両面オプション装置
【課題】 両面印字時に発生する用紙端ズレを補正する用紙ズレ検出センサを両面オプション装置に配置し、かつセンサの配置箇所の条件を規定し、画像欠落のない補正を行う。
【解決手段】 両面オプション装置5内の用紙ズレ検出センサ9による用紙ズレの検出が行われてから画像形成装置4内の画像転写位置に用紙が到達するまでの時間が、センサ9による検出が行われてから、この検出結果に基づいて算出されたズレ量を参照して画像形成装置において画像データを補正処理する時間とこの補正処理した画像データに対応するトナー画像が転写位置に到達するまでの処理時間との総和よりも長くなるように、用紙ズレセンサ9の位置が設定されている。
【解決手段】 両面オプション装置5内の用紙ズレ検出センサ9による用紙ズレの検出が行われてから画像形成装置4内の画像転写位置に用紙が到達するまでの時間が、センサ9による検出が行われてから、この検出結果に基づいて算出されたズレ量を参照して画像形成装置において画像データを補正処理する時間とこの補正処理した画像データに対応するトナー画像が転写位置に到達するまでの処理時間との総和よりも長くなるように、用紙ズレセンサ9の位置が設定されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体に画像形成する画像形成装置に適用する両面オプション装置に関し、特にその記録媒体の位置ズレに対する補正処理を適正に行うことができる両面オプション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置において両面搬送路からの再給紙した用紙やカセットもしくはトレイなどから用紙をレジストローラ位置まで搬送する際、該用紙が搬送方向に対して直交する方向(主走査方向)にズレが生じたまま搬送されてしまった場合は、現像までのプロセスにおいて印字画像に対して補正する機構を具備していない装置は、主走査方向に用紙ズレが発生した画像を形成することになる。
【0003】
前述の用紙位置ズレが発生しないようにするため、搬送路の片側に基準ガイド板42を設け基準ガイド板42に沿って沿わせるものが提案されている。図7を用いてこの提案の説明をする。
【0004】
このようなズレを矯正するために斜行ローラ40を用い、強制的に基準ガイド板42に沿わせて搬送する。用紙をピックアップするピックアップローラ41から用紙が給紙され基準ガイド板42に沿って用紙が搬送される。この基準ガイド板42には用紙に応じてレバーを手動にて可変する必要がある。この基準ガイド板にて用紙端が規制される。ピックアップされた用紙が搬送されると斜行ローラ40を通過する。その際用紙が基準ガイド板42を沿うように所定のテンションがかけられた斜行ローラ40は軸に対してななめに取り付けられている。この斜行ローラ40によって用紙がななめに搬送され、基準ガイドによって用紙が規制される。
【0005】
さらにこのようなズレを補正するために特許文献1では用紙搬送方向に直交する方向の用紙ズレ量を検出するセンサを用紙搬送路上に設置し、搬送された用紙端の用紙ズレを検出するセンサからの結果をもとにズレ量を算出し、この算出されたデータをもとに画像の書出し位置を補正する提案がなされている。
【0006】
【特許文献1】特開2002-292960号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、用紙をガイド板にそって搬送、給紙する方式においては搬送方向がいわゆる縦型方式では自重で紙が落ちないように用紙を保持する必要がある。また、前記特許文献1では、センサと画像の書出し箇所の配置やタイミング、画像形成装置のシステム構成(本体とオプションの構成)の規定に言及がなされていない。例えば、この用紙ズレを検出するセンサは画像の表裏の印字位置ズレを補正するために使用することが最も効果が高く、用紙ズレ検出センサが画像形成装置に配置されている場合は両面オプション装置を装着し両面印字をした場合が本来の効果的な使用方法である。
【0008】
ところがこの構成において片面印字のみしか使用しないユーザーにとっては、用紙ズレ検出センサは不要であるため、画像形成装置本体のコストアップとなっていた。
【0009】
また、マイナーチェンジなどで装置の印字速度がアップした場合や両面オプション装置を複数の画像形成装置で流用する場合、用紙ズレ検出センサの設置箇所に制約や特定した箇所で配置されているために、搬送路が短縮されることがあり、用紙搬送時間が短縮して裏面印字開始までに補正処理が間に合わなくなるといった問題があった。
【0010】
さらに、これを考慮して用紙ズレ検出センサの設置箇所を大幅に用紙搬送方向上流へ移動させると今度はセンサの設置箇所から印字位置への用紙搬送中に斜行などで再度用紙ズレが発生し正確な画像補正ができないことがあった。
【0011】
そこで本発明の目的は、用紙ズレ検出センサを両面オプション装置に配置し、用紙の位置ズレに対する補正処理を適正に行って画像形成を可能にすることができる両面オプション装置を提供することにある。
【0012】
また、本発明の他の目的は、用紙ズレ検出センサを両面オプション装置に配置することにより画像形成装置本体のコストを削減することにある。
【0013】
さらに、本発明の他の目的は、画像形成装置の印字速度がアップした場合や両面オプション装置を複数の画像形成装置で流用する場合でも用紙の位置ズレに対する補正処理を適正に行って画像形成を可能にすることができる両面オプション装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、片面に画像印字した後の記録媒体を反転して画像形成装置に供給する両面オプション装置であって、該両面オプション装置内の記録媒体搬送路上で記録媒体搬送方向に直交する方向の記録媒体の位置ズレを検出する記録媒体位置ズレ検出手段と、前記位置ズレ検出手段からの検出結果に基づいて前記記録媒体の位置ズレ量を算出する算出手段とを具え、前記記録媒体位置ズレ検出手段による検出が行われてから画像形成装置内の記録媒体への画像記録位置に記録媒体が到達するまでの時間が、前記記録媒体位置ズレ検出手段による検出が行われてから前記算出手段により算出された記録媒体の位置ズレ量を参照して前記画像形成装置において画像データを補正処理する時間とこの補正処理した画像データに対応する記録材画像が前記画像記録位置に到達するまでの処理時間との総和よりも長くなるように、前記両面オプション装置内の記録媒体搬送路の搬送方向上の前記記録媒体位置ズレ検出手段の位置が設定されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、両面オプション装置に記録媒体位置ズレ検出手段を設け、かつこの記録媒体位置ズレ検出手段からの検出結果を用いて補正処理した画像データを画像記録手段に形成終了するタイミングの後に画像記録手段による画像記録位置に記録媒体位置ズレ検出手段による検出が行われた記録媒体が到達するようにしたので、記録媒体に適正に画像形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
(実施例1)
図2は実施例1の画像形成装置4および両面オプション装置5の制御系の構成を示すブロック図である。画像形成装置4は画像形成プロセスをおこなうエンジンコントローラ20を有し、その内部に画像データを処理するプリンタコントローラ22を有する。両面オプション装置5は用紙の両面の駆動、用紙ズレ検知をおこなうための両面オプションコントローラ21を有する。エンジンコントローラ20において15はCPU_Aであり画像形成装置4の印字制御を行なう。19はROMでありCPU_A15の制御プログラム,制御テーブルが格納されている。CPU_A15は、ROM19内の制御プログラムに従ってエンジンコントローラ20の各構成要素を制御する。16は通信手段Aであり、両面オプションコントローラ21のCPU_B27と通信手段B26を介して通信をおこなう。10はレジ前センサであり、レジローラにて用紙を揃えるため、用紙先端を検出するセンサである。17はレーザー駆動回路でありプリンタコントローラ22からの画像データに従ってレーザーを照射する。18はI/Oポートであって、レジ前センサ10とCPU_A15との間、CPU_A15とレーザー駆動回路17との間に設けられている。9は主走査の用紙位置ズレを検出するセンサであり主走査方向の用紙のレジ位置を検出する。検出されたズレ位置はCPU_B27によって検出され、信号処理手段29によって用紙端部からのズレ量として算出される。算出されたズレ量は先ず通信手段B26、通信手段A16によってエンジンコントローラ20のCPU_A15に送信され、次に通信手段C23、通信手段D43によってプリンタコントローラ22の画像制御手段24に送信され、画像制御手段24によって、送信されたズレ量に応じて後述の感光ドラム6への画像書出し位置制御がなされる。28はRAMであり、CPU_B27のワーキングメモリとして使用される。27AはROMでありCPU_B27の制御プログラム,制御テーブルが格納されている。CPU_B27は、ROM27A内の制御プログラムに従って両面オプションコントローラ21内の各構成要素を制御する。25は搬送駆動手段であり、両面オプション装置5に搬送された用紙の反転、搬送および画像形成装置への再給紙の駆動をおこなう。搬送センサ11は両面搬送路内に設けられたセンサであり用紙の搬送を検知する。
【0017】
次に図1に装置全体の断面図をもちいて印字動作を説明する。なお、両面オプション装置5は、画像形成装置4に対して、例えば、ユーザが容易にセット可能であり、且つ、取り外しも可能である。用紙位置ズレ検出センサ9は両面オプション装置5に取り付けられているので、画像形成装置4のコストは抑えられることになる。
【0018】
エンジンコントローラ20のCPU_B27はプリンタコントローラ22からのプリント開始コマンドが送出されると画像形成装置4による印字を開始する。次にプリンタコントローラ22から送出される画像データによってレーザーの駆動制御回路17を起動しレーザースキャナー2よりレーザーが帯電ローラ7によって一様に帯電された感光ドラム6に照射される。さらに、現像器3にてトナー(不図示)像を感光ドラム6へ可視化させる。それに同時進行して給紙カセット8にセットされた用紙はピックアップローラにて搬送路に導かれ、レジ前センサ10にて先端を検出され、レジ取りが行われた後、転写ローラ1にニップされて前記感光ドラム6に現像されたトナーが転写される。次に用紙は定着ローラ対13を経て定着排紙センサ12にて後端が検出される。紙後端を検出された後、裏面を印刷させるためにスイッチバック方式にて用紙を反転駆動させて両面オプション装置に導入させる。両面オプション装置の搬送路上に設置された搬送センサ11によって用紙先端を検知する。搬送センサ11にて用紙の先端を検知した後所定のタイミング後、用紙ズレ検出センサ9にて用紙ズレの検出をおこなう。
【0019】
用紙ズレ位置を検出した後、用紙は画像形成装置4へ再給紙する。両面オプションコントローラ21においては、用紙ズレ検出センサ9にて検出された用紙ズレ位置から信号処理手段29によってズレ量が算出され、これがプリンタコントローラ22に送信された後、画像制御手段24で用紙ズレを補正した画像データが生成され、次にエンジンコントローラ20は補正された画像データに基づきレーザー照射を制御開始する。両面オプション装置5から画像形成装置4に再給紙された用紙は裏面印字をおこない定着した後、排紙トレイへ排出される。
【0020】
図6は用紙ズレ検出センサを構成する発光素子35と受光素子37を含む用紙ズレ検出機構を説明する概略斜視図であり、用紙搬送路の用紙の左側の端部の対応位置に取り付けられている。この図6に示すように用紙搬送路の用紙端に相当する部分の上部には発光部となる発光素子35と下部には受光部となる受光素子37が配置されている。この発光素子35と受光素子37との間に搬送されてきた用紙端が位置することとなる。また、発光素子35と受光素子37は上下逆に配置されても同様に機能する。
【0021】
図5は、用紙ズレ検出センサの構成を示す図である。発光素子35は、図示のように、LED36からの光を均一に照射するライトガイド38を有する。また受光素子37は一般的に直線上に配置された多数のフォトダイオードにて構成されている。後述するクロックに応答して順次出力される受光側の各フォトダイオードの出力は用紙によって発光側からの光が遮断された場合には「OFF」されるため、用紙端の位置に応じて「ON」,「OFF」の切り替わるフォトダイオードの位置が変化することとなる。このセンサからの出力の変化点を検知することで用紙端を検出することが可能となる。
【0022】
図4に用紙端検出の具体的な回路ブロック図を示す。ここに示す両面オプションコントローラ21内の信号処理手段29の詳細な構成において、用紙が給紙されるとCPU_B27が「ON」してLED36が駆動されライトガイド38にて光が均一に照射され、受光素子35の受光面にて受光される。
【0023】
タイミング信号生成部32から受光素子37に対し基準信号であるCLK信号及びリセット信号(RST)を送出する。各クロック信号が入力される毎に、受光素子35を構成する各フォトダイオードからの出力が配列順に順次出力される。これによって、ライトガイド38からの光が用紙によって遮光されるか否かによって出力レベルが変動する所定のアナログ信号を受光素子35の出力として得ることができる。そのアナログ信号がコンパレータ34に入カされ所定の閾値により二値化される。コンパレータ34の出力はカウンター33のイネーブル(EN)端子に入力される。ここで図4に示す用紙端検出回路のタイミング波形を図8に示し説明する。ここでは、用紙によって受光面の光が遮断された場合を「OFF」時間としてカウントする論理で説明する。図4に示すカウンター33は、前述のタイミング信号生成部32から出力されるリセット信号(RST)が「L」になる毎にカウンター値が「0」に初期化される。その後リセット信号(RST)を「H」にし、前記コンパレータ34からの信号論理(EN)が「H」が入カされれば基準CLKに同期してカウントアップする。CLKが用紙端部に及ぶと受光素子37からのアナログ信号が出力されるためコンパレータ34の出力(EN)が「L」になり、基準CLKに同期してそのカウント値で保持される。ここでは、便宜上「0」からnまでカウントアップ動作を示している。その後、このカウンタ33にて保持された値を再び図2の回路ブロック図にて説明する。
【0024】
ここで保持されたカウント値がCPU_B27にて演算処理が施され、用紙の位置ズレ量を算出し、通信手段B25,通信手段A16を通じてエンジンコントローラ20へ、さらにプリンタコントローラ22に送信される。プリンタコントローラ22では、この送信された算出値を受け取って画像制御手段により画像の書き出し位置を制御しエンジンコントローラ20に画像を送出する。
【0025】
次に図10にて画像補正の様子を説明する。図10では用紙左端で用紙ズレを検知し、用紙のズレが右方向に発生したときの例を説明する。なお、レーザースキャナーは左から右に走査する構成であるとする。ズレが発生した場合の画像の補正は本来の用紙左端に対して用紙ズレ位置検出センサによって検出されたズレ量と用紙左端からの余白部を加えた位置から画像を書出しを開始することで実行され、用紙ズレが発生しなかった場合と同じ位置に印字することが可能となる。
【0026】
次にタイミングチャートである図3をもとに用紙ズレ位置検出から画像印字するまでの動作を説明する。
【0027】
(1)に示すように、搬送センサ11は両面オプション装置5内部に配置され、両面オプション5内部を搬送されてくる用紙を検出すると「H」になる。搬送センサ11が「H」に立ちあがり、所定タイミングを経ると用紙は用紙ズレ検出センサ9の取り付け位置に搬送されるので、(2)に示すように、両面オプションコントローラ21は用紙ズレ検出センサ9出力の取り込みを開始する。用紙ズレ検出センサ9の出力の取り込みが終了すると、これに基づいて用紙端ズレ量を算出してプリンタコントローラ22に送信する。プリンタコントローラ22は、(5)に示すように、送信された用紙ズレ量をもとに画像位置補正処理を実行する。画像補正処理(5)は処理動作中を「H」休止中を「L」としている。
【0028】
用紙端ズレ量を検出された用紙はさらに搬送され両面オプション装置5から画像形成装置4へ再給紙され、さらに画像形成装置4内部で搬送駆動が継続される。(3)はレジ前センサ10の出力であり「H」で用紙を検出する。搬送された用紙はレジ前センサ10にて先端検出され駆動を一時停止させてループを作り、その後、(4)に示すように、再駆動の開始によって先端レジ取りがなされる。プリンタコントローラ22から用紙ズレに対応した画像補正が完了すると補正された画像データをエンジンコントローラ20へ送信する。エンジンコントローラ20は、(6)に示すように、画像データをもとにレーザー駆動をおこなってレーザーを感光ドラム6へ照射開始する。レーザー照射開始後、現像処理を経て転写位置で両面オプション装置5から搬送された用紙裏面にトナーを転写させる。
【0029】
用紙ズレ検出センサ9の配置は電子写真プロセス速度をV1,および用紙搬送速度をV2、用紙ズレ検出センサ9によって用紙ズレ位置が検出された後、その用紙にトナー像を転写する転写位置まで搬送するために要する時間をt2、用紙ズレ位置が検出された後、用紙ズレに応じて処理された画像補正が終了するまでに費やした時間をt1、レーザー照射開始から用紙へのトナー画像転写位置に現像されたトナー画像が到達するまでの処理に要する時間をt3とすると
V2t2> V2t1+V1t3となるように配置することが必要条件となる。
【0030】
すなわち、用紙位置ズレ検出センサによる検出が行われてから画像形成装置内の用紙への画像記録位置に用紙が到達するまでの時間が、用紙ズレ検出センサによる検出が行われてから信号処理手段により算出された用紙の位置ズレ量を参照して画像形成装置において画像データを補正処理する時間とこの補正処理した画像データに対応する記録材画像が画像記録位置に到達するまでの処理時間との総和よりも長くなるように、両面オプション装置内の用紙搬送路の搬送方向上の用紙ズレ検出センサの位置が設定されていることになる。これによって、用紙に適正に画像形成することができる。
【0031】
(実施例2)
図9,図11をもとに実施例2の説明をおこなう。
【0032】
図9は実施例2の装置全体構成断面図、図11は実施例2の電気ブロック図である。実施例1と同様な構成に関しては同様な動作であり、同一符号を付して詳細説明は省略する。
【0033】
30はキャリッジであり、用紙ズレ検出センサ9を搬送方向に移動可能にさせるためのものである。キャリッジ30はキャリッジ駆動手段44によって駆動される。キャリッジ駆動手段44はパルスモータ(不図示)を有し、CPU_B27からのパルスデータによって任意の用紙搬送方向の搬送箇所に移動するように制御される。31はキャリッジホームポジションセンサでありキャリッジの初期位置に設置され、キャリッジ30の初期位置を検出して、CPU_B27に出力する。図11において43はテーブル変換手段であり、エンジンコントローラ20から送信される機種コードに対応した画像形成装置の用紙搬送速度と電子写真プロセス速度、用紙ズレ検出後その用紙がトナー画像転写位置まで搬送に要する時間、用紙ズレに応じてなされた画像補正に要する時間、レーザー照射開始から用紙へのトナー画像転写位置までの処理に要する時間に、CPU_B27が後述するキャリッジ移動位置を算出するために参照するデータを変換するテーブルが格納されている。
【0034】
次に実施例2の動作について説明する。両面オプションコントローラ21のCPU_B27はエンジンコントローラ20から画像形成装置4の機種コードを取得し、装着される画像形成装置4の機種を認識する。次にCPU_B27は認識された機種に応じてテーブル変換手段から画像形成装置4の用紙搬送速度V2、電子写真プロセス速度V1、用紙ズレ検出後その用紙をトナー画像転写位置まで搬送するのに要する時間t2、用紙ズレに応答して画像補正終了までに要する時間t1、レーザー照射開始から用紙へのトナー画像転写位置にトナー画像が到達するまでの処理に要する時間t3を取得して用紙ズレ検出センサ9を所定の条件が満たされる検出位置へ移動すべくキャリッジ駆動手段44を駆動してキャリッジ30を移動させる。その所定の条件とはV2t2−(V2t1+V1t3)=Tを満たすことであり、ここでTは最小限のマージンが得られ、かつ用紙ズレ検出センサ9の検出から用紙へのトナー画像転写位置までの搬送路を極力短くさせるために設定された定数である。すなわち、CPU_B27は、この所定の条件が満たされるように、搬送センサ11の用紙検出タイミングから用紙ズレ検出センサ9の検出タイミングまでの時間と両面オプション装置5の用紙搬送速度に基づいて、用紙ズレ検出センサ9の位置を算出し、この算出結果に基づいてキャリッジ駆動手段44を制御してキャリッジ30を算出位置まで移動させる。
【0035】
図9には例として用紙搬送速度および電子写真プロセス速度の少なくとも1つが他の画像形成装置とは異なる画像形成装置A,B,Cの3機種に装着した場合の両面オプション装置5内の用紙ズレ検出センサ9の配置位置を記している。このように、用紙ズレ検出センサ9を両面オプション装置5内の用紙搬送路上で移動可能にすることによって、用紙搬送速度および電子写真プロセス速度の少なくとも1つが他の画像形成装置とは異なる複数の画像形成装置に対して両面オプション装置5を共用して用紙の位置ズレに対応することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施例1の装置断面図である。
【図2】本発明の実施例1の電気ブロック図である。
【図3】本発明の実施例1の用紙ズレ補正動作を説明するタイミングチャートを表す図である。
【図4】本発明の実施例1の用紙ズレ検出処理を説明するブロック図である。
【図5】本発明の実施例1の用紙ズレ検出センサの構成を示す図である。
【図6】本発明の実施例1の用紙ズレ検出機構を説明する概略斜視図である。
【図7】従来例における用紙位置を基準ガイド板に規制するイメージを説明する図である。
【図8】本発明の実施例1の用紙端ズレ検出処理のタイミングチャートを表す図である。
【図9】本発明の実施例2の装置断面図である。
【図10】本発明の実施例1の用紙ズレ補正動作を説明する図である。
【図11】本発明の実施例2の電気ブロック図である。
【符号の説明】
【0037】
1・・転写ローラ
2・・レーザースキャナー
3・・現像器
4・・画像形成装置
5・・両面オプション装置
6・・感光ドラム
7・・帯電ローラ
8・・給紙カセット
9・・用紙ズレ検出センサ
10・・レジ前センサ
11・・搬送センサ
12・・定着排紙センサ
13・・定着ローラ対
14・・排紙センサ
15・・CPU_A
16・・CPU_B
17・・レーザー駆動回路
18・・I/Oポート
19・・ROM
20・・エンジンコントローラ
21・・両面オプションコントローラ
22・・プリンタコントローラ
23・・通信手段C
24・・画像制御手段
25・・搬送駆動手段
26・・通信手段B
27・・CPU_B
28・・RAM
29・・信号処理手段
30・・キャリッジ
31・・キャリッジホームポジションセンサ
32・・タイミング信号生成部
33・・カウンター
34・・コンパレータ
35・・発光素子
36・・LED
37・・受光素子
38・・ライトガイド
39・・用紙
40・・斜行ローラ
41・・ピックアップローラ
42・・基準ガイド板
43・・キャリッジ駆動手段
44・・テーブル変換手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体に画像形成する画像形成装置に適用する両面オプション装置に関し、特にその記録媒体の位置ズレに対する補正処理を適正に行うことができる両面オプション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置において両面搬送路からの再給紙した用紙やカセットもしくはトレイなどから用紙をレジストローラ位置まで搬送する際、該用紙が搬送方向に対して直交する方向(主走査方向)にズレが生じたまま搬送されてしまった場合は、現像までのプロセスにおいて印字画像に対して補正する機構を具備していない装置は、主走査方向に用紙ズレが発生した画像を形成することになる。
【0003】
前述の用紙位置ズレが発生しないようにするため、搬送路の片側に基準ガイド板42を設け基準ガイド板42に沿って沿わせるものが提案されている。図7を用いてこの提案の説明をする。
【0004】
このようなズレを矯正するために斜行ローラ40を用い、強制的に基準ガイド板42に沿わせて搬送する。用紙をピックアップするピックアップローラ41から用紙が給紙され基準ガイド板42に沿って用紙が搬送される。この基準ガイド板42には用紙に応じてレバーを手動にて可変する必要がある。この基準ガイド板にて用紙端が規制される。ピックアップされた用紙が搬送されると斜行ローラ40を通過する。その際用紙が基準ガイド板42を沿うように所定のテンションがかけられた斜行ローラ40は軸に対してななめに取り付けられている。この斜行ローラ40によって用紙がななめに搬送され、基準ガイドによって用紙が規制される。
【0005】
さらにこのようなズレを補正するために特許文献1では用紙搬送方向に直交する方向の用紙ズレ量を検出するセンサを用紙搬送路上に設置し、搬送された用紙端の用紙ズレを検出するセンサからの結果をもとにズレ量を算出し、この算出されたデータをもとに画像の書出し位置を補正する提案がなされている。
【0006】
【特許文献1】特開2002-292960号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、用紙をガイド板にそって搬送、給紙する方式においては搬送方向がいわゆる縦型方式では自重で紙が落ちないように用紙を保持する必要がある。また、前記特許文献1では、センサと画像の書出し箇所の配置やタイミング、画像形成装置のシステム構成(本体とオプションの構成)の規定に言及がなされていない。例えば、この用紙ズレを検出するセンサは画像の表裏の印字位置ズレを補正するために使用することが最も効果が高く、用紙ズレ検出センサが画像形成装置に配置されている場合は両面オプション装置を装着し両面印字をした場合が本来の効果的な使用方法である。
【0008】
ところがこの構成において片面印字のみしか使用しないユーザーにとっては、用紙ズレ検出センサは不要であるため、画像形成装置本体のコストアップとなっていた。
【0009】
また、マイナーチェンジなどで装置の印字速度がアップした場合や両面オプション装置を複数の画像形成装置で流用する場合、用紙ズレ検出センサの設置箇所に制約や特定した箇所で配置されているために、搬送路が短縮されることがあり、用紙搬送時間が短縮して裏面印字開始までに補正処理が間に合わなくなるといった問題があった。
【0010】
さらに、これを考慮して用紙ズレ検出センサの設置箇所を大幅に用紙搬送方向上流へ移動させると今度はセンサの設置箇所から印字位置への用紙搬送中に斜行などで再度用紙ズレが発生し正確な画像補正ができないことがあった。
【0011】
そこで本発明の目的は、用紙ズレ検出センサを両面オプション装置に配置し、用紙の位置ズレに対する補正処理を適正に行って画像形成を可能にすることができる両面オプション装置を提供することにある。
【0012】
また、本発明の他の目的は、用紙ズレ検出センサを両面オプション装置に配置することにより画像形成装置本体のコストを削減することにある。
【0013】
さらに、本発明の他の目的は、画像形成装置の印字速度がアップした場合や両面オプション装置を複数の画像形成装置で流用する場合でも用紙の位置ズレに対する補正処理を適正に行って画像形成を可能にすることができる両面オプション装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、片面に画像印字した後の記録媒体を反転して画像形成装置に供給する両面オプション装置であって、該両面オプション装置内の記録媒体搬送路上で記録媒体搬送方向に直交する方向の記録媒体の位置ズレを検出する記録媒体位置ズレ検出手段と、前記位置ズレ検出手段からの検出結果に基づいて前記記録媒体の位置ズレ量を算出する算出手段とを具え、前記記録媒体位置ズレ検出手段による検出が行われてから画像形成装置内の記録媒体への画像記録位置に記録媒体が到達するまでの時間が、前記記録媒体位置ズレ検出手段による検出が行われてから前記算出手段により算出された記録媒体の位置ズレ量を参照して前記画像形成装置において画像データを補正処理する時間とこの補正処理した画像データに対応する記録材画像が前記画像記録位置に到達するまでの処理時間との総和よりも長くなるように、前記両面オプション装置内の記録媒体搬送路の搬送方向上の前記記録媒体位置ズレ検出手段の位置が設定されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、両面オプション装置に記録媒体位置ズレ検出手段を設け、かつこの記録媒体位置ズレ検出手段からの検出結果を用いて補正処理した画像データを画像記録手段に形成終了するタイミングの後に画像記録手段による画像記録位置に記録媒体位置ズレ検出手段による検出が行われた記録媒体が到達するようにしたので、記録媒体に適正に画像形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
(実施例1)
図2は実施例1の画像形成装置4および両面オプション装置5の制御系の構成を示すブロック図である。画像形成装置4は画像形成プロセスをおこなうエンジンコントローラ20を有し、その内部に画像データを処理するプリンタコントローラ22を有する。両面オプション装置5は用紙の両面の駆動、用紙ズレ検知をおこなうための両面オプションコントローラ21を有する。エンジンコントローラ20において15はCPU_Aであり画像形成装置4の印字制御を行なう。19はROMでありCPU_A15の制御プログラム,制御テーブルが格納されている。CPU_A15は、ROM19内の制御プログラムに従ってエンジンコントローラ20の各構成要素を制御する。16は通信手段Aであり、両面オプションコントローラ21のCPU_B27と通信手段B26を介して通信をおこなう。10はレジ前センサであり、レジローラにて用紙を揃えるため、用紙先端を検出するセンサである。17はレーザー駆動回路でありプリンタコントローラ22からの画像データに従ってレーザーを照射する。18はI/Oポートであって、レジ前センサ10とCPU_A15との間、CPU_A15とレーザー駆動回路17との間に設けられている。9は主走査の用紙位置ズレを検出するセンサであり主走査方向の用紙のレジ位置を検出する。検出されたズレ位置はCPU_B27によって検出され、信号処理手段29によって用紙端部からのズレ量として算出される。算出されたズレ量は先ず通信手段B26、通信手段A16によってエンジンコントローラ20のCPU_A15に送信され、次に通信手段C23、通信手段D43によってプリンタコントローラ22の画像制御手段24に送信され、画像制御手段24によって、送信されたズレ量に応じて後述の感光ドラム6への画像書出し位置制御がなされる。28はRAMであり、CPU_B27のワーキングメモリとして使用される。27AはROMでありCPU_B27の制御プログラム,制御テーブルが格納されている。CPU_B27は、ROM27A内の制御プログラムに従って両面オプションコントローラ21内の各構成要素を制御する。25は搬送駆動手段であり、両面オプション装置5に搬送された用紙の反転、搬送および画像形成装置への再給紙の駆動をおこなう。搬送センサ11は両面搬送路内に設けられたセンサであり用紙の搬送を検知する。
【0017】
次に図1に装置全体の断面図をもちいて印字動作を説明する。なお、両面オプション装置5は、画像形成装置4に対して、例えば、ユーザが容易にセット可能であり、且つ、取り外しも可能である。用紙位置ズレ検出センサ9は両面オプション装置5に取り付けられているので、画像形成装置4のコストは抑えられることになる。
【0018】
エンジンコントローラ20のCPU_B27はプリンタコントローラ22からのプリント開始コマンドが送出されると画像形成装置4による印字を開始する。次にプリンタコントローラ22から送出される画像データによってレーザーの駆動制御回路17を起動しレーザースキャナー2よりレーザーが帯電ローラ7によって一様に帯電された感光ドラム6に照射される。さらに、現像器3にてトナー(不図示)像を感光ドラム6へ可視化させる。それに同時進行して給紙カセット8にセットされた用紙はピックアップローラにて搬送路に導かれ、レジ前センサ10にて先端を検出され、レジ取りが行われた後、転写ローラ1にニップされて前記感光ドラム6に現像されたトナーが転写される。次に用紙は定着ローラ対13を経て定着排紙センサ12にて後端が検出される。紙後端を検出された後、裏面を印刷させるためにスイッチバック方式にて用紙を反転駆動させて両面オプション装置に導入させる。両面オプション装置の搬送路上に設置された搬送センサ11によって用紙先端を検知する。搬送センサ11にて用紙の先端を検知した後所定のタイミング後、用紙ズレ検出センサ9にて用紙ズレの検出をおこなう。
【0019】
用紙ズレ位置を検出した後、用紙は画像形成装置4へ再給紙する。両面オプションコントローラ21においては、用紙ズレ検出センサ9にて検出された用紙ズレ位置から信号処理手段29によってズレ量が算出され、これがプリンタコントローラ22に送信された後、画像制御手段24で用紙ズレを補正した画像データが生成され、次にエンジンコントローラ20は補正された画像データに基づきレーザー照射を制御開始する。両面オプション装置5から画像形成装置4に再給紙された用紙は裏面印字をおこない定着した後、排紙トレイへ排出される。
【0020】
図6は用紙ズレ検出センサを構成する発光素子35と受光素子37を含む用紙ズレ検出機構を説明する概略斜視図であり、用紙搬送路の用紙の左側の端部の対応位置に取り付けられている。この図6に示すように用紙搬送路の用紙端に相当する部分の上部には発光部となる発光素子35と下部には受光部となる受光素子37が配置されている。この発光素子35と受光素子37との間に搬送されてきた用紙端が位置することとなる。また、発光素子35と受光素子37は上下逆に配置されても同様に機能する。
【0021】
図5は、用紙ズレ検出センサの構成を示す図である。発光素子35は、図示のように、LED36からの光を均一に照射するライトガイド38を有する。また受光素子37は一般的に直線上に配置された多数のフォトダイオードにて構成されている。後述するクロックに応答して順次出力される受光側の各フォトダイオードの出力は用紙によって発光側からの光が遮断された場合には「OFF」されるため、用紙端の位置に応じて「ON」,「OFF」の切り替わるフォトダイオードの位置が変化することとなる。このセンサからの出力の変化点を検知することで用紙端を検出することが可能となる。
【0022】
図4に用紙端検出の具体的な回路ブロック図を示す。ここに示す両面オプションコントローラ21内の信号処理手段29の詳細な構成において、用紙が給紙されるとCPU_B27が「ON」してLED36が駆動されライトガイド38にて光が均一に照射され、受光素子35の受光面にて受光される。
【0023】
タイミング信号生成部32から受光素子37に対し基準信号であるCLK信号及びリセット信号(RST)を送出する。各クロック信号が入力される毎に、受光素子35を構成する各フォトダイオードからの出力が配列順に順次出力される。これによって、ライトガイド38からの光が用紙によって遮光されるか否かによって出力レベルが変動する所定のアナログ信号を受光素子35の出力として得ることができる。そのアナログ信号がコンパレータ34に入カされ所定の閾値により二値化される。コンパレータ34の出力はカウンター33のイネーブル(EN)端子に入力される。ここで図4に示す用紙端検出回路のタイミング波形を図8に示し説明する。ここでは、用紙によって受光面の光が遮断された場合を「OFF」時間としてカウントする論理で説明する。図4に示すカウンター33は、前述のタイミング信号生成部32から出力されるリセット信号(RST)が「L」になる毎にカウンター値が「0」に初期化される。その後リセット信号(RST)を「H」にし、前記コンパレータ34からの信号論理(EN)が「H」が入カされれば基準CLKに同期してカウントアップする。CLKが用紙端部に及ぶと受光素子37からのアナログ信号が出力されるためコンパレータ34の出力(EN)が「L」になり、基準CLKに同期してそのカウント値で保持される。ここでは、便宜上「0」からnまでカウントアップ動作を示している。その後、このカウンタ33にて保持された値を再び図2の回路ブロック図にて説明する。
【0024】
ここで保持されたカウント値がCPU_B27にて演算処理が施され、用紙の位置ズレ量を算出し、通信手段B25,通信手段A16を通じてエンジンコントローラ20へ、さらにプリンタコントローラ22に送信される。プリンタコントローラ22では、この送信された算出値を受け取って画像制御手段により画像の書き出し位置を制御しエンジンコントローラ20に画像を送出する。
【0025】
次に図10にて画像補正の様子を説明する。図10では用紙左端で用紙ズレを検知し、用紙のズレが右方向に発生したときの例を説明する。なお、レーザースキャナーは左から右に走査する構成であるとする。ズレが発生した場合の画像の補正は本来の用紙左端に対して用紙ズレ位置検出センサによって検出されたズレ量と用紙左端からの余白部を加えた位置から画像を書出しを開始することで実行され、用紙ズレが発生しなかった場合と同じ位置に印字することが可能となる。
【0026】
次にタイミングチャートである図3をもとに用紙ズレ位置検出から画像印字するまでの動作を説明する。
【0027】
(1)に示すように、搬送センサ11は両面オプション装置5内部に配置され、両面オプション5内部を搬送されてくる用紙を検出すると「H」になる。搬送センサ11が「H」に立ちあがり、所定タイミングを経ると用紙は用紙ズレ検出センサ9の取り付け位置に搬送されるので、(2)に示すように、両面オプションコントローラ21は用紙ズレ検出センサ9出力の取り込みを開始する。用紙ズレ検出センサ9の出力の取り込みが終了すると、これに基づいて用紙端ズレ量を算出してプリンタコントローラ22に送信する。プリンタコントローラ22は、(5)に示すように、送信された用紙ズレ量をもとに画像位置補正処理を実行する。画像補正処理(5)は処理動作中を「H」休止中を「L」としている。
【0028】
用紙端ズレ量を検出された用紙はさらに搬送され両面オプション装置5から画像形成装置4へ再給紙され、さらに画像形成装置4内部で搬送駆動が継続される。(3)はレジ前センサ10の出力であり「H」で用紙を検出する。搬送された用紙はレジ前センサ10にて先端検出され駆動を一時停止させてループを作り、その後、(4)に示すように、再駆動の開始によって先端レジ取りがなされる。プリンタコントローラ22から用紙ズレに対応した画像補正が完了すると補正された画像データをエンジンコントローラ20へ送信する。エンジンコントローラ20は、(6)に示すように、画像データをもとにレーザー駆動をおこなってレーザーを感光ドラム6へ照射開始する。レーザー照射開始後、現像処理を経て転写位置で両面オプション装置5から搬送された用紙裏面にトナーを転写させる。
【0029】
用紙ズレ検出センサ9の配置は電子写真プロセス速度をV1,および用紙搬送速度をV2、用紙ズレ検出センサ9によって用紙ズレ位置が検出された後、その用紙にトナー像を転写する転写位置まで搬送するために要する時間をt2、用紙ズレ位置が検出された後、用紙ズレに応じて処理された画像補正が終了するまでに費やした時間をt1、レーザー照射開始から用紙へのトナー画像転写位置に現像されたトナー画像が到達するまでの処理に要する時間をt3とすると
V2t2> V2t1+V1t3となるように配置することが必要条件となる。
【0030】
すなわち、用紙位置ズレ検出センサによる検出が行われてから画像形成装置内の用紙への画像記録位置に用紙が到達するまでの時間が、用紙ズレ検出センサによる検出が行われてから信号処理手段により算出された用紙の位置ズレ量を参照して画像形成装置において画像データを補正処理する時間とこの補正処理した画像データに対応する記録材画像が画像記録位置に到達するまでの処理時間との総和よりも長くなるように、両面オプション装置内の用紙搬送路の搬送方向上の用紙ズレ検出センサの位置が設定されていることになる。これによって、用紙に適正に画像形成することができる。
【0031】
(実施例2)
図9,図11をもとに実施例2の説明をおこなう。
【0032】
図9は実施例2の装置全体構成断面図、図11は実施例2の電気ブロック図である。実施例1と同様な構成に関しては同様な動作であり、同一符号を付して詳細説明は省略する。
【0033】
30はキャリッジであり、用紙ズレ検出センサ9を搬送方向に移動可能にさせるためのものである。キャリッジ30はキャリッジ駆動手段44によって駆動される。キャリッジ駆動手段44はパルスモータ(不図示)を有し、CPU_B27からのパルスデータによって任意の用紙搬送方向の搬送箇所に移動するように制御される。31はキャリッジホームポジションセンサでありキャリッジの初期位置に設置され、キャリッジ30の初期位置を検出して、CPU_B27に出力する。図11において43はテーブル変換手段であり、エンジンコントローラ20から送信される機種コードに対応した画像形成装置の用紙搬送速度と電子写真プロセス速度、用紙ズレ検出後その用紙がトナー画像転写位置まで搬送に要する時間、用紙ズレに応じてなされた画像補正に要する時間、レーザー照射開始から用紙へのトナー画像転写位置までの処理に要する時間に、CPU_B27が後述するキャリッジ移動位置を算出するために参照するデータを変換するテーブルが格納されている。
【0034】
次に実施例2の動作について説明する。両面オプションコントローラ21のCPU_B27はエンジンコントローラ20から画像形成装置4の機種コードを取得し、装着される画像形成装置4の機種を認識する。次にCPU_B27は認識された機種に応じてテーブル変換手段から画像形成装置4の用紙搬送速度V2、電子写真プロセス速度V1、用紙ズレ検出後その用紙をトナー画像転写位置まで搬送するのに要する時間t2、用紙ズレに応答して画像補正終了までに要する時間t1、レーザー照射開始から用紙へのトナー画像転写位置にトナー画像が到達するまでの処理に要する時間t3を取得して用紙ズレ検出センサ9を所定の条件が満たされる検出位置へ移動すべくキャリッジ駆動手段44を駆動してキャリッジ30を移動させる。その所定の条件とはV2t2−(V2t1+V1t3)=Tを満たすことであり、ここでTは最小限のマージンが得られ、かつ用紙ズレ検出センサ9の検出から用紙へのトナー画像転写位置までの搬送路を極力短くさせるために設定された定数である。すなわち、CPU_B27は、この所定の条件が満たされるように、搬送センサ11の用紙検出タイミングから用紙ズレ検出センサ9の検出タイミングまでの時間と両面オプション装置5の用紙搬送速度に基づいて、用紙ズレ検出センサ9の位置を算出し、この算出結果に基づいてキャリッジ駆動手段44を制御してキャリッジ30を算出位置まで移動させる。
【0035】
図9には例として用紙搬送速度および電子写真プロセス速度の少なくとも1つが他の画像形成装置とは異なる画像形成装置A,B,Cの3機種に装着した場合の両面オプション装置5内の用紙ズレ検出センサ9の配置位置を記している。このように、用紙ズレ検出センサ9を両面オプション装置5内の用紙搬送路上で移動可能にすることによって、用紙搬送速度および電子写真プロセス速度の少なくとも1つが他の画像形成装置とは異なる複数の画像形成装置に対して両面オプション装置5を共用して用紙の位置ズレに対応することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施例1の装置断面図である。
【図2】本発明の実施例1の電気ブロック図である。
【図3】本発明の実施例1の用紙ズレ補正動作を説明するタイミングチャートを表す図である。
【図4】本発明の実施例1の用紙ズレ検出処理を説明するブロック図である。
【図5】本発明の実施例1の用紙ズレ検出センサの構成を示す図である。
【図6】本発明の実施例1の用紙ズレ検出機構を説明する概略斜視図である。
【図7】従来例における用紙位置を基準ガイド板に規制するイメージを説明する図である。
【図8】本発明の実施例1の用紙端ズレ検出処理のタイミングチャートを表す図である。
【図9】本発明の実施例2の装置断面図である。
【図10】本発明の実施例1の用紙ズレ補正動作を説明する図である。
【図11】本発明の実施例2の電気ブロック図である。
【符号の説明】
【0037】
1・・転写ローラ
2・・レーザースキャナー
3・・現像器
4・・画像形成装置
5・・両面オプション装置
6・・感光ドラム
7・・帯電ローラ
8・・給紙カセット
9・・用紙ズレ検出センサ
10・・レジ前センサ
11・・搬送センサ
12・・定着排紙センサ
13・・定着ローラ対
14・・排紙センサ
15・・CPU_A
16・・CPU_B
17・・レーザー駆動回路
18・・I/Oポート
19・・ROM
20・・エンジンコントローラ
21・・両面オプションコントローラ
22・・プリンタコントローラ
23・・通信手段C
24・・画像制御手段
25・・搬送駆動手段
26・・通信手段B
27・・CPU_B
28・・RAM
29・・信号処理手段
30・・キャリッジ
31・・キャリッジホームポジションセンサ
32・・タイミング信号生成部
33・・カウンター
34・・コンパレータ
35・・発光素子
36・・LED
37・・受光素子
38・・ライトガイド
39・・用紙
40・・斜行ローラ
41・・ピックアップローラ
42・・基準ガイド板
43・・キャリッジ駆動手段
44・・テーブル変換手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
片面に画像印字した後の記録媒体を反転して画像形成装置に供給する両面オプション装置であって、
該両面オプション装置内の記録媒体搬送路上で記録媒体搬送方向に直交する方向の記録媒体の位置ズレを検出する記録媒体位置ズレ検出手段と、前記位置ズレ検出手段からの検出結果に基づいて前記記録媒体の位置ズレ量を算出する算出手段とを具え、
前記記録媒体位置ズレ検出手段による検出が行われてから画像形成装置内の記録媒体への画像記録位置に記録媒体が到達するまでの時間が、前記記録媒体位置ズレ検出手段による検出が行われてから前記算出手段により算出された記録媒体の位置ズレ量を参照して前記画像形成装置において画像データを補正処理する時間とこの補正処理した画像データに対応する記録材画像が前記画像記録位置に到達するまでの処理時間との総和よりも長くなるように、前記両面オプション装置内の記録媒体搬送路の搬送方向上の前記記録媒体位置ズレ検出手段の位置が設定されていることを特徴とする両面オプション装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記位置ズレ検出手段は、前記記録媒体搬送路の搬送方向上の位置を変更可能であることを特徴とする両面オプション装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記位置ズレ検出手段の前記記録媒体搬送路の搬送方向上の位置は、少なくとも前記画像形成装置のプロセス速度と前記記録媒体の搬送速度とに基づいて決定されることを特徴とする両面オプション装置。
【請求項1】
片面に画像印字した後の記録媒体を反転して画像形成装置に供給する両面オプション装置であって、
該両面オプション装置内の記録媒体搬送路上で記録媒体搬送方向に直交する方向の記録媒体の位置ズレを検出する記録媒体位置ズレ検出手段と、前記位置ズレ検出手段からの検出結果に基づいて前記記録媒体の位置ズレ量を算出する算出手段とを具え、
前記記録媒体位置ズレ検出手段による検出が行われてから画像形成装置内の記録媒体への画像記録位置に記録媒体が到達するまでの時間が、前記記録媒体位置ズレ検出手段による検出が行われてから前記算出手段により算出された記録媒体の位置ズレ量を参照して前記画像形成装置において画像データを補正処理する時間とこの補正処理した画像データに対応する記録材画像が前記画像記録位置に到達するまでの処理時間との総和よりも長くなるように、前記両面オプション装置内の記録媒体搬送路の搬送方向上の前記記録媒体位置ズレ検出手段の位置が設定されていることを特徴とする両面オプション装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記位置ズレ検出手段は、前記記録媒体搬送路の搬送方向上の位置を変更可能であることを特徴とする両面オプション装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記位置ズレ検出手段の前記記録媒体搬送路の搬送方向上の位置は、少なくとも前記画像形成装置のプロセス速度と前記記録媒体の搬送速度とに基づいて決定されることを特徴とする両面オプション装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−43921(P2006−43921A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−224782(P2004−224782)
【出願日】平成16年7月30日(2004.7.30)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月30日(2004.7.30)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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