説明

ロータリーアクチュエータ

【課題】圧力媒体の内部漏洩を低減できるとともに、高圧用の回転シールが不要な或いは高圧の回転シールを大幅に削減可能な構造のロータリーアクチュエータを提供する。
【解決手段】ケース11の内部に筒状のシリンダ12が設置され、出力軸及びこれに一体で径方向に延びるアーム15a、15bがシリンダ12の内側に設置される。円弧状に延びるピストン14a、14bが、シリンダ12の内側でシリンダ12の周方向に摺動して変位する。ピストン14a、14bは、一方の端部32がアーム15a、15bに回転可能に連結される。シリンダ12内に、アーム15a、15bが収納される第1圧力室25と、アーム15a、15bの他方の端部35が摺動自在に設置される第2圧力室26a、26bとが設けられる。第1及び第2圧力室の一方に圧力媒体が供給されて他方から圧力媒体が排出され、出力軸が回転方向に揺動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧力媒体の作用によって出力軸が回転方向において揺動して駆動トルクを出力する、ロータリーアクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
圧力媒体としての圧力流体の作用によって出力軸が回転方向において揺動して駆動トルクを出力するロータリーアクチュエータとして、特許文献1に開示されたような構造のロータリーアクチュエータが知られている。
【0003】
特許文献1に開示されたロータリーアクチュエータは、円筒状のシリンダの内側にリブが一体に設けられ、シリンダの内側において回転自在に設置された出力軸にベーンが設けられている。シリンダの両端には、エンドキャップが取り付けられている。そして、リブ及びシリンダの内壁面と、ベーン及び出力軸の外壁面とが、圧力室を形成している。隣り合う圧力室に圧力流体が交互に供給されることで、圧力流体の作用によって出力軸が回転方向において揺動して駆動トルクが出力される。
【0004】
また、上記のロータリーアクチュエータにおいては、リブ及びベーンにそれぞれ設けられた溝に、シールが嵌め込まれている。リブに嵌め込まれたシールが出力軸の外壁面に押し付けられ、ベーンに嵌め込まれたシールがシリンダの内壁面に押し付けられている。これにより、隣り合う圧力室の間が封止されるように構成されている。また、圧力室は、エンドキャップと出力軸及びベーンとの間においても、ガスケットを介して封止されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5601165号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示されたような従来の一般的なロータリーアクチュエータは、回転する出力軸とシリンダに設けられたリブとの間における回転摺動部が、リブに嵌め込まれたシールによって封止される。そして、回転する出力軸に設けられたベーンとシリンダとの間における回転摺動部も、ベーンに嵌め込まれたシールによって封止される。更に、回転する出力軸及びベーンとエンドキャップとの間における回転摺動部も、ガスケットによって封止される。
【0007】
しかし、回転摺動部におけるシールによる圧力流体の漏洩抑止は難しく、特許文献1に開示されたような従来のロータリーアクチュエータの場合、シール或いはガスケットからの漏洩が多く生じてしまうのが現状である。このため、ロータリーアクチュエータ内での圧力流体の内部漏洩が多く生じることになる。また、従来のロータリーアクチュエータの場合、リブ或いはベーンの溝にシールが嵌め込まれる構造であるため、溝とシールとの間における漏洩も問題となる。また、溝に嵌め込まれたシールには角部が設けられるため、とくに、この角部及びその近傍の部分において、摺動する相手側の面に対する密着性の確保が難しく、漏洩の抑制が困難となる。このため、更に、ロータリーアクチュエータ内での圧力流体の内部漏洩が多く生じてしまうことになる。
【0008】
また、従来のロータリーアクチュエータの場合、摺動する相手側の面に対して高圧で押し付けられるとともに回転摺動部に用いられる高圧用の回転シールが多く必要となる。このため、静的に用いられるシール或いは直線摺動部に用いられるシールとは異なり、設計上意図されるシール性能を維持可能なシール寿命が大幅に短くなってしまうという問題もある。よって、高圧用の回転シールが不要な或いは高圧用の回転シールを大幅に削減可能な構造のロータリーアクチュエータの実現が望まれる。
【0009】
本発明は、上記実情に鑑みることにより、圧力媒体の内部漏洩を低減できるとともに、高圧用の回転シールが不要な或いは高圧用の回転シールを大幅に削減可能な構造を実現できる、ロータリーアクチュエータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための第1発明に係るロータリーアクチュエータは、圧力媒体の作用によって出力軸が回転方向において揺動して駆動トルクを出力する、ロータリーアクチュエータに関する。そして、第1発明に係るロータリーアクチュエータは、ケースと、前記ケースの内部に設置されて、内側に中空領域が設けられた筒状のシリンダと、前記ケースに対して回転可能に支持され、軸方向が前記シリンダの軸方向と平行に延びるとともに前記中空領域に設置された前記出力軸と、前記出力軸に一体に設けられ又は固定されて前記シリンダの径方向に延びるアームと、円弧状に延びる部分を有し、前記シリンダの内側に設置されるとともに当該シリンダの周方向に沿って当該シリンダに対して摺動して変位可能に支持されるピストンと、を備え、前記ピストンは、一方の端部が前記アームに対して回転可能に連結され、前記シリンダの内側には、前記出力軸及び前記アームが収納される第1圧力室と、当該シリンダと前記ピストンとで区画されるとともに当該ピストンにおいて前記アームに対して連結される一方の端部と反対側である他方の端部が摺動自在に設置される第2圧力室とが、設けられ、前記第1圧力室及び前記第2圧力室の一方に圧力媒体が供給され、前記第1圧力室及び前記第2圧力室の他方から圧力媒体が排出されることで、前記アームが前記シリンダの周方向に変位し、前記出力軸が回転方向において揺動することを特徴とする。
【0011】
この構成によると、ケースの内部に設置されたシリンダの内側において、第1及び第2圧力室の一方に圧力媒体が供給され他方から圧力媒体が排出されることで、ピストンがシリンダの周方向に摺動して変位する。そして、ピストンが回転可能に連結されたアームがピストンによって駆動されることで、アームとともに出力軸が回転方向に揺動する。これにより、ロータリーアクチュエータの駆動トルクが出力される。このように、上記の構成のロータリーアクチュエータによると、シリンダの内側において、シリンダに対して摺動するピストンにおける一方の端部側の第1圧力室と他方の端部側の第2圧力室とが、区画されることになる。これにより、従来のロータリーアクチュエータに設けられていたような、出力軸、ベーン、シリンダ、リブ、エンドキャップで区画される圧力室を備えた構造が不要となる。即ち、上記の構成のロータリーアクチュエータによると、出力軸とシリンダに設けられたリブとの間における回転摺動部、回転する出力軸に設けられたベーンとシリンダとの間における回転摺動部、回転する出力軸及びベーンとエンドキャップとの間における回転摺動部が、不要となる。よって、上記の構成によると、ロータリーアクチュエータ内での圧力媒体の内部漏洩を低減することができる。また、上記の構成のロータリーアクチュエータの場合、摺動する相手側の面に対して高圧で押し付けられるとともに回転摺動部に用いられる高圧用の回転シールが不要或いはこれを大幅に削減可能となる。
【0012】
従って、上記の構成によると、圧力媒体の内部漏洩を低減できるとともに、高圧用の回転シールが不要な或いは高圧用の回転シールを大幅に削減可能な構造を実現できる、ロータリーアクチュエータを提供することができる。
【0013】
尚、上記の構成によると、アームを介して出力軸を回転駆動するピストンが、アームに対して回転可能に連結されている。このため、出力軸に対して外部負荷が作用した場合であっても、アームがピストンから離間した状態が発生してしまうことが防止される。このため、第1及び第2圧力室に対する圧力媒体の給排によって変位するピストンにより駆動される出力軸の回転位置制御に関するサーボ制御機構が構築される場合に、このサーボ機構の応答性の低下を抑制できる。即ち、上記のサーボ機構の高応答化が図られた場合であっても、前述の回転位置制御が瞬間的に不能になる状態が発生してしまうことが防止される。
【0014】
第2発明に係るロータリーアクチュエータは、第1発明のロータリーアクチュエータにおいて、前記シリンダは、分割された状態で形成された複数のシリンダブロックを有し、複数の前記シリンダブロックが前記シリンダの軸方向に沿って積層されることで、前記シリンダが一体に組み立てられ、前記シリンダには、当該シリンダに対して摺動して変位可能に支持される前記ピストンを収納するピストンチャンバが設けられ、前記シリンダの軸方向において隣り合う前記シリンダブロック同士の間において、前記ピストンチャンバが区画されていることを特徴とする。
【0015】
この構成によると、複数のシリンダブロックがシリンダの軸方向に積層されることでシリンダが組み立てられ、隣り合うシリンダブロック同士の間にピストンチャンバが区画される。このため、ピストンチャンバが形成される際、シリンダブロックに対して半割状態の溝が形成された後、それらが組み合わされることで、ピストンチャンバが構成されることになる。これにより、シリンダの周方向に摺動して変位するピストンを収納するピストンチャンバを容易に形成でき、シリンダを容易に製造することができる。
【0016】
第3発明に係るロータリーアクチュエータは、第1発明又は第2発明のロータリーアクチュエータにおいて、前記ピストンは、複数設けられ、複数の前記ピストンは、前記出力軸の軸方向に沿って並んで設置されていることを特徴とする。
【0017】
この構成によると、出力軸の軸方向に沿って並んで複数設置されたピストンによって、アームを介して出力軸が駆動される。このため、シリンダの径方向の寸法を増大させることなく、コンパクトな構造で、駆動トルクの高出力化を図ることができる。
【0018】
第4発明に係るロータリーアクチュエータは、第1発明乃至第3発明のいずれかのロータリーアクチュエータにおいて、前記アームは、前記出力軸における複数個所から前記シリンダの径方向に延びるように、複数設けられていることを特徴とする。
【0019】
この構成によると、アームが出力軸の複数個所から径方向に延びるように設けられる。このため、アームを介して出力軸を回転駆動するピストンが複数設置される場合に、それらの設置位置に関する設計の自由度を向上させることができる。尚、例えば、アームは、出力軸の軸方向における複数個所からシリンダの径方向に延びるように設けられていてもよい。また、アームは、シリンダの周方向における角度が異なる方向に向かって出力軸における複数個所からシリンダの径方向に延びるように設けられていてもよい。
【0020】
第5発明に係るロータリーアクチュエータは、第4発明のロータリーアクチュエータにおいて、複数の前記アームとして、前記出力軸の軸方向に垂直な同一の面に沿って前記シリンダの径方向に延びる複数の前記アームが設けられ、前記同一の面に沿って前記シリンダの周方向に延びるように設置された複数の前記ピストンとして構成されるピストンユニットが設けられ、前記ピストンユニットにおけるそれぞれの前記ピストンは、複数の前記アームのそれぞれに対して回転可能に連結されていることを特徴とする。
【0021】
この構成によると、出力軸の軸方向に垂直な同一の面に沿って設置されたピストンユニットにおける複数のピストンによって出力軸を回転駆動できる。このため、ロータリーアクチュエータがシリンダの軸方向に長大化してしまうことを抑制するとともにシリンダの径方向に大型化してしまうことも抑制しつつ、駆動トルクの高出力化を図ることができる。例えば、ピストンユニットが2つのピストンで構成される場合であれば、軸方向の長大化及び径方向の大型化を招くことなく、ロータリーアクチュエータの出力を倍増させることができる。
【0022】
第6発明に係るロータリーアクチュエータは、第5発明のロータリーアクチュエータにおいて、前記ピストンユニットは、複数設けられ、複数の前記ピストンユニットは、前記出力軸の軸方向に沿って並んで設置されていることを特徴とする。
【0023】
この構成によると、出力軸の軸方向に沿って並んで複数設置されたピストンユニットによって、アームを介して出力軸が駆動される。このため、シリンダの径方向の寸法を増大させることなく、コンパクトな構造で、更に駆動トルクの高出力化を図ることができる。
【0024】
第7発明に係るロータリーアクチュエータは、第1発明乃至第6発明のいずれかのロータリーアクチュエータにおいて、前記シリンダには、当該シリンダに対して摺動して変位可能に支持される前記ピストンを収納するピストンチャンバが設けられ、前記ピストンチャンバは、前記シリンダの本体に設置されるとともに円弧状に延びる筒状の中空部材によって区画されていることを特徴とする。
【0025】
この構成によると、ピストンチャンバを区画する部材が、シリンダの本体とは別部材として設けられた筒状の中空部材によって構成される。このため、ピストンが摺動する面に継ぎ目がなく、更に内部漏洩を低減できる構造のピストンチャンバを容易に形成することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によると、圧力媒体の内部漏洩を低減できるとともに、高圧用の回転シールが不要な或いは高圧用の回転シールを大幅に削減可能な構造を実現できる、ロータリーアクチュエータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施の形態に係るロータリーアクチュエータについて軸方向に対して垂直な方向から見た図であって一部断面を含む図である。
【図2】図1に示すロータリーアクチュエータについてA−A線矢視方向から見た断面を示す断面図である。
【図3】図2に示すロータリーアクチュエータについてC−C線矢視方向から見た断面を示す断面図である。
【図4】図2に示すロータリーアクチュエータにおけるシリンダの断面図である。
【図5】図2に示すロータリーアクチュエータにおけるピストンユニットを示す図である。
【図6】図2に示すロータリーアクチュエータの動作を制御する油圧回路を模式的に示す回路図である。
【図7】変形例に係るロータリーアクチュエータについて軸方向に対して垂直な方向から見た図であって一部断面を含む図である。
【図8】図7に示すロータリーアクチュエータについてD−D線矢視方向から見た断面を含む図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。尚、本発明は、圧力媒体の作用によって出力軸が回転方向において揺動して駆動トルクを出力する、ロータリーアクチュエータに関して広く適用することができるものである。
【0029】
図1は、本発明の一実施の形態に係るロータリーアクチュエータ1について軸方向に対して垂直な方向から見た図であって一部断面を含む図である。また、図2は、ロータリーアクチュエータ1について図1のA−A線矢視方向から見た断面を示す断面図である。尚、図1は、図2において一点鎖線で示すB−B線矢視方向から見た断面を含んで図示されている。また、図3は、ロータリーアクチュエータ1について、図2において二点鎖線で示すC−C線矢視方向から見た断面を含む図である。
【0030】
図1乃至図3に示すロータリーアクチュエータ1は、圧力媒体の作用によって出力軸13がその軸心を回転中心とする回転方向において揺動して駆動トルクを出力するアクチュエータとして設けられている。圧力媒体としては、圧縮空気、圧油、等、種々の圧力流体が挙げられる。また、圧力媒体として、金属材料、樹脂材料、セラミックス材料、或いはこれらの複合材料、等を素材とした粉末粒子状の紛体が用いられてもよい。尚、本実施形態では、圧力媒体として圧油が用いられる形態を例にとって説明する。
【0031】
図1乃至図3に示すように、ロータリーアクチュエータ1は、ケース11、シリンダ12、出力軸13、複数のピストンユニット14、複数のアームユニット15、等を備えて構成されている。尚、ケース11、シリンダ12、出力軸13、複数のピストンユニット14、複数のアームユニット15は、例えば、ステンレス鋼、チタン合金、アルミニウム合金、等の金属材料を主要な素材として形成されている。
【0032】
ケース11は、ケース本体部21、一対の蓋部(22a、22b)を備えて構成されている。ケース本体部21は、例えば、円筒状の部材として設けられ、内側が中空で両端部が開口した部材として構成されている。そして、開口した両端部のそれぞれには、蓋部22a及び蓋部22bが嵌め込まれて固定されている。この一対の蓋部(22a、22b)によって、ケース本体部21の両端部が閉鎖されている。各蓋部(22a、22b)は、例えば、円盤状の部材として設けられている。そして、各蓋部(22a、22b)は、その中央部分において、後述する出力軸13の端部がそれぞれ貫通して突出する貫通孔が形成されている。
【0033】
図4は、図2に対応する断面におけるシリンダ12の断面図である。尚、図4では、ピストンユニット14についても二点鎖線で図示されている。図1乃至図4に示すように、シリンダ12は、ケース11の内側に設置されて、内側に中空領域23が設けられた筒状の構造体として構成されている。中空領域23は、シリンダ12の軸方向に沿って延びる中空の領域として設けられ、後述の出力軸13が設置されている。尚、シリンダ12の軸方向と、アクチュエータ1における長手方向であるアクチュエータ1の軸方向と、ケース11の円筒軸方向と、出力軸13の軸方向とは、平行な方向として構成されており、同一の方向として構成されていてもよい。
【0034】
シリンダ12の内側には、それぞれシリンダ12の周方向に沿って円弧状に且つ長孔状に延びる複数のピストンチャンバ24が設けられている。また、ピストンチャンバ24は、シリンダ12の軸方向に垂直な同一の面に沿ってシリンダ12の周方向に延びるように複数設けられている。尚、本実施形態では、シリンダ12の軸方向に垂直な同一の面に沿って2つのピストンチャンバ24(24a、24b)が、それぞれシリンダ12の周方向に延びるように設けられている。
【0035】
更に、シリンダ12においては、そして、シリンダ12の周方向に沿って設けられた一対のピストンチャンバ24(24a、24b)が、シリンダ12の軸方向に沿って並んで設けられている。即ち、シリンダ12の軸方向に垂直な複数の面のそれぞれに沿って、シリンダ12の周方向に沿って延びるように一対のピストンチャンバ24(24a、24b)が設けられている。
【0036】
また、各ピストンチャンバ24は、シリンダ12の内側において、中空領域23にそれぞれ連通する孔として設けられている。そして、各ピストンチャンバ24は、後述するピストンユニット14のアークピストン(14a、14b)によって、中空領域23との間での圧油の移動が規制されるように区画されている。尚、ピストンチャンバ24aは、アークピストン14aによって、中空領域23との間での圧油の移動が規制されるように区画されている。一方、ピストンチャンバ24bは、アークピストン14bによって、中空領域23との間での圧油の移動が規制されるように区画されている。尚、ピストンチャンバ24aでは、アークピストン14aとの間において、後述の圧力室26aが区画されている。そして、ピストンチャンバ24bでは、アークピストン14bとの間において、後述の圧力室26bが区画されている。
【0037】
また、シリンダ12は、分割された状態で形成された複数のシリンダブロック27を備えて構成されている。各シリンダブロック27は、軸方向長さの短い円筒状の部材として設けられている。そして、複数のシリンダブロック27が、ケース11のケース本体21の内側において、シリンダ12の軸方向に沿って積層されていることで、シリンダ12が一体に組み立てられている。
【0038】
また、各シリンダブロック27には、中空領域23の一部を構成する貫通孔として設けられた領域と、半円形状の断面でシリンダ12の周方向に沿って円弧状に延びる溝とが設けられている。上記の溝は、シリンダ12の軸方向における両端以外の位置に設置されるシリンダブロック27では、軸方向における両方の端面に設けられている。また、上記の溝は、シリンダ12の軸方向における両端の位置に設置されるシリンダブロック27では、軸方向における一方の端面に設けられている。そして、シリンダ12の軸方向において隣り合うシリンダブロック27同士の間において、上記の溝同士が対向して円形断面を構成するように重ねられることで、各ピストンチャンバ24が区画されている。
【0039】
また、シリンダ12の軸方向において隣り合うシリンダブロック27において、半円形断面の上記の溝が形成されるとともに互いに重ねあわされる合わせ面は、互いに密着するように平坦な面として形成されている。これにより、隣り合うシリンダブロック27間における圧油の漏洩が十分に防止されることになる。尚、隣り合うシリンダブロック27のうちの一方には、上記の合わせ面の外周の縁部において、リング状のシール部材28が嵌め込まれている。このシール部材28は、静的に用いられる低圧用のシール部材となる。
【0040】
また、本実施形態では、複数のシリンダブロック27のうち、シリンダ12の軸方向における両端以外の位置に設置されるシリンダブロック27と、両端の位置に設置されるシリンダブロック27とでは、合わせ面の構成が異なっている。シリンダ12の軸方向における両端以外の位置に設置されるシリンダブロック27は、シリンダ12の軸方向における両方の端面が、重ねられる相手側のシリンダブロック27に対して密着するとともにピストンチャンバ24を区画する合わせ面として設けられている。これに対し、シリンダ12の軸方向における両端の位置に設置されるシリンダブロック27は、一方の端面が、重ねられる相手側のシリンダブロック27に対して密着するとともにピストンチャンバ24を区画する合わせ面として設けられている。そして、このシリンダブロック27における他方の端面が、蓋部(22a、22b)に対して密着する合わせ面として設けらている。
【0041】
尚、シリンダブロック27同士が重ね合わされることで円形断面の孔を構成してピストンチャンバ24を形成する、上記の半円形状の断面の溝の形成に際しては、例えば、まず、シリンダブロック27の素材に対してシリンダ12の周方向に円弧状に延びる溝の切削加工が行われる。そして、その切削加工の後、切削加工された半円形状断面を構成する壁面に対して研磨加工が施されることで、滑らかな円弧形状の断面でシリンダ12の周方向に円弧状に延びる溝が形成される。
【0042】
出力軸13は、ケース11に対して回転自在に支持されて、軸方向がシリンダ12の軸方向と平行に延びるとともに中空領域23に設置されている。そして、出力軸13には、軸部13a、端部(13b、13c)が設けられている。
【0043】
軸部13aは、軸方向がシリンダ12の軸方向と一致する方向に延びる円柱状の部分として設けられている。端部13b及び端部13cは、軸部13aの両端にそれぞれ一体に設けられている。端部13bは、ケース11の蓋部22aに対して摺動して回転自在に支持されている。端部13cは、ケース11の蓋部22bに対して摺動して回転自在に支持されている。
【0044】
端部13bの外周と蓋部22aの貫通孔の内周との間には、リング状のシール部材29が設置されている。本実施形態では、蓋部22aの内周に形成されたシール溝に対してシール部材29が嵌め込まれ、このシール部材29の内側に端部13bが挿入されている。尚、本実施形態では、シール部材29は、複数設置されている。また、端部13cの外周と蓋部22bの貫通孔の内周との間にも、リング状のシール部材30が設置されている。本実施形態では、蓋部22bの内周に形成されたシール溝に対してシール部材30が嵌め込まれ、このシール部材30の内側に端部13cが挿入されている。尚、本実施形態では、シール部材30は、複数設置されている。
【0045】
上記のシール部材(29、30)によって、出力軸13とケース11との間が封止されている。また、各シール部材(29、30)は、リング状に設けられ、その内周に沿って周方向に出力軸13の外周が摺動する。このため、これらのシール部材(29、30)は、直線摺動部に用いられるシール部材と同様の仕様のシール部材として構成されることになる。尚、これらのシール部材(29、30)が設けられていなくてもよく、この場合であっても、出力軸13の外周とケース11の蓋部(22a、22b)の内周との間は、十分に封止される。
【0046】
また、シール部材(29、30)が嵌め込まれるシール溝は、蓋部(22a、22b)に設けられていなくてもよい。シール部材(29、30)が嵌め込まれるシール溝は、端部(13b、13c)のみに設けられていてもよく、また、蓋部(22a、22b)及び端部(13b、13c)の両方に設けられていてもよい。
【0047】
アームユニット15は、複数のアーム(15a、15b)を備えて構成されており、本実施形態では、一対の(2つの)アーム(15a、15b)を備えて構成されている。一対のアーム(15a、15b)のそれぞれは、出力軸13に一体に設けられるとともに、シリンダ12の径方向に延びるように設けられている。更に、本実施形態では、アームユニット15は、複数設けられており、出力軸13の軸方向に沿って並んで設けられている。このため、アーム(15a、15b)は、出力軸13における複数個所からシリンダ12の径方向に延びるように、複数設けられている。そして、本実施形態では、アーム(15a、15b)は、出力軸13の軸方向における複数個所及び出力軸13の周方向における複数個所からシリンダ12の径方向に延びるように設けられている。また、アーム(15a、15b)は、出力軸13とともに中空領域23に設置されている。尚、アーム(15a、15b)は、出力軸13とは別部材として設けられて出力軸13に固定されてもよい。
【0048】
また、本実施形態では、各アーム(15a、15b)は、角部が円弧状に形成された略台形状の外形の板状の部分を2枚備えて構成されている。そして、各アーム(15a、15b)は、一端側が出力軸13に対して片持ち状に一体に設けられている。また、各アーム(15a、15b)における2枚の板状の部分は、出力軸13の軸方向に垂直な方向に沿って且つ互いに平行に延びるように設けられている。
【0049】
また、アームユニット15におけるアーム15aとアーム15bとは、出力軸13の軸方向における位置が同じ箇所からシリンダ13の径方向に延びるように設けられている。更に、アームユニット15におけるアーム15aとアーム15bとは、シリンダ12の周方向における角度が互いに180度異なる方向に向かって、即ち、シリンダ12の直径方向に沿って、出力軸13からシリンダ12の径方向に延びるように設けられている。これにより、本実施形態では、複数のアーム(15a、15b)として、出力軸13の軸方向に垂直な同一の面に沿ってシリンダ12の径方向に延びる複数のアーム(15a、15b)が設けられた構成が実施されている。
【0050】
図5は、ピストンユニット14を示す図である。図1乃至図5に示すピストンユニット14は、ロータリーアクチュエータ1においては、複数設けられており、それぞれ一対のアークピストン(14a、14b)として構成されている。複数のピストンユニット14は、出力軸13の軸方向に沿って並んで設置されている。各アークピストン(14a、14b)は、本実施形態におけるピストンを構成している。そして、各アークピストン(14a、14b)は、アーク型に形成され、円形断面で円弧状に延びる部分を備えて構成されている。尚、上記の構成により、本実施形態では、アークピストン(14a、14b)が複数設けられ、複数のアークピストン(14a、14b)が、出力軸13の軸方向に沿って並んで設置された構成が実施されている。
【0051】
アークピストン(14a、14b)は、シリンダ12の内側のピストンチャンバ24に設置されるとともに、シリンダ12の周方向に沿ってシリンダ12に対して摺動して変位可能に支持されている。また、一対のアークピストン(14a、14b)は、隣り合うシリンダブロック27間で区画されるピストンチャンバ24(24a、24b)に設置されている。尚、アークピストン14aは、ピストンチャンバ24aに設置され、アークピストン14bは、ピストンチャンバ24bに設置されている。
【0052】
そして、各アークピストン(14a、14b)は、各ピストンチャンバ(24a、24b)の壁面に対して、ピストンチャンバ(24a、24b)が円弧状に延びる方向に沿って摺動自在に、設置されている。即ち、アークピストン14aがピストンチャンバ24aにおいて摺動自在に設置され、アークピストン14bがピストンチャンバ24bにおいて摺動自在に設置されている。尚、シリンダ12において、ピストンチャンバ24(24a、24b)は、シリンダ12に対して摺動して変位可能に支持されるアークピストン(14a、14b)を収納する領域として設けられている。
【0053】
上記により、ピストンユニット14は、出力軸13の軸方向に垂直な同一の面に沿ってシリンダ12の周方向に延びるように設置された複数のアークピストン(14a、14b)として構成されている。尚、ピストンユニット14における複数のアークピストン(14a、14b)と、アームユニット15における複数のアーム(15a、15b)とは、出力軸13の軸方向に垂直な同一の面に沿って延びるように設置されている。
【0054】
また、各ピストンチャンバ(24a、24b)における壁面には、シール溝が形成され、このシール溝には、リング状のシール部材34が嵌め込まれている。シール部材34は、例えば、各ピストンチャンバ(24a、24b)において、各アークピストン(14a、14b)に対応して1つ設置されている。各シール部材34には、各アークピストン(14a、14b)が摺動自在に挿入されている。これにより、ピストンチャンバ(24a、24b)の壁面とアークピストン(14a、14b)の外周との間の液密性或いは気密性が更に高められている。このシール部材34は、直線摺動部に用いられるシール部材と同様の仕様のシール部材として構成されることになる。尚、このシール部材34が設けられていなくてもよく、この場合であっても、ピストンチャンバ(24a、24b)の壁面とアークピストン(14a、14b)の外周との間は、十分に封止される。また、シール部材34が、ピストンチャンバ(24a、24b)ではなくアークピストン(14a、14b)に嵌め込まれている構成が実施されてもよい。
【0055】
尚、アークピストン(14a、14b)の製造に際しては、例えば、まず、円形のリング部材の周方向における2か所の部分が切削加工によって切除される。このように切除される2か所の部分は、例えば、円形のリング部材の径方向中心を介して対向する2か所の部分として、即ち、円形のリング部材の直径方向と交差する2か所の部分として設定される。これにより、円形のリング部材から、一対のアークピストン(14a、14b)の素材が切り出されることになる。次いで、一対のアークピストン(14a、14b)の素材の外周に対して研磨処理が施されることで、円形断面を形成してピストンチャンバ24(24a、24b)に対して摺動する各アークピストン(14a、14b)の外周側面が形成されることになる。
【0056】
また、各ピストンユニット14における各アークピストン(14a、14b)は、一方の端部32が各アームユニット15における各アーム(15a、15b)に対して、回転軸33を介して、回転可能に連結されている。即ち、アークピストン14aにおける一方の端部32が、アーム15aに対して、回転軸33を介して、回転可能に連結されている。そして、アークピストン14bにおける一方の端部32が、アーム15bに対して、回転軸33を介して、回転可能に連結されている。
【0057】
各アークピストン(14a、14b)における一方の端部32は、円形断面で円弧状に延びる部分から板状に薄く延びる部分として設けられている。そして、この端部32には、回転軸33が軸中心を中心として回転自在な状態で貫通する貫通孔32aが形成されている。また、各アークピストン(14a、14b)における一方の端部32は、各ピストンチャンバ(24a、24b)における中空領域23に対する開口から突出するように配置されている。
【0058】
また、各アークピストン(14a、14b)の端部32は、各アーム(15a、15b)における一対の板状の部分の間において僅かに隙間を介して挟まれた状態で設置される。各アーム(15a、15b)における一対の板状の部分のそれぞれには、貫通孔が形成されている。そして、一対の板状の部分の両貫通孔と端部32の貫通孔32aとが連通する位置関係となるように、各アーム(15a、15b)に対して各アークピストン(14a、14b)の端部32が設置される。尚、アークピストン14aの端部32が、アーム15aにおける一対の板状の部分の間に設置され、アークピストン14bの端部32が、アーム15bにおける一対の板状の部分の間に設置される。
【0059】
また、回転軸33は、本実施形態では、先端部にオネジ部分が設けられた円柱形状のピン状の軸部分を有するボルト部材として構成されている。各回転軸33は、各アーム(15a、15b)における一対の板状の部分とその間に設置された各アークピストン(14a、14b)の端部32とを貫通した状態で設置される。このとき、各回転軸33は、各アーム(15a、15b)における一対の板状の部分の一方に対して外側からボルト頭部で係合し、一対の板状の部分の他方から先端側のオネジ部分が突出した状態となる。そして、各回転軸33の先端部におけるオネジ部分に対して、内周にメネジ部分が設けられたナット部材が螺合するように取り付けられる。尚、ナット部材と各回転軸33の先端部とは、回り止めが施され、ナット部材の回転軸33からの脱落防止が図られている。
【0060】
上記により、各アーム(15a、15b)における一対の板状の部分の間で、各アークピストン(14a、14b)の端部32が、回転軸33を介して、各アーム(15a、15b)に対して回転自在に設置されている。即ち、ピストンユニット14におけるそれぞれのアークピストン(14a、14b)は、アームユニット15の各アーム(15a、15b)に対して回転可能に連結されている。そして、各ピストンユニット14における一対のアークピストン(14a、14b)は、各アームユニット15における一対のアーム15a、15b)をシリンダ12の周方向に沿って同じ回転方向に付勢可能に設けられている。
【0061】
ここで、アークピストン(14a、14b)を圧油の給排によって作動させるための圧力室(25、26a、26b)の構成について説明する。シリンダ12の内側には、本実施形態の第1圧力室としての圧力室25と、本実施形態の第2圧力室としての圧力室(26a、26b)とが設けられている。
【0062】
圧力室25は、圧力媒体としての圧油が導入される領域として設けられている。そして、圧力室25は、中空領域23によって構成され、出力軸13と複数のアームユニット15とが収納されている。また、圧力室25には、圧油が供給されるとともに圧油が排出される複数の給排孔31が開口している。給排孔31は、例えば、ケース11の蓋部22bにおいて、圧力室25に連通する孔として設けられている。圧力室25に対して圧油の供給が行われる場合には、複数の給排孔31から略同時タイミングで圧油の供給が行われる。また、圧力室25から圧油の排出が行われる場合には、複数の給排孔31から略同時タイミングで圧油の排出が行われる。
【0063】
各圧力室(26a、26b)は、各アークピストン(14a、14b)が摺動自在に支持される各ピストンチャンバ(24a、24b)において区画された領域として構成されている。そして、各圧力室(26a、26b)は、各ピストンチャンバ(24a、24b)における各アークピストン(14a、14b)とシリンダ12との間において、圧力媒体としての圧油が導入される領域として区画されている。また、各圧力室(26a、26b)には、各アークピストン(14a、14b)において各アーム(15a、15b)に対して連結される一方の端部32と反対側である他方の端部35が摺動自在に設置されている。尚、圧力室26aは、ピストンチャンバ24aの壁面と、アークピストン14aにおける他方の端部35の端面と、によって区画されている。圧力室26bは、ピストンチャンバ24bの壁面と、アークピストン14bにおける他方の端部35の端面と、によって区画されている。
【0064】
圧力室26aには、圧油が供給されるとともに圧油が排出される給排孔30aが開口している。また、圧力室26bにも、圧油が供給されるとともに圧油が排出される給排孔30bが開口している。給排孔30aは、複数のシリンダブロック27において、それぞれシリンダ12の軸方向に貫通するように設けられている。そして、各シリンダブロック27の給排孔30aは、複数のシリンダブロック27に亘って直列に並ぶとともに連通した状態に配置されている。また、給排孔30bも、複数のシリンダブロック27において、それぞれシリンダ12の軸方向に貫通するように設けられている。そして、各シリンダブロック27の給排孔30bは、複数のシリンダブロック27に亘って直列に並ぶとともに連通した状態に配置されている。尚、各給排孔30aは、共通の給排油路から各圧力室26aに対して分岐して連通するように構成されていてもよい。また、各給排孔30bは、共通の給排油路から各圧力室26bに対して分岐して連通するように構成されていてもよい。
【0065】
圧力室26a及び圧力室26bは、略同時タイミングで圧油の給排が行われる。圧力室26a及び圧力室26bに対して圧油の供給が行われる場合には、給排孔30a及び給排孔30bから略同時タイミングで圧油の供給が行われる。圧力室26a及び圧力室26bから圧油の排出が行われる場合には、給排孔30a及び給排孔30bから略同時タイミングで圧油の排出が行われる。
【0066】
ロータリーアクチュエータ1では、第1圧力室である圧力室25と第2圧力室である圧力室(26a、26b)とのうちの一方に圧油が供給され、圧力室25及び圧力室(26a、26b)の他方から圧油が排出されることで、一対のアークピストン(14a、14b)が変位することになる。これにより、一対のアークピストン(14a、14b)によって付勢された一対のアーム(15a、15b)がシリンダ12の周方向に変位する。そして、アーム(15、15b)とともに出力軸13が、その軸心を回転中心とする回転方向において揺動することになる。
【0067】
また、ロータリーアクチュエータ1においては、複数のシリンダブロック27の給排孔30aが連通しているため、複数の圧力室26aは、略同時タイミングで圧油が供給され、また、略同時タイミングで圧油が排出されることになる。そして、複数のシリンダブロック27の給排孔30bが連通しているため、複数の圧力室26bは、略同時タイミングで圧油が供給され、また、略同時タイミングで圧油が排出されることになる。また、前述の通り、給排孔30a及び給排孔30bからは、略同時タイミングで圧油が供給され、また、略同時タイミングで圧油が排出される。
【0068】
そして、例えば、給排孔(30a、30b)から圧油が供給され、給排孔31から圧油が排出される状態では、アークピストン14a及びアークピストン14bが、図2にて示される図面上においてシリンダ12の周方向に沿って時計周り方向に変位することになる。これにより、アーム(15a、15b)及び出力軸13が、図2の図面上においてシリンダ12の周方向に沿って時計周り方向に揺動する。一方、給排孔31から圧油が供給され、給排孔(30a、30b)から圧油が排出される状態では、アークピストン14a及びアークピストン14bが、図2にて示される図面上においてシリンダ12の周方向に沿って反時計周り方向に変位することになる。これにより、アーム(15a、15b)及び出力軸13が、図2の図面上においてシリンダ12の周方向に沿って反時計周り方向に揺動する。
【0069】
尚、上述したロータリーアクチュエータ1の組立作業については、種々の順番で実施することができる。次に、一例としてのロータリーアクチュエータ1の組立手順を例示する。例えば、まず、蓋部22bが治具に保持された状態で、出力軸13及び複数のアームユニット15の一体成形品が、蓋部22bに対して取り付けられる。そして、中空領域23の内側に出力軸13及び複数のアームユニット15が挿入される状態で、シリンダブロック27が順番に直列にシリンダ12の軸方向に積層される。
【0070】
シリンダブロック27が順番に積層される際には、各シリンダブロック27間において、シール部材34が取り付けられた各アークピストン(14a、14b)が、各ピストンチャンバ(24a、24b)に設置される。また、このとき、各アークピストン(14a、14b)が、各アーム(15a、15b)に対して回転軸33を介して回転自在に連結される。そして、シリンダブロック27の積層による組立が完了した段階で、ケース本体21にシリンダ12が挿入された状態となるように、ケース本体21がシリンダ12の外周に装着される。ケース本体21の装着が完了すると、蓋部22aがケース本体21に取り付けられて固定される。これにより、ロータリーアクチュエータ1の組立作業の概略が完了することになる。
【0071】
次に、上述したロータリーアクチュエータ1の動作を制御する油圧回路の構成と、ロータリーアクチュエータ1の作動とについて説明する。図6は、図2に示すロータリーアクチュエータ1の断面図とともにロータリーアクチュエータ1の動作を制御する油圧回路を模式的に示す回路図である。図6に示すように、ロータリーアクチュエータ1に対しては、本実施形態における圧力媒体供給源である油圧源40から圧力媒体としての圧油が供給される。油圧源40は、油圧ポンプを備えて構成されている。そして、ロータリーアクチュエータ1から排出された圧油は、前述したリザーバ回路41に流入して戻ることになる。リザーバ回路41に戻った圧油は、油圧源40で昇圧され、再び、ロータリーアクチュエータ1に供給される。
【0072】
油圧源40及びリザーバ回路41と、ロータリーアクチュエータ1との間には、ロータリーアクチュエータ1への圧油の供給経路及びロータリーアクチュエータ1からの圧油の排出経路を切り替える制御弁42が設けられている。即ち、ロータリーアクチュエータ1は、制御弁42を介して油圧源40及びリザーバ回路41に接続されている。
【0073】
制御弁42は、油圧源40に連通する供給通路40a及びリザーバ回路41に連通する排出通路41aと、ロータリーアクチュエー1に連通する一対の給排通路(44、45)との接続状態を切り替えるバルブ機構として設けられている。給排通路44は、ケース11における給排孔31に連通しており、給排通路45は、複数のシリンダブロック27における給排孔(30a、30b)に連通している。
【0074】
また、制御弁42は、例えば、電気油圧式サーボ弁(EHSV)として設けられている。そして、制御弁42は、ロータリーアクチュエータ1の動作を制御するアクチュエータコントローラ43からの指令信号に基づいて、供給通路40a及び排出通路41aと給排通路(44、45)との接続状態を切り替えるように作動する。尚、より具体的には、制御弁42は、アクチュエータコントローラ43からの電気指令信号に基づいて、パイロットステージにおけるノズルフラッパ式の油圧増幅機構が駆動され、メインステージにおけるスプールの両端に導入されるパイロット圧油の圧力が制御される。そして、パイロットステージで生成されるパイロット圧油によって、メインステージのスプールの位置が比例的に制御されるとともに、上記の各通路(40a、41a、44、45)の接続状態の切替も行われる。
【0075】
上記の構成により、制御弁42は、中立位置42aと、第1切替位置42bと、第2切替位置42cとの間で、比例的に位置を切替可能に設けられている。中立位置42aに切り替えられている状態では、制御弁42は、供給通路40a及び排出通路41aと、給排通路(44、45)とを遮断している。これにより、圧力室25及び圧力室(26a、26b)に対する圧油の供給及び排出が停止される。そして、各ピストンチャンバ(24a、24b)に設置された各アークピストン(14a、14b)が停止した状態が維持される。
【0076】
制御弁42が中立位置42aから第1切替位置42bに切り替えられると、供給通路40aと給排通路44とが接続されて圧力室25に圧油が供給され、排出通路41aと給排通路45とが接続されて圧力室(26a、26b)から圧油が排出される。これにより、アークピストン(14a、14b)が、図5にて示される図面上においてシリンダ12の周方向に沿って反時計周り方向に変位することになる。一方、制御弁42が中立位置42aから第2切替位置42cに切り替えられると、供給通路40aと給排通路45とが接続されて圧力室(26a、26b)に圧油が供給され、排出通路41aと給排通路44とが接続されて圧力室25から圧油が排出される。これにより、アークピストン(14a、14b)が、図5にて示される図面上においてシリンダ12の周方向に沿って時計周り方向に変位することになる。上記のように、制御弁42が第1切替位置42bに切り替えられた状態と第2切替位置42cに切り替えられた状態とでは、各ピストンチャンバ(24a、24b)に設置された各アークピストン(14a、14b)はシリンダ12の周方向において逆方向に移動し、複数のアーム15及び出力軸13も逆方向に揺動するように駆動されることになる。
【0077】
出力軸13が揺動することで、この出力軸13から駆動トルクが出力されることになる。駆動トルクは、出力軸13の端部13b及び端部13cのうちの一方から出力されてもよく、また、出力軸13の両方の端部(13b、13c)から出力されてもよい。尚、出力軸13から出力される駆動トルクは、端部(13b、13c)のうちの少なくともいずれかに連結された駆動対象に対して出力される。駆動対象としては、種々の機器が挙げられる。例えば、航空機の翼において揺動自在に設けられた舵面等の動翼が、ロータリーアクチュエータ1によって駆動されてもよい。また、自動車等のステアリング装置に対してロータリーアクチュエータ1が適用されてもよい。
【0078】
尚、上述の実施形態では、制御弁42及びアクチュエータコントローラ43については、ロータリーアクチュエータ1の構成要素として説明していないが、これらが、ロータリーアクチュエータ1の構成要素として含まれていてもよい。例えば、制御弁42が構成要素として含まれた構成としてロータリーアクチュエータ1が定義されてもよい。また、制御弁42及びアクチュエータコントローラ43が構成要素として含まれた構成としてロータリーアクチュエータ1が定義されてもよい。
【0079】
以上説明したように、ロータリーアクチュエータ1によると、ケース11の内部に設置されたシリンダ12の内側において、第1圧力室25及び第2圧力室(26a、26b)の一方に圧油(圧力媒体)が供給され他方から圧油が排出されることで、アークピストン(14a、14b)がシリンダ12の周方向に摺動して変位する。そして、アークピストン(14a、14b)が回転可能に連結されたアーム(15a、15b)がアークピストン(14a、14b)によって駆動されることで、アーム(15a、15b)とともに出力軸13が回転方向に揺動する。これにより、ロータリーアクチュエータ1の駆動トルクが出力される。
【0080】
上述のように、ロータリーアクチュエータ1によると、シリンダ12の内側において、シリンダ12に対して摺動するアークピストン(14a、14b)における一方の端部32側の第1圧力室25と他方の端部35側の第2圧力室(26a、26b)とが、区画されることになる。これにより、従来のロータリーアクチュエータに設けられていたような、出力軸、ベーン、シリンダ、リブ、エンドキャップで区画される圧力室を備えた構造が不要となる。即ち、ロータリーアクチュエータ1によると、出力軸とシリンダに設けられたリブとの間における回転摺動部、回転する出力軸に設けられたベーンとシリンダとの間における回転摺動部、回転する出力軸及びベーンとエンドキャップとの間における回転摺動部が、不要となる。よって、ロータリーアクチュエータ1によると、ロータリーアクチュエータ1内での圧油(圧力媒体)の内部漏洩を低減することができる。また、ロータリーアクチュエータ1によると、摺動する相手側の面に対して高圧で押し付けられるとともに回転摺動部に用いられる高圧用の回転シールが不要或いはこれを大幅に削減可能となる。
【0081】
従って、本実施形態によると、圧力媒体の内部漏洩を低減できるとともに、高圧用の回転シールが不要な或いは高圧用の回転シールを大幅に削減可能な構造を実現できる、ロータリーアクチュエータ1を提供することができる。
【0082】
また、ロータリーアクチュエータ1によると、アーム(15a、15b)を介して出力軸13を回転駆動するアークピストン(14a、14b)が、アーム(15a、15b)に対して回転可能に連結されている。このため、出力軸13に対して外部負荷が作用した場合であっても、アーム(15a、15b)がアークピストン(14a、14b)から離間した状態が発生してしまうことが防止される。このため、第1圧力室25及び第2圧力室(26a、26b)に対する圧油の給排によって変位するアークピストン(14a、14b)により駆動される出力軸13の回転位置制御に関するサーボ制御機構が構築される場合に、このサーボ機構の応答性の低下を抑制できる。即ち、上記のサーボ機構の高応答化が図られた場合であっても、前述の回転位置制御が瞬間的に不能になる状態が発生してしまうことが防止される。
【0083】
また、ロータリーアクチュエータ1によると、複数のシリンダブロック27がシリンダ12の軸方向に積層されることでシリンダ12が組み立てられ、隣り合うシリンダブロック27同士の間にピストンチャンバ24(24a、24b)が区画される。このため、ピストンチャンバ24(24a、24b)が形成される際、シリンダブロック27に対して半割状態の溝が形成された後、それらが組み合わされることで、ピストンチャンバ24(24a、24b)が構成されることになる。これにより、シリンダ12の周方向に摺動して変位するアークピストン(14a、14b)を収納するピストンチャンバ24(24a、24b)を容易に形成でき、シリンダ12を容易に製造することができる。
【0084】
また、ロータリーアクチュエータ1によると、出力軸13の軸方向に沿って並んで複数設置されたピストンユニット14によって、アーム(15a、15b)を介して出力軸13が駆動される。このため、シリンダ12の径方向の寸法を増大させることなく、コンパクトな構造で、更に駆動トルクの高出力化を図ることができる。
【0085】
また、ロータリーアクチュエータ1によると、出力軸13の軸方向に垂直な同一の面に沿って設置されたピストンユニット14における複数のアークピストン(14a、14b)によって出力軸13を回転駆動できる。このため、ロータリーアクチュエータ1がシリンダ12の軸方向に長大化してしまうことを抑制するとともにシリンダ12の径方向に大型化してしまうことも抑制しつつ、駆動トルクの高出力化を図ることができる。そして、本実施形態のように、ピストンユニット14が2つのアークピストン(14a、14b)で構成される場合であれば、軸方向の長大化及び径方向の大型化を招くことなく、ロータリーアクチュエータ1の出力を倍増させることができる。
【0086】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することができる。例えば、次のように変更して実施してもよい。
【0087】
(1)前述の実施形態では、シリンダブロックが積層されることでシリンダが一体に組み立てられる形態を例にとって説明したが、必ずしもこの通りでなくてもよい。例えば、シリンダの素材となるブロック状の部材に対して、放電加工によってピストンチャンバの孔あけ加工が行われる形態によって、シリンダが製造されてもよい。
【0088】
(2)前述の実施形態では、隣り合うシリンダブロックの間において、各シリンダブロックに形成された半円形状の断面の溝が重ね合わされていることで、ピストンチャンバが区画されている形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。図7及び図8に示すように、ピストンチャンバが、シリンダの本体に設けられた孔に設置されるとともに円弧状に延びる筒状の中空部材によって区画されている形態が実施されてもよい。
【0089】
図7は、変形例に係るロータリーアクチュエータ2について軸方向に対して垂直な方向から見た図であって一部断面を含む図である。図8は、ロータリーアクチュエータ2について図7のD−D線矢視方向から見た断面を示す断面図である。また、図8は、図7のE−E線矢視方向から見た断面を含んで図示されている。図7及び図8に示すロータリーアクチュエータ2は、ピストンチャンバ47(47a、47b)を区画する構造において、ロータリーアクチュエータ1と異なっている。尚、以下のロータリーアクチュエータ2についての説明では、ロータリーアクチュエータ1と同様に構成される要素については、図面において同一の符号を付すことで説明を省略し、ロータリーアクチュエータ1と異なる要素についてのみ説明する。
【0090】
ロータリーアクチュエータ2においては、積層されて一体に組み立てられた複数のシリンダブロック27が、シリンダ12の本体を構成している。そして、ロータリーアクチュエータ2のシリンダ12においては、円弧状に延びる筒状の中空部材46が更に設けられている。
【0091】
上記の中空部材46は、複数設けられており、シリンダ12の本体において、隣り合うシリンダブロック27が組み合わされることで設けられた各孔(48、48)のそれぞれに、1つずつ設置されている。即ち、隣り合うシリンダブロック27間において、中空部材46が2つ設置されている。そして、各中空部材46の内壁によって、シリンダ12に対して摺動して変位可能に支持されるアークピストン(14a、14b)を収納するピストンチャンバ(47a、47b)がそれぞれ区画されている。尚、中空部材46の成形に際しては、例えば、円筒状の中空部材が素材として用いられる。そして、例えば、この素材が円弧状に屈曲形成された後、更に、この素材に対して静水圧成形法によるプレス処理が施されることで、滑らかに円弧状に延びる筒状の中空部材46が成形される。
【0092】
上記の変形例に係るロータリーアクチュエータ2によると、ピストンチャンバ47(47a、47b)を区画する部材が、シリンダ12の本体とは別部材として設けられた筒状の中空部材46によって構成される。このため、アークピストン(14a、14b)が摺動する面に継ぎ目がなく、更に内部漏洩を低減できる構造のピストンチャンバ47(47a、47b)を容易に形成することができる。
【0093】
(3)アームの形状、設置数、設置位置については、前述の実施形態で例示した形態に限らず、種々変更されて実施されてもよい。例えば、前述の実施形態では、出力軸の軸方向に垂直な同一の面に沿ってシリンダの径方向に延びる2つのアームが設けられる形態を例にとって説明したが、この通りでなくもよい。例えば、出力軸の軸方向に垂直な同一の面に沿ってシリンダの径方向に延びるアームの数が1つ或いは3つ以上の形態が実施されてもよい。
【0094】
また、前述の実施形態では、出力軸の軸方向に沿って複数のアームが並んで互いに平行に延びる形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。例えば、出力軸の軸方向に沿って延びる一体の板状のアームが設けられ、この板状のアームに対して複数のピストンが回転自在に連結されている構成が実施されてもよい。また、この場合、板状のアームにスリット状の空間部分が複数形成され、この空間部分に各ピストンの端部が回転自在に連結されてもよい。更に、この場合、複数のピストンが、出力軸の軸方向と平行に延びる同一の円柱状のピン部材によって、アームに対して回転自在に連結されていてもよい。
【0095】
尚、アームが出力軸における複数個所からシリンダの径方向に延びる形態については、前述の実施形態で例示した形態に限らず、種々変更されて実施されてもよい。アームが出力軸の複数個所から径方向に延びるように設けられることで、アームを介して出力軸を回転駆動するピストンが複数設置される場合に、それらの設置位置に関する設計の自由度を向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明は、圧力媒体の作用によって出力軸が回転方向において揺動して駆動トルクを出力する、ロータリーアクチュエータに関して広く適用することができるものである。
【符号の説明】
【0097】
1 ロータリーアクチュエータ
11 ケース
12 シリンダ
13 出力軸
14 ピストンユニット
14a、14b アークピストン(ピストン)
15a、15b アーム
23 中空領域
25 第1圧力室
26a、26b 第2圧力室
27 シリンダブロック
26a、26b 圧力室
32 一方の端部
35 他方の端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧力媒体の作用によって出力軸が回転方向において揺動して駆動トルクを出力する、ロータリーアクチュエータであって、
ケースと、
前記ケースの内部に設置されて、内側に中空領域が設けられた筒状のシリンダと、
前記ケースに対して回転可能に支持され、軸方向が前記シリンダの軸方向と平行に延びるとともに前記中空領域に設置された前記出力軸と、
前記出力軸に一体に設けられ又は固定されて前記シリンダの径方向に延びるアームと、
円弧状に延びる部分を有し、前記シリンダの内側に設置されるとともに当該シリンダの周方向に沿って当該シリンダに対して摺動して変位可能に支持されるピストンと、
を備え、
前記ピストンは、一方の端部が前記アームに対して回転可能に連結され、
前記シリンダの内側には、前記出力軸及び前記アームが収納される第1圧力室と、当該シリンダと前記ピストンとで区画されるとともに当該ピストンにおいて前記アームに対して連結される一方の端部と反対側である他方の端部が摺動自在に設置される第2圧力室とが、設けられ、
前記第1圧力室及び前記第2圧力室の一方に圧力媒体が供給され、前記第1圧力室及び前記第2圧力室の他方から圧力媒体が排出されることで、前記アームが前記シリンダの周方向に変位し、前記出力軸が回転方向において揺動することを特徴とする、ロータリーアクチュエータ。
【請求項2】
請求項1に記載のロータリーアクチュエータであって、
前記シリンダは、分割された状態で形成された複数のシリンダブロックを有し、
複数の前記シリンダブロックが前記シリンダの軸方向に沿って積層されることで、前記シリンダが一体に組み立てられ、
前記シリンダには、当該シリンダに対して摺動して変位可能に支持される前記ピストンを収納するピストンチャンバが設けられ、
前記シリンダの軸方向において隣り合う前記シリンダブロック同士の間において、前記ピストンチャンバが区画されていることを特徴とする、ロータリーアクチュエータ。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のロータリーアクチュエータであって、
前記ピストンは、複数設けられ、
複数の前記ピストンは、前記出力軸の軸方向に沿って並んで設置されていることを特徴とする、ロータリーアクチュエータ。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のロータリーアクチュエータであって、
前記アームは、前記出力軸における複数個所から前記シリンダの径方向に延びるように、複数設けられていることを特徴とする、ロータリーアクチュエータ。
【請求項5】
請求項4に記載のロータリーアクチュエータであって、
複数の前記アームとして、前記出力軸の軸方向に垂直な同一の面に沿って前記シリンダの径方向に延びる複数の前記アームが設けられ、
前記同一の面に沿って前記シリンダの周方向に延びるように設置された複数の前記ピストンとして構成されるピストンユニットが設けられ、
前記ピストンユニットにおけるそれぞれの前記ピストンは、複数の前記アームのそれぞれに対して回転可能に連結されていることを特徴とする、ロータリーアクチュエータ。
【請求項6】
請求項5に記載のロータリーアクチュエータであって、
前記ピストンユニットは、複数設けられ、
複数の前記ピストンユニットは、前記出力軸の軸方向に沿って並んで設置されていることを特徴とする、ロータリーアクチュエータ。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のロータリーアクチュエータであって、
前記シリンダには、当該シリンダに対して摺動して変位可能に支持される前記ピストンを収納するピストンチャンバが設けられ、
前記ピストンチャンバは、前記シリンダの本体に設置されるとともに円弧状に延びる筒状の中空部材によって区画されていることを特徴とする、ロータリーアクチュエータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−113347(P2013−113347A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−258508(P2011−258508)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(503405689)ナブテスコ株式会社 (737)
【Fターム(参考)】