説明

両方向導電性シート及びその製造方法、両方向導電性多層シート、半導体検査ソケット

【解決手段】本発明は両方向導電性シート及びその製造方法、両方向導電性多層シート、半導体検査ソケットに関する。本発明による両方向導電性シートは三次元の網状構造を持つベース構造部と、前記ベース構造部の三次元の網状構造の表面に塗布される導電性金属部と、絶縁材料からなって前記三次元の網状構造の空所を満たす絶縁性弾性部とを含むことを特徴とする。これによって、半導体素子の製造工程中の良否検査に使われる半導体検査ソケットの製造コストを顕著に低減させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、両方向導電性シート及びその製造方法、両方向導電性多層シート、半導体検査ソケットに関する。特に、半導体素子の製造工程の中の良否検査に使われる半導体検査ソケットの製造コストを顕著に低減させることができる両方向導電性シート及びその製造方法、両方向導電性多層シート、半導体検査ソケットに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子に対しては、製造終了後、電気的性能の良否を判定する検査が行われる。半導体素子の良否検査は、半導体素子の端子と電気的に接続できるように形成された半導体検査ソケット(またはコンタクタまたはコネクタ)を半導体素子と検査回路基板の間に挿入した状態で行われる。そして、半導体検査ソケットは、半導体素子の最終の良否検査以外に、半導体素子の製造工程中のバーンイン(Burn−In)検査でも使われる。
【0003】
半導体素子の集積化技術の発達と小型化によって、半導体素子の端子、すなわちリードの大きさ及び間隔も微細化される傾向にある。それにより、検査ソケットの導電パターン相互間の間隔を微細に形成する方法が要求されている。したがって、既存のポゴ(Pogo)タイプの半導体検査ソケットでは、集積化される半導体素子を検査するための半導体検査ソケットを製作するのに限界があった。
【0004】
このような半導体素子の集積化に適合するように提案された技術として、弾性材質のシリコン素材から製作されるシリコン本体上に、垂直方向で穿孔パターンを形成した後、穿孔されたパターンの内部に導電性粉末を充填して導電パターンを形成する方法が広く使われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、半導体検査ソケットを製作するための前述の二つの方式には、基本的に半導体検査ソケットの製造コストが相対的に高いという短所がある。
また、シリコーンタイプの半導体検査ソケットの導電パターンと半導体素子の端子、例えばBGA(Ball Grid Array)とが検査中に持続的に接触するようになり、導電パターンを形成する導電性粉末が導電パターンから離脱される、または、摩耗されて半導体素子の端子と電気的に接続することができない場合が発生するという問題点がある。
このような問題点は、半導体検査ソケットの寿命を縮める原因になり、結果的に半導体検査ソケットを頻繁に切り替えることによる製造コストを増加させる問題を引き起こす。
【0006】
本発明は、このような問題点を鑑みて創作されたものであり、半導体素子の製造工程中の良否検査に使われる半導体検査ソケットの製造コストを顕著に低減させることが可能な両方向導電性シート及びその製造方法、両方向導電性多層シート、半導体検査ソケットを提供することをその目的とする。
また、本発明は、導電パターンの間の間隔を微細化して、導電性粉末の離脱を抑制し、導電パターンの導電性が喪失されることを防止することができる半導体検査ソケットを提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記目的を達成するために、両方向導電性シートであって、三次元の網状構造を持つベース構造部と、該ベース構造部の前記三次元の網状構造の表面を塗布する導電性金属部と、電気的な絶縁材料からなり、前記三次元の網状構造の空所を満たす絶縁性弾性部とを含むことを特徴とする両方向導電性シートである。
【0008】
また、ここで開示される両方向導電性シートの好ましい一態様では、両方向導電性シートであって、三次元の網状構造を持つベース構造部と、該ベース構造部の三次元の網状構造の表面を塗布する導電性金属部と、電気的な絶縁材料からなり、前記三次元の網状構造の空所を満たす絶縁性弾性部とを含み、前記ベース構造部の上部表面及び下部表面のうちのいずれか一つまたは二つに形成された二次元の網状構造の導電性メッシュ層をさらに含むことを特徴とする両方向導電性シートである。
【0009】
また、ここで開示される両方向導電性シートの好ましい他の一態様では、両方向導電性シートであって、三次元の網状構造を持つベース構造部と、該ベース構造部の三次元の網状構造の表面を塗布する導電性金属部と、絶縁材料からなり、前記三次元の網状構造の空所を満たす絶縁性弾性部と、前記ベース構造部の上部表面及び下部表面のうちのいずれか一つまたは二つに形成された導電性粉末が含まれることによって形成される導電性弾性層とを含むことを特徴とする両方向導電性シートである。
【0010】
また、ここで開示される両方向導電性シートの好ましい他の一態様では、両方向導電性シートであって、三次元の網状構造を持つベース構造部と、該ベース構造部の三次元の網状構造の表面を塗布する導電性金属部と、前記三次元の網状構造の空所に充填される導電性粉末を含む導電性充填部とを含むことを特徴とする両方向導電性シートである。
【0011】
また、ここで開示される両方向導電性シートの好ましい他の一態様では、両方向導電性シートであって、三次元の網状構造を持つベース構造部と、前記三次元の網状構造の空所に充填される導電性粉末を含む導電性充填部とを含むことを特徴とする両方向導電性シートである。
【0012】
また、ここで開示される両方向導電性シートの好ましい他の一態様では、前記ベース構造部は、複数個のオープンセルが形成されて前記三次元の網状構造を形成するスポンジ形態を備えることができる。
また、前記ベース構造部は、内部空間が形成されるように複数個の微細ワイヤがよれて前記三次元の網状構造を形成することもできる。
そして、前記ベース構造部の三次元の網状構造の表面にコーティングされて該三次元の網状構造の表面と前記導電性金属部の間に形成される金属材料の補強部をさらに含むことができる。
そして、前記補強部は、ニッケルまたは銅材料からなることができる。そして、前記ベース構造部は、合成樹脂材料、シリコン、ポリエステル、プラスチック材料、ステンレス材料または銅材料からなることができる。
ここで、前記導電性金属部は金材料からなることができる。
そして、前記導電性メッシュ層に形成された前記二次元の網状構造の空間のサイズは、0.01mm〜0.4mmである。
【0013】
一方、前記目的を実現するために、本発明の他の実施形態によって、半導体検査ソケットを提供する。即ち、半導体検査ソケットであって、前記両方向導電性シートが単位大きさで切断されることによって形成された複数個の単位パターンシートと、該複数個の単位パターンシートが相互間に電気的に絶縁された状態に配置されるように該複数個の単位パターンシートを支持する絶縁性支持部であって、前記単位パターンシートのそれぞれが上下方向で電気的に導通されるように該単位パターンシートのそれぞれを支持する絶縁性支持部とを含むことを特徴とする半導体検査ソケットである。
【0014】
また、ここで開示される半導体検査ソケットの好ましい一態様では、半導体検査ソケットであって、上下方向に貫通された複数個のホールパターンが形成された絶縁性ソケット本体と、前記ホールパターンを通じて前記ソケット本体が上下方向で電気的に導通されるように前記ホールパターンに形成される導電パターン部と、前記絶縁性ソケット本体の上部及び下部のうちの少なくともいずれか一方の表面に付着して前記導電パターン部のそれぞれを個々にカバーする導電性カバーシートとを含み、該導電性カバーシートは前記両方向導電性シートが圧着された状態で単位大きさで切断して形成されることを特徴とする半導体検査ソケットである。
【0015】
一方、前記目的を実現するために、本発明の他の実施形態によって、両方向導電性多層シートを提供する。即ち、両方向導電性多層シートであって、少なくとも一つの第1両方向導電性シートと少なくとも一つの第2両方向導電性シートとが交互に積層されることによって形成され、前記第1両方向導電性シートはシリコンゴム材料のシート本体と、該シート本体の内部に分布されて前記第1両方向導電性シートに導電性を形成する導電性粉末を含んでおり、前記第2両方向導電性シートは前記両方向導電性シートを備えることを特徴とする両方向導電性多層シートである。
【0016】
また、ここで開示される両方向導電性多層シートの好ましい一態様では、前記両方向導電性多層シートの上部表面及び下部表面のうちのいずれか一つまたは二つに形成されて、二次元の網状構造を持つ導電性メッシュ部をさらに含むことができる。
【0017】
一方、前記目的を実現するために、本発明の他の実施形態によって、半導体検査ソケットを提供する。即ち、半導体検査ソケットであって、前記両方向導電性多層シートが単位大きさで切断されることによって形成された複数個の単位パターンシートと、該前記複数個の単位パターンシート相互間に電気的に絶縁された状態に配置されるように該支持する絶縁性支持部であって、該のそれぞれが上下方向で電気的に導通されるように該単位パターンシートのそれぞれを支持する前記絶縁性支持部とを含むことを特徴とする半導体検査ソケットである。
【発明の効果】
【0018】
前記のような構成により、本発明によれば、半導体素子の製造工程の中の良否検査に使われる半導体検査ソケットの製造コストを顕著に低減させることができる両方向導電性シート及びその製造方法、両方向導電性多層シート、半導体検査ソケットが提供される。
【0019】
また、両方向導電性シートを半導体検査ソケットに形成される導電パターンのサイズに合うように切断して、該切断した単位パターンシートの配置を多様化して製作可能にすることにより、多様な導電パターンを持つ検査ソケットを製作することができ、半導体素子に形成された多様な端子形状に合うように半導体検査ソケットを製作することができる。
また、導電パターンの間の間隔を微細化して、導電性粉末の離脱を抑制し、導電パターンの導電性が喪失されることを防止することができる半導体検査ソケットが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1実施形態による半導体検査装置を説明するための図である。
【図2】本発明の第1実施形態による半導体検査装置を説明するための図である。
【図3】本発明の第1実施形態による両方向導電性シートを説明するための図である。
【図4】本発明の第1実施形態による両方向導電性シートを説明するための図である。
【図5】本発明の第1実施形態による両方向導電性シートを説明するための図である。
【図6】本発明の第1実施形態による両方向導電性シートを説明するための図である。
【図7】本発明による両方向導電性シートの他の実施形態による三次元の網状構造を示す図である。
【図8】本発明による半導体検査ソケットの製作方法を説明するための図である。
【図9】本発明による半導体検査ソケットの製作方法を説明するための図である。
【図10】本発明による半導体検査ソケットの製作方法を説明するための図である。
【図11】本発明の第2実施形態による両方向導電性シートを説明するための図である。
【図12】本発明の第2実施形態による両方向導電性シートを説明するための図である。
【図13】本発明の第2実施形態による両方向導電性シートを説明するための図である。
【図14】本発明の第2実施形態による両方向導電性シートを説明するための図である。
【図15】本発明の第2実施形態による両方向導電性シートを説明するための図である。
【図16】本発明の他の実施形態による両方向導電性シートを説明するための図である。
【図17】本発明の他の実施形態による両方向導電性シートを説明するための図である。
【図18】本発明の他の実施形態による両方向導電性シートを説明するための図である。
【図19】本発明の第2実施形態による半導体検査ソケットを説明するための図である。
【図20】本発明の第2実施形態による半導体検査ソケットを説明するための図である。
【図21】本発明の実施形態による両方向導電性多層シートを説明するための図である。
【図22】本発明の実施形態による両方向導電性多層シートを説明するための図である。
【図23】本発明の実施形態による両方向導電性多層シートを説明するための図である。
【図24】本発明の実施形態による両方向導電性多層シートを説明するための図である。
【図25】本発明の実施形態による両方向導電性多層シートを説明するための図である。
【符号の説明】
【0021】
100:両方向導電性シート
110:ベース構造部
120:補強部
130:導電性金属部
140:絶縁性弾性部
141:導電性充填部
150:導電性メッシュ層
151:導電性弾性層
160:遮断シート
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明による両方向導電性シートは、三次元の網状構造を持つベース構造部と、該ベース構造部の三次元の網状構造の表面に塗布された導電性金属部と、電気的な絶縁材料からなり、前記三次元の網状構造の空所を満たす絶縁性弾性部とを含むことを特徴とする。
【0023】
以下では、添付された図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳しく説明する。
【0024】
<第1実施形態による半導体検査ソケット>
図1は本発明による半導体検査装置1の斜視図であり、図2は本発明による半導体検査装置1の断面図である。図1及び図2を参照して説明すると、本発明による半導体検査装置1は、支持プレート30と半導体検査ソケット10とを含む。
【0025】
支持プレート30は、半導体検査ソケット10が上下方向に移動可能となるように半導体検査ソケット10を支持する。ここで、支持プレート30の中央には進退ガイド用メイン貫通孔(図示せず)が形成されており、支持プレート30はメイン貫通孔を形成する端に沿って端から離間する位置に結合用貫通孔が相互に離間するように形成される。そして、半導体検査ソケット10は、支持プレート30の上面及び下面に接合される周辺支持部50によって支持プレート30に固定される。
【0026】
本発明の第1実施形態による半導体検査ソケット10は、図2に示すように、導電パターンを形成する複数個の単位パターンシート100´と、絶縁性支持体11とを含む。
それぞれの単位パターンシート100´は、半導体素子3の端子3aと、検査回路基板5の検査端子5aとを電気的に接続するように、絶縁性支持体11の上部及び下部に露出するように形成される。すなわち、絶縁性支持体11は、導電パターンを形成する複数個の単位パターンシート100´が相互に電気的に絶縁された状態で配置されるように複数個の単位パターンシート100´を支持し、各単位パターンシート100´が厚さ方向、すなわち上下方向で電気的に導通されるように各単位パターンシート100´を支持する。
【0027】
ここで、本発明による絶縁性支持体11は、弾性を持つシリコンゴム材料やプラスチック材料から形成することができる。これにより、半導体素子3の端子3aと検査回路基板5の検査端子5aとの間の通電のために、半導体素子3が半導体検査ソケット10を加圧する時、弾性によって半導体素子3の端子3aが損傷されることを防止することができる。ここで、絶縁性支持体11が弾性を持つことは必須な構成ではなく、非弾性材料から形成することができる。単位パターンシート100´の形成に使われる後述する両方向導電性シート100自体が弾性体の性質を持つことにより、単位パターンシート100´も弾性体の性質を持つため、絶縁性支持体11を非弾性材料から形成することができる。
【0028】
一方、半導体検査ソケット10の導電パターンを形成する単位パターンシート100´は、本発明による両方向導電性シート100を単位大きさで切断して製作される。以下では、本発明による半導体検査ソケット10で導電パターンを形成するのに適用される両方向導電性シート100の実施形態について詳しく説明する。ここで、本発明による両方向導電性シート100の実施形態を説明するにあたり、同じ実施形態に対しては同じ参照番号を使用するため、必要によってその説明を省略する。
【0029】
<第1実施形態による両方向導電性シート>
本発明の第1実施形態による両方向導電性シート100は、図3に示すように、ベース構造部110、導電性金属部130及び絶縁性弾性部140を含む。
ベース構造部110は三次元の網状構造を持つ。ここで、三次元の網状構造とは、規則的または不規則的に、内部に孔または空間が形成されている形態を言い、孔または空間はベース構造部110の外部まで延長されて形成される。
そして、三次元の網状構造の内部の孔または空間はお互いに規則的または不規則的に繋がれる。すなわち、ベース構造部110の上部と下部は空間的に連通された状態を持つ。
【0030】
本発明によるベース構造部110は、図3に示すように、一例として、空所に複数個のオープンセル140´(Open cell)が形成されて、三次元の網状構造を形成するスポンジ形態となる。ここで、図3ではベース構造部110の断面を図示しており、オープンセル140´が相互に繋がれていない状態として図示されているが、実際は立体的に近付く場合、オープンセル140´が相互に連通されている。
【0031】
したがって、後述する導電性金属部130が、ベース構造部110の全体表面、すなわちオープンセル140´を形成する内部表面を含む全体表面が導電性金属部130にコーティングされる場合、上下方向、すなわち厚さ方向で電気的に導通されることができる。本明細書で表現される「全体表面」は、ベース構造部110の外部表面のみの意味ではなく、内部の三次元の網状構造を形成する内部表面を全部含む意味で使われる。
【0032】
導電性金属部130は、ベース構造部110の三次元の網状構造の全体表面に塗布される。ここで、導電性金属部130をベース構造部110の全体表面に塗布することによって、ベース構造部110に導電性が付与される。すなわち、前述したようにベース構造部110に形成される三次元の網状構造上の内部空間は、ベース構造部110の上部と下部とが空間的に連通されるように形成し、その全体表面に導電性金属部130を形成すれば、ベース構造部110の全体が電気的な導電体を形成する。
【0033】
ここで、本発明による両方向導電性シート100は、ベース構造部110の全体表面にコーティングされてベース構造部110の全体表面と導電性金属部130の間に形成される金属材料の補強部120をさらに含むことができる。
本発明の一例では、補強部120はニッケルまたは銅製のメッキによって形成され、補強部120のメッキの後に金メッキをコーティングして導電性金属部130が形成される。
【0034】
一方、絶縁性弾性部140は電気的な絶縁材料からなり、図3に示すように、ベース構造部110の三次元の網状構造の空所を満たす。ここでは、絶縁性弾性部140が電気的に絶縁材料のシリコンゴム材料からなることを例にする。これによって、スポンジ形態のベース構造部110が一定の力を保持しながら弾性を持つシート形態を保持することができる。
【0035】
以下では、前記のような構成を持つ両方向導電性シート100の製造工程を図3〜図6を参照して説明する。
先ず、図4に示すように三次元の網状構造を持つベース構造部110を形成する。その後、ベース構造部110の全体表面、すなわち三次元の網状構造の内部表面を含む全体表面に導電性金属部130を形成する。
ここで、本発明では、図5に示すように、導電性金属部130の形成の前に、ベース構造部110の全体表面を金属材料でコーティングして補強部120を形成する。そして、補強部120は、ニッケルまたは銅を利用したメッキによって形成される。
【0036】
その後、図6に示すように、補強部120の表面に金メッキをコーティングして導電性金属部130を形成する。このように、ベース構造部110に形成された三次元の網状構造の全体表面が導電体の金にメッキされることにより、ベース構造部110の全体が電気を導通する導電体になる。
【0037】
前記のように、ベース構造部110に補強部120と導電性金属部130を順次形成した後、三次元の網状構造の空所を電気的な絶縁材料で充填して絶縁性弾性部140を形成することによって、図3に示すような両方向導電性シート100の製作が完了する。
ここで、絶縁性弾性部140は三次元の網状構造の空所を満たすことにより、両方向導電性シート100の電気伝導性には影響を及ぼすことなく、絶縁性弾性部140が持つ弾性の程度によって両方向導電性シート100の弾性の程度を決めることができる。
【0038】
前記の実施形態では、本発明による両方向導電性シート100のベース構造部110が、図3に示すように、三次元の網状構造が形成されたスポンジ形態となることを例にして説明した。前記以外にも、ベース構造部110は、図7に示すように、内部空間が形成されるように複数個の微細ワイヤがよれて三次元の網状構造を形成することができる。図7の(a)は微細ワイヤがよれて形成された三次元の網状構造を拡大撮影した図面であり、図7の(b)は(a)をより高い倍率で拡大撮影した図面である。
【0039】
ここで、微細ワイヤは、ウレタン、ポリウレタンのような合成樹脂材料、シリコン、ポリエステルのようなプラスチック材料、ステンレス材料または銅材料などのように、微細ワイヤの形成が可能な様々な材料によって形成することができる。
そして、微細ワイヤによってベース構造部110が形成されれば、前述したような補強部120及び導電性金属部130が順次にメッキされることによって形成される場合、ベース構造部110は両方向電気伝導性を持つようになり、微細ワイヤの間の空間に絶縁性弾性層が形成されることによって、両方向導電性シート100を製作することができる。
【0040】
以下では、前述のような両方向導電性シート100を利用して半導体検査ソケット10を製造する工程を、図8〜図10を参照して説明する。
先ず、図8に示すように、両方向導電性シート100の製作完了後、図9に示すように、半導体検査ソケット10の導電パターンの形状に対応するように、両方向導電性シート100を切断して単位パターンシート100´を製作する。ここで、両方向導電性シート100の切断方法はレーザーを利用する方法が好適である。該方法以外にも両方向導電性シート100の切断が可能な物理的、化学的方法が適用できる。
【0041】
その後、単位パターンシート100´を、半導体検査ソケット10の導電パターンの形態、すなわち相互に離間して配置された状態で、複数個の単位パターンシート100´の間を電気的な絶縁材料で充填して、図10に示すような絶縁性支持体11を形成することによって、半導体検査ソケット10の製作が完了する。
【0042】
<第2実施形態による両方向導電性シート>
本発明の第2実施形態による両方向導電性シート100aは、図11に示すように、ベース構造部110、導電性金属部130、絶縁性弾性部140及び導電性メッシュ層150を含む。また、本発明の第2実施形態による両方向導電性シート100aは補強部120をさらに含むことができる。
【0043】
ここで、本発明の第2実施形態による両方向導電性シート100aのベース構造部110、導電性金属部130、絶縁性弾性部140及び補強部120の構成は、前述した第1実施形態の構成に対応するため、その詳細な説明は省略する。
【0044】
本発明の第2実施形態による導電性メッシュ層150は、ベース構造部110の上部表面及び下部表面のうちのいずれか一つまたは二つに形成される。図11では、導電性メッシュ層150がベース構造部110の上部表面及び下部表面に形成されることを例にしている。
ここで、導電性メッシュ層150は二次元の網状構造、例えば網形態に備わり、その表面が導電性材料にコーティングされることによって、導電性を持つように備わることができる。そして、本発明では導電性メッシュ層150に形成された二次元の網状構造の空間のサイズは0.01mm〜0.4mmである。本発明の導電性メッシュ層150の形成方法については後述する。
【0045】
以下では、本発明の第2実施形態による両方向導電性シート100aの製造工程を図11〜図15を参照して詳しく説明する。
先ず、図12に示すように、三次元の網状構造を持つベース構造部110を形成する。その後、ベース構造部110に導電性を付与するための補強部120及び導電性金属部130を形成する。ここで、本発明では、導電性メッシュ層150に付与される導電性が補強部120及び導電性金属部130の形成工程で一緒に付け加えることを例にしている。
【0046】
より詳細に説明すると、図12に示すように、ベース構造部110の上部及び下部の表面にメッシュ150aを付着する。ここで、メッシュ150aは、図4に示すように、二次元の網状構造、すなわち網構造を持つ多様な材料からなることができる。例えば、メッシュ150aは纎維材料、金属材料、プラスチック材料からなることができる。
前述のようにベース構造部110の上部及び下部の表面にメッシュ150aが付着した状態で、ベース構造部110の全体表面に導電性金属部130を形成する。ここで、本発明では図13に示すように、導電性金属部の形成の前にベース構造部110の全体表面を金属材料でコーティングして補強部120を形成する。
【0047】
ここで、補強部120はニッケルまたは銅を利用したメッキによって形成されることができる。そして、補強部120を形成するためのメッキ工程において、ベース構造部110の上部及び下部に付着したメッシュ150aの表面にも、図13に示すように、補強部120が形成される(図13の150b参照)。
【0048】
その後、図14に示すように、補強部120の表面に金をメッキすることにより導電性金属部130を形成する。ここで、導電性金属部130の形成のための金メッキ工程では、メッシュ150bの表面にも金をメッキする。すなわち、補強部120が形成されたメッシュ150bの表面に金がメッキされることによって、メッシュ150に導電性が付与されてベース構造部110の上部及び下部に導電性メッシュ層150が形成される。
【0049】
前記のような工程を通じて、ベース構造部110に形成された三次元の網状構造の全体表面が導電体の金にメッキされて、ベース構造部110の全体が電気を導通する導電体に形成される。これにより、補強部120及び導電性金属部130の形成工程で、ベース構造部110に付着したメッシュ150aに導電性が付与されて導電性メッシュ層150が形成される。
前述のように、ベース構造部110に補強部120と導電性金属部130を順次形成した後、三次元の網状構造の空所を電気的な絶縁材料で充填して絶縁性弾性部140を形成する。
【0050】
ここで、本発明では絶縁性弾性部140の形成工程において、導電性メッシュ層150の二次元の網状構造の間で絶縁性弾性部140を形成する絶縁材料が露出して、導電性メッシュ層150の表面を阻むことを防止するために、図15に示すように、ベース構造部110の三次元の網状構造の内部がベース構造部110の上部及び下部方向で遮られるように、ベース構造部110の上部及び下部を遮断シート160で遮断する。
【0051】
本発明では導電性メッシュ層150が補強部120及び導電性金属部130の形成工程において、図15に示すように、遮断シート160が導電性メッシュ層150の表面に付着される。そして、遮断シート160の付着が完了した状態でベース構造部110の側面を通じて絶縁材料を充填することによって、三次元の網状構造の空所に絶縁性弾性部140を形成する。
【0052】
前述のようにベース構造部110の三次元の網状構造の内部空間に絶縁性弾性部140の充填が完了した後、付着した遮断シート160を取り除くことによって、図11に示すような両方向導電性シート100の製作が完了する。
ここで、絶縁性弾性部140は、三次元の網状構造の空所を満たすことによって両方向導電性シート100の電気伝導性には影響を及ぼさずに、絶縁性弾性部140が持つ弾性の程度によって両方向導電性シート100の弾性の程度を決めることができる。
【0053】
一方、前述したように、導電性メッシュ層150を形成するにあたって、ベース構造部110にメッシュ150aを付着して補強部120及び導電性金属部130を形成する工程において、メッシュ150aにも補強部120及び導電性金属部130が形成されて導電性が付加されることによって導電性メッシュ層150が形成される。
前記以外にも、メッシュ150a自体が導電性を持つまたはメッシュ150aにメッキが完了した状態、すなわち導電性メッシュ150aをベース構造部110に付着することによって導電性メッシュ150aを製作できる。この時、導電性メッシュ150aの付着工程は、補強部120及び導電性金属部130がベース構造部110に形成された後に付着可能である。
【0054】
<第3実施形態による両方向導電性シート>
以下では、図16を参照して本発明の第3実施形態による両方向導電性シート100bについて詳しく説明する。
本発明の第3実施形態による両方向導電性シート100bは、図16に示すように、ベース構造部110、導電性金属部130、絶縁性弾性部140及び導電性弾性層151を含むことができる。また、本発明の第3実施形態による両方向導電性シート100bは補強部120をさらに含むことができる。
【0055】
ここで、本発明の第2実施形態による両方向導電性シート100bのベース構造部110、導電性金属部130、絶縁性弾性部140及び補強部120の構成は、前述した第1実施形態の構成に対応するため、その詳細な説明は省略する。
【0056】
導電性弾性層151は、ベース構造部110の上部表面及び下部表面のうちのいずれか一つまたは二つに形成される。図16では、導電性弾性層151がベース構造部110の上部表面及び下部表面の両側に形成されることを例にしている。
ここで、導電性弾性層151は導電性粉末が含まれることによって形成されて導電性を持つようになる。本発明では、導電性粉末として、金(Au)がコーティングされたニッケル粉末、銀粉末、金粉末自体、ニッケル粉末または銅粉末などの導電性が高い粉末を一つまたはそれ以上で混合して使用することができる。
【0057】
そして、導電性弾性層151は導電性粉末とシリコンゴムとを混合した混合シリコンをベース構造部110の両側に一定の厚さでコーティングする方法を利用して形成することができる。前記以外にも導電性弾性層151の形成方法は、当業者が多様な方法によって適用することができる。
前記のように、ベース構造部110の導電性弾性層151を形成することにより、両方向導電性シート100の両側表面を補強しながら一定の大きさの弾性を提供することができる。
【0058】
ここで、導電性弾性層151の形成工程は、ベース構造部110に導電性金属部130及び補強部120が形成された後に行うことができる。ここで、導電性金属部130及び補強部120の形成工程は、第1実施形態に対応するため、その説明は省略する。
【0059】
この時、ベース構造部110に導電性金属部130及び補強部120が形成された後、導電性弾性層151を形成して絶縁性弾性部140を形成する場合、ベース構造部110の両側に形成された導電性弾性層151によって絶縁性弾性部140を形成するための絶縁材料がベース構造部110の上部及び下部に露出するのを遮ることができるため、第2実施形態のような遮断シート160の付着工程を省略することができる。
一方、導電性弾性層151を絶縁性弾性部140の形成の後に形成する場合、導電性金属部130及び補強部120の形成の後に遮断シート160を付着した後、絶縁性弾性部140を形成することが好ましい。
【0060】
<第4実施形態による両方向導電性シート>
以下では、図17を参照して本発明の第4実施形態による両方向導電性シート100cについて詳しく説明する。
本発明の第4実施形態による両方向導電性シート100cは、図17に示すように、ベース構造部110、導電性金属部130及び導電性充填部141を含むことができる。また、本発明の第4実施形態による両方向導電性シート100cは補強部120をさらに含むことができる。
【0061】
ここで、本発明の第4実施形態による両方向導電性シート100cのベース構造部110、導電性金属部130及び補強部120の構成は、前述した第1実施形態の構成に対応するため、その詳細な説明は省略する。
【0062】
本発明の第4実施形態による両方向導電性シート100cは、第1実施形態と異なり、ベース構造部110の三次元の網状空間の空所に非導電性の絶縁性弾性部140が形成されずに導電性充填部141が形成される。すなわち、本発明の第4実施形態による両方向導電性シート100cでは、導電性粉末を含む導電性充填部141が三次元の網状構造の空所に満たされて形成されることにより、導電性充填部141自体が導電体としての機能を遂行する。
【0063】
したがって、ベース構造部110の全体表面、すなわち三次元の網状構造の全体表面にメッキされた導電性金属部130により、ベース構造部110に導電性が形成されることに加え、ベース構造部110の三次元の網状構造の内部を満たす導電性充填部141により導電性が形成されることによって、両方向導電性シート100cの導電性を高めることができる。
【0064】
また、導電性充填部141に導電性粉末とシリコンゴムとを混合して使うことにより、シリコンゴムによる弾性が付加され第1実施形態による絶縁性弾性部140が提供する弾性的性質を持つことができる。
【0065】
一方、本発明の第4実施形態による両方向導電性シート100cには、図11に示すような導電性メッシュ層150がさらに形成される、および、図16に図示された導電性弾性層151がさらに形成されることができる。
ここで、導電性充填部141はそれ自体が導電性を持つため、導電性充填部141を形成する導電性材料がベース構造部110の上部または下部に露出しても導電性に影響を及ぼさないため、導電性充填部141の形成工程で前述した遮断シート160を付着しなくてもよい。
【0066】
<第5実施形態による両方向導電性シート>
以下では、図18を参照して本発明の第5実施形態による両方向導電性シート100dについて詳しく説明する。ここで説明する本発明の第5実施形態による両方向導電性シート100dは、第4実施形態を変形した実施形態である。
【0067】
本発明の第5実施形態による両方向導電性シート100dは、図18に示すように、ベース構造部110及び導電性充填部141を含むことができる。すなわち、本発明の第5実施形態による両方向導電性シート100dは、第4実施形態の導電性金属部130及び補強部120が除去された状態、すなわちベース構造部110に導電性充填部141が形成されることを例にしている。
【0068】
したがって、本発明の第5実施形態による両方向導電性シート100dは、ベース構造部110の三次元の網状構造の空所に満たされる導電性充填部141が両方向導電性シート100dの全体に導電性を付け加えるように備える。ここで、本発明の第5実施形態による両方向導電性シート100dの導電性充填部141の構成は、第4実施形態に対応するため、その詳細な説明は省略する。
【0069】
また、本発明の第5実施形態による両方向導電性シート100dは、図11に示すような導電性メッシュ層150がさらに形成される、または、図16に図示された導電性弾性層151がさらに形成されることができる。
【0070】
ここで、導電性充填部141はそれ自体が導電性を持つため、導電性充填部141を形成する導電性材料がベース構造部110の上部または下部に露出しても導電性に影響を及ぼさないため、導電性充填部141の形成工程で前述した遮断シート160を付着しなくても構わない。
【0071】
一方、前述した実施形態による両方向導電性シート100、100a、100b、100c、100dの厚さ、すなわち上下方向の長さは0.1mm〜6mmで形成されることを例にする。したがって、前述した実施形態による両方向導電性シート100、100a、100b、100c、100dで単位パターンシート100´を形成する場合、半導体検査ソケット10の厚さが0.1mm〜6mmで形成される。
【0072】
したがって、従来のPCRタイプの半導体検査ソケットがその特性上、厚さの制約を受けてポゴタイプの検査ソケットを使わなければならなかった問題点が解消され、既存のポゴタイプの半導体検査ソケット及びPCRタイプの半導体検査ソケットが適用されたすべての分野において、本発明による半導体検査ソケット10を適用することができる。
【0073】
<第2実施形態による半導体検査ソケット>
以下では、図19及び図20を参照して、本発明の第2実施形態による半導体検査ソケット10について説明する。ここで、本発明の第2実施形態による半導体検査ソケット10が適用された半導体検査装置及び半導体検査ソケット10を説明するのにあたり、前述した第1実施形態に対応する構成に対しては同じ参照番号を使用するため、その説明は省略する。
【0074】
本発明の第2実施形態による半導体検査ソケット10は、図19に示すように、絶縁性ソケット本体11と、導電パターン部12及び導電性カバーシート102とを含む。
絶縁性ソケット本体11には、上下方向で貫通された複数個のホールパターンが形成されており、各ホールパターンに導電パターン部12が形成されることにより、絶縁性ソケット本体11が上下方向で電気的に導通される。ここで、絶縁性ソケット本体11は絶縁性材料のシリコンゴム材料からなることを例にしているが、前記以外にも一定の弾性を持つ絶縁性材料、例えばプラスチック材料などからなることができる。
【0075】
導電パターン部12は、ホールパターンを通じてソケット本体11が上下方向で電気的に導通されるように各ホールパターンを形成する。ここで、導電パターン部12は導電性粉末、例えばニッケル粒子に金(Au)がコーティングされた導電性粉末を含んで形成することによって、電気的な導電体性質を持つ。前記以外にも、導電性粉末は銀粉末、金粉末自体、ニッケル粉末または銅粉末などのように導電性が高い粉末が一つまたはそれ以上を混合することによって使用することができる。
【0076】
ここで、導電パターン部12は、ホールパターンに導電性粉末を充填する方法や、韓国公開特許公報第2004−0084202号に開示された液体シリコンと導電性粉末が混合した混合シリコンの上下に磁石を配置して、磁石の磁力線方向で導電性粉末が結集するようにする方法により、導電性粉末を形成することができる。
【0077】
導電性カバーシート102は、絶縁性ソケット本体11の上部及び下部のうちの少なくともいずれか一方の表面に付着されて各導電パターン部12を個々にカバーする。本発明では、図19に示すように、半導体素子3が接触される絶縁性ソケット本体11の上部のみに導電性カバーシート102が付着されることを例にしているが、半導体素子3と接触される絶縁性ソケット本体11の下部にも導電性カバーシート102を付着することができる。
【0078】
ここで、導電性カバーシート102は、相互間に電気的に絶縁されるように、相互に離間する状態で絶縁性ソケット本体11に付着して、それぞれの導電パターン部12がカバーできるように導電パターン部12の大きさより大きく備えられる。
【0079】
前記のような構成によって、本発明による半導体検査ソケット10を利用して半導体素子3を検査する場合、半導体素子3の端子3aは半導体検査ソケット10の導電性カバーシート102との接触により、導電パターン部12と電気的に接続される。それにより、導電パターン部12を形成する導電性粉末が半導体素子3の端子3aと直接接触することを遮断することができて導電性粉末の離脱を防止することができる。したがって、半導体検査ソケット10の切り替えの周期を遅くさせることによって、全体の製造コストを低減することができる。
【0080】
一方、本発明による導電性カバーシート102は、図20に示すように、本発明の第1実施形態による両方向導電性シート100が圧着された状態101で単位大きさに切断して形成される。図20の(a)は、本発明による導電性カバーシート102の形成のための両方向導電性シート100を図示した図であり、図20の(b)は両方向導電性シート101が圧着された状態を図示した図である。
【0081】
ここで、圧着された両方向導電性シート101を図20の(c)に示すように単位大きさで切断して導電性カバーシート102を形成した後、絶縁性ソケットの本体に付着する方法で半導体検査ソケット10を形成することができる。ここで、図20の(b)に図示された圧着された両方向導電性シート101を絶縁性ソケット本体11に付着した後、レーザーカッター300を利用して切断することによって導電性カバーシート102を形成することができる。
【0082】
一方、導電性カバーシート102は、前記のように本発明の第1実施形態による両方向導電性シート100だけでなく、他の実施形態による両方向導電性シート100a、100b、100c、100dを、図20に示すように圧着して製作されることができる。ここで、導電性カバーシート102を形成する両方向導電性シート100、100a、100b、100c、100dの構成は前述したため、その詳細な説明は省略する。
【0083】
ここまで、前述した実施形態では両方向導電性シート100、100a、100b、100c、100dを三次元の網状構造を持つベース構造部110を利用して形成する方法について説明した。以下では、導電性粉末を利用して両方向導電性シート(図21の200参照)を製作する方法について説明する。
【0084】
先ず、導電性粉末と液状のシリコンゴムを混合して導電性混合液を製作する。ここで、導電性粉末は、金(Au)がコーティングされたニッケル粉末、銀粉末、金粉末自体、ニッケル粉末、銅粉末などのように導電性が高い粉末が一つまたはそれ以上を混合することによって使用することができる。
また、導電性混合液を形成する際に、液状の接着用プライマーを一緒に混合して導電性混合液を形成することによって、導電性粉末とシリコンゴムとの間の結合をより堅くできる。
【0085】
前記のような導電性混合液を用意できれば、該導電性混合液を熱硬化させ、図8に示すような形状の両方向導電性シート200を製作する。ここで、図8に示すような形状の両方向導電性シート200の形成は、導電性混合液を金型に入れ込んだ後に熱硬化させることによって、両方向導電性シート200を製作することができる。
【0086】
前記のような方法で両方向導電性シート200を図8に示すように切断した後、図9に示すように半導体検査ソケットを製作することができる。
【0087】
以下では、図21〜図25を参照して本発明による両方向導電性多層シートについて詳しく説明する。
【0088】
<第1実施形態による両方向導電性多層シート>
本発明の第1実施形態による両方向導電性多層シート300は、図21に示すように、少なくとも一つの第1両方向導電性シート200及び少なくとも一つの第2両方向導電性シート100が相互に積層されることによって形成される。
【0089】
図21では、2個の第1両方向導電性シート200及び2個の第2両方向導電性シート100が交互に積層されることを例にしている。また、両方向導電性多層シート300は、下部から第2両方向導電性シート100、第1両方向導電性シート200、第2両方向導電性シート100及び第2両方向導電性シート200が順次に積層されたことを例にしている。
【0090】
ここで、本発明による両方向導電性多層シート300を構成する第1両方向導電性シート200は、前述したような導電性粉末によって形成される両方向導電性シート200である。より具体的に説明すれば、前述したような製造方法で製作された両方向導電性シート200、即ち、第1両方向導電性シート200はシリコンゴム材料のシート本体と、該シート本体の内部に分布される第1両方向導電性シート200に導電性を形成する導電性粉末とを含む。ここで、第1両方向導電性シート200は前述したように、液状の接着性プライマーと共に混合した導電性混合液を通じて作製可能であり、第1両方向導電性シート200の製造方法は前述したため、その詳細な説明は省略する。
【0091】
一方、第2両方向導電性シート100は、前述した本発明の第1実施形態による両方向導電性シート100が適用されることを例にする。ここで、第2両方向導電性シート100の構成は前述したため、その詳細な説明は省略する。
【0092】
<第2実施形態による両方向導電性多層シート>
図22は本発明の第2実施形態による両方向導電性多層シート300aの構成を図示した図である。本発明の第2実施形態による両方向導電性多層シート300aは、第1両方向導電性シート200及び第2両方向導電性シート100の積層手順が、第1実施形態による両方向導電性多層シート300とは異なっている。
【0093】
図22を参照して説明すれば、本発明の第2実施形態による両方向導電性多層シート300aは、下部から第1両方向導電性シート200、第2両方向導電性シート100、第1両方向導電性シート200及び第2両方向導電性シート100が順次に積層されることを例にしている。ここで、第1両方向導電性シート200及び第2両方向導電性シート100の構成は、第1実施形態に対応するため、その詳細な説明は省略する。
【0094】
<第3実施形態による両方向導電性多層シート>
図23は本発明の第3実施形態による両方向導電性多層シート300bの構成を図示した図である。ここで、本発明の第3実施形態による両方向導電性多層シート300bを説明するのにあたり、第1実施形態に対応する構成要素に対しては同じ参照番号を使用して説明しているため、その説明は省略する。
【0095】
本発明の第3実施形態による両方向導電性多層シート300bは両方向導電性多層シート300bの上部表面及び下部表面のうちのいずれか一つまたは二つに形成される導電性メッシュ部160を含むことができる。ここで、図23では両方向導電性多層シート300bの上部表面、すなわち両方向導電性多層シート300bの最上部階を形成する第1両方向導電性シート200の表面にだけ導電性メッシュ部160を形成することを例にしている。
【0096】
ここで、本発明による導電性メッシュ部160は二次元の網状構造を持つ。図23を参照して説明すると、導電性メッシュ部160は二次元の網状構造を持つ2つ以上のメッシュ160aが積層され、積層されたメッシュ160aの間とそれぞれのメッシュ160aに形成された二次元の網状構造の間に導電性混合液160bが充填及び硬化されて形成される。ここで、導電性混合液160aは、導電性粉末とシリコンゴムとが混合されてなることができ、前述したように接着用プライマーを一緒に混合することができる。
【0097】
このように、両方向導電性多層シート300bの上部表面及び/または下部表面に導電性メッシュ部160を形成することによって、両方向導電性多層シート300bの最上部または最下部に第1両方向導電性シート200、すなわち導電性粉末を通じて導電性を形成する両方向導電性シート200が備えられる場合、導電性メッシュ部160によって導電性粉末の離脱が防止され、両方向導電性多層シート300bが半導体検査ソケット10の導電パターンを形成しても、導電性粉末の離脱による寿命の低下及び接続の不良を取り除くことができる。
【0098】
ここで、導電性メッシュ部150が第3実施形態による両方向導電性多層シート300bに形成されることを例にして説明したが、本発明の他の実施形態による両方向導電性多層シート300、300a、300c、300dにも導電性メッシュ部160を形成することができる。
【0099】
<第4実施形態による両方向導電性多層シート>
図24は本発明の第4実施形態による両方向導電性多層シート300cの構成を図示した図である。ここで、本発明の第4実施形態による両方向導電性多層シート300cを説明するにあたり、第1実施形態に対応する構成要素に対しては同じ参照番号を使用して説明するため、その説明は省略することができる。
【0100】
本発明の第4実施形態による両方向導電性多層シート300cを構成する第2両方向導電性シート100cは、図17に図示された本発明の第4実施形態による両方向導電性シート100cが適用されているため、その詳細な説明は省略する。
【0101】
<第5実施形態による両方向導電性多層シート>
以下では、図25を参照して、本発明の第5実施形態による両方向導電性多層シート300dについて詳しく説明する。ここで、本発明の第5実施形態による両方向導電性多層シート300dを説明するにあたり、第1実施形態に対応する構成要素に対しては同じ参照番号を使用して説明するため、その説明は省略する。
【0102】
本発明の第5実施形態による両方向導電性多層シート300dを形成する第2両方向導電性シート100dは、図18に図示された本発明の第4実施形態による両方向導電性シート100cが適用されているため、その詳細な説明は省略する。
【0103】
前記のような両方向導電性多層シート300、300a、300b、300c、300dを、図8及び図9に図示された両方向導電性シート100に取り替えて適用することによって、半導体検査ソケット10を製作することができる。
【0104】
ここまで、本発明のいくつかの実施形態を図示して説明した。本発明の属する技術分野の通常の知識を持った当業者ならば、本発明の原則や精神から脱しないで本実施形態を変形して実施することができる。また、発明の範囲は添付された請求項とその均等物によって決まる。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明は、半導体素子を製造後の電気的性能の良否判定検査に使われる半導体検査ソケットを、半導体素子の製造工程中のバーンイン(Burn−In)検査でも使用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
両方向導電性シートであって、
三次元の網状構造を持つベース構造部と、
前記ベース構造部の三次元の網状構造の表面に塗布された導電性金属部と、
電気的な絶縁材料からなり、前記三次元の網状構造の空所を満たす絶縁性弾性部と、
を含むことを特徴とする、両方向導電性シート。
【請求項2】
両方向導電性シートであって、
三次元の網状構造を持つベース構造部と、
前記ベース構造部の三次元の網状構造の表面に塗布された導電性金属部と、
電気的な絶縁材料からなり、前記三次元の網状構造の空所を満たす絶縁性弾性部と、を含み、
前記ベース構造部の上部表面及び下部表面のうちのいずれか一つまたは二つに形成された二次元の網状構造の導電性メッシュ層をさらに含むことを特徴とする、両方向導電性シート。
【請求項3】
両方向導電性シートであって、
三次元の網状構造を持つベース構造部と、
前記ベース構造部の三次元の網状構造の表面に塗布された導電性金属部と、
電気的な絶縁材料からなり、前記三次元の網状構造の空所を満たす絶縁性弾性部と、
前記ベース構造部の上部表面及び下部表面のうちのいずれか一つまたは二つに形成された導電性粉末を含んだ導電性弾性層と、
を含むことを特徴とする、両方向導電性シート。
【請求項4】
両方向導電性シートであって、
三次元の網状構造を持つベース構造部と、
前記ベース構造部の三次元の網状構造の表面に塗布された導電性金属部と、
前記三次元の網状構造の空所に充填される導電性粉末を含む導電性充填部と、
を含むことを特徴とする、両方向導電性シート。
【請求項5】
両方向導電性シートであって、
三次元の網状構造を持つベース構造部と、
前記三次元の網状構造の空所に充填される導電性粉末を含む導電性充填部と、
を含むことを特徴とする、両方向導電性シート。
【請求項6】
前記ベース構造部は、複数個のオープンセルが形成されて前記三次元の網状構造を形成するスポンジ形態を備えることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の両方向導電性シート。
【請求項7】
前記ベース構造部は、内部空間が形成されるように複数個の微細ワイヤがよれて前記三次元の網状構造を形成することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の両方向導電性シート。
【請求項8】
前記ベース構造部の三次元の網状構造の表面にコーティングされて該三次元の網状構造の表面と前記導電性金属部の間に形成される金属材料からなる補強部をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の両方向導電性シート。
【請求項9】
前記補強部は、ニッケルまたは銅からなることを特徴とする、請求項8に記載の両方向導電性シート。
【請求項10】
前記ベース構造部は、合成樹脂、シリコン、ポリエステル、プラスチック、ステンレスまたは銅からなることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の両方向導電性シート。
【請求項11】
前記導電性金属部は金からなることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の両方向導電性シート。
【請求項12】
前記導電性メッシュ層に形成された前記二次元の網状構造の空間のサイズは、0.01mm〜0.4mmであることを特徴とする、請求項2に記載の両方向導電性シート。
【請求項13】
前記半導体検査ソケットであって、
請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の両方向導電性シートが単位大きさで切断されて形成された複数個の単位パターンシートと、
該複数個の単位パターンシートが相互に電気的に絶縁された状態に配置されるように該複数個の単位パターンシートを支持する絶縁性支持部であって、前記単位パターンシートのそれぞれが上下方向で電気的に導通されるように該単位パターンシートのそれぞれを支持する絶縁性支持部と、
を含むことを特徴とする、半導体検査ソケット。
【請求項14】
前記絶縁性支持部はシリコンゴムからなることを特徴とする、請求項13に記載の半導体検査ソケット。
【請求項15】
半導体検査ソケットであって、
上下方向に貫通された複数個のホールパターンが形成された絶縁性ソケット本体と、
前記ホールパターンを通じて前記ソケット本体が上下方向で電気的に導通されるように前記ホールパターンに形成される導電パターン部と、
前記絶縁性ソケット本体の上部及び下部のうちの少なくともいずれか一方の表面に付着して前記導電パターン部のそれぞれを個々にカバーする導電性カバーシートと、を含んでおり、
該導電性カバーシートは、請求項1〜5のいずれか一項に記載の両方向導電性シートが圧着された状態で単位大きさに切断されて形成されることを特徴とする、半導体検査ソケット。
【請求項16】
両方向導電性多層シートであって、
少なくとも一つの第1両方向導電性シートと少なくとも一つの第2両方向導電性シートとが交互に積層されることによって形成され、
前記第1両方向導電性シートはシリコンゴム製のシート本体と、該シート本体の内部に分布されて前記第1両方向導電性シートに導電性を形成する導電性粉末を含み、
前記第2両方向導電性シートは請求項1、4及び5のうちのいずれか一項に記載の両方向導電性シートを備えることを特徴とする、両方向導電性多層シート。
【請求項17】
前記両方向導電性多層シートの上部表面及び下部表面のうちのいずれか一つまたは二つに形成されて、二次元の網状構造を持つ導電性メッシュ部をさらに含むことを特徴とする、請求項16に記載の両方向導電性多層シート。
【請求項18】
半導体検査ソケットであって、
請求項16による両方向導電性多層シートが単位大きさに切断されて形成された複数個の単位パターンシートと、
該複数個の単位パターンシートが相互に電気的に絶縁された状態に配置されるように該複数個の単位パターンシートを支持する絶縁性支持部であって、該単位パターンシートのそれぞれが上下方向で電気的に導通されるように該単位パターンシートのそれぞれを支持する前記絶縁性支持部と、
を含むことを特徴とする、半導体検査ソケット。
【請求項19】
両方向導電性シートの製造方法であって、
(a)三次元の網状構造を持つベース構造部を形成する工程と、
(b)前記ベース構造部の三次元の網状構造の表面に導電性金属部を形成する工程と、
(c)前記ベース構造部の三次元の網状構造の内部が、前記ベース構造部の上部及び下部方向で遮られるように、前記ベース構造部の上部及び下部を遮断シートで遮断する工程と、
(d)前記ベース構造部の側面を通じて電気的な絶縁材料を充填して、前記三次元の網状構造の空所を前記絶縁材料で充填し、前記三次元の網状構造の空所に絶縁性弾性部を形成する工程と、
を含むことを特徴とする、両方向導電性シートの製造方法。
【請求項20】
(e)前記工程(b)の遂行の前に、前記ベース構造部の上部表面及び下部表面のうちのいずれか一つまたは二つに二次元の網状構造を持つメッシュを付着する工程をさらに含み、
前記工程(b)では、前記ベース構造部の前記三次元の網状構造の表面と前記メッシュの表面に前記導電性金属部が形成され、
前記工程(c)では、前記遮断シートが前記ベース構造部または前記メッシュに付着して前記ベース構造部の上部及び下部が遮られることを特徴とする、請求項19に記載の両方向導電性シートの製造方法。
【請求項21】
(f)前記工程(e)と前記工程(b)の遂行の前に、前記ベース構造部及び前記メッシュの全体表面を金属材料でコーティングして補強層を形成する工程をさらに含むことを特徴とする、請求項20に記載の両方向導電性シートの製造方法。
【請求項22】
前記工程(b)において、前記導電性金属層は金メッキによって形成されることを特徴とする、請求項21に記載の両方向導電性シートの製造方法。
【請求項23】
半導体検査ソケットの製造方法であって、
(a)導電性粉末と液状のシリコンゴムを混合して導電性混合液を用意する工程と、
(b)前記導電性混合液を熱硬化させて両方向導電性シートを製作する工程と、
(c)前記両方向導電性シートを単位大きさで切断して複数個の単位パターンシートを製作する工程と、
(d)前記複数個の単位パターンシートが相互に離間して配置された状態で前記複数個の単位パターンシートの間を電気的な絶縁材料で満たして絶縁性支持体を形成する工程と、
を含むことを特徴とする、半導体検査ソケットの製造方法。
【請求項24】
前記工程(d)において、前記電気的な絶縁材料はシリコンゴムまたはプラスチックからなることを特徴とする、請求項23に記載の半導体検査ソケットの製造方法。
【請求項25】
前記工程(a)において、前記導電性混合液は、液状の接着用プライマーを一緒に混合することによって用意されることを特徴とする、請求項23に記載の半導体検査ソケットの製造方法。
【請求項26】
前記工程(b)において、前記導電性混合液は金型に注入された状態で熱硬化されることによって前記両方向導電性シートが作製されることを特徴とする、請求項23に記載の半導体検査ソケットの製造方法。
【請求項27】
(e)前記工程(c)の遂行の前に、前記両方向導電性シートの上部表面及び下部表面のうちのいずれか一つまたは二つに二次元の網状構造を持つ少なくとも一層の導電性メッシュ層を形成する工程をさらに含むことを特徴とする、請求項23に記載の半導体検査ソケットの製造方法。
【請求項28】
前記導電性メッシュ層は、二次元の網状構造を持つ少なくとも二つ以上のメッシュが積層されて、該メッシュの間と該メッシュのそれぞれの二次元の網状構造の間隙に、導電性粉末とシリコンゴムが混合した導電性混合液が充填及び硬化されて形成されることを特徴とする、請求項27に記載の半導体検査ソケットの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図7】
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【公表番号】特表2013−506265(P2013−506265A)
【公表日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−541026(P2012−541026)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【国際出願番号】PCT/KR2010/008512
【国際公開番号】WO2012/057399
【国際公開日】平成24年5月3日(2012.5.3)
【出願人】(511273001)レーザー テクノロジー ソリューション カンパニー リミテッド (1)
【Fターム(参考)】