説明

ワイプ材、シート部材およびその製造方法

【課題】嵩高性と強度および水流によって容易に分散する水解性を有するワイプ材、およびワイプ材の製造方法を提供すること。
【解決手段】親水性繊維と、少なくとも一つの異型断面繊維と、を配合しており、親水性繊維と異型断面繊維との全体の90質量%以上の繊維は、繊維長が20mm以下であるワイプ材によって解決できる。また、親水性繊維と、少なくとも一つの異型断面繊維とから湿式抄紙法により繊維ウェブを形成させる工程と、繊維ウェブの両面または片面に高圧水ジェット流処理を施し、親水性繊維と、異型断面繊維と、を交絡させる工程と、を備えるワイプ材の製造方法によって解決できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水流によって容易に分解するワイプ材、およびワイプ材を構成するシート部材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、トイレ等の掃除用シート、人体等の肌を清拭するための洗浄用シート等として不織布に薬剤等を含有させたワイプ材が使用されている。このようなワイプ材は、不織布に薬剤が含浸された状態で包装されていることから、高い耐水性が必要となり、水解性を有していない。したがって、このようなワイプ材は、使用後にごみとして廃棄されているため、ごみの回収と処理に工数とコストがかかる。
【0003】
そこで、ワイプ材が多量の水により早期に分解する水解性(水崩壊性)であれば、使用後のワイプ材をそのままトイレ等に廃棄したときに、トイレ等の配水管を詰まらせることなく、浄化槽等において短時間のうちに分解でき、ゴミの回収と処理に工数とコストを抑えることができる。
【0004】
しかしながら、不織布は、繊維のみからなり、樹脂からなるバインダーを含有していないものが水解性に優れている一方、湿らせた状態で使用したり、薬剤等を含浸させた状態で使用したり、また、水分を拭き取ったりすることが多いため、繊維のみからなる不織布では、使用時に強度が不足して破れたり、解繊してしまう場合があった。
【0005】
このため、例えば、特許文献1には、5質量%の人工繊維と、湿潤強度作用剤を有するパルプ繊維からなる繊維性ウェブ材を含み、このウェブ材には湿潤強度作用剤のない材料に比べて吸収能力の差が大幅に低減していないワイプ材を提供している。
【特許文献1】特開平6−339449号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のワイプ材は、湿潤強度作用剤にエピクロロヒドリン樹脂が使用されており、このエピクロロヒドリン樹脂は、微生物を用いる変異原性試験等により強い変異原性が認められていることから(厚生労働省労働基準局)、生殖毒性が懸念されている。
【0007】
したがって、エピクロロヒドリン樹脂を含有するワイプ材で人体等の肌を清拭することは、安全上問題がある場合がある。また、湿潤強度作用剤は、経時変化することが多く、特に水解性に対しては経時的に水解性が劣化するといった場合もあった。
【0008】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、水流によって容易に分散する水解性を有するワイプ材およびワイプ材を構成するシート部材の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、親水性繊維に少なくとも一つの異型断面繊維を高圧水ジェット流処理にて繊維交絡させることにより、安全性が高く、嵩高性と強度および水流によって容易に分散することを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
【0010】
(1) 親水性繊維と、少なくとも一つの異型断面繊維と、を含有しており、前記親水性繊維と前記少なくとも一つの異型断面繊維とを併せた総質量のうち、90質量%以上の繊維は、繊維長が20mm以下であるワイプ材。
【0011】
(2) さらに前記異型断面繊維よりも繊維径が細い疎水性繊維を含有している(1)に記載のワイプ材。
【0012】
(3) 前記異型断面繊維は、疎水性である(1)または(2)に記載のワイプ材。
【0013】
(4) 前記親水性繊維と、前記異型断面繊維とは、平均繊維長が、20mm以下である(1)から(3)のいずれかに記載のワイプ材。
【0014】
(5) 前記疎水性繊維は、平均繊維長が、20mm以下である(2)に記載のワイプ材。
【0015】
(6) 前記親水性繊維は、繊維長が20mm以下の繊維を90質量%以上含有している(1)から(3)のいずれかに記載のワイプ材。
【0016】
(7) 前記異型断面繊維は、繊維の繊維長が20mm以下の繊維を90質量%以上含有している(1)から(3)のいずれかに記載のワイプ材。
【0017】
(8) 前記疎水性繊維は、繊維の繊維長が20mm以下の繊維を90質量%以上含有している(2)に記載のワイプ材。
【0018】
(9) 前記異型断面繊維の平均繊維径は20μm以上である(3)または(7)に記載のワイプ材。
【0019】
(10) 前記親水性繊維の含有率は、50質量%以上であり、前記異型断面繊維の含有率は、5〜30質量%である(1)から(9)のいずれかに記載のワイプ材。
【0020】
(11) 前記疎水性繊維の含有率は、50質量%未満含有している(2)に記載のワイプ材。
【0021】
(12) 嵩密度は、0.12g/cm以下である(1)から(11)のいずれかに記載のワイプ材。
【0022】
(13) 目付は、30〜100g/mである(1)から(12)のいずれかに記載のワイプ材。
【0023】
(14) 乾燥強度と湿潤強度とは、それぞれ2.0N/25mm以上である(1)から(13)のいずれかに記載のワイプ材。
【0024】
(15) 前記親水性繊維と、少なくとも一種類の異型断面繊維とから湿式抄紙法により繊維ウェブを形成させた後、前記繊維ウェブの両面または片面に高圧水ジェット流処理を施し、前記親水性繊維と、少なくとも二つの前記疎水性繊維とを交絡させて得られる(1)から(14)のいずれかに記載のワイプ材。
【0025】
(16) 800mlの蒸留水中にサンプル片が10cm×10cmの該ワイプ材を投入し、振とう速度240rpmで30分間振とうしたとき、該ワイプ材の最大片の大きさが、50cm以下に分散される(1)から(15)のいずれかに記載のワイプ材。
【0026】
(17) (1)から(16)のいずれかに記載のワイプ材を重ねて容器に収納させた容器入りワイプ材。
【0027】
(18) 親水性繊維と、少なくとも一種類の異型断面繊維と、を含有しており、前記親水性繊維と前記少なくとも一種類の異型断面繊維とを併せた総質量のうち、90質量%以上の繊維は、繊維長が20mm以下であるシート部材。
【0028】
(19) 親水性繊維と、少なくとも一つの異型断面繊維とから湿式抄紙法により繊維ウェブを形成させる工程と、前記繊維ウェブの両面または片面に高圧水ジェット流処理を施し、前記親水性繊維と、前記異型断面繊維と、を交絡させる工程と、を含むシート部材の製造方法。
【0029】
(20)前記高圧水ジェット流処理を前記繊維ウェブの両面または片面に1〜6回行う(19)に記載のシート部材の製造方法。
【発明の効果】
【0030】
本発明のワイプ材によれば、水流によって容易に分散させることができるようになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
本発明のワイプ材およびシート部材は、親水性繊維と、少なくとも一つの異型断面繊維と、を配合しており、親水性繊維と異型断面繊維との総質量(合計量)のうち、90質量%以上は繊維長が20mm以下であることを特徴とする。
【0032】
以下、本発明のワイプ材およびシート部材の製造方法の実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略するが、発明の趣旨を限定するものではない。
【0033】
[ワイプ材の第一実施形態]
図1は、本発明のワイプ材の第一実施形態の概略図である。ワイプ材1は、親水性繊維2と異型断面繊維3とを含有している。親水性繊維2と異型断面繊維3とは、交絡した状態で含有しており、これら二種類の繊維は、詳細は後述するが高圧水ジェット流処理にて交絡させることによって得られる。なお、図1では、説明の便宜上、親水性繊維2と異型断面繊維3の二種類の繊維を交絡させた様子を示しているが、親水性繊維2と異型断面繊維3の少なくとも二種類を含有していればよく、例えば繊維径の異なる複数の異型断面繊維3を含有するようにしてもよい。
【0034】
親水性繊維2をワイプ材1に含有させることにより、ワイプ材1の強度を向上させることができる。また、ワイプ材1に薬剤等を含ませる場合、薬剤等を均一に拡散させ、品質を安定させることができる。
【0035】
異型断面繊維3をワイプ材1に含有させることにより、ワイプ材1を嵩高にするとともに嵩密度を下げることにより、ワイプ材1全体に柔軟性を与え、極めて柔らかいワイプ材1を提供することができる。異型断面繊維3は、ワイプ材1の使用目的等に応じて適宜変更することができるが、ワイプ材1の強度を向上させる観点から、疎水性であることが好ましい。
【0036】
異型断面繊維3は、高圧水ジェット流処理において交絡させるためヤング率が低いことが好ましい。したがって、同じ繊度でも繊維の見かけ太さが太くできる異型断面である星型、C字型、T字型、Y字型、W字型、菱形等公知の種々の異型断面であることが好ましい。異型断面の繊維を使用することにより、真円断面繊維より繊維間に空隙ができやすく、トイレ等に廃棄した際に水が繊維間に入りやすくなり、水解性を向上させることができる。なお、異型断面繊維3は、必要に応じて捲縮繊維を使用してもよい。
【0037】
ここで、親水性繊維とは、表面に親水基を持つ繊維を意味する。ここでの親水基とは、水との相互作用の強い有極性の原子団を意味し、例えば、(−SOH)、(−SOM(Mはアルカリ金属または−NH))、(−OSOH)、(−OSOM)、(−COOM)等、または(−COOH)、(−NH)、(−CN)、(−OH)、(NHCONH)等である。
【0038】
本発明で使用する親水性繊維2は、親水性のものであれば特に限定されないが、例えば木材パルプ、麻、綿等の非木材パルプ、再生セルロース、アセテート繊維、PVA(ポリビニルアルコール)繊維、CMC(カルボキシメチルセルロース)繊維等親水性の高い合成繊維等公知の種々の親水性繊維を使用することができる。なお、これらは単独で使用してもよいが、複数組み合わせて使用してもよい。
【0039】
本発明で使用する異型断面繊維3は、親水基を持たない繊維、あるいは親水基を持っているが親水性が弱い繊維を使用することが好ましく、例えば、ポリオレフィン系繊維、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエステル系繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートおよびこれらのコポリマー、ナイロン6、ナイロン6,6等のポリアミド系繊維、ポリアクリロニトニル系繊維、アクリル繊維等公知の種々の疎水性繊維を使用することができる。なお、これらは単独で使用してもよいが、複数組み合わせて使用してもよい。
【0040】
異型断面繊維3の繊維径は、使用目的等に応じて適宜変更することができるが、異型断面繊維3の平均繊維径は20μm以上の繊維であることが好ましい。なお、ここで、異型断面繊維3は、断面の形状が異なるため、見かけの平均繊維径を指す。このような繊維径の異型断面繊維3を使用することにより、ワイプ材1の異型断面繊維3を少量配合させただけで嵩高さを向上させることができると同時にワイプ材1の水解性の悪化を防止することができる。
【0041】
ワイプ材1全体に含有されている親水性繊維2の含有率は、50質量%以上であり、異型断面繊維3の含有率は、5〜30質量%であることが好ましい。このような含有率にすることにより、嵩高さと強度を有し、かつ、水流によって容易に水解させることができるようになる。
【0042】
親水性繊維2の含有率が50質量%未満であると、異型断面繊維3の含有率が多くなり過ぎ、容易に水解し難くなる。また、薬剤等を含浸させる際、ワイプ材1上に均一に薬剤等が拡散せず、ムラが発生しやすくなる。
【0043】
異型断面繊維3の含有率が5質量%未満であると、ワイプ材1の目付を抑える効果が弱まり、ワイプ材1を嵩高にすることが困難となる。一方、異型断面繊維3の含有率が30質量%を超えると、異型断面繊維3は、親水性繊維2に比べて繊維の交絡が弱いため、ワイプ材1の強度が低下し、毛羽立ちや破れやすくなる等の原因となる。
【0044】
ワイプ材1全体に含有されている繊維(親水性繊維2および異型断面繊維3)全体の90質量%以上は、繊維長が20mm以下であることが好ましい。繊維の90質量%以上を繊維長20mm以下とすることにより、トイレ等でワイプ材1を廃棄しても水流によって容易に各繊維を分散させることができる。なお、ワイプ材1全体に含有される繊維長20mm以下の繊維含有量が90質量%未満であると、抄紙時に地合いが悪くなったり、トイレ等の浄化槽内で水解性が悪化し、水解させても浄化槽内の水流により散気管に絡みつき曝気阻害や散気管を破損させてしまう恐れがある。
【0045】
また、親水性繊維2および異型断面繊維3の平均繊維長が20mm以下となるようにワイプ材1全体に繊維を含有させてもよい。平均繊維長が20mmを超えると、抄紙時に地合いが悪くなったり、トイレ等の浄化槽内で水解性が悪化し、水解させても浄化槽内の水流により散気管に絡みつき曝気阻害や散気管を破損させてしまう恐れがある。なお、親水性繊維2および異型断面繊維3の各平均繊維長が20mm以下となるようにワイプ材1全体に繊維を含有させてもよい。
【0046】
さらに、親水性繊維2、異型断面繊維3は、各繊維の繊維長が20mm以下の繊維を90質量%以上含有させるようにしてもよい。繊維長が20mm以下の繊維含有量が90質量%未満であると、抄紙時に地合いが悪くなったり、トイレ等の浄化槽内で水解性が悪化し、水解させても浄化槽内の水流により散気管に絡みつき曝気阻害や散気管を破損させてしまう恐れがある。
【0047】
ワイプ材1の嵩密度が0.12g/cm以下であることが好ましく、0.10g/cm以下となるように、親水性繊維2、異型断面繊維3を含有させることがより好ましい。ワイプ材1の嵩密度をこのような範囲にすることにより、触感が柔らかいワイプ材1を提供することができる。
【0048】
ワイプ材1の目付は、ワイプ材1の使用目的等に応じて適宜変更することができるが、30〜100g/mであることが好ましい。ワイプ材1の目付をこのような範囲にすることにより、ある程度の強度を保持することができる。ワイプ材1の目付が30g/m未満であると、ワイプ材1としての必要な強度を保持させることができなくなる。一方、ワイプ材1の目付が100g/mを超えると、ワイプ材1の厚みが増し、触感が硬くなるとともに水解性が悪くなる。
【0049】
本発明のワイプ材1の乾燥強度は、MD方向に対して2.0N/25mm以上であることが好ましく、5.0N/25mm以上であることが好ましい。CD方向に対して2.0N/25mm以上であることが好ましく、2.5N/25mm以上であることが好ましい。乾燥強度をこのような範囲にすることにより、ワイプ材1としての必要な強度を保持させることができる。また、湿潤強度は、MD方向およびCD方向に対して、2.0N/25mm以上であることが好ましい。湿潤強度をこのような範囲にすることにより、ワイプ材1が湿潤状態であってもワイプ材1としての必要な強度を保持させることができる。
【0050】
本発明のワイプ材1の乾燥伸度および湿潤伸度は、それぞれMD方向およびCD方向に対して10%以上であることが好ましい。乾燥伸度および湿潤伸度をこのような範囲にすることにより、柔軟性を有し、かつ、ワイプ材1としての必要な強度を保持させることができる。
【0051】
また、本発明のワイプ材1の液拡散面積は、3000mm以上であることが好ましい。液拡散面積をこのような範囲にすることにより、ワイプ材1に薬剤等を含浸させる際、ワイプ材1全体に薬剤等が拡散し、水分率のムラを防止することができる。
【0052】
ワイプ材1をトイレ等に廃棄すると、トイレ内で多量の水の水流によりワイプ材1に含有する親水性繊維2が速やかに解れ始める。親水性繊維2が解れ始めることにより、親水性繊維2と交絡している異型断面繊維3が解れ、交絡が緩むことにより各繊維が速やかに分散する。
【0053】
本発明のワイプ材1の水解性は、ワイプ材1の使用目的や大きさ等に応じて適宜変更されるが、例えばワイプ材の大きさが10cm×10cmの正方形である場合、800mlの蒸留水中にワイプ材1を投入し、振とう速度240rpmで30分間振とうさせたとき、ワイプ材1の最大片の大きさが、50cm以下に分散していることが好ましく、25cm以下に分散していることがより好ましく、ワイプ材1が原形を留めないレベルで分散していることがより好ましい。ワイプ材1の最大片の大きさが、50cmを超えて分散していると、トイレ等に流して廃棄する際、トイレ等の配管にワイプ材1が詰まる場合がある。
【0054】
[ワイプ材の第二実施形態]
図2は、本発明のワイプ材の第二実施形態の概略図である。第二実施形態は、ワイプ材1中にさらに疎水性繊維4を含有させていること以外は第一実施形態と同様である。親水性繊維2、異型断面繊維3および疎水性繊維4は、交絡した状態で含有されており、これら三種類の繊維は、詳細は後述するが高圧水ジェット流処理にて交絡させることによって得られる。なお、図2では、説明の便宜上、親水性繊維2、異型断面繊維3および疎水性繊維4の三種類の繊維を交絡させた様子を示しているが、親水性繊維2、異型断面繊維3および疎水性繊維4の三種類を少なくとも含有していればよく、例えば繊維径の異なる複数の異型断面繊維3および疎水性繊維4を含有させるようにしてもよい。
【0055】
疎水性繊維4をワイプ材1に含有させることにより、ワイプ材1の親水性能を低下させる。ワイプ材1の親水性が高すぎると、例えば、容器内で複数のワイプ材1同士が表面張力により張り付き、ワイプ材1を取り出す際複数のワイプ材1が共にでてしまう場合がある。このため、疎水性繊維4をさらにワイプ材1に含有させることにより、ワイプ材1同士が表面張力により張り付くことを防止することができる。すなわち、ワイプ材1を重ねて複数容器内に収納させても、ワイプ材1を取り出す際、複数のワイプ材1が同時に出てしまうことがなくなる。また、疎水性繊維4を含有させることにより、触感が柔らかく、肌に対する摩擦や刺激を低減することができる。
【0056】
本発明で使用する疎水性繊維4は、親水基を持たない繊維、あるいは親水基を持っているが親水性が弱い繊維を使用することが好ましく、例えば、ポリオレフィン系繊維、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエステル系繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートおよびこれらのコポリマー、ナイロン6、ナイロン6,6等のポリアミド系繊維、ポリアクリロニトニル系繊維、アクリル繊維等公知の種々の疎水性繊維を使用することができる。なお、これらは単独で使用してもよいが、複数組み合わせて使用してもよい。
【0057】
疎水性繊維4の繊維径は、使用目的等に応じて適宜変更することができるが、異型断面繊維3よりも繊維径が細いことが好ましい。このため、疎水性繊維4の平均繊維径は10μm以下の繊維であることが好ましい。このような繊維径の疎水性繊維4を使用することにより、繊維径が細いため、触感が柔らかく、肌に対する摩擦や刺激を低減することができる。
【0058】
ワイプ材1全体に含有されている疎水性繊維4は、50質量%未満含有していることが好ましい。このような含有率にすることにより、触感が柔らかく、肌に対する摩擦や刺激を低減することができる。かつ、水流によって容易に水解させることができるようになる。疎水性繊維4の含有率が50質量%以上であると、疎水性繊維4の含有率が多くなり過ぎ、容易に水解し難くなる。
【0059】
ワイプ材1全体に含有されている繊維(親水性繊維2、異型断面繊維3および疎水性繊維4)全体の90質量%以上は、繊維長が20mm以下であることが好ましい。繊維の90質量%以上を繊維長20mm以下とすることにより、トイレ等でワイプ材1を廃棄しても水流によって容易に各繊維を分散させることができる。なお、ワイプ材1全体に含有する繊維長20mm以下の繊維含有量が90質量%未満であると、抄紙時に地合いが悪くなったり、トイレ等の浄化槽内で水解性が悪化し、水解させても浄化槽内の水流により散気管に絡みつき曝気阻害や散気管を破損させてしまう恐れがある。
【0060】
また、親水性繊維2、異型断面繊維3および疎水性繊維4の平均繊維長が20mm以下となるようにワイプ材1全体に繊維を含有させてもよい。平均繊維長が20mmを超えると、抄紙時に地合いが悪くなったり、トイレ等の浄化槽内で水解性が悪化し、水解させても浄化槽内の水流により散気管に絡みつき曝気阻害や散気管を破損させてしまう恐れがある。なお、親水性繊維2、異型断面繊維3および疎水性繊維4の各平均繊維長が20mm以下となるようにワイプ材1全体に繊維を含有させてもよい。
【0061】
さらに、親水性繊維2、異型断面繊維3および疎水性繊維4は、各繊維の繊維長が20mm以下の繊維を90質量%以上含有させるようにしてもよい。繊維長が20mm以下の繊維含有量が90質量%未満であると、抄紙時に地合いが悪くなったり、トイレ等の浄化槽内で水解性が悪化し、水解させても浄化槽内の水流により散気管に絡みつき曝気阻害や散気管を破損させてしまう恐れがある。
【0062】
[シート部材]
上述したようなワイプ材1をワイプ材1以外にシート部材として使用することができる。このようなシート部材は、水解性に優れ、当接感触もよいことから、例えば、陰唇間パッド、使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸収性物品等に使用することができる。
【0063】
[シート部材(ワイプ材1)の製造方法]
本発明のシート部材であるワイプ材1は、上述した親水性繊維2、異型断面繊維3および疎水性繊維4から湿式抄紙法により繊維ウェブを形成した後、繊維ウェブに高圧水ジェット流処理を行うことによって製造される。ここで繊維ウェブとは、繊維の方向がある程度揃った繊維塊のシート状のものである。なお、乾式抄紙法において繊維ウェブを形成するようにしてもよい。この高圧水ジェット流処理においては、一般的に用いられている高圧水ジェット流処理装置が用いられる。
【0064】
比較的強い圧力の噴流による高圧水ジェット流処理を繊維ウェブの片面または両面方向に行うと、噴流が当たった個所では、親水性繊維2と異型断面繊維3と疎水性繊維4とが強力に交絡するとともに、噴流が当たらない個所では、三つの繊維が嵩高い状態のままに維持される。その結果、ワイプ材1全体として、親水性繊維2と異型断面繊維3と疎水性繊維4との一体性が高く、しかも、嵩高くて通気性や吸水性、保温性、柔らかさ等に優れたものが得られる。
【0065】
高圧水ジェット流処理とは、高圧の水流を吹き付けて、吹き付けられた部分の親水性繊維2と異型断面繊維3と疎水性繊維4とを交絡させて一体的に接合する。高圧水ジェット流処理の使用装置や処理条件等は、通常の不織布製造技術等を適用することができる。
【0066】
高圧水ジェット流処理の詳細を述べると、繊維ウェブを連続的に移動させているコンベアベルトの上に載置し、高圧水ジェット流を載置した繊維ウェブの表面から裏面に通過するように噴射させる。この高圧水ジェット流処理においては、繊維ウェブの秤量、噴射ノズルの孔径、噴射ノズルの孔数、繊維ウェブを処理するときの仕事量(エネルギー)等を適宜変更させることによって、得られるワイプ材1の性質を変化させることができる。だたし、本発明では、下記に示した数1によって導き出される仕事量は、繊維ウェブ片面の処理一回あたり0.05〜0.5kW/mとなるように高圧水ジェット流処理を行うことが好ましい。仕事量が0.05kW/m未満であると、ワイプ材1の嵩高性が劣る。一方、仕事量が0.5kW/mを超えると、繊維が絡み過ぎて水解性が落ちたり、また繊維ウェブが壊れてしまう可能性がある。この高圧水ジェット流処理は繊維ウェブの片面または両面に行うこともできる。例えば、0.05〜0.5kW/mの高圧水ジェット流処理を繊維ウェブの片面または両面に1〜6回を行うことにより、好ましい水解性および湿潤強度をもったワイプ材1を得ることができる。
【0067】
仕事量(kW/m)={1.63×噴射圧力(kgf/cm)×噴射流量(m/min)}÷処理速度(m/min) ・・・・・(数1)

【0068】
また、仕事量が0.05〜0.5kW/mの場合、例えばノズルが孔径90〜100ミクロンであり、ノズルは0.3〜2.0mm間隔でCD方向へ並んでいる高圧水ジェット流処理を行うことができる。この場合、繊維の交絡が適度なものとなる。
【0069】
また、繊維ウェブが形成された後、繊維ウェブを乾燥させずに高圧水ジェット流処理を行うようにしてもよい。また、繊維ウェブを一旦乾燥させた後高圧水ジェット流処理を行うようにしてもよい。
【0070】
また、本発明のワイプ材1は高圧水ジェット流処理に限られず、ニードルやエアー等を利用して繊維を交絡させることによってワイプ材1を製造してもよい。
【0071】
なお、説明の便宜上、親水性繊維2、異型断面繊維3および疎水性繊維4を含有しているワイプ材1を製造する場合について説明したが、疎水性繊維4を含有しない場合についても同様の方法で製造することができる。
【実施例】
【0072】
以下、本発明の実施例を説明するが、これら実施例は、本発明を好適に説明するための例示に過ぎず、なんら本発明を限定するものではない。
【0073】
[ワイプ材1の製造]
本発明のワイプ材1の水解性等を評価するためにワイプ材1を製造し、その特性を調べた。
【0074】
親水性繊維2は、繊度が1.1dtexで繊維長7mmのレーヨン繊維(ダイワボウレーヨン(株)社製 コロナ)を用い、パルプはNBKP(CSF600cc)を用いた。
【0075】
異型断面繊維3は、繊度が2.2dtexで繊維長10mmであるT字型の異型断面を有するPET繊維((株)クラレ製 EPTC203(T型断面))を用いた。
【0076】
疎水性繊維4は、繊度が0.44dtexで繊維長10mmのPET繊維((株)クラレ製 EP043)を用いた。
【0077】
親水性繊維2と異型断面繊維3と疎水性繊維4との含有率は、親水性繊維2が70質量%(レーヨン繊維が40質量%、NBKPが30質量%)、異型断面繊維3が20質量%および疎水性繊維4が10質量%であった。
【0078】
熊谷理機工業(株)製の角型ヒートマシンを使用して、親水性繊維2、異型断面繊維31および疎水性繊維4を日本フィルコン(株)製のワイヤー(LL−70E(2重織))上に湿式抄紙し、シートを得た。この繊維ウェブの両面にエネルギーを0.38kW/mに設定して、4回高圧水ジェット流処理を行ったことにより、各繊維を交絡させた。その後にロータリドライヤーを用いて120℃で3分間乾燥させたことにより、ワイプ材1(シート部材)を製造した。なお、ノズルは、孔径95μmであり、0.5mm間隔でCD方向へ並んでいた。これを実施例1とする。
【0079】
[乾燥強度および乾燥伸度の測定]
実施例1をテンシロン試験機(株式会社エー・アンド・デイ社製)により、サンプル幅25mm、長さ150mm、チャック間隔は100mm、引張速度は100mm/minで乾燥強度および乾燥伸度を測定した。測定はMD方向およびCD方向に対してそれぞれ行った。なお、乾燥強度は、引っ張り最大強度であり、乾燥伸度は、引っ張り最大強度における伸度である。
【0080】
[湿潤強度および湿潤伸度の測定]
実施例1にイオン交換水を含水率300%(対基布重量)で含浸させ、密閉容器内で3時間静置後、テンシロン試験機(株式会社エー・アンド・デイ社製)により、サンプル幅25mm、長さ150mm、チャック間隔は100mm、引張速度は100mm/minで湿潤強度および湿潤震度を測定した。測定はMD方向およびCD方向に対してそれぞれ行った。なお、湿潤強度は、引っ張り最大強度であり、湿潤伸度は、引っ張り最大強度における伸度である。
【0081】
[液拡散面積の測定]
実施例1上に滴下スピード7ml/minで1mlの蒸留水を滴下し、滴下してから60秒後の縦横方向への拡散長を測定した。
【0082】
[シェイクフラスコ法による水解性の測定]
予め1000mlのフラスコ内に800mlの蒸留水を入れ、蒸留水中に10cm×10cmの正方形の実施例1を投入し、振とう速度240rpmで30分間シェーカー(IWAKI社製 SHKV−200)で振とうさせた。この結果、実施例1が原形を留めないレベルで分散している場合、および実施例1の最大片の大きさが、50cm以下に分散している場合は「○」、実施例1の最大片の大きさが、50cm以上である場合は「△」、実施例1が分散せず、原形を留めている場合は「×」とした。
【0083】
実施例1の他に、親水性繊維2、異型断面繊維3および疎水性繊維4の含有率を変化させたワイプ材1を実施例2から実施例5まで製造し、実施例1と同様の試験、測定を行った。なお、実施例2から実施例5は、実施例1と同一の大きさ、形状とした。
【0084】
また、比較例として、ワイプ材1の比較例1から比較例7まで以下に示したように製造し、実施例1と同様の試験、測定を行った。なお、比較例1から比較例7は、実施例1と同一の大きさ、形状とした。
【0085】
[比較例1]
異型断面繊維3を使用せず、親水性繊維2は、繊度が1.4dtexで繊維長38mmのレーヨン繊維(ダイワボウレーヨン(株)社製 コロナ)を85質量%用い、疎水性繊維4は、繊度が1.4dtexで繊維長38mmのPET繊維((株)クラレ製 EP133)のみを15質量%用いて乾式スパンレースにて製造した以外は、実施例1と同様に製造した。
【0086】
[比較例2]
異型断面繊維3を使用せず、親水性繊維2は、繊度が1.4dtexで繊維長38mmのレーヨン繊維(ダイワボウレーヨン(株)社製 コロナ)を50質量%用い、疎水性繊維4は、繊度が1.4dtexで繊維長38mmのPET繊維((株)クラレ製 EP133)のみを50質量%用いて乾式スパンレースにて製造した以外は、実施例1と同様に製造した。
【0087】
[比較例3]
異型断面繊維3を使用せず、親水性繊維2は、繊度が1.1dtexで繊維長7mmのレーヨン繊維(ダイワボウレーヨン(株)社製 コロナ)を20質量%およびパルプとしてNBKP(CSF600cc)を30質量%用い、疎水性繊維4は、繊度が0.4dtexで繊維長10mmのPET繊維((株)クラレ製 EP043)のみを50質量%用いた以外は、実施例1と同様に製造した。
【0088】
[比較例4]
異型断面繊維3を使用せず、親水性繊維2は、繊度が1.1dtexで繊維長7mmのレーヨン繊維(ダイワボウレーヨン(株)社製 コロナ)を40質量%およびパルプとしてNBKP(CSF600cc)を30質量%用い、疎水性繊維4には、繊度が0.4dtexで繊維長10mmのPET繊維((株)クラレ製 EP043)を10質量%、および繊度が3.3dtexで繊維長10mmである異型断面繊維でないPET繊維((株)クラレ製 EP303)を20質量%用いた以外は、実施例1と同様に製造した。
【0089】
[比較例5]
親水性繊維2は、繊度が1.1dtexで繊維長7mmのレーヨン繊維(ダイワボウレーヨン(株)社製 コロナ)を40質量%およびパルプとしてNBKP(CSF600cc)を30質量%用い、疎水性繊維4には、繊度が0.4dtexで繊維長10mmのPET繊維((株)クラレ製 EP043)を10質量%、および繊度が5.6dtexで繊維長8mmである異型断面繊維でないPVA繊維((株)クラレ製 VPB503)を20質量%用いた以外は、実施例1と同様に製造した。
【0090】
[比較例6]
親水性繊維2は、繊度が1.1dtexで繊維長7mmのレーヨン繊維(ダイワボウレーヨン(株)社製 コロナ)を10質量%およびパルプとしてNBKP(CSF600cc)を30質量%用い、疎水性繊維4は、繊度が0.4dtexで繊維長10mmのPET繊維((株)クラレ製 EP043)を40質量%用い、異型断面繊維3は、繊度が2.2dtexで繊維長10mmであるT字型の異型断面を有するPET繊維((株)クラレ製 EPTC203(T型断面))を20質量%用いた以外は、実施例1と同様に製造した。
【0091】
[比較例7]
親水性繊維2は、繊度が1.1dtexで繊維長7mmのレーヨン繊維(ダイワボウレーヨン(株)社製 コロナ)を30質量%およびパルプとしてNBKP(CSF600cc)を30質量%用い、異型断面繊維3は、繊度が2.2dtexで繊維長10mmであるT字型の異型断面を有するPET繊維((株)クラレ製 EPTC203(T型断面))を40質量%用いた以外は、実施例1と同様に製造した。結果を表1に示す。
【0092】
【表1】

【0093】
表1から、実施例1から実施例5は、液拡散面積からわかるように、ワイプ材1上に蒸留水がムラなく拡散していることがわかる。また、乾燥強度、湿潤強度、乾燥伸度および湿潤伸度により、ワイプ材1を使用しても破れにくい強度を有していることがわかる。
【0094】
また、実施例1から実施例6は、水解性に優れ、トイレ等に流して廃棄してもトイレ等の配管詰まりを起こす原因とはならないことがわかる。これにより、本発明のワイプ材1は、嵩高さおよび使用しても破れにくい強度を有し、かつ、水解性に優れていることがわかる。
【0095】
一方、比較例1から比較例7では、水解性を向上させると、乾燥強度および湿潤強度等が低下し、乾燥強度および湿潤強度を向上させると水解性が悪くなる。このことから、比較例1から比較例7では、本発明とは異なり、水解性と強度を両立させることができないことがわかる。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】ワイプ材の第一実施形態の概略図である。
【図2】ワイプ材の第二実施形態の概略図である。
【符号の説明】
【0097】
1 ワイプ材
2 親水性繊維
3 異型断面繊維
4 疎水性繊維

【特許請求の範囲】
【請求項1】
親水性繊維と、
少なくとも一種類の異型断面繊維と、を含有しており、
前記親水性繊維と前記少なくとも一種類の異型断面繊維とを併せた総質量のうち、90質量%以上の繊維は、繊維長が20mm以下であるワイプ材。
【請求項2】
さらに前記異型断面繊維よりも繊維径が細い疎水性繊維を含有している請求項1に記載のワイプ材。
【請求項3】
前記異型断面繊維は、疎水性である請求項1または2に記載のワイプ材。
【請求項4】
前記親水性繊維と、前記異型断面繊維とは、各繊維の平均繊維長が、20mm以下である請求項1から3のいずれかに記載のワイプ材。
【請求項5】
前記疎水性繊維は、平均繊維長が、20mm以下である請求項2に記載のワイプ材。
【請求項6】
前記親水性繊維は、繊維長が20mm以下の繊維を90質量%以上含有している請求項1から3のいずれかに記載のワイプ材。
【請求項7】
前記異型断面繊維は、繊維の繊維長が20mm以下の繊維を90質量%以上含有している請求項1から3のいずれかに記載のワイプ材。
【請求項8】
前記疎水性繊維は、繊維の繊維長が20mm以下の繊維を90質量%以上含有している請求項2に記載のワイプ材。
【請求項9】
前記異型断面繊維の平均繊維径は20μm以上である請求項3または7に記載のワイプ材。
【請求項10】
前記親水性繊維の含有率は、50質量%以上であり、前記異型断面繊維の含有率は、5〜30質量%である請求項1から9のいずれかに記載のワイプ材。
【請求項11】
前記疎水性繊維の含有率は、50質量%未満である請求項2に記載のワイプ材。
【請求項12】
嵩密度は、0.12g/cm以下である請求項1から11のいずれかに記載のワイプ材。
【請求項13】
目付は、30〜100g/mである請求項1から12のいずれかに記載のワイプ材。
【請求項14】
乾燥強度と湿潤強度とは、それぞれ2.0N/25mm以上である請求項1から13のいずれかに記載のワイプ材。
【請求項15】
前記親水性繊維と、少なくとも一種類の異型断面繊維とから湿式抄紙法により繊維ウェブを形成させた後、前記繊維ウェブの両面または片面に高圧水ジェット流処理を施し、前記親水性繊維と、少なくとも二つの前記疎水性繊維とを交絡させて得られる請求項1から14のいずれかに記載のワイプ材。
【請求項16】
800mlの蒸留水中にサンプル片が10cm×10cmの該ワイプ材を投入し、振とう速度240rpmで30分間振とうしたとき、該ワイプ材の最大片の大きさが、50cm以下に分散される請求項1から15のいずれかに記載のワイプ材。
【請求項17】
請求項1から16のいずれかに記載のワイプ材を重ねて容器に収納させた容器入りワイプ材。
【請求項18】
親水性繊維と、
少なくとも一種類の異型断面繊維と、を含有しており、
前記親水性繊維と前記少なくとも一種類の異型断面繊維とを併せた総質量のうち、90質量%以上の繊維は、繊維長が20mm以下であるシート部材。
【請求項19】
親水性繊維と、少なくとも一つの異型断面繊維とから湿式抄紙法により繊維ウェブを形成させる工程と、
前記繊維ウェブの両面または片面に高圧水ジェット流処理を施し、前記親水性繊維と、前記異型断面繊維と、を交絡させる工程と、を含むシート部材の製造方法。
【請求項20】
前記高圧水ジェット流処理を前記繊維ウェブの両面または片面に1〜6回行う請求項19に記載のシート部材の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−73357(P2008−73357A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−258053(P2006−258053)
【出願日】平成18年9月22日(2006.9.22)
【出願人】(000115108)ユニ・チャーム株式会社 (1,219)
【Fターム(参考)】