説明

一枚型の電子レンジ調理可能な包装体

本発明は、食品用の一枚型の電子レンジ調理可能な包装体であって、上壁と、底壁と、第1および第2の側壁とを備えるスリーブの形状を有し、第1の側壁が上壁と底壁とを結合し、上壁が、その自由縁部に配置される少なくとも1つの切り欠きまたは開口を備え、第2の側壁が底壁から延び、包装体を直立状態で固定するために上壁の切り欠きまたは開口に固定するのに適した少なくとも1つの対応する延在部をその自由縁部に備える、一枚型の電子レンジ調理可能な包装体に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一枚型の電子レンジ調理可能な包装体、および、該電子レンジ調理可能な包装体を備える組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許第4,785,160号は、導電材料でコーティングされた折り畳み可能な板紙から形成されて、食品にキツネ色の焦げ目を付けるのに役立つ使い捨て可能なスリーブ型カートンに関する。このタイプの包装に伴う問題点は、包装体が4つの側で閉じられ、それにより、食品が電子レンジ機器内に導入されて加熱されるときに過熱状態になるという点である。この特許の包装体は中実の厚紙から形成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、加熱される食品が電子レンジ機器内において従来のオーブン機器内での加熱に近い良好なカリカリとした焼き上がり及びキツネ色の焦げ目を成す特性に達する、包装装置を有することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、食品用の一枚型の電子レンジ調理可能な包装体であって、上壁と、底壁と、2つの側壁とを備えるスリーブの形状を有し、第1の側壁が上壁と底壁とを結合し、上壁が、その自由縁部に配置される少なくとも1つの切り欠きまたは開口を備え、第2の側壁が底壁から延び、包装体を直立状態で固定するために上壁の切り欠きまたは開口に固定するのに適した少なくとも1つの対応する延在部をその自由縁部に備える、一枚型の電子レンジ調理可能な包装体に関する。
【0005】
本発明の第2の実施形態によれば、本発明は、食品用の一枚型の電子レンジ調理可能な包装体であって、上壁と、底壁と、第1および第2の側壁とを備えるスリーブの形状を有し、第1の側壁が上壁と底壁とを結合し、上壁は、包装体を直立状態で固定するために底壁の少なくとも1つの対応する延在部と協働する少なくとも1つの切り欠きまたは開口を備える、一枚型の電子レンジ調理可能な包装体に関する。
【0006】
本発明の目的は、食品を包装体内に導入することによって該食品と包装体との間が密着し、それにより、加熱された食品のカリカリとした焼き上がりが良好になる、包装体を提供することである。
【0007】
また、上壁および底壁は、少なくとも1つの通気孔を備える。この通気孔またはこれらの通気孔の存在理由は、通気孔の周囲にグリルマークを形成するとともに、電子レンジ加熱中に水分排出を可能にするためである。通気孔の形状およびサイズに制限はない。好ましくは、通気孔は、細長く、上壁および底壁の対角線のサイズよりも僅かに小さいサイズを有する。
【0008】
包装体におけるスリーブは、外側紙層と、丸溝ひだ層(flute layer)と、食品と接触する内部受容層(internal susceptor layer)とを備える。
【0009】
丸溝ひだ層は、0.3〜2mmの厚さを有する。丸溝ひだ層は約0.8mmの厚さを有することが好ましい。紙層は耐油性層である。
【0010】
使用される受容層のタイプに関して、受容層は、高い吸収エネルギーと低い透過エネルギーとを得るための光学密度を有することが好ましい。例えば、受容層は、アルミニウムの薄層を有するPETから形成される。
【0011】
本発明の更なる実施形態によれば、包装体の底側が少なくとも3つの、好ましくは4つのプレカット部を備え、該プレカット部は直立状態で底壁から下方へ展開し、そこで好ましくは4つの対応する脚部を形成することができる。この種の解決策では、包装体が電子レンジ内に配置されると、包装体の底壁が電子レンジの壁と直接に接触しない。その結果、空気の循環が促進され、それにより、特に低品質の電子レンジにおいて、より良い水分の蒸発が可能になるとともに、底部でのマイクロ波のより良い分布が得られる。
【0012】
包装体は、8〜15cmのサイズの上壁および底壁を有することが好ましい。側壁の幅は2〜4cmである。
【0013】
更なる実施形態において、スリーブは1つの平坦な折り畳まれたブランクから形成され、一方の側壁が上壁に対して接着される。
【0014】
本発明は、更に、グリルマークを伴うとともに、良好なカリカリとした焼き上がりを伴う、従来のオーブンのような加熱食品に近い食品を得るための前述した包装体の使用に関する。本発明の包装体を用いて食品を加熱するための継続時間は、約750ワットの電力を有する電子レンジを用いると、2〜3分の範囲である。
【0015】
本発明は、更に、包装状態で、食品と、前述した一枚型の電子レンジ調理可能な包装体とを備える組立体に関する。実用的方法では、食品がクロックムッシュ(ccroque−monsieur)である。この組立体は、食品サービス業界においては、小売に適していると考えられる。組立体は、消費者に優しい、すなわち、材料が少なく取り扱いが容易な固定システムを備える。
【0016】
本発明の目的は、以下の図面から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施形態におけるブランクの平面図である。
【図2】先の実施形態に係るスリーブの平面図である。
【図3】スリーブが直立状態にある斜視図である。
【図4】本発明の第2の実施形態におけるブランクの平面図である。
【図5】図4のスリーブの平面図である。
【図6】この第2の実施形態の直立状態における斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
電子レンジ調理可能な包装体は、上壁(2)と、底壁(3)と、両壁(2,3)を結合する第1の側壁(4)と、第2の側壁(5)とを備える一枚型ブランク(1)から形成される。側壁(4)は開口(6)を有する。上壁(2)は、包装体をその直立状態で固定するために第2の側壁の延在部(8)と協働する開口(7)を有する。この図では、ブランクは、上壁に2つの通気孔(9)を有し、底壁に2つの通気孔(10)を有する。
【0019】
図2は折り畳まれたブランクを示しており、折り畳まれたブランクとは、通常は包装体の製造業者によって供給されるスリーブを指す。上壁(2)は第2の側壁(5)に対して接着される。消費者が包装体を使用したい場合には、当該消費者は、単に、スリーブを展開した後に、延在部(8)を開口(7)内に配置させて、図3のように包装体を直立させるだけよい。この段階では、消費者は、開放された側(12)を通じてクロックムッシュを導入することができる。この実施形態において、第2の側壁の高さh4は第1の側壁の高さh3よりも低い。その理由は、この場合には、上壁および底壁の両方が加熱されるべき食品と密着して、それにより、カリカリとした焼き上がり及びキツネ色の焦げ目が増大するからである。直立状態では、図3において脚部(11)が見える。
【0020】
図4〜図6の第2の実施形態によれば、電子レンジ調理可能な包装体は、上壁(21)と、底壁(22)と、第1の側壁(23)と、第2の側壁(24)とを備える一枚型ブランク(20)から形成され、この場合、第1の側壁(23)は上壁と底壁とを結合し、上壁(21)は、包装体を直立状態で固定するために底壁の2つの延在部(26)と協働する少なくとも1つの切り欠き(25)を備える。第2の側壁は、上壁(21)に対して接着されるべき延在部(28)を更に備える。
【0021】
図5は折り畳まれたブランクを示しており、折り畳まれたブランクとは、通常は包装体の製造業者によって供給されるブランクを指す。この場合には、部分(28)が上壁(21)に対して接着される。消費者が包装体を使用したい場合には、当該消費者は、単に、図6の場合のようにスリーブを直立させて、スリーブの内側にクロックムッシュを導入した後、延在部(26)を上壁(21)の対応する切り欠き(25)内に配置させるだけでよい。包装体は脚部(32)を更に備える。先の実施形態と同様、前述したように食品と受容体との接触を高めるために、第2の側壁の高さh2は第1の側壁の高さh1よりも低い。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品用の一枚型の電子レンジ調理可能な包装体であって、
上壁と、底壁と、第1の側壁と、第2の側壁とを備えるスリーブの形状を有し、
前記第1の側壁が、前記上壁と前記底壁とを結合し、
前記上壁が、該上壁の自由縁部に配置される少なくとも1つの切り欠きまたは開口を備え、
前記第2の側壁が前記底壁から延び、該第2の側壁の自由縁部には、当該包装体の直立状態で当該包装体を固定するために前記上壁の前記切り欠きまたは前記開口に固定するのに適した少なくとも1つの対応する延在部が設けられている、一枚型の電子レンジ調理可能な包装体。
【請求項2】
食品用の一枚型の電子レンジ調理可能な包装体であって、
上壁と、底壁と、第1の側壁と、第2の側壁とを備えるスリーブの形状を有し、
前記第1の側壁が、前記上壁と前記底壁とを結合し、
前記上壁が、当該包装体の直立状態で当該包装体を固定するために、前記底壁の少なくとも1つの対応する延在部と協働する少なくとも1つの切り欠きまたは開口を備える、一枚型の電子レンジ調理可能な包装体。
【請求項3】
前記上壁および前記底壁が少なくとも1つの通気孔を備える、請求項1または2に記載の一枚型の電子レンジ調理可能な包装体。
【請求項4】
前記上壁および前記底壁が2つの通気孔を備える、請求項3に記載の一枚型の電子レンジ調理可能な包装体。
【請求項5】
前記通気孔が細長い、請求項3または4に記載の一枚型の電子レンジ調理可能な包装体。
【請求項6】
前記スリーブが、外側紙層と、丸溝ひだ層と、食品と接触する内部受容層とを備える、請求項1〜5のいずれか一項に記載の一枚型の電子レンジ調理可能な包装体。
【請求項7】
前記丸溝ひだ層が0.3〜2mmの厚さを有する、請求項6に記載の一枚型の電子レンジ調理可能な包装体。
【請求項8】
前記紙層が耐油性層である、請求項6に記載の一枚型の電子レンジ調理可能な包装体。
【請求項9】
前記内部受容層が、高い吸収エネルギーと低い透過エネルギーとを得るための光学密度を有する、請求項6に記載の一枚型の電子レンジ調理可能な包装体。
【請求項10】
当該包装体の底側が少なくとも3つの、好ましくは4つのプレカット部を備え、前記プレカット部が直立状態で前記底壁から下方へ展開し、その展開状態で好ましくは4つの対応する脚部を形成することができる、請求項1〜9のいずれか一項に記載の一枚型の電子レンジ調理可能な包装体。
【請求項11】
前記上壁および前記底壁が8〜15cmのサイズを有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の一枚型の電子レンジ調理可能な包装体。
【請求項12】
前記側壁の幅が2〜4cmである、請求項1〜11のいずれか一項に記載の一枚型の電子レンジ調理可能な包装体。
【請求項13】
包装状態において、食品と、請求項1〜12のいずれか一項に記載の一枚型の電子レンジ調理可能な包装体とを囲繞状態で備える組立体。
【請求項14】
前記食品がクロックムッシュである、請求項13に記載の組立体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−525461(P2011−525461A)
【公表日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−515310(P2011−515310)
【出願日】平成21年6月16日(2009.6.16)
【国際出願番号】PCT/EP2009/057484
【国際公開番号】WO2009/156310
【国際公開日】平成21年12月30日(2009.12.30)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】