説明

レーザ加工条件設定装置、レーザ加工装置、レーザ加工条件設定方法、レーザ加工条件設定プログラム、コンピュータで読み取り可能な記録媒体及び記録した機器

【課題】バーコードや文字の読み取り率の高い印字を実現する。
【解決手段】所望の加工パターンで加工する加工条件を設定するための加工条件設定部3Cと、加工条件設定部3Cで設定された加工条件に基づいて、実際の加工を行うための加工データを生成するための加工データ生成部80Kとを備え、加工条件設定部3Cはさらに、読取パターンを構成するための情報として文字又はシンボルを入力するための加工パターン入力手段3Bと、加工対象面の3次元形状に関するプロファイル情報を入力するための加工面プロファイル入力手段3Aとを備え、光学式読取装置の所定の光学読み取り方向から見た3次元状の加工対象面に対して、加工パターンの光学読み取り方向に垂直な平面上への正射影像が読取パターンと同様に表示されるように、加工データ生成部80Kが、加工条件設定部3Cで設定された加工条件に基づいて加工データを生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザマーキング装置など、レーザ光を加工対象物に照射して印字などの加工を行うレーザ加工装置において加工条件を設定するレーザ加工条件設定装置、レーザ加工装置、レーザ加工条件設定方法、レーザ加工条件設定プログラム、コンピュータで読み取り可能な記録媒体及び記録した機器に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザ加工装置は、レーザ光を所定の領域内において走査して、部品や製品などの加工対象物(ワーク)の表面に対しレーザ光を照射して印字やマーキングなどの加工を行う。レーザ加工装置の構成の一例を図1に示す。この図に示すレーザ加工装置は、レーザ制御部1とレーザ出力部2と入力部3とを備える。レーザ制御部1のレーザ励起部6で発生される励起光を、レーザ出力部2のレーザ発振部50で発振器を構成するレーザ媒質8に照射し、レーザ発振を生じさせる。レーザ発振光はレーザ媒質8の出射端面から出射され、ビームエキスパンダ53でビーム径を拡大されて、走査部9に導かれる。走査部9は、レーザ光Lを反射させて所望の方向に偏光し、集光部15から出力されるレーザ光Lは、ワークWの表面で走査されて印字等の加工を行う。
【0003】
レーザ加工装置は、ワークの表面に文字や数字を印字する他、バーコードや2次元コードなどのシンボルの印字にも利用される。また、ワークの加工対象面として平面のみならず、曲面上にシンボルや文字等を印字することも行われている。しかしながら、ワークの曲面にバーコードや2次元コード、あるいは文字などを印字した場合、これをバーコード・2次元コードリーダや画像認識装置等で読み取り認識する場合、読み取り装置と対象物の読み取り面が平行からずれてくると、認識装置側から見た読み取り対象印字の形状が変化するため、読み取り率が低下するという問題があった。これは、読み取り対象物を読み取り装置に正射影した画像が読み取り画像となるためである。
【0004】
例えば図2に示す缶のような円筒状のワークWに対し、円周方向に沿ってバーコードや2次元コードなどのシンボルを印字したとき、中心から端部に向かって離れるほど歪みが大きくなる。このため、ナロー幅のピッチが相対的に狭くなり、読み取りエラーが生じるおそれがある。このように平行からのずれ角度が読み取り性能に対して無視できなくなる場合には、歪みが少なくなる印字位置を選択する必要がある。例えば円筒形物体にバーコードを印刷する場合、図2に示すような円筒の円周方向ではなく、図3に示すように長手方向など、平行からのズレ角度ができるだけ小さくなるような面に印字する。しかしながら、この方法では印字場所が制限されてしまい、印字場所を任意に選択できない場合には対処できないという問題があった。
【特許文献1】特開2000−202655号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような問題点を解決するために成されたものである。本発明の一の目的は、3次元の加工対象面に印字加工されたシンボルや文字の読み取り率を向上させたレーザ加工条件設定装置、レーザ加工装置、レーザ加工条件設定方法、レーザ加工条件設定プログラム、コンピュータで読み取り可能な記録媒体及び記録した機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、第1発明に係るレーザ加工データ設定装置は、加工対象物の3次元状の加工対象面に対して、レーザ光を照射して所望の加工パターンとして、光学式読取手段で読み取り可能なパターンである読取パターンを加工可能なレーザ加工装置について、所望の加工パターンに基づいて加工データを設定するためのレーザ加工データ設定装置であって、所望の加工パターンで加工する加工条件を設定するための加工条件設定部と、加工条件設定部で設定された加工条件に基づいて、実際の加工を行うための加工データを生成するための加工データ生成部とを備え、加工条件設定部はさらに、読取パターンを構成するための情報として文字又はシンボルを入力するための加工パターン入力手段と、加工対象面の3次元形状に関するプロファイル情報を入力するための加工面プロファイル入力手段とを備え、光学式読取手段の所定の光学読み取り方向から見た3次元状の加工対象面に対して、加工パターンの光学読み取り方向に垂直な平面上への正射影像が読取パターンと同様に表示されるように、加工データ生成部が、加工条件設定部で設定された加工条件に基づいて加工データを生成する。
【0007】
また第2発明に係るレーザ加工データ設定装置では、光学式読取手段の光学読み取り方向が、3次元状の加工対象面の正面に設定できる。
【0008】
さらに第3発明に係るレーザ加工データ設定装置では、加工条件設定部がさらに、光学式読取手段の光学読み取り方向を調整可能な読取方向調整手段を備えることができる。
【0009】
さらにまた第4発明に係るレーザ加工データ設定装置では、3次元状の加工対象面が円周状であり、該加工対象面に対する加工条件として、加工面プロファイル入力手段が、円周状加工対象面の円周の中心の座標及び/又は半径を指定可能とできる。
【0010】
さらにまた第5発明に係るレーザ加工データ設定装置では、3次元状の加工対象面が曲面を有し、該曲面が加工パターンの光学読み取り方向に垂直な平面上への正射影像から離れるほど、照射されるレーザ光をピッチを広くして印字加工するよう、加工データ生成部が、加工条件設定部で設定された加工条件に基づいて加工データを生成可能に構成できる。
【0011】
さらにまた第6発明に係るレーザ加工データ設定装置では、読取パターンが、バーコード又は2次元コードとできる。
【0012】
さらにまた第7発明に係るレーザ加工装置では、加工対象物の3次元状の加工対象面に対して、レーザ光を照射して所望の加工パターンとして、光学式読取手段で読み取り可能なパターンである読取パターンを加工可能なレーザ加工装置であって、レーザ光を発生させるためのレーザ発振部と、レーザ発振部より出射されるレーザ光を作業領域内において走査させるためのレーザ光走査系として、入射レンズと出射レンズを備えるビームエキスパンダであって、レーザ発振部から照射されるレーザ光の光軸に入射レンズ及び出射レンズの光軸を一致させた状態で、入射レンズと出射レンズ間の相対距離を変化させてレーザ光の焦点距離を調整可能なビームエキスパンダと、ビームエキスパンダを透過したレーザ光を第1の方向に走査させるための第1のミラーと、第1のミラーで反射されたレーザ光を第1の方向と略直交する第2の方向に走査させるための第2のミラーと、第2のミラーで反射されたレーザ光を作業領域に照射させるよう集光するための集光レンズとを有するレーザ光走査系と、レーザ発振部およびレーザ光走査系を制御するためのレーザ制御部と、所望の加工パターンで加工する加工条件を設定するための加工条件設定部と、加工条件設定部で設定された加工条件に基づいて、実際の加工を行うための加工データを生成するための加工データ生成部とを備え、加工条件設定部はさらに、読取パターンを構成するための情報として文字又はシンボルを入力するための加工パターン入力手段と、加工対象面の3次元形状に関するプロファイル情報を入力するための加工面プロファイル入力手段とを備え、光学式読取手段の所定の光学読み取り方向から見た3次元状の加工対象面に対して、加工パターンの光学読み取り方向に垂直な平面上への正射影像が読取パターンと同様に表示されるように、加工データ生成部が、加工条件設定部で設定された加工条件に基づいて加工データを生成する。
【0013】
さらにまた第8発明に係るレーザ加工データ設定方法では、加工対象物の3次元状の加工対象面に対して、レーザ光を照射して所望の加工パターンとして、光学式読取手段で読み取り可能なパターンである読取パターンを加工可能なレーザ加工装置について、所望の加工パターンに基づいて加工データを設定するためのレーザ加工データ設定方法であって、所望の加工パターンで加工するよう加工条件設定手段で加工条件を設定するために、加工パターン情報と、加工対象面の3次元形状に関するプロファイル情報とを入力する工程と、光学式読取手段の所定の光学読み取り方向から見た3次元状の加工対象面に対して、加工パターンの光学読み取り方向に垂直な平面上への正射影像が読取パターンと同様に表示されるように、加工データ生成部が、加工条件設定部で設定された加工条件に基づいて加工データを生成する工程とを有する。
【0014】
さらにまた第9発明に係るレーザ加工データ設定プログラムでは、加工対象物の3次元状の加工対象面に対して、レーザ光を照射して所望の加工パターンとして、光学式読取手段で読み取り可能なパターンである読取パターンを加工可能なレーザ加工装置について、所望の加工パターンに基づいて加工データを設定するためのレーザ加工データ設定プログラムであって、所望の加工パターンで加工するよう加工条件設定手段で加工条件を設定するために、加工パターン情報と、加工対象面の3次元形状に関するプロファイル情報とを入力する機能と、光学式読取手段の所定の光学読み取り方向から見た3次元状の加工対象面に対して、加工パターンの光学読み取り方向に垂直な平面上への正射影像が読取パターンと同様に表示されるように、加工データ生成部が、加工条件設定部で設定された加工条件に基づいて加工データを生成する機能とをコンピュータに実現させる。
【0015】
さらにまた第10発明に係るプログラムを格納したコンピュータで読み取り可能な記録媒体又は記録した機器は、上記プログラムを格納するものである。記録媒体には、CD−ROM、CD−R、CD−RWやフレキシブルディスク、磁気テープ、MO、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−R、DVD+R、DVD−RW、DVD+RW、Blu−ray(登録商標)、HD DVD等の磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリその他のプログラムを格納可能な媒体が含まれる。またプログラムには、上記記録媒体に格納されて配布されるものの他、インターネット等のネットワーク回線を通じてダウンロードによって配布される形態のものも含まれる。さらに記録した機器には、上記プログラムがソフトウェアやファームウェア等の形態で実行可能な状態に実装された汎用もしくは専用機器を含む。さらにまたプログラムに含まれる各処理や機能は、コンピュータで実行可能なプログラムソフトウエアにより実行してもよいし、各部の処理を所定のゲートアレイ(FPGA、ASIC)等のハードウエア、又はプログラムソフトウエアとハードウェアの一部の要素を実現する部分的ハードウエアモジュールとが混在する形式で実現してもよい。
【発明の効果】
【0016】
第1発明、第6〜10発明によれば、3次元の加工対象面であっても、所定の位置(光学式読取手段の光学読み取り方向)から見た加工結果の文字又はシンボルが正しく表現されるように印字加工されるため、読み取り率の高い印字加工が実現される。
第3発明によれば、読取パターンの正面など、規定の位置からの読み取りのみならず、斜め方向等、任意の位置からの読み取りにも対応可能とできる。
【0017】
第5発明によれば、加工パターンのピッチを変更して印字加工することで、加工パターンの濃度を調整できる。特に、正射影像から離れるほど、光学式読取手段の所定の光学読み取り方向から見た読取パターンは濃く見えるが、加工パターンのピッチを広くすることで相対的に濃度を薄くでき、濃度の差を低減して正しく認識できる。
認識率の低下を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するためのレーザ加工条件設定装置、レーザ加工装置、レーザ加工条件設定方法、レーザ加工条件設定プログラム、コンピュータで読み取り可能な記録媒体及び記録した機器を例示するものであって、本発明はレーザ加工条件設定装置、レーザ加工装置、レーザ加工条件設定方法、レーザ加工条件設定プログラム、コンピュータで読み取り可能な記録媒体及び記録した機器を以下のものに特定しない。また、本明細書は特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
【0019】
本明細書においてレーザ加工装置とこれに接続される操作、制御、入出力、表示、その他の処理等のためのコンピュータ、プリンタ、外部記憶装置その他の周辺機器との接続は、例えばIEEE1394、RS−232x、RS−422、RS−423、RS−485、USB、PS2等のシリアル接続、パラレル接続、あるいは10BASE−T、100BASE−TX、1000BASE−T等のネットワークを介して電気的に接続して通信を行う。接続は有線を使った物理的な接続に限られず、IEEE802.1x、OFDM方式等の無線LANやBluetooth(登録商標)等の電波、赤外線、光通信等を利用した無線接続等でもよい。さらに観察像のデータ保存や設定の保存等を行うための記録媒体には、メモリカードや磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ等が利用できる。
【0020】
以下の実施の形態では、本発明を具現化したレーザ加工装置の一例として、レーザマーカについて説明する。ただ、本明細書においてレーザ加工装置は、その名称に拘わらずレーザ応用機器一般に利用でき、例えばレーザ発振器や各種のレーザ加工装置、穴あけ、マーキング、トリミング、スクライビング、表面処理などのレーザ加工や、レーザ光源として他のレーザ応用分野、例えばDVDやBlu−ray(登録商標)等の光ディスクの高密度記録再生用光源や通信用の光源、印刷機器、照明用光源、ディスプレイなどの表示装置用の光源、医療機器等において、好適に利用できる。
【0021】
また、本明細書においては加工の代表例として印字について説明するが、印字とは文字や記号、図形などのマーキングの他、上述した各種の加工も含む概念で使用する。さらに本明細書において加工パターンは読取パターンであって、文字又はシンボルで構成され、ひらがな、カタカナ、漢字、アルファベットや数字、記号、絵文字、アイコン、ロゴ、バーコードや2次元コード等のグラフィック等も含める意味で使用する。特に本明細書において文字又はシンボルで指す文字とは、OCRなど、光学式の読み取り装置で読み取り可能なキャラクターを意味し、アルファベットや漢字、ひらがな、カタカナの他、数字や記号も含む概念である。またシンボルとは、バーコードや2次元コードを意味する。2次元コードには、QRコード、マイクロQRコード、データマトリクス(Data matrix;Data code)、ベリコード(Veri code)、アズテックコード(Aztec code)、PDF417、マキシコード(Maxi code)の他、コンポジットコードやRSS等がある。RSSは省スペースシンボル(Reduced Space Symbology)であり、RSS14、RSS Stacked、RSS Limited、RSS Expanded等が利用されている。コンポジットコードはバーコードと2次元コードを復号化したもので、種々の組み合わせが利用可能であり、例えばバーコードとマイクロQRコードとを組み合わせたものが利用されている。これらの2次元コードにはスタック型とマトリクス型があるが、本発明はいずれの2次元コードに対しても適用できる。
【0022】
また本明細書において光学式読取手段とは、バーコードリーダや2次元コードリーダ、OCR等の光学的な読取装置の他、画像認識装置も含む意味で使用する。また、人間の目視による文字列の判読も、光学式読取手段に含める。
【0023】
図1はレーザ加工装置100を構成するブロック図を示す。この図に示すレーザ加工装置100は、レーザ制御部1とレーザ出力部2と入力部3とを備える。
(入力部3)
【0024】
入力部3はレーザ制御部1に接続され、レーザ加工装置を操作するための必要な設定を入力してレーザ制御部1に送信する。設定内容はレーザ加工装置の動作条件や具体的な印字内容等である。入力部3はキーボードやマウス、コンソール等の入力デバイスである。また、入力部3で入力された入力情報を確認したり、レーザ制御部1の状態等を表示する表示部82を別途設けることもできる。表示部82はLCDやブラウン管等のモニタが利用できる。またタッチパネル方式を利用すれば、入力部と表示部を兼用することもできる。これによって、コンピュータなどを外部接続することなく入力部でレーザ加工装置の必要な設定を行うことができる。
(レーザ制御部1)
【0025】
レーザ制御部1は、制御部4とメモリ部5とレーザ励起部6と電源7とを備える。入力部3から入力された設定内容をメモリ部5に記録する。制御部4は必要時にメモリから設定内容を読み込み、印字内容に応じた印字信号に基づいてレーザ励起部6を動作させてレーザ出力部2のレーザ媒質8を励起する。メモリ部5はRAMやROM等の半導体メモリが利用できる。またメモリ部5はレーザ制御部1に内蔵する他、挿抜可能なPCカードやSDカード等の半導体メモリカード、カード型ハードディスクなどのメモリカードを利用することもできる。メモリカードで構成されるメモリ部5は、コンピュータ等の外部機器で容易に書き換え可能であり、コンピュータで設定した内容をメモリカードに書き込み、レーザ制御部1にセットすることで、入力部をレーザ制御部に接続することなく設定を行うことができる。特に半導体メモリはデータの読み込み・書き込みが高速で、しかも機械的動作部分がないため振動等に強く、ハードディスクのようなクラッシュによるデータ消失事故を防止できる。
【0026】
さらに制御部4は、設定された印字を行うようレーザ媒質8で発振されたレーザ光Lを印字対象物(ワーク)W上で走査させるため、レーザ出力部2の走査部9を動作させる走査信号を走査部9に出力する。電源7は、定電圧電源として、レーザ励起部6へ所定電圧を印加する。印字動作を制御する印字信号は、そのHIGH/LOWに応じてレーザ光LのON/OFFが切り替えられ、その1パルスが発振されるレーザ光Lの1パルスに対応するPWM信号である。PWM信号は、その周波数に応じたデューティ比に基づいてレーザ強度が定められるが、周波数に基づいた走査速度によってもレーザ強度が変化するよう構成することもできる。
(レーザ励起部6)
【0027】
レーザ励起部6は、光学的に接合されたレーザ励起光源10とレーザ励起光源集光部11を備える。レーザ励起部6の内部の一例を図4の斜視図に示す。この図に示すレーザ励起部6は、レーザ励起光源10とレーザ励起光源集光部11をレーザ励起部ケーシング12内に固定している。レーザ励起部ケーシングは、熱伝導性の良い真鍮などの金属で構成され、レーザ励起光源10を効率よく外部に放熱する。レーザ励起光源10は半導体レーザやランプ等で構成される。図4の例では、複数の半導体レーザダイオード素子を直線状に並べたレーザダイオードアレイを使用しており、各素子からのレーザ発振がライン状に出力される。レーザ発振はレーザ励起光源集光部11の入射面に入射されて、出射面から集光されたレーザ励起光として出力される。レーザ励起光源集光部11はフォーカシングレンズ等で構成される。レーザ励起光源集光部11からのレーザ励起光は光ファイバケーブル13等によりレーザ出力部2のレーザ媒質8に入射される。レーザ励起光源10とレーザ励起光源集光部11、光ファイバケーブル13は、空間あるいは光ファイバを介して光学的に結合されている。
(レーザ出力部2)
【0028】
レーザ出力部2は、レーザ発振部50を備える。レーザ光Lを発生させるレーザ発振部50は、レーザ媒質8と、レーザ媒質8が放出する誘導放出光の光路に沿って所定の距離を隔てて対向配置された出力ミラー及び全反射ミラーと、これらの間に配されたアパーチャ、Qスイッチ等を備える。レーザ媒質8が放出する誘導放出光を、出力ミラーと全反射ミラーとの間での多重反射により増幅し、Qスイッチの動作により短周期にて通断しつつアパーチャによりモード選別して、出力ミラーを経てレーザ光Lを出力する。図1に示すレーザ出力部2は、レーザ媒質8と走査部9を備える。レーザ媒質8は光ファイバケーブル13を介してレーザ励起部6から入射されるレーザ励起光で励起されて、レーザ発振される。レーザ媒質8はロッド状の一方の端面からレーザ励起光を入力して励起され、他方の端面からレーザ光Lを出射する、いわゆるエンドポンピングによる励起方式を採用している。
(レーザ媒質8)
【0029】
上記の例では、レーザ媒質8としてロッド状のNd:YVOの固体レーザ媒質を用いた。また固体レーザ媒質の励起用半導体レーザの波長は、このNd:YVOの吸収スペクトルの中心波長である809nmに設定した。ただ、この例に限られず他の固体レーザ媒質として、例えば希土類をドープしたYAG、LiSrF、LiCaF、YLF、NAB、KNP、LNP、NYAB、NPP、GGG等も用いることもできる。また、固体レーザ媒質に波長変換素子を組み合わせて、出力されるレーザ光Lの波長を任意の波長に変換できる。
【0030】
さらに、固体レーザ媒質を使用せず、言い換えるとレーザ光を発振させる共振器を構成せず、波長変換のみを行う波長変換素子を使用することもできる。この場合は、半導体レーザの出力光に対して波長変換を行う。波長変換素子としては、例えばKTP(KTiPO)、有機非線形光学材料や他の無機非線形光学材料、例えばKN(KNbO)、KAP(KAsPO)、BBO、LBOや、バルク型の分極反転素子(LiNbO(Periodically Polled Lithium Niobate :PPLN)、LiTaO等)が利用できる。また、Ho、Er、Tm、Sm、Nd等の希土類をドープしたフッ化物ファイバを用いたアップコンバージョンによるレーザの励起光源用半導体レーザを用いることもできる。このように、本実施の形態においてはレーザ発生源として様々なタイプを適宜利用できる。
【0031】
さらにまた、レーザ発振部は、固体レーザに限られず、COやヘリウム−ネオン、アルゴン、窒素等の気体を媒質として用いる気体レーザを利用することもできる。例えば炭酸ガスレーザを用いた場合のレーザ発振部は、レーザ発振部の内部に炭酸ガス(CO2)が充填され、電極を内蔵しており、レーザ制御部から与えられる印字信号に基づいて、レーザ発振部内の炭酸ガスを励起し、レーザ発振させる。
(走査系)
【0032】
次に、レーザ加工装置のレーザ光走査系を図5、図6、図7に示す。これらの図において、図5はレーザ加工装置のレーザ光走査系の構成を示す斜視図を、図6は図5を逆方向から見た斜視図を、図7は側面図を、それぞれ示している。これらの図に示すレーザ加工装置は、レーザ光Lを発生させるレーザ発振部と光路を一致させたZ軸スキャナを内蔵するビームエキスパンダ53と、X軸スキャナ14aと、X軸スキャナ14aと直交するよう配置されたY軸スキャナ14bとを備える。このレーザ光走査系は、レーザ発振部より出射されるレーザ光LをX軸スキャナ14a、Y軸スキャナ14bで作業領域WS内で2次元的に走査させ、さらにZ軸スキャナ14cで高さ方向にワーキングディスタンスすなわち焦点距離を調整することができ、3次元状に印字加工が可能となる。なお図において集光レンズであるfθレンズは図示を省略している。
【0033】
レーザ加工装置においては一般に、第2のミラー(Y軸スキャナ)で反射されたレーザ光を作業領域に照射させるよう集光するために、第2のミラーと作業領域の間には、fθレンズと呼ばれる集光レンズを配置している。fθレンズは、Z軸方向の補正を行う。具体的には、作業領域の端部に近付くほど焦点位置を伸ばし、ワークWの加工面上に位置させる補正である。
【0034】
本実施の形態において、例えばスポット径を約50μmより小さいビームを形成したい場合は、fθレンズを配置することが好ましい。一方、上述の小スポット径よりも大きい、スポット径が約100μm程度(通常良く使用されるスポット径)のビーム径を採用する場合は、Z軸スキャナ側のビームエキスパンダに備えられたZ軸集光レンズをZ軸方向に移動させることにより、fθレンズが行うべきZ軸方向の補正を、補正制御として行うことができる。これにより、スポット径が大きい場合はfθレンズを省略することも可能となる。この場合は、fθレンズが行うべきZ軸方向の補正を、Z軸スキャナの補正制御に行わせることができる。
【0035】
各スキャナは、光を反射する反射面として全反射ミラーであるガルバノミラーと、ガルバノミラーを回動軸に固定して回動するためのガルバノモータと、回動軸の回転位置を検出して位置信号として出力する位置検出部を備える。またスキャナは、スキャナを駆動するスキャナ駆動部に接続される。スキャナ駆動部はスキャナ制御部に接続され、スキャナを制御する制御信号をスキャナ制御部から受けて、これに基づいてスキャナを駆動する。例えばスキャナ駆動部は、制御信号に基づいてスキャナを駆動する駆動電流を調整する。またスキャナ駆動部は、制御信号に対する各スキャナの回転角の時間変化を調整する調整機構を備える。調整機構は、スキャナ駆動部の各パラメータを調整する可変抵抗等の半導体部品で構成される。
(Z軸スキャナ14c)
【0036】
Z軸スキャナ14cはレーザ光Lのスポット径を調整し、これによって焦点距離を調整するビームエキスパンダ53を構成している。すなわち、ビームエキスパンダで入射レンズと出射レンズとの相対距離を変化させることでレーザ光のビーム径を拡大/縮小し、焦点位置も変化させることができる。ビームエキスパンダ53は、小スポットへの集光を効果的に行わせるため、図5に示すようにガルバノミラーの前段に配置され、レーザ発振部から出力されるレーザ光Lのビーム径を調整すると共に、レーザ光Lの焦点位置を調整可能としている。Z軸スキャナ14cがワーキングディスタンスを調整する方法を、図8〜図10に基づいて説明する。図8、図9はレーザ光走査系の側面図であり、図8はレーザ光Lの焦点距離を長くする場合、図9は焦点距離を短くする場合をそれぞれ示している。また図10はZ軸スキャナ14cの正面図及び断面図を示している。これらの図に示すように、Z軸スキャナ14cはレーザ発振部側に面する入射レンズ16と、レーザ出射側に面する出射レンズ18を含んでおり、これらのレンズ間の距離を相対的に変化可能としている。図8〜図10の例では、出射レンズ18を固定し、入射レンズ16を光軸方向に沿って駆動モータなどで摺動可能としている。図10は出射レンズ18の図示を省略して、入射レンズ16の駆動機構を示している。この例では、コイルと磁石によって軸方向に可動子を摺動可能とし、可動子に入射レンズ16を固定している。ただ、入射レンズ側を固定して出射レンズ側を移動可能としたり、入射レンズ、出射レンズを共に移動可能とすることもできる。
【0037】
図8に示すように、入射レンズ16と出射レンズ18との間の距離を近付けると、焦点位置が遠ざかり、焦点距離(ワーキングディスタンス)が大きくなる。逆に図9に示すように入射レンズ16と出射レンズ18との距離を離すと、焦点位置が近付き焦点距離が小さくなる。
(ディスタンスポインタ)
【0038】
また、3次元加工可能なレーザマーカの作業領域の中心に焦点位置を調整するために、レーザ光を作業領域WS内に走査させる際の照射位置を示すガイドパターンを表示することができる。図5〜図6に示すレーザマーカのレーザ光走査系は、ディスタンスポインタとして、ガイド用光源60と、ガイド用光源60からのガイド光Gをレーザ光走査系の光軸と一致させるためのガイド光光学系の一形態としてハーフミラー62を備えると共に、ポインタ光調整系として、ポインタ光Pを照射するためのポインタ用光源64と、Y軸スキャナ14bの裏面に形成された第3のミラーとしてポインタ用スキャナミラー14dと、ポインタ用スキャナミラー14dで反射されたポインタ用光源64からのポインタ光Pをさらに反射させて焦点位置に向かって照射する固定ミラー66とを備えている。このディスタンスポインタは、レーザ光の焦点位置を示すポインタ光Pをポインタ用光源64から照射し、ガイド光Gで表示されるガイドパターンのほぼ中心に、ポインタ光Pを照射するよう調整することで、レーザ光の焦点位置が指示される。
【0039】
なお、上記の例ではレーザ光走査系に、レーザ光の焦点距離を調整可能な機構を設けることで3次元加工を可能としている。ただ、ワークを載置するステージの位置を上下方向に調整可能とすることで、レーザ光の焦点がワークの作業面で結ぶようにステージの高さを調整する制御を行うことでも、同様に3次元加工を行うこともできる。また、ステージをX軸あるいはY軸方向に移動可能とすることで、レーザ光走査系の該当するスキャナを省略できる。これらの構成は、ワークをライン上に搬送する形態でなく、ステージ上に載置して加工する形態において好適に利用できる。
(レーザマーカのシステム構成)
【0040】
次に図11に、3次元印字可能なレーザマーカのシステム構成を示す。この図に示すレーザ加工システムは、マーキングヘッド150と、マーキングヘッド150と接続されてこれを制御するレーザ制御部1であるコントローラ1Aと、コントローラ1Aとデータ通信可能に接続され、コントローラ1Aに対して印字パターンを3次元のレーザ加工データとして設定するレーザ加工データ設定装置180とを備える。レーザ加工データ設定装置180は、図11の例においてはコンピュータにレーザ加工データ設定プログラムをインストールして、レーザ加工データ設定機能を実現させている。レーザ加工データ設定装置は、コンピュータの他、タッチパネルを接続したプログラマブルロジックコントローラ(PLC)や、その他専用のハードウェア等を利用することもできる。またレーザ加工データ設定装置は、レーザ加工装置の動作を制御する制御装置として機能させることもできる。例えば、一のコンピュータにレーザ加工データ設定装置としての機能と、レーザ出力部を備えるマーキングヘッドのコントローラとしての機能を統合してもよい。さらにレーザ加工データ設定装置は、レーザ加工装置と別部材で構成する他、レーザ加工装置に統合することもでき、例えばレーザ加工装置に組み込まれたレーザ加工データ設定回路等とすることもできる。
【0041】
さらにコントローラ1Aには、必要に応じて各種外部機器190を接続できる。例えばライン上に搬送されるワークの種別、位置等を確認するイメージセンサ等の画像認識装置、ワークとマーキングヘッド150との距離に関する情報を取得する変位計等の距離測定装置、所定のシーケンスに従って機器の制御を行うPLC、ワークの通過を検出するPDセンサその他各種のセンサ等を設置し、これらとデータ通信可能に接続できる。
【0042】
平面状の印字データを3次元状に印字するための設定情報であるレーザ加工データは、レーザ加工データ設定装置180により設定される。図12は、レーザ加工データ設定装置180の一例としてブロック図を示している。この図に示すレーザ加工データ設定装置180は、各種設定を入力するための入力部3と、入力部3から入力された情報に基づいてレーザ加工データを生成する加工データ生成部80Kを構成する演算部80と、設定内容や演算後のレーザ加工データを表示するための表示部82と、各種設定データを記憶するための記憶部5Aとを備える。入力部3は、所望の加工パターンで加工する加工条件を設定するための加工条件設定部3Cとして、ワークの印字面の3次元形状を示すプロファイル情報を入力するための加工面プロファイル入力手段3Aと、印字パターン情報を入力するための加工パターン入力手段3Bと、加工対象面の移動条件を入力するための移動速度入力手段3Dと、必要に応じて光学式読取手段の光学読み取り方向を調整可能な読取方向調整手段3Eの機能を実現する。記憶部5Aは、図1のメモリ部5に相当し、入力部3で設定されたプロファイル情報や印字パターン情報等の情報を記憶する部材であり、固定記憶装置などの記憶媒体や半導体メモリなどが利用できる。表示部82は、専用のディスプレイを設ける他、システムに接続されたコンピュータのモニタを利用してもよい。
(演算部80)
【0043】
演算部80は、加工条件設定部3Cで設定された加工条件に基づいて、実際の加工を行うための加工データを生成するための加工データ生成部80Kとして機能する。また必要に応じて、印字面に印字パターンを仮想的に一致させるように、印字パターン情報を平面状から3次元空間座標データに変換する座標変換手段を実現させることもできる。この演算部80はFPGAやLSI等のICなどで構成される。
【0044】
また図12の例では、レーザ加工データ設定装置を専用のハードウェアで構成したが、これらの部材はソフトウェアでも実行できる。特に、図11に示すように汎用のコンピュータにレーザ加工データ設定プログラムをインストールして、レーザ加工データ設定装置として機能させることもできる。また図12の例では、レーザ加工データ設定装置とレーザ加工装置とを個別の機器としたが、これらを一体的に統合することもできる。例えばレーザ加工装置に自体にレーザ加工データ設定機能を付加することもできる。
(レーザ加工データ設定プログラム)
【0045】
次に、レーザ加工データ設定プログラムを用いて、加工条件設定部3Cから入力された文字情報に基づいて読取パターンを生成し、さらに読取パターンがワーク上に加工された状態で、光学式読取装置が正しく読み取れるように、加工データ生成部80Kが読取パターンを変形する手順を、図17〜図31のユーザインターフェース画面に基づいて説明する。なおこれらのプログラムのユーザインターフェース画面の例において、各入力欄や各ボタン等の配置、形状、表示の仕方、サイズ、配色、模様等は適宜変更できることはいうまでもない。デザインの変更によってより見やすく、評価や判断が容易な表示としたり操作しやすいレイアウトとすることもできる。例えば詳細設定画面を別ウィンドウで表示させる、複数画面を同一表示画面内で表示する等、適宜変更できる。またこれらのプログラムのユーザインターフェース画面において、仮想的に設けられたボタン類や入力欄に対するON/OFF操作、数値や命令入力等の指定は、プログラムを組み込んだコンピュータに接続された入力部3で行う。本明細書において「押下する」とは、ボタン類に物理的に触れて操作する他、入力部によりクリックあるいは選択して擬似的に押下することを含む。入力部等を構成する入出力デバイスはコンピュータと有線もしくは無線で接続され、あるいはコンピュータ等に固定されている。一般的な入力部としては、例えばマウスやキーボード、スライドパッド、トラックポイント、タブレット、ジョイスティック、コンソール、ジョグダイヤル、デジタイザ、ライトペン、テンキー、タッチパッド、アキュポイント等の各種ポインティングデバイスが挙げられる。またこれらの入出力デバイスは、プログラムの操作のみに限られず、レーザ加工装置等のハードウェアの操作にも利用できる。さらに、インターフェース画面を表示する表示部82のディスプレイ自体にタッチスクリーンやタッチパネルを利用して、画面上をユーザが手で直接触れることにより入力や操作を可能としたり、または音声入力その他の既存の入力手段を利用、あるいはこれらを併用することもできる。
【0046】
光学式読取装置で読み取り可能な読取パターンの一例として、バーコードを図13に示す。バーコードは種々の幅をもつ線条(バー)と、バー同士の間のスペースとの比率によって英数字をコード化している。このため、バーやスペースの幅が変化すると、正確な読取が行えなくなる。バーコードの読み取りにおいてはナロー幅や細太比の設定が重要となるが、これらの値が変わってしまう結果、読み取り率の低下のおそれが生じる。
【0047】
例えば、図14に示すように、缶の曲面に印字されたバーコードBについて、缶の正面に配置された光学式読取装置であるバーコードリーダRで読み取る例を考える。図14において、図14(a)は缶状のワークWに印字されたバーコードBをバーコードリーダRで読み取る状態を示す斜視図、図14(b)はバーコードリーダRから観察した読取パターンの正射影像、図14(c)は缶に印字されたバーコードBを平面状に展開した展開図を、それぞれ示している。これらの図に示すように、缶の正面付近の幅は正確に読み取ることができても、缶の端部に向かうほどバーコードBを構成するバーやスペースの幅方向の歪みが大きくなり、読取率が低下するおそれがある。特に情報量が大きく全長の長いバーコードや、ワークの曲率の変化が大きいほど、歪みも大きくなり、読取率が低下する。
【0048】
このような問題は、シンボルに限られずアルファベットや数字等、文字の読み取りについても生じる。例えば、円筒の曲面に文字列「ABC」が印字されたワークWを図15に示す。図15において、図15(a)はワークWを側面から見た状態、図15(b)は、(a)を上面から見た場合の文字列の正射影像、図15(c)はワークWの側面に印字された文字列を平面状に展開した状態を、それぞれ示している。これらの図に示すように、円筒の正面から文字列を見ると、中央の文字「B」と比較して、端部の文字「A」、「B」は横幅が狭くなって観察される。このため、OCRなどで文字を直接読み取ろうとするとする際に、歪みが原因となって認識率が低下することが起こり得る。さらに、シンボルや文字列に限られず、図形の画像認識等においても同様の問題が発生する。
【0049】
このような問題に対処するため本実施の形態では、予め決められた光学式読取装置の光学読み取り方向から、シンボルや文字、画像などの読取パターンを観察すると、正射影像が正しい読取パターンとして表示されるように、加工データ生成部80Kが読取パターンを変形させる。図16は、円筒状ワークWに文字列「ABC」を印字する例を示しており、図16(a)はワークWの側面図、図16(b)は光学式読取装置(OCR機器)から見た文字列の正射影像を示す平面図、図16(c)はワークW表面に印字された文字列を展開した平面図を、それぞれ示している。これらの図に示すように、所定の方向(この例ではワークWの正面)から見た正射影像が本来の読取パターンとなるよう、読取パターンを変形させて印字させている。すなわち、図16(c)の例では、端部に向かうほど幅広となるように変形させている。この結果、光学式読取装置から観察すると文字列が正しく表示されて正確な読み取りが可能となる。
【0050】
上記の設定を行う加工条件設定部3Cの一例を、図17に基づいて説明する。図17は、レーザ加工データ設定プログラムのユーザインターフェース画面の一例を示しており、画面の左側にワーク上に印字される読取パターンのイメージを表示する編集表示欄202、右側に具体的な加工条件として各種データを指定する印字パターン入力欄204を設けている。印字パターン入力欄204では、加工種類指定欄204aと、文字データ指定欄204d、文字入力欄204b、詳細設定欄204cを設けている。加工種類指定欄204aは、加工パターンの種別として、読取パターンである文字列、あるいはロゴや図等の模様といった印字パターン、若しくは加工機としての動作を行うかを指定する。図17の例では、加工種類指定欄204aからラジオボタンで文字列、ロゴ・図、加工機動作の別を選択する。また文字データ指定欄204dは、文字データの種別を指定する。ここでは文字、バーコード、2次元コード、RSS・コンポジットコード(Composite Code:CC)のいずれかをプルダウンメニューから選択する。さらに選択された文字データの種別に応じて、さらに詳細な種別を種別指定欄で選択する。例えば文字を選択した場合はフォントの種別、バーコードを選択した場合は、CODE39、ITF、2of5、NW7、JAN、code28等のバーコード種別、2次元コードを選択した場合は、QRコード、マイクロQRコード、DataMatrix等の2次元コード種別、RSS・コンポジットコードを選択した場合は、RSS-14、RSS Stacked、RSS Limited、RSS Expanded等のRSSコード種別を指定する。文字入力欄204bでは、印字したい文字情報を入力する。入力された文字は、文字データ指定欄204dで文字を選択した場合、そのまま文字列として印字される。一方、シンボルが指定された場合は、選択されたシンボルの種別に従って入力された文字列がエンコードされた読取パターンが生成される。読取パターンの生成は、加工条件設定部3Cで行う他、加工データ生成部で行ってもよい。この例では演算部80が行っている。また詳細設定欄204cは、タブを切り替えて「印字データ」タブ204e、「サイズ・位置」タブ204f、「印字条件」タブ204gなど、印字条件の詳細を指定する。
(ワークのプロファイル情報)
【0051】
図17の例では、平面状のワークに印字する例を示している。このレーザ加工データ設定プログラムでは、加工(印字)対象面が平面状に限られず、3次元形状の加工対象面の設定も可能である。ワークの加工対象面の3次元形状に関するプロファイル情報は、図12の加工面プロファイル入力手段3Aから設定される。プロファイル情報を指定する方法としては、以下のような方法が考えられる。
(1)3次元形状を入力可能なプログラム上から、ワークを作画して指定する方式
【0052】
プログラム上からワークの形状を作図して指定するものである。例えば既存の3次元CADや3次元モデリングツール、ドローソフトのように、平面や直線などの描画ツールを用意し、3次元形状をユーザに直接作画させる。この方法は、3次元形状の作図に慣れたユーザであれば容易に利用できる反面、このような作図に不得手なユーザには敷居が高いという問題がある。
(2)ワークの形状を特定するためのパラメータを、対話形式でユーザに入力させる方式
【0053】
ウィザード方式のように、必要な情報を対話形式でユーザに指定させることで形状を特定する方法である。この方法は、3次元作図に関する知識が不要であるため、利用しやすいという利点がある。例えば、ワークの形状を指定し、該形状を特定するパラメータを指定する。具体的には、ワークの形状を予め選択肢として提示し、選択された形状に応じて、これを特定する入力パラメータの設定項目をさらに提示して入力させる。例えば、加工対象面が斜面状であれば、基準点の座標位置や法線ベクトルの方向等を指定する。また円柱状であれば、基準点の座標位置、円柱半径、円柱中心軸の方向等を指定する。あるいは球状であれば、中心点の座標位置、球半径等を指定する。
(3)ワークの形状に予め作成された3Dデータのデータファイルを入力して変換する方式
【0054】
予め3次元CAD等の別プログラムで作成されたワークのデータファイルを変換して利用するものである。この方法では、既に作成されたデータを利用できるので、ワークの形状指定作業を大幅に省力化できる。読み込み可能なデータファイル形式は、DXF、IGES、STEP、STL、GKS等、各種の汎用的なフォーマットが利用できる。またDWG等、特定のアプリケーションの専用フォーマットを直接入力して変換することもできる。
(4)ワークの形状を実際にイメージセンサ等の画像認識装置で読み込んで取得する方式
【0055】
ワークをイメージセンサ等で読み込んで画像認識等の方法で自動的にデータを取得する。
【0056】
以上の内、本実施の形態では、(2)と(3)の方法を採用している。具体的には、予め用意された基本図形から選択する手段と、3D形状を記録したファイルを入力する手段が利用できる。この様子を、図18〜図20に基づいて説明する。図17の画面から、印字パターン入力欄204の設定項目を選択するタブを「2D設定」タブ204hから「3D設定」タブ204iに切り替えると図18に示す画面となり、プロファイル指定欄205が表示される。図18のプロファイル指定欄205では、基本図形、ZMAP、加工機動作のいずれかをラジオボタンで選択する。
【0057】
基本図形から選択する方法では、予め用意された基本図形の形状を選択する。基本図形としては、平面、円柱、球、円錐などがある。図18の例ではデフォルト画面としてプロファイル指定欄205で基本図形が、その下欄に設けられた形状選択欄206で「平面」が、それぞれ選択されている。ここで、図19に示すように円柱を選択すると、編集表示欄202の表示が平面状から円柱状に切り替えられる。
(3D表示)
【0058】
また、加工対象面を立体的に表示することもできる。この例では、編集表示欄202の表示形式を、2次元状の表示と3次元状の表示とを切り替え可能としている。図19の画面に設けられた表示切替ボタン207(3D)を押下すると、図20に示すように編集表示欄202が3次元表示に切り替えられ、加工対象面の3D形状が立体的に確認できる。また図20の画面から表示切替ボタン207(2D)を押下すると、図19の画面に切り替えられる。このように、表示切替ボタン207を押下する毎に、2D表示と3D表示が切り替えられ、また表示切替ボタン207の表示が、他の表示形態を示す2Dと3Dとに切り替えられる。また図20の3D表示画面においても、図19の2D表示画面と同様に、読取パターンの領域は、枠Kで囲まれて表示される。なお表示切替ボタン207は、フローティングツールバーに含まれており、任意の位置に移動可能である。またフローティングツールバーは表示/非表示を切り替えたり、通常のツールバーに組み込むよう構成してもよい。
(作業領域の設定時の3次元表示)
【0059】
作業領域(印字エリア)を3次元形状のワークに設定し、ワーク形状を含めた印字エリアを3次元的に表示する場合、本実施の形態においては以下のようにして印字エリアがワークに対して適切な印字可能な位置にあることを目視できるよう構成している。
【0060】
まずワークについては、レーザマーカのマーキングヘッドの出射位置からレーザ光を出射した場合、レーザ光と印字対象面とのなす角度が所定の角度範囲(適切に印字が可能と判断できる所定の角度範囲)にある場合と、印字は可能であるものの、印字品質の低下のおそれがある場合(上記所定角度以下または未満の場合)とで、印字対象面に対する色分けを行う。具体的には、適切に印字が可能と判断できる角度範囲には着色を行わず、印字は可能であるものの、印字品質の低下のおそれがある角度範囲には赤色に着色している。これにより、設定された印字エリアが適切な範囲のみに設定されているか、または印字エリアのどの部分が赤色(印字品質低下のおそれがある角度範囲)になっているかを、3次元表示画面から目視により判断できる。
【0061】
また、マーキングヘッドのレーザ出射位置からワークに設定されている印字エリアを見て、ワークの加工面(印字エリア設定領域)が裏側に位置する場合、印字不可能と判断し、ワークに設定された印字エリア(印字内容)を3次元表示画面上で非表示としている。これにより、ユーザはワークに対して自らが設定した印字エリアがどのような状態(位置関係など)にあるかを速やかに把握でき、その印字エリアの位置修正等も容易に行うことができる。
【0062】
また、3次元表示画面で表示させる手段に限られず、何らかの方法で「最適な印字状態を提供できる角度範囲」、「印字品質低下角度範囲」、「印字不可能領域」等を目視できる手法が適宜採用できる。例えば、「最適な印字状態を提供できる角度範囲」、「印字品質低下角度範囲」、「印字不可能領域」等に該当することをテキストでユーザインターフェース画面上に表示したり、音声や警告音、ダイヤログボックス等を利用することもできる。またいずれかの項目のみを表示させることも可能で、例えば印字品質を問わず印字ができれば良いユーザに対しては、「印字不可能領域」に対する情報のみを提供すれば足りる。
【0063】
このように、ワークの形状や印字エリアによってレーザ光が届かない影になる部分が生じる等、3次元印字においてはワークの形状やワークとマーキングヘッドとの位置関係等により、印字が不可能あるいは不十分となる領域が生じ得る。したがって、予めこれらの要因に基づいて印字可能な領域を演算しておき、印字不可能領域にレーザ加工データが設定されると、ユーザに警告を発する等して、再設定を促すように構成できる。このような演算は、演算部80で行うことができる。演算部80を作業領域においてレーザ光を照射できず加工できない、あるいは加工が不良となる加工不良領域を検出する加工不良領域検出手段、加工不良領域における加工条件を加工可能となるように調整する加工条件調整手段、加工不良領域検出手段で検出された加工不良領域に対して、加工可能な領域と異なる態様にて表示するためのハイライト処理を行うハイライト処理手段、加工条件設定部で加工パターンを設定する際、加工不良領域を含む領域に何らかの加工が行われるよう設定されていることを検出して、警告を発するための設定警告手段等の機能を実現させることができる。
【0064】
さらに、上述した実施の形態で「最適な印字状態を提供できる角度範囲」と「印字品質低下角度範囲」とを区別する角度は、装置側でデフォルトの初期値を使用する構成の他、その角度をユーザが入力再設定できるようにユーザインターフェース上に入力項目を設定してもよい。具体的には、レーザ光がワークの加工面に対して照射される角度によって加工に制限が生じ、レーザ光と印字面の法線の方向のなす角θが90°に近付く程、加工が困難となり加工精度が低下する。θの上限(加工限界角度)は臨界角度と呼ばれ、通常60゜が指定される。この数値を、固定式とする他、ユーザが調整可能とすることもできる。
【0065】
図20の例では、円柱の側面付近で印字角度が浅く印字が不良あるいは不可能な領域を赤色で示している。また、設定された加工パターンが印字不可能領域にかかり、印字が不可能である場合に、編集表示欄202において加工パターンを非表示として、ユーザに再設定を促すこともできる。例えば、設定した印字対象面の裏側に印字パターンが回り込んだ場合には加工パターンを非表示とし、印字可能な領域あるいは角度の範囲外となった場合は赤色表示する。一例として、細長いバーコードを円柱状ワークに印字する図19、図20の例では、バーコードの50%以上が印字不可能領域にかかっているため、バーコードを編集表示欄202で非表示としている。そこで、加工パターンが印字可能領域に位置するよう、印字位置を調整する。例えば、図20の「3D設定タブ」204i内の画面内配置設定欄208で印字の開始角度を調整し、デフォルト値の−90°から−120°に変更することで、図21に示すように加工パターンのバーコードが表示される。このように、印字の開始位置や範囲、あるいはバーコードのナロー幅、印字線(バー)幅等の設定を調整し、正しく印字できるようにユーザが画面表示を確認しながら設定できる。なお編集表示欄202における加工パターンの表示/非表示のON/OFFや閾値は、任意に設定できる。
(3D表示画面の視点の変更)
【0066】
3D表示画面においては、視点を任意に変更することが可能である。図21の例から、スクロールバー209を操作することで、図22に示すように3D表示画面の視点を変更できる。また、マウスで3D表示画面上の任意の点をドラッグすることにより、視点を変更するように構成してもよい。
(レーザ出射方向の表示)
【0067】
さらに、3D表示画面において、レーザ出射方向の表示を表示することもできる。図22の例において、編集表示欄202においてマーキングヘッドをアイコン状のイメージMKで表示し、かつマーキングヘッドから出射されるレーザ光LKを直線状に表示している。これによって印字の方向を示すことができるので、上述した印字不可能領域との関係が把握し易くなる。またマーキングヘッドのイメージMKは表示と非表示を切り替えることもできる。図23に、マーキングヘッドイメージMKの表示/非表示の設定画面210の一例を示す。このように、「レーザマーカを表示する」欄のチェックボックスをON/OFFすることによって、表示/非表示を容易に切り替えることができる。
(印字ブロックの配置)
【0068】
さらにまた、レーザ加工データ設定プログラムは、加工対象面の配置を調整する機能も有する。図24の例では、「3D設定」タブ204iを選択した状態で詳細設定欄204cの「ブロック形状・配置」タブ211を選択すると、印字ブロックの基準位置の座標や回転角、ブロック形状の詳細が指定できる。これによって、加工対象面の配置を任意に変更できる。またブロック形状の詳細は、図24のように円柱の加工対象面が指定されている場合は、「ブロック形状」欄212で円柱の半径と、印字面が円柱の内面か外面の別を指定できる。
(移動するワークへの加工)
【0069】
さらにレーザ加工データ設定プログラムは、移動するワークの加工対象面が3次元状であっても正確に印字加工できるように、加工データ生成部80Kが加工条件設定部3Cで設定された加工条件に基づいて、3次元状の加工対象面と一致するように加工データを生成することもできる。ここでは、加工面プロファイル入力手段3Aから加工対象面の3次元形状(例えば加工対象面が円柱状の場合は、円柱の半径など)に関するプロファイル情報を入力し、さらに移動速度入力手段3Dから加工対象面の移動速度などの移動条件を入力して、これらの情報に基づいて加工データ生成部80Kが3次元状の加工面に応じた加工データを生成する。
(レーザ加工データの設定手順)
【0070】
以上のレーザ加工データ設定プログラムを用いて、加工条件設定部3Cから印字条件を設定して加工データ生成部80Kが読取パターンを生成する手順を、図25のフローチャートに基づいて説明する。まず図25のステップS21において、読取パターンを設定する。ここでは、加工条件設定部3Cから文字列を入力し、さらにエンコードするシンボルの種別を指定する。図17の例では、加工種類指定欄204aで文字列を選択し、文字入力欄204bから文字列として「012345」を入力すると共に、文字データ指定欄204の「文字データの種類」欄から、シンボルの種別として「バーコード」、さらにバーコードの詳細種別として「CODE39」を指定している。このようにして指定された情報に基づき、演算部80は読取パターンを生成する。ここでは文字列でなくバーコードが選択されているので、バーコードが生成され、バーコードのイメージが編集表示欄202に表示される。
【0071】
なお、この例では加工条件設定部3Cから入力された文字情報に基づいて、演算部80が自動的に読取パターンとしてシンボルを生成しているが、直接シンボルを入力することも可能である。例えば、既に作成されたシンボルの画像データを加工条件設定部で選択して入力したり、他のプログラムで作成したシンボルを加工条件設定部から貼り付ける等の手段が採用できる。
【0072】
またステップS22で、加工条件設定部3Cからプロファイル情報を入力する。図17の例では、印字パターン入力欄204のタブを「2D設定」タブ204hから「3D設定」タブ204iに切り替えて、図18のプロファイル指定欄205から基本図形を円柱を選択する。これにより、図19に示すように編集表示欄202の表示が平面状から円柱状に切り替えられる。また、編集表示欄202の表示形式を3D表示に切り替えると、図20に示すように加工対象面の3D形状が立体的に確認できる。
【0073】
このように、ステップS21で印字パターン情報を指定し、この読取パターンの平面図を編集表示欄202で表示させた後、ステップS22でプロファイル情報を指定して3次元の読取パターンに変換して編集表示欄202で確認することで、読取パターンの変化を視覚的に確認できる。なお、上記ステップS21とステップS22は、順序を入れ替えてもよい。すなわち、先に加工対象面の形状を指定した後、印字パターン情報を指定することもできる。
(読取パターンの変形)
【0074】
以上のようにして加工対象面のプロファイル情報を指定して、読取パターンを3次元化する。ここで得られた3次元の読取パターンは、2次元状の読取パターンをそのまま3次元の加工対象面に貼り付けたものであり、いいかえると3次元の読取パターンを平面状に展開すると、元の2次元の読取パターンと一致する。しかしながら、上述のように3次元形状の曲率変化が大きい場合などは読取パターンに歪みが生じ、読取率の低下に繋がる。そこで、光学式読取装置で正しく読み取れるように、図25のフローチャートにおいてステップS23で読取パターンを変形する。この様子を、図26〜図28に基づいて説明する。
【0075】
図26は、同じバーコードを3つのブロックで作成して並べて表示した状態を示している。この状態ではいずれのバーコードも平面に張り付いた状態である。これらのバーコードを上から順にバーコードB1〜3とする。
【0076】
次に図27及び図28に、バーコードB1〜2を円柱状の加工面に貼り付けた状態を示す。図27は、円柱状加工面の3次元状に表示した立体図であり、また図28は円柱状加工面を上面から見た正射影像(平面図)を示している。なお、この例ではバーコードB1とB2の表示状態の差異を判り易く表現するため、円柱の半径を変更して表示しているが、半径を同じとしても同様の効果が得られる。
【0077】
バーコードB1は、平面図から円柱状加工面に射影したパターンを貼り付けた状態を示しており、図16に示すように円柱状加工面を正面から見たときに正しくバーコードが再現される状態となる。このため、図27に示すように円柱の端部に向かって幅が広くなるように表示されている。
【0078】
一方、バーコードB2は、上述した図21と同様に、平面図をそのまま円柱状加工面に貼り付けた状態を示しており、正面から見たとき円柱の端部に向かって幅が狭くなるよう表示される。またバーコードB3は図26の状態から変形せず、平面図のままで示している。図27及び図28から明らかなように、バーコードB1の表示はバーコードB3と同じとなるので、正面から見たときにバーコードの幅が元の状態から変化せず、正確な読み取りが行える。一方、バーコードB2のように曲面にそのまま貼り付けると、図28に示すようにバーコードを構成するバー及びスペースの幅が端部で異なってしまうため、読み取り率が低下する原因となる。このように、読取パターンを変形させることで、読み取り率を改善できることが確認できる。
【0079】
読取パターンの変形は、加工データ生成部80Kの機能を実現する演算部80が行う。演算部80は、単に印字パターンを、端部で幅広になるように変形する他、レーザ光の印字ピッチを調整することでも、対応できる。すなわち、通常の加工においては印字ピッチを一定にして、バーコードのバーを構成する領域を塗り潰すように印字している。これに対して、印字ピッチを横方向に意図的に広くすることで、擬似的に印字パターンを横長に変形できる。一方、印字ピッチを広くすると、印字濃度が薄くなる。しかしながら、円筒の端部においては、光学読み取り方向から見た場合、奥行きが長くなる分、正射影像から見るとピッチの間隔が相対的に狭くなり濃度が濃くなるため、実質的に印字濃度の低下分が補償される。すなわち、印字のピッチを広くしても濃度が維持されるので、認識率に与える影響は少ない。
【0080】
この方法であれば、印字ピッチを変更するのみで、言い換えるとバー部分を塗り潰すためのレーザ光の走査回数を増やすことなく印字できるので、印字速度を低下させないという利点が得られる。また、印字ピッチのみで横長の変形を対応させるのでなく、印字ピッチの調整しつつ、幅が一定以上広くなり十分な濃度が得られない場合は、新たなレーザ光の走査を追加することで、濃度を維持できる。この方法では、レーザ光の走査回数が増えるので、若干印字に要する時間が長くなるものの、通常と同じ印字ピッチですべての加工パターンを印字する場合に比べて、全体のレーザ光走査回数は低減されるので、印字時間の増加を最小限に抑えることができる。
(光学読み取り方向の指定)
【0081】
上記の例では、光学式読取装置の光学読み取り方向を正面とした例を説明した。ただ、光学読み取り方向を正面に固定する他、任意の位置に設定することも可能である。すなわち、任意の位置あるいは方向から読取パターンを観察した場合に表示される読取パターンを、元の2次元上での読取パターンと一致するように、3次元上の加工対象面に印字することができる。この演算も上記と同様に、指定された位置から加工対象面を見た場合の読取パターンが、設定された読取パターンとなるように、この位置から読取パターンを3次元上の加工対象面に射影したパターンを、印字パターンとして設定する。これによって、斜め方向からバーコードを読み取るようなレイアウトでも、読み取り率を低下させることなく安定した読み取りを実現でき、光学式読取装置とワークとの位置関係に応じた、適切な印字を行うことが可能となる。
【0082】
光学式読取装置の位置又は方向は、読取方向調整手段3Eから指定可能である。図29に、読取方向調整手段3Eの一形態である読み取り方向設定画面213の一例を示す。この図に示すように、光学式読取装置の位置を座標位置指定欄214から指定することができる。また、座標位置による指定の他、ベクトルや直線などを指定して光学読み取り方向を調整することもできる。あるいは編集表示欄202において光学式読取装置のアイコンRKを表示し、マウスなどでアイコンをドラッグして任意の位置に移動させることによって、光学式読取装置とワークとの位置関係を指定するように構成してもよい。この方法であればユーザが感覚的に光学式読取装置の配置を把握しながら所望の位置に設定することができる。
(文字列の印字)
【0083】
以上の例では、読取パターンとしてバーコードの例を説明したが、2次元コード等、他のシンボルにおいても、同様に設定、変形できることは言うまでもない。2次元コードはタイミングパターンを有しており、歪みによって生じる各セル(ドット)の位置ずれを補正することができる。そのため、バーコードと比べて曲面に印字されたものへの読み取りが容易となっているが、歪みに対しては2次元コードの種別によって安定性に差がある。このため、シンボルを曲面に応じて変形させることで読み取りの安定性を増すことができる。このように、記録できる情報量の多いシンボルに対して、歪みを予め補正した読取パターンを印字することによって、読み取り率を向上させて正確且つ安定した読み取りが可能となる。
【0084】
また同様に、文字列に対してもこのような変形を行うことができる。文字列の変形は、文字列を画像認識により直接判読するOCRに好適に利用できる。また、ユーザが凹凸面に印字された文字を直読しやすいように印字する用途にも利用できる。以下、文字列の印字を設定する手順を、図30及び図31のレーザ加工データ設定プログラムのユーザインターフェース画面に基づいて説明する。これらの図においても、加工パターン入力手段3Bは印字パターン入力欄204で実現される。印字パターン入力欄204の中段には、加工パターンの種別を指定する加工種類指定欄204aや文字列を入力するための文字入力欄204b、線種(単線又は太線)等、印字データの詳細を設定するための複数のタブを備える詳細設定欄204c等が設けられる。図30の例では加工種類指定欄204aで「文字列」を選択し、文字入力欄204bから印字したい文字列として「012345」を入力すると、左欄の編集表示欄202に編集中の文字列「012345」が平面状に表示される。また、表示切替ボタン207で3Dを押下すると、編集表示欄202が図31に示す3D表示に切り替えられる。このようにして読取パターンを指定した後、必要に応じて光学読み取り方向を指定し、この方向から正射影像が視認できるように読取パターンを変形する。
【0085】
以上のようにして、加工データとして3次元空間座標データが得られた後、必要に応じて調整作業が行われる。例えばレイアウトの調整や高さ方向(z方向)への微調整が挙げられる。微調整には、プログラム上に設けられたバーでのスライド調整やマウスのホイール回転等の手段が利用できる。
【0086】
以上の手順で最終的なレーザ加工データが生成され設定作業が終了した後、得られたレーザ加工データをレーザ加工データ設定プログラムから、図11に示すレーザ加工装置のコントローラ1Aに転送する。転送の実行には、レーザ加工データ設定プログラムの画面左下に設けられた「転送・読出し」ボタン215を押下する。
【0087】
レーザ加工装置では、レーザ加工データに基づいて印字加工を行う。また実際の加工開始に先立って、テスト印字を行わせてもよい。これにより、所望の印字パターンの印字が得られるかどうかを事前に確認することができる。またテスト印字結果に基づいて、さらにレーザ加工データを再設定することもできる。
【0088】
以上の例では、一のワークに一の印字パターンを指定する例を説明したが、同様の手順を繰り返すことにより一のワークに複数の印字パターンを指定することもできる。また、レーザ加工データ設定プログラムの一画面にワークを一のみを表示する構成に限られず、一画面に複数のワークを表示させて、それぞれのワークに印字パターンを指定することもできる。
【0089】
以上のようにして、光学式読取装置の光学読み取り方向から見た読取パターンが、所望のシンボルや文字となるように印字パターンを調整できるため、読み取り率の高い印字結果を得ることができる。また、光学式読取装置の読み取りに限られず、ユーザが印字結果を判読しやすいように文字列などを印字する用途にも好適に利用できる。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明のレーザ加工条件設定装置、レーザ加工装置、レーザ加工条件設定方法、レーザ加工条件設定プログラム、コンピュータで読み取り可能な記録媒体及び記録した機器は、例えばマーキング、穴あけ、トリミング、スクライビング、表面処理等、立体形状を有する立体の表面にレーザ照射を行う処理において、立体形状の設定に広く適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明の一実施の形態に係るレーザ加工装置の構成を示すブロック図である。
【図2】円筒状ワークの円周方向に沿ってシンボルを印字した状態を示す斜視図である。
【図3】円筒状ワークの長手方向に沿ってシンボルを印字した状態を示す斜視図である。
【図4】図1のレーザ励起部の内部構造を示す斜視図である。
【図5】レーザ加工装置のレーザ光走査系を含むマーキングヘッドの構成を示す斜視図である。
【図6】図5を背面方向から見た斜視図である。
【図7】図5を側面から見た側面図である。
【図8】焦点距離を長くする場合のレーザ光走査系を示す側面図である。
【図9】焦点距離を短くする場合のレーザ光走査系を示す側面図である。
【図10】Z軸スキャナを示す正面図及び断面図である。
【図11】3次元印字可能なレーザマーカのシステム構成を示すブロック図である。
【図12】レーザ加工データ設定装置を示すブロック図である。
【図13】バーコードの一例を示す平面図である。
【図14】図14(a)は円筒状ワークの円周方向に沿って印字されたシンボルを光学式読取装置で読み取る状態を示す斜視図、図14(b)は(a)の光学読み取り方向から見た正射影像を示す平面図、図14(c)はシンボルを平面上に展開した状態を示す斜視図である。
【図15】図15(a)は文字列をそのまま円筒状ワークの側面に印字した例における側面図、図15(b)は、(a)を上面から見た正射影像を示す平面図、図15(c)は文字列を平面状に展開した状態を示す斜視図である。
【図16】図16(a)は文字列を変形させて円筒状ワークの側面に印字した例における側面図、図16(b)は、(a)を上面から見た正射影像を示す平面図、図16(c)は文字列を平面状に展開した状態を示す斜視図である。
【図17】レーザ加工データ設定プログラムのユーザインターフェース画面の一例(2Dバーコードの表示例)を示すイメージ図である。
【図18】図17で「3D設定」に切り替えた状態を示すイメージ図である。
【図19】図18で円柱を選択した状態を示すイメージ図である。
【図20】図19から編集表示欄を3次元表示に切り替えた状態を示すイメージ図である。
【図21】図20で印字開始角度を調整した状態を示すイメージ図である。
【図22】図21から3D表示画面の視点を変更した状態を示すイメージ図である。
【図23】マーキングヘッドの表示/非表示の設定画面を示すイメージ図である。
【図24】図22からワークの配置を変更した状態を示すイメージ図である。
【図25】印字条件を設定して読取パターンを生成する手順を示すフローチャートである。
【図26】同じバーコードを3つ表示した状態を示すイメージ図である。
【図27】図26のバーコードを円柱状加工面の3次元状に表示した状態を示すイメージ図である。
【図28】図27の円柱状加工面を上面から見た正射影像を示すイメージ図である。
【図29】読み取り方向設定画面の一例を示すイメージ図である。
【図30】文字列の印字設定を行う設定画面の一例を示すイメージ図である。
【図31】図30の設定画面の一例を示すイメージ図である。
【符号の説明】
【0092】
100…レーザ加工装置
1…レーザ制御部;1A…コントローラ;2…レーザ出力部
3…入力部;3A…加工面プロファイル入力手段;3B…加工パターン入力手段
3C…加工条件設定部;3D…移動速度入力手段;3E…読取方向調整手段
4…制御部;5…メモリ部;5A…記憶部
6…レーザ励起部;7…電源;8…レーザ媒質;9…走査部
10…レーザ励起光源;11…レーザ励起光源集光部
12…レーザ励起部ケーシング;13…光ファイバケーブル
14…スキャナ;14a…X軸スキャナ;14b…Y軸スキャナ
14c…Z軸スキャナ;14d…ポインタ用スキャナミラー
15…集光部;16…入射レンズ;18…出射レンズ
50…レーザ発振部;51、51a、51b…ガルバノモータ
52…スキャナ駆動回路;53…ビームエキスパンダ
60…ガイド用光源;62…ハーフミラー;64…ポインタ用光源;66…固定ミラー
80…演算部;80K…加工データ生成部
82…表示部
150…マーキングヘッド
180…レーザ加工データ設定装置
190…外部機器
202…編集表示欄
204…印字パターン入力欄
204a…加工種類指定欄
204b…文字入力欄
204c…詳細設定欄
204d…文字データ指定欄
204e…「印字データ」タブ
204f…「サイズ・位置」タブ
204g…「印字条件」タブ
204h…「2D設定」タブ
204i…「3D設定」タブ
205…プロファイル指定欄
206…形状選択欄
207…表示切替ボタン
208…画面内配置設定欄
209…スクロールバー
210…マーキングヘッドイメージの表示/非表示設定画面
211…「ブロック形状・配置」タブ
212…「ブロック形状」欄
213…読み取り方向設定画面
214…座標位置指定欄
215…「転送・読出し」ボタン
L…レーザ光
P…ポインタ光
G…ガイド光
W…ワーク
WS…作業領域
B、B1〜B3…バーコード
R…バーコードリーダ
K…枠
MK…マーキングヘッドイメージ
LK…レーザ光
RK…光学式読取装置のアイコン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工対象物の3次元状の加工対象面に対して、レーザ光を走査して所望の加工パターンとして、光学式読取手段で読み取り可能なパターンである読取パターンを加工可能なレーザ加工装置について、所望の加工パターンに基づいて加工に必要な加工データを設定するためのレーザ加工データ設定装置であって、
所望の加工パターンで加工する加工条件を設定するための加工条件設定部と、
前記加工条件設定部で設定された加工条件に基づいて、実際の加工を行うための加工データを生成するための加工データ生成部と、
を備え、
前記加工条件設定部はさらに、
読取パターンを構成するための情報として文字又はシンボルを入力するための加工パターン入力手段と、
加工対象面の3次元形状に関するプロファイル情報を入力するための加工面プロファイル入力手段と、
を備え、
光学式読取手段の所定の光学読み取り方向から見た3次元状の加工対象面に対して、加工パターンの光学読み取り方向に垂直な平面上への正射影像が読取パターンと同様に表示されるように、前記加工データ生成部が、前記加工条件設定部で設定された加工条件に基づいて加工データを生成することを特徴とするレーザ加工データ設定装置。
【請求項2】
請求項1に記載のレーザ加工データ設定装置であって、
光学式読取手段の光学読み取り方向が、3次元状の加工対象面の正面に設定されてなることを特徴とするレーザ加工データ設定装置。
【請求項3】
請求項1に記載のレーザ加工データ設定装置であって、
前記加工条件設定部がさらに、
光学式読取手段の光学読み取り方向を調整可能な読取方向調整手段を備えることを特徴とするレーザ加工データ設定装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一に記載のレーザ加工データ設定装置であって、
3次元状の加工対象面が円周状であり、該加工対象面に対する加工条件として、前記加工面プロファイル入力手段が、円周状加工対象面の円周の中心の座標及び/又は半径を指定可能であることを特徴とするレーザ加工データ設定装置。
【請求項5】
請求項4に記載のレーザ加工データ設定装置であって、
3次元状の加工対象面が曲面を有し、該曲面が加工パターンの光学読み取り方向に垂直な平面上への正射影像から離れるほど、照射されるレーザ光をピッチを広くして印字加工するよう、前記加工データ生成部が、前記加工条件設定部で設定された加工条件に基づいて加工データを生成可能に構成してなることを特徴とするレーザ加工データ設定装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一に記載のレーザ加工データ設定装置であって、
前記読取パターンが、バーコード又は2次元コードであることを特徴とするレーザ加工データ設定装置。
【請求項7】
加工対象物の3次元状の加工対象面に対して、レーザ光を照射して所望の加工パターンとして、光学式読取手段で読み取り可能なパターンである読取パターンを加工可能なレーザ加工装置であって、
レーザ光を発生させるためのレーザ発振部と、
前記レーザ発振部より出射されるレーザ光を作業領域内において走査させるためのレーザ光走査系として、
入射レンズと出射レンズを備えるビームエキスパンダであって、前記レーザ発振部から照射されるレーザ光の光軸に前記入射レンズ及び出射レンズの光軸を一致させた状態で、入射レンズと出射レンズ間の相対距離を変化させてレーザ光の焦点距離を調整可能なビームエキスパンダと、
前記ビームエキスパンダを透過したレーザ光を第1の方向に走査させるための第1のミラーと、
前記第1のミラーで反射されたレーザ光を前記第1の方向と略直交する第2の方向に走査させるための第2のミラーと、
前記第2のミラーで反射されたレーザ光を作業領域に照射させるよう集光するための集光レンズ
とを有するレーザ光走査系と、
前記レーザ発振部および前記レーザ光走査系を制御するためのレーザ制御部と、
所望の加工パターンで加工する加工条件を設定するための加工条件設定部と、
前記加工条件設定部で設定された加工条件に基づいて、実際の加工を行うための加工データを生成するための加工データ生成部と、
を備え、
前記加工条件設定部はさらに、
読取パターンを構成するための情報として文字又はシンボルを入力するための加工パターン入力手段と、
加工対象面の3次元形状に関するプロファイル情報を入力するための加工面プロファイル入力手段と、
を備え、
光学式読取手段の所定の光学読み取り方向から見た3次元状の加工対象面に対して、加工パターンの光学読み取り方向に垂直な平面上への正射影像が読取パターンと同様に表示されるように、前記加工データ生成部が、前記加工条件設定部で設定された加工条件に基づいて加工データを生成可能に構成してなることを特徴とするレーザ加工装置。
【請求項8】
加工対象物の3次元状の加工対象面に対して、レーザ光を照射して所望の加工パターンとして、光学式読取手段で読み取り可能なパターンである読取パターンを加工可能なレーザ加工装置について、所望の加工パターンに基づいて加工データを設定するためのレーザ加工データ設定方法であって、
所望の加工パターンで加工するよう加工条件設定手段で加工条件を設定するために、加工パターン情報と、加工対象面の3次元形状に関するプロファイル情報とを入力する工程と、
光学式読取手段の所定の光学読み取り方向から見た3次元状の加工対象面に対して、加工パターンの光学読み取り方向に垂直な平面上への正射影像が読取パターンと同様に表示されるように、前記加工データ生成部が、前記加工条件設定部で設定された加工条件に基づいて加工データを生成する工程と、
を有することを特徴とするレーザ加工データ設定方法。
【請求項9】
加工対象物の3次元状の加工対象面に対して、レーザ光を照射して所望の加工パターンとして、光学式読取手段で読み取り可能なパターンである読取パターンを加工可能なレーザ加工装置について、所望の加工パターンに基づいて加工データを設定するためのレーザ加工データ設定プログラムであって、
所望の加工パターンで加工するよう加工条件設定手段で加工条件を設定するために、加工パターン情報と、加工対象面の3次元形状に関するプロファイル情報とを入力する機能と、
光学式読取手段の所定の光学読み取り方向から見た3次元状の加工対象面に対して、加工パターンの光学読み取り方向に垂直な平面上への正射影像が読取パターンと同様に表示されるように、前記加工データ生成部が、前記加工条件設定部で設定された加工条件に基づいて加工データを生成する機能と、
をコンピュータに実現させることを特徴とする加工データ設定プログラム。
【請求項10】
請求項9に記載されるプログラムを格納したコンピュータで読み取り可能な記録媒体又は記録した機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図25】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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