説明

上下昇降式カーテン

【課題】タブタイプカーテンと同様に装飾性が高く、しかも安定した開閉のできる上下昇降式カーテンを得る。
【解決手段】カーテン本体生地と、カーテン本体生地の上辺に沿って接続され、カーテン本体生地を上下昇降するための機構を有するヘッドレールと、短冊状の形状の長辺方向の一つの端に第一端部、他方の端に第二端部を有し、第一端部がカーテン本体生地の上辺に接続され、第二端部がヘッドレールに接続されることによりタブの内側に空間を形成する複数のタブと、棒状の形状を有し、タブの内側の空間を貫通するようにヘッドレールと離間して平行に配置され、窓枠の上部に水平に固定されるカーテンレールと、タブの内側の空間に配置され、カーテンレールとヘッドレールとを接続するタブ固定具とを含む上下昇降式カーテンである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装飾レールなどのカーテンレールにカーテン本体生地を吊り下げ、本体生地を上下に昇降することで開閉することのできる上下昇降式カーテンに関する。
【背景技術】
【0002】
装飾性の高いカーテンの一種として、タブタイプカーテンが知られている。タブタイプカーテンは、装飾性のあるカーテンレールである装飾レールと組合せて用いられる。タブタイプカーテンは、横方向に開閉するが、カーテンレールとカーテン吊下げ装置との滑りが悪く、開閉が困難であった。この問題を解決するために、特表平11−500329号公報に開示されたカーテン吊下げ装置が開示されている。
【0003】
一方、特開2003−378042号公報には、装飾レールにタブトップ又はタブクリップを介してカーテン本体生地を吊り下げるタブタイプカーテンが開示されている。このカーテンは、装飾レールと、そのカーテンレールを前後に跨ぐように掛かる長い平板状のタブトップと、そのタブトップに上縁部を挟持されるカーテンとからなることが開示されている。また、タブトップは繊維製品であり、装飾レールの周面と接触する内面には、摩擦抵抗を増加させるための粗面処理が施されていることが開示されている。
【特許文献1】特表平11−500329号公報
【特許文献2】特開2003−378042号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特開2003−378042号公報に開示されたタブタイプカーテンは、タブトップは繊維製品であるため、構造が不安定である。そのため、カーテンを上下して開閉する際にカーテンにねじれが生じ、カーテンの開閉をスムーズに行うことができないなどの問題がある。本発明は、タブタイプカーテンと同様に装飾性が高く、しかも安定した開閉のできる上下昇降式カーテンを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、カーテン本体生地と、カーテン本体生地の上辺に沿って接続され、カーテン本体生地を上下昇降するための機構を有するヘッドレールと、短冊状の形状の長辺方向の一つの端に第一端部、他方の端に第二端部を有し、第一端部がカーテン本体生地の上辺に接続され、第二端部がヘッドレールに接続されることによりタブの内側に空間を形成する複数のタブと、棒状の形状を有し、タブの内側の空間を貫通するようにヘッドレールと離間して平行に配置され、窓枠の上部に水平に固定されるカーテンレールと、タブの内側の空間に配置され、カーテンレールとヘッドレールとを接続するタブ固定具とを含む上下昇降式カーテンである。
【0006】
本発明の上下昇降式カーテンの好ましい態様を以下に示す。本発明では、これらの態様を適宜組み合わせることができる。
(1)タブ固定具が、スリットを有する二つのタブ固定具部材を含み、二つのタブ固定具部材は、スリットを貫通する接続部材によって固定される。
(2)タブ固定具が、複数の孔を有する二つのタブ固定具部材を含み、二つのタブ固定具部材は、孔を貫通する接続部材によって固定される。
(3)タブ固定具の幅が、タブの短辺の長さ以下である。
(4)カーテン本体生地とヘッドレールとの接続およびタブとヘッドレールとの接続が、面ファスナーによってなされる。
(5)タブの第二端部が、タブ接続生地を介してヘッドレールに接続される上下昇降式カーテンであって、第二端部に、タブの短辺の長さより長いタブ接続生地が重ねられて接続され、タブ接続生地が、ヘッドレールとの接続のための面ファスナーを、タブとタブ接続生地とが重ならない位置に有する。
(6)カーテンレールが、装飾レールである。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、タブタイプカーテンと同様に装飾性が高く、しかも安定した開閉のできる上下昇降式カーテンを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の上下昇降式カーテンは、タブ固定具を用いて装飾レールなどのカーテンレールとヘッドレールとを接続するという特徴を有する。そのため、タブタイプカーテンと同様に高い装飾性を備え、かつ安定してカーテンを上下に開閉することができる構造を有する上下昇降式カーテンを得ることができる。以下、図を用いて本発明を詳細に説明する。
【0009】
本発明の上下昇降式カーテン1の表面の模式図を図1に、裏面の模式図を図2に示す。本発明の上下昇降式カーテン1は、カーテン本体生地10と、ヘッドレール21と、タブ11と、カーテンレール30と、タブ固定具40とを含む。
【0010】
カーテン本体生地10は、長方形または正方形のカーテン生地である。カーテン本体生地の表面10aの表面は部屋の内部に面するため、意匠性に優れたデザインを有することが好ましい。カーテン本体生地10の大きさは、カーテンを取り付ける窓の大きさによって異なるが、一般的には、縦方向および横方向の長さが共に3m程度以内である。
【0011】
次に、ヘッドレール21について説明する。ヘッドレール21は、カーテン本体生地を上下昇降するための昇降コード23を制御する機構を有する、細長い略四角注の形状を有する装置である。図2に示すように、ヘッドレール21は、カーテン本体生地10の裏面の上辺に沿って接続される。ヘッドレール21とカーテン本体生地10との接続は、図8の断面模式図に示すように、マジックテープ(登録商標)などの面ファスナー13aおよび14aを用いて行うことができる。図8において、面ファスナー13aはカーテン本体生地10に取り付けられており、面ファスナー14aはヘッドレール21に取り付けられている。その二つを合わせることにより面ファスナー13aおよび14aは接続され、ヘッドレール21とカーテン本体生地10とを接続することができる。なお、カーテン本体生地10への面ファスナー13aの取り付けは、図4に示すようにカーテン本体生地10の上辺に沿うように縫製することによって行うことができる。
【0012】
本発明で用いる「面ファスナー」とは、面状に着脱自在なファスナーのことをいう。用途によっては、面ファスナーの代わりに接着材等を用いることができるが、カーテン本体生地を取り外して洗濯や交換ができることから、ヘッドレール21と、カーテン本体生地10およびタブ11との接続には面ファスナーを用いることが好ましい。
【0013】
ヘッドレール21の長さは、カーテン本体生地10の横方向の長さとほぼ同じ長さであることが好ましい。
【0014】
ヘッドレール21には、カーテン本体生地を昇降させるための機構の違いによって、コード式ヘッドレール、ドラム式ヘッドレール、電動式ヘッドレールなどの種類がある。本発明の上下昇降式カーテン1では、設置場所、意匠性や操作性等を考慮の上、適切な種類のヘッドレールを適宜選択して用いることができる。
【0015】
コード式ヘッドレールを用いた本発明の上下昇降式カーテン1の裏面を図2に示す。図2の場合には、複数の昇降コード23が、ヘッドレール21(コード式ヘッドレール)からカーテン本体生地の裏面10bを下方に延びるように配置される。昇降コード23の下端は、ヘッドレール21の下辺に沿って配置されたウェイトバー用ポケット15の上部に接続される。また、カーテン本体生地の裏面10bには、昇降コード23が配置される経路に沿ってリング24が、例えば15cm程度の間隔で取り付けられる。昇降コード23は、リング24の中を貫通するように配置される。昇降コード23は、ヘッドレール21を介して操作コード22に接続される。操作コード22を上下することにより昇降コード23が上下し、昇降コード23に接続されたカーテン本体生地10を上下に昇降させることができる。また、カーテン本体生地10の昇降をより安定に行うため、ウェイトバー用ポケット15にはウェイトバーが挿入される。
【0016】
複数の昇降コード23の水平方向の間隔は、20〜80cm程度、好ましくは40〜60cm程度である。
【0017】
本発明の上下昇降式カーテン1では、ヘッドレール21としてドラム式ヘッドレールを用いることができる。ドラム式ヘッドレールは、ヘッドレール21の中にドラムを有する巻き取り装置が内蔵されており、昇降コード23をドラムに巻き取ることによりカーテン本体生地10の昇降を行うことができる。巻き取り装置には、通常、ボールチェーンが接続されており、このボールチェーンを操作することによりドラムを回転させて、昇降コード23を巻き取ることができる。
【0018】
電動式ヘッドレールとは、昇降コード23を巻き取るために電気モータを用いたヘッドレールである。本発明の上下昇降式カーテン1では、これらの様々な種類のヘッドレールを用いることができる。
【0019】
次に、タブ11について説明する。図1および2に示すように、カーテン本体生地10の上辺には、複数のタブ11が接続される。カーテン本体生地10とタブ11との接続の状態を、図3(カーテン本体生地10の表面)および図4(カーテン本体生地10の裏面)に示す。タブ11は、例えば長さ(長辺)15〜30cm程度、幅(短辺)3〜5cm程度の短冊状の形状である。タブ11の短冊状の形状の長辺方向の両端から幅(短辺)と同程度の長さの部分を、本明細書では「端部」という。また、短冊状の形状のタブの、長辺方向の一つの端を「第一端部」、他方の端を「第二端部」という。端部のうちの一つである第一端部は、カーテン本体生地10の上辺に縫製されることにより、カーテン本体生地10とタブ11とが接続される。なお、図4においては、タブ11がカーテン本体生地10に縫製された面ファスナー13aの上に縫製されているが、タブ11を直接カーテン本体生地10に縫製してもよい。
【0020】
タブ11の第一端部とは反対側の端部である第二端部は、ヘッドレール21のカーテン本体生地10が接続された面とは反対側の面に接続される。タブ11とヘッドレール21とがこのように接続されるため、タブ11とヘッドレール21とは、全体としてタブ11の内側に空間を形成するような形状となる。図4および図8に示すように、タブ11とヘッドレール21との接続は、タブ11に取り付けられた面ファスナー13bおよびヘッドレール21に取り付けられた面ファスナー14bによって行うことができる。なお、図8では、後述のように、面ファスナー13bがタブ接続生地12に取り付けられている例を示している。
【0021】
複数のタブ11は、一般的に、タブ11の中心が25〜60cm程度の間隔となるように配置される。複数のタブ11の間隔の一例としては、30cmとすることができる。ただし、タブ11の中心の間隔はこれらの間隔以外であってもよく、カーテンのデザインや用途により適宜選択可能である。
【0022】
次に、カーテンレール30について説明する。図1および2に示すように、カーテンレール30は、カーテン本体生地を吊すための、例えば直径2cm程度、長さ3m程度の棒状の形状を有するカーテン吊下げ用部材である。カーテンレール30は、窓枠の上部にカーテンレール取付ブラケット35を介して水平に固定される。また、カーテンレール30は、ヘッドレール21と離間して平行に配置される。カーテンレール30は、タブ11の内側の空間を貫通するように配置するため、見掛け上、タブ11によってカーテン本体生地10が吊り下げられたような外観を呈する。そのため、本発明の上下昇降式カーテン1は、タブタイプカーテンと同様に装飾性の高いカーテンとなる。
【0023】
カーテンレール30は、タブ11によって一部が隠されるものの、大部分は外部から視認できる。そのため、本発明の上下昇降式カーテン1では、意匠性に優れたデザインを有する装飾レールを用いることが好ましい。本発明の上下昇降式カーテン1がカーテンレール30として装飾レールを用いた場合には、さらに高い装飾性を有することとなる。ただし、例えば、カーテンレール30の視認が困難な場所へ設置する場合など、その用途によっては意匠性の劣った機能レールなどのカーテンレール30を用いることもできる。
【0024】
次に、タブ固定具40について説明する。本発明の上下昇降式カーテン1は、カーテンレール30とヘッドレール21との接続を、タブ固定具40によって行うことを特徴とする。タブ固定具40は、離間して平行に配置されるカーテンレール30とヘッドレール21との間に、それらに接するように配置され、カーテンレール30とヘッドレール21とを接続するためのものである。また、図1および2に示すように、タブ固定具40の配置位置は、タブ11の内側の空間に配置されるので、本発明の上下昇降式カーテン1を表から見た場合には、タブ固定具40がタブ11の内側に隠れた状態となる。そのため、タブ固定具40が露出することによって、意匠性を損ねることはない。また、本発明の上下昇降式カーテンを正面から見た場合に、タブ固定具40が露出しないことを確実にするためには、タブ固定具の幅が、タブの短辺の長さ以下であることが好ましい。タブ固定具の幅は、5mm〜10cm、好ましくは1cm〜5cmとすることができ、例えば2cmとすることができる。
【0025】
なお、タブ固定具40は、必ずしも全てのタブ11の内側に配置する必要はなく、カーテンレール30とヘッドレール21との接続を確実にするのに十分な数のタブ固定具40を配置すればよい。
【0026】
図5に、タブ固定具40を用いてカーテンレール30とヘッドレール21とを接続した構造の断面模式図を示す。図5に示すように、タブ固定具40は、接続部材50によって、カーテンレール30およびヘッドレール21に接続される。なお、接続部材50としては、ボルトおよびナットを用いることができる。
【0027】
タブ固定具40について、さらに詳しく説明する。タブ固定具40としては、一例として、図9に示すタブ固定具40aを用いることができる。図9には、タブ固定具40aの側面図(a)および正面図(b)を示す。タブ固定具40aは、二つのタブ固定具部材41aをタブ固定具部材用接続部材51によって接続したものである。なお、タブ固定具部材用接続部材51としてボルトおよびナットを用いることができる。図10に示すように、タブ固定具部材41aは、互いに垂直な二つの平板部分からなり、側面がL型を形成するような形状の部材である。一つの平板部分には接続用孔43が形成され、もう一つの平板部分にはその中央に長さ調整用スリット42が形成される。図9に示すように、二つのタブ固定具部材41aを、接続用孔43が対向するように組み合わせ、長さ調整用スリット42を貫通するタブ固定具部材用接続部材51によって固定する。タブ固定具部材用接続部材51は、長さ調整用スリット42の任意の位置に貫通して固定できるため、タブ固定具40aの長さdを調整することができる。したがって、図5に示すカーテンレール30とヘッドレール21との距離dを調整することができる。
【0028】
タブ固定具40は、例えば、図11に示すような構造のものを用いることもできる。図11に示すタブ固定具40bは、固定の長さdを有するため、所定の長さdのみが必要な場合に用いることができる。タブ固定具40bは、長さdを調整することはできないが、タブ固定具40aと比較してコストが安いという利点がある。
【0029】
また、図12に示すタブ固定具部材41bを、スリット付タブ固定具部材41aの代わりに用いることができる。タブ固定具部材41bは、スリット付タブ固定具部材41aの長さ調整用スリット42の代わりに、複数の長さ調整用孔44を有する。所定の長さ調整用孔44にタブ固定具部材用接続部材51を貫通することにより、長さ調整用孔44の位置に応じた長さにdを調整することができる。
【0030】
距離dは、例えば2cm〜20cm、好ましく3cm〜10cmとすることができる。また、距離dは、カーテン表面から見えるタブの長さが5〜15cm程度、例えば8cmとなるように決めることもできる。
【0031】
タブ固定具40は、構造的に必要とされる材料強度の観点から、ステンレスなどの金属材料を用いることが好ましい。ただし、タブ固定具40としての目的を果たすのに必要な強度を有する材料であれば、例えば、炭素繊維、プラスチック等の金属以外の材料を用いてもよい。
【0032】
次に、タブ固定具40とカーテンレール30との接続について説明する。一般的にカーテンレール30は棒状の形状を有する。図6に、カーテンレール30の一例の断面を含む模式図を示す。カーテンレール30は、図6に示すように、パイプ状の形状を有するものを用いることができる。その場合には、パイプ状の形状の長さ方向にカーテンレールスリット32が形成されることが好ましい。また、タブ固定具40と接する面であるタブ固定具接続部31は平坦な面であることが好ましい。タブ固定具40とカーテンレール30との接続は、図5に示すように、タブ固定具40の接続用孔43と、カーテンレール30のカーテンレールスリット32とを貫通する接続部材50によって行う。カーテンレールスリット32は連続的な溝なので、接続部材50を用いてタブ固定具40をタブ11に対応した位置に配置することができる。
【0033】
カーテンレール30は、パイプ状以外の形状であってもよい。その場合には、適宜、タブ固定具40との接続方法を選択することができる。
【0034】
次に、タブ固定具40とヘッドレール21との接続について説明する。タブ固定具40とヘッドレール21とは、接続部材50を用いて直接接続しても良いが、図5に示すに、ヘッドレール取付用ブラケット25を介してヘッドレール21を接続することが好ましい。ヘッドレール取付用ブラケット25は、図7に示すように、ヘッドレール取付用ブラケット25を簡単に着脱可能なヘッドレール取付部26を有しているために、カーテンのメンテナンスが容易となるためである。
【0035】
タブ11とヘッドレール21とは、面ファスナー13bおよび14bによって接続することが好ましい。ただし、タブ固定具40が配置されるヘッドレール21の位置には面ファスナー14bを構造上配置できない場合がある。その場合には、図4に示すように、タブ11に面ファスナー13bを有するタブ接続生地12を取り付ける。図4の例では、タブ接続生地12のほぼ全面に面ファスナー13bを取り付けた状態を示すが、面ファスナー13bは、少なくとも、タブ11とタブ接続生地12と重ならない位置に取り付けられていればよい。面ファスナー13bと面ファスナー14bとを接続することにより、図2に示すように、タブ接続生地12を介してタブ11とヘッドレール21とを接続することができる。
【0036】
次に、本発明の上下昇降式カーテン1の製造方法について述べる。
【0037】
まず、図2および図3に示すように、カーテン本体生地10の所定の位置に、面ファスナー13b、タブ11およびリング24を縫製する。また、カーテン本体生地10の下部にウェイトバー用ポケット15を形成する。次に、面ファスナー13bを有するタブ接続生地12をタブ11に縫製し、タブ11を有するカーテン本体生地10を得る。
【0038】
次に、カーテンレール30を、カーテンレール取付ブラケット35を用いて窓枠の上部に水平に固定する。カーテンレール30のタブ11が配置される位置に、接続部材50を用いてタブ固定具40を取り付ける。また、タブ固定具40にヘッドレール取付用ブラケット25を取り付ける。
【0039】
次に、ヘッドレール21に面ファスナー14aおよび14bを取り付ける。そして、ヘッドレール21をヘッドレール取付用ブラケット25に取り付ける。タブ11を有するカーテン本体生地10を、面ファスナー13aおよび13bを用いてヘッドレール21に取り付ける。タブ11をカーテンレール30の上を通してヘッドレール21の背面に達するように配置し、タブ接続生地12の面ファスナー13bをヘッドレール21の面ファスナー14bに取り付ける。このような作製方法により、上下昇降式カーテン1を正面から見た場合、タブ11によってタブ固定具40が隠れるような状態となる。このようにして、装飾性が高く、しかも安定した開閉のできる本発明の上下昇降式カーテン1を得ることができる。
【0040】
本発明の上下昇降式カーテンは、タブ固定具等を配置したことにより、カーテンを上下して開閉する際にカーテンにねじれが生じるなどの問題はなく、カーテンの開閉をスムーズに行うことができる。それに加えて、本発明の上下昇降式カーテンは、タブタイプカーテンと同様の高い装飾性を有する。このように、本発明の上下昇降式カーテンは、従来のカーテンにはなかった有利な効果を有する。
【実施例】
【0041】
本発明の上下昇降式カーテンを次のような部品を用いて、上記の製造方法により試作した。
(1)カーテン本体生地
幅60cm、長さ100cmのカーテン生地を用いた。そのカーテン生地の所定の位置に面ファスナーを配置した。
(2)タブ
幅4cm、長さ24cmの生地3枚をタブとして用いた。タブの一方の端から4cmの部分を、3個のタブの中央の間隔が20cmとなるように、カーテン本体生地に縫製した。タブのもう一方の端から4cmの部分に、タブ接続生地(幅4cm、長さ24cm)の中央部を縫製した。また、所定の位置に面ファスナーを配置した。
(3)ヘッドレール
長さ60cmのコード式ヘッドレールを用いた。カーテン本体生地およびタブ接続生地と接続する面に、面ファスナーを配置した。
(4)装飾レール(カーテンレール)
長さ1m、直径2cmので、幅5mmのスリットを有する装飾レールを用いた。この装飾レールを、装飾レール取付ブラケット2個を用いて壁に取り付けた。
(5)タブ固定具
図9に示す構造のタブ固定具を3個用いた。タブ固定具の中央の間隔が20cmとなるように、ボルト、ナットおよびワッシャを用いて3個取り付けた。
【0042】
上記のように本発明の上下昇降式カーテンを試作したところ、タブタイプカーテンと同様の高い装飾性を有するカーテンを得ることができた。また、カーテンを上下して開閉したところ、カーテンにねじれが生じるなどの問題はなく、カーテンの開閉をスムーズに行うことができた。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の上下昇降式カーテンの表面の模式図である。
【図2】本発明の上下昇降式カーテンの裏面の模式図である。
【図3】カーテン本体生地にタブを接続したものの表面を示す模式図である。
【図4】カーテン本体生地にタブを接続したものの裏面を示す模式図である。
【図5】タブ固定具を用いてカーテンレールとヘッドレールとを接続した状態を示す断面模式図である。
【図6】カーテンレールの断面を含む模式図である。
【図7】ヘッドレール取付用ブラケットの断面模式図である。
【図8】カーテン本体生地およびタブ接続生地を面ファスナーを用いてヘッドレールに取り付けた状態を示す断面模式図である。
【図9】本発明の上下昇降式カーテンに用いる、可変長のタブ固定具の(a)側面図および(b)正面図の模式図である。
【図10】図9に示したタブ固定具に用いるスリット付タブ固定具部材の(a)正面図および(b)側面図の模式図である。
【図11】本発明の上下昇降式カーテンに用いる、固定長のタブ固定具の(a)正面図および(b)側面図の模式図である。
【図12】本発明の上下昇降式カーテンに用いる、孔付タブ固定具部材の(a)正面図および(b)側面図の模式図である。
【符号の説明】
【0044】
1 上下昇降式カーテン
10 カーテン本体生地
10a カーテン本体生地(表面)
10b カーテン本体生地(裏面)
11 タブ
12 タブ接続生地
13a、13b 面ファスナー
14a、14b 面ファスナー
15 ウェイトバー用ポケット
21 ヘッドレール
22 操作コード
23 昇降コード
24 リング
25 ヘッドレール取付用ブラケット
26 ヘッドレール取付部
30 カーテンレール
31 タブ固定具接続部
32 カーテンレールスリット
35 カーテンレール取付ブラケット
40 タブ固定具
40a タブ固定具(可変長)
40b タブ固定具(固定長)
41a タブ固定具部材(スリット付)
41b タブ固定具部材(孔付)
42 長さ調整用スリット
43 接続用孔
44 長さ調整用孔
50 接続部材
51 タブ固定具部材用接続部材
d タブ固定具の長さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーテン本体生地と、
カーテン本体生地の上辺に沿って接続され、カーテン本体生地を上下昇降するための機構を有するヘッドレールと、
短冊状の形状の長辺方向の一つの端に第一端部、他方の端に第二端部を有し、第一端部がカーテン本体生地の上辺に接続され、第二端部がヘッドレールに接続されることによりタブの内側に空間を形成する複数のタブと、
棒状の形状を有し、タブの内側の空間を貫通するようにヘッドレールと離間して平行に配置され、窓枠の上部に水平に固定されるカーテンレールと、
タブの内側の空間に配置され、カーテンレールとヘッドレールとを接続するタブ固定具と
を含む上下昇降式カーテン。
【請求項2】
タブ固定具が、スリットを有する二つのタブ固定具部材を含み、二つのタブ固定具部材は、スリットを貫通する接続部材によって固定される、請求項1記載の上下昇降式カーテン。
【請求項3】
タブ固定具が、複数の孔を有する二つのタブ固定具部材を含み、二つのタブ固定具部材は、孔を貫通する接続部材によって固定される、請求項1記載の上下昇降式カーテン。
【請求項4】
タブ固定具の幅が、タブの短辺の長さ以下である、請求項1〜3記載の上下昇降式カーテン。
【請求項5】
カーテン本体生地とヘッドレールとの接続およびタブとヘッドレールとの接続が、面ファスナーによってなされる、請求項1〜4記載の上下昇降式カーテン。
【請求項6】
タブの第二端部が、タブ接続生地を介してヘッドレールに接続される上下昇降式カーテンであって、第二端部に、タブの短辺の長さより長いタブ接続生地が重ねられて接続され、タブ接続生地が、ヘッドレールとの接続のための面ファスナーを、タブとタブ接続生地とが重ならない位置に有する、請求項1〜5記載の上下昇降式カーテン。
【請求項7】
カーテンレールが、装飾レールである、請求項1〜6記載の上下昇降式カーテン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−106656(P2009−106656A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−284035(P2007−284035)
【出願日】平成19年10月31日(2007.10.31)
【出願人】(591254143)リリカラ株式会社 (2)
【Fターム(参考)】