説明

レーザ加工装置

【課題】複数の穴開け加工の位置精度を向上すると共に穴開け加工のタクトを短縮する。
【解決手段】プリント配線基板9にレーザ光Lを照射してプリント配線基板9上に予め定められた複数位置に夫々穴22を加工するレーザ加工装置であって、レーザ光Lの光路上にて、その上流側からレーザ光Lの強度分布を均一化する第2のフライアイレンズ6と、第2のフライアイレンズ6を射出したレーザ光Lを平行光にする第2のコンデンサレンズ7と、プリント配線基板9に対向して配置され、プリント配線基板9上の上記複数位置に対応して複数のマイクロレンズ19を形成したマイクロレンズアレイ8と、を備えたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被加工物にレーザ光を照射して該被加工物上に予め定められた複数位置に夫々穴を加工するレーザ加工装置に関し、詳しくは、複数の穴開け加工の位置精度を向上すると共に穴開け加工のタクトを短縮しようとするレーザ加工装置に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来のレーザ加工装置は、ガルバノスキャナによってレーザ光を被加工物上の照射位置へ導き、加工穴となるレーザ光の照射位置にパルス型のレーザ光を照射してバーストショット加工するもので、直交二軸の下に揺動する二つのガルバノスキャナを夫々高速揺動させてレーザ光の照射位置を移動させ、被加工物上の目標位置に位置付けて停止させた後、該目標位置にパルス型のレーザ光を照射してバーストショット加工するようになっていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−154198号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このような従来のレーザ加工装置において、ガルバノスキャナによるレーザ光の照射位置の位置決め精度は、±15μm程度であり、例えばBGA(Ball Grid Array)やCSP(Chip Size Package)等の半導体チップの電極端子に対応してプリント配線基板に形成された複数の電極パッド上のインポーザに例えば径が30μm〜50μmの穴を夫々形成しようとした場合、上記電極パッドは、上記ガルバノスキャナの位置決め精度に起因して生ずる位置ずれを吸収するために100μm角程度の大きさに形成する必要があった。この場合、上記半導体チップの電極端子の配列ピッチは、通常300μm程度であるため、プリント配線基板の上記電極パッド間に100μm〜150μmの配線を形成しようとしたとき、配線の余裕スペースは25μm〜50μm程度となり、配線ショート等の不良が発生するおそれがあった。
【0005】
また、従来のレーザ加工装置においては、上記穴開け加工の位置精度の問題から、プリント配線基板の電極パッドの大きさを100μmよりも小さくすることが困難であるため、半導体チップの電極端子の配列ピッチが300μmよりも小さくなった場合には、対応することが困難であった。
【0006】
さらに、ガルバノスキャナによりレーザ光Lの照射位置の移動・停止を繰り返しながら複数の穴をレーザ加工するようになっていたので、複数の穴開け加工のタクトが長いという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、このような問題点に対処し、複数の穴開け加工の位置精度を向上すると共に穴開け加工のタクトを短縮しようとするレーザ加工装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明によるレーザ加工装置は、被加工物にレーザ光を照射して該被加工物上に予め定められた複数位置に夫々穴を加工するレーザ加工装置であって、レーザ光の光路上にて、その上流側からレーザ光の強度分布を均一化する光均一化手段と、前記光均一化手段を射出したレーザ光を平行光にする集光素子と、前記被加工物に対向して配置され、該被加工物上の前記複数位置に対応して複数のマイクロレンズを形成したマイクロレンズアレイと、を備えたものである。
【0009】
このような構成により、光均一化手段でレーザ光の強度分布を均一化し、集光素子で光均一化手段を射出したレーザ光を平行光にし、被加工物に対向して配置され、該被加工物上に予め定められた複数位置に対応して複数のマイクロレンズを形成したマイクロレンズアレイでレーザ光を被加工物上の上記複数位置に照射して夫々穴開け加工する。
【0010】
また、前記光均一化手段は、複数のレンズを縦横に並べて配置したフライアイレンズである。これにより、フライアイレンズでレーザ光の強度分布を均一化してマイクロレンズアレイに照射する。
【0011】
さらに、前記光均一化手段は、ホモジナイザーである。これにより、ホモジナイザーでレーザ光の強度分布を均一化してマイクロレンズアレイに照射する。
【0012】
さらにまた、前記光均一化手段は、前記レーザ光の光軸を中心にして回転するものである。これにより、光均一化手段をレーザ光の光軸を中心にして回転する。
【0013】
そして、予め定められた深さの前記穴をレーザ光のn回ショット(nは2以上の整数)で形成するときに、前記光均一化手段は、前記レーザ光のn回ショット中に1回転以上するように回転が制御されている。これにより、レーザ光のn回ショット中に1回転以上するように光均一化手段の回転を制御し、真円の穴を予め定められた深さに加工する。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る発明によれば、フォトリソグラフィ技術により形成可能なマイクロレンズアレイを使用して被加工物上に予め定められた複数位置にレーザ光を照射することができ、上記複数の穴開け加工の位置精度を向上することができる。また、被加工物上の複数位置に同時にレーザ光を照射することができ、穴開け加工のタクトを短縮することができる。
【0015】
また、請求項2又は3に係る発明によれば、レーザ光の強度分布を均一化することができ、深さの均一な穴開け加工をすることができる。
【0016】
さらに、請求項4及び5に係る発明によれば、真円の穴を加工することができる。したがって、レーザ光の照射による熱応力が局部的に集中して被加工物に亀裂が発生するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明によるレーザ加工装置の実施形態を示す正面図である。
【図2】本発明に使用するプリント配線基板の一構成例を示す平面図である。
【図3】上記プリント配線基板のチップ搭載領域を示す説明図である。
【図4】上記レーザ加工装置のマイクロレンズアレイの一構成例を示す平面図である。
【図5】上記レーザ加工装置を使用した穴開け加工を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明によるレーザ加工装置の実施形態を示す正面図である。このレーザ加工装置は、被加工物にレーザ光を照射して該被加工物上に予め定められた複数位置に夫々穴を加工するもので、XYステージ1と、レーザ光源2と、第1のフライアイレンズ3と、第1のコンデンサレンズ4と、拡散板5と、第2のフライアイレンズ6と、第2のコンデンサレンズ7と、マイクロレンズアレイ8とを備えて構成されている。
【0019】
上記XYステージ1は、被加工物である例えばプリント配線基板9を上面に位置決め載置してXYの二次元平面内を移動させるもので、図示省略のX軸及びY軸の位置センサーを備えている。また、XYステージ1の中心を軸として所定角度だけ回転することができるようにもなっている。
【0020】
ここで、上記プリント配線基板9は、図2に示すように、表面にBGAやCSPの半導体チップを搭載する矩形状の複数のチップ搭載領域10が予め設定されており、該各チップ搭載領域10にてその最上層であるインポーザの下側の層には、図3に示すように上記半導体チップの複数の電極端子に対応して複数の電極パッド11が形成されている。なお、図3は、複数の電極パッド11がチップ搭載領域10の矩形状中央領域12を取り囲む周辺領域13に形成されている場合を例示している。また、図2に示すように、矩形状のチップ搭載領域10の外側にてチップ搭載領域10の少なくとも一つの対角線上には、チップ搭載領域10の中心から互いに反対方向に予め定められた距離だけ離れて例えば一対の十字状の基板側アライメントマーク14が設けられている。
【0021】
上記XYステージ1の上方には、レーザ光源2が設けられている。このレーザ光源2は、レーザ光Lをパルス発振するYAGレーザやCOレーザ等であり、本実施形態においては、波長が355nmのCOレーザを使用した場合について述べる。これにより、約30μm径の穴開け加工が可能となる。
【0022】
上記レーザ光Lの光路上にて上記レーザ光源2の下流側には、第1のフライアイレンズ3が設けられている。この第1のフライアイレンズ3は、レーザ光Lの強度分布を均一化すると共に光束径を拡張するビームエキスパンダの機能を果たすものであり、レーザ光Lの光束径内に複数の集光レンズを縦横に配置して備えている。そして、レーザ光源2から放射されたレーザ光Lを受けてこれを各集光レンズの後焦点位置に一旦集光した後、放射状に発散させてレーザ光Lの光束径を拡張するようになっている。
【0023】
上記レーザ光Lの光路上にて上記第1のフライアイレンズ3の下流側には、第1のコンデンサレンズ4が設けられている。この第1のコンデンサレンズ4は、第1のフライアイレンズ3を射出したレーザ光Lを平行光にするためのものであり、その前焦点位置を第1のフライアイレンズ3の後焦点位置(各集光レンズの後焦点位置を含む面とレーザ光Lの光軸OAとの交点位置)に略合致させて配置されている。
【0024】
上記レーザ光Lの光路上にて上記第1のコンデンサレンズ4の下流側には、拡散板5が設けられている。この拡散板5は、上記第1のフライアイレンズ3の各集光レンズを射出した複数のレーザビームが後述の第2のフライアイレンズ6の入射側面上で干渉するのを防止するためのものであり、表面に微細な凹凸パターンをランダムに形成したスリガラス状の板である。
【0025】
上記レーザ光Lの光路上にて上記拡散板5の下流側には、第2のフライアイレンズ6が設けられている。この第2のフライアイレンズ6は、入射するレーザ光Lの強度分布を均一化するためのもので光均一化手段となるものであり、レーザ光Lの拡張されたビーム径内に複数の集光レンズを縦横に配置して備えた二つのレンズアレイ15a,15bを互いに対応する集光レンズの中心軸が合致するように対向配置した構成を有している。そして、上記第2のフライアイレンズ6は、図示省略の回転駆動機構により、レーザ光Lの光軸OA(光路の中心軸)を中心にして回転するようになっている。この場合、第2のフライアイレンズ6は、予め定められた所定深さの穴(ビアホール)をレーザ光Lのn回ショット(nは2以上の整数)で形成するときに、レーザ光Lのn回ショット中に1回転以上するように回転が制御されている。本実施形態においては、レーザ光Lの40回ショットで所定深さの穴として約40μmの穴開け加工が可能である。したがって、第2のフライアイレンズ6は、レーザ光Lの40回ショット中に1回転以上するように回転が制御される。
【0026】
上記レーザ光Lの光路上にて上記第2のフライアイレンズ6の下流側には、第2のコンデンサレンズ7が設けられている。この第2のコンデンサレンズ7は、第2のフライアイレンズ6を射出したレーザ光Lを平行光にするものであり集光素子となるもので、その前焦点位置を上記第2のフライアイレンズ6の後焦点位置(一対のレンズアレイ15a,15bのうち下流側のレンズアレイ15bの各集光レンズの後焦点位置を含む面とレーザ光Lの光軸OAとの交点位置)に略合致させて配置されている。なお、図1において、符号23は、光路を直角に折り曲げる全反射ミラーである。
【0027】
上記レーザ光Lの光路上にて上記第2のコンデンサレンズ7の下流側には、プリント配線基板9に対向してマイクロレンズアレイ8が配置されている。このマイクロレンズアレイ8は、プリント配線基板9上に予め形成された複数の電極パッド11の位置に対応して複数のマイクロレンズ19を形成したものである。具体的には、例えば図4に示すように、矩形状の透明基材16の矩形状中央領域17を取り囲む周辺領域18に複数のマイクロレンズ19が形成されている。この場合、縦横に配置された複数のマイクロレンズ19の中心線間隔wは、プリント配線基板9の電極パッド11の配列ピッチw(図3参照)に等しい。また、矩形状の透明基材16の少なくとも一つの対角線上には、プリント配線基板9の基板側アライメントマーク14に対応して例えば一対の枠状のレンズ側アライメントマーク20が形成されている。このような、マイクロレンズアレイ8は、例えばフォトリソグラフィの技術を利用して製造することができ、各マイクロレンズ19の配列ピッチをサブミクロンから数ミクロンの精度で形成することができる。
【0028】
そして、上記マイクロレンズアレイ8の上方に配設された図示省略のアライメント用カメラにより、上記レンズ側アライメントマーク20とその下に位置する基板側アライメントマーク14とを同一視野内に捕らえて例えば各アライメントマーク20,14の中心位置のずれ量を計測し、該ずれ量がゼロとなるようにXYステージ1を移動してマイクロレンズアレイ8とプリント配線基板9のチップ搭載領域10との位置合わせをするようになっている。
【0029】
なお、マイクロレンズアレイ8は、マイクロレンズ19の外側領域に遮光膜が形成されていても形成されていなくてもよい。遮光膜が形成されていない場合にも、マイクロレンズ19外を透過するレーザ光Lはプリント配線基板9上に集光されないので、プリント配線基板9上にレーザ光Lのエネルギーが集中せず、これらのレーザ光Lによりプリント配線基板9が加工されることはない。
【0030】
次に、このように構成されたレーザ加工装置の動作について説明する。
先ず、XYステージ1上にプリント配線基板9が位置決めして載置される。続いて、起動スイッチが投入されると、XYステージ1がXY平面内を移動してプリント配線基板9の最初のチップ搭載領域10(例えば、図2において左上端部に位置するチップ搭載領域10)をマイクロレンズアレイ8の真下の位置に位置付ける。
【0031】
次に、図示省略のアライメント用カメラにより、マイクロレンズアレイ8のレンズ側アライメントマーク20と基板側アライメントマーク14とを同一視野内に捕らえて撮像し、該画像を図示省略の制御手段により画像処理して、例えばレンズ側アライメントマーク20及び基板側アライメントマーク14の中心間距離を計測する。そして、両者の中心間距離が予め定められた値、例えばゼロとなるようにXYステージ1を微動してマイクロレンズアレイ8とプリント配線基板9の最初のチップ搭載領域10との間の位置合わせをする。また、必要に応じてXYステージ1をその中心を軸に回転して位置合わせをする。
【0032】
上記位置合わせが終了すると、レーザ光源2が点灯して一定周波数で発振するパルスレーザ光Lを放射する。このレーザ光Lは、第1のフライアイレンズ3により強度分布が均一化されると共に光束径が拡大されて第1のコンデンサレンズ4に入射する。
【0033】
第1のコンデンサレンズ4に入射したレーザ光Lは、該第1のコンデンサレンズ4により上記第1のフライアイレンズ3の各集光レンズを射出したレーザビームの主光線が光軸OAに平行な平行光にされて拡散板5に入射する。
【0034】
上記拡散板5において、レーザ光Lは一定の角度範囲内でランダムな方向に拡散される。これにより、第2のフライアイレンズ6の入射側面上では、上記第1のフライアイレンズ3の各集光レンズを射出したレーザビームが干渉せず、干渉縞が発生することがない。
【0035】
拡散板5を射出したレーザ光Lは、第2のフライアイレンズ6により強度分布が均一化され、さらに第2のコンデンサレンズ7により、第2のフライアイレンズ6の各集光レンズを射出したレーザビームの主光線が光軸OAに平行な平行光にされてマイクロレンズアレイ8に入射する。
【0036】
マイクロレンズアレイ8の各マイクロレンズ19は、レーザ光Lをプリント配線基板9の各電極パッド11に対応した位置に集光し、プリント配線基板9上に第2のフライアイレンズ6の射出側端面形状と相似形の例えば四角形のビームスポットを形成する。これにより、プリント配線基板9の電極パッド11上のインポーザには、図5に示すように例えば四角形の穴21が加工されることになる。
【0037】
上記実施形態においては、一定深さ(例えば40μm)の穴開け加工がレーザ光Lのn回ショット(nは2以上の整数であり、例えば40回ショット)で形成される場合に、図示省略の回転駆動機構により第2のフライアイレンズ6が光軸OA(光路の中心軸)を中心にレーザ光Lのn回ショット(40回ショット)中に1回転以上される。これにより、プリント配線基板9上に照射される上記四角形の複数のビームスポットは、複数の電極パッド11上のインポーザに穴開け加工をしながら、図5の例えば矢印方向に回転される。したがって、各電極パッド11上には、マイクロレンズアレイ8の各マイクロレンズ19の中心軸を中心とする横断面円形状の複数の穴22が同時に加工されることになる。この場合、各穴22の配列ピッチは、マイクロレンズアレイ8の各マイクロレンズ19の形成精度によって決まるため、その位置精度はサブミクロンから数ミクロン程度となる。
【0038】
続いて、XYステージ1をチップ搭載領域10の配列ピッチに等しい距離だけ例えば図2において左に移動して、2番目のチップ搭載領域10をマイクロレンズアレイ8の真下に位置づける。その後、上述と同様にしてマイクロレンズアレイ8と2番目のチップ搭載領域10との位置合わせをした後、第2のフライアイレンズ6を回転しながらレーザ光Lを照射して2番目のチップ搭載領域10の複数の電極パッド11に対応させて複数の穴22を加工する。以降、これを繰り返し実行することにより、プリント配線基板9上の全てのチップ搭載領域10に穴開け加工をする。
【0039】
本発明によれば、プリント配線基板9の複数の電極パッド11に対応して複数のマイクロレンズ19を形成したマイクロレンズアレイ8により、上記複数の電極パッド11上にレーザ光Lを夫々集光して穴開け加工をするようにしているので、従来のガルバノミラーによりレーザ光Lをステップ移動しながら穴開け加工する場合に比べて穴開け加工の位置精度が遥かに向上する。したがって、従来と同じ径の穴22を同じ配列ピッチで形成する場合、電極パッド11の大きさを従来よりも小さくすることができる。それ故、隣接する電極パッド11間に配線を形成する場合にも、十分な余裕スペースを確保することができ、配線のショート等の不良の発生を低減することができる。
【0040】
また、半導体チップの電極端子間隔が狭まった場合にも、それに応じて各マイクロレンズ19の径を小さくすると共にその間隔を狭めたマイクロレンズアレイ8を準備することにより容易に対応することができる。
【0041】
さらに、一つのチップ搭載領域10の複数の電極パッド11に対応して複数の穴開け加工を同時に行なうことができるので、穴開け加工のタクトを短縮することができる。
【0042】
なお、上記実施形態においては、光均一化手段がフライアイレンズ(第2のフライアイレンズ6)の場合について説明したが、本発明はこれに限られず、光均一化手段はホモジナイザーであってもよい。
【0043】
また、上記実施形態においては、集光素子がコンデンサレンズである場合について説明したが、本発明はこれに限られず、集光素子は凹面鏡であってもよい。
【0044】
さらに、上記実施形態においては、マイクロレンズアレイ8とプリント配線基板9との位置合わせをXYステージ1を微動させて行う場合について説明したが、本発明はこれに限られず、マイクロレンズ8側、又はマイクロレンズ8及びXYステージ1の両方を微動させてもよい。
【0045】
そして、以上の説明においては、被加工物がプリント配線基板9である場合について述べたが、本発明はこれに限られず、被加工物は複数の穴22をレーザ加工しようとする部材であれば如何なるものであってもよい。
【符号の説明】
【0046】
6…第2のフライアイレンズ(均一化手段)
7…第2のコンデンサレンズ(集光素子)
8…マイクロレンズアレイ
9…プリント配線基板(被加工物)
19…マイクロレンズ
22…穴
L…レーザ光
OA…レーザ光の光軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加工物にレーザ光を照射して該被加工物上に予め定められた複数位置に夫々穴を加工するレーザ加工装置であって、
レーザ光の光路上にて、その上流側から
レーザ光の強度分布を均一化する光均一化手段と、
前記光均一化手段を射出したレーザ光を平行光にする集光素子と、
前記被加工物に対向して配置され、該被加工物上の前記複数位置に対応して複数のマイクロレンズを形成したマイクロレンズアレイと、
を備えたことを特徴とするレーザ加工装置。
【請求項2】
前記光均一化手段は、複数のレンズを縦横に並べて配置したフライアイレンズであることを特徴とする請求項1記載のレーザ加工装置。
【請求項3】
前記光均一化手段は、ホモジナイザーであることを特徴とする請求項1記載のレーザ加工装置。
【請求項4】
前記光均一化手段は、前記レーザ光の光軸を中心にして回転することを特徴とする請求項2又は3記載のレーザ加工装置。
【請求項5】
予め定められた深さの前記穴をレーザ光のn回ショット(nは2以上の整数)で形成するときに、前記光均一化手段は、前記レーザ光のn回ショット中に1回転以上するように回転が制御されていることを特徴とする請求項4記載のレーザ加工装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−230159(P2011−230159A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−102904(P2010−102904)
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【出願人】(500171707)株式会社ブイ・テクノロジー (283)
【Fターム(参考)】