説明

ワイヤレスローカルエリアネットワーク中にイニシャルネットワーク選択の設定を維持しているユーザー機器のための方法

本発明は、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)中にイニシャルネットワーク選択の設定を維持しているユーザー機器(UE)のための方法を明らかにする。UEはローミング状態に入るときにイニシャルネットワーク選択を自身に設定して蓄積し、その方法は、UEが現在の時間情報の一部、又は、WLAN関連情報の一部を検出して取得する。;それから、UEは、イニシャルネットワーク選択の設定の変更が必要であるか否かを、取得した情報、又はイニシャルネットワーク選択の変更に基づいて決定し、必要であれば、UEの蓄積されたイニシャルネットワーク選択をアップデートし、そうでなければ、イニシャルネットワーク選択を保持する。本発明に基づき、ワイヤレス通信ネットワークの大多数に接続しているWLANを介してUEがアクセスしようとしているときに、アクセスするワイヤレス通信ネットワークの選択を適切、且つ適時にすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークにアクセスする技術に関連し、特には、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)中にイニシャルネットワーク選択の設定を維持しているユーザー機器(UE)のための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
より高いワイヤレスアクセスレートに対するユーザーの要求につれて、WLANが出現しており、それは、比較的小さなエリアで高いレートのワイヤレスデータアクセスを提供することができる。WLANにおいては、種々の技術が用いられており、それらの中でより多くの用途を有する技術標準規格は、IEEE802.11bである。この標準規格は、最高11Mbpsまでのデータ伝送レートに2.4GHzの周波数帯を利用する。同じ周波数帯を利用している他の技術標準規格には、IEEE802.11gやブルートゥースが含まれ、IEEE802.11gのデータ伝送レートは、54Mbpsに及んでいる。他にも、同様に最高54Mbpsまでの伝送レートで5GHzの周波数帯を利用するIEEE802.11aやETSI BRAN Hiperlan2などの新しい標準規格がある。
【0003】
ワイヤレスアクセスのための標準規格としては様々なものがあるが、殆どのWLANは、IPデータパケットを転送するために使われる。ワイヤレスIPネットワークに採用される具体的なWLANアクセス標準規格は、通常、上層レベルIPに対して透過的(トランスピアレント)である。そのようなネットワークは、一般に、UEのワイヤレスアクセスを実施するためのアクセスポイントによって構成され、また、IP伝送を実施するための制御及び接続機器によって構成される。
【0004】
WLANの成長及び発展に伴って、研究の焦点は、GSM、CDMA、WCDMA、TD−SCDMA及びCDMA2000等の様々なモバイル通信ネットワークとWLANとのインターワーキング(相互接続)にシフトしている。3GPP標準に基づき、UEは、インターネットやイントラネットだけでなく、WLANアクセスネットワークを介してホームネットワークや3GPPシステムの在圏ネットワークにも接続することができる。具体的には、ローカルでアクセスするとき、WLAN UEは、図2に示すようにWLANアクセスネットワークを介して3GPPホームネットワークと接続する。;ローミングするとき、それは、WLANアクセスネットワークを介して3GPPの在圏ネットワークと接続する。3GPPの在圏ネットワークのエンティティのいくつかは、3GPPホームネットワークの対応するエンティティと接続され、例えば、在圏ネットワークの3GPP認証、許可、アカウンティング(AAA)プロキシは、ホームネットワーク中の3GPP AAAサーバーと接続され、在圏ネットワーク中のWLANアクセスゲートウェイ(WAG)は、図1に示すように、ホームネットワーク中のパケットデータゲートウェイ(PDG)と接続される。図1及び図2は、それぞれローミング及びノンローミング環境下での3GPPシステムとともにWLANインターワーキングのネットワーキングアーキテクチャを示す概略図である。
【0005】
図1及び図2に示すように、3GPPシステムは、主として、ホーム加入者サーバー(HSS)/ホームロケーションレジスタ(HLR)、3GPP AAAサーバー、3GPP AAAプロキシ、WAG、PDG、課金ゲートウェイ(CGw)/課金情報収集機能(CCF)及びオンライン課金システム(OCS)を備える。UE、WLANアクセスネットワーク及び3GPPシステムの全てのエンティティは、総合的に3GPP−WLANインターワーキングネットワークを構成しており、それは、WLANサービスシステムとみなすことができる。このサービスシステムにおいて、3GPP AAAサーバーは、UEの認証、許可及びアカウンティングを担当し、WLANアクセスネットワークから送られる課金情報を収集し、情報を課金システムに転送する。;PDGは、WLANアクセスネットワークから3GPPネットワーク又は他のパケットデータネットワークへのユーザーデータの送信を課金する。;そして、課金システムは、主に、ネットワークから送信されたUEの課金情報を受け取って記録する一方、OCSは、オンライン課金されたユーザーの代金に基づいて周期的にオンライン課金情報を送信するようネットワークに指示を行うとともに統計を行ってコントロールを実施する。
【0006】
ノン−ローミング環境下では、WLAN UEがインターネット/イントラネットに直接アクセスしたいとき、UEは、WLANアクセスネットワーク介してAAAサーバー(AS)によって認証を遂行した後に、WLANアクセスネットワークを介してインターネット/イントラネットにアクセスすることができる。WLAN UEが3GPPパケット交換方式(PS)ドメインのサービスの利用を要求するならば、それは、3GPPホームネットワークからシナリオ3のサービスをさらに要求し得る。即ち、WLAN UEは、3GPPホームネットワークのASにシナリオ3に対するサービス許可要求を開始し、それは、サービス認証とその要求に対する許可を実行するであろう。;認証と許可が成功すれば、ASは、アクセス承認メッセージをUEに送信し、対応するPDGをそのUEに割り当てる。UEと割り当てられたPDGとの間でトンネルが確立されたとき、UEは、3GPP PSドメインのサービスにアクセス可能となる。一方、オフラインチャージシステム及びOCSは、UEのネットワークの占有に基づいて課金情報を記録する。
【0007】
ローミング環境下では、WLAN UEがインターネット/イントラネットに直接アクセスしたいとき、3GPP在圏ネットワークによってインターネット/イントラネットにアクセスするために、3GPPホームネットワークに対して要求をし得る。また、UEが3GPP PSドメインのサービスにアクセスするためにシナリオ3のサービスを要求したいとき、UEは、3GPPホームネットワークにおいて、3GPP在圏ネットワークを介してサービス許可プロセスを開始する必要がある。その許可は、同様に、UEと3GPPホームネットワークのASとの間で実行される。許可の成功の後、ASは、対応するホームPDGをUEに割り当て、そして、UEは、3GPP在圏ネットワークのWAGを介して割り当てられたPDGとのトンネルを確立した後に、ホームネットワークの3GPP PSドメインのサービスにアクセス可能となる。
【0008】
図3に示されるように、3GPP−WLANインターワーキングネットワークにおいて、WLANが複数の3GPP在圏ネットワーク、即ち、複数のワイヤレス通信ネットワーク(3GPP在圏ネットワーク。ここでは、在圏公衆陸上移動網(VPLMN)と称される)と同時に接続される場合、UEがWLANにアクセスした後に、アクセスするのに好ましいVPLMNを選択することがWLAN UEに必要になるであろう。例えば、中国において、WLANアクセスネットワークは、2つの使用可能なVPLMNである中国モバイル及び中国ユニコムと同時に接続し得る。;そして、中国ユニコムのユーザーは、WLANを介してアクセスした後に、中国ユニコムの使用可能なVPLMNにそれをアクセスさせるべく、WLANアクセスネットワークに指示を行う必要がある。
【0009】
他の例では、フランスのユーザーのホームネットワークが中国モバイル及び中国ユニコムの両方のローミングプロトコルを有していれば、フランスのユーザーは、中国内のWLANにローミングすることができ、WLANアクセスネットワークが中国モバイル及び中国ユニコムの両方と接続される環境下では、このフランスのユーザーは、WLANにアクセスした後にアクセスするVPLMNを選択する必要があろう。現在、上記の環境下で、WLAN UEは、現にアクセスされるために最初にワイヤレス通信ネットワークを選び、そして、ネットワーク選択情報が別々に設定されたフィールドに置かれるか、又は、ネットワークアクセス識別標識(NAI)の形式で定義されたユーザー識別標識のフィールドに置かれ、そのネットワーク選択情報手段によって選択されたネットワークをWLANアクセスネットワークに通知する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、WLAN UEがネットワークの選択を毎回すると、ネットワーク資源の消費は非常に大きくなってしまう。例えば、ユーザーのホームネットワークがユーザーを現にカバーしているWLANアクセスネットワークに直接接続していない状態でユーザーがローカルエリアから離れてローミングすると、この場合UEは、常にイニシャルネットワーク選択としてそれ自身のホームネットワークの情報をWLANアクセスネットワークに送り、ネットワーク選択処理は、アクセスするためのUEの要求が毎回きっかけにされ、WLANがワイヤレス通信ネットワークの情報をUEに発行する結果、UEは、アクセス、ネットワーク資源の消費、及びユーザーのアクセスの遅延の前に、決定及び選択を行い得る。最後に選択されたワイヤレス通信ネットワークが現在の選択として単に取られるならば、それは、現在選択されたネットワークが他のWLANによってカバーされたエリアに移動されたWLAN UEにとって最もよいPLMNでないことがある。換言すれば、WLAN UEが新しいWLANによってカバーされているとき、アクセスするUEがこのUEのホームネットワークとのローミング関係を持っているため、デフォルトネットワーク又は最後に選択されたネットワークとはいえ、このWLANは、UEのホームPLMN(HPLMN)、又は、アクセスするUEのための他の最適なVPLMNのに直接接続することが起こりうる。これらの環境下で、それは、UEのルートを決定するデフォルト又は選択されたネットワークが存在するため、動作ネットワークの新しいネットワーク選択の実行をすることが不可能であり、従って、それは、現在のWLAN、例えば、HPLMNに接続された最適なPLMNを選択するUEを保証することは不可能である。これを考慮して、最後のネットワーク選択を最適化するための方法は、別の特許出願の中に開示されており、その重要なアイデアは、:WLANアクセスネットワークの検出された変更又はユーザーによる設定に関して送られるために、UEがネットワーク選択情報を決定し、変更が無い場合に、最後にうまくアクセスされたネットワークの情報を伝達し続け、そうでなければ、ネットワーク選択情報としてネットワークの予め設定された初期の選択を取る。しかし、この方法は、UEの部分を実施するのに複雑になってしまう。さらに、場合によっては、UEは、それ自身によってアクセスされることが要求されるPLMNを知っていた可能性があり、従って、上記の方法を使うことは不要であろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、ワイヤレス通信ネットワークの大多数に接続しているWLANを介してUEがアクセスされようとしているときに、アクセスするワイヤレス通信ネットワークの適切且つ適時の選択をすることができるUEであって、イニシャルネットワーク選択の設定を維持しているWLAN UEのための方法を提供する。
【0012】
本発明に基づく技術的解決策は次の通りであり、:
WLANにおいてイニシャルネットワーク選択の設定を維持しているUEのための方法であって、:UEはローミング状態に入るときに、イニシャルネットワーク選択をそれ自身に設定して蓄積することを含み、さらに、
a.UEは、時間情報の一つ、及び/又はWLAN関連情報の一つを検出して取得すること、
b.UEは、イニシャルネットワーク選択の設定を変更することが必要であるか否かを、取得した時間情報の変更、及び/又は、WLAN関連情報の変更に基づいて決定し、必要であれば、UEのイニシャルネットワーク選択をアップデートする一方、そうでなければ、イニシャルネットワーク選択を保持することを含んでいる。
【0013】
ステップBの決定は、入力された時間情報が、UEのイニシャルネットワーク選択に予め設定された実効時間に到達し、又は超えたことを示すか否かを決定し、実効時間に到達し又は超えていれば、イニシャルネットワーク選択の設定を変更する一方、そうでなければ、イニシャルネットワーク選択の設定を保持することを含む。
【0014】
方法は、UE内にWLAN関連情報を蓄積することを更に含み、そして、ステップbの決定において、現に検出されたWLAN関連情報をUE内に蓄積されたWLAN関連情報と比較し、一致した情報が無ければ、イニシャルネットワーク選択の設定を修正する一方;そうでなければ、イニシャルネットワーク選択の設定を保持することを含む。または、ステップbの決定は、取得した時間情報が、UEのイニシャルネットワーク選択に予め設定された実効時間に到達し、又は超えたことを示すか否かを第一に決定し、実効時間に到達し、又は超えていれば、イニシャルネットワーク選択の設定を変更する一方、そうでなければ、現に検出されたWLAN関連情報をUE内に蓄積されたWLAN関連情報と比較し、一致した情報が無ければ、イニシャルネットワーク選択の設定を修正し、そうでなければ、イニシャルネットワーク選択の設定を保持することを含んでいる。または、ステップbの決定は、現に検出されたWLAN関連情報をUE内に蓄積されたWLAN関連情報と第一に比較し、一致する情報が無ければ、イニシャルネットワーク選択の設定を修正し、そうでなければ、取得した時間情報が、UEのイニシャルネットワーク選択に予め設定された実行時間に到達し、又は超えたことを示すか否かを決定し、実行時間に到達し、又は超えていれば、イニシャルネットワーク選択の設定を変更する一方、そうでなければ、イニシャルネットワーク選択の設定を保持することを含んでいる。
【0015】
上記の解決策において、WLAN関連情報は、WLANのサービスセットID(SSID)又はWLANが属しているモバイルの国コード(MMC)、又はその地域IDを含んでいる。
【0016】
上記の解決策において、イニシャルネットワーク選択の設定をアップデート手続きは、UEのホームネットワークにUEの蓄積されたイニシャルネットワーク選択をアップデートし、又は、UEの蓄積されたイニシャルネットワーク選択をゼロにアップデートすることを含んでいる。
【0017】
その方法は、UE内に蓄積されたイニシャルネットワーク選択がアップデートされるときに、アップデート通知をUEに送ることをさらに含んでいる。
【0018】
その方法は、UE内に蓄積されたイニシャルネットワーク選択がアップデートされる前に、プロンプティングメッセージをUEに送ることをさらに含んでいる。
【0019】
イニシャルネットワーク選択の設定を維持しているWLAN UEのための本発明の方法に基づき、実行時間に到達し又は超えたか否か、又は、現にUEをカバーしているWLANサービスエリアが、カレントUEのホームネットワークにイニシャルネットワーク選択をアップデートするか否かを決定するように変更されたか否かを、UEは、現在の検出時間情報、又はWLAN関連情報の変更に基づいて決定する。この方法は、UEがアクセスされるごとのワイヤレス通信ネットワークの反復的な選択を避けて、時間とアクセスの数を減らし、そして、UEのアクセス手続きを最適化して、UEがローミング状態とノンローミング状態との間で切り換えるときに、WLAN UEは、アクセスに適切なワイヤレス通信ネットワークの選択を適時且つ正確に保証する。さらに、1回のアクセスの可能性が上げられ、WLANが変わったときに、例えば、彼女/彼がローミングエリアから帰った後にユーザーがイニシャルネットワーク選択を修正することを忘れるときに、通信費はある程度まで蓄積される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明に基づき、UEは、イニシャルネットワーク選択の設定の修正が必要であるか否かについて、現に検出された時間情報、又は、WLAN関連情報の変更に基づいて決定し、修正が必要であるならば、アップデートされたイニシャルネットワーク選択がアクセスを試すために使われるように、カレントUE内にセットしたイニシャルネットワーク選択をアップデートし、そうでなければ、選択が要求されたときに、何れのアップデートもされることなく、設定されたイニシャルネットワーク選択が使われる。この方法において、現にUEをカバーしているWLANサービスエリアが変わったときに、UEが、時間内にそれ自身のイニシャルネットワーク選択、すなわちアクセスのための最も高いプライオリティを持つワイヤレス通信ネットワークの情報をアップデートし、従って、最も速い方法で最もよいワイヤレス通信ネットワークにアクセスすることができることは保証される。
【0021】
ここで時間情報は、設定されたイニシャルネットワーク情報と一致する実効時間を参照する。ここでWLAN関連情報は、UEをカバーしているWLANサービスエリアが変わったかどうか、例えばWLANのSSID、又はMCC、又は、地域IDを決定するために使用できる情報を参照する。
【0022】
すべてのUEは、カバーしているWLANが変更されてから、UEがローミング状態でローカルネットワークにカバーされているとき、通常そのホームネットワークをイニシャルネットワーク選択として設定し、ユーザーは、UEのホームネットワークにローミング関係を有し、且つ、UEをカバーしているWLANに接続される最適なワイヤレス通信ネットワークとして、UEに蓄積されたイニシャルネットワーク選択を再設定する。従って、本発明を実施するための必要条件は以下の通りである。:各UEは、デフォルトイニシャルネットワーク選択として、それ自身のホームネットワークHPLMNを設定し、WLANが変わったときに、UE内に蓄積されたイニシャルネットワーク選択は再設定されている。さらに、イニシャルネットワーク選択は、WLANが変わったときにカレントWLANアクセスネットワークに伝えられるネットワーク選択情報として使われる。
【0023】
本発明に基づき、実効時間は、カレントUEのイニシャルネットワーク選択を再設定と同時にイニシャルネットワーク選択が設定される。実効時間に達するならば、UEが例えばローカルネットワークに戻り、ローミングエリアを去るときに、UE自身に蓄積されたイニシャルネットワーク選択が、このUEのホームネットワークためにリセットされることを保証するように、カレントUE内に蓄積されたイニシャルネットワーク選択は、このUEのホームネットワークのためにリセットされるであろう。実効時間に達するときに、様々な方法として、例えばメッセージの表示や、誘発トーンを鳴らすなどして、ユーザーに知らせるために用いることができる。
【0024】
本発明に基づき、このUEのホームネットワークに、UE内に現に蓄積されたイニシャルネットワーク選択をリセットすることが必要であるか否かを、蓄積されたWLAN関連情報を現に検出されたWLAN関連情報と比較することによってカレントUEが決定することができるように、WLAN関連情報とアクセスする最も高いプライオリティを持って対応するワイヤレス通信ネットワークがUE内に同時に蓄積される。例えば、ワイヤレス通信ネットワークM1と一致しているWLAN関連情報SSID1、SSID3及びSSID8は、イニシャルネットワーク選択としてUE Aに設定され、SSID1、SSID3、及びSSID8の何れでもないSSID2であるUE Aによって、WLAN連情報が現に検出されれば、UE Aは、そのホームネットワークにそれ自身のイニシャルネットワーク選択をアップデートする。別の例として、動作ネットワークM2と一致しているWLAN関連情報MMC1はイニシャルネットワーク選択としてUE Bに設定され、現にUE Bによって検出されたWLAN関連情報がMCC2であるならば、UE Bは、そのホームネットワークにそれ自身のイニシャルネットワーク選択をアップデートする。UEは、例えばWLAN放送の検出、他のワイヤレスネットワーク放送の検出等の様々な方法によって、WLANが変わり、すなわちSSID又はMCCが変わるのを知り得る。
【0025】
図4に示す如く、本発明に基づくイニシャルネットワーク選択をアップデートするプロセスは次のステップを含む。:
【0026】
ステップ400: カレントUEはローミング状態に入るときにイニシャルネットワーク選択を設定する。;
【0027】
ステップ401: カレントUEは現在の時間情報、又はWLAN関連情報を検出し、取得する。;
【0028】
ステップ402〜404: イニシャルネットワーク選択の設定の変更が必要であるか否かを検出時間情報、又はWLAN関連情報の変更に基づき決定する。必要なら、カレントUE内に蓄積されたイニシャルネットワーク選択をアップデートする。;そうでなければ、すでにカレントUEに設定されたイニシャルネットワーク選択を保持する。一般に、UE内のイニシャルネットワーク選択はこのUEのホームネットワークにアップデートされる; しかし、要求される場合、イニシャルネットワーク選択はまたゼロにアップデートされ得る。
【0029】
当然に、UEのホームネットワークにUE内のイニシャルネットワーク選択をアップデートするか否かがユーザーによって決定され、例えば、UEがWLAN関連情報の変更を検出したとき、メッセージがユーザーに表示され、イニシャルネットワーク選択情報を修正することが必要であるか否かをユーザーに問い合わせる。必要なら、UEのホームネットワークにイニシャルネットワーク選択をリセットするか、又は、ユーザーは設定を再選択し得る。;そうでなければ、部分修正を全く行わない。一定の期間、ユーザーからの反応がなければ、自動的なアップデートはデフォルトとして実行され、それから、プロンプトがユーザーに表示される。
【0030】
本発明に基づく方法を実施するのに三つの解決策がある。: 第一に、設定されたイニシャルネットワーク選択の実効時間だけがUE内に蓄積され、現在の時間が実効時間に到達したか否かのみを決定する。; 第二に、WLAN関連情報のみがUEに蓄積され、UEをカバーしているWLANサービスエリアが変更されるか否かを決定するように、自身に蓄積されたWLAN関連情報を現に検出されたWLAN関連情報と比較のみを行う。;第三の解決策は、上記の二つの組み合わせ、すなわち、設定されたイニシャルネットワーク選択の実効時間とWLAN関連情報をUE内に同時に蓄積し、WLAN関連情報を比較する前に時間を決定するか、時間を決定する前にWLAN関連情報の比較を行う。
【0031】
上記三つの解決策の実施を詳細に説明するために、例を以下に挙げる。:加入者Cのホームネットワークは中国における中国モバイルである。加入者Cが英国にローミングするとき、それは中国モバイルによってカバーされていないが、中国モバイルとのローミング関係を持っているボーダフォンによってカバーされている。従って、ボーダフォンにイニシャルネットワーク選択をUE Cに設定し、同時に、それの実効時間として5日間と設定する。
【0032】
第一の解決策の場合、UEが、現在の時間が6日目、すなわち現在の時間が5日の実効時間を越えたことを検出すると、中国モバイルのためにUE C内のイニシャルネットワーク選択をリセットする。
【0033】
第二の解決策の場合、UE Cが中国からSSID1、SSID3、又は44のMCCの英国にローミングした後、ボーダフォンに対応しているWLAN関連情報は、UE C中に蓄積される。UE Cが現に中国に戻る、又はフランスにローミングすると、UE Cは、カレントWLANのSSIDがもうSSID1、又はSSID3ではないことを検出するか、カレントWLANと一致しているMCCが44でないことを検出し、UEをカバーしているWLANサービスエリアが変わったことを意味して、中国モバイルのためにUE C内のイニシャルネットワーク選択をリセットする。
【0034】
第三の解決策の場合、それは、現在の時間が5日に到達しているか否かを決定することが可能である。現在の時間が5日に達していると、中国モバイルのためにUE C内のイニシャルネットワーク選択をすぐにリセットする。;そうでなければ、UE C自身に蓄積されたWLAN関連情報の一つが現に検出されたWLAN関連情報に一致するか否かを決定する。一致すれば、どのアップデートも実行されない;そうでなければ、中国モバイルのためにUE C内のイニシャルネットワーク選択をリセットする。代わりに、現に検出されたWLAN関連情報がUE C自身に蓄積されたWLAN関連情報の一つと一致するか否かを第一に決定し、もしそうでなければ、中国モバイルのためにUE C内のイニシャルネットワーク選択をリセットする。;そうでなければ、5日の期間に達しているか否かを決定し、5日の期間が到達していれば、中国モバイルのためにUE C内のイニシャルネットワーク選択をリセットする。;もしそうでなければ、どのアップデートも実行されない。
【0035】
前述の説明はただの本発明の好適な実施例であり、それの保護範囲を制限することにおける使用のためではない。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】図1は、ローミング環境下で相互に動作するWLANシステムと3GPPシステムとのネットワークアーキテクチャを示している概略図である。
【図2】図2は、ノンローミング環境下で相互に動作するWLANシステムと3GPPシステムのネットワークアーキテクチャを示している概略図である。
【図3】図3は、在圏ネットワークの大多数と接続しているWLANのネットワークアーキテクチャを示している概略図である;
【図4】図4は、本発明に基づいてイニシャルネットワーク選択をアップデートするためのフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)中にイニシャルネットワーク選択の設定を維持しているユーザー機器(UE)のための方法であって、UEは、ローミング状態に入るとき、イニシャルネットワーク選択を自身に設定して蓄積し、
さらに、
a.UEが、時間情報の一つ及びWLAN関連情報の一つの少なくとも1つを検出すること及び取得すること、
b.UEが、イニシャルネットワーク選択の設定の変更に必要があるか否かを、取得した時間情報の変更、及びWLAN関連情報の変更の少なくとも何れか一方に基づいて決定し、必要であれば、UE内のイニシャルネットワーク選択をアップデートし、そうでなければ、イニシャルネットワーク選択を保持すること、を含む方法。
【請求項2】
ステップbにおいて、時間情報の変更、及びWLAN関連情報の変更の少なくとも1つに基いて決定する手続を含み、取得した時間情報が予め設定されたUEのイニシャルネットワーク選択の実効時間に到達している、又は超えていることを示しているか否かを決定し、実効時間に到達している、又は超えていれば、イニシャルネットワーク選択の設定を変更し、そうでなければ、イニシャルネットワーク選択の設定を保持することを含む請求項1記載の方法。
【請求項3】
UE内にWLAN関連情報を蓄積することを更に含んでいる請求項1記載の方法。
【請求項4】
ステップbにおいて、時間情報の変更、及びWLAN関連情報の変更の少なくとも1つに基いて決定する手続を含み、;現に検出されたWLAN関連情報をUE内に蓄積されたWLAN関連情報と比較し、一致する情報がなければ、イニシャルネットワークの設定を修正し、そうでなければ、イニシャルネットワーク選択の選択を保持する請求項3記載の方法。
【請求項5】
ステップbにおいて、時間情報の変更、及びWLAN関連情報の変更の少なくとも1つに基いて決定する手続を含み、;取得した時間情報が予め設定されたUEのイニシャルネットワーク選択の実効時間に到達している、又は超えていることを示しているか否かを第一に決定し、実効時間に到達している、又は超えていれば、イニシャルネットワーク選択の設定を変更し、そうでなければ、現に検出したWLAN関連情報をUE内に蓄積したWLAN関連情報と比較し、一致する情報が無ければ、イニシャルネットワーク選択の設定を修正し、そうでなければ、イニシャルネットワーク選択の設定を保持する請求項3記載の方法。
【請求項6】
ステップbにおいて、時間情報の変更、及びWLAN関連情報の変更の少なくとも1つに基いて決定する手続を含み、;現に検出されたWLAN関連情報をUE内に蓄積されたWLAN関連情報と第一に比較し、一致した情報がなければ、イニシャルネットワーク選択の設定を修正し、そうでなければ、取得した時間情報が予め設定されたUEのイニシャルネットワーク選択の実効時間に到達している、又は超えていることを示しているか否かを決定し、実効時間に到達している、又は超えていれば、イニシャルネットワーク選択の設定を変更し、そうでなければ、イニシャルネットワーク選択の設定を保持する請求項3記載の方法。
【請求項7】
WLAN関連情報は、WLANのサービス設定ID(SSID)の少なくとも一つ、WLANが属しているモバイル国コード(MMC)の少なくとも一つ、及び、その地域IDの少なくとも一つの何れかを含んでいる請求項4、5、又は6記載の方法。
【請求項8】
イニシャルネットワーク選択の設定をアップデートする手続きは、UEに蓄積されたイニシャルネットワークをUEのホームネットワークにアップデートすること、及び、UEに蓄積されたイニシャルネットワークをゼロにアップデートすること、の一つを含んでいる請求項1、2、4、5、又は6記載の方法。
【請求項9】
UEに蓄積されたイニシャルネットワーク選択がアップデートされるとき、アップデート通知メッセージをUEに送ることをさらに含む請求項1、2、4、5、又は6記載の方法。
【請求項10】
UEにイニシャルネットワーク選択を蓄積する前に、プロンプトメッセージをUEに送ることをさらに含む請求項1、2、4、5、又は6記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−502556(P2007−502556A)
【公表日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−522873(P2006−522873)
【出願日】平成16年8月13日(2004.8.13)
【国際出願番号】PCT/CN2004/000943
【国際公開番号】WO2005/018148
【国際公開日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願人】(306034561)
【Fターム(参考)】