説明

ロールスクリーンのジョイント構造

【課題】簡単かつ安価な構成により、スクリーン4同士の接合と解除を行う。
【解決手段】両端ブラケット6に軸受されたシャフト7にそれぞれ巻付けられ、シャフト7の回転により互いに接近して繰出し、巻上げ動作される少なくとも一対のスクリーン4を備えたロールスクリーン4において、各スクリーン4の隣接縁部に沿ってファスナー10を設けるとともに、各スクリーン4の繰出し端に下部にファスナー10同士の係合及びその解除を行うためのスライダー14を、連結用ばね13を介して弾力性を有する状態で固定配置し、繰出し時において、ファスナー10がスライダー14を通過することで、スクリーン4がファスナー10を介して互いに接合し、巻取り時において、ファスナー10がスライダー14を通過することで離間してスクリーン4同士の接合を解除し、各別に巻取られるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、隣合うスクリーン同士を気密に接合するためのロールスクリーンのジョイント構造に関する。
【背景技術】
【0002】
ロール可動式の防火垂壁や、防火防煙スクリーンシャッターにより長い距離の垂れ壁や、区画を形成する場合、一本の長いシャフトにスクリーンを巻取る構造とした場合には、シャフトそのものの重量や、スクリーンの重量でシャフトがたわみ、繰出し、巻上げ動作が困難となる。このため、シャフトを分割してそれぞれの両端を軸受ブラケットに軸受けさせ、複数のスクリーンとする必要があるが、単に複数配列した場合には、隣合うスクリーン間があいてしまう。
【0003】
そこで従来では、固定式あるいは可動式のガイドレールをスクリーン間に配置する方法や、継手部分に隣合うスクリーンに重なる一枚の補助スクリーンをあてがって同時降下させることにより、スクリーン間の隙間を埋めるものがある(特許文献1,2参照)。
【特許文献1】特開平10−292752号公報
【特許文献2】特開平10−337337号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、スクリーン間にガイドレールを設ける場合、固定式のものであれば、美観に劣るし、日常の空間の使い勝手が悪いものとなる。可動式とした場合には、機構が複雑となり、コストアップなどの問題が生ずる。また、補助スクリーンによるジョイントの場合には、前記の欠点は解消されるものの、気密性の点では不十分であり、遮煙性能に劣るものとなっていた。
【0005】
本発明は、以上の課題を解決するためのものであり、その目的とするところは、安価かつ簡単な構成を付加することで、繰出し状態で隣合うスクリーン同士が自動的に接合し、巻取り状態で接合が解除されて各シャフトに個別に巻取られるようにしたロールスクリーンのジョイント構造を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、回転可能なシャフトに巻付けられ、該シャフトの回転動作により、その縁部が互いに接近した状態で繰出し巻上げ動作される少なくとも一対のスクリーンを備えたロールスクリーンにおいて、前記各スクリーンの隣接縁部に沿ってファスナーを設けるとともに、前記各スクリーンの繰出し端に前記ファスナー同士の接合およびその解除を行うためのスライダーを、弾力性を有する状態で固定配置し、前記各スクリーンの繰出し時において、前記各ファスナーが前記スライダーを通過することで、前記スクリーン同士がファスナーを介して互いに接合し、前記各スクリーンの巻取り時において、前記各ファスナーが前記スライダーを通過することで離間して各スクリーン同士の接合を解除し、前記シャフトに各別に巻取られるようにしたことを特徴とするものである。
【0007】
すなわち、本発明では、衣類、鞄その他の縫製品一般に用いられるファスナーにおいて、通常の使用法とは逆にスライダーを、弾力性を有する状態で固定配置しておき、これにファスナーを通過させることで、スライダーの下部側ではスクリーン同士が接合され、上部側では分離できるようにしたもので、下降展開状態で隣合うスクリーン同士を気密に接合できる。
【0008】
さらに、請求項2に係る発明では、請求項1において、前記各シャフトが所定の交差角をなして配置されていることを特徴としてもよい。
【0009】
さらに、請求項3に係る発明では、請求項2において、前記シャフトの交差部分を回転伝達手段を介して連結し、一方のシャフトの回転力を他方のシャフトに伝達することにより、一つの開閉駆動機構により、交差角をなす複数のスクリーンを駆動できる。
【0010】
さらに、請求項4に係る発明では、請求項2又は3において、前記スライダーにより前記ファスナー同士を係合させ、また係合解除する際に、前記スライダーで噛合う左右の噛合素子が略一直に並ぶように該スライダーの左右近傍における前記スクリーンに当接して、その形状を矯正するスクリーン矯正部材を設けることで、ファスナー同士を係合させ、また係合解除する際の抵抗を小さくすることができる。
【0011】
さらに、請求項5に係る発明では、請求項4において、前記スクリーン矯正部材を、一端が前記スライダーと係合され、他端がガイド板等の不動の部材に固定された取付材に係合される支柱と、該支柱の左右に並設されて、先端にガイド金具が設けられると共に、該ガイド金具が前記スクリーン側に付勢されて、前記ガイド金具と前記スライダーとを結ぶ直線のなす角度が120°〜180°の範囲で前記ロールスクリーンの形状を矯正する腕とにより形成して、ファスナー同士の係合、係合解除をスムースに行うことができる。
【0012】
さらに、請求項6に係る発明では、請求項5において、前記スライダーと前記支柱とが、チェーン、ばね等の可撓性部材を介して係合されて、左右の前記スクリーンの動きに追従して前記スライダーが動くことができるようにして、スクリーンが揺れてもファスナー同士の係合、係合解除をスムースに行うことができる。
【0013】
さらに、請求項7に係る発明では、請求項5において、前記取付材と前記支柱とが、チェーン、ばね等の可撓性部材を介して係合されて、左右の前記スクリーンの動きに追従して前記スライダー及び前記ガイド金具が動くことができるようにして、スクリーンが揺れてもファスナー同士の係合、係合解除をスムースに行うことができる。
【0014】
さらに、請求項8に係る発明では、請求項2〜7のいずれかにおいて、隣合う前記スクリーンの各接合端部に沿って設けられて、左右の前記スクリーンを係合した際に、その解放端同士が互いに密に当接し合うファスナーカバーを設けて、気密性を高めることによりスクリーンの接合部分での遮炎性能や遮煙性能の低下を防止することができる。
【0015】
さらに、請求項9に係る発明では、請求項2〜8のいずれかにおいて、前記各シャフトが所定の交差角をなすコーナー部の内側及び/又は外側の領域に、前記各スクリーン同士が前記ファスナーを介して互いに接合するファスナー接合部が水平移動した際に、前記スライダーを追従して所定領域内にて水平移動させるためのガイドレールを備えたコーナー規制装置を設けたことを特徴とし、これにより、スライダーがスクリーンの巻ずれ等に追従するため、スクリーンの繰出し巻取り動作がより良好なものとなる。
【0016】
さらに、請求項10に係る発明では、請求項9において、前記コーナー規制装置は、前記スライダーを前記所定領域内にて水平移動可能となるように規制する円弧状のガイドレールと、 該ガイドレールに沿ってスライドするスライド部材と、該スライド部材と前記スライダーとを弾力性を有する状態で引き繋ぐ引き手部材と、を備えたことを特徴としてもよい。
【0017】
さらに、請求項11に係る発明では、請求項1〜10のいずれかにおいて、前記各シャフトのスクリーン巻取り軸の横幅を前記各スクリーンの横幅よりも広くし、前記各シャフトのスクリーン巻取り軸の横幅からはみ出た領域にある前記各スクリーンの隣接縁部に、前記ファスナーを構成するファスナーテープを設けたことを特徴とし、これにより、通常ファスナーテープがスクリーンよりも厚手であるにもかかわらず、ファスナー部の巻太りを抑えることができるようになる。
【0018】
さらに、請求項12に係る発明では、請求項11において、前記ファスナーテープを一定の緊張度及び角度で前記スライダーに繰出し可能とするためのガイド装置を設けたことを特徴とし、これにより、ファスナー部の巻太りやスクリーンの巻径の変化等に対して、常にファスナーテープを一定の緊張度(テンション)及び角度でスライダーに繰出すことができるようになり、その結果、スクリーンの繰出し動作がより良好なものとなる。
【0019】
さらに、請求項13に係る発明では、請求項12において、前記ガイド装置は、前記ファスナーテープが繰出され或いは巻取られるとともに回転可能なローラー機構を備えたことを特徴としてもよい。
【0020】
さらに、請求項14に係る発明では、請求項2〜13のいずれかにおいて、前記スクリーンの下端部にウェイト兼用の座板が設けられており、該座板は、コーナー部に設けられたコーナー座板と、該コーナー座板に隣接して設けられる座板ピースとに分割されており、前記コーナー座板と前記座板ピースとの間に熱膨張を吸収するための間隙が設けられていることを特徴とし、これにより、スクリーン下端部の座板が熱膨張したとしてもたわむことなく、その結果、スクリーンの繰出し巻取り動作がより良好なものとなる。
【発明の効果】
【0021】
以上の説明により明らかなように、本発明によるロールスクリーンのジョイント構造によれば、簡単かつ安価な構成の付加により、繰出し状態で隣合うスクリーン同士が自動的に接合し、巻取り状態で接合が解除され、スクリーンを分離状態で各シャフトに個別に巻取ることができる。
【0022】
また、スクリーン矯正部材を設けたので、ファスナー同士を係合させ、また係合解除する際の抵抗を小さくすることが可能となり、係合、係合解除をスムースに行うことができる。
【0023】
さらに、ファスナーカバーを設けたので、スクリーンを係合した際の接合部での気密性が高まり、遮炎性能や遮煙性能の低下を防止することができる。
【0024】
また、コーナー規制装置を設けたので、スライダーがスクリーンの巻ずれ等に追従するようになるため、スクリーンの繰出し巻取り動作がより良好なものとなる。
【0025】
また、各シャフトのスクリーン巻取り軸の領域にある各スクリーンの隣接縁部に、ファスナーテープを設けたので、ファスナー部の巻太りを抑えることができるようになる。さらに、ガイド装置を設けたので、スクリーンの繰出し動作がより良好なものとなる。
【0026】
また、コーナー部付近の座板に間隙を設けたので、スクリーンの繰出し巻取り動作がより良好なものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、添付図面を参照しながら、本発明(ロールスクリーンのジョイント構造)の好ましい実施の形態につき、詳細に説明する。
【0028】
===第一実施形態(本発明の基本構成)===
図1〜図3は、本発明の第一実施形態を示す。同図において、天井ボード1で仕切られる天井裏2には、ロールスクリーンのシャッターケース3が配置され、シャッターケース3内に巻取り状態で格納された一対の不燃性織布などからなる不燃性、耐火性ないしは難燃性を有するスクリーン4を、天井ボード1に開ロされたスリットを通じて室内5側に下降させ、室内5をスクリーン4によって二つの区画に仕切るようになっている。
【0029】
各スクリーン4は、両端を一対の軸受ブラケット6に回転可能に軸受され、かつ軸方向にずらされた平行なシャフト7にそれぞれ巻取られ、その端縁同士は近接状態に配置されている。各シャフト7は、例えば各別の開閉器8によって駆動されるもので、その繰出し端下部には両スクリーン4に共通のウェイト兼用の座板9が連結されている。開閉器8は巻上げ用モータ、クラッチなどを備え、通常はクラッチ接状態としてスクリーン4を巻上げ状態に保持し、非常時にはクラッチ断信号によりクラッチが掛けはずれ、各シャフト7の自由回転を可能とし、ウェイト兼用の座板9の自重によりスクリーン4を下降させて、室内5を区画する。
【0030】
両スクリーン4の隣接位置には、これの側部端縁に沿ってファスナー10(ジッパーとも称する)が設けられ、このファスナー10に対応して両スクリーン4の隣接位置下部には、前記スリットに下面開口させた接合ガイド装置11が設けられている。このガイド装置11は、前後の前記スクリーン4の隣接位置下部に固定された前後一対のガイド板12と、両ガイド板12の内側に連結用ばね13を介して弾力性を有する状態で固定配置されたY字型のスライダー14と、スライダー14の上部に設けられた噛み込み防止用の分岐金物15とからなっている。
【0031】
前記各ファスナー10は、縫製品などに用いられる一般的なもので、特に図3に示すように、スクリーン4の側縁にそれぞれ縫合などにより連結された一対のファスナーテープ16と、テープ16の側縁に沿って配列された多数の噛合素子17(エレメント、あるいはシムとも称するかみ合い部分)及び両テープ16の下端縁にあって、両テープ16の下端を連結した下止め具18とからなっている。
【0032】
各噛合素子17は、一般に金属製であって、図3の一部に拡大して示すように、その先端上部に係合突起を、下部に係合凹部を、それぞれ形成したもので、スライダー14の内部におけるY字型通路の下部側合流端で左右の噛合素子同士が合流し、一方の噛合素子17の係合突起が他方の噛合素子の係合凹部に順次係合することでファスナー10同士が接合し、また上部側に移動することで係合を解除しつつ左右に分岐状態に離間する。
【0033】
なお、これ以外にもコイル型と称し、スライダー14の合流側で合成樹脂製コイル同士が絡み合うことによりファスナー10同士が接合し、分岐側で絡み合いが解除される構造もあるが、テープ16の素材として不燃性(ないしは耐火性または難燃性)織布などから構成されたテープ素材、また噛合素子17、下止め具18はそれぞれ金属製のものを用いることが望ましい。
【0034】
さらに、前記分岐金物15の機能としては、例えば一方のスクリーン4の端縁に、ファスナー10の表面を覆うための重ね布などが逢着されていた場合に、ファスナー10の移動時において、この重ね布がスライダー14に噛み込むことを防止する機能、あるいはそうでない場合においても、異物がスライダー14に噛み込むことを防止するための機能を備えている。
【0035】
以上の構成において、前記各スクリーン4の下降時には各噛合素子17がスライダー14を通過することにより、スライダー14の下部位置ではファスナー10の噛合素子17同士は係合し、ファスナー10を介してスクリーン4同士をほぼ気密に接合する。また、上昇時にはスライダー14の上部位置では噛合素子17同士は離間し、両スクリーン4は分離し、それぞれのシャフト7に巻取られる。すなわち、両スクリーン4の繰出し下降展開状態では、ファスナー10同士の係合によりスクリーン4は気密に接合され、巻取り格納状態ではファスナー10の離間により分離することになる。
【0036】
以上の上下降時におけるスライダー通過位置の摺動抵抗は、スクリーン4の自重に対して無視することができる値であり、スムースな上下降が可能である。
【0037】
なお、木実施形態では二枚の隣合うスクリーン4同士の接合に適用したが、さらに幅広い室内空間を仕切る場合には三枚以上の複数のスクリーン4の接合にも適用できる。
【0038】
===第二実施形態(補助スクリーンの設置)===
図4,5は、本発明の第二実施形態を示す。本実施形態において、第一実施形態と同一箇所には同一符号を付し、異なる箇所あるいは新たに付加される箇所にのみ新たな符号を付して説明する。
【0039】
同図において、両スクリーン4のシャフト7は、ジョイント金具20を介して同軸に連結され、これによって共通の開閉器8によって駆動される。但し、各シャフト7の両端はブラケット6に軸受され、ジョイント金具20が介在されているため、両スクリーン4の端縁同士は離間してしまい、ファスナー10による接合は不可となる。
【0040】
そこで、本実施形態では、両スクリーン4の間にその両端をほぼ接した状態で補助スクリーン21を平行に配置し、これの巻取り繰出し用の補助シャフト22の両端をブラケット23に軸受している。補助スクリーン21の下端はウェイト兼用の座板9に連結され、かつ補助シャフト22は図示しないスプリングなどにより、巻取り側に付勢されている。
【0041】
そして、補助スクリーン21の両側部には、縫合などによりファスナー10が設けられ、これらを図5に示すように、一対のスライダー14内に前記スクリーン4側のファスナー10と合流させて通過させることで、各スライダー14の下部側で各スクリーン4が補助スクリーン21を介して接合され、上部側でそれぞれ離間する構成となっている。
【0042】
以上の実施形態では、スクリーン4同士が離間配置されていたとしても、補助スクリーン21により縁部が接合され、また一つの開閉器8により、各スクリーン4を同時駆動できる利点がある。
【0043】
===第三実施形態(シャフト平行配置型)===
図6は、本発明の第三実施形態を示す。同図において、両スクリーン4は平面視同軸であり、側面及び正面視上下平行配置している点が第一実施形態とは異なり、また上部側のスクリーン4の長さを下部側スクリーン4とともに着床時において同一の長さとなるように余長を取っておくことが必要である以外は、第一実施形態と同じであり、天井裏2の高さを高くとることができる場合に好適である。また、本実施形態において、開閉器8は図示しないが、第一実施形態と同じく個別駆動とするか、共用とし、タイミングベルト及びプーリなどで同時駆動すべく連繋させることも可能である。
【0044】
===第四実施形態(シャフト交差配置型)===
図7は、本発明の第四実施形態を示す。同図において、一方のスクリーン4は他方のスクリーン4に対して約90°傾けて配置され、両シャフト7の近接端は両シャフト7に共用のL字型軸受ブラケット30に回転可能に軸受され、かつこの位置に配置した一対の傘歯車31等の動力伝達機構(確動性がある点で傘歯車31を採用することが好ましい)により、一方のシャフト7の駆動用開閉器8の回転力を他方のシャフト7に伝達している。
【0045】
そして、スクリーン4の接近端には、それぞれファスナー10が設けられ、スクリーン4の下部に設けた図示しないスライダー14により、下降時にスクリーン同士を接合し、上昇時離間させる点も前記各実施形態と同じである。
【0046】
なお、ファスナー10の接合位置では約90°折曲げられてしまうが、ファスナーテープ16及びスクリーン4の可撓性に応じて、折曲げに対し十分対応可能である。また、本実施形態においては、一方のシャフト7の回転は他方とは逆向きであるため、逆回転に互いに同方向に下降、上昇すべくスクリーン4の巻取り方向を定めておけばよい。
【0047】
本実施形態では、アトリウム、エスカレータなどの吹抜け空間全体を防火スクリーン装置で矩形状に囲う場合などにおいて、直交する面などにおいても隣合うスクリーン同士が降下した状態で自動接合するため、ガイドレールを設ける場合に比べて吹抜け空間廻りの意匠性・使い勝手が格段に向上するものとなる。
【0048】
なお、本実施形態では、約90°交差するスクリーン4同士の接合に適用した場合を示したが、さらに浅い交差角度に設定することもでき、傘歯車31をその交差角度に応じた噛合角度のものを選定するか、あるいは交差角度が浅い場合には、ユニバーサルジョイントなどのフレキシブルジョイントで構成してもよく、この場合には交差するシャフトの回転方向が同方向となる。
【0049】
===第五実施形態(スクリーン矯正部材の設置)===
図8及び図9は、本発明の第五実施形態を示す。構成は概ね第四実施形態と同じである。両スクリーン4は約90°又はその他の角度に配置されているので、スクリーン4が下降してファスナー10同士を接合する際には、左右の噛合素子17が一直線上に並ぶようにスライダー14がスクリーン4を曲げて形状を矯正する必要がある。
【0050】
図10は、このときの様子を示した図で、接合前が点線で示され、接合中が実線で示されている。また、スクリーン4が上昇してファスナー10同士の接合を解除する際にも、同様にスクリーン4の曲げが起きる。
【0051】
このようにスクリーン4を曲げる際には、スクリーン4からスライダー14に大きな力が加わったり、スライダー14がテープ16を噛んだりして、スムースな係合や係合解除が困難になることが予想される。そこで、本実施形態では、スライダー14の昇降時にスクリーン4の形状を矯正するスクリーン矯正部材40を設けている。
【0052】
図11は、スクリーン矯正部材40の上面図であり、スライダー14の中央に支柱41が取り付けられ、この支柱41にY字状に伸びる腕42が形成されている。腕42の先端にはガイド金具43が設けられ、また支柱41の付根は、ばね44を介して取付材45に連結されている。この取付材45は、図8で拡大した図からも分かるように、ガイド板12に固定されている。
【0053】
このような構成であるため、ファスナー10の接合前は点線で示すような状態にあった左右のスクリーン4は、下降する際にガイド金具43により押し広げられるように矯正される。そして、ガイド金具43とスライダー14とを結ぶ直線のなす角度を120°〜180°の範囲に設定することにより、ガイド金具43で押し広げられた左右のスクリーン4の噛合素子17は概ね一直線上に並ぶようにすることができる。また、ガイド金具43とスクリーン4との接触抵抗は小さいので、スクリーン4を容易に昇降させることができ、さらに、噛合素子17は略平行に並ぶので、スムースに係合させることができる。
【0054】
ところで、出火時等においては、スクリーン4に風等が吹き当たり揺れることがある。この場合、大きな力がスライダー14に加わり、ガイド金具43間のスクリーン4に弛みが生じるように思えるが、支柱41は、ばね44を介して取付材45に取付けられ、かつ、ガイド金具43とスライダー14とを結ぶ直線のなす角度が120°〜180°の範囲に設定されているので、スクリーン4が揺れるとそれに応じてばね44が変形してガイド金具43が変位するので上述したようなたわみは生じない。従って、常に左右の噛合素子17を略平行に並ぶようにすることができる。
【0055】
なお、上記説明では、腕42の先端に取り付けられているガイド金具43は球体であるとの前提で説明したが、ゼリービーンズのような形状であってもよく、ラグビーボールのような形状であってもよい。このような形状であるとスクリーン4の矯正を徐々に行うことができる利点がある。
【0056】
また、ばね44以外に、ワイヤやチェーン等の可撓性のある金属材料を用いることも可能である。図12はチェーン46を用いた場合を示している。即ち、スクリーン矯正部材40は、支柱41がガイド板12に取付けられた取付材45に固着され、その先端にチェーン46が取付けられ、このチェーン46の先端にスライダー14が取付られている。従って、スクリーン4が風等により揺れてもチェーン46が動くので、スライダー14はスクリーン4の動きに従って揺れ動き噛合素子17は常に略一直線に並ぶことができる。
【0057】
また、本実施形態では、図13に示すようなスクリーン矯正部材40を用いてもよい。このスクリーン矯正部材40は、L状の取付材45の左右端部にボルトからなる腕47が並設して挿通されている。腕47の頭部にはガイド金具43が設けられ、ガイド金具43側のナット48と取付材45との間にばね49が遊嵌されて、後部にナット50が噛合している。そして、腕47は、ばね49によりスクリーン4側に付勢されている。
【0058】
このような構成で、風が吹いてスクリーン4が揺れると、図14示すように、左右の腕47がばね49の付勢力に抗して進退することで左右の噛合素子17を略一直線上に保持することが可能になる。
【0059】
===第六実施形態(ファスナーカバーの設置)===
図15は、本発明の第六実施形態を示す。ファスナー10を係合させた状態では通気性は殆ど無くなるが、時には噛合素子17が欠けてしまっていたりすることもある。また、噛合素子17が噛み合っている状態でも、僅かに隙間がある場合がある。このような場合には、接合部分での遮炎性能や遮煙性能が低下して好ましくない。
【0060】
そこで、本実施形態では、この接合部を覆うようにテープ状のファスナーカバー53を設けて、遮炎性能や遮煙性能の低下を防止している。ファスナーカバー53は、不燃性、耐火性ないしは難燃性を有する不燃性織布等により形成されて、スクリーン4の接合端部に沿って縫製して取り付けられている。
【0061】
そして、ファスナー10が係合した状態では、左右のファスナーカバー53の先端は所定長さだけ密接して重なるようになっている。この重なり部分Kの長さは、ファスナーカバー53の剛性や表面状態により適宜設定される。これにより炎や煙がファスナー10の接合部を介して流動するのを防止することが可能となる。
【0062】
===第七実施形態(コーナー規制装置の設置)===
図16〜18は、本発明の第七実施形態を示す。
本実施形態のロールスクリーンのジョイント構造において、コーナー規制装置70は、スクリーン4が所定の交差角(同図では約90°)をなすコーナー部の内側及び/又は外側の領域に設置された構成となっている。
このコーナー規制装置70は、各スクリーン4同士がファスナー10を介して互いに接合するファスナー接合部が水平移動(図16における紙面に並行な方向)した際に、スライダー14を追従して所定領域内にて水平移動させるための装置であり、以下に述べるようにガイドレールを備えている。
図16及び17を参照しながら、コーナー規制装置70がコーナー部の外側の領域に設置された場合(図16参照)、及びコーナー規制装置70が内側の領域に設置された場合(図17参照)について、各々詳細に説明する。
【0063】
<外側の領域に設置された場合>
図16は、コーナー規制装置70がコーナー部の外側の領域に設置された場合のジョイント構造を示す概略図であり、図16(a)は、コーナー部のジョイント構造を示す概略上面図、図16(b)は、図16(a)のA−A線による概略断面図である。
【0064】
図16(a)に示すように、コーナー規制装置70は、スライダー14を所定領域内にて水平移動可能となるように規制するための円弧状のガイドレール71と、このガイドレール71に沿ってスライドするスライド部材72と、このスライド部材72とスライダー14とを弾力性を有する状態で引き繋ぐ引き手部材73とを備えている。
【0065】
同図において、コーナー規制装置70は、上記コーナー部の外側の領域、すなわち火災が発生した際に各スクリーン4によって閉鎖される領域(内側の領域)とは反対側の領域に設けられており、この外側領域に位置する軸受けブラケット30にボルト等で固定されている。
特に、コーナー部が吹き抜け空間となっている場合には、コーナー規制装置70を内側の領域に施すことは困難であり、たとえ内側の領域に施したとしても、取替え等のメンテナンス上の問題や意匠性等の問題があるため、コーナー規制装置70は、コーナー部の外側の領域に設けている。
但し、コーナー部の外側の領域では、各シャフト7が傘歯車31等で連結されているため、コーナー規制装置70がシャフト7等と接触すると、スクリーン4の繰出し巻取り動作が阻害されてしまう。そこで、コーナー規制装置70を、シャフト7等と接触しないように配置している。
【0066】
また、図16(b)に示すように、同図(a)のA−A線による概略断面図からも、コーナー規制装置70が、円弧状のガイドレール71と、スライド部材72と、引き手部材73とを備えており、コーナー部の外側の領域に設置されている様子がわかる。
同図において、ガイドレール71は、その形状をコーナー部の形状(交差角は約90°)に合わせて円弧状としている。このようなガイドレール71としては、直線状の形態等その他の形態であってもよい。なお、ガイドレール71は、スライダー14を所定領域内にて水平移動可能となるように規制し得るように、レールの方向、距離、設置箇所、設置数等、適宜設計し得ることは言うまでもない。
【0067】
また、スライド部材72は、ガイドレール71の内側に形成されたコ字状の溝に沿ってスライドすることで、スライダー14の水平方向の動きに追従して水平移動するようになっている。このようなスライド部材72としては、ガイドレール71の外側で噛み合ってスライドするような形態であってもよく、或いはガイドレール71上を転がるようにした形態であってもよい。
【0068】
また、引き手部材73は、スクリーン4を外側へ引っ張り気味にして、スライド部材72とスライダー14とを弾力性を有する状態で引き繋いでいる。図16(a)に示すように、引き手部材73のリング部73aは、スライド部材72のコの字部72aと相対位置が変化可能な状態で係合している。詳しくは、引き手部材73がスクリーン4を外側へ引っ張っているため、引き手部材のリング部73aの外側部分が、スライド部材72のコの字部72aの内側部分と係合している。これにより、スライダー14は、弾力性を有する状態で配置される。
【0069】
以上説明したように、コーナー規制装置70を用いることにより、スライダー14は、スクリーン4の巻ずれ等が生じた場合であっても、生じた巻ずれに所定領域内にて良好に追従して水平移動することができるようになり、スクリーン4の繰出し巻取り動作が良好なものとなる。
【0070】
これに対し、コーナー規制装置70がコーナー部に設置されていない場合には、ジョイントされる二枚のスクリーン4が降下・上昇した時に巻ずれ等を生じると、スクリーン4からスライダー14に大きな力が加わったり、スライダー14がファスナーテープ等を噛んだりして、スムースな係合や係合解除が困難になることが予想される。
【0071】
<内側の領域に設置された場合>
一方、図17は、コーナー規制装置70がコーナー部の内側の領域に設置された場合のジョイント構造を示す概略上面図である。
図17においても、コーナー規制装置70は、スライダー14を所定領域内にて水平移動可能となるように規制するための円弧状のガイドレール71と、このガイドレール71に沿ってスライドするスライド部材72と、このスライド部材72とスライダー14とを弾力性を有する状態で引き繋ぐ引き手部材73とを備えている。
【0072】
同図においては、図16に示すような吹き抜け空間とはなっておらず、天井面や柱等が設けられている。このため、コーナー規制装置70は、上記コーナー部の内側の領域、すなわち火災が発生した際に各スクリーン4によって閉鎖される領域(内側の領域)に設けられ、この内側の領域に位置する天井面や柱等にボルト等で固定されている。
また、引き手部材73としては、図16に示すものとは異なる形態のもの、即ち、腕部73bを付加したものを用いているが、図12〜14に示すような形態のものを用いてもよい。また、第六実施形態に示すようなファスナーカバー53(図15参照)を設けてもよい。
【0073】
なお、本実施形態では、別途図示していないが、コーナー規制装置70が内側又は外側の一方の領域のみに設けられた場合に限られるものではなく、内側及び外側の双方の領域に設けられた場合も含み得ることは言うまでもない。
【0074】
このようなコーナー部の内側の領域に設置されたコーナー規制装置70を用いることによっても、スクリーン4の巻ずれ等が生じた場合に、スライダー14は、生じた巻ずれに所定領域内にて良好に追従して水平移動することができるようになり、スクリーン4の繰出し巻取り動作が良好なものとなる。
【0075】
<スクリーン矯正部材を付加した場合>
次に、前述したようなコーナー規制装置70に加えて、同じく前述したようなスクリーン矯正部材を設けた場合について説明する。
図18は、このようなコーナー規制装置70にスクリーン矯正部材(図8参照)を付加した場合のジョイント構造を示す概略上面図である。
図18に示すように、スライダー14は、図8と同様にコーナー部の内側からスクリーン矯正部材40(図11参照)で矯正されており、他方、外側にはコーナー規制装置70が設けられている。
同図においても、コーナー規制装置70は、スライダー14を所定領域内にて水平移動可能となるように規制するための円弧状のガイドレール71と、このガイドレール71に沿ってスライドするスライド部材72と、このスライド部材72とスライダー14とを弾力性を有する状態で引き繋ぐ引き手部材73とを備えている。なお、スクリーン矯正部材40として、他の形態で示すもの(図12〜15参照)を用いてもよい。
【0076】
===第八実施形態(ガイド装置の設置)===
図19は、本発明の第八実施形態を示す。本実施形態のロールスクリーンのジョイント構造は、ガイド装置80が設置された構成となっている。なお、図19(a)は、コーナー部のジョイント構造を示す概略図、図19(b)は、図19(a)のA−A線による概略断面図である。本実施形態において、第七実施形態と同一箇所には同一符号を付し、異なる箇所あるいは新たに付加される箇所にのみ新たな符号を付して説明する。
【0077】
図19(a)に示すように、ガイド装置80は、ファスナー10を構成するファスナーテープ81を一定の緊張度及び角度でスライダー14に繰出し可能とするために、外側の領域に位置する軸受けブラケット30にボルト等で固定されている。
【0078】
上記構成の本実施形態において、各シャフト7のスクリーン巻取り軸74の横幅は、各スクリーン4の横幅よりも広く、各シャフト7のスクリーン巻取り軸74の横幅からはみ出た領域にある各スクリーン4の隣接縁部に、ファスナーテープ81が設けられている。このような構成により、ファスナーテープ81は、通常スクリーン4よりも厚手であるにもかかわらず、前記隣接縁部の巻太りを抑えることができるようになる。
【0079】
同図において、ガイド装置80としては、ファスナーテープ81が繰出され或いは巻取られるとともに回転可能なローラー機構を備えたものであってもよく、或いはガイド装置自体は回転することなく、スクリーン4と接触する面を平滑に仕上げた円筒形状等のようなものであってもよい。このようなガイド装置80は、外側の領域に位置する軸受けブラケット30にボルト等で固定されている。なお、ガイド装置80は、形状(ボール状等)、設置個数、設置箇所、設置形態(ばねで固定した形態等)等、適宜設計し得ることは言うまでもない。
【0080】
このように構成することにより、スクリーンが動作した時(降下・上昇時)に、ファスナーテープ81に一定の緊張度(テンション)を与えた状態で、ファスナーテープ81をスライダー14に繰り出すことができるようになる。また、スクリーン4の巻径が変化することにより、スライダー14へのファスナーテープ81の進入角度が変化してしまうこともない。
【0081】
すなわち、図19(b)に示すように、ファスナー部の巻太りやスクリーン4の巻径の変化等に対して、ファスナーテープ81を一定の緊張度(テンション)及び角度でスライダー14に繰出すことができるようになる(d≒d,θ≒θ)。その結果、スクリーン4の繰出し動作がより良好なものとなる。さらに、スクリーン4は、繰出口付近に設けられた煙返し等と接しながら繰出されるため、火災等によって発生した煙が、天井面等に設けられた繰出口から逃げてしまうことはない。従って、火災等によって発生した煙は、スクリーン4で囲まれた内側の領域に完全に封鎖されることになる。
【0082】
なお、本実施形態におけるガイド装置80は、第四実施形態のようにシャフト7が交差して配置された場合(図7,8参照)のみならず、第三実施形態のようにシャフト7が平行に配置された場合(図1,6参照)にも適用することができる。
【0083】
===第九実施形態(コーナー部付近の座板構成)===
図20は、本発明の第九実施形態を示す。本実施形態では、他の実施形態と同様(図9参照)、ウェイト兼用の座板90がスクリーン下端部に取り付けられているものの、コーナー部付近の座板90の構成は、他の実施形態とは異なる。なお、スクリーン上端部のジョイント構造それ自体は、他の実施形態と同様の構成となっている。
【0084】
図20に示すように、ウェイト兼用の座板90は、各スクリーン4の下端部に設けられている。本実施形態における座板90は、L字型のコーナー座板91と、このコーナー座板91に隣接して設けられる座板ピース92とに分割され、両者の間には、熱膨張を吸収するための間隙93が設けられている。
【0085】
このウェイト兼用の座板90は、図2及び図6に示す座板9と同様、一定の重量を有する金属製のフラットバーをスクリーン4の下端部の両側から挟みこんでボルト等で締結することによって、スクリーン下端部に設けられている。
【0086】
上記構成の本実施形態において、間隙93は、座板90の内側及び外側の双方に設けられているものの、座板90の両側は、ともに化粧板等(図2及び図6参照)で覆われているため、火災時に発生したガスや熱がこの間隙93から逃げてしまうことはない。なお、このような間隙93の設置数や設置箇所、隙間の大きさや形状等、適宜設計し得ることは言うまでもない。
【0087】
同図において、間隙93をコーナー部に設けることも考えられるが、この場合には、コーナー部付近の交差角に変形等が生じやすく、かえってスクリーン上端部のファスナー接合部等にひずみが生じてしまう。また、意匠性が悪くなり、生産性が低下してしまう等の問題もある。このため、特にコーナー部の頂点部付近には、間隙を設けないことが好ましい。
【0088】
ところで、座板90を分割しない場合には、火災時にウェイト兼用の座板90が内側、あるいは外側から加熱を受けると、熱を受ける側と熱を受けない側の熱膨張率が異なるため、座金が大きくたわむという現象が生じる(座板の熱変形)。このようにスクリーン下端部の座板が熱変形すると、座板と床面との間に隙間が生じる可能性や、熱変形した座板の近傍のスクリーンやファスナー接合部に応力が生じて破損する可能性があり、遮炎性上問題がある。
【0089】
本実施形態では、座板90を、L字型のコーナー座板91と、このコーナー座板91に隣接して設けられる座板ピース92とに分割し、両者の間に、熱膨張を吸収するための間隙93を設けているため、この間隙93によって熱膨張を吸収し、座板の熱変形を極力防止することができるようになる。
【0090】
これにより、スクリーン下端部の座板が熱膨張した場合にも大きくたわむことはなく、また、座板と床面との間に隙間が生じる可能性や、熱変形した座板の近傍のスクリーンやファスナー接合部に応力が生じて破損する可能性もなくなり、良好な遮炎性能を保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明の第一実施形態によるロールスクリーンの平面図である。
【図2】図1のA−A線による側断面図である。
【図3】図2のB視拡大正面図である。
【図4】本発明の第二実施形態によるロールスクリーンを示す平面図である。
【図5】図4のC視拡大正面図である。
【図6】本発明の第三実施形態によるロールスクリーンを示す斜視図である。
【図7】本発明の第四実施形態によるロールスクリーンを示す斜視図である。
【図8】本発明の第五実施形態によるロールスクリーンを示す上面図である。
【図9】図8のロールスクリーンの側面図である。
【図10】ファスナーの係合前後の状態を説明する模式図である。
【図11】スクリーン矯正部材の構成を示す上面図である。
【図12】他の構成のスクリーン矯正部材の構成を示す上面図である。
【図13】他の構成のスクリーン矯正部材の構成を示す上面図である。
【図14】スクリーンが揺れた場合のスクリーン矯正部材の動きを示す図である。
【図15】ファスナーカバーを取付けた状態を示す図である。
【図16】コーナー規制装置が外側に設置されたジョイント構造を示す概略図である。
【図17】コーナー規制装置が内側に設置されたジョイント構造を示す概略図である。
【図18】コーナー規制装置にスクリーン矯正部材を付加した場合のジョイント構造を示す概略上面図である。
【図19】本発明の第八実施形態によるロールスクリーンを示す図である。
【図20】本発明の第九実施形態によるコーナー部付近の座板を示す概略図である。
【符号の説明】
【0092】
4 スクリーン 6,23,30 軸受ブラケット
7 シャフト 10 ファスナー
13 連結用ばね 14 スライダー
16,81 (ファスナー)テープ 17 噛合素子
20 ジョイント金具 21 補助スクリーン
22 補助シャフト 30 L字型軸受ブラケット
31 傘歯車(回転伝達手段) 40 スクリーン矯正部材
41 支柱 42,47 腕
43 ガイド金具 44,49 ばね
45 取付材 46 チェーン
53 ファスナーカバー 70 コーナー規制装置
71 ガイドレール 72 スライド部材
73 引き手部材 74 スクリーン巻取り軸
80 ガイド装置 90 ウェイト兼用の座板
91 L字型のコーナー座板 92 座板ピース
93 間隙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転可能なシャフトに巻付けられ、該シャフトの回転動作により、その縁部が互いに接近した状態で繰出し巻上げ動作される少なくとも一対のスクリーンを備えたロールスクリーンにおいて、
前記各スクリーンの隣接縁部に沿ってファスナーを設けるとともに、前記各スクリーンの繰出し端に前記ファスナー同士の接合およびその解除を行うためのスライダーを、弾力性を有する状態で固定配置し、前記各スクリーンの繰出し時において、前記各ファスナーが前記スライダーを通過することで、前記スクリーン同士がファスナーを介して互いに接合し、前記各スクリーンの巻取り時において、前記各ファスナーが前記スライダーを通過することで離間して各スクリーン同士の接合を解除し、前記シャフトに各別に巻取られるようにしたことを特徴とするロールスクリーンのジョイント構造。
【請求項2】
請求項1において、前記各シャフトが所定の交差角をなして配置されていることを特徴とするロールスクリーンのジョイント構造。
【請求項3】
請求項2において、前記シャフトの交差部分を回転伝達手段を介して連結し、一方のシャフトの回転力を他方のシャフトに伝達することを特徴とするロールスクリーンのジョイント構造。
【請求項4】
請求項2または3において、前記スライダーにより前記ファスナー同士を係合させ、また係合解除する際に、前記スライダーで噛合う左右の噛合素子が略一直に並ぶように該スライダーの左右近傍における前記スクリーンに当接して、その形状を矯正するスクリーン矯正部材を設けたことを特徴とするロールスクリーンのジョイント構造。
【請求項5】
請求項4において、前記スクリーン矯正部材は、一端が前記スライダーと係合され、他端がガイド板等の不動の部材に固定された取付材に係合される支柱と、
該支柱の左右に並設されて、先端にガイド金具が設けられると共に、該ガイド金具が前記スクリーン側に付勢されて、前記ガイド金具と前記スライダーとを結ぶ直線のなす角度が120°〜180°の範囲で前記ロールスクリーンの形状を矯正する腕とを備えることを特徴とするロールスクリーンのジョイント構造。
【請求項6】
請求項5において、前記スライダーと前記支柱とが、チェーン、ばね等の可撓性部材を介して係合されて、左右の前記スクリーンの動きに追従して前記スライダーが動くことができるようにしたことを特徴とするロールスクリーンのジョイント構造。
【請求項7】
請求項5において、前記取付材と前記支柱とが、チェーン、ばね等の可撓性部材を介して係合されて、左右の前記スクリーンの動きに追従して前記スライダー及び前記ガイド金具が動くことができるようにしたことを特徴とするロールスクリーンのジョイント構造。
【請求項8】
請求項2〜7のいずれかにおいて、隣合う前記スクリーンの各接合端部に沿って設けられて、左右の前記スクリーンを係合した際に、その解放端同士が互いに密に当接し合うファスナーカバーを設けたことを特徴とするロールスクリーンのジョイント構造。
【請求項9】
請求項2〜8のいずれかにおいて、前記各シャフトが所定の交差角をなすコーナー部の内側及び/又は外側の領域に、
前記各スクリーン同士が前記ファスナーを介して互いに接合するファスナー接合部が水平移動した際に、前記スライダーを追従して所定領域内にて水平移動させるためのガイドレールを備えたコーナー規制装置を設けたことを特徴とするロールスクリーンのジョイント構造。
【請求項10】
請求項9において、前記コーナー規制装置は、
前記スライダーを前記所定領域内にて水平移動可能となるように規制する円弧状のガイドレールと、
該ガイドレールに沿ってスライドするスライド部材と、
該スライド部材と前記スライダーとを弾力性を有する状態で引き繋ぐ引き手部材と、
を備えたことを特徴とするロールスクリーンのジョイント構造。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれかにおいて、前記各シャフトのスクリーン巻取り軸の横幅を前記各スクリーンの横幅よりも広くし、前記各シャフトのスクリーン巻取り軸の横幅からはみ出た領域にある前記各スクリーンの隣接縁部に、前記ファスナーを構成するファスナーテープを設けたことを特徴とするロールスクリーンのジョイント構造。
【請求項12】
請求項11において、前記ファスナーテープを一定の緊張度及び角度で前記スライダーに繰出し可能とするためのガイド装置を設けたことを特徴とするロールスクリーンのジョイント構造。
【請求項13】
請求項12において、前記ガイド装置は、
前記ファスナーテープが繰出され或いは巻取られるとともに回転可能なローラー機構を備えたことを特徴とするロールスクリーンのジョイント構造。
【請求項14】
請求項2〜13のいずれかにおいて、前記スクリーンの下端部にウェイト兼用の座板が設けられており、
該座板は、コーナー部に設けられたコーナー座板と、該コーナー座板に隣接して設けられる座板ピースとに分割されており、
前記コーナー座板と前記座板ピースとの間に熱膨張を吸収するための間隙が設けられていることを特徴とするロールスクリーンのジョイント構造。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2006−22635(P2006−22635A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−311016(P2004−311016)
【出願日】平成16年10月26日(2004.10.26)
【出願人】(000000549)株式会社大林組 (1,758)
【出願人】(000225304)株式会社内外テクノス (10)
【出願人】(000115234)ユニチカグラスファイバー株式会社 (5)
【出願人】(591148060)ユニチカ設備技術株式会社 (7)
【Fターム(参考)】