説明

ワイヤーボンディング方法、及び、半導体装置

【課題】半導体チップを搭載する半導体装置の大きさを拡大することなく、隣り合う電極パッド間やボンディングワイヤー間で電流が流れるのを防止又は可及的に抑制することのできるワイヤーボンディング方法及び半導体装置を提供する。
【解決手段】第1電極パッド3に対するボンディングワイヤーW1と、第1電極パッド3に隣り合う第2電極パッド4に対するボンディングワイヤーW2とを、互いに隣り合わないボンディングポイントでボンディングするようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置のワイヤーボンディング方法、及び、該ワイヤーボンディング方法により半導体チップがボンディングされた半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置において、半導体チップの電極とリードフレームとの間にワイヤーを接続する技術としてワイヤーボンディングが広く知られている。図6は、従来のワイヤーボンディング方法によりボンディングされた半導体装置120を示す平面図である。
【0003】
図6に示す半導体装置120は、リードフレーム300と該リードフレーム300に臨むリード305とを有し、前記半導体装置を含むリードフレーム300及びリード305とボンディングワイヤーWa,Wbとがボンディングされている。
【0004】
リードフレーム300には、前記半導体装置に備えられる一対の電極(図示せず)に対応した第1及び第2電極パッド301,302が形成されている。第1電極パッド301及び第2電極パッド302は、短冊状に形成されており、その短冊の長手方向と直交する方向に交互に配列されている。
【0005】
ボンディングワイヤーWaが第1電極パッド301とリード305とにボンディングされ、第1電極パッド301とリード305とが接続されている。また、ボンディングワイヤーWbが第2電極パッド302とリードフレーム300とにボンディングされ、第2電極パッド302とリードフレーム300とが接続されている。
【0006】
第1電極パッド301には、ボンディングポイントが複数(図6では、BP10,BP11)設けられている。ボンディングワイヤーWaは、第1電極パッド301上では、前記複数のボンディングポイントでボンディングされている。また、第2電極パッド302にも、ボンディングポイントが複数(図6では、BP13,BP14)設けられており、ボンディングワイヤーWbは、第2電極パッド302上では、前記複数のボンディングポイントでボンディングされている。
【0007】
なお、下記特許文献1には、前記ボンディングにおいて用いるウエッジツールのウエッジ断面形状や、ボンディングワイヤーの線径等に関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−140072公報(2004年05月13日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、ボンディングワイヤーをボンディングするには、ボンディングワイヤーの一部分を第1及び第2電極パッド301,302等に押し付け、この押し付けられている部位を一時的に溶融させて前記第1及び第2電極パッド301,302等に密着させる。これにより、ボンディングワイヤーWa,Wbと第1及び第2電極パッド301,302等とがボンディングされる。
【0010】
このような一連のボンディング工程において、ボンディングワイヤーの溶融時には、その溶融物が周囲に広がる。そのため、第1及び第2電極パッド301,302等とボンディングワイヤーWa,Wbとの接合領域であるボンディングポイントは比較的大きくなる。
【0011】
ここで、従来のワイヤーボンディング方法においては、隣り合う電極パッド同士で、ボンディングポイントが隣り合うようにボンディングを行っていた。そのため、ボンディングワイヤーの溶融物が周囲に広がることで、隣り合うボンディングポイントが非常に接近することとなっていた。
【0012】
このように、ボンディングポイント同士が接近すると、前記ボンディングポイント間の絶縁耐圧が低下し、ボンディングポイント間で電流が流れるという現象が発生しやすい。
【0013】
パワー半導体として、演算や記憶などを行う半導体の他に、交流を直流に変換したり電圧値を変化させたりする等、電源(電力)の制御や供給を行うために用いられる半導体(以下、パワー半導体という)がある。このパワー半導体の場合、当該半導体を含む回路に流れる電流は演算や記憶などを行う半導体に比して非常に大きい。
【0014】
したがって、ワイヤーボンディングの対象がパワー半導体である場合、隣り合うボンディングポイントが非常に接近すると、特に前記両ボンディングポイント間で電流が流れるという現象が発生し易い。
【0015】
また、ボンディングポイントが隣り合うようにボンディングを行った場合、隣り合うボンディングワイヤー同士は同じような湾曲状態で平行となり、隣り合うボンディングワイヤー同士の距離を十分に確保できているとは言い難かった。そのため、ボンディングワイヤー同士の間で電流が流れる虞もあった。隣り合う電極パッド間の間隔を広くすれば、隣り合うボンディングワイヤー同士の距離を確保できるが、半導体装置の大型化を招来する。
【0016】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、半導体装置を大型化することなく、隣り合う電極パッド間やボンディングワイヤー間で電流が流れるのを防止又は可及的に抑制することのできるワイヤーボンディング方法及び半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前記目的を達成するために、本発明に係るワイヤーボンディング方法は、半導体装置の一対の第1及び第2電極に対応して設けられ且つ交互に並列状態で配置された第1及び第2電極パッドに対してボンディングワイヤーをボンディングするワイヤーボンディング方法であって、前記第1電極パッドに対する前記ボンディングワイヤーと、前記第1電極パッドに隣り合う前記第2電極パッドに対する前記ボンディングワイヤーとを、互いに隣り合わないボンディングポイントでボンディングすることを特徴とするものである。
【0018】
また、本発明に係る半導体装置は、半導体装置の一対の第1及び第2電極に対応して設けられ且つ交互に並列状態で配置された第1及び第2電極パッドに対してボンディングワイヤーがボンディングされた半導体装置であって、前記第1電極パッドに対する前記ボンディングワイヤーと、前記第1電極パッドに隣り合う前記第2電極パッドに対する前記ボンディングワイヤーとが、互いに隣り合わないボンディングポイントでボンディングされていることを特徴とするものである。
【0019】
本発明によれば、前記第1電極パッドに対する前記ボンディングワイヤーと、前記第1電極パッドに隣り合う前記第2電極パッドに対する前記ボンディングワイヤーとを、互いに隣り合わないボンディングポイントでボンディングする。
【0020】
これにより、前記第1電極パッドにおけるボンディングポイントと、該第1電極パッドに隣接する第2電極パッドにおけるボンディングポイントとが従来に比して離間するとともに、隣り合うボンディングワイヤー同士が非平行状態となる。
【0021】
したがって、従来に比して、両ボンディングポイント間で電流が流れたり、ボンディングワイヤー同士の間で電流が流れたりする現象を発生し難くすることができる。
【0022】
また、前記第1及び第2電極パッドに対して前記ボンディングワイヤーを複数のボンディングポイントで一方向に順番にボンディングし、前記第1及び第2電極パッドに対する前記ボンディングワイヤーのボンディングの順序にしたがった順序方向を全ての前記第1及び第2電極パッドについて同一とし、前記ボンディングワイヤーのボンディングを、隣の前記第1又は第2電極パッドのいずれか一方に切り替えて行うものである。
【0023】
一般的に、前記第1及び第2電極パッドにボンディングワイヤーをボンディングする動作を行う装置のヘッドにはボンディングワイヤーを敷設できる向き(方向性)がある。このため、電極パッドに複数のボンディングポイントで一方向に順番にボンディングする順序方向が、第1電極パッドの場合と第2電極パッドの場合とで異なる場合、ボンディング対象を第1電極パッドと第2電極パッドとの間で切り替えるときに前記ヘッドを回転させる必要があった。
【0024】
前記方法によれば、前記第1及び第2電極パッドに対する前記ボンディングワイヤーのボンディングの順序にしたがった順序方向を全ての前記第1及び第2電極パッドについて同一としたので、前記ヘッドを回転させる必要がなくなる。
【0025】
これにより、前記順序方向を全ての電極パッドについて同一とする構成を採用しない場合に比して、全てのボンディングポイントでのボンディングが完了するまでの時間(ボンディング効率)を短縮(向上)することができる。
【0026】
また、前記ボンディングワイヤーのボンディングを、隣の前記第1又は第2電極パッドのいずれか一方に切り替えて行うようにしたので、前記ヘッドの移動ピッチを、隣り合う第1電極パッドと第2パッドとのピッチにすることができ、ヘッドの総移動量を可及的に抑制することができる。これによっても、前記ボンディング効率を向上することができる。
【0027】
また、前記第1及び第2電極パッドに対して前記ボンディングワイヤーを複数のボンディングポイントで一方向に順番にボンディングし、前記第1電極パッドに対する前記ボンディングワイヤーのボンディングの順序にしたがった第1順序方向を全ての第1電極パッドについて同一とし、且つ、前記第2電極パッドに対する前記ボンディングワイヤーのボンディングの順序にしたがった第2順序方向を、前記第1順序方向と逆方向とし且つ全ての第2電極パッドについて同一とし、全ての前記第1電極パッド又は全ての前記第2電極パッドに対する前記ボンディングワイヤーのボンディングが完了してから、他方の前記第1電極又は第2電極パッドのいずれかに対する前記ボンディングワイヤーのボンディングを行うものである。
【0028】
一般的に、前記第1及び第2電極パッドにボンディングワイヤーをボンディングする動作を行う装置のヘッドにはボンディングワイヤーを敷設できる向き(方向性)がある。このため、電極パッドに複数のボンディングポイントで一方向に順番にボンディングする順序方向が、第1電極パッドの場合と第2電極パッドの場合とで異なる場合、ボンディング対象を第1電極パッドと第2電極パッドとの間で切り替えるときに前記ヘッドを回転させる必要があった。
【0029】
これに対し、前記方法によれば、前記第2電極パッドに対するボンディングワイヤーのボンディングについての第1順序方向と、前記第1電極パッドに対するボンディングワイヤーのボンディングについての第2順序方向とを逆方向としている。したがって、第1電極パッドに対するボンディングワイヤーのボンディングをまとめて実施し、また、第2電極パッドに対するボンディングワイヤーのボンディングをまとめて実施することにより、ヘッドを回転させる回数を1回とすることができる。
【0030】
例えば、第2電極パッドよりも、第1電極パッドに対するボンディングワイヤーのボンディングを先行して実施する場合には、第1電極パッドに対するボンディングワイヤーのボンディングから、第2電極パッドに対するボンディングワイヤーのボンディングに移行するときの1回のみヘッドを回転させればよい。
【0031】
また、第1電極パッドよりも、第2電極パッドに対するボンディングワイヤーのボンディングを先行して実施する場合には、第2電極パッドに対するボンディングワイヤーのボンディングから、第1電極パッドに対するボンディングワイヤーのボンディングに移行するときの1回のみヘッドを回転させればよい。
【0032】
このように、上記方法によれば、ボンディング対象の電極パッドが切り替わるたびに前記ヘッドを回転させる必要がなくなり、ヘッドを回転させる回数を可及的に抑制することができるため、前記ボンディング効率を向上することができる。
【0033】
また、前記第1及び第2電極パッドと前記ボンディングワイヤーとを、超音波を用いた超音波ウェッジボンディング法により接続するものである。
【0034】
前記方法によれば、ボンディングワイヤーを加熱する方法に比し、ボンディングワイヤーと第1及び第2電極パッドとを短時間でボンディングすることができる。その結果、ボンディングワイヤーを加熱する方法を採用する場合に比して、ボンディング効率を向上することができる。
【0035】
また、前記ボンディングワイヤーは、アルミニウムを主成分とすることを特徴とするものである。
【0036】
これにより、ボンディングワイヤーを加熱することなく、若しくは、ボンディングワイヤーの加熱量を抑えつつボンディングワイヤーと前記第1及び第2電極パッドとをボンディングすることができる。
【0037】
また、前記第1及び第2電極パッドと前記ボンディングワイヤーとのボンディングを1本のワイヤーを用いて行うものである。
【0038】
これにより、前記第1及び第2電極パッドに、複数のボンディングポイントを設けた場合であっても、ボンディングポイント間ごとにボンディングワイヤーを設ける構成に比して、ボンディングワイヤーの本数を抑えつつ電極パッドの耐電流性能を向上させることができる。
【0039】
また、前記半導体装置を、ラテラル型のパワー半導体としたものである。
【0040】
前記ラテラル型のパワー半導体においては、一般的に一対の第1及び第2電極パッドが接近して配置されるが、前記各発明に係る構成を採用することで、第1電極パッドにおけるボンディングポイントと第2電極パッドにおけるボンディングポイントとの間の距離を、絶縁耐圧を確保できる距離に設定することができる。
【発明の効果】
【0041】
本発明に係るワイヤーボンディング方法は、半導体装置の一対の第1及び第2電極に対応して設けられ且つ交互に並列状態で配置された第1及び第2電極パッドに対してボンディングワイヤーをボンディングするワイヤーボンディング方法であって、前記第1電極パッドに対する前記ボンディングワイヤーと、前記第1電極パッドに隣り合う前記第2電極パッドに対する前記ボンディングワイヤーとを、互いに隣り合わないボンディングポイントでボンディングするものである。
【0042】
また、本発明に係る半導体装置は、半導体装置の一対の第1及び第2電極に対応して設けられ且つ交互に並列状態で配置された第1及び第2電極パッドに対してボンディングワイヤーがボンディングされた半導体装置であって、前記第1電極パッドに対する前記ボンディングワイヤーと、前記第1電極パッドに隣り合う前記第2電極パッドに対する前記ボンディングワイヤーとが、互いに隣り合わないボンディングポイントでボンディングされているものである。
【0043】
上記発明によれば、前記第1電極パッドにおけるボンディングポイントと、該第1電極パッドに隣接する第2電極パッドにおけるボンディングポイントとが従来に比して離間する。したがって、従来に比して、両ボンディングポイント間で電流が流れたり、ボンディングワイヤー同士の間で電流が流れたりする現象を発生し難くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】半導体装置におけるボンディング状態を示す平面図である。
【図2】図1に示すボンディング状態を示す側面図である。
【図3】本発明に係るワイヤーボンディング方法に基づく動作を行うワイヤーボンディング装置の一例の全体構成を示す図である。
【図4】第2の実施形態に係るワイヤーボンディング方法の説明図である。
【図5】第3の実施形態に係るワイヤーボンディング方法の説明図である。
【図6】従来のワイヤーボンディング方法によりボンディングされた半導体装置を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
(第1の実施形態)
以下、本発明の一実施形態に係るワイヤーボンディング方法及び半導体装置について説明する。図3は、本発明に係るワイヤーボンディング方法に基づく動作を行うワイヤーボンディング装置の一例の全体構成を示す図である。
【0046】
図3に示すワイヤーボンディング装置100は、半導体装置110において、ボンディングを行う対象の位置(以下、ボンディングポイントという)にボンディングワイヤーWを接合する。
【0047】
ワイヤーボンディング装置100は、キャピラリ101と、超音波供給部102と、クランパ103とを備える。
【0048】
キャピラリ101は、ボンディングワイヤーWを部分的に保持し且つその保持部分をボンディングポイントに押し付ける。超音波供給部102は、キャピラリ101に保持されたボンディングワイヤーWに超音波エネルギーを供給する。クランパ103は、キャピラリ101の上部(キャピラリ101にボンディングワイヤーWの後端側)に設けられ且つボンディングワイヤーWを挟み込んで把持する。
【0049】
また、ワイヤーボンディング装置100には、図示していないが、駆動部と、ワイヤー供給部とが備えられている。
【0050】
駆動部は、超音波供給部102及びキャピラリ101を上下方向及び水平方向に移動させるために設けられている。ワイヤー供給部は、例えば1本のボンディングワイヤーWがループ状に複数巻回されたワイヤー巻回体からボンディングワイヤーを引き出してキャピラリ101に供給するために設けられている。
【0051】
なお、ここでは、ボンディングの具体的な対象として、半導体装置110における半導体チップ1とリード106とを想定する。半導体チップ1は、例えばGaN(窒化ガリウム)チップとされている。
【0052】
キャピラリ101は、上下に延びる円筒状の貫通孔101aを有する。この貫通孔101aには、ボンディングワイヤーWが挿通されており、キャピラリ101は、貫通孔101aの下端からボンディングワイヤーWが突出した状態で該ボンディングワイヤーWを保持する。
(ワイヤーボンディング装置の動作説明)
ワイヤーボンディング装置100は、キャピラリ101の先端部を半導体装置110のボンディングポイントまで移動させて、ボンディングワイヤーWのうち貫通孔101aの下端近傍部分をキャピラリ101によりボンディングポイントに押し付ける。
【0053】
このとき、同時に、超音波ウェッジボンディング法により超音波供給部102を用いてキャピラリ101に超音波エネルギーを供給する。また、ボンディングワイヤーWの材質に応じて、リードフレーム105を例えば120〜270℃程度に加熱する。これにより、ボンディングワイヤーWのうち押し付けられている部分が一時的に溶融し、ボンディングワイヤーWがボンディングポイントに接合される。
【0054】
ボンディングワイヤーWは、アルミニウム製のワイヤーが採用可能である。ただし、本件におけるボンディングワイヤーは、アルミニウム製のワイヤーに限定されるものではなく、例えば金のワイヤーも採用可能である。アルミニウム製のワイヤーを使用した場合、リードフレーム105(ボンディングワイヤーW)の加熱が不要となる。
【0055】
ワイヤーボンディング装置100は、以上のような動作をリードフレーム105上及びリード106上において行う。
【0056】
また、キャピラリ101の上部にあるクランパ103でボンディングワイヤーWを挟みこみ、キャピラリ101を上方に引き上げることで、ボンディングワイヤーWをボンディングポイントとの接合部分近傍で切断する。これにより、ボンディングワイヤーWのうちボンディングされた部分を、キャピラリ101に保持されている部分から切り離すことができる。
(半導体装置の構成)
図1は、半導体装置110におけるボンディング状態を示す平面図、図2は、図1に示すボンディング状態を示す側面図である。
【0057】
図1に示す半導体装置110は、リードフレーム105とリード106とを有する。リードフレーム105には、半導体チップ1が搭載されている。
【0058】
本実施形態における半導体装置110としては、交流を直流に変換したり電圧値を変化させたりする等、電源(電力)の制御や供給を行うために用いられる所謂パワー半導体、特にラテラル型のパワー半導体が好適である。
【0059】
ラテラル型のパワー半導体と異なり、対となる電極が非対称形となっている縦型のパワー半導体は、逆起電力(回生電力)を吸収するためには、別途、逆方向に電流を流せる素子を並列に配置する必要がある。この縦型のパワー半導体に対し、ラテラル型のパワー半導体は、対となる電極が対称形であり、逆起電力(回生電力)をそれ自身で吸収することが可能であるという利点を有する。
【0060】
GaN(窒化ガリウム)半導体で構成するHEMT(高移動度トランジスタ)は、ラテラル型のパワー半導体であり、スイッチ素子であると同時に逆起電力(回生電力)をそれ自身で吸収する素子となりうるデバイスとして注目されている。
【0061】
なお、本実施形態における半導体装置には、前記パワー半導体の他、演算や記憶などを行う半導体も含まれる。
【0062】
リードフレーム105には、半導体チップ1に備えられる一対の第1電極及び第2電極に対応した第1電極パッド3及び第2電極パッド4がそれぞれ複数形成されている。
【0063】
第1電極パッド3と第2電極パッド4とは、交互に並列状態で配置されている。例えば本実施形態では、第1電極パッド3及び第2電極パッド4は、短冊状に形成されており、その短冊の長手方向と直交する方向に交互に配列されることでストライプ状に形成されている。
【0064】
本実施形態においては、ワイヤーボンディング装置100は、第1電極パッド3及びリード106を同一のボンディングワイヤーW1で接続した接続状態を形成する。また、ワイヤーボンディング装置100は、第2電極パッド4及びリードフレーム105を同一のボンディングワイヤーW2で接続した接続状態を形成する。
(ワイヤーボンディング方法の説明)
このような接続状態を形成するために、本実施形態におけるワイヤーボンディング装置100は、前記ワイヤー巻回体から引き出したボンディングワイヤーWを第1電極パッド3及びリード106にボンディングする。また、ワイヤーボンディング装置100は、ボンディングワイヤーWを、ボンディングした部分(ボンディングワイヤーW1に相当)とキャピラリ101に挟持されている部分とに切り離す。
【0065】
これにより、ボンディングワイヤーW1が、第1電極パッド3上に形成されたボンディングポイントBP1,BP2と、リード106上に形成されたボンディングポイントBP3とでボンディングされた状態を形成する。
【0066】
また、ワイヤーボンディング装置100は、前記ワイヤー巻回体から引き出したボンディングワイヤーWを第2電極パッド4及びリードフレーム105のボンディングポイントBP4にボンディングする。そして、ワイヤーボンディング装置100は、ボンディングワイヤーWを、ボンディングした部分(ボンディングワイヤーW2に相当)とキャピラリ101に挟持されている部分とに切り離す。
【0067】
これにより、ボンディングワイヤーW2が、第2電極パッド4上に形成されたボンディングポイントBP4,BP5と、リードフレーム105に形成されたボンディングポイントBP6とでボンディングされた状態が作り出される。
(従来のワイヤーボンディング方法の問題点の説明)
ここで、各ボンディングポイントでのボンディングにおける超音波の出力時に、キャピラリ101により押し付けられている部位が溶融して潰れる。このとき、ボンディングワイヤーWの溶融物が周囲に広がる。これにより、ボンディングポイントが占める領域が比較的大きくなる。
【0068】
従来のワイヤーボンディング方法においては、隣り合う電極パッド(第1電極パッド3及び第2電極パッド4)同士でボンディングポイントが隣り合うようにボンディングを行っていた(図6参照)。そのため、各ボンディングポイントの占有面積が大きくなることで、隣り合うボンディングポイントが非常に近接することとなっていた。
【0069】
ボンディングポイントが近接すると、この近接するボンディングポイント間における絶縁耐圧が低下し、前記ボンディングポイント間に電流が流れるという問題が発生し得る。
【0070】
また、隣り合う第1電極パッド3及び第2電極パッド4同士でボンディングポイントが隣り合うようにボンディングを行った場合、隣り合うボンディングワイヤーW1,W2同士も同じような湾曲状態で平行に配置されることにより近接する。このため、隣り合うボンディングワイヤーW1とボンディングワイヤーW2との間で電流が流れることもあり得る。
【0071】
前述したように、特にパワー半導体の場合、当該半導体を含む回路に流れる電流は演算や記憶などを行う半導体に比して非常に大きい。そのため、隣り合う電極パッド間の距離やワイヤー間の距離(ワイヤー間距離)が小さくなると、このような不具合が発生しやすい。
(第1の実施形態の特徴部分の説明)
そこで、本実施形態においては、図1,図2に示すように、隣接する第1及び第2電極パッド3,4に着目した場合に、第1電極パッド3におけるボンディングポイントBP1,BP2と、第2電極パッド4におけるボンディングポイントBP4,BP5とがボンディングワイヤーW1,W2の延びる方向においてずれている(オフセットされている)。
【0072】
例えば図1において、左から奇数番目に位置する第1電極パッド3におけるボンディングポイントBP1,BP2と、左から偶数番目に位置する第2電極パッド4におけるボンディングポイントBP4,BP5との位置関係に着目する。
【0073】
この場合、第1電極パッド3におけるボンディングポイントBP1は、第2電極パッド4におけるボンディングポイントBP5に対して、図1中で下側にずらされている(オフセットされている)。同様に、第1電極パッド3におけるボンディングポイントBP2は、第2電極パッド4におけるボンディングポイントBP4に対して、図1中で下側にずらされている。
【0074】
なお、第1電極パッド3におけるボンディングポイントBP1,BP2が、第2電極パッド4におけるボンディングポイントBP5,BP4に対して、図1で上側にずらされていてもよい。
【0075】
すなわち、第1電極パッド3におけるボンディングポイントBP1,BP2は、第2電極パッド4におけるボンディングポイントBP5,BP4に対し、第1及び第2電極パッド3,4に接続されるボンディングワイヤーW1,W2の延びる方向にずらされている(オフセットされている)。
【0076】
これにより、ボンディングポイントBP1,BP5間の距離、ボンディングポイントBP2,BP4間の距離を、隣り合う第1電極パッド3及び第2電極パッド4同士でボンディングポイントが隣り合う従来の構成に比して大きくすることができる。つまり、ボンディングポイントBP1〜BP6の大きさを同一とみなすと、ボンディングポイントにおける距離が、従来では距離L1(図6参照)となっていたのを距離L2(>距離L1)とすることができる。
【0077】
これにより、ボンディング時に付与される超音波のためにボンディングワイヤーW1,W2の先端が潰れて周囲に広がっても、隣り合うボンディングポイントBP1,BP5間、ボンディングポイントBP2,BP4間における絶縁耐圧の低下を防止又は抑制できる。したがって、隣り合うボンディングポイントBP1,BP5間、ボンディングポイントBP2,BP4間に電流が流れるという問題が発生するのを防止又は抑制し得る。
【0078】
また、従来のワイヤーボンディング方法に比して、隣り合うボンディングワイヤーW1とボンディングワイヤーW2との間においても電流が流れ難くなる。
【0079】
すなわち、同一ボンディングワイヤーに係るボンディングポイント間においては、ボンディングワイヤーは、通常、図2に示すように湾曲する。すなわち、図2の矢印Gで示すように、ボンディングワイヤーW1については、ボンディングポイントBP3,BP2間と、ボンディングポイントBP2,BP1間において湾曲する。また、ボンディングワイヤーW2については、ボンディングポイントBP4,BP5間と、ボンディングポイントBP5,BP6間において湾曲する。
【0080】
ここで、ワイヤーボンディング装置100のキャピラリ101の動線軌跡は各電極パッド3,4について略同様である。したがって、従来のワイヤーボンディング方法でボンディングすれば、隣接するボンディングワイヤーW1,W2は、ボンディングポイントBP2とBP1との間の湾曲部分とボンディングポイントBP4,BP5間の湾曲部分とが同様の湾曲状態で平行となる。このため、隣り合うボンディングワイヤー同士の最短距離であるワイヤー間距離も十分に確保することができなかった。
【0081】
これに対し、本実施形態では、第1電極パッド3におけるボンディングポイントの位置と第2電極パッド4におけるボンディングポイントの位置とを、前述のようにボンディングワイヤーW1,W2の延びる方向にずらす。これによって、隣り合うボンディングワイヤーW1,W2同士のワイヤー間距離を、従来の距離L3(図6参照)から距離L4(図1参照)に大きくすることができる。
【0082】
これにより、隣り合うボンディングワイヤーW1,W2間で電流が流れるという状況も従来に比して発生し難くなる。
【0083】
また、本実施形態では、前述したように、ボンディングワイヤーW1,W2を、第1電極パッド3及び第2電極パッド4にそれぞれ複数のポイントでボンディングするようにしたので、第1及び第2電極パッド3,4の耐電流性能を増加させることができる。
【0084】
さらに、本実施形態では、第1電極パッド3におけるボンディングポイントBP1,BP2とリード104のボンディングポイントBP3とを、1本のボンディングワイヤーW1で接続するようにした。また、第2電極パッド4におけるボンディングポイントBP4,BP5とリードフレーム105におけるボンディングポイントBP6とを1本のボンディングワイヤーW2で接続するようにした。
【0085】
これに対し、第1電極パッド3におけるボンディングポイントBP1とボンディングポイントBP2とを接続するボンディングワイヤーと、ボンディングポイントBP2とリード104のボンディングポイントBP3とを接続するボンディングワイヤーとを別個のボンディングワイヤーとする構成がある。
【0086】
また、第2電極パッド4におけるボンディングポイントBP4とボンディングポイントBP5とを接続するボンディングワイヤーと、ボンディングポイントBP5とリードフレーム105のボンディングポイントBP6とを接続するボンディングワイヤーとを別個のボンディングワイヤーとする構成がある。
【0087】
上記の1本のボンディングワイヤーW1による接続は、上記のように別個のボンディングワイヤーで接続する場合に比して、ボンディングワイヤーの本数を抑えつつ電極の耐電流性能を向上させることができる。
【0088】
(第2の実施形態)
前記第1の実施形態においては、各ボンディングポイントBP1〜BP6でボンディングを行う順番に関しては特に言及しなかった。これに対し、本実施形態では、各ボンディングポイントBP1〜BP6に対してボンディングを行う順番が設定されており、この点が前記第1の実施形態と相違する。したがって、前記第1の実施形態との相違点を主に説明し、前記第1の実施形態と共通する点については説明を省略することとする。
(第2の実施形態に係るワイヤーボンディング方法の説明)
図4は、本実施形態に係るワイヤーボンディング方法の説明図である。
【0089】
本実施形態では、第1及び第2電極パッド3,4とボンディングワイヤーW(W1,W2)とを複数のボンディングポイントBP1〜BP6でボンディングする場合に、ボンディングの順序にしたがった順序方向(一方向)を全ての電極パッドについて同一とする。
【0090】
例えば、図4に示すように、複数の第1電極パッド3のうち例えば最も左側に位置する第1電極パッド3とリード106とにボンディングワイヤーW(W1)をボンディングする。この場合、図4の矢印に示すように、下側(リード106側)からボンディングポイントBP3,BP2,BP1の順でボンディングを行うとする。他の第1電極パッド3及びリード106とボンディングワイヤーW(W1)とのボンディングについても同様に図4の下側(リード106側)から順にボンディングする。
【0091】
さらに、第2電極パッド4とリードフレーム105とをボンディングする場合にも、図4の下側(リード106側)からボンディングポイントBP4,BP5,BP6の順でボンディングを行う。
【0092】
本実施形態に係るワイヤーボンディング装置100は、直近のボンディングワイヤーについてのボンディングの順序方向と逆の順序方向で次のボンディングワイヤーに切り替えてボンディングを行うときは、ヘッドを回転させる必要がある。
【0093】
これに対し、前述のようにボンディングの順序方向を全ての電極パッドについて同一とすることで、キャピラリ101のヘッドを回転させる必要がなくなる。これにより、前記ヘッドを回転する時間が不要となり、ボンディングが完成するまでに要する時間を短くすることができる。よって、ワイヤーボンディング装置100によるボンディングの効率を向上することができる。
【0094】
また、本実施形態においては、第1及び第2電極パッド3,4の配列方向の一方側から他方側に向けてボンディングを行う。より具体的には、第1電極パッド3及びリード106とボンディングワイヤーW(W1)とのボンディングと、第2電極パッド4及びリードフレーム105とボンディングワイヤーW(W2)とのボンディングとを交互に行う。これにより、第1及び第2電極パッド3,4の配列方向におけるキャピラリ101の移動ピッチを、隣接する第1電極パッド3及び第2電極パッド4間のピッチとすることができる。
【0095】
その結果、キャピラリ101の総移動量を最小限に抑制することができる。これによっても、ボンディングが完成するまでに要する時間を短くすることができ、ワイヤーボンディング装置100におけるボンディングの効率を向上することができる。
【0096】
(第3の実施形態)
本実施形態では、各ボンディングポイントBP1〜BP6でボンディングを行う順番が第2の実施形態と異なるだけで、それ以外の点については同様である。したがって、第1の実施形態との相違点について主に説明することとし、第1及び第2の実施形態と共通する点については説明を省略することとする。
(第3の実施形態に係るワイヤーボンディング方法の説明)
図5は、本実施形態に係るワイヤーボンディング方法の説明図である。
【0097】
本実施形態においては、同種の電極パッド(第1電極パッド3及び第2電極パッド4)に対応するボンディングワイヤー同士でみれば、同じ方向に順番にボンディングする点は前記第2の実施形態と同一である。
【0098】
一方、本実施形態と第2の実施形態との相違点は次の2点である。
【0099】
1点は、図5に示すように、第1電極パッド3に対応するボンディングワイヤーW1についてのボンディングの順序方向(第1順序方向)と、第2電極パッド4に対応するボンディングワイヤーW2についてのボンディングの順序方向(第2順序方向)とが逆方向に設定されている点である。
【0100】
すなわち、第1電極パッド3及びリード106とボンディングワイヤーW(W1)とのボンディングについては、ワイヤーボンディング装置100は、ボンディングポイントBP1,BP2,BP3の順にボンディングを行う。
【0101】
一方、第2電極パッド4及びリードフレーム105とボンディングワイヤーW(W2)とのボンディングについては、ワイヤーボンディング装置100は、ボンディングポイントBP4,BP5,BP6の順にボンディングを行う。
【0102】
もう1点は、ボンディングを、第1電極パッド3に対応するボンディングワイヤーW1ごとにまとめて実施し、且つ、第2電極パッド4に対応するボンディングワイヤーW2ごとにまとめて実施する点である。
【0103】
すなわち、ワイヤーボンディング装置100は、第1電極パッド3に対応する全てのボンディングワイヤーW1についてのボンディングが完了してから、第2電極パッド4に対応する全てのボンディングワイヤーW2についてのボンディングを実施する。なお、第2電極パッド4に対応する全てのボンディングワイヤーW2についてのボンディングが完了してから、第1電極パッド3に対応する全てのボンディングワイヤーW1についてのボンディングを実施するようにしてもよい。
【0104】
本実施形態では、第1電極パッド3に対応するボンディングワイヤーW1についてのボンディングの順序方向と、第2電極パッド4に対応するボンディングワイヤーW2についてのボンディングの順序方向とを逆方向に設定している。これにより、ボンディングを、第1電極パッド3に対応するボンディングワイヤーW1ごとにまとめて実施するとともに、第2電極パッド4に対応するボンディングワイヤーW2ごとにまとめて実施することで、ヘッドを回転させる回数を極力抑えることができる。
【0105】
すなわち、本実施形態に係るワイヤーボンディング方法によれば、第1電極パッド3に対応するボンディングワイヤーW1のボンディングを、第2電極パッド4に対応するボンディングワイヤーW2のボンディングより先行して実施する。この場合には、キャピラリ101のヘッドの回転が、ボンディングワイヤーW1についてのボンディングからボンディングワイヤーW2についてのボンディングに移行するときの1回のみとなる。
【0106】
一方、第2電極パッド4に対応するボンディングワイヤーW2のボンディングを、第1電極パッド3に対応するボンディングワイヤーW1のボンディングより先行して実施する。この場合には、上記のヘッドの回転が、ボンディングワイヤーW2についてのボンディングからボンディングワイヤーW1についてのボンディングに移行するときの1回のみとなる。
【0107】
いずれの場合も、第1電極パッド3に対応するボンディングワイヤーW1についてのボンディングの順序方向と、第2電極パッド4に対応するボンディングワイヤーW2についてのボンディングの順序方向とを逆方向に設定する。
【0108】
これにより、ボンディングを第1及び第2電極パッド3,4の配列方向に沿って順番に行う構成に比して、キャピラリ101のヘッドを回転させる回数を大幅に低減することができる。
【0109】
したがって、ボンディングが完成するまでに要する時間を短くすることができ、ワイヤーボンディング装置100におけるボンディングの効率を向上することができる。
【0110】
なお、本発明は、以下のようにも表現できる。
【0111】
すなわち、本発明は、対をなす第1の電極と第2の電極を持つ半導体装置の前記第1の電極に対応する前記半導体装置の第1の電極パッドと、前記第2の電極に対応する前記半導体装置の第2の電極パッドそれぞれに対して、ワイヤーボンディングを用いてボンディングワイヤーを接続する半導体装置のワイヤーボンディング方法において、前記第1の電極パッドと第2の電極パッドの少なくとも一部は、隣り合ってストライプ状となっており、前記ストライプ状で隣り合った第1の電極パッドと第2の電極パッドに対して、1つの電極パッドに複数のステッチでワイヤーボンディングを行い、ワイヤーボンディングのワイヤーボンディング位置が、対向する第1の電極パッドと、第2の電極パッドで千鳥状にずれたポイントでのボンディングになっていることを特徴とする、半導体装置のワイヤーボンディング方法である。
【産業上の利用可能性】
【0112】
本発明は、半導体装置の一対の第1及び第2電極に対応して設けられ且つ交互に並列状態で配置された第1及び第2電極パッドに対し、ボンディングワイヤーをポイント状にボンディングすることにより、前記第1及び第2電極パッドと前記ボンディングワイヤーとをボンディングする方法に適用することができる。
【符号の説明】
【0113】
1 半導体チップ
3 第1電極パッド
4 第2電極パッド
100 ワイヤーボンディング装置
102 超音波供給部
105 リードフレーム
110 半導体装置
301,302 第1,第2電極パッド
BP1〜BP6 ボンディングポイント
W,W1,W2 ボンディングワイヤー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体チップの一対の第1及び第2電極に対応して設けられ且つ交互に並列状態で配置された第1及び第2電極パッドに対してボンディングワイヤーをボンディングするワイヤーボンディング方法であって、
前記第1電極パッドに対する前記ボンディングワイヤーと、前記第1電極パッドに隣り合う前記第2電極パッドに対する前記ボンディングワイヤーとを、互いに隣り合わないボンディングポイントでボンディングすることを特徴とするワイヤーボンディング方法。
【請求項2】
前記第1及び第2電極パッドに対して前記ボンディングワイヤーを複数のボンディングポイントで一方向に順番にボンディングし、
前記第1及び第2電極パッドに対する前記ボンディングワイヤーのボンディングの順序にしたがった順序方向を全ての前記第1及び第2電極パッドについて同一とし、前記ボンディングワイヤーのボンディングを、隣の前記第1又は第2電極パッドのいずれか一方に切り替えて行うことを特徴とする請求項1に記載のワイヤーボンディング方法。
【請求項3】
前記第1及び第2電極パッドに対して前記ボンディングワイヤーを複数のボンディングポイントで一方向に順番にボンディングし、
前記第1電極パッドに対する前記ボンディングワイヤーのボンディングの順序にしたがった第1順序方向を全ての第1電極パッドについて同一とし、且つ、前記第2電極パッドに対する前記ボンディングワイヤーのボンディングの順序にしたがった第2順序方向を、前記第1順序方向と逆方向とし且つ全ての第2電極パッドについて同一とし、
全ての前記第1電極パッド又は全ての前記第2電極パッドに対する前記ボンディングワイヤーのボンディングが完了してから、他方の前記第1電極又は第2電極パッドのいずれかに対する前記ボンディングワイヤーのボンディングを行うことを特徴とする請求項1に記載のワイヤーボンディング方法。
【請求項4】
前記第1及び第2電極パッドと前記ボンディングワイヤーとを、超音波を用いた超音波ウェッジボンディング法により接続することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のワイヤーボンディング方法。
【請求項5】
前記ボンディングワイヤーは、アルミニウムを主成分とすることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のワイヤーボンディング方法。
【請求項6】
前記第1及び第2電極パッドと前記ボンディングワイヤーとのボンディングを1本のワイヤーを用いて行うことを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載のワイヤーボンディング方法。
【請求項7】
前記半導体チップは、ラテラル型のパワー半導体であることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載のワイヤーボンディング方法。
【請求項8】
半導体チップの一対の第1及び第2電極に対応して設けられ且つ交互に並列状態で配置された第1及び第2電極パッドに対してボンディングワイヤーがボンディングされた半導体装置であって、
前記第1電極パッドに対する前記ボンディングワイヤーと、前記第1電極パッドに隣り合う前記第2電極パッドに対する前記ボンディングワイヤーとが、互いに隣り合わないボンディングポイントでボンディングされていることを特徴とする半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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