説明

ワイパ装置制御方法及びワイパ制御装置

【課題】異常負荷時におけるワイパブレードの突然の停止を防止し、異常時における運転者の視界を確保すると共に、ブレード同士の干渉を防止する。
【解決手段】モータの負荷が所定の閾値以上となった場合(S4)、ワイパ装置の作動モードを、SWモードも下位の作動モードに切り替える動作規制処理を実施する(S7)。動作規制処理では、Hi→Lo→INT→間欠停止時間延長→停止という形で、作動モードのレベルが段階的に下げられる。これにより、過負荷に伴って突然ワイパが停止することがなく、払拭動作の変化により運転者も異常を認知できる。動作規制処理によって過負荷状態を脱した場合には、作動モードをSWモードに戻す復帰処理が実施され(S4→→S5→S8)、ワイパ装置は通常の払拭動作に復帰する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用ワイパ装置の制御技術に関し、特に、異常負荷時におけるワイパ装置の動作制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車等の車両用ワイパ装置、特に対向払拭型(オポジットタイプ)のワイパ装置では、特開平11−301417号公報のように、運転席側と助手席側の各ワイパアームを個別にモータ駆動する方式が採用されている。このようなワイパ装置では、左右のワイパブレード(以下、適宜ブレードと略記する)が払拭面上で干渉しないように、各ブレードの位置角度を見ながらモータを個別に制御している。例えば前記公報の装置では、ワイパ制御装置にて左右のブレードの位置角度が常時監視されている。両ブレード間には予め目標角度差が設定され、互いに他方のブレードの位置角度を参照しつつ、目標角度差と実測角度差との差が小さくなるように左右のモータが個別に速度制御される。
【0003】
一方、このようなワイパ装置では、フロントガラスに積雪等の障害物があると、ワイパブレードに大きな負荷が加わる。このような場合、例えば、前述の公報のシステムでは、積雪等による負荷は、ほとんどの場合上側に位置するワイパブレードにかかることからワイパの重複払拭領域にて先行側ワイパブレードが停止したときには、追従側のブレードにて先行側ブレードを押し上げ、積雪等の除去を行っている。ところが、障害物の重量が大きい場合、ワイパブレードの押し上げ力ではそれを除去することができず、モータがロックされたような状態となるおそれがある。この場合、モータには異常負荷が加わり、モータが異常発熱すると、サーキットブレーカが作動し、モータの電源を遮断する。そして、モータが所定温度以下に冷えるまで動作を停止させ、異常負荷によるモータ故障を防止している。
【特許文献1】特開平11-301417号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、前述のような制御形態の場合、モータ負荷が大きくなると、動作中のモータが突然停止するため、ユーザが予測できない状態でワイパが停止し、運転者の視界を確保できなくなるおそれがあるという問題があった。また、運転者側と助手席側のワイパブレードを個別のモータにて動作させる2モータのシステムでは、一方側のモータが突然停止すると、ブレード同士が干渉してしまうおそれがあるという問題もあった。
【0005】
本発明の目的は、異常負荷時におけるワイパブレードの突然の停止を防止し、異常時における運転者の視界を確保すると共に、ブレード同士の干渉を防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のワイパ装置制御方法は、電動モータを駆動源として使用し、ワイパスイッチによって払拭動作の時間間隔を異にする複数の作動モードを設定可能なワイパ装置の制御方法であって、前記電動モータの負荷が所定の閾値以上となった場合、前記作動モードを、前記ワイパスイッチにて設定された作動モードよりも前記時間間隔がより長い作動モードに切り替えることを特徴とする。
【0007】
本発明にあっては、電動モータの負荷が所定の閾値以上となった場合、ワイパ装置の作動モードを時間間隔がより長いモードに切り替えるので、ワイパ装置の払拭動作が変化し、運転者に状況の変化を認識させることが可能となる。このため、過負荷に伴って突然モータが停止し、運転者が全く予測できない状態でワイパが停止することがなく、運転者が視界の悪化を予知することができ、車を安全な場所に退避するなどの時間を確保することが可能となる。
【0008】
前記ワイパ装置制御方法において、前記電動モータの負荷が前記閾値以上となり前記作動モードを変更した後も前記閾値以上の負荷状態が継続した場合には、前記作動モードをさらに前記時間間隔の長い作動モードに切り替えるようにしても良い。また、前記ワイパ装置に払拭動作の時間間隔がその順に長くなるHi、Lo、間欠の3種類の作動モードを設け、前記閾値以上の負荷状態が継続し前記作動モードが順に変更されて間欠作動モードとなった後、さらに前記電動モータの負荷が前記閾値以上の状態が継続した場合には、前記間欠作動モードにおける払拭動作の時間間隔を段階的に延長するようにしても良い。この場合、間欠作動モードにおける払拭動作の時間間隔を段階的に延長した後、さらに前記電動モータの負荷が前記閾値以上の状態が継続した場合には、前記電動モータを停止させるようにしても良い。
【0009】
加えて、前記電動モータの負荷が前記閾値以上となり前記作動モードを変更した後、前記電動モータの負荷が前記閾値未満となった場合には、前記作動モードを前記ワイパスイッチによって設定された作動モードに復帰させるようにしても良い。この場合、前記作動モードを、前記時間間隔がより短い作動モードに段階的に切り替えるようにしても良い。
【0010】
また、本発明のワイパ装置制御方法では、モータの運転状態や雰囲気温度に応じて負荷ポイント値を算出すると共に、前記負荷ポイント値を累積加算した累積ポイント値に基づいて前記電動モータを駆動制御し、前記所定の閾値として、前記累積ポイント値の所定値を設定しても良い。
【0011】
一方、本発明のワイパ制御装置は、電動モータを駆動源として使用し、ワイパスイッチによって払拭動作の時間間隔を異にする複数の作動モードを設定可能なワイパ装置の駆動制御を行うワイパ制御装置であって、前記ワイパ制御装置は、前記電動モータの負荷が所定の閾値以上となった場合、前記作動モードを、より時間間隔の長い作動モードに切り替える作動モード設定部を有することを特徴とする。
【0012】
本発明にあっては、電動モータの負荷が所定の閾値以上となった場合、作動モード設定部によって、ワイパ装置の作動モードを時間間隔がより長いモードに切り替えるので、ワイパ装置の払拭動作が変化し、運転者に状況の変化を認識させることが可能となる。このため、過負荷に伴って突然モータが停止し、運転者が全く予測できない状態でワイパが停止することがなく、運転者が視界の悪化を予知することができ、車を安全な場所に退避するなどの時間を確保することが可能となる。
【0013】
前記ワイパ制御装置において、前記作動モード設定部により、前記電動モータの負荷が前記閾値以上となり前記作動モードを変更した後も前記閾値以上の負荷状態が継続した場合には、前記作動モードをさらに時間間隔の長い作動モードに切り替えるようにしても良い。また、前記ワイパ装置に払拭動作の時間間隔がその順に長くなるHi、Lo、間欠の3種類の作動モードを設け、前記作動モード設定部により、前記閾値以上の負荷状態が継続し前記作動モードが順に変更されて間欠作動モードとなった後、さらに前記電動モータの負荷が前記閾値以上の状態が継続した場合には、前記間欠作動モードにおける払拭動作の時間間隔を段階的に延長するようにしても良い。この場合、前記作動モード設定部によって、前記間欠作動モードにおける払拭動作の時間間隔を段階的に延長した後、さらに前記電動モータの負荷が前記閾値以上の状態が継続した場合には、前記電動モータを停止させるようにしても良い。
【0014】
加えて、前記作動モード設定部により、前記電動モータの負荷が前記閾値以上となり前記作動モードを変更した後、前記電動モータの負荷が前記閾値未満となった場合には、前記作動モードを前記ワイパスイッチによって設定された作動モードに復帰させるようにしても良い。この場合、当該ワイパ制御装置に、前記ワイパスイッチによって設定された作動モードと当該ワイパ装置にて現に実施されている作動モードとを比較する作動モード比較部をさらに設け、前記作動モード設定部により、前記作動モード比較部による比較結果に基づいて、前記作動モードを、前記時間間隔がより短い作動モードに段階的に切り替えるようにしても良い。
【0015】
また、本発明のワイパ制御装置では、前記電動モータの運転状態や雰囲気温度に応じて負荷ポイント値を算出すると共に、前記負荷ポイント値を累積して累積ポイント値を算出し、該累積ポイント値に基づいて前記モータの駆動制御を行う負荷ポイント値算出・比較部をさらに設け、前記作動モード設定部に、前記閾値として、所定の前記累積ポイント値が設定するようにしても良い。
【発明の効果】
【0016】
本発明のワイパ装置制御方法によれば、電動モータを駆動源として使用し、ワイパスイッチによって払拭動作の時間間隔を異にする複数の作動モードを設定可能なワイパ装置にて、電動モータの負荷が所定の閾値以上となった場合、ワイパ装置の作動モードを時間間隔がより長いモードに切り替えるようにしたので、モータ過負荷時に負荷が低減する方向に制御が行われ、サーキットブレーカを用いた場合のように突然モータが停止し、運転者が全く予測できない状態でワイパが停止してしまうのを防止することができる。また、モータ過負荷時に、ワイパ払拭動作の変化によって運転者に状況の変化を認識させることができ、運転者が視界の悪化を予知し、車を安全な場所に退避するなどの時間を確保することなどが可能となる。
【0017】
本発明のワイパ装置制御装置によれば、電動モータを駆動源として使用し、ワイパスイッチによって払拭動作の時間間隔を異にする複数の作動モードを設定可能なワイパ装置にて、電動モータの負荷が所定の閾値以上となった場合、ワイパ装置の作動モードを時間間隔がより長いモードに切り替えるようにしたので、モータ過負荷時に負荷が低減する方向に制御が行われ、サーキットブレーカを用いた場合のように突然モータが停止し、運転者が全く予測できない状態でワイパが停止してしまうのを防止することができる。また、モータ過負荷時に、ワイパ払拭動作の変化によって運転者に状況の変化を認識させることができ、運転者が視界の悪化を予知し、車を安全な場所に退避するなどの時間を確保することなどが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の一実施例である制御装置・制御方法によって駆動されるワイパ装置の全体構成を示す説明図である。図1のワイパ装置1は、運転者側(以下、DR側と略記する)と助手席側(以下、AS側と略記する)のワイパブレード2a(第1ワイパブレード),2b(第2ワイパブレード)とを対向配置したいわゆる対向払拭型のワイパ装置となっている。DR側とAS側にはそれぞれDR側モータ(第1モータ)3aとAS側モータ(第2モータ)3b(以下、モータ3a,3bと略記する)が別個に設けられている。ブレード2a,2bは、モータ3a,3bによって駆動され、フロントガラスの両端側に設定された上反転位置とフロントガラスの下端中央部に設定された下反転位置との間で対向的に払拭作動を行う。なお、符号における「a,b」は、それぞれDR側とAS側に関連する部材や部分であることを示している。
【0019】
ブレード2a,2bには図示しないブレードラバー部材が取り付けられており、このラバー部材を車両のフロントガラス上に密着させて移動させることにより、図1に破線にて示した払拭領域11a,11bに存在する水滴等が払拭される。ブレード2a,2bは、ワイパ軸12a,12bの先端に固定されるワイパアーム13a,13bに支持されており、モータ3a,3bを駆動源とする駆動系14a,14bによって、左右に揺動運動を行う。駆動系14a,14bは、モータ3a,3bと、クランクアーム15a,15b、連結ロッド16a,16b、駆動レバー17a,17bおよびワイパアーム13a,13bからなるリンク機構から構成されている。
【0020】
ワイパアーム13a,13bが固定されたワイパ軸12a,12bにはさらに、駆動レバー17a,17bが取り付けられている。駆動レバー17a,17bの端部には連結ロッド16a,16bが取り付けられている。連結ロッド16a,16bの他端側は、モータ3a,3bの出力軸18a,18bに固定されたクランクアーム15a,15bの先端部に接続されている。モータ3a,3bが駆動され出力軸18a,18bが回転すると、クランクアーム15a,15bが回転し、この動きが連結ロッド16a,16bを介して駆動レバー17a,17bへと伝達される。これにより、モータ3a,3bの回転運動がワイパアーム13a,13bの揺動運動に変換され、ブレード2a,2bが上下反転位置間にて往復動する。
【0021】
モータ3a,3bはモータユニット4a,4b内に収容されており、モータユニット4a,4b内には、モータ回転角度に比例しブレード移動量を示す相対位置信号(モータパルス)や、特定のブレード位置を示す絶対位置信号を出力するセンサ(図示せず)が設けられている。モータユニット4a,4bにはさらに、センサ出力信号に基づいてブレード2a,2bの位置情報を算出する制御マイコン5a(第1制御回路),5b(第2制御回路)が配設されている。DR側のモータユニット4aは、車体側の制御装置であるスイッチコントローラ6と車内LAN9を介して接続されている。スイッチコントローラ6からモータユニット4aに対しては、ワイパスイッチのON/OFFや、Lo,Hi,INT(間欠作動)などのスイッチ情報や車速情報などが入力される。モータユニット4a,4b同士の間は通信線7にて接続されており、スイッチコントローラ6に接続されたモータ3aがマスタ側となり、通信線7にてモータ3aと接続されたモータ3bがスレーブ側となって両モータの制御が行われる。
【0022】
両ユニット4a,4bの制御マイコン5a,5bは、通信線7を介して相手方のブレード位置情報を取得する。ここで、前述の相対位置信号はモータの回転に伴って発生するパルス信号であり、モータの回転角度に比例したパルス数が出力される。一方、絶対位置信号はブレード2a,2bが下反転位置に来たときに発せられる単発信号である。モータ3a,3bの回転数と出力軸18a,18bの回転数は減速比に基づく一定関係にあることから、パルス数によって出力軸18a,18bの回転角度を算出することができる。一方、出力軸18a,18bの回転角度とブレード2a,2bの移動角度は、駆動系14a,14bのリンク機構に基づき一定の相関関係を有している。従って、相対位置信号のパルス数を積算することでブレード2a,2bの移動角度を知ることができる。
【0023】
そこで、制御マイコン5a,5bは、下反転位置を示す絶対位置信号とパルス数の組み合わせによって、ブレード2a,2bの現在位置を検出する。制御マイコン5a,5bは、この位置情報を通信線7を介して交換しつつ、双方のブレードの位置関係に基づいて、モータ3a,3bを同期駆動する。すなわち、制御マイコン5a,5bは、まず、自身の側のブレード位置に基づきモータ3a,3bを正逆転制御する。これにより、ブレード2a,2bが上下反転位置間で往復払拭動作を行う。同時に制御マイコン5a,5bは、両ブレード2a,2bのブレード位置情報に基づいてモータ3a,3bを制御し、ブレード同士が干渉したり、角度差が拡大したりしないようにワイパ装置1を制御する。
【0024】
図2は、ワイパ装置1の制御系の構成を示すブロック図である。制御マイコン5a,5bは、CPU21a,21bと、データ送受信部22a,22b、ROM23a,23b及、RAM24a,24b及びタイマ25a,25bを備えている。CPU21a,21bは中央演算処理装置であり、ここでは、CPU21aがマスタ側となっている。CPU21a,21bは、データ送受信部22a,22bを介して通信線7に接続されており、それらを通じて位置情報や動作指示を互いにやり取りしている。CPU21aには、スイッチコントローラ6からワイパスイッチの作動モードが入力され、制御マイコン5bからの位置情報や自らの位置情報に従ってモータ3aの動作を制御する。CPU21bはスレーブ側となっており、制御マイコン5aからの指示に基づき、制御マイコン5aからの位置情報や自らの位置情報に従って通信線7を介してモータ3bの動作を制御する。ROM23a,23bは不揮発性の記憶部であり、DR側,AS側それぞれに、モータ3a,3bを駆動するための制御情報が格納されている。
【0025】
CPU21a,21bにはそれぞれ、負荷ポイント算出・比較部31a,31b、作動モード設定部33a,33b及び作動モード比較部34a,34bが設けられている。負荷ポイント算出・比較部31a,31bは、モータ速度とDutyに基づいて、現在の負荷状況を示す負荷ポイント値を算出する。ROM23a,23bには、予め負荷ポイントマップ32a,32bが格納されており、負荷ポイント算出・比較部31a,31bは、ROM23a,23bにアクセスし負荷ポイント値を算出する。作動モード設定部33a,33bは、スイッチコントローラ6から入力される作動モードに基づき、ワイパ装置1の作動モードを払拭動作の時間間隔を異にするLo,Hi,INTの各作動モードに設定する。作動モード比較部34a,34bは、スイッチコントローラ6から入力される作動モードと、現在、ワイパ装置1にて実施されている作動モードとを比較する。
【0026】
ROM23a,23bに格納されている負荷ポイント値としては、例えば、Dutyが80%でモータ速度(モータパルス)が250Hzのときは「+10」、Dutyが同じ80%の場合でも、モータ速度が500Hzの場合には負荷が軽いとして「0」、モータ速度が200Hzの場合には負荷が重いとして「+15」など、の数値が設定されている。また、モータ速度が同じ250Hzの場合でも、Dutyが60%zの場合には通常負荷として「0」、Dutyが100%の場合には負荷が重いとして「+15」が設定され、Dutyが80%の場合でもモータ速度が1000Hzになると、負荷が軽いとして「−5」が設定される。なお、モータ停止時には、負荷ポイント値としては「−20」が設定される。
【0027】
このような負荷ポイント値は、高負荷状態が続くと+の負荷ポイント値が連続するため、累積値は正の大きな値となる。一方、通常負荷や軽負荷の状態が続くと、0や−の負荷ポイント値が連続するため、0以下となる。なお、ここでは累積ポイント値は0以下の場合は全て0とし、モータ3a,3bが通常に作動しているときには累積ポイント値は0を示す。また、一旦高負荷状態にあったが、その後、制御可能な領域まで負荷が軽減した場合には、累積負荷ポイントは徐々に減算され、やがて0又は正の小さな値に収束する。従って、累積ポイント値を見れば、現在、モータ3a,3bがどのような状況にあるかが分かり、その値が一定以上となった場合には過負荷と判断することができる。
【0028】
そこで、負荷ポイント算出・比較部31a,31bはまた、算出した負荷ポイント値を累積し、それを所定の閾値(ROM23a,23b内に格納)と比較し、負荷ポイント合計値が閾値に達しているか否かを判断する。例えば、ROM23a,23bに閾値として、「100」を設定されている場合、ポイント値の合計が閾値未満の場合には、過負荷状態には至っていないと判断される。これに対し、ポイント値合計が閾値以上となった場合には過負荷と判断され、作動モード設定部33a,33bと作動モード比較部34a,34bにより所定の対応処理を行う。
【0029】
図3は、ワイパ装置1における過負荷対応処理の手順を示すフローチャートであり、ROM23a,23bに格納された処理プログラムに基づいて、CPU21a,21bの作動モード設定部33a,33bと作動モード比較部34a,34bによって実行される。CPU21a,21bは、ワイパスイッチがONされると、まず、ステップS1,S2にて、Lo作動継続時間T1,T2をクリアする(T1,T2=0)。この場合、T1は、ステップS7の動作規制処理において強制的にLo動作を行わせる継続時間、T2は、ステップS8の復帰処理において、強制的にLo動作を行わせる継続時間を示しており、タイマ25a,25bにてカウントされる。ステップS1,S2にてこれらをクリアした後、ステップS3に進み、負荷ポイント算出・比較部31a,31bにて、負荷ポイント値を算出し累積加算する。その後、ステップS4に進み、負荷ポイント値の合計と閾値とを比較する。
【0030】
ステップS4にて負荷ポイント値が閾値未満の場合には、ステップS5に進み、現在のワイパ装置の作動モードが、ワイパスイッチにて設定されている作動モード(以下、SWモードと略記する)と一致しているか否かが判断される。両者が一致している場合には、ステップS6に進み、SWモードの動作をそのまま実行し、ステップS3に戻る。なお、図3の処理は、ワイパスイッチがONされている間は、常に継続して実行される。
【0031】
一方、ステップS4にて負荷ポイント値が閾値を超えている場合には、ステップS7に進み動作規制処理が実施され、モータの負荷を低減させるための制御処理が行われる。また、ステップS5にて、ワイパ装置の現在の作動モードとSWモードが一致していない場合には、ステップS8の復帰処理が実施される。図3の処理では、S7の動作規制処理が実施されると、モータ負荷を低減させるべく、ワイパ装置の作動モードのレベルが段階的に落とされる。すなわち、Hiの場合はLo、Loの場合は間欠、という形で、モータへの負荷が下げられる。S4からS5,S6へ進む状況は、この動作規制処理が行われた結果、モータの温度が下がって負荷が正常域に戻った状態を示しており、その場合には、ワイパ装置の作動モードを本来のSWモードに戻すべく、ステップS8に進んで復帰処理が実施される。
【0032】
そこで、次にS7の動作規制処理と、S8の復帰処理について説明する。図4は、動作規制処理の手順を示すフローチャート、図5は、復帰処理の手順を示すフローチャートである。まず、S7の動作規制処理では、図4に示すように、ステップS11にてT1が0か否かが判断される。通常負荷時の動作では、ステップS1にてT1は0となっており、その場合には、ステップS11からS12に進み、現在の動作が間欠作動か否かが判断される。現在、間欠動作が行われている場合には、ステップS13にて、払拭動作が1回行われているか否かが判断される。まだ1払拭が完了していない場合にはステップS14に進み、間欠動作を1払拭行いルーチンを抜ける。これに対し、ステップS13にて1払拭完了と判断された場合には、ステップS15に進んで、間欠動作におけるワイパ動作停止時間(間欠停止時間)を延長する。すなわち、通常時の(あるいはユーザが設定した)間欠停止時間に所定の延長時間(+α)を付加し、間欠停止時間を延長する。
【0033】
ステップS15にて間欠停止時間を延長した後、ステップS16に進み、間欠停止処理を実行する。この間欠停止処理では、過負荷状態になった後、間欠動作にて1払拭処理が行われた後(S4→S7→S11〜S14)、間欠停止時間を段階的に延長しつつ所定回数だけ払拭処理を行い、モータを停止させる。つまり、通常の間欠動作の後、インターバルを延長しながら所定回数(例えば、5回)の間欠動作が行われ、その後、ワイパが停止する。このステップS16によるモータ停止は、ステップS4にて、負荷ポイント値合計が閾値未満となるまで維持される。
【0034】
一方、現在、ワイパ装置がLo又はHiの作動モードとなっており、ステップS12にて、現在の動作が間欠作動ではないと判断された場合には、ステップS17に進み、現在の動作がLo作動か否かが判断される。ステップS17にて現在の動作がLo作動と判断された場合には、ステップS18に進み、現在の作動モードを間欠作動モードに切り替える。つまり、現在Lo作動中の場合には、ワイパ装置1の作動モードをLoからINTに変更し、モータ3a,3bの動作状態を1ランク下げた上でルーチンを抜ける。
【0035】
これに対し、ステップS17にて現在の動作がLo作動ではない、と判断された場合には、ステップS19に進む。この場合は、S12,S17の処理から、ワイパ装置1はHi作動中と判断され、ステップS19では、作動モードをLo作動モードに切り替える。つまり、現在Hi作動中の場合には、ワイパ装置1の作動モードをHiからLoに変更し、モータ3a,3bの動作状態を1ランク下げる。そして、Lo作動継続時間T1をカウントアップし(ステップS20)、ルーチンを抜ける。
【0036】
また、図4において、ステップS11にて、T1が0でない場合にはステップS21に進む。前述のように、「T1≠0」となるのは、過負荷に伴って作動モードをHiからLoに変更した場合であり、ここでは、強制的に設定されたLo作動モードでの動作時間がT1(例えば、10秒)に達しているか否かが判断される。従って、T1時間が経過していない場合には、ステップS22に進み、Lo作動モードが継続実行され、その上で、T1がさらにカウントアップされる(ステップS23)。これに対し、T1時間が経過している場合には、強制的なLo作動モードは一旦この時点で終了させるべく、ステップS24にてT1をクリアしてルーチンを抜ける。
【0037】
一方、図5の復帰処理では、動作規制処理とは逆に段階的に作動モードが上げられて行き、作動モードをSWモードに復帰させる。ここではまず、ステップS31にて、T2(復帰処理におけるLo動作継続時間)が0か否かが判断される。このT2も、通常はステップS1にて0となっており、その場合には、ステップS31からS32に進み、現在の動作が間欠作動か否かが判断される。ここで、図5の復帰処理が実施されるのは、図3のステップS5にて、現在の作動モードとSWモードが一致していない場合である。従って、間欠動作が現に行われているということは、実際のSWモードはLo又はHiであることになる。そこで、現在、間欠動作が行われている場合には、ステップS33に進み、ワイパ装置1の作動モードをINTからLoに1ランク上げる。そして、復帰の終点がHiである可能性を考慮し、ステップS34にてLo動作継続時間T2をカウントアップしてルーチンを抜ける。
【0038】
一方、ステップS32にて、現在、間欠動作が行われていない場合は、ステップS35に進み、作動モードをHiとする。この場合、S5→S8の前段階でS7の動作規制処理が行われていることを考慮すれば、現在のワイパ動作がHiであることはないため、ステップS32にて間欠動作でない場合、現在はLo動作中と判断できる。その上で、ステップS5→S8の流れを考えれば、実際のSWモードはHiであることになるため、ステップS35では、ワイパ装置1の作動モードをLoからHiに1ランク上げる。この復帰処理の際には、LoからHiに動作が復帰されるため、Lo動作を所定時間継続する必要はなく、ステップS36にてT2をクリアした上でルーチンを抜ける。
【0039】
このように、図5のステップS31〜S36の処理では、S7の動作規制処理が行われた結果モータ温度が低下し、図1の処置にてS4→S5→S8と進んだ場合、現在が間欠動作であればLo動作へ、Lo動作であればHi動作へと復帰処理が実施される。LoからHiに復帰した場合には、それ以後はSWモードと現在モードは一致するため、図1のS5からはS6に進み、通常動作が実施される。また、SWモードがLoの場合も、この処理にてSWモード=現在モードとなるため、S5→S6の処理となり、通常動作となる。しかしながら、INT→Loの場合には、SWモードがHiである可能性が残されており、SWモードがHiである場合には、S5→S8に進み、さらに復帰処理が実施される。
【0040】
すなわち、SWモードがHiであるにもかかわらず、作動モードがINTに規制されていた場合には、図5のステップS33にてLo動作に復帰した後も、S5からS8に流れ、ステップS31にてT2が0か否かが判断される。この場合には、S34にてT2がカウントアップされていることから、S34からS37に進み、復帰時の暫定的Lo作動モードの動作時間がT2(例えば、10秒)に達しているか否かが判断される。T2時間が経過していない場合には、ステップS38に進み、Lo作動モードが継続実行され、その上で、T2がさらにカウントアップされる(ステップS39)。これに対し、T2時間が経過している場合には、ステップS40に進み、作動モードをHiとする。つまり、復帰時の暫定的なLo作動モードを終了させ、SWモードと一致した本来の動作に復帰させる。そして、ステップS41にてT2をクリアしてルーチンを抜ける。従って、SWモードがHiで作動モードがINTに規制されていた場合には、T2時間のLo動作の後、Hiへと復帰する。
【0041】
そこで、このような過負荷対応処理の一例を図6を参照しつつ説明する。図6は、過負荷状態となったときのモータ温度と経過時間との関係を示す説明図であり、Hi作動モード状態で異常負荷を検出した場合を示している。この場合、モータ制御処理は、図3のステップS4からS7に入り、図4のステップS11→S12→S17→S19と進んで、モータ3a,3bはHiからLoに切り替えられる(図6のポイントA)。そして、ステップS20にてT1がカウントアップされ、図4の処理を抜ける。その状態で高負荷状態が依然続いている場合には、ステップS3→S7→S11→S21と進み、T1時間が経過していない場合には、S22→S23と進んでT1がカウントアップされる。
【0042】
やがて高負荷状態でT1時間が経過すると、ステップS21からステップS24に進んで、T1が一旦クリアされる。T1時間が経過しても依然としてモータ温度が高い(高負荷の)場合には、再びステップS3からS7に入るが、このときT1はクリアされているため、ステップS11→S12と進む。その際、ワイパ装置はLo作動モードとなっているため、ステップS12からS17→S18と進み、モータ3a,3bはさらにLoからINTに切り替えられる(図6のポイントB)。
【0043】
この間欠動作によりモータ温度が下がり、負荷ポイント合計値が閾値未満となれば、ステップS3→S4→S5と進む。この場合、SWモードと現在モードが異なっているため(SWモード:Hi,現在モード:INT)、ステップS5からS8に進んで復帰処理が実行される。S8の復帰処理では、S31→S32と進み、ここでは、間欠動作が行われているため、ステップS33に進んでLo動作への復帰が図られる(図6のポイントC)。このLo動作はT2時間継続されるが、それ以前に再び高負荷状態となると、ステップS4からS7へ進み、またS11→S12→S17→S18と進んで、改めて間欠動作に逆戻りする(図6のポイントD)。すなわち、作動モードを下げることにより一旦モータ温度(負荷)が低下し、作動モードを元に戻した結果、やはりモータ温度が閾値を超えてしまう場合には、再び、モータ動作が規制されてモータ温度の低下が図られる。
【0044】
一方、図6のポイントBにて間欠作動モードに切り替えても、依然としてモータ温度が高い場合には、再びステップS3からS7に入りS11→S12と進む。前述のように、ワイパ装置1は、現在、間欠作動モードであることから、ここではステップS12からS13へと進む。ステップS13に来た時点で1払拭行われていない場合には、ステップS14にて間欠作動モードにて1払拭処理を行う。それでもモータ温度が下がらない場合には、S3→S7→S11→S12→S13からステップS15に進んで、間欠停止時間が延長される。そして、所定回数の間欠払拭動作の後、モータ3a,3bが停止される(図6のポイントE)。
【0045】
このように、SWモードがHiの場合に異常負荷が加わりモータ温度が高くなると、ワイパ装置1は、Hi→Lo→INT→間欠停止時間延長→停止、という形で徐々に動作状態が低下して停止に至る。このような形で払拭動作形態が変化し、その後にワイパが停止すると、ワイパ停止前に運転者がワイパ装置の異常を感知することができ、事前にワイパの停止を運転者に認知させることができる。このため、運転者も視界の悪化を予知することができ、何の前触れもなく突然にワイパが停止し、視界が突如悪化するという事態を避けることができる。
【0046】
このような処理によってモータ3a,3bが停止した後も、ワイパスイッチがOFFされるまで図3の処理は続行され、モータ3a,3bは停止状態で待機する(図6のF部)。つまり、ステップS16にてモータ停止状態となった場合には、負荷ポイント値合計が閾値未満となるまで、ステップS7の動作規制処理はスキップされ、モータ停止状態が維持される。そして、停止によりモータ温度が低下し、負荷ポイント合計値が閾値未満となると、S5からS8に進み、モータ停止状態が解除されると共に復帰処理が実行され、まず、間欠動作に復帰し(図6のポイントG)、その後、図5の処理が実行される。
【0047】
このように、Hi作動モード状態で異常負荷を検出した場合には、図6のように、Hi→Lo→INT→間欠停止時間延長→停止のように徐々に動作状態が低下するが、Lo作動モード状態で異常負荷を検出した場合も同様の処理が実行される。すなわち、Lo作動モード状態で異常負荷を検出した場合には、ステップS3→S7→S11→S12→S17→S18と進んで、モータ3a,3bはLoからINTに切り替えられ、モータ3a,3bの動作状態が1ランク下げられる。ステップS18にて間欠作動モードに切り替えても依然としてモータ温度が高い場合には、前述同様に、S11→S12→S13→S14と進んで1払拭処理を行う。そして、これでもモータ温度が下がらない場合には、S3→S7→S11→S12→S13からステップS15に進んで、間欠停止時間が延長され、所定回数の間欠払拭動作の後、モータ3a,3bが停止される。このように、SWモードがLoの場合に異常負荷が加わりモータ温度が高くなった場合も、ワイパ装置1は、Lo→INT→間欠停止時間延長→停止、という形で徐々に動作状態が低下して停止に至る。
【0048】
また、間欠動作によりモータ温度が下がり、負荷ポイント合計値が閾値未満となれば、ステップS3→S4→S5と進む。この場合も、SWモードと現在モードが異なっているため(SWモード:Lo,現在モード:INT)、ステップS5からS8に進んで復帰処理が実行される。なお、S18の間欠動作によりモータ温度が下がり、負荷ポイント合計値が閾値未満となった場合も、ステップS3→S4→S5→S8と進んでLo作動モードへの復帰処理が実行される。
【0049】
さらに、INT作動モード状態で異常負荷を検出した場合には、次のような制御形態となる。この場合、ワイパ装置1は、当初から間欠作動モードとなっているため、ステップS3→S7→S11→S12→S13→S15と進み、間欠停止時間が延長される。そして、インターバルが延長された状態で所定回数払拭動作が行われ、その後、モータ3a,3bが停止される。すなわち、SWモードがINTの場合に異常負荷が加わりモータ温度が高くなった場合も、ワイパ装置1は、INT→間欠停止時間延長→停止、という形で徐々に動作状態が低下して停止に至る。
【0050】
このように、本発明による制御形態では、過負荷(熱負荷)を検出した場合には、モータの状態を徐々に低下させ、例えば、Lo作動中であれば、次回からの払拭を間欠払拭とすることにより、ワイパ装置1の払拭動作が変化し、運転者に状況の変化を認識させることが可能となる。前述のように、従来のシステムでは、過負荷状態となると、サーキットブレーカにより突然モータが停止し、運転者が全く予測できない状態でワイパが停止するため、視界確保やブレード干渉の点で問題がある。これに対し、当該制御装置・方法を適用したワイパ装置1では、ワイパ動作の変化により、運転者が視界の悪化を予知することができ、過負荷によりモータに異常発熱が生じても、車を安全な場所に退避するなどの時間を確保することが可能となる。また、過負荷時もモータが突然停止せず、払拭動作終了後にモータが停止状態となるので、ブレード同士の干渉も防止できる。さらに、ブレーカによるシステムダウンと異なり、モータ温度低下後には元の作動状態に復帰するため、故障対応も容易となる。
【0051】
本発明は前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、前述の実施例におけるLo作動モードの動作継続時間T1,T2はあくまでも一例であり、前記の値には限定されない。また、図6の処理形態も一例であり、実際の処理形態は、その時々の負荷状況に応じて適宜変化することは言うまでもない。さらに、前述の実施例では、モータ速度やDuty、バッテリ電圧等のモータ運転状態や雰囲気温度に応じて負荷ポイント値を算出し、これを累積加算した累積ポイントに基づいてモータの駆動制御を行う制御形態を示したが、モータの制御形態はこれには限定されず、他の制御形態を採用するモータにて前述同様の動作規制処理や復帰処理を行うことも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の一実施例である制御装置・制御方法によって駆動されるワイパ装置の全体構成を示す説明図である。
【図2】図1のワイパ装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明を適用したワイパ装置における過負荷対応処理の手順を示すフローチャートである。
【図4】動作規制処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】復帰処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】過負荷状態となったときのモータ温度と経過時間との関係を示す説明図であり、Hi作動モード状態で異常負荷を検出した場合を示している。
【符号の説明】
【0053】
1 ワイパ装置
2a,2b ブレード
3a,3b モータ
4a,4b モータユニット
5a,5b 制御マイコン
6 スイッチコントローラ
7 通信線
8 車内LAN
11a11b 払拭領域
12a,12b ワイパ軸
13a,13b ワイパアーム
14a,14b 駆動系
15a,15b クランクアーム
16a,16b 連結ロッド
17a,17b 駆動レバー
18a,18b 出力軸
21a,21b CPU
22a,22b データ送受信部
23a,23b ROM
24a,24b RAM
25a,25b タイマ
31a,31b 負荷ポイント算出・比較部
32a,32b 負荷ポイントマップ
33a,33b 作動モード設定部
34a,34b 作動モード比較部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動モータを駆動源として使用し、ワイパスイッチによって払拭動作の時間間隔を異にする複数の作動モードを設定可能なワイパ装置の制御方法であって、
前記電動モータの負荷が所定の閾値以上となった場合、前記作動モードを、前記ワイパスイッチにて設定された作動モードよりも前記時間間隔がより長い作動モードに切り替えることを特徴とするワイパ装置制御方法。
【請求項2】
請求項1記載のワイパ装置制御方法において、前記電動モータの負荷が前記閾値以上となり前記作動モードを変更した後も前記閾値以上の負荷状態が継続した場合には、前記作動モードをさらに前記時間間隔の長い作動モードに切り替えることを特徴とするワイパ装置制御方法。
【請求項3】
請求項2記載のワイパ装置制御方法において、前記ワイパ装置は、払拭動作の時間間隔がその順に長くなるHi、Lo、間欠の3種類の作動モードを有し、前記閾値以上の負荷状態が継続し前記作動モードが順に変更されて間欠作動モードとなった後、さらに前記電動モータの負荷が前記閾値以上の状態が継続した場合には、前記間欠作動モードにおける払拭動作の時間間隔を段階的に延長することを特徴とするワイパ装置制御方法。
【請求項4】
請求項3記載のワイパ装置制御方法において、前記間欠作動モードにおける払拭動作の時間間隔を段階的に延長した後、さらに前記電動モータの負荷が前記閾値以上の状態が継続した場合には、前記電動モータを停止させることを特徴とするワイパ装置制御方法。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか1項に記載のワイパ装置制御方法において、前記電動モータの負荷が前記閾値以上となり前記作動モードを変更した後、前記電動モータの負荷が前記閾値未満となった場合には、前記作動モードを前記ワイパスイッチによって設定された作動モードに復帰させることを特徴とするワイパ装置制御方法。
【請求項6】
請求項5記載のワイパ装置制御方法において、前記作動モードを、前記時間間隔がより短い作動モードに段階的に切り替えることを特徴とするワイパ装置制御方法。
【請求項7】
請求項1〜6の何れか1項に記載のワイパ装置制御方法において、前記電動モータは、運転状態や雰囲気温度に応じて負荷ポイント値を算出すると共に、前記負荷ポイント値を累積加算した累積ポイント値に基づいて駆動制御され、前記所定の閾値には、前記累積ポイント値の所定値が設定されることを特徴とするワイパ装置制御方法。
【請求項8】
電動モータを駆動源として使用し、ワイパスイッチによって払拭動作の時間間隔を異にする複数の作動モードを設定可能なワイパ装置の駆動制御を行うワイパ制御装置であって、
前記ワイパ制御装置は、前記電動モータの負荷が所定の閾値以上となった場合、前記作動モードを、より時間間隔の長い作動モードに切り替える作動モード設定部を有することを特徴とするワイパ制御装置。
【請求項9】
請求項8記載のワイパ制御装置において、前記作動モード設定部は、前記電動モータの負荷が前記閾値以上となり前記作動モードを変更した後も前記閾値以上の負荷状態が継続した場合には、前記作動モードをさらに時間間隔の長い作動モードに切り替えることを特徴とするワイパ制御装置。
【請求項10】
請求項9記載のワイパ制御装置において、前記ワイパ装置は、払拭動作の時間間隔がその順に長くなるHi、Lo、間欠の3種類の作動モードを有し、前記作動モード設定部は、前記閾値以上の負荷状態が継続し前記作動モードが順に変更されて間欠作動モードとなった後、さらに前記電動モータの負荷が前記閾値以上の状態が継続した場合には、前記間欠作動モードにおける払拭動作の時間間隔を段階的に延長することを特徴とするワイパ制御装置。
【請求項11】
請求項10記載のワイパ制御装置において、前記作動モード設定部は、前記間欠作動モードにおける払拭動作の時間間隔を段階的に延長した後、さらに前記電動モータの負荷が前記閾値以上の状態が継続した場合には、前記電動モータを停止させることを特徴とするワイパ制御装置。
【請求項12】
請求項8〜11の何れか1項に記載のワイパ制御装置において、
前記作動モード設定部は、前記電動モータの負荷が前記閾値以上となり前記作動モードを変更した後、前記電動モータの負荷が前記閾値未満となった場合には、前記作動モードを前記ワイパスイッチによって設定された作動モードに復帰させることを特徴とするワイパ制御装置。
【請求項13】
請求項12記載のワイパ装置制御装置において、
当該ワイパ制御装置はさらに、前記ワイパスイッチによって設定された作動モードと当該ワイパ装置にて現に実施されている作動モードとを比較する作動モード比較部を有し、
前記作動モード設定部は、前記作動モード比較部による比較結果に基づいて、前記作動モードを、前記時間間隔がより短い作動モードに段階的に切り替えることを特徴とするワイパ装置制御装置。
【請求項14】
請求項8〜13の何れか1項に記載のワイパ制御装置において、
当該ワイパ制御装置はさらに、前記電動モータの運転状態や雰囲気温度に応じて負荷ポイント値を算出すると共に、前記負荷ポイント値を累積して累積ポイント値を算出し、該累積ポイント値に基づいて前記モータの駆動制御を行う負荷ポイント値算出・比較部を有し、
前記作動モード設定部には、前記閾値として、所定の前記累積ポイント値が設定されることを特徴とするワイパ装置制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−238899(P2008−238899A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−80500(P2007−80500)
【出願日】平成19年3月27日(2007.3.27)
【出願人】(000144027)株式会社ミツバ (2,083)
【Fターム(参考)】