説明

レーザ画像形成

インク配合物は、マーキング成分と、700〜2,000mnのレーザ照射を吸収し、それにより上記マーキング成分を色変化させる金属塩とを含む。銅塩は特に、ダイオードレーザ又はCOレーザを用いて有効なマーキングを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ画像形成に関する。
【背景技術】
【0002】
WO02/068205、WO02/074548、WO2004/043704及びPCT/GB2004/003219、ならびに、米国特許出願第10/344393号及び同第10/380381号を含む、同一の優先日を主張する対応特許出願(それぞれの内容は、参照により本明細書に援用される)では、レーザ画像形成、およびその目的に用いられ得る材料が記載されている。通常提供される例では、高エネルギレーザの使用を伴う。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
非接触型近IR(赤外線)源、特にダイオードレーザを使用して、様々な情報パッケージ等の用途用にコーティングから画像を生成することには、多くの関心が寄せられている。ダイオードレーザの有する経済性、携帯性及び使用の容易さ等の好ましい特質は、店内表示等に関するパッケージ産業におけて、現在需要が高い。
【0004】
インク配合物中に、熱(〜1〜20μm)及びCOレーザ(〜10μm)等の遠IR源から中IR源までの放射線を吸収する材料を包含させることによって、近IR源以外のこのようなエネルギ波長に露出することで明瞭なカラー画像を生成するコーティングが、生成される。これらの同様のインク配合物中に、ダイオードレーザ(〜1μm)等の近IR源からの放射線を吸収する材料を包含させると、近、中または遠IR放射線に露出すると明瞭なカラー画像を生成するコーティングが、生成される。
【0005】
銅塩は、従前より「レーザ光活性」化合物として使用されてきた(米国特許文献US5840791A、US20030191223AおよびUS20020016394Aを参照のこと)。それらは、プラスチック成分のレーザマーキングのために、熱可塑性ポリマー成形品、熱可塑性樹脂及び熱可塑性ポリマー粉末組成物等において使用される。ヒドロキシリン酸銅(II)、ピロリン酸銅(II)及び硫酸銅(II)等の無機銅塩、ならびにフマル酸銅(II)、マレイン酸銅(II)及びシュウ酸銅(II)等の有機銅塩が知られている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、機能性IR吸収材料/発色材料として金属塩を利用する。この金属塩は、高波長の照射に対して所望の反応を別途引き起こす成分と組み合わせた場合、レーザ源からの放射線を吸収すると、着色反応を直接引き起こすことができる。例えば、コーティングを塗布する際に、オキシ金属アニオン成分を併用すると、明瞭なカラー画像を得ることができる。あるいは、着色成分を使用して、明瞭な画像を得ることができる。
【0007】
本発明によれば、ダイオードレーザおよびCOレーザを、例えばパッケージの画像生成用途に利用する可能性が実現されうる。明瞭な色変化を可能にするコーティングを生成するために、液膜形成インクを様々な基材上に塗布すると、近IR源へ露出することで、第一次的にはインクの配合にもよるが、良好な結果をもたらすことが示されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明で使用される必須成分は、1種以上の金属塩である。好ましい金属は銅である。他の好適な塩としては、一価金属又は多価金属、例えばFe又はZn等の遷移金属がある。多金属塩を使用してもよい。多金属塩は、酸化化合物中の2つ以上の金属中心の存在を特徴とし、一般に、多くの異なる遷移金属およびそれらの酸化物から構成される。例えば、銅およびモリブデン酸化物二元金属塩、または銅およびタングステン酸化物二元金属塩は、外部の近IR吸収材を必要としない単一分子ダイオードレーザ画像生成コーティングを提供する。したがって、近IR吸収材及びマーキング成分は、同一分子内で結合され、実際には、コーティングの個々の離散した粒子内に密にそのままの状態で保持される。
【0009】
IR吸収材は、色変化化学特性に適合し、吸収スペクトルの可視領域において、全く吸収しないか又は最小の吸収を示し、かつ800〜2,000nm(好ましいλmaxは約1,000nmである)の効率的な吸収材でなければならない。好ましくは、IR吸収材は、自然界の無機物である。IR吸収材は、200℃を超える熱安定性、ならびに良好な光安定性及び耐候性を有していなければならない。IR吸収材は、完成コーティング配合物中で無色であるか、または最低限の色しか付与してはならない。IR吸収材のさらなる好ましい特徴としては、耐水性を有し、水中で最低限の溶解度しか示さず、水性結合剤に対して相溶性、および/または一般的な有機溶媒に対して相溶性を有し、環境にやさしく、容易に入手可能で、かつ無毒であることが挙げられる。
【0010】
特に好適な銅塩(例示のためだけに以下に挙げられる)は、1種以上の一連の物質、例えばヒドロキシルリン酸銅(II)又はピロリン酸銅(II)であってもよい。好適な多金属塩は、例えばモリブデン酸化銅(II)、タングステン酸化銅(II)、ならびにモリブデン酸化鉄(III)及びタングステン酸化鉄(III)等の他のものである。好適なインク配合物には、1〜50、例えば1〜10%w/wの塩が含まれていてもよい。
【0011】
より一般的には、銅の例を挙げると、近IR吸収特性を有する塩として、以下のものを用いることができる。
(様々な)銅(II)フタロシアニン、例えば、塩化A,B,C,D−テトラキス(ピリジニオメチル)銅(II)フタロシアニン、銅(II)1,2,3,4,8,9,10,11,15,16,17,18,22,23,24,25−ヘキサデカフルオロ−29h,31h−フタロシアニン、銅(II)5,9,14,18,23,27,32,36−オクタブトキシ−2,3−ナフタロシアニン、銅(II)5,9,14,18,23,27,32,36−オクタブトキシ−2,3−ナフタロシアニン、銅(II)1,4,8,11,15,18,22,25−オクタブトキシ−29h,31h−フタロシアニン、銅(II)2,3,9,10,16,17,23,24−オクタキス(オクチルオキシ)−29h,31h−フタロシアニン、銅(II)フタロシアニン、銅(II)フタロシアニン−テトラスルホン酸四ナトリウム塩、銅フタロシアニン−3,4’,4’’,4’’’−テトラスルホン酸、四ナトリウム塩、銅(II)4,4’,4’’,4’’’−テトラアザ−29h,31h−フタロシアニン、銅(II)2,9,16,23−テトラ−tert−ブチル−29h,31h−フタロシアニン、銅(II)3,10,17,24−テトラ−tert−ブチル−1,8,15,22−テトラキス(ジメチルアミノ)−29h,31h−フタロシアニン、銅(II)テトラキス(4−クミルフェノキシ)フタロシアニン、ポリ(銅フタロシアニン)、銅(II)2,3−ナフタロシアニン、銅フタロシアニンレーヨン、AveciaProjet830NP、Projet900NP、Projet825LDI、Projet830LD、水酸化リン酸銅(II)、ピロリン酸銅(II)水和物、酢酸銅(II)、酢酸銅(II)水和物、炭酸水酸化銅(II)(塩基性炭酸銅)、アセチルアセトナト銅(II)、ピロリン酸銅(II)水和物、酢酸銅(II)水和物、ギ酸銅(II)四水和物、d−グルコン酸銅(II)四水和物、シュウ酸銅(II)半水和物、アクリル酸銅(II)、ベンゼンスルフィン酸銅(II)水和物、ビス(6,6,7,7,8,8−ヘプタフルオロ−2,2−ジメチル−3,5−ジオクタンジオン酸)銅(II)、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン酸)銅(II)、クエン酸銅(II)、臭化銅(II)、塩化銅(II)、塩化銅(II)二水和物、フッ化銅(II)、フッ化銅(II)水和物、ヨウ素酸銅(II)、シクロヘキサン酪酸銅(II)、3,5−ジイソプロピルサリチル酸銅(II)水和物、2−エチルヘキサン酸銅(II)、ヘキサフルオロアセチルアセトナト銅(II)水和物、水酸化銅(II)、銅(II)イソプロポキシド、メタクリル酸銅(II)、メタクリロキシエチルアセト酢酸銅(II)、銅(II)メトキシド、硝酸銅(II)水和物、酸化銅(II)、過塩素酸銅(II)六水和物、2−ピラジンカルボン酸銅(II)、ステアリン酸銅(II)、硫酸銅(II)水和物、酒石酸銅(II)水和物、テトラフルオロホウ酸銅(II)水和物、トリフルオロ酢酸銅(II)水和物、トリフルオロアセチルアセトナト銅(II)、トリフルオロメタンスルホン酸銅(II)、α−(5−クロロ−2−ピリジルイミノ)−o−クレゾール銅(II)塩、α−(3,5−ジクロロ−2−ピリジルイミノ)−o−クレゾール銅(II)塩、α−(3−メチル−2−ピリジルイミノ)−o−クレゾール銅(II)塩、α−(4−メチル−2−ピリジルイミノ)−o−クレゾール銅(II)塩、α−(6−メチル−2−ピリジルイミノ)−o−クレゾール銅(II)塩、α−(2−ピリジルイミノ)−o−クレゾール銅(II)塩、テトラクロロ銅(II)アンモニウム塩二水和物、(9−アントリルエチニル)銅、二ナトリウムバトクプロインジスルホン酸銅、ベンゼンチオール銅(I)塩、安息香酸、銅(II)塩二水和物、2−ベンゾチアゾリルアセチレン銅(I)塩、水酸化ビス(エチレンジアミン)銅(II)、ビス(2−メトキシ−6−(4−メチル−2−ピリジニルイミノメチル)フェノラト)銅、[ビス(トリメチルシリル)アセチレン](ヘキサフルオロアセチルアセトナト)銅(I)、ビス(トリフェニルホスフィン)銅(I)ホウ化水素、((4−ブロモフェニル)−チオ)−銅(I)、ブロモトリス(トリフェニルホスフィン)銅(I)、クロロフィリンナトリウム銅塩、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)銅(I)、酢酸銅(I)、ビス(6,6,7,7,8,8,8−ヘプタフルオロ−2,2−ジメチル−3,5−オクタンジオン酸)銅、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプランジオン酸)銅、臭化銅(I)、臭化銅(I)−硫化ジメチル複合体、臭化銅(I)−硫化メチル複合体、銅(I)1−ブタンチオレート、塩化銅(I)、塩化銅(I)−1,5−シクロオクタジエン複合体、シアン化銅(I)、シクロヘキサン酪酸銅(II)、3,5−ジイソプロピルサリチル酸銅(II)水和物、ジ(2−ナフト酸)銅(II)、2−エチルヘキサン酸銅(II)、ヘプタデカン酸パルミチン酸銅(II)、ヒドロキシフッ化銅(II)、ヨウ化銅(I)、ヨウ化銅(I)−トリメチル亜リン酸複合体、ナフテン酸銅、硝酸銅(II)半(五水和物)、ノナデカン酸ステアリン酸銅(II)、酸化銅(I)、酸塩化銅、過塩素酸銅(II)六水和物、リン酸銅(II)二水和物、2−ピラジンカルボン酸銅(II)、硫化銅(I)、硫化銅(II)、テトラフルオロホウ酸銅(II)水和物、チオシアナト銅(I)、チオフェノラト銅(I)、トリフルオロ酢酸銅(II)水和物、トリフルオロアセチルアセトナト銅(II)、トリフルオロメタンスルホン酸銅(II)、トリフルオロメタンスルホン酸銅(I)−ベンゼン複合体、トリフルオロメタンスルホン銅酸(I)−トルエン複合体、銅−2(3)−9(10)−16(17)−23(24)−テトラメチル−2(3)−9(10)−16(17)−23−(24)−テトラ−アゾニアフタロシアニン(azoniaphthaloeyanine)テトラキス(メタノサルフェート)、ジブロモ(1,10−フェナントロリン)銅(II)、ジクロロ(n−(2−ピリジルメチレン)アニリン−N,N’)銅(II)、ジエチレントリアミン−五酢酸銅(II)三ナトリウム塩、塩化ジ−μ−ヒドロキソ−ビス(N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン)銅(II)、1,8−ジヒドロキシ−2−ニトロソ−3,6−ナフタレンジスルホン酸−銅複合体、(N,N’−ジイソプロピルアセトアミジナト)銅(I)、((3,4−ジメトキシフェニル)エチニル)銅、ジニトラト(1,10−フェナントロリン)銅(II)、エチルα−アセチル−3−(フルオロスルフォニル)ベンゾイル酢酸、銅(II)、エチルα−アセチル−3−(メトキシカルボニル)ベンゾイル酢酸、銅(II)、エチルα−アセチル−4−(メトキシカルボニル)ベンゾイル酢酸、銅(II)、エチルベンゾイル酢酸、銅(II)、エチル2−クロロベンゾイル酢酸、銅(II)、(エチルシクロペンタジエニル)(トリフェニルホスフィン)銅(I)、エチレンジアミン四酢酸銅(II)二ナトリウム塩、エチル2−フルオロベンゾイル酢酸、銅(II)、エチル3−(フルオロスルホニル)ベンゾイル酢酸、銅(II)、エチル2−(4−(ペンチルオキシ)ベンゾイル)酢酸、銅(II)、3−(フルオロスルホニル)安息香酸、銅(II)塩、ヒドリド(トリフェニルホスフィン)銅(I)六量体、2−(1−ヒドロキシエチリデン)−1−シクロペンタノン、銅(II)複合体、8−ヒドロキシキノリン銅(II)塩、ヨード(トリメチル亜リン酸)銅(I)、ポンタミン銅青、メチルアセト酢酸銅(II)、メチル3−オキソエイコサン酸銅(II)、2−ニトロ−5,10,15,20−テトラフェニル−21h,23h−ポルフィン銅(II)、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21h,23h−ポルフィン銅(II)、オレイン酸、銅(II)塩、1−フェニル−3−(2−チエニル)−1,3−プロパンジオン、銅(I)誘導体、フタル酸銅(II)、塩、N−ピルビリデングリシナト(水和)銅(II)二水和物、硫酸テトラアンミン銅(II)一水和物、ヘキサフルオロリン酸テトラキス(アセトニトリル)銅(I)、5,10,15,20−テトラフェニル−21h,23h−ポルフィン銅(II)、トリフェニルホスフィン−銅(I)水和物六量体、硫酸トリス(エチレンジアミン)銅(II)、カルコロイドカッパーブラウン等。
【0012】
銅鉱物もまた用いることができ、例えばアホー石、アントラ銅鉱、アルセンツメライト(arsentsumerite)、アーサライト、アタカマ銅鉱、水亜鉛銅鉱、藍銅鉱、ベイルドナイト、ボレオ石、班銅鉱、車骨鉱、黄銅、ブロシャン銅鉱、ブットゲンバッハ石、灰バナジン銅鉱、カレドニア石、胆ばん、輝銅鉱、雲母銅鉱、黄銅鉱、鉄トルコ玉、カルコトリカイト、珪孔雀石、斜断石、コニカルコ石、コンネル石、コルネ鉱、銅藍、キューバ銅鉱、クメンサイト(cumensite)、赤銅鉱、含銅アダム鉱、銅スクロドウスク石、青針銅鉱、ダイアボレー石、翠銅鉱、砒銅鉱、ダフト石、エムプレクト鉱、硫砒銅鉱、グラエマイト(graemite)、キノ石、クナウファイト(knaufite)、コバルト孔雀石、クテナス石、リン銅鉱、青鉛鉱、リロコン銅鉱、孔雀石、メタ−銅ウラン石、メタ−砒銅ウラン石、ミクサ石、モットラマイト、オリーブ銅鉱、パパゴ石、プランヘ石、輝安銀鉱、擬ボレオ石、擬孔雀石、クエザルコートライト(quetzalcoatlite)、亜鉛孔雀石、シャッタカイト、スパング石、四面砒銅鉱、安四面銅鉱、銅ウラン石、ツメブ石、トルコ石、ベゼリ石、バナジン銅鉱、砒銅ウラン石及びその他が挙げられる。
【0013】
近IR吸収のためのその他の好適な金属塩としては、アルミニウム、ホウ素、カドミウム、コバルト、ガリウム、インジウム、鉄、リチウム、鉛、マグネシウム、マンガン、ニッケル、シリコン、銀、ナトリウム、錫、チタン、バナジル及び亜鉛が挙げられる。例としては、塩化アルミニウム2,3−ナフタロシアニン、アルミニウム1,4,8,11,15,18,22,25−オクタブトキシ−29h31hフタロシアニントリエチルシロキシド、塩化アルミニウムフタロシアニン、水酸化アルミニウムフタロシアニン、塩化アルミニウム1,8,15,22−テトラキス(フェニルチオ)−29h,31h−フタロシアニン、塩化アルミニウム2,9,16,23−テトラキス(フェニルチオ)−29h,31h−フタロシアニン、塩化アルミニウム2,9,16,23−テトラキス(フェニルチオ)−29h,31h−フタロシアニン、塩化アルミニウム1,8,15,22−テトラフェノキシ−29h,31h−フタロシアニン、塩化アルミニウム2,9,16,23−テトラフェノキシ−29h,31h−フタロシアニン、クロロアルミニウムクロロフタロシアニン及びその他の化合物が挙げられる。
【0014】
さらに好適な化合物は、塩化ホウ素サブ−2,3−ナフタロシアニン、塩化ホウ素サブフタロシアニン及びその他、ならびにカドミウムフタロシアニン及びその他である。好適なコバルト化合物としては、コバルト(II)フタロシアニン、コバルト(II)2,3−ナフタロシアニン、コバルト(II)1,2,3,4,8,9,10,11,15,16,17,18,22,23,24,25−ヘキサデカフルオロ−29h,31h−フタロシアニン、硫酸アンモニウムコバルト(II)六水和物、N,N’−ビス[3−tert−ブチル−5−(ヘプタデカフルオロオクチル)サリチリデン]−トランス−1,2−シクロヘキサンジアミノ−コバルト(II)、ビス(シクロペンタジエニル)コバルト(II)、ヘキサフルオロリン酸ビス(シクロペンタジエニル)コバルト(III)、(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(II)、(S,S)−(+)−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(II)、[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]ジクロロコバルト(II)、(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ジクロロコバルト(II)、ビス(エチルシクロペンタジエニル)コバルト(II)、ヘキサフルオロリン酸ビス(エチルシクロペンタジエニル)コバルト(III)、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)コバルト(II)、ヘキサフルオロリン酸ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)コバルト(III)、ヨウ化ビス(1,2,3−プロパントリイルトリアンミン)コバルト(III)、ビス(サリチルアルデヒド)コバルト(II)、N,N’−ビス(サリチリデン)エチレンジアミノコバルト(II)、N,N’−ビス(サリチリデン)−1,2−フェニレンジアミノコバルト(II)水和物、ビス(サリチリデンイミナト−3−プロピル)メチルアミノコバルト(II)、酢酸コバルト(II)、アセチルアセトナトコバルト(II)、アセチルアセトナトコバルト(III)、ベンゾイルアセトナトコバルト(II)、ホウ化コバルト、臭化コバルト(II)、炭酸コバルト(II)水和物、カルボニルコバルト、塩化コバルト(II)、シアン化コバルト(II)脱水物、2−エチルヘキサン酸コバルト(II)、フッ化コバルト(II)、フッ化コバルト(III)、ヘキサフルオロアセチルアセトナトコバルト(II)水和物、水酸化コバルト(II)、酸化コバルト(II,III)、ヨウ化コバルト(II)、ナフテン酸コバルト、硝酸コバルト(II)六水和物、コバルトセン、シュウ酸コバルト(II)脱水物、酸化コバルト(II)、酸化コバルト(III)、過塩素酸コバルト(II)六水和物、リン酸コバルト(II)水和物、三塩化セパルクレート(sepulchrate)コバルト(III)、ステアリン酸コバルト(II)、硫酸コバルト(II)七水和物、テトラフルオロホウ酸コバルト(II)六水和物、チオシアン酸コバルト(II)、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン酸)コバルト、塩化トランス−ジクロロビス(エチレンジアミン)コバルト(III)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)コバルト(II)、硝酸トランス−ジニトロビス(エチレンジアミン)コバルト(III)、硝酸ヘキサアンミンコバルト(III)、塩化ヘキサアンミンコバルト(III)、テトラチオシアナトコバルト酸(II)水銀(II)、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21h,23h−ポルフィンコバルト(II)、硝酸ペンタアンミンカルボナトコバルト(III)半水和物、塩化ペンタアンミンクロロコバルト(III)、ヘキサシアノコバルト酸(III)カリウム、ヘキサシアノコバルト酸(II)−鉄酸(II)カリウム、塩化プロトポルフィリンIXコバルト、コバルト(cobalti)カルボランナトリウム、ヘキサニトロコバルト酸(III)ナトリウム、テトラブロモ−コバルト酸(II)テトラエチルアンモニウム、テトラクロロ−コバルト酸(II)テトラエチルアンモニウム、5,10,15,20−テトラキス(4−メトキシフェニル)−21h,23h−ポルフィンコバルト(II)、5,10,15,20−テトラフェニル−21h,23h−ポルフィンコバルト(II)、メソ−テトラフェニルポルフィリンコバルト(II)複合体、塩化トランス−ジクロロトリエチレンテトラアミンコバルト(III)、塩化トリス(エチレンジアミン)コバルト(III)脱水物、硝酸トリス(エチレンジアミン)コバルト(III)、硫酸トリス(エチレンジアミン)コバルト(III)及びその他が挙げられる。
【0015】
さらなる化合物は、塩化ガリウム(III)2,3−ナフタロシアニン、塩化ガリウム(III)−フタロシアニン、水酸化ガリウム(III)フタロシアニン及びその他、並びに、塩化インジウム(III)フタロシアニン及びその他である。
【0016】
好適な鉄化合物としては、鉄フタロシアニン化合物が挙げられ、例えば、鉄(II)1,2,3,4,8,9,10,11,15,16,17,18,22,23,24,25−ヘキサデカクロロ−29h,31h−フタロシアニン、鉄フタロシアニン、鉄(II)フタロシアニンビス(ピリジン)複合体、塩化鉄(III)フタロシアニン、ジクロロテトラキス(ピリジン)鉄、(S)−(+)−アセチル−シクロペンタジエニル−鉄−カルボニルトリフェニルホスフィン複合体、鉄(III)フタロシアニン−4,4’,4’’,4’’’−テトラスルホン酸、酸素一ナトリウム塩水和物の化合物、黒色酸化鉄、赤色酸化鉄、黄色酸化鉄、アセチルフェロセン、(アミノメチル)−ホスホン酸鉄(II)塩、クエン酸アンモニウム鉄(III)、シュウ酸アンモニウム鉄(III)三水和物、硫酸アンモニウム鉄(III)十二水和物、硫酸アンモニウム鉄(II)六水和物、硫酸アンモニウム鉄(III)、ヘキサフルオロリン酸ベンゼンシクロペンタジエニル鉄(II)、ベンゾイルフェロセン、ビス(N,N’−ジ−tert−ブチルアセトアミジナト)鉄(II)、ビス(ジカルボニル(メチルシクロペンタジエニル)鉄)、[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]ジクロロ鉄(II)、イス(is)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)鉄(II)、ビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)鉄(II)、ブロモシクロペンタジエニルジカルボニル鉄(II)、シクロペンタジエニルジカルボニル(メチル)鉄(II)、テトラフルオロホウ酸シクロペンタジエニルジカルボニル(テトラヒドロフラン)鉄(II)、ヘキサフルオロリン酸シクロペンタジエニル(フルオレン)鉄(II)、シクロペンタジエニル鉄(II)ジカルボニル二量体、デカメチルフェロセン、1,1’−ジアセチルフェロセン、ジカルボニルシクロペンタジエニルヨード鉄(II)、ジエチレントリアミンペンタ酢酸鉄(III)二ナトリウム塩水和物、二鉄ノナカルボニル、1,1’−ジメチルフェロセン、エチレンジアミン四酢酸鉄ナトリウム塩、クエン酸鉄(III)、フェロセン、フェロセンカルボキシアルデヒド、フェロセンカルボン酸、1,1’−フェロセンジカルボン酸、硫酸鉄七水和物、酢酸鉄(II)、アセチルアセトナト鉄(II)、アセチルアセトナト鉄(III)、(+)−鉄(II)l−アスコルビン酸、臭化鉄(II)、臭化鉄(III)、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、フェロシアン化鉄(III)、フッ化鉄(II)、フッ化鉄(III)、D−グルコン酸鉄(II)二水和物、酸化鉄(II、III)、ヨウ化鉄(II)、乳酸鉄(II)水和物、酸化ニッケル鉄、硝酸鉄(III)九水和物、シュウ酸鉄(II)二水和物、シュウ酸鉄(III)六水和物、酸化鉄(II)、酸化鉄(III)、過塩素酸鉄(II)水和物、過塩素酸鉄(III)水和物、過塩素酸鉄(III)水和物、リン酸鉄(III)、ピロリン酸鉄(III)、硫酸鉄(II)七水和物、硫酸鉄(III)水和物、硫化鉄(II)、テトラフルオロホウ酸鉄(II)六水和物、p−トルエンスルホン酸鉄(III)六水和物、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン酸)鉄、(ニコチンアミドメチル)ホスホン酸鉄(II)塩、酢酸2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21h,23h−ポルフィン鉄(III)、塩化2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21h,23h−ポルフィン鉄(III)、テトラクロロ鉄酸(III)テトラエチルアンモニウム、塩化5,10,15,20−テトラキス(4−メトキシフェニル)−21h,23h−ポルフィン鉄(III)、塩化5,10,15,20−テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ポルフィン鉄(III)、塩化5,10,15,20−テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ポルフィン鉄(III)複合体、メソ−テトラ(N−メチル−4−ピリジル)ポルフィン鉄、塩化5,10,15,20−テトラフェニル−21h,23h−ポルフィン鉄(III)、塩化メソ−テトラフェニルポルフィン鉄(III)複合体、トリカルボニル(シクロオクタテトラエン)鉄(II)、ヘキサフルオロリン酸トリカルボニル(2−メトキシシクロヘキサジエニリウム)鉄、テトラフルオロホウ酸トリカルボニル(4−メトキシ−1−メチルシクロヘキサジエニリウム)鉄、三鉄ドデカカルボニル、ヘキサフルオロリン酸トリス(2,2’−ビピリジン)鉄(II)、硫酸トリス(エチレンジアミン)鉄(II)及びその他が挙げられる。
【0017】
好適な鉛化合物としては、鉛(II)フタロシアニン、鉛(II)テトラキス(4−クミルフェノキシ)フタロシアニン、アセトキシトリメチル鉛(IV)、ベンジルクロロジフェニル鉛、ベンジルトリフェニル鉛、ベンジルトリ(p−トリル)鉛、(4−ビフェニリル)トリフェニル鉛、ビス(4−クロロフェニル)ジクロロ鉛、ビス(4−クロロフェニル)ジフェニル鉛、ビス(4−(ジメチルアミノ)フェニル)ジフェニル鉛、ビス−(2−エチルヘキサノイルオキシ)ジフェニル鉛、ビス−(エチルチオ)−鉛、ビス(2−フリル)ジフェニル鉛、ビス−(ヘキサデシルチオ)−鉛(ii)、ビス−(メチルチオ)−鉛、ビス(2−チエニル)ジクロロ鉛、ビス(2−チエニル)ジフェニル鉛、(4−ブロモベンジル)トリフェニル鉛、(4−ブロモフェニル)トリエチル鉛、(3−ブロモフェニル)トリフェニル鉛、(4−ブロモフェニル)トリフェニル鉛、ブロモトリエチル鉛、臭化トリメチル鉛(iv)、臭化トリフェニル鉛、(3−ブテニル)ジクロロエチル鉛、(3−ブテニル)トリエチル鉛、ブチルトリフェニル鉛、クロロジフェニル(4−ペンテニル)鉛、(4−クロロフェニル)トリフェニル鉛、クロロトリシクロヘキシル鉛、クロロトリドデシル鉛、クロロトリオクタデシル鉛、クロロトリフェニル鉛(iv)、クロロトリス(4−クロロフェニル)鉛、クロロトリス(4−メトキシフェニル)鉛、シアノトリエチル鉛、ジクロロジエチル鉛、ジクロロジフェニル鉛、ジエチルジフェニル鉛、ジエチルジチオカルバミン酸鉛塩、ジエチル鉛二臭化物、ジエチル鉛亜セレン酸塩、ジ(2−フリル)ビス(4−メトキシフェニル)鉛、ジヨードジフェニル鉛、ジ(1−ナフチル)ジフェニル鉛、2,4−ジニトロベンゼンスルホン酸鉛塩、ジフェニルジ(1−ピロリル)鉛、ジフェニルジ(p−トリル)鉛、ジフェニル鉛二臭化物、(エチルチオ)トリフェニル鉛、エチルトリフェニル鉛、フルオロトリフェニル鉛、(2−フリル)トリフェニル鉛、2−ヘキサデシルスルホニル−5−スルホ安息香酸鉛塩、ヘキサフェニル二鉛(iv)、(4−(1−ヒドロキシエチル)フェニル)トリフェニル鉛、(4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル)トリフェニル鉛、(2−(ヒドロキシメチル)フェニル)トリフェニル鉛、(2−(ヒドロキシメチル)フェニル)トリフェニル鉛、(3−(ヒドロキシメチル)フェニル)トリフェニル鉛、(4−(ヒドロキシメチル)フェニル)トリフェニル鉛、(2−ヒドロキシフェニル)トリフェニル鉛、ヨードトリシクロヘキシル鉛、ヨードトリフェニル鉛、ヨードトリス(メシチル)鉛、イソブチルトリフェニル鉛、酢酸鉛(IV)、塩基性酢酸鉛(II)、アセチルアセトナト鉛(II)、臭化鉛(II)、炭酸鉛(II)、塩基性炭酸鉛(II)、塩化鉛(II)、クロム酸鉛(II)、三塩基性クエン酸鉛(II)三水和物、ジエチルジチオカルバミン酸鉛、フッ化鉛(II)、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸鉛(II)、ヨウ素酸塩鉛(II)、ヨウ化鉛(II)、メタンスルホン酸鉛(II)、硝酸鉛(II)、酸化鉛(II)、酸化鉛(IV)、過塩素酸鉛(II)水和物、サリチル酸鉛(II)、塩基性酢酸塩鉛、硫酸鉛(II)、硫化鉛(II)、テトラ酢酸鉛、テトラフルオロホウ酸鉛(II)、チオシアン酸鉛(II)、トリフルオロ酢酸鉛(II)、(2−メトキシフェニル)トリフェニル鉛、(4−メトキシフェニル)トリフェニル鉛、(4−メトキシ−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)トリフェニル鉛、(メチルチオ)トリフェニル鉛、酸化鉛(II、IV)、(1−ナフチル)トリフェニル鉛、5−オキソ−1−(4−スルホフェニル)−2−ピラゾリン−3−カルボン酸鉛塩、p−トリルトリアセトキシ鉛、(ペンタクロロフェニル)トリフェニル鉛、(ペンタフルオロフェニル)トリフェニル鉛、フェネチルトリエチル鉛、(フェネチル)トリフェニル鉛、(プロピルチオ)−トリフェニル鉛、プロピルトリフェニル鉛、ナトリウム鉛合金、tert−ブチルクロロジフェニル鉛、tert−ブチルトリフェニル鉛、テトラエチル鉛、テトラヘキサデシル鉛、テトラキス(4−クロロフェニル)鉛、テトラキス(4−(ジメチルアミノ)フェニル)鉛、テトラキス(4−エトキシフェニル)鉛、テトラキス(2−メトキシフェニル)鉛、テトラキス(4−メトキシフェニル)鉛、テトラキス(m−トリル)鉛、テトラフェニル鉛(iv)、(チオフェノキシ)トリフェニル鉛、(p−トリル)トリフェニル鉛、トリシクロヘキシル鉛、水酸化トリエチル鉛、トリエチル(トリフェニルメチル)鉛、トリメシチル鉛、トリフェニル(フェニルエチニル)鉛(iv)、トリフェニル(トリフェニルメチル)鉛、トリス(2−エトキシフェニル)鉛、トリス(4−エトキシフェニル)鉛、トリス(1−ナフチル)鉛、トリス(1−ピロリル)鉛、トリ(o−トリル)鉛、トリ(p−トリル)鉛及びその他が挙げられる。
【0018】
さらなる例としては、ジリチウムフタロシアニン、マグネシウムフタロシアニン、マンガン(II)フタロシアニン、マンガン(III)塩化フタロシアニン、マンガン(III)水酸化フタロシアニン及びその他が挙げられる。
【0019】
好適なニッケル化合物としては、ニッケル(II)5,9,14,18,23,27,32,36−オクタブトキシ−2,3−ナフタロシアニン、ニッケル(II)1,4,8,11,15,18,22,25−オクタブトキシ−29h,31h−フタロシアニン、ニッケル(II)フタロシアニン、ニッケル(II)フタロシアニン−テトラスルホン酸テトラナトリウム塩、ニッケル(II)フタロシアニン−テトラスルホン酸テトラナトリウム塩、ニッケル(II)2,11,20,29−テトラ−tert−ブチル−2,3−ナフタロシアニン、ニッケル(II)テトラキス(4−クミルフェノキシ)フタロシアニン、ニッケル(II)2,9,16,23−テトラフェノキシ−29H,31H−フタロシアニン、(5,7,7,12,14,14−ヘキサメチル−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカ−4,11−ジエネン−1−n−4−n−8−n−11)ニッケル(II)ClO4、アリル(シクロペンタジエニル)ニッケル(II)、硫酸アンモニウムニッケル(II)六水和物、ビス(シクロペンタジエニル)ニッケル(II)、チオシアン酸ビス(1,3−ジアミノ−2−プロパノール)ニッケル(II)、チオシアン酸ビス(n,n−ジエチルエチレンジアミン)ニッケル(II)、ビス[5−[[4−(ジメチルアミノ)フェニル]イミノ]−8(5H)−キノリノン]ニッケル(II)、二過塩素酸ビス(N,N−ジメチル−N’−5H−ピリド[2,3−a]フェノチアジン−5−イリデン−1,4−フェニレンジアミン)ニッケル(II)、[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]ジクロロニッケル(II)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロニッケル(II)、(1,3−ビス[ジフェニルホスフィノ]プロパン)ジクロロニッケル(II)、ビス(エチルシクロペンタジエニル)ニッケル(II)、塩化ビス(エチレンジアミン)ニッケル(II)水和物、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ニッケル(II)、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ニッケル(II)、N,N’−ビス(サリチリデン)エチレンジアミノニッケル(II)、ビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ニッケル(II)、二塩化ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)、クロロ(シクロペンタジエニル)(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)、クロロ(エチルシクロペンタジエニル)(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)、シクロペンタジエニルニッケル(II)カルボニル二量体、ジブロモビス(トリブチルホスフィン)ニッケル(II)、ジブロモビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)、ジクロロビス(トリブチルホスフィン)ニッケル(II)、ジクロロビス(トリメチルホスフィン)ニッケル(II)、テトラブロモニッケル酸(II)ジリチウム、臭化ヘキサアンミンニッケル(II)、ヨウ化ヘキサアンミンニッケル(II)、塩化ヘキサアンミンニッケル(II)、(5,7,7,12,14,14−ヘキサメチル−1−4,8,11−テトラアザシクロテトラデカネン−1−N−4−N−8−N-11)ニッケル(II)ClO4、酢酸ニッケル(II)四水和物、アセチルアセトナトニッケル(II)、ニッケル(II)ビス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート)、ホウ化ニッケル、臭化ニッケル(II)、臭化ニッケル(II)−エチレングリコールジメチルエーテル複合体、臭化ニッケル(II)−2−メトキシエチルエーテル複合体、塩基性炭酸ニッケル(II)水和物、塩化ニッケル(II)、シクロヘキサン酪酸ニッケル(II)、2−エチルヘキサン酸ニッケル(II)、フッ化ニッケル(II)、ヘキサフルオロアセチルアセトナトニッケル(II)水和物、水酸化ニッケル(II)、ヨウ化ニッケル(II)、硝酸ニッケル(II)六水和物、オクタン酸ニッケル(II)水和物、シリカ/アルミナ上のニッケル、シュウ酸ニッケル(II)二水和物、酸化ニッケル(II)、過塩素酸ニッケル(II)六水和物、過酸化ニッケル(II)水和物、リン化ニッケル(II)、ステアリン酸ニッケル(II)、スルファミン酸ニッケル(II)四水和物、硫酸ニッケル(II)七水和物、硫化ニッケル、テトラフルオロホウ酸ニッケル(II)溶液、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21h,23h−ポルフィンニッケル(II)、ヘキサフルオロニッケル酸(IV)カリウム、ヘキサフルオロニッケル酸(IV)カリウム、p−過ヨウ素酸ニッケル(IV)カリウム、テトラシアノニッケル酸(II)カリウム、ビス(3,6−ジクロロ−1,2−ベンゼンジチオラト)ニッケル酸テトラブチルアンモニウム、ビス(4−メチル−1,2−ベンゼンジチオラト)ニッケル酸テトラブチルアンモニウム、テトラクロロニッケル酸(II)テトラエチルアンモニウム、5,10,15,20−テトラフェニル−21h,23h−ポルフィンニッケル(II)、2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェノラト)−n−ブチルアミンニッケル(II)、塩化トリス(エチレンジアミン)ニッケル(II)水和物、硫酸トリス(エチレンジアミン)ニッケル(II)及びその他が挙げられる。
【0020】
好適なケイ素化合物としては、塩化フタロシアニンメチルシリコン(IV)、水酸化フタロシアニンメチルシリコン(IV)、ビス(トリヘキシルシリルオキシド)2,3−ナフタロシアニンシリコン、二塩化2,3−ナフタロシアニンシリコン、二水酸化2,3−ナフタロシアニンシリコン、ジオクチル酸化2,3−ナフタロシアニンシリコン、二水酸化2,3,9,10,16,17,23,24−オクタキス(オクチルオキシ)−29h,31h−フタロシアニンシリコン、ビス(トリヘキシルシリル酸化)フタロシアニンシリコン(IV)、二塩化フタロシアニンシリコン、二水酸化フタロシアニンシリコン、二水酸化2,9,16,23−テトラ−tert−ブチル−29h,31h−フタロシアニンシリコン及びその他が挙げられる。その他のフタロシアニン類としては、銀フタロシアニン及び二ナトリウムフタロシアニン等が挙げられる。
【0021】
好適な錫化合物としては、2,3−ナフタロシアニン錫(II)、酸化ナフタロシアニン錫(IV)、二塩化2,3−ナフタロシアニン錫(IV)、フタロシアニン錫(II)、二塩化フタロシアニン錫(IV)、フッ化錫(II)、硫化錫(II)及びその他が挙げられる。
【0022】
好適なチタン化合物としては、二塩化チタン(IV)フタロシアニン、チタニルフタロシアニン、チタンブラック及びその他が挙げられる。
【0023】
好適なバナジウム化合物としては、バナジウムフタロシアニン化合物(例えば、バナジル2,11,20,29−テトラ−tert−ブチル−2,3−ナフタロシアニン、バナジル3,10,17,24−テトラ−tert−ブチル−1,8,15,22−テトラキス(ジメチルアミノ)−29h,31h−フタロシアニン、バナジル2,9,16,23−テトラフェノキシ−29h,31h−フタロシアニン、バナジル5,14,23,32−テトラフェニル−2,3−ナフタロシアニン及びその他)が挙げられる。
【0024】
好適な亜鉛化合物としては、亜鉛1,2,3,4,8,9,10,11,15,16,17,18,22,23,24,25−ヘキサデカフルオロ−29h,31h−フタロシアニン、亜鉛1,4,8,11,15,18,22,25−オクタブトキシ−29h,31h−フタロシアニン、亜鉛2,3,9,10,16,17,23,24−オクタキス(オクチルオキシ)−29h,31h−フタロシアニン、亜鉛フタロシアニン、亜鉛2,11,20,29−テトラ−tert−ブチル−2,3−ナフタロシアニン、亜鉛2,9,16,23−テトラ−tert−ブチル−29H,31H−フタロシアニン、亜鉛2,9,16,23−テトラキス(フェニルチオ)−29h,31h−フタロシアニン、亜鉛(II)テトラニトロフタロシアニン及びその他が挙げられる。
【0025】
好適な二元金属塩としては、酸化銅亜鉛鉄(copper zinc iron oxide)、銅−亜鉛合金、銅−錫合金、亜鉛アルミニウム、ヨウ化水銀銅、テトラヨウ化水銀(II)銅(I)、酸化鉄銅、酸化アルミニウム銅、亜クロム酸銅、セレン化銅(I)、セレン化銅(II)、亜セレン酸銅(II)脱水物、ニオブ酸銅、テルル化銅(I)、テルル化銅(II)、チタン−銅合金、酸化アルミニウムイットリウム、イットリウムバリウム銅酸化物、イットリウムバリウム銅水酸化炭酸塩、イットリウムバリウム銅酸化炭酸塩、銀−銅、酸化ビスマス鉛ストロンチウムカルシウム銅、ビスマスストロンチウムカルシウム銅酸化物、ニオブ酸銅(II)、亜セレン酸銅(II)二水和物、セレン酸銅(II)五水和物、酸化アルミニウムマグネシウム、酸化アルミニウムランタン、亜鉄酸バリウム、チタン酸鉄(II)、酸化鉄(III)リチウム、酸化ニッケル亜鉛鉄、酸化鉄イットリウム、アルミニウム−ニッケル合金、酸化クロムニッケル、酸化コバルトニッケル、ジルコニウム−ニッケル合金、ビスマスコバルト酸化亜鉛、セレン化コバルト(II)、酸化コバルト(III)リチウム、酸化コバルトニッケル、ビスマス鉛ストロンチウムカルシウム酸化銅、ニオブ酸鉛(II)、亜セレン酸鉛(II)、タンタル酸鉛(II)、テルル化鉛(II)、チタン酸鉛(II)、ジルコン酸鉛(II)、酸化クロム銀、酸化アルミニウムコバルト、亜セレン酸アンチモン(III)、酸化錫アンチモン、酸化錫インジニウム、チタン酸ストロンチウム、ジルコン酸ストロンチウム、酸化アルミニウムビスマスジルコン酸ビスマス(bismuth aluminium oxide bismuth zirconate)、酸化チタンビスマス、酸化ビスマス、酸化ネオジム、チタン酸ネオジム(III)、ニオブ酸リチウム及びその他が挙げられる。
【0026】
近IR吸収及びレーザマーキングの二重目的に好適な二元金属塩としては、酸化モリブデン銅(II)、酸化タングステン銅(II)、酸化バナジウム銅(II)、酸化モリブデン銀、酸化タングステン銀、モリブデン酸カリウム、モリブデン酸ナトリウム二水和物、モリブデン酸ストロンチウム、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸バリウム、モリブデン酸ビスマス(III)、モリブデン酸カドミウム、モリブデン酸カルシウム、モリブデン酸鉛(II)、モリブデン酸リチウム、モリブデン酸マグネシウム、モリブデン酸マンガン(II)、タングステン酸カドミウム、タングステン酸カルシウム、タングステン酸セリウム(III)、タングステン酸セシウム、タングステン酸鉛(II)、タングステン酸リチウム、タングステン酸マグネシウム、ポリタングステン酸ナトリウム、タングステン酸ナトリウム二水和物、メタバナジン酸セシウム、オルトバナジン酸セシウム、メタバナジン酸ナトリウム、ピロバナジン酸ナトリウム、オルトバナジン酸ナトリウム、メタバナジン酸カリウム、バナジン酸イットリウム、メタバナジン酸銀、酸化タングステンマグネシウム、酸化タングステンカリウム、酸化バナジウムマグネシウム、酸化バリウムカルシウムタングステン、バリウムストロンチウムタングステン酸化物、バリウムイットリウムタングステン酸化物、モリブデン酸ニッケル(II)、タングステン酸バリウム、モリブデン酸ニッケル(II)、メタバナジン酸鉛(II)、モリブデン酸鉛(II)、タングステン酸鉛(II)、ビスマス鉄モリブデン酸化物、酸化タングステンビスマス、アンチモン化ビスマス、水鉛鉛鉱(wulfenite)、パウエル石(powellite)及びその他が挙げられる。
【0027】
上記の二元金属塩はまた、AOMのような他のレーザマーキング物質と一緒に組み合わせて、近IR吸収剤として使用することができる。
【0028】
レーザマーキングに好適な金属塩としては、モリブデン(VI)、タングステン(VI)、バナジウム(VI)、アンチモン(V)及び鉄化合物が挙げられる。例として、モリブデン酸アンモニウム四水和物、オクタモリブデン酸アンモニウム、ポリモリブデン酸アンモニウム、デカモリブデン酸アンモニウム、ヘプタモリブデン酸アンモニウム、ケイ素モリブデン酸水和物、ケイ素モリブデン酸アンモニウム、ホスホモリブデン酸ナトリウム水和物、ホスホモリブデン酸アンモニウム水和物、ホスホモリブデン酸水和物、テトラチオモリブデン酸アンモニウム、ビス(アセチルアセトナト)ジオキソモリブデン(VI)、ビス(ジエチルジチオカルバマト)ジオキソモリブデン(VI)、ジカルボニル(ペンタメチルシクロペンタジエニル)モリブデン(V)二量体、2,6−ジイソプロピルフェニルイミド−ネオフィリデン(neophylidene)[(s)−()−ビフェン]モリブデン(VI)、二酸化二塩化モリブデン(VI)、二ケイ化モリブデン、フッ化モリブデン(VI)、酸化モリブデン(VI)、酸化四塩化モリブデン(VI)、モリブデン酸、タングステン酸、ケイ素タングステン酸、ケイ素タングステン酸アンモニウム、メタタングステン酸アンモニウム水和物、(パラ)タングステン酸アンモニウム、テトラチオタングステン酸アンモニウム、タングステン酸水素、重合体担持(polymer-supported)、ビス(t−ブチルイミノ)ビス(ジメチルアミノ)タングステン(VI)、ホスホタングステン酸水和物、テトラチオタングステン酸ピペリジン、塩化タングステン(VI)、二酸化二塩化タングステン(VI)、フッ化タングステン(VI)、酸化タングステン(IV)、酸塩化タングステン(VI)、ケイタングステン酸水和物、メタバナジン酸アンモニウム、ポリバナジン酸アンモニウム、メタバナジン酸ナトリウム、酸化アンチモン(V)、酢酸テトラフェニルアンチモン(V)、臭化テトラフェニルアンチモン(VI)、硫化アンチモン(V)、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄及びその他が挙げられる。
【0029】
レーザマーキングに好適なオキシ金属塩複合体としては、Mo(VI)、W(VI)、V(VI)化合物が挙げられる。例としては、オクタモリブデン酸テトラ(ビス(2−エチルヘキシルアミン))、オクタモリブデン酸テトラ(ジシクロヘキシルアミン)、オクタタングステン酸テトラ(ビス(2−エチルヘキシルアミン))、オクタタングステン酸テトラ(ジシクロヘキシルアミン)、オクタバナジン酸テトラ(ビス(2−エチルヘキシルアミン))及びオクタバナジン酸テトラ(ジシクロヘキシルアミン)が挙げられる。
【0030】
金属塩のほかに、本発明の組成物、及び本発明に使用される組成物は、上記で特定した刊行物に記載する種類の物質を含んでもよい。本発明の1つの特別な実施形態では、ポリ金属塩を別のマーキング成分と一緒に用いると、コンポジットカラー(composite colour)を生成することができる。マーキング成分は、例えば、染料前駆体、発色剤+染料前駆体、オキシ金属塩、オキシ金属塩+染料前駆体、オキシ金属複合体又はオキシ金属複合体+染料前駆体等の一連の物質のうちの1つ以上であってよい。他の好適な成分としては、顔料前駆体が挙げられる。このような成分のすべてが、高分子又はハロゲン化物であってもよい。セルロース系物質又は糖類もまた使用することができる。変更可能な(charrable)ポリマーおよび糖類の例としては、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、フルクトース、グルコース、スクロース及びデンプンが挙げられる。
【0031】
上記のこのような活性物質は全て、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、カオリン又はマイカ等の不活性物質上に支持され得る。
【0032】
本発明に使用される好ましい成分は、オキシ金属アニオンを含む化合物である。塩と組み合わせると、通常、ダイオードレーザ又はCOレーザを用いてマーキング可能となる。好適なオキシ金属アニオン成分は、1種以上の一連の物質、例えばオクタモリブデン酸アンモニウム、モリブデン酸ビス[2−(エチルヘキシルアミン)]又はモリブデン酸ジ(シクロヘキシルアミン)であってもよい。好適なインク配合物には、この成分が10〜50%w/w含まれる。
【0033】
着色成分を含んでいてもよい。このような物質は、当業者にとって既知である。好適な着色物質(colour-former)の例としては、電子供与性材料(例えば、フタリド、フローラン、及びロイコ染料例えばクリスタルバイオレットラクトン)等の1種以上の一連の従来材料が挙げられる。電子求引性または酸を発生するルイス酸を用いてもよく、例としては、ヒドロキシベンゾエート、ビスフェノールA、ステアリン酸亜鉛などである。
【0034】
本発明に使用される組成物は、タンポ印刷用インク、UV硬化性インク等の、溶媒、非溶媒および少量溶媒結合剤系において製造できる。好適な結合剤は、水溶性、アルカリ溶解性又はエマルジョンポリマーであってもよく、例としては、例えば10〜50%w/wの量の、(GohsenolGH−17として販売されている)ポリビニルアルコール、(Scott BaderからTexicryl13−011として販売されている)アクリル系エマルジョン、IneosElvacite2013、2028、2043又は30として販売されている材料、(Pioloformとして販売されている)ポリビニルブチラル、及びニトロセルロースがある。
【0035】
ヒュームドシリカ又はステアリン酸亜鉛等の顔料を例えば10〜50%w/wの量で使用してもよい。使用され得る他の材料としては、任意の1種以上の酸化防止剤、還元剤、平滑剤、界面活性剤、顔料、増感剤及び脱泡剤が挙げられる。
【0036】
本発明に使用されるインクとして、例えば、溶液、分散液又は懸濁液として配合される場合、好適な担体液または担体溶媒は、水性又は有機物であってもよく、他の成分をそれに応じて選択する。例えば、液は、例えば20〜80%w/wの量で任意にアミンおよび/または界面活性剤を含む、水、またはイソプロパノール、メチルエチルケトン、エタノールもしくはエチルアセテート等の有機溶媒であってもよく、あるいはそれらが含まれていてもよい。組成物は、ポリビニルアルコールおよびアクリル樹脂等の膜形成エマルジョン等の水性ポリマー結合剤溶液中に成分を分散することによって調製することができる。これらの組成物は、
a)機械混合、例えば前縁−後翼攪拌
b)セラミックボール研磨及び粉砕
c)シルバーソンミキサーによる混合
d)例えばEigerTorranceモーターミル内でのガラスビーズ機械粉砕
e)UltraTurraxホモジナイザ
f)モーター及び乳棒による研磨
により製造され得る。
【0037】
本発明を例示するために、固有のものであるが化学的に異なる色変化性能及び特徴を有する一連の適切なインク配合物を用いて、好適な濃度で銅塩の評価をはじめに行った。様々な基材上にコーティングすると、近IR波長(700〜2,000nm)のレーザ画像形成が達成された。
【0038】
様々な基材上への液膜形成インクの塗布によって、明瞭な色変化を可能にするコーティングが製造できる。近IR源へ露出すると、主にインクの配合物次第で、劇的に異なる結果を得ることができる。
【0039】
ダイオードレーザ波長への露出により黒色画像を得る上で、インク/コーティングの顕著な特徴のため、例えば銅塩とオキシ金属アニオンとを含む場合、活性化源を区別することによって、インク配合物をさらに利用することができる。ダイオードレーザ波長への露出により着色画像を得る上で、インク/コーティングの顕著な特徴のため、銅塩と着色成分とを含む場合、活性化源を区別することによって、インク配合物をさらに利用して、一連の様々な色を得ることができる。
【0040】
本発明の組成物又は本発明に使用される組成物を使用して、流し塗工、フレキソ/グラビア等の一連の方法によって塗布され得るIR感応性コーティングを実現することができる。紙、板紙、可撓性のプラスチックフィルム、段ボール等の一連の基材に当該コーティングを施すことができる。
【0041】
本発明のための可能なさらなる媒体は、UV硬化性フレキソ印刷インク、UV硬化性オフセットインク、従来のオフセットインク、溶融押出可能なポリマーおよびパウダーコーティングである。
【0042】
以下の実施例により本発明を例示する。以下の略語を用いる。
CHP − ヒドロキシリン酸銅(II)
CPPH − ピロリン酸銅(II)水和物
CMO − 酸化モリブデン銅(II)
CTO − 酸化タングステン銅(II)
CCB − 塩基性炭酸銅
COH − シュウ酸銅半水和物
CAH − 酢酸銅水和物
CAA − アセチルアセトナト銅
CDGT − D−グルコン酸銅四水和物
CFT − ギ酸銅四水和物
AOM − オクタモリブデン酸アンモニウム
CMC − カルボキシメチルセルロース
CG − セルロースガム
HPC − ヒドロキシプロピルセルロース
【0043】
[実施例1]
近IR吸収材とオキシ金属塩とを含む、アクリル系エマルジョン中にPVOH溶液安定化された分散液の水系インクを評価した。インクが、様々な基材、すなわち紙、板又は箔上に、1またはは2×K−bar2.5(1 or 2 x K-bar 2.5)で塗布され、かつ熱風乾燥される場合、強力で、明確かつ明瞭な色変化が、ダイオード(〜830nm)レーザ及びCO(〜10,000nm)レーザを用いて実証された。
【0044】
組成物(各成分の量は%w/wで示される)及び結果を表1A〜表1Eに示す。
【0045】
【表1A】

【0046】
【表1B】

【0047】
【表1C】

【0048】
【表1D】

【0049】
【表1E】

【0050】
[実施例2]
近IR吸収材とオキシ金属塩とを含むが従来の着色物質を含まない)アクリル系のアルコール/エーテル溶液中で安定化された分散液の溶媒系インクを評価した。様々な基材上にK−barで塗布される場合、実施例1のように、強力で、明確かつ明瞭な色変化が、ダイオードレーザ及びCOレーザを用いて実証された。
【0051】
組成物(%w/w)及び結果を表2に示す。
【0052】
【表2】

【0053】
[実施例3]
近IR吸収材と有機顔料前駆体、すなわちアクリル系エマルジョン中に分散されたPergascript着色物質BlueI2RN、BlueSRB−P及びRedI6Bとを含む水系インクを評価した。様々な基材上にK−barで塗布される場合、実施例1のように、強力で、明確かつ明瞭な色変化が、ダイオードレーザ及びCOレーザを用いて実証された。
【0054】
組成物(%w/w)及び結果を表3に示す。
【0055】
【表3】

【0056】
[実施例4]
アクリル系エマルジョン中にPVOH溶液安定化された分散液中の二元金属塩(近IR吸収材とオキシ金属塩である)の水性インクを評価した。インクが様々な基材上に1または2×K−bar2.5で塗布される場合、実施例1のように、強力で、明確かつ明瞭な色変化が、ダイオードレーザおよびCOレーザを用いて実証された。
【0057】
組成物(各成分の量は%w/wで示される)及び結果を表4A及び表4Bに示す。
【0058】
【表4A】

【0059】
【表4B】

【0060】
[実施例5]
本実施例は、有機顔料前駆体およびルイス酸と組み合わせたN−IR吸収材を例示する。
【0061】
【表5】

【0062】
[実施例6]
本実施例は、有機顔料前駆体およびルイス酸およびオキシ金属塩と組み合わせたN−IR吸収材を例示する。
【0063】
【表6】

【0064】
[実施例7]
本実施例は、無機顔料前駆体と組み合わせたN−IR吸収材を例示する。
【0065】
【表7】

【0066】
[実施例8]
本実施例は、官能性水酸化ポリマーまたは塩素化ポリマーと組み合わせたN−IR吸収材を例示する。
【0067】
【表8A】

【0068】
【表8B】

【0069】
[実施例9]
本実施例は、官能性水酸化糖と組み合わせたN−IR吸収材を例示する。
【0070】
【表9】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
マーキング成分と、700〜2,000mnのレーザ照射を吸収し、それにより前記マーキング成分を色変化させる金属塩を有することを特徴とするインク配合物。
【請求項2】
請求項1に記載のインク配合物において、前記金属は遷移金属であることを特徴とするインク配合物。
【請求項3】
請求項2に記載のインク配合物において、前記金属は銅であることを特徴とするインク配合物。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のインク配合物において、前記塩は多金属塩であることを特徴とするインク配合物。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のインク配合物であって、オキシ金属アニオンを含む化合物をさらに有することを特徴とするインク配合物。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のインク配合物であって、着色化合物をさらに有することを特徴とするインク配合物。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のインク配合物であって、結合剤をさらに有することを特徴とするインク配合物。
【請求項8】
請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のインク配合物であって、水性であることを特徴とするインク配合物。
【請求項9】
請求項1ないし請求項8のいずれかに記載のインク配合物であって、有機溶媒を有することを特徴とするインク配合物。
【請求項10】
基材上に画像を形成する方法であって、
前記基材上に、請求項1ないし請求項9のいずれかに記載のインク配合物を塗布する工 程と、
およびそれにレーザを照射する工程と
を備えることを特徴とする基材上に画像を形成する方法。
【請求項11】
請求項10に記載の基材上に画像を形成する方法において、前記レーザはダイオードレーザまたはCOレーザであることを特徴とする基材上に画像を形成する方法。

【公表番号】特表2007−517953(P2007−517953A)
【公表日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−548400(P2006−548400)
【出願日】平成17年1月14日(2005.1.14)
【国際出願番号】PCT/GB2005/000121
【国際公開番号】WO2005/068207
【国際公開日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【出願人】(506032945)データレイズ・リミテッド (3)
【Fターム(参考)】