説明

不規則形状粒子及び球状粒子を含有するパーソナルクレンジング組成物

本発明の組成物は、少なくとも0.01μmの粒径を有する少なくとも約0.1重量%の不規則形状粒子、少なくとも0.01μmの粒径を有する少なくとも約0.1重量%の球状粒子、少なくとも約20重量%の水性キャリアを有するパーソナルクレンジング組成物であって、球状粒子の中央粒径が不規則形状粒子の中央粒径よりも大きいパーソナルクレンジング組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒子を含有するパーソナルクレンジング組成物に関する。より具体的には、本発明は不規則形状粒子と球状粒子との混合物を含有するパーソナルクレンジング組成物に関する。該組成物は、不規則形状粒子の効果、特に毛髪のボリューム及び豊かさを、改善されたコンディショニング及び櫛通りのような球状粒子から提供される効果とともに提供することを意図する。
【背景技術】
【0002】
固体粒子は、種々の配合物及びパーソナルケア組成物において有益剤として使用されることが知られている。固体粒子は、固体粒子を含む組成物にも、前記組成物が適用される表面にも効果を付与することができる。固体粒子は、例えば、顔料若しくは着色剤、不透明化剤、パールエッセンス剤、触感改良剤、油分吸収剤、皮膚保護剤、つや消し剤、摩擦増進剤、スリップ剤、コンディショニング剤、剥離剤、臭気吸収剤、又は洗浄増進剤として使用することができる。更に、各種の疾患又は社会的に厄介な状況に対する処理剤として有用な多くの活性成分が入手可能であり、典型的には、制汗剤、抗ふけ剤、抗菌剤、抗生物質、及び日焼け止め剤を含めて固体微粒子形状で使用される。
【0003】
典型的には、粒子の適用によって表面の特性を改質することが所望される場合、粒子は、影響を受ける表面に擦り込まれ、噴霧され、又は直接適用されるリーブオン調製物を介して適用される。固体粒子を毛髪又は皮膚表面に送達するのに好適で典型的なパーソナルケア調製物としては、保湿剤、ローション、クリーム、非圧縮又は押圧パウダー、スティック、トニック、ジェル、及びエアゾール又はポンプスプレーのような種々のスプレーが挙げられる。これらの製品は、一般に、表面に直接適用されると、その表面に粒子は付着して、組成物それ自体によって、又は蒸発及び乾燥後の組成物の不揮発残留要素によって保持される。
【0004】
固体粒子の有益剤を、ヘアリンス、シャンプー、リキッド及び棒状石けん、コンディショナー又は着色剤のようなリンスオフ(rinse-off)組成物又はクレンジング組成物の中に配合することも知られている。固体粒子有益剤は、前記組成物自体の総合的外観、安定性又は審美性に影響を及ぼすためにしばしば使用される。例えば、着色剤粒子、顔料、又はパールエッセンス剤を組成物に加えると、潜在的な消費者にとってこの製品の受入れと魅力が高まることが知られている。使用の際の本組成物の性能、外観若しくは審美特性に影響を及ぼすか、又は使用者に触感の信号を発するために微粒子有益剤を加えることも知られている。例えば、剥離剤粒子は、摩耗性及び洗浄される表面からの油類及び汚れの除去を改善し、使用者に「きれいに洗い落とした」という実感を付与するために、クレンジング組成物に使用されることが多い。一般に、このような固体粒子剤は、基材に付着することは意図されず、又は望まれず、本組成物の希釈とすすぎの過程で、固体粒子剤が適用される表面から取り除かれる。
【0005】
毛髪繊維間の相互作用の増大を通じて、毛髪のボリューム、量、又は豊かさを改善するため、固体粒子をリンスオフ又はクレンジング組成物に配合することも知られている。洗浄組成物からの固体粒子有益剤の付着を目的とする場合に、これまで利用可能な組成物は、過剰量の粒子剤の使用を必要とする効率の悪い付着、又は利益の効果的でない提供という欠点があった。更に毛髪繊維間の増大された相互作用の提供を意図する固体粒子を含有する組成物は、しばしば、粒子の摩擦衝撃により、マイナスのコンディショニング、湿潤毛髪のときほぐし、湿潤櫛通り性能を生じる。粒子を含有する組成物に起因するマイナスのコンディショニングを緩和するための過去の試みは、不十分であったか又は粒子に関連する付着若しくは効果に悪影響を与えた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、固体粒子有益剤を含有すること及び処理表面に有効に付着及び保持することができ、毛髪のボリューム、量及び豊かさの改善を提供し、同時に改善された湿潤コンディショニング及び櫛通り性能を提供するリンスオフクレンジング組成物の必要性が依然としてある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
今回、不規則形状粒子と球状粒子との組み合わせは、毛髪のボリューム、量及び豊かさの改善を、改善された湿潤コンディショニング及び櫛通り性能とともに提供できることが発見された。本発明は、
a)約5〜約50重量%の洗浄性界面活性剤と、
b)少なくとも約0.1重量%からの、少なくとも0.01μmの粒径を有する不規則形状粒子と、
c)少なくとも約0.1重量%からの、少なくとも0.01μmの粒径を有する球状粒子と
d)少なくとも約20重量%からの水性キャリアとを含むパーソナルクレンジング組成物であって、
前記球状粒子の中央粒径が、不規則形状粒子の中央粒径よりも大きいパーソナルクレンジング組成物に関する。
【0008】
あるいは、本発明は、球状粒子と不規則形状粒子との重量比が少なくとも1:1であるパーソナルクレンジング組成物、又は該パーソナルクレンジング組成物での処理後に毛髪が約1〜約2の摩擦係数を示すパーソナルクレンジング組成物に関する。
本発明は更に、パーソナルクレンジング組成物を用いる方法に関する。
【0009】
本発明の前述及びその他の特徴、態様、並びに利点は、本開示を読むことにより当業者に明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本明細書は本発明を特に指摘し、明確に請求する特許請求の範囲で完結しているが、本発明は以下の説明から、更によく理解されると考えられる。
本発明のパーソナルクレンジング組成物は、洗浄性界面活性剤、非血小板形粒子、付着補助剤、及び水性キャリアを含む。これらの必須構成成分のそれぞれ、並びに好ましい又は任意の構成成分は以下に詳しく記載される。
百分率、部及び比率はすべて、特に指定されない限り、本発明の組成物の総重量に基づく。このようなすべての重量は、記載される成分に関する限り活性物質濃度に基づくものであり、そのため特に指定されない限り、市販材料に含まれる場合がある溶媒又は副産物は含まない。
特に指定されない限り、本明細書で使用される分子量はすべて、g/molとして表される重量平均分子量である。
【0011】
本明細書では、「含む」とは、最終結果に影響を与えない他の工程及び他の成分を追加できることを意味する。この用語は、「から成る」及び「から本質的に成る」という用語を含む。本発明の組成物及び方法/プロセスは、本明細書に記載される本発明の必須要素及び制限事項と同様に、本明細書に記載されるいかなる追加若しくは任意の成分、構成要素、工程、又は制限事項をも含み、これらから成り、またこれらから本質的に成ることができる。
【0012】
本明細書で使用するとき、「流体」という用語は、その容器の形状をとりやすい液体又は気体を意味し、容器は可撓性の中空粒子の壁である。
【0013】
本明細書で使用するとき、「中空」という用語は、固体質量を実質的に含まない内包領域を有する粒子を意味し、この内包領域は粒子の全体積の10〜99.8%を構成する。
【0014】
本明細書で使用するとき、「非血小板形」という用語は、最大寸法と最小寸法の比(アスペクト比として定義される)が10未満である球形、卵形、不規則、又は他のいかなる形状を有する粒子をも意味する。
【0015】
本明細書で使用するとき、「不規則」という用語は、非球形、卵形、楕円形、又はその他の不均一形状を有する及び/又は不均一な表面質感を有する非球形及び非血小板形粒子を意味する。
【0016】
本明細書で使用するとき、「透過性」という用語は、所与の条件下で液体又は気体を通過させる物質を意味する。
【0017】
本明細書で使用するとき、「ポリマー」という用語は、一種類のモノマーの重合によって作られるか、又は二種類(すなわち、コポリマー)若しくはそれ以上のモノマーよって作られる物質を含む。
【0018】
本明細書で使用するとき、「球」という用語は、定点からの距離がおよそ一定である、距離空間における点の集合である球状体を意味する。ここでは、「およそ」の意味は定点が±15%の距離範囲内にあることを意味する。
【0019】
本明細書で使用するとき、「水溶性」という用語は、ポリマーが本組成物中の水に可溶性であることを意味する。一般に、ポリマーは25℃で、水溶媒の0.1重量%、好ましくは1重量%、より好ましくは5重量%、最も好ましくは15重量%の濃度で可溶性であるべきである。
【0020】
引用した参照文献はすべて、それらの全体が本明細書に参考として組み込まれる。いかなる参照文献の引用も、特許請求する本発明に対する従来技術としての有用性の決定に関する容認ではない。
【0021】
A.(洗浄性界面活性剤)
本発明の組成物は、洗浄性界面活性剤を含む。洗浄性界面活性剤構成成分は、組成物に洗浄性能をもたらすために含まれる。洗浄性界面活性剤構成成分は、順番に、アニオン性洗浄性界面活性剤、双極性若しくは両性洗浄性界面活性剤、又はこれらの組み合わせを含む。このような界面活性剤は、本明細書に記載される必須構成成分と物理的及び化学的に適合すべきであり、又はその他の点では製品の安定性、審美性若しくは性能を過度に損なわない。
【0022】
本明細書の組成物に使用される好適なアニオン性洗浄性界面活性剤構成成分には、ヘアケア又は他のパーソナルケア洗浄組成物への使用に既知のものが挙げられる。組成物中のアニオン性界面活性剤構成成分の濃度は、所望の洗浄及び起泡性能を提供するのに十分であるべきであり、一般に、約5%〜約50%、好ましくは約8%〜約30%、より好ましくは約10%〜約25%、更により好ましくは約12%〜約22%の範囲である。
【0023】
組成物に使用するのに好適な好ましいアニオン性界面活性剤は、アルキルサルフェート類及びアルキルエーテルサルフェート類である。これらの物質は、それぞれの式、ROSO3M及びRO(C24O)xSO3Mを有し、式中、Rは約8〜約18個の炭素原子のアルキル又はアルケニルであり、xは1〜10の値を有する整数であり、Mはカチオンであり、例えば、アンモニウム、トリエタノールアミンのようなアルカノールアミン、ナトリウム及びカリウムのような一価金属、並びにマグネシウム及びカルシウムのような多価金属カチオンである。
【0024】
好ましくは、Rは、アルキルサルフェート類及びアルキルエーテルサルフェート類の両方において、約8〜約18個の炭素原子、より好ましくは約10〜約16個の炭素原子、更により好ましくは約12〜約14個の炭素原子を有する。アルキルエーテルサルフェート類は、通常、エチレンオキシドと約8〜約24個の炭素原子を有する一価アルコール類との縮合生成物として製造される。アルコール類は合成であることも、脂肪、例えばココヤシ油、パーム核油、タローから誘導することもできる。ココヤシ油又はパーム核油から誘導されるラウリルアルコール及び直鎖アルコール類が好ましい。そのようなアルコール類を、約0〜約10mol、好ましくは約2〜約5mol、より好ましくは約3molのエチレンオキシドと反応させ、例えばアルコール1molにつき平均3molのエチレンオキシドを有する分子種の得られる混合物を硫酸化し、中和させる。
【0025】
他の適切なアニオン性洗浄性界面活性剤は、化学式[R1−SO3−M]に従う有機の硫酸反応生成物の水溶性塩である式中、R1は約8〜約24個、好ましくは約10〜約18個の炭素原子を有する、直鎖又は分枝鎖の飽和脂肪族炭化水素ラジカルであり、Mは先に記載されたカチオンである。
【0026】
更に他の好適なアニオン性洗浄性界面活性剤は、イセチオン酸でエステル化され、水酸化ナトリウムで中和された脂肪酸の反応生成物であり、ここで、例えば脂肪酸はココヤシ油又はパーム核油から誘導される;脂肪酸が、例えばココヤシ油又はパーム核油から誘導される脂肪酸である、メチルタウリドの脂肪酸アミドのナトリウム又はカリウム塩である。他の同様なアニオン性界面活性剤は、米国特許第2,486,921号、第2,486,922号、及び第2,396,278号に記載されている。
【0027】
組成物に用いるのに好適な他のアニオン性洗浄性界面活性剤は、コハク酸塩であり、その例としては、N−オクタデシルスルホコハク酸二ナトリウム;ラウリルスルホコハク酸二ナトリウム;ラウリルスルホコハク酸ジアンモニウム;N−(1,2−ジカルボキシエチル)−N−オクタデシルスルホコハク酸四ナトリウム;スルホコハク酸ナトリウムのジアミルエステル;スルホコハク酸ナトリウムのジヘキシルエステル;及びスルホコハク酸ナトリウムのジオクチルエステルが挙げられる。
【0028】
他の好適なアニオン性洗浄性界面活性剤には、約10〜約24個の炭素原子を有するオレフィンスルホネートが挙げられる。真正のアルケンスルホネート及び一部のヒドロキシ−アルカンスルホネートに加えて、オレフィンスルホネートは、反応条件、反応物の比率、オレフィンストックにおける出発オレフィン及び不純物の性質、並びにスルホン化プロセス中の副反応に依存して、アルケンジスルホネートのような少量の他の材料を含むことができる。このようなα−オレフィンスルホネート混合物の非限定例は、米国特許第3,332,880号に記載されている。
【0029】
組成物に用いるのに好適なアニオン性洗浄性界面活性剤の別の部類は、β−アルキルオキシアルカンスルホネート類である。これらの界面活性剤は、式(I):
【0030】
【化1】

に従い、式中、R1は約6〜約20個の炭素原子を有する直鎖アルキル基であり、R2は約1〜約3個の炭素原子、好ましくは1個の炭素原子を有する低級アルキル基であり、Mは先に記載したような水溶性のカチオンである。
【0031】
本組成物に用いられる好ましいアニオン性洗浄性界面活性剤には、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエチルアミン、ラウレス硫酸トリエチルアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウレス硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウレス硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸ジエタノールアミン、ラウレス硫酸ジエタノールアミン、ラウリルモノグリセリド硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウレス硫酸カリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ラウリルサルコシン、ココイルサルコシン、ココイル硫酸アンモニウム、ラウロイル硫酸アンモニウム、ココイル硫酸ナトリウム、ラウロイル硫酸ナトリウム、ココイル硫酸カリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ココイル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、トリデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0032】
本明細書の組成物に用いるのに好適な両性又は双極性の洗浄性界面活性剤には、ヘアケア又は他のパーソナルクレンジング組成物での使用が既知の界面活性剤が挙げられる。こうした両性の洗浄性界面活性剤の濃度は、好ましくは、約0.5%〜約20%、好ましくは約1%〜約10%の範囲である。好適な双極性又は両性界面活性剤の非限定例は、米国特許第5,104,646号(ボリッチ・ジュニア(Bolich Jr.)ら)、同第5,106,609号(ボリッチ・ジュニアら)に記載されている。
【0033】
本組成物に用いるのに好適な両性洗浄性界面活性剤は、当該技術分野において周知であり、脂肪族ラジカルが直鎖又は分枝鎖であることができる脂肪族二級及び三級アミンの誘導体として広く記述される界面活性剤が挙げられるが、その際、脂肪族置換基の1つは約8〜約18個の炭素原子を含有し、1つはカルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、又はホスホネートのようなアニオン性基を含有する。本発明に用いるのに好ましい両性洗浄性界面活性剤には、ココアンホ酢酸塩、ココアンホ二酢酸塩、ラウロアンホ酢酸塩、ラウロアンホ二酢酸塩、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0034】
組成物に用いるのに好適な双極性洗浄性界面活性剤は、当該技術分野において周知であり、脂肪族ラジカルが直鎖又は分枝鎖であることができる脂肪族第四級アンモニウム、ホスホニウム、及びスルホニウム化合物の誘導体として広く記載されている界面活性剤が挙げられるが、その際、脂肪族置換基の1つは約8〜約18個の炭素原子を含有し、1つはカルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート又はホスホネートのようなアニオン性基を含有する。ベタインのような双極性のものが好ましい。
【0035】
本発明の組成物は、前述したアニオン性洗浄性界面活性剤構成成分と組み合わせて使用される追加的な界面活性剤を更に含んでもよい。好適な任意の界面活性剤には、非イオン性及びカチオン性の界面活性剤が挙げられる。ヘアケア製品又はパーソナルケア製品に用いられる、当該技術分野において既知のいずれの界面活性剤を使用してもよいが、その任意の追加的な界面活性剤が、やはり組成物の必須構成成分と化学的及び物理的に適合性があるか、そうでなければ製品性能、審美性又は安定性を過度に損なわない場合に限る。組成物中の任意の追加的な界面活性剤の濃度は、所望の洗浄又は起泡性能、選択される任意の界面活性剤、所望の製品濃度、組成物中の他の構成成分の存在、及び当該技術分野において周知の他の要因に応じて変更してもよい。
【0036】
本組成物での使用に好適なその他のアニオン性、双極性、両性、又は任意の追加の界面活性剤類の非限定例は、マカッチャン(McCutcheon)著、乳化剤及び洗剤(Emulsifiers and Detergents)(1989年鑑、M.C.パブリッシング社(M.C.Publishing Co.)出版)、及び米国特許第3,929,678号、同第2,658,072号、同第2,438,091号、同第2,528,378号に記載されている。
【0037】
B.(粒子)
本発明の組成物は粒子を含む。粒子は不規則形状粒子、球状粒子、又は血小板形粒子であってもよい。本発明の1つの実施形態において、組成物は少なくとも1つの球状粒子と少なくとも1つの不規則粒子との混合物を含有し、その際球状粒子の中央粒径が不規則粒子の中央粒径よりも大きい。本発明の別の実施形態では、組成物中の球状粒子と不規則形状粒子との重量比が少なくとも約1:1、好ましくは少なくとも約1.5:1、より好ましくは少なくとも約2:1、及びより一層好ましくは少なくとも約2.5:1である。本発明の別の実施形態において、組成物は少なくとも1つの他の粒子と組み合わせて少なくとも1つの球状粒子を含有し、その際該パーソナルクレンジング組成物での処理後、毛髪は約1〜約2の摩擦係数を示し、好ましくは毛髪は約1.05〜約1.8の摩擦係数を示し、より一層好ましくは毛髪は約1.1〜約1.7の摩擦係数を示し、更により好ましくは、毛髪は約1.2〜約1.6の摩擦係数を示す。
【0038】
1.(不規則形状粒子)
本発明の組成物は、不規則形状粒子を含む。不規則形状粒子は、均一な球状又は血小板形を持たない粒子である。不規則形状粒子は、一般に、沈殿、研削若しくは粉砕によって得られ、又は溶融若しくは凝集した一次粒子を含み、不規則な形状又は表面質感を有する粒子を生成する。本発明の不規則形状粒子は、好ましくは、100μm未満の粒径を有する。典型的には、粒子は、直径約0.01μm〜約80μm、更により好ましくは約0.1μm〜約70μm、更により好ましくは約0.5μm〜約60μm、一層より好ましくは直径約1μm〜約40μmの粒径を有する。
【0039】
本発明の組成物中に、少なくとも0.05重量%の不規則形状粒子、より好ましくは少なくとも0.1重量%、なおより好ましくは少なくとも0.2重量%、更により好ましくは少なくとも0.5重量%の粒子を組み込むことが好ましい。本発明の組成物中に、約20重量%以下の粒子、より好ましくは約10重量%以下、なおより好ましくは5重量%以下、更により好ましくは2重量%以下の不規則形状粒子を組み込むことが好ましい。
【0040】
不規則粒子及び使用濃度は、組成物の特定目的に応じて選択される。例えば、色の効果をもたらすことが望まれる場合、所望の色相を付与する顔料粒子を組み込むことができる。毛髪のボリューム又はスタイル保持の効果が所望される場合には、摩擦を与えることができる粒子を、毛髪のスタイルの乱れ及び崩れを低減するために用いることができる。濃度及び粒子の種類の決定は当業者の技術の範囲内である。安全であるとして一般に認識され、本明細書に参考として組み込まれるC.T.F.A化粧品原料便覧((Cosmetic Ingredient Handbook)、第6版、化粧品工業会(Cosmetic and Fragrance Assn.,Inc.)ワシントンD.C.(1995年))に記載されている粒子を用いることができる。
【0041】
粒子は、色付きであっても又は色付きでなく(例えば、白色)てもよい。好適な不規則形状粒子には、例えば、ヒュームドシリカ、ポリメチルメタクリレート、微粉化テフロン(登録商標)、窒化ホウ素、硫酸バリウム、アクリレートポリマー類、ケイ酸アルミニウム、オクテニルコハク酸デンプンアルミニウム、ケイ酸カルシウム、セルロース、チョーク、コーンスターチ、珪藻土、フラー土、グリセリルスターチ、水和シリカ、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、三ケイ酸マグネシウム、マルトデキストリン、微結晶セルロース、コメデンプン、シリカ、二酸化チタン、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、ネオデカン酸亜鉛、ロジン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ポリエチレン、アルミナ、アタパルジャイト、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、デキストラン、ナイロン、シリル化シリカ、シルクパウダー、大豆粉、酸化第一スズ、水酸化チタン、リン酸三マグネシウム、クルミ殻粉末、又はこれらの混合物が挙げられる。上述の粉末は、レシチン、アミノ酸類、鉱油、シリコーンオイル、又は単独の若しくは組み合わせによる様々なその他の剤により表面処理されてもよく、これらは粉末表面をコーティングし粒子を性質上疎水性にする。
【0042】
不規則形状粒子構成成分は、種々の有機及び無機顔料も含んでもよい。有機顔料は一般に、アゾ、インジゴイド、トリフェニルメタン、アントラキノン、及びキサンチン染料を含む様々な芳香族型であり、これらはD&C及びFD&Cブルー、ブラウン、グリーン、オレンジ、レッド、イエローなどとして表記される。有機顔料は一般に、レーキと呼ばれる認定着色添加物の不溶性金属塩からなる。無機顔料としては、酸化鉄、ウルトラマリン、及びクロム、又は水酸化クロムカラー、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0043】
種々の形状及び密度の水不溶性不規則形状粒子が有用である。好ましい不規則形状粒子は、最大寸法と最小寸法との比(アスペクト比と定義される)が10未満である卵形、楕円、又はいかなるその他の形状も有する傾向がある。更に好ましくは、粒子のアスペクト比は8未満である。なお、更に好ましくは、粒子のアスペクト比は5未満である。
【0044】
本発明に有用な粒子は、その組成において、無機、合成、又は半合成であることができる。ハイブリッド粒子もまた有用である。合成粒子は、架橋ポリマーからも非架橋ポリマーからも製造することができる。本発明の粒子は表面電荷を有することができ、又はその表面は、界面活性剤、ポリマー、及び無機物質のような有機若しくは無機物質により改質されることもできる。粒子錯体も有用である。
【0045】
有用な無機粒子の例には、コロイド状シリカ、ヒュームドシリカ、沈降シリカ、及びシリカゲルを含む様々なシリカ粒子が挙げられる。コロイド状シリカの非限定例には、日産化学アメリカ・コーポレーション(Nissan Chemical America Corporation)より入手可能であるスノウテクス(Snowtex)C、スノウテクス(Snowtex)O、スノウテクス(Snowtex)50、スノウテクス(Snowtex)OL、スノウテクス(Snowtex)ZL、及びW.R.グレース社(W.R.Grace & Co.)よりルドックス(Ludox)の商品名で入手可能であるコロイド状シリカが挙げられる。ヒュームドシリカの非限定例には、デグサ社(Degussa Corp.)より入手可能であるアエロジル(Aerosil)130、アエロジル(Aerosil)200、アエロジル(Aerosil)300、アエロジル(Aerosil)R972、及びアエロジル(Aerosil)R812として入手可能な親水性及び疎水性形態、並びに、キャボット社(Cabot Corp.)よりキャブ−オー−シル(Cab-O-Sil)M−5、HS−5、TS−530、TS−610、及びTS−720が挙げられるキャブ−オー−シル(Cab-O-Sil)の商品名で入手可能であるものが挙げられる。沈降シリカの非限定例には、デグサ社(Degussa Corp.)よりサイパーナット(Siperna)350、360、22LS、22S、320、50S、D10、D11、D17、及びC630を含む商品名サイパーナット(Sipernat)で親水性及び疎水性のいずれの形態でも入手可能なもの、W.R.グレース社(W.R.Grace & Co.)より商品名シロイド(Syloid)で販売されているもの、J.M.フーバー社(J.M.Huber Corp.)より商品名ゼオチクス(Zeothix)及びゼオデント(Zeodent)の商品名で販売されているもの、並びにローディア(Rhodia)より商品名チキソシル(Tixosil)で入手可能なものが挙げられる。有用な無機粒子のその他の非限定例には、デグサ(Degussa)より入手可能なP25、カー・マギー・ケミカル社(Kerr McGee Chemical Corp)より入手可能なトロノックス(Tronox)CR−840、及びタイカ社(Tayca Corp.)より入手可能なMT−500B及びMT−100Tのような二酸化チタン、及びデグサ社(Degussa Corp)より入手可能なアルミニウムオキシドC(Aluminum Oxide C)及びアルケム社(AluChem Inc.)より入手可能なAC720、AC712及びAC740のような酸化アルミニウムを含む種々の金属酸化物が挙げられる。その他の有用な無機粒子としては、日本ペイント社(Nippon Paint Corp.)より入手可能なグラマーグローガラスチップス(Glamur Glo Glass Chips)のようなシリケートガラス粒子が挙げられる。
【0046】
有用な有機不規則形状粒子の例には、不規則表面質感及び非球形を有する合成樹脂粒子が挙げられる。非限定例には、GEシリコーンズ(GE Silicones)よりトスパール(Tospearl)240及びSR1000として入手可能なシリコーン樹脂が挙げられる。
【0047】
好ましい粒子は、組成物の典型的な加工によっても顕著に影響されない物理的特性も有する。好ましくは、約70℃を超える融点を有する粒子が用いられる。なおより好ましくは、80℃を超える融点を有する粒子が用いられ、最も好ましくは約95℃を超える融点を有する粒子が用いられる。本明細書で使用されるとき、融点は、粒子が液体又は流体状態へ転移する温度、又は顕著な変形若しくは物理的特性の変化を受ける温度を指す。加えて、本発明の固体粒子の多くは架橋されているか、又は架橋表面膜を有する。これらの粒子は明確な融点を示さない。架橋粒子はまた、本組成物の製造に用いられる加工条件及び貯蔵条件下でそれらが安定である限り有用である。好ましくは、粒子は薬用活性物質でない。より好ましくは、粒子は抗ふけ活性物質でない。
【0048】
好ましい不規則形状粒子には、親水性及び疎水変性の沈降シリカ及びアルミナが挙げられる。特に好ましい不規則形状粒子には、親水性及び疎水変性の沈降シリカが挙げられる。
【0049】
2.(球状粒子)
本発明の組成物は、球状粒子を含む。球状粒子は、球体の形状を有するか又は実質的に有し、また中空でも中実でもよい。球形は、光学又は電子顕微鏡評価を通じて評価できる。本発明の球状粒子は、好ましくは100μm未満の粒径を有する。典型的には、粒子は、直径約0.01μm〜約80μm、なおより好ましくは約0.1μm〜約70μm、更により好ましくは約0.5μm〜約60μm、一層より好ましくは直径約1μm〜約40μmの粒径を有する。好適な球状粒子には、有機及び無機の微小球又はそれらの組み合わせが挙げられる。
【0050】
本発明の組成物中に、少なくとも0.05重量%の球状粒子、より好ましくは少なくとも0.1重量%、なおより好ましくは少なくとも0.2重量%、更により好ましくは少なくとも0.5重量%の球状粒子を組み込むことが好ましい。本発明の組成物中に約20重量%以下の粒子、更に好ましくは約10重量%以下、なお更に好ましくは5重量%以下、更に一層好ましくは2重量%以下の粒子を組み込むことが好ましい。
【0051】
合成球状粒子の例には、ナイロン、シリコーン樹脂、ポリ(メタ)アクリレート、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリウレタン、ポリアミド、エポキシ樹脂、尿素樹脂、及びアクリル粉末が挙げられる。有用な粒子の非限定例としては、コボ・プロダクツ社(Kobo Products,Inc.)より入手可能なMP−2200、BPA−500(ポリメチルメタクリレート)、EA−209(エチレン/アクリレートコポリマー)、SP−501(ナイロン−12)、SP−10(ナイロン−12)、ES−830(ポリメチルメタクリレート)、BPD−800、BPD−500、BPA−500(ポリウレタン)及びCL208(ポリエチレン)球状粒子、クォンタム・ケミカル(Quantum Chemical)よりMN701、MN710、MN−714、MN−722、及びFN5100を含むマイクロテン(Microthene)の商品名で入手可能なもの、シャムロック・テクノロジーズ社(Shamrock Technologies,Inc.)よりセラピュア(CeraPURE)の商品名で入手可能なもの、マイクロパウダーズ社(Micropowders Inc.)よりマイクロポリ(MicroPoly)の商品名で入手可能なもののような球状ポリエチレン粉末、シャムロック・テクノロジーズ社(Shamrock Technologies,Inc.)よりフルオロピュア(FluoroPURE)及びハイドロピュア(HydroPURE)の商品名で入手可能なもののようなポリテトラフルオロエチレン粉末、並びにGEシリコーンズ(GE Silicones)よりトスパール(Tospearl)105、120、130、145、3120を含むトスパール(Tospearl)粒子の名称で販売されるシリコーン樹脂が挙げられる。プレスパース社(Presperse,Inc.)よりGM−0600W、GM−0800S(ポリメチルメタクリレート)、PS−8F、GS−0605、GS−0805(架橋ポリスチレン)、及びGPA−700(ナイロン−12)を含むガンズパール(Ganzpearl)の商品名で入手可能な球状粒子も有用である。
【0052】
球状無機粒子も本発明で有用である。無機球状粒子の非限定例には、コボ・プロダクツ社(KOBO Products,Inc.)より入手可能なMSS−500/H、MSS−500/3H、MSS−500、MSS−500/3、MSS−500/N及びMSS−500/3N、プレスパース社(Presperse Inc.)よりスフェロン(Spheron)N−2000、P1000、P−1500及びL−1500を含む商品名スフェロン(Spheron)で入手可能なもの、並びにスンジン・ケミカル社(Sunjin Chemical Co.)よりサンシル(Sunsil)20、20L、20H、50L、50、50H、130L、130及び130Hを含む商品名サンシル(Sunsil)で入手可能なものを含む種々の粒径及び多孔性で入手可能な球状シリカ粒子が挙げられる。本発明に有用な球状無機粒子のその他の非限定例には、3MよりCM−111コスメティック・ミクロスフェアーズ(Cosmetic Microspheres)の商品名で入手可能なもののようなケイ酸マグネシウムを含む様々なケイ酸塩、及び日本ペイント社(Nippon Paint Corp.)よりプリズマライト・ガラススフェアーズ(PrizmaLite Glass Spheres)の商品名で入手可能なもののようなガラス球状粒子が挙げられる。
【0053】
球状中空粒子も本発明で有用である。本発明の粒子の壁は熱可塑性物質から形成されてもよい。熱可塑性物質は、次の群から選択される少なくとも1つのモノマーのポリマー又はコポリマーであってもよい:アクリレート類、メタクリレート類、スチレン、置換スチレン、不飽和のジハライド類、アクリロニトリル類、メタクリロニトリル、塩化ビニリデン。熱可塑性物質は、アミド、エステル、ウレタン、尿素、エーテル、カーボネート、アセタール、スルフィド、ホスフェート、ホスフォネートエステル、及びシロキサンの各結合を含有してもよい。
【0054】
市販の中空球状粒子の非限定例は、551DE(およそ30〜50μmの粒径範囲及びおよそ42kg/m3の密度)、551DE20(およそ15〜25μmの粒径範囲及びおよそ60kg/m3の密度)、461DE(およそ20〜40μmの粒径範囲及び60kg/m3の密度)、551DE80(およそ50〜80μmの粒径及びおよそ42kg/m3の密度)、091DE(およそ35〜55μmの粒径範囲及びおよそ30kg/m3の密度)であり、これらのすべては、アクゾ・ノーベル(Akzo Nobel)より、エクスパンセル(EXPANCEL)(商標)の商標で市販されている。本明細書で使用するのに好適な粒子の他の例は、ピアース・アンド・スティーブンス社(Pierce & Stevens Corporation)より微小球のシリーズとしてデュアライト(DUALITE)(登録商標)及びマイクロパール(MICROPEARL)(商標)の各商標で市販されている。特に好ましい中空粒子は、091DE及び551DE50である。本発明の中空粒子は、乾燥した状態でも水和した状態でも存在する。前述の粒子は皮膚に対して毒性も刺激性もない。
【0055】
本発明で有用な中空粒子は、例えば、EP56,219、EP348,372、EP486,080、EP320,473、EP112,807、及び米国特許第3,615,972号に記載されている方法によって調製することができ、これらそれぞれのすべての開示内容は本明細書に参考として組み込まれる。例えば、酢酸ビニル若しくは乳酸ビニルのようなエステル類、又は例えば、イタコン酸、シトラコン酸、マレイン酸若しくはフマル酸のような酸類から得られるポリマー及びコポリマーからなる粒子もまた用いられてもよい。この点については、その完全な開示内容を本明細書に参考として組み込まれる日本特許出願JP−A−2−112304(Japanese Patent Application No.JP-A-2-112304)を参照されたい。
【0056】
別の方法としては、本発明で有用な中空粒子の壁は、無機物質から形成されてもよい。無機物質は、シリカ、ソーダ灰−ホウケイ酸塩ガラス、シリカ−アルミナセラミック、又はアルカリアルミノケイ酸塩セラミックでもよい。市販の好適な低密度の無機粒子の非限定例は、H50/10,000EPX(およそ20〜60μmの粒径範囲)、S38(およそ15〜65μmの粒径範囲)、W−210(およそ1〜12μmの粒径範囲)、W−410(およそ1〜24μmの粒径範囲)、W−610(およそ1〜40μmの粒径範囲)、G−200(およそ1〜12μmの粒径範囲)、G−400(およそ1〜24μmの粒径範囲)、G−600(およそ1〜40μmの粒径範囲)であり、これらのすべては、3M(商標)スコッチライト(Scotchlite)(商標)ガラスバブルズ(Glass Bubbles)、3M(商標)ジオスフェアーズ(Zeeospheres)(商標)セラミック微小球、及び3M(商標)ゼット−ライト・スフェアーズ(Z-Light Spheres)(商標)セラミック微小球(Ceramic Microsphere)の商標で市販されている。PQコーポレーション(PQ Corporation)より入手可能なラクシル(LUXSIL)(商標)(中央直径3〜13μm)として販売されている中空ホウケイ酸アルミニウムカルシウム球体も有用である。
【0057】
粒子の表面は、静電気発生により、若しくは種々のイオン基の直接結合により荷電されていてもよく、又は短鎖、長鎖若しくは分枝アルキル基を介して架橋されていてもよい。表面電荷は性質上では、アニオン性、カチオン性、双極性、又は両性であることができる。
【0058】
好ましい球状粒子は、組成物の典型的な加工によって顕著に影響されない物理的特性も有する。好ましくは、約70℃を超える融点を有する粒子が用いられる。なおより好ましくは、80℃を超える融点を有する粒子が用いられ、最も好ましくは約95℃を超える融点を有する粒子が用いられる。本明細書で使用されるとき、融点は、粒子が液体又は流体状態へ転移する温度、又は顕著な変形若しくは物理的特性の変化を受ける温度を指す。加えて、本発明の固体粒子の多くは架橋されているか、又は架橋表面膜を有する。これらの粒子は明確な融点を示さない。架橋粒子もまた、本組成物の製造に用いられる加工条件及び貯蔵条件下でそれらが安定である限り有用である。好ましくは、粒子は薬用活性物質ではない。より好ましくは、粒子は抗ふけ活性物質ではない。
好ましい球状粒子には、球状ポリエチレン類、シリコーン樹脂類、及びナイロン類が挙げられる。特に好ましいのは球状ポリエチレン類である。
【0059】
3.(他の粒子)
他の粒子は、血小板形粒子を含め、本明細書に記載される必須構成成分と物理的及び化学的に適合性があること、又はそうでなければ製品の安定性、審美性若しくは性能を過度に損なわないことを条件として本発明の組成物に使用できる。
【0060】
本発明の血小板形粒子は、最大寸法と最小寸法との比(アスペクト比と定義される)が約10よりも大きい粒子である。血小板形粒子は、一般的に色又は真珠光沢のような所望の審美的効果を組成物に付与するためにクレンジング組成物に使用され、一般には所望の毛髪摩擦又はボリューム、豊かさ及び所望のスタイル効果を提供しない。しかし、アスペクト比が10よりも大きい粒子は、それが組成物中で凝集した粒子積み重ね体として残る場合には有用な場合があることが見出された。
【0061】
血小板形粒子の非限定例には、タルク、雲母、絹雲母、雲母チタン、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、粘土、ベントナイト、ヘクトライト、モンモリロナイトを含む種々の天然及び合成ケイ酸塩物質が挙げられる。血小板物質の他の非限定例には、オキシ塩化ビスマス、窒化ホウ素、及び血小板形二酸化チタンが挙げられる。本発明の血小板形粒子は表面電荷を有することができ、又はその表面は、界面活性剤、ポリマー、及び無機物質のような有機若しくは無機物質により改質されることもできる。市販の血小板形粒子の非限定例としては、サザン・クレイ・プロダクツ社(Southern Clay Products Inc.)からのラポナイト(Laponite)XLS、ラポナイト(Laponite)SCPX−2549、クレイトーン(Claytone)SO及びゲルホワイト(Gelwhite)H NF;レオックス社(Rheox Inc.)より入手可能なベントン(Bentone)38、ベントン(Bentone)27及びベントン(Bentone)34;エンゲルハード社(Engelhard Corp)からのフラメンコ・ウルトラ・シルク(Flamenco Ultra Silk)2500、フラメンコ・サティンパール(Flamenco Satin Pearl)3500及びタイマイカ・シルクホワイト(Timica Silkwhite)110W;R.T.バンダービルト・カンパニー(Vanderbilt Company,Inc.)より入手可能なビーガム(Veegum)の商品名で販売されているケイ酸アルミニウムマグネシウム;及びウルトラ・ケミカル(Ultra Chemical)より入手可能なウルトラタルク(Ultra Talc)2000、3000、及び5000が挙げられる。
【0062】
D.(水性キャリア)
本発明の組成物は、典型的には、注入可能な液体(周囲条件下で)の形態である。そのため組成物は典型的には水性キャリアを含み、これは約20%〜約95%、好ましくは約60%〜約85%の濃度で存在する。水性キャリアは、水又は水と有機溶媒との混和性混合物を含んでもよいが、好ましくは、他の必須構成成分又は任意構成成分の微量成分として組成物中に付随的に組み込まれてしまう場合を除き、最小限の又は有意でない濃度の有機溶媒を含む水である。
【0063】
E.(追加の構成成分)
本発明の組成物は、ヘアケア製品又はパーソナルケア製品に使用される既知の1以上の任意構成成分を更に含んでよいが、その任意構成成分が、本明細書に記載される必須成分と物理的及び化学的に適合性があるか、さもなければ製品の安定性、審美性、又は性能を過度に損なわない場合に限る。このような任意構成成分の個々の濃度は、約0.001%〜約10%の範囲であってもよい。
【0064】
組成物に用いられる任意構成成分の非限定例としては、カチオン性ポリマー類、コンディショニング剤(炭化水素油類、脂肪酸エステル類、シリコーン類)、抗ふけ剤、懸濁剤、粘度調整剤、染料、不揮発性溶媒又は希釈剤(水溶性及び非水溶性)、真珠光沢助剤、起泡増進剤、追加の界面活性剤又は非イオン性補助界面活性剤、殺シラミ剤、pH調整剤、香料、防腐剤、キレート剤、タンパク質、皮膚活性剤、日焼け止め剤、UV吸収剤、及びビタミン類が挙げられる。
【0065】
1.(カチオン性ポリマー)
本発明の組成物は、固体粒子構成成分の付着を助け、コンディショニング性能を強化するために、カチオン性ポリマーを含有してもよい。組成物中のカチオン性ポリマーの濃度は、典型的には、約0.01%〜約3%、好ましくは約0.05%〜約2.0%、より好ましくは約0.1%〜約1.0%の範囲である。好適なカチオン性ポリマーは、本シャンプー組成物の意図された使用のpHで(シャンプー組成物については、pHは一般に、pH約3〜pH約9、好ましくはpH約4〜pH約8の範囲にある)、少なくとも約0.4meq/g、好ましくは少なくとも約0.9meq/g、より好ましくは少なくとも約1.2meq/gであるが、また好ましくは約7meq/g未満、より好ましくは約5meq/g未満のカチオン電荷密度を有する。本明細書においてポリマーの「カチオン電荷密度」とは、ポリマーの分子量に対する、ポリマー上の正電荷数の比を指す。このような好適なカチオン性ポリマーの平均分子量は、一般に約10,000〜10,000,000、好ましくは約50,000〜約5,000,000、より好ましくは約100,000〜約3,000,000である。
【0066】
本発明の組成物に用いるのに適したカチオン性ポリマー類は、四級アンモニウムのようなカチオン性の窒素含有部分、又はカチオン性のプロトン化アミノ部分を含有する。カチオン性のプロトン化アミン類は、組成物の具体的な化学種及び選択されたpHに応じて、一級、二級、又は三級アミン(好ましくは二級若しくは三級)にすることができる。カチオン性ポリマー類に関連して、いずれのアニオン性対イオン類を使用することもできるが、当該ポリマー類が、水、組成物、又は組成物のコアセルベート相に可溶なままであること、また更に、当該対イオンが、組成物の必須成分と物理的且つ化学的に適合性があり、さもなければ生成物の性能、安定性、又は審美性を過度に損なわないことを条件とする。そのような対イオンの非限定例には、ハロゲン化物(例、塩化物、フッ化物、臭化物、ヨウ化物)、サルフェート及びメチルサルフェートが挙げられる。
【0067】
こうしたポリマーの非限定例は、エストリン(Estrin)、クロスリー(Crosley)、及びヘインズ(Haynes)編の「CTFA化粧品原料辞典(CTFA Cosmetic Ingredient Dictionary)」、第3版(化粧品、洗面用品、及び芳香剤協会(The Cosmetic,Toiletry,and Fragrance Association,Inc.)、ワシントンD.C.(1982年))に記載されている。
【0068】
好適なカチオン性ポリマーの非限定例としては、カチオン性プロトン化アミン又は第四級アンモニウム官能基を有するビニルモノマーと、アクリルアミド、メタクリルアミド、アルキル及びジアルキルアクリルアミド、アルキル及びジアルキルメタクリルアミド、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、ビニルカプロラクトン、又はビニルピロリドンのような水溶性スペーサーモノマーとのコポリマーが挙げられる。
【0069】
本明細書の組成物のカチオン性ポリマーに含めるのに適した、好適なカチオン性のプロトン化アミノ及び四級アンモニウムモノマーには、ジアルキルアミノアルキルアクリレート、ジアルキルアミノアルキルメタクリレート、モノアルキルアミノアルキルアクリレート、モノアルキルアミノアルキルメタクリレート、トリアルキルメタクリルオキシアルキルアンモニウム塩、トリアルキルアクリルオキシアルキルアンモニウム塩、ジアリル四級アンモニウム塩類で置換されたビニル化合物、並びに、ピリジニウム、イミダゾリウム、及び四級化ピロリドン、例えば、アルキルビニルイミダゾリウム、アルキルビニルピリジニウム、アルキルビニルピロリドン塩のような環状のカチオン性窒素含有環を有する、ビニル四級アンモニウムモノマー類が含まれる。
【0070】
組成物に用いられる他の好適なカチオン性ポリマーには、1−ビニル−2−ピロリドンと1−ビニル−3−メチルイミダゾリウム塩(例えば、塩化物)のコポリマー(化粧品香料工業協会(Cosmetic,Toiletry,and Fragrance Association)「CTFA」により、産業界で、ポリクオタニウム−16と称される);1−ビニル−2−ピロリドンとジメチルアミノエチルメタクリレートのコポリマー(産業界で、CTFAによりポリクオタニウム−11と称される);カチオン性ジアリル第四級アンモニウム含有ポリマー、例えば、ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー、アクリルアミドとジメチルジアリルアンモニウムクロライドのコポリマー(産業界で、CTFAにより、それぞれポリクオタニウム6及びポリクオタニウム7と称される);アクリル酸の両性コポリマー、例えば、アクリル酸とジメチルジアリルアンモニウムクロライドのコポリマー(産業界で、CTFAにより、ポリクオタニウム22と称される);アクリル酸とジメチルジアリルアンモニウムクロライド及びアクリルアミドとのターポリマー(産業界で、CTFAにより、ポリクオタニウム39と称される);並びにアクリル酸とメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド及びメチルアクリレートとのターポリマー(産業界で、CTFAにより、ポリクオタニウム47と称される)が挙げられる。好ましいカチオン性置換モノマー類は、カチオン性置換ジアルキルアミノアルキルアクリルアミド類、ジアルキルアミノアルキルメタクリルアミド類、及びこれらの組み合わせである。これらの好ましいモノマーは、式(II):
【0071】
【化2】

に従い、式中R1は、水素、メチル又はエチルであり;R2、R3及びR4はそれぞれ独立して、水素又は約1〜約8個の炭素原子、好ましくは約1〜約5個の炭素原子、より好ましくは約1〜約2個の炭素原子を有する短鎖アルキルであり;nは約1〜約8、好ましくは約1〜約4の値を有する整数であり;Xは対イオンである。R2、R3及びR4に結合する窒素は、プロトン化したアミン(第一級、第二級、又は第三級)であってもよいが、好ましくは第四級アンモニウムであり、その際、R2、R3、及びR4はそれぞれアルキル基であり、その非限定例はポリメタクリルアミドプロピルトリモニウムクロライドであり、米国ニュージャージー州クランベリーのローヌ・プーラン(Rhone-Poulenc)より、ポリケア(Polycare)133の商品名で入手可能である。
【0072】
組成物に用いられるその他の好適なカチオン性ポリマーには、カチオン性セルロース誘導体及びカチオン性デンプン誘導体のような多糖類ポリマーが挙げられる。好適なカチオン性多糖類ポリマーには、式(III):
【0073】
【化3】

に従うものが挙げられ、式中Aはデンプン又はセルロース無水グルコース残基のような無水グルコース残基であり、Rはアルキレンオキシアルキレン、ポリオキシアルキレン、若しくはヒドロキシアルキレン基、又はこれらの組み合わせであり、R1、R2及びR3は独立して、アルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、アルコキシアルキル、又はアルコキシアリール基であり、各基は約18個までの炭素原子を含有し、各カチオン性部分の炭素原子の総数(すなわち、R1、R2及びR3にある炭素原子の合計)は、好ましくは約20個以下であり、Xは先に記載したような、アニオン性対イオンである。
【0074】
好ましいカチオン性セルロースポリマーは、トリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応したヒドロキシエチルセルロースの塩であり、当業界(CTFAリクオタニウム10と呼ばれ、アマコール社(Amerchol Corp.)(米国ニュージャージー州エジソン)よりポリマーLR、JR、及びKGシリーズのポリマー(Polymer)として入手可能である。カチオン性セルロースのその他の好適な種類には、当業界(CTFA)ではポリクオタニウム24と呼ばれる、ラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシドと反応したヒドロキシエチルセルロースのポリマー性四級アンモニウム塩が挙げられる。これらの物質は、アマコール・コーポレーション(Amerchol Corp.)から商品名ポリマーLM−200として入手可能である。
【0075】
その他の好適なカチオン性ポリマーには、グアーヒドロキシプロピル塩化トリモニウムのようなカチオン性グアーガム誘導体が挙げられ、その具体例としては、ローヌ・プーラン社(Rhone-Poulenc Incorporated)より市販されているジャガー(Jaguar)シリーズ、及びハーキュレス社(Hercules,Inc.)のアクアロン部門(Aqualon Division)より市販されているN−ハンス(N-Hance)シリーズが挙げられる。その他の好適なカチオン性ポリマーには、第四級窒素含有セルロースエーテルが挙げられ、そのいくつかの例は米国特許第3,962,418号に記載されている。他の好適なカチオン性ポリマー類には、エーテル化セルロース、グアー、及びデンプンのコポリマー類が挙げられて、その例が、米国特許第3,958,581号にいくつか記載されている。用いられる場合、本明細書のカチオン性ポリマーは、組成物に可溶性であるか、又はカチオン性ポリマーと先に記載したアニオン性、両性及び/若しくは双極性の洗浄性界面活性剤構成成分とによって形成された組成物中の複合コアセルベート相に可溶性であるか、のいずれかである。また、カチオン性ポリマーの複合コアセルベートは、組成物中の他の荷電物質によって形成されることもできる。
【0076】
複合コアセルベートの形成を分析する技術は、当該技術分野において既知である。例えば、選択された希釈のあらゆる段階で、組成物の顕微鏡分析を用いて、コアセルベート相が形成されたかどうかを確認することができる。このようなコアセルベート相は、組成物中の追加的な乳化相として確認可能である。染料の使用は、コアセルベート相を組成物中に分散する他の不溶性の相から区別するのに役立つ可能性がある。
【0077】
好ましいカチオン性ポリマーは、本明細書に記載される固体粒子構成成分の付着効率を強化するために、十分に高いカチオン電荷密度のポリマーを含む。好ましいカチオン性ポリマーは、カチオン電荷密度が少なくとも約1.2meq/g、より好ましくは少なくとも約1.5meq/g、より一層好ましくは少なくとも約1.7meq/g、更により好ましくは少なくとも約1.9meq/gであるが、好ましくは約7meq/g未満、より好ましくは約5meq/g未満、より一層好ましくは約4.5meq/g未満、更により好ましくは約3meq/g未満でもあるカチオン性セルロースポリマー及びカチオン性グアー誘導体を含む。特に好ましいのは、電荷密度が約1.5meq/g〜約3.0meq/gのカチオン性セルロースポリマー、より一層好ましくは電荷密度が約1.7meq/g〜約2.5meq/gのカチオン性セルロースポリマーである。トリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応したヒドロキシエチルセルロースの好ましいカチオン性セルロースポリマー塩は、業界(CTFA)ではポリクオタニウム(Polyquaternium)10と呼ばれ、アマコール社(Amerchol Corp.)(米国ニュージャージー州エジソン)より、電荷密度1.9及び分子量約125万を有するポリマー(Polymer)KG30Mとして入手可能である。
【0078】
2.(コンディショニング剤)
コンディショニング剤は、特別なコンディショニング効果を毛髪及び/又は皮膚に与えるために用いられるいかなる物質も含む。毛髪用トリートメント組成物において好適なコンディショニング剤は、光沢、柔軟性、櫛通りのよさ、静電気防止特性、濡れているときの取扱性、損傷、扱いやすさ、髪のボリューム、及び脂っぽさに関連した1つ以上の効果を提供するものである。本発明の組成物に有用なコンディショニング剤は、典型的には、乳化液体粒子を形成する非水溶性の水分散性不揮発性液体を含む。本組成物に用いるのに好適なコンディショニング剤は、一般にシリコーン(例えば、シリコーンオイル、カチオン性シリコーン、シリコーンゴム、屈折率の高いシリコーン、及びシリコーン樹脂)、有機コンディショニングオイル(例えば、炭化水素油、ポリオレフィン、及び脂肪酸エステル)若しくはこれらの組み合わせとして特徴付けられるコンディショニング剤、又はそうでなければ本明細書の水性界面活性剤マトリックス中に液状の分散した粒子を形成するコンディショニング剤である。このようなコンディショニング剤は、組成物の必須構成成分と物理的及び化学的に適合性があるようにすべきであり、そうでなければ製品の安定性、審美性又は性能を過度に損なわないようにすべきである。本発明の組成物に用いられる場合、非水溶性の不揮発性液体コンディショニング剤と粒子との比は、重量基準で約2:1未満、好ましくは約1.5:1未満、より好ましくは約1:1未満である。
【0079】
組成物中のコンディショニング剤の濃度は、所望のコンディショニング効果を提供するのに十分な濃度にすべきであり、これは当業者には明白であろう。このような濃度は、コンディショニング剤、所望されるコンディショニング性能、コンディショニング剤粒子の平均の大きさ、その他の構成成分の種類及び濃度、並びにその他の要因によって変更することができる。
【0080】
(a)シリコーン
本発明の組成物のコンディショニング剤は、好ましくは、不溶性シリコーンコンディショニング剤である。シリコーンコンディショニング剤粒子は、揮発性シリコーン、非揮発性シリコーン、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。非揮発性シリコーンコンディショニング剤が好ましい。揮発性シリコーンが存在する場合、それは典型的には、シリコーンゴム及び樹脂のような不揮発性シリコーン物質成分の市販形態のための、溶媒又はキャリアとしての使用に付随したものである。シリコーンコンディショニング剤粒子は、シリコーン流体コンディショニング剤を含んでもよいし、シリコーン流体の付着効率を改善するか又は毛髪の光沢度を増大させるためのシリコーン樹脂のような他の構成成分をまた含んでもよい。
【0081】
シリコーンコンディショニング剤の濃度は、典型的には、約0.01%〜約10%、好ましくは約0.1%〜約8%、より好ましくは約0.1%〜約5%、より好ましくは約0.2%〜約3%の範囲である。好適なシリコーンコンディショニング剤及びシリコーンのための任意の懸濁剤の非限定例は、米国再発行特許第34,584号、米国特許第5,104,646号、及び米国特許第5,106,609号に記載されている。本発明の組成物に用いるシリコーンコンディショニング剤は、好ましくは、25℃で測定したときに、約2E−5m2/s〜約2m2/s(約20〜約2,000,000センチストークス(「csk」))、より好ましくは約0.001〜約1.8m2/s(約1,000〜約1,800,000csk)、更により好ましくは約0.05〜約1.5m2/s(約50,000〜約1,500,000csk)、より好ましくは約0.1〜約1.5m2/s(約100,000〜約1,500,000csk)の粘度を有する。
【0082】
分散したシリコーンコンディショニング剤粒子は、典型的には約0.01μm〜約50μmの範囲の数平均粒子直径を有する。小さい粒子を毛髪に適用するには、数平均粒子直径は、典型的には約0.01μm〜約4μm、好ましくは約0.01μm〜約2μm、より好ましくは約0.01μm〜約0.5μmの範囲である。毛髪へのより大きな粒子の適用については、数平均粒子直径は、典型的には約4μm〜約50μm、好ましくは約6μm〜約30μm、より好ましくは約9μm〜約20μm、より好ましくは約12μm〜約18μmの範囲である。
【0083】
シリコーン流体、ガム、及び樹脂、並びにシリコーンの製造を論じる項を含むシリコーンの背景資料は、「ポリマーの科学と技術の百科事典(Encyclopedia of Polymer Science and Engineering)」、15巻、第2版、204〜308ページ、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ社(John Wiley & Sons Inc.)(1989年)に見出される。
【0084】
i.シリコーンオイル
シリコーン流体にはシリコーンオイル類が挙げられ、これは25℃で測定した場合に、1m2/s(1,000,000csk)未満、好ましくは約5E−6〜約1m2/s(約5csk〜約1,000,000csk)、より好ましくは約0.0001〜約0.6m2/s(約100csk〜約600,000csk)の粘度を有する流動性のシリコーン物質である。本発明の組成物に用いるのに好適なシリコーンオイル類には、ポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン類、ポリアルキルアリールシロキサン類、ポリエーテルシロキサンコポリマー類、及びこれらの混合物が挙げられる。また、ヘアコンディショニング特性を有する他の不溶性不揮発性シリコーン流体を使用してもよい。
【0085】
シリコーンオイル類には、次の化学式(IV)に従うポリアルキル又はポリアリールシロキサン類が含まれる:
【0086】
【化4】

式中、Rは脂肪族、好ましくはアルキル若しくはアルケニル、又はアリールであり、Rは置換又は非置換であることができ、xは1〜約8,000の整数である。本発明の組成物に用いるのに好適なR基としては、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルカリール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、アルカミノ基、及びエーテル−置換、ヒドロキシル−置換、及びハロゲン−置換脂肪族及びアリール基が挙げられるが、これらに限定されない。好適なR基には、カチオン性アミン及び第四級アンモニウム基も挙げられる。
【0087】
好ましいアルキル及びアルケニル置換基は、C1〜C5、より好ましくはC1〜C4、より好ましくはC1〜C2のアルキル及びアルケニルである。その他のアルキル−、アルケニル−、又はアルキニル−含有基(例えば、アルコキシ、アルカリール、及びアルカミノ)の脂肪族部分は、直鎖又は分枝鎖であることができ、好ましくはC1〜C5、より好ましくはC1〜C4、更により好ましくはC1〜C3、より好ましくはC1〜C2である。前述したように、R置換基もまたアミノ官能性(例えば、アルカミノ基)を含有することができ、これは第一級、第二級若しくは第三級アミン又は第四級アンモニウムであることができる。これらには、モノ−、ジ−、及びトリ−アルキルアミノ及びアルコキシアミノ基が挙げられるが、その際、脂肪族部分の鎖長は、好ましくは本明細書に記載されるものである。
【0088】
ii.アミノ及びカチオン性シリコーン
本発明の組成物に使用するのに好適なカチオン性シリコーン流体には、一般式(V)に従うものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0089】
(R1a3-a−Si−(−OSiG2n−(−OSiGb(R12-b)m−O−SiG3-a(R1a
式中、Gは水素、フェニル、ヒドロキシ、又はC1〜C8アルキル、好ましくはメチルであり;aは0又は1〜3の値を有する整数、好ましくは0であり;bは0又は1、好ましくは1であり;nは0〜1,999、好ましくは49〜499の数であり;mは1〜2,000の整数、好ましくは1〜10の整数であり;nとmとの合計は1〜2,000、好ましくは50〜500の数であり;R1は、一般式CqH2qLに従う一価のラジカルであり、ここでqは2〜8の値を有する整数であり、Lは以下の基から選択される。
【0090】
−N(R2)CH2−CH2−N(R22
−N(R22
−N(R23-
−N(R2)CH2−CH2−NR22-
式中R2は、水素、フェニル、ベンジル、又は飽和炭化水素ラジカル、好ましくは約C1〜約C20のアルキルラジカルであり、A-はハライドイオンである。
【0091】
式(V)に対応する特に好ましいカチオン性シリコーンは、「トリメチルシリルアモジメチコン」として既知のポリマーであり、以下の式(VI)に示される。
【0092】
【化5】

本発明の組成物に用いてもよい他のシリコーンカチオン性ポリマーは、一般式(VII)で表される:
【0093】
【化6】

式中R3は、C1〜C18の一価の炭化水素ラジカル、好ましくはメチルのようなアルキル又はアルケニルラジカルであり;R4は炭化水素ラジカル、好ましくはC1〜C18アルキレンラジカル又はC10〜C18アルキレンオキシラジカル、より好ましくはC1〜C8アルキレンオキシラジカルであり;Q-はハライドイオン、好ましくはクロライドであり;rは2〜20、好ましくは2〜8の平均統計値であり;sは20〜200、好ましくは20〜50の平均統計値である。この種類の好ましいポリマーは、ユーケアシリコーン(UCARE SILICONE)ALE56(商標)として既知であり、ユニオン・カーバイド(Union Carbide)より入手可能である。
【0094】
iii.シリコーンガム
本発明の組成物に用いるのに好適なその他のシリコーン流体は、不溶性シリコーンガム類である。これらのガム類は、25℃で測定された場合、1m2/s(1,000,000csk)以上の粘度を有するポリオルガノシロキサン物質である。シリコーンガム類は米国特許第4,152,416号;ノル及びウォルター(Noll and Walter)のシリコーンの化学と技術(Chemistry and Technology of Silicones)、ニューヨーク:アカデミック出版(Academic Press)(1968年);並びにゼネラル・エレトリック・シリコーン・ラバー製品データシート(General Electric Silicone Rubber Product Data Sheets)SE30、SE33、SE54及びSE76に記載されている。本発明の組成物に用いられるシリコーンガム類の具体的な非限定例としては、ポリジメチルシロキサン、(ポリジメチルシロキサン)(メチルビニルシロキサン)コポリマー、ポリ(ジメチルシロキサン)(ジフェニルシロキサン)(メチルビニルシロキサン)コポリマー、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0095】
iv.高屈折率シリコーン
本発明の組成物に用いるのに好適なその他の不揮発性の不溶性シリコーン流体コンディショニング剤は、少なくとも約1.46、好ましくは少なくとも約1.48、より好ましくは少なくとも約1.52、より好ましくは少なくとも約1.55の屈折率を有する「高屈折率シリコーン」として既知のものである。ポリシロキサン流体の屈折率は、一般に約1.70未満、典型的には約1.60未満である。この状況では、ポリシロキサン「流体」には、油並びにガムが含まれる。
【0096】
高屈折率ポリシロキサン流体は、上述の一般式(IV)によって表されるもの並びに、下の式(VIII):
【0097】
【化7】

によって表されるもののような環状ポリシロキサンを含む、式中Rは、上記で定義されたものであり、nは約3〜約7、好ましくは約3〜約5の数である。
【0098】
高屈折率ポリシロキサン流体は、屈折率を本明細書に記載される所望のレベルまで増大させるのに十分な量のアリール含有R置換基を含有する。更にR及びnは、物質が不揮発性になるように選択されなければならない。
【0099】
アリール含有置換基は、脂環式及び複素環式の5員及び6員のアリール環を含有するもの、及び5員又は6員の縮合環を含有するものを含む。アリール環自体は、置換又は非置換であり得る。
【0100】
一般に、高屈折率ポリシロキサン流体は、少なくとも約15%、好ましくは少なくとも20%、より好ましくは少なくとも25%、更により好ましくは少なくとも約35%、より好ましくは少なくとも約50%程度のアリール含有置換基を有する。典型的には、アリール置換の程度は、約90%未満、より一般的には約85%未満、好ましくは約55%〜約80%である。
【0101】
好ましい高屈折率ポリシロキサン流体は、フェニル若しくはフェニル誘導体置換基(より好ましくはフェニル)とアルキル置換基、好ましくはC1〜C4アルキル(より好ましくはメチル)、ヒドロキシ、又はC1〜C4アルキルアミノ(特に−R1NHR2NH2であり、式中R1及びR2はそれぞれ独立して、C1〜C3アルキル、アルケニル、及び/又はアルコキシである)組み合わせを有する。
【0102】
本発明の組成物に高屈折率シリコーンが用いられるときには、それらは、好ましくは溶液中で、シリコーン樹脂又は界面活性剤のような展着剤とともに用いられ、展着を高めるのに十分な量で、表面張力を減少させ、それによって組成物で処置される毛髪の光沢度(乾燥後)を向上させる。
【0103】
本発明の組成物に用いるのに好適なシリコーン流体は、米国特許第2,826,551号、米国特許第3,964,500号、米国特許第4,364,837号、GB849,433、及び「シリコン化合物(Silicon Compounds)」(ペトラルカ・システムズ社(Petrarch Systems,Inc.)、1984年)に開示されている。
【0104】
v.シリコーン樹脂
シリコーン樹脂は、本発明の組成物のシリコーンコンディショニング剤に含まれてもよい。これらの樹脂は、高度に架橋したポリマーシロキサン系である。架橋は、シリコーン樹脂の製造時に、三官能性及び四官能性のシランを一官能性若しくは二官能性、又はその両方のシランとともに組み込むことによって導入される。
【0105】
特にシリコーン物質及びシリコーン樹脂は、「MDTQ」命名法として当業者に既知の省略命名法のシステムに従って、便利に識別することができる。このシステムにおいては、シリコーンは、シリコーンを構成する種々のシロキサンモノマー単位の存在に従って記述される。簡潔には、記号Mは一官能性単位(CH33SiO0.5を示し;Dは二官能性単位(CH32SiOを示し;Tは三官能性単位(CH3)SiO1.5を示し;Qは四官能性単位SiO2を示す。単位記号のプライム符号(例えば、M’、D’、T’及びQ’)は、メチル以外の置換基を意味しており、また出現の度に明確に定義されなければならない。
【0106】
本発明の組成物に用いるのに好ましいシリコーン樹脂としては、MQ、MT、MTQ、MDT及びMDTQ樹脂が挙げられるが、これらに限定されない。メチル基は、好ましいシリコーン置換基である。特に好ましいシリコーン樹脂はMQ樹脂であり、ここでM:Q比は、約0.5:1.0〜約1.5:1.0であり、シリコーン樹脂の平均分子量は、約1000〜約10,000である。
【0107】
(b)有機コンディショニングオイル
本発明の組成物のコンディショニング構成成分はまた、コンディショニング剤として、約0.05%〜約3%、好ましくは約0.08%〜約1.5%、より好ましくは約0.1%〜約1%の少なくとも1つの有機コンディショニングオイルを、単独で又はシリコーン(本明細書に記載)のような他のコンディショニング剤と組み合わせて含んでもよい。
【0108】
i.炭化水素油
本発明の組成物においてコンディショニング剤として使用するために適切な有機コンディショニングオイルとしては、少なくとも約10個の炭素原子を有する炭化水素油、例えば、環状炭化水素、直鎖脂肪族炭化水素(飽和又は不飽和)、及び分枝鎖脂肪族炭化水素(飽和又は不飽和)、これらのポリマー及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。直鎖状炭化水素油は、好ましくは、炭素数が約12〜約19個である。炭化水素ポリマーを含む分枝鎖炭化水素油は、典型的には、19個より多くの炭素原子を含有する。
【0109】
これら炭化水素油の具体的な非限定例としては、パラフィン油、鉱物油、飽和及び不飽和ドデカン、飽和及び不飽和トリデカン、飽和及び不飽和テトラデカン、飽和及び不飽和ペンタデカン、飽和及び不飽和ヘキサデカン、ポリブテン、ポリデセン、並びにこれらの混合物が挙げられる。また、これらの化合物の分枝鎖異性体並びに長鎖炭化水素も使用することができ、その例としては、パーメチル置換異性体のような高度に分枝、飽和又は不飽和のアルカン、例えば、2,2,4,4,6,6,8,8−ジメチル−10−メチルウンデカン及び2,2,4,4,6,6−ジメチル−8−メチルノナン(パーメチル社(Permethyl Corporation)から入手可能)のような、ヘキサデカン及びエイコサンのパーメチル置換異性体が挙げられる。ポリブテン及びポリデセンのような炭化水素ポリマー。好ましい炭化水素ポリマーは、イソブチレンとブテンのコポリマーのようなポリブテンである。この種類の市販の物質は、アモコ・ケミカル社(Amoco Chemical Corporation)のL−14ポリブテンである。組成物中のこのような炭化水素油の濃度は、好ましくは約0.05%〜約20%、より好ましくは約0.08%〜約1.5%、更により好ましくは約0.1%〜約1%の範囲である。
【0110】
ii.ポリオレフィン類
本発明の組成物に用いる有機コンディショニングオイルは、液体ポリオレフィン、より好ましくは液体ポリ−α−オレフィン、より好ましくは水素添加液体ポリ−α−オレフィンも含むことができる。本明細書で使用するためのポリオレフィンは、C4〜約C14、好ましくは約C6〜約C12のオレフィン系モノマーの重合によって調製される。
【0111】
本明細書のポリオレフィン液を調製する際に使用されるオレフィンモノマーの非限定例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、4−メチル−1−ペンテンのような分枝鎖異性体、及びこれらの混合物が挙げられる。また、ポリオレフィン液の調製に好適なものは、オレフィン含有精製供給材料又は廃液である。好ましい水素添加α−オレフィンモノマーには、1−ヘキセン〜1−ヘキサデセン、1−オクテン〜1−テトラデセン、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0112】
iii.脂肪酸エステル
本発明の組成物においてコンディショニング剤として使用するための他の好適な有機コンディショニングオイルには、少なくとも10個の炭素原子を有する脂肪酸エステルが挙げられるが、これに限定されない。これらの脂肪酸エステルには、脂肪酸又はアルコールから誘導されるヒドロカルビル鎖とのエステル(例えば、モノエステル、多価アルコールエステル、並びにジ−及びトリ−カルボン酸エステル)が挙げられる。本明細書の脂肪酸エステルのヒドロカルビルラジカルは、アミド及びアルコキシ部分(例えば、エトキシ若しくはエーテル結合など)のような他の適合性のある官能基を含んでもよいし、又はそれら官能基と共有結合してもよい。
【0113】
好ましい脂肪酸エステルの具体例としては、イソステアリン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸イソヘキシル、パルミチン酸イソヘキシル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸デシル、オレイン酸イソデシル、ステアリン酸ヘキサデシル、ステアリン酸デシル、イソステアリン酸イソプロピル、アジピン酸ジヘキシルデシル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、ステアリン酸オレイル、オレイン酸オレイル、ミリスチン酸オレイル、酢酸ラウリル、プロピオン酸セチル、及びアジピン酸オレイルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0114】
本発明の組成物に用いるのに好適なその他の脂肪酸エステルは、一般式R’COORのモノカルボン酸エステルであり、ここで、R’及びRはアルキル又はアルケニルラジカルであり、R’及びRの炭素原子の合計は少なくとも10個、好ましくは少なくとも22個である。
【0115】
本発明の組成物に用いるのに好適な更にその他の脂肪酸エステルは、カルボン酸のジ−及びトリ−アルキル並びにアルケニルエステル、例えばC4〜C8のジカルボン酸のエステル(例えば、コハク酸、グルタル酸、及びアジピン酸のC1〜C22のエステル、好ましくはC1〜C6のエステル)である。カルボン酸のジ−及びトリ−アルキル並びにアルケニルエステルの具体的な非限定例としては、ステアリン酸イソセチルステアロイル(stearyol)、アジピン酸ジイソプロピル、及びクエン酸トリステアリルが挙げられる。
【0116】
本発明の組成物に用いるのに好適な他の脂肪酸エステルは、多価アルコールエステルとして既知のものである。そのような多価アルコールエステルには、エチレングリコールモノ−及びジ−脂肪酸エステル、ジエチレングリコールモノ−及びジ−脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールモノ−及びジ−脂肪酸エステル、プロピレングリコールモノ−及びジ−脂肪酸エステル、ポリプロピレングリコールモノオレエート、ポリプロピレングリコール2000モノステアレート、エトキシル化プロピレングリコールモノステアレート、グリセリルモノ−及びジ−脂肪酸エステル、ポリグリセロールポリ脂肪酸エステル、エトキシル化グリセリルモノステアレート、1,3−ブチレングリコールモノステアレート、1,3−ブチレングリコールジステアレート、ポリオキシエチレンポリオール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、並びにポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルのような、アルキレングリコールエステルが挙げられる。
【0117】
本発明の組成物に用いるのに好適な更に他の脂肪酸エステルはグリセリドであり、これには、モノ−、ジ−、及びトリ−グリセリド、好ましくはジ−及びトリ−グリセリド、より好ましくはトリグリセリドが挙げられるがこれらに限定されない。本明細書に記載の組成物に使用される場合にグリセリドは、好ましくはC10〜C22のカルボン酸のような長鎖カルボン酸とグリセロールのモノ−、ジ−及びトリ−エステルである。これらの種類の様々な物質は、植物及び動物の油脂、例えば、ヒマシ油、ベニバナ油、綿実油、トウモロコシ油、オリーブ油、タラ肝油、アーモンド油、アボカド油、パーム油、胡麻油、ラノリン及び大豆油から得ることができる。合成油には、トリオレイン及びトリステアリングリセリルジラウレートが挙げられるが、これらに限定されない。
【0118】
本発明の組成物に用いるのに好適なその他の脂肪酸エステルは、非水溶性の合成脂肪酸エステルである。いくつかの好ましい合成エステルは、次の一般式(IX):
【0119】
【化8】

に従い、式中R1は、C7〜C9のアルキル、アルケニル、ヒドロキシアルキル又はヒドロキシアルケニル基、好ましくは飽和アルキル基、より好ましくは飽和直鎖アルキル基であり;nは2〜4、好ましくは3の値を有する正の整数であり;Yは約2〜約20個の炭素原子、好ましくは約3〜約14個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル、ヒドロキシ、又はカルボキシ置換アルキル若しくはアルケニルである。他の好ましい合成エステル類は、次の一般式(X):
【0120】
【化9】

に従う。式中R2は、C8〜C10アルキル、アルケニル、ヒドロキシアルキル、又はヒドロキシアルケニル基、好ましくは飽和アルキル基、より好ましくは飽和直鎖アルキル基であり;n及びYは、上式(X)で定義した通りである。
【0121】
本発明の組成物に用いるのに好適な合成脂肪酸エステルの具体的な非限定例としては、P−43(トリメチロールプロパンのC8〜C10のトリエステル)、MCP−684(3,3ジエタノール−1,5ペンタジオールのテトラエステル)、MCP121(アジピン酸のC8〜C10のジエステル)が挙げられ、これらすべてはモービル・ケミカル社(Mobil Chemical Company)より入手可能である。
【0122】
(c)その他のコンディショニング剤
同様に、本明細書の組成物に用いるのに好適であるのは、プロクター・アンド・ギャンブル社(Procter & Gamble Company)の米国特許第5,674,478号及び第5,750,122号に記載されているコンディショニング剤である。また、本明細書に用いるのに好適であるのは、米国特許第4,529,586号(クレアロール(Clairol))、第4,507,280号(クレアロール)、第4,663,158号(クレアロール)、第4,197,865号(ロレアル(L'Oreal))、第4,217,914号(ロレアル)、第4,381,919号(ロレアル)、及び第4,422,853号(ロレアル)に記載されているコンディショニング剤である。
【0123】
3.(抗ふけ活性物質)
本発明の組成物はまた、抗ふけ剤を含有してもよい。ふけ防止粒子の好適な非限定的な例としては、ピリジンチオン塩類、アゾール類、硫化セレン、粒子状イオウ、及びこれらの混合物が挙げられる。ピリジンチオン塩が好ましい。このような抗ふけ粒子は、組成物の必須構成成分と、物理的及び化学的に適合性があるべきであり、そうでなければ製品の安定性、審美性又は性能を過度に損なわないようにすべきである。
【0124】
ピリジンチオン抗ふけ粒子、特に1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオン塩は、本発明の組成物に用いるのに極めて好ましい粒子状抗ふけ剤である。ピリジンチオン抗ふけ粒子状物質の濃度は、典型的には、組成物の約0.1重量%〜約4重量%、好ましくは約0.1重量%〜約3重量%、より好ましくは約0.3重量%〜約2重量%の範囲である。好ましいピリジンチオン塩には、亜鉛、スズ、カドミウム、マグネシウム、アルミニウム及びジルコニウムのような重金属から形成されたものが挙げられ、好ましくは亜鉛、より好ましくは1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオンの亜鉛塩(「ジンクピリジンチオン」又は「ZPT」として既知である)、より好ましくは小板型粒子の形態の1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオン塩であり、その際粒子の平均サイズは約20μまで、好ましくは約5μまで、より好ましくは約2.5μまでである。ナトリウムのようなその他のカチオンから形成される塩もまた、好適な場合がある。ピリジンチオン抗ふけ剤は、例えば、米国特許第2,809,971号;米国特許第3,236,733号;米国特許第3,753,196号;米国特許第3,761,418号;米国特許第4,345,080号;米国特許第4,323,683号;米国特許第4,379,753号;及び米国特許第4,470,982号に記載されている。ZPTが本明細書の組成物において抗ふけ粒子として使用されるときには、毛髪の成長若しくは再生が刺激若しくは調節されるか、又はその両方であり、あるいは脱毛が軽減若しくは抑制されるか、又は毛髪がより太く若しくは豊かに見えることが意図される。
【0125】
4.(保湿剤)
本発明の組成物は、保湿剤を含有してもよい。本明細書の保湿剤は、多価アルコール、水溶性アルコキシル化非イオン性ポリマー、及びこれらの混合物からなる群より選択される。保湿剤は、本明細書において用いられる場合、好ましくは約0.1%〜約20%、より好ましくは約0.5%〜約5%の濃度で用いられる。
【0126】
本明細書で有用な多価アルコールには、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、エトキシル化グルコース、1,2−ヘキサンジオール、ヘキサントリオール、ジプロピレングリコール、エリスリトール、トレハロース、ジグリセリン、キシリトール、マルチトール、マルトース、グルコース、フルクトース、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、アデノシンリン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ピロリドンカーボネート、グルコサミン、シクロデキストリン、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0127】
本明細書で有用な水溶性アルコキシル化非イオン性ポリマーには、約1000までの分子量を有するポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール、例えば、CTFA名称PEG−200、PEG−400、PEG−600、PEG−1000のもの、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0128】
5.(懸濁剤)
本発明の組成物は更に、水不溶性物質を組成物中に分散された形態において懸濁するために、又は組成物の粘度を変性するために有効な濃度で懸濁剤を含んでもよい。このような濃度は、約0.1%〜約10%、好ましくは約0.3%〜約5.0%の範囲にある。
【0129】
本明細書で有用な懸濁剤には、アニオン性ポリマー及び非イオン性ポリマーが挙げられる。本明細書においては、ビニルポリマー、例えばCTFA名カルボマー(Carbomer)を有する架橋アクリル酸ポリマー、セルロース誘導体及び変性セルロースポリマー、例えばメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ニトロセルロース、硫酸セルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶性セルロース、セルロース粉末、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、グアーガム、ヒドロキシプロピルグアーガム、キサンタンガム、アラビアガム、トラガカント、ガラクタン、カロブガム、グアーガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、マルメロ種子(Cydonia oblonga Mill)、デンプン(コメ、トウモロコシ、ジャガイモ、小麦)、藻類コロイド(藻類抽出物)、微生物学的ポリマー、例えばデキストラン、サクシノグルカン、プレラン、デンプン系ポリマー、例えばカルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン、アルギン酸系ポリマー、例えばアルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、アクリレートポリマー、例えばポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、並びに無機水溶性物質、例えばベントナイト、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、ラポナイト、ヘクトナイト、及び無水ケイ酸が有用である。
【0130】
本明細書で極めて有用な市販の粘度変性剤には、すべてノベオン社(Noveon,Inc.)より入手可能である、カーボポール(Carbopol)934、カーボポール940、カーボポール950、カーボポール980、カーボポール981、カーボポールETD2010、カーボポールETD2050、カーボポール・ウルトレツ(Carbopol Ultrez)10、及びカーボポール・アクア(Carbopol Aqua)SF−1の商品名を有するカルボマー(Carbomer)、ローム・アンド・ハース(Rohm and Hass)より入手可能であるアクリソル(ACRYSOL)22の商品名を有するアクリレート/ステアレス−20メタクリレートコポリマー、アマコール(Amerchol)より入手可能であるアマーセルポリマー(AMERCELL POLYMER)HM−1500の商品名を有するノノキシニルヒドロキシエチルセルロース、すべてハーキュレス(Herculus)より供給されるベネセル(BENECEL)の商品名を有するメチルセルロース、ナトロゾル(NATROSOL)の商品名を有するヒドロキシエチルセルロース、クルセル(KLUCEL)の商品名を有するヒドロキシプロピルセルロース、ポリサーフ67(POLYSURF 67)の商品名を有するセチルヒドロキシエチルセルロース、すべてアマコール(Amerchol)より供給されるカーボワックス(CARBOWAX)PEG、ポリオックス(POLYOX)WASR、及びウコン液(UCON FLUIDS)の商品名を有するエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドベースのポリマーが挙げられる。
【0131】
その他の任意の懸濁剤には、アシル誘導体、長鎖アミンオキシド、及びこれらの混合物として分類できる、結晶性懸濁剤が挙げられる。これらの懸濁剤は、米国特許第4、741,855号に記載されている。これらの好ましい懸濁剤には、好ましくは約16〜約22個の炭素原子を有する脂肪酸のエチレングリコールエステルが挙げられる。より好ましいのは、モノステアレート及びジステアレート両方のエチレングリコールステアレートであるが、特に約7%未満のモノステアレートを含有するジステアレートが好ましい。他の好適な懸濁剤には、好ましくは約16〜約22個の炭素原子、より好ましくは約16〜18個の炭素原子を有する脂肪酸のアルカノールアミドが挙げられ、その好ましい例には、ステアリン酸モノエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸モノイソプロパノールアミド、及びステアリン酸モノエタノールアミドステアレートが挙げられる。その他の長鎖アシル誘導体には、長鎖脂肪酸の長鎖エステル(例えば、ステアリルステアレート、セチルパルミテートなど);長鎖アルカノールアミドの長鎖エステル(例えば、ステアラミドジエタノールアミドジステアレート、ステアラミドモノエタノールアミドステアレート);及びグリセリルエステル(例えば、グリセリルジステアレート、トリヒドロキシステアリン、トリベヘニン)が挙げられ、その市販例はレオックス社(Rheox,Inc.)より入手可能なチキシン(Thixin)Rである。前述した好ましい物質に加えて、長鎖アシル誘導体、長鎖カルボン酸のエチレングリコールエステル、長鎖アミンオキシド、及び長鎖カルボン酸のアルカノールアミドを懸濁剤として使用してもよい。
【0132】
懸濁剤として用いるのに好適な他の長鎖アシル誘導体には、N,N−ジヒドロカルビルアミド安息香酸及びその可溶性塩(例えば、Na、K)が挙げられ、特にこの系統群のN,N−ジ(水素添加)C16、C18及びタローアミド安息香酸種が挙げられ、これらはステパン社(Stepan Company)(米国イリノイ州ノースフィールド)より市販されている。
懸濁剤として用いるのに好適な長鎖アミンオキシドの例としては、アルキルジメチルアミンオキシド、例えばステアリルジメチルアミンオキシドが挙げられる。
【0133】
他の好適な懸濁剤には、少なくとも約16個の炭素原子を有する脂肪酸アルキル部分を有する第一級アミンが挙げられるが、その例にはパルミタミン(palmitamine)又はステアラミンが挙げられ、またそれぞれ少なくとも約12個の炭素原子を有する2つの脂肪酸アルキル部分を有する第二級アミンが挙げられるが、その例には、ジパルミトイルアミン又はジ−(水素添加タロー)−アミンが挙げられる。更に他の好適な懸濁剤には、ジ(水素添加タロー)フタル酸アミド、及び架橋無水マレイン酸−メチルビニルエーテルコポリマーが挙げられる。
【0134】
6.(非イオン性ポリマー)
本発明においては約1000を超える分子量を有するポリアルキレングリコールが有用である。次の一般式(XI)を有するものが有用である:
【0135】
【化10】

式中、R95は、H、メチル、及びこれらの混合物から成る群より選択される。上記の構造において、x3は、約1,500〜約120,000、好ましくは約3,000〜約100,000、より好ましくは約5,000〜約50,000の平均値を有する。
【0136】
本明細書で有用なポリエチレングリコールポリマーは、式中、R95がHに等しく、x3が約2,000の平均値を有するPEG−2M(PEG−2MはまたポリオックスWSR(Polyox WSR(登録商標))N−10としても既知であり、これはダウ/アマコール(Dow/Amerchol)より入手可能であり、PEG−2000としても既知である);式中、R95がHに等しく、x3が約5,000の平均値を有するPEG−5M(PEG−5MはまたポリオックスWSR(Polyox WSR(登録商標))N−35及びポリオックスWSR(Polyox WSR(登録商標))N−80としても既知であり、両方共ダウ/アマコール(Dow/Amerchol)より入手可能であり、PEG−5000及びポリエチレングリコール300,000としても既知である);式中、R95がHに等しく、x3が約7,000の平均値を有するPEG−7M(PEG−7MはまたポリオックスWSR(Polyox WSR(登録商標))N−750としても既知であり、ダウ/アマコール(Dow/Amerchol)より入手可能である);式中、R95がHに等しく、x3が約9,000の平均値を有するPEG−9M(PEG−9MはまたポリオックスWSR(Polyox WSR(登録商標))N−3333としても既知であり、ダウ/アマコール(Dow/Amerchol)より入手可能である);式中、R95がHに等しく、x3が約14,000の平均値を有するPEG−14M(PEG−14MはまたポリオックスWSR(Polyox WSR(登録商標))N−3000としても既知であり、ダウ/アマコール(Dow/Amerchol)より入手可能である);式中、R95がHに等しく、x3が約45,000の平均値を有するPEG−45M(PEG−45MはまたポリオックスWSR(Polyox WSR(登録商標))N−60Kとしても既知であり、ダウ/アマコール(Dow/Amerchol)より入手可能である);並びに式中、R95がHに等しく、x3が約90,000の平均値を有するPEG−90M(PEG−90MはまたポリオックスWSR(Polyox WSR(登録商標))−301としても既知であり、ダウ/アマコール(Dow/Amerchol)より入手可能である)である。
【0137】
他の有用なポリマー類には、ポリプロピレングリコール類及び混合ポリエチレン−ポリプロピレングリコール類、又はポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンコポリマーポリマー類が挙げられる。
【0138】
7.(その他の任意成分)
本発明の組成物は:ビタミンB1、B2、B6、B12、C、パントテン酸、パントテニルエチルエーテル、パンテノール、ビオチン、及びこれらの誘導体であるような水溶性ビタミン;例えば、アスパラギン、アラニン、インドール、グルタミン酸及びこれらの塩のような水溶性アミノ酸、水不溶性ビタミン、例えば、ビタミンA、D、E、及びこれらの誘導体;水、例えば、チロシン、トリプタミン、及びこれらの塩であるような水不溶性アミノ酸;を例とするようなビタミン及びアミノ酸を含有してもよい。
【0139】
本発明の組成物はまた、例えば無機、ニトロソ、モノアゾ、ジアゾ、カロチノイド、トリフェニルメタン、トリアリールメタン、キサンテン、キノリン、オキサジン、アジン、アントラキノン、インジゴイド、チオニンインジゴイド、キナクリドン、フタロシアニン、ボタニカル、CI名を有するもののような水溶性構成成分を含む天然色、といった顔料物質を含有してもよい。本発明の組成物はまた、化粧品用殺生物剤及び抗ふけ剤として有用な抗菌剤を含有してもよく、これには:ピロクトンオラミンのような水溶性構成成分、3,4,4’−トリクロロカルバニリド(トリクロサン)、トリクロカルバン及びジンクピリチオンなどの水不溶性構成成分が挙げられる。
本発明の組成物はまたキレート剤を含有してもよい。
【0140】
(摩擦試験)
本発明の組成物での処理後に、毛髪は、好ましくは約1〜約2の摩擦係数を示す。より好ましくは、毛髪は約1.05〜約1.8の摩擦係数を示す。なおより好ましくは、毛髪は約1.1〜約1.7の摩擦係数を示す。更により好ましくは、毛髪は約1.2〜約1.6の摩擦係数を示す。摩擦係数は次の方法により測定される。
【0141】
この方法は未処理対処理済のヘアピースの摩擦の変化を測定する。73g+/−5%の重みがあり、およそ105μmの孔径を有するナイロンメッシュで覆われた加重「スレッド(sled)」(〜4.6mm×3.1mm)を、インストロンのような力測定装置に取り付け、一方の端部にクランプで締められた20gのヘアピース(およそ10インチの長さ)上を一定の速度で引く。
使用される毛髪は、長さ10インチの20gヘアピースに形成された白人の毛髪であり、それは洗浄されて異物が取り除かれている。次に、ヘアピースを、75℃/相対湿度(RH)50%の恒温室の中で一晩平衡化させる。
【0142】
ヘアピースを次のように処理する:ヘアピースを水道水の流水下で予め湿らせておく。過剰の水を絞り出し、ヘアピースを棚に吊す。次にリーブオン製品として、1.5ccの試験製品をヘアピースの表面に適用し、約30〜40秒間ヘアピース中に擦り込む。リンスオフ製品として、試験製品を0.1g/gの投与量で、湿った状態の毛髪に適用し、およそ30秒間もみ込み/泡を立て、続いておよそ30秒間およそ5.68L/min(1.5gal/min)の流速で水洗いし、このプロセスを一処理サイクルが終わるまで繰返す。次いでヘアピースを乾燥させ、前記に記載した処理サイクルを合計3サイクル繰返す。処理後、ヘアピースを棚に再び吊るし、恒温室(75℃/50%RH)の中に設置し、一晩平衡化させる。
【0143】
試験されるヘアピースを、水平試験スタンド上の所定位置に固定し、そのヘアピースを整え、もつれを取り除くために2〜3回櫛で梳く。次いで「そり」をヘアピース上に取り付けて配置する。3つの別々のヘアピース上で順方向に(毛髪の先端に向かって)、張力を測定しながら(典型的にはgで測定される)「そり」をおよそ1cm/秒の速度で引っ張ることにより摩擦を測定する。各力の測定値は、「そり」が一定速度に達した後、少なくとも5cmの長さにわたって記録された少なくとも10の値についての平均である。各ヘアピースの、3つの測定値の最小値を取る。摩擦係数を、処理されたヘアピースの摩擦を未処理のヘアピースの摩擦で割った平均の比として決定する。
【0144】
(湿潤/コンディション触感法)
本発明の組成物での処理の後、毛髪は、好ましくはコンディショニング効果を示す。コンディショニングを測定する方法には、評価する組成物による同一ヘアピースの処理を要し、続いてこれに「すすぎ中の滑る触感」「再湿潤時の滑らかな触感」及び「櫛通りやすさ」を含む種々のコンディショニング特性について、訓練を受けたパネリストによる一対比較試験を実施した。
【0145】
(製造方法)
本発明の組成物は、一般に、成分を一緒に室温又は高温(例えば、約72℃)で混合することによって製造されてもよい。固体成分が組成物中に存在する場合のみ熱を使用する必要がある。成分は、バッチ加工温度で混合される。電解質、ポリマー、及び粒子を含む追加成分は、室温で製品に添加されてもよい。
【0146】
(使用方法)
本発明のパーソナルクレンジング組成物は、従来の方法で、毛髪又は皮膚を洗浄及びコンディショニングするために用いられる。毛髪又は皮膚の洗浄及びコンディショニングのために、有効量の組成物を好ましくは水で湿らせた毛髪又は皮膚に適用し、その後洗い流す。このような有効量は一般に、約1g〜約50g、好ましくは約1g〜約20gの範囲である。毛髪への適用は、典型的には、ほとんど又はすべての毛髪が組成物と接触するように組成物を毛髪全体に行き渡らせることを含む。
【0147】
この毛髪又は皮膚のクレンジング及びコンディショニングの方法は:
(a)毛髪及び/又は皮膚を水で濡らす工程と、(b)パーソナルクレンジング組成物の有効量を毛髪及び/又は皮膚に適用する工程と、(c)適用された毛髪又は皮膚の領域を水で洗い流す工程とを含む。望ましい洗浄及びコンディショニング効果を達成するために、望ましいだけ何回もこれらの工程を繰返すことができる。
【0148】
(非限定実施例)
以下の実施例に示される組成物は、本発明の組成物の具体的な実施形態を説明したものであるが、これらに限定されることを意図したものではない。その他の変更は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、当業者により実行される。本発明の組成物のこれら代表的な実施形態は、毛髪の洗浄及びボリューム効果を、良好な湿潤コンディショニング及び櫛通り性能とともに提供する。
【0149】
次の実施例で説明する組成物は、従来の処方及び混合方法によって調製されており、その例は下記で説明される。すべての例示された量が重量%として列挙されており、特に指定されない限り、希釈剤、防腐剤、着色剤溶液、イメージ成分、植物などの微量物質は除外されている。
【0150】
本発明の組成物は、従来の配合及び混合技術を用いて調製されてもよい。固体界面活性剤又はワックス構成成分の融解又は溶解が必要である場合、これらを界面活性剤のプレミックス又は界面活性剤の幾らかの部分に添加して、混合し、固体構成成分を融解するために、例えば約72℃に加熱することができる。次にこの混合物を、任意に高速剪断粉砕機により処理及び冷却し、次いで残りの構成成分をその中に混合する。中空粒子構成成分は、高いせん断による粉砕を介する加工の前か、又は好ましくはこの最終的な混合物に添加する前のいずれかで、冷却の後に、添加することができる。組成物は、典型的には、2〜20Pa・s(約2000〜約20,000cps)の最終粘度を有する。必要に応じて組成物の粘度を、塩化ナトリウム又はキシレンスルホン酸アンモニウムの添加を含む従来の技術により調整することができる。そのため、列記する配合物は、列挙した構成成分及びこのような構成成分に関連するいずれかの微量物質を含む。
【0151】
【表1】

(1)ポリマー(Polymer)KG30M アマコール(Amerchol)より入手可能[電荷密度=1.9meq/g、分子量約2,000,000]
(2)ポリオックス(Polyox)WSR−301 アマコール/ダウ・ケミカル社(Amerchol/Dow Chemical Company)より入手可能
(3)チキシン(Thixin)R レオックス社(Rheox,Inc.)より入手可能
(4)サイパーナット(Sipernat)22LS デグサ(Degussa)より入手可能[粒径およそ4μm、比表面積およそ175m2/g]
(5)サイパーナット(Sipernat)360 デグサ社(Degussa Corp.)より入手可能[粒径およそ15μm、比表面積およそ50m2/g]
(6)サイパーナット(Sipernat)D11 デグサ(Degussa)より入手可能[粒径およそ4μm]
(7)トスパール(Tospearl)3120 GEシリコーンズ(GE Silicones)より入手可能[粒径およそ12μm、比表面積およそ18m2/g]
(8)トスパール(Tospearl)130 GEシリコーンズ(GE Silicones)より入手可能[粒径およそ3μm、比表面積およそ20m2/g]
(9)マイクロセン(Microthene)FN51000 クォンタム・ケミカル(Quantum Chemical)より入手可能[粒径およそ15μm]
(10)SP−10 コボ・プロダクツ社(KOBO Products,Inc)から入手可能[粒径およそ10μm]
(11)コボ・プロダクツ社(KOBO Products Inc.)から入手可能[粒径およそ12μm、比表面積およそ80m2/g
(12)コボ・プロダクツ社(KOBO Products Inc.)から入手可能[粒径およそ12μm、比表面積およそ750m2/g
【0152】
実施例1、2及び3の組成物は、本明細書に記載の摩擦方法に従って試験され、それぞれ1.2、1.2及び1.3の摩擦指数を与えることが見出され、及び良好な湿潤櫛通り及びときほぐし性能を示した。
【0153】
【表2】

(13)ポリマー(Polymer)LR400 アマコール(Amerchol)より電荷密度約0.7meq/g及び分子量約400,000で入手可能
(14)ポリマー(Polymer)JR30M アマコール(Amerchol)より電荷密度約1.25meq/g及び分子量約2,000,000で入手可能
(15)カチオン性セルロース アマコール(Amerchol)により供給[電荷密度約2.4meq/g、分子量約450,000]
(16)カチオン性グアー アクアロン(Aqualon)より供給[電荷密度約2.1meq/g、分子量約2,400,000]
(17)ビスカシル(Viscasil)330M ゼネラル・エレクトリック(General Electric)より入手可能
(18)粒径およそ300nmを有するポリジメチルシロキサンの0.06m2/s(60,000csk)のエマルション DC1664としてダウ・コーニング(Dow Corning)より入手可能
(19)ポリオックス(Polyox)WSR N−3000 ユニオン・カーバイド(Union Carbide)より入手可能
(20)カーボポール・ウルトレツ(Carbopol Ultrez)10 ノベオン社(Noveon,Inc.)より入手可能
(21)トスパール(Tospearl)240シリコーン樹脂 ゼネラル・エレクトリック(General Electric)より入手可能[粒径約4μm]
(22)アエロシル(Aerosil)200 デグサ社(Degussa Corp.)より入手可能
(23)エクスパンセル(Expancel)091DE アクゾ・ノーベル(Akzo Nobel)より入手可能[粒径約35〜55μm]
(24)スコッチライトガラスバブルズ(Scotchlite Glass Bubbles)S60 3M社より入手可能[粒径約30μm]
(25)マイクロポリ(Micropoly)250S マイクロパウダーズ社(Micro Powders,Inc)より入手可能[粒径約3μm]
【0154】
本明細書に記載された実施例及び実施形態は例示だけが目的であり、それを考慮した種々の変更又は変形が、本発明の範囲から逸脱することなく当業者に示唆されるであろうと理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)5〜50重量%の洗浄性界面活性剤と、
b)少なくとも0.1重量%からの、少なくとも0.01μmの粒径を有する不規則形状粒子と、
c)少なくとも0.1重量%からの、少なくとも0.01μmの粒径を有する球状粒子と、
d)20重量%からの水性キャリアと
を含むパーソナルクレンジング組成物であって、
前記球状粒子の中央粒径が前記不規則形状粒子の中央粒径よりも大きい、パーソナルクレンジング組成物。
【請求項2】
カチオン性ポリマーを更に含む、請求項1に記載のパーソナルクレンジング組成物。
【請求項3】
前記カチオン性ポリマーが、1.2〜7meq/gの電荷密度及び10,000〜10,000,000の分子量を有する、請求項2に記載のパーソナルクレンジング組成物。
【請求項4】
前記カチオン性ポリマーが、カチオン性セルロース誘導体及びカチオン性グアーガム誘導体からなる群から選択される、請求項2に記載のパーソナルクレンジング組成物。
【請求項5】
前記カチオン性ポリマーが、1.5〜3.0meq/gの電荷密度を有する、請求項2に記載のパーソナルクレンジング組成物。
【請求項6】
前記球状粒子が、球状ポリエチレン類、シリコーン樹脂類、ナイロン類及びこれらの混合物から成る群から選択される、請求項1に記載のパーソナルクレンジング組成物。
【請求項7】
前記不規則形状粒子が、金属酸化物、シリカ、アルミナ及びこれらの混合物から成る群から選択される、請求項1に記載のパーソナルクレンジング組成物。
【請求項8】
前記球状粒子が0.1〜100μmである、請求項1に記載のパーソナルクレンジング組成物。
【請求項9】
コンディショニング剤を更に含む、請求項1に記載のパーソナルクレンジング組成物。
【請求項10】
前記コンディショニング剤と前記組成物の全粒子との重量比が2:1未満である、請求項9に記載のパーソナルクレンジング組成物。
【請求項11】
a)5〜50重量%の洗浄性界面活性剤と、
b)少なくとも0.1重量%からの、少なくとも0.01μmの粒径を有する不規則形状粒子と、
c)少なくとも0.1重量%からの、少なくとも0.01μmの粒径を有する球状粒子と、
d)20重量%からの水性キャリアと
を含むパーソナルクレンジング組成物であって、
前記球状粒子と前記不規則形状粒子との重量比が少なくとも1:1である、パーソナルクレンジング組成物。
【請求項12】
a)5〜50重量%の洗浄性界面活性剤と、
b)少なくとも0.1重量%からの、少なくとも0.01μmの粒径を有する粒子と、
c)少なくとも0.1重量%からの、少なくとも0.01μmの粒径を有する球状粒子と、
d)20重量%からの水性キャリアと
を含むパーソナルクレンジング組成物であって、
前記パーソナルクレンジング組成物での処理の後、毛髪が1〜2の摩擦係数を示す、パーソナルクレンジング組成物。

【公表番号】特表2006−515000(P2006−515000A)
【公表日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−518370(P2005−518370)
【出願日】平成16年1月27日(2004.1.27)
【国際出願番号】PCT/US2004/002199
【国際公開番号】WO2004/066970
【国際公開日】平成16年8月12日(2004.8.12)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】