説明

ロールタイプ自動包装機の刻印ロール装置

【課題】製袋充填包装機において、型替えの容易な刻印装置の提供。
【解決手段】連続包装袋を挟み込む位置に平行配置され、互いに逆方向に回転される一対のロール軸部26、27と、この一対のロール軸部26、27を回転駆動するサーボモータ21とで構成され、一方のロール軸部27には刻印が内包された突起部29が設けられ、他方のロール軸部26には刻印の受側になるゴム部材が内包された突起部28が設けられている。そして、サーボモータ21によって、この刻印突起部29とゴム部材突起部28が回転しながら包装袋の横シール部分に対して相互に押圧状態になるように回転制御されることにより、全ての包装袋の横シール部分に対して刻印を施すことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロールタイプ自動包装機で作られる包装袋に対して番号若しくは記号等で構成された各種情報を打ち込む刻印ロール装置に関し、特に、包装袋の横シール部分に情報表示する刻印ロール装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のロールタイプ自動充填包装機の刻印機構は、横シールロール装置の一方のヒートシール刃全てに刻印部材を埋め込み、他方のヒートシール刃全てに受側になるゴム部材を埋め込んで、横シール動作を行いながら同時に刻印動作を実施していた。図10は、従来のロールタイプ自動充填包装機の刻印機構を説明するための横シールロールの正面図である。図10に示すように、横シールロール106には、高速運転のために、複数組のヒートシール刃が配備されており、図10の例では4組となっている。
【0003】
即ち、正面から視認できるのは、ヒートシール刃107とヒートシール刃108とヒートシール刃109であり、図示されていない裏側にもう一つのヒートシール刃が配備されている。そして、それぞれのヒートシール刃には、同じ内容の印字ブロックが埋め込まれたおり、ヒートシール刃107には印字ブロック110が埋め込まれ、ヒートシール刃108には印字ブロック111が埋め込まれ、ヒートシール刃109には印字ブロック112が埋め込まれている。
【0004】
なお、横シールロール106に相対する他方の横シールロールは図示されていないが、上記説明のように同じく4つのヒートシール刃が配備されており、この4つのヒートシール刃には、受側になる4つのゴム部材が埋め込まれている。
【0005】
これらの横シールロールは、ロールタイプ自動充填包装機の縦シールロールによって円筒形状になった包装フィルムに対して横シールを施すが、これと同時に埋め込まれた印字ブロックとゴム部材によって所定の数字や文字等の情報を横シール部分に刻印している。
【0006】
なお、このような刻印機構は横シールロール以外にも採用されており、特許文献1では、型押しユニットを構成する一対のローラを備えた例で説明している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−240742号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記のような従来の刻印機構には、以下のような問題点があった。
【0009】
(1)横シールロールのヒートシール刃内に表示させる数字や文字の印字ブロックを埋め込んでいるため、刻印位置を変更する場合は横シールロールそのものを作り直して交換する必要があり、横シールロール全体を分解する煩雑な交換工事の実施と共に、シールロール作り直しに伴う多額の改造費用がかかっていた。
【0010】
(2)また、近年ロールタイプ自動包装機は、生産性向上のため、高速運転仕様になっており、このため、重量が重い横シールロールには、ロール軸上に複数組のヒートシール刃を配備している。
従って、横シールロールのヒートシール刃内に印字ブロックを埋め込んでいる従来の刻印機構において、刻印内容を変更する場合はヒートシール刃の組数分の新たな印字ブロックを用意する必要があり、これも改造費用の上昇を招いていた。
【0011】
(3)さらに、従来の刻印機構は、横シールロールのヒートシール刃内に印字ブロックを埋め込んでいるため、刻印内容を変更するために印字ブロックを取り外す場合は、横シールロールの熱源である内蔵ヒーターの電源供給を停止し、その後、横シールロール自体の温度が低下するまで時間をかけて待機する必要があり、刻印変更工事のために、ロールタイプ自動包装機の運転を長時間停止していた。
【0012】
本発明は、上記従来のロールタイプ自動包装機における刻印機構の問題点に鑑み創作されたもので、刻印変更に伴う多額の改造費用がかからないで、しかも変更工事が容易に実施できる刻印ロール装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に係るロールタイプ自動包装機の刻印ロール装置は、連続移送される包装フィルムを二つ折りにして重ね合わした両端部に対して縦シールし、その後横シール並びに内容物を充填して連続した包装袋を形成し、この連続包装袋の個々の包装袋に対して番号若しくは記号等で構成された各種情報を打ち込む刻印ロール装置を備えたロールタイプ自動包装機であって、前記刻印ロール装置は、上記連続包装袋を挟み込む位置に平行配置され、互いに逆方向に回転される一対のロール軸部と、この一対のロール軸部を回転駆動するサーボモータとで構成され、前記一対のロール軸部の内、一方のロール軸部には刻印が内包された突起部が設けられ、他方のロール軸部には刻印の受側になるゴム部材が内包された突起部が設けられ、前記サーボモータによって、この刻印突起部とゴム部材突起部が回転しながら包装袋の横シール部分に対して相互に押圧状態になるように回転制御されている。
【0014】
本発明の請求項1に係るロールタイプ自動包装機の刻印ロール装置によれば、一組の刻印突起部とゴム部材突起部によって、全ての包装袋の横シール部分に対して各種情報等の刻印を施すことができる。そして、刻印部材とゴム部材が横シールロールに埋め込まれていないため、刻印内容を変更する度に発生していた横シールロールの温度が低下するまでの待ち時間が不要になり、瞬時に刻印内容の変更作業が実施可能になった。
【0015】
また、本発明の請求項2に係る刻印ロール装置の一対のロール軸部には、設けられている刻印突起部とゴム部材突起部をそれぞれのロール軸部の軸方向に移動できる取り付け位置調整機構が配備されている。
【0016】
本発明の請求項2に係るロールタイプ自動包装機の刻印ロール装置によれば、連続包装袋の横シール部分に施す刻印位置を変更する場合、配備されている位置調整機構により容易に、且つ費用がかからずに位置変更が可能になった。
【0017】
また、本発明の請求項3に係る刻印ロール装置は、ロールタイプ自動包装機本体より着脱可能なユニット形式になっている。
【0018】
本発明の請求項3に係るロールタイプ自動包装機の刻印ロール装置によれば、刻印ロール装置自体の着脱が容易になり、追加搭載工事費用を安くすることができる。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、本発明に係る刻印ロール装置によれば、高速に回転駆動された一対のロール軸部内に一組の刻印突起部とゴム部材突起部を設けて、サーボモータによってこれらの突起部を互いに逆回転しながら連続包装袋の横シール部分に対して相互に押圧し、且つロール軸部の軸方向に移動できる取り付け位置調整機構を配備しているため、刻印変更に伴う多額の改造費用がかからないで、しかも変更工事が容易に実施できるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係るロールタイプ自動包装機の一構成例を示す正面図である。
【図2】本発明に係る刻印ロール装置を説明した上面図である。
【図3】本発明に係る刻印ロール装置の奥側刻印ロール軸部26と前面側刻印ロール軸部27を抜き出した正面図である。
【図4】本発明に係る刻印ロール装置の奥側刻印ロール軸部26と前面側刻印ロール軸部27を抜き出して左側より見た断面図である。
【図5】本発明に係るゴム部材ブロック28を抜き出して刻印ブロック29と当接する面から見た詳細説明図である。
【図6】本発明に係るゴム部材ブロック28を抜き出して刻印ブロック29と当接する面を上にして側面から見た詳細説明図である。
【図7】本発明に係る刻印ブロック29を抜き出してゴム部材ブロック28と当接する面から見た詳細説明図である。
【図8】本発明に係る刻印ブロック29を抜き出してゴム部材ブロック28と当接する面を上にして側面から見た詳細説明図である。
【図9】本発明に係る刻印ロール装置における刻印部材50とゴム部材40が押圧状態になった時の奥側刻印ロール軸部26と前面側刻印ロール軸部27を抜き出して左側より見た断面図である。
【図10】従来のロールタイプ自動充填包装機の刻印機構を説明するための横シールロールの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
まず、図1を用いて、本発明に係るロールタイプ自動包装機の全体構成について説明する。図1は、本発明に係るロールタイプ自動包装機の一構成例を示す正面図である。図1に示すように、ロールタイプ自動包装機1(以下、自動包装機1と略す)の正面右側にはリールが設けられている。このリールには包装フィルムを巻回した原反ロールFHが脱着交換可能に保持されている。
【0022】
また、自動包装機1の上部にはフィルム折り返しロール2と包装フィルムを長手方向に二つ折りするフィルム折畳機構3とこの二つ折りされた包装フィルム内に内容物を送り込む充填パイプ4がある。
【0023】
自動包装機1前面には上側から縦シール装置5、第一横シール装置6、第二横シール装置7、刻印ロール装置8、ノッチカッター装置9、横カッター装置10、ダイカット装置11が配設されている。さらに、自動包装機1右側には自動包装機1の動作コントロール並びに動作指示を行っている制御ボックス12と操作ボックス13が設けられている。
【0024】
図1に示されていないが縦シール装置5は、二つの縦シールロールで構成され、図1中に表記されているのは前面側の縦シールロール(移動側シールロール)である。これに対して背面側(紙面裏側)の縦シールロールは、前面側縦シールロールと紙面垂直方向に対向した状態で設けられ、自動包装機1に固定されている(固定側シールロール)。
【0025】
横シール装置は、第一横シール装置6と第二横シール装置7で構成され、これら二つの横シール装置は、縦シール装置5と同様に、図1中に表記されているのは前面側の二つの横シールロール(移動側シールロール)であり、背面側(紙面裏側)にはそれぞれ対になる二つの横シールロールを有している。これら背面側の二つの横シールロールは、紙面垂直方向に対向した状態で設けられ、自動包装機1の機台に固定されている(固定側シールロール)。
【0026】
また、包装フィルムは、透明又は半透明な材料から構成され、例えば、PET等のベースフィルム、このベースフィルムよりも融点の低いポリエチレン等のヒートシールフィルムから構成される。また、包装フィルムは、ベースフィルム、中間フィルム、ヒートシールフィルムの3層構造を有してもよい。
【0027】
包装フィルムは、リールに取り付けられた原反ロールFHから引き出される。引き出された包装フィルムFは、自動包装機1の上部の折り返しロール2に掛け渡されて直下のフィルム折畳機構3に送られる。このフィルム折畳機構3は、包装フィルムを長手方向に二つ折りするもので、二つ折りされた包装フィルムFXは、この二つ折りされた包装フィルム内に内容物を送り込む充填パイプ4を挟み込みつつ、縦シール装置5に送られて二つ折りされた包装フィルムの両端部分に対して縦シールが施され、包装フィルムFXは筒状に形成される。
【0028】
筒状の包装フィルムFXは、第一横シール装置6の横シールロールにより、包装フィルムの横方向(幅方向)にシールされ、この横シールにより包装袋の底部が形成される。有底筒状に形成された包装フィルムFX内に充填パイプ4が挿入されており、この充填パイプ4を通して内容物が包装袋内に充填される。
【0029】
さらに、第一横シール装置6の横シールロールは、内容物が充填された包装フィルムFXの開口側を横シールし、これにより、有底筒状の包装フィルムに充填された内容物は封止されて包装袋形態となる。この包装袋は直下の第二横シール装置7の横シールロールに送られる。この第二横シールロール7は、第一横シール装置6によって形成された横シール部分を再度横シールして、その横シール部分をより確実にするための線条シール等を形成する。
【0030】
その後、刻印ロール装置8により出来上がった連続包装袋の横シール部分に対して、番号若しくは記号等で構成された各種情報が刻印され、ノッチカッター装置9により縦シール部分に対して開封用の切り込みノッチが形成され、横カッター装置10により横シール中央部分に対してミシン目加工若しくは切断加工されて個別の包装袋形態とし、ダイカット装置11により個別包装袋の余分な部分を切り離して所定形状の包装袋になるように打ち抜かれる。
【0031】
なお、上記刻印ロール装置8、ノッチカッター装置9、横カッター装置10、ダイカット装置11は、自動包装機1によって作り上げられる包装袋の形態に応じて任意に選択可能な構成になっており、自動包装機1本体より着脱可能なユニット形式になっている。このような構成にすることによって、上記各装置自体の着脱が容易になり、追加搭載工事費用を安くすることができる。
【0032】
図2は、本発明に係る刻印ロール装置を説明した上面図である。図2に示すように、刻印ロール装置8は、前面側刻印ロール軸部27と奥側刻印ロール軸部26ととからなる刻印ロール機構と、この刻印ロール機構の右側を軸支している右側刻印ロールベース24とこの刻印ロール機構の左側を軸支している左側刻印ロールベース25と、前面側刻印ロール軸部27に取り付けられた駆動平歯車31と奥側刻印ロール軸部26に取り付けられた駆動平歯車30と、サーボモータ21と、サーボモータ21からの駆動力を減速して駆動方向を変える減速器22と、減速器22からの駆動力を奥側刻印ロール軸部26の駆動軸に伝達するカップリング部23とで構成されている。
【0033】
また、前面側刻印ロール軸部27には、刻印ブロック29が取り付けられており、奥側刻印ロール軸部26には、ゴム部材ブロック28が取り付けられている。そして、それぞれの刻印ロール軸部には、刻印ブロック29とゴム部材ブロック28の取り付け位置を軸方向に調整できる機構が配備されている。
【0034】
なお、前面側刻印ロール軸部27の右側駆動軸32と左側駆動軸33は、図3の説明のために付与されている。そして、上記刻印ロール装置8全体は、ベース板20に取り付けられたユニット構造を有しており、このベース板20をロールタイプ自動包装機本体の所定位置にネジ止め固定した後、所定電気配線をコネクタ等で接続することによって、容易にロールタイプ自動包装機の搭載工事が可能になっている。
【0035】
次に、上記刻印ロール装置の概略動作を説明する。この刻印ロール装置が搭載されている自動包装機1によって製造される連続包装袋は、奥側刻印ロール軸部26と前面側刻印ロール軸部27の間に配置されている。そして、サーボモータ21からの駆動力は、減速器22とカップリング部23を経由して奥側刻印ロール軸部26に伝わり、この奥側刻印ロール軸部26に取り付けられた駆動平歯車30と噛み合っている駆動平歯車31を経由して前面側刻印ロール軸部27にも伝わって奥側刻印ロール軸部26と前面側刻印ロール軸部27を回転駆動させている。
【0036】
この回転駆動制御は、自動包装機1本体より行っており、この自動包装機1は、サーボモータ21の回転位相と回転速度を制御することによって、それぞれのロール軸部に取り付けられている刻印ブロック29とゴム部材ブロック28が、この間に配置されている包装袋の所定の横シール部分において互いに押圧状態になるようにコントロールしている。
【0037】
図3は、本発明に係る刻印ロール装置の奥側刻印ロール軸部26と前面側刻印ロール軸部27を抜き出した正面図であり、図4は、本発明に係る刻印ロール装置の奥側刻印ロール軸部26と前面側刻印ロール軸部27を抜き出して左側より見た断面図である。なお、図3においては本発明に係るロールタイプ自動包装機の正面より見た図面のため、前面側刻印ロール軸部27のみが表示されているが、この後側に図示していない奥側刻印ロール軸部26が重なっている。この関係は図4に示している。
【0038】
図3に示すように、前面側刻印ロール軸部27の軸部分には、刻印ブロック29を収容する溝部34が開孔されており、この溝部34は、前面側刻印ロール軸部27の軸方向全体にわたって開孔されているため、刻印ブロック29の装着位置を前面側刻印ロール軸部27の軸全体にわたって自由に選択できる。なお、図3の例では、この溝部34の左端に刻印ブロック29が装着されている。この溝部34に装着された刻印ブロック29は、取り付けネジ70と取り付けネジ71と取り付けネジ72によって前面側刻印ロール軸部27に固定されており、図3に示した前面側刻印ロール軸部27の軸全体にわたって付設されている複数の取り付けネジ群によって、刻印ブロック29が溝部34のどの位置に装着されていても固定できるようになっている。
【0039】
また、刻印ブロック29は、ブロック本体と、刻印部材50と、刻印部材50をブロック本体に固定する二つの右側締め付けネジ51及び右側締め付けネジ52と一つの左側締め付けネジ53で構成されており、前面側刻印ロール軸部27の両端部分として右側駆動軸32と左側駆動軸33が図示のようになっている。
【0040】
図4に示すように、前面側刻印ロール軸部27の溝部に装着された刻印ブロック29は、取り付けネジ70等によって前面側刻印ロール軸部27に固定されており、刻印ブロック29に嵌め込まれた刻印部材50の位置関係は、図示の通りである。一方、奥面側刻印ロール軸部26の溝部に装着されたゴム部材ブロック28は、取り付けネジ60等によって奥面側刻印ロール軸部26に固定されており、ゴム部材ブロック28に嵌め込まれたゴム部材40の位置関係は、図示の通りである。
【0041】
上記前面側刻印ロール軸部27の回転方向は、図4に示す矢印方向である左回転になっており、一方、上記奥面側刻印ロール軸部26の回転方向は、図4に示す矢印方向である右回転であり、互いに逆方向に回転されている。この結果、前面側刻印ロール軸部27と奥面側刻印ロール軸部26の間に配置されている連続包装袋の横シール部分において刻印部材50とゴム部材40が押圧状態になり、横シール部分に対する刻印の実施となる。なお、図4は構造上の説明のため、一部断面図形式になっている。
【0042】
図5は、本発明に係るゴム部材ブロック28を抜き出して刻印ブロック29と当接する面から見た詳細説明図であり、図6は、本発明に係るゴム部材ブロック28を抜き出して刻印ブロック29と当接する面を上にして側面から見た詳細説明図である。図5、図6に示すように、ゴム部材ブロック28の本体には、ゴム部材40が嵌め込まれており、このゴム部材40をゴム部材ブロック28に保持させるために右側保持部材41が取り付けネジ43と取り付けネジ45によって固定されている。また、このゴム部材40をゴム部材ブロック28に保持させるために左側保持部材42が取り付けネジ44と取り付けネジ46によって固定されている。
【0043】
図7は、本発明に係る刻印ブロック29を抜き出してゴム部材ブロック28と当接する面から見た詳細説明図であり、図8は、本発明に係る刻印ブロック29を抜き出してゴム部材ブロック28と当接する面を上にして側面から見た詳細説明図である。図7、図8に示すように、刻印ブロック29の本体には、刻印部材50が嵌め込まれており、この刻印部材50を刻印ブロック29に保持させるために右側締め付けネジ51と右側締め付けネジ52によって固定されている。また、この刻印部材50を刻印ブロック29に保持させるために左側締め付けネジ53によって固定されている。なお、図3、図7及び図8によって示した刻印ブロック29における刻印部材50の刻印桁数は、6桁の例で説明しているが、これに限定するものではなく、任意の桁数の刻印部材を採用することができる。
【0044】
図9は、本発明に係る刻印ロール装置における刻印部材50とゴム部材40が押圧状態になった時の奥側刻印ロール軸部26と前面側刻印ロール軸部27を抜き出して左側より見た断面図である。図9に示すように、前面側刻印ロール軸部27の溝部に装着された刻印ブロック29と奥面側刻印ロール軸部26の溝部に装着されたゴム部材ブロック28は、互いに向き合う位置に回転駆動され、刻印ブロック29に嵌め込まれた刻印部材50とゴム部材ブロック28に嵌め込まれたゴム部材40は、この間に配置された連続包装袋における個別包装袋の横シール部分FZを押圧している。なお、この横シール部分FZの上下には、内容物が充填された個別包装袋の袋部分FYが連なっている。そして、前面側刻印ロール軸部27の溝部に装着された刻印ブロック29は、取り付けネジ70等によって前面側刻印ロール軸部27に固定されており、奥面側刻印ロール軸部26の溝部に装着されたゴム部材ブロック28は、取り付けネジ60等によって奥面側刻印ロール軸部26に固定されている。なお、図9は構造上の説明のため、一部断面図形式になっている。
【0045】
このように、本発明に係るロールタイプ自動包装機における刻印ロール装置においては、高速に回転駆動された一対のロール軸部内に一組の刻印突起部とゴム部材突起部を設けて、サーボモータによってこれらの突起部を互いに逆回転しながら連続包装袋の横シール部分に対して相互に押圧し、且つロール軸部の軸方向に移動できる取り付け位置調整機構を配備しているため、刻印変更に伴う多額の改造費用がかからないで、しかも変更工事が容易に実施できる刻印ロール装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0046】
1 ロールタイプ自動包装機
2 フィルム折り返しロール
3 フィルム折畳機構
4 充填パイプ
5 縦シール装置
6 第一横シール装置
7 第二横シール装置
8 刻印ロール装置
9 ノッチカッター装置
10 横カッター装置
11 ダイカット装置
12 制御ボックス
13 操作ボックス
20 ベース板
21 サーボモータ
22 減速器
23 カップリング部
24 右側刻印ロールベース
25 左側刻印ロールベース
26 奥側刻印ロール軸部
27 前面側刻印ロール軸部
28 ゴム部材ブロック
29 刻印ブロック
30、31 駆動平歯車
32 右側駆動軸
33 左側駆動軸
34 溝部
40 ゴム部材
50 刻印部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続移送される包装フィルムを二つ折りにして重ね合わした両端部に対して縦シールし、その後横シール並びに内容物を充填して連続した包装袋を形成し、この連続包装袋の個々の包装袋に対して番号若しくは記号等で構成された各種情報を打ち込む刻印ロール装置を備えたロールタイプ自動包装機であって、
前記刻印ロール装置は、上記連続包装袋を挟み込む位置に平行配置され、互いに逆方向に回転される一対のロール軸部と、この一対のロール軸部を回転駆動するサーボモータとで構成され、
前記一対のロール軸部の内、一方のロール軸部には刻印が内包された突起部が設けられ、他方のロール軸部には刻印の受側になるゴム部材が内包された突起部が設けられ、
前記サーボモータによって、この刻印突起部とゴム部材突起部が回転しながら包装袋の横シール部分に対して相互に押圧状態になるように回転制御されることを特徴とするロールタイプ自動包装機の刻印ロール装置。
【請求項2】
前記一対のロール軸部には、設けられている刻印突起部とゴム部材突起部をそれぞれのロール軸部の軸方向に移動できる取り付け位置調整機構が配備されていることを特徴とする請求項1記載のロールタイプ自動包装機の刻印ロール装置。
【請求項3】
前記刻印ロール装置は、ロールタイプ自動包装機本体より着脱可能なユニット形式になっていることを特徴とする請求項1と請求項2に記載のロールタイプ自動包装機の刻印ロール装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−173647(P2010−173647A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−14896(P2009−14896)
【出願日】平成21年1月27日(2009.1.27)
【出願人】(596092595)三光機械株式会社 (102)
【Fターム(参考)】