説明

ロボットによるサービス提供システム、ロボット管理装置及びロボット管理方法

【課題】人間のように柔軟性の高い知識構造を実現可能とする。
【解決手段】ロボット3によるサービス提供システム1は、それぞれ異なる性質の情報元から得られる情報に基づいて各レイヤーが生成され、かつ、各レイヤーにおいて、所定の観点から要素間の関係性が構築されている複数のレイヤーであって、当該複数のレイヤーを備える知識NW11と、ユーザからの要求タスクに含まれる情報に基づいて、知識NW11が備えるレイヤーから前記情報に関連する要素を抽出し、その抽出した要素と前記情報との関係性を記述することで、要求タスクに応じたタスクベースオントロジーを生成するオントロジー生成部12と、生成したタスクベースオントロジーを用いて、ロボット3の動作を制御するロボット動作制御部13と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボットによるサービス提供システム、ロボット管理装置及びロボット管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
適切な情報やサービスを機械自身によって提供させるため、その実現に必要な情報(知識)を収集してデータベースに蓄積し、蓄積した知識を機械自身に利用させることが行われている。
【0003】
近年では、サービスをロボットによって提供させるために、オントロジーを利用する技術が提案されている(例えば非特許文献1)。非特許文献1で開示されるオントロジーは、物体と、その物体に関連する動作と、その動作に関連する道具と、の関係性を記述するものである。この関係性は、データベースに知識として蓄積されている。
【0004】
また、本発明に関連する他の技術として、例えば特許文献1及び特許文献2には、指定タスクやそれに関連するタスクについて、データベースから情報を検索する技術が開示さている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−086521号公報
【特許文献2】特開2003−005786号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】鵜飼研,安藤吉伸,中村幸博,武藤信洋,水川真,"ユビキタス空間におけるRTオントロジーを利用したRTサービスに関する研究",No.06-4 ロボティクス・メカトロニクス講演会'05講演論文集,pp.2A1,(2009)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
人間は、柔軟性(Flexibility)が高い知識構造を備えている。例えば、人間は、一度得た知識を様々な場面に繰り返し応用して使うことができ、また、その知識の幅を広げて推測することができる。しかしながら、従来技術によるアプローチでは、人間が持つこのような高い柔軟性を、機械自身により実現させることは非常に困難であった。
【0008】
例えば非特許文献1によるアプローチでは、機械が既に獲得している知識を別のタスクに対しても応用可能とするためには、そのタスクに応じた適切な知識構造を定めた上で、その知識構造に対して、必要な情報を追加する必要がある。
【0009】
このため、例えば単純な1つのタスクを新たに定める場合においても、そのタスクを実現するためには必要な情報を追加して集めることになる。従って、例えば、その必要な情報が紙媒体上に文章として表現されている場合には、人間が手作業でその情報をデータベースに入力する必要がある。
【0010】
また、従来技術では、機械によって提供させたいサービスの内容(例えば、文献情報検索、言語認識、機械翻訳など)をユーザが予め決定し、その上で、決定したサービス内容に最も適した一つの情報元を選択する必要がある。このため、ユーザは、サービス内容に応じて最適な知識構造を考える必要がある。さらには、機械が備える知識を特定の一つの情報元から得ることになるため、その情報元が有する知識の偏りまでも、データベースにそのまま引き継いでしまう。
【0011】
例えば、新聞記事やニュースなどを情報元として知識を得て、その知識を用いてニュースなどの音声認識を行う場合には非常に高い性能を得ることができるものの、一般会話に用いる場合には極端に低い性能しか得ることができない。
【0012】
人間とコミュニケーションするロボットや、多様なユーザから多様なタスク実行を期待されるシステムでは、特定のサービス内容に特化されず、多種多様なサービスを提供可能とすることで、サービス品質の向上やサービス幅の拡大を図ることができる。
【0013】
しかし、従来技術では、特定のサービス内容を目的としてそのサービス内容に適した知識のみを蓄積するものであり、例えば、機械翻訳を目的として知識を収集・蓄積した場合に、この蓄積した知識を情報検索のために活用するなどということは考慮されていなかった。なお、多くのサービスに対応可能とするために、想定される全てのサービス内容について知識を収集及び蓄積する手法も考えられるが、そのような手法では、ユーザにとっての負担が過大なものになる。
【0014】
このように、従来技術では、各サービス内容に応じてそれぞれ知識を収集・蓄積する必要があることに加えて、この蓄積した知識を用いたロボットは非常に理解力が無いものであった。すなわち、知識構造の柔軟性が低いために閉じられた知識でしかサービスを提供できず、指示された特定の1つのタスクのみしか実行できない、小さなエラーに対しても対応できないなど、ユーザビリティーが低いものであった。
【0015】
従って、本発明は、上述した課題を解決して、人間のように柔軟性の高い知識構造を実現可能とするロボットによるサービス提供システム、ロボット管理装置及びロボット管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明に係る第一の態様のロボットによるサービス提供システムは、それぞれ異なる性質の情報元から得られる情報に基づいて各レイヤーが生成され、かつ、各レイヤーにおいて、所定の観点から要素間の関係性が構築されている複数のレイヤーであって、当該複数のレイヤーを備える知識ネットワークと、ユーザからの要求タスクに含まれる情報に基づいて、前記知識ネットワークが備えるレイヤーから前記情報に関連する要素を抽出し、当該抽出した要素と前記情報との関係性を記述することで、前記要求タスクに応じたタスクベースオントロジーを生成するオントロジー生成手段と、前記生成したタスクベースオントロジーを用いて、ロボットの動作を制御するロボット動作制御手段と、を備えるものである。
【0017】
これにより、人間のように柔軟性の高い知識構造を実現可能とし、ロボットにより提供するサービス品質の向上やサービス幅の拡大を図ることができる。
【0018】
また、前記要求タスクに応じて、前記複数のレイヤーのそれぞれに重みを設定するレイヤー重み設定手段を更に備え、前記オントロジー生成手段は、前記タスクベースオントロジーにおける要素間の関係性を記述する際に、前記レイヤーに設定された重みに応じて、要素間の関係度合いを変化させるようにしてもよい。これにより、サービス品質の向上やサービス幅の拡大を図ることができる。
【0019】
さらにまた、前記レイヤー重み設定手段は、前記要求タスクの種類に適応したレイヤーに対して相対的に大きな重みを設定するようにしてもよい。
【0020】
また、前記レイヤーについての所定の観点は、前記情報元における要素同士の出現頻度、要素同士の物理的距離、要素同士の意味的類似性の少なくとも1つを含むと好適である。
【0021】
さらにまた、前記レイヤーを生成するための情報元は、書籍、ConceptNet、インターネット上の情報検索器によるコーパスの少なくとも1つを含むと好適である。
【0022】
また、前記レイヤーを生成するための情報元は、ユーザ入力に基づくユーザ指向情報を更に含むと好適である。
【0023】
さらにまた、前記タスクベースオントロジーにおける要素間の関係性は、物体と、当該物体に関連する動作と、当該動作に関連する物体と、の意味的な関係性を記述するものであると好適である。
【0024】
また、前記要求タスクは、コマンド的な動作タスク、ユーザとの会話タスク、ユーザへの情報提供タスク、物体認識タスク、音声認識タスク、言語認識タスク、機械翻訳タスク、情報探索タスクの少なくとも1つを含むと好適である。
【0025】
本発明に係る第二の態様のロボット管理装置は、タスクベースオントロジーを用いて、ロボットの動作を制御するロボット管理装置であって、それぞれ異なる性質の情報元から得られる情報に基づいて各レイヤーが生成され、かつ、各レイヤーにおいて、所定の観点から要素間の関係性が構築されている複数のレイヤーであって、当該複数のレイヤーを備える知識ネットワークを記憶する記憶部と、ユーザからの要求タスクに含まれる情報に基づいて、前記知識ネットワークが備えるレイヤーから前記情報に関連する要素を抽出し、当該抽出した要素と前記情報との関係性を記述することで、前記要求タスクに応じた前記タスクベースオントロジーを生成するオントロジー生成部と、を備えるものである。
【0026】
これにより、人間のように柔軟性の高い知識構造を実現可能とし、ロボットにより提供するサービス品質の向上やサービス幅の拡大を図ることができる。
【0027】
本発明に係る第三の態様のロボット管理方法は、それぞれ異なる性質の情報元から得られる情報に基づいて各レイヤーが生成され、かつ、各レイヤーにおいて、所定の観点から要素間の関係性が構築されている複数のレイヤーであって、当該複数のレイヤーを備える知識ネットワークが記憶手段に記憶されており、ユーザからの要求タスクに含まれる情報に基づいて、前記知識ネットワークが備えるレイヤーから前記情報に関連する要素を抽出し、当該抽出した要素と前記情報との関係性を記述することで、前記要求タスクに応じた前記タスクベースオントロジーを生成するオントロジー生成ステップと、生成した前記タスクベースオントロジーを用いて、ロボットの動作を制御するステップと、を有するものである。
【0028】
これにより、人間のように柔軟性の高い知識構造を実現可能とし、ロボットにより提供するサービス品質の向上やサービス幅の拡大を図ることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、人間のように柔軟性の高い知識構造を実現可能とするロボットによるサービス提供システム、ロボット管理装置及びロボット管理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】実施の形態1に係るサービス提供システムの概略構成を示す全体図である。
【図2】実施の形態1に係るロボット管理装置の機能構成を示す図である。
【図3】実施の形態1に係る知識ネットワークの構造を示す概念図である。
【図4】実施の形態1に係るオントロジーを示す概念図である。
【図5】実施の形態1に係るオントロジーを示す概念図である。
【図6】実施の形態1に係るオントロジーの具体例を示す図である。
【図7】実施の形態1に係るロボット管理装置のハードウェア構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
実施の形態1.
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、以下では、本文中の説明においては、必要に応じそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
図1は、本実施の形態に係るサービス提供システムの概略構成を示す全体図である。
サービス提供システム1は、インタフェース装置2と、ロボット3と、ロボット管理装置の一例としてのPC(Personal Computer)4と、を備えている。
【0032】
インタフェース装置2は、ユーザとロボット3間(又はユーザとPC4間)のインタフェースである。インタフェース装置2は、例えば、PDA(Personal Digital Assistant)などの携帯端末を用いることができる。なお、インタフェース装置2の構成は特に限定されず、例えば、ロボット3に音声認識機能を搭載し、その音声認識機能をインタフェースとして利用してもよい。
【0033】
ロボット3は、ユーザに対してサービスを提供する。ロボット3が提供するサービスは、ロボット3が実行するタスクにより構成される。本実施の形態に係るタスクとしては様々な種類のタスクが存在し、例えば、コマンド的な動作タスク、ユーザとの会話タスク、ユーザへの情報提供タスク、物体認識タスク、音声認識タスク、言語認識タスク、機械翻訳タスク、情報探索タスクなどのタスクが存在する。ここで、コマンド的な動作タスクとは、ロボット3が実行する基本的な動作を指し、例えば、「特定の物体を持って来る」、「特定の場所に移動する」などが挙げられる。ロボット3は、ユーザからの要求に応じてこのようなタスクを実行する。
【0034】
なお、ロボット3の構成は特に限定されず、ロボット3は、要求されるタスクを実現するために各種の手段(例えば、車輪などの移動手段、アーム及びハンドなどの物体把持手段、スピーカーなどの音声出力手段、ディスプレイなどの画像表示手段。)を備えている。
【0035】
ロボット管理装置4は、ユーザからの要求に基づいて、ロボット3によるタスクの実行を管理する。ロボット管理装置4は、要求タスクを実現するために必要な知識を蓄積している。ロボット管理装置4は、蓄積している知識を用いて、要求タスクに応じたタスクベースオントロジーを生成する。そして、ロボット管理装置4は、生成したタスクベースオントロジーを用いて、ロボット3によってサービスを提供する。なお、図1では、ロボット管理装置4とロボット3とを独立した構成として例示しているが、ロボット管理装置4とロボット3とを一体として構成してもよい。
【0036】
図2は、本実施の形態に係るロボット管理装置の機能構成を示す図である。
ロボット管理装置4は、マルチレイヤード知識ネットワーク11(以下、単に知識NW11と称する場合がある。)と、オントロジー生成部12と、ロボット動作制御部13と、レイヤー重み設定部14と、を備えている。
【0037】
知識NW11は、複数のレイヤー(層)を備えて構築されている。各レイヤーには、要素間の関係性(要素間の関係の有無や関係度合い)が表現されている。また、各レイヤーそれぞれについて観点が定められており、この観点に基づいて、要素間の関係性が構築されている。すなわち、各レイヤーにおいて、定められた観点を基準として、要素間の関係性が構築されている。例えば、レイヤーの観点としては、頻度、(物理的)距離、類似性などを定めることができる。
【0038】
レイヤーは、情報元から得られる情報に基づいて生成されている。1つのレイヤーは、1つの種類の情報元に基づいて生成される。情報元としては様々な種類のものを利用することができる。例えば、情報元としては、児童向けや語学教育用の書籍、MIT(Massachusetts Institute of Technology)のMedia LabによるConceptNet、インターネット上の情報検索器によるコーパスなどを利用することができる。
【0039】
本実施の形態では、複数の情報元を用いて複数のレイヤーを生成するが、これら複数の情報元は、互いに異なった性質を有している。そして、情報元に基づいてレイヤーを生成する際には、そのレイヤーについて定めた観点に基づいて、要素間の関係性を構築する。例えば、情報元を「書籍」とし、レイヤーの観点を「頻度」とした場合には、その書籍において、同時に出現した要素A及びBを抽出して対応付けると共に、両要素が同時に出現した回数を両要素間の関係性の度合いとして求めることで、要素間の関係性をレイヤーに構築する。
【0040】
ここで、知識NW11の構造を、図3に概念的に例示する。図3に示す知識NW11は、3枚のレイヤー(レイヤー111、レイヤー112、レイヤー113)を備えている。各レイヤーにおいて、要素間の関係性がノード及びエッジを用いて表現されている。これらの関係性は、各レイヤーの観点(頻度、距離、類似性)に基づいて構築されている。
【0041】
オントロジー生成部12は、知識NW11を用いて、タスクベースオントロジーを生成する。より具体的には、オントロジー生成部12は、ユーザからの要求タスクに含まれる情報を入力情報として、知識NW11が備えるレイヤーからその入力情報に関連する要素を抽出し、その抽出した要素と入力情報との関係性を記述することで、要求タスクに応じたタスクベースオントロジーを生成する。
【0042】
タスクベースオントロジーとは、ロボット3によりサービスを提供する際に利用するオントロジーであり、ユーザから要求されたタスクに応じたオントロジーである。タスクベースオントロジーは、例えば、物体と、その物体に関連する動作と、その動作に関連する物体と、その物体が関連する場所など、について、それらの意味的な関係性を記述するものである。
【0043】
タスクベースオントロジーの一例を、図4に概念的に例示する。図4には、ユーザからの要求タスクに入力情報としての対象物体「オレンジ」が含まれていた場合に、物体「オレンジ」を中心として表現したタスクベースオントロジーを示している。図4のタスクベースオントロジーでは、物体「オレンジ」と、「オレンジ」に関連する動作(「食べる」や「持って来る」など)と、その動作に関連する道具(「皿」や「フォーク」など)と、その道具と場所的に関連がある物体(「テーブル」や「棚」など)と、それら物体に関連する場所(「ダイニング」や「リビング」など)と、の関係性が記述されている。
【0044】
まず、ユーザからの要求を受けたオントロジー生成部12は、知識NW11が備える各レイヤーにおいて、要素「オレンジ」を検索し、要素「オレンジ」と関係がある他の要素を抽出する。そして、オントロジー生成部12は、抽出した要素を、「オレンジ」との関係性(例えば、動作であるか、道具であるか、場所であるか)に応じて配置することで、図4に例示したタスクベースオントロジーを記述する。
【0045】
なお、要素「オレンジ」と関係がある他の要素を知識NW11から抽出する際には、各レイヤーにおける要素間の関係度合いを考慮することで、抽出対象とする要素の範囲を変更してもよい。例えば、図3に例示したレイヤー111において、要素「オレンジ」との関係度合いが相対的に大きな要素(破線により囲んで示す範囲内の要素)を抽出対象として、図4に例示したタスクベースオントロジーを生成した場合に、この生成したタスクベースオントロジーでは、ユーザによる要求タスクを十分に実現できないこともある。そこで、このような場合には、図3に例示したレイヤー111において、要素「オレンジ」との関係度合いが相対的により小さな要素(一点鎖線により囲んで示す範囲内の要素)についても抽出対象に含めることで、再度、タスクベースオントロジーを生成するようにしてもよい。
【0046】
また、タスクベースオントロジーの表現は図4に例示したものに限定されず、例えば、図5に概念的に示すような、より一般的な表現を用いてもよい。図5に示すタスクベースオントロジーでは、要素間の意味的な関係を、「who」、「when」、「where」、「what」、「how」、「2nd what」を用いて表現したものである。図4との対比で説明すれば、例えば、図5の「what」は、図4の「オレンジ」に対応し、「how」は、図4の「Action」に対応し、「2nd what」は、図4の「Object」に対応し、「where」は、図4の「Places」に対応する。なお、図5の「who」や「when」についてはサービス提供に必須ではないが、例えば、「who」を「他の要素と関連のあるユーザ」とし、「when」を「他の要素と関連のある時点」などとして、タスクベースオントロジーに含めて表現してもよい。
【0047】
ロボット動作制御部13は、生成したタスクベースオントロジーを用いて、要求されたタスクを実行する。より具体的には、ロボット動作制御部13は、タスクベースオントロジーにおいて、ユーザの意図を示す系列を特定する。そして、ロボット動作制御部13は、この特定した系列に対応するコマンド列を、ユーザからの要求を解決する動作として選択する。そして、ロボット動作制御部13は、選択した動作を実行するように、ロボット3の動作を制御する。
【0048】
例えば、場所Dにいるユーザから、タスク「物体Cを持って来て」が要求された場合には、ロボット動作制御部13は、図5に示したタスクベースオントロジーにおいて、「where」は「場所D」であり、「what」は「物体C」であり、「how」は「持って来る」であり、さらに、関連する「2nd what」を特定する。なお、ユーザがいる場所Dは、公知の位置情報取得手段(例えば、ユーザが保持する携帯端末の位置情報から取得するなど)によって、サービス提供システム1が検出することができる。
【0049】
レイヤー重み設定部14は、ユーザからの要求タスクに応じて、各レイヤーの重みを設定する。レイヤーの重みとは、タスクベースオントロジーを生成する際に、各レイヤーからの影響を調整するために利用されるものである。上述したように、各レイヤーを生成するための情報元は、それぞれ異なった性質を有している。このため、各レイヤーは、生成に用いた情報元の性質を、それぞれ継承している。そこで、それぞれ異なる性質を継承した複数のレイヤーについて、タスクの種類に適応した性質のレイヤー(情報元)をより重視することで、サービス品質をより向上させると共に、サービス幅をより拡大させることができる。レイヤー重み設定部14は、例えば、タスクの種類に応じて、より重視するレイヤーについては相対的に大きな重みを設定し、他のレイヤーについては相対的に小さな重みを設定する。
【0050】
ここで、レイヤーの重み設定方法の一例について具体的に説明する。
まず、知識NW11は、4つのレイヤー(X、Y、Z、Q)を備えており、これらレイヤーは、それぞれ異なる情報元に基づいて生成されているものとする。さらに、各レイヤーでは、「頻度」を観点として、要素間の関係性が構築されているものとする。なお、各レイヤーは頻度を観点として関係性が構築されるが、情報元が含む情報量のサイズによっては要素の出現回数についてレイヤー間で大きな差が生じるため、出現回数の値はレイヤーごとに正規化処理されている。以下、各レイヤーについてより具体的に説明した上で、レイヤーの重み設定について説明する。
【0051】
レイヤーXは、例えば児童向けや外国語教育用の書籍を情報元として、その書籍における要素間の関係性の度合い(2つの要素同士が同時に出現した回数)が構築されている。この情報元は、児童向けや外国語教育を目的として人間が作成したものであり、専門家の目で吟味した上で知っておくべき情報を、意図的に収集したものである。このため、4つの情報元のうちでは最も基礎的かつコアな情報を収集したものであると考えられ、また、最もノイズの少ないものであると見なすことができる。しかし、全ての書籍を対象としていないために、頻度の観点からレイヤーを生成するためには、どのようなシチュエーションにおいてどのような物体が出現しているのかを、予めユーザにより分析・収集しておく必要がある。また、情報元が含む情報量のサイズが比較的小さい点や、カバーする範囲が狭い点などが、短所となる。
【0052】
レイヤーYは、ConceptNetを情報元として、ConceptNetにおける要素間の関係性の度合い(2の要素同士が同時に出現した回数)が構築されている。この情報元は、人間の常識(Concept)を収集するプロジェクトの一環として提案されたものであり、MITのMedia Labにより提供されている。ConceptNetでは、インターネット上において、人間の常識が書き込まれて、それを収集するものである。この情報元は、非常に基本的な物体について収集された貴重なデータベースではあるものの、物事の関連性というよりも物事の定義を収集することを目的としている。ConceptNetでは、全ての情報の定義を、例えば"A is a B(AはBである)"や"A has a B(AはBを有する)"などの関連付けにより行っており、定義が限界にぶつかる都度、対象とする関連付けの種類を追加していく。このため、様々な種類のタスクに対応可能とする本実施の形態に対しては、ConceptNetをそのまま応用することが困難なことがある。また、現在では、ConceptNetは24の関連付けを有しているものの、全ての情報に関して普遍的なものではないため、情報の内容に偏りがあるという短所を有している。
【0053】
レイヤーZは、インターネット情報検索器のコーパスを情報元として、コーパスにおける要素間の関係性の度合い(2の要素同士が同時に出現した回数)が構築されている。この情報元は、優れた検索エンジン(例えばGoogle(登録商標)など)によって得られた情報ではあるものの、ロボット3にタスクを実行させるために必要とする情報と、インターネット情報検索器により得られる情報(検索により人間が知りたい情報)とではその深さが異なるために、本実施の形態で実際に必要なタスク関連情報を自動的に抽出することが困難なことがある。一方で、この情報元は、その情報量の大きさから、幅広い情報を必要とするタスク(例えば、会話タスクなど)を実行する際には、大いに利用価値を有するものである。
【0054】
レイヤーQは、ユーザ入力によるユーザ指向情報を情報元として、ユーザ入力による要素間の関係性の度合い(2つの要素同士が関係しているとユーザにより判断されて、その判断が選択された回数)が構築されている。この情報元は、実世界においてユーザが知識NW11を利用するにつれて得ることができ、ユーザの指向ファクターとして扱うことができる。ユーザの指向としては、一般的な指向(多くのユーザから得られる標準的な特性)と、個別的な指向(特定ユーザのみについての特性)の2種類が存在すると考えられるが、本実施の形態では、1つのレイヤーQとして表現している。なお、レイヤーQにおける頻度(選択回数)は、最初は0に設定される。
【0055】
レイヤーQの構築手法としては、例えば、関連のある要素同士を、ユーザが携帯端末を介して入力するという手法を利用することができる。具体的には、携帯端末上に、例えば、物体「水」と、その物体に関連する動作(「飲む」など)を表示させ、関連のある要素をユーザが選択した場合には、要素間の関係の有無やその関係度合いをレイヤーQに構築することができる。また、レイヤーQに構築する関係性としては、関連動作に限定されず、例えば、時間との関係(例えば、ある特定の時間にユーザが良く選択する物体がある)や、場所との関係(例えば、ある特定の場所でユーザが良く選ぶ物体がある)などについても、レイヤーに構築するものとしてもよい。
【0056】
このような4つのレイヤー(X、Y、Z、Q)を備える知識NW11を用いてタスクベースオントロジーを生成する際には、タスクベースオントロジー上における要素間の関係度Wを、例えば以下の数(1)に基づいて求めることができる。
【数1】

【0057】
数(1)において、変数x、y、z、qは、レイヤーX、Y、Z、Qにおける該当要素間の関係性の度合いをそれぞれ示している。係数w、w、w、wは、各レイヤーの重みを示している。この重み係数を増減することで、各レイヤーの重要度(影響)を調整することができる。Wは、知識NW11全体から得られる、タスクベースオントロジー上における要素間の関係度を示している。知識NW11全体から得られるとは、各レイヤーにおける要素間の関係性の度合いを、全てのレイヤーを通してまとめることを意味する。
【0058】
例えば、物体「オレンジ」と動作「持って来る」との関係度Wを求める場合には、レイヤーXにおけるこれら要素間の関係度合いxにwを掛けた値と、レイヤーYにおけるこれら要素間の関係度合いyにwを掛けた値と、レイヤーZにおけるこれら要素間の関係度合いzにwを掛けた値と、レイヤーQにおけるこれら要素間の関係度合いqにwを掛けた値と、を合計することで、タスクベースオントロジー上における「オレンジ」と「持って来る」との関係度を算出する。
【0059】
このような重み係数は、タスクの種類に応じて設定することができ、例えば、会話タスクを実行する場合には、インターネット情報検索器のコーパスからの影響が強くなるように重み係数wを増加させる。また、例えば、子供との会話タスクでは、書籍からの影響が強くなるように重み係数wを増加させる。また、例えば、特定ユーザに適したタスクを実行させたい場合には、そのユーザの指向からの影響が強くなるように重み係数qを増加させる、などの様々な設定手法を採用することができる。このように、タスクの種類に応じて適応的に重み係数の変更を行うことで、多種多様なタスクに合わせて知識NW11を柔軟に活用することができる。
【0060】
なお、上述した式(1)では、レイヤーごとに要素間の関係度合いに重み係数を乗算して、これらを合算することで知識NW11全体での関係度を算出しているが、本発明はこれに限定されず、他の任意の式を用いて、知識NW11全体での関係度を算出するものとしてもよい。例えば、式(1)では線形式として表現したが、これに限定されず、非線形式として表現してもよい。
【0061】
なお、重みの設定に関しては、タスクの種類に応じて、適応的にレイヤーの重み係数を変更するものとしてもよいが、重み係数を変更せずに、全てのレイヤーに同じ大きさの重み係数を設定するものとしてもよい。
【0062】
次に、図6を参照して、本実施の形態に係るオントロジーの具体例について説明する。
図6では、リビングルームにいるユーザが、ロボット3に対して飲み物を持って来させるタスクを要求した場面を想定する。以下では、ユーザは、ロボット3に対して「ワインを持って来てくれる?」との指示を出したものとして説明する。
【0063】
まず、ユーザからの要求を受けたサービス提供システム1は、ユーザの携帯端末やロボット3の位置情報などからユーザの場所「Living Room」を特定し、また、要求タスクから物体「wine」を特定する。
【0064】
そして、サービス提供システム1は、場所「Living Room」及び物体「wine」を入力として、知識NW11から必要な情報を抽出する。ここでは、サービス提供システム1は、図6に例示するタスクベースオントロジーを生成する。
【0065】
具体的には、図6のタスクベースオントロジーに例示するように、物体「wine」と、その関連動作(「drink」、「make」、「buy」、「sell」、「give」など)が記述される。また、物体「wine」とその関連動作との間の関係度が求められる。例えば、物体「wine」と関連動作「drink」については、知識NW11全体での関係度は0.69であり、物体「wine」と関連動作「make」については、知識NW11全体での関係度は0.24である。これにより、物体「wine」に最も関連する動作は「drink」であると判断することができる。
【0066】
生成したタスクベースオントロジーから、サービス提供システム1は、ユーザからの要求タスクが、「リビングルームにいるユーザが、ワインを飲みたい」ことを意図しているものと解釈することができる。サービス提供システム1は、この意図を解決するため、ロボット3によって必要なサービスを提供する。このようなサービス提供システム1によれば、「ワインを飲みたい」というユーザの意図を解釈することができるため、ユーザからの要求に対する一応のサービスを提供することができる。
【0067】
ところで、人間は、自らの有する知識(常識)を用いて、与えられた指示のみならず、それに関連する情報についても推測することができる。このため、サービス提供システム1においても、知識NW11を用いて、ユーザから直接要求されたタスクのみならず、これに関連する間接的なタスクについてまでも付加的に実現することで、サービスの品質などをより向上させることができる。そこで、本実施の形態では、上述したような一応のサービスに加えて、さらに、付随的なサービスまでをも提供可能とする。例えば、「ワインを飲みたい」というユーザの意図を解釈した上で、ワインを飲むためにはグラスが必要となることを推測し、ユーザに対して、「グラスは必要ですか?」などの問い合わせを付随的に提供可能とする。
【0068】
サービス提供システム1は、動作「drink」に関連する物体を抽出する。図6に例示するように、動作「drink」に関連する物体としては「glass」、「cup」、「coffee」、「water」、「juice」などが抽出される。ここで、抽出された物体「glass」や「cup」は、動作「drink」に用いられる道具であり、「wineを持って来る」というタスクに関して、「ついでに持ってくるもの」や、「一緒に持ってくるもの」に該当する。なお、物体「coffee」などついては「wine」と同じ飲み物であるため、抽出対象外とすることができる。
【0069】
そして、サービス提供システム1は、動作「drink」に最も関連する物体が、「glass」又は「cup」のいずれであるかをその関係度に基づいて判断する。ここで、物体「glass」と物体「cup」は、いずれも同じ程度の関係度である(物体「glass」との関係度は0.42であり、物体「cup」との関係度は0.40である)。このような場合には、サービス提供システム1は、物体「glass」と物体「wine」との間の関係度と、物体「cup」と物体「wine」との間の関係度と、をさらに求める。その結果、物体「glass」と物体「wine」との間の関係度がより大きいために、物体「glass」が連想される。そこで、サービス提供システム1は、ユーザに対して、「グラスは必要ですか?」などの問い合わせを行う。
【0070】
なお、例えば、「グラスは必要ですか?」と問い合わせた結果、実際にユーザがグラスを選択した場合には、ユーザの指向を情報元とするレイヤーについて、そのレイヤーの重みを更新するものとしてもよい。これにより、次回の推測の際には、ユーザの指向をより反映させた知識NW11を用いて、サービスを提供することができる。
【0071】
図7は、本実施の形態に係るロボット管理装置のハードウェア構成を示す図である。図7に例示するように、ロボット管理装置4は、CPU(Central Processing Unit)41、操作部42、表示部43、ROM(Read Only Memory)44、RAM(Random Access Memory)45、記憶部46、通信部47等を備え、各部がバス48により接続されている。
【0072】
記憶部46は、磁気的又は光学的に記録可能な記憶媒体を有し、上述した知識NW11を記憶する。なお、本実施の形態では、知識NW11をロボット管理装置4の記憶部46に記憶する構成としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に知識NW11を格納し、通信部47を介して参照する構成としてもよい。
【0073】
以上説明したように、本発明では、性質の異なる複数の情報元から知識を収集し、収集した知識を様々な観点から複数のレイヤーに蓄積している。そして、ユーザからの要求を受けた場合には、要求タスクに含まれる情報を中心として、知識NW11に蓄積している知識から関連の深い範囲を特定し、その特定した範囲から必要な情報を抽出することで、タスクベースオントロジーを構築する。このように、本発明では、人間のように柔軟性の高い知識構造を実現可能とするものであり、この知識構造に蓄積した知識を用いて、ユーザにサービスを提供することで、サービス品質の向上やサービス幅の拡大を図ることができる。
【0074】
従来技術では、それぞれのタスクに応じて、必要な情報を人手により入力することで、オントロジーを構築していた。或いは、特定の一種類のタスクを実行するために、その特定タスクに応じた必要な情報をデーベースに収集・蓄積しておき、データベースを参照することでオントロジーを構築していた。しかし、従来の一般的なデータベース構造では、例えば、物体と、その関連動作と、その位置情報などの対応関係を予めユーザが決定し、その上で、そのデータベース構造に従って、必要な情報を入力するものであった。
【0075】
このため、従来技術では、特定種類のタスクのみに適した知識データベースを構築することはできるものの、異なる種類のタスクに対しても柔軟に応用が可能な知識構造は実現できておらず、サービス品質やサービス幅が不十分なものであった。
【0076】
従来技術によれば、タスクに応じた新たなオントロジーを追加することで、知識を単に増加させることはできるが、本発明では、知識NW11を複数のレイヤーを用いて表現し、各レイヤーを、様々な情報元、かつ、様々な観点に基づいて構成することを特徴とする。
【0077】
さらに、本発明では、一つの知識NW11から、タスクの種類に応じた関連のある情報のみを抽出してタスクベースオントロジーを構築するものであるため、想定される要素間の関係を全て列挙したような、巨大で固定されたオントロジーを構築する必要がなく、必要な情報のみを含んだオントロジーを柔軟に構築することができる。
【0078】
また、本発明では、サービスを提供する際には、各レイヤーからの影響をタスクの種類に応じて適応的に変更することで、サービス品質の向上やサービス幅の拡大を図ることができる。
【0079】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、上述した実施の形態では、レイヤーの観点が「頻度」である場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されず、他の観点に基づいて、レイヤーにおける要素間の関係性を構築してもよい。例えば、道具として類似性があるか否かを観点としてもよい。
【符号の説明】
【0080】
1 サービス提供システム、
2 インタフェース装置、
3 ロボット、
4 ロボット管理装置(PC)、
11 マルチレイヤード知識NW、
12 オントロジー生成部、
13 ロボット動作制御部、
14 レイヤー重み設定部、
111、112、113 レイヤー、
41 CPU、
42 操作部、
43 表示部、
44 ROM、
45 RAM、
46 記憶部、
47 通信部、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ異なる性質の情報元から得られる情報に基づいて各レイヤーが生成され、かつ、各レイヤーにおいて、所定の観点から要素間の関係性が構築されている複数のレイヤーであって、当該複数のレイヤーを備える知識ネットワークと、
ユーザからの要求タスクに含まれる情報に基づいて、前記知識ネットワークが備えるレイヤーから前記情報に関連する要素を抽出し、当該抽出した要素と前記情報との関係性を記述することで、前記要求タスクに応じたタスクベースオントロジーを生成するオントロジー生成手段と、
前記生成したタスクベースオントロジーを用いて、ロボットの動作を制御するロボット動作制御手段と、
を備えるロボットによるサービス提供システム。
【請求項2】
前記要求タスクに応じて、前記複数のレイヤーのそれぞれに重みを設定するレイヤー重み設定手段を更に備え、
前記オントロジー生成手段は、前記タスクベースオントロジーにおける要素間の関係性を記述する際に、前記レイヤーに設定された重みに応じて、要素間の関係度合いを変化させる
ことを特徴とする請求項1に記載のロボットによるサービス提供システム。
【請求項3】
前記レイヤー重み設定手段は、
前記要求タスクの種類に適応したレイヤーに対して相対的に大きな重みを設定する
ことを特徴とする請求項2に記載のロボットによるサービス提供システム。
【請求項4】
前記レイヤーについての所定の観点は、
前記情報元における要素同士の出現頻度、要素同士の物理的距離、要素同士の意味的類似性の少なくとも1つを含む
ことを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項に記載のロボットによるサービス提供システム。
【請求項5】
前記レイヤーを生成するための情報元は、
書籍、ConceptNet、インターネット上の情報検索器によるコーパスの少なくとも1つを含む
ことを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項に記載のロボットによるサービス提供システム。
【請求項6】
前記レイヤーを生成するための情報元は、
ユーザ入力に基づくユーザ指向情報を更に含む
ことを特徴とする請求項5に記載のロボットによるサービス提供システム。
【請求項7】
前記タスクベースオントロジーにおける要素間の関係性は、
物体と、当該物体に関連する動作と、当該動作に関連する物体と、の意味的な関係性を記述するものである
ことを特徴とする請求項1乃至6いずれ1項に記載のロボットによるサービス提供システム。
【請求項8】
前記要求タスクは、
コマンド的な動作タスク、ユーザとの会話タスク、ユーザへの情報提供タスク、物体認識タスク、音声認識タスク、言語認識タスク、機械翻訳タスク、情報探索タスクの少なくとも1つを含む
ことを特徴とする請求項1乃至7いずれ1項に記載のロボットによるサービス提供システム。
【請求項9】
タスクベースオントロジーを用いて、ロボットの動作を制御するロボット管理装置であって、
それぞれ異なる性質の情報元から得られる情報に基づいて各レイヤーが生成され、かつ、各レイヤーにおいて、所定の観点から要素間の関係性が構築されている複数のレイヤーであって、当該複数のレイヤーを備える知識ネットワークを記憶する記憶部と、
ユーザからの要求タスクに含まれる情報に基づいて、前記知識ネットワークが備えるレイヤーから前記情報に関連する要素を抽出し、当該抽出した要素と前記情報との関係性を記述することで、前記要求タスクに応じた前記タスクベースオントロジーを生成するオントロジー生成部と、
を備えるロボット管理装置。
【請求項10】
それぞれ異なる性質の情報元から得られる情報に基づいて各レイヤーが生成され、かつ、各レイヤーにおいて、所定の観点から要素間の関係性が構築されている複数のレイヤーであって、当該複数のレイヤーを備える知識ネットワークが記憶手段に記憶されており、
ユーザからの要求タスクに含まれる情報に基づいて、前記知識ネットワークが備えるレイヤーから前記情報に関連する要素を抽出し、当該抽出した要素と前記情報との関係性を記述することで、前記要求タスクに応じた前記タスクベースオントロジーを生成するオントロジー生成ステップと、
生成した前記タスクベースオントロジーを用いて、ロボットの動作を制御するステップと、
を有するロボット管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−115913(P2012−115913A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−264945(P2010−264945)
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】