説明

ワーク検査装置及びワーク検査方法

【課題】周期的に繰り替えられて形成された部分を有するワークの撮像及び検査に要する時間を短縮しつつ、欠陥の見逃しを低減できるワーク検査装置及びワーク検査方法を提供する。
【解決手段】ワークWを一定の回転速度で回転させつつ、一定の間隔で出力される基準パルスに基づいた一定の周期毎に、ワークWの歯部W1を少なくとも2カ所以上含むように撮像し、撮像したk(kは整数)番目の画像と(k+1)番目の画像との差分データに基づいて欠陥を検出する構成で、撮像エリアAR1内の基準の歯部W1A〜W1Dに対して斜めに光を照射する照明装置100を備えるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、凸部や凹部の形状部分が周期的に繰り返されて形成されたワークを回転させ、当該ワークの形状部分を撮像して検査するワーク検査装置及びワーク検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
搬送手段で搬送されたワークである歯車をカメラで撮像し、撮像画像から歯車の歯の欠損の有無を検出する外観検査装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この種の外観検査装置には、自動車用エンジンのターボチャージャーなどに用いられる羽根車(タービンホイール)をサーボモーターで回転自在に保持し、サーボモーターでステップ送りして撮像用の位置で回転停止させ、固定設置されたカメラで全ての各羽根を撮像できるようにしている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−231842号公報
【特許文献2】特開2009−52917号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ワークに周期的に繰り替えられて形成された部分(歯車の歯や羽根車の羽根等)を撮像し、各撮像画像から外観検査する場合、各撮像画像を同条件(例えば、同じ位置)で撮像することが望まれる。
しかしながら、上記特許文献2の構成は、引用文献1に比して回転させれば多数の検査箇所を撮像できるメリットがあるものの、ワークをステップ送りして所定の回転角度で停止させるため、ワークを精度良く停止させるための構造及び制御が必要になってしまう。また、撮像毎に停止させるため、全ての撮像が終了するまでに時間を要してしまう。さらに、従来は、撮像画像から傷や連続欠陥を検出する画像処理の処理負担が大きく、これも時間を要してしまう要因であった。
また、従来の構成は、ワークを一定方向の照明や一定方向の観察点で撮像するため、ワークについた傷を見逃す可能性があった。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、周期的に繰り替えられて形成された部分を有するワークの撮像及び検査に要する時間を短縮しつつ、欠陥の見逃しを低減できるワーク検査装置及びワーク検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、凸部や凹部の形状部分が周期的に繰り返されて形成されたワークを回転させ、当該ワークの形状部分を撮像して検査するワーク検査装置において、前記ワークを一定の回転速度で回転させつつ、一定の間隔で基準パルスを出力するワーク回転機構と、前記基準パルスに基づいた一定の周期毎に、前記ワークの形状部分を少なくとも2カ所以上含むように撮像する撮像機構と、前記基準パルスに基づいて、前記ワークの形状部分と撮像タイミングとを同期させる撮像制御部と、前記撮像機構が撮像する際に、撮像エリア内の基準の形状部分に対して斜めに光を照射する照明装置と、撮像したk(kは整数)番目の画像と(k+1)番目の画像との差分を得る画像処理を行い、差分のデータに基づいて欠陥を検出する検査処理部とを備えることを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、ワークを一定の回転速度で回転させつつ、一定の間隔で出力される基準パルスに基づいた一定の周期毎に、前記ワークの形状部分を少なくとも2カ所以上含むように撮像し、撮像したk(kは整数)番目の画像と(k+1)番目の画像との差分データに基づいて欠陥を検出する構成で、撮像エリア内の基準の形状部分に対して斜めに光を照射する照明装置を備えるので、照明装置により輝度ムラを低減しながら、ワークを止めずに撮影(無停止撮影)でき、撮影に要する時間を短縮できると共に、単一の撮像画像データから欠陥検出する場合に比して隣接画像の差分データでは欠陥判定の対象データを少なくでき、検査に要する時間も短縮できる。従って、周期的に繰り替えられて形成された部分を有するワークの撮像及び検査に要する時間を短縮しつつ、欠陥の見逃しを低減することができる。
【0008】
上記構成において、前記ワークは、前記形状部分が前記ワークの周方向に沿って周期的に繰り返された平面視で略円形のワークであり、前記照明装置は、前記平面視で、前記撮像エリア内の基準の形状部分に対して斜めに光を照射するようにしてもよい。この構成によれば、撮像機構側から見た表面全体を照射しつつ、形状部分等での輝度ムラを低減することができ、より欠陥の見逃しを低減できる。また、撮像画像中の形状部分毎に異なる照明環境で撮像することができ、これによっても欠陥検出精度が向上し、欠陥の見逃しを低減することができる。
【0009】
また、上記構成において、前記照明装置は、前記光を拡散光にして前記撮像エリアに照射させる透過型の拡散板を有するようにしてもよい。この構成によれば、撮像画像中の輝度ムラをより小さくでき、より欠陥の見逃しを低減できる。
また、上記構成において、前記照明装置は、前記撮像機構の撮像エリアに向かう光が通る光路部を有し、この光路部の光軸が、前記撮像エリア内の基準の形状部分に対して斜めであり、この光路部の出射側に、前記拡散板が設けられるようにしてもよい。この構成によれば、光路部の位置や向きの調整により、基準の形状部分の輝度ムラが少なくなるように容易に調整することが可能である。
この場合、前記光路部の光軸は、前記撮像機構のレンズ光軸に対して斜めにすることによって、撮像画像中の輝度ムラを効率よく低減可能である。
【0010】
また、上記構成において、前記撮像機構のレンズ光軸を、前記平面視で、前記ワークの回転中心を通って前記ワークの径方向に延びるワーク中心通過軸から平行にオフセットし、前記照明装置の照明中心を、前記平面視で、前記レンズ光軸に対して、前記ワーク中心通過軸と反対側に配置し、前記照明装置の出射側を、前記照明中心を基準にして前記ワークの回転中心側に傾けるようにしてもよい。この構成によれば、複数の形状部分を撮像しながら、形状部分による影を生じにくくすることができる。
また、上記構成において、前記検査処理部は、撮像した画像と予め記憶された良品の画像との差分を得る他の画像処理を行い、この画像処理で得た差分のデータに基づいて欠陥を検出する他の検査処理を行うようにしてもよい。この構成によれば、複数の形状部分に渡って連なる連続欠陥についても精度良く検出することができる。
また、上記構成において、前記検査処理部は、撮像した(k+1)番目の画像とk番目の画像との差分のデータと、他の画像処理で得た差分のデータとの各々で欠陥を検出しない場合に、前記ワークを良品と判定するようにしてもよい。この構成によれば、精度良く良品判定ができる。
【0011】
また、上記構成において、前記撮像機構は、前記ワークと一体に回転し、回転中心に対して前記ワークの形状部分と同じ角度間隔で被検出部を有する回転体と、この回転体の被検出部を検出する毎に、ワークパルスを出力する近接センサとを備えるワークパルス出力機構と、前記ワークパルス間の間隔を、前記基準パルスで計数して前記間隔に対応するパルス数を得るパルス計数部とを備え、前記撮像制御部は、前記ワークパルスをトリガーとして、前記基準パルスを基準にした撮像タイミングで撮像し、この撮像タイミングから前記基準パルスが前記パルス数だけ出力される毎に、前記基準パルスを基準にした撮像タイミングで撮像するようにしてもよい。この構成によれば、実際のワークの形状部分に合わせつつ、基準パルス基準で撮像することができるので、無停止撮影を行いつつ、精度良く各形状部分を同条件(同位置)で撮像できる。この撮像精度の向上により、欠陥の検出精度が向上すると共に、この検出精度を維持しつつワークの高回転化が可能であり、より一層の時間短縮を図ることが可能になる。
【0012】
また、本発明は、凸部や凹部の形状部分が周期的に繰り返されて形成されたワークを回転させ、当該ワークの形状部分を撮像して検査するワーク検査方法において、前記ワークの形状部分を撮像する撮像機構が撮像する際に、当該形状部分を少なくとも2カ所以上含むように撮像し、当該各形状部分は互いに明暗が違っていることを特徴とする。この構成によれば、撮像画像には、互いに明暗が違う複数の形状部分が撮像されるので、一つの形状部分に対し、明暗が異なる複数の照明環境で複数の撮像画像を得ることができ、各撮像画像を検査することで、複数回の検査タイミングを図ることができる。このため、周期的に繰り替えられて形成された部分を有するワークの撮像及び検査に要する時間を短縮しつつ、欠陥の見逃しを低減できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明では、ワークを一定の回転速度で回転させつつ、一定の間隔で出力される基準パルスに基づいた一定の周期毎に、前記ワークの形状部分を少なくとも2カ所以上含むように撮像し、撮像したk(kは整数)番目の画像と(k+1)番目の画像との差分データに基づいて欠陥を検出する構成で、撮像エリア内の基準の形状部分に対して斜めに光を照射する照明装置を備えるので、周期的に繰り替えられて形成された部分を有するワークの撮像及び検査に要する時間を短縮しつつ、欠陥の見逃しを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係るワーク検査装置を示す図である。
【図2】ワークの製造工程を示す図である。
【図3】ワーク検出用治具を周辺構成と共に示す図である。
【図4】ワーク検査装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】パルス出力のタイムチャートである。
【図6】欠陥検出処理を示すフローチャートである。
【図7】第1欠陥検出を示す図である。
【図8】第2欠陥検出を示す図である。
【図9】撮影レイアウトを示す斜視図である。
【図10】撮影レイアウトを上面視で示す図である。
【図11】照明光の光軸をレンズ光軸に対して傾けない場合を説明する図である。
【図12】照明光の光軸をレンズ光軸に対して傾けた場合を説明する図である。
【図13】(A)〜(C)は比較例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るワーク検査装置を示す図である。
このワーク検査装置10は、外観検査用の撮像装置を兼用する装置であり、ワーク(本構成では歯車)Wの製造工程に配置され、この製造工程で製造されたワークWをカメラ(撮像部)11で撮像し、外観検査に適した撮像画像を得て検査処理(画像処理)を行う装置である。ここで、ワークWの製造工程は、図2に示すように、ワークWの加工工程(歯車の歯切り等)→研削行程→洗浄工程→検査工程と続き、最終工程である検査工程にてこのワーク検査装置10が使用される。
より具体的には、ワークWは研削行程の後に、作業者が段取り替えして洗浄工程に移行し、洗浄工程を経た後、エアーブローにより洗浄液が落とされ、洗浄工程の段取り状態のまま、ワーク検査装置10での撮像処理を含む検査工程に移行するようになっている。つまり、洗浄工程と検査工程は同じ段取り状態(セッティング)で実施され、時間の短縮化を図っている。
【0016】
図1に示すように、このワーク検査装置10は、ワークWを回転させるワーク回転機構20と、回転中のワークWを撮像する撮像機構30と、ワークWに周期的に繰り返されて形成された歯部W1(後述する図3)の位置を示すワークパルスPWを出力するパルス出力機構(ワークパルス出力機構)40と、これらの制御や検査処理等の各種情報処理を行う情報処理装置50と、作業者が操作する表示機能付き操作装置60とを備えている。なお、情報処理装置50は、パーソナルコンピューターに、各種回路を実装した実装基板を組み込むことによって構成される。
【0017】
ワーク回転機構20は、ワークWが固定されるホルダ部21と、ホルダ部21を回転駆動するモーター22と、モーター22の回転軸22Aに配置されるエンコーダ23と、モーター駆動部24とを備えている。
ホルダ部21は、モーター22の回転軸22Aと連結され、回転軸22Aと同速で回転することにより、ワークWを回転させる。このホルダ部21は、ワークWを軸方向に貫通する貫通孔に通される軸部21Aと、ワークWを軸部21Aと同軸でクランプする公知のクランプ機構(不図示)とを有し、この軸部21AがワークWとキーK(図3参照)で結合される。これにより、軸部21AとワークWとが一体に回転するようにキー結合される。
ここで、本構成のワークWは、自動車のトランスミッションに使用される金属製の歯車であり、この種の歯車にはキー溝が設けられており、このキー溝を利用してホルダ部21に固定している。
【0018】
図1に示すように、軸部21Aの基端側(モーター22の回転軸22A側)には、パルス出力機構40の一部を構成するワーク検出用治具(回転体)41が取り付けられる。
図3は、このワーク検出用治具41を周辺構成と共に示す図である。
ワーク検出用治具41は、ホルダ部21に取り付けられるワークWを模した板部材であり、ワーク検出用治具41に周期的に繰り返されて形成された疑似歯部(疑似形状部,被検出部)41Aを近接センサ42で検出可能にする形状を有している。
より具体的には、このワーク検出用治具41は、軸部21Aの回転中心O1を中心として軸部21Aから拡径する拡径部品であって、ワークWの歯部W1のピッチと同じ角度間隔で径方向外側に突出する凸部で形成された疑似歯部(被検出部)41Aを有する薄板形状に形成されており、言い換えれば、このワーク検出用治具41は、ワークWの側断面形状と相似形の断面形状を有する平歯車形状に形成されている。
【0019】
このワーク検出用治具41は、ワークWの背面近傍位置で、軸部21Aと一体回転するように軸部21Aにキー結合されている。これによって、ワーク検出用治具41は、ワークWと軸方向にずれた近傍位置でワークWと一体に回転する回転体として機能する。
また、ワーク検出用治具41の疑似歯部41AとワークWの歯部W1とは、軸部21Aの回転中心O1に対して同じ角度間隔で配置されている。本構成では、図3に示すように、ワーク検出用治具41とワークWとを共通のキーKで結合することにより、ワーク検出用治具41の疑似歯部41AとワークWの歯部W1とを同一位相に揃えている。
また、図示のように、このワーク検出用治具41は薄板部材で形成されるため、このワーク検出用治具41をホルダ部21におけるワークWが装着されない基端側領域を利用して容易に配置することができる。
【0020】
モーター22は、速度制御に適したサーボモーターが使用され、情報処理装置50の制御の下、モーター駆動部24から出力されるモーター駆動信号SMに基づいて一定の回転速度で回転駆動される。
エンコーダ23は、モーター22の回転軸22Aに配置され、この回転軸22Aの回転速度に応じた周波数の基準パルスPAを出力する。本構成では、モーター22が一定の回転速度で駆動されるため、エンコーダ23は、一定の周波数の基準パルスPAを出力する。
このエンコーダ23には、同じ時間内に、ワークWの歯部W1の位置で出力されるワークパルスPWよりも10〜100倍のパルス数を出力するエンコーダが用いられており、つまり、ワークWの歯部W1の1ピッチ当たりの回転角度で10〜100個のパルス(例えば、16パルス)を出力する分解能とされている。このエンコーダ23には、ロータリーエンコーダが使用される。
【0021】
このエンコーダ23から出力される基準パルスPAは、モーター駆動部24に入力される。モーター駆動部24は、基準パルスPAに基づいてモーター22をフィードバック制御することにより、モーター22を一定の回転速度に精度良く制御する。また、基準パルスPAは、モーター駆動部24を経由して情報処理装置50にも入力される。
なお、モーター駆動部24は、モーター制御機能付きのPLC(Programmable Logic Controller)で構成されているが、これに限らず、情報処理装置50に内蔵されていてもよい。
このモーター駆動部24には、表示機能付き操作装置60が接続され、この操作装置60が具備する操作盤が操作されることによって、作業者からの操作指示がモーター駆動部24に入力され、その操作指示に従ってモーター駆動部24や情報処理装置50が各種処理を行う。また、表示機能付き操作装置60は、モーター駆動部24を介して入力した各種情報を表示する表示機を備えている。
【0022】
パルス出力機構40は、上記したワーク検出用治具41と、ワーク検出用治具41の疑似歯部41Aを非接触で検出する単一の近接センサ42とを備えている。近接センサ42は、図3に示すように、センサ部42Aがワーク検出用治具41の外周面に向けて配置され、ワーク検出用治具41の疑似歯部41Aを磁気的に検出する毎にワークパルスPWを出力する。
図1に示すように、ワークパルスPWは、情報処理装置50内のパルス中心検出回路51に入力され、このパルス中心検出回路51によってワークパルスPWの中心(パルス幅中心に相当)を示す中心データSPが生成され、情報処理装置50内のパルス計数部52と制御部(撮像制御部、検査処理部)53とに入力される。
パルス計数部52は、連続するワークパルスPWの中心間で基準パルスPAのパルス数N1(基準パルス数NPと言う)を計数することにより、ワークパルスPW間の基準パルス数NPを取得し、制御部53に通知する。
【0023】
制御部53は、基準パルスPAを基準にした撮像タイミングで撮像するようにカメラ11の動作を制御する撮像制御部として機能するものであり、基準パルスPAが入力されるとともに、パルス中心検出回路51が検出したワークパルスPWの中心、及び、パルス計数部52が計数したワークパルスPW間の基準パルス数NPが通知される。
この制御部53には、ワーク撮像用のカメラ11が配線接続され、カメラ11に撮像指示を送るとともに、カメラ11で撮像された画像データを取得する。
なお、図中、符号54は、撮像データ、基準パルス数NP、ワークWの歯数(形状部分の数)等のワーク情報等を記憶する記憶部である。この記憶部54には、磁気記録媒体、光記録媒体、半導体記録媒体等のコンピューターが読み取り可能な記録媒体が適用される。
【0024】
この情報処理装置50及びカメラ11が、撮像機構30を構成しており、本構成では、カメラ11として、ワークWの歯部W1を異なる条件で撮影するための複数台(本構成では3台)のカメラを固定設置している。
具体的には、図1に示すように、歯面(歯部W1の表面全体)を撮影するための歯面撮影用カメラ(第1撮像部)11Aと、歯先(歯部W1の先端)を撮影するための歯先撮影用カメラ(第2撮像部)11Bと、歯面(歯部W1)を撮影するための端面撮影カメラ(第3撮像部)11Cとを備えている。
なお、これらカメラ11には、静止画撮像用のデジタルカメラが用いられ、回転中のワークWを撮像しても撮像画像がぶれないシャッター速度性能、外観検査に十分な画素数、各部の撮影に好適なレンズを具備している。このうち、歯面撮影用カメラ11Aにはいわゆるエリアカメラ(エリアセンサカメラとも称する)が使用され、歯先撮影用カメラ11B及び端面撮影カメラ11Cには、いわゆるラインカメラ(ラインセンサカメラとも称する)が使用されている。
【0025】
次に、ワーク検査装置10が歯面撮影用カメラ11Aの撮像制御をする場合の動作を説明する。図4は、この場合の動作を示すフローチャートである。
まず、ワーク検査装置10は、モーター駆動部24によりモーター22の回転駆動を開始する(ステップS1:回転工程の開始)。この場合、モーター22は予め設定された一定の回転速度で回転するように制御される。
モーター22が回転駆動されると、エンコーダ23から基準パルスPAが出力されるとともに、近接センサ42からワークパルスPWが出力される(ワークパルス出力工程)。
【0026】
このエンコーダ23及び近接センサ42からのパルス出力は、図5に示すタイムチャートとして得られる。この図に示すように、近接センサ42では、ワークWに周期的に繰り返されて形成された単一の歯部(形状部分)W1の範囲内において、中央部が山高となる出力信号電圧を発生し、この出力信号電圧がデジタル化される。なお、図5中、符号LTは、ワークパルスPWをデジタル化する際のスレッショルドレベルを示している。そして、パルス中心検出回路51では、デジタル化されたパルス幅Nを測定し、この測定されたパルス幅Nの半分のパルス幅(N/2)を、近接センサ42による出力信号電圧を介して立ち上がる次のパルスに同期して生成する。
【0027】
従って、生成されたパルス幅(N/2)のパルスの終了エッジが、歯部W1の中心位置に対応している。このため、デジタル化されたパルス幅Nに対応して基準パルスPAのパルス数を計数し、この計数値の半分のパルス幅(N/2)のパルス幅を生成することにより、ワークパルスPWの中心(パルス幅中心)、つまり、ワークWの歯部中心が検出される。
【0028】
また、この回転中、パルス計数部52によってワークパルスPW間の基準パルス数NPが計数されるとともに(ステップS2:パルス計数工程)、ステップS3以降の処理(撮像工程)が実施される。
この場合、制御部53は、まず、ワークパルスPWを撮影開始のトリガー(開始トリガー)として、基準パルスPAを基準にした撮像タイミングを検出し、この撮像タイミングで撮像トリガー信号を歯面撮影用カメラ11Aに出力することによって、歯面撮影用カメラ11Aで撮像させる。
【0029】
この際、制御部53は、パルス中心検出回路51で検出されるワークパルスPWの中心に相当する撮像タイミングを基準パルスPAから特定し、この特定したタイミングで撮像させるため、近接センサ42がワークWの歯部中心を検出したタイミングで正確に撮像させることができる。なお、本構成では、基準パルスPAの立ち下がりと立ち上がりとのいずれかを選択して、撮像タイミング(開始トリガー)とすることが可能な回路に構成されている。
【0030】
本構成では、1回目の撮像については、歯先中心検出パルスPCを撮像開始のトリガーとする。つまり、基準パルスPAから撮像タイミングを特定するのではなく、歯先中心検出パルスPCの終了エッジのタイミングそのものを撮像タイミングとする。これによって、近接センサ42がワークWの歯部中心を検出したタイミングと撮像タイミングとの誤差を最小にしている。
【0031】
続いて、制御部53は、この撮像タイミングから基準パルスPAが、基準パルス数NPだけ出力されたか否かを判定し、基準パルス数NP出力される毎に、撮像トリガー信号を歯面撮影用カメラ11Aに出力し、歯面撮影用カメラ11Aで撮像させる(ステップS4)。
この場合、制御部53は、撮像回数を計数し、撮像回数がワークWの歯数と一致するか否かを判定し、一致しない場合(ステップS5:NO)、ステップS4の撮像処理を再び行い、撮像回数がワークWの歯数と一致すると(ステップS5:YES)、モーター22の回転を停止させ(ステップS6)、撮像処理を終了する。
つまり、2回目以降の撮像は、エンコーダ23からの基準パルスPAを基準にして撮像トリガー信号を歯面撮影用カメラ11Aに出力し、これによって、精度良く一定の間隔で撮像することができる。なお、本実施形態では、1回目の撮像については、基準パルスPAから撮像タイミングを特定していないが、本発明はこの態様に限らず、1回目の撮像についても、基準パルスPAから撮像タイミングを特定してもよい。
【0032】
このようにしてワークパルスPWの間隔で撮像するので、実際のワークWの歯部(形状部分)W1に同期して撮像することができる。従って、歯面撮影用カメラ11Aの視野の中に、同じ歯部W1の輪郭である歯面が連続して撮像され、各歯部W1を同じ条件(同じ位置)で撮像した画像を得ることができる。ここで、歯面撮影用カメラ11Aは、少なくとも2カ所以上の歯部W1が含まれる画像を撮像するように設置及びカメラ設定(レンズの選択、倍率等)がされている。
しかも、本構成では、撮像回数がワークWの歯数分とされるので、全ての歯部W1を同じ位置で撮像すると、自動的に撮像を終了できる。また、1回目の撮像では、ワークパルスPWに基づき生成した歯先中心検出パルスPCをトリガーとして撮像し、2回目以降の撮像では、エンコーダ23からの基準パルスPAをトリガーとして一定間隔の撮像を行うので、撮像タイミングの誤差を低減することができる。
なお、各歯部W1の撮影位置の微調整は、歯面撮影用カメラ11Aの位置の微調整、或いは、撮像トリガー信号の出力タイミングを微少時間だけ補正することによって可能である。
【0033】
これら撮像画像のデータは、情報処理装置50が具備する記憶部54に蓄積され、この情報処理装置50が具備する画像処理による欠陥検出機能によって欠陥の有無が判定され、その判定結果が、情報処理装置50や表示機能付き操作装置60を介して外部に通知される。
本構成では、制御部53が、撮像を制御する撮像制御部として機能するだけでなく、欠陥検出処理(欠陥検出工程)を実行する検査処理部としても機能する。この制御部53は、欠陥検出処理として、隣接する撮像画像の差分データを得て差分データから欠陥検出する隣歯差分による欠陥検出処理(以下、第1欠陥検出処理と言う)と、撮像画像と良品の画像との差分データを得て差分データから欠陥検出する良歯差分による欠陥検出処理(以下、第2欠陥検出処理と言う)とを行う。以下、欠陥検出処理について説明する。
【0034】
図6は、欠陥検出処理を示すフローチャートである。
まず、制御部53は、ワークWの撮像画像を取得する(ステップS11)。この撮像画像の取得は、上述した撮像制御による画像取得である。次に、制御部53は、取得した撮像画像データにノイズ除去処理(ノイズフィルター処理)や2値化処理を施し(ステップS12)、その後に第1及び第2の欠陥検出処理を行う。
すなわち、制御部53は、第1欠陥検出処理として、隣接する撮像画像データの差分(つまり、隣歯差分)を得る差分抽出処理を行い(ステップS13)、差分データ中の画像(連結性を有する画素)を検出する形状抽出処理を行い(ステップS14)、検出した画像の大きさを判定し(ステップS15)、判定結果に応じて第1検査OK、或いは、第1検査NGと判定する(ステップS16,S17)。
【0035】
図7は、第1欠陥検出を示す図である。この図に示すように、制御部53は、撮像したk番目(kは整数:k=1,2,3・・・))の画像と(k+1)番目の画像との差分を画像処理により取得し、差分データを取得する(ステップS13に対応)。なお、図7に示す差分データには、説明を判りやすくするため、ワークWの輪郭を仮想線(二点差線)で示している。
この図7において、符号W1A、W1B・・・W1Eは、ワークWの歯部W1を各々示しており、隣接する撮像画像データは、一歯ずつずれた画像となっている。また、この図7の例では、歯部W1Bの歯面に、打痕で生じた表面傷(図中、符号Qで示す)が存在する場合を示している。
この場合、制御部53は、差分データから傷Qに対応する差分画像QPを検出する(ステップS14に対応)。図7の例では、隣接する撮像画像データの各々に傷Qが存在するため、傷Qに対応する差分画像QPが2つ検出されることになる。
【0036】
その後、制御部53は、検出した差分画像QPが許容範囲内の大きさか否かを判定することにより(ステップS15に対応)、欠陥の有無を判定する。
この第1欠陥検出処理の許容範囲(以下、第1許容範囲と言う)は、傷(打痕を含む)の判定基準値に設定されている。具体的には、第1許容範囲は、長さが1mm未満に設定され、1mm未満であれば欠陥でない(第1検査OK)と判定し(ステップS16)、1mm以上であれば欠陥あり(第1検査NG)と判定する(ステップS17)。この場合、一つでも欠陥があれば、第1検査NGと判定する。
【0037】
ここで、ワークWの歯面傷は、欠陥形状が凹凸で、欠陥の向き、角度、発生位置が不定であるため、撮像画像には、明部で示される明欠陥で現れる場合や、暗部で示される暗欠陥で現れる場合とがある。本構成では、隣歯同士の差分データに基づいて欠陥検出するので、明欠陥、暗欠陥のいずれの場合でも差分データに現れ、歯面傷の有無を精度良く検出することが可能である。
【0038】
次いで、第1欠陥検出処理で検査NGの場合(ステップS15:NO)、制御部53は、ワークWに欠陥が有るため、その旨を外部に報知する公知の報知処理を行った後に、当該欠陥検出処理を中断する。
一方、第1欠陥検出処理で検査OKの場合(ステップS15:YES)、制御部53は、撮像画像データと、記憶部54に予め記憶された良品の画像(良品のワークWを同条件で撮像した画像)との差分(つまり、良歯差分)を得る差分抽出処理を行い(ステップS18)、差分データ中の画像(連結性を有する画素)を検出する形状抽出処理を行い(ステップS19)、検出した画像の大きさを判定し(ステップS20)、判定結果に応じて第2検査OK、或いは、第2検査NGと判定する(ステップS21,S22)。
【0039】
図8は、第2欠陥検出を示す図である。この図8の例では、歯部W1Cの端部に、表面加工(切削)したにもかかわらず加工していない面、つまり、黒皮残り(図中、符号Rで示す)が存在する場合を示している。
この場合、良歯差分の差分データには、黒皮残りに対応する差分画像RPがそのまま存在する。このため、制御部53は、検出した差分画像RPが許容範囲内の大きさか否かを判定する(ステップS19に対応)。
この第2欠陥検出処理の許容範囲(以下、第1許容範囲と言う)は、黒皮残りの判定基準値に設定されており、より具体的には、長さが0.4mm未満に設定されている。このため、制御部53は、0.4mm未満であれば欠陥でない(第2検査OK)と判定し(ステップS21)、0.4mm以上であれば欠陥あり(第2検査NG)と判定する(ステップS22)。この場合、一つでも欠陥があれば、第2検査NGと判定する。
【0040】
ここで、ワークWの黒皮残りは、欠陥形状が平面的であり、面粗度が粗いため、撮像画像には暗欠陥として現れる。また、黒皮残りは連続性が強いため、図8に示すように、複数の歯部W1(図8中、歯部W1A〜W1C)に渡って連なる連続欠陥として現れる場合がある。
この種の連続欠陥は、隣歯同士の差分データを利用する第1欠陥検出処理では、差分処理の際に消えてしまい、欠陥検出できなくなる。これに対し、第2欠陥検出処理では、良品との差分データに基づいて欠陥検出するため、この種の連続欠陥を精度良く検出することが可能である。
このようにして第1及び第2欠陥検出処理で良品と判定すると、制御部53は、検出対象のワークWは良品と判定し、それ以外の場合は不良品と判定し、その旨を外部に報知する公知の報知処理を行った後に、当該欠陥検出処理を終了する。
【0041】
このように、撮像画像に基づいてワークWを検査するため、検査精度を上げるには、ワークWの欠陥部分を明瞭に撮像することが重要になる。しかも、本構成では、ワークWを回転しながら撮像するため、ワークWを明るく照らしてシャッター速度を高速化(露光時間を短時間化)し、ぶれのない画像を撮像することが望まれる。
この場合、撮像(撮像工程)の際にワークWを照明する照明装置を設置することが考えられる。
しかしながら、本構成のワークWは、平面視で略円形状を有してワークWの周方向に沿って歯部W1が周期的に繰り返された金属製の歯車であるため、凸形状、凹形状、及び、R形状が繰り返す形状であり、照明光の反射が多様(例えば、反射方向が様々)である。しかも、表面を研削した歯車(いわゆる歯研ギヤ)のため、表面が鏡面となり、反射し易い。このことは、歯部による影、つまり、歯影を生じさせ、その結果として、輝度ムラを生じさせ、この輝度ムラが欠陥部分として誤検出される事態を招いてしまう。
【0042】
しかも、ワークWの欠陥発生位置は、歯先、歯元、歯端、・・・といったように多様であり、欠陥種類も、打痕、欠け、黒皮、傷、・・・といったように多数あるため、欠陥毎に輝度(コントラスト)が異なる事態が生じる。例えば、「打痕」は、一様にくぼんだ形状であるため、周囲より暗い暗部(暗欠陥)となり易く、「欠け」は、複数種類の削られた面を有するため、少なくとも一部が反射面となり、周囲より明るい明部(明欠陥)となり易い。また、「黒皮」は、暗部(暗欠陥)となり「傷」は、明部(明欠陥)となり易い。
このことは、明部及び暗部のいずれも欠陥の可能性があり、これら欠陥を検出するには十分なコントラスト(欠陥コントラスト)を確保する必要があることを示している。
【0043】
そこで、本構成では、輝度ムラ対策(歯影対策)、及び、欠陥コントラストの確保を図るべく、大型疑似同軸照明の照明装置100を用いた撮影レイアウトとしている。
図9は、本構成の撮影レイアウトを示す斜視図であり、図10は、この撮影レイアウトを上面視で示す図である。これら図では、歯面撮影用カメラ11A(以下、カメラ11Aと言う)の撮影レイアウトを示している。
この図に示すように、ホルダ部21に固定されたワークWの近傍には、水平板状の台座(照明装置用の台座)101と、この台座101よりもワークWから離れた位置に設けられた水平板状の台座(カメラ用の台座)102とが配置される。ワークWに近い側の台座101には、取付用治具103を介して照明装置100が取り付けられ、ワークWから離れた側の台座102には、レール104を介してカメラ11AがワークW側及びその反対側に直線上に移動自在に支持される。なお、この2つの台座101,102は、一体の台座でもよいし、別体の台座でもよい。
【0044】
図9に示すように、カメラ11Aは、カメラ本体12と、カメラ本体12に接続されるレンズ13とを備えており、撮像エリアの中心に一致するレンズ光軸LA(図10参照)が、レール104に沿う移動方向と一致するように台座102に支持される。このため、カメラ11AとワークWとの間の距離(離間距離)を調整可能で、例えば、ワークWが大きい場合(大径歯車の場合)には、カメラ11Aを離し、ワークWが小さい場合(小径歯車の場合)にはカメラ11Aを近づけることができ、カメラ位置を容易に調整可能である。
具体的には、図10に示すように、上面視(平面視に相当)で、レンズ光軸LAが、ワークWの回転中心O1を通ってワークWの径方向に延びるワーク中心通過軸LWから距離Hだけ平行にオフセットし、このレンズ光軸LAに沿ってカメラ11Aが移動可能であり、不図示の固定具によってカメラ11Aの位置が固定されている。
なお、このカメラ11Aは、上記オフセットの量(距離H)、レンズ13の選択(倍率の選択を含む)及びワークWとの距離調整によって、図7や図8に示すように、4枚以上の歯部(W1A〜W1D)を同時に、同一の視野の画像内に収まるように撮像可能に設定される。また、図9中、符号15はレンズ13を保持するレンズ保持具であり、図10中、符号AR1は、このカメラ11Aの撮像エリアを示している。なお、同時に収まる撮像エリア内の歯部の枚数は複数、すなわち、2枚以上であればかまわない。
【0045】
図9に示すように、取付用治具103は、台座101に載置される水平板部103Aと、水平板部103Aから垂直に立設する壁部103Bとを一体に備え、水平板部103Aの上に照明装置100を載置し、かつ、この照明装置100の側面111Aを壁部103Bに当接させた状態で、固定部材(例えば、締結ボルト)105によって壁部103Bと照明装置100とが固定される。また、取付用治具103と台座101との間には、板材106が介挿され、この板材106の厚さ調整によって、照明装置100の高さが、ワークWを撮像可能な高さに調整される。
この取付用治具103の水平板部103Aには、上下方向に貫通して水平方向に弓状に延びる長溝103Cが形成され、上方から固定部材(例えば、締結ボルト)105が長溝103Cに通されて台座101に固定されることによって、取付用治具103が台座101に固定される。この固定構造によれば、長溝103Cの範囲内で、取付用治具103の固定位置を変更でき、ワークWに対する照明装置100の位置や向きを容易に調整可能である。
【0046】
照明装置100は、被照明対象(ワークW)に向けて略同軸で均一な照明光を照射する装置であり、図9及び図10に示すように、中空直方体形状の筐体111を有し、この筐体111に、光源112と、ハーフミラー113と、拡散板114とを設けている。なお、図10では照明装置100の内部構造を示している。
筐体111は、ワークW側に位置する前面111Bが開口すると共に、この前面111Bに対向し、カメラ11A側に位置する背面111Cが開口しており、カメラ11Aは、これら開口及びハーフミラー113を介してワークWを撮像可能に配置される。光源112は、筐体111の側面111Dに設けられ、ハーフミラー113に向けて広範囲で均一な光を出射する面発光用光源であり、出射光(図10中、矢印で示す)をハーフミラー113で反射させて、筐体111の前面111BからワークWの撮像エリアAR1に向けて出射させる。
【0047】
すなわち、筐体111は、ワークWの撮像エリアAR1に向かう光が通る光路部として機能しており、この光路部を通る光の光軸LLが互いに平行で略均一な照明光が照射される構成となっている。
拡散板114は、透過型の拡散板であり、筐体111の出射口となる前面111Bを覆うように配置され、筐体111からの照明光を拡散光に変換してワークWに向けて出射させる。
【0048】
図10に示すように、本構成では、筐体111の光軸(光路部の光軸)LLが、ワークWの撮像エリアAR1内の歯部W1に対して斜めに設定される。より具体的には、本構成では、撮像エリアAR1のうち検査対象となる歯部W1が、符号W1A〜W1Dで示す4枚の歯部であり、検査対象となる歯部W1A〜W1Dが基準の歯部W1とされる。そして、これら基準の歯部W1(W1A〜W1D)に対してカメラ11A側から見た表面全体(歯先、歯元及び歯端)に照射光が届くように、平面視(ワークWの側面視に相当)で、筐体111の光軸(光路部の光軸)LLが、レンズ光軸LAに対して角度θXだけ傾けられている。
【0049】
図11は、照明光の光軸LLをレンズ光軸LAに対して傾けない場合を説明する図であり、図12は、光軸LLをレンズ光軸LAに対して上記角度θXだけ傾けた場合を説明する図である。なお、図11及び図12は、カメラ11Aによって、図中、符号SAで示す領域内の歯面を撮像する場合を模式的に示している。
図11に示すように、照明光の光軸LLを傾けない場合、検査対象となる歯部W1(W1A〜W1Dのいずれか)では、歯先でカメラ11Aに向かう反射光量が多くなり、歯元等ではカメラ11A側へ向かう反射光量が少なくなる。このため、歯先の輝度が最も高く、歯元の輝度が最も低くなり、歯先と歯元との間の輝度ムラが大となってしまい、つまり、符号SAで示す歯面の輝度ムラが大となってしまう。この輝度ムラは、歯面の欠陥検出精度を低くする要因となってしまう。
【0050】
一方、図12に示すように、照明光の光軸LLを角度θXだけ傾けた場合には、カメラ11A側から見た表面全体(歯先、歯元及び歯端)に照射光が届き、かつ、照明光が歯先に斜めにあたるため、図11の場合よりも歯先でカメラ11Aに向かう反射光量が少なくなり、歯先と歯元との間の輝度ムラを小にできる。従って、図中、符号SAで示す歯面の輝度ムラを小にできる。
言い換えれば、本構成では、検査対象となる歯部W1A〜W1Dの輝度ムラが少なくなるように、照明光の光軸LLが斜めに傾けられており、本実施の形態では、角度θXが5°〜20°に設定されている。これにより、撮像画像中の歯面等の輝度ムラが小さく、歯面の欠陥コントラストも確保でき、欠陥検出精度を高くすることができる。
しかも、図10に示すように、拡散板114で照明光を拡散光にして照射するので、ワークWの歯部W1形状の影響を小さくして撮像画像中の輝度ムラをより小さくでき、これによっても欠陥検出精度を高くすることができる。
【0051】
さらに、本構成では、図10に示すように、カメラ11Aのレンズ光軸LAを、平面視で、ワーク中心通過軸LWから平行にオフセットし、照明装置100の照明中心CTを、平面視(ワークWの側面視)で、レンズ光軸LAに対して、ワーク中心通過軸LWと反対側に配置し、照明装置100の出射側(前面111B側)を、照明中心CTを基準にしてワークWの回転中心O1側に傾けている。
このレイアウトによれば、ワーク中心通過軸LWを基準にして一方側(図10中、左側)を、カメラ11Aで撮像し、かつ、この撮像エリアAR1に向けて照射光を照射でき、複数の歯部W1を撮像しながら、歯影を生じにくくすることができる。
【0052】
仮に、カメラ11Aのレンズ光軸LAをワーク中心通過軸LWと同軸とした場合には、ワークWの各歯部W1は、ワーク中心通過軸LWを挟んで一方側(例えば左側)では歯先が一方側(左側)に向かって突出し、他方側(例えば左側)では歯先が他方側(右側)に向かって突出するので、ワーク中心通過軸LWを挟んでいずれか一方側に歯影が生じやすくなる。上記本レイアウトでは、この歯影が生じる事態を回避することができるので、これによっても、撮像画像中の輝度ムラを抑制でき、欠陥検出精度を高くすることができる。
また、本構成では、撮像画像中に4カ所の歯部W1A〜W1Dが含まれ、上記照明装置100による歯部W1A〜W1Dの照明環境(照射光の向き等)が歯部毎に若干異なる。このため、検査対象の歯部W1A〜W1D毎に異なる照明環境で撮像され、異なる照明環境で隣歯差分による欠陥検出処理(第1欠陥検出処理)等を行うから、ある照明環境では検出されなかった欠陥が、別の照明環境では検出することができる。従って、欠陥の見逃しをより低減することができる。
【0053】
すなわち、一つの歯部について、実施例では4回の検査タイミングがあり、また、カメラ11Aが撮像する歯部W1A,W1B,W1C,W1Dにおいては、捉えられるその各歯部W1A〜W1Dの平均輝度が順々に変化し、換言すると、明暗が変化して異なる照明環境になっている。また、例えば、歯部W1A内の面の輝度においても、輝度ムラなく次第に連続的に穏やかに変化している。他の歯部(W1B〜W1D)も同様である。
このように撮像される面の輝度を変化させるには照明光の向きを変えることが考えられるが、複数の照明光源が必要となってくるので装置スペースやコスト的に有用でないので、一つの光源とした。一方、一つの光源で撮像される面の輝度の変化を捉えるには、複数の撮像カメラが必要となってくるが、装置スペースやコスト的に有用でないので、同時に収まる撮像エリア内の歯部の枚数を複数にして、一つの歯部について異なる検査タイミングを設定した。
本構成では、輝度ムラなく次第に連続的に穏やかに変化するような照明環境で、かつ、各歯部W1A〜W1Dの明暗が順々に変化して異なる照明環境下で、一つの歯部に対し、明暗が異なる複数の照明環境で複数の撮像画像が得られるから、明暗が異なる複数の照明環境で複数の撮像画像を得ることができ、各撮像画像を検査することで、複数回の検査タイミングを図ることができる。従って、欠陥の見逃しをより低減することができる。
【0054】
ここで、図13(A)(B)(C)は、照明装置100の比較例を示している。図13(A)は、薄型拡散照明の照明装置100Aを用いる場合を示している。この照明装置100Aでは、照明装置100Aが、光透過型の薄型照明装置131と、透過型の拡散板114とを備えており、薄型照明装置131が、カメラ11AとワークWとの間であって、カメラ11Aのレンズ光軸LAと同軸方向に照明光を照射するように配置される。
なお、この薄型照明装置131は、光源131Aと、この光源131Aからの光を導光板等を介して外部に照射する透過型の導光部131Bとを有する公知の薄型照明装置を用いればよい。この照明装置100Aによれば、薄型照明装置を用いるため、広範囲を照明でき、省スペース化、及び、位置や向きを容易に調整可能である、といったメリットがあるが、発明者らの検討によれば、撮像に十分な光量を確保することが困難であった。
【0055】
図13(B)は、面型拡散複合照明の照明装置100Bを用いる場合を示している。この照明装置100Bでは、光源として、公知の面照明装置133,134を2台使用し、一方の面照明装置133を、撮像エリアAR1の歯面に対向して配置し、他方の面照明装置134を、撮像エリアAR1の歯部W1A〜W1Dの側方に配置している。なお、この面照明装置133,134の出射面には、透過型の拡散板が配置され、各々が拡散光を出射するように構成されている。
この照明装置100Bによれば、2方向照射とするため、広範囲の明るさを確保できるメリットがあるものの、歯影による輝度ムラが強めに出てしまい、位置や向きを調整しにくい、他のカメラ(歯先撮影用カメラ11Bや端面撮影カメラ11C等)との干渉を回避しながら配置するのが困難である、といったデメリットがあった。
【0056】
図13(C)は、ドーム型照明の照明装置100Cを用いる場合を示している。この照明装置100Cでは、光源として、公知のドーム照明装置136を使用している。このドーム照明装置136は、複数の光源136Aと、これら光源136Aからの光を様々な方向に反射するお椀状の筐体136Bとを備えており、カメラ11AとワークWとの間に配置される。
この照明装置100Cによれば、ワークWに対して広範囲で拡散光を出射でき、輝度ムラを低減できる、位置や向きを容易に調整可能である、といったメリットがあるが、発明者らの検討によれば、撮像に十分な光量を確保することが困難であった。
これらの比較結果から、本願の照明装置100が、撮像に十分な光量を確保でき、かつ、輝度ムラを低減できることに加え、位置や向きを容易に調整可能で、他のカメラとの干渉を回避しつつ容易に配置できる、といった設置性に優れるメリットがあり、最適であると判断した。
【0057】
以上説明したように、本実施の形成では、ワークWを一定の回転速度で回転させつつ、一定の間隔で基準パルスPAを出力するワーク回転機構20と、基準パルスPAに基づいた一定の周期毎に、ワークWの歯部(形状部分)W1を少なくとも2カ所以上含むように撮像する撮像機構30と、基準パルスPAに基づいて、ワークWの歯部W1と撮像タイミングとを同期させる制御部53と、撮像機構30が撮像する際に、撮像エリアAR1内の基準の歯部W1(W1A〜W1D)に対して斜めに光を照射する照明装置100とを備え、制御部53が、撮像したk(kは整数)番目の画像と(k+1)番目の画像との差分を得る画像処理を行い、差分のデータに基づいて欠陥を検出する第1欠陥検出処理を行うので、照明装置100により輝度ムラを低減しながら、ワークWを止めずに撮影(無停止撮影)でき、撮影に要する時間を短縮できると共に、単一の撮像画像データから欠陥検出する場合に比して隣接画像の差分データでは欠陥判定の対象データを少なくでき、検査に要する時間も短縮できる。
従って、ワークWの撮像及び検査に要する時間を短縮しつつ、輝度ムラによる欠陥の見逃しを低減することが可能になる。
【0058】
また、この構成では、撮像画像中の歯部W1毎に異なる照明環境で撮像することができ、これによっても欠陥検出精度が向上し、欠陥の見逃しをより低減することができる。
また、本構成では検査に要する処理負担が小さいので、これによっても時間短縮が可能である。処理負担が小さければ、制御部53の処理能力によっては、撮像処理と検査処理とを並行して行うことも可能であり、この場合には時間短縮をより図ることが可能になる。
さらに、第1欠陥検出処理では、撮像画像中の明欠陥及び暗欠陥のいずれも欠陥検出することができるので、歯面傷等の一般的な欠陥(連続欠陥を除く欠陥)を精度良く検出することができる、という効果も奏する。
【0059】
また、本構成では、ワークWは、歯部(形状部分)W1がワークWの周方向に沿って周期的に繰り返された平面視で略円形の歯車であり、照明装置100は、平面視で、撮像エリアAR1内の基準の歯部W1に対して斜めに光を照射するので、撮像機構30側から見た表面全体(歯先、歯元及び歯端)を照射しつつ、歯先と歯元等での輝度ムラを低減することができ、欠陥の見逃しを低減することができる。
しかも、照明装置100は、光を拡散光にして撮像エリアAR1に照射させる透過型の拡散板114を有するので、撮像画像中の輝度ムラをより小さくでき、より欠陥の見逃しを低減できる。
【0060】
さらに、照明装置100は、撮像機構30の撮像エリアAR1に向かう光が通る光路部として機能する筐体111を有し、この光路部の光軸LLが、撮像エリアAR1内の基準の歯部W1に対して斜めであり、この光路部の出射側に、拡散板114が設けられるので、筐体111の位置や向きの調整により、基準の歯部W1の輝度ムラが少なくなるように容易に調整することが可能であり、設置性に優れるという効果を奏する。具体的には、固定部材105(図9参照)を緩めれば、筐体111の位置や向きを容易に調整することが可能である。
この場合、照明光の光軸LLを、撮像機構30のレンズ光軸LAに対して斜めにすることによって、撮像画像中の輝度ムラを効率よく低減することが可能である。
【0061】
また、本構成では、図10に示すように、撮像機構30のレンズ光軸LAを、平面視で、ワークWの回転中心O1を通ってワークWの径方向に延びるワーク中心通過軸LWから平行にオフセットし、照明装置100の照明中心CTを、平面視で、レンズ光軸LAに対して、ワーク中心通過軸LWと反対側に配置し、照明装置100の出射側を、照明中心CTを基準にしてワークWの回転中心O1側に傾けているので、複数の歯部W1を撮像しながら、歯影を生じにくくすることができる。
【0062】
また、本構成では、撮像した画像と予め記憶された良品の画像との差分データに基づいて欠陥を検出する他の検査処理である第2欠陥検出処理を行うので、黒皮残り等の連続欠陥についても精度良く検出することができる。しかも、本構成では、第1欠陥検出処理及び第2欠陥検出処理の各々で欠陥を検出しない場合に、ワークWを良品と判定するので、精度良く良品判定ができる。
【0063】
しかも、本構成では、撮像機構30が、ワークWと一体に回転し、回転中心に対してワークWの歯部W1と同じ角度間隔で被検出部となる疑似歯部41Aを有するワーク検出用治具(回転体)41と、このワーク検出用治具41の疑似歯部41Aを検出する毎に、ワークパルスPWを出力する近接センサ42とを備えるパルス出力機構40と、ワークパルスPW間の間隔を、基準パルスPAで計数してその間隔に対応するパルス数を得るパルス計数部52とを備え、このワークパルスPWをトリガーとして、基準パルスPAを基準にした撮像タイミングで撮像し、この撮像タイミングから基準パルスPAが前記パルス数だけ出力される毎に、基準パルスPAを基準にした撮像タイミングで撮像する。
この構成によれば、実際のワークWの歯部W1に合わせつつ、モーター22側の基準パルスPA基準で撮像することができるので、無停止撮影を行いつつ、精度良く各歯部W1を同条件(同位置)で撮像できる。この撮像精度の向上により、第1欠陥検出処理及び第2欠陥検出処理の検出精度が向上すると共に、この検出精度を維持しつつワークWの高回転化が可能であり、より一層の時間短縮を図ることが可能になる。
すなわち、本構成では、ワークWに周期的に繰り返される歯部W1を精度良く撮像可能な構成で、撮像画像同士の差分による欠陥検出、及び、撮像画像と良品画像との差分による欠陥検出を行うことにより、欠陥検出精度の向上と、撮像及び検査に要する時間の短縮化とを両立することが可能になる。
【0064】
また、本構成では、ワークWの歯部W1を撮像する撮像機構30が撮像する際に、歯部W1を少なくとも2カ所以上含むように撮像し、当該各歯部W1は互いに明暗が違っているので、一つの歯部W1に対し、明暗が異なる複数の照明環境で複数の撮像画像を得ることができ、各撮像画像を検査することで、複数回の検査タイミングを図ることができる。これによっても、周期的に繰り替えられて形成された部分を有するワークWの撮像及び検査に要する時間を短縮しつつ、欠陥の見逃しを低減できる。
【0065】
上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形可能である。例えば、上述の実施形態では、制御部53が、撮像制御部と検査処理部の両方として機能する場合を説明したが、撮像制御部と検査処理部とを別々に設けるようにしてもよい。つまり、このワーク検査装置10の各部の具体的な実施形態は、上記構成に制限されない。
また、上述の実施形態では、ワーク検出用治具41を設ける場合を説明したが、これに限らず、ワーク検出用治具41を省略し、近接センサ42が、ワークWの歯部(形状部分)W1を直接検出するようにしてもよい。
また、上述の実施形態では、照明光の光軸LLの傾き角度θXを5°〜20°にする場合を説明したが、これに限らず、要は、輝度ムラを低減可能な範囲で調整すればよく、鋭角(0°<θX<90°)の範囲内で適宜調整すればよい。
また、上述の実施形態では、ワークWに歯車を用いる場合を例に説明したが、これに限らず、平面視で略円形のワークである羽根車(タービンホイール)やスクリュー等の歯車以外の部品でもよい。要は、歯や羽根(翼)等の凸部や、内側に凹む凹部といった形状部分が周期的に繰り返された形成されたワーク検査装置に本発明を広く適用することが可能である。
【符号の説明】
【0066】
10 ワーク検査装置
11 カメラ(撮像部)
20 ワーク回転機構
21 ホルダ部
22 モーター
23 エンコーダ
30 撮像機構
40 パルス出力機構
41 ワーク検出用治具(回転体)
41A 疑似歯部(被検出部)
50 情報処理装置
51 パルス中心検出回路
52 パルス計数部
53 制御部(撮像制御部、検査処理部)
100 照明装置
111 筐体(光路部)
AR1 撮像エリア
LL 光軸
PA 基準パルス
PW ワークパルス
W ワーク
W1,W1A〜W1E 歯部(形状部分)
θX 角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
凸部や凹部の形状部分が周期的に繰り返されて形成されたワークを回転させ、当該ワークの形状部分を撮像して検査するワーク検査装置において、
前記ワークを一定の回転速度で回転させつつ、一定の間隔で基準パルスを出力するワーク回転機構と、
前記基準パルスに基づいた一定の周期毎に、前記ワークの形状部分を少なくとも2カ所以上含むように撮像する撮像機構と、
前記基準パルスに基づいて、前記ワークの形状部分と撮像タイミングとを同期させる撮像制御部と、
前記撮像機構が撮像する際に、撮像エリア内の基準の形状部分に対して斜めに光を照射する照明装置と、
撮像したk(kは整数)番目の画像と(k+1)番目の画像との差分を得る画像処理を行い、差分のデータに基づいて欠陥を検出する検査処理部とを備えることを特徴とするワーク検査装置。
【請求項2】
前記ワークは、前記形状部分が前記ワークの周方向に沿って周期的に繰り返された平面視で略円形のワークであり、
前記照明装置は、前記平面視で、前記撮像エリア内の基準の形状部分に対して斜めに光を照射することを特徴とする請求項1に記載のワーク検査装置。
【請求項3】
前記照明装置は、前記光を拡散光にして前記撮像エリアに照射させる透過型の拡散板を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のワーク検査装置。
【請求項4】
前記照明装置は、前記撮像機構の撮像エリアに向かう光が通る光路部を有し、この光路部の光軸が、前記撮像エリア内の基準の形状部分に対して斜めであり、この光路部の出射側に、前記拡散板が設けられることを特徴とする請求項3に記載のワーク検査装置。
【請求項5】
前記光路部の光軸は、前記撮像機構のレンズ光軸に対して斜めであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のワーク検査装置。
【請求項6】
前記撮像機構のレンズ光軸を、前記平面視で、前記ワークの回転中心を通って前記ワークの径方向に延びるワーク中心通過軸から平行にオフセットし、前記照明装置の照明中心を、前記平面視で、前記レンズ光軸に対して、前記ワーク中心通過軸と反対側に配置し、前記照明装置の出射側を、前記照明中心を基準にして前記ワークの回転中心側に傾けたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のワーク検査装置。
【請求項7】
前記検査処理部は、撮像した画像と予め記憶された良品の画像との差分を得る他の画像処理を行い、この画像処理で得た差分のデータに基づいて欠陥を検出する他の検査処理を行うことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のワーク検査装置。
【請求項8】
前記検査処理部は、撮像した(k+1)番目の画像とk番目の画像との差分のデータと、他の画像処理で得た差分のデータとの各々で欠陥を検出しない場合に、前記ワークを良品と判定することを特徴とする請求項7に記載のワーク検査装置。
【請求項9】
前記撮像機構は、
前記ワークと一体に回転し、回転中心に対して前記ワークの形状部分と同じ角度間隔で被検出部を有する回転体と、この回転体の被検出部を検出する毎に、ワークパルスを出力する近接センサとを備えるワークパルス出力機構と、
前記ワークパルス間の間隔を、前記基準パルスで計数して前記間隔に対応するパルス数を得るパルス計数部とを備え、
前記撮像制御部は、前記ワークパルスをトリガーとして、前記基準パルスを基準にした撮像タイミングで撮像し、この撮像タイミングから前記基準パルスが前記パルス数だけ出力される毎に、前記基準パルスを基準にした撮像タイミングで撮像することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のワーク検査装置。
【請求項10】
凸部や凹部の形状部分が周期的に繰り返されて形成されたワークを回転させ、当該ワークの形状部分を撮像して検査するワーク検査方法において、
前記ワークの形状部分を撮像する撮像機構が撮像する際に、当該形状部分を少なくとも2カ所以上含むように撮像し、当該各形状部分は互いに明暗が違っていることを特徴とするワーク検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−63268(P2012−63268A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−208332(P2010−208332)
【出願日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】