ロッドレンズアレイ搬送装置
【課題】簡単な構成で、ロッドレンズアレイ等の棒状部材を搬送しながら一定向きにすることができる棒状部材の搬送機構の提供。
【解決手段】棒状部材を整列させながら搬送する搬送装置60で、棒状部材1を収容可能な凹部62aが一定間隔で形成され凹部が上方に向けられた傾斜状態で棒状部材の長さより短い間隔で平行に配置された一対の固定搬送部材62と、棒状部材を収容可能な凹部が一定間隔で形成され凹部64aが上方に向けられ固定搬送部材と並列し棒状部材の長さより短い間隔で平行に配置され固定搬送部材に対して回転運動を行う一対の可動搬送部材64と、可動搬送部材の一つの凹部が固定搬送部材の一つの凹部と整列する第1位置と、可動搬送部材の一つの凹部が固定搬送部材の一つの凹部の上方の凹部と整列する第2位置を通る軌道に沿って可動搬送部材を固定搬送部材に対して第1位置から第2位置に回転駆動させる駆動機構と、を備えている。
【解決手段】棒状部材を整列させながら搬送する搬送装置60で、棒状部材1を収容可能な凹部62aが一定間隔で形成され凹部が上方に向けられた傾斜状態で棒状部材の長さより短い間隔で平行に配置された一対の固定搬送部材62と、棒状部材を収容可能な凹部が一定間隔で形成され凹部64aが上方に向けられ固定搬送部材と並列し棒状部材の長さより短い間隔で平行に配置され固定搬送部材に対して回転運動を行う一対の可動搬送部材64と、可動搬送部材の一つの凹部が固定搬送部材の一つの凹部と整列する第1位置と、可動搬送部材の一つの凹部が固定搬送部材の一つの凹部の上方の凹部と整列する第2位置を通る軌道に沿って可動搬送部材を固定搬送部材に対して第1位置から第2位置に回転駆動させる駆動機構と、を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロッドレンズアレイ搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
2枚の基板間に多数の円柱状のロッドレンズを一列に配列して一体化させ棒状部材としたロッドレンズアレイが、複写機、ファクシミリ、スキャナ、ハンドスキャナ等で使用されるイメージセンサ用の光学部品として、あるいは、光源にLED(発光ダイオード)を用いたLEDプリンタ、液晶素子を用いた液晶プリンタ、EL素子を用いたELプリンタのような装置における書き込みデバイスとして用いられている。
【0003】
このようなロッドレンズアレイは、出荷前に種々の検査を受けるが、その一つに、モデュレーション・トランスファー・ファンクション(Modulation Transfer Function : MTF)測定がある。
【0004】
このMTF測定では、ロッドレンズアレイをMTF測定用パターンを備えた光源とラインセンサを備えた検出手段との間の測定領域で移動させて、光源からの検査光をロッドレンズアレイの一端面から入射させ、ロッドレンズアレイの他端面から出射した光がラインセンサ等を備えた検出装置で検出されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平4−128627号公報
【0006】
ロッドレンズアレイは、近年では、高解像度が要求される分野でも使用されているため、ロッドレンズアレイのMTF測定を、ロッドレンズアレイの長手方向である主走査方向と、幅方向である副走査方向の両者で行うことが必要とされてきている。
【0007】
さらに、このMTF測定では、ロッドレンズアレイをロッドレンズの端面が光源を向く方向に配置する必要がある。また、ロッドレンズアレイは、製造過程において研磨装置でレンズの端面を研磨されるが、このような作業においても、ロッドレンズアレイを所定方向に向けた状態で、研磨装置等の装置に配置する必要がある。さらにまた、ロッドレンズアレイ以外の棒状部材に対しても、同様の要請がある。
【0008】
しかしながら、従来は、ロッドレンズアレイ等の棒状部材を所定方向に向ける(配向する)際には、作業者が手でロッドレンズアレイ等の棒状部材を所定方向に並べていたため、効率が悪く、生産コスト等が上昇する等の問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、簡単な構成で、ロッドレンズアレイ等の棒状部材を搬送しながら一定向きにする(配向させる)ことができる棒状部材の搬送機構を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、棒状部材を整列させながら搬送する搬送装置であって、前記棒状部材を収容可能な凹部が一定間隔で形成され該凹部が上方に向けられた傾斜状態で前記棒状部材の長さより短い間隔で互いに平行に配置されている一対の固定搬送部材と、前記棒状部材を収容可能な凹部が前記一定間隔で形成され該凹部が上方に向けられ前記固定搬送部材と並列して前記棒状部材の長さより短い間隔で互いに平行に配置され前記固定搬送部材に対して回転運動を行う一対の可動搬送部材と、前記可動搬送部材の一つの凹部が前記固定搬送部材の一つの凹部と整列する第1位置と、前記可動搬送部材の前記一つの凹部が前記固定搬送部材の前記一つの凹部の上方の凹部と整列する第2位置とを通る軌道に沿って、前記可動搬送部材を前記固定搬送部材に対して、前記第1位置から前記第2位置に回転駆動させる駆動機構と、を備えていることを特徴とする搬送装置が提供される。
【0011】
このような構成によれば、可動搬送部材が第1位置から第2位置に移行するとき、一対の固定搬送部材の凹部間に掛け渡されている棒状部材が、固定搬送部材の上側の凹部に移される。このとき棒状部材は、一定方向に配列された状態で搬送されるので、自動的に長手方向に整列する。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、本発明によれば、簡単な構成で、ロッドレンズアレイ等の棒状部材を所定方向に整列させながら搬送することができる棒状部材の搬送機構が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】MTFが測定されるロッドレンズアレイ1の概略的な斜視図である。
【図2】ロッドレンズアレイ検査装置の一部分の構成を示す模式的な斜視図である。
【図3】ロッドレンズアレイの主走査方向のMTF測定を行っている状態を示す模式的な斜視図である。
【図4】ロッドレンズアレイの副走査方向のMTF測定を行っている状態を示す模式的な斜視図である。
【図5】ロッドレンズアレイ検査装置の位置決め機構の構成および動作を模式的に示す概略的な正面図。
【図6】ロッドレンズアレイ検査装置の位置決め機構の構成および動作を模式的に示す概略的な正面図。
【図7】ロッドレンズアレイ検査装置の位置決め機構の構成および動作を模式的に示す概略的な正面図。
【図8】ロッドレンズアレイ検査装置の位置決め機構の構成および動作を模式的に示す概略的な正面図。
【図9】本発明の好ましい実施形態の搬送装置の主要な構成部材を示す概略的な斜視図である。
【図10】固定搬送部材、可動搬送部材、ロッドレンズアレイの寸法等の相対関係を説明するための図面である。
【図11】固定搬送部材、可動搬送部材、ロッドレンズアレイの寸法等の相対関係を説明するための図面である。
【図12】可動搬送部材の相対運動によるロッドレンズアレイの搬送状態を説明するための図面である。
【図13】可動搬送部材の相対運動によるロッドレンズアレイの搬送状態を説明するための図面である。
【図14】可動搬送部材の相対運動によるロッドレンズアレイの搬送状態を説明するための図面である。
【図15】可動搬送部材の相対運動によるロッドレンズアレイの搬送状態を説明するための図面である。
【図16】可動搬送部材の相対運動によるロッドレンズアレイの搬送状態を説明するための図面である。
【図17】可動搬送部材の相対運動によるロッドレンズアレイの搬送状態を説明するための図面である。
【図18】可動搬送部材の相対運動によるロッドレンズアレイの搬送状態を説明するための図面である。
【図19】突起部の機能を説明するための可動搬送部材の一部分を示す側面図である。
【図20】面取り部の構成を説明するための固定搬送部材の一部分を示す側面図である。
【図21】本発明の実施形態の搬送装置を利用したロッドレンズアレイ整列装置の要部を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
ロッドレンズアレイ検査装置を図面に沿って詳細に説明する。まず、ロッドレンズアレイ検査装置で光学性能が検査されるロッドレンズアレイ1の構成を説明する。図1は、ロッドレンズアレイ1の概略的な斜視図である。
【0015】
図1に示されているように、ロッドレンズアレイ1は、第1および第2基板2、4と、その間に一列に配置された多数のロッドレンズ6とを備えている。ロッドレンズ6は、屈折率分布型のプラスチック製またはガラス製の円柱状レンズである。第1および第2の基板2、4と各ロッドレンズ6との間の空間には、接着剤8が充填され、各ロッドレンズ6が第1および第2基板2、4間で固定されている。
【0016】
ロッドレンズアレイ検査装置は、このような構成のロッドレンズアレイを移動させ、各ロッドレンズ6の一端面から検査光を入射させ、他端面から露出した光を検出装置で検出することにより、ロッドレンズアレイ1全体のMTFを測定する。MTF測定は、MTF測定用パターンを通した検査光をロッドレンズに入射させ、出射光をMTF測定用パターンの配列方向に素子が並ぶラインセンサで受光することによって行われる。
【0017】
以下、装置の構成を詳細に説明する。図2は、ロッドレンズアレイ検査装置10のロッドレンズアレイに検査光を照射する部分の構成を示す模式的な斜視図である。
図2に示されているように、ロッドレンズアレイ検査装置10は、光源部12と、検出部14とを備えている。
【0018】
光源部12は、後端に配置されたランプ等の光源16と、中間部に配置された拡散板、干渉フィルタ等を含む光学系18と、先端に配置されたMTF測定用パターン20とを含み、光源16からの光が光学系18、測定用パターン20を通り、検査光Lとして出射するように構成されている。また、光源部12は、駆動ベルト22を介してアクチュエータ24に連結され、測定用パターン20の格子が上下方向に延びる第1位置(図2、図3)と測定用パターン20の格子が水平方向に延びる第2位置(図4)との間で、矢印Aで示すように、検査光Lの光軸を中心に、90°回転駆動されるように構成されている。
【0019】
検出部14は、前方に配置された光学系26と、後方に配置されたラインセンサ28とを含み、光学系26に入射した光がラインセンサ28に導かれるように構成されている。
また、検出部14は、光源部12と同様に、駆動ベルト30を介してアクチュエータ32に連結され、ラインセンサ28の素子が水平方向に配列される第1位置(図3)とラインセンサ28の素子が垂直方向に配列される第2位置(図4)との間で、検査光Lの光軸を中心に、矢印Bで示すように、90°回転駆動されるように構成されている。このとき、前方に配置された光学系26と後方のラインセンサは双方とも回転する必要は無く、ラインセンサのみ回転する構成でもよい。
【0020】
光源部12のMTF測定用パターン20と検出部14の光学系26は、光源部12からの検査光Lが検出部14に入射するように、対向して配置されている。光源部12のMTF測定用パターン20と検出部14の光学系26の間が、測定領域となる。また、ラインセンサ28の出力信号は、図示しない計測装置に送られ、この出力信号に基づいて、公知の方法でロッドレンズアレイ1のMTFが算出される。
【0021】
光源部12と検出部14との間の下方位置には、検査光Lの光路と直交する方向に延びるリニアレールであるガイドレール36が配置されている。このガイドレール36に沿って、光学性能が測定されるロッドレンズアレイ1を載置した載置台38が、矢印C、Dで示すように、往復動するように構成されている。載置台38は、ガイドレール36上に固定され、サーボモータおよびタイミングベルトで駆動される。
【0022】
載置台38の頂部は、ロッドレンズアレイ1を載置される平坦な載置面40が形成されている。載置面40は、細長い形状を有し、検査光Lの光軸と直交する方向に延びるようように配置されている。この載置面40には、真空吸引手段(図示せず)に連結された吸引孔42が形成され、真空吸引手段の作動により、載置されたロッドレンズアレイ1が載置面40に吸着される。吸引孔42は、載置台38内部に形成された通路と可撓性チューブ(図示せず)等を介して、真空ポンプ等の真空吸引手段に接続されている。この真空吸引手段は、検査装置10の作動中は常時、吸引を行う。載置台38に載置されたロッドレンズアレイ1は、載置台38の往復動によって、光源部12、検出部14の測定領域を検査光Lの光軸と直交する方向に往復動させられる。
【0023】
このように構成されたロッドレンズアレイ検査装置10では、ロッドレンズアレイ1は、図3、図4に示されているように、露出しているロッドレンズ6の両端面が、光源部12と検出部14のそれぞれに対向するように、載置台38の載置面40の所定位置に配置される。このときロッドレンズアレイ1は、吸引孔42からの吸引により、載置面40に吸着され固定される。光源部12、検出部14を、第1位置(図3)に配置した状態で、ロッドレンズアレイ1を載置した載置台38を、図3に示されている初期位置から、図4に示されている終了位置に矢印C方向に移動させ、ロッドレンズアレイ1の全てのロッドレンズ6に検査光Lを透過させて、ロッドレンズアレイ1の主走査方向のMTFを測定する。
【0024】
次いで、アクチュエータ24、32を作動させて、光源部12と検出部14を検査光Lの光軸を中心に90°回転させて、これらを第2位置に配置する。次いで、ロッドレンズアレイ1を載置した載置台38を、図4に示されている終端位置から図3に示されている初期位置に、矢印D方向に移動させ、ロッドレンズアレイ1の全てのロッドレンズ6に検査光Lを透過させて、ロッドレンズアレイ1の副走査方向のMTFを測定してロッドレンズアレイ1のMTF測定を終了する。
【0025】
次に、載置台38へのロッドレンズアレイ1の位置決め機構の説明をする。ロッドレンズアレイ検査装置10は、図5に示されているように、載置台38に隣接して設けられたテーブル状のステージ44を備えている。ステージ44の頂面46は、載置台38の載置面40と同一の高さ位置に配置されている。ステージ44の後方には、ステージ44上に配置されたロッドレンズアレイ1を押して、載置台38の所定位置に配置する押出し機構48が設けられている。押出し機構48は、ステージ44上に配置されたロッドレンズアレイ1を載置台38上の所定位置まで押すプッシャ50と、プッシャ50を作動させるリニアシリンダ52とを備えている。プッシャ50は、ステージ44上に配置された未検査のロッドレンズアレイ1を押出すことできるようにステージ44上まで後退した後退位置(図5)と、先端が載置台38付近まで延びて押している未検査のロッドレンズアレイ1を載置台38上の所定位置に配置する前進位置(図6)との間を、リニアーシリンダやエアーシリンダ等の駆動装置52によって移動できるように構成されている。
【0026】
押出し機構48は、さらに、駆動装置52に連結されたショックアブソーバ等の緩衝装置54とを備えている。緩衝装置54は、駆動装置52によってプッシャ50がロッドレンズアレイ1を載置面40上の所定位置の近傍まで押し出したとき、検査装置10の係止部56に当接して、駆動装置52の動きを緩め、駆動装置52が前進位置で停止する際のブレを防止するように構成されている。
【0027】
このような構成を備える位置決め機構は、図5に示されているように、ステージ44上に配置された未検査のロッドレンズアレイ1を、プッシャ50を後退位置から前進位置に矢印Eで示す方向に移動させることにより、初期位置に配置されている載置台38に向かって押出していく。プッシャ50が前進位置で停止したとき、プッシャ50で押された未検査のロッドレンズアレイ1は載置台38上の所定位置に配置され、吸引孔から吸引で載置面40に吸着される(図6)。プッシャ50が前進位置に達する前に、緩衝装置54が装置の係止部56に当接するので、ロッドレンズアレイ1が載置台38の所定位置に配置されるときには、駆動装置52およびプッシャ50の動きが緩やかになり、また、停止時に生じるブレ等も防止される。
ロッドレンズアレイ1を所定位置に配置すると、プッシャ50は、後退位置に戻される。
【0028】
所定位置に配置されたロッドレンズアレイ1には、上述した方法でMTF測定が行われる。ロッドレンズアレイ1が、光源部12と検出部14の間の経路を往復してMTF検査が行われている間に、次にMTF検査を行うロッドレンズアレイ1’がパーツフィーダー、ベルトコンベア等(図示せず)を利用してプッシャーと載置台の間のステージ44にセットされる。
【0029】
図7に示されているように、検査済みのロッドレンズアレイ1を載置した載置台38が初期位置に戻り停止すると、駆動装置52を作動させ、プッシャ50で未検査のロッドレンズアレイ1’を載置台38方向に押出していく。プッシャ50が前進位置に達すると、載置台38上の検査済みのロッドレンズアレイ1は、未検査のロッドレンズアレイ1’によって載置面40から押し出され、反対側に配置されている容器58内に落とされる(図8)。容器58内のMTF測定済みのロッドレンズアレイ1は、測定されたMTFの値に基づいて合否判定され、分類される。以上の動作が繰り返えされることにより、ロッドレンズアレイ1のMTF測定が連続的に行われる。
【0030】
次に、ロッドレンズアレイ1を所定方向に整列させながらロッドレンズアレイを搬送する、本発明の実施形態の搬送装置60の構成を説明する。
上述したように、MTF検査を受けるロッドレンズアレイ1は、パーツフィーダー、ベルトコンベア等(図示せず)でプッシャーと載置台の間のステージ44にセットされる。
このとき、ロッドレンズ6が光源を向く方向にロッドレンズアレイ1を配置する必要がある。
搬送装置60は、パーツフィーダー、ベルトコンベア等の供給装置の上流に配置され、ランダムな配向で配置されているロッドレンズアレイ1を搬送しながら一定方向に向けて整列させる装置である。
【0031】
図9は、搬送装置60の主要な構成部材を示す概略的な斜視図である。搬送装置60は、左右一対の固定搬送部材62を備えている。固定搬送部材62は、断面矩形状の棒状部材であり、その上面にロッドレンズアレイ1を収容可能な複数の凹部(切欠き部)62aが、一定間隔で形成されている。凹部62aは、矩形の断面形状を有している。
【0032】
ロッドレンズアレイ1は、厚さT、長さZ(Z>T)の長方形の断面形状を有している(図10)。凹部62aの幅(固定搬送部材62の長手方向に沿った長さ)Wは、ロッドレンズアレイ1の長さZより大きく設定され、凹部の深さdは、ロッドレンズアレイ1の高さTより小さく設定されている。
【0033】
固定搬送部材62は、図9に示されているように、凹部62aを上方に向けて傾斜状態で互いに平行な状態で搬送装置60の図示しない架台に取付けられている。また、一対の固定搬送部材62、62の間隔は、ロッドレンズアレイ1の長さより短く設定されている。
【0034】
搬送装置60は、また、左右一対の可動搬送部材64を備えている。可動搬送部材64は、固定搬送部材62と同様の断面矩形状の棒状部材であり、固定搬送部材62と同様に、その上面にロッドレンズアレイ1を収容可能な複数の凹部(切欠き部)64aが、凹部62aと同一の間隔で形成されている。凹部64aは、固定搬送部材62の凹部62aと同一の断面形状を有している。可動搬送部材64も、図9に示されているように、凹部64aが上方に向けて傾斜状態で互いに平行な状態で搬送装置60の図示しない架台に取付けられている。
【0035】
また、一対の可動搬送部材64、64の間隔は、一対の固定搬送部材62、62の間隔より広く、ロッドレンズアレイ1の長さより短く設定されている。可動搬送部材64は、下方端で鉛直方向に延びる連結板66によって連結されている。連結板66と、可動搬送部材64の下方側端部とに囲まれた領域が、搬送するロッドレンズアレイ1がランダムに投入される投入部となる。連結板66には、固定搬送部材62との干渉を回避するための切り込み64aが形成されている。
【0036】
本実施形態では、固定搬送部材62および可動搬送部材64の傾き(θ)、凹部62a、64aの寸法(深さd)は、図10に示されているように、ロッドレンズアレイ1が不適正な方向(縦方向)で凹部62aまたは64aに収容されたときには、ロッドレンズアレイ1の重心Gの鉛直方向下方に固定搬送部材62または可動搬送部材64の凹部62a、64aとの接触点が存在しないよう、また、図11に示されているように、ロッドレンズアレイ1が適正な方向(横方向)で凹部62aまたは64aに収容されたときには、ロッドレンズアレイ1の重心Gの鉛直方向下方に固定搬送部材62および可動搬送部材64の凹部62a、64aとの接触点が存在するように設定されている。この結果、本実施形態では、凹部に縦方向に配置されたロッドレンズアレイ1は落下することになる。
【0037】
可動搬送部材64は、可動搬送部材64が延びる平面内で円運動等の回転運動をするように構成されている。従って、円運動を行う場合には、可動搬送部材64は、図9に矢印Fで示されるように、固定搬送部材62に対して、円軌道に沿った回転運動をする。この軌道は、可動搬送部材64の一つの凹部64a−1が固定搬送部材62の一つの凹部62a−1と整列する第1の並列位置と、可動搬送部材64の前記一つの凹部64a−1が固定搬送部材の凹部62a−1の上方側の2番面の凹部62a−2と整列する第2の整列位置を通る。
【0038】
本実施形態では、可動搬送部材64の回転は、図12に矢印Fで示される回転運動であり、第1の並列位置Xは、円軌道の最上部より前に、第2の並列位置Yは円軌道の最上部より後に位置する(図12)。即ち、第1の並列位置Xは、可動搬送部材64が固定搬送部材62に対して上昇していく過程に位置し、第2の並列位置Yは、可動搬送部材64が固定搬送部材62に対して下降していく過程に位置している。尚、第1の並列位置Xと第2の並列位置Yの距離(P)は、固定搬送部材62および可動搬送部材64の凹部62a、64aのピッチに等しい。
【0039】
図13は、可動搬送部材64を円運動させるための機構を概略的に示す図面である。図13に示されているように、可動搬送部材64は、回転駆動する駆動軸68に取付けられた偏心カム70を備えている。この駆動軸68の回転運動が、偏心カム70に回転運動として伝えられ、可動搬送部材64全体が矢印Hで示されるように、円運動させられる。
【0040】
さらに、可動搬送部材64は、その上方端部から垂直方向下方に延びる垂直リニアレール72を備えている。垂直リニアレール72には、L字型のガイド74を介して、水平方向に延びる水平リニアレール76に連結されている。これらリニアレール72、76の作用により、可動搬送部材64は、傾斜角を維持しながら、円軌道に沿って回転運動することになる。
【0041】
次に、搬送装置60がロッドレンズアレイ1を整列状態で搬送する動作の一例を説明する。本実施形態の搬送装置60は、第1の並列位置(図15、図18)で、可動搬送部材64の最も下側の凹部64a−1が、固定搬送部材62の最も下側の凹部62a−1と並列状態となり、第2の並列位置(図17)で、可動搬送部材64の最も下の凹部64a−1が、固定搬送部材62の下から2番目の凹部62a−2と並列状態となるように構成されている。
【0042】
搬送するロッドレンズアレイ1は、連結板66と可動搬送部材64の下方側端部とに囲まれた投入部に投入される。このときロッドレンズアレイ1は、軸線が固定搬送部材62等にほぼ直交する方向になるように投入されるが、軸線を中心とした向きはランダムである。
【0043】
投入時に、あるいは、その後の可動搬送部材64の回転運動等により、図14に示されているように、左右の固定搬送部材62の一番下の凹部62a−1間に掛け渡された状態となったロッドレンズアレイ1は、可動搬送部材64が第1の並列位置に配置され、固定搬送部材62の一番下の凹部62a−1と可動搬送部材64の一番下の凹部64a−1が並列すると、可動搬送部材64の一番下の凹部64a−1間にも掛け渡されることになる(図15)。可動搬送部材64が、第1の並列位置(図12のX)から円軌道に沿って固定搬送部材62に対して斜め上方に移動していくと、ロッドレンズアレイ1は、固定搬送部材62の一番下の凹部62a−1から持ち上げられ、可動搬送部材64の一番下の凹部64a−1のみで支持される(図16)。
【0044】
次いで、可動搬送部材64が、円軌道に沿って固定搬送部材62に対して斜め下方に下降し、第2の並列位置(図12のY)に達すると、可動搬送部材64の一番下の凹部64a−1が固定搬送部材62の下から2番目の凹部62a−2と並列状態となり、可動搬送部材64の一番下の凹部64a−1間のみに掛け渡されていたロッドレンズアレイ1は、固定搬送部材62の下から2番目の凹部62a−2にも掛け渡される(図17)。
【0045】
可動搬送部材64が、図17に示す第2の並列位置(図12のY)から、円軌道に沿って固定搬送部材62に対して斜め下方に下降すると、可動搬送部材64の一番下の凹部64a−1と固定搬送部材62の下から2番目の凹部62a−2とに掛け渡されていたロッドレンズアレイ1は、固定搬送部材62の下から2番目の凹部62a−2のみで支持されることになる(図18)。即ち、ロッドレンズアレイ1は、可動搬送部材64の回転運動により、固定搬送部材62の一番下の凹部62a−1から2番目の凹部62a−2に平行(一定方向で整列して)移動したことになる。以下、同様にして、ロッドレンズアレイ1は、固定搬送部材62の最上部の凹部62a−10まで、搬送される。
【0046】
図19に示されているように、可動搬送部材64の上から2番目および3番目の凹部64a−8、64a−9の上方側には、可動搬送部材64の長手方向に対して略垂直方向上方に向かって延びる突起部78が設けられている。詳細には、可動搬送部材64の一番上の凹部64a−10と上から2番目の凹部64a−9との間、および、上から2番目の凹部64a−9と3番目の64a−8との間に、上方に向かって延びる半円形の板状の突起部78が設けられている。
【0047】
このような構成によれば、図19に示されているように、何らかの理由で、一つの凹部64a−8に同時に複数本のロッドレンズアレイ1、1’が配置されても、突起部78により、上側のロッドレンズアレイ1’が不安定と配置となり、矢印Jで示す方向に転がり落ちる。従って、上方側に突起部が形成されていない凹部64a−7を例に示されているように、複数本のロッドレンズアレイ1、1が一つの凹部64a−7に収容されることが防止される。このような突起部78は、固定搬送部材62に設けてもよく、可動搬送部材64と固定搬送部材62の双方に設けてもよい。
【0048】
さらに、図20に示されているように、固定搬送部材62の各凹部62aの上方側の上端縁を面取りして面取り部62bとしてもよい。さらに、必要に応じて、固定搬送部材62の各凹部62aの下方側の上端縁、可動搬送部材64の上方側または下方側の上端縁に面取り部を設けても良い。こうのよな構成とすることにより、棒状部材の可動搬送部材から固定搬送部材への移行が円滑に行われるとともに、棒状部材が固定搬送部材の凹部に確実に収容される。
【0049】
図21は、上記実施形態の搬送装置60を利用したロッドレンズアレイ整列装置の要部を示す図面である。図21に示されているように、搬送装置60の可動搬送部材64の上方側には、一対のガイド部材80、82が配置されている。ガイド部材80、82は、搬送装置60の最上部まで搬送されたロッドレンズアレイ1を、搬送装置60の最上部の下方に配置された整列台84上に案内する機能を有する。
【0050】
詳細には、図21に示されているように、ガイド部材80、82の間に、ロッドレンズアレイ1の厚さTより若干広い上下方向の通路86が形成されている。搬送装置60の最上部まで搬送されたロッドレンズアレイ1は、ガイド部材80の最上部で、ロッドレンズアレイ1の断面の長さZの長辺が上下方向に延びる向きにされ、通路86内を整列台84に向けて案内される。
【0051】
この搬送装置60では、可動搬送部材64は、プッシャ88を備えている。このプッシャ88は、可動搬送部材64の裏側に取付けられ、可動搬送部材64が、第2の並列位置側に移動したとき、整列台84上に配置されているロッドレンズアレイ1を所定ストロークTだけ、前方に押し出すように構成されている。このようなプッシャ88により、図21に示されているように、ガイド部材によって整列台84に案内されたロッドレンズアレイ1を、一定方向に配向した状態で整列させ、順送りすることができる。
【0052】
このように一定方向に向けられて整列させられたロッドレンズアレイ1は、パーツフィーダー、ベルトコンベア等でプッシャーと載置台の間のステージ44にセットされる。
搬送装置60によって一定の向きで整列させられたロッドレンズアレイの整列方向が、ロッドレンズアレイ検査装置で必要とされている向きと異なっているときには、パーツフィーダー、ベルトコンベア等あるいは他の手段によって、ロッドレンズアレイをロッドレンズアレイ検査装置で必要とされている向きとする。
【0053】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された事項の範囲内で種々の変更・変形が可能である。
【0054】
上記実施形態の検査装置は、他の構造を有するロッドレンズアレイの検査にも使用可能である。
【0055】
上記実施形態では、搬送装置60は、一対の可動搬送部材の内側に一つの固定搬送部材が配置される構成であったが、本発明では、これらを異なった位置関係で配置してもよい。また、固定搬送部材、または、可動搬送部材を3本以上設けた構成でもよい。一方、ロッドレンズアレイを支持できる構成であれば、固定搬送部材、可動搬送部材の何れか一方または両方を1本にしてもよい。
【0056】
また、上記実施形態では、可動搬送部材64の上方側の2つの凹部64a−8、64a−9の上方側に突起部78が設けられているが、可動搬送部材64の全ての凹部64aに、あるいは、固定搬送部材62の凹部62aに、同様の突起部を設けた構成でも良い。
【0057】
また、上記実施形態では、搬送装置は、ロッドレンズアレイ検査装置の一部としてロッドレンズアレイを搬送するために使用されていたが、他の用途あるいは他の棒状部材の搬送装置として使用してもよい。
【符号の説明】
【0058】
1:ロッドレンズアレイ
10:ロッドレンズアレイ検査装置
12:光源部
14:検出部
16:光源
20:測定用パターン
32:アクチュエータ
36:ガイドレール
38:載置台
42:吸引孔
60:搬送装置
62:固定搬送部材
62a:(固定搬送部材の)凹部
64:可動搬送部材
64a:(可動搬送部材の)凹部
66:連結板
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロッドレンズアレイ搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
2枚の基板間に多数の円柱状のロッドレンズを一列に配列して一体化させ棒状部材としたロッドレンズアレイが、複写機、ファクシミリ、スキャナ、ハンドスキャナ等で使用されるイメージセンサ用の光学部品として、あるいは、光源にLED(発光ダイオード)を用いたLEDプリンタ、液晶素子を用いた液晶プリンタ、EL素子を用いたELプリンタのような装置における書き込みデバイスとして用いられている。
【0003】
このようなロッドレンズアレイは、出荷前に種々の検査を受けるが、その一つに、モデュレーション・トランスファー・ファンクション(Modulation Transfer Function : MTF)測定がある。
【0004】
このMTF測定では、ロッドレンズアレイをMTF測定用パターンを備えた光源とラインセンサを備えた検出手段との間の測定領域で移動させて、光源からの検査光をロッドレンズアレイの一端面から入射させ、ロッドレンズアレイの他端面から出射した光がラインセンサ等を備えた検出装置で検出されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平4−128627号公報
【0006】
ロッドレンズアレイは、近年では、高解像度が要求される分野でも使用されているため、ロッドレンズアレイのMTF測定を、ロッドレンズアレイの長手方向である主走査方向と、幅方向である副走査方向の両者で行うことが必要とされてきている。
【0007】
さらに、このMTF測定では、ロッドレンズアレイをロッドレンズの端面が光源を向く方向に配置する必要がある。また、ロッドレンズアレイは、製造過程において研磨装置でレンズの端面を研磨されるが、このような作業においても、ロッドレンズアレイを所定方向に向けた状態で、研磨装置等の装置に配置する必要がある。さらにまた、ロッドレンズアレイ以外の棒状部材に対しても、同様の要請がある。
【0008】
しかしながら、従来は、ロッドレンズアレイ等の棒状部材を所定方向に向ける(配向する)際には、作業者が手でロッドレンズアレイ等の棒状部材を所定方向に並べていたため、効率が悪く、生産コスト等が上昇する等の問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、簡単な構成で、ロッドレンズアレイ等の棒状部材を搬送しながら一定向きにする(配向させる)ことができる棒状部材の搬送機構を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、棒状部材を整列させながら搬送する搬送装置であって、前記棒状部材を収容可能な凹部が一定間隔で形成され該凹部が上方に向けられた傾斜状態で前記棒状部材の長さより短い間隔で互いに平行に配置されている一対の固定搬送部材と、前記棒状部材を収容可能な凹部が前記一定間隔で形成され該凹部が上方に向けられ前記固定搬送部材と並列して前記棒状部材の長さより短い間隔で互いに平行に配置され前記固定搬送部材に対して回転運動を行う一対の可動搬送部材と、前記可動搬送部材の一つの凹部が前記固定搬送部材の一つの凹部と整列する第1位置と、前記可動搬送部材の前記一つの凹部が前記固定搬送部材の前記一つの凹部の上方の凹部と整列する第2位置とを通る軌道に沿って、前記可動搬送部材を前記固定搬送部材に対して、前記第1位置から前記第2位置に回転駆動させる駆動機構と、を備えていることを特徴とする搬送装置が提供される。
【0011】
このような構成によれば、可動搬送部材が第1位置から第2位置に移行するとき、一対の固定搬送部材の凹部間に掛け渡されている棒状部材が、固定搬送部材の上側の凹部に移される。このとき棒状部材は、一定方向に配列された状態で搬送されるので、自動的に長手方向に整列する。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、本発明によれば、簡単な構成で、ロッドレンズアレイ等の棒状部材を所定方向に整列させながら搬送することができる棒状部材の搬送機構が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】MTFが測定されるロッドレンズアレイ1の概略的な斜視図である。
【図2】ロッドレンズアレイ検査装置の一部分の構成を示す模式的な斜視図である。
【図3】ロッドレンズアレイの主走査方向のMTF測定を行っている状態を示す模式的な斜視図である。
【図4】ロッドレンズアレイの副走査方向のMTF測定を行っている状態を示す模式的な斜視図である。
【図5】ロッドレンズアレイ検査装置の位置決め機構の構成および動作を模式的に示す概略的な正面図。
【図6】ロッドレンズアレイ検査装置の位置決め機構の構成および動作を模式的に示す概略的な正面図。
【図7】ロッドレンズアレイ検査装置の位置決め機構の構成および動作を模式的に示す概略的な正面図。
【図8】ロッドレンズアレイ検査装置の位置決め機構の構成および動作を模式的に示す概略的な正面図。
【図9】本発明の好ましい実施形態の搬送装置の主要な構成部材を示す概略的な斜視図である。
【図10】固定搬送部材、可動搬送部材、ロッドレンズアレイの寸法等の相対関係を説明するための図面である。
【図11】固定搬送部材、可動搬送部材、ロッドレンズアレイの寸法等の相対関係を説明するための図面である。
【図12】可動搬送部材の相対運動によるロッドレンズアレイの搬送状態を説明するための図面である。
【図13】可動搬送部材の相対運動によるロッドレンズアレイの搬送状態を説明するための図面である。
【図14】可動搬送部材の相対運動によるロッドレンズアレイの搬送状態を説明するための図面である。
【図15】可動搬送部材の相対運動によるロッドレンズアレイの搬送状態を説明するための図面である。
【図16】可動搬送部材の相対運動によるロッドレンズアレイの搬送状態を説明するための図面である。
【図17】可動搬送部材の相対運動によるロッドレンズアレイの搬送状態を説明するための図面である。
【図18】可動搬送部材の相対運動によるロッドレンズアレイの搬送状態を説明するための図面である。
【図19】突起部の機能を説明するための可動搬送部材の一部分を示す側面図である。
【図20】面取り部の構成を説明するための固定搬送部材の一部分を示す側面図である。
【図21】本発明の実施形態の搬送装置を利用したロッドレンズアレイ整列装置の要部を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
ロッドレンズアレイ検査装置を図面に沿って詳細に説明する。まず、ロッドレンズアレイ検査装置で光学性能が検査されるロッドレンズアレイ1の構成を説明する。図1は、ロッドレンズアレイ1の概略的な斜視図である。
【0015】
図1に示されているように、ロッドレンズアレイ1は、第1および第2基板2、4と、その間に一列に配置された多数のロッドレンズ6とを備えている。ロッドレンズ6は、屈折率分布型のプラスチック製またはガラス製の円柱状レンズである。第1および第2の基板2、4と各ロッドレンズ6との間の空間には、接着剤8が充填され、各ロッドレンズ6が第1および第2基板2、4間で固定されている。
【0016】
ロッドレンズアレイ検査装置は、このような構成のロッドレンズアレイを移動させ、各ロッドレンズ6の一端面から検査光を入射させ、他端面から露出した光を検出装置で検出することにより、ロッドレンズアレイ1全体のMTFを測定する。MTF測定は、MTF測定用パターンを通した検査光をロッドレンズに入射させ、出射光をMTF測定用パターンの配列方向に素子が並ぶラインセンサで受光することによって行われる。
【0017】
以下、装置の構成を詳細に説明する。図2は、ロッドレンズアレイ検査装置10のロッドレンズアレイに検査光を照射する部分の構成を示す模式的な斜視図である。
図2に示されているように、ロッドレンズアレイ検査装置10は、光源部12と、検出部14とを備えている。
【0018】
光源部12は、後端に配置されたランプ等の光源16と、中間部に配置された拡散板、干渉フィルタ等を含む光学系18と、先端に配置されたMTF測定用パターン20とを含み、光源16からの光が光学系18、測定用パターン20を通り、検査光Lとして出射するように構成されている。また、光源部12は、駆動ベルト22を介してアクチュエータ24に連結され、測定用パターン20の格子が上下方向に延びる第1位置(図2、図3)と測定用パターン20の格子が水平方向に延びる第2位置(図4)との間で、矢印Aで示すように、検査光Lの光軸を中心に、90°回転駆動されるように構成されている。
【0019】
検出部14は、前方に配置された光学系26と、後方に配置されたラインセンサ28とを含み、光学系26に入射した光がラインセンサ28に導かれるように構成されている。
また、検出部14は、光源部12と同様に、駆動ベルト30を介してアクチュエータ32に連結され、ラインセンサ28の素子が水平方向に配列される第1位置(図3)とラインセンサ28の素子が垂直方向に配列される第2位置(図4)との間で、検査光Lの光軸を中心に、矢印Bで示すように、90°回転駆動されるように構成されている。このとき、前方に配置された光学系26と後方のラインセンサは双方とも回転する必要は無く、ラインセンサのみ回転する構成でもよい。
【0020】
光源部12のMTF測定用パターン20と検出部14の光学系26は、光源部12からの検査光Lが検出部14に入射するように、対向して配置されている。光源部12のMTF測定用パターン20と検出部14の光学系26の間が、測定領域となる。また、ラインセンサ28の出力信号は、図示しない計測装置に送られ、この出力信号に基づいて、公知の方法でロッドレンズアレイ1のMTFが算出される。
【0021】
光源部12と検出部14との間の下方位置には、検査光Lの光路と直交する方向に延びるリニアレールであるガイドレール36が配置されている。このガイドレール36に沿って、光学性能が測定されるロッドレンズアレイ1を載置した載置台38が、矢印C、Dで示すように、往復動するように構成されている。載置台38は、ガイドレール36上に固定され、サーボモータおよびタイミングベルトで駆動される。
【0022】
載置台38の頂部は、ロッドレンズアレイ1を載置される平坦な載置面40が形成されている。載置面40は、細長い形状を有し、検査光Lの光軸と直交する方向に延びるようように配置されている。この載置面40には、真空吸引手段(図示せず)に連結された吸引孔42が形成され、真空吸引手段の作動により、載置されたロッドレンズアレイ1が載置面40に吸着される。吸引孔42は、載置台38内部に形成された通路と可撓性チューブ(図示せず)等を介して、真空ポンプ等の真空吸引手段に接続されている。この真空吸引手段は、検査装置10の作動中は常時、吸引を行う。載置台38に載置されたロッドレンズアレイ1は、載置台38の往復動によって、光源部12、検出部14の測定領域を検査光Lの光軸と直交する方向に往復動させられる。
【0023】
このように構成されたロッドレンズアレイ検査装置10では、ロッドレンズアレイ1は、図3、図4に示されているように、露出しているロッドレンズ6の両端面が、光源部12と検出部14のそれぞれに対向するように、載置台38の載置面40の所定位置に配置される。このときロッドレンズアレイ1は、吸引孔42からの吸引により、載置面40に吸着され固定される。光源部12、検出部14を、第1位置(図3)に配置した状態で、ロッドレンズアレイ1を載置した載置台38を、図3に示されている初期位置から、図4に示されている終了位置に矢印C方向に移動させ、ロッドレンズアレイ1の全てのロッドレンズ6に検査光Lを透過させて、ロッドレンズアレイ1の主走査方向のMTFを測定する。
【0024】
次いで、アクチュエータ24、32を作動させて、光源部12と検出部14を検査光Lの光軸を中心に90°回転させて、これらを第2位置に配置する。次いで、ロッドレンズアレイ1を載置した載置台38を、図4に示されている終端位置から図3に示されている初期位置に、矢印D方向に移動させ、ロッドレンズアレイ1の全てのロッドレンズ6に検査光Lを透過させて、ロッドレンズアレイ1の副走査方向のMTFを測定してロッドレンズアレイ1のMTF測定を終了する。
【0025】
次に、載置台38へのロッドレンズアレイ1の位置決め機構の説明をする。ロッドレンズアレイ検査装置10は、図5に示されているように、載置台38に隣接して設けられたテーブル状のステージ44を備えている。ステージ44の頂面46は、載置台38の載置面40と同一の高さ位置に配置されている。ステージ44の後方には、ステージ44上に配置されたロッドレンズアレイ1を押して、載置台38の所定位置に配置する押出し機構48が設けられている。押出し機構48は、ステージ44上に配置されたロッドレンズアレイ1を載置台38上の所定位置まで押すプッシャ50と、プッシャ50を作動させるリニアシリンダ52とを備えている。プッシャ50は、ステージ44上に配置された未検査のロッドレンズアレイ1を押出すことできるようにステージ44上まで後退した後退位置(図5)と、先端が載置台38付近まで延びて押している未検査のロッドレンズアレイ1を載置台38上の所定位置に配置する前進位置(図6)との間を、リニアーシリンダやエアーシリンダ等の駆動装置52によって移動できるように構成されている。
【0026】
押出し機構48は、さらに、駆動装置52に連結されたショックアブソーバ等の緩衝装置54とを備えている。緩衝装置54は、駆動装置52によってプッシャ50がロッドレンズアレイ1を載置面40上の所定位置の近傍まで押し出したとき、検査装置10の係止部56に当接して、駆動装置52の動きを緩め、駆動装置52が前進位置で停止する際のブレを防止するように構成されている。
【0027】
このような構成を備える位置決め機構は、図5に示されているように、ステージ44上に配置された未検査のロッドレンズアレイ1を、プッシャ50を後退位置から前進位置に矢印Eで示す方向に移動させることにより、初期位置に配置されている載置台38に向かって押出していく。プッシャ50が前進位置で停止したとき、プッシャ50で押された未検査のロッドレンズアレイ1は載置台38上の所定位置に配置され、吸引孔から吸引で載置面40に吸着される(図6)。プッシャ50が前進位置に達する前に、緩衝装置54が装置の係止部56に当接するので、ロッドレンズアレイ1が載置台38の所定位置に配置されるときには、駆動装置52およびプッシャ50の動きが緩やかになり、また、停止時に生じるブレ等も防止される。
ロッドレンズアレイ1を所定位置に配置すると、プッシャ50は、後退位置に戻される。
【0028】
所定位置に配置されたロッドレンズアレイ1には、上述した方法でMTF測定が行われる。ロッドレンズアレイ1が、光源部12と検出部14の間の経路を往復してMTF検査が行われている間に、次にMTF検査を行うロッドレンズアレイ1’がパーツフィーダー、ベルトコンベア等(図示せず)を利用してプッシャーと載置台の間のステージ44にセットされる。
【0029】
図7に示されているように、検査済みのロッドレンズアレイ1を載置した載置台38が初期位置に戻り停止すると、駆動装置52を作動させ、プッシャ50で未検査のロッドレンズアレイ1’を載置台38方向に押出していく。プッシャ50が前進位置に達すると、載置台38上の検査済みのロッドレンズアレイ1は、未検査のロッドレンズアレイ1’によって載置面40から押し出され、反対側に配置されている容器58内に落とされる(図8)。容器58内のMTF測定済みのロッドレンズアレイ1は、測定されたMTFの値に基づいて合否判定され、分類される。以上の動作が繰り返えされることにより、ロッドレンズアレイ1のMTF測定が連続的に行われる。
【0030】
次に、ロッドレンズアレイ1を所定方向に整列させながらロッドレンズアレイを搬送する、本発明の実施形態の搬送装置60の構成を説明する。
上述したように、MTF検査を受けるロッドレンズアレイ1は、パーツフィーダー、ベルトコンベア等(図示せず)でプッシャーと載置台の間のステージ44にセットされる。
このとき、ロッドレンズ6が光源を向く方向にロッドレンズアレイ1を配置する必要がある。
搬送装置60は、パーツフィーダー、ベルトコンベア等の供給装置の上流に配置され、ランダムな配向で配置されているロッドレンズアレイ1を搬送しながら一定方向に向けて整列させる装置である。
【0031】
図9は、搬送装置60の主要な構成部材を示す概略的な斜視図である。搬送装置60は、左右一対の固定搬送部材62を備えている。固定搬送部材62は、断面矩形状の棒状部材であり、その上面にロッドレンズアレイ1を収容可能な複数の凹部(切欠き部)62aが、一定間隔で形成されている。凹部62aは、矩形の断面形状を有している。
【0032】
ロッドレンズアレイ1は、厚さT、長さZ(Z>T)の長方形の断面形状を有している(図10)。凹部62aの幅(固定搬送部材62の長手方向に沿った長さ)Wは、ロッドレンズアレイ1の長さZより大きく設定され、凹部の深さdは、ロッドレンズアレイ1の高さTより小さく設定されている。
【0033】
固定搬送部材62は、図9に示されているように、凹部62aを上方に向けて傾斜状態で互いに平行な状態で搬送装置60の図示しない架台に取付けられている。また、一対の固定搬送部材62、62の間隔は、ロッドレンズアレイ1の長さより短く設定されている。
【0034】
搬送装置60は、また、左右一対の可動搬送部材64を備えている。可動搬送部材64は、固定搬送部材62と同様の断面矩形状の棒状部材であり、固定搬送部材62と同様に、その上面にロッドレンズアレイ1を収容可能な複数の凹部(切欠き部)64aが、凹部62aと同一の間隔で形成されている。凹部64aは、固定搬送部材62の凹部62aと同一の断面形状を有している。可動搬送部材64も、図9に示されているように、凹部64aが上方に向けて傾斜状態で互いに平行な状態で搬送装置60の図示しない架台に取付けられている。
【0035】
また、一対の可動搬送部材64、64の間隔は、一対の固定搬送部材62、62の間隔より広く、ロッドレンズアレイ1の長さより短く設定されている。可動搬送部材64は、下方端で鉛直方向に延びる連結板66によって連結されている。連結板66と、可動搬送部材64の下方側端部とに囲まれた領域が、搬送するロッドレンズアレイ1がランダムに投入される投入部となる。連結板66には、固定搬送部材62との干渉を回避するための切り込み64aが形成されている。
【0036】
本実施形態では、固定搬送部材62および可動搬送部材64の傾き(θ)、凹部62a、64aの寸法(深さd)は、図10に示されているように、ロッドレンズアレイ1が不適正な方向(縦方向)で凹部62aまたは64aに収容されたときには、ロッドレンズアレイ1の重心Gの鉛直方向下方に固定搬送部材62または可動搬送部材64の凹部62a、64aとの接触点が存在しないよう、また、図11に示されているように、ロッドレンズアレイ1が適正な方向(横方向)で凹部62aまたは64aに収容されたときには、ロッドレンズアレイ1の重心Gの鉛直方向下方に固定搬送部材62および可動搬送部材64の凹部62a、64aとの接触点が存在するように設定されている。この結果、本実施形態では、凹部に縦方向に配置されたロッドレンズアレイ1は落下することになる。
【0037】
可動搬送部材64は、可動搬送部材64が延びる平面内で円運動等の回転運動をするように構成されている。従って、円運動を行う場合には、可動搬送部材64は、図9に矢印Fで示されるように、固定搬送部材62に対して、円軌道に沿った回転運動をする。この軌道は、可動搬送部材64の一つの凹部64a−1が固定搬送部材62の一つの凹部62a−1と整列する第1の並列位置と、可動搬送部材64の前記一つの凹部64a−1が固定搬送部材の凹部62a−1の上方側の2番面の凹部62a−2と整列する第2の整列位置を通る。
【0038】
本実施形態では、可動搬送部材64の回転は、図12に矢印Fで示される回転運動であり、第1の並列位置Xは、円軌道の最上部より前に、第2の並列位置Yは円軌道の最上部より後に位置する(図12)。即ち、第1の並列位置Xは、可動搬送部材64が固定搬送部材62に対して上昇していく過程に位置し、第2の並列位置Yは、可動搬送部材64が固定搬送部材62に対して下降していく過程に位置している。尚、第1の並列位置Xと第2の並列位置Yの距離(P)は、固定搬送部材62および可動搬送部材64の凹部62a、64aのピッチに等しい。
【0039】
図13は、可動搬送部材64を円運動させるための機構を概略的に示す図面である。図13に示されているように、可動搬送部材64は、回転駆動する駆動軸68に取付けられた偏心カム70を備えている。この駆動軸68の回転運動が、偏心カム70に回転運動として伝えられ、可動搬送部材64全体が矢印Hで示されるように、円運動させられる。
【0040】
さらに、可動搬送部材64は、その上方端部から垂直方向下方に延びる垂直リニアレール72を備えている。垂直リニアレール72には、L字型のガイド74を介して、水平方向に延びる水平リニアレール76に連結されている。これらリニアレール72、76の作用により、可動搬送部材64は、傾斜角を維持しながら、円軌道に沿って回転運動することになる。
【0041】
次に、搬送装置60がロッドレンズアレイ1を整列状態で搬送する動作の一例を説明する。本実施形態の搬送装置60は、第1の並列位置(図15、図18)で、可動搬送部材64の最も下側の凹部64a−1が、固定搬送部材62の最も下側の凹部62a−1と並列状態となり、第2の並列位置(図17)で、可動搬送部材64の最も下の凹部64a−1が、固定搬送部材62の下から2番目の凹部62a−2と並列状態となるように構成されている。
【0042】
搬送するロッドレンズアレイ1は、連結板66と可動搬送部材64の下方側端部とに囲まれた投入部に投入される。このときロッドレンズアレイ1は、軸線が固定搬送部材62等にほぼ直交する方向になるように投入されるが、軸線を中心とした向きはランダムである。
【0043】
投入時に、あるいは、その後の可動搬送部材64の回転運動等により、図14に示されているように、左右の固定搬送部材62の一番下の凹部62a−1間に掛け渡された状態となったロッドレンズアレイ1は、可動搬送部材64が第1の並列位置に配置され、固定搬送部材62の一番下の凹部62a−1と可動搬送部材64の一番下の凹部64a−1が並列すると、可動搬送部材64の一番下の凹部64a−1間にも掛け渡されることになる(図15)。可動搬送部材64が、第1の並列位置(図12のX)から円軌道に沿って固定搬送部材62に対して斜め上方に移動していくと、ロッドレンズアレイ1は、固定搬送部材62の一番下の凹部62a−1から持ち上げられ、可動搬送部材64の一番下の凹部64a−1のみで支持される(図16)。
【0044】
次いで、可動搬送部材64が、円軌道に沿って固定搬送部材62に対して斜め下方に下降し、第2の並列位置(図12のY)に達すると、可動搬送部材64の一番下の凹部64a−1が固定搬送部材62の下から2番目の凹部62a−2と並列状態となり、可動搬送部材64の一番下の凹部64a−1間のみに掛け渡されていたロッドレンズアレイ1は、固定搬送部材62の下から2番目の凹部62a−2にも掛け渡される(図17)。
【0045】
可動搬送部材64が、図17に示す第2の並列位置(図12のY)から、円軌道に沿って固定搬送部材62に対して斜め下方に下降すると、可動搬送部材64の一番下の凹部64a−1と固定搬送部材62の下から2番目の凹部62a−2とに掛け渡されていたロッドレンズアレイ1は、固定搬送部材62の下から2番目の凹部62a−2のみで支持されることになる(図18)。即ち、ロッドレンズアレイ1は、可動搬送部材64の回転運動により、固定搬送部材62の一番下の凹部62a−1から2番目の凹部62a−2に平行(一定方向で整列して)移動したことになる。以下、同様にして、ロッドレンズアレイ1は、固定搬送部材62の最上部の凹部62a−10まで、搬送される。
【0046】
図19に示されているように、可動搬送部材64の上から2番目および3番目の凹部64a−8、64a−9の上方側には、可動搬送部材64の長手方向に対して略垂直方向上方に向かって延びる突起部78が設けられている。詳細には、可動搬送部材64の一番上の凹部64a−10と上から2番目の凹部64a−9との間、および、上から2番目の凹部64a−9と3番目の64a−8との間に、上方に向かって延びる半円形の板状の突起部78が設けられている。
【0047】
このような構成によれば、図19に示されているように、何らかの理由で、一つの凹部64a−8に同時に複数本のロッドレンズアレイ1、1’が配置されても、突起部78により、上側のロッドレンズアレイ1’が不安定と配置となり、矢印Jで示す方向に転がり落ちる。従って、上方側に突起部が形成されていない凹部64a−7を例に示されているように、複数本のロッドレンズアレイ1、1が一つの凹部64a−7に収容されることが防止される。このような突起部78は、固定搬送部材62に設けてもよく、可動搬送部材64と固定搬送部材62の双方に設けてもよい。
【0048】
さらに、図20に示されているように、固定搬送部材62の各凹部62aの上方側の上端縁を面取りして面取り部62bとしてもよい。さらに、必要に応じて、固定搬送部材62の各凹部62aの下方側の上端縁、可動搬送部材64の上方側または下方側の上端縁に面取り部を設けても良い。こうのよな構成とすることにより、棒状部材の可動搬送部材から固定搬送部材への移行が円滑に行われるとともに、棒状部材が固定搬送部材の凹部に確実に収容される。
【0049】
図21は、上記実施形態の搬送装置60を利用したロッドレンズアレイ整列装置の要部を示す図面である。図21に示されているように、搬送装置60の可動搬送部材64の上方側には、一対のガイド部材80、82が配置されている。ガイド部材80、82は、搬送装置60の最上部まで搬送されたロッドレンズアレイ1を、搬送装置60の最上部の下方に配置された整列台84上に案内する機能を有する。
【0050】
詳細には、図21に示されているように、ガイド部材80、82の間に、ロッドレンズアレイ1の厚さTより若干広い上下方向の通路86が形成されている。搬送装置60の最上部まで搬送されたロッドレンズアレイ1は、ガイド部材80の最上部で、ロッドレンズアレイ1の断面の長さZの長辺が上下方向に延びる向きにされ、通路86内を整列台84に向けて案内される。
【0051】
この搬送装置60では、可動搬送部材64は、プッシャ88を備えている。このプッシャ88は、可動搬送部材64の裏側に取付けられ、可動搬送部材64が、第2の並列位置側に移動したとき、整列台84上に配置されているロッドレンズアレイ1を所定ストロークTだけ、前方に押し出すように構成されている。このようなプッシャ88により、図21に示されているように、ガイド部材によって整列台84に案内されたロッドレンズアレイ1を、一定方向に配向した状態で整列させ、順送りすることができる。
【0052】
このように一定方向に向けられて整列させられたロッドレンズアレイ1は、パーツフィーダー、ベルトコンベア等でプッシャーと載置台の間のステージ44にセットされる。
搬送装置60によって一定の向きで整列させられたロッドレンズアレイの整列方向が、ロッドレンズアレイ検査装置で必要とされている向きと異なっているときには、パーツフィーダー、ベルトコンベア等あるいは他の手段によって、ロッドレンズアレイをロッドレンズアレイ検査装置で必要とされている向きとする。
【0053】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された事項の範囲内で種々の変更・変形が可能である。
【0054】
上記実施形態の検査装置は、他の構造を有するロッドレンズアレイの検査にも使用可能である。
【0055】
上記実施形態では、搬送装置60は、一対の可動搬送部材の内側に一つの固定搬送部材が配置される構成であったが、本発明では、これらを異なった位置関係で配置してもよい。また、固定搬送部材、または、可動搬送部材を3本以上設けた構成でもよい。一方、ロッドレンズアレイを支持できる構成であれば、固定搬送部材、可動搬送部材の何れか一方または両方を1本にしてもよい。
【0056】
また、上記実施形態では、可動搬送部材64の上方側の2つの凹部64a−8、64a−9の上方側に突起部78が設けられているが、可動搬送部材64の全ての凹部64aに、あるいは、固定搬送部材62の凹部62aに、同様の突起部を設けた構成でも良い。
【0057】
また、上記実施形態では、搬送装置は、ロッドレンズアレイ検査装置の一部としてロッドレンズアレイを搬送するために使用されていたが、他の用途あるいは他の棒状部材の搬送装置として使用してもよい。
【符号の説明】
【0058】
1:ロッドレンズアレイ
10:ロッドレンズアレイ検査装置
12:光源部
14:検出部
16:光源
20:測定用パターン
32:アクチュエータ
36:ガイドレール
38:載置台
42:吸引孔
60:搬送装置
62:固定搬送部材
62a:(固定搬送部材の)凹部
64:可動搬送部材
64a:(可動搬送部材の)凹部
66:連結板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒状部材を整列させながら搬送する搬送装置であって、
前記棒状部材を収容可能な凹部が一定間隔で形成され該凹部が上方に向けられた傾斜状態で前記棒状部材の長さより短い間隔で互いに平行に配置されている一対の固定搬送部材と、
前記棒状部材を収容可能な凹部が前記一定間隔で形成され該凹部が上方に向けられ前記固定搬送部材と並列して前記棒状部材の長さより短い間隔で互いに平行に配置され前記固定搬送部材に対して回転運動を行う一対の可動搬送部材と、
前記可動搬送部材の一つの凹部が前記固定搬送部材の一つの凹部と整列する第1位置と、
前記可動搬送部材の前記一つの凹部が前記固定搬送部材の前記一つの凹部の上方の凹部と整列する第2位置とを通る軌道に沿って、前記可動搬送部材を前記固定搬送部材に対して、前記第1位置から前記第2位置に回転駆動させる駆動機構と、を備えている、
ことを特徴とする搬送装置。
【請求項1】
棒状部材を整列させながら搬送する搬送装置であって、
前記棒状部材を収容可能な凹部が一定間隔で形成され該凹部が上方に向けられた傾斜状態で前記棒状部材の長さより短い間隔で互いに平行に配置されている一対の固定搬送部材と、
前記棒状部材を収容可能な凹部が前記一定間隔で形成され該凹部が上方に向けられ前記固定搬送部材と並列して前記棒状部材の長さより短い間隔で互いに平行に配置され前記固定搬送部材に対して回転運動を行う一対の可動搬送部材と、
前記可動搬送部材の一つの凹部が前記固定搬送部材の一つの凹部と整列する第1位置と、
前記可動搬送部材の前記一つの凹部が前記固定搬送部材の前記一つの凹部の上方の凹部と整列する第2位置とを通る軌道に沿って、前記可動搬送部材を前記固定搬送部材に対して、前記第1位置から前記第2位置に回転駆動させる駆動機構と、を備えている、
ことを特徴とする搬送装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2009−137767(P2009−137767A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−19768(P2009−19768)
【出願日】平成21年1月30日(2009.1.30)
【分割の表示】特願2003−411886(P2003−411886)の分割
【原出願日】平成15年12月10日(2003.12.10)
【出願人】(000006035)三菱レイヨン株式会社 (2,875)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月30日(2009.1.30)
【分割の表示】特願2003−411886(P2003−411886)の分割
【原出願日】平成15年12月10日(2003.12.10)
【出願人】(000006035)三菱レイヨン株式会社 (2,875)
【Fターム(参考)】
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