説明

一時的吸収性静脈閉塞装置および表在静脈治療方法

静脈瘤の治療方法で使用するための一時的吸収性静脈閉塞ステント(2)は、ステント本体(4)、この本体に関連する生体吸収性材料、および静脈に埋め込まれた時にステントを通過する血流を遮断するための閉鎖部(10)を有する。そのステントは、吸収されるにつれて、局所的な血液凝固、繊維形成および静脈虚脱を起こす。遮断部位上方からの望ましくない血液の逆流を防止する永久的遮断が形成され、それによって、遮断部位下方の静脈瘤の膨張が低減される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血管疾患およびその治療法に関する。より詳細には、本発明は、静脈瘤を治療するための装置および方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
背景技術として、静脈瘤を治療するための最も一般的な方法は、外科的結紮および剥離によって1以上の表在血管を除去するというものである。この方法には、侵襲的処置に関連する通常の欠点、すなわち入院および全身麻酔下での手術の必要性、付随する痛み、感染のリスク、長い回復時間、回復期間中の運動の制限、永久に残る傷跡などの欠点がある。より最近では、高温高周波アブレーションを用いる閉塞法が提案されている。この方法によれば、表在静脈の一部をアブレーションし、治療部位上方からの過剰な血流を防止する閉塞を生じさせることによって、その部位の下の静脈の膨張を減少させる。高周波アブレーション法は、外来処置として経皮的に行うことができるため、外科的結紮・剥離法に比べて良いものである。しかしながら、処置を適切に行わないと、治療領域を取り囲む組織が高周波エネルギーによってダメージを受ける危険性がある。さらに、高周波法に必要な電子装置および処置機器類は比較的高価である。また、色素注射およびX線撮像を必要とする静脈造影図を用いなければ、治療が有効であったことを容易に確認することができない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前述した既存の技術の欠点を克服する方法で静脈瘤を治療することができれば、それが望ましいと考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
新規な一時的吸収性静脈閉塞ステントおよび関連する静脈瘤の治療方法によって、前記の問題は解決され、当業界に進歩がもたらされる。そのステントは、ステント本体、この本体に関連する生体吸収性材料、および静脈に埋め込まれた時に前記ステントを通り過ぎる血流を遮断するための閉鎖部を含む。このステントは、そのステントが吸収されるにつれて、局所的な血液凝固、繊維症および静脈虚脱を促進する。それによって、ステント埋め込み部位上方からの血液の望ましくない逆流を防止し、それによって埋め込み部位の下方の静脈瘤の膨張を減少させる永久的な閉塞を生じさせる。
【0005】
本発明の治療方法によれば、一時的吸収性静脈閉塞ステントは、深在静脈系または表在静脈系アプローチによって、治療される静脈瘤の近傍または上部の埋め込み部位に導入される。そこで、静脈の壁に当たるようにステントを展開する。必要に応じてステントを閉じ、ステントを通り過ぎる血流を遮断する。上記のように、ステントは徐々に吸収され、局所的な血液凝固、繊維症および静脈虚脱から生じる永久的な閉塞を生じさせる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
上記および他の本発明の特徴および利点は、添付の図面に示した本発明の好ましい実施形態の以下のより詳細な説明から明らかになるであろう。
【0007】
図1について説明すると、静脈循環系の一部および本発明を実行することができるヒト身体の例示的な領域を説明するために、ヒトの脚の大腿−鼠径部領域(TG)が示されている。特に、図1は、多くの表在下肢静脈が集まって総大腿静脈(CFV)になる伏在静脈−大腿接合部(SFJ)を示している。図示していないが、伏在静脈−大腿接合部での血流は、血液を内側方向および上流方向に向け、血液が心臓の方に戻るのを助けるように設計された一方向弁によって制御される。この弁が適切に機能しないと、一部の血液が脚の方に逆流して、表在静脈およびその静脈枝での圧力を高める可能性がある。大伏在静脈(LSV)は、大腿における主要な表在静脈の一つである。伏在静脈−大腿接合部での弁漏れによって余分の血液が静脈中に送り込まれると、その静脈は伸び、さらには、その中の弁が変形し、漏れを起こし始める。次に、血液は悪い方向に、脚をさらに下って流れ、ついには益々多くの静脈枝を満たし、膨脹させることで、図1における挿入図に示した静脈瘤(VV)などの静脈瘤の発生をひき起こし得る。同様の問題が、膝後ろの小伏在静脈と膝窩静脈の伏在静脈−膝窩静脈接合部での弁漏れによっても起こり得る。表在下肢静脈を下肢の深部静脈につなぐ穿通枝静脈における何れかの弁の漏れがあると、同様に静脈瘤を生じ得る。
【0008】
本発明は、図1の静脈VVなどの膨張した静脈瘤に一時的吸収性静脈閉塞ステントを埋め込む静脈瘤治療装置および方法を想到するものである。ステントは、膨張領域内、または膨張領域に望ましくない下方向への血流を送っている隣接する(または隣接しない)静脈部分の何れかに留置される。そのステントは、埋め込み部位を通り過ぎる血流を止め、ステントが吸収されるにつれて、局所的な血液凝固、繊維症および静脈虚脱を促進する。ステントが完全に吸収された後、上方からの血流を防止し、それによって埋め込み部位の下方の静脈の膨張を低減または無くす永久的な遮断物が残る。
【0009】
図2は、本発明に従って用いることができる一時的吸収性静脈閉塞ステントの例示的実施形態2を示す図である。ステント2は、近位端6および遠位端8を有するほぼ管状体4として形づくられている。本体4は、上記の永久的遮断を埋め込まれる静脈に形成させるのに十分な長さの時間枠内で吸収することができる生体吸収性材料で作られている。単に例として挙げると、溶解性(例えばポリ乳酸)縫合材料の糸から織られた布地を用いて、本体4を形成することができる。そのような材料は約28日間の吸収スケジュールを有し、それは本発明の目的に十分な期間より長くなければならない。ステント2の両端を最初に開くが、近位端6には配置後にそれを閉じさせる好適な閉鎖システムを設ける。
【0010】
図2には、絞りひも配置の形態の閉鎖システムの一例を示している。詳細には、溶解性縫合糸または他の生体吸収性材料から作られた絞りひも10を、絞りひもの末端部分12および14を引くことで近位端を閉じることができるように、本体4の近位端6の外周表面周囲に固定する。図示していないが、ステント2の遠位端8にも同様に、絞りひも10を配置することができる。ステントを閉じるのに唯一つの絞りひも末端部分のみが必要となるように、それをステント2上に配置することもできる。
【0011】
図3A〜3Eは、ステント2を用いて静脈瘤を治療することができる一連の連続的な段階を示す図である。図3Aにおいて、ステント2は治療される静脈瘤(VV)に配置される過程にあり、ステントの近位端が患者(不図示)への進入箇所に向きを合わせている。図3Bにおいて、ステント2は静脈内の埋め込み部位にあるのが示されている。図3Cにおいては、絞りひも10を操作して、ステントの近位端6を閉じている。この時点で、血流がステント2を通過するのが防止され、それで静脈の膨張が緩和されるはずである。ステント2を閉じることによって、また、ステント付近で血液がたまり、凝固し始めるようになる。これにより、ステントが吸収されるにつれて、線維性組織および静脈虚脱が生じる。図3Dは、部分的に吸収された状態でのステント2および部分的虚脱状態での静脈を示している。図3Eにおいては、ステント2が完全に吸収され、静脈が完全に虚脱して、20で永久的に遮断される。その遮断20によって、埋め込み部位の上方に位置する、漏れがある静脈弁からの血液の逆流が防止される。
【0012】
多くの別構成を用いて、本発明による一時的吸収性静脈閉塞ステントを提供できることは明らかであろう。例えば、そのようなステントは、身体の種々の位置で埋め込めるように、多様な直径および長さで製造することができる。単一の比較的長いステントの代わりに、一つの埋め込み部位で幾つかのステントを利用することが望ましい場合もある。その場合、その幾つかのステントには、隣接するステント間での連続的な相互連結を確立するための好適なコネクタを設けることができる。本発明によるステントは、ラパマイシン(細胞周期阻害薬)などの好適な薬剤で処理することもできる。そのような薬剤含有ステントは、未処理のステントよりも有効な静脈虚脱促進剤であることもある。別の代替物は、局所的な細胞死および静脈虚脱速度の上昇をもたらす好適な放射性物質でステントを処理するものである。本発明によるステントは、ステントを形成する生体吸収性材料への含浸によって、薬剤または放射性物質で処理することができる。あるいは、ステントを、薬剤または放射性物質を含むための密閉ポケットを与えるように、二重管などを有するように形成することができる。そのようなポケットはまた、細胞死および静脈虚脱をさらに促進する低温材料を運搬するのに用いることもできる。ステント上に形成されたポケットの別の用途は、埋め込み部位でのステント配置をガイドするための色素材料を運搬することである。放射線不透性マーカーをステントに設けることによっても、埋め込みを容易にすることができる。
【0013】
図4A〜4Bおよび図5A〜5Bは、別の代替ステント構成を示す図である。図4Aには、一時的吸収性静脈閉塞ステントの第二の例示的実施形態102が示されている。図4Bをさらに参照してわかるように、ステント102は、近位端106および遠位端108を有するほぼ管状体104として形づくられている。本体104は、本体104の近位端106が閉鎖端壁110を有する以外は、図2の本体4と同様のものである。端壁110は、ステント102に、図2のステント2で使用される絞りひも閉鎖システムの代替物を代表する閉鎖システムを与える。留意すべき点として、端壁110は、本体104の一部として永久的に形成することもできるし、あるいはステント102の展開の前、途中または後に、それに別個に取り付けることもできる(例えば、挿入可能なプラグ)。端壁110はステント102の近位端106に配置されているが、それは遠位端108に配置してもよい。壁はまた、ステントの長手方向の中間点など、ステント102の端部106と108の間のいずれかの箇所に配置してもよい。
【0014】
図5Aには、一時的吸収性静脈閉塞ステントの第三の例示的実施形態202が示されている。図5Bをさらに参照してわかるように、ステント202は、近位端206および遠位端208を有するほぼ中実の円柱体204として形づくられている。中実本体204を用いることで、ステント202に、図2のステント2で使用される絞りひも閉鎖システムの代替物を代表する閉鎖システムが与えられる。本体204は、充填もしくは束状生体吸収性単繊維、折り畳み生体吸収性布地または生体吸収性発泡体などの任意の好適な生体吸収性材料から作ることができる。本体204はほぼ円柱状として示してあるが、球形、円錐形、角錐形、不規則形状などの他の形状を用いて、ステント202の本体部分とすることもできることは明らかであろう。
【0015】
次に図6A〜6Kについて説明すると、患者の深部静脈系内の経路を利用する例示的なステント埋め込み方法が描かれている。例示のみを目的として、図2の一時的吸収性静脈閉塞ステント2を患者の下肢の一方にある静脈瘤(VV)に埋め込むものと仮定する。さらに、総大腿静脈(FV)、伏在静脈−大腿接合部(SFJ)、大伏在静脈(LSV)、および参照番号(SB)によって示される種類の1以上の側枝を含んでいてもよい可能な介在部分(IS)を経て、その静脈に到達することができるものと仮定する。この例示的な方法によれば、上腕(または患者の深部静脈系に達することができる他のいずれかの好適な場所)に位置する患者の橈側皮静脈に経皮開口(不図示)を形成する。静脈に進入した後、任意のガイドワイヤを導入し、(例えば、必要に応じて従来の光学的ガイド手段を用いて)上方向に鎖骨下静脈を通過させ、次いで下方向に上大静脈および下大静脈を通過させて、所望の一方の大腿静脈に到達させる。そして、選択した大腿静脈に沿ってガイドワイヤを進め続けて伏在静脈−大腿接合部に到達させ、そこで大伏在静脈に進入する。そして、静脈瘤(VV)における埋め込み部位に到達するまで、ガイドワイヤを、大伏在静脈の適切な支流に沿って、さらに進める。図6Aおよび図6Bに示したように、ガイドワイヤを覆うように鞘形導入管を導入し、導入管の遠位端が埋め込み部位に隣接するまで、ガイドワイヤが配置される静脈経路に沿って進める。あるいは、ガイドワイヤを用いずに鞘形導入管を挿入することができ、または鞘形導入管の後にガイドワイヤを挿入することも可能である(後述するようにバルーンカテーテルをガイドするため)。図6Aおよび図6Bにおいて、ガイドワイヤは参照番号300で示し、鞘形導入管は参照番号302で示している。
【0016】
図6Cおよび図6Dについて説明すると、バルーンカテーテル306の端部に配置された膨張式バルーン拡張装置304に図2のステント2が取り付けられており、カテーテルをガイドワイヤ300(存在する場合)上を進めて、鞘形導入管302の遠位端に到達させる。あるいは、バルーン拡張装置304およびステント2を鞘形導入管302の遠位端に配置してから、後者を患者に導入し、それでステントを鞘形導入管と共に埋め込み部位に運搬するようにすることができる。図6Cおよび図6Dでさらにわかるように、ステント2が患者の体内に向かって進むにつれて、ステントの絞りひも末端12および14は経皮進入部位(不図示)に戻る方向に伸びる。
【0017】
図6Eでは、バルーンカテーテル306を進めることによって、ステント2が鞘形導入管302から外に展開され、バルーン拡張装置304を膨張させて、静脈壁に当たるようにステントを広げ、バルーンカテーテルがステントから取り外されているところである。図6Fでは、バルーンカテーテル306が導入管カテーテル302から取り出されている。図6Gでは、絞りひも末端12および14を操作して、ステント2の近位端6を閉じている。図6Hでは、絞りひも末端12および14がステント2の近くで切断されている。図6Iでは、鞘形導入管302が患者から取り出されている。図6Jでは、静脈が虚脱しながら、埋め込み部位でステント2が吸収されている途中の状態が示されている。図6Kでは、ステント2の吸収が完了し、静脈が完全に虚脱し、永久的遮断320が残っている。
【0018】
他のステント埋め込み方法を本発明に従って用いてもよいことは明らかであろう。例えば、深部静脈系を経て埋め込み部位に近づくのではなく、比較的近くにある、埋め込み部位の上または下の大伏在静脈または小伏在静脈の一方に進入することで、表在静脈アプローチを用いることが可能である。そのような進入箇所を用いる場合、絞りひも末端12および14の切断に先立って行うことができる任意選択の追加段階は、それらの一方または両方を進入箇所で患者の皮膚に縫合することである。これは、そのような安定化が望ましい場合に、埋め込み位置においてステント2を安定させるのを助ける。好適な表面把持構成または他の把持手段を有するステント2の形成など、他の安定化法を用いることも可能である。
【0019】
前述の例示的方法によるバルーンカテーテルの使用は、あらゆる場合において必要または望ましいわけではないことも明らかであろう。例えば、図5Aおよび図5Bのステント202などの中実体ステントを配置する場合、バルーンカテーテルの使用は望ましくないと考えられる。その場合、ステントは、オープンエンドカテーテル(バルーン拡張装置先端を持たない)内で埋め込み部位に運搬することができる。次いで、プランジャーを用いて、ステントをカテーテルの外に押し出して静脈内に埋め込むことができる。留意すべき点として、ステントを、外側方向に拡張できるように、弾性を持たせて構成することも可能である(例えば、生体吸収性発泡体を用いる)。その場合、ステントは、カテーテル中にある間は圧縮されているが、展開される時、拡張して静脈壁に噛み合うようになる。
【0020】
図7および図8には、磁石400を用いて、ガイドワイヤ300または鞘形導入管302(ガイドワイヤを用いずに)のいずれかを静脈瘤(VV)における埋め込み部位に導く、本発明のさらに別の態様を示してある。図7において、ガイドワイヤ300の先端部分402は強磁性材料で作られている。図8において、鞘形導入管302の先端には、強磁性体ガイド要素404が設けられている。治療中には、医師が、患者の皮膚表面の上から、磁石400を操作する。表在静脈系が皮膚表面に近接しているので、磁石400はガイドワイヤ先端402または導入管ガイド要素404に磁力を加え、それによって、磁石の動きによって決まる方向にガイドワイヤ先端またはガイド要素を引っ張っていく。このようにして、さらには従来の光学的ガイド手段の可能な補助を受けながら、ステント2を所望の位置に配置することができる。
【0021】
よって、静脈瘤を治療するための装置および方法が開示される。本発明の様々な実施形態を示し、記載してきたが、本明細書に記載の内容に従って、多くの変形形態および代替実施形態を行うことが可能であることは明らかである。例えば、生体吸収性布地、単繊維および発泡体を用いた様々の生体吸収性ステント構成について記載してきたが、本発明に従って設計されるステントには他の生体吸収性構造を用いることもできることは明らかであろう。その例としては、成形、粉砕または他の製造技術を用いてステントを形成するように構成できる固体表面材料などが挙げられる。ステントが必ずしも血流の遮断に100%有効である必要はないことも明らかであろう。埋め込み部位での血液凝固および繊維形成を誘発するのに十分な血流抑制があれば十分である。それに関連して、留意すべき点として、ステントの閉鎖部分がその機能を果たす限りにおいて、ステントの全ての部分が血流を遮断する必要はない。従って、ステントの閉鎖部分(例えば、端壁)が実質的に血流を遮断する限りにおいて、静脈壁に噛み合うステントの側面部分は場合によっては血流浸透性であってもよい。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲およびその均等物の精神に従う以外は、何ら限定を受けるものではないことが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、ヒト大腿上部および鼠径部領域、ならびにそこの静脈循環系の一部の概要を示す概略図である。
【図2】図2は、様々な閉鎖段階での本発明の第一の例示的実施形態による一時的吸収性静脈閉塞ステントを示す斜視図である。
【図3A】図3Aは、静脈瘤の長手方向断面図、およびそこに挿入される図2のステントを示す斜視図である。
【図3B】図3Bは、静脈瘤における初期配置状態でのステントを示す図3Aによる図である。
【図3C】図3Cは、静脈瘤における最終配置状態でのステントを示す図3Aによる図である。
【図3D】図3Dは、部分的に吸収された状態でのステントおよび部分的虚脱状態での静脈瘤を示す図3Aによる図である。
【図3E】図3Eは、ステントが完全に吸収され、静脈瘤が完全に虚脱して、永久的に遮断された後の図3Aによる図である。
【図4A】図4Aは、ステントが閉鎖末端を有するほぼ管状部材として形成されている本発明の第二の例示的実施形態による一時的吸収性静脈閉塞ステントの斜視図である。
【図4B】図4Bは、ステントを断面で分割して、それの中空内部を示す図4Aによる斜視図である。
【図5A】図5Aは、ステントが中実部材として形成されている本発明の第三の例示的実施形態による一時的吸収性静脈閉塞ステントの斜視図である。
【図5B】図5Bは、ステントを断面で分割して、それの中実内部を示す図5Aによる斜視図である。
【図6A】図6Aは、ヒト大腿上部および鼠径部領域での静脈循環系の一部を示す長手方向の断面図、ならびに経皮進入点(不図示)から埋め込まれる静脈瘤の部位に進んだガイドワイヤ、およびそのガイドワイヤを通過して伏在静脈−大腿接合部に近づく鞘形導入管を含むステント送出システムの斜視図である。
【図6B】図6Bは、大伏在静脈(および介在する表在静脈枝)を通って埋め込まれる静脈瘤の部位に進んだ後の鞘形導入管を示す図6Aによる図である。
【図6C】図6Cは、ステントを伏在静脈−大腿接合部に近づけながら、鞘形導入管の内に一時的吸収性静脈閉塞ステントを運ぶバルーンカテーテルを示す図6Aによる図である。
【図6D】図6Dは、鞘形導入管の遠位端にあるステントを示す図6Aによる図である。
【図6E】図6Eは、埋め込まれる静脈瘤での配置およびバルーンカテーテルによる拡張後のステントを示し、さらにはバルーンカテーテルの鞘形導入管中への引き込みを示す図6Aによる図である。
【図6F】図6Fは、鞘形導入管からのバルーンカテーテルの取り出し後の図6Aによる図である。
【図6G】図6Gは、ステントから経皮進入点に延在する絞りひも部材を用いるステントの閉鎖を示す図6Aによる図である。
【図6H】図6Hは、ステント絞りひも部材の固定およびステント近位でのそれの切断後の図6Aによる図である。
【図6I】図6Iは、鞘形導入管の取り出し後の図6Aによる図である。
【図6J】図6Jは、部分的に吸収された状態でのステントおよび部分的虚脱状態での静脈瘤を示す図6Aによる図である。
【図6K】図6Kは、ステントが完全に吸収され、埋め込まれた部分の静脈瘤が完全に虚脱して、永久的に遮断された後の図6Aによる図である。
【図7】図7は、ヒト大腿上部および鼠径部領域での静脈循環系の一部を示す長手方向の断面図、ならびに少なくとも部分的には磁石のガイド下に経皮進入点(不図示)から埋め込まれる静脈瘤の部位に進んだ強磁性体の先端を有するガイドワイヤ、およびそのガイドワイヤを通過して伏在静脈−大腿接合部に近づく鞘形導入管を含むステント送出システムの斜視図である。
【図8】図8は、ヒト大腿上部および鼠径部領域での静脈循環系の一部を示す長手方向の断面図、ならびに少なくとも部分的には磁石によって伏在静脈−大腿接合部までガイドされた強磁性体の先端を有する鞘形導入管を含むステント送出システムの斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一時的吸収性静脈閉塞ステントであって、
ステント本体、
この本体に関連する生体吸収性材料、および
静脈に埋め込まれた時に前記ステントを通り過ぎる血流を遮断する閉鎖手段
を有することを特徴とするステント。
【請求項2】
前記ステント本体が概して管状である請求項1に記載のステント。
【請求項3】
前記ステント本体が概して円筒形である請求項1に記載のステント。
【請求項4】
前記生体吸収性材料が、前記ステント本体を形成するのに用いられる材料によって提供される請求項1に記載のステント。
【請求項5】
前記生体吸収性材料がポリ乳酸を含む請求項1に記載のステント。
【請求項6】
前記閉鎖手段が、前記ステント本体の一端にある絞りひも閉鎖システムを含む請求項1に記載のステント。
【請求項7】
前記閉鎖手段が、一対の絞りひも端部を有する絞りひも閉鎖システムを含む請求項1に記載のステント。
【請求項8】
前記閉鎖手段が、前記本体に関連する閉鎖端壁を含む請求項1に記載のステント。
【請求項9】
前記閉鎖手段が、前記本体上に取り付けられた閉鎖端壁を含む請求項1に記載のステント。
【請求項10】
前記閉鎖手段が、概して中実の内部部分を有する前記ステント本体によって提供される請求項1に記載のステント。
【請求項11】
静脈瘤の治療方法であって、
治療される静脈瘤の近傍またはその上部の埋め込み部位に、ステント本体、この本体に関連する生体吸収性材料および静脈に埋め込まれた時に前記ステントを通り過ぎる血流を遮断する閉鎖手段を有する一時的吸収性静脈閉塞ステントを導入すること;
前記ステントを通り過ぎる血流を遮断するように、前記埋め込み部位で静脈壁に当たるように前記ステントを展開すること;および
前記ステントが吸収されるにつれて、前記ステントに前記埋め込み部位で遮断を形成させること
を含むことを特徴とする方法。
【請求項12】
前記ステントを、深在静脈系アプローチによって導入する請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ステントを、橈側皮静脈アプローチによって導入する請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記ステントを、表在静脈系アプローチによって導入する請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記ステントを、鞘形導入管を介して導入する請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記ステントを、鞘形導入管およびガイドワイヤを介して導入する請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記ステントを、磁気誘導によって導入する請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記ステントを、バルーンカテーテルを用いて展開する請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記ステントを、バルーンカテーテルおよび前記閉鎖手段の操作を用いて展開する請求項11に記載の方法。
【請求項20】
一時的吸収性静脈閉塞ステントであって、
生体吸収性材料を含むステント本体、および
静脈に埋め込まれた時に前記ステントを通り過ぎる血流を遮断するための前記ステント本体に関連する閉鎖構造
を有することを特徴とするステント。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図6F】
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【図6G】
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【図6H】
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【図6I】
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【図6J】
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【図6K】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2007−511294(P2007−511294A)
【公表日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−539989(P2006−539989)
【出願日】平成16年11月16日(2004.11.16)
【国際出願番号】PCT/US2004/038274
【国際公開番号】WO2005/048884
【国際公開日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【出願人】(506164992)ビーナス メディカル テクノロジーズ、 インク. (5)
【Fターム(参考)】