レーダ装置
【課題】ターゲットの鉛直方向の角度を算出できる自動車用ミリ波レーダ。
【解決手段】送信波を空間に送信する送信アンテナと、前記空間において物体に反射された前記送信波の反射波を受信する複数の受信アンテナと、前記送信波と前記反射波を混合してビート信号を出力するミキサと、前記ビート信号を解析し、レーダ装置から前記物体までの方位を検出する信号処理回路と、を備えるレーダ装置において、前記複数の受信アンテナは、鉛直方向に異なる2以上の位置にずらして配置され、前記各位置における受信アンテナ群は互いに同形状であり、前記各位置における前記受信アンテナ群の各合成中心が、鉛直方向に一列に並ぶように受信アンテナが配置され、前記信号処理回路が鉛直方向のビート信号を合成してターゲットの鉛直方向角度を算出する。
【解決手段】送信波を空間に送信する送信アンテナと、前記空間において物体に反射された前記送信波の反射波を受信する複数の受信アンテナと、前記送信波と前記反射波を混合してビート信号を出力するミキサと、前記ビート信号を解析し、レーダ装置から前記物体までの方位を検出する信号処理回路と、を備えるレーダ装置において、前記複数の受信アンテナは、鉛直方向に異なる2以上の位置にずらして配置され、前記各位置における受信アンテナ群は互いに同形状であり、前記各位置における前記受信アンテナ群の各合成中心が、鉛直方向に一列に並ぶように受信アンテナが配置され、前記信号処理回路が鉛直方向のビート信号を合成してターゲットの鉛直方向角度を算出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続的な電波を用いて障害物を検知する車載型レーダ装置、特に、検知物の鉛直方向の角度を計測するレーダ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
レーダ装置は、電波を放射し、障害物や車両等の物体からの反射波を受信し、受信した反射波の強弱、周波数のドップラーシフト、電波の発射から反射波の受信までの伝搬時間等を検出し、その結果から物体までの距離や相対速度を計測する装置である。近年では、ミリ波を利用した自動車用のレーダ装置が開発され、このようなレーダ装置を自動車に搭載して、走行時に障害物や前方走行車までの距離を計測し、その結果に基づいて車両の運転を制御する定速走行装置、車間距離制御装置、ブレーキ制御を行う衝突被害軽減装置等の各種の自動車用制御装置が開発され実用化されている。
【0003】
衝突被害軽減装置においては、高い減速度のブレーキを制御するため、静止障害物に対するレーダ装置の誤検知や不検知がないことの要求が強く、一層の性能向上が必要である。特に、制御対象であるか否かを判断するのが難しい重要なシーンとしては、路面上の空き缶等の本来ブレーキ制御が不要ではあるが電波の反射が大きい障害物と、実際の静止車両でブレーキ制御が必要な障害物とを切り分けることである。
【0004】
特許文献1では、鉛直方向においても角度を計測できる信号処理の検討がなされており、その鉛直方向の角度検知方法について、図11及び図12を用いて説明する。
【0005】
図11は、アンテナの構成を示している。受信アンテナ20は、水平方向に配列された8列の受信アンテナ(素子アンテナ)#1〜#8で構成され、各アンテナ#1〜#8は、それぞれ複数のパッチアンテナを有し、その中心点は、交互に上下方向にずらして配置されている。すなわち、受信アンテナ(素子アンテナ)#1、3、5、7は、上側アンテナ群を構成し、受信アンテナ(素子アンテナ)#2、4、6、8は、下側アンテナ群を構成している。そして、上側アンテナ群と下側アンテナ群とは、上下方向にΔyの長さだけずれて配置されている。
【0006】
図12は、信号の処理手順を示すフローチャートである。各アンテナからの信号については、上側アンテナ群の信号を利用してDBF合成(DBF(A))を行い、下側アンテナ群の信号を利用してDBF合成(DBF(B))を行い、DBF(A)とDBF(B)の結果から、検出された目標物の上下の角度を位相モノパルス方式で演算する信号処理フローである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−287857号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記の公知の鉛直方向の角度検知方法については、次に説明する問題点がある。
【0009】
第一の問題点は、図11において、DBF(A)を算出したときの上側アンテナ群の合成中心Hと、DBF(B)を算出したときの下側アンテナ群の合成中心Lが、アンテナ面内で斜めとなるために、モノパルス方式で演算した結果が、この2点を含むアンテナ面と法線方向の面内における角度となる結果、正確に上下の角度を演算できないことである。
【0010】
第二の問題点は、角度の演算値が2つ以上となるので、レーダ装置の誤検知が増えることである。これを、図11のアンテナを横から見た図13を用いて説明しよう。アンテナ面の法線に対し角度θの方向から受信波が来ると、受信波の光路差はΔy・sinθとなり、θが-90°〜+90°の検知範囲において、光路差が-Δy〜Δyとなり、この範囲が送信電波の波長λ以下でないと、検知範囲内での受信信号の位相角(2πΔy・sinθ/λ)と受信波の到来方向(θ)との一義性が保たれないからである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記問題点を解決するために、本発明の自動車用ミリ波レーダ装置は、送信波を空間に送信する送信アンテナと、前記空間において物体に反射された前記送信波の反射波を受信する複数の受信アンテナと、前記送信波と前記反射波を混合してビート信号を出力するミキサと、前記ビート信号を解析し、レーダ装置から前記物体までの方位を検出する信号処理回路と、を備えるレーダ装置において、前記複数の受信アンテナは、鉛直方向に異なる2以上の位置にずらして配置され、前記各位置における受信アンテナ群は互いに同形状であり、前記各位置における前記受信アンテナ群の各合成中心が、鉛直方向に一列に並ぶように受信アンテナが配置され、前記信号処理回路が鉛直方向のビート信号を合成してターゲットの鉛直方向角度を算出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、衝突被害軽減装置等の各種の自動車制御装置において、重要な制御対象であるか否かの判断をする際に、例えば実際の静止車両と電波の反射が大きい空き缶等の障害物とを高い精度で切り分けることを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施例1に係るレーダのアンテナ配置を示した説明図。
【図2】実施例1に係るレーダのアンテナを含むシステムブロックを示した説明図。
【図3】実施例1に係るレーダの鉛直方向角度を計測するための信号処理部における処理の手順を示すフローチャート。
【図4】実施例1に係るアンテナの合成中心を示した説明図。
【図5】本発明の実施例2に係るレーダのアンテナ配置を示した説明図。
【図6】本発明の実施例3に係るレーダのアンテナ配置を示した説明図。
【図7】本発明の実施例4に係る受信アンテナの最大ゲインを得る方位を示した説明図。
【図8】実施例4に係る受信アンテナのアンテナゲインと鉛直方向角度との関係を示したグラフ。
【図9A】実施例4に係るレーダとターゲット#Aとの相対距離を横軸に、信号強度を縦軸にしてグラフ。
【図9B】実施例4に係るレーダとターゲット#Bとの相対距離を横軸に、信号強度を縦軸にしたグラフ。
【図10】本発明の実施例5に係る鉛直方向角度と受信アンテナのアンテナゲインの関係を示したグラフ。
【図11】従来例のレーダに係るアンテナの構成を示す説明図。
【図12】従来例のレーダの信号の処理手順を示すフローチャート。
【図13】図11に示された従来例のレーダに係るアンテナを横から見た説明図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態であるいくつかの実施例について、図1から図10と用いて説明する。
【実施例1】
【0015】
以下、本発明の実施形態である実施例1について、図1〜図4を用いて説明する。
【0016】
図1は、実施例1に係るレーダのアンテナ配置を示した説明図である。送信波を空間に送信する送信アンテナ1と、物体に反射された送信波の反射波を受信する受信アンテナ2(#1〜#5)とを有する。
【0017】
受信アンテナ#1、#3、#5及び受信アンテナ2#2、#4は、同じゲインをもつアンテナである。また、受信アンテナ群#1、#3、#5群と、受信アンテナ群#2、#4とは、鉛直方向でずれて設置されている。
【0018】
また、受信アンテナ#1と#3は、受信アンテナ#2に対して線対象の位置に設置されている。
【0019】
図2は、レーダのアンテナを含むシステムブロックを示した説明図である。発振器3による信号と、受信アンテナ2#1〜#5それぞれで受信した反射波を混合してビート信号を出力するミキサ4と、増幅アンプを介してこのビート信号をA/Dコンバータによりデジタル変換し、これらの信号を信号処理部5により解析し、レーダ装置から物体までの方位を検出する。
【0020】
図3は、レーダの鉛直方向角度を計測するための信号処理部における処理の手順を示すフローチャート。
【0021】
ステップ100において、まず、受信アンテナ#1〜#5それぞれのビート信号をFET処理することにより、タイムドメイン信号を周波数変換する。
【0022】
次にステップ101において、鉛直モノパルスに使用する受信チャンネルChを選択する。具体的には、受信アンテナ#1〜#3を選択する。
【0023】
次に、ステップ102において、それぞれの鉛直方向位置におけるChの合成処理を行う。具体的には、受信アンテナ#1及び受信アンテナ#3の信号を合成する。Ch2は選択された受信アンテナのなかで同じ鉛直方向のアンテナが他にないので、ここでは合成しない。
【0024】
上記の信号を合成した結果を、図4を用いて説明する。図4は、アンテナの合成中心7を示した説明図である。アンテナのパッチに配分される電力を重み付けとして給電部6からそれぞれのパッチまでの距離と電力の積和として、仮想のアンテナ合成中心を定義することができるが、この場合の受信アンテナ#1〜#3それぞれの合成中心は、合成中心#1〜#3となる。また、受信アンテナ#1及び受信アンテナ#3の信号を合成したときの合成中心は合成中心#10となる。受信アンテナ#1及び#3は、受信アンテナ#2に対して線対称に配置されているので、合成中心#2及び合成中心#10は、鉛直方向に一列に並ぶこととなる。
【0025】
次に、図4の合成中心#2及び合成中心#10の信号を用いてモノパルス原理により鉛直方向の角度を算出する。ここでは、複数の受信アンテナは、鉛直方向に2種類以上の位置にずらして配置し、それぞれの鉛直方向位置における受信アンテナ群は、それぞれの鉛直方向の同じ位置で同じ形状をとり、それぞれの鉛直方向位置でのアンテナの合成中心が、鉛直方向に一列に並ぶように、受信アンテナの配置と信号処理するビート信号を選択し、それぞれの鉛直方向位置でのビート信号を合成し、モノパルスにて鉛直方向角度を計測することが可能となり、非常に優れた自動車用ミリ波レーダ装置を提供することができる。
【0026】
なお、実施例1においては、二つの受信アンテナ群が図1に示すような位置に配置されているが、要するに、選択される二つの受信アンテナ群のそれぞれの合成中心が鉛直方向にずれることが重要であり、その要件が満たされる限り、受信アンテナ#1、#3、#5は、必ずしも同じゲインをもつ必要がなく、また鉛直方向位置も同じである必要はない。また、受信アンテナ#2、#4についても同様に、同じゲインをもつ必要がなく、また鉛直方向位置も同じである必要はない。
【実施例2】
【0027】
図5は、本発明の実施例2に係るレーダのアンテナ配置を示した説明図である。先に説明した実施例1では、図3のフローチャートのステップ101において、一部のアンテナを選択することにより、合成したときの受信アンテナを構成する受信アンテナの合成中心点が鉛直方向に並ぶようにしたが、ここでは、選択をすることなく、全てのアンテナを用いて鉛直方向角度を計測できるようにしたものである。
【0028】
実施例2においては、受信アンテナ#1、#3、#5は、同じゲインをもち、鉛直方向位置も同じとする。また、受信アンテナ#2、#4は、同じゲインをもち鉛直方向位置も同じとする。受信アンテナ#1、#3、#5の合成中心#20は、受信アンテナ#2、#4の合成中心#30と、鉛直方向に一列に並ぶように配置される。
【0029】
実施例2においても、図3における信号処理フローを用いて、受信アンテナ群それぞれの合成処理を行い、鉛直方向に並んだ合成中心#20及び#30(図5参照)の信号を算出する。次に、合成中心#20及び合成中心#30の各信号を用いてモノパルス原理による鉛直方向の角度を算出する。
【0030】
以上のようにして、実施例1と同じような効果を得ることができるが、実施例2では受信アンテナのすべてを用いるので、信号強度が上がり、安定性に優れた効果を得ることができる。
【実施例3】
【0031】
図6は、本発明の実施例3に係るレーダのアンテナ配置を示した説明図である。この実施例では、実施例2では5つあった受信アンテナを3つにしたものである。
【0032】
アンテナ構成数を最小としたことで、実施例2と同じような効果を奏しつつ、装置の簡素化を実現したものである。
【0033】
上記の実施例1〜3のいずれにおいても、個々のアンテナをモノパルス又はデジタルビームフォーミングすることにより、水平方向角度を算出することができるので、物体の鉛直方向と水平方向の両方の角度を、すなわちターゲットを2次元的に検出することも可能である。
【0034】
鉛直方向のアンテナのずらし量については、モノパルスで角度を算出する上で制約がある。図6において、受信波の光路差はd・sinθとなる。θが-90°〜+90°の検知範囲においての光路差は-d〜dとなる。この範囲が送信電波の波長λ以下でないと、検知範囲内での受信信号の位相角(2πd・sinθ/λ)と受信波の到来方向(θ)との一義性が保たれないので、信号処理として問題が発生する。従って、d-(-d)<λ⇔d<λ/2であることが必要である。
【実施例4】
【0035】
図7〜9は、本発明の実施例4に係る説明図である。図7は、受信アンテナの最大ゲインを得る方位を示した説明図であり、ここでは、受信アンテナ#1及び#2の最大ゲインを得る方位が鉛直方向の上下方向にずれている。
【0036】
図8は、アンテナゲインと鉛直方向角度との関係を示したグラフである。
【0037】
図9Aは、図7に示したレーダとターゲット#Aとの相対距離を横軸に、信号強度を縦軸にしたグラフを示す。図9Bは、同じくレーダとターゲット#Bとの相対距離を横軸に、信号強度を縦軸にしたグラフを示す。
【0038】
図7に示したターゲット#Aの場合は、レーダとターゲットとを結んだ線がレーダの受信アンテナの鉛直回転中心と一致するので、ターゲットが近づいてきてもアンテナゲインは、図8におけるX点で変わりがない。そのため、図9Aに示したように、受信アンテナ#1及び#2の信号強度は、距離による減衰分が発生するだけで受信アンテナ#1及び#2の間の信号強度差は発生しないことがわかる。
【0039】
これに対し、ターゲット#Bの場合は、レーダとターゲットを結んだ線がレーダの受信アンテナの鉛直回転中心と異なるので、ターゲットが近づいてくるとアンテナゲインは、図8においてY点からZ点に変わっていく。そのため、図9Bに示したように受信アンテナ#1及び#2の信号強度は、距離による減衰分に加えてアンテナ間のゲイン差が発生するので、受信アンテナ間の信号強度差が距離に応じて変わってくることがわかる。
【0040】
この信号強度差は、ターゲットのレーダとの相対高さ及び相対距離によって変わるので、この信号強度差及び別途取得する距離情報を基にすることによって、レーダとの相対高さを算出することができる。
【実施例5】
【0041】
図10は、本発明の実施例5に係る鉛直方向角度と受信アンテナのアンテナゲインの関係を示したグラフである。サイドローブは、受信アンテナのパッチの配列と、パッチに給電する給電線の形状や、給電方向によってきまるので、例えば、受信アンテナ#1及び#2で、パッチに給電する給電線の引き回し方向をパッチの鉛直並び方向でそれぞれ逆の方向とすることによって、サイドローブの出る方向が鉛直方向で逆になる。これにより、他の処理を実施例4と同様にして、同様の効果を得ることができるので非常に優れているといえる。
【符号の説明】
【0042】
1…送信アンテナ、2…受信アンテナ、3…発振器、4…ミキサ、5…信号処理部、6…給電部、7…合成中心、8…ターゲット、20…受信アンテナ
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続的な電波を用いて障害物を検知する車載型レーダ装置、特に、検知物の鉛直方向の角度を計測するレーダ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
レーダ装置は、電波を放射し、障害物や車両等の物体からの反射波を受信し、受信した反射波の強弱、周波数のドップラーシフト、電波の発射から反射波の受信までの伝搬時間等を検出し、その結果から物体までの距離や相対速度を計測する装置である。近年では、ミリ波を利用した自動車用のレーダ装置が開発され、このようなレーダ装置を自動車に搭載して、走行時に障害物や前方走行車までの距離を計測し、その結果に基づいて車両の運転を制御する定速走行装置、車間距離制御装置、ブレーキ制御を行う衝突被害軽減装置等の各種の自動車用制御装置が開発され実用化されている。
【0003】
衝突被害軽減装置においては、高い減速度のブレーキを制御するため、静止障害物に対するレーダ装置の誤検知や不検知がないことの要求が強く、一層の性能向上が必要である。特に、制御対象であるか否かを判断するのが難しい重要なシーンとしては、路面上の空き缶等の本来ブレーキ制御が不要ではあるが電波の反射が大きい障害物と、実際の静止車両でブレーキ制御が必要な障害物とを切り分けることである。
【0004】
特許文献1では、鉛直方向においても角度を計測できる信号処理の検討がなされており、その鉛直方向の角度検知方法について、図11及び図12を用いて説明する。
【0005】
図11は、アンテナの構成を示している。受信アンテナ20は、水平方向に配列された8列の受信アンテナ(素子アンテナ)#1〜#8で構成され、各アンテナ#1〜#8は、それぞれ複数のパッチアンテナを有し、その中心点は、交互に上下方向にずらして配置されている。すなわち、受信アンテナ(素子アンテナ)#1、3、5、7は、上側アンテナ群を構成し、受信アンテナ(素子アンテナ)#2、4、6、8は、下側アンテナ群を構成している。そして、上側アンテナ群と下側アンテナ群とは、上下方向にΔyの長さだけずれて配置されている。
【0006】
図12は、信号の処理手順を示すフローチャートである。各アンテナからの信号については、上側アンテナ群の信号を利用してDBF合成(DBF(A))を行い、下側アンテナ群の信号を利用してDBF合成(DBF(B))を行い、DBF(A)とDBF(B)の結果から、検出された目標物の上下の角度を位相モノパルス方式で演算する信号処理フローである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−287857号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記の公知の鉛直方向の角度検知方法については、次に説明する問題点がある。
【0009】
第一の問題点は、図11において、DBF(A)を算出したときの上側アンテナ群の合成中心Hと、DBF(B)を算出したときの下側アンテナ群の合成中心Lが、アンテナ面内で斜めとなるために、モノパルス方式で演算した結果が、この2点を含むアンテナ面と法線方向の面内における角度となる結果、正確に上下の角度を演算できないことである。
【0010】
第二の問題点は、角度の演算値が2つ以上となるので、レーダ装置の誤検知が増えることである。これを、図11のアンテナを横から見た図13を用いて説明しよう。アンテナ面の法線に対し角度θの方向から受信波が来ると、受信波の光路差はΔy・sinθとなり、θが-90°〜+90°の検知範囲において、光路差が-Δy〜Δyとなり、この範囲が送信電波の波長λ以下でないと、検知範囲内での受信信号の位相角(2πΔy・sinθ/λ)と受信波の到来方向(θ)との一義性が保たれないからである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記問題点を解決するために、本発明の自動車用ミリ波レーダ装置は、送信波を空間に送信する送信アンテナと、前記空間において物体に反射された前記送信波の反射波を受信する複数の受信アンテナと、前記送信波と前記反射波を混合してビート信号を出力するミキサと、前記ビート信号を解析し、レーダ装置から前記物体までの方位を検出する信号処理回路と、を備えるレーダ装置において、前記複数の受信アンテナは、鉛直方向に異なる2以上の位置にずらして配置され、前記各位置における受信アンテナ群は互いに同形状であり、前記各位置における前記受信アンテナ群の各合成中心が、鉛直方向に一列に並ぶように受信アンテナが配置され、前記信号処理回路が鉛直方向のビート信号を合成してターゲットの鉛直方向角度を算出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、衝突被害軽減装置等の各種の自動車制御装置において、重要な制御対象であるか否かの判断をする際に、例えば実際の静止車両と電波の反射が大きい空き缶等の障害物とを高い精度で切り分けることを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施例1に係るレーダのアンテナ配置を示した説明図。
【図2】実施例1に係るレーダのアンテナを含むシステムブロックを示した説明図。
【図3】実施例1に係るレーダの鉛直方向角度を計測するための信号処理部における処理の手順を示すフローチャート。
【図4】実施例1に係るアンテナの合成中心を示した説明図。
【図5】本発明の実施例2に係るレーダのアンテナ配置を示した説明図。
【図6】本発明の実施例3に係るレーダのアンテナ配置を示した説明図。
【図7】本発明の実施例4に係る受信アンテナの最大ゲインを得る方位を示した説明図。
【図8】実施例4に係る受信アンテナのアンテナゲインと鉛直方向角度との関係を示したグラフ。
【図9A】実施例4に係るレーダとターゲット#Aとの相対距離を横軸に、信号強度を縦軸にしてグラフ。
【図9B】実施例4に係るレーダとターゲット#Bとの相対距離を横軸に、信号強度を縦軸にしたグラフ。
【図10】本発明の実施例5に係る鉛直方向角度と受信アンテナのアンテナゲインの関係を示したグラフ。
【図11】従来例のレーダに係るアンテナの構成を示す説明図。
【図12】従来例のレーダの信号の処理手順を示すフローチャート。
【図13】図11に示された従来例のレーダに係るアンテナを横から見た説明図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態であるいくつかの実施例について、図1から図10と用いて説明する。
【実施例1】
【0015】
以下、本発明の実施形態である実施例1について、図1〜図4を用いて説明する。
【0016】
図1は、実施例1に係るレーダのアンテナ配置を示した説明図である。送信波を空間に送信する送信アンテナ1と、物体に反射された送信波の反射波を受信する受信アンテナ2(#1〜#5)とを有する。
【0017】
受信アンテナ#1、#3、#5及び受信アンテナ2#2、#4は、同じゲインをもつアンテナである。また、受信アンテナ群#1、#3、#5群と、受信アンテナ群#2、#4とは、鉛直方向でずれて設置されている。
【0018】
また、受信アンテナ#1と#3は、受信アンテナ#2に対して線対象の位置に設置されている。
【0019】
図2は、レーダのアンテナを含むシステムブロックを示した説明図である。発振器3による信号と、受信アンテナ2#1〜#5それぞれで受信した反射波を混合してビート信号を出力するミキサ4と、増幅アンプを介してこのビート信号をA/Dコンバータによりデジタル変換し、これらの信号を信号処理部5により解析し、レーダ装置から物体までの方位を検出する。
【0020】
図3は、レーダの鉛直方向角度を計測するための信号処理部における処理の手順を示すフローチャート。
【0021】
ステップ100において、まず、受信アンテナ#1〜#5それぞれのビート信号をFET処理することにより、タイムドメイン信号を周波数変換する。
【0022】
次にステップ101において、鉛直モノパルスに使用する受信チャンネルChを選択する。具体的には、受信アンテナ#1〜#3を選択する。
【0023】
次に、ステップ102において、それぞれの鉛直方向位置におけるChの合成処理を行う。具体的には、受信アンテナ#1及び受信アンテナ#3の信号を合成する。Ch2は選択された受信アンテナのなかで同じ鉛直方向のアンテナが他にないので、ここでは合成しない。
【0024】
上記の信号を合成した結果を、図4を用いて説明する。図4は、アンテナの合成中心7を示した説明図である。アンテナのパッチに配分される電力を重み付けとして給電部6からそれぞれのパッチまでの距離と電力の積和として、仮想のアンテナ合成中心を定義することができるが、この場合の受信アンテナ#1〜#3それぞれの合成中心は、合成中心#1〜#3となる。また、受信アンテナ#1及び受信アンテナ#3の信号を合成したときの合成中心は合成中心#10となる。受信アンテナ#1及び#3は、受信アンテナ#2に対して線対称に配置されているので、合成中心#2及び合成中心#10は、鉛直方向に一列に並ぶこととなる。
【0025】
次に、図4の合成中心#2及び合成中心#10の信号を用いてモノパルス原理により鉛直方向の角度を算出する。ここでは、複数の受信アンテナは、鉛直方向に2種類以上の位置にずらして配置し、それぞれの鉛直方向位置における受信アンテナ群は、それぞれの鉛直方向の同じ位置で同じ形状をとり、それぞれの鉛直方向位置でのアンテナの合成中心が、鉛直方向に一列に並ぶように、受信アンテナの配置と信号処理するビート信号を選択し、それぞれの鉛直方向位置でのビート信号を合成し、モノパルスにて鉛直方向角度を計測することが可能となり、非常に優れた自動車用ミリ波レーダ装置を提供することができる。
【0026】
なお、実施例1においては、二つの受信アンテナ群が図1に示すような位置に配置されているが、要するに、選択される二つの受信アンテナ群のそれぞれの合成中心が鉛直方向にずれることが重要であり、その要件が満たされる限り、受信アンテナ#1、#3、#5は、必ずしも同じゲインをもつ必要がなく、また鉛直方向位置も同じである必要はない。また、受信アンテナ#2、#4についても同様に、同じゲインをもつ必要がなく、また鉛直方向位置も同じである必要はない。
【実施例2】
【0027】
図5は、本発明の実施例2に係るレーダのアンテナ配置を示した説明図である。先に説明した実施例1では、図3のフローチャートのステップ101において、一部のアンテナを選択することにより、合成したときの受信アンテナを構成する受信アンテナの合成中心点が鉛直方向に並ぶようにしたが、ここでは、選択をすることなく、全てのアンテナを用いて鉛直方向角度を計測できるようにしたものである。
【0028】
実施例2においては、受信アンテナ#1、#3、#5は、同じゲインをもち、鉛直方向位置も同じとする。また、受信アンテナ#2、#4は、同じゲインをもち鉛直方向位置も同じとする。受信アンテナ#1、#3、#5の合成中心#20は、受信アンテナ#2、#4の合成中心#30と、鉛直方向に一列に並ぶように配置される。
【0029】
実施例2においても、図3における信号処理フローを用いて、受信アンテナ群それぞれの合成処理を行い、鉛直方向に並んだ合成中心#20及び#30(図5参照)の信号を算出する。次に、合成中心#20及び合成中心#30の各信号を用いてモノパルス原理による鉛直方向の角度を算出する。
【0030】
以上のようにして、実施例1と同じような効果を得ることができるが、実施例2では受信アンテナのすべてを用いるので、信号強度が上がり、安定性に優れた効果を得ることができる。
【実施例3】
【0031】
図6は、本発明の実施例3に係るレーダのアンテナ配置を示した説明図である。この実施例では、実施例2では5つあった受信アンテナを3つにしたものである。
【0032】
アンテナ構成数を最小としたことで、実施例2と同じような効果を奏しつつ、装置の簡素化を実現したものである。
【0033】
上記の実施例1〜3のいずれにおいても、個々のアンテナをモノパルス又はデジタルビームフォーミングすることにより、水平方向角度を算出することができるので、物体の鉛直方向と水平方向の両方の角度を、すなわちターゲットを2次元的に検出することも可能である。
【0034】
鉛直方向のアンテナのずらし量については、モノパルスで角度を算出する上で制約がある。図6において、受信波の光路差はd・sinθとなる。θが-90°〜+90°の検知範囲においての光路差は-d〜dとなる。この範囲が送信電波の波長λ以下でないと、検知範囲内での受信信号の位相角(2πd・sinθ/λ)と受信波の到来方向(θ)との一義性が保たれないので、信号処理として問題が発生する。従って、d-(-d)<λ⇔d<λ/2であることが必要である。
【実施例4】
【0035】
図7〜9は、本発明の実施例4に係る説明図である。図7は、受信アンテナの最大ゲインを得る方位を示した説明図であり、ここでは、受信アンテナ#1及び#2の最大ゲインを得る方位が鉛直方向の上下方向にずれている。
【0036】
図8は、アンテナゲインと鉛直方向角度との関係を示したグラフである。
【0037】
図9Aは、図7に示したレーダとターゲット#Aとの相対距離を横軸に、信号強度を縦軸にしたグラフを示す。図9Bは、同じくレーダとターゲット#Bとの相対距離を横軸に、信号強度を縦軸にしたグラフを示す。
【0038】
図7に示したターゲット#Aの場合は、レーダとターゲットとを結んだ線がレーダの受信アンテナの鉛直回転中心と一致するので、ターゲットが近づいてきてもアンテナゲインは、図8におけるX点で変わりがない。そのため、図9Aに示したように、受信アンテナ#1及び#2の信号強度は、距離による減衰分が発生するだけで受信アンテナ#1及び#2の間の信号強度差は発生しないことがわかる。
【0039】
これに対し、ターゲット#Bの場合は、レーダとターゲットを結んだ線がレーダの受信アンテナの鉛直回転中心と異なるので、ターゲットが近づいてくるとアンテナゲインは、図8においてY点からZ点に変わっていく。そのため、図9Bに示したように受信アンテナ#1及び#2の信号強度は、距離による減衰分に加えてアンテナ間のゲイン差が発生するので、受信アンテナ間の信号強度差が距離に応じて変わってくることがわかる。
【0040】
この信号強度差は、ターゲットのレーダとの相対高さ及び相対距離によって変わるので、この信号強度差及び別途取得する距離情報を基にすることによって、レーダとの相対高さを算出することができる。
【実施例5】
【0041】
図10は、本発明の実施例5に係る鉛直方向角度と受信アンテナのアンテナゲインの関係を示したグラフである。サイドローブは、受信アンテナのパッチの配列と、パッチに給電する給電線の形状や、給電方向によってきまるので、例えば、受信アンテナ#1及び#2で、パッチに給電する給電線の引き回し方向をパッチの鉛直並び方向でそれぞれ逆の方向とすることによって、サイドローブの出る方向が鉛直方向で逆になる。これにより、他の処理を実施例4と同様にして、同様の効果を得ることができるので非常に優れているといえる。
【符号の説明】
【0042】
1…送信アンテナ、2…受信アンテナ、3…発振器、4…ミキサ、5…信号処理部、6…給電部、7…合成中心、8…ターゲット、20…受信アンテナ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信波を空間に送信する送信アンテナと、
前記空間において物体に反射された前記送信波の反射波を受信する複数の受信アンテナと、
前記送信波と前記反射波を混合してビート信号を出力するミキサと、
前記ビート信号を解析し、レーダ装置から前記物体までの方位を検出する信号処理回路と、
を備えるレーダ装置において、
前記複数の受信アンテナは、鉛直方向に異なる2以上の位置にずらして配置され、
前記各位置における受信アンテナ群は互いに同形状であり、
前記各位置における前記受信アンテナ群の各合成中心が、鉛直方向に一列に並ぶように受信アンテナが配置され、
前記信号処理回路が鉛直方向のビート信号を合成してターゲットの鉛直方向角度を算出する、自動車用ミリ波レーダ装置。
【請求項2】
送信波を空間に送信する送信アンテナと、
前記空間において物体に反射された前記送信波の反射波を受信する複数の受信アンテナと、
前記送信波と前記反射波を混合してビート信号を出力するミキサと、
前記ビート信号を解析し、レーダ装置から前記物体までの方位を検出する信号処理回路と、
を備えるレーダ装置において、
前記複数の受信アンテナは、鉛直方向に異なる2以上の位置にずらして配置され、
前記受信アンテナの中から選択して2群の受信アンテナ群を構成し、
前記2群の各合成中心が、鉛直方向に一列に並ぶように受信アンテナが配置され、
前記信号処理回路が鉛直方向のビート信号を合成してターゲットの鉛直方向角度を算出する、自動車用ミリ波レーダ装置。
【請求項3】
請求項2に記載されたレーダ装置において、
前記2群の受信アンテナ群の一方が2つのアンテナであり、他方が1つのアンテナであり、前記2つのアンテナが前記1つのアンテナの左右対称な位置に配置されていることを特徴とする自動車用ミリ波レーダ装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかの請求項に記載されたレーダ装置において、
鉛直方向の前記合成中心のずれ量が送信電波の波長の半分以下であるモノパルス方式により、前記ターゲットの鉛直方向角度が算出されることを特徴とする自動車用ミリ波レーダ装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかの請求項に記載されたレーダ装置において、
受信アンテナの合成中心が鉛直方向に一列に並ぶ前記受信アンテナを用いて、モノパルス又はデジタルビームフォーミングにより、ターゲットの水平方向角度を算出することを特徴とする自動車用ミリ波レーダ装置。
【請求項6】
送信波を空間に送信する送信アンテナと、
前記空間において物体に反射された前記送信波の反射波を受信する複数の受信アンテナと、
前記送信波と前記反射波を混合してビート信号を出力するミキサと、
前記ビート信号を解析し、レーダ装置から前記物体までの方位を検出する信号処理回路と、
を備えるレーダ装置において、
前記複数の受信アンテナの最大ゲインを得る方位を鉛直方向の上下方向にずらし、
前記受信アンテナの信号強度の差分を計測することにより、反射波の到来方向の鉛直方位を算出することを特徴とする自動車用ミリ波レーダ装置。
【請求項7】
送信波を空間に送信する送信アンテナと、
前記空間において物体に反射された前記送信波の反射波を受信する複数の受信アンテナと、
前記送信波と前記反射波を混合してビート信号を出力するミキサと、
前記ビート信号を解析し、レーダ装置から前記物体までの方位を検出する信号処理回路と、
を備えるレーダ装置において、
前記複数の受信アンテナのサイドローブを鉛直方向の上下方向にずらし、前記受信アンテナの信号強度の差分を計測することにより、反射波の到来方向の鉛直方位を算出することを特徴とする自動車用ミリ波レーダ装置。
【請求項1】
送信波を空間に送信する送信アンテナと、
前記空間において物体に反射された前記送信波の反射波を受信する複数の受信アンテナと、
前記送信波と前記反射波を混合してビート信号を出力するミキサと、
前記ビート信号を解析し、レーダ装置から前記物体までの方位を検出する信号処理回路と、
を備えるレーダ装置において、
前記複数の受信アンテナは、鉛直方向に異なる2以上の位置にずらして配置され、
前記各位置における受信アンテナ群は互いに同形状であり、
前記各位置における前記受信アンテナ群の各合成中心が、鉛直方向に一列に並ぶように受信アンテナが配置され、
前記信号処理回路が鉛直方向のビート信号を合成してターゲットの鉛直方向角度を算出する、自動車用ミリ波レーダ装置。
【請求項2】
送信波を空間に送信する送信アンテナと、
前記空間において物体に反射された前記送信波の反射波を受信する複数の受信アンテナと、
前記送信波と前記反射波を混合してビート信号を出力するミキサと、
前記ビート信号を解析し、レーダ装置から前記物体までの方位を検出する信号処理回路と、
を備えるレーダ装置において、
前記複数の受信アンテナは、鉛直方向に異なる2以上の位置にずらして配置され、
前記受信アンテナの中から選択して2群の受信アンテナ群を構成し、
前記2群の各合成中心が、鉛直方向に一列に並ぶように受信アンテナが配置され、
前記信号処理回路が鉛直方向のビート信号を合成してターゲットの鉛直方向角度を算出する、自動車用ミリ波レーダ装置。
【請求項3】
請求項2に記載されたレーダ装置において、
前記2群の受信アンテナ群の一方が2つのアンテナであり、他方が1つのアンテナであり、前記2つのアンテナが前記1つのアンテナの左右対称な位置に配置されていることを特徴とする自動車用ミリ波レーダ装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかの請求項に記載されたレーダ装置において、
鉛直方向の前記合成中心のずれ量が送信電波の波長の半分以下であるモノパルス方式により、前記ターゲットの鉛直方向角度が算出されることを特徴とする自動車用ミリ波レーダ装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかの請求項に記載されたレーダ装置において、
受信アンテナの合成中心が鉛直方向に一列に並ぶ前記受信アンテナを用いて、モノパルス又はデジタルビームフォーミングにより、ターゲットの水平方向角度を算出することを特徴とする自動車用ミリ波レーダ装置。
【請求項6】
送信波を空間に送信する送信アンテナと、
前記空間において物体に反射された前記送信波の反射波を受信する複数の受信アンテナと、
前記送信波と前記反射波を混合してビート信号を出力するミキサと、
前記ビート信号を解析し、レーダ装置から前記物体までの方位を検出する信号処理回路と、
を備えるレーダ装置において、
前記複数の受信アンテナの最大ゲインを得る方位を鉛直方向の上下方向にずらし、
前記受信アンテナの信号強度の差分を計測することにより、反射波の到来方向の鉛直方位を算出することを特徴とする自動車用ミリ波レーダ装置。
【請求項7】
送信波を空間に送信する送信アンテナと、
前記空間において物体に反射された前記送信波の反射波を受信する複数の受信アンテナと、
前記送信波と前記反射波を混合してビート信号を出力するミキサと、
前記ビート信号を解析し、レーダ装置から前記物体までの方位を検出する信号処理回路と、
を備えるレーダ装置において、
前記複数の受信アンテナのサイドローブを鉛直方向の上下方向にずらし、前記受信アンテナの信号強度の差分を計測することにより、反射波の到来方向の鉛直方位を算出することを特徴とする自動車用ミリ波レーダ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−175471(P2010−175471A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−20502(P2009−20502)
【出願日】平成21年1月30日(2009.1.30)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月30日(2009.1.30)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】
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