説明

レーダ装置

【課題】JEMを伴う場合の目標相対速度を正しく算出し性能向上を図ったレーダ装置。
【解決手段】送受信手段で受信された時間領域の受信信号を周波数領域に変換する周波数領域変換手段と、周波数領域変換手段で変換された周波数領域の受信信号における信号強度に基づく演算処理を行い目標候補を検出するとともに目標候補の相対速度を算出する目標候補検出手段と、目標候補検出手段で検出された目標候補の相対速度に基づきJEM間隔を算出するJEM間隔算出手段と、JEM間隔算出手段で算出された異なる時刻のJEM間隔に基づき目標の運動を判定する目標運動判定手段と、目標候補検出手段で算出された異なる時刻の目標候補の相対速度に基づき目標候補の加速度を算出する目標候補加速度算出手段と、目標運動判定手段の目標運動判定結果と目標候補加速度算出手段の目標候補の加速度に基づき目標および目標の目標相対速度を判定する目標判定手段とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、JEM(Jet Engine Modulation:ジェットエンジン変調)が発生した場合の目標検出を行うレーダ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば下記特許文献1に開示された従来のこの種のレーダ装置における、JEMが発生した場合の目標検出、目標相対距離算出では、目標のドップラ周波数は、JEMより高いドップラ周波数に検出されることを想定している。
【0003】
従来のレーダ装置では、FM(Frequency Modulation:周波数変調)フェーズCの受信ビデオ信号をFFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)することにより目標、JEMのドップラ周波数を算出する。また、FMフェーズBの受信ビート信号をFFTすることにより目標、JEMのビート周波数を算出する。FMフェーズCのドップラ周波数がFMフェーズBのビート周波数より小さい場合、測距回路が目標相対速度を算出する。さらに、距離判定回路は、算出された相対距離がJEMの距離より小さい場合、真の目標相対距離として、表示器に出力する。
目標のドップラ周波数がJEMより高い周波数に検出されることを前提にすることによって、JEMの相対距離を誤って目標の相対距離とせず、目標相対距離、目標検出性能の改善が期待できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公平6−56413号公報(特に第1図、第3図、第7図、第8図)
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Enrico Piazza著、”Radar Signals Analysis and Modellization in the Presence of JEM Application to Civilian ATC Radars”、pp.35-pp.40、IEEE AES Systems Magazine,January 1999
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら従来のレーダ装置では、目標のドップラ周波数がJEMより高い周波数に検出されることを前提にしているため、目標のドップラ周波数がJEMより低い周波数に検出され、かつ、目標のビート周波数がJEMより低い周波数に検出された場合、目標相対距離は算出されるが、目標相対速度を誤って算出してしまう問題がある。また、複数の送信周波数を用いるために、装置規模が大きくなり、かつ、処理が複雑になる問題がある。
【0007】
この発明は、前記のような課題を解決するためになされたものであり、JEMが発生した場合の目標相対速度を正しく算出し、目標検出性能を向上させたレーダ装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、目標との相対速度を算出し、目標検出を行うレーダ装置であって、所定の周波数のキャリア信号を所定の時間間隔でパルス変調した送信信号を放射すると共に、前記目標で反射しれた前記送信信号を受信信号として受信する送受信手段と、前記送受信手段で受信された時間領域の受信信号を周波数領域に変換する周波数領域変換手段と、前記周波数領域変換手段で変換された前記周波数領域の受信信号における信号強度に基づく演算処理を行い、目標候補を検出するとともに、目標候補の相対速度を算出する目標候補検出手段と、前記目標候補検出手段で検出された前記目標候補の相対速度に基づき、JEM間隔を算出するJEM間隔算出手段と、前記JEM間隔算出手段で算出された異なる時刻の前記JEM間隔に基づき、目標の運動を判定する目標運動判定手段と、前記目標候補検出手段で算出された異なる時刻の目標候補の相対速度に基づき、目標候補の加速度を算出する目標候補加速度算出手段と、前記目標運動判定手段から入力された目標運動判定結果と前記目標候補加速度算出手段から入力された目標候補の加速度に基づき目標および前記目標の目標相対速度を判定する目標判定手段と、を備えたことを特徴とするレーダ装置にある。
【発明の効果】
【0009】
この発明では、JEMが発生した場合の目標相対速度を正しく算出し、目標検出性能の向上したレーダ装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の実施の形態1に係わるレーダ装置の構成を示す図である。
【図2】図1の信号処理器の処理フローを示す図である。
【図3】レーダと目標の関係を説明するための図である。
【図4】この発明における受信ビデオ信号と処理内容を説明するための図である。
【図5】この発明における受信ビデオ信号のサンプリング間隔を説明するための図である。
【図6】この発明におけるサイドローブの影響と窓関数処理の効果を説明するための図である。
【図7】図1の目標候補検出手段による目標検出処理を説明するための図である。
【図8】図1の目標候補検出手段においてCFAR処理の結果、CFAR閾値を越えるセルが集合した場合の処理内容を示す図である。
【図9】目標に搭載されているジェットエンジンに起因する複数の目標候補が検出されることを示す図である。
【図10】この発明の実施の形態1におけるJEM環境での目標判定の概念を示す図である(1目標の場合)。
【図11】目標の速度と回転周波数の関係を示す図である。
【図12】図1の目標運動判定手段における目標運動判定の処理フローを示す図である。
【図13】図1の目標判定手段における判定フローを示す図である。
【図14】この発明の実施の形態2に係わるレーダ装置の構成を示す図である。
【図15】図14の信号処理器の処理フローを示す図である。
【図16】この発明の実施の形態2におけるJEM環境での目標判定の概念を示す図である(2目標の場合)。
【図17】図14の目標候補検出手段における目標候補検出を説明するための図である。
【図18】この発明の実施の形態2におけるPRI変換と目標候補グループ分けの概念を示す図である。
【図19】この発明の実施の形態2におけるPRI変換のパラメータを説明するための図である。
【図20】この発明の実施の形態2における目標候補グループ分けの処理内容を説明するための図である。
【図21】この発明の実施の形態2における各時刻の目標候補グループの組合せの概念を示す図である。
【図22】この発明の実施の形態3に係わるレーダ装置の構成を示す図である。
【図23】図22の信号処理器の処理フローを示す図である。
【図24】この発明の実施の形態3におけるJEM環境での目標判定の概念を示す図である。
【図25】図22の目標運動判定手段における目標運動判定の処理フローを示す図である。
【図26】図22の目標判定手段の判定フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、この発明によるレーダ装置を各実施の形態に従って図面を用いて説明する。なお、各実施の形態において、同一もしくは相当部分は同一符号で示し、重複する説明は省略する。
【0012】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係わるレーダ装置の構成を示す図である。図1において、送信RF信号の送信、反射RF信号の受信を行う空中線1には、送受切替器3を介して送信機2と受信機4が接続されている。受信機4にはさらに信号処理器205Aが接続されている。例えばコンピュータで構成される信号処理器205Aは、機能ブロックとして示される周波数領域変換手段206、目標候補検出手段207、JEM間隔算出手段208、目標運動判定手段209、目標候補加速度算出手段210、目標判定手段211を備える。信号処理器205Aにはさらに表示器20が接続されている。
【0013】
なお、送信機2側の送信信号の発生および送信制御を行う構成については、この発明に直接関係しないため、詳細な図示、説明は省略する。
【0014】
図2は信号処理器205Aの処理フローを示す図であり、各処理に図1の実行する手段と同一の符号を付した。図3はレーダと目標の関係を説明するための図、図4は受信ビデオ信号と処理内容を説明するための図、図5は受信ビデオ信号のサンプリング間隔を説明するための図である。
【0015】
最初に図1−5を参照しながら受信ビデオ信号を生成するまでの動作について示す。図4および図5において、TCPIは受信ビデオ信号に対して周波数領域に変換するFFT(Fast Fourier Transform)間隔、nはCPI(Coherent Pulse Interval:コヒーレントパルスインターバル)番号、NはCPI数、mは1つのCPI内のパルス番号、Mは1つのCPI内のパルス数、Tpriはパルス繰り返し周期(PRI:Pulse Repetition Interval)である。
【0016】
送信機2は、キャリア信号をパルス繰り返し周期でパルス変調して送信RF信号を生成し、送受切替器3に出力する。
送受切替器3は、送信機2から入力された送信RF信号を空中線1に出力する。この結果、空中線1から式(1)で表される送信RF信号Tx(t)が空中に放射される。ここで、Aは送信RF信号の振幅、fは送信周波数、φは送信信号の初期位相を表す。
【0017】
【数1】

【0018】
空中に放射された送信RF信号は、目標で反射され、式(2)で表される反射RF信号Rx(t)として空中線1に入射する。ここで、A’は反射RF信号の振幅、R(t)は時刻tにおける目標相対距離、Rは目標初期相対距離、v(t)は時刻tの目標相対速度、cは光速を表す。ただし、時刻tの目標相対速度v(t)は、目標初期相対速度v、目標相対加速度aを用いて、式(3)で表される。
【0019】
【数2】

【0020】
そこで、空中線1は、入射してきた反射RF信号を受信し、受信RF信号として送受切替器3に出力する。送受切替器3は、空中線1から入力された受信RF信号を受信機4に出力する。そして、受信機4は、送受切替器3から入力された受信RF信号を狭帯域フィルタを通過させ、増幅、位相検波の後(各部分図示省略)、式(4)で表される受信ビデオ信号V(t)に変換し、信号処理器205Aに出力する。ここで、Aは受信ビデオ信号の振幅を表す。さらに、時刻nをCPI番号n、1つのCPI内のパルス番号mを用いて、受信ビデオ信号を式(5)で表す。ただし、各時刻の目標相対速度v(n,m)は式(6)で表される。
【0021】
【数3】

【0022】
信号処理器205Aは、CPU、RAM、ROM、インターフェース回路(共に図示省略)を有するコンピュータから構成され、ROMに記憶されるプログラムに従って、CPUで演算処理が行われる。信号処理器205Aの処理結果は、コンピュータ(例えばRAM)に記録される。
【0023】
以降、各手段の処理内容について説明する。
周波数領域変換手段206は、受信機4から入力された時間領域の受信ビデオ信号を周波数領域に変換する。
周波数領域変換手段206は時間領域の受信ビデオ信号V(n,m)に対し、式(7)に表される高速フーリエ変換を行い、周波数領域に変換された受信ビデオ信号F(n,k)を目標候補検出手段207に出力する(図4参照)。ここで、MfftはFFT点数を表す。ただし、Mfft>Mの場合は0を代入する。また、周波数領域のサンプリング間隔ΔFsampは、式(8)により表される。周波数領域変換手段206は、周波数領域の受信ビデオ信号を高精度にサンプリングするために、パルス数より多いFFT点数を用いて高速フーリエ変換する(図5参照)。
【0024】
【数4】

【0025】
図6はこの発明におけるサイドローブの影響と窓関数処理の効果を説明するための図である。図6の(a)に示すように、窓関数処理を行わずFFTを行った場合、目標がJEMのサイドローブに埋もれることが懸念される場合、周波数領域変換手段206は式(9)により窓関数処理を行うことで目標検出性能を向上させる。ここで、Wind(m)は窓関数を表し、例えば窓関数としてハミング窓を用いた場合は式(10)により表される。
【0026】
【数5】

【0027】
また図6の(b)に示すように、窓関数処理を行うことにより目標およびJEMからなる目標候補のサイドローブが低減され、隣接する目標候補への影響が低減され、JEMのサイドローブの目標への影響が低減されて、目標検出性能が向上する。
【0028】
次に、目標候補検出手段207において行われる、CFAR(Constant False Alarm Rate:一定誤警報確率)処理による目標(候補)検出の処理内容について説明する。図7は、目標候補検出手段207による周波数領域での目標検出処理を説明するための図である。より具体的には、この図7は、CFAR処理に関わる周波数領域における注目セル、注目セルの両側のガードセル、ガードセルのさらに外側のサンプルセルを示す。
【0029】
目標候補検出手段207は、周波数領域変換手段206から得られる周波数領域に変換された受信ビデオ信号F(n,k)に対し、式(11)によりCFAR処理を行い、目標候補を検出する。ここで、FV,CFAR(n,k)は周波数領域の受信ビデオ信号のCFAR処理による目標候補検出結果を表し、目標候補は、「0」が設定される(その他は「1」)。
【0030】
また、CFAR閾値CFAR_th(n,k)は、式(12)により算出する。ここで、CFAR_corはCFAR係数、Samp_cell(n,k)はサンプルセル、例えばave(Z(p))は配列Z(p)の平均値、abs(Z(p))は配列Z(p)の絶対値を表す。ただし、CFAR閾値CFAR_th(k)を越えるセルが集合した場合には、集合のなかで振幅の最大値を示すセルを目標候補として検出する。図8は、この実施の形態の目標候補検出手段207において、CFAR処理の結果、CFAR閾値を越えるセル(斜線で示されたセル)が集合した場合の処理内容を示す図である。
目標候補検出手段207は、周波数領域セル番号k’で検出された目標候補の相対速度v’を式(13)により算出する。ここで、f(k’)は周波数領域セル番号k’の周波数を表す。
目標候補検出手段207は、検出した目標候補とその相対速度をJEM間隔算出手段208に出力する。
【0031】
【数6】

【0032】
実施の形態1の以下の動作は、1目標の場合として説明する。
目標が一つの場合においても、目標に搭載されているジェットエンジンに起因するJEMの影響により図9に示すように複数の目標候補(目標、JEM1−3)が検出されることがある。このように目標が一つの場合でも、JEMの影響により複数の目標候補が検出され、真の目標の相対速度算出が困難になる。
以降、JEM環境での目標測速度の算出方法までの各手段の動作を、図10の目標判定の概念図を参照しながら説明する。ここで、図10は異なる時刻の目標候補(目標、JEM1−3)が同数あり、JEM間隔の差が速度変化量より大きい目標を想定している。なお説明のために、目標を白抜き、JEMを黒塗りで表示している(図9,16,18,20,21,24も同様)。
【0033】
JEM間隔算出手段208は、目標候補検出手段207から入力された目標候補の相対速度について、式(14)により目標候補の相対速度の平均からJEM間隔Δv(n)を算出する。ただし、目標候補検出手段207から入力された目標候補の相対速度を、図10の表現と合わせて式(15)としている。ここで、pは目標候補番号、Pは目標候補数である。
JEM間隔算出手段208は、算出したJEM間隔Δv(n)を目標運動判定手段209へ出力する。
【0034】
【数7】

【0035】
目標運動判定手段209の動作を説明するために、まず、目標速度とブレード回転周波数の関係と、JEM間隔と目標速度とブレード回転周波数の関係について説明する。
この発明は、JEMを発生する移動目標に対するものである。JEMを発生する移動目標として、ジェットエンジンやプロペラエンジン等を搭載する移動目標を想定している。ここでは、ジェットエンジンを搭載する移動目標として説明する。その目標の推進力は、ジェットエンジンが前方から流れ込む空気を後方へ噴出することで得られる。そのため、より高速に移動するためには、流れ込む空気の量を増やす必要がある。図3に示すようなブレードの回転周波数を上げることで、より多くの流れ込む空気を得ることが可能になり、目標がより高速に移動することが可能になる。目標が減速する場合は、その逆になるため、推進力となる流れ込む空気を減らすためにブレードの回転周波数を下げる。図11に目標の速度とその目標のブレードの回転周波数の関係を示す。目標の速度が高速になるほど、回転周波数が上がる。
【0036】
また、JEMのドップラ周波数間隔Δfは、式(16)により表されることが知られている(上記非特許文献参照)。ここで、nはブレード数、ωはブレード回転周波数[rpm]である。JEM間隔Δvは、JEMのドップラ周波数間隔Δfから式(17)により算出できる。
【0037】
【数8】

【0038】
このようなジェットエンジンの動作原理とJEM間隔の発生原理から、目標運動判定手段209は、図12に示す目標運動判定の処理フローに基づき、異なる時刻に得られたJEM間隔Δv(0),Δv(1)を用いて、目標の運動、つまり、加速目標か(Δv(0)<Δv(1))、減速目標か(Δv(0)>Δv(1))を判定する。Δv(0)=Δv(1)の場合は次の異なる時刻の目標運動判定へ移る。図10で示す状況の場合、目標運動判定手段209は、時刻t=0のJEM間隔Δv(0)より、時刻t=TCPIのJEM間隔Δv(1)のJEM間隔が大きいため、加速目標と判定する。
目標運動判定手段209は得られた加速目標か減速目標かの目標運動判定結果を、目標判定手段211へ出力する。
【0039】
目標候補加速度算出手段210は、目標候補検出手段207で得られた目標候補の相対速度から、目標候補の相対加速度a(n,p)を式(18)により算出する。目標候補加速度算出手段210は、算出した目標候補の相対加速度を目標判定手段211に出力する。
【0040】
【数9】

【0041】
目標判定手段211は、図13の判定フローに従い、目標運動判定手段209から入力された目標運動判定結果と、目標候補加速度算出手段210から入力された目標候補の相対加速度を用いて、目標判定を行う。図10で示す状況の場合、目標判定手段211は、目標運動判定手段209により加速目標と判定されるため、目標候補加速度算出手段210で目標候補の加速度が0より大きく算出された目標候補のうち(なければ次の異なる時刻の目標判定へ移る)、最小の加速度を持つ目標候補を目標とする。目標判定手段211は、目標と判定された目標候補相対速度を目標相対速度と判定する。また、予め想定する相対加速度を持つ目標を検出する場合は、予め相対加速度の範囲を設定し、その範囲の中で最小の加速度を持つ目標候補を目標とする。
また、目標運動判定結果が減速目標の場合は、目標候補加速度算出手段210で目標候補の相対加速度が0より小さく算出された目標候補のうち(なければ次の異なる時刻の目標判定へ移る)、絶対値が最小の負の加速度を持つ目標候補を目標とする。
目標判定手段211は、目標と判定された目標候補の相対速度を、目標相対速度として表示器20に出力する。
【0042】
表示器20は、目標情報として、時刻tの目標相対速度を画面上に表示する。
【0043】
以上のようにこの実施の形態1によれば、JEMが発生した場合においても、目標とJEMの目標候補から、JEM間隔算出手段208によりJEM間隔を算出し、目標運動判定手段209は、加速目標はJEM間隔が大きくなり、一方、減速目標はJEM間隔が小さくなることを利用して、異なる時刻の目標候補のJEM間隔から、加速目標か減速目標かを判定し、目標候補加速度算出手段210は目標候補検出手段207で得られた目標候補の相対加速度を算出し、目標判定手段211は、目標運動判定結果と目標候補の相対加速度を用いて、目標運動が加速目標と判定した場合、加速度が0より大きい目標候補のうち、最小の加速度を持つ目標候補を目標とし、目標運動が減速目標と判定した場合、加速度が0より小さい目標候補のうち、絶対値が最小の負の加速度を持つ目標候補を目標と判定し、目標と判定された相対速度を目標相対速度と判定するため、JEMが発生した場合においても、JEMを目標の相対速度と誤ることがなく、目標検出性能と目標相対速度算出性能の向上を図ったレーダ装置を得ることができる。
【0044】
また、複数の送信周波数を用いる必要がないため、装置規模の縮小が可能になる。
周波数領域変換手段206は、パルス数より多いFFT点数を用いて高速フーリエ変換することで、目標相対速度算出性能の向上を図ったレーダ装置を得ることができる。さらに、周波数領域変換手段206は、窓関数を行うことで目標候補のサイドローブの影響を抑圧することで、目標検出性能の向上を図ったレーダ装置を得ることができる。
【0045】
実施の形態2.
図14はこの発明の実施の形態2に係わるレーダ装置の構成を示す図である。図1に示した上記実施の形態1のレーダ装置と異なる部分は、信号処理器205Bが、目標候補検出手段207に代えて目標候補検出手段207Bを、JEM間隔算出手段208に代えてJEM間隔算出手段208Bを備え、さらにJEM間隔算出手段208Bと目標運動判定手段209の間に目標候補グループ分け手段212と目標候補グループ組合せ手段213を備えている点である。また、図15は信号処理器205Bの処理フローを示す図であり、各処理に図14の実行する手段と同一の符号を付した。
【0046】
図16は実施の形態2における2目標の場合のJEM環境での目標判定の概念図、図17は目標候補検出手段207Bの目標候補検出を説明するための図、図18はPRI変換と目標候補グループ分けの概念図、図19はPRI変換のパラメータを説明するための図、図20は目標候補グループ分けの処理内容を説明するための図、図21は各時刻の目標候補グループの組合せの概念図である。
【0047】
先の実施の形態1では、図10に示すように1つの目標を想定し、それ以外は1つの目標に起因するJEMが発生した場合を前提としている。しかし、図16に示すように2つの目標v1,T(0)、v2,T(0)を想定した場合、JEM間隔を精度良く算出することが難しくなり、目標の判定が困難になる。
そのため、この実施の形態2では、2つの目標を想定した場合においても目標の判定を可能にするために、目標毎にJEMの周期性が異なることを利用し、JEM間隔を算出し、目標の判定を行う。以下、図15−21を参照して実施の形態1と異なる部分について説明する。
【0048】
実施の形態1で示したように、周波数領域変換手段206は、周波数領域の受信ビデオ信号を高精度にサンプリングするために、パルス数より多いFFT点数を用いて高速フーリエ変換する。また、パルス数より多いFFT点数を用いることで、より多くの目標候補を検出することで、JEM間隔算出手段208BによるJEM間隔の算出を高精度に行える効果がある。
【0049】
目標候補検出手段207Bは、集合した目標候補から最大値を集合した目標候補の相対速度とする。また、目標候補検出手段207Bは、図17に示すように、目標候補が集合した場合においても、全てを目標候補としてJEM間隔算出手段208Bに出力する。目標候補が多くなることにより、JEM間隔算出手段208BでJEMの周期性を算出する際に、目標のJEM間隔の積分値が大きくなり、JEM間隔の算出精度が向上する。
【0050】
図18を参照し、JEM間隔算出手段208Bと目標候補グループ分け手段212の処理内容を説明する。
JEM間隔算出手段208Bは、目標候補検出手段207Bから入力された目標候補の相対速度に対して、JEMの周期性を算出するために、例えば、式(19)によるPRI変換を行う。ここで、図19を参照し、Δvは式(20)で表される調査するJEM間隔、D(k)はJEM間隔Δvの積分値、Δvは調査するJEM間隔の間隔、Δvminは調査するJEM間隔の最小値、Kは調査するJEM間隔の数である。
【0051】
目標候補の相対速度に周期性がある場合、その周期性、つまりJEM間隔の速度の積分値が高くなる。JEM間隔算出手段208Bは、PRI変換結果から、予め設定した閾値以上のJEM間隔を、目標候補のJEM間隔とする。また、JEM間隔算出手段208Bは、閾値以上のJEM間隔数を目標候補グループ数とする。閾値を設定するには、目標候補検出手段207Bで用いたCFAR処理により設定しても良い。このJEM間隔算出手段208BのJEM間隔算出処理は、目標が1つの場合においても、また、目標が複数の場合においても効果がある。
【0052】
【数10】

【0053】
目標候補グループ分け手段212は、JEM間隔算出手段208Bから入力されたJEM間隔を用いて、目標候補検出手段207Bから入力された目標候補に対して、図20の(a)(b)に示すように目標候補のグループ分けを行う。目標候補グループ分け手段212は、まず、グループ分けの起源となる目標候補を決定する。図20では、目標候補の最小相対速度としている。次に、相対速度を起源として、JEM間隔に周期的に目標候補が存在しているか調べる。図20の(a)では、JEM間隔をΔv(0)で調査を行っている。その結果、JEM間隔Δv(0)に周期的に存在していた目標候補数1を記憶しておく。次に、JEM間隔算出手段208Bは、JEM間隔をΔv(0)に変更し、同様に周期性を調査する。図20の(b)に示すように、JEM間隔Δv(0)に周期的に存在していた目標候補数4を記憶する。
【0054】
目標候補グループ分け手段212は、JEM間隔Δv(0)とΔv(0)の周期的に存在していた目標候補数を比較し、目標候補数が大きい方、つまり、JEM間隔Δv(0)で周期的に現れた目標候補を、目標と目標に起因するJEMとしてJEM間隔Δv(0)の目標候補グループとする。JEM間隔Δv(0)の目標候補グループ以外に対して、JEM間隔Δv(0)で調査をし、目標候補が存在している場合、JEM間隔Δv(0)の目標候補グループとする。
目標候補グループ分け手段212は、目標候補グループを目標候補グループ組合せ手段213へ出力する。
【0055】
目標候補グループ組合せ手段213は、図21に示すように、時刻間の目標候補グループの組合せを、目標候補グループ内の目標候補数が近いもの同士を組み合わせて行う。目標候補グループ組合せ手段213は、各時刻の目標候補グループと、時刻間の組合せを目標運動判定手段209に出力する。目標運動判定手段209は目標候補グループ組合せ手段213から入力された各時刻の目標候補グループと時刻間の組合せに基づくJEM間隔に基づき、目標の運動を判定する。複数目標の場合においても、目標候補グループ分けされ、かつ、時刻間の組合せが決定されているので、以降の処理は同様に行うことが可能になる。
【0056】
以上のようにこの実施の形態2によれば、JEM間隔算出手段208BはJEMの周期性を用いて、JEM間隔を算出し、目標候補グループ分け手段212はJEM間隔を用いて、目標候補をグループ分けし、目標候補グループ組合せ手段213は目標候補グループの目標候補数を用いて、時刻間の目標候補グループを組合せ、組合せ後は、目標が1つの場合と同様に、独立して処理を行えるので、複数目標の場合においても、目標検出性能と目標相対速度性能が向上したレーダ装置を得ることができる。
また、周波数領域変換手段206において、パルス数より多いFFT点数を用いることで、目標候補検出手段207Bで多くの目標候補を検出し、その結果、多数の目標候補を用いることで、JEM間隔算出手段208BによるJEM間隔が高精度に算出することができるので、目標相対速度算出性能の向上を図ったレーダ装置を得ることができる。
【0057】
実施の形態3.
図22はこの発明の実施の形態3に係わるレーダ装置の構成を示す図である。図14に示した上記実施の形態2のレーダ装置と異なる部分は、信号処理器205Cが、目標運動判定手段209に代えて目標運動判定手段209Bを、目標候補加速度算出手段210に代えて目標候補加速度算出手段210B、また、目標判定手段211に代えて目標判定手段211Bを備えている点である。また、図23は信号処理器205Cの処理フローを示す図であり、各処理に図22の実行する手段と同一の符号を付した。
【0058】
図24は実施の形態3におけるJEM環境での目標判定する概念図、図25は目標運動判定手段209Bにおける目標運動判定の処理フローを示す図、図26は目標判定手段211Bの判定フローを示す図である。
【0059】
先の実施の形態1,2の目標運動判定手段209や目標候補加速度算出手段210では、異なる2つの時刻の目標候補のJEM間隔や相対速度を用いて、目標候補のJEM間隔や相対加速度を算出しており、雑音等の観測誤差が大きい場合、目標候補のJEM間隔や相対加速度算出精度が劣化する可能性がある。
そのため、この実施の形態3では、雑音等の観測誤差が大きい場合においても目標候補のJEM間隔や相対速度を高精度に算出することを可能にする。
また、目標判定精度を向上するために、目標判定手段211Bは目標の判定に加え、JEMを判定する。
この実施の形態3では図22,図23の構成を例に挙げて、実施の形態2と異なる部分について説明する。
【0060】
図24は異なる3つの時刻0,TCPI,2TCPIの目標候補のJEM間隔を想定した場合である。時刻t=(n−1)TCPIの目標候補のJEM間隔Δv(n)は、式(21)で表すことができる。ここで、Wは目標候補のJEM間隔の変化率である。また、式(21)において、時刻t=(n−1)TCPIの目標候補のJEM間隔Δv’(n)、時刻t=0の目標候補のJEM間隔Δv’(0)は線形にモデル化されていることを表すために「’」を付加している。
目標運動判定手段209Bは、最小二乗法を用いて、式(22)により目標候補のJEM間隔の変化率Wを算出する。
【0061】
【数11】

【0062】
目標運動判定手段209Bは、図25に示す目標運動判定の処理フローに基づき、算出したJEM間隔の変化率Wを用いて、目標の運動、つまり、加速目標か(0<W)、減速目標(0>W)かを判定する。0=Wの場合は次の異なる時刻の目標運動判定へ移る。図24で示す状況の場合、目標運動判定手段209Bは、目標候補のJEM間隔の変化率Wが0より大きく算出され、加速目標と判定する。
目標運動判定手段209Bは得られた加速目標か減速目標かの目標運動判定結果を、目標判定手段211Bへ出力する。
より多くの時刻のJEM間隔Δv(n)を用いて、最小二乗法による式(22)により目標候補のJEM間隔の変化率Wを算出するため、雑音等の観測誤差の影響が低減され、高精度に目標運動を判定することが可能になる。
【0063】
時刻t=(n−1)TCPIの目標候補の相対速度v’’(n,p)は、式(23)で表すことができる。ここで、a’’(p)は目標候補の相対加速度である。また、式(23)において、時刻t=(n−1)TCPIの目標候補の相対速度v’’(n,p)、時刻t=0の目標候補の相対速度v’’(0,p)は線形にモデル化されていることを表されるために「’’」を付加している。
目標候補加速度算出手段210Bは、目標候補検出手段207Bで得られた目標候補の相対加速度a’’(p)を式(24)により算出する。目標候補加速度算出手段210Bは、算出した目標候補の相対加速度を目標判定手段211Bに出力する。
【0064】
【数12】

【0065】
より多くの時刻の目標候補の相対速度v’’(n,p)を用いて、最小二乗法による式(24)により目標候補の相対加速度a’’(p)を算出するため、雑音等の観測誤差の影響が低減され、高精度に目標候補の相対加速度を算出することが可能になる。
【0066】
目標判定手段211Bは、図26の判定フローに従い、目標運動判定手段209Bから入力された目標運動判定結果と、目標候補加速度算出手段210Bから入力された目標候補の相対加速度を用いて、目標判定を行う。また、目標判定手段211Bは、目標候補のうち、JEMを判定する。図24で示す状況の場合、目標判定手段211Bは、目標運動判定手段209Bにより加速目標と判定されるため、目標候補加速度算出手段210Bで目標候補の加速度が0より小さく算出された目標候補、つまり、減速目標をJEMと判定する。次に、残った目標候補の加速度が0より大きく算出された目標候補のうち(なければ次の異なる時刻の目標判定へ移る)、最小の加速度を持つ目標候補を目標とする。目標判定手段211Bは、目標と判定された目標候補相対速度を目標相対速度と判定する。また、予め想定する相対加速度を持つ目標を検出する場合は、予め相対加速度の範囲を設定し、その範囲の中で最小の加速度を持つ目標候補を目標とする。
また、目標運動判定結果が減速目標の場合は、目標候補加速度算出手段210Bで目標候補の加速度が0より大きく算出された目標候補、つまり、加速目標をJEMと判定する。次に、残った目標候補の加速度が0より小さく算出された目標候補のうち(なければ次の異なる時刻の目標判定へ移る)、絶対値が最小の負の加速度を持つ目標候補を目標とする。
このように、目標判定手段211Bは、目標候補からJEMを判定するため、JEMを目標と誤って判定することがなくなり、検出性能が向上する。また、目標候補が減り、目標判定の負荷が減り、装置規模の縮小が可能になる。
【0067】
以上のようにこの実施の形態3によれば、目標運動判定手段209Bは、最小二乗法により目標候補のJEM間隔の変化率を算出し、その目標候補のJEM間隔の変化率に基づき、目標運動を判定し、雑音等の観測誤差の影響が低減され、高精度に目標運動を判定するレーダ装置を得ることができる。また、目標候補加速度算出手段210Bは、複数時刻の目標候補の相対速度から、最小二乗法により目標候補の相対加速度を算出するため、雑音等の観測誤差の影響が低減され、高精度に目標候補の相対加速度を算出するレーダ装置を得ることができる。目標運動判定手段209Bと目標候補加速度算出手段210Bにより、高精度に目標運動、目標候補の相対加速度を算出することが可能になり、高精度に目標判定を行う装置を得ることができる。
また、目標判定手段211Bは、目標候補のうち、目標運動と異なる運動をする目標候補をJEMと判定するため、JEMを目標と誤って判定することがなくなり、検出性能が向上し、かつ、目標判定の処理負荷が低減になり、装置規模の縮小が可能になる。
【0068】
なおこの発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、これらの実施の形態の可能な組み合わせを全て含むことは云うまでもない。
【符号の説明】
【0069】
1 空中線、2 送信機、3 送受切替器、4 受信機、205A,205B,205C 信号処理器、206 周波数領域変換手段、207,207B 目標候補検出手段、208,208B JEM間隔算出手段、209,209B 目標運動判定手段、210,210B 目標候補加速度算出手段、210,210B 目標候補加速度算出手段、211,211B 目標判定手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目標との相対速度を算出し、目標検出を行うレーダ装置であって、
所定の周波数のキャリア信号を所定の時間間隔でパルス変調した送信信号を放射すると共に、前記目標で反射しれた前記送信信号を受信信号として受信する送受信手段と、
前記送受信手段で受信された時間領域の受信信号を周波数領域に変換する周波数領域変換手段と、
前記周波数領域変換手段で変換された前記周波数領域の受信信号における信号強度に基づく演算処理を行い、目標候補を検出するとともに、目標候補の相対速度を算出する目標候補検出手段と、
前記目標候補検出手段で検出された前記目標候補の相対速度に基づき、JEM間隔を算出するJEM間隔算出手段と、
前記JEM間隔算出手段で算出された異なる時刻の前記JEM間隔に基づき、目標の運動を判定する目標運動判定手段と、
前記目標候補検出手段で算出された異なる時刻の目標候補の相対速度に基づき、目標候補の加速度を算出する目標候補加速度算出手段と、
前記目標運動判定手段から入力された目標運動判定結果と前記目標候補加速度算出手段から入力された目標候補の加速度に基づき目標および前記目標の目標相対速度を判定する目標判定手段と、
を備えたことを特徴とするレーダ装置。
【請求項2】
JEM間隔算出手段は、目標候補検出手段から検出された目標候補の相対速度の間隔の平均値をJEM間隔として算出することを特徴とする請求項1に記載のレーダ装置。
【請求項3】
JEM間隔算出手段は、目標候補検出手段から検出された目標候補の相対速度の周期性を考慮して、PRI変換によりJEM間隔を算出することを特徴とする請求項1に記載のレーダ装置。
【請求項4】
JEM間隔算出手段から入力されたJEM間隔を用いて、目標候補検出手段からの目標候補をグループ分けする目標候補グループ分け手段と、
前記目標候補グループ分け手段から入力された異なる時刻の目標候補グループを、目標候補グループ内の目標候補数に基づき、組合せを決定する目標候補グループ組合せ手段と、
をさらに備え、
目標運動判定手段が前記目標候補グループ組合せ手段からの各時刻の目標候補グループと時刻間の組合せに基づくJEM間隔に基づき目標の運動を判定することを特徴とする請求項3に記載のレーダ装置。
【請求項5】
周波数領域変換手段は、送受信手段で受信された時間領域の受信信号を時間領域の受信信号の点数よりも多い点数で周波数領域に変換することを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載のレーダ装置。
【請求項6】
周波数領域変換手段は、送受信手段で受信された時間領域の受信信号に対して窓関数処理を加えて行った後、時間領域の受信信号を周波数領域に変換することを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項に記載のレーダ装置。
【請求項7】
目標運動判定手段は、異なる時刻の目標候補のJEM間隔に基づき、時間経過によって、JEM間隔が大きくなっていく場合に加速目標、小さくなっていく場合に減速目標と、目標の運動を判定することを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項に記載のレーダ装置。
【請求項8】
目標運動判定手段は、異なる時刻の目標候補のJEM間隔に基づき、最小二乗法により目標候補のJEM間隔の変化率を算出し、JEM間隔の変化率が0より大きい場合に加速目標と、0より小さい場合に減速目標と目標の運動を判定することを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項に記載のレーダ装置。
【請求項9】
目標候補加速度算出手段は、目標候補検出手段で算出された異なる時刻の目標候補の相対速度に基づき、最小二乗法により目標候補の加速度を算出することを特徴とする請求項1から8までのいずれか1項に記載のレーダ装置。
【請求項10】
目標判定手段は、目標運動判定手段から入力された目標候補の運動が加速目標の場合に、目標候補加速度算出手段から入力された目標候補の加速度が0より大きい目標候補のうち、最小の加速度を持つ目標候補を目標と判定し、目標候補の運動が減速目標の場合に、前記目標候補加速度算出手段から入力された目標候補の加速度が0より小さい目標候補のうち、絶対値が最小の負の加速度を持つ目標候補を目標と判定することを特徴とする請求項1から8までのいずれか1項に記載のレーダ装置。
【請求項11】
目標判定手段は、さらに目標運動判定手段から入力された目標候補の運動が加速目標の場合に、目標候補加速度算出手段から入力された目標候補の加速度が0より小さい加速度を持つ目標候補をJEMと判定し、目標候補の運動が減速目標の場合に、目標候補加速度算出手段から入力された目標候補の加速度が0より大きい加速度を持つ目標候補をJEMと判定することを特徴とする請求項1から10までのいずれか1項に記載のレーダ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2012−107925(P2012−107925A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−255734(P2010−255734)
【出願日】平成22年11月16日(2010.11.16)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】