レーザ加工機の自動工具交換装置
【課題】テーブル移動型のレーザ加工機における旋回型のトーチとノズルの交換装置を提供する。
【解決手段】レーザ加工機の自動工具交換装置１００は、マガジン１５０上に配置される複数のトーチホルダ１６０とノズル交換装置１７０を備える。加工ヘッド４０は紙面に垂直なＹ軸方向と、Ｚ軸方向に移動する。交換すべきトーチを格納したトーチホルダ１６０をＹ軸パスライン上に旋回させ、加工ヘッド４０を降下させてトーチの交換を行う。
【解決手段】レーザ加工機の自動工具交換装置１００は、マガジン１５０上に配置される複数のトーチホルダ１６０とノズル交換装置１７０を備える。加工ヘッド４０は紙面に垂直なＹ軸方向と、Ｚ軸方向に移動する。交換すべきトーチを格納したトーチホルダ１６０をＹ軸パスライン上に旋回させ、加工ヘッド４０を降下させてトーチの交換を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、レーザ加工機に装備されるトーチとノズルの自動交換装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
レーザ加工機にトーチやノズル等のツールを自動交換する装置を装備したものは、例えば、本出願人に係る下記の特許文献１，特許文献２に開示されている。
この特許文献１、２のレーザ加工機は、レーザ加工ヘッドがＸ，Ｙ，Ｚの３軸上のパスライン上を移動する構造を備えるものである。
また、特許文献３は、テーブルがＸ軸方向に移動し、加工ヘッドはＹ軸，Ｚ軸方向に移動する構造を有するレーザ加工機におけるノズル交換装置を開示している。
【特許文献１】特開２００５−３３４９２０号公報
【特許文献２】特開２００５−３３４９２１号公報
【特許文献２】特開平７−１８５８６５号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
本発明の目的は、前述した特許文献３に開示したような構造を有するレーザ加工機にあって、より多くの交換用のトーチとノズル等のツールを装備できるマガジンを備え、しかも小さなスペースに設置することができる自動工具装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【０００４】
本発明の目的は、ベッド上に摺動自在に配置されてＸ軸パスラインに沿って移動するテーブルと、ベッドの上に立設されるコラムに支持されてＹ軸パスライン及びＺ軸パスラインに沿って移動するレーザ加工ヘッドを備えたレーザ加工機において、ベッドのオペレータ側とは反対側に配置される自動工具装置を備え、自動工具交換装置は、基板と、基板上に回転自在に支持される円形のテーブル状のマガジンと、マガジンを旋回駆動するサーボモータと、マガジン上に円周方向に配設される複数のトーチホルダと、トーチホルダをＹ軸パスライン上に割り出す位置決め手段とを備えることにより達成される。
【０００５】
そして、自動工具交換装置は、マガジン上に装備されて複数のノズルを直線状に格納するノズル自動交換装置を備え、基板に設けられてトーチホルダを加工ヘッドに向けて昇降させるリフトアップシリンダを備える。
【０００６】
さらに、ノズル自動交換装置は、ノズルピンを加工ヘッドに装着されたトーチに向けて昇降させるノズルピン昇降シリンダを備えるものである。
【発明の効果】
【０００７】
上述した構成を備えることにより、本発明のレーザ加工機は、限られたスペース内に多くのトーチとノズルを格納し、効率よく自動交換することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００８】
図１は本発明を適用するレーザ加工機の正面図、図２は平面図である。
全体を符号１で示すレーザ加工機は、ベッド１０上にＸ軸方向に移動するテーブル２０を有するベッド１０上部に立設されるコラム３０には、加工ヘッド４０がＹ軸及びＺ軸方向に移動自在に装備される。
また、ベッドの両側にはレーザ発振器５０や強電盤が配設され、コラム３０のオペレータ側の側面には操作盤７０が配置される。
本発明の自動工具交換装置１００は、コラム３０のオペレータ側に配設される。
【０００９】
図３は、自動工具交換装置の正面図、図４は平面図である。
自動工具交換装置１００は、ベース１１０とベース１１０に設けられるマガジン上昇用１１２を有し、シリンダロット１１４上部に基板１１６が昇降自在に装備される基板１１６には、位置決め用ショットピン１２０マガジン旋回サーボモータ１３０、リフトアップシリンダ１４０等が装備される。
基板１１６上には、マガジン１５０が矢印Ｒ１方向に旋回自在にとりつけられる。
【００１０】
マガジン１５０は円形のテーブル状のもので、マガジン１５０の回転中心Ｃ１から同一半径上に配置された６個のトーチホルダ１６０を備える。各トーチホルダ１６０には、それぞれトーチＴ１が格納される。各トーチホルダ１６０の中心は、マガジン１５０を旋回させて、加工ヘッドのＹ軸パスライン上に位置決めすることができる。
マガジン１５０上には、ノズル交換装置１７０も配設される。このノズル交換装置１７０は直線状のもので、１０個のノズルＮ１を格納することができる。そして、このノズル交換装置１７０の長手方向の軸線Ｌ１は、加工ヘッドのＹ軸パスラインに合致されるように配設される。
【００１１】
図５は、トーチの交換位置を示す平面図である。
マガジン１５０を矢印Ｒ１方向に旋回させて交換用のトーチＴ１が格納されたトーチホルダ１６０又は、加工ヘッドに装備されていたトーチを格納する空のトーチホルダ１６０の中心を加工ヘッドのＹ軸パスライン上に位置決めし、後述する操作手順で加工ヘッドのトーチを交換する。
【００１２】
図６は、ノズルの交換位置を示す平面図である。
マガジン１５０を矢印Ｒ１方向に旋回させて、ノズル交換装置１７０の軸線Ｌ１が加工ヘッドのＹ軸パスラインと一致する位置に割り出す。
そして、トーチを装備した加工ヘッドをＹ軸上で移動させて、所望のノズルを選択し、トーチに対して交換する。
【００１３】
図７、図８はトーチの交換操作を示す説明図である。
図７の（ａ）は初期状態を示す。サーボモータ１３０を駆動してマガジン１５０を旋回し、所望のトーチホルダ１６０の軸線と加工ヘッド４０の主軸４２の軸線を一致させる。
図７の（ｂ）では位置決め用ショットピン１２０を作動してマガジン１５０を割り出し固定するとともに、シリンダ１１２を作動させてロッド１１４を伸長し、マガジン１５０を上昇させる。
図７の（ｃ）では、リフトアップシリンダ１４０を作動させてトーチホルダ１６０を上昇させる。
この上昇に合わせてトーチホルダ１６０のカバー１６２が開く。
【００１４】
次に、図８の（ｄ）に移行し、加工ヘッド４０がＺ軸方向に降下して、主軸４２がトーチホルダ１６０内のトーチＴ１を把持する。
図８の（ｅ）では、シリンダ１１２を作動させてロッド１１４を縮小し、マガジン１５０を降下させる。
図８の（ｆ）では、加工ヘッド４０をＺ軸方向に上昇させるとともに、トーチリフト１４０を下降させ、新しいトーチＴ１の把持操作を完了する。トーチホルダ１６０のカバー１６２も自動で閉じる。
【００１５】
使用後のトーチを空いているトーチホルダ１６０に戻す操作も同様な手順をとる。
また、トーチＴ１の先端ノズルＮ１を交換するには、マガジン１５０を旋回させて、ノズル交換装置１７０を加工ヘッド４０の直下に移動させる。この位置ではノズル交換装置１７０の軸線は加工ヘッド４０のＹ軸パスラインに一致するので、ノズルピン用シリンダ１７２を作動させて、トーチＴ１先端のノズルＮ１を交換する。
【図面の簡単な説明】
【００１６】
【図１】本発明の適用するレーザ加工機の正面図。
【図２】図１の平面図。
【図３】自動工具交換装置の正面図。
【図４】図３の平面図。
【図５】トーチの交換位置を示す正面図。
【図６】ノズルの交換位置を示す平面図。
【図７】トーチの交換操作を示す説明図。
【図８】トーチの交換操作を示す説明図。
【符号の説明】
【００１７】
１ レーザ加工機
１０ ベッド
２０ テーブル
３０ コラム
４０ 加工ヘッド
１００ 自動工具交換装置
１５０ マガジン
１６０ トーチホルダ
１７０ ノズル交換装置
【技術分野】
【０００１】
本発明は、レーザ加工機に装備されるトーチとノズルの自動交換装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
レーザ加工機にトーチやノズル等のツールを自動交換する装置を装備したものは、例えば、本出願人に係る下記の特許文献１，特許文献２に開示されている。
この特許文献１、２のレーザ加工機は、レーザ加工ヘッドがＸ，Ｙ，Ｚの３軸上のパスライン上を移動する構造を備えるものである。
また、特許文献３は、テーブルがＸ軸方向に移動し、加工ヘッドはＹ軸，Ｚ軸方向に移動する構造を有するレーザ加工機におけるノズル交換装置を開示している。
【特許文献１】特開２００５−３３４９２０号公報
【特許文献２】特開２００５−３３４９２１号公報
【特許文献２】特開平７−１８５８６５号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
本発明の目的は、前述した特許文献３に開示したような構造を有するレーザ加工機にあって、より多くの交換用のトーチとノズル等のツールを装備できるマガジンを備え、しかも小さなスペースに設置することができる自動工具装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【０００４】
本発明の目的は、ベッド上に摺動自在に配置されてＸ軸パスラインに沿って移動するテーブルと、ベッドの上に立設されるコラムに支持されてＹ軸パスライン及びＺ軸パスラインに沿って移動するレーザ加工ヘッドを備えたレーザ加工機において、ベッドのオペレータ側とは反対側に配置される自動工具装置を備え、自動工具交換装置は、基板と、基板上に回転自在に支持される円形のテーブル状のマガジンと、マガジンを旋回駆動するサーボモータと、マガジン上に円周方向に配設される複数のトーチホルダと、トーチホルダをＹ軸パスライン上に割り出す位置決め手段とを備えることにより達成される。
【０００５】
そして、自動工具交換装置は、マガジン上に装備されて複数のノズルを直線状に格納するノズル自動交換装置を備え、基板に設けられてトーチホルダを加工ヘッドに向けて昇降させるリフトアップシリンダを備える。
【０００６】
さらに、ノズル自動交換装置は、ノズルピンを加工ヘッドに装着されたトーチに向けて昇降させるノズルピン昇降シリンダを備えるものである。
【発明の効果】
【０００７】
上述した構成を備えることにより、本発明のレーザ加工機は、限られたスペース内に多くのトーチとノズルを格納し、効率よく自動交換することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００８】
図１は本発明を適用するレーザ加工機の正面図、図２は平面図である。
全体を符号１で示すレーザ加工機は、ベッド１０上にＸ軸方向に移動するテーブル２０を有するベッド１０上部に立設されるコラム３０には、加工ヘッド４０がＹ軸及びＺ軸方向に移動自在に装備される。
また、ベッドの両側にはレーザ発振器５０や強電盤が配設され、コラム３０のオペレータ側の側面には操作盤７０が配置される。
本発明の自動工具交換装置１００は、コラム３０のオペレータ側に配設される。
【０００９】
図３は、自動工具交換装置の正面図、図４は平面図である。
自動工具交換装置１００は、ベース１１０とベース１１０に設けられるマガジン上昇用１１２を有し、シリンダロット１１４上部に基板１１６が昇降自在に装備される基板１１６には、位置決め用ショットピン１２０マガジン旋回サーボモータ１３０、リフトアップシリンダ１４０等が装備される。
基板１１６上には、マガジン１５０が矢印Ｒ１方向に旋回自在にとりつけられる。
【００１０】
マガジン１５０は円形のテーブル状のもので、マガジン１５０の回転中心Ｃ１から同一半径上に配置された６個のトーチホルダ１６０を備える。各トーチホルダ１６０には、それぞれトーチＴ１が格納される。各トーチホルダ１６０の中心は、マガジン１５０を旋回させて、加工ヘッドのＹ軸パスライン上に位置決めすることができる。
マガジン１５０上には、ノズル交換装置１７０も配設される。このノズル交換装置１７０は直線状のもので、１０個のノズルＮ１を格納することができる。そして、このノズル交換装置１７０の長手方向の軸線Ｌ１は、加工ヘッドのＹ軸パスラインに合致されるように配設される。
【００１１】
図５は、トーチの交換位置を示す平面図である。
マガジン１５０を矢印Ｒ１方向に旋回させて交換用のトーチＴ１が格納されたトーチホルダ１６０又は、加工ヘッドに装備されていたトーチを格納する空のトーチホルダ１６０の中心を加工ヘッドのＹ軸パスライン上に位置決めし、後述する操作手順で加工ヘッドのトーチを交換する。
【００１２】
図６は、ノズルの交換位置を示す平面図である。
マガジン１５０を矢印Ｒ１方向に旋回させて、ノズル交換装置１７０の軸線Ｌ１が加工ヘッドのＹ軸パスラインと一致する位置に割り出す。
そして、トーチを装備した加工ヘッドをＹ軸上で移動させて、所望のノズルを選択し、トーチに対して交換する。
【００１３】
図７、図８はトーチの交換操作を示す説明図である。
図７の（ａ）は初期状態を示す。サーボモータ１３０を駆動してマガジン１５０を旋回し、所望のトーチホルダ１６０の軸線と加工ヘッド４０の主軸４２の軸線を一致させる。
図７の（ｂ）では位置決め用ショットピン１２０を作動してマガジン１５０を割り出し固定するとともに、シリンダ１１２を作動させてロッド１１４を伸長し、マガジン１５０を上昇させる。
図７の（ｃ）では、リフトアップシリンダ１４０を作動させてトーチホルダ１６０を上昇させる。
この上昇に合わせてトーチホルダ１６０のカバー１６２が開く。
【００１４】
次に、図８の（ｄ）に移行し、加工ヘッド４０がＺ軸方向に降下して、主軸４２がトーチホルダ１６０内のトーチＴ１を把持する。
図８の（ｅ）では、シリンダ１１２を作動させてロッド１１４を縮小し、マガジン１５０を降下させる。
図８の（ｆ）では、加工ヘッド４０をＺ軸方向に上昇させるとともに、トーチリフト１４０を下降させ、新しいトーチＴ１の把持操作を完了する。トーチホルダ１６０のカバー１６２も自動で閉じる。
【００１５】
使用後のトーチを空いているトーチホルダ１６０に戻す操作も同様な手順をとる。
また、トーチＴ１の先端ノズルＮ１を交換するには、マガジン１５０を旋回させて、ノズル交換装置１７０を加工ヘッド４０の直下に移動させる。この位置ではノズル交換装置１７０の軸線は加工ヘッド４０のＹ軸パスラインに一致するので、ノズルピン用シリンダ１７２を作動させて、トーチＴ１先端のノズルＮ１を交換する。
【図面の簡単な説明】
【００１６】
【図１】本発明の適用するレーザ加工機の正面図。
【図２】図１の平面図。
【図３】自動工具交換装置の正面図。
【図４】図３の平面図。
【図５】トーチの交換位置を示す正面図。
【図６】ノズルの交換位置を示す平面図。
【図７】トーチの交換操作を示す説明図。
【図８】トーチの交換操作を示す説明図。
【符号の説明】
【００１７】
１ レーザ加工機
１０ ベッド
２０ テーブル
３０ コラム
４０ 加工ヘッド
１００ 自動工具交換装置
１５０ マガジン
１６０ トーチホルダ
１７０ ノズル交換装置
【特許請求の範囲】
【請求項１】
ベッド上に摺動自在に配置されてＸ軸パスラインに沿って移動するテーブルと、ベッドの上に立設されるコラムに支持されてＹ軸パスライン及びＺ軸パスラインに沿って移動するレーザ加工ベッドを備えたレーザ加工機にあって、
ベッドのオペレータ側とは反対側に配置される自動工具装置を備え、
自動工具交換装置は、基板と、基板上に回転自在に支持される円形のテーブル状のマガジンと、マガジンを旋回駆動するサーボモータと、マガジン上に円周方向に配設される複数のトーチホルダと、トーチホルダをＹ軸パスライン上に割り出す位置決め手段とを備えるレーザ加工機の自動工具交換装置。
【請求項２】
自動工具交換装置は、マガジン上に装備されて複数のノズルを直線状に格納するノズル自動交換装置を備える請求項１記載のレーザ加工機の自動工具交換装置。
【請求項３】
基板に設けられてトーチホルダを加工ヘッドに向けて昇降させるリフトアップシリンダを備える請求項１記載のレーザ加工機の自動工具交換装置。
【請求項４】
ノズル自動交換装置は、ノズルピンを加工ヘッドに装着されたトーチに向けて昇降させるノズルピン昇降シリンダを備える請求項２に記載のレーザ加工機の自動工具交換装置。
【請求項１】
ベッド上に摺動自在に配置されてＸ軸パスラインに沿って移動するテーブルと、ベッドの上に立設されるコラムに支持されてＹ軸パスライン及びＺ軸パスラインに沿って移動するレーザ加工ベッドを備えたレーザ加工機にあって、
ベッドのオペレータ側とは反対側に配置される自動工具装置を備え、
自動工具交換装置は、基板と、基板上に回転自在に支持される円形のテーブル状のマガジンと、マガジンを旋回駆動するサーボモータと、マガジン上に円周方向に配設される複数のトーチホルダと、トーチホルダをＹ軸パスライン上に割り出す位置決め手段とを備えるレーザ加工機の自動工具交換装置。
【請求項２】
自動工具交換装置は、マガジン上に装備されて複数のノズルを直線状に格納するノズル自動交換装置を備える請求項１記載のレーザ加工機の自動工具交換装置。
【請求項３】
基板に設けられてトーチホルダを加工ヘッドに向けて昇降させるリフトアップシリンダを備える請求項１記載のレーザ加工機の自動工具交換装置。
【請求項４】
ノズル自動交換装置は、ノズルピンを加工ヘッドに装着されたトーチに向けて昇降させるノズルピン昇降シリンダを備える請求項２に記載のレーザ加工機の自動工具交換装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【公開番号】特開２００８−５５４３９（Ｐ２００８−５５４３９Ａ）
【公開日】平成２０年３月１３日（２００８．３．１３）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００６−２３２３４０（Ｐ２００６−２３２３４０）
【出願日】平成１８年８月２９日（２００６．８．２９）
【出願人】（０００１１４７８７）ヤマザキマザック株式会社 (80)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２０年３月１３日（２００８．３．１３）
【国際特許分類】
【出願日】平成１８年８月２９日（２００６．８．２９）
【出願人】（０００１１４７８７）ヤマザキマザック株式会社 (80)
【Ｆターム（参考）】
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