説明

両性又は双極性イオン性部分を含む制御された構造のコポリマー

本発明は、少なくとも2つの異なる部分、第一のA部(アニオン性又は潜在的にアニオン性のユニット及びカチオン性又は潜在的にカチオン性のユニット、又は双極性イオン性ユニットを含み、両性又は双極性イオン性)及び他のB部(両性又は双極性イオン性でない)を含む制御された構造のコポリマーに関係する。かかるコポリマーは、更に、それが導入された組成物の特性を改善し又は改変するために、その組成の変化による高い潜在的適応性を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なポリマーのファミリーに関係する。多くのポリマー構造及び多くの組成物が知られている。例えば、ホモポリマー、直鎖ランダムコポリマー又は直鎖順次的コポリマー(ブロックコポリマー)、櫛状又はグラフト化ポリマー又はコポリマー、及び星状ポリマー又はコポリマーがある。コポリマーの組成は、ポリマー鎖に含まれる様々なユニットと関係する。これらの様々なユニットは、様々なモノマーに由来するものであってよく及び/又は重合工程の後に行なわれる化学反応に由来するものであってよい。コポリマーの内で、中性の疎水性ユニット、アニオン性又は潜在的にアニオン性のユニット、及びカチオン性又は潜在的にカチオン性のユニットを含むランダムコポリマーが、知られている。ランダムコポリマーは、一般に、様々なモノマーを一緒に重合反応媒質に導入することにより得られるということは明記されている。かかるコポリマーは、制御されていない構造のポリマーである。これらのポリマーは、有利な特性を有し、該特性は、それらを、表面への付着の役割を演じ又は外的条件例えばpHの変化によって他の化合物の沈殿工程を開始するので、組成物例えば洗剤組成物において有用なものとする。
【背景技術】
【0002】
最近、制御された構造のポリマーの製造方法が、特に、ブロックコポリマーを得るための方法が、開発された。そうして、(親水性で中性)−ブロック−(親水性のアニオン性)、(親水性の中性)−ブロック−(親水性のカチオン性)、(疎水性の中性)−ブロック−(親水性の中性)、(疎水性の中性)−ブロック−(親水性のアニオン性)、又は(疎水性の中性)−ブロック−(親水性のカチオン性)という型の、2つのブロックを有するブロックコポリマーを製造するための方法及び運転条件があるということが見出された。これらの様々なポリマーのファミリーは、ある種の組成物において有用であることが見出されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、新規な組成物又は新規な物理化学的系を得るための新規なポリマーは、依然として求められている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
こうして、この発明は、少なくとも2つの異なる部分(アニオン性若しくは潜在的にアニオン性のユニット及びカチオン性若しくは潜在的にカチオン性のユニットを含む両性若しくは双極性イオン性の第一のA部、及び両性若しくは双極性イオン性でない他のB部)を含む制御された構造のコポリマーを加工処理する。それは又、それが導入された組成物の特性を、その組成の変化によって、改善し又は改変するための、又は、一層単純に新規な組成物若しくは物理化学的系を提示する高い潜在的適応性をも示す。換言すれば、この発明は、大きなモジュール性を示す新規なコポリマーを提示するものである。それ故、ブロック例えば中性ブロックの追加によって、両性又は双極性のランダムコポリマーの特性を調節し、又は両性配列を含む幾つかの配列の特性を結合することが可能である。
【0005】
この発明によるコポリマーは、多くの分野に用途を見出し、特に、洗剤、織物の管理、化粧品、及び皮膚若しくは毛を清潔にし、処理し若しくは保護することを意図した組成物の分野で多くの用途を見出している。それ故、この発明は又、洗剤組成物、織物管理用組成物、又は皮膚及び/若しくは毛を清潔にし、処理し及び/若しくは保護するための組成物におけるコポリマーの利用にも関係する。
【0006】
この制御された構造のコポリマーは、少なくとも2つの異なる組成のA部及びB部を含み、A部は、下記の特徴を有するイオン性又は潜在的にイオン性のユニットを含む:
- A部は、両性又は双極性部分であり、下記を含む:
- カチオン性又は潜在的にカチオン性のユニットAc
- アニオン性又は潜在的にアニオン性のユニットAA、及び
- 随意の、親水性及び/又は疎水性の中性のユニットAN
及び/又は
- 双極性イオン性ユニットAz
- 随意の、カチオン性又は潜在的にカチオン性のユニットAc
- 随意の、アニオン性又は潜在的にアニオン性のユニットAA、及び
- 随意の、親水性及び/又は疎水性の中性のユニットAN
- B部は、両性又は双極性部分でない。
【0007】
制御された構造のコポリマーのこれらの部分は、特に、ブロック、直鎖状主鎖、側鎖、グラフト、「ヘア」又はミクロゲル若しくは星型の分枝、星型若しくはミクロゲルのコア、或は様々なユニットの様々な濃度を有するポリマー鎖の部分であってよい。
【0008】
こうして、この発明のコポリマーが示す制御された構造を、下記の構造から選択することができる:
- 少なくとも2つのブロック、一のブロックに対応するA部、他のブロックに対応するB部を含むブロックコポリマー。A部は、最も一般的には、適宜、組成の勾配を有する幾つかの異なるユニットからなる。A部は又、ランダムコポリマー構造を有することもできる。こうして、A部は、ホモポリマー(もし、Azユニットを有するなら)、ランダムコポリマー又は組成勾配コポリマー構造を有しうる;
- 主鎖及び側鎖を含む櫛又はグラフトコポリマー(A部が主鎖に対応して、B部が側鎖に対応するか、又はB部が主鎖に対応して、A部が側鎖に対応する);
- ポリマーコア又は非ポリマーコア、及び周辺ポリマー鎖を含む星型又はミクロゲルコポリマー(一部はコアに対応し、他は周辺鎖に対応する)。A部はコアに対応することができて、B部は周辺鎖に対応することができる。逆に、B部がコアに対応することができて、A部が周辺鎖に対応することができる。
【0009】
特に有利な具体例により、このコポリマーは、ブロックコポリマー、例えば、(ブロックA)−(ブロックB)ジブロックコポリマー、(ブロックA)−(ブロックB)−(ブロックA)トリブロックコポリマー又は(ブロックB)−(ブロックA)−(ブロックB)トリブロックコポリマーである。
【0010】
定義
本願において、表現「モノマーに由来するユニット」は、該モノマーから重合によって直接得ることのできるユニットを指す。従って、例えば、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルに由来するユニットは、式−CH2−CH(COOH)−、CH2−C(CH3)(COOH)−、−CH2−CH(OH)−(それぞれ、例えば、アクリル酸若しくはメタクリル酸エステル又は酢酸ビニルの重合とその後の加水分解により得られる)のユニットをカバーしない。アクリル酸又はメタクリル酸に由来するユニットは、例えば、モノマー(例えば、アクリル酸又はメタクリル酸エステル)の重合、及びその後、得られたポリマーを、式−CH2−CH(COOH)−又はCH2−C(CH3)(COOH)−のユニットを得るように反応させることにより(例えば、加水分解により)得られるユニットをカバーする。例えば、ビニルアルコールに由来するユニットは、モノマー(例えば、ビニルエステル)の重合及びその後、得られたポリマーを、式−CH2−CH(OH)−のユニットを得るように反応させることにより(例えば、加水分解により)得られるユニットをカバーする。
【0011】
本願においては、別段の指示のない場合は、平均分子質量は、多角度光散乱光度計と結合した、適当な溶媒中での排除クロマトグラフィー(GPC−MALLS)により測定した数平均分子質量である。本願においては、ポリマーの製造に利用した成分の質量から決定した理論的数平均分子質量を参照することができる。
【0012】
典型的には、ブロック、側鎖、主鎖、周辺鎖又はコアの理論的平均分子質量Mは、下記式により計算される:
【数1】

(式中、Miは、モノマーiの分子質量であり、niは、モノマーiのモル数であり、nprecursorは、ブロック、側鎖、主鎖、周辺鎖又はコアの巨大分子鎖が結合する化合物のモル数である)。この化合物は、移動剤(又は、移動原子団)又は開始剤、先行ブロックなどであってよい。もし、それが、先行ブロックであるならば、そのモル数は、該先行するブロックの巨大分子鎖が結合した化合物例えば移動剤(又は、移動原子団)又は開始剤のモル数であると考えることができる。
【0013】
本発明において、「一の部の平均電荷Q」は、下記の方程式により規定される電荷を指す:
【数2】

(式中:
- [c]は、A部中のユニットACのモル濃度であり、
- [a]は、A部中のユニットAAのモル濃度であり、
- XCは、ユニットACの可能な中和度を表し(ユニットACが、潜在的にカチオン性である場合);XC=[BH+]/([B]+[BH+])、
- XAは、ユニットAAの可能な中和度を表す(ユニットACが、潜在的にアニオン性である場合);XA=[A-]/([AH]+[A-]))。
【0014】
本願において、用語「疎水性」は、「水に対する親和性を有しない」という通常の意味で用い;これは、それを構成する有機ポリマー(同じ組成で、同じ分子質量の)が、単独で、1重量%より高濃度で、25℃の蒸留水中で、2相の巨視的溶液を形成することを意味する。
【0015】
本願において、用語「親水性」も又、「水に対する親和性を有する」、即ち、1重量%より高濃度で、25℃の蒸留水中で、2相の巨視的溶液を形成することができないという通常の意味で用いる。
【0016】
特に有利な具体例によれば、B部のA部に対する重量比は、0.01〜100であり、例えば、0.01〜1であり、好ましくは、0.1〜1又は1〜100であり、好ましくは、1〜10である。それは、コポリマーを得るために用いるモノマーの量の間の重量比である。この比は又、理論的平均分子質量の比でもある。
【0017】
ある有利な具体例に拠れば、このコポリマーは、水溶性可溶性又は水分散性である。これは、前記のコポリマーが、少なくともある種のpH及び濃度範囲で、2相組成物(水中)を、使用条件下で、形成しないことを意味する。
【0018】
好ましくは、A部及びB部は、エチレン性不飽和モノマーから誘導される。
【0019】
この発明のコポリマーは、特に、粉末の形態、液体中の分散の形態、又は溶媒(水又は他のもの)中の溶液の形態であってよい。この形態は、一般に、コポリマーの利用と関連する必要条件に依存する。それは又、そのコポリマーを製造する方法とも関連しうる。
【0020】
好ましくは、A部及びB部のユニットは、エチレン性不飽和モノマー、一層好ましくは、α,β−モノエチレン性不飽和モノマーから誘導される。
【0021】
B部
B部(例えば、ブロックB)は、両性又は双極性イオン性部分に相当しないポリマー部分である。換言すれば、B部は、双極性イオン性モノマーに由来するユニットを含まず、又は同時にカチオン性若しくは潜在的にカチオン性のユニットとアニオン性若しくは潜在的にアニオン性のユニットを含まない。B部は、好ましくは、親水性又は疎水性の中性モノマーに由来するユニットを含む親水性又は疎水性の中性部分である。これらのB部が疎水性で中性の部分であるコポリマーは、特に有利である。好ましくは、B部は、本質的に、コポリマーを使用するpHで非イオン性であり又はイオン化できない。最も好ましくは、B部は、非イオン性である。例えば、B部(例えば、ブロックB)は、少なくとも一種の疎水性の非イオン性モノマーに由来する。
【0022】
B部は又、少なくとも一種の親水性の非イオン性モノマーに由来する親水性の非イオン性ユニットを、このブロックが疎水性を保持するのに十分な少ない量で含むこともでき;この量は、該B部(例えば、ブロックB)が由来する全モノマーの10モル%に及びうる。
【0023】
同様に、B部は又、少なくとも一種のイオン性又は潜在的にイオン性の(特に、カチオン性又は潜在的にカチオン性の)モノマーに由来するイオン性又は潜在的にイオン性の(特に、カチオン性又は潜在的にカチオン性の)ユニットを、最少量で含むこともでき、それで該ポリマーは、その疎水性及び本質的に非イオン性を維持し;この量は、該B部(例えば、ブロックB)が由来する全モノマーの10モル%以下であってよい。
【0024】
B部(例えば、ブロックB)が由来しうる疎水性の非イオン性モノマーの例としては、下記を挙げることができる:
・ビニル芳香族モノマー例えばスチレン、アルファ−メチルスチレン、ビニルトルエンなど、
・ビニルハリド又はビニリデンハリド例えば塩化ビニル、塩化ビニリデン、
・α,β−モノエチレン性不飽和酸のC1〜C12アルキルエステル例えばメチル、エチル又はブチルアクリレート及びメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートなど、
・飽和カルボン酸のビニルエステル又はアリルエステル例えばビニル又はアリルアセテート、プロピオネート、バーサテート、ステアレートなど、
・3〜12炭素原子を含むα,β−モノエチレン性不飽和ニトリル例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリルなど、
・α−オレフィン例えばエチレンなど、
・共役ジエン例えばブタジエン、イソプレン、クロロプレン、
・ポリジメチルシロキサン(PDMS)鎖を生成することのできるモノマー。
【0025】
こうして、B部は、シリコーン例えばポリジメチルシロキサン鎖又はジメチルシロキシユニットを含むコポリマーであってよい。
【0026】
可能な非イオン性の親水性モノマーの例としては、下記を挙げることができる:
・α,β−エチレン性不飽和酸のヒドロキシアルキルエステル例えばヒドロキシエチル又はヒドロキシプロピルアクリレート及びメタクリレート、グリセリルモノメタクリレートなど、
・α,β−エチレン性不飽和アミド例えばアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−メチロール−アクリルアミドなど、
・ポリ(エチレンオキシド)型の水溶性ポリオキシアルキレンセグメントを有するα,β−エチレン性不飽和モノマー例えばポリ(エチレンオキシド)α−メタクリレート(Laporte社製 Bisomer S20W、S10Wなど)又はα,ω−ジメタクリレート、Rhodia社製 Sipomer BEM (ω−ベヘニルポリオキシエチレンメタクリレート)、Rhodia社製 Sipomer SEM-25 (ω−トリスチリルフェニルポリオキシエチレンメタクリレート)など、
・親水性のユニット又はセグメントの前駆体であるα,β−エチレン性不飽和モノマー例えば一度重合したらビニルアルコールユニット又はポリビニルアルコールセグメントを生じさせるために加水分解しうるビニルアセテート、
・ビニルピロリドン、
・ウレイド型のα,β−エチレン性不飽和モノマー特に2−イミダゾリジノン−エチルメタクリルアミド(Rhodia社製 Sipomer WAM II)。
【0027】
少量で使用できるイオン性又は潜在的にイオン性のモノマーの例を、以下に挙げる(A部に関して)。
【0028】
B部(例えば、ブロックB)の平均分子質量は、500〜100000、好ましくは500〜25000g/モル(排除クロマトグラフィーにより測定)に及んでよい。
【0029】
A部
A部は、イオン性又は潜在的にイオン性のユニットを含む。それは、両性又は双極性イオン性の部分であって、下記を含む:
- 両性部分の場合:
- カチオン性又は潜在的にカチオン性のユニットAC
- アニオン性又は潜在的にアニオン性のユニットAA、及び
- 随意の、親水性及び/又は疎水性の中性のユニットAN
及び/又は
- 双極性イオン性部分の場合:
- 双極性イオン性ユニットAZ
- 随意の、カチオン性又は潜在的にカチオン性のユニットAC
- 随意の、アニオン性又は潜在的にアニオン性のユニットAA、及び
- 随意の、親水性及び/又は疎水性の中性のユニットAN
【0030】
A部において、ユニットAC、AA及び、随意のANは、好ましくは、ランダムな又は勾配付きコポリマーの形態である。しかしながら、それらが、僅かにブロック性のコポリマーの形態であることは不可能である。A部は、ユニットAZのみからなってよいが、一般的には、双極性部分は、ランダムコポリマーであり、又は勾配付きコポリマーである(ユニットAZに加えて、ユニットAC、AA及び/又はANから選択するユニットを含む)。
【0031】
表現「カチオン性又は潜在的にカチオン性のユニットAC」は、カチオン性又は潜在的にカチオン性の原子団を含むユニットを意味することを意図している。これらのカチオン性のユニット又は原子団は、コポリマーが存在する媒質のpHが如何なるものであっても、少なくとも一つの陽性電荷を有するユニット又は原子団である(一般に、一つ以上のアニオン例えば塩化物イオン、臭化物イオン、サルフェート原子団、メチルサルフェート原子団と関係する)。これらの潜在的にカチオン性のユニット又は原子団は、中性でありえ又は少なくとも一つの陽性電荷を有しうる(コポリマーが存在する媒質のpHによって)ユニット又は原子団である。この場合、中性形態又はカチオン性形態で潜在的にカチオン性のユニットACを挙げることができる。拡張により、カチオン性又は潜在的にカチオン性のモノマーを挙げることができる。
【0032】
表現「アニオン性又は潜在的にアニオン性のユニットAA」は、アニオン性又は潜在的にアニオン性の原子団を含むユニットを意味することを意図している。これらのアニオン性のユニット又は原子団は、コポリマーが存在する媒質のpHが如何なるものであっても、少なくとも一つの陰性電荷を有するユニット又は原子団である(一般に、一つ以上のカチオン例えばアルカリ金属又はアルカリ土類金属のカチオン、例えばナトリウム、化合物、又はカチオン性原子団例えばアンモニウムと関係する)。これらの潜在的にアニオン性のユニット又は原子団は、中性でありえ又は少なくとも一つの陰性電荷を有しうる(コポリマーが存在する媒質のpHによって)ユニット又は原子団である。この場合、中性形態又はアニオン性形態で潜在的にアニオン性のユニットAAを挙げることができる。拡張により、アニオン性又は潜在的にアニオン性のモノマーを挙げることができる。
【0033】
用語「中性のユニットAN」は、コポリマーが存在する媒質のpHが如何なるものであっても電荷を有しないユニットを意味することを意図している。
【0034】
A部は、潜在的にカチオン性のユニットAC(カチオン形態)とアニオン性又は潜在的にアニオン性のユニットAA(アニオン形態)とを同時に有することができる。或は、A部は、カチオン性又は潜在的にカチオン性のユニットAC(カチオン形態)及び潜在的にアニオン性のユニットAA(中性形態)を同時に有することができる。或は、A部は、潜在的にカチオン性のユニットAC(中性形態)及びアニオン性又は潜在的にアニオン性のユニットAA(アニオン形態)を同時に有することができる。好ましくは、このコポリマーは、ユニットAAとユニットAC(中性形態)同時に有しない。
【0035】
ユニットANは、親水性であっても疎水性であってもよい。好ましくは、それらは、疎水性であるが、親水性ユニットを含んでよい。
【0036】
潜在的にカチオン性の親水性モノマー(これからACを誘導することができる)の例としては、下記を挙げることができる:
・α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸のN,N−(ジアルキルアミノ−ω−アルキル)アミド例えばN,N−ジメチルアミノメチルアクリルアミド又はメタクリルアミド、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルアクリルアミド又はメタクリルアミド、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルアクリルアミド又はメタクリルアミド及び4−(N,N−ジメチルアミノ)ブチルアクリルアミド又はメタクリルアミド、
・α,β−モノエチレン性不飽和アミノエステル例えば2−(ジメチルアミノ)エチルアクリレート(DMAA)、2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート(DMAM)、3−(ジメチルアミノ)プロピルメタクリレート、2−(t−ブチルアミノ)エチルメタクリレート、2−(ジペンチルアミノ)エチルメタクリレート、及び2(ジエチルアミノ)エチルメタクリレート、
・ビニルピリジン、
・ビニルアミン、
・ビニルイミダゾリン、
・アミン官能基の前駆体であるモノマー例えばN−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセタミドなど(これらは、単一の酸又は塩基加水分解によって、一次アミン官能基を生じさせる)。
【0037】
ユニットACを誘導することのできるカチオン性の親水性モノマーの例としては、下記を挙げることができる:
・アクリロイル又はアクリロイルオキシアンモニウムモノマー例えばトリメチルアンモニウムプロピルメタクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチルアクリルアミド又はメタクリルアミドクロリド又はブロミド、トリメチルアンモニウムブチルアクリルアミド又はメタクリルアミドメチルサルフェート、トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドメチルサルフェート(MES)、(3−メタクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド(MAPTAC)、(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド(APTAC)、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド又はメチルサルフェート、及びアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド;
・1−エチル−2−ビニルピリジニウム又は1−エチル−4−ビニルピリジニウムブロミド、クロリド又はメチルサルフェート;
・N,N−ジアルキルジアリルアミンモノマー例えばN,N−ジメチルジアリルアンモニウムクロリド(DADMAC);
・ポリ四級化モノマー例えばジメチルアミノプロピルメタクリルアミドクロリド及びN−(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウム(DIQUAT)など。
【0038】
親水性又は疎水性の非イオン性(中性)モノマー(それからユニットANを誘導することができる)の例は、既に、上で言及した(B部に関して)。
【0039】
ユニットAAを誘導することのできるアニオン性又は潜在的にアニオン性のモノマーの例としては、下記を挙げることができる:
・少なくとも1つのカルボン酸官能基を有するモノマー例えばα,β−エチレン性不飽和カルボン酸又は対応する無水物例えばアクリル酸、メタクリル酸又はマレイン酸又は無水物、フマル酸、イタコン酸、N−メタクロイルアラニン、N−アクリロイルグリシン、及びそれらの水溶性の塩、
・カルボキシレート官能基の前駆体であるモノマー例えば重合後に加水分解によってカルボン酸官能基を生じさせるt−ブチルアクリレート、
・少なくとも一つのサルフェート又はスルホネート官能基を有するモノマー例えば2−スルホオキシエチルメタクリレート、ビニルベンゼンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スルホエチルアクリレート又はメタクリレート、スルホプロピルアクリレート又はメタクリレート、及びそれらの水溶性の塩、
・少なくとも一つのホスホネート又はホスフェート官能基を有するモノマー例えばビニルホスホン酸など、エチレン性不飽和ホスフェートのエステル例えばヒドロキシエチルメタクリレートに由来するホスフェート(Rhodia社のEmpicryl 6835)及び、ポリオキシアルキレンメタクリレートに由来するもの、及びそれらの水溶性の塩。
【0040】
ユニットAZを誘導することのできる双極性イオン性モノマーの例としては、下記を挙げることができる:
・スルホベタインモノマー例えばスルホプロピルジメチルアンモニウムエチルメタクリレート(Raschig社のSPE)、スルホプロピルジメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミド(Raschig社のSPP)、及びスルホプロピル−2−ビニルピリジニウム(Raschig社のSPV)、
・ホスホベタインモノマー例えばホスファトエチルトリメチルアンモニウムエチルメタクリレート、
・カルボキシベタインモノマー。
【0041】
A部の数平均分子質量は、500〜100000に、好ましくは500〜25000g/モルに及びうる(排除クロマトグラフィーにより測定して)。
【0042】
特に、この発明によるコポリマーの数平均分子質量は、MALLS法(Multi Angle Laser Light Scattering)と結合させたGPCにより測定して、1000〜200000g/モル好ましくは1000〜50000g/モル、一層詳細には3000〜30000g/モルである。
【0043】
A部は、陽性の、陰性の又は中性の平均電荷Qを有する。双極性イオン性のA部の場合、平均電荷は、一般に、中性である。両性のA部の場合、ポリマーの特性及びその用途は、平均電荷を変化させることにより調節することができる。特定の具体例において、B部は、中性の部であり、B部は、陽性の、陰性の又は中性の平均電荷Qを有する。
【0044】
ジブロックコポリマーの例としては、特に、(ポリ(ブチルアクリレート))−(ポリ(アクリル酸−stat−四級化2−ジメチルアミノエチルアクリレート))コポリマーを挙げることができる。トリブロックポリマーの例としては、特に、(ポリ(アクリル酸−stat−四級化2−ジメチルアミノエチルアクリレート))−ポリオルガノシロキサン−(ポリ(アクリル酸−stat−四級化2−ジメチルアミノエチルアクリレート))−コポリマーを挙げることができる。
【0045】
この発明によるコポリマーは、任意の公知の方法、制御された又はされてないラジカル重合、開環重合(特に、アニオン性又はカチオン性)、アニオン性又はカチオン性重合、或は、ポリマーの化学的改変によって得ることができる。
【0046】
好ましくは、「生きた」又は「制御された」ラジカル重合法を、行なうことができる。
【0047】
「生きた」又は「制御された」重合工程の例として、特に、下記を参考にすることができる:
- 出願WO98/58974、WO00/75207及びWO01/42312の方法(これらは、ザンテート型の制御剤により制御されたラジカル重合を用いている)、
- 出願WO98/01478のジチオエステル型の制御剤により制御されたラジカル重合の工程、
- 出願WO02/08307に記載された工程、特に、ポリオルガノシロキサンブロックを含むコポリマーを得るための工程、
- 出願WO99/31144のジチオカーバメート型の制御剤により制御されたラジカル重合の工程、
- 出願WO02/26836のジチオカーバゼート型の制御剤により制御されたラジカル重合の工程、
- 出願WO02/10223のジチオホスホロエステル型の制御剤により制御されたラジカル重合の工程、
(上記のように制御されたラジカル重合により得られたブロックコポリマーは、適宜、それらの硫黄含有鎖末端の、例えば加水分解、酸化、還元、熱分解又は置換型の工程による精製のための反応を受けることができる)、
- 出願WO99/03894の工程(ニトロキシド前駆体の存在下での重合を利用する)、
- 出願WO96/30421の工程(原子移動ラジカル重合(ATRP)を利用する)、
- Otu等、Makromol.Chem.Rapid.Commun., 3, 127 (1982)の教示によるイニファーター型の制御剤により制御されたラジカル重合の工程、
- Tatemoto等、Jap. 50, 127, 991 (1975), Daikin kogyo Co ltd Japan及びMatyjaszewski等、Macromolecules, 28, 2093 (1995)の教示によるヨウ素の退行性トランスファーにより制御されたラジカル重合の工程、
- D. Braun等、Macromol.Symp. 111,63 (1996)により開示されたテトラフェニルエタン誘導体により制御されたラジカル重合の工程、又は
- Wayland等、J.Am.Chem.Soc. 116,7973 (1994)により記載された有機コバルト錯体により制御されたラジカル重合の工程、
- ジフェニルエチレンにより制御されたラジカル重合の工程(WO00/39169又はWO00/37507)。
【0048】
含まれるコポリマーは、制御され、グラフトされ又は櫛状構造を有するコポリマーであり、該コポリマーは、「直接グラフト」法及び共重合によって得ることができる。この直接グラフトは、選択したモノマーを、選択したポリマーの存在下で、ラジカル重合によって重合させて、最終製品の主鎖を形成することにある。このモノマー/主鎖の組及び運転条件をも賢明に選択すれば、移動反応を、成長中のマクロラジカルと主鎖の間で生じさせることができる。この反応は、主鎖上にラジカルを生成させ、このラジカルからグラフトが成長する。開始剤から誘導された一次ラジカルは、移動反応に参加することもできる。
【0049】
共重合に関しては、最初に、将来のペンダントセグメントの末端に対する、ラジカル重合によって重合させることのできる官能基のグラフトを利用する。このグラフトは、慣用の有機化学的方法によって行なうことができる。次いで、第二段階において、こうして得られたマクロモノマーを選択したモノマーと重合させて主鎖を形成して、「櫛状」ポリマーが得られる。このグラフトは、上記の参考文献に挙げられたような重合制御剤の存在下で、有利に行なうことができる。
【0050】
星状ポリマーの製造方法は、本質的に、2つのグループに分類されうる。第一は、中心を構成する多官能性化合物からのポリマーのアームの形成(「コア−ファースト」技術)(Kennedy, J.P.及び同僚、Macromolecules, 29, 8631 (1996), Deffieux, A. 及び同僚、前出、25, 6744, (1992), Gnanou, Y.及び同僚、前出、31, 6748 (1998))に対応し、第二は、これらのアームを構成するポリマー分子を先ず合成してからコア上に、星形状のポリマーを形成するように一緒に結合する方法(「アーム−ファースト」技術)に対応する。
【0051】
この型のポリマーの合成例として、特許WO00/02939を参照することができる。幾つかの移動基を含むコアからの重合方法及びミセル架橋法を挙げることもできる。
【実施例】
【0052】
この発明の他の詳細又は利点は、下記の実施例を考慮することにより、一層明確に分かるであろうが、この実施例は、何ら本発明を制限するものではない。
【0053】
与えられた略号は、下記の意味を有している:

【0054】
ポリ(ブチルアクリレート)ポリ(アクリル酸−stat−四級化2−ジメチルアミノエチルアクリレート)ジブロックコポリマーの合成
124.2gのエタノール、13.54gのO−エチル−S−(1−メチロキシ−カルボニル)エチレニル)ザンテート(CH3CHCO2CH3)S(C=S)OEt及び65gのブチルアクリレートを、冷却器及びマグネチックスターラーを備えた500mlのガラス製の2口丸底フラスコに導入して、アルゴン下に維持する。この溶液を、70℃の温度に加熱して、4.27gのアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)をこの反応混合物に加える。この反応を、この温度で、2時間維持する。1H NMR分析は、アクリレートモノマーが完全に重合したことを確認する。このポリマーの分子質量を、排除クロマトグラフィーによって測定する。Mn=1800g/モル。
【0055】
2.13gのアゾビスイソブチロニトリルを、第一ステップから得られたポリマーに加えて、70℃に維持する。その後、173.3gのアクリル酸、404.7gの四級化2−ジメチルアミノエチルアクリレート、335gの水及び335gのエタノールを含む混合物を4時間にわたって加える。2時間の導入の後に、3.2gのAIBNを導入する。モノマー溶液の導入の4時間の最後に、再び、3.2gのAIBNをこの反応器に導入する。次いで、反応を、この温度で、更に2時間にわたって維持する。
【0056】
1H NMR分析は、最終的コポリマーの組成が、予想されたものに相当することを確認する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの異なる組成のA部及びB部を含む制御された構造のコポリマーであって、A部は、下記の特徴を有するイオン性又は潜在的にイオン性のユニットを含み:
- A部は、両性又は双極性イオン性部分であり、下記を含み:
- カチオン性又は潜在的にカチオン性のユニットAc
- アニオン性又は潜在的にアニオン性のユニットAA、及び
- 随意の、親水性及び/又は疎水性の中性のユニットAN
及び/又は
- 双極性イオン性ユニットAz
- 随意の、カチオン性又は潜在的にカチオン性のユニットAc
- 随意の、アニオン性又は潜在的にアニオン性のユニットAA、及び
- 随意の、親水性及び/又は疎水性の中性のユニットAN
- B部は、両性又は双極性イオン性部分でない、上記の制御された構造のコポリマー。
【請求項2】
B部が、親水性又は疎水性の中性のユニットを含む、親水性又は疎水性の中性部分である、前記の請求項に記載のコポリマー。
【請求項3】
下記の構造の一つを有する、請求項1又は2に記載のコポリマー:
- 少なくとも2つのブロック、一のブロックに対応するA部、他のブロックに対応するB部を含み、A部が、適宜、組成勾配を有するブロックコポリマー
- 主鎖及び側鎖を含む櫛状又はグラフトコポリマー(A部が主鎖に対応して、B部が側鎖に対応するか、又はB部が主鎖に対応して、A部が側鎖に対応する);
- ポリマーコア又は非ポリマーコア、及び周辺ポリマー鎖を含む星型又はミクロゲルコポリマー(一部はコアに対応し、他は周辺鎖に対応する)。
【請求項4】
(ブロックA)−(ブロックB)ジブロックコポリマー、(ブロックA)−(ブロックB)−(ブロックA)トリブロックコポリマー又は(ブロックB)−(ブロックA)−(ブロックB)トリブロックコポリマーである、前記の請求項の一つに記載のコポリマー。
【請求項5】
制御されたラジカル重合工程によって得られる、前記の請求項の一つに記載のコポリマー。
【請求項6】
B部が、中性部分であり、A部が、陽性の、陰性の又は中性の平均電荷Qを有する、前記の請求項の一つに記載のコポリマー。
【請求項7】
粉末の形態、液体中の分散の形態、又は溶媒中の溶液の形態である、前記の請求項の一つに記載のコポリマー。
【請求項8】
モノマーに由来するユニットACを、下記から選択する、前記の請求項の一つに記載のコポリマー:
・α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸のN,N−(ジアルキルアミノ−ω−アルキル)アミド例えばN,N−ジメチルアミノメチルアクリルアミド又はメタクリルアミド、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルアクリルアミド又はメタクリルアミド、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルアクリルアミド又はメタクリルアミド及び4−(N,N−ジメチルアミノ)ブチルアクリルアミド又はメタクリルアミド、
・α,β−モノエチレン性不飽和アミノエステル例えば2−(ジメチルアミノ)エチルアクリレート(DMAA)、2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート(DMAM)、3−(ジメチルアミノ)プロピルメタクリレート、2−(t−ブチルアミノ)エチルメタクリレート、2−(ジペンチルアミノ)エチルメタクリレート、及び2(ジエチルアミノ)エチルメタクリレート、
・ビニルピリジン、
・ビニルアミン、
・ビニルイミダゾリン、
・アミン官能基の前駆体であるモノマー例えばN−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセタミドなど(これらは、単一の酸又は塩基加水分解によって、一次アミン官能基を生じさせる)、
・アクリロイル又はアクリロイルオキシアンモニウムモノマー例えばトリメチルアンモニウムプロピルメタクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチルアクリルアミド又はメタクリルアミドクロリド又はブロミド、トリメチルアンモニウムブチルアクリルアミド又はメタクリルアミドメチルサルフェート、トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドメチルサルフェート(MES)、(3−メタクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド(MAPTAC)、(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド(APTAC)、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド又はメチルサルフェート、及びアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド;
・1−エチル−2−ビニルピリジニウム又は1−エチル−4−ビニルピリジニウムブロミド、クロリド又はメチルサルフェート;
・N,N−ジアルキルジアリルアミンモノマー例えばN,N−ジメチルジアリルアンモニウムクロリド(DADMAC);
・ポリ四級化モノマー例えばジメチルアミノプロピルメタクリルアミドクロリド及びN−(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウム(DIQUAT)。
【請求項9】
モノマーに由来するユニットAAを、下記より選択する、前記の請求項の一つに記載のコポリマー:
・少なくとも1つのカルボン酸官能基を有するモノマー例えばα,β−エチレン性不飽和カルボン酸又は対応する無水物例えばアクリル酸、メタクリル酸又はマレイン酸又は無水物、フマル酸、イタコン酸、N−メタクロイルアラニン、N−アクリロイルグリシン、及びそれらの水溶性の塩、
・カルボキシレート官能基の前駆体であるモノマー例えば重合後に加水分解によってカルボン酸官能基を生じさせるt−ブチルアクリレート、
・少なくとも一つのサルフェート又はスルホネート官能基を有するモノマー例えば2−スルホオキシエチルメタクリレート、ビニルベンゼンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スルホエチルアクリレート又はメタクリレート、スルホプロピルアクリレート又はメタクリレート、及びそれらの水溶性の塩、
・少なくとも一つのホスホネート又はホスフェート官能基を有するモノマー例えばビニルホスホン酸など、エチレン性不飽和ホスフェートのエステル例えばヒドロキシエチルメタクリレートに由来するホスフェート及び、ポリオキシアルキレンメタクリレートに由来するもの、及びそれらの水溶性の塩。
【請求項10】
モノマーに由来するユニットANを、下記より選択する、前記の請求項の一つに記載のコポリマー:
・ビニル芳香族モノマー例えばスチレン、アルファ−メチルスチレン、ビニルトルエンなど、
・ビニルハリド又はビニリデンハリド例えば塩化ビニル、塩化ビニリデン、
・α,β−モノエチレン性不飽和酸のC1〜C12アルキルエステル例えばメチル、エチル又はブチルアクリレート及びメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートなど、
・飽和カルボン酸のビニルエステル又はアリルエステル例えばビニル又はアリルアセテート、プロピオネート、バーサテート、ステアレートなど、
・3〜12炭素原子を含むα,β−モノエチレン性不飽和ニトリル例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリルなど、
・α−オレフィン例えばエチレンなど、
・共役ジエン例えばブタジエン、イソプレン、クロロプレン、
・ポリジメチルシロキサン(PDMS)鎖を生成することのできるモノマー、
・α,β−エチレン性不飽和酸のヒドロキシアルキルエステル例えばヒドロキシエチル又はヒドロキシプロピルアクリレート及びメタクリレート、グリセリルモノメタクリレート、
・α,β−エチレン性不飽和アミド例えばアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−メチロール−アクリルアミド、
・ポリエチレンオキシド型の水溶性ポリオキシアルキレンセグメントを有するα,β−エチレン性不飽和モノマー例えばポリエチレンオキシドα−メタクリレート又はα,ω−ジメタクリレート、ω−ベヘニルポリオキシエチレンメタクリレート、及びω−トリスチリルフェニルポリオキシエチレンメタクリレート、
・親水性のユニット又はセグメントの前駆体であるα,β−エチレン性不飽和モノマー例えば一度重合したらビニルアルコールユニット又はポリビニルアルコールセグメントを生じさせるために加水分解しうるビニルアセテート、
・ビニルピロリドン、
・ウレイド型のα,β−エチレン性不飽和モノマー特に2−イミダゾリジノン−エチルメタクリルアミド。
【請求項11】
モノマーに由来するユニットAZを、下記より選択する、前記の請求項の一つに記載のコポリマー:
・スルホベタインモノマー例えばスルホプロピルジメチルアンモニウムエチルメタクリレート、スルホプロピルジメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミド、及びスルホプロピル−2−ビニルピリジニウム、
・ホスホベタインモノマー例えばホスファトエチルトリメチルアンモニウムエチルメタクリレート、
・カルボキシベタインモノマー。
【請求項12】
B部が、下記より選択する疎水性の中性のモノマーに由来するユニットを含む、前記の請求項の一つに記載のコポリマー:
・ビニル芳香族モノマー例えばスチレン、アルファ−メチルスチレン、ビニルトルエン、
・ビニルハリド又はビニリデンハリド例えば塩化ビニル、塩化ビニリデン、
・α,β−モノエチレン性不飽和酸のC1〜C12アルキルエステル例えばメチル、エチル又はブチルアクリレート及びメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、
・飽和カルボン酸のビニルエステル又はアリルエステル例えばビニル又はアリルアセテート、プロピオネート、バーサテート、ステアレート、
・3〜12炭素原子を含むα,β−モノエチレン性不飽和ニトリル例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、
・α−オレフィン例えばエチレン、
・共役ジエン例えばブタジエン、イソプレン、クロロプレン、
・ポリジメチルシロキサン鎖を生成することのできるモノマー。
【請求項13】
少なくとも2つのブロック、一のブロックに対応するA部、他の部分に対応するB部を含み、A部が、ホモポリマー(ユニットAZを含むならば)、ランダムコポリマー又は組成勾配コポリマー構造を有するブロックコポリマー構造を有する、請求項3〜12の一つに記載のコポリマー。
【請求項14】
洗剤組成物、織物管理用組成物、又は皮膚及び/若しくは毛を清潔にし、処理し及び/若しくは保護するための組成物における、前記の請求項の一つに記載のコポリマーの利用。

【公表番号】特表2006−505686(P2006−505686A)
【公表日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−506660(P2005−506660)
【出願日】平成15年10月31日(2003.10.31)
【国際出願番号】PCT/FR2003/003255
【国際公開番号】WO2004/044023
【国際公開日】平成16年5月27日(2004.5.27)
【出願人】(390023135)ロディア・シミ (146)
【氏名又は名称原語表記】RHONE−POULENC CHIMIE
【Fターム(参考)】