説明

三リン酸塩オリゴヌクレオチドの合成方法および誘導体

本発明は、抗ウイルス反応または抗菌反応の誘発、特にRIG−Iに結合することにより、I型IFN、IL−18、および/またはIL−1βの誘発を可能にする、式I
のオリゴヌクレオチド、またはその医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグを特徴とする。本発明は、少なくとも1つの三リン酸塩またはその類似体を含む、修飾オリゴヌクレオチドの作製および使用方法に関する。本発明は、さらに、ウイルス感染症、細菌感染症、寄生虫感染症、腫瘍、アレルギー、自己免疫疾患、免疫不全症、および免疫抑制等の、種々の疾患および疾病を治療するための方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの三リン酸塩またはその類似体を含む、修飾核酸の作製および使用方法に関する。本発明は、対象の免疫系を刺激するか、または阻害するかのいずれかをするように修飾されるiRNA剤にも関する。本発明は、抗ウイルスまたは抗菌反応の誘発、特にRIG−Iを調節することにより、I型IFN、IL−18、および/またはIL−1βの誘発を可能にする、iRNA剤およびRNA剤の使用を記載する。本発明は、ウイルス感染症、細菌感染症、寄生虫感染症、腫瘍、アレルギー、自己免疫疾患、免疫不全症、および免疫抑制等の、特定の免疫関連疾病の配列特異的mRNAを標的とする、iRNA剤の使用にも関する。
【背景技術】
【0002】
二本鎖RNA分子(dsRNA)は、RNA干渉(RNAi)として知られる高度に維持される調節機構により、遺伝子発現を遮断することができる。つまり、RNA IIIダイサー酵素は、dsRNAを処理して約22のヌクレオチドの小分子干渉RNA(siRNA)にする。siRNAは、RNA誘発サイレンシング複合体と呼ばれる、タンパク質/RNA複合体に組み込まれる(非特許文献1)。siRNA二本鎖の1つである、アンチセンス鎖、またはガイド鎖の鎖は、特異的なワトソン−クリック塩基対の形成を通して、メッセンジャーRNA(mRNA)とハイブリッド形成する。RISCのエンドヌクレアーゼ構成要素のスライサーは、標的とするmRNAを切断する(非特許文献2)。siRNA二本鎖のアンチセンス鎖は、このプロセスで切断または分解されず、このアンチセンス鎖を含むRISCは、その後、追加の相補的なmRNAを切断することができる。
【0003】
多くの疾患(例えば、癌、造血障害、内分泌疾患、および免疫疾患)は、特定の遺伝子または遺伝子群の異常もしくは望ましくない発現または活性から生じる。例えば、疾病は、調節欠落遺伝子発現、タンパク質の突然変異型の発現、またはウイルス、細菌もしくは他の病原体由来の遺伝子を通して生じる。RNAi経路は、このような遺伝子の望ましくない発現を阻害または減少するように使用され得る(非特許文献3および4)。
【0004】
核酸の認識に関与するいくつかの受容体タンパク質が、進化してきた。抗ウイルス防御に最も重要なタンパク質受容体の1つは、カスパーゼ動員ドメイン(CARD)およびDExD/Hボックスヘリカーゼドメインの2つを含有するヘリカーゼファミリーの構成要素である、レチノイン酸誘導タンパク質I(RIG−I)であることが、近年の研究で示されている(非特許文献5)。特定のRNAウイルスの組(フラビウイルス、パラミクソウイルス、オルトミクソウイルス、およびラブドウイルス)のRIG−l媒介性認識(非特許文献5〜7)は、生体外および生体内の抗ウイルス宿主防御に重要な役割を持つ。ヘリカーゼファミリーの第2の構成要素であるMDA−5は、相反的な組のRNAウイルス(ピコマウイルス)に対する抗ウイルス防御に関与する(非特許文献8)。
【0005】
RIG−IおよびMDA−5に加え、Toll様受容体(TLR)ファミリーである、TLR3、TLR7、TLR9、およびTLR9の4つの構成要素も、ウイルスの核酸認識に関与することが知られている。RIG−IおよびMDA−5は、それらの細胞内局在、発現パターン、シグナル伝達経路、およびリガンドにおいて、TLRと異なる。
【0006】
RIG−IおよびMDA−5は、細胞質受容体であるが、TLR3、TLR7、TLR8、およびTLR9は、エンドソーム膜に位置する。
【0007】
TLRは、特定の決められた免疫細胞のサブセット上(すなわち、PDCおよびB細胞に限定されるTLR9)に主に発現するが、RIG−IおよびMDA−5は、免疫細胞および非免疫細胞の両方で発現する(非特許文献9)。
【0008】
明確な発現プロファイルおよび細胞局在に加え、エンドソームTLR、ならびに2つの細胞質受容体RIG−IおよびMDA−5のシグナル伝達は異なる。TLR3は、TRIFおよびTLR7を介してシグナル伝達され、TLR8およびTLR9は、MyD88を介してシグナル伝達されるが、RIG−Iは、CARD含有アダプターを動員する。
【0009】
本特許に記載されるiRNA剤は、化学的に合成されたオリゴリボヌクレオチドの二本鎖である。二本鎖の1本または両方の鎖は、化学的に修飾され、以下に記載する二本鎖の特性を変更し得る。配列特異的である様式で認識されるmRNAのRISC媒介性切断に加え、二本鎖は、免疫系に影響を及ぼす場合がある。この発明は、対象の免疫系を刺激または阻害のいずれかをするように修飾されるiRNA剤に関する。これらのiRNA剤は、二重機能を有し、免疫カスケードに関連しない遺伝子のmRNAも、配列特異的に標的とし得る。これらの免疫刺激または阻害iRNA剤は、また、化学療法剤、抗生物質、または第2のiRNA剤であってもよい、第2の療法と併用して使用され得る。この発明は、RISCに基づく機構を介した分解において、例えば、TLR3、TLR7、TLR8、およびTLR9の、特定の免疫関連タンパク質のmRNAを配列特異的に標的とするiRNA剤の使用にも関する。
【0010】
病原体認識は、免疫系の先天性認識アームにより媒介される。適応性免疫系と違い、先天性免疫は、全ての可能な病原体の認識に対する潜在能力を持たない。代わりに、多くの異なる微生物に存在する、いくつかの高度に維持された構造が認識される。先天性免疫応答は、上皮および免疫細胞上の病原体認識受容体(PRR)による、リガンドの認識に基づく。リガンドとしては、グラム陰性細胞壁、ペプチドグリカン、グラム陽性細胞壁からのリポテイコ酸、マンノース糖、細菌DNA、N−ホルミルメチオニン、ウイルスからの二本鎖RNA、および真菌細胞壁からのグルカンが挙げられる。先天性免疫は、認識されたリガンドへの露出後、即時に、または数時間後に活性化される。
【0011】
先天性免疫応答に関与する細胞としては、貪食細胞、好塩基球、マスト細胞、好酸球、および天然キラー細胞(NK細胞)が挙げられる。これらは、これらの細胞上の細胞表面パターン認識受容体の2つの機能的に異なるクラスである、飲食パターン認識受容体およびシグナル伝達パターン認識受容体である。本明細書の目的において、一般的にシグナル伝達パターン認識受容体、および特にtoll様受容体は、最も重要である。toll様受容体(TLR)は、細菌からのDNAおよび二本鎖RNAを含む、微生物起源のいくつかの異なる分子に結合する(非特許文献10)。
【0012】
リガンドがTLRに結合すると、シグナルが核に伝達され、細胞内調節分子の合成をコードする遺伝子が発現する(非特許文献11)。TLRシグナル伝達は、MyD88、Tollip、Mal等のアダプタータンパク質に依存する。これらのアダプタータンパク質は、細胞応答を活性化して、炎症性サイトカイン産生の産生を誘発し、樹状細胞の成熟化を誘発し、インターフェロンの産生を誘発する。同様にサイトカインは、炎症、熱、およびファゴサイトーシス等の、先天性免疫防御を引き起こし、侵入微生物に対する即時反応を提供する。TLRも、液性免疫(抗体の産生)および細胞媒介性免疫(細胞障害性Tリンパ球およびさらなるサイトカインの産生)に必要な種々の二次シグナルを引き起こすことにより、適合性免疫に関与する。
【0013】
本明細書に記載されるiRNA剤は、核酸またはヌクレオチド類似体に結合することで知られる受容体の1つを通して、先天性免疫系を活性化し得る。Toll様受容体3(TLR3)は、二本鎖RNAの受容体である。TLR3は、樹状細胞、線維芽細胞、マクロファージ、および上皮細胞上で発現する(非特許文献12)。TLR3のアダプター分子は、TICAM−1である。TLR3のTICAM−1への結合は、最終的に、I型インターフェロンの産生につながる、多重シグナル伝達カスケードを誘発する(IFN−αβ,非特許文献12)。インターフェロンは、RNAを分解することができる酵素を産生し、したがって、ウイルスの増殖を阻止する、非感染細胞を誘発するサイトカインである。インターフェロンは、細胞障害性Tリンパ球、マクロファージ、およびNK細胞を含む、防御に重要な種々の細胞も活性化する。
【0014】
一本鎖RNA認識は、マウスではToll−様受容体7、およびヒトではTLR−8により媒介される。マウスにおいて、TLR7は、アダプターMyD88に結合し、IFN−αの活性化をもたらす。Dieboldら(非特許文献13)は、インフルエンザウイルスRNA、ポリウリジル酸および生体外合成mRNA全てが、形質細胞様粥状細胞において、IFN−αの産生を誘発したことを示す。Heilら(非特許文献14)は、ホスホロチオエート末端を伴う20の残基のグアニンおよびウリジン豊富なRNAオリゴヌクレオチドが、樹状細胞およびマクロファージを刺激し、INF−α、ならびに炎症性および調節性サイトカインを分泌したことを示す。彼らは、TLR欠損マウスを使用して、マウスTLR−7およびヒトTLR−8が、一本鎖RNAへの結合に関与することを示した。ヒトTLR−7も、グアニンヌクレオチド類似体により活性化される(非特許文献15)。
【0015】
細菌からのDNAは、哺乳類免疫細胞に刺激作用を有する。この応答は、細菌DNAの非メチル化ジヌクレオチドの存在に依存し、哺乳類のDNAは、低頻度のCpGジヌクレオチドを有し、これらは、ほとんどメチル化されるため、哺乳類のDNAは、免疫刺激活性をもたない。CpG DNAに対する細胞応答は、TLR9により媒介される(非特許文献16)。CpGモチーフを伴う短DNAオリゴヌクレオチドは、CpGジヌクレオチドに隣接する塩基、CpGモチーフの数および間隔、ODNにおけるポリG配列の存在、およびOCDの骨格に依存する、免疫刺激作用を有する(非特許文献17)。
【0016】
二本鎖RNAは、PKRと呼ばれる、偏在的に発現するセリン/スレオニンタンパク質キナーゼとの相互作用を通して、先天性免疫系も活性化する場合がある。PKRは、細菌LPSのTLR4結合により活性化されるTLR4カスケードの一部である。PKRは、インターフェロンにより誘発され、dsRNA、サイトカイン、成長因子、およびストレスシグナルにより活性化される。PKRは、自己リン酸化し、dsRNAに結合すると活性化される。活性化は、eIF2aのリン酸化を介して、タンパク質合成の阻害をもたらし、異なる転写制御因子の活性化のPKR依存信号伝達により、炎症性遺伝子の転写も誘発する(非特許文献18)。PKRは、その阻害剤IkBのリン酸化を通して、NF−κB発現を上方制御する(非特許文献19)。dsRNAの11の塩基対だけで、PKRに結合し、活性を誘発することができるが、最大活性は、少なくとも30の塩基対を必要とする(非特許文献20)。興味深いことに、Kimら(非特許文献21)は、近年、T7 RNAポリメラーゼを使用して転写されたsiRNA上の5’三リン酸塩が、I型IFNの誘発に関与することを示した。
【0017】
siRNA二本鎖は、特定の条件下で、ヒト細胞の免疫応答を引き起こすことができることが報告された。Sledzら(非特許文献22)は、検査された6つの異なるsiRNA二本鎖のそれぞれで、インターフェロン系の誘発を報告した。Bridgeら(非特許文献23)は、ウイルスベクターを使用して送達された、全てではないがいくつかのヘアピンsiRNAが、インターフェロン刺激遺伝子の発現を誘発したことを報告した。siRNA二本鎖の濃度は、免疫応答の程度と直接相関する。これらの2つの報告は、siRNA二本鎖がPKRを活性化したことを示した。逆に、Karikoら(非特許文献24)からのデータは、先天性免疫のsiRNA誘発において、TLR3経路を関係付けた。Karikoら(非特許文献24)は、TLR3活性化は濃度依存性であるが、dsRNAによる最適なTLR3の必要条件は、現在不明であることを示した。
【0018】
先天性免疫応答の活性化は、ウイルス感染から癌に及ぶまで、疾病に有利である。dsRNAおよびCpG DNAによる先天性免疫の活性化は、マウスモデルにおいて、抗腫瘍作用を促進した(非特許文献25)。iRNA剤は、種々の細菌およびウイルス病原体に対するワクチン接種の強力なアジュバンドであるべきである。このようなアジュバントは、適応性免疫応答を同様に形づくるであろう先天性免疫を活性化するはずである。いくつかのiRNA配列および修飾は、他のものより先天性免疫応答を良く活性化する場合がある。この活性化は、核酸に結合することが知られるToll様受容体経路:二本鎖RNAの受容体であるLR3、一本鎖RNAの受容体であるTLR8、非メチル化CpG DNAに対する選択性を伴う受容体であるTLR9、またはdsRNAにより活性化されるタンパク質キナーゼであるPKRのいずれかを介して生じ得る。これらのタンパク質のそれぞれは、記載されるiRNA剤に類似する分子に結合することが知られている。
【0019】
先天性免疫系の抑制が有利であり得るのには、いくつかの理由がある。先天性免疫系の刺激は炎症をもたらすため、非産生時のこの系の抑制は、喘息、重篤な局所性もしくは全身性感染症、または炎症性腸疾患、慢性閉塞性肺疾患、および関節炎等の慢性炎症疾患を伴う患者に有益であり得る。免疫系を抑制する化合物も、癌の治療に有用である。特に、NF−κBの活性化をもたらすPKR経路の破壊は、魅力的である。NF−κBは、ほかの欠損細胞を排除するであろうアポトーシスの阻害をもたらし(非特許文献26)、転移性成長も促進する(非特許文献27)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0020】
【非特許文献1】RISC;Bartel,Cell,2004,116,281−297
【非特許文献2】Meister et al.,Mol.Cell,2004,15,185−197
【非特許文献3】Agrawal et al.,Microbiol Mol Biol Rev.,2003,67,657−685
【非特許文献4】Alisky & Davidson,Am.J.Pharmacogenomics,2004,4,45−51
【非特許文献5】M.Yoneyama et a/.,Nat Immunol 5,730(JuI,2004)
【非特許文献6】R.Sumpter,Jr.et al.,J Virol 79,2689(Mar,2005)
【非特許文献7】H.Kato et a/.,Nature 441,101(Apr 9,2006)
【非特許文献8】H.Kato et al.,Nature 441(7089):101−105,Apr 9,2006
【非特許文献9】H.Kato et al.,Immunity 23,19(JuI12005)
【非特許文献10】Janssens & Beyaert,Clin.Microbiol.Rev.,2003,16,637−646
【非特許文献11】Ulevitch,Nat.Rev.Immunol.,2004,4,512−520
【非特許文献12】Matsumoto et al.,Microbial.Immunol.,2004,48,147−154
【非特許文献13】Diebold et al.,Science,2004,303,1529−1531
【非特許文献14】Heil et al.,Science,2004,303,1526−1529
【非特許文献15】Lee et al.,Proc. Natl. Acad.Sci.USA,2003,100,6646−6651
【非特許文献16】Hemmi et al.,Nature, 2000,408,740−745
【非特許文献17】Krieg et al.,Nature,1995,374,546−549、Krieg,In:Antisense Drug Technology:Principles,Strategies,and Applications,2001,ed.Crooke,S.T.,pp. 471−516,Marcel Dekker,Inc.,New York
【非特許文献18】Williams,Oncogene,1999,18,6112−6420
【非特許文献19】Kumar et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1994,91,6288−6292
【非特許文献20】Manche et al.,Mol.Cell Biol.,1992,12,5238−5248、Nanduri et al.,EMBO J.,1998,17,5458−5465
【非特許文献21】Kim et al.,Nat.Biotechnol.,2004,22,321−325
【非特許文献22】Sledz et al,Nat.Cell Biol.,2003,5,834−839
【非特許文献23】Bridge et al.,Nat.Genet.,2003,34,263−264
【非特許文献24】Kariko et al.,Cells Tissues Organs,2004,177,132−138
【非特許文献25】Whitmore et al.,Cancer Res.,2004,64,5850−5860
【非特許文献26】Pikarsky et al.,Nature,2004,431,461−466
【非特許文献27】Huber et al.,J.Clin.Invest.,2004,114,569−581
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明は、抗ウイルスまたは抗菌反応の誘発、RIG−Iを調節することにより、特にI型IFN、IL−18、および/またはIL−1βの誘発を可能にする、新規クラスのiRNA剤を提供する。
【0022】
一実施形態において、本発明のiRNA剤は、以下に図示する式I
【化1】

【0023】
により表されるか、またはその医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグであり、式中、
およびQは、それぞれ、独立して、NH、O、またはSであり、
XおよびYは、それぞれ、独立して、OH、O、OR、O、SH、S、Se、BH、BH、H、N(R、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、それぞれ、任意に置換されてもよく、ここで、Rは、独立して、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、それぞれ、任意に置換されてもよく、Rは、独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、それぞれ、任意に置換されるか、またはOHであってもよく、
およびQは、それぞれ、独立して、O、CH、CHMe、CMe、CHF、CF、NH、NR、またはSであり、
は、OH、O、OR、S、SH、SRであり、
nは、1、2、3、4、または5であり、各反復単位は、同一であるか、または異なってもよく、
Aは存在しないか、または一本鎖オリゴヌクレオチドおよび二本鎖オリゴヌクレオチドからなる群から選択され、それぞれ、化学的に修飾されてもよく、
Bは存在しないか、またはリンカー/スペーサーであり、
Eは、一本鎖オリゴヌクレオチドまたは二本鎖オリゴヌクレオチドであり、それぞれ、化学的に修飾されるか、またはリガンドと共役し得るが、
ただし、AおよびBが、共に両方とも存在せず、かつnが、0、1、または3である時、Q、Q、Q、Q、Q、X、およびYは、全てが酸素ではないことを条件とする。
【0024】
本発明の別の実施形態において、医薬的に許容される担体または賦形剤と組み合わせた、治療有効量の本発明のiRNA剤を含む医薬組成物を開示する。本発明のさらに別の実施形態において、医薬組成物とを用いたウイルス感染症、細菌感染症、寄生虫感染症、腫瘍、アレルギー、自己免疫疾患、免疫不全症、および免疫抑制等の治療方法を開示する。
【0025】
前述および本明細書の他の目的、特徴、および利点は、異なる図を通して、同様の符号が同じ部分を示す添付の図面に図示されるように、以下の本発明の好適な実施形態のより特定の説明により理解されるであろう。図面は、必ずしも実際の尺度ではなく、代わりに、本発明の原理を図示する部分が強調されている。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】精製されたRNA−三リン酸塩のイオン交換HPLC分析である。
【図2】RNA5’−三リン酸塩のLC−MS分析である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の化合物の第1の実施形態において、化合物は、上記に図示される式Iにより表されるか、またはその医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグである。
【0028】
本発明のiRNA剤の一実施形態において、薬剤は、以下に図示される式II
【化2】

【0029】
により表されるか、またはその医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグであり、
式中、Q、Q、およびQ30は、それぞれ、独立して、NH、O、またはSであり、
XおよびYおよびY10は、それぞれ、独立して、OH、O、OR、O、SH、S、Se、BH、BH、H、N(R、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、それぞれ、任意に置換されてもよく、ここで、Rは、独立して、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、それぞれ、任意に置換されてもよく、Rは、独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、それぞれ、任意に置換されるか、またはOHであってもよく、
およびQは、それぞれ、独立して、O、CH、CHMe、CMe、CHF、CF、NH、NR、またはSであり、
は、OH、O、OR、S、SH、SRであり、
Wは、H、OH、または−G−Lであり、ここで、Gは、−CONH−、−NHCO−、−S−S−、−OC(O)NH−、−NHC(O)O−、−NHC(O)NH−、アセタール、ケタール、−O−N=C−、−NH−N=C−、−S−、−O−、ピロリジン、モルホリン、ピペラジン、およびチアゾリジンからなる群から選択され、Lは、リガンドであるが、
WがOHである時Q、Q、Q、Q、Q、Q30、X、Y、およびY10は、全てが酸素ではないことを条件とする。
【0030】
本発明のiRNA剤の一実施形態において、薬剤は、以下に図示される式III
【化3】

【0031】
により表されるか、またはその医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグであり、
式中、QおよびQは、それぞれ、独立して、NH、O、またはSであり、
XおよびYおよびY10は、それぞれ、独立して、OH、O、OR、O、SH、S、Se、BH、BH、H、N(R、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、それぞれ、任意に置換されてもよく、ここで、Rは、独立して、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、それぞれ、任意に置換されてもよく、Rは、独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、それぞれ、任意に置換されるか、またはOHであってもよく、
およびQは、それぞれ、独立して、O、CH、CHMe、CMe、CHF、CF、NH、NR、またはSであり、
は、OH、O、OR、S、SH、SRであり、
Wは、それぞれ、独立して、H、OH、または−G−Lであり、Gは、−CONH−、−NHCO−、−S−S−、−OC(O)NH−、−NHC(O)O−、−NHC(O)NH−、アセタール、ケタール、−O−N=C−、−NH−N=C−、−S−、−O−、ピロリジン、モルホリン、ピペラジン、およびチアゾリジンからなる群から選択され、ここで、Lは、リガンドである。
【0032】
本発明のiRNA剤の一実施形態において、薬剤は、以下に図示される式IV
【化4】

【0033】
により表されるか、またはその医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグであり、
式中、Q、Q、およびQ30は、それぞれ、独立して、NH、O、またはSであり、
XおよびYおよびY10は、それぞれ、独立して、OH、O、OR、O、SH、S、Se、BH、BH、H、N(R、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、それぞれ、任意に置換されてもよく、ここで、Rは、独立して、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、それぞれ、任意に置換されてもよく、Rは、独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、それぞれ、任意に置換されるか、またはOHであってもよく、
およびQは、それぞれ、独立して、O、CH、CHMe、CMe、CHF、CF、NR、またはSであり、
は、OH、O、OR、S、SH、SRであり、
Rは、H、リン酸、またはホスホロチオエートであり、
WおよびWは、それぞれ、独立して、H、OH、リン酸、ホスホロチオエート、または−G−Lであり、ここで、Gは、−CONH−、−NHCO−、−S−S−、−OC(O)NH−、−NHC(O)O−、−NHC(O)NH−、アセタール、ケタール、−O−N=C−、−NH−N=C−、−S−、−O−、ピロリジン、モルホリン、ピペラジン、およびチアゾリジンからなる群から選択され、ここで、Lは、リガンドであるが、
WがOHである時、Q、Q、Q、Q、Q、Q30、X、Y、Y10は、全てが酸素ではないことを条件とする。
【0034】
本発明のiRNA剤の一実施形態において、薬剤は、以下に図示される式IVa
【化5】

【0035】
により表されるか、またはその医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグであり、
式中、Q、Q、およびQ30は、それぞれ、独立して、NH、O、またはSであり、
XおよびYおよびY10は、それぞれ、独立して、OH、O、OR、O、SH、S、Se、BH、BH、H、N(R、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、それぞれ、任意に置換されてもよく、ここで、Rは、独立して、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、それぞれ、任意に置換されてもよく、Rは、独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、それぞれ、任意に置換されるか、またはOHであってもよく、
およびQは、それぞれ、独立して、O、CH、CHMe、CMe、CHF、CF、NR、またはSであり、
は、OH、O、OR、S、SH、SRであり、
WおよびWは、それぞれ、独立して、H、OH、リン酸、ホスホロチオエート、または−G−Lであり、ここで、Gは、−CONH−、−NHCO−、−S−S−、−OC(O)NH−、−NHC(O)O−、−NHC(O)NH−、アセタール、ケタール、−O−N=C−、−NH−N=C−、−S−、−O−、ピロリジン、モルホリン、ピペラジン、およびチアゾリジンからなる群から選択され、ここで、Lは、リガンドであるが、
WがOHである時、Q、Q、Q、Q、Q、Q30、X、Y、Y10は、全てが酸素ではないことを条件とする。
【0036】
本発明のiRNA剤の一実施形態において、薬剤は、以下に図示される式V
【化6】

【0037】
により表されるか、またはその医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグであり、
式中、QおよびQは、それぞれ、独立して、NH、O、またはSであり、
XおよびYおよびY10は、それぞれ、独立して、OH、O、OR、O、SH、S、Se、BH、BH、H、N(R、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、それぞれ、任意に置換されてもよく、ここで、Rは、独立して、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、それぞれ、任意に置換されてもよく、Rは、独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、それぞれ、任意に置換されるか、またはOHであってもよく、
およびQは、それぞれ、独立して、O、CH、CHMe、CMe、CHF、CF、NR、またはSであり、
は、OH、O、OR、S、SH、SRであり、
Rは、H、リン酸、またはホスホロチオエートであり、
WおよびWは、それぞれ、独立して、H、OH、リン酸、ホスホロチオエート、または−G−Lであり、Gは、−CONH−、−NHCO−、−S−S−、−OC(O)NH−、−NHC(O)O−、−NHC(O)NH−、アセタール、ケタール、−O−N=C−、−NH−N=C−、−S−、−O−、ピロリジン、モルホリン、ピペラジン、およびチアゾリジンからなる群から選択され、ここで、Lは、リガンドである。
【0038】
本発明のiRNA剤の一実施形態において、薬剤は、以下に図示される式VI
【化7】

【0039】
により表されるか、またはその医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグであり、
式中、Q、Q、およびQ30は、それぞれ、独立して、NH、O、またはSであり、
XおよびYおよびY10は、それぞれ、独立して、OH、O、OR、O、SH、S、Se、BH、BH、H、N(R、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、それぞれ、任意に置換されてもよく、ここで、Rは、独立して、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、それぞれ、任意に置換されてもよく、Rは、独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、それぞれ、任意に置換されるか、またはOHであってもよく、
およびQは、それぞれ、独立して、O、CH、CHMe、CMe、CHF、CF、NR、またはSであり、
は、OH、O、OR、S、SH、SRであり、
W、W、およびWは、それぞれ、独立して、H、OH、リン酸、ホスホロチオエート、または−G−Lであり、ここで、Gは、−CONH−、−NHCO−、−S−S−、−OC(O)NH−、−NHC(O)O−、−NHC(O)NH−、アセタール、ケタール、−O−N=C−、−NH−N=C−、−S−、−O−、ピロリジン、モルホリン、ピペラジン、およびチアゾリジンからなる群から選択され、ここで、Lは、リガンドであり、
リンカー/スペーサーは、リン酸、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、アルキルホスホネート、アミド、エステル、ジスルフィド、チオエーテル、オキシム、およびヒドラゾン、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ならびにヘテロアリールからなる群から選択される。
【0040】
本発明のiRNA剤の一実施形態において、薬剤は、以下に図示される式VII
【化8】

【0041】
により表されるか、またはその医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグであり、
式中、QおよびQは、それぞれ、独立して、NH、O、またはSであり、
XおよびYおよびY10は、それぞれ、独立して、OH、O、OR、O、SH、S、Se、BH、BH、H、N(R、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、それぞれ、任意に置換されてもよく、ここで、Rは、独立して、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、それぞれ、任意に置換されてもよく、Rは、独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、それぞれ、任意に置換されるか、またはOHであってもよく、
およびQは、それぞれ、独立して、O、CH、CHF、CF、NR、またはSであり、
は、OH、O、OR、S、SH、SRであり、
W、W、およびWは、それぞれ、独立して、H、OH、リン酸、ホスホロチオエート、または−G−Lであり、ここで、Gは、−CONH−、−NHCO−、−S−S−、−OC(O)NH−、−NHC(O)O−、−NHC(O)NH−、アセタール、ケタール、−O−N=C−、−NH−N=C−、−S−、−O−、ピロリジン、モルホリン、ピペラジン、およびチアゾリジンからなる群から選択され、ここで、Lは、リガンドであり、
リンカー/スペーサーは、リン酸、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、アルキルホスホネート、アミド、エステル、ジスルフィド、チオエーテル、オキシム、およびヒドラゾン、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ならびにヘテロアリールからなる群から選択される。
【0042】
本発明のさらなる代表的な亜化学種は、式(A)のiRNA剤(1)〜(15)であり、ここで、Q、Q、Q、Q、Q、Q、X、Y、およびZを表1に示す。
【表1】

【0043】
本発明のさらなる代表的な亜化学種は、式(B)のiRNA剤(16)〜(31)であり、ここで、Q、Q、Q、Q、Q、X、Y、およびZを表2に示す。
【表2】

【0044】
一実施形態において、本発明のオリゴヌクレオチドは、(a)フッ化物不安定基またはフッ化物非不安定基を用いて、2’ヒドロキシル部分を保護する工程と、(b)
【化9】

【0045】
(式中、
100は、独立して、電子吸引性基(EWG)であり、
200およびR300は、それぞれ、独立して、ハロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロ環、置換ヘテロ環であり、
10は、O、S、Se、BH3、またはNR’であり、
40は、Cl、ジアルキルアミン、または環状アミンであり、
10は、Cl、O−アリール、またはO−置換アリールであり、
10およびY20は、独立して、O−置換アルキル、ジアルキルアミン、または環状アミンである)
からなる群から選択される試薬を用いて、5’ヒドロキシル部分を三リン酸塩または三リン酸類似体に変換する工程と、(c)固相ホスホラミダイト、液相ホスホラミダイト、固相H−ホスホネート、液相H−ホスホネート、ハイブリッド相ホスホラミダイト、およびハイブリッド相H−ホスホネート系合成方法からなる群から選択される方法を使用して、核酸分子を合成する工程と、(d)保護基および/または固体支持体を除去する工程とを含む、三リン酸塩または三リン酸類似体を含む核酸分子を調製するAプロセスにより調製され得る。一実施形態において、合成の工程は、入れ替えられ得る。例えば、工程(c)は、工程(a)および/または(b)の前に行うことができる。
【0046】
好適な電子求引性基としては、ハロゲン、NO、CN、アシル、およびスルホニルが挙げられる。好適なジアルキルアミンとしては、N(i−Pr)が挙げられる。
【0047】
一実施形態において、オリゴヌクレオチドの配列およびモチーフは、1)ホスホロチオエート連結(PS連結を伴う5’−三リン酸塩−5’および内部位置でラセミ、またはPS連結を伴う5’−三リン酸塩、任意に、5’および内部位置で純粋(Rおよび/または構造)、2)キメラオリゴヌクレオチド(TLR活性化を誘発するための、短DNA部分上のCPGモチーフを伴う5’−三リン酸塩−RNA−DNA−RNA−3’。RNase Hに最小の影響を及ぼす、DNA部分の長さが4〜6ヌクレオチド;RNase Hを誘発する可能性を有するDNA部分上にCPGモチーフを持たない5’−三リン酸塩−RNA−DNA−RNA−3’;RNase HおよびTLR活性化を誘発する可能性を有するDNA部分上にCPGモチーフを有する5’−三リン酸塩−RNA−DNA−RNA−3’;RNase Hに最小の影響を及ぼす、DNA部分の長さが4〜6ヌクレオチドである、TLR活性化を誘発するための短DNA部分上にCPGモチーフを伴う5’−三リン酸塩−RNA−DNA−3’;RNase Hを誘発する可能性を有するDNA部分上にCPGモチーフを持たない5’−三リン酸塩−RNA−DNA−3’;RNase HおよびTLR活性化を誘発する可能性を有するDNA部分上にCPGモチーフを伴う5’−三リン酸塩−RNA−DNA−3’、3)免疫刺激で知られる挿入配列モチーフである、5’−三リン酸塩オリゴリボヌクレオチド、4)上述の単一モチーフまたはその組み合わせでセンス鎖に刺激モチーフを配置して、RNAiのアンチセンス鎖を保存すること、および5)上述の単一モチーフまたはその組み合わせで刺激モチーフをセンス鎖に配置して、RNAi活性を維持し、ヌクレアーゼからアンチセンス鎖を保護する最小の化学修飾を導入することを組み合わせて、RIG−1活性化を誘発するように変更され得る。
【0048】
一実施形態において、好ましいオリゴヌクレオチドは、ヌクレオシド間連結で、ホスホロチオエート骨格を伴って、または伴わずに、全ての天然の2’−デオキシリボおよび2’−リボヌクレオシド、2’−O−メチル(2’−OMe)、2’−O−メトキシエチル(2’−MOE)、2’−デオキシ−2’−リボフルオロ(2’−F)、2’−デオキシ−2’−アラビノフルオロ(2’−アラF)糖修飾、およびそれらの組み合わせを有することができる。
【0049】
一実施形態において、好ましい核酸塩基修飾としては、2−チオU、2’−アミノ−A、プソイドウリジン、イノシン、5−Me−U、5−Me−C、化学的に修飾されたU類似体が挙げられる。
【0050】
一実施形態において、好ましいリガンドとしては、脂溶性分子、コレステロールおよび類似体等のPK修飾因子、胆汁酸、ステロイド、循環エンハンサー(400から始まり、最大60,000amuの異なるモル分子量を有するPEG)、小分子タンパク質結合剤(例えば、ナプロキセンまたはイブプロフェン用)、および例えば、葉酸、GalNAc、およびマンノース用の受容体標的のための標的リガンドが挙げられる。
【0051】
iRNA剤の評価は、生物系、例えば、試料(例えば、細胞培養物)で、修飾された鎖(その補体を伴う、または伴わないが、好ましくは、その補体とアニールされる)をインキュベートすることを含むことができる。生物試料は、免疫系の構成要素を発現することができる。これは、構成要素に影響を及ぼすiRNA剤の同定を可能にする。一実施形態において、iRNA剤が、免疫応答を調節する、例えば、刺激または阻害するかどうかを評価する工程は、サイトカインもしくはインターロイキン等の1つ以上の成長因子、無細胞検定、細胞を用いた検定、または動物検定における細胞表面受容体タンパク質の発現を評価することを含む。代表的な検定法は、ELISAおよびウエスタンブロット解析を含む。評価され得る成長因子は、TNFα、IL1αおよびβ、IL2、IL3、IL4、IL5、IL6、IL7、IL8、IL9、IL10、IL11、IL12、IL13、IFNαおよびβ、ならびにIFNγを含む。好ましい実施形態において、検査は、インターロイキンIL−18、IL−1β、IL−10、IL−12、およびIL−6の1つ以上の発現を評価することを含む。関連する細胞表面受容体は、toll様受容体、例えば、TLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR6、TLR7、TLR8、またはTLR9を含む。他の好ましい実施形態において、検査は、toll様受容体TL−3、TLR7、TLR8、またはTLR9の1つ以上の発現を評価することを含む。TLR9とのリガンド相互作用は、NFκBの発現を刺激する。したがって、iRNA剤が免疫応答を刺激するかどうかの検査は、NFκBタンパク質またはmRNA発現の検定を含むことができる。
【0052】
一実施形態において、修飾されたiRNA剤が、免疫応答を調節する、例えば、刺激するかどうかを検査する工程は、iRNA剤と免疫系のタンパク質構成要素、例えば、サイトカインもしくはインターロイキン等の成長因子、または細胞表面受容体タンパク質との間の相互作用を検定することを含む。例えば、検査は、修飾されたiRNAとtoll様受容体、例えば、TLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR6、TLR7、TLR8、またはTLR9との間の相互作用を検定することを含むことができる。好ましい実施形態の1つにおいて、検査は、toll様受容体、例えば、TLR−9との相互作用の検定を含む。代表的な検定法としては、免疫細胞化学法により促進されるもの等の、共免疫沈降法、ビーズを用いた共単離法、核酸フットプリント法、および共局在実験が挙げられる。
【0053】
一実施形態において、候補iRNA剤は、RNA干渉経路を通して、特定の遺伝子の発現を配列特異的に阻害する能力を有する。例えば、iRNA剤は、サイトカイン、サイトカイン受容体、またはToll様受容体(例えば、TLR3、TLR7、TLR8、およびTLR9)等の、免疫系のタンパク質構成要素をコードする配列を標的とすることができる。遺伝子発現を阻害するための本発明のiRNA剤組成物の能力は、特定のmRNAについてのノーザンブロット解析もしくはRT−PCR、または存在する標的タンパク質量についてのウエスタンブロット解析を含む、種々の技法を使用して測定され得る。さらに別の実施形態において、タンパク質量により影響を受ける表現型を検出することができる。
【0054】
一実施形態において、候補iRNA剤は、免疫系のタンパク質構成要素と相互作用するか、または相互作用しないように修飾され、また、免疫系に関与しない配列も標的とする。
【0055】
一実施形態において、候補iRNA剤は、少なくとも1つのリボヌクレオチド修飾(例えば、以下に記載されるような)を含み、修飾の存在は、修飾されたiRNA剤が、細胞と接触した時、または対象に投与された時、免疫刺激応答(例えば、修飾を欠損するiRNA剤で見られ得るものと比較して)を調節する。好ましい実施形態において、iRNA剤の1つ以上の天然塩基は、修飾された塩基によって置換される。より好ましい実施形態において、iRNA剤の1つ以上の天然塩基は、修飾された塩基によって置換される。iRNA剤に対する特定の修飾は、薬剤の鎖が分離し、後に免疫系の1つ以上タンパク質構成要素と相互作用することを阻止する。免疫系の応答が効果的に阻止される範囲内で、特定の修飾も、免疫系のタンパク質構成要素との相互作用から二本鎖または一本鎖のiRNA剤の相互作用を阻害し得る。
【0056】
化学修飾は、ヌクレオチド塩基、糖、または骨格に対する修飾を含む。一実施形態において、iRNA剤は、アデニンの2−置換プリン(例えば、2−アミノ−アデニン)、6−置換プリン、7−デアザ−アルキル−置換プリン、7−デアザ−アルケニル−置換プリン、7−デアザ−アルキニル−置換プリン、またはアデニンではないプリン(例えば、グアニンまたはイノシン)との置換を含む。別の実施形態において、候補iRNA剤は、グアニンのイノシン、アミノプリン、2−置換グアニン、7−デアザ−アルキル−置換グアニン、7−デアザ−アルケニル−置換グアニン、7−デアザ−アルキニル−置換グアニン、またはO−6−アルキル化グアニンとの置換を含む。別の実施形態において、候補iRNA剤は、シトシンの5−置換シトシン(例えば、5−メチルシトシン)、N−4置換シトシン、G−クランプ、G−クランプの類似体、2−チオ−シトシン、4−チオ−シトシン、またはウラシルとの置換を含む。一実施形態において、候補iRNA剤は、ウラシルの5−置換ウラシル、4−チオ−ウラシル、5−メチル−2−チオ−ウラシル、プソイドウリジン、1−アルキルプソイドウリジン、3−アルキルプソイドウリジン、または2−チオ−ウラシルとの置換を含む。一実施形態において、iRNA剤は、2’−デオキシフルオロ、2’−O−メチル、2’−O−メトキシエチル、2’−O−アルキル、2’−O−アルコキシアルキル、2’−O−アリル、2’−O−プロピル、2’−O−(N−メチル−アセトアミド(NMA)、2’−O−(N,N−ジメチルアミノオキシエチル)、またはG−クランプ修飾を含む。一実施形態において、iRNA剤は、リボヌクレオシドを置換する、アラビノース含有ヌクレオシドを含む。別の実施形態において、アラビノース含有ヌクレオシドは、2’−フルオロアラビノース含有ヌクレオシド、または2’−O−メチルアラビノース含有ヌクレオシドであり得る。別の実施形態において、iRNA剤は、リボヌクレオシドを置換する、デオキシヌクレオシドを含む。一実施形態において、デオキシヌクレオシドは、2’−フルオロデオキシヌクレオシド、または2’−O−メチルデオキシヌクレオシドである。
【0057】
一実施形態において、免疫選択性iRNA剤は、少なくとも1つの骨格修飾、例えば、ホスホロチオエート、ボラノリン酸塩、メチルホスホン酸、またはジチオエート修飾を含む。別の実施形態において、iRNA剤は、iRNA剤の末端ヌクレオチドの1つ以上の間の連結において、P−アルキル修飾を含む。別の実施形態において、センスおよび/またはアンチセンス鎖は、Rp構造を有する不斉中心リン原子を実質的に持たず、別の実施形態において、センスおよび/またはアンチセンス鎖は、Sp構造を有する不斉中心リン原子を実質的に持たない。
【0058】
別の実施形態において、iRNA剤の1つ以上の末端ヌクレオチドは、糖修飾、例えば、2’または3’糖修飾を含む。一実施形態において、iRNA剤は、少なくとも2つの糖2’修飾を含む。代表的な糖修飾は、例えば、2’−フルオロヌクレオチド、2’−O−アルキルヌクレオチド、2’−O−アルコキシアルキルヌクレオチド、2’−O−アリルヌクレオチド、2’O−プロピルヌクレオチド、2’−O−メチル化ヌクレオチド(2’−O−Me)、2’−デオキシヌクレオチド、2´−デオキシフルオロヌクレオチド、2’−O−メトキシエチルヌクレオチド(2’−O−MOE)、2’−O−N−Meアセトアミドヌクレオチド(2’−O−NMA)、2’−O−ジメチルアミノエチルオキシエチルヌクレオチド(2’−O−DMAEOE)、2’−アミノプロピル、2’−ヒドロキシ、2’−アラ−フルオロ、または3’−アミド化(3’−Oの代わりに3’−NH)、ロックド核酸(LNA)、延長エチレン核酸(ENA)、ヘキソース核酸(HNA)、またはシクロヘキセン核酸(CeNA)を含む。
【0059】
一実施形態において、iRNA剤は、3’糖修飾、例えば、3’−O−Me修飾を含む。好ましくは、3’−O−Me修飾は、iRNA剤のセンス鎖上である。
【0060】
いくつかの実施形態において、iRNA剤は、5’−アルキル−ピリミジン、例えば、5’−メチル−ピリミジン(例えば、5’−メチル−ウリジン修飾、または5’−メチル−シトシン修飾)を含む。
【0061】
本明細書に記載される修飾は、単一の候補iRNA剤上で組み合わされ得る。例えば、一実施形態においてiRNA剤の、少なくとも1つのヌクレオチドは、ホスホロチオエート連結を有し、少なくとも1つのヌクレオチドは2’糖修飾、例えば、2’−O−Meもしくは2´−デオキシフルオロ修飾を有する。別の実施形態において、候補iRNA剤の少なくとも1つのヌクレオチドは、5’−Me−ピリミジン、および2’糖修飾、例えば、2’−デオキシフルオロもしくは2’−O−Me修飾を有する。
【0062】
一実施形態において、iRNA剤は、脱塩基カチオン修飾等の、カチオン修飾等の核酸塩基修飾を含む。カチオン修飾は、例えば、アルキルアミノ−dT(例えば、C6アミノ−dT)、アルキルアミノ共役、ピロリジン共役、フタルアミド、ポルフィリン、またはヒドロキシプロリノール共役であってもよい。
【0063】
一実施形態において、iRNA剤は、センス鎖上に少なくとも1つのリボヌクレオチド修飾、およびアンチセンス鎖上に少なくとも1つのリボヌクレオチド修飾を含み、2つの鎖上のアンチセンス鎖修飾は、異なる。
【0064】
別の実施形態において、iRNA剤、例えば、免疫応答を阻害することができるiRNA剤は、iRNA剤の1つ以上のヌクレオチド上での共役を含む場合がある。共役は、例えば、脂溶性分子、テルペン、タンパク質結合剤、ビタミン、糖質、またはペプチドであってもよい。例えば、共役は、ナプロキセン、ニトロインドール(または積み重ね相互作用に起因する別の共役)、葉酸、イブプロフェン、またはC5ピリミジンリンカーであってもよい。他の実施形態において、共役は、グリセリド脂質共役(例えば、ジアルキルグリセリド誘導体)、ビタミンE共役、またはチオ−コレステロールである。
【0065】
一実施形態において、共役は、コレステロールであり、コレステロールは、例えば、ピロリジンリンカー、セリノールリンカー、ヒドロキシプロリノールリンカーによる、iRNA剤のセンス鎖に共役する。他の実施形態において、共役は、dU−コレステロールであるか、またはコレステロールは、ジスルフィド連結によりiRNA剤に共役される。別の実施形態において、共役はコラン酸であり、コラン酸は、センス鎖またはアンチセンス鎖に結合される。一実施形態おいて、コラン酸は、センス鎖およびアンチセンス鎖に結合される。
【0066】
別の実施形態において、1つ以上のヌクレオチドは、2’−5’連結を有し、好ましくは、,2’−5’連結は、センチ鎖上である。
【0067】
一実施形態において、iRNA剤は、好ましくはセンチ鎖上にL−糖を含む。
【0068】
一実施形態において、iRNA剤は、メチルホスホン酸を含む。
【0069】
一実施形態において、iRNA剤は、1つ以上のリボヌクレオチドをデオキシリボヌクレオチドと置換することにより修飾された。好ましくは、隣接するデオキシリボヌクレオチドはホスホロチオエート連結により連結され、iRNA剤は、センス鎖またはアンチセンス鎖上に、4つ以上の連続したデオキシリボヌクレオチドを含まない。
【0070】
いくつかの実施形態において、iRNA剤は、ジフルオロトリル(DFT)修飾、例えば、2,4−ジフルオロトリルウラシル、またはグアニジンのイノシンへの置換を含む。
【0071】
一実施形態において、iRNA剤は、5’−ウリジン−アデニン−3’(5’−UA−3’)ジヌクレオチドを含み、ここで、ウリジンは、2’−修飾されたヌクレオチドまたは5’−ウリジン−グアニン−3’(5’−UG−3’)ジヌクレオチドであり、ここで、5’−ウリジンは2’−修飾されたヌクレオチドまたは5’−シチジン−アデニン−3’(5’−CA−3’)ジヌクレオチドであり、ここで、5’−シチジンは、2’−修飾されたヌクレオチドまたは5’−ウリジン−ウリジン−3’(5’−UU−3’)ジヌクレオチドであり、ここで、5’−ウリジンは、2’−修飾されたヌクレオチドまたは5’−シチジン−シチジン−3’(5’−CC−3’)ジヌクレオチドであり、ここで、5’−シチジンは、2’−修飾されたヌクレオチドまたは5’−シチジン−ウリジン−3’(5’−CU−3’)ジヌクレオチドであり、ここで、5’−シチジンは、2’−修飾されたヌクレオチドまたは5’−ウリジン−シチジン−3’(5’−UC−3’)ジヌクレオチドであり、5’−ウリジンは、2’−修飾されたヌクレオチドである。iRNA剤において、化学修飾されたヌクレオチドは、2’−O−メチル化ヌクレオチドであってもよい。いくつかの実施形態において、修飾されたヌクレオチドは、2’−デオキシヌクレオチド、2´−デオキシフルオロヌクレオチド、2’−O−メトキシエチルヌクレオチド、2’−O−NMA、2’−DMAEOE、2’−アミノプロピル、2’−ヒドロキシ、または,2’−アラ−フルオロ、または3’−アミド化(3’−Oの代わりに3’−NH)、ロックド核酸(LNA)、延長核酸(ENA)、ヘキソース核酸(HNA)、またはシクロヘキセン核酸(CeNA)であってもよい。
【0072】
一実施形態において、iRNA剤は、例えば、iRNA剤の一端が、3’または5’のオーバーハングを有し、iRNA剤のもう一端が平滑末端である、単一のオーバーハングを有する。別の実施形態において、iRNA剤は、例えば、iRNA剤の両端が、ジヌクレオチドオーバーハング等の3’または5’のオーバーハングを有する、二重オーバオーハングを有する。別の実施形態において、iRNA剤の両端は、平滑末端を有する。
【0073】
一実施形態において、iRNA剤は、センスRNA鎖およびアンチセンスRNA鎖を含み、アンチセンスRNA鎖は、長さが18〜30ヌクレオチドである。別の実施形態において、iRNA剤は、アンチセンスRNA鎖の3’末端であってもよい、1〜4つの不対ヌクレオチドを有するヌクレオチドオーバーハングを含み、ヌクレオチドオーバーハングは、ヌクレオチド配列5’−GC−3’または5’−CGC−3’を有し得る。不対ヌクレオチドは、少なくとも1つのホスホロチオエートジヌクレオチド連結を有してもよく、不対のヌクレオチドの少なくとも1つは、2’位置で化学的に修飾され得る。一実施形態において、候補iRNA剤の二本鎖領域は、センス鎖およびアンチセンス鎖の1つまたは両方上にホスホロチオエート連結を含む。好ましい実施形態において、候補iRNA剤は、センスまたはアンチセンス剤の5’または3末端のヌクレオチド1から5までの間にホスホロチオエート連結を含む。
【0074】
一実施形態において、アンチセンスRNA鎖およびセンスRNA鎖は、リンカーと連結される。化学的リンカーは、ヘキサエチレングリコールリンカー、ポリ−(オキシホスフィニコ−オキシ−1,3−プロパンジオール)リンカー、アリルリンカー、またはポリエチレングリコールリンカーであってもよい。アンチセンス鎖とセンス鎖を連結するためのリンカーの使用は、生体内鎖分離を阻害し、これによって、免疫刺激を阻害する。
【0075】
別の実施形態において、iRNA剤の1つ以上の修飾は、生物系における(例えば、血流または血清試料における)一本鎖iRNA剤に対する二本鎖iRNA剤の比率を増加させることができる。このような修飾は、センス鎖とアンチセンス鎖間の解離定数(K)を減少させ得る。いくつかの実施形態において、生物系において、一本鎖iRNA剤に対する二本鎖iRNA剤の比率を増加させる修飾は、2本の鎖を一緒に結合するヘキサエチレングリコールリンカー、ポリ−(オキシホスフィニコ−オキシ−1,3−プロパンジオール)リンカー、アリルリンカー、またはポリエチレングリコールリンカー等の、化学的リンカーである。一実施形態において、リンカーは、エステルを含み、リンカーは、エステラーゼによって切断され得る。いくつかの実施形態において、修飾は、2’−F、LNA、ENA、2’−O−MOE、ならびにC−5−プロピニルピリミジンまたはG−クランプおよびその類似体等の、高親和性化学的修飾である。さらに別の実施形態において、修飾は、化学的架橋、例えば、ジスルフィド含有架橋である。
【0076】
別の実施形態において、免疫選択性iRNA剤は、少なくとも2つの修飾を含むことができる。修飾は、相互に異なることができ、二本鎖のiRNA剤の異なるRNA鎖に適用され得る。例えば、センス鎖は、少なくとも1つの修飾を含むことができ、アンチセンス鎖は、センス鎖上の修飾または複数の修飾と異なる修飾を含むことができる。別の実施形態において、センス鎖は、少なくとも2つの修飾を含むことができ、アンチセンス鎖は、センス鎖上の2つの修飾と異なる、少なくとも1つの修飾を含むことができる。したがって、センス鎖は、複数の異なる修飾を含むことができ、アンチセンス鎖は、さらに複数の修飾を含むことができ、そのいくつかは、センス鎖上の修飾と同一または異なる。
【0077】
一態様において、本発明は、免疫系のタンパク質構成要素の1つに特異的に結合し、免疫カスケードを阻害するか、または刺激するかのいずれかである、iRNA剤を設計する方法に関する。方法は、センス鎖、ならびにセンス鎖とハイブリッド形成するのに十分に相補的であるアンチセンス鎖を含むiRNA剤を設計することを含んでもよく、センス鎖および/またはアンチセンス鎖上のヌクレオチドの1つ以上が、本明細書に記載されるように修飾されるように鎖を設計する。iRNA剤は、さらに合成され、例えば、上述の免疫系のタンパク質構成要素に結合するために、生体外または生体内系で試験され得る。例えば、iRNA剤は、例えば、サイトカインもしくはインターロイキン等の成長因子、または細胞表面受容体の免疫系の構成要素との相互作用について検定することにより検査され得る。検定は、iRNA剤の細胞への導入、免疫系の構成要素を発現するのに好適な条件下での細胞の維持、およびiRNA剤が、例えば、免疫細胞化学技法により促進されるもの等の共免疫沈降実験、または共局在実験により、免疫系の構成要素と相互作用することができるかどうかの決定を含むことができる。細胞は、哺乳類細胞であってもよい。iRNA剤は、細胞検定で、免疫刺激または免疫阻害について検査され得る。iRNA剤は、マウス等の哺乳類にiRNA剤を投与した後、拡大もしくは細胞増殖の増加について、またはIL10、IL12、および/またはIL6等の1つ以上のインターロイキンタンパク質の産生の増加について、膵臓を調べることによって、生体内系で検査され得る。
【0078】
いくつかの実施形態において、候補iRNA剤は、第1の系、例えば、無細胞系または細胞系で検査された後、再検査される。再検査は、同じ、または異なる検定であってもよい。例えば、同じ、もしくは異なる細胞検定、または無細胞検定は、活性を確認するために使用されるか、または動物系が、活性(例えば、遺伝子サイレンシング活性、または免疫系の刺激もしくは阻害)を確認するために使用され得る。いくつかの実施形態において、候補iRNA剤は、無細胞系または細胞系で最初に検査され、その後、動物系で再検査される。
【0079】
一態様において、本発明は、少なくとも1つのリボヌクレオチド修飾を含むiRNA剤、例えば、上述のリボヌクレオチド剤を特徴とし、修飾されたiRNA剤が細胞と接触した時、または対象、例えば、ヒト等の哺乳類対象に投与された時、修飾の存在が、免疫刺激応答(例えば、修飾を欠損するiRNA剤で見られ得るものと比較して)を阻害または刺激する。好ましい実施形態において、iRNA剤の1つ以上の自天塩基は、修飾された塩基によって置換される。
【0080】
一態様において、本発明は、少なくとも1つのリボヌクレオチド修飾を有する候補一本鎖iRNA剤を提供することと、候補一本鎖iRNA剤を無細胞系、細胞系、または動物系に接触させる、および未修飾一本鎖iRNA剤と接触させることと、無細胞系、細胞系、または動物系における免疫応答と比較した、無細胞系、細胞系、または動物系における免疫応答を評価することとを含む、iRNA剤を評価する方法を特徴とする。候補一本鎖iRNA剤は、対照より低い、またはそれ上回る程度に免疫応答を刺激する。例えば、未修飾iRNA剤は、免疫系応答を調節するiRNA剤であることが決定される。一実施形態において、候補一本鎖iRNA剤は、長さが15〜2000ヌクレオチドである(例えば、長さが17、19、21、23、25、27、28、29、30、100、500、1000、または1500ヌクレオチド)。
【0081】
一態様において、本発明は、免疫系を阻害するか、もしくは刺激するかのいずれかであり、かつRISC媒介性RNA干渉経路を介して分解に関連する治療のmRNAを配列特異的に標的とするiRNA剤である、二重機能を有するiRNA剤に関する。免疫選択性iRNA剤(例えば、免疫刺激を阻害する、または刺激するiRNA剤)は、本明細書に開示されるプロセス、例えば、標的とアニールするのに標的核酸に対して十分に相補的である第1のオリゴヌクレオチド、および第1のオリゴヌクレオチドとアニールするのに十分に相補的である第2のオリゴヌクレオチドを提供するプロセスにより調製される。第1および/または第2のオリゴヌクレオチドは、上述の1つ以上の修飾されたヌクレオチドまたはヌクレオチド連結を含む。アンチセンス鎖およびセンス鎖の1つまたは両方、または好ましくは、アニールされたアンチセンス鎖およびセンス鎖が、例えば、検査対象に投与される時、免疫応答を調節する、例えば、刺激または阻害する能力について、例えば、上述のように検査される。例えば、iRNA剤が、予め選択された程度、例えば、1つ以上の修飾されたヌクレオチドを欠損するiRNA剤の程度に免疫応答を刺激しない場合、薬剤は、免疫刺激を阻害すると決定される。修飾されたiRNA剤、例えば、免疫刺激を阻害または刺激すると決定された薬剤は、例えば、RNA剤の未修飾型と同程度に、例えば、RNA干渉の機構により標的mRNAの発現を低減することができるかどうかを決定するために、さらに検査される。
【0082】
別の実施形態において、本発明は、免疫系の特定の構成要素、例えば、toll様受容体7(TLR7)またはtoll様受容体9(TLR9)における遺伝子のサイレンシングに関する。この実施形態において、iRNA剤は、構成要素におけるmRNAの領域に相補的であるように設計され、iRNA剤は、RNA干渉の機構を通して標的の発現を低減する。
【0083】
さらに別の態様において、本発明は、上述の免疫選択性iRNA剤および医薬的に許容される担体を含む、医薬組成物に関する。医薬的に許容される担体は、リン酸緩衝生理食塩水等の水性溶液であるか、またはリポソーム、カプシド、カプソイド、高分子ナノカプセル、または高分子マイクロカプセル等の、ミセル構造を含んでもよい。
【0084】
またさらなる態様において、本発明は、対象の疾病または疾患を治療するための方法に関する。方法は、疾病を有する、またはそれを発達するリスクを有する対象を同定することと、上述の修飾されたヌクレオチドまたは連結の1つ以上、および医薬的に許容される担体を有する免疫選択性iRNA剤を含有する医薬組成物を投与することとを含む。対象は、上述のサイトカインまたは細胞表面受容体、(例えば、Toll様受容体)等の成長因子の発現の増加を監視すること等により、免疫系、例えば、免疫刺激または免疫阻害応答への影響について監視され得る。関心のサイトカインは、対象のT細胞、B細胞、単球、マクロファージ、樹状細胞、または天然キラー細胞から発現するものであり得る。検定は、対象からの血液または血清試料を使用して実施され得る。疾病または疾患は、例えば、臓器、組織、または骨髄移植を受けた患者において、免疫系を刺激することが特に望ましくないものであり得る。別の代替例において、疾病または疾患は、例えば、癌またはウイルス疾病を伴う患者において、免疫系を刺激することが特に望ましくないものであり得る。一実施形態において、対象は免疫不全であり、ヌクレオチド修飾を含むiRNA剤は、ヌクレオチド修飾を含まないiRNA剤を上回る程度に細胞の免疫応答を刺激する。対象は、ヒト等の哺乳類であってもよい。
【0085】
好ましい実施形態において、免疫選択性iRNA剤の投与は、対象に存在する疾病または疾患の治療のためである。別の好ましい実施形態において、iRNA剤の投与は、予防的治療のためである。
【0086】
したがって、本発明の目的は、抗ウイルス反応、特にI型IFN反応を刺激することができるポリヌクレオチド/オリゴヌクレオチドを提供することである。本発明の別の目的は、ウイルス感染症等の疾病および疾患の阻止ならびに治療において、患者の抗ウイルス反応、特にI型IFN産生を誘発することができる医薬的組成物を提供することである。本発明の目的は、腫瘍を治療するための医薬組成物を提供することでもある。
【0087】
疾病および/または疾患としては、これらに限定されないが、腫瘍、アレルギー、多発性硬化症、および免疫疾患が挙げられる。
【0088】
感染症としては、これらに限定されないが、ウイルス感染症、細菌感染症、炭疽病、寄生虫感染症、真菌症、およびプリオン感染症が挙げられる。ウイルス感染症としては、これらに限定されないが、肝炎C、肝炎B、単純ヘルペスウイルス(HSV)、HIV−AIDS、ポリオウイルス、脳心筋炎ウイルス(EMCV)、および天然痘ウイルスが挙げられる。阻害の標的とされ得る(+)鎖RNAウイルスの例としては、ピコルナウイルス、カリシウイルス、ノダウイルス、コロナウイルス、アルテリウイルス、フラビウイルス、およびトガウイルスが挙げられる。ピコルナウイルス類の例としては、エンテロウイルス(ポリオウイルス1)、ライノウイルス(ヒトライノウイルス1A)、ヘパトウイルス(肝炎Aウイルス)、カルジオウイルス(脳心筋炎ウイルス)、アフトウイルス(口蹄疫ウイルスO)、およびパレコウイルス(ヒトエコーウイルス22)が挙げられる。カリシウイルス類の例としては、ベシクロウイルス(ブタ水泡性発疹ウイルス)、ラゴウイルス(ウサギ出血性疾病ウイルス)、「ノーウォーク様ウイルス」(ノーウォークウイルス)、「サッポロ様ウイルス」(サッポロウイルス)、および「肝炎E様ウイルス」(肝炎Eウイルス)が挙げられる。ベータノダウイルス(シマアジ神経壊死症ウイルス)は、代表的なノダウイルスである。コロナウイルス類は、コロナウイルス(トリ感染症気管支炎ウイルス)およびトロウイルス(ベルンウイルス)を含む。アルテリウイルス類(ウマ動脈炎ウイルス)は、代表的なアルテリウイルス(arteriviridus)である。トガウイルス類は、アルファウイルス(シンドビスウイルス)およびルビウイルス(風疹ウイルス)を含む。最後に、フラビウイルス類は、フラビウイルス(黄熱ウイルス)およびヘパシウイルス(肝炎Cウイルス)を含む。
【0089】
特定の実施形態において、ウイルス感染症は、慢性肝炎B、慢性肝炎C、感染症、RSV感染症、HSV感染症、VSV感染症、CMV感染症、およびインフルエンザ感染症から選択される。
【0090】
一実施形態において、阻止および/または治療される感染症は、ウイルスおよび/または細菌により引き起こされる上気道感染症である。別の実施形態において、阻止および/または治療される感染症は、鳥インフルエンザである。
【0091】
細菌感染症としては、これらに限定されないが、連鎖球菌、ブドウ球菌、大腸菌、シュードモナス菌が挙げられる。
【0092】
一実施形態において、細菌感染症は、細胞内細菌感染症である。細胞内細菌感染症は、マイコバクテリア(結核)等の細胞内細菌、クラミジア、マイコプラズマ、リステリア、および黄色ブドウ球菌等の通性細胞内細菌による感染症を指す。
【0093】
寄生虫感染症としては、これらに限定されないが、寄生虫感染症、特に腸内寄生虫感染症が挙げられる。
【0094】
腫瘍は、良性および悪性腫瘍(すなわち、癌)の両方を含む。
【0095】
癌としては、これらに限定されないが、胆道癌、脳癌、乳癌、子宮頸癌、絨毛癌、結腸癌、子宮内膜癌、食道癌、胃癌、上皮内新生物、白血病、リンパ腫、肝臓癌、肺癌、メラノーマ、骨髄腫、神経芽細胞腫、口腔癌、卵巣癌、膵癌、前立腺癌、直腸癌、肉腫、皮膚癌、精巣癌、甲状腺癌、および腎癌が挙げられる。
【0096】
特定の実施形態において、癌は、毛様細胞白血病、慢性骨髄性白血病、皮膚T細胞白血病、慢性骨髄白血病、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、濾胞性リンパ腫、悪性メラノーマ、扁平上皮細胞癌腫、腎細胞癌腫、前立腺癌腫、膀胱細胞癌腫、乳癌腫、卵巣癌腫、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、肝細胞癌腫、基底細胞癌、結腸癌腫、子宮頸部異形成、およびカポジ肉腫(AIDS関連および非AIDS関連)から選択される。
【0097】
アレルギーとしては、これらに限定されないが、呼吸アレルギー、接触アレルギー、および食物アレルギーが挙げられる。
【0098】
免疫疾患としては、これらに限定されないが、自己免疫疾患、免疫不全、および免疫抑制が挙げられる。
【0099】
自己免疫疾患としては、これらに限定されないが、真性糖尿病、関節炎(関節リウマチ、若年性関節リウマチ、変形関節炎、乾癬性関節炎を含む)、多発性硬化症、脳脊髄炎、重症筋無力症、全身性紅斑性狼瘡、自己免疫甲状腺炎、皮膚炎(アトピー性皮膚炎および湿疹性皮膚炎を含む)、乾癬、シェーグレン症候群、クローン病、アフタ性潰瘍、虹彩炎、結膜炎、角結膜炎、潰瘍性大腸炎、喘息、アレルギー性喘息、皮膚エリテマトーデス、強皮症、膣炎、直腸炎、薬疹、ライ反転反応、ライ性結節性紅斑、自己免疫ブドウ膜炎、アレルギー性脳脊髄炎、急性壊死性出血性脳症、特発性両側性進行性感音難聴、再生不良性貧血、赤芽球癆貧血、特発性血小板減少症、多発性軟骨炎、ウェゲナー肉芽腫症、慢性活動性肝炎、スティーブン−ジョンソン症候群、特発性スプルー、扁平苔癬、グレーブス病、類肉腫症、原発性胆汁性肝硬変、後部ブドウ膜炎、および間質性肺線維症が挙げられる。免疫不全症としては、これらに限定されないが、自発性免疫不全症、後天性免疫不全症(AIDS)、薬物誘発性免疫不全症(移植に使用される免疫抑制、および癌治療に使用される化学療法剤により誘発されるもの等)、慢性血液透析、外傷、および外科手技により引き起こされる免疫抑制が挙げられる。
【0100】
免疫抑制は、これに限定されないが、細胞障害性化学療法による骨髄抑制を含む。
【0101】
一実施形態において、医薬組成物は、腫瘍ワクチンである。本発明に記載されるiRNA剤、または細菌RNAは、RIG−Iへの結合を通して腫瘍細胞のアポトーシスを誘発する、腫瘍細胞によりI型IFN IL−18および/またはIL−1β産生を誘発する、NK細胞、NKT細胞、およびγδT細胞等の先天性免疫のエフェクター細胞を直接的および/または間接的に活性化する、ならびに/または抑制因子のT細胞を直接的および/または間接的に不活性化し、これによって、腫瘍細胞成長の阻害および/または破壊をもたらし得る。
【0102】
本発明に記載されるiRNA剤または細菌RNA等のRIG−Iリガンドで刺激された腫瘍細胞は、腫瘍ワクチンとしても使用され得る。
【0103】
好ましい実施形態において、RNAオリゴヌクレオチドは、生理的条件、特に細胞内の生理的条件下で、任意の分子内または分子間の二本鎖構造を自身で形成することができる、任意の配列を含有しない一本鎖RNAオリゴヌクレオチドであり、ssRNAのヌクレオチド配列は、疾病/疾患関連RNAに相補的である。
【0104】
一実施形態において、疾病/疾患関連RNAは、疾病/疾患関連遺伝子のmRNAである。別の実施形態において、疾病/疾患関連RNAは、miRNAである。疾病/疾患関連RNAは、内因性細胞RNA、ウイルスRNA、細菌、真菌、または寄生虫等の侵入微生物または生物からのRNAであってもよい。
【0105】
相補性の程度は、好ましくは、少なくとも50%、60%、70%、より好ましくは、少なくとも75%、80%、85%、90%、さらにより好ましくは、少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、そして最も好ましくは100%である。
【0106】
一態様において、本発明は、修飾を含まないdsiRNA剤と比較して、dsiRNA剤の解離を阻害する1つ以上の修飾を含むdsiRNA剤をヒトに投与することにより、ヒトにおいて、一本鎖iRNA(ssiRNA)剤に対する二本鎖iRNA(dsiRNA)の比率を増加するための方法を特徴とする。一実施形態において、修飾は、ヘキサエチレングリコールリンカー、ポリ(オキシホスフィニコ−オキシ−1,3−プロパンジオール)リンカー、アリルリンカー、またはポリエチレングリコールリンカー等の、化学的リンカーを含む。別の実施形態において、修飾は、修飾を含まないdsiRNAと比較して、dsiRNAの融点温度を上昇させる。このような修飾は、ロックド核酸、G−クランプ、2’−O−メチル、2’−フルオロ、2’−O−メトキシエチル、2−チオ−ピリミジン、2−アミノ−アデニン、またはプソイドウリジンを含むことができる。いくつかの実施形態において、dsiRNA剤の修飾は、dsiRNA剤のセンス鎖のみで、またはdsiRNA剤のアンチセンス鎖のみで生じる。
【0107】
一態様において、本発明は、本明細書に記載される、免疫選択性iRNA剤で治療するのに適した患者を選択する方法を特徴とする。一実施形態において、患者の選択は、免疫刺激または免疫抑制のいずれかの必要性に基づく。別の実施形態において、選択は、免疫系に関与しない遺伝子の発現の減少を必要とし、免疫系機能の増加または減少も必要とする患者の同定に基づく。免疫系機能に関する患者の必要性は、どの修飾が、治療免疫選択性iRNA剤に組み込まれるかを決定する。一態様において、本発明は、免疫系を刺激する、免疫選択性iRNA剤と特徴とする。例えば刺激性免疫選択性iRNA剤は、1つ以上の修飾、例えば、免疫系を刺激するための、本明細書に記載される修飾を含む。例えば、修飾されたiRNA剤は、1つ以上の修飾を含まないiRNA剤を上回る程度に、免疫系を刺激する。これらの刺激性免疫選択性iRNA剤は、免疫不全の患者に投与されるか、または第2の療法の免疫不全効果を相殺するように、第2の療法を用いて投与され得る。第2の療法は、化学療法、または例えば、抗生物質であり得る。刺激性免疫選択性iRNA剤は、腫瘍、自己免疫疾患、気道炎症(例えば、喘息)、アレルギー(例えば、食物または呼吸アレルギー)、または細菌、真菌、寄生虫、ウイルスもしくはウイルス様体粒子、またはプリオン等の、病原性疾病を有する、または発達するリスクを有する対象に投与され得る。
【0108】
定義
「リンカー」または「スペーサー」という用語は、概して、糖、塩基、または骨格を通して、共有結合または非共有結合によりオリゴリボヌクレオチドに結合され得る、任意の部分を指す。リンカー/スペーサーは、2つ以上のヌクレオシドを結合するために使用されるか、またはオリゴリボヌクレオチドの5’および/または3’末端ヌクレオチドに結合され得る。このようなリンカーは、非ヌクレオチドリンカーまたはヌクレオチドリンカーのいずれかであり得る。
【0109】
「非ヌクレオチドリンカー」という用語は、概して、共有結合または非共有結合によりオリゴリボヌクレオチドに結合され得る、ヌクレオチド連結以外の化学的部分を指す。好ましくは、このような非ヌクレオチドリンカーは、長さが約2オングストローム〜約200オングストロームであり、シスまたはトランス配置(例えば、d(T)、ここでnは1〜10である)であるか、または非ヌクレオチド(例えば、本明細書に記載されるリンカー、例えば、任意に置換されたアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールl)のいずれかであってもよい。
【0110】
「非ヌクレオチドリンカー」という用語は、概して、リン酸、非リン酸、荷電された、または中性群(例えば、リン酸ジエステル、ホスホロチオエート、ジチオリン酸、アルキルリン酸(例えば、メチルホスホン酸)、アミド、エステル、ジスルフィド、チオエーテル、オキシム、および隣接するヌクレオシド間のヒドラゾン連結からなる、それらの糖を通して2つのヌクレオシドを結合する化学的連結(例えば3’−3’、2’−3’,2’−5’、3’−5’)を指す。
【0111】
一実施形態において、2つのオリゴヌクレオチド間のリンカー/スペーサーは、切断可能な連結基、例えば、ヌクレアーゼおよびプロテアーゼ等の、生物に存在する酵素により生体分解可能であるか、細胞内部に高レベルで存在するグルタチオン等により、酸性pHで、または還元条件下で切断可能である基である。いくつかの代表的な切断可能な連結基は、これらに限定されないが、ジスルフィド、アミド、エステル、ペプチド連結、およびリン酸ジエステルを含む。2004年11月9日に出願された同時係属米国特許出願第10/985,426号明細書は、切断可能基を含むスペーサーとしての用途可能である、切断可能な連結を記載している。
【0112】
切断可能な連結基は、スペーサーに対して内部であり得るか、またはスペーサーの末端の一端もしくは両端に存在し得る。一実施形態において、切断可能な連結基は、オリゴヌクレオチドの1つとスペーサーとの間にある。一実施形態において、切断可能な連結基は、スペーサーの両端上に存在する。一実施形態において、切断可能な連結基は、スペーサーに対して内部である。
【0113】
「ハロ」という用語は、任意のフッ素、塩素、臭素、またはヨウ素の任意の基を指す。
【0114】
「脂肪族」という用語は、炭素原子、水素原子、ハロゲン原子、酸素、窒素、または他の原子の任意の組み合わせを含有してもよく、任意で、1つ以上の単位の不飽和、例えば、二重および/または三重結合を含有し得る、非芳香族部分を指す。脂肪族基は、直鎖、分枝鎖、または環式であってもよく、好ましくは、約1〜24個の炭素原子の間、より典型的には、約1〜12個の間の炭素原子を含有する。脂肪族炭化水素基に加え、脂肪族基は、例えば、ポリアルキレングリコール、ポリアミン、およびポリイミン等の、例えば、ポリアルコキシアルキルを含む。このような脂肪族基は、さらに置換され得る。
【0115】
「アルキル」という用語は、示される数の炭素原子を含有する、直鎖または分枝鎖であってもよい炭化水素を指す。例えば、C−C12アルキルは、基がその中に1〜12(包括的)炭素原子を有することを示す。「ハロアルキル」という用語は、1つ以上の水素原子が、ハロにより置換されるアルキルを指し、全ての水素が、ハロと置換されたアルキル部分(例えば、パーフルオロアルキル)を含む。アルキルおよびハロアルキル基は、任意で、O、N、またはSで挿入され得る。「アラルキル」という用語は、アルキル水素原子がアリール基と置換されるアルキル部分を指す。アラルキルは、1つ以上の水素原子が、アリール基と置換された基を含む。「アラルキル」の例としては、ベンジル基、9−フルオレニル基、ベンズヒドリル基、およびトリチル基が挙げられる。
【0116】
「アルケニル」という用語は、2〜8個の炭素原子を含有し、1つ以上の二重結合を有することを特徴とする、直鎖または分枝鎖炭化水素を指す。典型的なアルケニルの例としては、これらに限定されないが、アリル基、プロぺニル基、2−ブテニル基、3−ヘキセニル基、および3−オクテニル基が挙げられる。「アルキニル」という用語は、2〜8個の炭素原子を含有し、1つ以上の三重結合を有することを特徴とする、直鎖または分枝鎖炭化水素を指す。典型的なアルキニルのいくつかの例は、エチニル、2−プロピニル、および3−メチルブテニル、およびプロパギルである。spおよびsp炭素は、任意で、それぞれ、アルケニル基およびアルキニル基の結合点としての役割をはたし得る。
【0117】
「アルキルアミノ」および「ジアルキルアミノ」という用語は、それぞれ、−NH(アルキル)および−N(アルキル)基を指す。「アラルキルアミノ」という用語は、−NH(アラルキル)基を指す。「アルコキシ」という用語はO−アルキル基を指し、「シクロアルコキシ」および「アラルコキシ」という用語は、それぞれ、−O−シクロアルキル基およびO−アラルキル基を指す。「シロキシ」という用語は、RSiO−基を指す。「メルカプト」という用語は、SH基を指す。「チオアルコキシ」という用語は、−S−アルキル基を指す。
【0118】
「アルキレン」という用語は、二価のアルキル(すなわち、−R−)、例えば、−CH−、−CHCH−、および−CHCHCH−を指す。「アルキレンジオキソ」という用語は、Rがアルキレンを表す、構造−O−R−O−の二価の化学種を指す。
【0119】
「アリール」という用語は、芳香族単環式、二環式、または三環式炭化水素環系を指し、ここで、任意の環原子は、置換され得る。アリール部分の例としては、これらに限定されないが、フェニル、ナフチル、アントラセニル、およびピレニルが挙げられる。
【0120】
本明細書で使用される、「シクロアルキル」という用語は3〜12個の炭素を有する、飽和環式、二環式、三環式、または多環式炭化水素基を含み、ここで、任意の環原子は置換され得る。本明細書に記載されるシクロアルキル基は、縮合環も含有し得る。縮合環は、共通の炭素−炭素結合、または共通の炭素原子を共有する環(例えば、スピロ縮合環)である。シクロアルキル部分の例としては、これらに限定されないが、シクロヘキシル、アダマンチル、およびノルボルニルが挙げられる。
【0121】
「ヘテロシクリル」という用語は、単環式の場合、1〜3個ヘテロ原子、二環式の場合、1〜6個のヘテロ原子、または三環式の場合、1〜9個のヘテロ原子を有する、非芳香族3〜10員単環式、8〜12員二環式、または11〜14員三環式環系を指し、ヘテロ原子は、O、N、またはS(例えば、単環式、二環式、または三環式の場合、それぞれ、炭素原子および1〜3、1〜6、または1〜9個のヘテロ原子のN、OもしくはS)から選択され、ここで、任意の環原子は、置換され得る。本明細書に記載されるヘテロシクリル基も、縮合環を含有し得る。縮合環は、共通の炭素−炭素結合、または共通の炭素原子を共有する環(例えば、スピロ縮合環)である。ヘテロシクリルの例としては、これらに限定されないが、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ピぺリジニル、モルフォリノ、ピロリニル、およびピロリジニルが挙げられる。
【0122】
「ヘテロアリール」という用語は、単環式の場合、1〜3個ヘテロ原子、二環式の場合、1〜6個のヘテロ原子、または三環式の場合、1〜9個のヘテロ原子を有する、芳香族5〜8員単環式、8〜12員二環式、または11〜14員三環式環系を指し、ヘテロ原子は、O、N、またはS(例えば、単環式、二環式、または三環式の場合、それぞれ、炭素原子および1〜3、1〜6、または1〜9個のヘテロ原子のN、OもしくはS)から選択され、ここで、任意の環原子は、置換され得る。本明細書に記載されるヘテロアリール基も、共通の炭素−炭素結合を共有する縮合環を含有し得る。
【0123】
「オキソ」という用語は、炭素と結合する時にカルボニル、窒素と結合する時にN−オキシド、および硫黄と結合する時にスルホキシドまたはスルホンを形成する、酸素原子を指す。
【0124】
「アシル」という用語は、アルキルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、またはヘテロアリールカルボニル置換基を指し、いずれも、置換基でさらに置換され得る。
【0125】
「置換基」という用語は、その基の任意の原子で、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロシクリル基、ヘテロシクロアルケニル基、シクロアルケニル基、アリール基、またはヘテロアリール基上で置換される基を指す。好適な置換基は、これらに限定されないがアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、SOH、硫酸、リン酸、パーフルオロアルキル、パーフルオロアルコキシ、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、カルボキシル、オキソ、チオキソ、イミノ(アルキル、アリール、アラルキル)、S(O)アルキル(ここで、nは0〜2)、S(O)アリール(ここで、nは0〜2)、S(O)ヘテロアリール(ここで、nは0〜2)、S(O)ヘテロシクリル(ここで、nは0〜2)、アミン(モノ−、ジ−、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、およびそれらの組み合わせ)、エステル(アルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル)、アミド(モノ−、ジ−、アルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、およびそれらの組み合わせ)、スルホンアミド(モノ−、ジ−、アルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、およびそれらの組み合わせ)、非置換アリール、非置換ヘテロアリール、非置換ヘテロシクリル、および非置換シクロアルキルを含む。一態様において、基上の置換基は、独立して、前述の置換基の任意の1つの単一の、または任意のサブセットである。
【0126】
「保護された」部分とは、反応性官能基、例えば、ヒドロキシル基もしくはアミノ基、または官能基の反応性が結合された保護基の存在により一時的に遮断される、1つ以上の官能基を有する分子のクラス、例えば糖類を指す。本明細書に記載される単量体または方法に有用な保護基は、例えば、Greene,T.W.,Protective Groups in Organic Synthesis(John Wiley and Sons:New York),1981に見ることができ、参照により本明細書に援用される。
【0127】
「プロドラッグ」という用語は、内因性酵素の作用、または他の化学物質および/または状態により、その身体内または細胞内で活性化状態(すなわち、薬物)に変換される、不活性状態で調製される治療薬を示す。特に、本発明のオリゴヌクレオチドのプロドラッグ型は、1993年12月9日に公開されたGosselin et al.の国際公開第93/24510号パンフレット、またはImbach et al.の国際公開第94/26764号パンフレットならびに米国特許第5,770,713号明細書に公開される方法に従い、SATE[(S−アセチル−2−チオエチル)リン酸]誘導体として調製される。
【0128】
「医薬的に許容される塩」とは、本発明のオリゴマー化合物の生理学的および医薬低に許容される塩、すなわち、親化合物の所望の生物学的活性を維持し、それに望ましくない毒性作用を付与しない塩を指す。オリゴヌクレオチドにおいて、医薬的に許容される塩およびそれらの使用の好ましい例は、米国特許第6,287,860号明細書にさらに記載されており、本明細書にその全体が援用される。
【0129】
リガンド
本発明において、リガンドは、芳香族基、アラルキル基、またはステロイド、胆汁酸、ピリドキサール、B12、リボフラビン、ビオチン、多環式化合物、クラウンエーテル、干渉物質、切断分子、タンパク質結合剤、糖質、または任意で置換された飽和5−員環の基である。特定の場合において、リガンドは、アルキル基、例えば、2−アリールプロパノイル部分である。リガンドの構造特徴は、リガンドが、生体内の少なくとも1つのタンパク質に結合するように選択される。特定の実施形態において、リガンドの構造特徴は、リガンドが、血清、脈管、または細胞タンパク質に結合するように選択される。特定の実施形態において、リガンドの構造特徴は、アルブミン、免疫グロブリン、リポタンパク質、α−2−マクログロブリン、またはα−1−グリコタンパク質への結合を促進する。
【0130】
多くのステロイドが当該技術分野で公知であり、本発明に適している。ステロイドの代表的な例としては、コレステロール、5β−コラン酸、プロゲステロン、アルドステロン、デヒドロアルドステロン、イソアンドロステロン、エステロン(esterone)、エストラジオール、エルゴステロール、デヒドロエルゴステロール、ラノステロール、4−コレステン−3−オン、ググルステロン、テストステロン、ノルテストステロン、ホルメスタン、ヒドロキシエクジソン、ケトエストリオール、コルチコステロン、ジエンエストロール、ジヒドロキシプログナノン(dihydroxypregnanone)、プレグナノン(pregnanone)、コポルモン(copornmon)、エキレニン、エキリン、エストリオール、エチニルエストラジオール、メストラノール、モクセストロール、ミタトリエンジオール、キネストラジオール、キネストロール、ヘルボン酸、プロトスタジエン(protostadiene)、フシジン酸、シクロアルテノール、トリカロール(tricallol)、ククルビタシンセドレロン(cucurbitanin cedrelone)、オイホール、ダメレンジオール(dammerenediol)、パルケオール、デキサメタゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、パラメタゾン、ベータメタゾン、コルチゾン、フルオシノニド、フルオロメトロン、ハルシノニド、およびブデソニド、または1つ以上のヒドロキシル、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、アルキル、カルボン酸、エステル、アミド、カルボニル、アルコキシル、またはシアノが挙げられる。
【0131】
多くの胆汁酸が当該技術分野で公知であり、本発明に適している。胆汁酸は、大半の脊椎動物の胆汁中のグリシンまたはタウリンと共役して生じ、これらのいくつかは、医薬に用途を見出し得る。したがって、いくつかの胆汁酸は、それらの固有の薬理特性により、利胆薬として使用される(例えば、James E.F.Reynolds(editor) Martindale The Extra Pharmacopoeia,30th Edition,The Pharmaceutical Press,London(1993),1341頁を参照のこと)。胆汁酸の代表的な例としては、コール酸、デオキシコール酸、タウロコール酸、グリココール酸、グリコデオキシコール酸、タウロデオキシコール酸、ウルソデオキシコール酸、およびケノデオキシコール酸が挙げられる。本発明に適したさらなる胆汁酸は、米国特許第5,641,767号、同第5,656,277号、同第5,610,151号、同第5,428,182号、および同第3,910,888号の各明細書に記載されるものを含む。
【0132】
多くの脂質が当該技術分野で公知であり、本発明に適している。脂質の代表的な例としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、トリアシルグリセロール、ホスホアシルグリセロール、スフィンゴ脂質、モノテルペン、セスキテルペン、ジテルペン、セステルテルペン、トリテルペン、およびテトラテルペンが挙げられる。
【0133】
多くの芳香族化合物が当該技術分野で公知であり、本発明に適している。芳香族化合物の代表的な例としては、任意で置換されたフェニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル、ピレニル、ピリジニル、キノリニル、アクリジニル、フェナントリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、1,7−フェナントロリニル、インドリル、チアナフテニル、ベンズオキサゾリル、ベンゾフラニル、1,2−ベンズイソキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ピロリル、チオフェニル、イソキサゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、テトラゾリル、およびフラニルが挙げられる。
【0134】
多くの炭水化物が当該技術分野で公知であり、本発明に適している。炭水化物の代表的な例としては、エリトロース、トレオース、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、およびタロース、またはこれらのいずれか間の1,4グリコシド連結を介して形成される二糖類もしくは三糖類が挙げられる。特定の場合において、含水化物は、ヘキソースまたはペントースである。
【0135】
多くの多環式化合物が当該技術分野で公知であり、本発明に適している。多環式化合物の代表的なクラスは、二環式化合物を含み、第1および第2の環が、独立して、O、N、またはSからなる基から選択される、0、1、2、または3個ヘテロ原子を含有する、3、4、5、または6員飽和または不飽和炭素環である。特定の場合において、第1の環は芳香族環である。特定の場合において、第2の環は芳香族環である。特定の場合において、両方の環は、飽和である。特定の場合において、第1の環はヘテロ原子を含有しない。特定の場合において、第2の環はヘテロ原子を含有する。特定の場合において、第1の環は窒素原子を含有する。特定の場合において、第2の環は窒素原子を含有する。特定の場合において、多環式化合物は、三環式化合物であり、第1、第2、および第3の環は、独立して、O、N、またはSからなる基から選択される、0、1、2、または3個のヘテロ原子を含有する、3、4、5、または6員飽和または不飽和炭素環である。特定の場合において、第1の環は芳香族環である。特定の場合において、第2の環は芳香族環である。特定の場合において、第3の環は芳香族環である。特定の場合において、3つの環は、飽和である。特定の場合において、第1の環はヘテロ原子を含有しない。特定の場合において、第2の環はヘテロ原子を含有する。特定の場合において、第3の環はヘテロ原子を含有する。特定の場合において、第1の環は窒素原子を含有する。特定の場合において、第2の環は窒素原子を含有する。特定の場合において、第3の環は窒素原子を含有する。特定の場合において、多環式化合物は、架橋多環式化合物である。特定の場合において、多環式化合物は、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、ビシクロ[3.2.1]オクタン、ビシクロ[3.2.2]ノナン、またはビシクロ[3.3.1]ノナンである。
【0136】
多くのクラウンエーテルが当該技術分野で公知であり、本発明に適している。クラウンエーテルは、それぞれが、2個以上の炭素原子により隣と単離される、4〜20個の酸素原子を含有する、大環状ポリエーテル中性化合物である。大環状ポリエーテルは、アルカリ金属および他の金属の塩類、ならびにアンモニウム塩類と共に、安定した複合体を形成することが知られている;“Macrocyclic polyethers and their complexes”,C.J.Pederson et al,Angew.Chem.Intern.Ed.,Vol.11,ページ16,(1972)、および米国特許第3,562,295号ならびに同第3,687,978号の各明細書。大環状ポリエーテルの立体モデルは、クラウン様態様を付与するため、これらは、通常、N−クラウン−Mポリエーテルとして設計され、ここで、Nは、ポリエーテル環の原子の総数であり、Mは、ポリエーテル環の酸素原子の数である。エチレンオキシド([12]−クラウン−4)およびプロピレンオキシド([16]−クラウン−4)の環式四量体〜60員ポリエーテル環(ジベンゾ[60]−クラウン−20)の大きさの範囲のクラウンポリエーテルが、報告されている。好ましいクラウンエーテルは、12−クラウン−4、15−クラウン−5、および18−クラウン−6を含む。
【0137】
多くのオリゴヌクレオチド干渉物質が当該技術分野で公知であり、本発明に適している。干渉物質の一クラスは、二本鎖DNAに、非共有結合的に結合するDNA干渉物質であり、DNAの二重らせんの塩基対間に挿入される平分子を特徴とする。干渉物質の代表的な例としては、p−カルボキシメチジウム、p−カルボキシエチジウム、アクリジン、およびエリプチシンが挙げられる。
【0138】
多くのオリゴヌクレオチド切断分子が当該技術分野で公知であり、本発明に適している。切断分子は、オリゴヌクレオチド鎖を切断することができる化合物である。グリコペプチド抗生物質であるブレオマイシンは、鉄二価イオンおよび分子状酸素の存在に依存する反応において、DNAに結合し、それを切断することが知られている、“Bleomycin: Chemical,Biochemical and Biological Aspects”;Hecht,S.M.,Ed.;Springer Verlag:New York,1979;Sausville,E.A.;Peisach,J.;Horwitz,S.B.“Biochemistry”1978,17,2740.Burger,R.M.;Peisach,J;Horwitz,S.B.“Life Sciences”1981,28,715、およびLown,J.W.;Sim,S.F.“Biochem.Biophys.Res.Comm.”1977,77,1150。抗腫瘍剤ストレプトニグリンも、酸素および銅一価イオンを使用して、CNAの一本鎖の切断をもたらすことができる(Cone,R;Hasan,S.K.;Lown,J.W.;Morgan,A.R.“Can.J. Biochem.”1976,54,219.。近年、1−10フェナンスロリン−銅一価複合体が、酸素の存在下で、DNAを切断することを示した(Sigman,D.S.;Graham,D.R.;D’Aurora,V.;Stern,A.M.“J.Biol.Chem.”1979,254,12269;Graham,D.R.;Marshall,L.E.;Reich,K. A.;Sigman,D.S.“J.Amer.Chem.Soc.”1980,102,5419;Marshall,L.E.;Graham,D.R.;Reich,K.A.;Sigman,D.S.“Biochemistry”1981,20,244、およびQue,B.G.;Downey,K.M.;So.,A.G.“Biochemistry”1980,19,5987)。加えて、メチジウム、エチジウム、およびシスプラチンは、オリゴヌクレオチド配列を切断することが知られている。
【0139】
一般的にリガンドは、例えば、取り込みを高めるための治療修飾因子、例えば、分布の監視のための診断化合物またはリポーター基、架橋剤、ヌクレアーゼ耐性を付与する部分、および天然または非天然核酸塩基を含むことができる。一般例としては、脂溶性分子、脂質、ステロイド、(例えば、コレステロール、ウバオール、ヘシゲニン、ジオスゲニン)、テルペン(例えば、トリテルペン、例えば、サルササポゲニン、フリーデリン、エピフリーデラノール誘導化リトコール酸)、ビタミン類(例えば、葉三、ビタミンA、ビタミンE、ビオチン、ピリドキサール)、炭水化物、タンパク質、タンパク質結合剤、インテグリンを標的とする分子、ポリカチオン、ペプチド、ポリアミン、およびペプチド疑似物質が挙げられる。
【0140】
リガンドは、ペプチドまたはペプチド擬似物質であり得る。ペプチド擬似物質(本明細書において、オリゴペプチド擬似物質とも称される)は、天然ペプチドに類似する、所定の3次元構造に折り畳むことができる分子である。ペプチドおよびペプチド擬似物質のiRNA剤への結合は、細胞認識および吸収を高めることにより、iRNAの薬物動態の分布に影響を与えることができる。ペプチドまたはペプチド擬似物質部分は、長さが約5〜50のアミノ酸、例えば、約5、10、15、20、25、30、35、40、45、または50のアミノ酸の長さであり得る。
【0141】
iRNA剤構造
本明細書に記載される単量体は、例えば、対象の内因性遺伝子または病原体の遺伝子に関して、RNAiを媒介するRNAi剤、例えば、RNA分子(二本鎖、一本鎖)として有用であるオリゴヌクレオチドを作製するために使用され得る。多くの場合、iRNA剤は、自然に生じるヌクレオシドもしくはヌクレオチド、または他の修飾されたヌクレオシドもしくはヌクレオチドと一緒に、本明細書に記載される単量体を組み込む。修飾された単量体は、iRNA剤の任意の位置、例えば、iRNA剤の末端もしくはその中間領域で、または二本鎖領域もしくは不対領域で存在し得る。好ましい実施形態において、iRNA剤は、任意の構造、例えば、本明細書に記載される構造を有することができる。例えば、本明細書に記載される、オーバーハング構造、ヘアピン、または他の一本鎖構造もしくは二本鎖構造を有するiRNA剤に組み込まれ得る。
【0142】
本明細書で使用される、「RNA剤」とは、未修飾RNA、修飾されたRNA、またはヌクレオシド代用物であり、全てが本明細書で定義される(例えば、RNA剤と題される以下の項を参照のこと)。多数の修飾されたRNAおよびヌクレオシド代用物が記載されるが、好ましい実施例は、未修飾RNAよりもヌクレアーゼ分解に高い耐性を有するものを含む。好ましい実施例は、一本鎖オーバーハングにおける修飾、好ましくは3’一本鎖オーバーハングである2’糖修飾、または特に一本鎖の場合、1つ以上のリン酸基もしくは1つ以上のリン酸基の類似体を含む5’修飾を有するものを含む。
【0143】
本明細書で使用される、「iRNA剤」とは、免疫応答を刺激もしくは阻害することができる、または免疫応答に影響を及ぼさないRNA剤を分割できる、またはそれに分割され得るRNA剤である。iRNA剤は、標的遺伝子、好ましくは、内因性または病原体標的RNAの発現も下方制御し得る。理論に束縛されるわけではないが、標的遺伝子の発現を下方制御するiRNA剤は、標的mRNAの転写後切断(時折、当該技術分野においてRNAiと称される)、または転写前もしくは翻訳前機構を含む、いくつかの機構の1つ以上により作用され得る。iRNA剤は一本鎖を含むか、または一本鎖以上、例えば、二本鎖iRNA剤を含むことができる。iRNA剤が一本鎖である場合、1つ以上のリン酸基もしくは1つ以上のリン酸基の類似体を含む5’修飾を含むことが、特に好ましい。
【0144】
説明を容易にするために、ヌクレオチドまたはリボヌクレオチドという用語は、時折、本明細書において、RNA剤の1つ以上の単量体サブユニットに関連して使用される。「リボヌクレオチド」または「ヌクレオチド」という用語の使用は、修飾されたRNAまたはヌクレオチドの場合において、1つ以上の位置での修飾されたヌクレオチドまたは代用置換部分も指すように本明細書では理解される。
【0145】
本明細書の別の個所で論議される、iRNA剤は、多くの場合、修飾されるか、またはリボース置換修飾サブユニット(RRMS)に加え、ヌクレオシド代用物を含む。iRNA剤の一本鎖領域は、多くの場合、修飾されるか、またはヌクレオシド代用物を含み、例えば、不対領域もしくはヘアピン構造の領域、例えば、2つの相補的な領域を連結する領域は、修飾またはヌクレオシド代用物を有することができる。例えば、エキソヌクレアーゼに対して、iRNA剤の1つ以上の3’−もしくは5’−末端を安定化するための、またはRISCに侵入するようにアンチセンスsRNA剤を支持するための修飾も好まれる。修飾は、ホスホラミダイトとして作用し、別のDMT保護ヒドロキシル基を有する、C3(またはC6、C7、C12)アミノリンカー、チオールリンカー、カルボキシルリンカー、非ヌクレオチドスペーサー(C3、C6、C9、C12、脱塩基、トリエチレングリコール、ヘキサエチレングリコール)、特殊ビオチンまたはフルオレセイン試薬を含むことができ、RNA合成中の多重カップリングを可能にする。
【0146】
塩基
アデニン、グアニン、シトシン、およびウラシルは、RNAに見られる最も一般的な塩基である。これらの塩基は、修飾されるか、または置換され、改善された特性を有するRNA’を提供する。例えば、ヌクレアーゼ耐性オリゴリボヌクレオチドは、これらの塩基を用いて、または合成および天然核酸塩基(例えば、イノシン、チミン、キサンチン、ヒポキサンチン、ヌバラリン、イソグアニシン、またはツベルシジン)、および上記の修飾のいずれか1つを用いて調製され得る。例えば、代替的に、置換された、または修飾された上記の塩基のいずれかの類似体、例えば、本明細書に記載される「特殊な塩基」および「一般的な塩基」も利用され得る。例としては、これらに限定されないが、2−アミノアデニン、6−メチルならびにアデニンおよびグアニンの他のアルキル誘導体、2−プロピルならびにアデニンおよびグアニンの他のアルキル誘導体、5−ハロウラシルおよびシトシン、5−プロピニルウラシルおよびシトシン、6−アゾウラシル、シトシンおよびチミン、5−ウラシル(偽ウラシル)、4−チオウラシル、5−ハロウラシル5−(2−アミノプロピル)ウラシル、5−アミノアリルウラシル、8−ハロ、アミノ、チオール、チオアルキル、ヒドロキシおよび他の8−置換されたアデニンおよびグアニン、5−トリフルオロメチルおよび他の5−置換されたウラシルおよびシトシン、7−メチルグアニン、5−置換されたピリミジン、6−アザピリミジンおよびN−2、N−6およびO−6置換されたプリン(2−アミノプロピルアデニン、5−プロピニルウラシルおよび5−プロピニルシトシンを含む)、ジヒドロウラシル、3−デアザ−5−アザシトシン、2−アミノプリン、5−アルキルウラシル、7−アルキルグアニン、5−アルキルシトシン、7−デアザアデニン、N6、N6−ジメチルアデニン、2,6−ジアミノプリン、5−アミノ−アリル−ウラシル、N3−メチルウラシル、置換された1,2,4−トリアゾール、2−ピリジノン、5−ニトロインドール、3−ニトロピロール、5−メトキシウラシル、ウラシル−5−オキシ酢酸、5−メトキシカルボニルメチルウラシル、5−メチル−2−チオウラシル、5−メトキシカルボニルメチル−2−チオウラシル、5−メチルアミノメチル−2−チオウラシル、3−(3−アミノ−3カルボキシプロピル)ウラシル、3−メチルシトシン、5−メチルシトシン、N−アセチルシトシン、2−チオシトシン、N6−メチルアデニン、N6−イソペンチルアデニン、2−メチルチオ−N6−イソペンテニルアデニン、N−メチルグアニン、またはO−アルキル化塩基が挙げられる。さらにプリンおよびピリミジンは、米国特許第3,687,808号明細書に開示されるもの、Concise Encyclopedia Of Polymer Science And Engineering,ページ858−859,Kroschwitz,J.に開示されるもの I.,ed.John Wiley & Sons,1990、およびEnglisch et al.,Angewandte Chemie,International Edition,1991,30,613に開示されるものを含む。
【0147】
一般的な塩基は、天然DNA/RNA塩基のそれぞれと塩基対を形成することができ、それらの間では相対的にほとんど相違を示さない。概して、一般的な塩基は、積み重ね相互作用を介して、例えば、二本鎖RNAまたはRNA様分子を安定化することができる、非水素結合の疎水性芳香族部分である。一般的な塩基は、水素結合置換基も含むことができる。本明細書で使用される、「一般的な塩基」とは、アントラセン、ピレン、または以下のうちのいずれか1つを含むことができる。
【化10】

【0148】
概して、塩基の変化は、安定性を促進するためにあまり好まれないが、これらは他の理由、例えば、2,6−ジアミノプリンおよび2アミノプリンが蛍光性であるという、例えば、いくつかの理由において有用であり得る。修飾された塩基は、標的特異性を低減することができる。これは、iRNA剤の設計に考慮されるべきである。
【0149】
一般参考文献
本発明に従い使用されるオリゴリボヌクレオチドよびオリゴリボヌクレオシドは、固相合成を用いてもよく、例えば、“Oligonucleotide synthesis,a practical approach”,Ed.M.J.Gait,IRL Press,1984、“Oligonucleotides and Analogues,A Practical Approach”,Ed.F. Eckstein,IRL Press,1991(特に第1章、Modern machine−aided methods of oligodeoxyribonucleotide synthesis、第2章、Oligoribonucleotide synthesis、第3章、2’−O−−Methyloligoribonucleotide−s:synthesis and applications、第4章、Phosphorothioate oligonucleotides、第5章、Synthesis of oligonucleotide phosphorodithioates、第6章、Synthesis of oligo−2’−deoxyribonucleoside methylphosphonates、および第7章、Oligodeoxynucleotides containing modified basesを参照のこと。他の特に有用な合成法、試薬、遮断基、および反応状形は、Martin, P.,Helv.Chim.Acta,1995,78,486−504、Beaucage,S.L.and Iyer,R. P.,Tetrahedron,1992,48, 2223−2311、およびBeaucage,S. L.and Iyer,R.P.,Tetrahedron,1993,49,6123−6194、またはそこで参照される参考文献に記載されている。
【0150】
国際公開第00/44895号、国際公開第01/75164号、または国際公開第02/44321号の各パンフレットに記載される修飾が、本明細書で使用され得る。
【0151】
本明細書に挙げられる全ての出版物、特許、および公開特許出願の開示は、参照により本明細書に援用される。
【0152】
リン酸基参考文献
ホスフィン酸オリゴリボヌクレオチドの調製物は、米国特許第5,508,270号明細書に記載される。アルキルホスホネートオリゴリボヌクレオチドの調製は、米国特許第4,469,863号明細書に記載される。ホスホラミダイトオリゴリボヌクレオチドの調製物は、米国特許第5,256,775号明細書、または米国特許第5,366,878号明細書に記載される。リン酸トリエステルオリゴリボヌクレオチドの調製物は、米国特許第5,023,243号明細書に記載される。ボラノリン酸オリゴリボヌクレオチドの調製物は、米国特許第5,130,302号明細書および米国特許第5,177,198号明細書に記載される。3’−デオキシ−3’−アミノホスホロアミド酸オリゴリボヌクレオチドの調製物は、米国特許第5,476,925号明細書に記載される。3’−デオキシ−3’−メチレンホスホネートオリゴリボヌクレオチドは、An,H,et al.J.Org.Chem.2001,66,2789−2801に記載される。硫黄架橋されたヌクレオチドの調製物は、Sproat et al.Nucleosides Nucleotides 1988,7,651およびCrosstick et al.Tetrahedron Lett.1989,30,4693に記載される。
【0153】
糖基の参考文献
2’修飾への修飾は、Manoharan,Biochimica et Biophysica Acta 1489:117−130,1999、Verma,S.et al.Annu.Rev.Biochem.67:99−134,1998およびそこの参考文献に見出され得る。リボースへの特異的修飾は、以下の参考文献に見出され得る:2’−fluoro(Kawasaki et. al.,J.Med.Chem.,1993,36,831−841),2’−MOE (Martin,P.Helv.Chim.Acta 1996,79,1930−1938),“LNA”(Wengel,J.Acc.Chem. Res.1999,32,301−310)。iRNA特異的化学修飾は、Manoharan,Current Opinion in Chemical Biology 8:570−579,2004に記載される。
【0154】
カチオン基
修飾は、1つ以上のカチオン基のリン酸もしくは修飾されたリン酸骨格部分の糖、塩基、および/またはリン原子への結合も含むことができる。カチオン基は、天然、特殊な、または一般的な塩基上で置換することができる任意の原子に結合され得る。好ましい位置は、ハイブリッド形成を妨げない位置、すなわち、塩基対に必要な水素結合相互作用を妨げない位置である。カチオン基は、例えば、環式または非環式糖代用物における糖または類似位置のC2’位置を通して結合され得る。カチオン基は、例えば、O−AMINE(AMINE=NH;アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヘテロシクリル、アリールアミノ、ジアリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、またはジヘテロアリールアミノ、エチレンジアミン、ポリアミノ)由来のプロトン化アミノ基、アミノアルコキシ、例えば、O(CHAMINE(例えば、AMINE=NH;アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヘテロシクリル、アリールアミノ、ジアリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、またはジヘテロアリールアミノ、エチレンジアミン、ポリアミノ)、アミノ(NH;アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヘテロシクリル、アリールアミノ、ジアリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、ジヘテロアリールアミノ、またはアミノ酸)、またはNH(CHCHNH)CHCH−AMINE(AMINE=NH、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヘテロシクリル、アリールアミノ、ジアリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、またはジヘテロアリールアミノ)を含むことができる。
【0155】
非リン酸連結
修飾は、鎖の5’および/または3末端で、非リン酸連結の取り込みも含むことができる。リン酸基を置換することができる非リン酸連結の例としては、メチルホスホン酸、ヒドロキシルアミノ、シロキサン、炭酸、カルボキシメチル、カルバミン酸、アミド、チオエーテル、エチレンオキシドリンカー、スルホン酸、スルホンアミド、チオホルムアセタル、ホルムアセタル、オキシム、メチレンイミノ、メチレンメチルイミノ、メチレンヒドラゾ(methylenehydrazo)、メチレンジメチルヒドラゾ(methylenedimethylhydrazo)、およびメチレンオキシメチルイミノが挙げられる。好ましい置換は、メチルホスホン酸およびヒドロキシアミノ基を含む。
【0156】
修飾は、第1の糖の2’位置および第2の糖の5’位置を通して、リン酸または修飾されたリン酸基を介する、2つの連結も含むことができる。第1と第2の糖の両方が、それぞれ3’位置を通して切断可能に連結される、逆連結も関与する。修飾されたRNA’は、C−1’で核酸塩基を欠損する「脱塩基」糖も含むことができる。糖基は、リボースで、対応する炭素のそれより、対向する立体化学構造を有する1つ以上の炭素を含有することもできる。したがって、修飾されたiRNA剤は、糖として、例えば、アラビノースを含有するヌクレオチドを含むことができる。この修飾の別のサブセットにおいて、天然、特殊な、または一般的な塩基は、α構造を有し得る。修飾は、L−RNAも含むことができる。
【0157】
修飾は、5’−ホスホン酸、例えば、P(O)(O−X−C5’糖(X=CH2、CF2、CHF、および5’−リン酸プロドラッグ、例えば、P(O)[OCH2CH2SC(O)R]CH5’糖も含むことができる。後者の場合において、プロドラッグ基は、最初にカルボキシエステラーゼとの反応を介して分解され得る。分子内S2置換を介して、残りのエチルチオレート基は、エピスルフィドとして脱離し、非誘導化リン酸基が得られる。
【0158】
修飾は、本明細書の別の個所に記載される共役基の追加も含むことができ、これは、好ましくは、共役に利用可能な任意のアミノ基を通して、iRNA剤に結合される。
【0159】
いくつかが末端にのみ配置され、残りは任意の位置に配置されることができる、ヌクレアーゼ耐性修飾を含む。概して、ハイブリッド形成を阻害することができる修飾は、好ましくは、末端領域でのみそれらを使用し、対象配列もしくは遺伝子を標的とする配列の切断部位または切断領域で、それらを使用しないことが好ましい。これらは、センス配列のどの場所においても使用され得るが、iRNA剤の2つの配列間で十分なハイブリッド形成がが維持されることを条件とする。いくつかの実施形態において、標的ではないサイレンシングを最小にできるため、対象配列または遺伝子を標的としない配列の切断部位もしくは切断領域にNRMを置くことが望ましい。
【0160】
加えて、本明細書に記載されるiRNA剤は、iRNA剤の他の配列と二本鎖構造を形成しないオーバーハングを有することができ、これは、オーバーハングであるが、それ自体またはiRNA剤の別の配列以外の別の核酸のいずれかとハイブリッド形成する。
【0161】
多くの場合において、修飾を促進するヌクレアーゼ耐性は、配列が、対象における配列を標的とする(多くの場合、抗センス配列と称される)か、または対象における配列を標的としない(多くの場合、センス配列と称される)かにより異なって分配される。配列が、対象における配列を標的とする場合、エンドヌクレアーゼ切断を妨げる、または阻害する修飾は、RISC媒介性切断を受ける部位、例えば、切断部位または切断領域に挿入されるべきではない(参照により本明細書に援用されるElbashir et al.,2001,Genes and Dev.15:188に記載されるように、標的の切断は、20または21ntガイドRNAの中央の周囲、またはガイド配列に相補である第1のヌクレオチドの10または11ヌクレオチド上流の周囲で生じる。本明細書に使用される切断部位は、それとハイブリッド形成する標的上、またはiRNA剤鎖上の切断部位のいずれかの側上のヌクレオチドを指す。切断領域は、いずれかの方向の切断部位の1、2、3ヌクレオチドを伴うヌクレオチドを意味する。)
このような修飾は、例えば、対象における配列を標的とする配列、または標的としない配列の末端位置で、または末端の2、3、4、または5位置を伴う末端領域に導入され得る。
【0162】
iRNA剤は、以下から選択される第1および第2鎖を有することができる:
配列を標的とせず、かつ3末端からの1、2、3、4、5もしくは6位置で、またはその位置内にNRM修飾を有する第1の鎖、
配列を標的とせず、かつ5末端からの1、2、3、4、5もしくは6位置で、またはその位置内にNRM修飾を有する第1の鎖、
配列を標的とせず、かつ3末端からの1、2、3、4、5もしくは6位置で、またはその位置内でNRM修飾を有し、かつ5末端からの1、2、3、4、5もしくは6位置で、またはその位置内にNRM修飾を有する第1の鎖、
配列を標的とせず、かつ切断部位で、または切断領域にNRM修飾を有する第1の鎖、
配列を標的とせず、かつ切断部位で、または切断領域にNRM修飾、および3末端からの1、2、3、4、5、または6位置でもしくはその位置内にNRM修飾、5末端からの1、2、3、4、5もしくは6位置で、またはその位置内にNRM修飾、または3’および5末端の両方からの1、2、3、4、5もしくは6位置で、またはその位置内にNRM修飾の1つ以上を有する第1の鎖、ならびに
配列を標的とし、かつ3’からの1、2、3、4、5もしくは6位置で、またはその位置内にNRM修飾を有する第2の鎖、
配列を標的とし、かつ5末端からの1、2、3、4、5もしくは6位置で、またはその位置内にNRM修飾を有する第2の鎖(5末端NRM修飾は、優先的に、末端ではなく、むしろアンチセンス鎖の5’から離れた位置1、2、3、4、5もしくは6においてである。)、
配列を標的とし、かつ3末端からの1、2、3、4、5もしくは6位置で、またはその位置内でNRM修飾を有し、かつ5末端からの1、2、3、4、5もしくは6位置で、またはその位置内にNRM修飾を有する第2の鎖、
配列を標的とし、かつ好ましくは、切断部位で、または切断領域にNRM修飾を有さない第2の鎖、
配列を標的とし、かつ切断部位で、または切断領域にNRM修飾、および3末端からの1、2、3、4、5、または6位置でもしくはその位置内にNRM修飾、5末端からの1、2、3、4、5もしくは6位置で、またはその位置内にNRM修飾、または3’および5末端の両方からの1、2、3、4、5もしくは6位置で、またはその位置内にNRM修飾の1つ以上を有さない第2の鎖、(5末端NRM修飾は、優先的に末端ではなく、むしろアンチセンス鎖の5’から離れた位置1、2345もしくは6においてである。)。
【0163】
iRNA剤は、2つの配列を標的とすることができ、かつ
配列を標的とし、かつ3末端からの1、2、3、4、5もしくは6位置で、またはその位置内にNRM修飾を有する第1の鎖、
配列を標的とし、かつ5末端からの1、2、3、4、5もしくは6位置で、またはその位置内にNRM修飾を有する第1の鎖(5末端NRM修飾は、優先的に、末端ではなく、むしろアンチセンス鎖の5’から離れた位置1、2、3、4、5もしくは6においてである)、
配列を標的とし、かつ3末端からの1、2、3、4、5もしくは6位置で、またはその位置内でNRM修飾を有し、かつ5末端からの1、2、3、4、5もしくは6位置で、またはその位置内にNRM修飾を有する第1の鎖、
配列を標的とし、かつ好ましくは、切断部位で、または切断領域にNRM修飾を有さない第1の鎖、
配列を標的とし、かつ切断部位で、または切断領域にNRM修飾、および3末端からの1、2、3、4、5、または6位置でもしくはその位置内にNRM修飾、5末端からの1、2、3、4、5もしくは6位置で、またはその位置内にNRM修飾、または3’および5末端の両方からの1、2、3、4、5もしくは6位置で、またはその位置内にNRM修飾の1つ以上を有さない第1の鎖(5末端NRM修飾は、優先的に末端ではなく、むしろアンチセンス鎖の5’から離れた位置1、2、3、4、5もしくは6においてである)、ならびに
配列を標的とし、かつ3末端からの1、2、3、4、5もしくは6位置で、またはその位置内にNRM修飾を有する第2の鎖、
配列を標的とし、かつ5末端からの1、2、3、4、5もしくは6位置で、またはその位置内にNRM修飾を有する第2の鎖(5末端NRM修飾は、優先的に末端ではなく、むしろアンチセンス鎖の5’から離れた位置1、2、3、4、5もしくは6においてである。)、
配列を標的とし、かつ3末端からの1、2、3、4、5もしくは6位置で、またはその位置内でNRM修飾を有し、かつ5末端からの1、2、3、4、5もしくは6位置で、またはその位置内にNRM修飾を有する第2の鎖、
配列を標的とし、かつ好ましくは、切断部位で、または切断領域にNRM修飾を有さない第2の鎖、
配列を標的とし、かつ切断部位で、または切断領域にNRM修飾、および3末端からの1、2、3、4、5、または6位置でもしくはその位置内にNRM修飾、5末端からの1、2、3、4、5もしくは6位置で、またはその位置内にNRM修飾、または3’および5末端の両方からの1、2、3、4、5もしくは6位置で、またはその位置内にNRM修飾の1つ以上を有さない第2の鎖(5末端NRM修飾は、優先的に末端ではなく、むしろアンチセンス鎖の5’から離れた位置1、2345もしくは6においてである。)から選択される第1および第2の鎖を有することができる。
【0164】
リボース擬似物質
本明細書に記載される単量体および方法は、本明細書に記載されるもの、ならびに両方とも参照により本明細書に援用される2003年3月13日に出願された同時係属共所有の米国仮出願第60/454,962号明細書および国際出願第PCT/US04/07070号パンフレットに記載されるもの等の、RNA、例えば、iRNA剤を調製するために使用され得る。
【0165】
したがって、本発明の態様は、有効性を高め、かつ/または薬剤に対するヌクレアーゼ耐性を付与することができる、二級ヒドロキシル基を含むiRNA剤を特徴とする。ヌクレアーゼ、例えば、細胞ヌクレアーゼは、核酸ホスホジエステル結合を加水分解することができ、核酸の部分的または完全な分解をもたらす。二級ヒドロキシ基は、修飾を欠損するiRNAに対してiRNA剤をヌクレアーゼ分解しにくくすることにより、iRNA剤に対するヌクレアーゼ耐性を付与する。論理に束縛されるつもりはないが、iRNA剤上の二級ヒドロキシル基の存在は、3’リボースヒドロキシル基の構造擬似物質として作用することができ、これによりiRNA剤の分解への感受性を低くすると考えられている。
【0166】
併用療法
一態様において、本発明の組成物は、併用療法において使用され得る。「併用療法」という用語は、さらに他の生物学的活性成分(これに限定されないが、第2の、および異なる抗腫瘍剤等)および非薬物療法(これらに限定されないが、外科手術または放射能治療等)と組み合わせた対象化合物の投与を含む。例えば、本発明の化合物は、他の医薬的活性化合物、好ましくは本発明の化合物の作用を高めることができる化合物と組み合わせて使用され得る。本発明の化合物は、同時に(単一製剤または個別の製剤)、または他の薬物療法に対して順次に投与され得る。概して、併用療法は、治療の単一周期中または経過中の2つ以上の薬物の投与を想定する。
【0167】
本発明の一態様において、対象化合物は、種々の疾病状態に関与するタンパク質キナーゼを調節する、1つ以上の別個の薬剤と組み合わせて投与され得る。このようなキナーゼの例としては、これらに限定されないが、セリン/スレオニン特異的キナーゼ、受容体チロシン特異的キナーゼ、および非受容体チロシン特異的キナーゼが挙げられる。セリン/スレオニンキナーゼは、マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ(MAPK)、減数分裂特異的キナーゼ(MEK)、RAF、およびオーロラキナーゼを含む。受容体キナーゼファミリーの例としては、上皮増殖因子受容体(EGFR)(例えば、HER2/neu、HER3、HER4、ErbB、ErbB2、ErbB3、ErbB4、Xmrk、DER、Let23)、線維芽細胞成長因子(FGF)受容体(例えば、FGF−Rl、GFF−R2/BEK/CEK3、FGF−R3/CEK2、FGF−R4/TKF、KGF−R)、肝細胞増殖/散乱因子受容体(HGFR)(例えば、MET、RON、SEA、SEX)、インスリン受容体(例えば、IGFI−R)、Eph(例えば、CEK5、CEK8、EBK、ECK、EEK、EHK−I、EHK−2、ELK、EPH、ERK、HEK、MDK2、MDK5、SEK)、AxI(例えば、Mer/Nyk、Rse)、RET、および血小板由来成長因子受容体(PDGFR)(例えば、PDGFα−R、PDGβ−R、CSFl −R/FMS、SCF− R/C−KIT、VEGF−R/FLT、NEK/FLK1、FLT3/FLK2/STK−1)が挙げられる。非受容体チロシンキナーゼファミリーは、これらに限定されないが、BCR−ABL(例えば、p43abl、ARG)、BTK(例えば、ITK/EMT、TEC)、CSK、FAK、FPS、JAK、SRC、BMX、FER、CDK、およびSYKを含む。
【0168】
本発明の別の態様において、対象化合物は、非キナーゼ生物学的標的またはプロセスを調節する1つ以上の薬剤と組み合わせて投与され得る。このような標的は、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)、DNAメチルトランスフェラーゼ(DNMT)、熱ショックタンパク質(例えば、HSP90)、およびプロテアソームを含む。
【0169】
一実施形態において、対象化合物は、ゾリンザ、タルセバ、イレッサ、タイケルブ、グリベック、スーテント、スプリセル、ネクサバール、ソラフィニブ、CNF2024、RG108、BMS387032、アフミタク(Affmitak)、アバスチン、ハーセプチン、エルビタックス、AG24322、PD325901、ZD6474、PD184322、オバトダックス、ABT737、およびAEE788等の1つ以上の生物学的標的を阻害する抗腫瘍剤(例えば、小分子、モノクローナル抗体、アンチセンスRNA、および融合タンパク質)と組み合わされ得る。このような組み合わせは、薬剤のみのいずれかにより達成される効力に対して治療効力を高めるか、または耐性突然変異性変異体の出現を阻止または遅延し得る。
【0170】
特定の好ましい実施形態において、本発明の化合物は、化学療法と組み合わせて投与される。化学治療薬は、腫瘍学の分野における広範な治療上の処置を包含する。これらの薬剤は、腫瘍を収縮させる、外科手術後に残った癌細胞の残りを破壊する、寛解を誘発する、寛解を維持し、かつ/または癌またもしくはその治療に関する症状を緩和する目的のための様々な疾病の段階で投与される。このような薬剤の例としては、これに限定されないが、マスタードガス誘導体(メクロレタミン、シクロホスファミド、クロラムブシル、メルファラン、イフォスファミド)、エチレンイミン(チオテパ、ヘキサメチルメラニン)、アルキルスルホン酸(ブスルファン)、ヒドラジンおよびトリアジン(アルトレタミン、プロカルバジン、ダカルバジンおよびテモゾロミド)、ニトロソウレア(カルムスチン、ロムスチン、およびストレプトゾシン)、イホスファミド、および金属塩(カルボプラチン、シスプラチン、およびオキサリプラチン)等のアルキル化剤、ポドフィロトキシン(エトポシドおよびテニソピド)、タキサン(パクリタキセルおよびドセタキセル)、ビンカアルカロイド(ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシンおよびビノレルビン)、およびカプトテカン類似体(イリノテカンおよびトポテカン)等の植物アルカロイド、クロモマイシン(ダクチノマイシンおよびプリカマイシン)、アントラサイクリン(ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、ミトキサントロン、バルルビシン、およびイダルビシン)等の抗腫瘍抗生物質、ならびにマイトマイシン、アクチノマイシン、およびブレオマイシン等の種々の抗生物質、葉酸拮抗薬(メトトレキサート、ペメトレキセド、ラルチトレキセド、アミノプテリン)、ピリミジン拮抗薬(5−フルオロウラシル、フロクスウリジン、シタラビン、カペシタビン、およびゲムシタビン)、プリン拮抗薬(6−メルカプトプリンおよび6−チオグアニン)、およびアデノシンデアミナーゼ阻害剤(クラドリビン、フルダラビン、メルカプトプリン、クロファラビン、チオグアニン、ネララビン、およびペントスタチン)等の抗代謝物、トポイソメラーゼI阻害剤(イロノテカン、トポテカン)、およびトポイソメラーゼII阻害剤(アムサクリン、エトポシド、リン酸エトポシド、テニポシド)等のトポイソメラーゼ阻害剤、モノクローナル抗体(アレムツズマブ、ゲムツズマブオゾガマイシン、リツキシマブ、トラスツズマブ、イブリツモマブチオキセタン(Tioxetan)、セツキシマブ、パニツムマブ、トシツモマブ、ベバシズマブ)、ならびにリボヌクレオチドレラクターゼ阻害剤(ヒドロキシウレア)等の種々の抗腫瘍薬、副腎皮質ステロイド阻害剤(ミトタン)、酵素(アスパラギナーゼおよびペガスガルガーゼ)、抗微小管剤(エストラムスチン)、およびレチノイド(ベキサロテン、イソトレチノイン、トレチノイン(ATRA)が挙げられる。特定の好ましい実施形態において、本発明の化合物は、化学保護剤と組み合わせて投与される。化学保護剤は、身体を保護する、または化学療法の副作用を最小にするように作用する。このような薬剤の例としては、これらに限定されないが、アムフォスチン(amfostine)、メスナ、およびデクスラゾキサンが挙げられる。
【0171】
本発明の一態様において、対象化合物は、放射線療法と組み合わせて投与される。放射線は、通常、内部的に(癌部近くへの放射性物質の移植)、または光子(x線またはガンマ線)もしくは粒子放射を利用する機器から外部的に送達される。併用療法が放射線治療をさらに含む場合には、放射線治療は、治療薬と放射線治療の組み合わせの相互作用から有益な効果が達成される限り、任意の好適な時間で実施され得る。例えば、好適な場合において、有益な効果は、放射線治療が、数日または数週間で治療薬の投与から一時的に取り除かれる時にも達成されるであろう。
【0172】
本発明の化合物は、免疫療法剤と組み合わせて使用され得ることを理解されたい。免疫療法の一形態は、腫瘍から離れた部位でワクチン化合物を投与することによる、宿主源の全身腫瘍特異的免疫応答の活性の生成である。腫瘍抗原単離ワクチンおよび抗イディオタイプワクチンを含む、様々な種類が提案されている。別のアプローチは、対象からの治療される腫瘍細胞、またはこのような細胞の誘導体を使用することである(Schirrmacher et al.(1995)J.Cancer Res.Clin.Oncol.121:487に概説される)。米国特許第5,484,596号明細書において、Hanna Jr.et al.は、外科的に腫瘍を除去することと、コレゲナーゼを用いて細胞を分散することと、細胞を照射することと、約10細胞の連続投与で患者にワクチン接種することとを含む、再発または転移を阻止するように、切除可能な癌を治療するための方法を主張している。
【0173】
本発明の化合物は、1つ以上の補助的な治療薬と併せて、有利に使用され得ることを理解されたい。補助的な療法に好適な薬剤の例としては、副腎皮質ステロイド(アムシノイド、ベタメタゾン、ジプロピオン酸ベタメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、ブデソニド、クロベタゾール、酢酸クロベタゾール、酪酸クロベタゾール、クロベタゾール17−プロピオン酸、コルチゾン、デフラザコート、デスオキシメタゾン、吉草酸ジフルコルトロン、デキサメタゾン、リン酸デキサメタゾンナトリウム、デソニド、フロ酸、フルオシノニド、フルオシノロンアセトニド、ハルシノニド、ヒドロコルチゾン、酪酸ヒドロコルチゾン、コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム、吉草酸ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、モメタゾン、プレドニカルベート、プレドニゾロン、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、およびプロピオン酸ハロベタゾール)等のステロイド、トリプタン(例えば、スマトリプタンまたはナラトリプタン)等の5HTi作動薬、アデノシンAl作動薬、EPリガンド、グリシン拮抗薬等のNMDA修飾物質、ナトリウムチャネル遮断薬(例えば、ラモトリジン)、物質P拮抗薬(例えば、NKi拮抗薬)、カンナビノイド、アセトアミノフェンまたはフェナセチン、5−リポキシゲナーゼ阻害剤、ロイコトリエン受容体拮抗薬、DMARD(例えば、メトトレキサート)、ガバペンチンおよび関連する化合物、三環系抗うつ剤(例えば、amitryptilline)、神経細胞安定化抗てんかん薬、モノアミン作動性取り込み阻害剤(ベンラファキシン)、マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤、iNOSまたはnNOS阻害剤等の一酸化窒素シンターゼ(NOS)阻害剤、腫瘍壊死因子αの放出または作動阻害剤、モノクローナル抗体療法等の抗体療法、ヌクレオシド阻害剤(例えば、ラミブジン)または免疫系修飾因子(例えば、インターフェロン)等の抗ウイルス剤、オピオイド鎮痛薬、局所麻酔薬、カフェイン等の刺激薬、H2−拮抗薬(例えば、ラニチジン)、プロトンポンプ阻害剤(例えば、オメプラゾール)、制酸薬(例えば、アルミニウムまたは水酸化マグネシウム)、抗鼓腸剤(例えば、シメチコン)、うっ血除去薬(例えば、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、プソイドエフェドリン、オキシメタゾリン、エピネフリン、ナファゾリン、キシロメタゾリン、プロピルヘキセドリン、またはレボ−デオキシエフェドリン)、鎮咳剤(例えば、コデイン、ヒドロコドン、カルミフェン、カルベタペンタン、またはデキストラメトルファン)、利尿薬、または鎮静または非鎮静抗ヒスタミン剤が挙げられる。
【0174】
医薬組成物
一実施形態において、本発明は、前項に記載される本発明のiRNA剤、および以下に記載される医薬的に許容される担体を含有する医薬組成物に関する。修飾されたiRNA剤を含む医薬組成物は、標的遺伝子の発現により生じる疾病を治療するのに有用である。本発明のこの態様において、本発明のiRNA剤は、以下のように製剤化される。医薬組成物は、標的遺伝子の発現を阻害するのに十分な投与量で投与される。
【0175】
本発明の医薬組成物は、標的遺伝子の発現または活性を阻害するのに十分な投与用で投与される。本発明のiRNA剤を含有する組成物は、驚くほど低い投与量で投与され得る。キログラム体重当り5mgのiRNA剤の最大投与量が、標的遺伝子の発現または活性を阻害、または完全に抑制するのに十分であってもよい。
【0176】
概して、修飾されたiRNA剤の好適な用量は、1日につき受給者のキログラム体重当り、0.001〜500ミリグラムの範囲である(例えば、キログラム当り約1マイクログラム〜キログラム当り約500ミルグラム、キログラム当り約100マイクログラム〜キログラム当り約100ミリグラム、キログラム当り約1ミリグラム〜キログラム当り約75ミリグラム、キログラム当り約10マイクログラム〜キログラム当り約50ミリグラム、またはキログラム当り約1マイクログラム〜キログラム当り約50マイクログラム)。医薬組成物は、1日1回投与されるか、またはiRNA剤は、1日を通して好適な間隔で、2、3、4、5、6以上の副投与量として投与され得る。この場合、各副投与量に含有されるiRNA剤は、合計日用量を達成するために、それに応じて少量でなければならない。投与単位は、数日間にわたりiRNA剤の徐放性を提供する、例えば、従来の徐放性製剤を使用して、数日にわたって送達するようにも配合され得る。徐放性製剤は、当該技術分野において公知である。この実施形態において、投与単位は、対応する複数の日用量を含有する。
【0177】
これらに限定されないが、対象の感染または疾病の重篤度、以前の治療法、一般健康状態、および/または年齢、ならびに他の疾病の存在を含む、特定の要因が、対象を効果的に治療するために必要とされる投与量およびタイミングに影響を与え得ることを当業者は理解するであろう。さらに、治療有効量の組成物を用いた対象の治療は、単回治療または一連の治療を含むことができる。本発明に包含される個別のiRNA剤の有効投与量および生体内半減期の推定は、従来の方法を使用するか、または本明細書の別の個所に記載される好適な動物モデルを使用した生体内試験に基づき行われ得る。
【0178】
マウス遺伝学での進歩は、種々のヒト疾病の研究のためのマウスモデルを生成してきた。例えば、マウスレポジトリは、Jackson Laboratory,Charles River Laboratories,Taconic,Harlan,Mutant Mouse Regional Resource Centers(MMRRC)National Network およびEuropean Mouse Mutant Archiveで見つけることができる。このようなモデルは、iRNA剤の生体内試験ならびに治療有効量の決定のために使用され得る。
【0179】
本発明により包含される医薬組成物は、これらに限定されないが、静脈内、筋肉内、腹腔内、皮下、経皮、気道(エアロゾル)、眼球、直腸、膣および局所(頬側および舌下)投与を含む、経口または非経口経路を含む、当該技術分野で公知の任意の手段により投与され得る。好ましい実施形態において、医薬組成物は、静脈内または非経口的内部注入もしくは注射により投与される。医薬組成物は、また、実質内、くも膜下腔内、および/または定位注射により投与され得る。
【0180】
経口投与において、本発明に有用なiRNA剤は、一般的に、錠剤もしくはカプセルの形態で、粉末もしくは顆粒として、または水性溶液もしくは懸濁液として提供される。
【0181】
経口使用のための錠剤は、不活性希釈剤、壊変剤、結合剤、潤滑剤、甘味剤、風味剤、着色剤、および防腐剤等の、医薬的に許容される賦形剤と混合される活性成分を含んでもよい。好ましい不活性希釈剤は、炭酸ナトリウムおよび炭酸カルシウム、リン酸ナトリウムおよびリン酸カルシウム、ならびにラクトースを含み、一方、コーンスターチおよびアルギン酸は、好適な壊変剤である。結合剤は、澱粉およびゼラチンを含んでもよく、一方、潤滑剤は、存在する場合、一般的にステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、またはタルクである。所望する場合、錠剤は、消化管での吸収を遅延するように、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリル等の材料で被覆され得る。
【0182】
経口使用のためのカプセルは、活性成分が固形希釈剤と混合される硬ゼラチンカプセル、および活性成分が水またはピーナッツ油、液状パラフィンもしくはオリーブ油等の油と混合される軟ゼラチンカプセルを含む。
【0183】
筋肉内、腹腔内、皮下、および静脈内使用において、本発明の医薬組成物は、一般的に、好適なpHおよび等張性に緩衝された、減菌水性溶液または懸濁液で提供される。好適な水性ビヒクルは、リンゲル液および等張塩化ナトリウムを含む。好ましい実施形態において、担体は、排他的に、水性緩衝液からなる。この内容において、「排他的」とは、標的遺伝子またはウイルスを持つ細胞において、iRNA剤の取り込みに影響を及ぼす、またはそれを媒介する場合がある補助剤もしくはカプセル封入物質が存在しないことを意味する。このような物質は、例えば、以下に記載する、リポソームまたはカプシド等のミセル構造を含む。微量注入、リポフェクション、ウイルス、ウイロイド、カプシド、カプソイド(capsoids)、または他の補助剤が、細胞培養物中にiRNA剤を導入するために必要とされるが、驚くことに、これらの方法および薬剤は、生体内iRNA剤の取り込みに必ずしも必要ではない。本発明のiRNA剤は、多くが毒性であるか、または有害な副作用に関連する、細胞へのiRNA剤の取り込みを媒介するための補助剤の使用を必要としない点で、特に有益である。本発明に従う水性懸濁剤は、セルロース誘導体、アルギン酸ナトリウム、ポリビニル−ピロリドンおよびトラガントガム等の懸濁剤、ならびにレシチン等の湿潤剤を含んでもよい。水性懸濁剤の好ましい防腐剤は、エチルおよびn−プロピルp−ヒドロキシベンゾエートを含む。
【0184】
医薬組成物は、移植片およびマイクロカプセル化送達系を含む、放出制御製剤等の身体からの急速な除去に対してiRNA剤を保護するように、カプセル化製剤も含むことができる。エチレン酢酸ビニル、ポリ酸無水物、ポリグルコール酸、コラーゲン、ポリオルソエステル、およびポリ乳酸等の、生体分解性で、生体適合性重合体が使用され得る。このような調製方法は、当業者に明らかである。Alza CorporationおよびNova Pharmaceuticals,Inc.からも材料が商業的に入手できる。リポソーム懸濁剤(モノクローナル抗体のウイルス抗原への感染細胞を標的とするリポソームを含む)も、医薬的に許容される担体として使用され得る。これらは、例えば、参照により本明細書に援用される、米国特許第4,522,811号明細書、国際公開第91/06309号パンフレットならびに欧州特許出願公開第EP−A−43075号明細書に記載される、当業者に公知な方法に従い調製され得る。
【0185】
iRNA剤の毒性および治療効果は、例えば、LD50(集団の50%に致死量)およびED50(集団の50%に有効な治療量)を決定するために、細胞培養物または実験動物における標準的な医薬手順により決定され得る。毒性作用と治療作用間の用量比は、治療指数であり、LD50/ED50比として表される。高治療指数を表すiRNA剤が好ましい。
【0186】
細胞培養検定および動物研究から得られたデータは、ヒトでの使用に対する様々な投与量を製剤化するのに使用され得る。本発明の組成物の投与量は、好ましくは、ほぼ毒性がない、または全く毒性がないED50を含む循環濃度の範囲内である。投与量は、利用される投与形態および使用される投与経路に応じて、この範囲内で変動し得る。本発明の方法に使用される任意のiRNA剤において、治療有効量は、最初に、細胞培養検定から推定され得る。用量は、細胞培養物で決定されたIC50(すなわち、症状の最大阻害の半値を達成する試験iRNA剤の濃度)を含む、iRNA剤の、または好適な場合、標的配列のペプチド産物(例えば、低減されたポリペプチド濃度を達成する)の循環血漿濃度範囲を達成するように、動物モデルにおいて製剤化され得る。このような情報は、ヒトにおける有用な投与量をより正確に決定するために使用され得る。血漿レベルは、例えば、高速液体クロマトグラフィーにより測定され得る。
【0187】
上述のように、これらの個別のまたは複数の投与に加えて、本発明に関連するiRNA剤は、ウイルス感染および疾病を治療するのに有効な他の公知の薬剤と組み合わせて投与され得る。任意の事象において、投与医師は、当該技術分野で公知の、または本明細書に記載される有効性の標準的な手段を使用して観察される結果に基づき、iRNA剤投与量およびタイミングを調節することができる。
【0188】
経口投与において、本発明に有用なiRNA剤は、一般的に、錠剤もしくはカプセルの形態で、粉末もしくは顆粒として、または水性溶液もしくは懸濁液として提供される。
【0189】
本発明により包含される医薬組成物は、これらに限定されないが、静脈内、筋肉内、腹腔内、皮下、経皮、気道(エアロゾル)、眼球、直腸、膣および局所(頬側および舌下)投与を含む、経口または非経口経路を含む、当該技術分野で公知の任意の手段により投与され得る。好ましい実施形態において、医薬組成物は、静脈内または非経口的内部注入もしくは注射により投与される。医薬組成物は、また、実質内、くも膜下腔内、および/または定位注射により投与され得る。
【0190】
増加した安定性を有するiRNA剤を同定するための方法
さらに別の態様において、本発明は、血清等の生体組織および流体において、増加した安定性を有するiRNA剤を同定するための方法に関する。増加した安定性を有するiRNA剤は、例えば、通常RNA分子を分解する化学物質またはヌクレアーゼ(特にエンドヌクレアーゼ)により、分解に対して高い耐性を有する。核酸安定性の増加を検出するための方法は、当該技術分野において周知である。任意の測定可能な物理的パラメータにおいて、試験iRNA剤と対照iRNA剤との間の相違を測定または検出することができる任意の検定は、本発明の方法での使用に適してい得る。概して、標的遺伝子活性または発現に対するiRNA剤の阻害作用は、分子が無損傷であることが要求されるため、特定のiRNA剤の安定性は、遺伝子の発現に関連する特性を観察または測定することにより、間接的に評価され得る。したがって、iRNA剤の相対的安定性は、(1)標的遺伝子によりコードされるタンパク質のレベルの不在または観察可能な減少、(2)標的遺伝子からのmRNA産生のレベルの不在または観察可能な減少、および(3)標的遺伝子の発現と関連する表現型の変化もしくは欠損を観察または検出することにより決定され得る。医学的治療に関連して、iRNA剤の安定性は、標的遺伝子の発現または機能の阻害の程度に基づき評価されてもよく、これは、同様に症状の軽減、寛解、もしくは疾病状態の変化等の、患者の疾病状態の変化に基づき評価され得る。
【0191】
一実施形態において、方法は、上述のように(例えば、化学合成を通して)iRNA剤を調製すること、生体試料を用いてiRNA剤をインキュベートすること、次いで、対照iRNA剤と比較して増加した安定性を示すこれらのiRNA剤を分析し、同定することを含む。
【0192】
例示的な実施形態において、iRNA剤は、好ましくは、少なくとも約3:7のモル比、より好ましくは約4:6のモル比、最も好ましくは基本的に等モル量(例えば、約5:5のモル比)で、相補的一本鎖のRNA鎖を混合/アニールすることにより生体外産生される。好ましくは、一本鎖のRNA鎖は、混合/アニール前に変性され、混合/アニール反応が起こる緩衝剤は、塩、好ましくは塩化カリウムを含有する。一本鎖のRNA鎖は、上述のように、例えば、Expedite 8909シンセサイザー(Applied Biosystems, Applera Deutschland GmbH, Darmstadt, Germany)を使用して、固相合成により合成され得る。
【0193】
iRNA剤は、酵素機能に十分なまたは最適な条件下で、生体試料を用いてインキュベートされる。生体試料を用いたインキュベート後、iRNA剤の安定性は、当該技術分野において慣習的な手段、例えば、本明細書に例示されるRNAゲル電気泳動法により合成される。例えば、試料が血清の場合iRNA剤は、1〜10μM、好ましくは2〜8μM、より好ましくは3〜6μM、最も好ましくは4〜5μMの濃度でインキュベートされ得る。インキュベートの温度は、好ましくは25℃〜45℃の間、より好ましくは35℃〜40℃の間、最も好ましくは約37℃である。
【0194】
インキュベートの工程で使用される生体試料は、組織、細胞、生体流体またはそれらの単離物であってもよい。例えば、生体試料は、全生体、またはその組織もしくは細胞のサブセット等の、対象から単離され得る。血液、血清、血漿、粘液、リンパ液、滑液、脳脊髄液、唾液、羊水、羊臍帯血、尿、膣液、および精液を含む、体液等の生体試料も対象の構成要素の一部であってもよい。好ましくは、生体試料は、対象の血液試料由来の血清である。対象は、好ましくは、哺乳類、より好ましくはヒトまたはマウスである。
【0195】
別の実施形態において、方法は、iRNA剤の導入後、細胞の標的遺伝子のmRNAおよび/またはタンパク質発現レベルを測定することにより、増加した安定性を有するiRNA剤を選択することを含む。この実施形態において、本発明のiRNA剤は、細胞の標的遺伝子の発現を阻害し、したがって、方法は、対照iRNA剤と比較して、標的遺伝子の発現において測定可能な減少を誘発するiRNA剤を選択することを含む。RNAおよび/またはタンパク質レベルを監視することによる遺伝子発現を測定する検定は、iRNA剤の細胞による取り込み後約24時間内に実施され得る。例えば、RNAレベルは、当該技術分野において公知のノーザンブロット法、RNAse保護検定、または精度管理PCR(QC−PCR)(定量的逆転写を組み合わせたPCR(RT−PCR))、およ類似方法により測定され得る。タンパク質レベルは、例えば、ウエスタンブロット法、フローサイトメトリー、または受容体遺伝子発現(例えば、緑色蛍光タンパク質(GFP)等の蛍光受容体タンパク質の発現)により検定され得る。標的遺伝子発現により生じるRNAおよび/またはタンパク質レベルは、試験iRNA剤の導入後、通常の時間間隔で測定され得、レベルは、対照iRNA剤の細胞への導入後のものを比較される。対照iRNA剤は、対象に存在しない遺伝子(例えば、iRNA剤がヒト細胞で試験された場合、ルシフェラーゼ遺伝子)を標的とするiRNA剤、または標的遺伝子の発現抑制に効果がないことが以前に示されているiRNA剤である、無意味なiRNA剤(すなわち、対象の任意のヌクレオチド配列を標的としない置換された配列を有するiRNA剤)であり得る。試験試料および対照試料のmRNAおよびタンパク質レベルが比較され得る。試験iRNA剤は、対照iRNA剤と比較して、試験iRNA剤の吸収後の発現レベルが測定可能な減少である時に増加した安定性を有するものとして選択される。mRNAおよびタンパク質測定は、任意の当該技術分野で認識される技法を使用して行われ得る(例えば、Chiang,M.Y.,et al.,J.Biol Chem.(1991)266:18162−71、Fisher,T,et al.,Nucl.Acids Res.(1993)21:3857、およびChen et al.,J.Biol.Chem.(1996) 271:28259を参照のこと)。
【0196】
遺伝子発現を阻害する能力を伴うiRNA剤を同定するための方法
遺伝子発現を阻害するための本発明のiRNA剤組成物の能力は、当該技術分野で公知の種々の技法を使用して測定され得る。例えば、ノーザンブロット解析は、標的タンパク質をコードするRNAの存在を測定するように使用され得る。標的遺伝子により産生された特定のmRNAのレベルは、例えば、RT−PCRを使用して測定され得る。iRNA剤は、RNAiを通して内因性mRNAの配列特異的分解を導くため、本発明の選択法は、標的RNAの測定可能な減少を検出することができる任意の技法を包含する。さらに別の実施例において、ウエスタンブロット法は、存在する標的タンパク質量を測定するように使用され得る。さらに別の実施形態において、タンパク質量により影響を受ける表現型を検出することができる。ウエスタンブロット法を実施するための技法は、当該技術分野において周知である(例えば、Chen,et al.,J.Biol. Chem.(1996) 271:28259を参照のこと)。
【0197】
標的遺伝子が、標的遺伝子のプロモーター配列を標的とするiRNA剤により発現抑制される時、標的遺伝子は、受容体遺伝子に縮合され得、受容体遺伝子発現(例えば、転写および/または翻訳)が監視され得る。同様に、標的遺伝子が、プロモーター以外の配列を標的とするiRNA剤により発現抑制される時、標的遺伝子の一部(例えば、標的配列を含む一部)は、受容体遺伝子が転写されるように受容体遺伝子と縮合され得る。iRNA剤の存在下で受容体遺伝子の発現における変化を監視することにより、受容体遺伝子の発現の阻害においてiRNA剤の有効性を決定することが可能である。次いで、対照iRNA剤に対する試験iRNA剤の存在下の受容体遺伝子の発現レベルが比較される。試験iRNA剤は、対照iRNA剤と比較して受容体遺伝子の発現レベルが測定可能な減少である時に、増加した安定性を有するように選択される。本発明での使用に有用な受容体遺伝子の例としては、これらに限定されないが、ルシフェラーゼ、GFP、クロラムアセチルトランスフェラーゼ(CAT)、β−ガラクトシターゼ、およびアルカリホスファターゼについてコードするものが挙げられる。好適な受容体は、例えば、Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley &Sons,New York(Ausubel,F.A.,et al.,eds.,1989)、Gould,S.J.,and S.Subramani,Anal.Biochem.(1988)7:404−408、Gorman,C.M.,et al.,Mol.Cell.Biol.(1982)2:1044−1051、およびSelden,R.,et al.,Mol.Cell.Biol.(1986)6:3173−3179に記載され、それぞれ、参照により本明細書に援用される。
【0198】
特に記載されない限り、本明細書に使用される全ての専門用語および科学用語は、本発明が属する当業者により通常理解される同様の意味を有する。本明細書に記載されるものと類似する、または等しい方法および材料が、本発明の実践または試験に使用され得るが、好適な方法および材料は、以下に記載される。本明細書に記載される全ての出版物、特許出願、および他の参考文献は、参照によりその全体が援用される。矛盾がある場合、定義を含み、本明細書に準ずる。加えて、材料、方法、および実施例は、単に例示であって、制限されるものではない。
【0199】
合成方法
本発明のiRNA剤は、参照によりその全体が援用される以下の参考文献等の当該技術分野で公知の一般的な手順に従い調製される。
【0200】
1. Chemical synthesis of oligonucleotide triphosphates. Vaghefi, M. M.. Editor(s): Vaghefi, Morteza. Nucleoside Triphosphates and Their Analogs, 2005, 105−113.
2. Solid phase synthesis of 5’−diphosphorylated oligoribonucleotides and their conversion to capped m7Gppp−oligoribonucleotides for use as primers for influenza A virus RNA polymerase in vitro. Brownlee, G. G.; Fodor, E.; Pritlove, D. C.; Gould, K. G.; Dalluge, J. J., Nucleic Acids Res. 1995, 23(14), 2641−7.
3. Chemical synthesis of 5’−pyrophosphate and triphosphate derivatives of 3’,5’ ApA, ApG, GpA and GpG. CD study of the effect of 5’−phosphate groups on the conformation of 3’,5’ GpG. Tomasz, J.; Simoncsits, A.; Kajtar, M.; Krug, R. M.; Shatkin, A. J., Nucleic Acids Res., 1978, 5(8), 2945−57.
4. Chemical synthesis of an effective inhibitor or protein synthesis in euharytic cells: pppA2’,5’A2’,5’A and some analogues. Hartog, J. A. J. den; Wijnands, R. A.; van Boom, J. H.; Nucleic Acids Symp. Series No 7, 1980, 157−166.
5. Rapid and efficient synthesis of nucleoside 5’−0−(1−thiotriphosphates), 5’−triphosphates and 2’,3’−cyclophosphorothioates using 2−chloro−4H−1,3,2−benzodioxaphosphorin−4−one. Ludwig, Janos; Eckstein, Fritz., J. Org. Chem., 1989, 54(3), 631−35.
6. Novel solid phase synthesis of 2’−O−methylribonucleoside 5’−triphosphates and their α −thio analogs. Gaur, R. K.; Sproat, B. S.; Krupp, Guido, Tetrahedron Lett. 1992, 33(23), 3301−4.
7. Preparation of oligodeoxynucleotide 5’−triphosphates using solid support approach. Lebedev, A. V.; Koukhareva, I. I.; Beck, T.; Vaghefi, M. M. Nucleosides, Nucleotides & Nucleic Acids, 2001, 20(4−7),1403−1409.
8. Synthesis and properties of NTP analogs with modified triphosphate chains. Koukhareva, Inna; Vaghefi, Morteza; Lebedev, Alexandre. Editor(s): Vaghefi, M.Nucleoside Triphosphates and Their Analogs, 2005, 39−104 (and references cited there in)
9. Nucleoside Triphosphates and their Analogs: Chemistry, Biotechnology, and Biological Applications. Vaghefi, M.; Editor. USA. 2005, 393 pp. Publisher: CRC Press LLC, Boca Raton, Fla. (and references cited there in).
【化11】

【化12】

【化13】

【化14】

【化15】

【実施例】
【0201】
RNA 5’三リン酸塩合成:
RNA5’三リン酸塩の合成は、5’三リン酸塩部分または修飾類似体の導入のための種々の2’O保護基対策ならびに種々の化学性質を含む。
【0202】
RNA5’−三リン酸塩(RNATP)は、2’ヒドロキシルの代替保護基を含む種々の手段で、効果的に調節され得る。今までに開発され、報告されている全ての2’保護基(RBeaucage,Cur.Op.Drug Disc.Dev.,2008,11,203により概説されている)は、RNATPの合成に使用され得る。これらは、TBDMS、TOM、CEM等の周知のフルオロ不安定基だけでなく、非フッ化物イオン条件で切断される保護基も特に関心がもたれる。これは、フッ化物イオン治療の延長および/または加熱過程が、RNATPを損傷し、収率を低減するためである。同様に、増殖/脱塩過程の延長は、同様の作用を有する。
【0203】
これらの全ての代替合成は、自動化RNA合成用の単量体形成ブロックとして容易に入手可能な、3’ホスホラミダイト形成ブロック(スキームの化合物a)の使用を含む。塩基不安定(高速不安定)保護基は、優先的に使用されるため(すなわち、Cに対してアセチル、AおよびGに対してフェノキシアセチル(Pac)、ならびに/またはGに対してtert−ブチルフェノキシアセチル(tBuPac)およびイソ−プロピルフェノキシアセチル(iPrPac))、これらの単量体形成ブロック(スキームのBPGに留意)の核酸塩基の環外アミノ基の保護基の選択も、調節され得る。これらの高速不安定保護基は、標準的な保護基に必要であるため、反応混合物を加熱せずに除去される利点を有する。この後者の点は、標的RNATPの収率を向上する。
【0204】
RNATP合成の実施例、種々の2’保護基の表示、Ludwigホスフィチル化試薬を使用する全てを記載する(Ludwig and Ekcstein,1989,J.Org.Chem.,54,631)。
【化16】

【0205】
スキーム6:標的RNATPは、2’tert−ブチルジチオメチル(DTM)保護基を使用して合成され得る(Kwiatkowski et al.,2006,J.Am.Chem.Soc.,128,12356)。対応する核酸塩基保護された(標準または高速不安定PG)5’DMTr 3’ホスホラミダイト(101a)は、固体支持体(スクシニル連結LCAA CPG)上で標準的な条件を使用して、自動化RNA合成で使用される。他の支持体およびリンカーも容易に使用され得る。5’末端DMTr基(5’OH、化合物101b)を欠損する、得られた固体支持オリゴヌクレオチドは、過剰なサリチルホスホロクロリダイト(salicylophosphorochloridite)含有ピリジンを使用した、ホスフィチル化反応を含む(Ludwig and Ekcstein,1989,J.Org.Chem.,54,631)。室温で、30分間、0.5Mのホスフィチル化試薬溶液とともに固体支持体を振蘯した後、溶液を洗い流し、固体支持体を乾燥アセトニトリルでよく洗浄する。次いで、0.5Mのトリブチルアンモニウムピロリン酸含有DMFを固体支持されたオリゴヌクレオチドに導入し、24時間振蘯する。溶液を洗い流した後、標準的な試薬を使用して、得られたオリゴヌクレオチド(101c)を酸化するか、または硫化する。次いで、アンモニアで処理する時に、対応する環式TP(101d)を加水分解し、同時に固体支持体からのオリゴヌクレオチドのデブロック化(deblocking)、および核酸塩基の脱保護を可能にする。最後に、55℃で、DTTまたはTCEP含有pH7.6緩衝液等の還元剤を使用して全ての2’DTM基を除去し、標的RNATPまたはRNA(αS)TPを得る。
【化17】

【0206】
スキーム7:標的RNATPは2’アセタールレブリニル(ALE)保護基を使用して合成され得る(Damha et al,2009,J.Am.Chem.Soc,131,8496)。対応する塩基保護された(PG=AおよびCに対してレブリニル、Gに対してDMF)、5’DMTr 3’ホスホラミダイト(102a)は、固体支持体上で標準的な条件を使用して自動化RNA合成で使用される(QリンカーLCAA CPGがこの2’保護基とともに使用される)。他の支持体およびリンカーも使用され得ると思われる。5’末端DMTr基(5’OH、化合物102b)を欠損する、得られた固体支持されたオリゴヌクレオチドは、過剰なサリチルホスホロクロリダイト含有ピリジンを使用した、ホスフィチル化反応を含む。室温で、30分間、ホスフィチル化試薬とともに固体支持体を振蘯した後、溶液を洗い流し、固体支持体を乾燥アセトニトリルでよく洗浄する。次いで、0.5Mのトリブチルアンモニウムピロリン酸含有DMFを固体支持されたオリゴヌクレオチドに導入し、24時間振蘯する。溶液を洗い流した後、標準的な試薬を使用して、得られたオリゴヌクレオチド(102c)を酸化するか、または硫化する。次いで、ACN中に水を添加することにより、対応する環式TP(102d)を加水分解した後、乾燥ACNで洗浄し、アルゴンフラッシュ下で良く乾燥させた。特定のデブロック化条件がALE基に使用される、つまり、最初に骨格シアノエチル基は、トリエチルアミン含有無水アセトニトリルで処理される時に除去される。次いで、AcOHとピリジンの混合緩衝液中のヒドラジン水和物で処理される時に、塩基保護基と一緒に2’ALE基が切断される。最後に、室温でQリンカーを1M TBAFで切断し、標的RNATPまたはRNA(αS)TPを得る。
【化18】

【0207】
スキーム8:標的RNATPは、2’ビスアセトキシエトキシメチル(ACE)保護基を使用して合成され得る(Caruthers et al.,1998,J.Am.Chem.Soc.,120,11820)。対応する塩基保護された(標準または高速不安定PG)5’シリル(DOD)3’ホスホラミダイト(103a)は、商業的に入手可能であり、固体支持体(スクシニル連結LCAA CPG)上で、標準的な条件を使用して、自動化RNA合成で使用される。他の支持体およびリンカーも容易に使用され得る。5’末端シリル基(5’OH、化合物103b)を欠損する、得られた固体支持されたオリゴヌクレオチドは、過剰なサリチルホスホロクロリダイト含有ピリジンを使用した、ホスフィチル化反応を含む。室温で、30分間、0.5Mのホスフィチル化試薬溶液とともに固体支持体を振蘯した後、溶液を洗い流し、固体支持体を乾燥アセトニトリルでよく洗浄する。次いで、0.5Mのトリブチルアンモニウムピロリン酸含有DMFを固体支持されたオリゴヌクレオチドに導入し、24時間振蘯する。溶液を洗い流した後、標準的な試薬を使用して、得られたオリゴヌクレオチド(103c)を酸化するか、または硫化する。次いで、アンモニアで処理する時に、対応する環式TP(103d)を加水分解し、同時に固体支持体からのオリゴヌクレオチドのデブロック化、および核酸塩基の脱保護を可能にする。最後に、僅かに酸性のpH3緩衝液を使用して、全ての2’ACE基を除去し、標的RNATPまたはRNA(αS)TPを得る。
【化19】

【0208】
スキーム9:標的RNATPは、酸不安定2’CtmpまたはFpmp保護基を使用して合成され得る(Reese et al.,1994,Nucleic Acids Res.,22,2209)。対応する塩基保護された(標準または高速不安定PG)5’DMTr 3’ホスホラミダイト(104a)は、商業的に入手可能であり、固体支持体(スクシニル連結LCAA CPG)上で、標準的な条件を使用して、自動化RNA合成で使用される。他の支持体およびリンカーも容易に使用され得る。5’末端DMTr基(5’OH、化合物104b)を欠損する、得られた固体支持されたオリゴヌクレオチドは、過剰なサリチルホスホロクロリダイト含有ピリジンを使用した、ホスフィチル化反応を含む。室温で、30分間、0.5Mのホスフィチル化試薬溶液とともに固体支持体を振蘯した後、溶液を洗い流し、固体支持体を乾燥アセトニトリルでよく洗浄する。次いで、0.5Mのトリブチルアンモニウムピロリン酸含有DMFを固体支持されたオリゴヌクレオチドに導入し、24時間振蘯する。溶液を洗い流した後、標準的な試薬を使用して、得られたオリゴヌクレオチド(104c)を酸化するか、または硫化する。次いで、アンモニアで処理する時に、対応する環式TP(104d)を加水分解し、同時に固体支持体からのオリゴヌクレオチドのデブロック化、および核酸塩基の脱保護を可能にする。最後に、酸性のpH 2.0〜2.3緩衝液を使用して、全ての2’Ctmp/Ftmp基を除去し、標的RNATPまたはRNA(αS)TPを得る。
【0209】
2’保護基および/または核酸塩基の標準または高速不安定保護基の変形と組み合わせて、三リン酸塩(または修飾されたα−チオまたはα−ボラノ類似体)部分を固体支持されたオリゴヌクレオチドに導入するための、前述のLudwig−Eckstein法以外のいくつかの異なる方式が適用され得る。これらは、種々の5’ビス(モノまたはポリ置換された)アリール亜リン酸トリエステル、5’ホスホロジアミダイト、5’オキソチアもしくはジチアホスホ−2−レーン、または固体支持された5’モノ(チオ)リン酸塩の使用および調製を含む。いくつかの実施例を以下に記載する。RNA5’アルファチオ三リン酸塩および5’アルファジチオ三リン酸塩の合成において、ジフェニルチオ亜リン酸を使用した、5’H−ホスホノチオエートおよび5’H−ホスホノジチオエートの使用および調製物を記載する。
【0210】
スキーム5〜8:一般的な方式において、Ludwig試薬のサリチル部分は、異なる電子求引基(EWG)によりモノまたはポリ置換されるビスアリール部分により置換され得る。このようなEWGは、ニトロ、シアノ、オルソ−クロロ、オルソ−フルオロ、オルソ,パラ、ジ−クロロ、オルソ,パラ−ジ−フルオロ、ペンタクロロ、ペンタフルオロ等であり得る。トリブチルアンモニウムピロリン酸塩との反応後、このようなO,O−ビスアリールホスホロクロリダイトを使用して環式中間体(c)を得る。酸化/硫化またはボラン複合体生成工程後、続いて、脱保護および支持体切断工程後、標的RNATPまたは修飾された類似体が、同様の様式で得られる。種々の2’保護基を表すいくつかの実施例は、スキーム5〜8に図示され、後に簡単に説明される。
【化20】

【0211】
スキーム10:最も一般的に使用される2’TBDMS保護された5’DMTr 3’ホスホラミダイト(105a)および標準の固体支持されたRNA合成の条件は、5’OHオリゴヌクレオチド(化合物105b)の構築に使用され得る。次いで、乾燥ピリジン中の過剰O,O−ビスアリールホスホロクロリダイト含有溶液を使用した、ホスフィチル化反応に関与する。室温で、30分間、0.5Mのホスフィチル化試薬溶液とともに固体支持体を振蘯した後、溶液を洗い流し、固体支持体を乾燥アセトニトリルでよく洗浄し、アルゴンフラックスで乾燥させる。次いで、0.5Mのトリブチルアンモニウムピロリン酸含有DMFを固体支持されたオリゴヌクレオチドに導入し、24時間振蘯する。溶液を洗い流した後、標準的な試薬を使用して、得られたオリゴヌクレオチド(105c)を酸化、硫化、または好適なボロン複合体と反応させる。次いで、アンモニアで処理する時に、対応する環式TP(105d)を加水分解し、同時に固体支持体からのオリゴヌクレオチドのデブロック化、および核酸塩基の脱保護を可能にする。最後に、HF−ピリジンを使用して、全ての2’TBDMS基を除去し、標的RNATP、RNA(αS)TPまたはRNA(αBH)TPを得る。
【化21】

【0212】
スキーム11:2’ALE保護された5’DMTr3’ホスホラミダイト(102a)および標準の固体支持されたRNA合成条件は、スキーム2で前述される、5’OHオリゴヌクレオチド(化合物102b)の構築に使用され得る。次いで、乾燥ピリジン中の過剰O,O,O−トリス4−ニトロフェニル亜リン酸含有溶液を使用した、ホスフィチル化反応に関与する。室温で、30分間、0.5Mのホスフィチル化試薬溶液とともに固体支持体を振蘯した後、溶液を洗い流し、固体支持体を乾燥アセトニトリルでよく洗浄する。次いで、0.5Mのトリブチルアンモニウムピロリン酸含有DMFを固体支持されたオリゴヌクレオチドに導入し、24時間振蘯する。溶液を洗い流した後、標準的な試薬を使用して、得られたオリゴヌクレオチド(102c)を酸化、硫化、または好適なボロン複合体と反応させる。前述の(102d)の加水分解およびデブロック化工程により標的RNATP、RNA(αS)TPまたはRNA(αBH)TPを得る。
【化22】

【0213】
スキーム12:2’ACE保護されたホスホラミダイト(103a)および標準の固体支持されたRNA合成条件は、スキーム3で前述される、5’OHオリゴヌクレオチド(化合物103b)の構築に使用され得る。次いで、乾燥ピリジン中の過剰O,O−ビス4−シアノホスホロクロリダイト含有溶液を使用した、ホスフィチル4化反応に関与する。室温で、30分間、0.5Mのホスフィチル化試薬溶液とともに固体支持体を振蘯した後、溶液を洗い流し、固体支持体を乾燥アセトニトリルでよく洗浄する。次いで、0.5Mのトリブチルアンモニウムピロリン酸含有DMFを固体支持されたオリゴヌクレオチドに導入し、24時間振蘯する。溶液を洗い流した後、標準的な試薬を使用して、得られたオリゴヌクレオチド(103c)を酸化、硫化、または好適なボロン複合体と反応させる。前述の(103d)の加水分解およびデブロック化工程により標的RNATP、RNA(αS)TPまたはRNA(αBH)TPを得る。
【化23】

【0214】
スキーム13:2’Ctmp/Ftmp保護されたホスホラミダイト(104a)および標準の固体支持されたRNA合成条件は、スキーム4で前述される、5’OHオリゴヌクレオチド(化合物104b)の構築に使用され得る。次いで、乾燥ピリジン中の過剰O,O−ビス2,4−ジクロロホスホロクロリダイト含有溶液を使用した、ホスフィチル4化反応に関与する。室温で、30分間、0.5M溶液のホスフィチル化試薬とともに固体支持体を振蘯した後、溶液を洗い流し、固体支持体を乾燥アセトニトリルでよく洗浄する。次いで、0.5Mのトリブチルアンモニウムピロリン酸含有DMFを固体支持されたオリゴヌクレオチドに導入し、24時間振蘯する。溶液を洗い流した後、標準的な試薬を使用して、得られたオリゴヌクレオチド(104c)を酸化、硫化、または好適なボロン複合体と反応させる。前述の(104d)の加水分解およびデブロック化工程により標的RNATP、RNA(αS)TPまたはRNA(αBH)TPを得る。
【0215】
スキーム14〜17:一般的な方式において、オリゴヌクレオチド5’ホスホロジアミダイトを、テトラゾールの存在下で、トリブチルアンモニウムと反応させ、前述の環式中間体(c)を得る(Shaw et al.,2003,Org.Lett.,5,2401; Fischer et al.2002, J.Med.Chem.,45,5384)。酸化/硫化またはボラン複合体生成工程後、続いて、脱保護および支持体切断工程の後に、標的RNATPまたは修飾された類似体が、同様の様式で得られる。種々の2’保護基を表すいくつかの実施例は、スキーム9〜12に図示され、後に簡単に説明される。
【化24】

【0216】
スキーム14:2’TBDMS保護された5’DMTr3’ホスホラミダイト(105a)および標準の固体支持されたRNA合成条件は、スキーム5で前述される、5’OHオリゴヌクレオチド(化合物105a)の構築に使用され得る。次いで、乾燥ピリジン中の過剰クロロ−N,N−テトライソプロピル−ホスホロビスアミダイト含有溶液を使用した、ホスフィチル化反応に関与する。室温で、30分間、0.5M溶液のホスフィチル化試薬とともに固体支持体を振蘯した後、溶液を洗い流し、固体支持体を乾燥アセトニトリルでよく洗浄する。次いで、0.5Mのトリブチルアンモニウムピロリン酸含有DMFを固体支持されたオリゴヌクレオチドに導入し、24時間振蘯する。溶液を洗い流した後、標準的な試薬を使用して、得られたオリゴヌクレオチド(105c)を酸化、硫化、または好適なボロン複合体と反応させる。対応する環式TP(105d)は、次いで、前述のように加水分解、デブロック化し、標的RNATP、RNA(αS)TPまたはRNA(αBH)TPを得る。
【化25】

【0217】
スキーム15:2’Ctmp/Ftmp保護されたホスホラミダイト(104a)および標準の固体支持されたRNA合成条件は、スキーム4で前述される、5’OHオリゴヌクレオチド(化合物104b)の構築に使用され得る。次いで、テトラゾール溶液を含有する乾燥ACNの過剰N,N,N’,N’,N’’,N’’−ヘキサイソプロピル−ホスホロトリスアミダイト含有用得域を使用した、ホスフィチル化反応に関与する。室温で、30分間、0.5M溶液のホスフィチル化試薬およびテトラゾールとともに固体支持体を振蘯した後、溶液を洗い流し、固体支持体を乾燥アセトニトリルでよく洗浄する。次いで、0.5Mのトリブチルアンモニウムピロリン酸含有DMFを固体支持されたオリゴヌクレオチドに導入し、24時間振蘯する。溶液を洗い流した後、標準的な試薬を使用して、得られたオリゴヌクレオチド(104c)を酸化、硫化、または好適なボロン複合体と反応させる。前述の(104d)の加水分解およびデブロック化工程により標的RNATP、RNA(αS)TPまたはRNA(αBH)TPを得る。
【化26】

【0218】
スキーム16:2’ACE保護されたホスホラミダイト(103a)および標準の固体支持されたRNA合成条件は、スキーム3で前述される、5’OHオリゴヌクレオチド(化合物103b)の構築に使用され得る。次いで、乾燥ピリジン中の過剰クロロ−N,N,N’,N’−テトライソプロピル−ホスホロビスアミダイト含有溶液を使用した、ホスフィチル化反応に関与する。室温で、30分間、0.5M溶液のホスフィチル化試薬とともに固体支持体を振蘯した後、溶液を洗い流し、固体支持体を乾燥アセトニトリルでよく洗浄する。次いで、0.5Mのトリブチルアンモニウムピロリン酸含有DMFを固体支持されたオリゴヌクレオチドに導入し、24時間振蘯する。溶液を洗い流した後、標準的な試薬を使用して、得られたオリゴヌクレオチド(103c)を酸化、硫化、または好適なボロン複合体と反応させる。前述の(103d)の加水分解およびデブロック化工程により標的RNATP、RNA(αS)TPまたはRNA(αBH)TPを得る。
【化27】

【0219】
スキーム17:2’ACE保護されたホスホラミダイト(103a)および標準の固体支持されたRNA合成条件は、スキーム3で前述される、5’OHオリゴヌクレオチド(化合物103b)の構築に使用され得る。次いで、乾燥ピリジン中の過剰クロロ−ホスホロビス−ピロロ−アミダイト含有溶液を使用した、ホスフィチル化反応に関与する。前述のスキーム11の工程により、標的RNATP、RNA(αS)TPまたはRNA(αBH)TPを得る。
【0220】
スキーム17〜19:オリゴヌクレオチド5’(2−チオ,2−オキソまたは2−ボラノ)オキソチア、またはジチアホスホ−2−レーンを、共塩基触媒DBUの存在下で、無機ピロリン酸と反応させ、対応するRNATP、RNA(αS)TP、RNA(αS)TP、RNA(αBH)TP、またはRNA(αS,BH)TPを得る(Okruszek et al.,1994,J.Med.Chem.,37,3850)。この修飾されたTP部分の導入の対策は、前述の類似する様式で、2’保護基の変形を用いて使用され得る。いくつかの実施例を以下に記載する。
【化28】

【0221】
スキーム18:2’ACE保護されたホスホラミダイト(103a)および標準の固体支持されたRNA合成条件は、スキーム3で前述される、5’OHオリゴヌクレオチド(化合物103b)の構築に使用され得る。次いで、乾燥ピリジン中の過剰クロロ−ホスホロビス−ピロロ−アミダイト含有溶液を使用した、ホスフィチル化反応に関与する。前述のスキーム11の工程により、標的RNATP、RNA(αS)TPまたはRNA(αBH)TPを得る。
【0222】
用いて使用され得る。いくつかの実施例を以下に記載する。
【化29】

【0223】
スキーム19:2’ACE保護された5’DMTr3’ホスホラミダイト(103a)および標準の固体支持されたRNA合成条件は、スキーム5に前述される、5’OHオリゴヌクレオチド(化合物103b)の構築に使用される。次いで、乾燥アセトニトリル中の過剰ジ−イソプロピル−オキソチアホスホ−2−レーンアミダイト含有溶液を使用した、ホスフィチル化反応に関与する。室温で、30分間、乾燥ACN中のテトラゾールの0.25M溶液と予め混合された、0.5M溶液のホスフィチル化試薬とともに固体支持体を振蘯した後、溶液を洗い流し、固体支持体を乾燥アセトニトリルでよく洗浄し、さらに標準の試薬を用いて、酸化、硫化、または好適な複合体と反応させる、オリゴヌクレオチド5’オキソチアホスホレーン中間体(108c)を得る。次いで、0.5Mのトリブチルアンモニウムピロリン酸溶液含有DMFを、触媒量のDBUとともに固体支持されたオリゴヌクレオチドに添加し、24時間振蘯し、ジチアホスホレーン環を開放し、未決定チオエチル基を排除し、αチオ/ジチオ/チオボラノ三リン酸塩中間体(109d)を得る。次いで、このオリゴヌクレオチドTPを、スキーム3で前述の加水分解し、デブロック化し、標的RNATP、RNA(αS)TPまたはRNA(αBH)TPを得る。
【化30】

【0224】
スキーム20:ヌクレオシド5’一リン酸塩は、対応するNTP合成のためのいくつかの効率的な方法に使用される、周知の中間体である(Burgess and Cook,2000,Chem.Rev.,100,2047)。同様のアプローチとして、固体支持され、便宜的に保護されたオリゴヌクレオチドの5’一リン酸塩は、同様の様式で使用され得る。O,O−ビスシリル保護された5’ホスホトリエステルオリゴヌクレオチドは、このような中間体の調製に使用され得る。5’ホスホトリエステルが、各5’工程脱保護に使用される条件を利用して脱保護され得るため、2’ACE対策は、このような合成に最も好適であるようである。2ACE保護された5’DMTr3’ホスホラミダイト(103a)および標準の固体支持されたRNA合成条件は、スキーム5で前述される、5’OHオリゴヌクレオチド(化合物103b)の構築に使用され得る。次いで、乾燥アセトニトリル中の過剰O,O−ビス−トリメチルシリルエチル−N,N−ジ−イソプロピルホスホラアミダイト含有溶液を使用した、ホスフィチル化反応に関与する。室温で、30分間、乾燥ACN中のテトラゾールの0.25M溶液と予め混合された、0.5M溶液のホスフィチル化試薬とともに固体支持体を振蘯した後、溶液を洗い流し、固体支持体を乾燥アセトニトリルでよく洗浄し、標準の試薬を使用して、さらに酸化または硫化する2つのTSE保護基の脱保護は、1M TBAFを使用して実施される。得られた5’一リン酸オリゴヌクレオチド(110c)を、最初に、CDIまたはDPPCのいずれかを使用して活性化し、次いで、0.5M溶液のトリブチルアンモニウムピロリン酸含有DMFを固体支持されたオリゴヌクレオチドに添加し、24時間振蘯し、対応する三リン酸塩中間体(111d)を得る。次いで、このオリゴヌクレオチドTPをスキーム3で前述の加水分解し、デブロック化し、標的RNATPまたはRNA(αS)TPを得る。
【化31】

【化32】

【0225】
スキーム21および22:RNA(αS)TPおよびRNA(αS)TP方向への別の可能な経路は、5’H−ホスホノチオエートまたはホスホノジチオエートオリゴヌクレオチド(それぞれ、112cおよび114c、スキーム16および17、X=O、ならびにX=S)の使用を含む。後者は、5’OH固体支持されたオリゴヌクレオチド(化合物b)を、以前に報告された商業的に入手可能なジフェニル亜リン酸塩から調製された、ジフェニルチオ亜リン酸塩(120、スキーム16)と反応させた後、容易に調製され得る(Tashma et al.,1969,J.Org.Chem.,8,966)。このような様式において、105b(スキーム16)および103b(スキーム17)を0.5M溶液の120含有乾燥ピリジンと1時間反応させた後、続いて加水分解(HO−NEt)または硫化(TMSS−NEt)し、対応する化合物112cおよび114c(それぞれ、スキーム16および17、X=O、ならびにX=S)を得る。後者は、対応するピリジニウムチオホスホラアミダイトの形成を可能にする、ピリジンを含有するシリル化剤の存在下で、ヨウ素によりさらに酸化される(Peterson et al.2008,Org.Lett.,10,703)、チオ三リン酸塩(X=O)113d(スキーム16)および115d(スキーム17)または対応するジチオ三リン酸塩(X=S)を得るために、トリブチルアンモニウムピロリン酸と反応する、スキーム5および3に前述される条件を使用して、固体支持体からの脱保護および切断の後、標的RNA(αS)TPおよびRNA(αS)TPを得る。
【0226】
RNA 5’−三リン酸塩の合成
【化33】

【化34】

【0227】
アルゴン雰囲気下で、RNA支持体(CPG,200mg)含有ペプチド合成槽にピリジン(0.5mL)を添加した後、2−cクロロ−1,3,2−ベンゾジオキサホスホリン−4−オン(40mg)含有無水1,4−ジオキサン(2mL)の溶液を添加した。反応槽を5時間アナログ振蘯機に設置した。陽圧のアルゴンを印加し、過剰試薬を除去した。支持体を無水1,4−ジオキサン(10mL)で洗浄し、トリブチルアンモニウムピロリン酸(450mg)溶液含有乾燥DMF(2mL)およびトリブチルアミン(0.5mL)を同時に添加した。アナログ振蘯機上で22時間、反応槽を攪拌した後、陽圧のアルゴンを印加し、過剰試薬を除去した。支持体に1%ヨウ素溶液含有ピリジンおよび水(98:2)を添加した。30分後、陽圧のアルゴンを印加し、過剰試薬を除去した。支持体を冷1M TEAB緩衝液、次いでアセトンで洗浄した。支持体を乾燥させ、支持体を20mLバイアルに移動した。支持体をエタノール(1.8mL)と水酸化アンモニウム(5mL)の混合物中に懸濁した。室温で15時間攪拌し、溶液を濾過し、支持体を12mLのDMSOで洗浄した。RNA−三リン酸塩を含有する溶液を−20℃で15分間冷却し、冷HF/TEA(7mL)溶液を添加した。反応フラスコをアナログ振蘯機上で8時間、室温で攪拌した。少量の反応混合物を水(4回)で希釈し、Dionex DNAPac PA−100カラムを使用して、分析HPLCで分析した。反応混合物のHPLC分析は、RNA−三リン酸塩の形成を明らかに示した。
【0228】
反応混合物を水で100mLに希釈し、アニオン交換カラムクロマトグラフィーを使用して、産物を精製した。産物を25mMトリス(pH8.0)の勾配を使用して、25mMトリス(pH8.0)緩衝剤を含有する1M塩化アンモニウムに溶出した。産物を含有する好適な画分をプールし、逆相カラムクロマトグラフィーを使用して脱塩した。
【0229】
RNA5’−三リン酸塩の同定は、イオン交換HPLC分析およびLC−MSにより確立される。
【0230】

【0231】
図1において、RNA−三リン酸塩のイオン交換HPLC分析を示す。
【0232】
図2において、RNA5’三リン酸塩のLC−MS分析を示す。以下のデータは、図2のグラフに関する。
【0233】

【0234】
2’−OMe RNA三リン酸塩の合成
RNA−三リン酸塩の合成に記載する、2’O−メチルRNA三リン酸塩を同様の様式で調製した。2’−ヒドロキシル官能基上にシリル基を全く含有しないため、これは、HF/TEA処理を必要としない。
【0235】
RNAチオ三塩酸塩の合成
RNA−チオ三リン酸塩を上述の同様の様式で調製した。しかしながら、ヨウ素溶液は、フェニルアセチルジスルフィド含有2,6−ルチジン溶液と置換された。
【0236】
免疫系を阻害または刺激する能力を有するiRNA剤を同定するための方法
免疫系の調節は、例えば、(i)例えば、細胞または動物の免疫系の構成要素(例えば、成長因子、サイトカイン、またはインターロイキン)のmRNAまたはタンパク質発現レベルのいずれかの測定、(ii)例えば、細胞または動物の免疫系の構成要素(例えば、NFKB)により活性化されるタンパク質因子のmRNAまたはタンパク質レベルの測定、(iii)例えば、外植組織または動物の組織の細胞増殖の測定により測定され得る。
【0237】
iRNA剤の評価は、生物系、例えば、試料(例えば、細胞培養物)で、修飾された鎖(その補体を伴う、または伴わないが、好ましくは、その補体とアニールされる)をインキュベートすることを含むことができる。生物試料は、免疫系の構成要素を発現し得る。これは、構成要素に影響を及ぼすiRNA剤の同定を可能にする。一実施形態において、iRNA剤が、免疫応答を調節する、例えば、刺激または阻害するかどうかを評価する工程は、サイトカインもしくはインターロイキン等の1つ以上の成長因子、無細胞検定、細胞を用いた検定、または動物検定における細胞表面受容体タンパク質の発現を評価することを含む。タンパク質レベルは、例えば、ウエスタンブロット法、フローサイトメトリー、または受容体遺伝子発現(例えば、緑色蛍光タンパク質(GFP)等の蛍光受容体タンパク質の発現)により検定され得る。関心のタンパク質のmRNAレベルは、当該技術分野において公知のノーザンブロット法、RNAse保護検定、または精度管理PCR(QC−PCR)(定量的逆転写を組み合わせたPCR(RT−PCR))、およ類似方法により測定され得る。標的遺伝子発現により生じるRNAおよび/またはタンパク質レベルは、試験iRNA剤の導入後、通常の時間間隔で測定され得、レベルは、対照iRNA剤の細胞への導入後のものを比較される。
【0238】
一実施形態において、修飾されたiRNA剤が、免疫応答を調節する、例えば、刺激するかどうかを検査する工程は、iRNA剤と免疫系のタンパク質構成要素、例えば、サイトカインもしくはインターロイキン等の成長因子、または細胞表面受容体タンパク質との間の相互作用を検定することを含む。代表的な検定法は、免疫細胞化学法により促進されるもの等の、共免疫沈降法、ビーズを用いた共単離法、核酸フットプリント法、および共局在実験を含む。
【0239】
細胞増殖は、[H]チミジンまたは蛍光色素の取り込みを追跡することにより監視され得る。細胞を96ウェル組織培養プレートに平板培養し、次いで、iRNA剤とともにインキュベートした。放射線分析において、[H]チミジンを添加し、インキュベートを続ける。細胞を多重チャネル自動細胞回収機(Cambridge Technology,Cambridge,MA)上で続いて処理し、液体シンチレーション計数器(Beckman Coulter)で計数する。蛍光を用いた分析において、Molecular ProbesからのLIVE/DEADの生存能/細胞毒性検定等の、商業的に入手可能な検定を使用することができる。キットは、膜統合性およびエストラーゼ活性に基づく、死細胞に対して生存細胞を同定する。このキットは、顕微鏡、フローサイトメトリー、またはマイクロ平板検定で使用され得る。
【0240】
本発明のいくつかの実施形態が説明された。にもかかわらず、種々の修飾が本発明の精神および範囲から逸脱することなく行われ得ることを理解されたい。他の実施形態は、特許請求の範囲に記載される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

のオリゴヌクレオチド、またはその医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグであって、式中、
およびQは、それぞれ、独立して、NH、O、またはSであり、
XおよびYは、それぞれ、独立して、OH、O、OR、O、SH、S、Se、BH、BH、H、N(R、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、それぞれ、任意に置換されてもよく、
は、独立して、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、それぞれ、任意に置換されてもよく、
は、独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、それぞれ、任意に置換されてもよく、
およびQは、それぞれ、独立して、O、CH、CH(Me)、C(Me)、CHF、CF、NH、NR、またはSであり、
は、OH、O、OR、S、SH、またはSRであり、
nは、0、1、2、3、4、または5であり、各反復単位は、同一であるか、または異なってもよく、
Aは存在しないか、または一本鎖オリゴヌクレオチドおよび二本鎖オリゴヌクレオチドからなる群から選択され、それぞれ、化学的に修飾されてもよく、
Bは存在しないか、またはリンカー/スペーサーであり、
Eは、一本鎖オリゴヌクレオチドまたは二本鎖オリゴヌクレオチドであり、それぞれ、化学的に修飾され、かつ/またはリガンドと共役し得るが、
ただし、AおよびBが、共に両方とも存在せず、かつnが、0、1、または3である時、Q、Q、Q、Q、Q、X、およびYは、全てが酸素ではないことを条件とする、オリゴヌクレオチド。
【請求項2】
式(II)
【化2】

により表され、式中、
、Q、およびQ30は、それぞれ、独立して、NH、O、またはSであり、
XおよびYおよびY10は、それぞれ、独立して、OH、O、OR、O、SH、S、Se、BH、BH、H、N(R、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、または,ヘテロアリールであり、それぞれ、任意に置換されてもよく、
は、独立して、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、それぞれ、任意に置換されてもよく、
は、独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、それぞれ、任意に置換されてもよく、
およびQは、それぞれ、独立して、O、CH、CH(Me)、C(Me)、CHF、CF、NH、NR、またはSであり、
は、OH、O、OR、S、SH、またはSRであり、
Wは、H、OH、または−G−Lであり、Gは、−CONH−、−NHCO−、−S−S−、−OC(O)NH−、−NHC(O)O−、−NHC(O)NH−、アセタール、ケタール、−O−N=C−、−NH−N=C−、−S−、−O−、ピロリジン、モルホリン、ピペラジン、およびチアゾリジンからなる群から選択され、ここで、Lは、リガンドであるが、
ただし、WがOHである時、Q、Q、Q、Q、Q、Q30、X、Y、およびY10は、全てが酸素ではないことを条件とする、請求項1に記載のオリゴヌクレオチド、またはその医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグ。
【請求項3】
式(III)
【化3】

により表され、式中、
およびQは、それぞれ、独立して、NH、O、またはSであり、
XおよびYおよびY10は、それぞれ、独立して、OH、O、OR、O、SH、S、Se、BH、BH、H、N(R、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、それぞれ、任意に置換されてもよく、
は、独立して、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、それぞれ、任意に置換されてもよく、
は、独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、それぞれ、任意に置換されてもよく、
およびQは、それぞれ、独立して、O、CH、CH(Me)、C(Me)、CHF、CF、NH、NR、またはSであり、
は、OH、O、OR、S、SH、またはSRであり、
Wは、それぞれ、独立して、H、OH、または−G−Lであり、ここで、Gは、−CONH−、−NHCO−、−S−S−、−OC(O)NH−、−NHC(O)O−、−NHC(O)NH−、アセタール、ケタール、−O−N=C−、−NH−N=C−、−S−、−O−、ピロリジン、モルホリン、ピペラジン、およびチアゾリジンからなる群から選択され、ここで、Lは、リガンドである、請求項1に記載のオリゴヌクレオチド、またはその医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグ。
【請求項4】
式(IV)
【化4】

により表され、式中、
、Q、およびQ30は、それぞれ、独立して、NH、O、またはSであり、
XおよびYおよびY10は、それぞれ、独立して、OH、O、OR、O、SH、S、Se、BH、BH、H、N(R、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、それぞれ、任意に置換されてもよく、
は、独立して、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、それぞれ、任意に置換されてもよく、
は、独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、それぞれ、任意に置換されてもよく、
およびQは、それぞれ、独立して、O、CH、CH(Me)、C(Me)、CHF、CF、NR、またはSであり、
は、OH、O、OR、S、SH、またはSRであり、
Rは、H、リン酸、またはホスホロチオエートであり、
WおよびWは、それぞれ、独立して、H、OH、リン酸、ホスホロチオエート、または−G−Lであり、ここで、Gは、−CONH−、−NHCO−、−S−S−、−OC(O)NH−、−NHC(O)O−、−NHC(O)NH−、アセタール、ケタール、−O−N=C−、−NH−N=C−、−S−、−O−、ピロリジン、モルホリン、ピペラジン、およびチアゾリジンからなる群から選択され、ここで、Lは、リガンドであるが、
ただし、WがOHである時、Q、Q、Q、Q、Q、Q30、X、Y、およびY10は、全てが酸素であることができないことを条件とする、請求項1に記載のオリゴヌクレオチド、またはその医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグ。
【請求項5】
式(V)
【化5】

により表されるか、またはその医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグであって、式中、
およびQは、それぞれ、独立して、NH、O、またはSであり、
XおよびYおよびY10は、それぞれ、独立して、OH、O、OR、O、SH、S、Se、BH、BH、H、N(R、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、それぞれ、任意に置換されてもよく、
は、独立して、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、それぞれ、任意に置換されてもよく、
は、独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、それぞれ、任意に置換されてもよく、
およびQは、それぞれ、独立して、O、CH、CH(Me)、C(Me)、CHF、CF、NR、またはSであり、
は、OH、O、OR、S、SH、またはSRであり、
Rは、H、リン酸、またはホスホロチオエートであり、
WおよびWは、それぞれ、独立して、H、OH、リン酸、ホスホロチオエート、または−G−Lであり、ここで、Gは、−CONH−、−NHCO−、−S−S−、−OC(O)NH−、−NHC(O)O−、−NHC(O)NH−、アセタール、ケタール、−O−N=C−、−NH−N=C−、−S−、−O−、ピロリジン(pyrolidine)、モルホリン、ピペラジン、およびチアゾリジンからなる群から選択され、ここで、Lは、リガンドである、請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項6】
式(VI)
【化6】

により表されるか、またはその医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグであって、式中、
、Q、およびQ30は、それぞれ、独立して、NH、O、またはSであり、
XおよびYおよびY10は、それぞれ、独立して、OH、O、OR、O、SH、S、Se、BH、BH、H、N(R、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、それぞれ、任意に置換されてもよく、
は、独立して、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、それぞれ、任意に置換されてもよく、
は、独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、それぞれ、任意に置換されてもよく、
およびQは、それぞれ、独立して、O、CH、CH(Me)、C(Me)、CHF、CF、NR、またはSであり、
は、OH、O、OR、S、SH、またはSRであり、
W、W、およびWは、それぞれ、独立して、H、OH、リン酸、ホスホロチオエート、または−G−Lであり、ここで、Gは、−CONH−、−NHCO−、−S−S−、−OC(O)NH−、−NHC(O)O−、−NHC(O)NH−、アセタール、ケタール、−O−N=C−、−NH−N=C−、−S−、−O−、ピロリジン(pyrolidine)、モルホリン、ピペラジン、およびチアゾリジンからなる群から選択され、ここで、Lは、リガンドであり、
リンカー/スペーサーは、リン酸、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、アルキルホスホネート、アミド、エステル、ジスルフィド、チオエーテル、オキシム、ヒドラゾン、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群から選択される、請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項7】
式(VII)
【化7】

により表されるか、またはその医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグであって、式中、
およびQは、それぞれ、独立して、NH、O、またはSであり、
XおよびYおよびY10は、それぞれ、独立して、OH、O、OR、O、SH、S、Se、BH、BH、H、N(R、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、それぞれ、任意に置換されてもよく、
は、独立して、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、それぞれ、任意に置換されてもよく、
は、独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、それぞれ、任意に置換されてもよく、
およびQは、それぞれ、独立して、O、CH、CH(Me)、C(Me)、CHF、CF、NR、またはSであり、
は、OH、O、OR、S、SH、またはSRであり、
W、W、およびWは、それぞれ、独立して、H、OH、リン酸、ホスホロチオエート、または−G−Lであり、ここで、Gは、−CONH−、−NHCO−、−S−S−、−OC(O)NH−、−NHC(O)O−、−NHC(O)NH−、アセタール、ケタール、−O−N=C−、−NH−N=C−、−S−、−O−、ピロリジン(pyrolidine)、モルホリン、ピペラジン、およびチアゾリジンからなる群から選択され、ここで、Lは、リガンドであり、
リンカー/スペーサーは、リン酸、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、アルキルホスホネート、アミド、エステル、ジスルフィド、チオエーテル、オキシム、ヒドラゾン、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロアリールからなる群から選択される、請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項8】
前記一本鎖または二本鎖のオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの修飾ヌクレオチドを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項9】
前記修飾ヌクレオチドの少なくとも1つは、2’−O−メチル修飾ヌクレオチド、5’−ホスホロチオエート基を含むヌクレオチド、およびコレステリル誘導体またはドデカン酸ビスデシルアミド基に連結される末端ヌクレオチドからなる群から選択される、請求項8に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項10】
前記修飾ヌクレオチドの少なくとも1つは、2’−フルオロヌクレオチド、2’−O−アルキルヌクレオチド、2’−O−アルコキシアルキルヌクレオチド、2’−O−アリルヌクレオチド、2’O−プロピルヌクレオチド、2’−O−メチル化ヌクレオチド(2’−O−Me)、2’−デオキシヌクレオチド、2´−デオキシフルオロヌクレオチド、2’−O−メトキシエチルヌクレオチド(2’−O−MOE)、2’−O−N−Meアセトアミドヌクレオチド(2’−O−NMA)、2’−O−ジメチルアミノエチルオキシエチルヌクレオチド(2’−O−DMAEOE)、2’−アミノプロピル、2’−ヒドロキシ、2’−アラ−フルオロ、3’−アミド化(3’−Oの代わりに3’−NH)、ロックドオリゴヌクレオチド(LNA)、延長エチレンオリゴヌクレオチド(ENA)、ヘキソースオリゴヌクレオチド(HNA)、またはシクロヘキセンオリゴヌクレオチド(CeNA)の群から選択される、請求項8に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項11】
前記オリゴヌクレオチドは、ウイルスベクターに含まれる、請求項1〜10のいずれか一項に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項12】
前記オリゴヌクレオチドは、RIG−Iに結合する、請求項1〜10のいずれか一項に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1項に定義されるオリゴヌクレオチドと、免疫賦活性剤、抗ウイルス剤、抗菌剤、抗腫瘍剤、遺伝子発現抑制剤、抗腫瘍療法、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、少なくとも1つの薬剤と、を含む、組成物。
【請求項14】
前記薬剤は、レチノイン酸、I型IFN、またはそれらの組み合わせである、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
脊椎動物において、腫瘍細胞のアポトーシスを誘発するための、抗ウイルス反応を誘発するための、抗菌反応を誘発するための、および/または抗腫瘍反応を誘発するための、請求項1〜12のいずれか1項に定義されるオリゴヌクレオチドの使用。
【請求項16】
前記抗ウイルス反応、前記抗菌反応、および/または前記抗腫瘍反応は、I型IFN産生、IL−18産生、および/またはIL−1β産生を含む、請求項15に記載の使用。

【請求項17】
請求項1〜12のいずれか1項に定義されるオリゴヌクレオチドと、脊椎動物において、抗原に対する免疫応答を誘発するための、少なくとも1つの抗原と、を含む、組成物。
【請求項18】
前記オリゴヌクレオチドは、前記少なくとも1つの抗原に共有結合的に連結される、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
脊椎動物における、ウイルス感染症、細菌感染症、寄生虫感染症、腫瘍、多発性硬化症、アレルギー、自己免疫疾患、免疫抑制、および免疫不全症からなる群から選択される疾病および/または疾患を阻止および/または治療するための薬物の調製のための、請求項1〜12のいずれか1項に定義される前記オリゴヌクレオチドの使用。
【請求項20】
脊椎動物において、腫瘍細胞のアポトーシスを誘発するための、抗ウイルス反応を誘発するための、抗菌反応を誘発するための、および/または抗腫瘍反応を誘発するための、請求項1〜12のいずれか1項に定義される前記オリゴヌクレオチドの使用。
【請求項21】
前記抗ウイルス反応、前記抗菌反応、および/または前記抗腫瘍反応は、I型IFN産生、IL−18産生、および/またはIL−1β産生を含む、請求項20に記載の使用。
【請求項22】
請求項1〜12のいずれか1項に定義されるオリゴヌクレオチドを含む、医薬組成物。
【請求項23】
請求項1〜12のいずれか1項に定義されるオリゴヌクレオチドと、免疫賦活性剤、抗ウイルス剤、抗菌剤、抗腫瘍剤、および遺伝子発現抑制剤からなる群から選択される、少なくとも1つの薬剤と、を含み、前記オリゴヌクレオチドおよび前記少なくとも1つの薬剤は、同時に、別個に、または順次投与される、複合製剤物。
【請求項24】
前記薬剤は、レチノイン酸、I型IFN、またはそれらの組み合わせである、請求項23に記載の複合製剤。
【請求項25】
請求項22に記載の医薬組成物、または前記請求項23もしくは24に記載の複合製剤と、使用説明書と、を含む、医薬品パッケージ。
【請求項26】
脊椎動物における、ウイルス感染症、細菌感染症、寄生虫感染症、腫瘍、多発性硬化症、アレルギー、自己免疫疾患、免疫抑制、および免疫不全症からなる群から選択される疾病および/または疾患を阻止および/または治療するための細菌RNAの調製のための、請求項1〜12のいずれか1項に定義される前記オリゴヌクレオチドの使用。
【請求項27】
三リン酸塩または三リン酸類似体を含む、1つ以上のリボヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチド分子を調製するためのプロセスであって、
(a)フッ化物不安定基またはフッ化物非不安定基を用いて、2’ヒドロキシル部分を保護する工程と、
(b)
【化8】

(式中、
100は、独立して、電子求引性基(EWG)であり、
200およびR300は、それぞれ、独立して、ハロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロ環、置換ヘテロ環であり、
10は、O、S、Se、BH3、またはNR’であり、
40は、Cl、ジアルキルアミン、または環状アミンであり、
10は、Cl、O−アリール、またはO−置換アリールであり、
10およびY20は、独立して、O−置換アルキル、ジアルキルアミン、または環状アミンであり、窒素は、リンに連結され、
20およびX30は、独立して、O、CH2、S、NR’であり、R’は、Hまたは脂肪族であり、
Nは、1、2、3、4、または5であり、
sは、0、1、2、または3である)
からなる群から選択される試薬を用いて、前記所望の末端ヒドロキシル部分を三リン酸塩または三リン酸類似体に変換する工程と、
(c)固相ホスホラミダイト、液相ホスホラミダイト、固相H−ホスホネート、液相H−ホスホネート、ハイブリッド相ホスホラミダイト、およびハイブリッド相H−ホスホネートに基づく合成方法からなる群から選択される方法を使用して、前記オリゴヌクレオチド分子を合成する工程と、
(d)保護基および/または固体支持体を除去する工程と、を含む、プロセス。
【請求項28】
眼内注射、経口摂取、経腸的適用、吸入、局所適用、皮下注射、筋肉内注射、腹腔内注射、くも膜下腔内注射、気管内注射、および静脈内注射からなる群から選択されるモードにより送達するように適合される、請求項22に記載の医薬組成物。
【請求項29】
ラベル貼付されたパッケージに請求項1に記載のオリゴヌクレオチドを含むキットであって、前記パッケージ上の前記ラベルは、前記オリゴヌクレオチドが、少なくとも1つのウイルスに対して使用され得ることを示す、キット。
【請求項30】
前記キットは、ヒトにおける使用について、規制当局により承認される、請求項30に記載のキット。
【請求項31】
検査試料を試験薬と接触させることを含み、前記試験薬は、請求項1〜12のいずれか1項に定義されるオリゴヌクレオチドを含む、抗ウイルス反応または抗菌反応を同定するための検定。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−502040(P2012−502040A)
【公表日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−526173(P2011−526173)
【出願日】平成21年9月2日(2009.9.2)
【国際出願番号】PCT/US2009/055775
【国際公開番号】WO2010/028079
【国際公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(506336728)アルニラム ファーマスーティカルズ インコーポレイテッド (13)
【氏名又は名称原語表記】ALNYLAM PHARMACEUTICALS, INC.
【Fターム(参考)】