説明

ロキソプロフェン含有医薬組成物

【課題】ロキソプロフェン又はその塩等の非ステロイド性消炎鎮痛剤に起因する消化管障害が軽減又は抑制された医薬組成物の提供。
【解決手段】ロキソプロフェン又はその塩、及び抗ヒスタミン剤を含有する医薬組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロキソプロフェンを含有する医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ロキソプロフェンは、非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAID)の一種であり、関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群、歯痛、急性上気道炎、手術後・外傷後・抜歯後等の消炎・鎮痛・解熱に有効なものとして知られている(非特許文献1)。
また、ロキソプロフェンは、ケトプロフェン、ナプロキセン、インドメタシン等の他のNSAIDに比べ、副作用として消化管障害(胃粘膜刺激、小腸での潰瘍形成等)を生じにくいとされている。しかしながら、実際にロキソプロフェンに消化管障害のおそれが全くないわけではなく、ロキソプロフェンに起因する消化管障害を軽減させる方策が種々検討されている。例えば、ロキソプロフェンと、胃・胃粘膜保護作用を有する生薬(特許文献1)、プロトンポンプ阻害剤(特許文献2)又は制酸剤(特許文献3)とを組み合わせた組成物が知られている。
【0003】
また、ロキソプロフェンは、抗ヒスタミン剤(ヒスタミンH1受容体拮抗薬)との組み合わせが知られている。例えば、カルビノキサミンマレイン酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩、ケトチフェンフマル酸塩、メキタジンやエピナスチン塩酸塩と組み合わせることによる鼻閉症状の改善作用(特許文献4)、アゼラスチン塩酸塩やメキタジンと組み合わせることによる杯細胞過形成抑制作用(特許文献5)などが挙げられる。さらに、ロキソプロフェンが、クロルフェニラミンマレイン酸塩やクレマスチンフマル酸塩の抗ヒスタミン作用を増強すること(特許文献6)も知られている。
【0004】
抗ヒスタミン剤としては、上述の成分(アゼラスチン塩酸塩、エピナスチン塩酸塩、カルビノキサミンマレイン酸塩、クレマスチンフマル酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩、ケトチフェンフマル酸塩、メキタジン)のほか、アリメマジン酒石酸塩、イソチペンジル塩酸塩、イプロヘプチン塩酸塩、エバスチン、エメダスチンフマル酸塩、オキサトミド、オロパタジン塩酸塩、カルビノキサミンジフェニルジスルホン酸塩、ジフェニルピラリン塩酸塩、ジフェニルピラリンテオクル酸塩、ジフェンヒドラミン塩酸塩、ジフェンヒドラミンサリチル酸塩、ジフェンヒドラミンタンニン酸塩、ジフェテロール塩酸塩、ジフェテロールリン酸塩、シプロヘプタジン塩酸塩水和物、セチリジン塩酸塩、トリプロリジン塩酸塩、トリペレナミン塩酸塩、トンジルアミン塩酸塩、フェキソフェナジン、フェネタジン塩酸塩、プロメタジン塩酸塩、プロメタジンメチレン二サリチル酸塩、ベポタスチンベシル酸塩、ホモクロルシクリジン塩酸塩、メトジラジン塩酸塩、メブヒドロリンナパジシル酸塩、ロラタジン等が知られ、これらは抗ヒスタミン作用に基づく抗アレルギー薬として、または抗ヒスタミン成分として、総合感冒薬や鼻炎用内服薬等に用いられている薬物である(非特許文献2ほか)。
【0005】
しかしながら、抗ヒスタミン剤とロキソプロフェンとを併用した場合に、消化管に対する作用がどのように変化するかについては知られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−161667号公報
【特許文献2】特表2007−522217号公報
【特許文献3】特開2006−52210号公報
【特許文献4】特開2001−199882号公報
【特許文献5】特開2008−169193号公報
【特許文献6】特開2000−143505号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】第15改正日本薬局方解説書 株式会社廣川書店 第C−4790−4795頁
【非特許文献2】OTCハンドブック 2008−09 株式会社学術情報流通センター 第230頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、ロキソプロフェン又はその塩等の非ステロイド性消炎鎮痛剤に起因する消化管障害が軽減又は抑制された医薬組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、ロキソプロフェン又はその塩の消化管障害の軽減・抑制について鋭意検討したところ、ロキソプロフェン又はその塩と、抗ヒスタミン剤とを併用すると、ロキソプロフェン又はその塩に起因する消化管障害を軽減又は抑制できることを見出し、本発明を完成した。
【0010】
従って、本発明は、ロキソプロフェン又はその塩、及び抗ヒスタミン剤を含有する医薬組成物を提供するものである。
また、本発明は、抗ヒスタミン剤を有効成分とするロキソプロフェン又はその塩に起因する消化管障害の軽減又は抑制剤を提供するものである。
【発明の効果】
【0011】
抗ヒスタミン剤は、ロキソプロフェン又はその塩等の非ステロイド性消炎鎮痛剤(以下、NSAIDともいう)に起因する消化管障害を軽減・抑制する。
従って、本発明によれば、消化管障害のおそれがなく、ロキソプロフェン又はその塩等NSAIDの効果及び抗ヒスタミン剤の効果が得られるため、本発明は、総合感冒薬や鼻炎用内服薬等の優れた医薬組成物となり得る。また、抗ヒスタミン剤は、ロキソプロフェン又はその塩等のNSAIDに起因する消化管障害の軽減又は抑制剤の有効成分として有用である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の医薬組成物は、ロキソプロフェン又はその塩と抗ヒスタミン剤とを含有するものである。まず、斯かるロキソプロフェン又はその塩について説明する。
本発明の医薬組成物に含まれるロキソプロフェン又はその塩には、ロキソプロフェンのみならず、ロキソプロフェンの製薬上許容される塩、さらには水やアルコール等との溶媒和物が含まれる。これらは公知のものであり、公知の方法により製造できるほか、市販のものを使用することができる。本発明において、ロキソプロフェン又はその塩としては、ロキソプロフェンナトリウム水和物(化学名:Monosodium 2-[4-[(2-oxocyclopentyl)methyl]phenyl]propanoate dihydrate)が好ましい。
【0013】
本発明の医薬組成物に含まれる成分の含有量は、服用者の性別、年齢、症状等に応じて、適宜検討して決定すればよいが、経口投与の場合、ロキソプロフェン又はその塩の含有せしめる量は、1日あたり、ロキソプロフェンナトリウム無水物換算で10〜300mg服用できる量が好ましく、30〜240mg服用できる量がより好ましく、30〜180mg服用できる量がさらに好ましく、60〜180mg服用できる量が特に好ましい。
【0014】
本発明の医薬組成物中に含まれるロキソプロフェン又はその塩の割合は、上述の1日投与量に応じて適宜検討して決定すればよいが、例えば、医薬組成物全体に対してロキソプロフェンナトリウム無水物換算で1〜97質量%が好ましく、5〜90質量%がさらに好ましく、7〜80質量%が特に好ましい。
【0015】
次に、本発明の医薬組成物に含まれる抗ヒスタミン剤について、詳細に説明する。
本発明において、抗ヒスタミン剤としては、ヒスタミンH1受容体拮抗作用を示すものであれば特に限定されるものではなく、例えば、アゼラスチン、アリメマジン、イソチペンジル、イプロヘプチン、エバスチン、エピナスチン、エメダスチン、オキサトミド、オロパタジン、カルビノキサミン、クレマスチン、クロルフェニラミン、ケトチフェン、ジフェニルピラリン、ジフェンヒドラミン、ジフェテロール、シプロヘプタジン、セチリジン、トリプロリジン、トリペレナミン、トンジルアミン、フェキソフェナジン、フェネタジン、プロメタジン、ベポタスチン、ホモクロルシクリジン、メキタジン、メトジラジン、メブヒドロリン、ロラタジン、これらの塩及びこれらの溶媒和物等が挙げられる。抗ヒスタミン剤の化学構造中、不斉炭素が存する場合は、種々の光学異性体を有するが、単一の光学異性体及び各種光学異性体の混合物いずれも本発明に含まれる。
これらの中でも、カルビノキサミン、クレマスチン、クロルフェニラミン、ジフェニルピラリン、メキタジン、これらの塩及びこれらの溶媒和物が好ましい。また、斯かる塩としては、無機塩基や有機塩基等が挙げられ、例えば、塩酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、ジフェニルジスルホン酸塩、テオクル酸塩、サリチル酸塩、タンニン酸塩、サリチル酸塩、ベシル酸塩、ナパジシル酸塩、リン酸塩等が挙げられる。
【0016】
本発明の医薬組成物に含まれる抗ヒスタミン剤の好適な具体例としては、アゼラスチン塩酸塩、アリメマジン酒石酸塩、イソチペンジル塩酸塩、イプロヘプチン塩酸塩、エバスチン、エピナスチン塩酸塩、エメダスチンフマル酸塩、オキサトミド、オロパタジン塩酸塩、カルビノキサミンジフェニルジスルホン酸塩、カルビノキサミンマレイン酸塩、クレマスチンフマル酸塩、d−クロルフェニラミンマレイン酸塩、dl−クロルフェニラミンマレイン酸塩、ケトチフェンフマル酸塩、ジフェニルピラリン塩酸塩、ジフェニルピラリンテオクル酸塩、ジフェンヒドラミン塩酸塩、ジフェンヒドラミンサリチル酸塩、ジフェンヒドラミンタンニン酸塩、ジフェテロール塩酸塩、ジフェテロールリン酸塩、シプロヘプタジン塩酸塩水和物、セチリジン塩酸塩、トリプロリジン塩酸塩、トリペレナミン塩酸塩、トンジルアミン塩酸塩、フェキソフェナジン、フェネタジン塩酸塩、プロメタジン塩酸塩、プロメタジンメチレン二サリチル酸塩、ベポタスチンベシル酸塩、ホモクロルシクリジン塩酸塩、メキタジン、メトジラジン塩酸塩、メブヒドロリンナパジシル酸塩、ロラタジン等が挙げられる。
これらの中でも、アゼラスチン塩酸塩、エバスチン、エピナスチン塩酸塩、エメダスチンフマル酸塩、オキサトミド、オロパタジン塩酸塩、カルビノキサミンジフェニルジスルホン酸塩、カルビノキサミンマレイン酸塩、クレマスチンフマル酸塩、d−クロルフェニラミンマレイン酸塩、dl−クロルフェニラミンマレイン酸塩、ケトチフェンフマル酸塩、ジフェニルピラリン塩酸塩、ジフェニルピラリンテオクル酸塩、セチリジン塩酸塩、フェキソフェナジン、ベポタスチンベシル酸塩、メキタジン、ロラタジンが好ましく、カルビノキサミンマレイン酸塩、クレマスチンフマル酸塩、d−クロルフェニラミンマレイン酸塩、dl−クロルフェニラミンマレイン酸塩、ジフェニルピラリン塩酸塩、メキタジンが特に好ましい。
なお、上述の抗ヒスタミン剤は、公知の化合物であり、公知の方法により製造でき、市販のものを使用してもよい。
【0017】
また、抗ヒスタミン剤の本発明の医薬組成物に含有せしめる量は、ロキソプロフェン等のNSAIDに起因する消化管障害の軽減又は抑制作用や抗ヒスタミン作用等の観点から、服用者の性別、年齢、症状等に応じて適宜検討して決定すればよいが、1日あたり、0.01〜400mg服用できる量が好ましく、0.03〜300mg服用できる量がより好ましく、0.1〜200mg服用できる量がさらに好ましい。
【0018】
また、本発明の医薬組成物において、ロキソプロフェン又はその塩と抗ヒスタミン剤の含有比は、上述の1日投与量に応じて適宜検討して決定すればよいが、ロキソプロフェンナトリウム無水物1質量部に対して抗ヒスタミン剤が、0.00003〜40質量部が好ましく、0.00016〜10質量部がより好ましく、0.0005〜3.5質量部がさらに好ましい。
【0019】
本発明の医薬組成物において、抗ヒスタミン剤としてアゼラスチン又はその塩を用いる場合、その含有量は、1日あたり、0.03〜10mg服用できる量が好ましく、0.1〜5mg服用できる量がより好ましく、0.3〜2.5mg服用できる量がさらに好ましい。
【0020】
本発明の医薬組成物において、抗ヒスタミン剤としてアリメマジン又はその塩を用いる場合、その含有量は、1日あたり、0.1〜20mg服用できる量が好ましく、0.3〜15mg服用できる量がより好ましく、1〜10mg服用できる量がさらに好ましい。
【0021】
本発明の医薬組成物において、抗ヒスタミン剤としてイソチペンジル又はその塩を用いる場合、その含有量は、1日あたり、0.1〜30mg服用できる量が好ましく、0.3〜15mg服用できる量がより好ましく、1〜7.5mg服用できる量がさらに好ましい。
【0022】
本発明の医薬組成物において、抗ヒスタミン剤としてイプロヘプチン又はその塩を用いる場合、その含有量は、1日あたり、5〜400mg服用できる量が好ましく、10〜300mg服用できる量がより好ましく、15〜200mg服用できる量がさらに好ましい。
【0023】
本発明の医薬組成物において、抗ヒスタミン剤としてエバスチン又はその塩を用いる場合、その含有量は、1日あたり、0.1〜50mg服用できる量が好ましく、0.5〜35mg服用できる量がより好ましく、1〜20mg服用できる量がさらに好ましい。
【0024】
本発明の医薬組成物において、抗ヒスタミン剤としてエピナスチン又はその塩を用いる場合、その含有量は、1日あたり、0.3〜50mg服用できる量が好ましく、1〜35mg服用できる量がより好ましく、2.5〜25mg服用できる量がさらに好ましい。
【0025】
本発明の医薬組成物において、抗ヒスタミン剤としてカルビノキサミン又はその塩を用いる場合、その含有量は、1日あたり、0.1〜60mg服用できる量が好ましく、0.5〜30mg服用できる量がより好ましく、1〜16mg服用できる量がさらに好ましい。
【0026】
本発明の医薬組成物において、抗ヒスタミン剤としてクレマスチン又はその塩を用いる場合、その含有量は、1日あたり、クレマスチンのフリー体換算で、0.01〜5mg服用できる量が好ましく、0.05〜3mg服用できる量がより好ましく、0.1〜2mg服用できる量がさらに好ましい。なお、クレマスチンフマル酸塩1.34mgはクレマスチンとして1mgに相当するものである。
【0027】
本発明の医薬組成物において、抗ヒスタミン剤としてクロルフェニラミン又はその塩を用いる場合、その含有量は、1日あたり、0.1〜20mg服用できる量が好ましく、0.6〜12mg服用できる量がより好ましい。なお、クロルフェニラミン又はその塩として、d−クロルフェニラミンマレイン酸塩を用いる場合、1日あたり、0.1〜15mg服用できる量が好ましく、0.6〜6mg服用できる量がより好ましい。dl−クロルフェニラミンマレイン酸塩を用いる場合は、1日あたり、0.5〜20mg服用できる量が好ましく、1〜12mg服用できる量がより好ましく、2〜10mg服用できる量がさらに好ましい。
【0028】
本発明の医薬組成物において、抗ヒスタミン剤としてケトチフェン又はその塩を用いる場合、その含有量は、1日あたり、0.05〜10mg服用できる量が好ましく、0.1〜5mg服用できる量がより好ましく、0.3〜3mg服用できる量がさらに好ましい。
本発明の医薬組成物において、抗ヒスタミン剤としてジフェテロール又はその塩を用いる場合、その含有量は、1日あたり、1〜300mg服用できる量が好ましく、5〜150mg服用できる量がより好ましく、10〜100mg服用できる量がさらに好ましい。
【0029】
本発明の医薬組成物において、抗ヒスタミン剤としてジフェニルピラリン又はその塩を用いる場合、その含有量は、1日あたり、0.1〜13.5mg服用できる量が好ましく、1〜4.5mg服用できる量がより好ましい。なお、ジフェニルピラリン又はその塩として、ジフェニルピラリン塩酸塩を用いる場合、1日あたり、0.1〜12mg服用できる量が好ましく、1〜4mg服用できる量がより好ましい。ジフェニルピラリンテオクル酸塩を用いる場合は、1日あたり、0.1〜13.5mg服用できる量が好ましく、1〜4.5mg服用できる量がより好ましい。
【0030】
本発明の医薬組成物において、抗ヒスタミン剤としてジフェンヒドラミン又はその塩を用いる場合、その含有量は、1日あたり、1〜300mg服用できる量が好ましく、5〜200mg服用できる量がより好ましく、15〜150mg服用できる量がさらに好ましい。
【0031】
本発明の医薬組成物において、抗ヒスタミン剤としてトリプロリジン又はその塩を用いる場合、その含有量は、1日あたり、0.1〜20mg服用できる量が好ましく、0.3〜15mg服用できる量がより好ましく、1〜10mg服用できる量がさらに好ましい。
【0032】
本発明の医薬組成物において、抗ヒスタミン剤としてトリペレナミン又はその塩を用いる場合、その含有量は、1日あたり、1〜400mg服用できる量が好ましく、3〜200mg服用できる量がより好ましく、10〜100mg服用できる量がさらに好ましい。
【0033】
本発明の医薬組成物において、抗ヒスタミン剤としてトンジルアミン又はその塩を用いる場合、その含有量は、1日あたり、1〜300mg服用できる量が好ましく、3〜150mg服用できる量がより好ましく、10〜75mg服用できる量がさらに好ましい。
【0034】
本発明の医薬組成物において、抗ヒスタミン剤としてフェネタジン又はその塩を用いる場合、その含有量は、1日あたり、1〜300mg服用できる量が好ましく、3〜150mg服用できる量がより好ましく、10〜75mg服用できる量がさらに好ましい。
【0035】
本発明の医薬組成物において、抗ヒスタミン剤としてプロメタジン又はその塩を用いる場合、その含有量は、1日あたり、0.5〜200mg服用できる量が好ましく、1〜100mg服用できる量がより好ましく、5〜75mg服用できる量がさらに好ましい。
【0036】
本発明の医薬組成物において、抗ヒスタミン剤としてメキタジン又はその塩を用いる場合、その含有量は、1日あたり、0.05〜20mg服用できる量が好ましく、0.1〜10mg服用できる量がより好ましく、0.6〜6mg服用できる量がさらに好ましい。
【0037】
本発明の医薬組成物において、抗ヒスタミン剤としてメトジラジン又はその塩を用いる場合、その含有量は、1日あたり、0.1〜40mg服用できる量が好ましく、0.3〜20mg服用できる量がより好ましく、1〜10mg服用できる量がさらに好ましい。
【0038】
本発明の医薬組成物において、抗ヒスタミン剤としてメブヒドロリン又はその塩を用いる場合、その含有量は、1日あたり、1〜450mg服用できる量が好ましく、5〜300mg服用できる量がより好ましく、15〜200mg服用できる量がさらに好ましい。
【0039】
本発明の医薬組成物において、抗ヒスタミン剤としてシプロヘプタジン又はその塩を用いる場合、その含有量は、1日あたり、0.1〜32mg服用できる量が好ましく、0.3〜20mg服用できる量がより好ましく、1〜15mg服用できる量がさらに好ましい。
本発明の医薬組成物において、抗ヒスタミン剤としてホモクロルシクリジン又はその塩を用いる場合、その含有量は、1日あたり、0.3〜180mg服用できる量が好ましく、1〜90mg服用できる量がより好ましく、3〜60mg服用できる量がさらに好ましい。
本発明の医薬組成物において、抗ヒスタミン剤としてオロパタジン又はその塩を用いる場合、その含有量は、1日あたり、0.1〜30mg服用できる量が好ましく、0.3〜15mg服用できる量がより好ましく、1〜10mg服用できる量がさらに好ましい。
本発明の医薬組成物において、抗ヒスタミン剤としてセチリジン又はその塩を用いる場合、その含有量は、1日あたり、0.1〜50mg服用できる量が好ましく、0.3〜30mg服用できる量がより好ましく、1〜20mg服用できる量がさらに好ましい。
【0040】
本発明の医薬組成物において、抗ヒスタミン剤としてフェキソフェナジン又はその塩を用いる場合、その含有量は、1日あたり、0.3〜200mg服用できる量が好ましく、1〜100mg服用できる量がより好ましく、6〜60mg服用できる量がさらに好ましい。
本発明の医薬組成物において、抗ヒスタミン剤としてオキサトミド又はその塩を用いる場合、その含有量は、1日あたり、0.3〜200mg服用できる量が好ましく、1〜100mg服用できる量がより好ましく、6〜60mg服用できる量がさらに好ましい。
本発明の医薬組成物において、抗ヒスタミン剤としてエメダスチン又はその塩を用いる場合、その含有量は、1日あたり、0.01〜10mg服用できる量が好ましく、0.03〜7.5mg服用できる量がより好ましく、0.1〜5mg服用できる量がさらに好ましい。
本発明の医薬組成物において、抗ヒスタミン剤としてベポタスチン又はその塩を用いる場合、その含有量は、1日あたり、0.1〜40mg服用できる量が好ましく、0.5〜30mg服用できる量がより好ましく、2〜20mg服用できる量がさらに好ましい。
【0041】
本発明の医薬組成物において、抗ヒスタミン剤としてロラタジン又はその塩を用いる場合、その含有量は、1日あたり、0.1〜30mg服用できる量が好ましく、0.3〜15mg服用できる量がより好ましく、1〜10mg服用できる量がさらに好ましい。
【0042】
また、本発明の医薬組成物中に含まれる抗ヒスタミン剤の割合は、上述の1日投与量に応じて適宜検討して決定すればよいが、医薬組成物全体に対して0.0004〜20質量%が好ましく、0.001〜15質量%がさらに好ましく、0.004〜10質量%が特に好ましい。
【0043】
次に、本発明の医薬組成物に含まれるロキソプロフェン又はその塩及び抗ヒスタミン剤以外の成分について詳細に説明する。
本発明において、後記実施例に記載のとおり、トラネキサム酸と抗ヒスタミン剤の組み合わせは、ロキソプロフェンに起因する消化管障害の優れた軽減・抑制効果を有する。従って、本発明の医薬組成物としては、消化管障害の軽減又は抑制効果等の点から、ロキソプロフェン又はその塩及び抗ヒスタミン剤に加えて、トラネキサム酸を含むのが好ましい。
【0044】
トラネキサム酸の本発明の医薬組成物における含有量は、服用者の性別、年齢、症状等に応じて、適宜検討して決定すればよいが、1日あたり、トラネキサム酸のフリー体換算で50〜2000mg服用できる量が好ましく、70〜750mg服用できる量がより好ましく、400〜750mg服用できる量がさらに好ましい。
【0045】
また、本発明の医薬組成物中にトラネキサム酸を含む場合、トラネキサム酸の含有割合は、上述の1日あたりの服用量に応じて適宜検討して決定すればよいが、医薬組成物全質量に対してトラネキサム酸を1〜90質量%含有するのが好ましく、1〜80質量%含有するのがより好ましく、1〜75質量%含有するのがさらに好ましい。このうち、5〜70質量%含有するのが好ましく、5〜60質量%含有するのがより好ましく、7〜50質量%含有するのがさらに好ましい。
また、本発明の医薬組成物におけるロキソプロフェン又はその塩とトラネキサム酸の含有比は、上述の1日あたりの服用量に応じて適宜検討して決定すればよいが、ロキソプロフェンナトリウム無水物1質量部に対してトラネキサム酸が、0.1〜25質量部が好ましく、0.2〜15質量部がより好ましく、0.5〜10質量部がさらに好ましい。
【0046】
また、後記実施例に記載のとおり、エフェドリン類、コデイン類はロキソプロフェンに起因する消化管障害の優れた軽減・抑制効果を有する。従って、本発明の医薬組成物としては、消化管障害の軽減又は抑制効果等の点から、ロキソプロフェン又はその塩及び抗ヒスタミン剤に加えて、エフェドリン類、コデイン類を含むのが好ましい。
【0047】
本発明において、コデイン類とは、コデイン、ジヒドロコデイン及びこれらの塩並びにこれらの溶媒和物からなる群より選ばれる1種又は2種以上のものを意味する。この群にはコデインやジヒドロコデインそのもののほか、コデインやジヒドロコデインの薬学上許容される塩やこれらの溶媒和物も含まれる。コデイン類の具体例としては例えば、コデイン、ジヒドロコデイン、コデインリン酸塩水和物、ジヒドロコデインリン酸塩等が挙げられる。
これらの中でも、本発明の医薬組成物を総合感冒薬等として利用した場合の観点から、コデインリン酸塩水和物、ジヒドロコデインリン酸塩がより好ましく、ジヒドロコデインリン酸塩がさらに好ましい。これらは公知の化合物であり、公知の方法により製造できるほか、市販のものを用いることができる。
【0048】
コデイン類の本発明の医薬組成物における含有量は特に限定されず、服用者の性別、年齢、症状等に応じて、適宜検討して決定すればよい。例えば、1日あたり、コデイン類を2〜60mg服用できる量が好ましく、4〜48mg服用できる量がより好ましく、6〜36mg服用できる量がさらに好ましい。なお、コデイン類として、コデインリン酸塩水和物を用いる場合、1日あたり、コデインリン酸塩水和物を4〜60mg服用できる量が好ましく、8〜48mg服用できる量がより好ましく、12〜36mg服用できる量がさらに好ましい。また、ジヒドロコデインリン酸塩を用いる場合は、1日あたり、ジヒドロコデインリン酸塩を2〜30mg服用できる量が好ましく、4〜24mg服用できる量がより好ましく、6〜24mg服用できる量がさらに好ましい。
【0049】
本発明の医薬組成物中にコデイン類を含む場合において、コデイン類の含有割合は、上述の1日あたりの服用量に応じて適宜検討して決定すればよいが、医薬組成物全質量に対してコデイン類を0.08〜4質量%含有するのが好ましい。また、コデイン類がコデインリン酸塩水和物である場合、医薬組成物全質量に対して、0.15〜4質量%含有するのが好ましく、0.3〜3質量%含有するのがより好ましく、0.5〜2.5質量%含有するのがさらに好ましい。また、コデイン類がジヒドロコデインリン酸塩である場合、医薬組成物全質量に対して0.08〜2質量%含有するのが好ましく、0.16〜1.5質量%含有するのがより好ましく、0.24〜1.5質量%含有するのがさらに好ましい。
【0050】
本発明の医薬組成物に含まれるロキソプロフェン又はその塩とコデイン類の含有比は、上述の1日あたりの服用量に応じて、適宜検討して決定すればよいが、ロキソプロフェン又はその塩を、ロキソプロフェンナトリウム無水物換算で1質量部に対し、コデイン類を0.005〜4質量部含有するものが好ましく、0.01〜2質量部含有するものがより好ましく、0.02〜1質量部含有するものがさらに好ましい。
【0051】
本発明において、エフェドリン類とは、エフェドリン及びエフェドリンの誘導体並びにそれらの塩からなる群より選ばれる1種以上を意味する。ここで、エフェドリンの誘導体としては、ノルエフェドリン(フェニルプロパノールアミン)、メチルエフェドリン等が挙げられる。また、塩としては、薬学上許容される無機酸や有機酸の塩が挙げられ、好ましい例として、塩酸塩、硫酸塩、サッカリン塩が挙げられる。また、エフェドリンには2つの不斉炭素が存するため、種々の光学異性体が存するが、本発明においては、いずれの光学異性体をも含み、単一の光学異性体でもよく、各種光学異性体の混合物でもよい。本発明においては、l−体、dl−体が好ましい。
【0052】
エフェドリン類の具体例としては、例えば、l−メチルエフェドリン塩酸塩、dl−メチルエフェドリン塩酸塩、l−メチルエフェドリンサッカリン塩、dl−メチルエフェドリンサッカリン塩、プソイドエフェドリン塩酸塩、プソイドエフェドリン硫酸塩等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を組合わせて用いることができる。なお、エフェドリンとプソイドエフェドリンは互いにエナンチオマーの関係にあるものである。
これらの中でも、本発明においては、本発明の医薬組成物を総合感冒薬等として利用した場合の観点から、dl−メチルエフェドリン塩酸塩、dl−メチルエフェドリンサッカリン塩、プソイドエフェドリン塩酸塩が好ましく、dl−メチルエフェドリン塩酸塩及びプソイドエフェドリン塩酸塩がより好ましい。これらは公知の化合物であり、公知の方法により製造できるほか、市販のものを用いることができる。
【0053】
また、エフェドリン類としては、これらを成分として含有するマオウ(麻黄)も用いることができる。
マオウは、第十五改正日本薬局方に掲載されているとおり、Ephedra sinica Stapf、Ephedra intermedia Schrenk et C. A. Meyer又はEphedra equisetina Bunge (Ephedraceae) の地上茎を意味する。マオウは必要に応じてその形態を調節することができ、小片、小塊に切断若しくは破砕、又は粉末に粉砕することができる。例えば、マオウの粉末はマオウ末という。
また、マオウは、第十五改正日本薬局方 製剤総則等に記載の公知の方法に基づき、適当な大きさとした後に、適当な浸出剤を加えて浸出した液や浸出液を濃縮した液、すなわちエキスやチンキ等としてもよい。浸出剤としては、メタノール、エタノール及びn−ブタノール等の低級一価アルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール及びグリセリン等の低級多価アルコール;ジエチルエーテル等のエーテル類;アセトン及びエチルメチルケトン等のケトン類;酢酸エチルエステル等のエステル類;ジクロロメタン及びクロロホルム等のハロゲノアルカン類;ベンゼン及びトルエン等の芳香族炭化水素;及び水等が挙げられる。これらは各々単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。さらにエキスは乾燥することもできる。
【0054】
本発明において、エフェドリン類としてマオウを用いる場合、マオウ末、マオウ流エキス、マオウ軟エキス、マオウ乾燥エキス、マオウエキス等が好ましく、これらを単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。さらに、マオウを用いる場合は、マオウを含む漢方処方である、カッコントウ(葛根湯)、ショウセイリュウトウ(小青竜湯)、マオウトウ(麻黄湯)等を用いることもできる。これらは、公知の方法により製造してもよいし、市販品を用いてもよい。
【0055】
エフェドリン類の本発明の医薬組成物における含有量は特に限定されず、服用者の性別、年齢、症状等に応じて、適宜検討して決定すればよい。例えば、1日あたり、エフェドリン類を5〜500mg服用できる量が好ましく、10〜360mg服用できる量がより好ましく、20〜240mg服用できる量がさらに好ましい。
【0056】
なお、エフェドリン類の一部又は全ては、上述のマオウに代替することができる。エフェドリン類としてマオウを用いる場合は、例えば、1日あたり、マオウを0.1〜25g(原生薬換算量)服用できる量が好ましく、0.25〜10g(原生薬換算量)服用できる量がより好ましく、0.4〜4g(原生薬換算量)服用できる量がさらに好ましい。
【0057】
本発明の医薬組成物中にエフェドリン類を含む場合において、エフェドリン類の含有割合は、上述の1日あたりの服用量に応じて適宜検討して決定すればよいが、医薬組成物全質量に対して0.1〜40質量%含有するのが好ましく、0.5〜20質量%含有するのがより好ましく、1〜10質量%含有するのがさらに好ましく、2〜10質量%含有するのが特に好ましい。また、エフェドリン類としてマオウを用いる場合は、マオウを医薬組成物全質量に対して1〜98質量%含有するのが好ましく、2〜50質量%含有するのがより好ましく、4〜20質量%含有するのが特に好ましい。
【0058】
本発明の医薬組成物に含まれるロキソプロフェン又はその塩とエフェドリン類の含有比は、上述の1日あたりの服用量に応じて、適宜検討して決定すればよいが、ロキソプロフェン又はその塩を、ロキソプロフェンナトリウム無水物換算で1質量部に対し、エフェドリン類を、0.001〜50質量部含有するものが好ましく、0.005〜50質量部含有するものがより好ましく、0.015〜50質量部含有するものがさらに好ましい。このうち、0.05〜12質量部含有するものがより好ましく、0.1〜4質量部含有するものが特に好ましい。
【0059】
本発明の医薬組成物には、医薬成分として、ロキソプロフェン又はその塩、抗ヒスタミン剤、トラネキサム酸、エフェドリン類、及びコデイン類以外の薬物、例えば、解熱鎮痛剤、鎮咳剤、ノスカピン類、気管支拡張剤、去痰剤、催眠鎮静剤、ビタミン類、抗炎症剤、胃粘膜保護剤、抗コリン剤、生薬類、漢方処方、カフェイン類、キサンチン系成分等からなる群より選ばれる1種又は2種以上を含んでいてもよい。
【0060】
上記解熱鎮痛剤としては、例えば、アスピリン、アスピリンアルミニウム、アセトアミノフェン、イブプロフェン、エテンザミド、サザピリン、サリチルアミド、ラクチルフェネチジン、サリチル酸ナトリウム、イソプロピルアンチピリン、チアラミド塩酸塩等が挙げられる。
【0061】
上記鎮咳剤としては、例えば、アロクラミド塩酸塩、クロペラスチン塩酸塩、カルベタペンタンクエン酸塩、チペピジンクエン酸塩、ジブナートナトリウム、デキストロメトルファン臭化水素酸塩、デキストロメトルファン・フェノールフタリン塩、チペピジンヒベンズ酸塩、クロペラスチンフェンジゾ酸塩、ジメモルファンリン酸塩、エプラジノン塩酸塩等が挙げられる。
【0062】
上記ノスカピン類としては、例えば、ノスカピン塩酸塩、ノスカピン等が挙げられる。
【0063】
上記気管支拡張剤としては、例えば、トリメトキノール塩酸塩、フェニレフリン塩酸塩、メトキシフェナミン塩酸塩等が挙げられる。
【0064】
上記去痰剤としては、例えば、グアヤコールスルホン酸カリウム、グアイフェネシン、クレゾールスルホン酸カリウム、塩化アンモニウム、l−メントール、アンモニア・ウイキョウ精、エチルシステイン塩酸塩、メチルシステイン塩酸塩、ブロムヘキシン塩酸塩、アンブロキソール塩酸塩、カルボシステイン等が挙げられる。
【0065】
上記催眠鎮静剤としては、例えば、ブロムワレリル尿素やアリルイソプロピルアセチル尿素等が挙げられる。
【0066】
上記ビタミン類としては、例えば、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB5、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ヘスペリジン及びその誘導体並びにそれらの塩類等(例えば、チアミン、チアミン塩化物塩酸塩、チアミン硝化物、ジセチアミン塩酸塩、セトチアミン塩酸塩、フルスルチアミン、フルスルチアミン塩酸塩、オクトチアミン、シコチアミン、チアミンジスルフィド、ビスイブチアミン、ビスベンチアミン、プロスルチアミン、ベンフォチアミン、リボフラビン、リボフラビンリン酸エステル、リボフラビン酪酸エステル、リン酸リボフラビンナトリウム、パンテノール、パンテチン、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウム、ピリドキシン塩酸塩、ピリドキサールリン酸エステル、シアノコバラミン、メコバラミン、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム、ヘスペリジン等)が挙げられる。
【0067】
上記抗炎症剤としては、例えば、塩化リゾチーム、セラペプターゼ、ブロメライン、セミアルカリプロティナーゼ、プロナーゼ、セアプローゼ、プロクターゼ、グリチルリチン酸及びその誘導体並びにそれらの塩類(例えば、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム等)等が挙げられる。
【0068】
上記胃粘膜保護剤としては、例えば、アミノ酢酸、ケイ酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロタルサイト、酸化マグネシウム、ジヒドロキシアルミニウム・アミノ酢酸塩(アルミニウムグリシネート)、水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム混合乾燥ゲル、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウムの共沈生成物、水酸化アルミニウム・炭酸カルシウム・炭酸マグネシウムの共沈生成物、水酸化マグネシウム・硫酸アルミニウムカリウムの共沈生成物、炭酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、アルジオキサ、銅クロロフィリンナトリウム、銅クロロフィリンカリウム、メチルメチオニンスルホニウムクロリド、スクラルファート、セトラキサート塩酸塩、ソファルコン、ゲファルナート、テプレノン等が挙げられる。
【0069】
上記抗コリン薬としては、例えば、オキシフェンサイクリミン塩酸塩、ジサイクロミン塩酸塩、メチキセン塩酸塩、スコポラミン臭化水素酸塩、ダツラエキス、チペピジウム臭化物、メチルアトロピン臭化物、メチルアニソトロピン臭化物、メチルスコポラミン臭化物、メチル−l−ヒヨスチアミン臭化物、メチルベナクチジウム臭化物、ピレンゼピン塩酸塩、ブチルスコポラミン臭化物、ベラドンナアルカロイド、ベラドンナエキス、ベラドンナ総アルカロイド、ヨウ化イソプロパミド、ヨウ化ジフェニルピペリジノメチルジオキソラン、ロートエキス、ロート根、ロート根総アルカロイドクエン酸塩等が挙げられる。
【0070】
上記生薬類としては、例えば、アカメガシワ(赤芽柏)、アセンヤク(阿仙薬)、インヨウカク(淫羊霍)、ウイキョウ(茴香)、ウコン(鬱金)、エンゴサク(延胡索)、エンメイソウ(延命草)、オウゴン(黄岑)、オウセイ(黄精)、オウバク(黄柏)、オウヒ(桜皮)、オウレン(黄連)、オンジ(遠志)、ガジュツ(我朮)、カノコソウ(鹿子草)、カミツレ、カロニン(か楼仁)、カンゾウ(甘草)、キキョウ(桔梗)、キョウニン(杏仁)、クコシ(枸杞子)、クコヨウ(枸杞葉)、ケイガイ(荊芥)、ケイヒ(桂皮)、ケツメイシ(決明子)、ゲンチアナ、ゲンノショウコ(現証拠)、コウブシ(香附子)、ゴオウ(牛黄)、ゴミシ(五味子)、サイシン(細辛)、サンショウ(山椒)、シオン(紫苑)、ジコッピ(地骨皮)、シャクヤク(芍薬)、ジャコウ(麝香)、シャジン(沙参)、シャゼンシ(車前子)、シャゼンソウ(車前草)、獣胆(ユウタン(熊胆)を含む)、ショウキョウ(生姜)、ジリュウ(地竜)、シンイ(辛夷)、セキサン(石蒜)、セネガ、センキュウ(川きゅう)、ゼンコ(前胡)、センブリ(千振)、ソウジュツ(蒼朮)、ソウハクヒ(桑白皮)、ソヨウ(蘇葉)、タイサン(大蒜)、チクセツニンジン(竹節人参)、チョウジ(丁子)、チンピ(陳皮)、トウキ(当帰)、トコン(吐根)、ナンテンジツ(南天実)、ニンジン(人参)、バイモ(貝母)、バクモンドウ(麦門冬)、ハッカ(薄荷)、ハンゲ(半夏)、バンコウカ(番紅花)、ハンピ(反鼻)、ビャクシ(白し)、ビャクジュツ(白朮)、ブクリョウ(茯苓)、ボタンピ(牡丹皮)、ボレイ(牡蠣)、ロクジョウ(鹿茸)等の生薬及びこれらの抽出物(エキス、チンキ、乾燥エキス等)等が挙げられる。
【0071】
上記漢方処方としては、例えば、桂枝湯、香蘇散、柴胡桂枝湯、小柴胡湯、麦門冬湯、半夏厚朴湯等が挙げられる。
【0072】
上記カフェイン類としては、例えば、カフェイン、無水カフェイン、安息香酸ナトリウムカフェイン等が挙げられる。
【0073】
上記キサンチン系成分としては、例えば、アミノフィリン、ジプロフィリン、テオフィリン、プロキシフィリン等が挙げられる。
【0074】
本発明の医薬組成物は、製剤化に際して、第十五改正日本薬局方製剤総則等に記載の公知の方法により製することができ、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等の医薬品添加物を用いて製することができる。
【0075】
次に、本発明の医薬組成物の剤形等について詳細に説明する。
本発明の医薬組成物の剤形としては、特に限定されるべきものではなく、例えば、カプセル剤、丸剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、錠剤、液剤、シロップ剤、ゼリー剤、トローチ剤等の経口投与製剤や外用液剤、軟膏剤、クリーム剤、ゲルクリーム剤、パップ剤、経皮吸収型製剤、貼付剤、リニメント剤、ローション剤、坐剤等の非経口投与製剤が挙げられる。本発明においては、経口投与製剤が好ましく、中でも固形製剤がより好ましい。なお、固形製剤は公知の方法により、糖衣やフィルムコーティング等により被覆されていてもよい。
【0076】
本発明の医薬組成物は、NSAIDの一種であるロキソプロフェン及び抗ヒスタミン剤を含有するため、頭痛・歯痛・抜歯後の疼痛・咽頭痛・耳痛・関節痛・神経痛・腰痛・筋肉痛・肩こり痛・打撲痛・骨折痛・ねんざ痛・月経痛(生理痛)・外傷痛の鎮痛、悪寒・発熱時の解熱、かぜの諸症状(鼻水、鼻づまり、くしゃみ、のどの痛み、悪寒、発熱、頭痛、関節の痛み、筋肉の痛み)、急性鼻炎、アレルギー性鼻炎又は副鼻腔炎による諸症状(くしゃみ、鼻水(鼻汁過多)、鼻づまり、なみだ目、のどの痛み、頭重)等に効能又は効果を有するものである。
また、本発明の医薬組成物において、NSAIDの一種であるロキソプロフェン及び抗ヒスタミン剤に加えて、トラネキサム酸を含有する場合、トラネキサム酸は優れた抗炎症作用等を有するので、頭痛・歯痛・抜歯後の疼痛・咽頭痛・耳痛・関節痛・神経痛・腰痛・筋肉痛・肩こり痛・打撲痛・骨折痛・ねんざ痛・月経痛(生理痛)・外傷痛の鎮痛、悪寒・発熱時の解熱、かぜの諸症状(鼻水、鼻づまり、くしゃみ、のどの痛み、悪寒、発熱、頭痛、関節の痛み、筋肉の痛み)、急性鼻炎、アレルギー性鼻炎又は副鼻腔炎による諸症状(くしゃみ、鼻水(鼻汁過多)、鼻づまり、なみだ目、のどの痛み、頭重)、咽頭炎・扁桃炎(のどのはれ、のどの痛み)、口内炎等に効能又は効果を有するものである。特に、ロキソプロフェンとトラネキサム酸の2つの抗炎症成分が、かぜの諸症状のもととなる炎症を抑え、のどの痛み、熱等に優れた効果を発揮する。
また、本発明の医薬組成物において、NSAIDの一種であるロキソプロフェン及び抗ヒスタミン剤に加えて、エフェドリン類及び/又はコデイン類を含有する場合、
エフェドリン類、コデイン類は優れた鎮咳・去痰作用等を有するので、頭痛・歯痛・抜歯後の疼痛・咽頭痛・耳痛・関節痛・神経痛・腰痛・筋肉痛・肩こり痛・打撲痛・骨折痛・ねんざ痛・月経痛(生理痛)・外傷痛の鎮痛、悪寒・発熱時の解熱、かぜの諸症状(鼻水、鼻づまり、くしゃみ、のどの痛み、せき、たん、悪寒、発熱、頭痛、関節の痛み、筋肉の痛み)、急性鼻炎、アレルギー性鼻炎又は副鼻腔炎による諸症状(くしゃみ、鼻水(鼻汁過多)、鼻づまり、なみだ目、のどの痛み、頭重)等に効能又は効果を有するものである。
【0077】
本発明の医薬組成物においては、抗ヒスタミン剤を含有することによって、ロキソプロフェンに起因する消化管障害が軽減・抑制される。従って、消化性潰瘍の罹患者や既往歴のある患者も服用することができる。
【0078】
次に、本発明の消化管障害抑制剤について説明するが、前述の医薬組成物と重複する部分についての説明は省略する。
下記実施例に記載のとおり、抗ヒスタミン剤、及び抗ヒスタミン剤とトラネキサム酸の組み合わせは、ロキソプロフェンに起因する消化管障害を軽減又は抑制することから、ロキソプロフェン以外のアルミノプロフェン、アンピロキシカム、アンフェナクナトリウム、イブプロフェン、インドメタシン、エトドラク、エピリゾール、オキサプロジン、ケトプロフェン、ザルトプロフェン、ジクロフェナク、スリンダク、セレコキシブ、チアプロフェン酸、チアラミド、テノキシカム、トルフェナム酸、ナブメトン、ナプロキセン、ピロキシカム、プラノプロフェン、フルフェナム酸、フルルビプロフェン、プログルメタシン、メフェナム酸、メロキシカム、モフェゾラク、ロルノキシカム等の他のNSAIDの消化管障害(NSAID潰瘍)を軽減又は抑制することが期待できる。
従って、本発明によれば、抗ヒスタミン剤を有効成分とするNSAID(好ましくは、ロキソプロフェン又はその塩)に起因する消化管障害の軽減又は抑制剤、及び抗ヒスタミン剤とトラネキサム酸との組み合わせを有効成分とするNSAID(好ましくは、ロキソプロフェン又はその塩)に起因する消化管障害の軽減又は抑制剤を提供できる。
【実施例】
【0079】
以下に、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0080】
実施例1.ロキソプロフェン誘発消化管障害抑制作用(1)
Wistar系ラット(Std:Wistar/ST、雄、8週齢、体重219.3〜244.4g)を用い、1群6匹として試験を実施した。ラットは、試験開始前日(16時間以上)より絶食とした。水の摂取は試験開始前1時間までは自由摂取とし、以後絶水とした。
被験薬物として、d−クロルフェニラミンマレイン酸塩(CM)を0.5%メチルセルロース(MC)溶液に懸濁し、所定量(5、40mg/5mL/kg)経口投与した。また、対照群には溶媒(0.5%MC溶液)のみをそれぞれ同容量(5mL/kg)経口投与した。
被験薬物投与1時間後に、ロキソプロフェンナトリウム水和物120mg/2mL生理食塩水/kgを各群のラットに経口投与し、胃粘膜障害を誘発した。ロキソプロフェンナトリウム水和物の投与5時間後、ラットを頚椎脱臼により安楽死させ、噴門部を結紮し胃を摘出した。幽門部から胃内に1%ホルマリン溶液10mLを注入し、幽門部を結紮後、胃全体を同ホルマリン溶液中に約20分間浸漬して軽度に固定した。
胃粘膜障害の程度の評価は、胃を大弯に沿って切開した後、実体顕微鏡下にて腺胃部に発生した個々の損傷(びらん)の長さ(mm)を測定することにより行い、ラット1匹当たりの損傷の総和を潰瘍指数として算出した。次式に従い被験薬物における潰瘍抑制率(%)を次式に従い、被験薬物における潰瘍抑制率(%)を算出した。
潰瘍抑制率(%)={1−(被験薬物の潰瘍指数/対照群の潰瘍指数)}×100
結果を表1に示した。
【0081】
【表1】

【0082】
表1から明らかなように、抗ヒスタミン剤のd−クロルフェニラミンマレイン酸塩はロキソプロフェンに起因する胃粘膜障害を軽減した。
【0083】
実施例2.ロキソプロフェン誘発消化管障害抑制試験(2)
Wistar系ラット(Std:Wistar/ST、雄、8週齢、体重198.5〜234.2g)を用い、1群4〜8匹として試験を実施した。被験薬物として、クレマスチンフマル酸塩(CF)を0.5%メチルセルロース(MC)溶液に懸濁したものを用い、所定量(0.3、1mg/5mL/kg)を経口投与することにより、実施例1と同様に試験を実施した。被験薬物における潰瘍抑制率(%)を算出し、結果を表2に示した。
【0084】
【表2】

【0085】
表2から明らかなように、抗ヒスタミン剤のクレマスチンフマル酸塩はロキソプロフェンに起因する胃粘膜障害を軽減した。
【0086】
実施例3.ロキソプロフェン誘発消化管障害抑制試験(3)
Wistar系ラット(Std:Wistar/ST、雄、8週齢、体重189.5〜214.8g)を用い、1群4匹として試験を実施した。被験薬物として、メキタジン(MQ)を0.5%メチルセルロース(MC)溶液に懸濁したものを用い、所定量(1、3、10mg/5mL/kg)を経口投与することにより、実施例1と同様に試験を実施した。被験薬物における潰瘍抑制率(%)を算出し、結果を表3に示した。
【0087】
【表3】

【0088】
表3から明らかなように、抗ヒスタミン剤のメキタジンはロキソプロフェンに起因する胃粘膜障害を軽減した。
【0089】
実施例4.ロキソプロフェン誘発消化管障害抑制試験(4)
Wistar系ラット(Std:Wistar/ST、雄、8週齢、体重198.5〜216.6g)を用い、1群4匹として試験を実施した。被験薬物として、ジフェニルピラリン塩酸塩(PP)を0.5%メチルセルロース(MC)溶液に懸濁したものを用い、所定量(3、10mg/5mL/kg)を経口投与することにより、実施例1と同様に試験を実施した。被験薬物における潰瘍抑制率(%)を算出し、結果を表4に示した。
【0090】
【表4】

【0091】
表4から明らかなように、抗ヒスタミン剤のジフェニルピラリン塩酸塩はロキソプロフェンに起因する胃粘膜障害を軽減した。
【0092】
実施例5.ロキソプロフェン誘発消化管障害抑制試験(5)
Wistar系ラット(Std:Wistar/ST、雄、8週齢、体重190.4〜219.4g)を用い、1群6匹として試験を実施した。被験薬物として、カルビノキサミンマレイン酸塩(CAM)を0.5%メチルセルロース(MC)溶液に懸濁したものを用い、所定量(0.75、75mg/5mL/kg)を経口投与することにより、実施例1と同様に試験を実施した。被験薬物における潰瘍抑制率(%)を算出し、結果を表5に示した。
【0093】
【表5】

【0094】
表5から明らかなように、抗ヒスタミン剤のカルビノキサミンマレイン酸塩はロキソプロフェンに起因する胃粘膜障害を軽減した。
【0095】
実施例6.ロキソプロフェン誘発消化管障害抑制試験(6)
Wistar系ラット(Std:Wistar/ST、雄、8週齢、体重210.0〜229.2g)を用い、1群4匹として試験を実施した。被験薬物として、トラネキサム酸(TXA)及びクレマスチンフマル酸塩(CF)を0.5%メチルセルロース(MC)溶液に懸濁したものを用い、所定量((TXA400mg+CF1mg)/5mL/kg)を経口投与することにより、実施例1と同様に試験を実施した。被験薬物における潰瘍抑制率(%)を算出し、結果を表6に示した。
【0096】
【表6】

【0097】
表6から明らかなように、トラネキサム酸とクレマスチンフマル酸塩の併用は、ロキソプロフェンに起因する胃粘膜障害を軽減した。
【0098】
実施例7.ロキソプロフェン誘発消化管障害抑制試験(7)
Wistar系ラット(Std:Wistar/ST、雄、8週齢、体重202.5〜229.6g)を用い、1群4匹として試験を実施した。被験薬物として、トラネキサム酸(TXA)及びジフェニルピラリン塩酸塩(PP)を0.5%メチルセルロース(MC)溶液に懸濁したものを用い、所定量((TXA400mg+PP4mg)/5mL/kg)を経口投与することにより、実施例1と同様に試験を実施した。被験薬物における潰瘍抑制率(%)を算出し、結果を表7に示した。
【0099】
【表7】

【0100】
表7から明らかなように、トラネキサム酸とジフェニルピラリン塩酸塩の併用は、ロキソプロフェンに起因する胃粘膜障害を軽減した。
【0101】
実施例8.ロキソプロフェン誘発消化管障害抑制試験(8)
Wistar系ラット(Std:Wistar/ST、雄、8週齢、体重197.1〜217.3g)を用い、被験薬物として、トラネキサム酸(TXA)及びd−クロルフェニラミンマレイン酸塩(CM)を0.5%メチルセルロース(MC)溶液に懸濁したものを用い、所定量((TXA400mg+CM3mg)/5mL/kg)を経口投与することにより、実施例1と同様に試験を実施した。被験薬物における潰瘍抑制率(%)を算出し、結果を表8に示した。
【0102】
【表8】

【0103】
表8から明らかなように、トラネキサム酸とd−クロルフェニラミンマレイン酸塩の併用はロキソプロフェンに起因する胃粘膜障害を軽減した。
【0104】
参考例1.ロキソプロフェン誘発消化管障害抑制試験(9)
Wistar系ラット(Std:Wistar/ST、雄、8週齢、体重200.6〜239.4g)を用い、1群6匹として試験を実施した。被験薬物として、メチルエフェドリン(ME)を0.5%メチルセルロース(MC)溶液に懸濁したものを用い、所定量(20、60、180mg/5mL/kg)を経口投与することにより、実施例1と同様に試験を実施した。被験薬物における潰瘍抑制率(%)を算出し、結果を表9に示した。
【0105】
【表9】

【0106】
表9から明らかなように、メチルエフェドリンはロキソプロフェンに起因する胃粘膜障害を軽減した。
【0107】
参考例2.ロキソプロフェン誘発消化管障害抑制試験(10)
Wistar系ラット(Std:Wistar/ST、雄、8週齢、体重188.9〜227.9g)を用い、1群6匹として試験を実施した。被験薬物として、ジヒドロコデインリン酸塩(DP)を0.5%メチルセルロース(MC)溶液に懸濁したものを用い、所定量(8、24、72mg/5mL/kg)経口投与することにより、実施例1と同様に試験を実施した。被験薬物における潰瘍抑制率(%)を算出し、結果を表10に示した。
【0108】
【表10】

【0109】
表10から、ジヒドロコデインリン酸塩はロキソプロフェンに起因する胃粘膜障害を抑制することが判明した。
【0110】
製造例1.
9錠(1日量)中に以下の成分を含有する錠剤を、第十五改正日本薬局方 製剤総則の「錠剤」の項に準じて、常法により製造した。
ロキソプロフェンナトリウム水和物 204.3mg(ロキソプロフェンナトリウム無水物として180mg)
トラネキサム酸 750mg
ジフェニルピラリン塩酸塩 4mg
ヒドロキシプロピルセルロース 72.9mg
カルメロースカルシウム 243mg
結晶セルロース 1131.5mg
ステアリン酸マグネシウム 24.3mg
【0111】
製造例2.
9錠(1日量)中に以下の成分を含有する錠剤を、第十五改正日本薬局方 製剤総則の錠剤の項に準じて、常法により製造した。
ロキソプロフェンナトリウム水和物 204.3mg(ロキソプロフェンナトリウム無水物として180mg)
トラネキサム酸 750mg
エバスチン 10mg
ヒドロキシプロピルセルロース 72.9mg
カルメロースカルシウム 243mg
結晶セルロース 1125.5mg
ステアリン酸マグネシウム 24.3mg
【0112】
製造例3.
9錠(1日量)中に以下の成分を含有する錠剤を、第十五改正日本薬局方 製剤総則の錠剤の項に準じて、常法により製造した。
ロキソプロフェンナトリウム水和物 204.3mg(ロキソプロフェンナトリウム無水物として180mg)
トラネキサム酸 750mg
ベポタスチンベシル酸塩 20mg
ヒドロキシプロピルセルロース 72.9mg
カルメロースカルシウム 243mg
結晶セルロース 1115.5mg
ステアリン酸マグネシウム 24.3mg
【産業上の利用可能性】
【0113】
本発明は、抗ヒスタミン剤と、ロキソプロフェン又はその塩とを含有する医薬組成物を提供するものであり、本発明の医薬組成物は、NSAIDの一種であるロキソプロフェン及び抗ヒスタミン作用を有する抗ヒスタミン剤を含有する。
従って、本発明の医薬組成物は、頭痛・歯痛・抜歯後の疼痛・咽頭痛・耳痛・関節痛・神経痛・腰痛・筋肉痛・肩こり痛・打撲痛・骨折痛・ねんざ痛・月経痛(生理痛)・外傷痛の鎮痛、悪寒・発熱時の解熱、かぜの諸症状(鼻水、鼻づまり、くしゃみ、のどの痛み、悪寒、発熱、頭痛、関節の痛み、筋肉の痛み)、急性鼻炎、アレルギー性鼻炎又は副鼻腔炎による諸症状(くしゃみ、鼻水(鼻汁過多)、鼻づまり、なみだ目、のどの痛み、頭重)等に効能又は効果を有し、かぜ薬や鼻炎用内服薬等として有用である。
【0114】
また、本発明によれば、抗ヒスタミン剤はロキソプロフェンに起因する消化管障害を軽減した。従って、ロキソプロフェンに起因する消化管障害が軽減され、上述のすぐれた効能又は効果を示す医薬組成物を提供することができ、有用なものである。また、抗ヒスタミン剤はロキソプロフェン以外の他のNSAIDに起因する消化管障害を軽減することが期待され、同様の医薬組成物を提供することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロキソプロフェン又はその塩、及び抗ヒスタミン剤を含有する医薬組成物。
【請求項2】
ロキソプロフェン又はその塩が、ロキソプロフェンナトリウム水和物である請求項1記載の医薬組成物。
【請求項3】
ロキソプロフェンナトリウム水和物を、ロキソプロフェンナトリウム無水物換算で、10〜300mgを1日量として含有する請求項2記載の医薬組成物。
【請求項4】
抗ヒスタミン剤を、0.01〜400mgを1日量として含有する請求項1〜3いずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項5】
更に、トラネキサム酸を含有する請求項1〜4いずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項6】
トラネキサム酸を、50〜2000mgを1日量として含有する請求項5記載の医薬組成物。
【請求項7】
更に、コデイン類及び/又はエフェドリン類を含有する請求項1〜6いずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項8】
エフェドリン類を、5〜500mgを1日量として含有する請求項7記載の医薬組成物。
【請求項9】
コデイン類を、2〜60mgを1日量として含有する請求項7記載の医薬組成物。
【請求項10】
抗ヒスタミン剤を有効成分とするロキソプロフェン又はその塩に起因する消化管障害の軽減又は抑制剤。
【請求項11】
抗ヒスタミン剤を有効成分とする非ステロイド性消炎鎮痛剤に起因する消化管障害の軽減又は抑制剤。

【公開番号】特開2011−246433(P2011−246433A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−264814(P2010−264814)
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【出願人】(000163006)興和株式会社 (618)
【Fターム(参考)】