説明

不活性中間層を有するウェハー・バイアル

本発明は、容器と、吸湿性の、または湿気で軟化可能なフィルム状材料とを含む包装ユニットに関する。この目的のために、前記フィルム状材料が容器内で積み重ねてあり、フィルム状材料に対して化学的に不活性であり、物理的に安定している分離材が、前記フィルム状材料間に一枚ずつ配置してある。都度、前記分離材が、2枚のフィルム状材料と接触することになり、少なくとも1枚のフィルム状材料に接着しないか、または他方のフィルム状材料よりも接着するのが弱い。本発明によれば、吸湿性フィルム状材料の信頼性の高い個々の引き出しを保証する容器を備えた包装ユニットを開発することが可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器と、吸湿性のまたは湿気の影響下で軟化性のフィルム状材料とを含む、包装ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
吸湿性フィルム状材料は、医薬製剤、菓子製品、化粧品および口腔衛生用の製剤として使用される可食性のフィルム、ストリップまたはウェハー(wafer)が良い例である。これらは、たとえば、水および唾液に急速に溶解する。吸湿性フィルム状材料は、一般的に、親水性、吸湿性のマトリックス・ポリマーで作られている。たとえば、デンプンまたはセルロースの群に属する多糖類、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールおよびプルランがある。吸湿性フィルム状材料は、水に対して高い親和性を有し、水を容易に吸収する。これにより、製品はそれを口に入れたときに確実に急速溶解するが、大気中の湿気から大量の湿気を吸収することにもなる。フィルム状材料は、少なくとも5重量%の湿気を含有する。含有する湿気がそれよりも少ない場合にはもろくなる可能性がある。含水率が10重量%より大きい場合には、吸湿性のまたは湿気の影響下で軟化性のフィルム状材料は、柔らかくなり、塑性変形を受ける傾向がある。さらにまた、フィルム状材料の接着する傾向が含水率と共に増大する。そうすると、これらの取り扱いが難しく、特に単独で取り出すことが困難になる。
【0003】
ドイツ国特許出願公開19800682A1が、吸湿性フィルム状材料で作った包装ユニットを記載している。まず、吸湿性フィルム状材料を個別に一次包装ユニットに詰める。次に、多数の一次包装ユニットを二次包装ユニットに組み込む。この作業は、面倒であり、コスト高を招く。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の目的は、使用者が吸湿性のまたは湿気の影響下で軟化性のフィルム状材料の個々の品を確実に取り出すことができる容器を有する包装ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、主たる請求項に記載されている特徴を用いて達成される。この目的のために、フィルム状材料は、積み重ねの形態で容器内に配置される。これらのフィルム状材料に対して物理的に安定でかつ化学的に不活性である分離材をいずれの2枚フィルム状材料の間にも置く。分離材は、どの場合にもこの両方のフィルム状材料と接触している。さらに、分離材は、これらの2枚のフィルム状材料の少なくとも一方に接着しないか、またはそれ(分離剤)が、それ(フィルム状材料の一方)に、それ(分離剤)が他方のフィルム状材料に対して接着するよりも、接着するのが弱いかのいずれかである。
【0006】
本発明の他の詳細については、従属請求項と以下に概略的に説明する実施形態において説明する。
図1はウェハーおよび分離材を有するボックスを示す。
図2は分離材を示す。
図3はウェハーを示す。
図4は機械的に拘束されたウェハーおよび分離材を有するボックスを示す。
図5は図4に示す積み重ねの詳細を示す。
図6は拘束部を有するウェハーを示す。
図7はウェハーとを備えた分離材を示す。
【0007】
図1は、フィルム状材料(30)の積み重ねを収容している容器(10)を示しており、分離材(40)が間に置かれている。
【0008】
容器(10)は、たとえば、フィルム状材料(30)から矯味矯臭物質または活性物質を吸収しないプラスチック、ガラスまたは別の材料で作ったボックス、ウェハー・バイアルなどである。図1に示すボックス(10)は、たとえば矩形である。このボックスは、たとえば、ケーシング(11)とヒンジ式の蓋(12)とからなる。この実施形態においては、蓋(12)は、ケーシング(11)にフィルム状継手(13)を用いて連結している。蓋(12)は、スライド蓋、取り外し可能な蓋などであってもよい。ボックス(10)の角隅および縁は、たとえば丸みを付けてある。蓋(12)を閉じたとき、ボックス(10)は、たとえば、外部からの異物の侵入をほとんど防ぐ。必要に応じて、付加的な遮断手段を蓋(12)および/またはケーシング(11)に配置して少なくとも保管中はボックス(10)を密封してもよい。
【0009】
ボックス(10)内に形成した内部スペース(15)は、層状に配置したフィルム状材料(30)と分離材(40)の積み重ね(20)を収容する。フィルム状材料(30)は、たとえば、矯味矯臭物質および活性物質を含有する個別のウェハー(31〜35)である。これらの各ウェハー(31〜35)は、たとえば、一回投与量の医薬品を含有する。図1に示す反復投与パックは、たとえば、5枚のウェハー(31〜35)、すなわち、5個の一回投与量の医薬品を収容する。この場合、(31)が積み重ね(20)の最上段ウェハーであり、(35)がウェハー(31〜35)の積み重ねの最下段ウェハーである。
【0010】
ウェハー(31〜35)は、たとえば1インチ×1インチ1/3寸法の基底面積を有するたとえば、矩形となっている(図3参照)。ウェハーは、正方形、円形、三角形、六角形などであってもよい。ウェハー(31〜35)の厚さは、図では誇張して示してあるが、たとえば、10〜100マイクロメートルであってもよい。たいていの用途において、ウェハー(31〜35)は20〜60マイクロメートルの厚さを有するが、最高250マイクロメートルまでの厚さも可能である。ウェハー(31〜35)は、40〜100ミリグラムの重さである。ウェハー(31〜35)は、吸湿性であるか、または上昇した含水率の影響下で軟化性である。本実施形態では、所定含水率は、たとえば、5重量%である。ウェハー(31〜35)がもろくならないならば、所定含水率は、この値より小さい、たとえば3重量%であってもよい。もっと高い含水率も可能である。
【0011】
図2に示す分離材(40)は、たとえば、両面をコーティングしたプラスチック・フィルム片(41〜45)である。分離材(41)は、たとえば、積み重ね(20)のウェハー(31)とウェハー(32)の間に置かれている。図では、分離フィルム(45)がウェハー(35)の下に置かれている。分離フィルム(41〜45)は、たとえば矩形基底面積を有し、本ケースでは、ウェハー(31〜35)の基底面積と同じ寸法である。分離フィルム(41〜45)の基底面積は、ウェハー(31〜35)の基底面積よりも大きくてもよい。分離フィルムの厚さは、たとえば、10〜100マイクロメートルである。
【0012】
分離フィルム(41〜45)の主材料は、たとえば、ポリエチレン・テレフタレート(PET)である。分離フィルム(41〜45)がウェハー(31〜35)と接触しているとき、この材料は、ウェハー(31〜35)の含水率にかかわりなく物理的に安定でかつ化学的に不活性である。
【0013】
分離フィルム(41〜45)の両面のコーティング層(46、47)は、たとえばシリコーン層である。たとえば、この実施形態では、コーティング(46)を分離フィルム(41〜45)の上面すなわち頂面に施し、コーティング(47)を分離フィルム(41〜45)の下面すなわち底面に施す。2枚のコーティング層(46、47)はこの実施形態では同じ厚さを有するが、異なった性質を持っている。頂部コーティング(46)が各場合において存在し、積み重ね(20)内で分離フィルム(41〜45)の上に置かれているウェハー(31〜35)がそれに接着する。ウェハー(31〜35)とコーティング層(46)との間で結合力があり、たとえば、最上段のウェハー(31)がボックス(10)から取り出される場合、最上段分離フィルム(41)が一緒に取り出される。この結合力は、たとえば接着接合によるものである。接着接合とは、固体境界面と、個々の粒子、分子、液滴または粉末のいずれかで形成されるか、さもなければ連続した液体フィルムまたは固体フィルムで形成された第2の相との間の接合である。接着は、静電力、ファンデルワールス力または化学接合材によるものであってよい。
【0014】
それと対照的に、分離フィルム(41〜45)の各下方コーティング層(47)は、この実施形態では、非接着性である。したがって、たとえば、積み重ね(20)の中の分離フィルム(41)の下に置かれているウェハー(32)は、この分離フィルム(41)の下方コーティング層(47)と接着することはない。これにより、ウェハー(31)が取り出されている場合、このウェハー(31)のみがボックス(10)から確実に取り出される。
【0015】
この実施形態で非接着性コーティング層(47)として説明したコーティング層(47)はまた、ウェハー(32〜35)に接着してもよい。しかしながら、この結合力は、上方接着性コーティング(46)とウェハー(31〜35)との間で使われている結合力よりも弱い。
【0016】
コーティング層(46、47)は、ウェハー(31〜35)内に存在する活性物質を吸収することはできないので、ウェハー(31〜35)から分離フィルム(41〜45)内への活性物質の移行を防ぐ拡散バリヤを形成する。したがって、容器(10)が湿った環境で長期間保管されたとしても分離材(40)が変化することはない。
【0017】
上記のシリコーン・コーティング層(46、47)の代わりに、フルオロポリマーまたはポリオレフィン(PE、PP)からなるコーティング層を使用してもよい。このようなコーティング層の場合でも、接触・分離力を、2つのフィルム状材料(30)のうち分離材(40)の次に置かれている一方のフィルム状材料(30)がこの材料に接着するが、他方のフィルム状材料(30)は接着しないような方法で選択することはできる。
【0018】
分離材(40)(たとえば、PETフィルムである)は、たとえば、底部シリコーン・コーティング層(47)しか持たないようにしてもよい。底部シリコーン・コーティング層(47)は、たとえば非接着性であり、従ってたとえば積み重ね(20)において分離フィルム(41)の下に置かれているウェハー(32)がこの分離フィルム(41)に接着することがない。
【0019】
分離材(40)は、紙で作ってもよく、両面にポリエチレン・コーティングを施してもよい。次いで、紙の少なくとも片面を、付加的に、たとえば、シリコーン層(47)でコーティングする。これにより、たとえば、上方ウェハー(31)に結合する接着性ポリエチレン層(46)を得ることができる。その下に置かれているシリコーン層(47)は分離紙(41)の下に置かれているウェハー(32)と接着しない。
【0020】
また、フィルム状材料(30)中の活性物質および矯味矯臭物質に対して化学的に不活性であり、物理的に安定なプラスチック・フィルム、複合材などの他の分離材(40)を使用することも可能である。
【0021】
さらにまた、分離材(40)の両面を非接着性としたり、または両面に非接着性コーティングを施したりすることも可能である。たとえば、ポリエチレン・テレフタレートで作った薄膜を、フィルム状材料(30)がそれに接着しないような方法で使用してもよい。
【0022】
したがって、基本的な材料で作るかまたは二次コーティング(46、47)を与えるか、いずれの場合でも、コーティングしてない分離材(40)のケースは、分離材(40)の複数表面の異なった接着性を確実にすることができる。
【0023】
フィルム状材料(30)は、分離材(40)それ自体上に製造してもよい。この場合、たとえば、後者の分離層(40)は、活性物質を含有するフィルム(30)でコーティングされる。フィルム(30)は、たとえば、コーティング工程後に乾燥してから分離層(40)に粘性付着することになる。乾燥作業後(このとき、フィルム状材料(30)には或る含水量が残留している)、フィルム状材料(30)と分離層(40)を、たとえばボックス(10)内に積み重ね、配置する。フィルム状材料(30)、たとえば積み重ね(20)内で分離層(40)の下、たとえば分離フィルム(41)の下に置かれているウェハー(32)のみがこの分離フィルム(41)と接触しているので、これら2つの部分(32および41)が互いに接着しない。
【0024】
分離材(40)上に調製し、乾燥させたフィルム状材料(30)は、ロール上に巻き取ることもできる。この場合にも、ロールの半径方向において分離材(40)の外側に置かれるフィルム状材料(30)がこの分離材(40)に接着しない。これにより、巻き取り、繰り出し操作中にフィルム状材料(30)が裂けるのを防ぐことができる。その結果、ロール上に巻き取った分離材(40)は、後に再びボックス(10)内で使用することができる。たとえば、分離フィルム(41〜45)の形で使用することができる。
【0025】
包装ユニットの保管中に保管スペース内の周囲湿度は変化する。ボックス(10)が密封されていなければ、周囲空気の湿度が上昇するにつれて湿気がフィルム状材料(30)内に侵入することになり、フィルム状材料(30)がこの湿気を吸収することになる。また、周囲空気の湿度が低下すると、フィルム状材料(30)の含水率も低下することになる。中央ヨーロッパにおいて普通の気象条件の下では、種々のフィルム状材料(30)の含水率は、たとえば、5〜10重量%である。しかしながら、たとえば、ボックス(10)が熱帯国で保管される場合、湿気吸収量はかなり高くなり、フィルム状材料(30)が柔らかくなって貼り付きがちとなる。これは、たとえば、ボックス(10)が暖かい日にシャツの胸ポケットに入っているときにも起きることがある。それ故、種々のフィルム状材料(30)は、たとえば、分離材(40)上の上方コーティング層(46)にますます接着する。たとえば、図1に示すボックス(10)の場合、ウェハー(31)は分離フィルム(41)上の上方コーティング層(46)に接着する。この分離フィルム(41)にある非接着性下方コーティング層(47)は、この分離フィルム(41)の下にあるウェハー(32)が分離フィルム(41)に付着するのを防ぐ。
【0026】
図1に示すボックス(10)からウェハー(31〜35)を取り出すためには、蓋(12)を開き、最上段ウェハー(31)を指で挟み、取り出し方向(5)にボックス(10)から引き出す。ウェハー(31)がボックスから引き抜かれている場合、このウェハー(31)に接着している分離フィルム(41)も取り出される。しかしながら、次のウェハー(32)は積み重ね(20)内に残る。したがって、積み重ね(20)の中身は、一度に1つずつウェハーを取り出すことによって問題なくかつ確実に分配される。その結果、ウェハー(31〜35)が医薬品の活性物質を含有していても2個以上の一回投与量の医薬品がボックス(10)から偶発的に取り出さされるというリスクはない。
【0027】
ひとたび取り出したならば、ウェハー(31)を、たとえば、引き離すことによって分離フィルム(41)からフリーにすることができる。ウェハー(31)は、たとえば、経口投与の場合には、こうなれば舌の上に載せることができる。
【0028】
活性物質を有するフィルム(30)の分離材(40)からの分離を容易にするために、分離材(40)をフィルム(30)よりも固く作ってもよい。たとえば、分離材(40)が二軸延伸PETフィルムである場合には、フィルム(30)、分離材(40)の両方を35マイクロメートル厚にしてもよい。しかしながら、分離材(40)が紙である場合には、たとえば100マイクロメートルの厚さを有することになる。
【0029】
その結果、包装ユニットを経済的に作ることができ、使用されるフィルム状材料(30)が保管中に或る程度湿気を吸収してしまったときでも安全かつ信頼性の高い分配作業を確保できる。
【0030】
図4は、機械的に拘束されたウェハー(31〜35)および分離フィルム(41〜45)を有するボックス(10)を示している。ボックス(10)、ウェハー(31〜35)および分離材(41〜45)は、少なくとも図1〜3と関連して説明した部分(10、30、40)とほぼ同じ形状、同じ物理的、化学的性質を有する。
【0031】
図4に示すボックス(10)に形成した内部スペース(15)は、ウェハー(31〜35)および分離フィルム(41〜45)の積み重ね(20)を収容している。同様にして内部スペース(15)内に置かれた垂直方向ボルト(14)が、この積み重ね(20)を貫いて突出している。ウェハー(31〜35)および分離フィルム(41〜45)は、これを可能にするために孔(36、48)を備えている。図5は、2枚のウェハー(31、32)および2枚の分離フィルム(41、42)を有する積み重ね(20)の詳細を示している。ウェハー(31、32)および分離フィルム(41、42)は、この実施形態では、同じ基底面積を有する。両面をコーティングした分離フィルム(41)が、2枚のウェハー(31、32)の間に挿入してある。この実施形態では、上方コーティング層(46)が存在し、最初に取り出される予定の最上部ウェハー(31)はそれに接着する。分離フィルム(41)上の下方コーティング層(47)は、たとえばシリコーン層であり、積み重ね(20)内でその下に置かれているウェハー(32)がそれに接着することはない。図5に示す積み重ね(20)内でこれの下に置かれている分離材(42)は、上述した最初の分離材(41)と同じ構造となっている。
【0032】
ウェハー(31〜35)および分離材(41〜45)の各々は、この図にのみ示すミシン目(38、51)を有し、このミシン目はウェハー(31〜35)の取り出し方向(5)に対して直角に置かれている。
【0033】
たとえば、最初のウェハー(31)を取り出そうとする場合、使用者は分離フィルム(41)と一緒にウェハー(31)を掴み、軽く引いてボックス(10)から取り出す。その結果、ウェハー(31)、そして、おそらく、それに接着している分離フィルム(41)も、ミシン目(38、51)に沿って引き裂かれる。ウェハー(31)は、分離フィルム(41)からフリーにすれば、直ぐに使用することができる。
【0034】
図6は、たとえば、ボルト(14)にループ(37)を用いて拘束することができるフィルム状材料(30)を示している。このフィルム状材料(30)は、たとえば、ミシン目(38)を持たない。対応する分離材(図示せず)も同じ形状を持っていてもよい。フィルム状材料(30)は、たとえば、積み重ね(20)の中でその上に置かれる分離材(40)にも、積み重ね(20)の中でその下に置かれる分離材(40)にも接着することがないようにしてもよい。フィルム状材料(30)がボックス(10)から取り出されている場合、ループ(37)が拡大し、フィルム状材料(30)だけを引き出すことができる。分離材(40)は、たとえば保護カバーとして積み重ね(20)内に留まる。次いで、次のフィルム状材料(30)が引き出される前に分離材(40)を取り出す。
【0035】
図7は、一例として、より大きい分離フィルム(41)に適用した矩形のウェハー(31)を示している。分離フィルム(41)は、たとえば、PETで作ってあり、下方コーティング(47)のみを有する。この分離フィルム(41)は、側方カットアウト部(49)を有し、これらの側方カットアウト部と、ボックス(10)の内部スペース(15)内にある2本の側方拘束ボルトとが分離フィルムを保持することができる(図1または図4参照)。取り出しのためには、たとえば、分離フィルム(41)を手で掴み、それに貼り付いているウェハー(31)と一緒にボックス(10)から引き出す。次に、これら2つの部分(31、41)を互いに切り離す。
【0036】
フィルム状材料(30)および/または分離材(40)は、種々の幾何学的形状を持っていてもよい。積み重ね(20)は、逆向きに配置して、たとえばフィルム状材料(30)が分離材(40)の下面にくっつくようにしてもよい。
【0037】
種々の実施形態の組み合わせも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】ウェハーおよび分離材を有するボックスを示す。
【図2】分離材を示す。
【図3】ウェハーを示す。
【図4】機械的に拘束されたウェハーおよび分離材を有するボックスを示す。
【図5】図4に示す積み重ねの詳細を示す。
【図6】拘束部を有するウェハーを示す。
【図7】ウェハーを備えた分離材を示す。
【符号の説明】
【0039】
5 取り出し方向
10 容器、ボックス
11 ケーシング
12 蓋
13 フィルム継手
14 ボルト
15 内部スペース
20 積み重ね
30 フィルム状材料、フィルム
31〜35 ウェハー
36 孔
37 後部グリップ付きループ
38 ミシン目
40 分離材、分離層
41〜45 フィルム片、分離フィルム、分離紙
46 上方コーティング、接着剤コーティング
47 下方コーティング、非接着性コーティング
48 孔
49 カットアウト部
51 ミシン目

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器と、吸湿性の、または湿気の影響下で軟化性のフィルム状材料とを含む包装ユニットにおいて、
フィルム状材料(30)が、積み重ねの形態で容器(10)内に配置され、
いずれの2枚のフィルム状材料(30)の間にも、これらフィルム状材料(30)に対して物理的に安定でかつ化学的に不活性である分離材(40)が、挿入されており、
各分離材(40)が、言及したその2枚のフィルム状材料(30)と接触しており、そして
該分離材(40)が、これら2枚のフィルム状材料(30)の少なくとも一方に、接着しないか、またはそれが、当の他方のフィルム状材料(30)に接着するよりも、接着するのが弱いかのいずれかである、
ことを特徴とする包装ユニット。
【請求項2】
フィルム状材料(30)が3質量%の最少含水率を有することを特徴とする、請求項1記載の包装ユニット。
【請求項3】
分離材(40)が、フィルム状材料(30)と同一の寸法を有するか、またはフィルム状材料(30)より大であることを特徴とする、請求項1記載の包装ユニット。
【請求項4】
容器(10)が、しっかりと閉ざされることを特徴とする、請求項1記載の包装ユニット。
【請求項5】
個々の分離材(40)が、少なくとも片面に、非接着性コーティング(47)を有するPETフィルムであることを特徴とする、請求項1記載の包装ユニット。
【請求項6】
コーティング(47)が、シリコーン・コーティングであることを特徴とする、請求項5記載の包装ユニット。
【請求項7】
コーティング(47)が、フルオロポリマー・コーティングであることを特徴とする、請求項5記載の包装ユニット。
【請求項8】
コーティング(47)が、ポリオレフィン・コーティングであることを特徴とする、請求項5記載の包装ユニット。
【請求項9】
分離材(40)が、非接着性コーティング(47)を有する面とは反対側の面に、フィルム状材料(30)と接触して接着するコーティング(46)を有することを特徴とする、請求項5記載の包装ユニット。
【請求項10】
少なくとも分離材(40)が、容器(10)内に機械的に拘束されていることを特徴とする、請求項1記載の包装ユニット。
【請求項11】
少なくともフィルム状材料(30)が、ミシン目(38)を有することを特徴とする、請求項10記載の包装ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2009−506957(P2009−506957A)
【公表日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−529497(P2008−529497)
【出願日】平成18年8月25日(2006.8.25)
【国際出願番号】PCT/EP2006/008335
【国際公開番号】WO2007/028507
【国際公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【出願人】(300005035)エルテーエス ローマン テラピー−ジステーメ アーゲー (128)
【Fターム(参考)】