説明

ワッシャー

【課題】 ボルトやネジなどの緩み止め効果に優れており、且つ、その優れた効果を維持することができるワッシャーを提供する。
【解決手段】 ワッシャー1は、反発弾性体4と一対の薄肉剛性板2・3とを、薄肉剛性板2・3の間に、反発弾性体4を介在させた状態で積層し、その中央部に、締結部材を挿通するボルト孔6を、厚み方向に貫通して設け、反発弾性体4を、ゴムシート4bと帆布4aとを積層したものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボルトやネジ等の締結部材の緩み止めに用いるワッシャーに関し、詳しくは、一対の薄肉剛性板の間に介在させた反発弾性体の変形を抑えることによって、その反発力を増し、緩み止めの効果を向上させたワッシャーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ボルトやネジなどの締結部材の緩みを防止するため、例えば、鉄・黄銅・ステンレスなどの金属を用いて形成されている平ワッシャーや、皿バネ等の座金が用いられている。これらのような座金を、締結部材と被締結部材との間に挟んだ状態にして締結部材を締め込むと、座金の材料自体の弾性やバネ弾性等によって反発力が生じ、この反発力で締結部材の回転を拘束して、緩まないようにしているのである。
【0003】
上記のような座金の他に、緩み止め機能を備えたものとして、ボルト孔を中央部に形成している椀型の座金の窪んだ面に、ボルト孔を中央部に設けた肉厚円盤状のゴムを配設している継手金具がある。この継手金具は、主として、コンクリートセグメントの継手部の締結ボルトにおける止水を目的としているものであるが、緩み止めの効果も備えている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、この継手金具を、締結部材の緩み止めとして改良したものが、図10(a)に示すワッシャー100である。このワッシャー100は、天然ゴムを用いて形成している肉厚円盤状の反発弾性体104と、一対の薄肉金属板102・103とを、一対の薄肉金属板102・103の間に、反発弾性体104を介在させた状態で積層したもので、中心部には、厚み方向に貫通するボルト孔106が設けられている。
【特許文献1】実開昭60−76198号公報(第10頁および第10図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、平ワッシャーや皿バネ等の座金は、振動や繰返し荷重等によって緩み易いという問題がある。また、上記の継手金具は、主として、止水を目的にしており、圧縮力を受けると、ゴムの一部が締結部材と被締結部材の孔との隙間に入り込む変形をするため、緩み止めに必要な反発力が低下し易い。ワッシャー100についても、その反発弾性体104が横方向に変形し易いことから、ワッシャー100の剛性が低下し易い、つまり緩み止めに必要な反発力が低下し易い。
【0006】
このワッシャー100および、M24平ワッシャー(鉄製:外径44mm×内径25mm×厚み4.0mm)、M24皿バネ(鉄製:外径50mm×内径25.4mm×厚み3.0mm)について、鉛直方向の繰り返し荷重に対する変位を、図11のグラフに示す。グラフは縦軸が鉛直方向の荷重を表し、横軸が鉛直方向の変位を表している。
【0007】
繰返し荷重は、図10(b)に示すような圧縮試験機110を用い、圧縮試験機110の試料受台110aに、ワッシャー100などの試料をセットし、ラム110bの先端に取り付けられている押圧部110cを上下させることによって、荷重を繰返し負荷した。
【0008】
図11のグラフより、ワッシャー100(実線)は、繰返し荷重に対し安定した耐力を示しているが、荷重を負荷するごとに履歴ループが右側へ移動し、徐々に履歴ループの傾きが減少していることから、剛性が低下していることがわかる。M24平ワッシャー(破線)は、鉛直方向の荷重に対して鉛直方向の変位が少なく、高い剛性を示しているが、荷
重を繰返し受けていると、著しい耐力の低下が見られる。また、M24皿バネ(一点鎖線)は、耐力が低く大きな荷重を負荷すると、グラフに示すように座屈現象が生じる。
【0009】
本発明は、ボルトやネジなどの緩み止め効果に優れており、且つ、その優れた効果を維持することができるワッシャーを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明にかかる請求項1記載のワッシャーは、反発弾性体と一対の薄肉剛性板とを、前記薄肉剛性板の間に、前記反発弾性体を介在させた状態で積層し、その中央部に、前記締結部材を挿通するボルト孔を、厚み方向に貫通して設け、前記反発弾性体を、ゴムと帆布とを積層したもの、または、ゴムと剛性を有する薄板とを積層したもの、或は、硬質の合成樹脂とすることを特徴としている。
【0011】
このような請求項1記載のワッシャーによれば、前記反発弾性体は、横方向へ変形しにくくなるため剛性が増し、このために、前記ワッシャーの反発力が増して、前記締結部材が緩みにくくなる。
【0012】
即ち、前記反発弾性体を、ゴムと帆布とを積層したもの、または、ゴムと剛性を有する薄板とを積層したものにすると、前記反発弾性体は、帆布や薄板によってゴムの変形が阻害され、圧縮力を受けた場合、前記帆布や薄板がないものに比べて、内部の圧力を高めることができるため、緩み止めに必要な反発力を増すことができる。また、前記反発弾性体を、変形しにくい硬質の合成樹脂とした場合も同様に、前記ワッシャーの反発力を増すことができる。
【0013】
また、前記反発弾性体のゴム厚や合成樹脂の厚みを変更することで、前記反発弾性体の剛性の調節を行なうことができるため、サイズを変えることなく、緩み止めに必要な反発力を高めたりすることが可能になる。なお、前記発弾性体の剛性の調節は、10〜200kN/mmの範囲で行なえば良い。
【0014】
本発明にかかる請求項2記載のワッシャーは、締結部材の緩みを防止するワッシャーであって、一対の薄肉剛性板の間に反発弾性体を介在させた積層体を設け、この積層体の中央部に、前記締結部材を挿通するボルト孔を、厚み方向に貫通して設け、且つ前記積層体の外周を、前記反発弾性体の膨出を阻止するための環状体で覆うことを特徴としている。
【0015】
請求項2に記載のワッシャーによれば、前記積層体の外周を、前記反発弾性体の膨出を阻止する前記環状体で覆うことにより、その緩み止めの効果を向上させることができる。
【0016】
即ち、前記ワッシャーを通常の方法、つまり、前記ワッシャーを、前記締結部材と被締結部材との間に挟んだ状態にして、前記締結部材を締め込むと、前記積層体の前記反発弾性体は圧縮されて、前記薄肉剛性板の外周面よりも外側へ膨出しようとし、且つ、内周面よりも内側に膨出しようとする。
【0017】
しかしながら、前記反発弾性体は、内側方向への変形が前記孔に挿通された前記締結部材によって阻止され、外側方向の変形が前記環状体によって阻止されるため、圧縮力を受けた際の内圧を高くすることができ、前記締結部材の回転を拘束する前記積層体の反発力を増すことができるからである。
【0018】
前記ワッシャーは、前記一対の薄肉剛性板で前記反発弾性体を挟んだ形状になっているため、締結面の形状等に関係なく効果を発揮することができる。
【0019】
請求項3記載のワッシャーは、反発弾性体をゴム、または合成樹脂とすることを特徴としている。このようにゴムや合成樹脂を用いると、これらは塑性変形しにくいことから、前記ワッシャーが、繰返し荷重や振動を受けた場合でも緩み止め効果を維持することができる。
【0020】
また、前記ゴム厚や合成樹脂の厚みを変更することで、前記反発弾性体の剛性の調節を行なうことができるため、サイズを変えることなく、緩み止めに必要な反発力を高めたりすることが可能になる。なお、前記発弾性体の剛性の調節は、10〜200kN/mmの範囲で行なえば良い。
【0021】
なお、前記ゴムとしては引張強度等の機械的性能に優れた天然ゴムが好ましく、使用する箇所によっては耐油性・耐熱性・耐薬品性・耐寒性などを有するゴムを用いることもできる。
【0022】
請求項4記載のワッシャーは、反発弾性体がゴムと帆布とを積層したもの、またはゴムと剛性を有する薄板とを積層したものにすることを特徴としている。
【0023】
このように、前記反発弾性体を、ゴムと帆布とを積層したもの、またはゴムと剛性を有する薄板とを積層したものにすると、ゴムの変形を前記帆布や前記薄板で拘束して、圧縮力を受けた際の前記反発弾性体の内圧を高めることができる。これにより、前記反発弾性体の反発力を増すことができるため、緩み止め効果的を向上させることができる。
【0024】
なお、前記帆布にはクリープ伸びの少ないポリエステル帆布が好ましく、これを用いると、使用中に前記帆布の伸びが生じにくく、ゴムの変形が抑えられるため、前記反発弾性体の反発力の低下を防ぐことができる。
【0025】
請求項5記載のワッシャーは、反発弾性体を環状体に接着することを特徴としており、こうすることによって前記反発弾性体の変形をより拘束することができ、前記積層体の剛性を高めることができる。前記反発弾性体の接着は、接着剤や加硫接着などにより行なうことができるが、接着剤は乾燥した後にある程度弾力性を有しているものが好ましい。
【0026】
請求項6記載のワッシャーは、反発弾性体を薄肉剛性板に接着することを特徴としている。こうすると、上記請求項5のワッシャーの作用と同様、前記反発弾性体の変形をより拘束することができ、前記積層体の剛性を高めることができる。前記反発弾性体の接着は、接着剤や加硫接着などにより行なうことができる。
【0027】
請求項7記載のワッシャーは、薄肉剛性板と環状体とを接着すること特徴としている。こうすると、圧縮荷重を接着層である程度支持することができるので、剛性をより高めることができる。なお、接着は接着剤や加硫接着などにより行うことができるが、接着剤は乾燥した後にある程度弾力性を有しているものが好ましい。
【0028】
なお、上記請求項5〜7において使用可能な接着剤の例として、エポキシ樹脂系、ウレタン樹脂系、酢酸ビニル樹脂系等の樹脂系接着剤や、合成ゴム系接着剤、天然ゴム系接着剤等を挙げることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明にかかるワッシャーは、ボルトやネジなどが緩みにくく、高い安全性が要求される締結箇所や常時振動が加わるような締結箇所にも、安心して使用することができる。
【0030】
また、締結部材が緩みにくいため、保守点検の際に、増し締めなどを行なう手間が省けるし、保守作業がしにくい締結箇所に用いることで、締結部材の増し締めを頻繁に行わなくても済むため、保守作業の効率化を図ることができる。
【0031】
さらに、本発明のワッシャー1枚で、従来のスプリングワッシャーとプレートワッシャーとを併用する場合と同じような使い方ができるため、部品点数が減り締結作業の簡略化を図ることができる。
【0032】
反発弾性体を環状体や薄肉剛性板に接着したり、環状体と薄肉剛性板とを接着すると積層体の剛性が高まり、より緩みにくいワッシャーとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下に、本発明に係るワッシャーの実施形態を図面に基づいて説明する。
【0034】
図1(a)は、ワッシャー1の斜視図で、図1(b)は、図1(a)におけるA部の部分拡大図である。図1に示すように、ワッシャー1は、板状の反発弾性体4と、一対の薄肉鋼板2・3とを、一対の薄肉鋼板2・3の間に反発弾性体4を介在させた状態で積層し、中心部に厚み方向に貫通するボルト孔6を設けたものである。
【0035】
薄肉鋼板2・3は、厚み3mmの鋼板を直径66mmの円形状に形成したもので、中央部に直径24mmのボルト用の孔を設けている。反発弾性体4は、図1(b)に示すように、厚み1mmの帆布4a数枚と、機械的性能に優れている天然ゴムのゴムシート4bとを交互に積層したもので、直径66mm×厚み30mmの肉厚円板状に形成し、その中央
部に直径24mmのボルト用の孔を設けている。
【0036】
なお、帆布4aには、クリープ伸びの少ないポリエステル帆布が好適で、これを用いると使用中(つまり、締結ボルトの締付負荷が作用している状態)に帆布4aが伸びてゴムの拘束力が減少することがなくワッシャー1の反発力の低下を抑えることができる。
【0037】
このワッシャー1に対し、鉛直方向の圧縮荷重を10回にわたり、繰返し負荷した場合の荷重履歴曲線を図2のグラフに示す。グラフは縦軸が鉛直方向の荷重を表し、横軸が鉛直方向の変位を表している。なお、ワッシャー1への荷重の負荷は、図10(b)で説明したのと同じ圧縮試験機を用いて同じ方法で行なったため説明は省略する。
【0038】
図2のグラフに示すように、各履歴曲線のずれが少ないことから、ワッシャー1は、鉛直方向に繰り返し荷重を受けた場合でも剛性(トルク値)が低下しにくく、安定した反発力を発揮することがわかる。
【0039】
次に、ワッシャー1の作用を、図3を参照しつつ説明する。
【0040】
図3(a)は二枚の板状の被締結部材20・21の端部どうしを、締結ボルト22およびナット23とで締結した場合を示しており、ワッシャー1を断面図で表している。二枚の被締結部材20・21の端部にあるボルト孔(図示せず)を合わせ、それらのボルト穴に、下側の被締結部材21から締結ボルト22を貫通させる。そして、上側の締結部材20から突出している締結ボルト22のネジ部に、ワッシャー1を通したあと、ナット23を螺合させる。
【0041】
締結ボルト22が供回りしないように保持し、ナット23を締付けていくと、ワッシャー1がナット23と被締結部材20との間で挟まれて圧縮力を受ける。圧縮力を受けたワッシャー1は、上下の薄肉鋼板2・3の間隔が狭くなるため、反発弾性体4に厚み方向の圧縮力が作用する。反発弾性体4は、帆布4aによって、ゴムシート4bのゴムの変形が抑えられているため、内圧が高くなり剛性が高くなる。これにより、ワッシャー1は、締結ボルト22およびナット23の締結力に対して高い反発力を示すようになり、この反発力によって、締結ボルト22とナット23との摩擦力が増大し、締結ボルト22およびナット23の緩みが防止される。
【0042】
このようして、被締結部材20・21に締結した締結ボルト22の緩みと、鉄製のM24のサイズの平ワッシャーを用いた場合の締結ボルト22の緩みとを比較した。なお、被締結部材20・21は両方とも10mm厚の鋼板で、端部どうしを結合した状態になっている。
【0043】
締結ボルト22の緩みの比較は、どちらの場合も、締結ボルト22の締付トルクを約40kN・cmに設定し、結合された二枚の被締結部材20・21をそれぞれ、締結ボルト22の長さ方向に対してほぼ直角で、且つ、互いに逆向きになる方向に繰返し引張り(図3(b)参照)、締結ボルト22に、約150kNの繰り返し引張荷重を負荷した場合の締結ボルト22の締付トルクの変化を調べることで行なった。
【0044】
その結果、図4に示すように、平ワッシャーは、荷重を負荷するごとに締付トルクが低下し緩みが生じているのに対し、ワッシャー1は、荷重を40回負荷しても締付トルクの低下がみられず緩みが生じていないことがわかる。
【0045】
また、図1(c)に示すように、反発弾性体4の代わりに、高分子ポリエチレンで形成した肉厚円盤状の反発弾性体4’を用いることができる。この反発弾性体4’は、200kN/mm程度の剛性を有しており、中心部にはボルト用の孔が形成されている。このワッシャー1’について、圧縮荷重を繰返し負荷した場合の荷重履歴曲線を、ワッシャー1の場合と同様にして求めた。そのグラフを、図5に示す。
【0046】
図5のグラフより、ワッシャー1の図2のグラフよりも鉛直方向の変形量が少なく、ワッシャー1よりも高い剛性を有していることがわかる。また、各履歴曲線の左右のずれが少なく、剛性が低下しにくいことがわかる。
【0047】
なお、高分子ポリエチレンの代わりに、例えば、ポリウレタンなどの硬質の合成樹脂を用いることもできる。
【0048】
また、本発明にかかるワッシャーの別の実施形態として、図6に示すものがある。図6(a)は、ワッシャー11の斜視図であり、図6(b)は図6(a)におけるB−B断面を示す斜視図である。
【0049】
ワッシャー11は、一対の薄肉鋼板12・13の間に、円盤状の反発弾性体14を介在させた状態で積層した積層体15の外周を、反発弾性体14の膨出を阻止する金属製のリング17で覆ったものである。そして、ワッシャー11の中心部には、積層体15を貫通するボルト孔16が設けられている。
【0050】
薄肉鋼板12・13は、厚み3mmの鋼板が用いられており、直径66mmの円形状に形成されて中心部に直径24mmの孔が設けられている。反発弾性体14は、天然ゴムが使用されており、直径66mm×厚み30mmの肉厚円板状に形成されて中央部に直径24mmの孔が設けられている。この反発弾性体14の剛性は、約15kN/mmになっている。また、リング17は、外径76mm×内径66mm×厚み36mmの円環状に形成されており、その内面に沿って積層体15が摺動可能になっている。
【0051】
ワッシャー11は、図6(c)に示すように取付けると、積層体15がナット23と被締結部材20との間で挟まれて圧縮力を受ける。圧縮力を受けた積層体15は上下の薄肉鋼板12・13の間隔が狭くなるため、反発弾性体14に厚み方向の圧縮力が作用する。
【0052】
このように、圧縮された反発弾性体14は、二枚の薄肉鋼板12・13の間から半径方向の内側と外側との両方向に向かって膨らむような変形をしようとする。
【0053】
しかしながら、内側方向にはボルト穴16に挿通されている締結ボルト22があるため、反発弾性体14は内側方向への変形が阻止され、外側方向は、積層体15の周りにある拘束リング17によって拘束されているため膨出しないようになっている。
【0054】
こうして、反発弾性体14は、二枚の薄肉鋼板12・13と拘束リング17と締結ボルト22とで囲まれた空間に密封された状態になるため、ゴム本来の剛性に加え圧縮力を受けたことによる内圧の増加によってより剛性が高まり、積層体15はより大きな反発力を示すようになる。
【0055】
これにより、ナット23を締付けると、積層体15の反発力によって締結ボルト22とナット23との摩擦力が増大し、締結ボルト22が緩みにくくなるのである。
【0056】
なお、反発弾性体14として、高分子ポリエチレン、ポリウレタンなどの硬質の合成樹脂を用いることもできる。
【0057】
また、別の実施形態として、ゴムと帆布とを積層したものを反発弾性体としたワッシャー11’がある。
【0058】
このワッシャー11’は、図7(a)に示すように、積層体15’の反発弾性体14’は、厚み約1mmの帆布14a’を、厚み約20mmの二枚の天然ゴムシート14b’・14c’で上下から挟み込んだもので、薄肉鋼板12・13と同じ直径で厚み21mmの円盤状に形成されている。なお積層体5’以外の部分はワッシャー11と同じであるため同じ符号を付し説明は省略する。
【0059】
このように、反発弾性体14’を、帆布14a’とゴムシート14b’・14c’とを積層したものにすると、ゴムシート14b’・14c’のゴムは、帆布14a’によって変形しにくくなる。すると、反発弾性体14’は、圧縮力を受けた際の内圧が高くなり、反発力を高めることができる(図7(b)参照)。これによって、積層体15’の反発力が増し、緩み止めの効果を向上させることができる。
【0060】
このワッシャー11’について、ワッシャー11と同様に、鉛直方向の荷重を繰返し負荷した場合の、鉛直方向の変位の変化を図8のグラフに示す。
【0061】
図8のグラフに示すように、履歴曲線は直線状になっており、しかも各履歴曲線がほぼ重なった状態になっていることから、ワッシャー11’は鉛直方向に繰り返し荷重を受けてもほとんど剛性が低下せず、安定した反発力を備えていることがわかる。つまり、ワッシャー11’は、締結部材の緩み止めに対して、優れた効果を発揮することを示している。
【0062】
なお、帆布14a’の代わりに薄い金属や硬質の合成樹脂などの剛性板を用いても同様の履歴曲線を得ることができる。
【0063】
さらに、図示は省略するが、ゴムシート14b’・14c’の代わりに、硬質の合成樹脂、例えば、高分子ポリエチレンの他に、ポリウレタンなどを用いることができる。
【0064】
なお、実施形態としては上記したものに限らず、例えば、反発弾性体を径が異なる複数のリング状ゴムで構成することもできる。例えば、図9(a)に示すワッシャー11”の反発弾性体14”のように、径の異なる複数のリング状ゴム14a”を放射状に配置し、積層体15”が圧縮された場合に、最も外側のリング状ゴム14a”の外周面が外側へ膨らむような変形をし、且つ最も内側のリング状ゴム14b”の内周面が、内側に膨らむ変形をするように構成することもできる。なお、図の中でワッシャー11と同じものには同一の符号を付して表した。
【0065】
また、図9(b)に示すワッシャー11”’のように、下の薄肉鋼板13”’の外周端部を上方に延長して環状の折り曲げ部13a”’を形成することで、下の薄肉鋼板とリングとを一体型にすることもできる。このワッシャー11”’は、上の薄肉鋼板2に上方から圧力が加わると、薄肉鋼板12が折り曲げ部13a”’内を摺動しながら下方へ変位してゴムである反発弾性体14を圧縮するように働くのである。なお、図の中でワッシャー11と同じものには同一の符号を付して表した。
【0066】
それから、積層体の厚みは拘束リングの高さと同じような寸法でなくても、積層体に圧縮力が作用した場合に、反発弾性体の変形を拘束リング17によって確実に拘束することができれば良いため、例えば、図9(c)のワッシャー11””のように、反発弾性体14””の厚みを厚くして無負荷状態での積層体15””の厚みの寸法が拘束リング17””の高さよりも大きくなるようにしておくこともできる。
【0067】
また、ワッシャーの積層体は上記実施形態のように、円形に限ることはなく、例えば四角形状にすることもできる。
【0068】
次に、上下の薄肉鋼板と拘束リングとの隙間がワッシャーの緩み止め効果に及ぼす影響について説明する。ワッシャーは図6(a)と同じものを使用し、図12の(a)と(b)とに示すように、上下の薄肉鋼板12・13の径をやや小さくして拘束リング17との間に隙間Sが生じるようにしている。
【0069】
このワッシャー11に対して、積層体15を上下方向(鉛直方向)に圧縮する荷重を負荷しその鉛直荷重―変位履歴曲線を求めた。これに使用した治具を図13に示す。この治具120は、上下に肉厚円板状の押え板121と受け板122とがそれぞれ配設されており、押え板121と受け板122との間にはボルトに見立てた貫通棒123を配置している。この貫通棒123によって反発弾性体は内側へ膨らまないようになっている。貫通棒123は両部端をそれぞれ、押え板121と受け板122とに各々設けた挿入孔121a・122aに挿入された状態で取り付けられており、押え板121の挿入孔121aはワッシャーを治具にセットした際、内面上部と貫通棒123の上面との間に、ある程度隙間が形成される奥行きを有している。
【0070】
この治具120に、ワッシャー11を押え板121と受け板122との間に挟み、且つ、貫通棒123を貫通させた状態でセットする。この治具120を図10(b)に示す圧縮試験機110の試料受台110aに載置し、押圧部110cで押え板121を押圧しワッシャー11の反発弾性体を圧縮する。
【0071】
図14〜16のグラフは隙間Sをそれぞれ、1.5mm、1.6mm、1.8mmにした各ワッシャー11の荷重―変位履歴曲線を示している。
【0072】
隙間S=1.5mmのワッシャー11に鉛直荷重を負荷した場合、約260kNの荷重を負荷しても反発弾性体14が隙間Sからはみ出すことがなく、荷重―変位履歴曲線からも剛性の低下は見られない。
【0073】
隙間S=1.6mmのワッシャー11場合は、鉛直荷重が220kN付近に達したあたりから反発弾性体14がはみ出し、荷重―変位履歴曲線は傾きが急に変化して緩くなり、積層体15の剛性の大幅な低下が見られた。
【0074】
隙間S=1.8mmのワッシャー11の場合は、鉛直荷重が120kNになったあたりから反発弾性体14がはみ出す現象が見られ、荷重―変位履歴曲線の傾きも急に変化して緩くなり、積層体15の剛性の大幅な低下が見られた。
【0075】
したがって、図14〜16のグラフに示す荷重―変位履歴曲線から、鉛直荷重が260N/mm2以内の場合、つまり、反発弾性体14の圧縮応力が0〜200N/mm2の範囲内であれば、隙間Sが0〜1.5mmの範囲(即ち、上下の薄肉鋼板12・13の外径と拘束リング17の内径との差が0〜3.0mmの範囲)内にあると、反発弾性体14が隙間Sからはみ出ることがなく、積層体15は剛性を維持することができ、ワッシャー11は安定した緩み止めの効果を発揮する。
【0076】
この隙間Sの大きさは、反発弾性体14の材質の硬度等によって変えれば良く、材質が天然ゴムの場合だと隙間Sの大きさは0.2〜0.6mmが製作上望まし。
【0077】
隙間Sが0.2mmを下回ると、薄肉鋼板12・13を拘束リング17に嵌入しづらくなり、0.6mmを上回ると、薄肉鋼板12・13と拘束リング17とのガタつきが大きくなる。
【0078】
また、上下の薄肉鋼板12・13や拘束リング17を、反発弾性体14に接着させると、積層体15の剛性を高めたり、積層体15の拘束リング17からの抜けを防止することができる。
【0079】
つまり、図17(a)に示すように、上下の薄肉鋼板12・13と反発弾性体14とを加硫接着し一体にすると、上下の薄肉鋼板12・13と反発弾性体14との間にずれが生じなくなり、反発弾性体14の変形がより拘束され積層体15の剛性を高めることができる。
【0080】
そして、接着層Cを上下の薄肉鋼板12・13と拘束リング17との隙間Sを塞ぐように設けると、反発弾性体14を封じ込めることができ、隙間Sからのはみ出しがなくなり積層体15の剛性の低下を抑えることができる。
【0081】
この接着層Cを図17(b)に示すように、反発弾性体14の外周面に延長するようにして、接着層Dを反発弾性体14と拘束リング17との間に設けることにより、積層体15と拘束リング17とが堅固に接着され、積層体15と拘束リング17とが分離するのを防ぐことができる。
【0082】
また、図17(c)に示すように、接着層Dを上下いずれか一方だけにして製造工程の簡略化を図ることができるし、図17(d)に示すように、反発弾性体14の外周面の全面に設けることもできる。
【0083】
この接着層Dの高さは、反発弾性体14の高ささの15〜35%程度が、加工性と、高面圧下における拘束リングからの薄肉鋼板12・13や反発弾性体14の脱落防止効果とを満たすうえで最適な値である。この値が30%のワッシャー11と、0%のワッシャー11との荷重−履歴曲線を図18と図19とにそれぞれ示す。これらの図から、同一の鉛直荷重に対して0%のワッシャー11の変位の方が大きく、0%のワッシャー11が30%のワッシャー11に比べて低剛性になっており、接着層Dが剛性に影響することを示している。
【0084】
その他に、薄肉鋼板と拘束リングとを接着することでもワッシャーの剛性を高めることができる。このことについて、図17(c)のタイプのワッシャーを使い接着した場合とそうでない場合との剛性の違いについて、鉛直荷重―鉛直変位履歴曲線を求め比較した。各ワッシャーの履歴曲線は、接着有の方を図20に示し、接着無の方を図21に示した。
【0085】
図20の履歴曲線からは剛性の低下が見られなかったのに対し、図21の履歴曲線は鉛直荷重が250kN程度になると水平に変化し著しい剛性の低下が見られた。
【0086】
これまで説明した本発明のワッシャーはいずれもその緩み防止の性能を、サイズ変更をせずに、即ち、ワッシャーの径はそのままにして自由に変えることができる。これは積層体の反発弾性体の厚みを変更することで積層体の剛性が変化し、反発力が変わるためで、厚みを厚くすれば反発弾性体の変位量が大きくなって積層体の剛性が低くなり、逆に厚みを薄くすると反発弾性体の変位量が小さくなって積層体の剛性が高くなるからである。
【0087】
このことについて、図17(b)のタイプの二個のワッシャー11を用いて実験を行なった。各ワッシャー11の反発弾性体14の厚みはそれぞれ31mm、37mmにしたものである。そして、各ワッシャー11の接着層Dの長さは、上側が約10mm、下側が約5mmになっている。
【0088】
これらのワッシャー11にそれぞれ上下方向の圧縮力を負荷し、鉛直荷重―変位履歴曲線をそれぞれ求めた(図20、21を参照)。反発弾性体14の厚みが31mmのワッシャー11は、鉛直荷重260kNまで剛性の低下が見られなかったのに対して(図22参照)、反発弾性体14の厚みが37mmのワッシャー11は、鉛直荷重220kN/mmあたりから履歴曲線が水平になり剛性の低下が見られた(図23参照)。
【0089】
このように反発弾性体14の厚みを変えるだけで、ワッシャーの緩み防止の性能を自由に変えることができるので、用途や要求に応じた自由な設計が可能になる。
【0090】
次に、図6(a)に示すタイプのワッシャーについて、薄肉鋼板と拘束リングとの厚みが実際どの程度必要かを述べる。
【0091】
ワッシャー11は図3に示した状態で使用されるため、上側の薄肉鋼板12はナットによって下側の薄肉鋼板13の方へ押圧されて反発弾性体14を圧縮する。そうすると、上下の薄肉鋼板12・13は三軸応力圧縮下にある反発弾性体14から反発力を受け、また、これと同等の力が拘束リング17に作用する。これは、三軸圧縮応力下にある反発弾性体14は、水と同じように圧力を伝達するからで、反発力、即ち圧縮力となり、ワッシャー11の内圧は圧縮力を反発弾性体14との接触面積で除した値となる。
【0092】
したがって、上下の薄肉鋼板12・13および拘束リング17の厚みは、ワッシャー11の内圧がこれらの許容引張応力(σt)以下になるように設計しなければならない。すると、上下の薄肉鋼板12・13および拘束リング17との厚み(t)は、次式で表すことができる。
【0093】
t=(P×r)/(σt×σ)
なお、tは厚み、Pは内圧、rは反発弾性体との接触面積、σtは許容引張応力、σはポアソン比を表している。
【0094】
この式を用いて建築・土木分野での使用に適したワッシャーとするには厚みがどの程度必要かを求めた。上下の薄肉鋼板12・13および拘束リング17はSS400の鋼板を用い、上下の薄肉鋼板12・13の外径を66mm、拘束リング17の内径を66mm、ボルト孔16を24mm、反発弾性体14は外径を66mmにするとともに、高さを35mmに規定した。また、許容引張応力は54N/mm2、ポアソン比は0.5の値を用いた。
【0095】
そうして、建築・土木分野で通常使用されている圧縮力10〜500kNの範囲で厚みを求めると、上下の薄肉鋼板12・13と拘束リング17との厚みは0.15〜6.8mmとなった。これに安全率を1.5程度見込んだ最適厚みは0.3〜10.5mmとなる。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】(a)は本発明にかかるワッシャーの実施形態を示す斜視図であり、(b)は(a)におけるA部の部分拡大図で、(c)は、別の実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1(a)のワッシャーに、鉛直方向の繰返し荷重を負荷した場合の、鉛直方向の変位の変化を示すグラフである。
【図3】(a)は、図1(a)のワッシャーを用いて、板状の被締結部材どうしを、締結ボルトで連結した状態を示す説明図であり、(b)は、被締結部材の引張方向を示す説明図である。
【図4】(a)は、図1(a)のワッシャー、または、M30の平ワッシャーを用いて被締結部材に締結したボルトに対し、繰返し荷重を負荷した場合のボルトの緩みを示すグラフである。
【図5】図1(a)のワッシャーの反発弾性体を、高分子ポリエチレンに変更したワッシャーに対し、鉛直方向の繰返し荷重を負荷した場合の、鉛直方向の変位の変化を示すグラフである。
【図6】(a)は、本発明にかかるワッシャーの別の実施形態を示す斜視図で、(b)は、その断面図を示し、(c)はその使用状態を示している。
【図7】(a)は、本発明にかかるワッシャーのさらに別の実施形態を示す斜視図で、(b)は、その使用状態を示している。
【図8】図7(a)のワッシャーに、鉛直方向の繰返し荷重を負荷した場合の、鉛直方向の変位の変化を示すグラフである。
【図9】(a)は、反発弾性体にリング状のゴムを用いた本発明のワッシャーを示す縦断面図で、(b)は下の薄肉剛性板と拘束リングとが一体型になった本発明のワッシャーを示す縦断面図で、(c)は積層体の厚みを拘束リングの高さよりも大きい寸法に設定したワッシャーである。
【図10】(a)は従来のワッシャーを示す斜視図で、(b)はこの従来のワッシャーを圧縮試験機に取り付けた状態を示す説明図で、締結用部品を一部断面図を用いて表している。
【図11】従来のワッシャーに鉛直方向の荷重を負荷した場合の、鉛直方向の変位の変化を示すグラフで、平ワッシャーと皿バネとの変化についても合わせて示している。
【図12】(a)本発明にかかるワッシャーの一実施形態の平面図で、(b)はその中心縦断面図である。
【図13】ワッシャーを圧縮試験機にセットするために用いる治具の概略図である。
【図14】隙間S=1.5mmのワッシャーの鉛直荷重―変位履歴曲線を示すグラフである。
【図15】隙間S=1.6mmのワッシャーの鉛直荷重―変位履歴曲線を示すグラフである。
【図16】隙間S=1.8mmのワッシャーの鉛直荷重―変位履歴曲線を示すグラフである。
【図17】(a)〜(b)は本発明にかかるワッシャーの実施形態であって、上下の薄肉剛性板や環状体を加硫接着によって反発弾性体と一体にしたワッシャーの中心縦断面図である。
【図18】接着層Dの高さが反発弾性体の30%高さになっているワッシャーの鉛直荷重―鉛直変位履歴曲線を示すグラフである。
【図19】接着層Dの高さが反発弾性体の0%高さになっているワッシャーの鉛直荷重―鉛直変位履歴曲線を示すグラフである。
【図20】薄肉鋼板と拘束リングとを接着したワッシャーの鉛直荷重―鉛直変位履歴曲線を示すグラフである。
【図21】薄肉鋼板と拘束リングとを接着していないワッシャーの鉛直荷重―鉛直変位履歴曲線を示すグラフである。
【図22】反発弾性体の厚みを薄くした本発明にかかるワッシャーの実施形態の鉛直荷重―変位履歴曲線を示すグラフである。
【図23】反発弾性体の厚みを厚くした本発明にかかるワッシャーの実施形態の鉛直荷重―変位履歴曲線を示すグラフである。
【符号の説明】
【0097】
1、1’、1”’、1”” ワッシャー
2、12 薄肉鋼板
3、13、13”’ 薄肉鋼板
3a”’ 取り曲げ部
4、4’、14、14” 反発弾性体
4a’14a’ 帆布
4b、14b’、14c’ ゴムシート
15、15’、15” 積層体
6、16 ボルト孔
17、17”” 拘束リング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
締結部材の緩みを防止するワッシャーであって、反発弾性体と一対の薄肉剛性板とが、前記薄肉剛性板の間に、前記反発弾性体を介在させた状態で、積層されており、その中央部に、前記締結部材を挿通するボルト孔が、厚み方向に貫通して設けられ、前記反発弾性体が、ゴムと帆布とを積層したもの、または、ゴムと剛性を有する薄板とを積層したもの、或は、硬質の合成樹脂であることを特徴とするワッシャー。
【請求項2】
締結部材の緩みを防止するワッシャーであって、一対の薄肉剛性板の間に反発弾性体を介在させた積層体を備え、この積層体の中央部に、前記締結部材を挿通するボルト孔が、厚み方向に貫通して設けられており、且つ前記積層体の外周が、前記反発弾性体の膨出を阻止するための環状体で覆われていることを特徴とするワッシャー。
【請求項3】
前記反発弾性体が、ゴムまたは合成樹脂であることを特徴とする請求項2記載のワッシャー。
【請求項4】
前記反発弾性体が、ゴムと帆布とを積層したもの、または、ゴムと剛性を有する薄板とを積層したものであることを特徴とする請求項2記載のワッシャー。
【請求項5】
前記反発弾性体が、前記環状体に接着されていることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のワッシャー。
【請求項6】
前記反発弾性体が、前記薄肉剛性板に接着されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のワッシャー。
【請求項7】
前記薄肉剛性板と前記環状体とが接着されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のワッシャー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2006−258278(P2006−258278A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−207328(P2005−207328)
【出願日】平成17年7月15日(2005.7.15)
【出願人】(000005061)バンドー化学株式会社 (429)
【Fターム(参考)】