説明

ロボットアクセスシステム及びロボットアクセス制御方法

【課題】 ロボットのアクセスする領域が常に変化する場合でも、アクセス時のロボット間の相互干渉を回避でき、また、ロボットの平均アクセス速度を向上させることができる。
【解決手段】 スレーブ側である第2のコントローラ200は、第2の基板搬送ロボット33を或る収納棚にアクセスさせようとするとき、第1のコントローラ100に対しその棚番号を表す棚番号信号280とアクセス要請のためのアクセス要請信号270を出力する。メイン側である第1のコントローラ100は、第1の基板搬送ロボット31がその収納棚にアクセス中でなければ、第2のコントローラ200に対しアクセス許可を与えるためのアクセス許可信号170を出力する。第2のコントローラ200は、アクセス許可信号170が入力されるまで、第2の基板搬送ロボット33を待機させているが、入力されたら、その収納棚にアクセスさせる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有効範囲内における何れの領域にもそれぞれアクセスすることが可能な複数のロボットを制御する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、或る領域にそれぞれアクセスすることが可能な2台のロボットと、各ロボットをそれぞれ独立して制御する2つのコントローラと、を備えた従来のロボットアクセスシステムにおいては、コントローラは、その制御対象であるロボットを上記領域にアクセスさせた場合、他方のコントローラに対し、アクセスさせている間、継続して告知信号を出力するようにしていた。また、これに対し、他方のコントローラは、上記告知信号が入力されている間、そのコントローラの制御対象ロボットを上記領域にアクセスさせないようにしていた。
【0003】しかし、このようなロボットアクセスシステムにおいては、コントローラは、その制御対象ロボットを上記領域にアクセスさせようとしている場合、相手のコントローラから告知信号が入力されない限り、そのままアクセスさせてしまう。そのため、両方のコントローラがそれぞれの制御対象ロボットを上記領域に同時にアクセスさせようとしている場合には、何れのコントローラも、相手のコントローラから告知信号が入力されてこないので、そのまま、それぞれの制御対象ロボットを上記領域に同時にアクセスさせてしまい、上記領域において、相互干渉を生じる恐れがあった。
【0004】そこで、これを回避するために、従来の改良されたロボットアクセスシステムにおいては、制御対象であるロボットを上記領域にアクセスさせようとする場合、そのコントローラは、相手のコントローラに対し告知信号を出力し、その後、一定時間、相手のコントローラから告知信号が入力されるかどうかを見極め、告知信号が入力されなければ、その制御対象ロボットを上記領域にアクセスさせ、告知信号が入力されたら、制御対象ロボットを上記領域にアクセスさせないようにしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記した従来のロボットアクセスシステムにおいては、ロボットがアクセスする領域は常に同じ領域であり、その領域が変わることはなかった。従って、例えば、予め定められた有効範囲内において、ロボットが何れの領域にもアクセスすることができ、ロボットのアクセスする領域が常に変わるような場合において、アクセス時のロボット間の相互干渉を回避することについては、特に考慮されていなかった。
【0006】また、従来のロボットアクセスシステムにおいては、コントローラは告知信号を出力した後、相手のコントローラから告知信号が入力されるかどうかを、告知信号が実際に入力されても入力されなくても常に一定の時間、見極める必要があるので、ロボットの平均アクセス速度が遅くなってしまうという問題があった。
【0007】従って、本発明の目的は、上記した従来技術の問題点を解決し、ロボットのアクセスする領域が常に変わるような場合でも、アクセス時のロボット間の相互干渉を回避でき、また、ロボットの平均アクセス速度を向上させることができるロボットアクセスシステム及びロボットアクセス方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上記した目的の少なくとも一部を達成するために、本発明の第1のロボットアクセスシステムは、予め定められた有効範囲内における何れの領域にもそれぞれアクセスすることが可能な複数のロボットと、各ロボットをそれぞれ独立して制御する複数のコントローラと、を備えたロボットアクセスシステムであって、或る第1のロボットが前記有効範囲内における或る領域にアクセスしているまたはアクセスしようとしている場合に、前記第1のロボット以外の第2のロボットを制御するコントローラは、前記第1のロボットがアクセスしているまたはアクセスしようとしている前記領域であるアクセス対象領域を含む領域であって、且つ、前記第1のロボットが前記アクセス対象領域にアクセスしている際に前記第2のロボットがアクセスすれば前記第1のロボットとの間で相互干渉を生じる可能性がある領域に、前記第2のロボットをアクセスさせないように制御することを要旨とする。
【0009】また、本発明のロボットアクセス方法は、予め定められた有効範囲内における何れの領域にもそれぞれアクセスすることが可能な複数のロボットを制御するロボットアクセス制御方法であって、或る第1のロボットが前記有効範囲内における或る領域にアクセスしているまたはアクセスしようとしている場合に、前記第1のロボット以外の第2のロボットは、前記第1のロボットがアクセスしているまたはアクセスしようとしている前記領域であるアクセス対象領域を含む領域であって、且つ、前記第1のロボットが前記アクセス対象領域にアクセスしている際に前記第2のロボットがアクセスすれば前記第1のロボットとの間で相互干渉を生じる可能性がある領域に、アクセスしないように制御することを要旨とする。
【0010】このように、本発明の第1のロボットアクセスシステム及びロボットアクセス方法においては、複数のロボットのうち、或る第1のロボットが或る領域にアクセス中またはアクセスしようとしているときに、第2のロボットは、そのアクセス対象領域を含み、かつ、第1のロボットとの間で相互干渉を生じ得るいわゆる干渉領域に、アクセスしないようしている。
【0011】従って、本発明の第1のロボットアクセスシステム及びロボットアクセス方法によれば、ロボットのアクセスする領域が変化するような場合であっても、アクセス時にロボット間の相互干渉を生じることがない。
【0012】本発明の第2のロボットアクセスシステムは、予め定められた有効範囲内における何れの領域にもそれぞれアクセスすることが可能な第1及び第2のロボットと、該第1及び第2のロボットをそれぞれ独立して制御する第1及び第2のコントローラと、を備えたロボットアクセスシステムであって、前記第2のコントローラは、前記第2のロボットを前記有効範囲内における或る領域にアクセスさせる際に、前記第1のコントローラに対し、アクセスさせようとしている前記領域であるアクセス対象領域へのアクセス許可を要請するアクセス要請信号を出力し、その後、前記第1のコントローラから、前記アクセス対象領域へのアクセスを許可をするアクセス許可信号が入力されるまでの間、前記第2のロボットを前記アクセス対象領域へアクセスさせず、前記アクセス許可信号が入力されたら、前記第2のロボットを前記アクセス対象領域へアクセスさせると共に、前記第1のコントローラは、前記第2のコントローラから、前記アクセス要請信号が入力されたら、前記第2のロボットの前記アクセス対象領域へのアクセスを許可した場合に、前記第1のロボットとの間で相互干渉が生じる可能性がある否かを判定し、前記相互干渉の生じる可能性がない場合には、前記第2のコントローラに対し、前記アクセス許可信号を出力し、前記相互干渉の生じる可能性がある場合には、前記第2のコントローラに対し、前記アクセス許可信号を出力せず、その後、前記相互干渉の生じる可能性がなくなったら、前記アクセス許可信号を出力し、該アクセス許可信号を出力した場合には、前記第2のロボットによるアクセスが完了するまでの間、前記第1のロボットを、前記第2のロボットとの間で相互干渉が生じる可能性がある領域へはアクセスさせないようにすることを要旨とする。
【0013】本発明の第2のロボットアクセスシステムでは、第2のコントローラは、制御対象である第2のロボットを或る領域にアクセスさせる場合に、第1のコントローラに対しアクセス要請信号を出力する。そして、第1のコントローラからアクセス許可信号が入力されるまでは、第2のコントローラは第2のロボットをそのアクセス対象領域へアクセスさせず、アクセス許可信号が入力されたらアクセスさせるようにしている。一方、第1のコントローラは、第2のコントローラからアクセス要請信号が入力されたら、第2のロボットのアクセス対象領域へのアクセスを許可した場合に、第1のロボットとの間で相互干渉が生じる可能性があるどうかを判定し、可能性がない場合には、第2のコントローラに対し、直ちにアクセス許可信号を出力し、可能性がある場合には、可能性がなくなるのを待ってからアクセス許可信号を出力する。そして、アクセス許可信号を出力した場合は、第2のロボットがアクセス対象領域にアクセスするので、そのアクセスが完了するまでは、第1のロボットを、第2のロボットとの間で相互干渉が生じる可能性がある領域へはアクセスさせないようにする。
【0014】従って、本発明の第2のロボットアクセスシステムによれば、第2のロボットは、或る領域にアクセスする場合、第2のコントローラにアクセス許可信号が入力されるまで待機していなければいけないが、第1のコントローラは第1のロボットが特定領域にアクセスしていない限り、直ちにアクセス許可信号を出力するので、第2のロボットは、従来のように常に一定の時間、待機している必要はない。また、第1のロボットは、或る領域にアクセスする場合、第1のコントローラが第2のコントローラに対しアクセス許可信号を出力していないか、或いは出力していても、第2のロボットとの間で相互干渉が生じる可能性がない限り、待機することなく、その領域に直ちにアクセスすることができる。よって、全体的にロボットの平均アクセス速度を向上させることができるので、ロボットのアクセス頻度が高いような場合にも十分対応することができる。
【0015】また、本発明の第2のロボットアクセスシステムにおいて、前記第2のコントローラは、前記第1のコントローラに対し、前記アクセス要請信号の他、前記有効範囲内における前記アクセス対象領域の位置を示す位置情報を出力すると共に、前記第1のコントローラは、入力された前記位置情報を基にして、前記アクセス対象領域を特定することが好ましい。
【0016】第2のコントローラ自体は第2のロボットをどの領域にアクセスさせようとしているか認識しているので、その領域の位置を示す情報を第1のコントローラに送ることによって、第1のコントローラでは、第2のロボットのアクセス対象領域を正確に特定することができる。
【0017】本発明の第3のロボットアクセスシステムは、予め定められた有効範囲内における何れの領域にもそれぞれアクセスすることが可能な複数のロボットと、各ロボットをそれぞれ独立して制御する複数のコントローラと、を備えたロボットアクセスシステムであって、前記複数のコントローラが共通して、前記有効範囲内における領域に対応したフラグをそれぞれ設定することが可能なフラグ設定手段をさらに備え、前記複数のコントローラは、それぞれ、制御対象であるロボットを前記有効範囲内における或る領域にアクセスさせる際に、前記フラグ設定手段に、アクセスさせようとしている前記領域であるアクセス対象領域を含む特定領域に対応したフラグが設定されているか否かを判定し、前記特定領域に対応したフラグが設定されていない場合には、前記フラグ設定手段に、前記特定領域に対応したフラグを設定した後、前記制御対象ロボットを前記アクセス対象領域にアクセスさせ、前記特定領域に対応したフラグが設定されている場合には、該フラグの設定が解除されるまでの間、前記制御対象ロボットを前記アクセス対象領域にアクセスさせず、その後、前記フラグの設定が解除されたら、前記フラグ設定手段に前記特定領域に対応したフラグを設定した後、前記制御対象ロボットを前記アクセス対象領域にアクセスさせると共に、その後、前記制御対象ロボットによる前記アクセス対象領域へのアクセスが完了したら、前記フラグ設定手段に設定した前記フラグを解除することを要旨とする。
【0018】本発明の第3のロボットアクセスシステムでは、各コントローラは、制御対象ロボットを或る領域にアクセスさせる際、アクセス対象領域を含む特定領域に対応したフラグがフラグ設定手段に既に設定されているかどうかを判定し、設定されていなければ、特定領域に対応したフラグを設定した上で、制御対象ロボットをアクセス対象領域にアクセスさせ、設定されていれば、そのフラグの設定が解除されるまで待ってから、特定領域に対応したフラグを設定して、制御対象ロボットをアクセス対象領域にアクセスさせる。そして、制御対象ロボットによるアクセスが完了したら、設定したフラグを解除するようにしている。
【0019】従って、本発明の第3のロボットアクセスシステムによれば、ロボットは、或る領域にアクセスする場合、フラグ設定手段に特定領域に対応したフラグが設定されていなければ、アクセス対象領域に直ちにアクセスすることができるので、従来のように常に一定の時間、待機している必要はない。よって、全体的にロボットの平均アクセス速度を向上させることができるので、ロボットのアクセス頻度が高いような場合にも十分対応することができる。
【0020】本発明の第3のロボットアクセスシステムにおいて、前記特定領域は、前記制御対象ロボット以外の他のロボットがアクセスしていれば、前記制御対象ロボットが前記アクセス対象領域にアクセスした際に、前記他のロボットとの間で相互干渉が生じる可能性がある領域であることが好ましい。
【0021】このように特定領域を設定することによって、アクセス時のロボット間の相互干渉を回避することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。図1は本発明の第1の実施例としてのロボットアクセスシステムの構成を示すブロック図であり、図2は図1のロボットアクセスシステムを適用した基板処理装置の全体構成を示す平面図であり、図3R>3は図2におけるインタフェースユニットを露光ユニット側から見た正面図である。図2,図3には、位置関係を明確にするためにXYZ直交座標系を付している。
【0023】図1に示すロボットアクセスシステムについて説明する前に、このロボットアクセスシステムが適用される基板処理装置について説明する。
【0024】図2に示す基板処理装置は、半導体ウエハ(基板)に対してフォトリソグラフィ工程の各基板処理を行なうための基板処理装置であって、インデクサ1、処理ユニット2、インタフェースユニット(IFユニット)3、露光ユニット4などを備えている。
【0025】インデクサ1は、キャリア自動搬送装置5との間でキャリアCの受け渡しを行なうための搬入出テーブル11や、搬入出テーブル11に載置されているキャリアCと後述する処理ユニット2内の基板搬送ロボット23との間で基板Wの受け渡しを行なうための基板搬入出ロボット12などを備えている。
【0026】処理ユニット2は、第1の装置配置部21と第2の装置配置部22と基板搬送ロボット23の搬送経路24とを備えている。第1の装置配置部21には、図2のX軸方向に沿って、レジスト塗布を行なうためのスピンコーターSCや、現像を行なうためのスピンディベロッパーSDなどがそれぞれ複数台配設されている。また、第2の装置配置部22には、プリベークやポストベークなどを行なうためのベークユニットBUや、複数台のエッジ露光部EEWなどが配設されている。また、第2の装置配置部22のIFユニット3側の端部付近には、IFユニット3内の後述する第1の基板搬送ロボット31との間で基板Wの受け渡しを行なうための基板受け渡し台25が設けられている。基板受け渡し台25には、複数本の基板支持ピン25aが鉛直方向に立設されており、これら基板支持ピン25aに基板Wが載置されて基板Wの受け渡しが行なわれる。
【0027】基板搬送ロボット23の搬送経路24は、第1,第2の装置配置部21,22の間に設けられている。基板搬送ロボット23は、基板Wを載置支持する複数の突起23aを備えた馬蹄型のハンド23bと、ハンド23bを水平方向(X−Y平面)に伸縮させる伸縮部23cと、伸縮部23cを介してハンド23bをZ軸周りに回転させる回転部(図示せず)と、伸縮部23c,回転部を介してハンド23bをZ軸方向に移動させるZ方向移動部23eと、伸縮部23c,回転部,Z方向移動部23eを介してハンド23bをX軸方向に移動させるX方向移動部23fと、を備えている。このうち、伸縮部23cやZ方向移動部23eやX方向移動部23fは、ネジ軸23g、モータ23h、ガイド軸23iからなる周知の1軸方向移動機構で構成されている。
【0028】以上のような構成によって、基板搬送ロボット23は、ハンド23bのZ軸周りの回転やX,Z軸方向の移動,伸縮を適宜組み合わせて、スピンコーターSC、スピンディベロッパーSD、ベークユニットBU、冷却装置、エッジ露光部EEWなどの処理装置に対するアクセス(各装置に対する基板Wの搬入/搬出動作)や、基板受け渡し台25に対する基板Wの載置/取り出しや、処理ユニット2内の各装置の間における基板Wの搬送を行なう。
【0029】IFユニット3は、本発明のロボットアクセスシステムが適用される部分であって、図2,図3に示すように、第1の基板搬送ロボット31とバッファ部32と第2の基板搬送ロボット33と基板搬入台34と基板搬出台35とを一体的にユニット化して構成されている。また、IFユニット3は、さらに、第1,第2のカセット36a,36bをそれぞれセットしておくための2個のテーブル台37a,37bも備えている。
【0030】第1の基板搬送ロボット31は、Z方向駆動部31a、連結部材31b、回転駆動部31c、伸縮駆動部31d、基板支持部31eなどで構成されている。Z方向駆動部31aは、IFユニット3の下面に固定されており、その内部に、Z軸方向に沿って回転自在に立設されているネジ軸31aaと、ネジ軸31aaと平行に配されたガイド軸(図示せず)と、ネジ軸31aaを正逆方向に回転させるモータ31abと、を備えている。連結部材31bは、その基端部がZ方向駆動部31a内のネジ軸31aaに螺合され、ガイド軸に摺動自在に嵌め付けられていて、ネジ軸31aaが正逆方向に回転することによって、Z軸方向に移動できるようになっている。また、連結部材31bの先端部には、回転駆動部31cが固定されている。
【0031】回転駆動部31cは、その内部に、Z軸方向に回転自在に立設されている回転軸31caと、回転軸31caを正逆方向に回転させるモータ31cbと、を備えている。また、回転軸31caの先端部には、伸縮駆動部31dが固定されている。伸縮駆動部31dは、その内部に、モータ31daと、そのモータ31daによって駆動されるタイミングベルト31dbと、を備えている。このタイミングベルト31dbの一部には基板支持部31eの基端部が連結されていて、タイミングベルト31dbを駆動させることによって、伸縮駆動部31dに対し基板支持部31eが伸縮するようになっている。また、回転駆動部31cの回転軸31caを正逆方向に回転させることによって、伸縮駆動部31d及び基板支持部31eをZ軸周りに回転させて、X−Y平面(水平面)内の任意の方向に基板支持部31eを伸縮できるようにしている。さらにまた、Z方向駆動部31aのネジ軸31aaを正逆方向に回転させることによって、連結部材31b,回転駆動部31c,伸縮駆動部31dを介して、基板支持部31eのZ軸方向の高さを調整できるようにしている。
【0032】以上のような構成によって、第1の基板搬送ロボット31は、処理ユニット2内の基板受け渡し台25に対する基板Wの載置/取り出しや、後述するバッファ部32の任意の収納棚32aに対する基板Wの収納/取り出しを行なう。即ち、基板受け渡し台25に対する基板Wの載置/取り出しは、基板支持部31eの正面が基板受け渡し台25の方に向くように伸縮駆動部31d等を移動させ、基板支持部31eをX軸方向に伸縮することによって行い、バッファ部32に対する基板Wの収納/取り出しは、基板支持部31eの正面がバッファ部32の方に向くように伸縮駆動部31d等を移動させ、基板支持部31eをY軸方向に伸縮することによって行なう。
【0033】なお、図3において、開口部2aは、処理ユニット2とIFユニット3との間で基板Wを受け渡すときに、基板Wを支持した第1の基板搬送ロボット31を通過させるために開いている。
【0034】第2の基板搬送ロボット33は、Y方向駆動部33a、第1の連結部材33b、Z方向駆動部33c、第2の連結部材33d、回転駆動部33e、伸縮駆動部33f、基板支持部33gなどで構成されている。Y方向駆動部33aは、IFユニット3の内側面に固定されており、その内部に、Y軸方向に沿って回転自在に立設されているネジ軸33aaと、ネジ軸33aaと平行に配されたガイド軸33abと、ネジ軸33aaを正逆方向に回転させるモータ33acと、を備えている。第1の連結部材33bは、Y方向駆動部33a内のネジ軸33aaに螺合され、ガイド軸33abに摺動自在に嵌め付けられていて、ネジ軸33aaが正逆方向に回転することによって、Y軸方向に移動できるようになっている。また、第1の連結部材33bの上部には、Z方向駆動部33cが固定されている。
【0035】第2の基板搬送ロボット33において、Z方向駆動部33c、第2の連結部材33d、回転駆動部33e、伸縮駆動部33f、基板支持部33gは、それぞれ、第1の基板搬送ロボット31におけるZ方向駆動部31a、連結部材31b、回転駆動部31c、伸縮駆動部31d、基板支持部31eと同様の構成を成しており、同様の動作を行なうことができる。即ち、第2の基板搬送ロボット33においても、伸縮駆動部33fに対して基板支持部33gが伸縮するようになっており、また、回転駆動部33eによって伸縮駆動部33f及び基板支持部33gをZ軸周りに回転させて、X−Y平面(水平面)内の任意の方向に基板支持部33gを伸縮できるようになっている。また、Z方向駆動部33cによって、第2の連結部材33d,回転駆動部33e,伸縮駆動部33fを介して、基板支持部33gのZ軸方向の高さを調整できるようになっている。
【0036】また、その他、第2の基板搬送ロボット33においては、Y方向駆動部33aのネジ軸33aaを正逆方向に回転させることによって、第1の連結部材33b,Z方向駆動部33c,第2の連結部材33d,回転駆動部33eを介して、伸縮駆動部33f及び基板支持部33gのY軸方向の位置を変え得るようにしている。
【0037】以上のような構成によって、第2の基板搬送ロボット33は、バッファ部32の任意の収納棚32aに対する基板Wの収納/取り出しや、基板搬入台34への基板Wの載置や、基板搬出台35からの基板Wの取り出しや、後述するカセット36a,36bに対する基板Wの収納/取り出しを行なう。即ち、バッファ部32に対する基板Wの収納/取り出しは、基板支持部33gの正面がバッファ部32の方に向くように伸縮駆動部33f等を移動させ、基板支持部33gをY軸方向に伸縮することによって行ない、基板搬入台34や基板搬出台35に対する基板Wの載置や取り出しは、伸縮駆動部33f等を、基板搬入台34や基板搬出台35の前まで移動させると共に、基板支持部33gの正面が基板搬入台34や基板搬出台35の方に向くように移動させて、基板支持部31eをX軸方向に伸縮することによって行なう。
【0038】図4は図2におけるバッファ部付近の概略構成を示す斜視図である。バッファ部32は、上記した第1の基板搬送ロボット31と第2の基板搬送ロボット33と間に配置されており、IFユニット3の内側面に支持されている。このバッファ部32には、図4に示すように、複数個(例えば、50個)の収納棚32aがZ方向に多段状に積層されている。また、各収納棚32aは、第1の基板搬送ロボット31及び第2の基板搬送ロボット33に面した部分が開口されており、上述したように、第1,第2の基板搬送ロボット31,33によって基板Wの収納/取り出しが行えるようになっている。なお、各収納棚32aには下から順番に番号が付されており、従って、その棚番号を指定することによって、複数の収納棚から、任意の棚を特定することができる。
【0039】図5は図4における第1の基板搬送ロボットによって基板の収納を行なう際の動作を説明するための説明図である。第1の基板搬送ロボット31がバッファ部32の任意の収納棚32aへ基板Wを収納する場合、図5に示すように、まず、回転駆動部31cによって、基板支持部31eの正面をバッファ部32の開口部に向けると共に、Z方向駆動部31aによって、基板支持部31eの高さを、基板Wを収納しようとする収納棚32aの高さに合わせる。次に、伸縮駆動部31dによって基板支持部31eを伸張させて、支持している基板Wを収納すべき収納棚32aに挿入した後、Z方向駆動部31aによって基板支持部31eを微少量降下させて、基板Wをその収納棚32aに載置収納し、その後、収納した基板Wの裏面から離れた位置で基板支持部31eを停止させる。そして、伸縮駆動部31dによって基板支持部31eを収縮させて、基板支持部31eを収納棚32aから退出させ、任意の収納棚32aへの基板Wの収納を終了する。
【0040】一方、バッファ部32の任意の収納棚32aからの基板Wの取り出しは、上述した基板Wの収納動作と逆の動作によって行なわれ、即ち、基板支持部31eによって、収納されている基板Wを下方から持ち上げるようにして行なわれる。
【0041】なお、第2の基板搬送ロボット33によるバッファ部32の任意の収納棚32aに対する基板Wの収納/取り出しも、第1の基板搬送ロボット31による収納/取り出しと同様の動作によって行なわれる。
【0042】また、図2,図3に示すように、基板搬入台34,基板搬出台35は、前述した処理ユニット2内の基板受け渡し台25と同様に、複数本の基板支持ピン34a,35aが鉛直方向に立設されており、これら基板支持ピン34a,35aに基板Wが載置されて、露光ユニット4との間で基板Wの受け渡しが行なわれる。
【0043】第1,第2のカセット36a,36bは、それぞれ、テーブル台37a,37bにセットされており、それらの内部には、複数枚の基板Wを水平姿勢で収納しておくための複数個の収納棚(図示せず)が配置されている。これらカセット36a,36bは、パイロット基板を収納して露光テストをする場合などに用いられ、使用する際には、IFユニット3の一側面に設けられた扉38を開いて、テーブル台37a,37bにセットされる。
【0044】さて、以上説明した基板処理装置におけるIFユニット3においては、第1の基板搬送ロボット31と第2の基板搬送ロボット33が、同一のバッファ部32に対してアクセス(即ち、基板Wの収納/取り出し)を行なっている。第1の基板搬送ロボット31及び第2の基板搬送ロボット33は、図1に示すようなロボットアクセスシステムにおいて、第1のコントローラ100及び第2のコントローラ200によってそれぞれ独立に制御されて、バッファ部32に対するアクセスを行なっている。
【0045】図1において、第1のコントローラ100は、プログラムに従って各種処理や制御を行なうためのCPU110と、上記プログラムや処理中に生じたデータなどを格納するための内部メモリ120と、第1の基板搬送ロボット31や第2のコントローラ200との間で種々の信号をやり取りするための入出力回路130と、を備えており、各構成要素はバス140によって接続されている。また、第2のコントローラ200も、第1のコントローラ100と同様の構成となっており、CPU210と、内部メモリ220と、第2の基板搬送ロボット33や第1のコントローラ100との間で種々の信号をやり取りするための入出力回路230と、バス240と、を備えている。
【0046】なお、各入出力回路130,230からは、基板搬送ロボット31,33に対して基板搬送ロボット31,33をそれぞれ制御するための制御信号150,250が出力されており、逆に、基板搬送ロボット31,33からは、入出力回路130,230に対して、基板搬送ロボット31,33の動作状態などを表す検出信号160,260が出力されている。また、入出力回路130,230同士の間では後述するような特定の信号がやり取りされている。
【0047】さて、バッファ部32には、前述したように複数個の収納棚32aがあるが、第1の基板搬送ロボット31及び第2の基板搬送ロボット33共、何れの収納棚32aに対してもアクセスを行なうことができるため、第1の基板搬送ロボット31及び第2の基板搬送ロボット33が、ほぼ同時に同一の収納棚32aに対してアクセスを行なうとすると、両者の間に相互干渉が生じる。また、同一の収納棚32aにアクセスしなくても、上下に隣接した2個の収納棚32aにほぼ同時にそれぞれアクセスしたとしても、同様に相互干渉が生じる。何故なら、図5において説明したように、或る収納棚32aに対して基板Wの収納/取り出しを行なう際には、基板支持部は必ずその収納棚のすぐ下の収納棚の部分を通過するため、仮に、下の収納棚に対して他方の基板支持部が基板Wの収納/取り出しを行なっていると、その収納棚において基板支持部同士がぶつかり合うからである。
【0048】そこで、本実施例においては、第1の基板搬送ロボット31及び第1のコントローラ100をメインとし、第2の基板搬送ロボット33及び第2のコントローラ200をスレーブとして、第1及び第2のコントローラ間で特定の信号のやり取りを行ないながら、第1の基板搬送ロボット31と第2の基板搬送ロボット33との間で相互干渉が生じないようにしている。
【0049】図6は図1の第2のコントローラ200における処理手順を示すフローチャートであり、図7及び図8は図1の第1のコントローラ100における処理手順を示すフローチャートである。
【0050】まず、スレーブ側である第2のコントローラ200及び第2の基板搬送ロボット33の動作について、図6を用いて説明する。
【0051】第2のコントローラ200において、図6に示すように、処理が開始されると、まず、CPU210が処理コマンドを受け付け(ステップS20)、その処理コマンドが、第2の基板搬送ロボット33によるバッファ部32内の収納棚32aに対するアクセス(即ち、基板Wの収納/取り出し)の実行であるか否かを判定する(ステップS22)。アクセスの実行以外の処理コマンドである場合には、その処理コマンドに対応した処理を行なう(ステップS38)。しかし、処理コマンドがアクセスの実行である場合には、CPU210は、入出力回路230を介して第1のコントローラ100に対し棚番号信号280を出力する(ステップS24)。出力された棚番号信号280は、第1のコントローラ100において、入出力回路130を介してCPU110に入力される。この棚番号信号280は、第2の基板搬送ロボット33をアクセスさせようとしている収納棚32aの番号を表す信号である。なお、この棚番号信号280は、後述するステップS36において出力停止がなされるまで、継続して出力される。
【0052】次に、CPU210は、入出力回路230を介して第2の基板搬送ロボット33を制御して、第2の基板搬送ロボット33を、アクセスさせるべき収納棚32aの前まで移動させる(ステップS26)と共に、入出力回路230を介して第1のコントローラ100に対しアクセス要請信号270を出力する(ステップS28)。出力された対しアクセス要請信号270は、第1のコントローラ100において、入出力回路130を介してCPU110に入力される。このアクセス要請信号270は、第1のコントローラ100に対して、第2のコントローラ200が、第2の基板搬送ロボット33の上記収納棚(即ち、アクセスさせるべき収納棚)32aに対するアクセスの許可を要請するための信号である。なお、このアクセス要請信号270も、後述するステップS36において出力停止がなされるまで、継続して出力される。
【0053】続いて、CPU210は、第1のコントローラ100からアクセス許可信号170が入出力回路230に入力されるかどうかを検知しながら、入力されるまで待機する。このアクセス許可信号170は、第2のコントローラ200に対して、第1のコントローラ100が、第2の基板搬送ロボット33の上記収納棚(即ち、アクセスさせるべき収納棚)32aに対するアクセスを許可する信号である。
【0054】その後、第1のコントローラ100から第2のコントローラ200にアクセス許可信号が入力され、CPU210がそれを検知したら、CPU210は、入出力回路230を介して第2の基板搬送ロボット33を制御して、第2の基板搬送ロボット33に、アクセスさせるべき収納棚32aへのアクセスを開始させる(ステップS32)。そして、第2の基板搬送ロボット33がその収納棚32aに対し基板Wの収納/取り出しを行なって後、CPU210がそのアクセスの完了を検知したら(ステップS34)、CPU210は、第1のコントローラ100に対して行なっていた棚番号信号280及びアクセス要請信号270の出力を停止させる(ステップS36)。
【0055】こうして、第2の基板搬送ロボット33に関する一連のアクセス処理が完了したら、再び、ステップS20に戻り同様の動作が繰り返される。
【0056】次に、メイン側である第1のコントローラ100及び第1の基板搬送ロボット31の動作について、図7及び図8を用いて説明する。なお、第1のコントローラ100の処理には、図7に示すメイン処理と図8R>8に示すサブ処理とがあり、両方の処理は並列して行なわれる。まず、図8に示すサブ処理について説明する。
【0057】第1のコントローラ100において、図8に示すように、サブ処理が開始されると、まず、CPU110は、第2のコントローラ200から前述したアクセス要請信号270が入出力回路130に入力されたかどうかを判定する(ステップS60)。そして、アクセス要請信号270が入力された場合には、CPU110は、第1のコントローラ100の制御対象である第1の基板搬送ロボット31を、バッファ部32の何れかの収納棚32aにアクセスさせているか(またはアクセスさせようとしているか)どうかを判定する(ステップS62)。その結果、アクセスさせている(またはアクセスさせようとしている)場合には、CPU110は、先に、第2のコントローラ200から入力されている棚番号信号280に基づいて、第2のコントローラ200の制御対象である第2の基板搬送ロボット33がアクセスしようとしている収納棚32aの棚番号を検出する(ステップS64)。CPU110は、その検出結果に基づいて、第2のコントローラ200に対しアクセスを許可した場合に、第2のコントローラ200の制御対象である第2の基板搬送ロボット33によるアクセスによって、アクセスさせている(またはアクセスさせようとしている)第1の基板搬送ロボット31との間で相互干渉を生じるか否かを判定する(ステップS66)。前述したように、相互干渉は、第1及び第2の基板搬送ロボット31,33が、同一の収納棚32aにほぼ同時にアクセスする場合のみならず、上下に隣接した2個の収納棚32aにほぼ同時にアクセスする場合にも、生じる。従って、ステップS66では、CPU110は、第1の基板搬送ロボット31をアクセスさせている(またはアクセスさせようとしている)収納棚及びその上下の収納棚の何れかに、第2の基板搬送ロボット33がアクセスしようとしているか否かを判定する。具体的には、第1の基板搬送ロボット31をアクセスさせている(またはアクセスさせようとしている)収納棚の棚番号をAとし、第2の基板搬送ロボット33がアクセスしようとしている収納棚の棚番号をBとした場合に、BがA,A+1及びA−1の何れかと一致するか否かを判定している。
【0058】さて、ステップS66において、相互干渉が生じると判定した場合には、ステップS62に戻って、再び、同様の処理が繰り返される。しかし、ステップS66において、相互干渉が生じないと判定した場合には、CPU110は、入出力回路130を介して、第2のコントローラ200に対しアクセス許可信号170を出力する(ステップS68)。なお、このアクセス許可信号170も、後述するステップS70において出力停止がなされるまで、継続して出力される。
【0059】また、ステップS62において、第1の基板搬送ロボット31を何れの収納棚32aにもアクセスさせていない(またはアクセスさせようとしていない)と判定した場合には、第2のコントローラ200に対しアクセスを許可しても、第2のコントローラ200の制御対象である第2の基板搬送ロボット33によるアクセスによって相互干渉は生じないので、この場合も、第2のコントローラ200に対しアクセス許可信号170を出力する(ステップS68)。
【0060】こうして、第2のコントローラ200に対するアクセス許可についての一連の処理が完了したら、ステップS60に戻り、再び、CPU110は、第2のコントローラ200からアクセス要請信号270が入力されたかどうかを判定する(ステップS60)。その際、第2の基板搬送ロボット33によるアクセスが完了して、第2のコントローラ200からアクセス要請信号270が入力されなくなっていたら、CPU110は、第2のコントローラ200に対するアクセス許可信号170の出力を停止する(ステップS70)。
【0061】次に、図7に示すメイン処理について説明する。第1のコントローラ100において、メイン処理が開始されると、まず、第2のコントローラ200の場合と同様に、CPU110が処理コマンドを受け付け(ステップS40)、その処理コマンドが、第1の基板搬送ロボット31によるバッファ部32内の収納棚32aに対するアクセス(即ち、基板Wの収納/取り出し)の実行であるか否かを判定する(ステップS42)。アクセスの実行以外の処理コマンドである場合には、その処理コマンドに対応した処理を行なう(ステップS52)。しかし、処理コマンドがアクセスの実行である場合には、CPU110は、第2のコントローラ200に対しアクセス許可信号170を出力中であるか否かを検知する(ステップS44)。アクセス許可信号170を出力中である場合には、第2のコントローラ200によってその制御対象である第2の基板搬送ロボット33はアクセスを実行中であるので、CPU110は、制御対象である第1の基板搬送ロボット31にアクセスを実行させた場合に、そのアクセスによって、既にアクセスしている第2の基板搬送ロボット33との間で相互干渉を生じるか否かを判定する(ステップS46)。即ち、ステップS46では、CPU110は、第2の基板搬送ロボット33がアクセスしている収納棚及びその上下の収納棚の何れかに、第1の基板搬送ロボット31をアクセスさせようとしているか否かを判定する。
【0062】ステップS46において、相互干渉が生じる判定した場合には、ステップS44に戻って、再び、同様の処理が繰り返される。しかし、ステップS46において、相互干渉が生じないと判定した場合には、CPU110は、入出力回路130を介して第1の基板搬送ロボット31を制御して、第1の基板搬送ロボット31に、アクセスさせるべき収納棚32aへのアクセスを開始させる(ステップS48)。そして、第1の基板搬送ロボット31がその収納棚32aに対し基板Wの収納/取り出しを行なって後、CPU110がそのアクセスの完了を検知したら(ステップS50)、第1の基板搬送ロボット31に関する一連のアクセス処理が完了するので、再び、ステップS40に戻り同様の動作が繰り返される。
【0063】以上説明したように、本実施例では、第1及び第2の基板搬送ロボット31,33はバッファ部32における何れの収納棚32aに対してもアクセスすることができ、各々の基板搬送ロボット31,33のアクセスする収納棚32aは常に変化しているが、そのような場合であっても、アクセス時に、第1及び第2の基板搬送ロボット31,33の間で相互干渉を生じることがない。
【0064】また、スレーブ側である第2の基板搬送ロボット33は、バッファ部32における或る収納棚32aにアクセスしようとする場合、第1のコントローラ100から第2のコントローラ200にアクセス許可信号170が入力されるまで待機していなければいけないが、第1のコントローラ100は第1の基板搬送ロボット31が収納棚32aにアクセス中でないか、アクセス中であっても、そのアクセス中の第1の基板搬送ロボット31との間で、アクセスしようとする第2の基板搬送ロボット33が相互干渉を生じない限り、直ちにアクセス許可信号を出力するので、第2の基板搬送ロボット33は、従来のように常に一定の時間、待機している必要はない。また、メイン側である第1の基板搬送ロボット31は、バッファ部32における或る収納棚32aにアクセスしようとする場合、第1のコントローラ100が第2のコントローラ200に対しアクセス許可信号170を出力していないか、或いは出力していても、アクセス中の第2の基板搬送ロボット33との間で、アクセスしようとする第1の基板搬送ロボット31が相互干渉を生じない限り、待機することなく、その収納棚32aにアクセスすることができる。よって、全体的に基板搬送ロボットの平均アクセス速度を向上させることができるので、基板搬送ロボットのアクセス頻度が高いような場合にも十分対応することができる。
【0065】また、本実施例においては、前述したように、スレーブ側である第2の基板搬送ロボット33は、アクセスしようとする場合に、第2のコントローラ200にアクセス許可信号170が入力されるまでの間、必ず待機していなければいけないので、その分、メイン側である第1の基板搬送ロボット31に比べて平均アクセス速度が遅くなる。しかし、露光ユニット4における処理時間は、処理ユニット2における処理時間よりも長いので、第2の基板搬送ロボット33のバッファ部32に対するアクセス頻度は、第1の基板搬送ロボット31のそれと比べて低くなる。従って、スレーブ側である第2の基板搬送ロボット33の平均アクセス速度が遅くても、何ら問題は生じない。
【0066】図9は本発明の第2の実施例としてのロボットアクセスシステムの構成を示すブロック図である。本実施例においても、図1に示すロボットアクセスシステムの場合と同様に、図9に示すロボットアクセスシステムを図2に示した基板処理装置におけるIFユニット3に適用する場合について説明する。
【0067】図9に示すように、本実施例のロボットアクセスシステムは、第1及び第2の基板搬送ロボット31,33と、それらをそれぞれ独立に制御する第1及び第2のコントローラ300,400と、を備える他、さらに、第1及び第2のコントローラ300,400から共通してアクセスされ得る共通メモリ500を備えている。
【0068】図9において、第1のコントローラ300は、図1に示した第1及び第2のコントローラ100,200と同様に、CPU310と、内部メモリ320と、第1の基板搬送ロボット31や共通メモリ500との間で種々の信号をやり取りするための入出力回路330と、バス340と、を備えている。また、第2のコントローラ400も、同様に、CPU410と、内部メモリ420と、第2の基板搬送ロボット33や共通メモリ500との間で種々の信号をやり取りするための入出力回路430と、バス440と、を備えている。また、共通メモリ500は、バッファ部32における各収納棚32aに対応して後述するようなフラグを設定するためのフラグ設定テーブル510を備えている。フラグ設定テーブル510には、バッファ部32における各収納棚32aの棚番号と、各収納棚についてそれぞれ設定されるフラグと、が格納されている。
【0069】なお、各入出力回路330,430からは、基板搬送ロボット31,33に対して基板搬送ロボット31,33をそれぞれ制御するための制御信号350,450が出力されており、逆に、基板搬送ロボット31,33からは、入出力回路330,430に対して、基板搬送ロボット31,33の動作状態などを表す検出信号360,460が出力されている。また、その他、各入出力回路130,230からは、共通メモリ500に対して、共通メモリ500に各種指示を出すための指示信号370,470や、共通メモリ500に書き込むべき書き込みデータ390,490が出力され、共通メモリ500からは、入出力回路130,230に対し、共通メモリ500から読み出された読み出しデータ380,480が出力される。
【0070】さて、図1に示した実施例においては、第1の基板搬送ロボット31及び第1のコントローラ100をメインとし、第2の基板搬送ロボット33及び第2のコントローラ200をスレーブとして、両者の間に主従関係を持たせていたが、本実施例では、第1の基板搬送ロボット31及び第1のコントローラ300と、第2の基板搬送ロボット33及び第2のコントローラ400とは同格であり、第1及び第2のコントローラ300,400が共通して共通メモリ500にアクセスし、フラグ設定テーブル510にフラグを設定/解除することよって、第1の基板搬送ロボット31と第2の基板搬送ロボット33との間で相互干渉が生じないようにしている。
【0071】図10は図9の第1及び第2のコントローラ300,400における処理手順を示すフローチャートである。第1のコントローラ300及び第1の基板搬送ロボット31と、第2のコントローラ400及び第2の基板搬送ロボット33とは、互いに、動作タイミングが異なるだけで、動作内容は同じであるので、主として、第1のコントローラ300及び第1の基板搬送ロボット31の動作について、図10を用いて説明する。
【0072】第1のコントローラ300において、図10R>0に示すように、CPU310が処理コマンドを受け付け(ステップS80)、その処理コマンドが、第1の基板搬送ロボット31によるバッファ部32内の収納棚32aに対するアクセス(即ち、基板Wの収納/取り出し)の実行であるか否かを判定する(ステップS82)。アクセスの実行以外の処理コマンドである場合には、その処理コマンドに対応した処理を行なう(ステップS94)。
【0073】しかし、処理コマンドがアクセスの実行である場合には、CPU310は、共通メモリ500において、バッファ部32における収納棚32aのうち、干渉領域に対応する収納棚についてフラグが設定されているかどうかを検知する(ステップS84)。このフラグは、基板搬送ロボットがバッファ部32におけるどの収納棚32aにアクセスしているかを示すものであり、何れかの基板搬送ロボットがアクセス中であれば、そのアクセスしている収納棚についてフラグは設定されるようになっている。
【0074】また、前述したように、相互干渉は、第1及び第2の基板搬送ロボット31,33が、同一の収納棚または上下に隣接した2個の収納棚32aにほぼ同時にアクセスする場合に生じる。そこで、一方の基板搬送ロボットが或る収納棚にアクセスしようとしている場合に、その収納棚とその上下の収納棚の計3個の収納棚は、それら収納棚に他方の基板搬送ロボットがアクセスしている(またはアクセスしようとしている)と、相互干渉を起こす恐れがあるので、相互干渉を生じる可能性がある領域であるとして、干渉領域と呼ぶことにする。
【0075】図11及び図12はそれぞれ図9に示すフラグ設定テーブル510の内容の時間的推移の一例を示す説明図である。図11及び図12においては、バッファ部32における収納棚32aの個数を50個としており、棚番号としては、「1」から「50」まで付されている。また、フラグについては、フラグが設定されている場合を「1」とし、フラグが解除されている場合を「0」としている。従って、第1のコントローラ300が制御対象である第1の基板搬送ロボット31をアクセスさせているときには、そのアクセスさせている収納棚の棚番号にフラグ「1」が設定され、また、第1の基板搬送ロボット31以外の基板搬送ロボット(本実施例では、第2の基板搬送ロボット33)がアクセスしているときには、そのアクセスしている収納棚の棚番号にフラグ「1」が設定されることになる。
【0076】それでは、今、第1のコントローラ300が第1の基板搬送ロボット31を棚番号「24」の収納棚にアクセスさせようとしているものとして、ステップS84の動作を具体的に説明する。
【0077】CPU310は、まず、第1の基板搬送ロボット31をアクセスさせようとしている収納棚は棚番号「24」の収納棚であるので、その棚番号「24」の収納棚と、その上下の収納棚である棚番号「23」,「25」の収納棚を、上記した干渉領域にある収納棚であると認定する。そして、CPU310は、入出力回路330を介して共通メモリ500に対し指示信号370を出力して、干渉領域にある収納棚の棚番号「23」〜「25」についてのフラグの設定内容の読み出しを指示する。それによって、共通メモリ500から読み出しデータ380としてフラグの設定内容が入力されたら、その設定内容に基づいて、棚番号「23」〜「25」の収納棚についてフラグが設定されているかどうかを判定する。
【0078】判定の結果、干渉領域にある収納棚についてフラグが設定されている場合には、CPU310は、ステップS84の処理を繰り返して、その設定が解除されるまで待機する。例えば、図11(a)では、干渉領域にある棚番号「25」の収納棚についてフラグが設定(「1」)されているので、図11(b)に示すように、その設定が解除(「0」)されるまで、CPU310は待機することになる。また、判定の結果、干渉領域にある収納棚についてフラグが設定されていない場合(即ち、フラグが解除されている場合)には、CPU310は、次のステップS86の処理に移る。例えば、図1212(a)では、棚番号「26」の収納棚についてフラグが設定されているが、干渉領域にある棚番号「23」〜「25」の収納棚についてはフラグが設定されていないので、CPU310はステップS86の処理に移ることになる。また、図11(b)では、棚番号「25」の収納棚について設定されていたフラグが解除されたので、この場合も、ステップS86の処理に移る。
【0079】ステップS86では、CPU310は、共通メモリ500に対し、第1の基板搬送ロボット31をアクセスさせようとしている収納棚についてフラグを設定する。具体的には、CPU310は、入出力回路330を介して共通メモリ500に対し指示信号370と書き込みデータ390を出力して、棚番号「24」の収納棚についてフラグを設定する。その結果、図11(c)または図12(b)に示すように、棚番号「24」にはフラグが設定される。
【0080】次に、CPU310は、入出力回路330を介して第1の基板搬送ロボット31を制御して、第1の基板搬送ロボット31に、アクセスさせるべき収納棚(即ち、棚番号「24」の収納棚)へのアクセスを開始させる(ステップS88)。そして、第1の基板搬送ロボット31がその棚番号「24」の収納棚に対し基板Wの収納/取り出しを行なって後、CPU310がそのアクセスの完了を検知したら(ステップS90)、CPU310は、共通メモリ500に対し、ステップS86で設定したフラグを解除する(ステップS92)。具体的には、CPU310は、入出力回路330を介して共通メモリ500に対し指示信号370と書き込みデータ390を出力して、棚番号「24」の収納棚について設定していたフラグを解除する(フラグを「1」から「0」に書き換える)。
【0081】こうして、第1の基板搬送ロボット31に関する一連のアクセス処理が完了したら、再び、ステップS80に戻り同様の動作が繰り返される。
【0082】なお、以上の説明においては、第1のコントローラ300及び第1の基板搬送ロボット31の動作について述べたが、前述したように、他方の第2のコントローラ400及び第2の基板搬送ロボット33の動作についても、第1のコントローラ300及び第1の基板搬送ロボット31の動作と同様の内容となる。
【0083】従って、本実施例によれば、一方の基板搬送ロボットがバッファ部32における或る収納棚32aにアクセスしようとするとき、共通メモリ500において、干渉領域にある収納棚についてフラグが設定されている場合には、目的の収納棚にはアクセスせず待機しているので、他方の基板搬送ロボットとの間で相互干渉を生じる恐れがない。
【0084】また、一方の基板搬送ロボットが或る収納棚32aにアクセスしようとするときに、干渉領域にある収納棚についてフラグが設定されていなければ、目的の収納棚に直ちにアクセスすることができるので、従来のように常に一定の時間、待機している必要はない。よって、全体的に基板搬送ロボットの平均アクセス速度を向上させることができるので、基板搬送ロボットのアクセス頻度が高いような場合にも十分対応することができる。
【0085】また、本実施例においては、基板搬送ロボット及びコントローラの各組をそれぞれ同格に扱っているので、基板搬送ロボット及びコントローラの組が3組以上であっても、支障なく動作させることができる。従って、例えば、バッファ部32に3台以上の基板搬送ロボットをアクセスさせようとする場合にも十分対応することができる。
【0086】なお、本発明は上記した実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様にて実施することが可能である。
【0087】上記した実施例においては、制御対象であるロボットは基板搬送ロボットであり、アクセス対象は収納棚であり、アクセス内容は基板Wの収納/取り出しであったが、本発明は、これらに限定されるものではなく、アクセス対象としては、或る有効範囲内において複数の領域が設定されているようなものであれば良く、また、ロボットとしても、その有効範囲内の何れの領域にもアクセスすることができるようなロボットであれば良く、アクセス内容としても、上記領域を上記ロボットの一部が占有するような動作内容であれば良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例としてのロボットアクセスシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1のロボットアクセスシステムを適用した基板処理装置の全体構成を示す平面図である。
【図3】図2におけるインタフェースユニットを露光ユニット側から見た正面図である。
【図4】図2におけるバッファ部付近の概略構成を示す斜視図である。
【図5】図4における第1の基板搬送ロボットによって基板の収納を行なう際の動作を説明するための説明図である。
【図6】図1の第2のコントローラ200における処理手順を示すフローチャートである。
【図7】図1の第1のコントローラ100におけるメイン処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】図1の第1のコントローラ100におけるサブ処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第2の実施例としてのロボットアクセスシステムの構成を示すブロック図である。
【図10】図9の第1及び第2のコントローラ300,400における処理手順を示すフローチャートである。
【図11】図9に示すフラグ設定テーブル510の内容の時間的推移の一例を示す説明図である。
【図12】図9に示すフラグ設定テーブル510の内容の時間的推移の他の例を示す説明図である。
【符号の説明】
1…インデクサ
2…処理ユニット
2a…開口部
3…IFユニット
4…露光ユニット
5…キャリア自動搬送装置
11…搬入出テーブル
12…基板搬入出ロボット
21…第1の装置配置部
22…第2の装置配置部
23…基板搬送ロボット
23a…突起
23b…ハンド
23c…伸縮部
23e…Z方向移動部
23f…X方向移動部
23g…ネジ軸
23h…モータ
23i…ガイド軸
24…搬送経路
25…基板受け渡し台
25a…基板支持ピン
31…第1の基板搬送ロボット
31a…Z方向駆動部
31aa…ネジ軸
31ab…モータ
31b…連結部材
31c…回転駆動部
31ca…回転軸
31cb…モータ
31d…伸縮駆動部
31da…モータ
31db…タイミングベルト
31e…基板支持部
32…バッファ部
32a…収納棚
33…第2の基板搬送ロボット
33a…Y方向駆動部
33aa…ネジ軸
33ab…ガイド軸
33ac…モータ
33b…第1の連結部材
33c…Z方向駆動部
33d…第2の連結部材
33e…回転駆動部
33f…伸縮駆動部
33g…基板支持部
34…基板搬入台
34a,35a…基板支持ピン
35…基板搬出台
36a,36b…カセット
37a,37b…テーブル台
38…扉
100…第1のコントローラ
110…CPU
120…内部メモリ
130…入出力回路
140…バス
150…制御信号
160…検出信号
170…アクセス許可信号
200…第2のコントローラ
210…CPU
220…内部メモリ
230…入出力回路
240…バス
250…制御信号
260…検出信号
270…アクセス要請信号
280…棚番号信号
300…第1のコントローラ
310…CPU
320…内部メモリ
330…入出力回路
340…バス
350…制御信号
360…検出信号
370…指示信号
380…読み出しデータ
390…書き込みデータ
400…第2のコントローラ
410…CPU
420…内部メモリ
430…入出力回路
440…バス
450…制御信号
460…検出信号
470…指示信号
480…読み出しデータ
490…書き込みデータ
500…共通メモリ
510…フラグ設定テーブル
BU…ベークユニット
C…キャリア
EEW…エッジ露光部
SC…スピンコーター
SD…スピンディベロッパー
W…基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】 予め定められた有効範囲内における何れの領域にもそれぞれアクセスすることが可能な複数のロボットと、各ロボットをそれぞれ独立して制御する複数のコントローラと、を備えたロボットアクセスシステムであって、或る第1のロボットが前記有効範囲内における或る領域にアクセスしているまたはアクセスしようとしている場合に、前記第1のロボット以外の第2のロボットを制御するコントローラは、前記第1のロボットがアクセスしているまたはアクセスしようとしている前記領域であるアクセス対象領域を含む領域であって、且つ、前記第1のロボットが前記アクセス対象領域にアクセスしている際に前記第2のロボットがアクセスすれば前記第1のロボットとの間で相互干渉を生じる可能性がある領域に、前記第2のロボットをアクセスさせないように制御することを特徴とするロボットアクセスシステム。
【請求項2】 予め定められた有効範囲内における何れの領域にもそれぞれアクセスすることが可能な第1及び第2のロボットと、該第1及び第2のロボットをそれぞれ独立して制御する第1及び第2のコントローラと、を備えたロボットアクセスシステムであって、前記第2のコントローラは、前記第2のロボットを前記有効範囲内における或る領域にアクセスさせる際に、前記第1のコントローラに対し、アクセスさせようとしている前記領域であるアクセス対象領域へのアクセス許可を要請するアクセス要請信号を出力し、その後、前記第1のコントローラから、前記アクセス対象領域へのアクセスを許可をするアクセス許可信号が入力されるまでの間、前記第2のロボットを前記アクセス対象領域へアクセスさせず、前記アクセス許可信号が入力されたら、前記第2のロボットを前記アクセス対象領域へアクセスさせると共に、前記第1のコントローラは、前記第2のコントローラから、前記アクセス要請信号が入力されたら、前記第2のロボットの前記アクセス対象領域へのアクセスを許可した場合に、前記第1のロボットとの間で相互干渉が生じる可能性がある否かを判定し、前記相互干渉の生じる可能性がない場合には、前記第2のコントローラに対し、前記アクセス許可信号を出力し、前記相互干渉の生じる可能性がある場合には、前記第2のコントローラに対し、前記アクセス許可信号を出力せず、その後、前記相互干渉の生じる可能性がなくなったら、前記アクセス許可信号を出力し、該アクセス許可信号を出力した場合には、前記第2のロボットによるアクセスが完了するまでの間、前記第1のロボットを、前記第2のロボットとの間で相互干渉が生じる可能性がある領域へはアクセスさせないようにすることを特徴とするロボットアクセスシステム。
【請求項3】 請求項2に記載のロボットアクセスシステムにおいて、前記第2のコントローラは、前記第1のコントローラに対し、前記アクセス要請信号の他、前記有効範囲内における前記アクセス対象領域の位置を示す位置情報を出力すると共に、前記第1のコントローラは、入力された前記位置情報を基にして、前記アクセス対象領域を特定することを特徴とするロボットアクセスシステム。
【請求項4】 予め定められた有効範囲内における何れの領域にもそれぞれアクセスすることが可能な複数のロボットと、各ロボットをそれぞれ独立して制御する複数のコントローラと、を備えたロボットアクセスシステムであって、前記複数のコントローラが共通して、前記有効範囲内における領域に対応したフラグをそれぞれ設定することが可能なフラグ設定手段をさらに備え、前記複数のコントローラは、それぞれ、制御対象であるロボットを前記有効範囲内における或る領域にアクセスさせる際に、前記フラグ設定手段に、アクセスさせようとしている前記領域であるアクセス対象領域を含む特定領域に対応したフラグが設定されているか否かを判定し、前記特定領域に対応したフラグが設定されていない場合には、前記フラグ設定手段に、前記特定領域に対応したフラグを設定した後、前記制御対象ロボットを前記アクセス対象領域にアクセスさせ、前記特定領域に対応したフラグが設定されている場合には、該フラグの設定が解除されるまでの間、前記制御対象ロボットを前記アクセス対象領域にアクセスさせず、その後、前記フラグの設定が解除されたら、前記フラグ設定手段に前記特定領域に対応したフラグを設定した後、前記制御対象ロボットを前記アクセス対象領域にアクセスさせると共に、その後、前記制御対象ロボットによる前記アクセス対象領域へのアクセスが完了したら、前記フラグ設定手段に設定した前記フラグを解除することを特徴とするロボットアクセスシステム。
【請求項5】 請求項4に記載のロボットアクセスシステムにおいて、前記特定領域は、前記制御対象ロボット以外の他のロボットがアクセスしていれば、前記制御対象ロボットが前記アクセス対象領域にアクセスした際に、前記他のロボットとの間で相互干渉が生じる可能性がある領域であることを特徴とするロボットアクセスシステム。
【請求項6】 予め定められた有効範囲内における何れの領域にもそれぞれアクセスすることが可能な複数のロボットを制御するロボットアクセス制御方法であって、或る第1のロボットが前記有効範囲内における或る領域にアクセスしているまたはアクセスしようとしている場合に、前記第1のロボット以外の第2のロボットは、前記第1のロボットがアクセスしているまたはアクセスしようとしている前記領域であるアクセス対象領域を含む領域であって、且つ、前記第1のロボットが前記アクセス対象領域にアクセスしている際に前記第2のロボットがアクセスすれば前記第1のロボットとの間で相互干渉を生じる可能性がある領域に、アクセスしないように制御することを特徴とするロボットアクセス制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図12】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開平11−216694
【公開日】平成11年(1999)8月10日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平10−34338
【出願日】平成10年(1998)1月30日
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)