方法。
【請求項4】
請求項1〜3の何れかに記載のレーザー加工方法であって、
前記不活性ガスは、窒素又はアルゴンである、
ことを特徴とするレーザー加工方法。
【請求項5】
請求項1〜4の何れかに記載のレーザー加工方法であって、
前記不活性ガスのカーテン状の噴出は、扇状又は並列線状の噴出である、
ことを特徴とするレーザー加工方法。
【請求項6】
請求項1〜5の何れかに記載のレーザー加工方法であって、
前記レーザー光による加工は、溶接である、
ことを特徴とするレーザー加工方法。
【請求項7】
請求項1〜6の何れかに記載のレーザー加工方法であって、
前記被加工物は、ヘッド・サスペンションなどの薄板材である、
ことを特徴とするレーザー加工方法。
【請求項8】
請求項1〜7の何れかに記載のレーザー加工方法であって、
前記排気される不活性ガスの量は、前記噴出される不活性ガスの量よりも少なくコントロールされる、
ことを特徴とするレーザー加工方法。
【請求項9】
請求項1〜8の何れかに記載のレーザー加工方法であって、
前記噴出される不活性ガスの量は、前記閉じ空間の大きさ及び前記加工の範囲に応じて調整する、
ことを特徴とするレーザー加工方法。
【請求項10】
レーザー発信器から発信されるレーザー光を走査エリア内で走査して被加工物を加工するレーザー加工装置であって、
前記レーザー光の透過を可能にしつつ前記走査エリア上を閉じ空間として覆うチャンバー部と、
前記走査エリアに沿って不活性ガスをカーテン状に噴出させるガス供給部と、
前記閉じ空間の正圧を維持しながら前記噴出された不活性ガスを排気する排気部とを備え、
前記加工の際にレーザー加工部からプルームを除去すると共にレーザー加工部の酸化を防止する、
ことを特徴とするレーザー加工装置。
【請求項11】
請求項10記載のレーザー加工装置であって、
前記チャンバー部は、前記走査エリア上に対向するガラス板を備え、
このガラス板で前記レーザー光の透過を可能にする、
ことを特徴とするレーザー加工装置。
【請求項12】
請求項10又は11記載のレーザー加工装置であって、
前記ガス供給部は、前記チャンバー部の側壁に連設支持されそれぞれ複数のスリット又は扁平な噴出口若しくは連設された複数の微小噴出口を有するバルブを備えた、
ことを特徴とするレーザー加工装置。
【請求項13】
請求項10〜12の何れかに記載のレーザー加工装置であって、
前記排気部は、前記バルブを備えた前記チャンバー部の一方の側壁に対向する他方の側壁に形成された孔である、
ことを特徴とするレーザー加工装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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