説明

ロボットの手首構造及びロボット

【課題】周辺機器との干渉を低減することが可能なロボットの手首構造及びロボットを提供する。
【解決手段】ロボット10の手首部20は、第1の軸回りに回転する第1の手首アーム40aと、第1の手首アーム40aの先端部に設けられ、第1の軸に実質的に交差する第2の軸回りに揺動する第2の手首アーム40bと、第2の手首アーム40bの先端部に設けられ、第2の軸とねじれの位置にある第3の軸回りに回転する手首フランジ42と、手首フランジ42に固定される中間部材44と、中間部材44に固定されるエンドエフェクタ22に接続される線条体25bとを備え、線条体25bが、第2の手首アーム40b、手首フランジ42、及び中間部材44の内部を通り、中間部材44から外部に引き出されてエンドエフェクタ22まで配線される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボットの手首構造及びロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、アームの先端に備えられた手首部の先端にエンドエフェクタを取り付け、エンドエフェクタに動力又は信号又は材料を供給するケーブルをアームからエンドエフェクタまで配設した産業用ロボットが記載されている。この産業用ロボットは、エンドエフェクタが中間部材を介して手首部に固定され、中間部材が、手首部に直接取り付けられる第1のフランジと、第1のフランジに平行であって所定の間隔を空けて配置されエンドエフェクタに直接取り付けられる第2のフランジと、第1及び第2のフランジの回転中心から離れた位置にあって第1及び第2のフランジを連結して両フランジ間にケーブルを通す空間を確保する接続部材とから成り、かつ中間部材の第1及び第2のフランジの間の空間内にケーブルが、手首部の先端軸と一致する第1及び第2のフランジの回転中心軸に対して横切るように通っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4099628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、周辺機器との干渉を低減することが可能なロボットの手首構造及びロボットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的に沿う第1の発明に係るロボットの手首構造は、第1の軸回りに回転する第1の手首アームと、
前記第1の手首アームの先端部に設けられ、前記第1の軸に実質的に交差する第2の軸回りに揺動する第2の手首アームと、
前記第2の手首アームの先端部に設けられ、前記第2の軸とねじれの位置にある第3の軸回りに回転する手首フランジと、
前記手首フランジに固定される中間部材と、
前記中間部材に固定されるエンドエフェクタに接続される線条体とを備え、
前記線条体が、前記第2の手首アーム、前記手首フランジ、及び前記中間部材の内部を通り、該中間部材から外部に引き出されて前記エンドエフェクタまで配線される。
【0006】
第1の発明に係るロボットの手首構造において、前記第2の手首アームに、前記第3の軸の方向に沿って、両端が開口する中空部が形成され、
前記手首フランジの回転中心部に孔が形成され、
前記中間部材に、少なくとも一方側が手首フランジの孔に通じるように開口する配線経路が形成され、
前記線条体が、前記第1の手首アームの側部を通り、前記中空部、前記孔、及び前記配線経路を通って、前記エンドエフェクタまで配線されることが好ましい。
【0007】
第1の発明に係るロボットの手首構造において、前記中間部材は、第1の開口部が形成され、前記手首フランジに固定される固定部と、
前記エンドエフェクタが取り付けられるエンドエフェクタ取り付け部とを有し、前記第1の開口部に導入された前記線条体を外部に引き出すための第2の開口部が形成されることが好ましい。
【0008】
第1の発明に係るロボットの手首構造において、前記中間部材から出た前記線条体が、該中間部材に接触することを抑制する固定具によって固定されることが好ましい。
【0009】
第1の発明に係るロボットの手首構造において、前記第2の手首アームは、前記第3の軸からオフセットした軸回りに回転する回転軸を有するモータと、
前記モータによって前記第3の軸回りに回転する中空シャフトとを有し、
前記中空シャフトが前記手首フランジを駆動し、
前記線条体が、前記中空シャフトの内部を通ることが好ましい。
【0010】
第1の発明に係るロボットの手首構造において、前記第2の手首アームは、前記第3の軸回りに回転する中空シャフトを有し該中空シャフトによって前記手首フランジを駆動する中空モータを更に備え、
前記線条体が、前記中空モータの中空シャフトの内部を通るようにしてもよい。
【0011】
前記目的に沿う第2の発明に係るロボットは、揺動するアームの先端に設けられ、第1の軸回りに回転する第1の手首アームと、
前記第1の手首アームの先端部に設けられ、前記第1の軸に実質的に交差する第2の軸回りに揺動する第2の手首アームと、
前記第2の手首アームの先端部に設けられ、前記第2の軸とねじれの位置にある第3の軸回りに回転する手首フランジと、
前記手首フランジに固定される中間部材と、
前記第2の手首アーム、前記手首フランジ、及び前記中間部材の内部を通り、該中間部材から外部に引き出される線条体とを備える。
【0012】
前記目的に沿う第3の発明に係るロボットは、揺動するアームの先端に設けられ、第1の軸回りに回転する第1の手首アームと、
前記第1の手首アームの先端部に設けられ、前記第1の軸に実質的に交差する第2の軸回りに揺動する第2の手首アームと、
前記第2の手首アームの先端部に設けられ、前記第2の軸とねじれの位置にある第3の軸回りに回転する手首フランジと、
前記手首フランジに固定される中間部材と、
前記中間部材に固定されるエンドエフェクタと、
前記エンドエフェクタに接続される線条体とを備え、
前記線条体が、前記第2の手首アーム、前記手首フランジ、及び前記中間部材を通り、該中間部材から外部に引き出されて前記エンドエフェクタまで配線される。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るロボットの手首構造及びロボットにおいては、周辺機器との干渉を低減することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1A】本発明の一実施の形態に係るロボットの側面図である。
【図1B】本発明の一実施の形態に係るロボットの平面図である。
【図1C】本発明の一実施の形態に係るロボットの正面図である。
【図2】同ロボットの構造図である。
【図3A】同ロボットの手首部の内部構造を示す側面図である。
【図3B】同ロボットの手首部の内部構造を示す平面図である。
【図3C】同ロボットの手首部の内部構造を示す正面図である。
【図4A】同ロボットが有する中間部材の斜視図である。
【図4B】同ロボットが有する中間部材に形成された第2の開口部を示す説明図である。
【図4C】同ロボットが有する中間部材の他の例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。なお、各図において、説明に関連しない部分は図示を省略する場合がある。
【0016】
図1A、図1B、図1Cに示すように、本発明の一実施の形態に係るスポット溶接ロボット(ロボットの一例)10は、ベース12と、旋回部14と、下部アーム16と、上部アーム18と、手首部20とを備えている。このスポット溶接ロボット10は、手首部20の先端にスポット溶接ガン(エンドエフェクタの一例)22が設けられ、スポット溶接作業を行うことができる。スポット溶接ロボット10は、例えば6軸(関節軸J1〜J6)の産業用ロボットである。
関節軸J1は、スポット溶接ロボット10の設置面と交差するように配置される。関節軸J2は、設置面と略平行に配置される。関節軸J3は、関節軸J2と略平行に配置される。関節軸J4(第1の軸の一例)は、関節軸J1と交差するように配置される。なお、ここに言う「交差」とは、厳密な意味での交差ではない。即ち、「交差」とは、設計上、製造上の誤差が許容され、「実質的に交差」という意味である(以下、同様)。関節軸J5(第2の軸の一例)は、関節軸J4と交差するように配置される。関節軸J6(第3の軸の一例)は、関節軸J4と交差するように配置される。但し、関節軸J6は、関節軸J5とは交差せず、スポット溶接ロボット10を側面視又は平面視して距離Dだけオフセットして配置される(図1A、図1B参照)。換言すると、関節軸J5と関節軸J6とは、ねじれの位置の関係にある。
【0017】
ベース12は、スポット溶接ロボット10の設置面に固定される。
旋回部14は、ベース12に旋回可能に設けられ、関節軸J1(旋回軸)回りに旋回することができる。旋回部14は、第1のサーボモータSM1(図1C参照)によって駆動される。
下部アーム16は、その基端部が関節軸J2回りに回転可能となるよう、旋回部14に支持され、前後方向に揺動することができる。下部アーム16は、第2のサーボモータSM2によって駆動される。
上部アーム18は、その基端部が関節軸J3回りに回転可能となるよう、下部アーム16の先端部に支持され、上下方向に揺動することができる。上部アーム18は、第3のサーボモータSM3(図2参照)によって駆動される。
手首部20は、上部アーム18の先端部に取り付けられている。この手首部20については、後に詳述する。
【0018】
スポット溶接ロボット10には、第1の線条体25a及び第2の線条体25bが配線されている。この第1の線条体25aは、例えば、各関節軸を駆動する第4、第5のサーボモータSM4、SM5に供給される電源ケーブル及び第4及び第5のサーボモータSM4、SM5のエンコーダの電源線及び信号線がジッパーチューブ(登録商標)によって束ねられたものである。第2の線条体25bは、スポット溶接ガン22及び第6のサーボモータSM6に接続される線条体であり、例えば、複数の電線等が束ねられたものである。第2の線条体25bの一例として、スポット溶接ガン22に供給される溶接用電源線(アース線を含む計3本の電源線)、スポット溶接ガン22の冷却用ホース(計4本)、スポット溶接ガン22の電極を加圧するサーボモータ(不図示)を駆動するための電源線及びそのエンコーダの信号線、及び第6のサーボモータSM6を駆動するための電源線及びそのエンコーダの信号線が束ねられたものが挙げられる。
【0019】
第1及び第2の線条体25a、25bは、ベース12の後部に設けられた接続口30(図1A参照)からベース12の内部へと延び、旋回部14を通って外に引き出される。
第1の線条体25aは、下部アーム16の側面にて第2の線条体25bと分岐し、上部アーム18の内部に導入され、第4及び第5のサーボモータSM4、SM5及びこれらのエンコーダにそれぞれ接続される。
第2の線条体25bは、下部アーム16の側面にて第1の線条体25aと分岐し、上部アーム18に設けられた線条体案内部35に導入される。ここで、線条体案内部35は、内部に弛んだ第2の線条体25bを保持することによって、手首部20の関節軸J4回りの回転に伴い移動する第2の線条体25bを案内することができる。第2の線条体25bは、線条体案内部35から、上部アーム18の側面を通り、更に手首部20の側面から手首部20の内部に入ってスポット溶接ガン22に接続される。
【0020】
次に、手首部20について、詳細に説明する。
図3A、図3B、図3Cに示すように、手首部20は、第1の手首アーム40a、第2の手首アーム40b、手首フランジ42、及び中間部材44によって少なくとも構成されている。
第1の手首アーム40aは、上部アーム18の先端部に設けられ、関節軸J4回りに回転することができる。詳細には、第1の手首アーム40aは、第4のサーボモータSM4によって、上部アーム18の内部を通る中空の第1の駆動シャフト50aを介して駆動される(図2参照)。
【0021】
第2の手首アーム40bは、第1の手首アーム40aの先端部に設けられ、関節軸J3と実質的に平行な関節軸J5回りに回転(揺動)することができる。第2の手首アーム40bは、第5のサーボモータSM5によって、第1の駆動シャフト50aの中空部を通る第2の駆動シャフト50bを介して駆動される。
第2の手首アーム40bには、第6のサーボモータSM6が設けられている。第6のサーボモータSM6は、その回転軸が関節軸J6の方向を向き、回転軸が関節軸J6からオフセットして設けられている。また、第6のサーボモータSM6は、図3Bに示すように、平面視して第2の線条体25bが配線された側とは関節軸J4を挟んで反対側(第2の手首アーム40bの側部)に設けられている。
第6のサーボモータSM6の回転軸には、図3Cに示すように、プーリ60が連結されている。プーリ60の回転は、タイミングベルト62を介して、関節軸J6を回転軸とする中空の回転体65に伝達される。この回転体65の回転は、歯車63を介して、中空の減速機67の入力軸67aに伝達される。
なお、回転体65の中空部及び減速機67の中空部によって、第2の手首アーム40bには、関節軸J6の方向に沿って両端が開口する手首アーム中空部64が形成される。
【0022】
手首フランジ42は、第2の手首アーム40bの先端部に設けられた例えば円板状の部材である。手首フランジ42の回転中心部には、孔68が形成されている。
手首フランジ42は、減速機67の出力軸に固定され、関節軸J6回りに回転することができる。なお、減速機67は、例えばRV減速機である。このように、手首フランジ42が第2の手首アーム40bに設けられた第6のサーボモータSM6によって駆動されるため、従来のように関節軸J4〜J6が上部アームを通る同心の3軸シャフトによって駆動されるロボットと比べて構造が簡単化され、信頼性が向上する。
また、手首フランジ42の回転中心部には、手首アーム中空部64を通る中空シャフト66の一端が固定されている。従って、第6のサーボモータSM6が回転すると、手首フランジ42及び中空シャフト66が回転する。
【0023】
中間部材44は、手首フランジ42に固定される。中間部材44には、図3C及び図4Aに示すように、一方側が手首フランジ42の孔68に通じるように開口し、他方側が関節軸J6の方向とは異なる方向に開口する配線経路が形成され、この配線経路に第2の線条体25bを通すことができる。詳細には、中間部材44は、手首フランジ42に固定され第1の開口部70aが形成された固定部72と、スポット溶接ガン22が取り付けられるエンドエフェクタ取り付け部74とを有している。固定部72及びエンドエフェクタ取り付け部74は、連結部76によって、互いに連結されている。中間部材44には、第1の開口部70aに導入された第2の線条体25bを外部に引き出すための第2の開口部70bが形成されている。なお、この第2の開口部70bは、図4Aに示すように連結部76に形成されてもよいが、必ずしも連結部76に形成される必要はない。即ち、図4Bに示すように、連結部76とは異なる部分を第2の開口部70cとしてもよい。また、中間部材は、図4Cに示すように、第1の開口部71a及び第2の開口部71b以外の開口部が形成されていなくてもよい。中間部材の形状は任意でよく、例えば、同図4Cに示すように、立方体状であってもよい。更には、中間部材は、同図4Cに示すように、固定部の手首フランジ42側の面と、エンドエフェクタ取り付け部74のスポット溶接ガン22が取り付けられる面とが、平行である必要はない。
また、中間部材に形成された配線経路は、少なくとも一方側が手首フランジ42の孔68に通じるように開口している必要があるが、他方側は、第2の線条体25bを外部に引き出すことができるよう、外部に通じて開口していればよい。
【0024】
上部アーム18の線条体案内部35から延びる第2の線条体25bは、図3Bに示すように、第1及び第2の手首アーム40a、40bにそれぞれ設けられた固定具80a、80bによって固定される。平面視すると、第2の線条体25bは、第1及び第2の手首アーム40a、40bの側部を通って配線される(図3B参照)。第2の線条体25bは、中空シャフト66の内部に導入され、中間部材44の第1の開口部70aを通る。更に第2の線条体25bは中間部材44の第2の開口部70bから外部に引き出されて、スポット溶接ガン22の接続口82(図1A参照)に接続される。このように、第2の線条体25bは、第2の手首アーム40b、手首フランジ42、及び中間部材44の内部(即ち、手首アーム中空部64、孔68、及び配線経路)を通って配線されるので、線条体が周辺機器に干渉する可能性が低減される。
【0025】
なお、中間部材44には、図3Cに示すように固定具86が設けられている。第2の線条体25bは、第2の開口部70bを出た所で、固定具86に固定される。但し、固定具86は、中間部材44の内部に設けられていてもよいし、スポット溶接ガン22に設けられていても良い。即ち、固定具86は、手首フランジ42が関節軸J6回りに回転した際に、第2の線条体25bが中間部材44(特に、第2の開口部70bの周囲)に接触することを抑制できればよい。
付言すると、第2の手首アーム40bに固定された固定具80bと中空シャフト66の上端部との間において、第2の線条体25bから第6のサーボモータSM6に接続されるケーブル88a及びそのエンコーダに接続されるケーブル88b(図3A、図3B参照)が引き出される。
【0026】
本実施の形態に係るスポット溶接ロボット10は、以上述べたように、第1及び第2の線条体25a、25bが配線されており、主として線条体案内部35によって第2の線条体25bが案内され、手首部20全体が関節軸J4回りに回転することができる。
また、主として固定具80a、80bの間の第2の線条体25bが屈曲することによって、第2の手首アーム40bが関節軸J5回りに回転することができる。
また、主として中空シャフト66の内部及び中間部材44の内部に位置する第2の線条体25bが捻じれることによって、スポット溶接ガン22が関節軸J6回りに回転することができる。
【0027】
本実施の形態によれば、スポット溶接ガン22が関節軸J6回りに回転する際、中間部材44からスポット溶接ガン22の接続口82までの間に位置する第2の線条体25bは、スポット溶接ガン22及び中間部材44と共に回転するため、スポット溶接ロボット10の手首部20又は中間部材44との干渉が抑制される。従って、第2の線条体25bは、断線する程度の大きな負荷が加えられることはない。
また、関節軸J5と関節軸J6とがねじれの位置の関係にあるため、関節軸J5と関節軸J6とが交差する場合と比較して、第2の手首アーム40bが関節軸J5回りに回転した際に第2の線条体25bと上部アーム18(又は第1の手首アーム40a)との干渉が抑制される。従って、第2の手首アーム40bについて、関節軸J5回りの動作範囲がより広く確保される。
【0028】
なお、本発明は、前述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲での変更は可能である。例えば、前述の実施の形態や変形例の一部又は全部を組み合わせて発明を構成する場合も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0029】
なお、実施の形態においてスポット溶接用ロボット10を取り上げたが、本発明はスポット溶接用ロボットに限られるものではなく、アーク溶接用ロボット、塗装用ロボット、シーリング用ロボット、研磨用ロボット、又はハンドリング用ロボット等に適用することも可能である。つまり、エンドエフェクタは、溶接トーチ、塗装用スプレーガン、シーリング用ノズル、研磨工具、又はメカニカルハンド等であってもよい。また、第2の線条体25bは、コンジットケーブル、塗料用ホース、シール材供給ホース、空気工具駆動用のエアホース、又は電動工具駆動用の動力線若しくはこれらの組み合わせ等であってもよい。
【0030】
また、第2の手首アーム40bの中空シャフト66は、回転軸が関節軸J6からオフセットするように設けられた第6のサーボモータSM6によってタイミングベルト62を介して駆動されていた。これに代えて、第2の手首アーム40bの中空シャフト66が、関節軸J6回りに回転する中空シャフトを有する中空モータによって直接駆動されてもよい。この場合、第2の線条体25bは、中空モータの中空シャフトの内部を通ることになる。
【符号の説明】
【0031】
10:スポット溶接ロボット、12:ベース、14:旋回部、16:下部アーム、18:上部アーム、20:手首部、22:スポット溶接ガン、25a:第1の線条体、25b:第2の線条体、30:接続口、35:線条体案内部、40a:第1の手首アーム、40b:第2の手首アーム、42:手首フランジ、44:中間部材、50a:第1の駆動シャフト、50b:第2の駆動シャフト、60:プーリ、62:タイミングベルト、63:歯車、64:手首アーム中空部、65:回転体、66:中空シャフト、67:減速機、67a:入力軸、68:孔、70a:第1の開口部、70b、70c:第2の開口部、71a:第1の開口部、71b:第2の開口部、72:固定部、74:エンドエフェクタ取り付け部、76:連結部、80a:固定具、80b:固定具、82:接続口、86:固定具、88a、88b:ケーブル、SM1:サーボモータ、SM2:サーボモータ、SM3:サーボモータ、SM4:サーボモータ、SM5:サーボモータ、SM6:サーボモータ



【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の軸回りに回転する第1の手首アームと、
前記第1の手首アームの先端部に設けられ、前記第1の軸に実質的に交差する第2の軸回りに揺動する第2の手首アームと、
前記第2の手首アームの先端部に設けられ、前記第2の軸とねじれの位置にある第3の軸回りに回転する手首フランジと、
前記手首フランジに固定される中間部材と、
前記中間部材に固定されるエンドエフェクタに接続される線条体とを備え、
前記線条体が、前記第2の手首アーム、前記手首フランジ、及び前記中間部材の内部を通り、該中間部材から外部に引き出されて前記エンドエフェクタまで配線されるロボットの手首構造。
【請求項2】
請求項1記載のロボットの手首構造において、前記第2の手首アームに、前記第3の軸の方向に沿って、両端が開口する中空部が形成され、
前記手首フランジの回転中心部に孔が形成され、
前記中間部材に、少なくとも一方側が前記手首フランジの孔に通じるように開口する配線経路が形成され、
前記線条体が、前記第1の手首アームの側部を通り、前記中空部、前記孔、及び前記配線経路を通って、前記エンドエフェクタまで配線されるロボットの手首構造。
【請求項3】
請求項1又は2記載のロボットの手首構造において、前記中間部材は、第1の開口部が形成され、前記手首フランジに固定される固定部と、
前記エンドエフェクタが取り付けられるエンドエフェクタ取り付け部とを有し、前記第1の開口部に導入された前記線条体を外部に引き出すための第2の開口部が形成されたロボットの手首構造。
【請求項4】
請求項3記載のロボットの手首構造において、前記中間部材から出た前記線条体が、該中間部材に接触することを抑制する固定具によって固定されるロボットの手首構造。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のロボットの手首構造において、前記第2の手首アームは、前記第3の軸からオフセットした軸回りに回転する回転軸を有するモータと、
前記モータによって前記第3の軸回りに回転する中空シャフトとを有し、
前記中空シャフトが前記手首フランジを駆動し、
前記線条体が、前記中空シャフトの内部を通るロボットの手首構造。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のロボットの手首構造において、前記第2の手首アームは、前記第3の軸回りに回転する中空シャフトを有し該中空シャフトによって前記手首フランジを駆動する中空モータを更に備え、
前記線条体が、前記中空モータの中空シャフトの内部を通るロボットの手首構造。
【請求項7】
揺動するアームの先端に設けられ、第1の軸回りに回転する第1の手首アームと、
前記第1の手首アームの先端部に設けられ、前記第1の軸に実質的に交差する第2の軸回りに揺動する第2の手首アームと、
前記第2の手首アームの先端部に設けられ、前記第2の軸とねじれの位置にある第3の軸回りに回転する手首フランジと、
前記手首フランジに固定される中間部材と、
前記第2の手首アーム、前記手首フランジ、及び前記中間部材の内部を通り、該中間部材から外部に引き出される線条体とを備えるロボット。
【請求項8】
揺動するアームの先端に設けられ、第1の軸回りに回転する第1の手首アームと、
前記第1の手首アームの先端部に設けられ、前記第1の軸に実質的に交差する第2の軸回りに揺動する第2の手首アームと、
前記第2の手首アームの先端部に設けられ、前記第2の軸とねじれの位置にある第3の軸回りに回転する手首フランジと、
前記手首フランジに固定される中間部材と、
前記中間部材に固定されるエンドエフェクタと、
前記エンドエフェクタに接続される線条体とを備え、
前記線条体が、前記第2の手首アーム、前記手首フランジ、及び前記中間部材を通り、該中間部材から外部に引き出されて前記エンドエフェクタまで配線されるロボット。



【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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