説明

両面画像読取り方法

【課題】搬送機構を大型化せず、原稿の画像読取り時間を短縮する両面画像読取り方法及び装置を提供する。
【解決手段】第1の搬送工程では、原稿Sを、原稿Sが通過するパス12を有する搬送部1の内部の画像読取り部の画像読取り手段30に、原稿Sの一方の面が対向するように通過させ、パス12から分岐したスイッチバック搬送路26を介して、パス12の画像読取り部よりも上流側に戻し、第2の搬送工程では、第1の搬送工程で戻された原稿Sを搬送し、画像読取り手段30で、画像読取り手段30に対向する原稿Sの他方の面を読取り、スイッチバック搬送路26を介して、パス12の画像読取り部よりも上流側に戻し、第3の搬送工程では、第2の搬送工程で戻された原稿Sを、画像読取り部の画像読取り手段30に原稿Sの一方の面が対向するように通過させて排出し、第1の搬送工程と第3の搬送工程のいずれか一方では画像を読取り、他方では画像を読取らない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、両面画像読取り方法および両面画像読取り装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コピー機、スキャナおよびファクシミリ、または、これらの機器の機能を1台で有する複合機などには、原稿に記録されている画像を読取る画像読取り装置が備えられ、画像読取り装置には自動的に原稿を搬送する原稿搬送機構が備えられている。
【0003】
画像読取り装置で原稿の両面に記録されている画像を読取る場合に、画像読取り装置に備えられている原稿搬送機構によって自動的に原稿を搬送し、原稿の両面の画像を読取る画像読取り装置が存在する。このような装置で複数の原稿の両面の画像を読取る場合には、原稿搬送機構によって原稿の表裏を反転させる処理が必要であるため、画像読取り後に排紙された原稿の束が表裏逆さまになっていたり、最初のページから最終ページまでの順番が逆転していたりする。このような不具合を解消することができる、特許文献1に記載されている画像読取り装置の原稿搬送機構には、給紙部、読取り部、排紙部、スイッチバック部、および原稿を搬送する複数のローラ対が設けられている。原稿の搬送経路には、給紙部、読取り部、排紙部が順に設けられている。給紙部と読取り部の間の搬送経路上の2箇所(給紙部側と読取り部側)と、スイッチバック部が反転経路で結ばれており、搬送経路の、読取り部と排紙部の間と、スイッチバック部とがスイッチバック用経路によって結ばれている。また、給紙部から送られてくる原稿を、搬送経路を通って直接排紙部へ搬送するのか、または、反転経路に搬送するのかを切りかえるガイドが設けられている。原稿は、駆動装置により駆動されるローラ対に挟持され、搬送される。給紙部から搬送される原稿は、給紙部側の、搬送経路と反転経路との接続位置から反転経路を介してスイッチバック部に送られる。そして、原稿は、原稿の後端を先頭にした状態(スイッチバックした状態)で、読取り部側の、搬送経路と反転経路との接続位置とを通り、搬送経路に送り返される。このことで、原稿の表裏が反転する。この状態で原稿は搬送経路を通り読取り部に送られて原稿の裏面の画像が読取られる。裏面を読取られた原稿は、読取り部と排紙部の間のスイッチバック用経路からスイッチバック部に送られる。そして、原稿の後端が後ろで原稿の先端が先頭になった状態(再度スイッチバックした状態)で反転経路を通って、読取り部側の、搬送経路と反転経路との接続位置とを介して、搬送経路に送り返される。このことで、原稿の表裏が再度逆転する。そして、原稿は読取り部に送られ、原稿の表面の画像が読取られ、排紙部に送られる。
【0004】
複数の原稿の画像を読取る場合には、給紙部に複数の原稿が積載される。特許文献1に記載の方法では、原稿の両面の画像を読取り、排紙部に排紙する動作を繰り返す場合、給紙部での原稿の積載順と、排紙部での原稿の積載順を同じにすることができる。また、原稿の画像を読取る速度は、読取り精度上限界がある。そのため、スイッチバックするときのスイッチバック部における原稿の搬送速度をより速くすることで、原稿が給紙されてから原稿の両面の画像が読取られ、そして排紙されるまでの一連の動作にかかる時間を短縮している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−043056号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の画像読取り装置は、原稿の搬送機構において、給紙部から読取り部、そして排紙部に至るまでの原稿の搬送経路とは別に、原稿を、給紙部からスイッチバック部およびスイッチバック部から読取り部に搬送する経路が必要になる。また、原稿を、読取り部から排紙部に搬送する経路のほかに、読取り部からスイッチバック部に搬送する経路が必要になる。また、片面読取りの場合、給紙部から読取り部に直接原稿が送られるが、両面読取りの場合、原稿は供給部からスイッチバック部に送られるため、片面読取りと両面読取りとでは原稿の搬送経路が異なり、原稿を正しい方に送るためのガイドが必要になる。さらに、読取り部から排紙部に至る経路と、読取り部からスイッチバック部に至る経路が異なるため、それぞれの経路に原稿を搬送するためにローラ対を別々に設ける必要がある。したがって、これらのものを全て設けると、装置サイズが大きくなってしまう、という課題があった。
【0007】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、読取り後に排紙された原稿の積載順を給紙前の原稿の積載順と一致させる搬送機構の大型化を抑制しつつ、原稿の画像の読取りに要する時間を短縮可能な、両面画像読取り方法および両面画像読取り装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の両面画像読取り方法は、第1の搬送工程、第2の搬送工程、及び第3の搬送工程を含む。第1の搬送工程では、積載トレイから供給された原稿を、積載トレイから搬送される原稿が通過するパスを有する搬送部の内部に設けられている画像読取り部を通過させ、パスから分岐したスイッチバック搬送路を介して、パスの画像読取り部よりも上流側に戻す。第2の搬送工程では、第1の搬送工程によってパスの画像読取り部よりも上流側に戻された原稿を、画像読取り部を通過させた後に、スイッチバック搬送路を介して、パスの画像読取り部よりも上流側に戻す。第3の搬送工程では、第2の搬送工程によってパスの画像読取り部よりも上流側に戻された原稿を、画像読取り部を通過させた後に排紙トレイに排出する。
【0009】
そして、第1の搬送工程と第3の搬送工程のいずれか一方で、原稿が画像読取り部を通過する際に、該画像読取り部に配置されている画像読取り手段によって、画像読取り手段に対向する原稿の一方の面に形成されている画像を読取る。また、第2の搬送工程で、原稿が画像読取り部を通過する際に、画像読取り手段によって、画像読取り手段に対向する原稿の他方の面に形成されている画像を読取る。さらに、第1の搬送工程と第3の搬送工程の他方では、原稿の一方の面が画像読取り手段と対向するようにして、原稿を、画像の読取りを行うことなく画像読取り部を通過させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、搬送機構の大型化を抑制しつつ、原稿の画像の読取りに要する時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の原稿搬送機構を有する画像読取り装置の概略構成図である。
【図2】図1の画像読取り装置の外観概略図である。
【図3】本発明の両面画像読取り方法の、原稿の両面を複数枚連続して読取る際の動作に関するフローチャートである。
【図4】本発明の画像通信装置の一例のファクシミリの制御構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の複数の原稿の両面画像読取り方法をより高速化した場合の主ルーチンを示すフローチャートである。
【図6】図5の主ルーチンに組み込まれたサブルーチンのフローチャートであり、(a)はサブルーチン(Sub1)、(b)はサブルーチン(Sub2)である。
【図7】駆動モータの回転速度と電磁クラッチのON−OFFとを示すタイミングチャートであり、(a)は図3の制御を行なう場合、(b)は、図5の制御を行なう場合である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、添付の図面に基づき、本発明の実施の形態を説明する。なお、同一の機能を有する構成には添付図面中、同一の番号を付与し、その説明を省略することがある。
【0013】
図1は、本発明に係る原稿搬送機構を有する画像読取り装置の概略構成図であり、図2は、図1の画像読取り装置の外観概略図である。まず、搬送部1の構成および動作を説明する。
【0014】
原稿搬送機構には、読取られる原稿Sが積載される積載トレイ14と、原稿Sの搬送経路に関して積載トレイ14の下流側の搬送部1と、搬送部1の下流側の、読取られた原稿が順番に積載される排紙トレイ18とが設けられている。
【0015】
搬送部1には、略U字状の原稿搬送路(以下、「Uターンパス」と称する)12が設けられている。このUターンパス12には、積載トレイ14に積載された原稿Sの最も上に位置する1枚を分離するために互いに圧接した、分離ローラ5と、原稿SのUターンパス12を挟んで分離ローラ5に対向する位置の分離パッド4とが設けられている。また、分離ローラ5よりも搬送経路の上流側に、原稿Sの有無を検出する原稿有無センサ16が設けられている。さらに、分離ローラ5の下流側には、原稿Sを搬送する第1搬送ローラ7が設けられ、第1搬送ローラ7の下流側には、原稿Sの先端部及び後端部を検出する原稿エッジセンサ17が設けられている。また、Uターンパス12の最も下流側には、原稿Sを排紙トレイ18に排出、または後述するスイッチバック搬送路26に搬送する第2搬送ローラ9が設けられている。さらに、搬送部1には、Uターンパス12の、第2搬送ローラ9の上流側の位置に分岐部25が設けられ、この位置から、分離ローラ5と第1搬送ローラ7との間の位置のUターンパス12につながるスイッチバック搬送路26が設けられている。
【0016】
Uターンパス12上の第1搬送ローラ7と第2搬送ローラ9との間には、原稿エッジセンサ17と白地板8とが順に設けられている。白地板8に対向する位置に、原稿Sに形成されている画像情報を読取るための、後述する画像読取り装置の密着型イメージセンサ30が設けられている。原稿エッジセンサ17、白地板8、および密着型イメージセンサ30とで画像読取り部となる。
【0017】
Uターンパス12と積載トレイ14との間には、積載トレイ14に積載された最も上の原稿Sに当接してこれをピックアップするピックアップローラ3が、原稿Sに対して近接および退避が可能なピックアップアーム10に支持され、設けられている。
【0018】
画像読取り装置には、上記の原稿搬送機構のほかに、平坦な読取りガラス22が設けられており、この読取りガラス22上に原稿搬送機構が配置される。原稿搬送機構は、読取りガラス22に当接または離間可能である。また、画像読取り装置には、読取りガラス22を介して搬送部1と対向する側に配置される画像読取り手段である、密着型イメージセンサ(以下「CIS:contact image sensor」と称する)30が設けられている。CIS30は光源であるLED(light-emitting diode)アレイから原稿Sの画像情報面に光を照射し、画像情報面で反射した反射光を自己集束型ロッドレンズアレイでセンサ素子に結像して画像情報を読取るものである。このCIS30は、原稿Sの幅方向と垂直な方向(図中左右方向)に移動可能に構成されている。そのため、原稿搬送機構を読取りガラス22から離間させ、ユーザ自身で読取りガラス22に原稿を配置する、フラットベッドスキャン時は、図中の左側から右側に走査しつつ読取りガラス22上に載置された原稿の読取りガラス22と接している面の画像を読取る。原稿搬送機構を利用し、搬送部1を搬送されてくる原稿Sを読取る場合は、CIS30は図1に示す画像読取り位置(白地板8と対向する位置)で止まっていて、読取り位置に搬送されてくる原稿SのCIS30側の面を読取る構成となっている。
【0019】
次に駆動系統の説明をする。図示しない駆動モータからの駆動力が、図示しないギア、ベルト等を介して分離ローラ5、ピックアップローラ3、第1搬送ローラ7、および第2搬送ローラ9に伝わる。分離ローラ5とピックアップローラ3は、図示しない電磁クラッチを介して駆動モータと接続されており、電磁クラッチによって駆動モータからの駆動力を分離ローラ5とピックアップローラ3に伝えたり、絶ったりすることができる。駆動モータを正転方向に回転させた時、ピックアップローラ3、分離ローラ5および第2搬送ローラ9は、図1で時計回り方向に回転し、第1搬送ローラ7は図1で反時計回り方向に回転するように図示しない駆動列で連結されている。更に第1搬送ローラ7は駆動モータを逆転させた時にも反時計回り方向に回転するように構成されている。
【0020】
次に、画像読取り装置の動作について説明する。まず、原稿Sの片面に形成された画像のみを読取る際の動作について説明する。なお、これ以降、積載トレイ14に積載されているときに、積載トレイ14側を向いている原稿Sの面を裏面、原稿Sの原稿積載トレイ14とは反対側の面を表面とする。
【0021】
ユーザが操作部Eから片面読取りモードを設定し、読取り開始を指示すると、駆動モータが正転する。ここで電磁クラッチを接続することで分離ローラ5とピックアップローラ3が回転するとともにピックアップアーム10が原稿S側に移動し、ピックアップローラ3が原稿Sに押圧される。そして、ピックアップローラ3の回転によって原稿SがUターンパス12の内部へと送り込まれる。このとき、分離ローラ5および分離パッド4によって、積載トレイ14に積載された原稿Sのうち、最上層の原稿Sだけが、搬送部1内に送られる。そして、搬送部1内に送られた原稿Sは、Uターンパス12に沿って搬送され、さらに第1搬送ローラ7によってCIS30と対向する位置に搬送される。
【0022】
原稿有無センサ16で原稿なしの判断がされると、Uターンパス12の内部に原稿Sが全て搬送されたことになるので、電磁クラッチの駆動を切断し、次の原稿がUターンパス12内に送り込まれないようにする。搬送された原稿Sの次にUターンパス12内に搬送される原稿は、電磁クラッチによって駆動モータの駆動力が再度分離ローラ5とピックアップローラ3とに伝えられるまで搬送されない。
【0023】
搬送部1では、原稿エッジセンサ17により原稿Sの先端部が検知されると、原稿Sがその位置から所定量搬送されたところで、原稿Sを搬送しながら、CIS30による原稿Sの表面の画像の読取りが開始される。そして、原稿エッジセンサ17により原稿Sの後端部が検知されると、その位置から所定量搬送されたところで、CIS30による画像の読取りを終了する。読取りされた原稿Sは、第2搬送ローラ9によって排紙トレイ18に排出される。また、CIS30による原稿Sの表面の画像情報の読取りが完了した後、原稿Sが所定量搬送されたところで、電磁クラッチの駆動力を再度分離ローラ5とピックアップローラ3に伝え、次の原稿の搬送を開始し、上述と同様の動作を繰り返す。
【0024】
次に、原稿Sの両面の画像を読取る際の動作について説明する。積載トレイ14から原稿Sを搬送し、原稿Sを第1搬送ローラ7で搬送しながら、CIS30で読取りを行ない、第2搬送ローラ9で原稿Sを搬送するところまでは、片面読取りの場合と同じである。この後、両面読取りモードにおいては、第2搬送ローラ9で搬送された原稿Sの後端部が分岐部25を通過した直後に駆動モータを停止、逆転させることで、第2搬送ローラ9が停止、逆転する。第2搬送ローラ9の回転が逆転すると、原稿Sはスイッチバック搬送路26に送られ、原稿Sは表裏が反転した状態で、第1搬送ローラ7の上流側のUターンパス12に搬送される。この第2の搬送ローラ9で原稿Sを、スイッチバック搬送路26を介して第1搬送ローラ7の上流側のUターンパス12に搬送することを、「スイッチバック搬送」とする。原稿Sの先端が第1搬送ローラ7に到達し、第1搬送ローラ7で原稿Sの搬送を始めたら、第2搬送ローラ9を、図示しない移動手段により搬送経路から離間させ、駆動モータを正転させる。そして、第1搬送ローラ7によって原稿Sが所定の量を搬送されたら、第2搬送ローラ9は搬送経路側に移動させられる。原稿Sの長さが長い場合、スイッチバックの際に、原稿Sの、読取りが完了して搬送されてくる部分と、これからスイッチバック搬送路26に搬送される部分とが重なった状態が存在する。しかしながら、上記のように、第2搬送ローラ9は、原稿Sが第1搬送ローラ7によって所定量搬送されるまで搬送経路から離間しているため、第2搬送ローラ9によって原稿Sの搬送が阻害されることがない。
【0025】
次に、複数の原稿Sを連続的に搬送して原稿Sの両面を読取る際の動作について図3のフローチャートを用いて説明する。
【0026】
まず、積載トレイ14から原稿Sが繰出される(S31)。そして原稿Sが第1搬送ローラ7で搬送され、CIS30によって原稿Sの表面の画像が読取られる(S32)。そして、第2搬送ローラ9によって、原稿Sはスイッチバック搬送路26に搬送され、スイッチバック搬送が行われ、原稿Sの表裏が反転する(S33)。第1搬送ローラ7で原稿Sが搬送され、CIS30によって原稿Sの裏面が読取られる(S34)。そして、第2搬送ローラ9によって、原稿Sはスイッチバック搬送路26に搬送され、再度原稿Sのスイッチバック搬送が行われ、原稿Sの表裏が反転する(S35)。次に、原稿Sを読取らない、CIS30上を通過するだけの「空送り」が行なわれ、原稿Sが排紙トレイ18に排紙される(S36)。続けて読取る原稿がある場合は、積載トレイ14から原稿Sを繰出す工程(S31)に戻り、無い場合は終了する(S37)。このようにCIS30上を3回原稿Sが搬送されるようにすることで、排紙トレイ18には、積載トレイ14に積載されていた順番に原稿Sが積載される。
【0027】
原稿Sの搬送の流れを次のように定義する。積載トレイ14から原稿Sが繰出される工程(S31)からスイッチバック搬送が行なわれる工程(S33)までを第1の搬送工程とする。第1の搬送工程の後に、原稿SがUターンパス12に送られてきてから、再度スイッチバック搬送が行なわれる工程(S35)までを第2の搬送工程とする。第2の搬送工程の後に、原稿SがUターンパス12に送られてきてから、排紙トレイ18に排紙される工程(S36)までを第3の搬送工程とする。すると、第1と第3の搬送工程では、原稿Sの一方の面がCIS30と対向し、第2の搬送工程では、原稿Sの他方の面がCIS30と対向する。そして、第1と第2の搬送工程において、CIS30は原稿Sに形成されている画像を読取り、第3の搬送工程において、CIS30は画像の読取りを中止、つまり行なわない。
【0028】
なお、本実施形態の電装部は、装置全体のシステムを制御するシステムコントロール基板、記録系を制御するプリンタコントロール基板、装置に電源を供給する電源ユニット、操作パネルのキーやLEDを実装しているオペレーションコントロール基板等からなる。
【0029】
次に原稿搬送機構を有する画像読取り装置を備える画像通信装置の一例である、ファクシミリの制御構成を、図4のブロック図を用いて説明する。図4において、ファクシミリ300は、装置全体を制御する制御手段のマイクロプロセッサユニット(MPU:micro processing unit)301を有しており、MPU301は、システムバス302を介してファクシミリ300全体を制御する。
【0030】
また、ファクシミリ300は、EEPROM303、DRAM304、およびSRAM305を有している。EEPROMはelectrically erasable programmable read-only memoryのことである。DRAMはdynamic random access memoryのことである。SRAMはstatic random access memoryのことである。EEPROM303は、MPU301の動作のためのプログラムコード、初期値データ、テーブルデータ、画像読取りモードテーブル、原稿間隔の閾値等を格納する。画像バッファ及び画像メモリ等に使用されるDRAM304は、画像処理端末331と送受信する際のデータを一時的に保持するバッファとして使用される。また、DRAM304は、通信部321を介して受信された画像データや読取り機構306から読取られた画像データ、および画像処理端末331から送られてきた画像データをファイルとして蓄積するためのメモリとしても使用される。SRAM305は、ユーザ登録データエリア、ワークエリア等に使用される。DRAM304とSRAM305はそれぞれバッテリバックアップによって停電等の不慮の障害から保護されている。
【0031】
読取り機構306は、CIS30、読取り画像補正部308、読取り画像処理部309、読取り駆動部310、SRAM311等により構成される。読取り機構306は読取り駆動部310を駆動してCIS30を移動させ、CIS30によって原稿Sの画像情報を光学的に読取って電気的な画像信号に変換する。この信号を読取り画像補正部308でシェーディング補正等を行う。更に読取り画像処理部309で画像処理を行って高精細な画像データを出力する。SRAM311は、画像処理を行う際のバッファとして使用される。
【0032】
インクジェット方式記録部312は、SRAM311、記録画像復号化部313、記録画像処理部314、プリンタ制御用マイコン315、プリンタエンジン316、および記録インターフェイス部317等により構成されている。記録画像復号化部313はランレングス形式の画像データを生画像データにデータ変換する。記録画像処理部314は生画像データを解像度変換、画像の変倍、スムージング、および濃度補正等の画像処理を施して高精細な画像データに変換する。SRAM311はこれらデータ変換の際のバッファとして使用される。プリンタ制御用マイコン315は、インクジェット方式記録部312の各動作の制御を行う記録制御用MPUと記録制御を行うための各種インストラクションを記述したROM(read-only memory)を有している。また、ROMよりインストラクションを読み出す手段、読み出したインストラクションを処理する処理手段、処理手段が必要とする情報を記憶しておくための入力が可能なRAM(random access memory)を有する。さらに、処理手段によって作り出された信号を出力する出力手段等を有している。これらによってプリンタエンジン316の記録制御を行うための信号の入出力が行われる。記録インターフェイス部317はプリンタ制御用マイコン315とMPU301の間で連携をとるためのインターフェイスである。
【0033】
操作部318は、テンキー等の各種キースイッチ等により構成され、ファクシミリ300の動作指示及び各種情報の入力を行う。表示部319は、LCD(liquid crystal display)、LED(light emitting diode)等により構成され、ファクシミリ300の状態等の表示を行う。パネルインターフェイス部320は、MPU301と操作部318及び表示部319の連携を取るためのインターフェイスである。
【0034】
通信部321は、回線接続装置等の通信接続部322、変復調装置等の通信制御部323により構成され、回線制御を行うものである。通信網324や電話機325は通信接続部322に接続される。音響装置326はスピーカ等により構成され、各種状態を音響により装置使用者に通知するものである。
【0035】
外部インターフェイス部327は、MPU301等と画像処理端末331との間のデータ送受信を行って画像処理端末331からファクシミリ300を制御する。不揮発性記憶装置328は、画像情報等の保存に使用される大容量の不揮発性のメモリであり、電源が切れても情報が消えることはない。画像データの符号化、復号化を行うための画像符号/復号部329は、画像復号化部329a、画像符号化部329b、および内部SRAM329cから構成される。
【0036】
また、ファクシミリ300には、電源を供給する電源供給部330や、外部に接続されるコンピュータ等の画像処理端末331が設けられている。
【0037】
ファクシミリの動作を、スキャン取込み動作、コピー動作、ファクシミリ送信動作、ファクシミリ受信動作、およびプリント動作に分けて説明する。
【0038】
(スキャン取込み動作)
スキャン取込み動作とは、読取った原稿Sの画像データを、パソコンなどの画像処理端末331に出力する動作である。
【0039】
読取り機構306のCIS30で読取られた原稿Sの画像データは、読取り画像補正部308によってシェーディング補正等の処理が行なわれ、更に読取り画像処理部309によって2値化及び画像変換処理が行われる。そして画像データは、画像符号/復号部329の画像符号化部329bに入力される。入力された画像データは内部SRAM329cに展開され、画像符号化部329bによって圧縮符号化され、DRAM304に蓄積される。また同時にその画像データの管理情報をSRAM305に格納する。DRAM304に蓄積された画像符号化データは画像符号/復号部329の画像復号化部329aによって伸長復号化され、内部SRAM329cに画像データとして展開される。展開された画像データは外部インターフェイス部327を通り画像処理端末331に出力される。
【0040】
(コピー動作)
コピー動作とは、読取った原稿Sの画像データを、記録紙等に記録する動作である。
【0041】
読取り機構306のCIS30で読取られた原稿Sの画像データは、読取り画像補正部308によってシェーディング補正等の処理が行なわれ、更に読取り画像処理部309によって2値化及び画像変換処理が行われる。そして画像データは、画像符号/復号部329の画像符号化部329bに入力される。入力された画像データは内部SRAM329cに展開され、画像符号化部329bによって圧縮符号化され、DRAM304に蓄積される。また同時にその画像データの管理情報をSRAM305に格納する。DRAM304に蓄積された画像符号化データは画像符号/復号部329の画像復号化部329aによって伸長復号化され、内部SRAM329cに画像データとして展開される。展開された画像データは記録画像処理部314によって補正及び画像変換処理が行なわれた後、プリンタ制御用マイコン315の制御のもとプリンタエンジン316によって記録紙に記録される。
【0042】
(ファクシミリ送信動作)
ファクシミリ送信動作とは、読取った原稿Sの画像データを、外部に送る動作である。
【0043】
読取り機構306のCIS30で読取られた原稿Sの画像データは、読取り画像補正部308によってシェーディング補正等の処理が行なわれ、更に読取り画像処理部309によって2値化及び画像変換処理が行われる。そして画像データは、画像符号/復号部329の画像符号化部329bに入力される。入力された画像データは内部SRAM329cに展開され、画像符号化部329bによって圧縮符号化され、DRAM304に蓄積される。また同時にその画像データの管理情報をSRAM305に格納する。DRAM304に蓄積された画像符号化データは、通信制御部323で変調され、ファクシミリ通信の手順信号の送受信を行った後に、画像データは、1バイトずつ通信制御部323から通信制御部322を通じて送信される。
【0044】
(ファクシミリ受信動作)
ファクシミリ受信動作とは、外部から送られてくるデータを、記録紙等に記録をする動作である。
【0045】
外部から着信があると受信データは通信接続部322を通して通信制御部323に入力される。そしてファクシミリ通信の手順信号の送受信を行い、その後画像データの受信を開始する。画像データは通信制御部323で復調され、通信制御部323からの入力割込み信号に応じてMPU301の制御のもと1バイトずつDRAM304の受信バッファに転送される。受信バッファに転送された受信データは画像符号/復号部329の画像復号化部329aによって伸長復号化して画像誤りを検査し、内部SRAM329cに画像データとして展開される。展開された画像データは記録画像処理部314によって補正及び画像変換処理が行われた後、プリンタ制御用マイコン315の制御のもとプリンタエンジン316によって記録紙に出力される。
【0046】
(プリント動作)
プリント動作とは、画像処理端末331からのデータを記録紙等に記録をする動作である。
【0047】
画像処理端末331から外部インターフェイス部327に対してコマンド及び受信パラメータを1バイトずつ送出する。外部インターフェイス部327で受けたコマンド及び受信パラメータは、該外部インターフェイス部327からの入力割込み信号に応じてMPU301の制御のもと1バイトずつDRAM304の受信バッファに転送される。コマンドには各コマンドを識別するためのコマンドコード、及び次に続く受信パラメータのサイズ等が格納されており、また受信パラメータ内には各コマンドに対する動作を実行するために必要な設定値や画像データが格納されている。受信バッファに転送されたコマンド及び画像データを除く受信パラメータはMPU301によって処理される。ここで受信パラメータの内容が画像データの場合、その画像データを構成する符号データ若しくは生データは予め受信した受信パラメータが示す画像データ形式情報にしたがって画像符号/復号部329の画像復号化部329aによって伸長復号化される。次に内部SRAM329cに画像データとして展開される。展開された画像データは記録画像処理部314によって補正及び画像変換処理が行われた後、プリンタ制御用マイコン315の制御のもとプリンタエンジン316によって記録紙に出力される。また同時に、展開された画像データは画像符号/復号部329の画像符号化部329bによって圧縮符号化される。次にDRAM304に蓄積されると共に、その画像データの管理情報をDRAM304に格納する。コマンド受信後は該コマンドに対するレスポンス及び送出パラメータを生成し送出する。
レスポンスには、
・ 受信したコマンドが受け入れられたことを示すOKレスポンス、
・ 受信したコマンドが間違っていたため受け付けられなかったことを示すNGレスポンス、
・ 動作中等の理由により受信したコマンドが現在受け付けられないことを示すBUSYレスポンス、がある。
【0048】
また送出パラメータには送信やプリントの結果、ファイルやページの属性、指示されたコマンドに対応した装置情報、中止要求や再送要求等が格納されている。レスポンスはMPU301によってDRAM304の送信バッファにセットされ、外部インターフェイス部327からの入力割込み信号に応じてMPU301の制御のもと1バイトずつ外部インターフェイス部327に転送された後、画像処理端末331に送出される。
【0049】
次に、本発明において複数原稿の連続的な画像の読取りをさらに高速化した画像読取り方法について図5、6を用いて説明する。
【0050】
図5は、複数原稿の画像読取りを高速化処理した場合の主ルーチンを示すフローチャートであり、図6は、図5の主ルーチンに組み込まれたサブルーチンであり、(a)はサブルーチン1(Sub1)、(b)はサブルーチン2(Sub2)である。
【0051】
始めにサブルーチン1(Sub1)について説明する。サブルーチン1(Sub1)では、図3に示すフローチャートと同様の手順で原稿Sを読取る。具体的には、搬送されてきた原稿Sの表面の画像が読取られる(S11)。そして、原稿Sはスイッチバック搬送され、表裏が反転し(S12)、原稿Sの裏面の画像が読取られる(S13)。そして、原稿Sはスイッチバック搬送され、表裏が反転する(S14)。次に、原稿Sを読取らない「空送り」を行い、原稿Sは排紙トレイ18に排出される(S15)。
【0052】
次にサブルーチン2(Sub2)について説明する。
【0053】
まず、原稿Sを読取らない空送りが行なわれる(S21)。そして、原稿Sはスイッチバック搬送され、表裏が反転する(S22)。次に原稿Sの裏面の画像が読取られ(S23)、原稿Sはスイッチバック搬送され、表裏が反転する(S24)。そして、原稿Sの表面が読取られ、そのまま原稿Sは排紙トレイ18に排紙される(S25)。
【0054】
図5は、図6(a)または(b)を呼び出す主ルーチンである。まず積載トレイ14に積載されている原稿Sが繰出される(S01)。次にサブルーチン1(Sub1)が呼び出され、上記のサブルーチン1(Sub1)の内容が実行される(S02)。実行後、積載トレイ14に次の原稿があるかが判定され(S03)、次の原稿が無ければ終了し、次の原稿がある場合は、積載トレイ14から原稿が繰出される(S04)。次にサブルーチン2(Sub2)が呼び出され、サブルーチン2の内容が実行される(S05)。実行後、積載トレイ14にさらに次の原稿があるかが判定され(S06)、次の原稿が無ければ終了し、次の原稿がある場合は、積載トレイ14に積載されている原稿が繰出される工程(S01)に戻る。積載トレイ14に積載されている全ての原稿Sを読取るまで、同様の手順が繰り返される。
【0055】
上述と同様に、積載トレイ14から原稿Sが繰出されてからスイッチバック搬送が行なわれるまでを第1の搬送工程とする。そして、第1の搬送工程の後に、原稿SがUターンパス12に送られてきてから、再度スイッチバック搬送が行なわれるまでを第2の搬送工程とする。また、第2の搬送工程の後に、原稿SがUターンパス12に送られてきてから、排紙トレイ18に排紙されるまでを第3の搬送工程とする。すると、サブルーチン1(Sub1)を実行した場合は、上述と同様に、第1と第3の搬送工程では原稿Sの一方の面がCIS30と対向し、第2の搬送工程では、原稿Sの他方の面がCIS30と対向する。そして、第1と第2の搬送工程で、CIS30により原稿Sの画像が読取られる。サブルーチン2(Sub2)を実行した場合でも、第1と第3の搬送工程では原稿Sの一方の面がCIS30と対向し、第2の搬送工程では、原稿Sの他方の面がCIS30と対向する。ただし、サブルーチン2(Sub2)を実行した場合は、第1の搬送工程では原稿Sの読取りを行なわず、第2、第3の搬送工程で原稿Sの画像の読取りを行なう。つまり、異なった搬送工程で原稿Sの画像を読取る2つのサブルーチン(Sub1)、(Sub2)が、交互に行なわれる。
【0056】
サブルーチン(Sub1)、(Sub2)では、原稿Sの表面と裏面の画像の読取り順が変わる。そのため、読取り後の画像データを原稿Sの表面と裏面の順が変わらないように再現するためには、読取った順
・1枚目表−1枚目裏―2枚目裏−2枚目表・・・
に対して
・1枚目表−1枚目裏―2枚目表−2枚目裏・・・
となるように読取った画像データの順番を並び替える必要がある。並び替えは、DRAM304に原稿Sの2枚目の画像を表裏ともに蓄積し、画像情報の出力時に、出力先に送信する画像情報の順を並べ替えることによって実施する。また、送信先にページ順の入れ換え指令を送ることで、送信先で画像を並べ替えるようにしても構わない。
【0057】
なお、サブルーチン1(Sub1)、およびサブルーチン2(Sub2)のいずれが実行されても、原稿Sは、CIS30上を3回搬送されるため、排紙トレイ18には、積載トレイ14に積載されていた順番に原稿Sが積載される。
【0058】
図7は、駆動モータの回転速度と電磁クラッチのON−OFFとを示すタイミングチャートであり、(a)は図3の制御を行なう場合、(b)は、図5の制御を行なう場合である。本実施例では、原稿Sの画像の読取り処理に要する時間を短縮するため、原稿Sの画像の読取り時よりも、空送りおよびピックアップ(積載トレイ14から原稿Sが搬送される)時の方が、原稿Sの搬送速度が速くなっている。また、図7において、Pはピックアップ、SBはスイッチバック動作の略記号である。黒丸は原稿Sを高速搬送するために、駆動モータが停止から高速への加速する状態、白丸は原稿Sの読取りを行なうために、駆動モータが停止から低速へ加速する状態を示す。
【0059】
図3に示す制御を単純に繰り返す場合(図7(a)参照)に対して、図5に示す制御を行なう場合、原稿Sの画像の読取りを2枚単位で比較すると、2枚目の原稿Sが排紙トレイ18に排出されるまでの時間が短縮されている。また黒丸で示す駆動モータの高速回転への加速の回数(黒丸の数)が少なくなっている。これは1枚目と2枚目のページ間で、駆動モータを停止させずに高速回転させた状態で、2枚目の原稿Sを搬送することによって実現されるものである。
【0060】
このように図5に示す制御を実施する両面画像読取り方法を行なうことで、複数の原稿Sの画像を連続的に搬送し読取る場合、読取りに要する時間を短縮することができる。また、原稿Sを高速搬送するための駆動モータの加速回数を減らすことで、大きい音を発しがちな駆動モータの稼動音の削減が可能になる。
【0061】
さらに、従来技術に比べ、原稿Sが原稿積載トレイ14から排紙トレイ18に至るまでに設けられた経路の数が少ないため、装置サイズを従来に比べ大型化せずに、原稿Sの読取りを高速化することが可能となる。
【0062】
上記の実施例では、原稿Sを2枚単位で制御する方法(図5参照)を、最初の原稿Sの読取りから実施するようにしたが、複数の原稿Sのなかの任意の連続の2枚について実施するように制御しても構わない。また、読取った画像の送付先によって図5の制御と図3の制御とを切換るようにすることも可能である。
【0063】
図5の制御では2枚目の表面の読取り開始が図3の制御に対して遅くなる。例えばファクシミリ送信で原稿Sの画像の読取りを実施しながら送信する(ダイレクト送信)場合、読取ったページ順に読取り画像を送信する必要がある。そのため1枚目の原稿Sのデータ量が少ない場合、2枚目の表面を読取る前に1枚目の送信が終了して2枚目のデータ待ちになる場合がある。このようなときは、図5の制御を実施しないようにすることで送信終了が遅くなる可能性を減らすことができる。全ての原稿を読取りしてから一括して画像データの通信を始める(メモリ送信)の場合は全ページの読取りが早く終わるように制御する方が良い。
【0064】
つまり、本発明の画像通信装置では、ダイレクト送信とメモリ送信とを選択的に実施することができるため、より速く効率的に画像データを送信することができる。
【0065】
また、メモリ送信の場合は、メモリに格納される原稿Sのページ順を送信の際に並べ替えながら送信することで受信先の機器に特別な制御を実施することなくページ順になった画像が再現可能となる。
【0066】
また、ダイレクト送信およびメモリ送信のいずれの場合でも、原稿Sは、CIS30上を3回搬送されるため、排紙トレイ18には、積載トレイ14に積載されていた順番に原稿Sが積載される。
【0067】
なお、スキャン読込みの場合は、画像処理端末、例えばパソコンで稼動する本ファクシミリのスキャナ機能用デバイスドライバに対して本原稿通信装置がどちらのモードで動作しているかのステータスコマンドを送付する。このようにすることで、原稿Sの読取った画像を画像通信装置で並べ替えせずに順次送信し、パソコン側で並べ替えて一連の連続ページの画像とすることができる。
【0068】
以上のように制御することで、原稿Sの読取りが速く、画像通信装置本体にメモリを大量に必要としない画像通信装置を提供することが可能になる。
【符号の説明】
【0069】
1 搬送部
7 第1搬送ローラ
9 第2搬送ローラ
12Uターンパス(搬送路)
14積載トレイ
18排紙トレイ
26スイッチバック搬送路
30密着型イメージセンサ(画像読取り手段)
S 原稿

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿が積載される積載トレイと、前記積載トレイから搬送される前記原稿が通過するパスを有する搬送部と、前記パスから搬送されてくる前記原稿が積載される排紙トレイと、を有する原稿搬送機構における搬送方法であって、
前記積載トレイから供給された前記原稿を、前記搬送部の内部に設けられている画像読取り部を通過させた後に、前記パスから分岐したスイッチバック搬送路を介して、前記パスの前記画像読取り部よりも上流側に戻す、第1の搬送工程と、
前記第1の搬送工程によって前記パスの前記画像読取り部よりも上流側に戻された前記原稿を、前記画像読取り部を通過させた後に、前記スイッチバック搬送路を介して、前記パスの前記画像読取り部よりも上流側に戻す、第2の搬送工程と、
前記第2の搬送工程によって前記パスの前記画像読取り部よりも上流側に戻された前記原稿を、前記画像読取り部を通過させた後に前記排紙トレイに排出する、第3の搬送工程と、
を含む、搬送方法。
【請求項2】
前記第1の搬送工程および前記第2の搬送工程において、前記原稿を前記パスの前記画像読取り部よりも上流側に戻す際には、その前に当該原稿が前記画像読取り部を通過したときとは表裏が反転した状態で当該原稿を前記パスの内部に配置する、請求項1に記載の搬送方法。
【請求項3】
請求項1に記載の搬送方法の各工程を含む両面画像読取り方法であって、
前記第1の搬送工程と前記第3の搬送工程のいずれか一方で、前記原稿が前記画像読取り部を通過する際に、該画像読取り部に配置されている画像読取り手段によって、前記画像読取り手段に対向する前記原稿の一方の面に形成されている画像を読取り、
前記第2の搬送工程で、前記原稿が前記画像読取り部を通過する際に、前記画像読取り手段によって、前記画像読取り手段に対向する前記原稿の他方の面に形成されている画像を読取り、
前記第1の搬送工程と前記第3の搬送工程の他方では、前記原稿の前記一方の面が前記画像読取り手段と対向するようにして、前記原稿を、画像の読取りを行うことなく前記画像読取り部を通過させる、
両面画像読取り方法。
【請求項4】
前記画像読取り手段によって前記原稿の前記画像を読取る際にのみ、該原稿の搬送速度を遅くする、請求項3に記載の両面画像読取り方法。
【請求項5】
複数の前記原稿を連続的に搬送して各原稿の両面の画像を読取る、両面画像読取り方法であって、
前記積載トレイから供給される前記原稿に対し、前記第1の搬送工程で、前記原稿が前記画像読取り部を通過する際に、前記原稿の一方の面を前記画像読取り手段に対向させて、前記画像読取り手段によって前記原稿の前記一方の面に形成されている画像を読取り、前記第2の搬送工程で、前記原稿が前記画像読取り部を通過する際に、前記原稿の他方の面を前記画像読取り手段に対向させて、前記画像読取り手段によって画像を読取り、前記第3の搬送工程で、前記原稿の前記一方の面が前記画像読取り手段と対向するようにして、前記原稿を、画像の読取りを行うことなく前記画像読取り部を通過させることと、
続いて前記積載トレイから供給される前記原稿に対し、前記第1の搬送工程で、前記原稿の前記一方の面が前記画像読取り手段と対向するようにして、前記原稿を、画像の読取りを行うことなく前記画像読取り部を通過させ、前記第2の搬送工程で、前記原稿が前記画像読取り部を通過する際に、前記原稿の他方の面を前記画像読取り手段に対向させて、前記画像読取り手段によって画像を読取り、前記第3の搬送工程で、前記原稿が前記画像読取り部を通過する際に、前記原稿の前記一方の面を前記画像読取り部に対向させて、前記画像読取り手段によって前記原稿の前記一方の面に形成されている画像を読取ることと、
を交互に繰り返して行なう、請求項3または4に記載の両面画像読取り方法。
【請求項6】
画像読取装置が読取った画像のデータを順次送信するダイレクト送信と、読取った複数の画像のデータを一括して送信するメモリ送信とを選択的に実施する画像通信方法であって、
前記メモリ送信を行なう場合は、請求項5に記載の両面画像読取り方法を行った後に、複数の前記原稿の両面の画像のデータを一括して送信し、
前記ダイレクト送信を行なう場合は、前記積載トレイから供給される全ての前記原稿に対し、前記第1の搬送工程で、前記原稿が画像読取り部を通過する際に、前記原稿の一方の面を前記画像読取り手段に対向させて、前記画像読取り手段によって前記原稿の前記一方の面に形成されている画像を読取って、読取った画像データを送信し、前記第2の搬送工程で、前記原稿が画像読取り部を通過する際に、前記原稿の他方の面を前記画像読取り手段に対向させて、前記画像読取り手段によって前記原稿の前記他方の面に形成されている画像を読取って、読取った画像データを送信し、前記第3の搬送工程で、前記原稿の前記一方の面が前記画像読取り手段と対向するように、前記原稿を、画像の読取りを行うことなく前記画像読取り部を通過させる、画像通信方法。
【請求項7】
前記メモリ送信で、読取った画像データを送信するとともに、画像の読取り順のデータを送信し、受信先の機器は、前記画像の読取り順のデータと読取った前記画像データを受信すると、前記画像の読取り順のデータに基づき、読取った前記画像データを並び替える、請求項6に記載の画像通信方法。
【請求項8】
前記メモリ送信で、読取った画像データの順番を並び替えてから、前記画像データを送信する、請求項6に記載の画像通信方法。
【請求項9】
原稿が積載される積載トレイと、前記積載トレイから搬送される前記原稿が通過するパスを有する搬送部と、前記パスから搬送されてくる前記原稿が積載される排紙トレイと、を有する原稿搬送機構であって、
前記パスから分岐して設けられており、前記積載トレイから供給された前記原稿を、前記搬送部の内部に設けられている画像読取り部の下流側から上流側へ搬送することができるスイッチバック搬送路と、
前記原稿を、前記パスまたは前記スイッチバック搬送路に沿って搬送するための複数の搬送ローラと、
前記原稿を、前記画像読取り部を通過した後に、前記排紙トレイに向かって前記パスに沿って搬送することと、前記画像読取り部の上流側へ向かって前記スイッチバック搬送路を搬送することとを選択的に実施するように、前記搬送ローラの回転を制御する制御手段と、
をさらに有する、原稿搬送機構。
【請求項10】
前記制御手段は、前記積載トレイから供給された前記原稿を、前記搬送部の内部に設けられている画像読取り部を通過させた後に、前記パスから分岐したスイッチバック搬送路を介して、前記パスの前記画像読取り部よりも上流側に戻す、第1の搬送工程と、前記第1の搬送工程によって前記パスの前記画像読取り部よりも上流側に戻された前記原稿を、前記画像読取り部を通過させた後に、前記スイッチバック搬送路を介して、前記パスの前記画像読取り部よりも上流側に戻す、第2の搬送工程と、前記第2の搬送工程によって前記パスの前記画像読取り部よりも上流側に戻された前記原稿を、前記画像読取り部を通過させた後に前記排紙トレイに排出する第3の工程と、を順番に実施するように前記搬送ローラの回転を制御する、請求項9に記載の原稿搬送機構。
【請求項11】
請求項10に記載の原稿搬送機構と、前記画像読取り部に配置されている画像読取り手段と、を有する両面画像読取り装置であって、
前記制御手段は、前記第1の搬送工程と前記第3の搬送工程のいずれか一方で、前記原稿が前記画像読取り部を通過する際に、前記前記画像読取り手段に対向する、前記原稿の一方の面に形成されている画像を読取り、前記第2の搬送工程で、前記原稿が前記画像読取り部を通過する際に、前記画像読取り手段に対向する、前記原稿の他方の面に形成されている画像を読取り、前記第1の搬送工程と前記第3の搬送工程の他方では、前記画像読取り部を通過する際に、前記画像読取りを中止するように、前記画像読取り手段を制御する、両面画像読取り装置。
【請求項12】
請求項11に記載の画像読取り装置と、ファクシミリの機能を備える通信装置とを備えている、画像通信装置。
【請求項13】
読取った画像データを並び替える手段を有している、請求項12に記載の画像通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−6672(P2012−6672A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−141505(P2010−141505)
【出願日】平成22年6月22日(2010.6.22)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】