ロボットシステム
【課題】シャフトに対して環状部品を嵌合する組立作業をロボットによって自動的に行う場合に、歩留まりを向上させること。
【解決手段】ロボットシステムは、環状部品の内周面と係合する係合部材を周面に取付け可能なシャフトを把持して回動させるロボットと、前記環状部品を固定するための冶具と、前記環状部品が嵌合された前記シャフトを前記ロボットによって把持させ、該環状部品を前記冶具へ接触させた状態で、前記ロボットによって該シャフトへ回動力を付加させる制御部と、前記回動力を付加させた場合における前記ロボットの動作に基づいて前記シャフトへ前記係合部材が取付け済みか否かを判定する判定部とを備える。
【解決手段】ロボットシステムは、環状部品の内周面と係合する係合部材を周面に取付け可能なシャフトを把持して回動させるロボットと、前記環状部品を固定するための冶具と、前記環状部品が嵌合された前記シャフトを前記ロボットによって把持させ、該環状部品を前記冶具へ接触させた状態で、前記ロボットによって該シャフトへ回動力を付加させる制御部と、前記回動力を付加させた場合における前記ロボットの動作に基づいて前記シャフトへ前記係合部材が取付け済みか否かを判定する判定部とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボットシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、部品の組立作業を産業用ロボット(以下、単に「ロボット」と記載する)によって自動的に行うロボットシステムがある。例えば、特許文献1には、シャフトに対して環状部品を嵌合する組立作業をロボットによって自動的に行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−187687号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、シャフトに対する環状部品の嵌合強度について考慮されていなかったため、嵌合強度が要求される部品を組み立てた場合に、歩留まりが低下するという問題があった。
【0005】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、シャフトに対して環状部品を嵌合する組立作業をロボットによって自動的に行う場合に、歩留まりを向上させることができるロボットシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の開示するロボットシステムは、環状部品の内周面と係合する係合部材を周面に取付け可能なシャフトを把持して回動させるロボットと、前記環状部品を固定するための冶具と、前記環状部品が嵌合された前記シャフトを前記ロボットによって把持させ、該環状部品を前記冶具へ接触させた状態で、前記ロボットによって該シャフトへ回動力を付加させる制御部と、前記回動力を付加させた場合における前記ロボットの動作に基づいて前記シャフトへ前記係合部材が取付け済みか否かを判定する判定部とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本願の開示するロボットシステムの一つの形態によれば、シャフトに対して環状部品を嵌合する組立作業をロボットによって自動的に行う場合に、歩留まりを向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、実施例に係るロボットシステムの配置を示す模式図である。
【図2】図2は、実施例に係るロボットの外観を示す模式図である。
【図3】図3は、実施例に係るロボットシステムの構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、実施形態に係るロボットの動作を示す図である。
【図5】図5は、実施形態に係るロボットの動作を示す図である。
【図6】図6は、実施例に係る制御装置で実行される処理手順を示すフローチャートである。
【図7】図7は、実施例の変形例に係るロボットシステムの配置を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本願の開示するロボットシステムの実施例を詳細に説明する。なお、以下に示す実施例における例示で本発明が限定されるものではない。
【実施例】
【0010】
以下では、シャフトへ環状部品であるギアを嵌合する組立作業をロボットによって自動的に行うロボットシステムについて説明する。なお、シャフトへ嵌合する部品は、ギアに限定するものではなく、ローターやプーリー等といった任意の環状部品であってもよい。
【0011】
図1は、実施例に係るロボットシステム1の配置を示す模式図である。図1に示すように、ロボットシステム1は、シャフト5に対してギア7を嵌合する組立作業を自動的に行うロボット2と、ロボット2の可動領域100の外部に設けられ、ロボットシステム1全体の動作を制御する制御装置3とを備える。
【0012】
ここで、図2を用いてロボット2について説明する。図2は、実施例に係るロボット2の外観を示す模式図である。図2に示すように、ロボット2は、床面等に固定された基台21上に取り付けられた基礎部22と、基礎部22から延伸するロボットアームと、ロボットアームの先端に取り付けられたエンドエフェクタ(以下、「ハンド29」と記載する)を備える。
【0013】
ロボットアームは、基端(基礎部22)側から先端側へ向けて第1アーム23、第2アーム24、第3アーム25、第4アーム26、第5アーム27および第6アーム28という6本のアームが連結されて構成される。これらの各アームは、内部にアクチュエータが設けられており、各アクチュエータによって、図2に両向き矢印で示すように各アームの連結部を関節として回転駆動される。
【0014】
また、ロボットアームの先端となる第6アーム28(以下、「先端アーム28」と記載する)の内部には、ハンド回転軸28aを回転させてハンド29を回転駆動するアクチュエータ28bが設けられている。また、ハンド29の内部には、ハンド29の先端に取り付けられた一対の把持爪29aを駆動するアクチュエータ(図示略)が設けられている。
【0015】
かかる先端アーム28は、制御装置3による制御によってハンド固定制御と、ハンド空転制御とを切替可能に構成されている。ここで、ハンド固定制御とは、ハンド29を回転させる際に、ハンド29を介してハンド回転軸28aへ加えられる外力の大きさによらず、アクチュエータ28bからハンド回転軸28aへ回転力を加えるハンド29の回転制御である。
【0016】
一方、ハンド空転制御とは、ハンド29を回転させる際に、ハンド29を介してハンド回転軸28aへ加えられる外力の大きさ(トルク)が所定の閾値以上であった場合、ハンド回転軸28aがハンド29とともに外力によって回転するようにハンド回転軸28aの動作を制御するハンド29の回転制御である。
【0017】
なお、制御装置3によってハンド空転制御が選択された場合であっても、ハンド回転軸28aを回転させる際に、ハンド29を介してハンド回転軸28aへ加わる外力が閾値未満であれば、ハンド29は、ハンド回転軸28aの回転によって回転する。
【0018】
そして、ロボット2は、制御装置3による制御に従って、第1アーム23、第2アーム24、第3アーム25、第4アーム26、第5アーム27、第6アーム28、ハンド29および把持爪29aを動作させ、シャフト5を把持してギア7を嵌合する組立作業を行う。かかるロボット2では、ハンド29がシャフト5を把持する把持部として機能する。
【0019】
図1の説明に戻り、ロボットシステム1の配置に関する説明を続ける。図1に示すように、ロボット2の可動領域100の内部には、シャフト用ケース50、留め具用ケース60、ギア用ケース70、良品用ケース12および不良品用ケース13が、それぞれ所定位置に配置される。
【0020】
シャフト用ケース50は、複数本のシャフト5がセットされる容器であり、留め具用ケース60は、複数個の留め具6がセットされる容器であり、ギア用ケース70は、複数枚のギア7がセットされる容器である。
【0021】
また、良品用ケース12は、ロボット2によって組立て後に良品と判定された部品がセットされる容器であり、不良品用ケース13は、ロボット2によって組立て後に不良品と判定された部品がセットされる容器である。
【0022】
なお、良品用ケース12および不良品用ケース13に代えて、例えば、良品および不良品の完成品をセットする完成品用容器を設けるとともに、完成品用容器の近傍に完成品の良否判定結果を表示する表示装置を設けてもよい。かかる場合、完成品が外部へ搬出される際に、表示装置によって完成品の良否判定結果を表示させる。
【0023】
さらに、ロボット2の可動領域100の内部には、キー取付け装置4、接着剤塗布装置8、嵌合用ステージ9および冶具10が、それぞれ所定位置に設置される。ここで、キー取付け装置4は、ギア7の内周面に設けられた被係合部となる凹部71と係合する係合部材(以下、「キー」と記載する)を、シャフト5の周面に設けられた取付孔へ取り付ける装置である。
【0024】
また、接着剤塗布装置8は、ギア7を嵌合する前のシャフト5の周面に接着剤を塗布する装置である。また、嵌合用ステージ9は、シャフト5へ嵌合する際に、ギア7を固定する装置である。
【0025】
また、冶具10は、ギア7が嵌合されたシャフト5へキーが適切に取付けられているか否かを判定する場合に使用される器具である。本実施例では、冶具10として、シャフト5へ嵌合するギア7と同一形状(同一物)のギア7を用いる。かかる冶具10は、床面等に固定された台11へねじ止によって固定される。
【0026】
なお、冶具10の使用方法については、図5を用いて後述する。このように、本実施例では、組立て材料のギア7の一つを冶具10として用いるので、冶具10専用の部材を別途用意する必要がない。
【0027】
次に、図3を用いてロボットシステム1の構成について説明する。図3は、実施例に係るロボットシステム1の構成を示すブロック図である。図3に示すように、ロボットシステム1は、ロボット2と、キー取付け装置4と、接着剤塗布装置8と、制御装置3とを含む。
【0028】
制御装置3は、ロボットシステム1全体の動作を統括制御する装置であり、制御部31と、操作部32と、判定部33とを備える。ここで、操作部32は、ロボット2によって作業させる内容や作業に必要な各種パラメータ等の情報を入力するためにオペレータが操作するキーボードやタッチパネル等の入力デバイスである。
【0029】
制御部31は、操作部32によって入力された情報に基づいてロボット2、キー取付け装置4および接着剤塗布装置8へ各種指令を出力し、シャフト5へギア7を嵌合させる組立作業を行わせる処理部である。なお、組立作業の詳細については、図4を用いて後述する。
【0030】
また、制御部31は、ロボット2によってシャフト5へギア7が嵌合されるまでは前述のハンド固定制御を選択し、シャフト5へギア7が嵌合された後に、前述のハンド空転制御を選択する。
【0031】
判定部33は、ロボット2から入力されるロボット2の動作状態を示す情報に基づいて、ギア7が嵌合されたシャフト5に対してキーが適切に取り付けられているか否かを判定する処理部である。なお、判定部33がキーの取り付け状況を判定する場合におけるロボット2の動作については、図5を用いて後述する。また、かかる制御装置3が実行する処理については、図6を用いて後述する。
【0032】
次に、図1、図4および図5を用いて、シャフト5へギア7を嵌合するロボット2の動作について説明する。図4および図5は、実施形態に係るロボット2の動作を示す図である。なお、図4および図5では、図1および図2に示す構成要素と同一の構成要素に対して同一の符号を付している。
【0033】
ロボットシステム1では、シャフト5へギア7を嵌合する組立作業をロボット2によって行う場合、制御装置3の制御部31は、ハンド固定制御を選択してロボット2を動作させる。そして、ロボット2は、制御装置3による制御にしたがって、まず、図1に示す留め具用ケース60から留め具6を把持して嵌合用ステージ9上へセットし、その後、ギア用ケース70からギア7を把持して嵌合用ステージ9上へセットする。
【0034】
続いて、図4(a)に示すように、ロボット2は、シャフト用ケース50(図1参照)からシャフト5を把持して取り出す。その後、ロボット2は、把持したシャフト5をキー取付け装置4の開口部41(図1参照)へ挿入する。
【0035】
ここで、キー取付け装置4は、ロボット2によって挿入されたシャフト5の周面に設けられた取付孔へ円筒形状のキー51を嵌合する。これにより、図4(b)に示すように、シャフト5の周面から一端が突出した状態でキー51が取り付けられる。
【0036】
続いて、ロボット2は、キー51が取り付けられたシャフト5を接着剤塗布装置8(図1参照)の位置まで移動させる。ここで、接着剤塗布装置8は、シャフト5の周面へ接着剤を塗布する。
【0037】
続いて、ロボット2は、接着剤が塗布されたシャフト5を嵌合用ステージ9の位置まで移動させ、図4(c)に示すように、ギア7の内周面に設けられた凹部71とキー51との位置を整合させた状態でシャフト5をギア7および留め具6へ挿入する。これにより、図4(d)に示すように、シャフト5へギア7が嵌合される。
【0038】
ここで、例えば、キー取付け装置4内に取り付けるべきキー51がなかった場合や、キー51の取付けからギア7を嵌合するまでの間に、シャフト5からキー51が脱落した場合、ロボット2は、キー51が取付けられていないシャフト5へギア7を嵌合する。
【0039】
かかる場合、組立てられた部品は、シャフト5に対するギア7の嵌合強度が低いため、シャフト5を回転させた際にシャフト5がギア7に対して空転する不良品となり歩留まりが低下する。
【0040】
そこで、ロボットシステム1では、ロボット2によってギア7がシャフト5へ嵌合された後に、冶具10を用いてシャフト5へキー51が適切に取り付けられているか否かを判定する。具体的には、図1に示す第1の作業領域101においてシャフト5へギア7を嵌合した後、第1の作業領域101から離隔した第2の作業領域102までシャフト5を把持したまま移動させる。
【0041】
続いて、図5(a)に示すように、ロボット2は、把持しているシャフト5に嵌合されたギア7の外周を冶具10の外周へ圧接させる。ここで、冶具10は、前述したようにギア7と同一形状のギアである。したがって、シャフト5に嵌合されたギア7が冶具10へ圧接されることにより、ギア7の歯と冶具10の歯とが噛合する。
【0042】
続いて、制御装置3の制御部31は、ハンド固定制御からハンド空転制御へ切り替えてロボット2を動作させる。かかるハンド空転制御は、前述のように、ハンド29を回転させる際に、ハンド29を介してハンド回転軸28aへ加えられる外力の大きさが所定の閾値以上であった場合、ハンド回転軸28aがハンド29とともに外力によって回転する回転制御である。
【0043】
ここで、ハンド回転軸28aへ加わる外力に関する閾値は、キー51が取付けられていないシャフト5へ接着剤を塗布して嵌合したギア7を回動しないように固定した状態で、ハンド29によりシャフト5を回動させた場合に、ハンド29からハンド回転軸28aへ加わる外力よりも高い値とする。
【0044】
なお、制御部31は、ハンド空転制御によってロボット2を動作させる場合、ハンド回転軸28aが鉛直方向と平行になるように先端アーム28の姿勢を制御する。これにより、ハンド29がシャフト5の重量によって回転することを防止することができる。
【0045】
そして、ロボット2は、制御装置3による制御にしたがって、先端アーム28内部のアクチュエータ28bによってハンド回転軸28aへ回転力を付加し、ハンド29によって把持されているシャフト5へ回動力を付加する。
【0046】
このとき、シャフト5へキー51が適切に取付けられていた場合、冶具10によってギア7が固定され、キー51によってシャフト5がギア7に対して固定される。したがって、アクチュエータ28bによってシャフト5へ回動力を付加すると、ハンド回転軸28aには、ハンド29を介して閾値以上の外力が加わるので、図5(b)に示すように、ハンド回転軸28aおよびハンド29は回転せず、シャフト5も回動しない。
【0047】
このように、制御装置3の判定部33は、ハンド回転軸28aが回転しなかった場合、シャフト5へキー51が適切に取付けられていると判定し、シャフト5を図1に示す良品用ケース12へセットする。
【0048】
ここで、シャフト5へ回動力を付加する際、制御部31ではハンド空転制御が選択されているため、ハンド配転軸28aやハンド29、シャフト5、ギア7等に不要な過度のトルクが付加されることがない。
【0049】
これにより、シャフト5へキー51が適切に取付けられている場合に、過度なトルクが付加されてハンド配転軸28a、ハンド29、シャフト5、ギア7等が破損することを防止することができる。
【0050】
一方、シャフト5へキー51が取付けられていなかった場合、ギア7は、冶具10によって固定されるが、シャフト5は、キー51が取付けられていないのでギア5へは固定されない。したがって、アクチュエータ28bによってシャフト5へ回動力を付加すると、ハンド回転軸28aには、ハンド29から閾値以上の外力が加わることがないので、図5(c)に示すように、ハンド回転軸28a、ハンド29およびシャフト5は、ともに回転する。
【0051】
そして、制御装置3の判定部33は、ハンド29およびシャフト5とともに回転したハンド回転軸28aの回転角度が所定角度に達した場合、シャフト5へキー51が取付けられていないと判定し、シャフト5を不良品用ケース13へセットする。
【0052】
このように、ロボットシステム1では、シャフト5へギア7を嵌合した後に、目視では確認が困難なキー51の取付け状況をロボット2の動作によって確認して良否を判定することができる。
【0053】
これにより、ロボットシステム1では、不良品と判定した部品については、一旦、ギア7をシャフト5から取り外し、シャフト5へキー51を取付けなおして再度シャフト5へギア7を取付けることにより歩留まりを向上させることができる。
【0054】
また、制御装置3の制御部31は、シャフト5へギア7を嵌合する嵌合作業を第1の作業領域101でロボット2によって行わせた後、第1の作業領域101から離隔した第2の作業領域102に設けられた冶具10を用いてキー51が取付け済みか否かを判定する判定作業をロボット2によって行わせる。
【0055】
これにより、シャフト5を第1の作業領域101から第2の作業領域102へ移動させた場合に、第1の作業領域101は、次のギア7および留め具6をセット可能な状態となる。したがって、例えば、ロボットシステム1へ2体のロボット2を設けた場合、2体のロボット2によって、ギア7の嵌合作業と、冶具10を用いた判定作業とを同時進行で行うことが可能となるので、作業効率が向上する。
【0056】
次に、制御装置3の制御部31および判定部33が実行する処理について図6を用いて説明する。図6は、実施例に係る制御装置3で実行される処理手順を示すフローチャートである。
【0057】
制御部31および判定部33は、操作部32において作業開始操作が行われると、図6に示す処理を繰り返し実行する。具体的には、制御部31は、まず、ハンド固定制御を開始する(ステップS101)。
【0058】
前述したように、かかるハンド固定制御は、ハンド29を回転させる際に、ハンド29を介してハンド回転軸28aへ加えられる外力の大きさによらず、アクチュエータ28bからハンド回転軸28aへ回転力を加えるハンド29の回転制御である。
【0059】
続いて、制御部31は、ロボット2に対して留め具6およびギア7セット指令を出力する(ステップS102)。これにより、ロボット2は、第1の作業領域101に設けられた嵌合用ステージ9の所定位置へ留め具6およびギア7を順次セットする。
【0060】
続いて、制御部31は、ロボット2およびキー取付け装置4に対してキー取付け指令を出力する(ステップS103)。これにより、ロボット2は、ハンド29をシャフト用ケース50まで移動させてシャフト5を把持し、キー取付け装置4の上面に開口された開口部41へシャフト5を挿入する。キー取付け装置4は、開口部41へシャフト5が挿入されると、シャフト5へキー51を取付ける。
【0061】
続いて、制御部31は、ロボット2および接着剤塗布装置8に対して接着剤塗布指令を出力する(ステップS104)。これにより、ロボット2は、シャフト5を接着剤塗布装置8による接着剤の塗布位置までシャフト5を移動させて回転させる。接着剤塗布装置8は、回転中のシャフト5の周面に対して接着剤を塗布する。
【0062】
続いて、制御部31は、ロボット2に対してギア嵌合指令を出力する(ステップS105)。これにより、ロボット2は、第1の作業領域101に設けられた嵌合用ステージ9の上までシャフト5を移動させ、ギア7および留め具6へ挿入して嵌合する。
【0063】
続いて、制御部31は、ロボット2に対してギア圧接指令を出力する(ステップS106)。これにより、ロボット2は、第2の作業領域102までシャフト5を移動させ、シャフト5へ嵌合されたギア7の歯を冶具10の歯へ圧接させて噛合させる。
【0064】
続いて、制御部31は、ハンド空転制御を開始する(ステップS107)。前述したように、かかるハンド空転制御は、ハンド29を回転させる際に、ハンド29を介してハンド回転軸28aへ加えられる外力の大きさが所定の閾値以上であった場合、ハンド回転軸28aがハンド29とともに外力によって回転するようにハンド回転軸28aの動作を制御するハンド29の回転制御である。
【0065】
ここで、ハンド回転軸28aへ加わる外力に関する閾値は、キー51が取付けられていないシャフト5へ接着剤を塗布して嵌合したギア7を回動しないように固定した状態で、ハンド29によりシャフト5を回動させた場合に、ハンド29を介してハンド回転軸28aへ加わる外力よりも高い値とする。
【0066】
続いて、制御部31は、ロボット2に対してハンド回転指令を出力する(ステップS108)。これにより、ロボット2は、先端アーム28のアクチュエータ28bを駆動してハンド回転軸28aへ回転力を付加する。
【0067】
続いて、判定部33は、ハンド回転軸28aの回転角が所定角度に達したか否かを判定する(ステップS109)。ここで、判定部33は、ハンド回転軸28aの回転角が所定角度に達していないと判定した場合(ステップS109,No)、シャフト5へキー51が取付け済み(良品)と判定する(ステップS110)。
【0068】
続いて、制御部31は、ロボット2に対して良品用ケース12へのセット指令を出力する(ステップS111)。これにより、ロボット2は、良品と判定されたシャフト5を良品用ケース12まで移動させてセットし、処理をステップS101へ移す。
【0069】
一方、判定部33は、ハンド回転軸28aの回転角が所定角度に達したと判定した場合(ステップS109,Yes)、シャフト5へキー51が取付けられていない(キー取付け不良)と判定する(ステップS112)。
【0070】
続いて、制御部31は、ロボット2に対して不良品用ケース13へのセット指令を出力する(ステップS113)。これにより、ロボット2は、不良品と判定されたシャフト5を不良品用ケース13まで移動させてセットし、処理をステップS101へ移す。
【0071】
なお、上記した実施例では、シャフト5へ嵌合するギア7が1種類の場合について説明したが、ロボット2は、形状や歯数の異なる複数のギアをシャフト5へ嵌合する場合がある。
【0072】
ここで、ロボットシステム1の変形例として、形状や歯数の異なる複数種類のギアをロボット2によってシャフト5へ嵌合するロボットシステム1aについて図7を用いて説明する。図7は、実施例の変形例に係るロボットシステム1aの配置を示す模式図である。なお、図7では、図1に示す構成要素と同一の構成要素に対して同一の符号を付している。
【0073】
図7に示すように、変形例に係るロボットシステム1aは、ギア用ケース70にギア7に加え、ギア7とは形状および歯数が異なるギア7aおよびギア7bがセットされている点と、ギア7、7aおよびギア7bにそれぞれ対応する冶具10、10aおよび10bが設置されている点とが図1に示すロボットシステム1とは異なる。
【0074】
ロボットシステム1aでは、ギア7と同一形状のギア7が冶具10として台11へねじ止め固定され、ギア7aと同一形状のギア7aが冶具10aとして台11aへねじ止め固定され、ギア7bと同一形状のギア7bが冶具10bとして台11bへねじ止め固定される。
【0075】
そして、ロボットシステム1aでは、ロボット2がシャフト5へ嵌合されたギア7、7aおよびギア7bの形状を判別する。続いて、ロボット2は、判別したギア7、7aおよびギア7bに対応する同一形状の冶具10、10aおよび10bに対してシャフト5へ嵌合されたギア7、7aおよびギア7bを圧接させる。
【0076】
続いて、ロボット2は、ハンド回転軸28aへ回動力を付加した場合におけるハンド回転軸28aの回転状態に基づき、キー51がシャフト5へ取付け済みか否かを判定する。
【0077】
このように、ロボットシステム1aでは、形状や歯数の異なる複数種類のギア7、7aおよびギア7bをシャフト5へ嵌合した場合にも、各シャフト5へキー51が適切に取り付けられているか否かを判定することができる。
【0078】
しかも、ロボットシステム1aでは、組立て材料のギア7、7aおよびギア7bの一つを、それぞれ冶具10、10a、10bとして用いるので、冶具10、10a、10b専用の部材を別途用意する必要がない。
【0079】
なお、ロボットシステム1aでは、冶具10、10a、10bを全て同一平面上に設けたが、冶具10、10a、10bをそれぞれ鉛直方向に所定の間隔をあけて設置することもできる。これにより、冶具10、10a、10bの設置スペースを縮小することができる。
【0080】
また、上記した実施例および変形例では、冶具10、10a、10bが予め設置されている場合について説明したが、ロボット2が組立作業を開始する前に冶具10、10a、10bを設置するようにロボットシステム1、1aを構成してもよい。かかる場合、ロボット2は、組立作業を開始する前に、ギア用ケース70からギア7、7aおよびギア7bを一つ取り出し、台11、11a、11bへねじ等によって固定する。
【0081】
これにより、ロボットシステム1、1aでは、シャフト5へ嵌合するギア7、7aおよびギア7bと正確に噛合する冶具10、10a、10bを設置することができる。したがって、ロボットシステム1、1aによれば、作業者等がシャフト5へ嵌合されるギア7、7aおよびギア7bとは形状が異なる冶具10、10a、10bを誤って設置するといった人為的ミスの発生を防止することができる。
【0082】
また、ロボットシステム1、1aでは、制御部31がハンド固定制御を選択した状態でシャフト5へ嵌合されたギア7を冶具10へ圧接させ、シャフト5へ回動力を付加させてキー51が取付け済みか否かを判定させてもよい。かかる場合、判定部33は、ハンド29が回動した場合に、キー51が取付けられていないと判定し、ハンド29が回動しなかった場合に、キーが取付け済みと判定する。
【0083】
なお、上記した制御装置3は、たとえば、コンピュータで構成することができる。この場合、制御部31は、CPU(Central Processing Unit)である。また、制御部31の各機能は、あらかじめ作成されたプログラムを制御部31へロードして実行させることによって実現することができる。
【0084】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施例に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0085】
1、1a ロボットシステム
2 ロボット
28 先端アーム
28a ハンド回転軸
28b アクチュエータ
3 制御装置
31 制御部
32 操作部
33 判定部
4 キー取付け装置
5 シャフト
51 キー
6 留め具
7、7a、7b ギア
8 接着剤塗布装置
9 嵌合用ステージ
10、10a、10b 冶具
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボットシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、部品の組立作業を産業用ロボット(以下、単に「ロボット」と記載する)によって自動的に行うロボットシステムがある。例えば、特許文献1には、シャフトに対して環状部品を嵌合する組立作業をロボットによって自動的に行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−187687号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、シャフトに対する環状部品の嵌合強度について考慮されていなかったため、嵌合強度が要求される部品を組み立てた場合に、歩留まりが低下するという問題があった。
【0005】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、シャフトに対して環状部品を嵌合する組立作業をロボットによって自動的に行う場合に、歩留まりを向上させることができるロボットシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の開示するロボットシステムは、環状部品の内周面と係合する係合部材を周面に取付け可能なシャフトを把持して回動させるロボットと、前記環状部品を固定するための冶具と、前記環状部品が嵌合された前記シャフトを前記ロボットによって把持させ、該環状部品を前記冶具へ接触させた状態で、前記ロボットによって該シャフトへ回動力を付加させる制御部と、前記回動力を付加させた場合における前記ロボットの動作に基づいて前記シャフトへ前記係合部材が取付け済みか否かを判定する判定部とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本願の開示するロボットシステムの一つの形態によれば、シャフトに対して環状部品を嵌合する組立作業をロボットによって自動的に行う場合に、歩留まりを向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、実施例に係るロボットシステムの配置を示す模式図である。
【図2】図2は、実施例に係るロボットの外観を示す模式図である。
【図3】図3は、実施例に係るロボットシステムの構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、実施形態に係るロボットの動作を示す図である。
【図5】図5は、実施形態に係るロボットの動作を示す図である。
【図6】図6は、実施例に係る制御装置で実行される処理手順を示すフローチャートである。
【図7】図7は、実施例の変形例に係るロボットシステムの配置を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本願の開示するロボットシステムの実施例を詳細に説明する。なお、以下に示す実施例における例示で本発明が限定されるものではない。
【実施例】
【0010】
以下では、シャフトへ環状部品であるギアを嵌合する組立作業をロボットによって自動的に行うロボットシステムについて説明する。なお、シャフトへ嵌合する部品は、ギアに限定するものではなく、ローターやプーリー等といった任意の環状部品であってもよい。
【0011】
図1は、実施例に係るロボットシステム1の配置を示す模式図である。図1に示すように、ロボットシステム1は、シャフト5に対してギア7を嵌合する組立作業を自動的に行うロボット2と、ロボット2の可動領域100の外部に設けられ、ロボットシステム1全体の動作を制御する制御装置3とを備える。
【0012】
ここで、図2を用いてロボット2について説明する。図2は、実施例に係るロボット2の外観を示す模式図である。図2に示すように、ロボット2は、床面等に固定された基台21上に取り付けられた基礎部22と、基礎部22から延伸するロボットアームと、ロボットアームの先端に取り付けられたエンドエフェクタ(以下、「ハンド29」と記載する)を備える。
【0013】
ロボットアームは、基端(基礎部22)側から先端側へ向けて第1アーム23、第2アーム24、第3アーム25、第4アーム26、第5アーム27および第6アーム28という6本のアームが連結されて構成される。これらの各アームは、内部にアクチュエータが設けられており、各アクチュエータによって、図2に両向き矢印で示すように各アームの連結部を関節として回転駆動される。
【0014】
また、ロボットアームの先端となる第6アーム28(以下、「先端アーム28」と記載する)の内部には、ハンド回転軸28aを回転させてハンド29を回転駆動するアクチュエータ28bが設けられている。また、ハンド29の内部には、ハンド29の先端に取り付けられた一対の把持爪29aを駆動するアクチュエータ(図示略)が設けられている。
【0015】
かかる先端アーム28は、制御装置3による制御によってハンド固定制御と、ハンド空転制御とを切替可能に構成されている。ここで、ハンド固定制御とは、ハンド29を回転させる際に、ハンド29を介してハンド回転軸28aへ加えられる外力の大きさによらず、アクチュエータ28bからハンド回転軸28aへ回転力を加えるハンド29の回転制御である。
【0016】
一方、ハンド空転制御とは、ハンド29を回転させる際に、ハンド29を介してハンド回転軸28aへ加えられる外力の大きさ(トルク)が所定の閾値以上であった場合、ハンド回転軸28aがハンド29とともに外力によって回転するようにハンド回転軸28aの動作を制御するハンド29の回転制御である。
【0017】
なお、制御装置3によってハンド空転制御が選択された場合であっても、ハンド回転軸28aを回転させる際に、ハンド29を介してハンド回転軸28aへ加わる外力が閾値未満であれば、ハンド29は、ハンド回転軸28aの回転によって回転する。
【0018】
そして、ロボット2は、制御装置3による制御に従って、第1アーム23、第2アーム24、第3アーム25、第4アーム26、第5アーム27、第6アーム28、ハンド29および把持爪29aを動作させ、シャフト5を把持してギア7を嵌合する組立作業を行う。かかるロボット2では、ハンド29がシャフト5を把持する把持部として機能する。
【0019】
図1の説明に戻り、ロボットシステム1の配置に関する説明を続ける。図1に示すように、ロボット2の可動領域100の内部には、シャフト用ケース50、留め具用ケース60、ギア用ケース70、良品用ケース12および不良品用ケース13が、それぞれ所定位置に配置される。
【0020】
シャフト用ケース50は、複数本のシャフト5がセットされる容器であり、留め具用ケース60は、複数個の留め具6がセットされる容器であり、ギア用ケース70は、複数枚のギア7がセットされる容器である。
【0021】
また、良品用ケース12は、ロボット2によって組立て後に良品と判定された部品がセットされる容器であり、不良品用ケース13は、ロボット2によって組立て後に不良品と判定された部品がセットされる容器である。
【0022】
なお、良品用ケース12および不良品用ケース13に代えて、例えば、良品および不良品の完成品をセットする完成品用容器を設けるとともに、完成品用容器の近傍に完成品の良否判定結果を表示する表示装置を設けてもよい。かかる場合、完成品が外部へ搬出される際に、表示装置によって完成品の良否判定結果を表示させる。
【0023】
さらに、ロボット2の可動領域100の内部には、キー取付け装置4、接着剤塗布装置8、嵌合用ステージ9および冶具10が、それぞれ所定位置に設置される。ここで、キー取付け装置4は、ギア7の内周面に設けられた被係合部となる凹部71と係合する係合部材(以下、「キー」と記載する)を、シャフト5の周面に設けられた取付孔へ取り付ける装置である。
【0024】
また、接着剤塗布装置8は、ギア7を嵌合する前のシャフト5の周面に接着剤を塗布する装置である。また、嵌合用ステージ9は、シャフト5へ嵌合する際に、ギア7を固定する装置である。
【0025】
また、冶具10は、ギア7が嵌合されたシャフト5へキーが適切に取付けられているか否かを判定する場合に使用される器具である。本実施例では、冶具10として、シャフト5へ嵌合するギア7と同一形状(同一物)のギア7を用いる。かかる冶具10は、床面等に固定された台11へねじ止によって固定される。
【0026】
なお、冶具10の使用方法については、図5を用いて後述する。このように、本実施例では、組立て材料のギア7の一つを冶具10として用いるので、冶具10専用の部材を別途用意する必要がない。
【0027】
次に、図3を用いてロボットシステム1の構成について説明する。図3は、実施例に係るロボットシステム1の構成を示すブロック図である。図3に示すように、ロボットシステム1は、ロボット2と、キー取付け装置4と、接着剤塗布装置8と、制御装置3とを含む。
【0028】
制御装置3は、ロボットシステム1全体の動作を統括制御する装置であり、制御部31と、操作部32と、判定部33とを備える。ここで、操作部32は、ロボット2によって作業させる内容や作業に必要な各種パラメータ等の情報を入力するためにオペレータが操作するキーボードやタッチパネル等の入力デバイスである。
【0029】
制御部31は、操作部32によって入力された情報に基づいてロボット2、キー取付け装置4および接着剤塗布装置8へ各種指令を出力し、シャフト5へギア7を嵌合させる組立作業を行わせる処理部である。なお、組立作業の詳細については、図4を用いて後述する。
【0030】
また、制御部31は、ロボット2によってシャフト5へギア7が嵌合されるまでは前述のハンド固定制御を選択し、シャフト5へギア7が嵌合された後に、前述のハンド空転制御を選択する。
【0031】
判定部33は、ロボット2から入力されるロボット2の動作状態を示す情報に基づいて、ギア7が嵌合されたシャフト5に対してキーが適切に取り付けられているか否かを判定する処理部である。なお、判定部33がキーの取り付け状況を判定する場合におけるロボット2の動作については、図5を用いて後述する。また、かかる制御装置3が実行する処理については、図6を用いて後述する。
【0032】
次に、図1、図4および図5を用いて、シャフト5へギア7を嵌合するロボット2の動作について説明する。図4および図5は、実施形態に係るロボット2の動作を示す図である。なお、図4および図5では、図1および図2に示す構成要素と同一の構成要素に対して同一の符号を付している。
【0033】
ロボットシステム1では、シャフト5へギア7を嵌合する組立作業をロボット2によって行う場合、制御装置3の制御部31は、ハンド固定制御を選択してロボット2を動作させる。そして、ロボット2は、制御装置3による制御にしたがって、まず、図1に示す留め具用ケース60から留め具6を把持して嵌合用ステージ9上へセットし、その後、ギア用ケース70からギア7を把持して嵌合用ステージ9上へセットする。
【0034】
続いて、図4(a)に示すように、ロボット2は、シャフト用ケース50(図1参照)からシャフト5を把持して取り出す。その後、ロボット2は、把持したシャフト5をキー取付け装置4の開口部41(図1参照)へ挿入する。
【0035】
ここで、キー取付け装置4は、ロボット2によって挿入されたシャフト5の周面に設けられた取付孔へ円筒形状のキー51を嵌合する。これにより、図4(b)に示すように、シャフト5の周面から一端が突出した状態でキー51が取り付けられる。
【0036】
続いて、ロボット2は、キー51が取り付けられたシャフト5を接着剤塗布装置8(図1参照)の位置まで移動させる。ここで、接着剤塗布装置8は、シャフト5の周面へ接着剤を塗布する。
【0037】
続いて、ロボット2は、接着剤が塗布されたシャフト5を嵌合用ステージ9の位置まで移動させ、図4(c)に示すように、ギア7の内周面に設けられた凹部71とキー51との位置を整合させた状態でシャフト5をギア7および留め具6へ挿入する。これにより、図4(d)に示すように、シャフト5へギア7が嵌合される。
【0038】
ここで、例えば、キー取付け装置4内に取り付けるべきキー51がなかった場合や、キー51の取付けからギア7を嵌合するまでの間に、シャフト5からキー51が脱落した場合、ロボット2は、キー51が取付けられていないシャフト5へギア7を嵌合する。
【0039】
かかる場合、組立てられた部品は、シャフト5に対するギア7の嵌合強度が低いため、シャフト5を回転させた際にシャフト5がギア7に対して空転する不良品となり歩留まりが低下する。
【0040】
そこで、ロボットシステム1では、ロボット2によってギア7がシャフト5へ嵌合された後に、冶具10を用いてシャフト5へキー51が適切に取り付けられているか否かを判定する。具体的には、図1に示す第1の作業領域101においてシャフト5へギア7を嵌合した後、第1の作業領域101から離隔した第2の作業領域102までシャフト5を把持したまま移動させる。
【0041】
続いて、図5(a)に示すように、ロボット2は、把持しているシャフト5に嵌合されたギア7の外周を冶具10の外周へ圧接させる。ここで、冶具10は、前述したようにギア7と同一形状のギアである。したがって、シャフト5に嵌合されたギア7が冶具10へ圧接されることにより、ギア7の歯と冶具10の歯とが噛合する。
【0042】
続いて、制御装置3の制御部31は、ハンド固定制御からハンド空転制御へ切り替えてロボット2を動作させる。かかるハンド空転制御は、前述のように、ハンド29を回転させる際に、ハンド29を介してハンド回転軸28aへ加えられる外力の大きさが所定の閾値以上であった場合、ハンド回転軸28aがハンド29とともに外力によって回転する回転制御である。
【0043】
ここで、ハンド回転軸28aへ加わる外力に関する閾値は、キー51が取付けられていないシャフト5へ接着剤を塗布して嵌合したギア7を回動しないように固定した状態で、ハンド29によりシャフト5を回動させた場合に、ハンド29からハンド回転軸28aへ加わる外力よりも高い値とする。
【0044】
なお、制御部31は、ハンド空転制御によってロボット2を動作させる場合、ハンド回転軸28aが鉛直方向と平行になるように先端アーム28の姿勢を制御する。これにより、ハンド29がシャフト5の重量によって回転することを防止することができる。
【0045】
そして、ロボット2は、制御装置3による制御にしたがって、先端アーム28内部のアクチュエータ28bによってハンド回転軸28aへ回転力を付加し、ハンド29によって把持されているシャフト5へ回動力を付加する。
【0046】
このとき、シャフト5へキー51が適切に取付けられていた場合、冶具10によってギア7が固定され、キー51によってシャフト5がギア7に対して固定される。したがって、アクチュエータ28bによってシャフト5へ回動力を付加すると、ハンド回転軸28aには、ハンド29を介して閾値以上の外力が加わるので、図5(b)に示すように、ハンド回転軸28aおよびハンド29は回転せず、シャフト5も回動しない。
【0047】
このように、制御装置3の判定部33は、ハンド回転軸28aが回転しなかった場合、シャフト5へキー51が適切に取付けられていると判定し、シャフト5を図1に示す良品用ケース12へセットする。
【0048】
ここで、シャフト5へ回動力を付加する際、制御部31ではハンド空転制御が選択されているため、ハンド配転軸28aやハンド29、シャフト5、ギア7等に不要な過度のトルクが付加されることがない。
【0049】
これにより、シャフト5へキー51が適切に取付けられている場合に、過度なトルクが付加されてハンド配転軸28a、ハンド29、シャフト5、ギア7等が破損することを防止することができる。
【0050】
一方、シャフト5へキー51が取付けられていなかった場合、ギア7は、冶具10によって固定されるが、シャフト5は、キー51が取付けられていないのでギア5へは固定されない。したがって、アクチュエータ28bによってシャフト5へ回動力を付加すると、ハンド回転軸28aには、ハンド29から閾値以上の外力が加わることがないので、図5(c)に示すように、ハンド回転軸28a、ハンド29およびシャフト5は、ともに回転する。
【0051】
そして、制御装置3の判定部33は、ハンド29およびシャフト5とともに回転したハンド回転軸28aの回転角度が所定角度に達した場合、シャフト5へキー51が取付けられていないと判定し、シャフト5を不良品用ケース13へセットする。
【0052】
このように、ロボットシステム1では、シャフト5へギア7を嵌合した後に、目視では確認が困難なキー51の取付け状況をロボット2の動作によって確認して良否を判定することができる。
【0053】
これにより、ロボットシステム1では、不良品と判定した部品については、一旦、ギア7をシャフト5から取り外し、シャフト5へキー51を取付けなおして再度シャフト5へギア7を取付けることにより歩留まりを向上させることができる。
【0054】
また、制御装置3の制御部31は、シャフト5へギア7を嵌合する嵌合作業を第1の作業領域101でロボット2によって行わせた後、第1の作業領域101から離隔した第2の作業領域102に設けられた冶具10を用いてキー51が取付け済みか否かを判定する判定作業をロボット2によって行わせる。
【0055】
これにより、シャフト5を第1の作業領域101から第2の作業領域102へ移動させた場合に、第1の作業領域101は、次のギア7および留め具6をセット可能な状態となる。したがって、例えば、ロボットシステム1へ2体のロボット2を設けた場合、2体のロボット2によって、ギア7の嵌合作業と、冶具10を用いた判定作業とを同時進行で行うことが可能となるので、作業効率が向上する。
【0056】
次に、制御装置3の制御部31および判定部33が実行する処理について図6を用いて説明する。図6は、実施例に係る制御装置3で実行される処理手順を示すフローチャートである。
【0057】
制御部31および判定部33は、操作部32において作業開始操作が行われると、図6に示す処理を繰り返し実行する。具体的には、制御部31は、まず、ハンド固定制御を開始する(ステップS101)。
【0058】
前述したように、かかるハンド固定制御は、ハンド29を回転させる際に、ハンド29を介してハンド回転軸28aへ加えられる外力の大きさによらず、アクチュエータ28bからハンド回転軸28aへ回転力を加えるハンド29の回転制御である。
【0059】
続いて、制御部31は、ロボット2に対して留め具6およびギア7セット指令を出力する(ステップS102)。これにより、ロボット2は、第1の作業領域101に設けられた嵌合用ステージ9の所定位置へ留め具6およびギア7を順次セットする。
【0060】
続いて、制御部31は、ロボット2およびキー取付け装置4に対してキー取付け指令を出力する(ステップS103)。これにより、ロボット2は、ハンド29をシャフト用ケース50まで移動させてシャフト5を把持し、キー取付け装置4の上面に開口された開口部41へシャフト5を挿入する。キー取付け装置4は、開口部41へシャフト5が挿入されると、シャフト5へキー51を取付ける。
【0061】
続いて、制御部31は、ロボット2および接着剤塗布装置8に対して接着剤塗布指令を出力する(ステップS104)。これにより、ロボット2は、シャフト5を接着剤塗布装置8による接着剤の塗布位置までシャフト5を移動させて回転させる。接着剤塗布装置8は、回転中のシャフト5の周面に対して接着剤を塗布する。
【0062】
続いて、制御部31は、ロボット2に対してギア嵌合指令を出力する(ステップS105)。これにより、ロボット2は、第1の作業領域101に設けられた嵌合用ステージ9の上までシャフト5を移動させ、ギア7および留め具6へ挿入して嵌合する。
【0063】
続いて、制御部31は、ロボット2に対してギア圧接指令を出力する(ステップS106)。これにより、ロボット2は、第2の作業領域102までシャフト5を移動させ、シャフト5へ嵌合されたギア7の歯を冶具10の歯へ圧接させて噛合させる。
【0064】
続いて、制御部31は、ハンド空転制御を開始する(ステップS107)。前述したように、かかるハンド空転制御は、ハンド29を回転させる際に、ハンド29を介してハンド回転軸28aへ加えられる外力の大きさが所定の閾値以上であった場合、ハンド回転軸28aがハンド29とともに外力によって回転するようにハンド回転軸28aの動作を制御するハンド29の回転制御である。
【0065】
ここで、ハンド回転軸28aへ加わる外力に関する閾値は、キー51が取付けられていないシャフト5へ接着剤を塗布して嵌合したギア7を回動しないように固定した状態で、ハンド29によりシャフト5を回動させた場合に、ハンド29を介してハンド回転軸28aへ加わる外力よりも高い値とする。
【0066】
続いて、制御部31は、ロボット2に対してハンド回転指令を出力する(ステップS108)。これにより、ロボット2は、先端アーム28のアクチュエータ28bを駆動してハンド回転軸28aへ回転力を付加する。
【0067】
続いて、判定部33は、ハンド回転軸28aの回転角が所定角度に達したか否かを判定する(ステップS109)。ここで、判定部33は、ハンド回転軸28aの回転角が所定角度に達していないと判定した場合(ステップS109,No)、シャフト5へキー51が取付け済み(良品)と判定する(ステップS110)。
【0068】
続いて、制御部31は、ロボット2に対して良品用ケース12へのセット指令を出力する(ステップS111)。これにより、ロボット2は、良品と判定されたシャフト5を良品用ケース12まで移動させてセットし、処理をステップS101へ移す。
【0069】
一方、判定部33は、ハンド回転軸28aの回転角が所定角度に達したと判定した場合(ステップS109,Yes)、シャフト5へキー51が取付けられていない(キー取付け不良)と判定する(ステップS112)。
【0070】
続いて、制御部31は、ロボット2に対して不良品用ケース13へのセット指令を出力する(ステップS113)。これにより、ロボット2は、不良品と判定されたシャフト5を不良品用ケース13まで移動させてセットし、処理をステップS101へ移す。
【0071】
なお、上記した実施例では、シャフト5へ嵌合するギア7が1種類の場合について説明したが、ロボット2は、形状や歯数の異なる複数のギアをシャフト5へ嵌合する場合がある。
【0072】
ここで、ロボットシステム1の変形例として、形状や歯数の異なる複数種類のギアをロボット2によってシャフト5へ嵌合するロボットシステム1aについて図7を用いて説明する。図7は、実施例の変形例に係るロボットシステム1aの配置を示す模式図である。なお、図7では、図1に示す構成要素と同一の構成要素に対して同一の符号を付している。
【0073】
図7に示すように、変形例に係るロボットシステム1aは、ギア用ケース70にギア7に加え、ギア7とは形状および歯数が異なるギア7aおよびギア7bがセットされている点と、ギア7、7aおよびギア7bにそれぞれ対応する冶具10、10aおよび10bが設置されている点とが図1に示すロボットシステム1とは異なる。
【0074】
ロボットシステム1aでは、ギア7と同一形状のギア7が冶具10として台11へねじ止め固定され、ギア7aと同一形状のギア7aが冶具10aとして台11aへねじ止め固定され、ギア7bと同一形状のギア7bが冶具10bとして台11bへねじ止め固定される。
【0075】
そして、ロボットシステム1aでは、ロボット2がシャフト5へ嵌合されたギア7、7aおよびギア7bの形状を判別する。続いて、ロボット2は、判別したギア7、7aおよびギア7bに対応する同一形状の冶具10、10aおよび10bに対してシャフト5へ嵌合されたギア7、7aおよびギア7bを圧接させる。
【0076】
続いて、ロボット2は、ハンド回転軸28aへ回動力を付加した場合におけるハンド回転軸28aの回転状態に基づき、キー51がシャフト5へ取付け済みか否かを判定する。
【0077】
このように、ロボットシステム1aでは、形状や歯数の異なる複数種類のギア7、7aおよびギア7bをシャフト5へ嵌合した場合にも、各シャフト5へキー51が適切に取り付けられているか否かを判定することができる。
【0078】
しかも、ロボットシステム1aでは、組立て材料のギア7、7aおよびギア7bの一つを、それぞれ冶具10、10a、10bとして用いるので、冶具10、10a、10b専用の部材を別途用意する必要がない。
【0079】
なお、ロボットシステム1aでは、冶具10、10a、10bを全て同一平面上に設けたが、冶具10、10a、10bをそれぞれ鉛直方向に所定の間隔をあけて設置することもできる。これにより、冶具10、10a、10bの設置スペースを縮小することができる。
【0080】
また、上記した実施例および変形例では、冶具10、10a、10bが予め設置されている場合について説明したが、ロボット2が組立作業を開始する前に冶具10、10a、10bを設置するようにロボットシステム1、1aを構成してもよい。かかる場合、ロボット2は、組立作業を開始する前に、ギア用ケース70からギア7、7aおよびギア7bを一つ取り出し、台11、11a、11bへねじ等によって固定する。
【0081】
これにより、ロボットシステム1、1aでは、シャフト5へ嵌合するギア7、7aおよびギア7bと正確に噛合する冶具10、10a、10bを設置することができる。したがって、ロボットシステム1、1aによれば、作業者等がシャフト5へ嵌合されるギア7、7aおよびギア7bとは形状が異なる冶具10、10a、10bを誤って設置するといった人為的ミスの発生を防止することができる。
【0082】
また、ロボットシステム1、1aでは、制御部31がハンド固定制御を選択した状態でシャフト5へ嵌合されたギア7を冶具10へ圧接させ、シャフト5へ回動力を付加させてキー51が取付け済みか否かを判定させてもよい。かかる場合、判定部33は、ハンド29が回動した場合に、キー51が取付けられていないと判定し、ハンド29が回動しなかった場合に、キーが取付け済みと判定する。
【0083】
なお、上記した制御装置3は、たとえば、コンピュータで構成することができる。この場合、制御部31は、CPU(Central Processing Unit)である。また、制御部31の各機能は、あらかじめ作成されたプログラムを制御部31へロードして実行させることによって実現することができる。
【0084】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施例に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0085】
1、1a ロボットシステム
2 ロボット
28 先端アーム
28a ハンド回転軸
28b アクチュエータ
3 制御装置
31 制御部
32 操作部
33 判定部
4 キー取付け装置
5 シャフト
51 キー
6 留め具
7、7a、7b ギア
8 接着剤塗布装置
9 嵌合用ステージ
10、10a、10b 冶具
【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状部品の内周面と係合する係合部材を周面に取付け可能なシャフトを把持して回動させるロボットと、
前記環状部品を固定するための冶具と、
前記環状部品が嵌合された前記シャフトを前記ロボットによって把持させ、該環状部品を前記冶具へ接触させた状態で、前記ロボットによって該シャフトへ回動力を付加させる制御部と、
前記回動力を付加させた場合における前記ロボットの動作に基づいて前記シャフトへ前記係合部材が取付け済みか否かを判定する判定部と
を備えたことを特徴とするロボットシステム。
【請求項2】
前記ロボットは、
前記シャフトを把持して回転することにより前記シャフトを回動させる把持部
を備え、
前記判定部は、
前記シャフトへ回動力を付加した前記把持部が回転した場合に、前記シャフトへ前記係合部材が取付け済みでないと判定する
ことを特徴とする請求項1に記載のロボットシステム。
【請求項3】
前記制御部は、
前記把持部を回転させる際、該把持部へ加えられる外力が閾値未満の場合に、前記把持部を回転させ、前記外力が前記閾値以上の場合に、前記外力によって前記把持部が回転するように前記把持部の回転制御を行う
ことを特徴とする請求項2に記載のロボットシステム。
【請求項4】
前記把持部の回転軸は、
鉛直方向に対して平行に保持される
ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載のロボットシステム。
【請求項5】
前記制御部は、
前記シャフトへ前記環状部品を嵌合する嵌合作業を第1の作業領域で前記ロボットによって行わせた後、前記第1の作業領域から離隔した第2の作業領域に設けられた前記冶具を用いて前記係合部材が取付け済みか否かを判定する判定作業を前記ロボットによって行わせる
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のロボットシステム。
【請求項6】
前記冶具は、
前記環状部品の形状別に複数設けられ、
前記制御部は、
前記シャフトへ嵌合された前記環状部品を該環状部品に対応する形状の冶具へ接触させる
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のロボットシステム。
【請求項7】
前記冶具は、
前記環状部品が歯車の場合、該環状部品と同一形状の歯車である
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載のロボットシステム。
【請求項1】
環状部品の内周面と係合する係合部材を周面に取付け可能なシャフトを把持して回動させるロボットと、
前記環状部品を固定するための冶具と、
前記環状部品が嵌合された前記シャフトを前記ロボットによって把持させ、該環状部品を前記冶具へ接触させた状態で、前記ロボットによって該シャフトへ回動力を付加させる制御部と、
前記回動力を付加させた場合における前記ロボットの動作に基づいて前記シャフトへ前記係合部材が取付け済みか否かを判定する判定部と
を備えたことを特徴とするロボットシステム。
【請求項2】
前記ロボットは、
前記シャフトを把持して回転することにより前記シャフトを回動させる把持部
を備え、
前記判定部は、
前記シャフトへ回動力を付加した前記把持部が回転した場合に、前記シャフトへ前記係合部材が取付け済みでないと判定する
ことを特徴とする請求項1に記載のロボットシステム。
【請求項3】
前記制御部は、
前記把持部を回転させる際、該把持部へ加えられる外力が閾値未満の場合に、前記把持部を回転させ、前記外力が前記閾値以上の場合に、前記外力によって前記把持部が回転するように前記把持部の回転制御を行う
ことを特徴とする請求項2に記載のロボットシステム。
【請求項4】
前記把持部の回転軸は、
鉛直方向に対して平行に保持される
ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載のロボットシステム。
【請求項5】
前記制御部は、
前記シャフトへ前記環状部品を嵌合する嵌合作業を第1の作業領域で前記ロボットによって行わせた後、前記第1の作業領域から離隔した第2の作業領域に設けられた前記冶具を用いて前記係合部材が取付け済みか否かを判定する判定作業を前記ロボットによって行わせる
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のロボットシステム。
【請求項6】
前記冶具は、
前記環状部品の形状別に複数設けられ、
前記制御部は、
前記シャフトへ嵌合された前記環状部品を該環状部品に対応する形状の冶具へ接触させる
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のロボットシステム。
【請求項7】
前記冶具は、
前記環状部品が歯車の場合、該環状部品と同一形状の歯車である
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載のロボットシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【公開番号】特開2013−31892(P2013−31892A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−168722(P2011−168722)
【出願日】平成23年8月1日(2011.8.1)
【出願人】(000006622)株式会社安川電機 (2,482)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月1日(2011.8.1)
【出願人】(000006622)株式会社安川電機 (2,482)
【Fターム(参考)】
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