説明

両面記録装置

【課題】既に記録が実行された第1面の反対側である第2面への記録実行時に特定箇所の用紙浮きが大きくなることを防止し、良好な記録品質を得る。
【解決手段】用紙の両面に記録を実行可能なインクジェットプリンター1は、搬送駆動ローラー35と、その軸線方向に沿って適宜の間隔を開けて複数設けられる搬送従動ローラー36(36A〜36F)と、を備えている。複数配置される搬送従動ローラー36のうち少なくとも一組の隣り合う搬送従動ローラー36は、ローラー外周面の外径の大きい側Lが互いに向き合うようにして所定位置に配置される。これにより両ローラーの中間位置X3を境にして用紙搬送方向が両外側を向き、用紙伸展効果(しわ伸ばし効果)が得られ、用紙浮きが抑制される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被記録媒体の両面に記録が可能な両面記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ファクシミリやプリンター等に代表される記録装置、その中で特にインクジェットプリンターには、記録ヘッドと対向配置され、被記録媒体としての記録用紙を支持するリブを用紙搬送方向に沿って適宜の間隔で複数備えた案内部材(プラテンとも呼ばれる)が設けられる場合がある。これは、インクを吸収して膨潤する用紙に、リブによって規則的な波打ち(コックリング)を形成することで、用紙と記録ヘッドとの距離(以下「用紙ギャップ」と言う)を極力均一に保つ為である(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−83490号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところでインクジェットプリンターには、第1面に記録の行われた記録用紙を反転し、第2面への記録を実行が可能に、即ち両面記録可能に構成されたものがある。
ここで第1面に記録が行われた記録用紙を反転させると、第1面への記録実行時にコックリングの山であった部分が第2面の谷となり、逆に第1面への記録実行時にコックリングの谷であった部分が第2面の山となる。
【0005】
即ち、第2面に記録を行う場合には、既にコックリングが形成された状態となっており、そして第2面の谷(第1面の山)がリブによって支持される結果、第2面の山(第1面の谷)がより顕著に浮いた状態となる。これにより、用紙ギャップが不適切となり、記録品質の低下を招く虞がある。
【0006】
また、リブの配置間隔は、適切なコックリングを形成する観点において種々の条件のもとに設計上設定されるものであるが、用紙側端が下方へ落ち込むことを防止する為に、用紙の側端に対応した位置に必ず配置されることが多い。しかしながら種々のサイズの用紙側端に対応する位置にリブを配置すると、特定領域のリブの配置間隔が狭くなり、その結果用紙幅方向においてリブの配置間隔が不均一となる。
【0007】
そうすると、第1面へ記録した際にリブの間隔が大きい場所では、リブの間隔が小さい場所よりも用紙がリブ間に深く落ち込む為、この場所においては第2面へ記録を実行する際には山の位置がより一層高くなり、即ち用紙浮きが顕著になり易い。これにより、用紙ギャップが不均一となり、記録品質に悪影響を与える虞がある。
【0008】
また、上記のようにリブの配置位置に起因せずに、その他の装置構成(ローラーの配置位置など)に起因して、用紙幅方向における所定位置の用紙浮きが顕著になる場合も生じ得る。
【0009】
そこで本発明はこの様な状況に鑑みなされたものであり、その目的は、既に記録が実行された第1面の反対側である第2面への記録実行時に特定箇所の用紙浮きが大きくなることを防止し、良好な記録品質を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様に係る両面記録装置は、被記録媒体に記録を行う記録手段と、前記記録手段と対向配置され、被記録媒体を支持するリブを被記録媒体の搬送方向と交差する方向に沿って適宜の間隔で複数備えた被記録媒体案内部材と、被記録媒体の搬送方向と交差する方向に沿って適宜の間隔を開けて複数設けられる第1ローラー、及び当該第1ローラーとの間で被記録媒体をニップする第2ローラーを備え、前記第1ローラー及び前記第2ローラーの回転によって被記録媒体を前記記録手段による記録位置へと搬送する被記録媒体搬送手段と、前記記録手段によって記録が行われた被記録媒体の第1面の反対側である第2面が前記記録手段と対向する様に被記録媒体を反転させて、前記被記録媒体搬送手段の側へと送る被記録媒体反転手段と、を備えた、被記録媒体の両面に記録を実行可能な両面記録装置であって、前記被記録媒体搬送手段において少なくとも一組の隣り合う前記第1ローラーは、ローラー外周面の外径がローラー長さ方向の一方側端部より他方側端部が大きいとともに、当該外径の大きい側が互いに向き合うようにして、当該一組の隣り合う第1ローラーの中間位置が前記搬送方向と交差する方向において最も配置間隔の大きい隣り合う2つの前記リブの間に配置されていることを特徴とする。
【0011】
本態様によれば、一組の上記第1ローラーによる被記録媒体の「伸展効果」により特定箇所の被記録媒体の顕著な浮きを防止できる。
即ち、一組の隣り合う上記第1ローラーは、ローラー外周面の外径がローラー長さ方向の一方側端部より他方側端部が大きく形成されており、そしてその上で外径の大きい側が互いに向き合うようにして所定位置に配置されている。
【0012】
この為、上記一組の第1ローラーによる搬送領域(以下「伸展搬送領域」と言う)では、被記録媒体の搬送方向が、2つの第1ローラーの中間位置から両外側方向に向かう様になる。
【0013】
これにより、被記録媒体は一組の第1ローラーの中間位置を境にして伸展される傾向が付与され、換言すれば”しわ伸ばし効果”が得られるので(伸展効果)、第1面への記録の影響によって第2面への記録時に顕著な浮き(山)が生じていても、これを低くすることができる。また、被記録媒体と記録手段との間のギャップを上記搬送方向と直交する方向で極力均一にすることができ、良好な記録品質を得ることができる。
【0014】
ここで、第1面への記録の影響によって第2面への記録時に顕著な浮きが生じるのは、隣り合う2つのリブの間で生じ易く、特に最も配置間隔の大きい隣り合う2つのリブの間で生じ易い。従って本態様においてはこの様な位置に上記1組の第1ローラーの中間位置を設定することにより、第2面への記録実行時に被記録媒体の浮きが大きくなることが効果的に防止され、良好な記録品質を得ることができる。
【0015】
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記一組の隣り合う第1ローラーを除いた他の第1ローラーは、ローラー外周面の外径がローラー長さ方向の一方側端部より他方側端部が大きく、前記一組の隣り合う第1ローラーの中間位置を境にして、一方側に配置される前記第1ローラーの前記外径の大きい側が、全て同じ向きに配置されているとともに、他方側に配置される前記第1ローラーの前記外径の大きい側も、全て同じ向きに配置されていることを特徴とする。
【0016】
上記伸展効果を発揮する一組の第1ローラーを除いた他の第1ローラーについて、仮に上記一組の第1ローラーとは逆に外径の小さい側が互いに向き合って配置された2つのローラー組が存在すると、上記伸展効果の逆作用、即ち浮きが大きくなる方向への作用が生じる虞がある。
【0017】
しかし本態様によれば、前記一組の隣り合う第1ローラーの中間位置を境にして、一方側に配置される前記第1ローラーの前記外径の大きい側が、全て同じ向きに配置されているとともに、他方側に配置される前記第1ローラーの前記外径の大きい側も、全て同じ向きに配置されているので、外径の小さい側が互いに向き合って配置されるローラー組が発生せず、即ち上記伸展効果の逆作用が生じることを防止できる。
【0018】
本発明の第3の態様に係る両面記録装置は、被記録媒体に記録を行う記録手段と、前記記録手段と対向配置され、被記録媒体を支持するリブを被記録媒体の搬送方向と交差する方向に沿って適宜の間隔で複数備えた被記録媒体案内部材と、被記録媒体の搬送方向と交差する方向に沿って適宜の間隔を開けて複数設けられる第1ローラー、及び当該第1ローラーとの間で被記録媒体をニップする第2ローラーを備え、前記第1ローラー及び前記第2ローラーの回転によって被記録媒体を前記記録手段による記録位置へと搬送する被記録媒体搬送手段と、前記記録手段によって記録が行われた被記録媒体の第1面の反対側である第2面が前記記録手段と対向する様に被記録媒体を反転させて、前記被記録媒体搬送手段の側へと送る被記録媒体反転手段と、を備えた、被記録媒体の両面に記録を実行可能な両面記録装置であって、前記被記録媒体搬送手段において所定位置に配置される少なくとも一組の隣り合う前記第1ローラーによって、被記録媒体の搬送方向が当該一組の第1ローラーの中央位置を境にして両外側方向に斜行する領域が形成され、前記所定位置は、前記搬送方向と交差する方向において、最も配置間隔の大きい隣り合う2つの前記リブの間に、前記一組の隣り合う第1ローラーの中間位置が配置される位置であることを特徴とする。
【0019】
本態様によれば、上述した第1の態様と同様に、一組の上記第1ローラーによる被記録媒体の「伸展効果」により、記録時に顕著な浮き(山)が生じていても、これを低くすることができる。また、被記録媒体と記録手段との間のギャップを上記搬送方向と直交する方向で極力均一にすることができ、良好な記録品質を得ることができる。
【0020】
本発明の第4の態様に係る両面記録装置は、被記録媒体に記録を行う記録手段と、被記録媒体を第1の方向に搬送する、当該第1の方向と交差する第2の方向に沿って複数設けられる第1ローラー、及び当該第1ローラーとの間で被記録媒体をニップする第2ローラーを備え、前記第1ローラー及び前記第2ローラーの回転によって被記録媒体を前記記録手段による記録位置へと搬送する被記録媒体搬送手段と、前記記録手段によって記録が行われた被記録媒体の第1面の反対側である第2面が前記記録手段と対向する様に被記録媒体を反転させて、前記被記録媒体搬送手段の側へと送る被記録媒体反転手段と、前記記録手段と対向配置され、被記録媒体を支持するリブを前記第1の方向と交差する第2の方向に沿って適宜の間隔で複数備えた被記録媒体案内部材と、を備えた、被記録媒体の両面に記録を実行可能な両面記録装置であって、前記第2の方向における、最も配置間隔の大きい隣り合う2つの前記リブの間において、少なくとも一組の隣り合う前記第1ローラーが、前記被記録媒体に対し、当該一組の第1ローラーの中央位置を境にして前記第2の方向の両外側に向かう力を付与することを特徴とすることを特徴とする。
【0021】
本態様によれば、上記第1の態様と同様に、一組の上記第1ローラーによる被記録媒体の「伸展効果」により、記録時に顕著な浮き(山)が生じていても、これを低くすることができる。また、被記録媒体と記録手段との間のギャップを上記搬送方向と直交する方向で極力均一にすることができ、良好な記録品質を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係るインクジェットプリンターの用紙搬送経路を示す側断面図。
【図2】本発明に係るインクジェットプリンターの要部平面図。
【図3】(A)は搬送従動ローラーの平面図、(B)は同断面図。
【図4】(A)は搬送従動ローラーの1次成形用金型の要部断面図、(B)は同2次成形用金型の要部断面図。
【図5】インクジェットプリンターの製造工程において、搬送従動ローラーの成形工程から組み付け工程までを示すフローチャート。
【図6】(A)は本発明に係るインクジェットプリンターの要部平面図、(B)は搬送従動ローラーの形状と向きを模式的に表した図。
【図7】用紙の第2面(うら面)に記録を実行する際の用紙浮きの状態を示す図。
【図8】(A)〜(D)は、外径の大きい側が互いに向き合うように配置する一組の搬送従動ローラーの組み合わせを変化させたバリエーション。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図1乃至図7を参照しつつ本発明の一実施形態について説明する。図1は本発明に係る「両面記録装置」の一実施形態であるインクジェットプリンター1の用紙搬送経路を示す側断面図、図2はインクジェットプリンター1の要部平面図、図3(A)は搬送従動ローラー36の平面図、(B)は同断面図である。
【0024】
また図4(A)は搬送従動ローラー36の1次成形用金型の要部断面図、図4(B)は同2次成形用金型の要部断面図、図5はインクジェットプリンター1の製造工程において、搬送従動ローラー36の成形工程から組み付け工程までを示すフローチャート、図6(A)はインクジェットプリンター1の要部平面図、(B)は搬送従動ローラー36の形状と向きを模式的に表した図、図7は用紙の第2面(うら面)に記録を実行する際(実行する前)の用紙浮きの状態を示す図である。また図8(A)〜(D)は、外径の大きい側Lが互いに向き合うように配置する一組の搬送従動ローラー36の組み合わせを変化させたバリエーションを示す図である。
【0025】
尚、図1はインクジェットプリンター1の用紙搬送経路上に配置されるローラーを図示する為に、ほぼ全てのローラーを同一面上に描いているが、その奥行き方向(図1の紙面表裏方向)の位置は必ずしも一致しているとは限らない(一致している場合もある)。
【0026】
また、以下では図1の左右方向、及び図2、図6の上下方向を用紙搬送方向と言い、当該用紙搬送方向と直交する方向、即ち図1の紙面表裏方向、及び図2、図6の左右方向を用紙幅方向或いは主走査方向と言うこととする。
【0027】
■■■インクジェットプリンターの全体構成■■■
以下、図1及び図2を参照しつつインクジェットプリンター1の全体構成について概説する。インクジェットプリンター1は、装置底部に給送装置2を備え、当該給送装置2から、被記録媒体の一例としての記録用紙(主として単票紙:以下、適宜「用紙P」と言う)を1枚ずつ給送し、記録手段4においてインクジェット記録を行い、装置前方側(図1において右側)に設けられた図示しない排紙スタッカへ向けて排出する構成を備えている。
【0028】
またインクジェットプリンター1は装置後部に反転ユニット7を着脱自在に備えており、最初に記録の行われた用紙Pの第1面(おもて面)に対し反対側の第2面(うら面)が記録ヘッド42と対向するよう湾曲反転させ、これにより用紙Pの両面に記録が実行可能となっている。
【0029】
以下、用紙搬送経路上の構成要素について更に詳説する。
給送装置2は、用紙カセット11と、ピックアップローラー16と、ガイドローラー20と、分離手段21と、を備えている。装置前方側から装着及び取り外し可能な用紙カセット11には複数枚の用紙Pを積層状態でセット可能であり、図示を省略するエッジガイドによって収容された用紙Pが給送位置に位置決めされるようになっている。
【0030】
図示しないモータによって回転駆動されるピックアップローラー16は、揺動軸18を中心に揺動する揺動部材17に設けられており、用紙カセット11にセットされた用紙Pの最上位のものと接して回転することにより、当該最上位の用紙Pを用紙カセット11から送り出す。
【0031】
送り出される用紙Pは、分離斜面12により予備分離された後、ガイドローラー20により案内されながら、分離手段21へと到達する。分離手段21を構成する分離ローラー22は、外周面が弾性材によって形成されるとともに駆動ローラー23と圧接可能に設けられ、且つ、所定の回転抵抗が与えられた状態に設けられている。従って重送されようとする次位以降の用紙Pが、当該分離ローラー22と駆動ローラー23との間で止められ、即ち重送が防止される様になっている。
【0032】
分離手段21の下流側には、図示しないモータにより回転駆動される駆動ローラー26と、駆動ローラー26との間で用紙Pをニップして従動回転するアシストローラー27と、を備えて構成された第1中間送り部25が設けられており、この第1中間送り部25により、用紙Pが更に下流側へと送られる。
【0033】
第1中間送り部25により送られる用紙Pは、従動ローラー29を通過し、その後図示しないモータにより回転駆動される駆動ローラー32と、駆動ローラー32との間で用紙Pをニップして従動回転するアシストローラー33と、を備えて構成された第2中間送り部31に到達する。そしてこの第2中間送り部31により、更に下流側へと送られる。
【0034】
第2中間送り部31の下流側には、記録手段4が配置されている。記録手段4は、搬送手段5と、記録ヘッド42と、下部案内部材39と、排出手段6と、を備えている。尚、搬送手段5の上流側近傍には、用紙Pの通過を検出する用紙検出手段(図示せず)も設けられている。
【0035】
搬送手段5は、モータによって回転駆動される「第2ローラー」としての搬送駆動ローラー35と、該搬送駆動ローラー35に圧接して従動回転するよう上部案内部材37に軸支される「第1ローラー」としての搬送従動ローラー36とを備えて構成されている。
【0036】
搬送駆動ローラー35は、用紙幅方向に延びる金属軸の外周面に高摩擦材料が付着されて成る1本の軸体であり、搬送従動ローラー36は、搬送駆動ローラー35の軸線方向(用紙幅方向)に沿って適宜の間隔を空けて複数配置される(本実施形態では、6個)。尚、図2(及び図6)では用紙幅方向に複数配置された搬送従動ローラー36のそれぞれを区別する為、添字(A〜F)を付して示している。
【0037】
搬送従動ローラー36を軸支する上部案内部材37は、搬送駆動ローラー35の軸線方向に沿って複数配置され(本実施形態では、2個)、本実施形態では一つの上部案内部材37に対し、3つの搬送従動ローラー36が、回転軸34(図3)を介して軸支されている。この上部案内部材37は、図示を省略する揺動軸を中心に揺動可能に設けられるとともに、コイルばね38により、搬送従動ローラー36が搬送駆動ローラー35に圧接する方向に付勢されている。
【0038】
搬送手段5に到達した用紙Pは、搬送駆動ローラー35と搬送従動ローラー36とによってニップされた状態で搬送駆動ローラー35が回転することにより、下流側(記録ヘッド42による記録位置)へと精密送りされる。
【0039】
ここで、搬送従動ローラー36の回転中心は、搬送駆動ローラー35の回転中心よりもやや下流側に設定されており、これにより両ローラーの間から送り出される用紙Pの進行方向が、記録ヘッド42のヘッド面と平行ではなく、下部案内部材39の上面に対して所定の突入角を形成するように構成されている。これにより、用紙Pの下部案内部材39からの浮き上がりが防止され、用紙Pの記録面と記録ヘッド42との間の距離が適切に維持される。
【0040】
続いて、図示しないインクカートリッジからインクを供給される記録ヘッド42は、キャリッジ40の底部に設けられており、当該キャリッジ40は主走査方向に延びるキャリッジガイド軸41にガイドされながら、図示しない駆動モータによって主走査方向に往復動する様に駆動される。
【0041】
記録ヘッド42と対向する位置には下部案内部材39が設けられ、下部案内部材39において記録ヘッド42と対向する面には用紙搬送方向に延びるリブR1〜R3が、用紙幅方向に適宜の間隔を空けて複数形成されている。そして用紙Pが、リブR1〜R3によって下方から支持されることで、用紙Pと記録ヘッド42との距離が規定されるようになっている。
【0042】
尚、図2(及び図6)では用紙幅方向に適宜の間隔を空けて形成された複数のリブR1のそれぞれに、符号51〜63を付して示している。また、各リブはその位置を明確に示すために斜線を施して描いている。尚、本実施形態では、複数のリブR1は使用が予定されるいくつかのサイズの用紙エッジを下から支持可能な位置に設けられる。
【0043】
従って用紙サイズの違いが大きくない領域では、リブR1の配置間隔は狭くなる(例えば、リブ62〜63)。尚、図2(及び図6)において符号X1は用紙幅方向の基準位置を示しており、即ち全ての用紙の一方側エッジが基準位置X1を通ることを示している。また、符号X2はA4サイズ用紙の他方側エッジが通る位置を示している。
【0044】
更に、図2(及び図6)において符号Y1はリブR1が形成される領域、符号Y3はリブR2が形成される領域、符号Y5はリブR1が形成される領域、符号Y2はリブR1とリブR2との間の領域、符号Y4はリブR2とリブR3との間の領域を示している。
【0045】
次に、リブR1〜R3は、下部案内部材39に形成された凹部の内側に形成されており、この凹部には用紙Pのエッジからはみ出た領域に吐出されるインクを吸収するインク吸収材Qが設けられている。一例として、用紙先端が領域Y2の上部に位置決めされた状態で、当該用紙先端領域及びそこからはみ出た領域に対しインクが吐出されると、用紙先端に縁無し記録が実行されるとともに、はみ出たインクがインク吸収材Qにより吸収される。
【0046】
記録ヘッド42の下流側には、下部案内部材39からの用紙浮きを規制する補助ローラー43と、記録の行われた用紙Pを排出する排出手段6が設けられている。排出手段6は図示しないモータによって回転駆動される排出駆動ローラー44と、当該排出駆動ローラー44に接して従動回転する排出従動ローラー45とを備えて構成され、記録手段4によって記録の行われた用紙Pは、排出手段6により、装置前方側に設けられた図示を省略するスタッカへと排出される。
【0047】
尚、補助ローラー43、排出駆動ローラー44、排出従動ローラー45、のこれらは、図2に示す様に用紙幅方向に適宜の間隔を空けて配置されている。また、補助ローラー43と排出従動ローラー45は、フレーム49に自由回転可能に軸支される。
【0048】
続いて被記録媒体反転手段を構成する反転ユニット7は、大径の反転ローラー46と、当該反転ローラー46との間で用紙Pをニップして従動回転するアシストーラ46、47を備えている。用紙カセット11から繰り出されて第1面(おもて面)に記録の行われた用紙Pは、第2中間送り部31、搬送手段5、排出手段6、のこれらによる逆送り動作によって、第1面に記録が実行された際に用紙後端となっていた側が先端となって、反転ローラー46とアシストローラー47との間に誘い込まれる。
【0049】
反転ローラー46は図示を省略するモータにより図1の反時計回り方向に回転駆動されており、反転ローラー46とアシストローラー47との間に誘い込まれた用紙は、反転ローラー46とアシストローラー46との間を通って再び第2中間送り部31に到達し、記録手段4に導かれ、第2面(うら面)へ記録が実行される。
【0050】
■■■搬送従動ローラーの構成及び製造方法■■■
以上がインクジェットプリンター1の概要であり、以下図3及び図4を参照しながら搬送従動ローラー36とその製造方法(成形工程)について詳説する。
図3(A)、(B)に示すように搬送従動ローラー36は回転軸34を挿通させる軸穴36bが形成される内層36Aと、当該内層36Aの外側に形成されて用紙に接する外層36Bとを備えて構成されている。
【0051】
搬送従動ローラー36の外周面36a(外層36Bの外周面)は、回転軸線に平行なストレート部S1と、ローラー端部に向かって縮径する様形成される傾斜部S2とによって構成される。尚、ストレート部S1は設計上回転軸線と平行に設定されるが、実際には成形要因によって回転軸線に平行とはならず、いずれか一方側の端部の外径が他方側の端部の外径より大きくなる(詳細は後述)。
【0052】
内層36Aは、回転軸線方向端面の少なくとも一方側(符号36eで示す端面)が外層36Bの内側(内部)に位置し、換言すれば端面36eが外層36Bの端面36gより内側に退避することによって凹部36cが形成された状態となっている。これにより、上部案内部材37(図1)によって回転軸線方向の移動が規制される面は、外層36Bの端面36gと、内層36Aの端面36fとなる。
【0053】
また、内層36Aにおいて外層36Bの内側に位置する端面36eに対し反対側の端面36fの側には、軸穴36bよりも径の大きい大径部36dが形成されている。従って搬送従動ローラー36が上部案内部材37に支持されるとともに搬送駆動ローラー35に向けて付勢された状態において、軸穴36bを挿通する回転軸34は、搬送従動ローラー36の回転軸線方向両側において逃げ部が形成された状態となっている。
【0054】
次に、この様な搬送従動ローラー36は、例えば2色成形の第1色目によって内層36Aを形成し、第2色目によって外層36Bを形成することができる(詳細は後述)。ここで、内層36Aと外層36Bに用いる樹脂としては、例えばPOM(ポリアセタール樹脂)を用いることができるが、特に内層36Aに、外層36Bよりも成形後の摩擦係数が低い材料を用いることにより、回転軸34と内層36Aとの間の摩擦による抵抗(軸損)が軽減されて、より一層円滑に用紙を搬送することができる。
【0055】
また、外層36Bの外周面の硬度が高すぎると、用紙記録面との間の接触面積が小さくなり過ぎ、その結果帯状のローラー痕(圧接痕)を形成し易くなる。従って、外層36Bの外周面の硬度は、極力小さいほうが望ましい。
【0056】
続いて、搬送従動ローラー36を成形する際の金型構造について説明する。図4(A)、(B)は2色成形の可能な射出成形装置(図示せず)に用いる金型(全体不図示)の要部断面を示している。この搬送従動ローラー36を成形する為の金型は、第1色目成形(1次成形)を行う為の固定側の上型(全体不図示)、第2色目成形(2次成形)を行う為の固定側の上型(全体不図示)、そして第1色目成形と第2色目成形とで共通して用いられる可動側の下型(全体不図示)と、のこれらにより構成されている。
【0057】
図4(A)は第1色目成形を行う為に型締めした状態を示しており、図において符号103は第1色目成形(1次成形)を行う為の固定側の上型に属する型ベースを示しており、符号110は可動側の下型に属する型ベースを示している。符号111はスリーブであり、このスリーブ111にはイジェクトロッド112が摺動可能に貫通している。
【0058】
また、イジェクトロッド112の内部にはセンターピン113が摺動可能に貫通している。センターピン113の先端に形成された嵌合凸部113aは、型104に形成された嵌合凹部104aに嵌合し、これにより内層36Aを形成する為のキャビティ107が精度良く区画されている。
【0059】
上型を構成する型ベース103には型104が嵌合しており、型104には、溶融樹脂の充填路105と、ゲート106とが形成されている。ゲート106は、内層36Aの端面36eが形成される位置に設けられており、充填路105は、ゲート106に向かってほぼ垂直方向に沿って真っ直ぐに延びている。
【0060】
この状態で溶融樹脂が注入されることにより第1色目成形(内層36A)が行われると、型開きされ、下部の可動側金型が回転し、第2色目成形(2次成形)を行う為の固定側の上型と対向配置される。
【0061】
図4(B)は第2色目成形を行う為に型締めした状態を示しており、図において符号203は第2色目成形(2次成形)を行う為の固定側の上型に属する型ベースを示している。図中、符号207は外層36Bを形成する為にキャビティを示している。
【0062】
第2色目成形に用いる上型には、型ベース203に型204が嵌合しており、型204には、溶融樹脂の充填路205と、ゲート206とが形成されている。尚、当該2次成形金型では、センターピン113の先端に形成された嵌合凸部113aは、型204に形成された嵌合凹部204aに嵌合している。
【0063】
充填路205はゲート206に向かって垂直方向に対しやや傾斜角を形成する様に延び、ゲート206は、内層36Aの端面36eと対向する位置に設けられ、これによって溶融樹脂は一旦ローラー半径方向に流れ、その後、ローラー回転軸線方向に流れることとなる。
【0064】
そして第2色目成形(外層36B)が行われると、型開きされ、イジェクトロッド112を上方に押し上げることにより、成型品がセンターピン113から外れ、取り出される。尚、図中符号P.Lは、金型のパーティングラインを示している。
【0065】
尚、以上の様な金型構造により、内層36Aを形成する際のゲート106、及び外層36Bを形成する際のゲート206を、ローラー内側に配置することができ、ゲートボスが搬送従動ローラー36の外周面にもローラー端面にも発生しない。加えて、ゲート106、206を搬送従動ローラー36の軸線方向端部ではなく、中央寄りの位置に配置することで、ローラー端部に大きな樹脂圧が生じることを防止できる。
【0066】
■■■搬送従動ローラーの組み付け工程■■■
続いて図5〜図7を参照しながら、インクジェットプリンター1の製造工程のうち、特に搬送従動ローラー36の成形工程から組み付け工程までを説明する。図5のステップS101、S102に示す1次成形(内層36A)及び2次成形(外層36B)の詳細は上述した通りであり、上述した樹脂成形工程によって搬送従動ローラー36が形成される。
【0067】
ここで、搬送従動ローラー36の成形工程においては、上述したようにストレート部S1の外径をローラー長さ方向(図3において左右方向)で一様に形成しようとしても、成型要因によって必ずしも一様とはならないことが多い。例えば、一方側端部の外径(図3(A)において符号D1で示す外径)が他方側端部の外径(図3(A)において符号D2で示す外径)より大きくなる(或いは小さくなる)傾向が生じる場合がある。
【0068】
この傾向は、使用する金型や材料等により一定の傾向を示す為、成形ロット毎に(或いは使用する金型毎に)抜き取りで外径D1、D2を検査し、ロット管理を行う(ステップS103)。尚、抜き取り検査ではなく全数検査を行っても構わないのは勿論である。
【0069】
また、本実施形態ではローラーの形状が左右非対称であるため、部品保管の際にローラー向きを管理する必要がないが、ローラーの形状が左右対称の場合には、金型から成形品をイジェクトした後は樹脂成形時の上/下関係が判らなくなる為、何らかのマーキングを行う等によってローラー向きを管理することが好ましい。
【0070】
尚、本実施形態では、設計上のローラー外径は、ストレート部S1のローラー長さ方向で一様に設定した上で(設計上では外径D1=D2)、成形要因により結果的にローラー外径が異なることとなっているが(外径D1≠D2)、以下に詳述するように本発明はローラー外径の不均一さを利用することから、設計上のローラー外径をローラー長さ方向で異なるように設定しても構わない。
【0071】
次いで、装置へのローラー組み込みを行う(ステップS104)。この組み込み工程では、一組の隣り合う搬送従動ローラー36について、外径の大きい側(本実施形態では外径D1の側)が互いに向き合うようにして所定位置に配置する。そして本実施形態では、この様に外径の大きい側が互いに向き合うようにして配置する一組の搬送従動ローラー36は、最も基準位置側に配置する。
【0072】
図6(A)は図2の一部を示したものであり、図6(B)は搬送従動ローラーの形状と向きを模式的に(誇張して)表した図であり、符号Lは外径の大きい側(図3(A)の外径D1の側)を示し、また符号Sは外径の小さい側(図3(A)の外径D2の側)を示している。
【0073】
図示するように、複数の搬送従動ローラー36のうち、最も基準位置X1側に位置する一組の隣り合う搬送従動ローラー36A、36Bは、外径の大きい側Lが互いに向き合っており、その中間位置X3が、第1リブR1を構成する2つの隣り合うリブ51とリブ52との間に設定されている。
【0074】
これによる作用効果は、以下の通りである。即ち、第1面への記録実行時には、リブR1によって用紙に規則的な波打ち(コックリング)が形成されるが、第1面に記録が行われた用紙を反転させると、第1面への記録実行時にコックリングの山であった部分が第2面の谷となり、逆に第1面への記録実行時にコックリングの谷であった部分が第2面の山となる。
【0075】
即ち、第2面に記録を行う場合には、既にコックリングが形成された状態となっており、そして第2面の谷(第1面の山)が第1リブR1によって支持される結果、第2面の山(第1面の谷)がより顕著に浮いた状態となる。これにより、用紙ギャップが不適切となって記録品質の低下を招く虞がある。
【0076】
尚、図7は第1リブR1を構成するリブ51〜62の位置と用紙浮き(第2面に記録を実行する前の、第1リブR1における浮き)との関係を示しており、破線は本実施形態とは異なり全ての搬送従動ローラー36について外径が小さい側Sを基準位置X1側に向けて配列した場合の用紙浮きを示している。図示するように、リブ51とリブ52との間における用紙浮きが大きくなっている。尚、用紙浮きが大きくなる位置は、装置構成によって異なるものとなる。
【0077】
これに対し、本実施形態のように一組の隣り合う搬送従動ローラー36A、36Bを、外径の大きい側Lが互いに向き合うように配置することで、当該一組の搬送従動ローラー36A、36Bによる搬送領域では、用紙搬送方向が矢印Tで示すように2つのローラーの中間位置X3から両外側方向に向かう様になる。
【0078】
これにより、当該搬送領域においては用紙が中間位置X3を境にして伸展される傾向が付与され(伸展効果)、換言すればしわ伸ばし効果が得られる。そしてこの様な伸展効果が得られる搬送領域を、所定位置、即ち用紙浮きの顕著な位置に配置することで、第1面への記録に起因する用紙浮きを抑えることができる。
【0079】
本実施形態では、用紙浮きの顕著な位置はリブ51とリブ52との間であるので、外径の大きい側Lが互いに向き合うように配置する一組の搬送従動ローラー36(搬送従動ローラー36A、36B)の中間位置X3を、リブ51とリブ52との間に配置する。これにより、図7の実線で示すようにリブ51とリブ52との間の用紙浮きを極めて小さく抑えることができる。また、記録ヘッド42と用紙との間のギャップを、用紙幅方向で極力均一にすることができる。
【0080】
また本実施形態ではその他の搬送従動ローラー36C〜36Fを、全て外径の大きい側Lが基準位置X1側を向くように配置している(図6の下図)。これにより、外径の小さい側Sが互いに向き合って配置されることを防止でき、即ち上記伸展効果の逆作用(用紙浮きが大きくなる様な作用)が生じることを防止できる。
【0081】
尚、図8(A)〜(D)は、外径の大きい側Lが互いに向き合うように配置する一組の搬送従動ローラー36の組み合わせを変化させたバリエーションを示している。いずれのバリエーションにおいても、外径の大きい側Lが互いに向き合うように配置する一組の搬送従動ローラー36の中間位置X3を境にして用紙が伸展される傾向が付与されるので、この一組のローラーによる搬送領域で用紙浮きを抑えることができる。
【0082】
ここで、図8(A)〜(D)に示すいずれのバリエーションにおいても、外径の大きい側Lが互いに向き合うように配置する一組の隣り合う搬送従動ローラー36の中間位置X3を境にして、一方側(例えば、右側)に配置すべき搬送従動ローラー36の外径の大きい側Lを、全て同じ向きに配置している。また、他方側(例えば、左側)に配置すべき搬送従動ローラー36の外径の大きい側Lも、全て同じ向きに配置している。
【0083】
換言すれば、中間位置X3を境にして、ローラーの向きが左右対称となるように配置されている。これにより、外径の小さい側Sが互いに向き合って配置されるローラー組が発生せず、上記伸展効果の逆作用が生じることを防止できる。
【0084】
尚、第2面に記録を実行する際の用紙浮き(図7の破線)は、リブ間の間隔が大きくなると顕著になり易く、従って本実施形態では、外径の大きい側Lが互いに向き合うように配置する搬送従動ローラー36の中間位置X3を、最も配置間隔の大きい隣り合う2つのリブ間に設定しているが、他の要因により所定箇所の用紙浮きが大きくなる場合には、その様な所定箇所或いはその近傍に前記中間位置X3を配置すれば、用紙の浮き上がり抑制効果を前記所定箇所で得ることができる。
【0085】
以上説明した実施形態は一例であり、その他種々の変形を行うことができる。例えば、前記中央位置X3を境にして、用紙Pに対し用紙幅方向の両外側に向かう力を付与する構成であれば(例えば、図6に示す矢印Tが、用紙搬送方向ではなく力の方向を示す様な場合)、上記伸展効果を得ることができる。
【0086】
また、上記実施形態では一組の隣り合う搬送従動ローラー36を、外径の大きい側Lが互いに向き合うように配置することで、用紙搬送方向が図6(B)の矢印Tで示すように2つのローラーの中間位置X3から両外側方向に斜行する様にした。
【0087】
しかし、例えば搬送従動ローラー36の回転軸34を傾ける(回転軸線を傾ける)ことで、図6(B)の矢印Tで示すような用紙搬送方向の斜行を実現することも可能である。この場合、搬送従動ローラー36の外径は、ローラー長さ方向において一様であっても構わない。
【0088】
尚、上述の様な搬送従動ローラー36の配置により、用紙全体の搬送方向が斜行してしまう場合には、全ての或いは一部の搬送従動ローラー36の回転軸線を、上記斜行を打ち消すように傾けて設定しても良い。或いは、搬送駆動ローラー35の回転軸線を、上記斜行を打ち消すように傾けて設定しても良い。
【符号の説明】
【0089】
1 インクジェットプリンター、2 給送装置、4 記録手段、5 搬送手段、6 排出手段、7 反転ユニット、11 用紙カセット、12 分離斜面、16 ピックアップローラー、17 揺動部材、18 揺動軸、20 従動ローラー、21 分離手段、22 分離ローラー、23 駆動ローラー、25 第1中間送り部、26 駆動ローラー、27 アシストローラー、29 従動ローラー、31 第2中間送り部、32 駆動ローラー、33 アシストローラー、34 回転軸、35 搬送駆動ローラー、36(36A〜36B) 搬送従動ローラー、37 上部案内部材、38 コイルばね、39 下部案内部材、40 キャリッジ、41 キャリッジガイド軸、42 記録ヘッド、43 補助ローラー、44 排出駆動ローラー、45 排出従動ローラー、46 反転ローラー、47、48 アシストローラー、49 フレーム、51〜63 リブ(第1リブの各リブ)、R1 第1リブ、R2 第2リブ、R3 第3リブ、S1 (搬送従動ローラー36の)内層、S2 (搬送従動ローラー36の)外層、P 記録用紙、Q インク吸収材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被記録媒体に記録を行う記録手段と、
前記記録手段と対向配置され、被記録媒体を支持するリブを被記録媒体の搬送方向と交差する方向に沿って適宜の間隔で複数備えた被記録媒体案内部材と、
被記録媒体の搬送方向と交差する方向に沿って適宜の間隔を開けて複数設けられる第1ローラー、及び当該第1ローラーとの間で被記録媒体をニップする第2ローラーを備え、前記第1ローラー及び前記第2ローラーの回転によって被記録媒体を前記記録手段による記録位置へと搬送する被記録媒体搬送手段と、
前記記録手段によって記録が行われた被記録媒体の第1面の反対側である第2面が前記記録手段と対向する様に被記録媒体を反転させて、前記被記録媒体搬送手段の側へと送る被記録媒体反転手段と、を備えた、被記録媒体の両面に記録を実行可能な両面記録装置であって、
前記被記録媒体搬送手段において少なくとも一組の隣り合う前記第1ローラーは、ローラー外周面の外径がローラー長さ方向の一方側端部より他方側端部が大きいとともに、当該外径の大きい側が互いに向き合うようにして、当該一組の隣り合う第1ローラーの中間位置が前記搬送方向と交差する方向において最も配置間隔の大きい隣り合う2つの前記リブの間に配置されている、
ことを特徴とする両面記録装置。
【請求項2】
請求項1に記載の両面記録装置において、前記一組の隣り合う第1ローラーを除いた他の第1ローラーは、ローラー外周面の外径がローラー長さ方向の一方側端部より他方側端部が大きく、
前記一組の隣り合う第1ローラーの中間位置を境にして、一方側に配置される前記第1ローラーの前記外径の大きい側が、全て同じ向きに配置されているとともに、他方側に配置される前記第1ローラーの前記外径の大きい側も、全て同じ向きに配置されている、
ことを特徴とする両面記録装置。
【請求項3】
被記録媒体に記録を行う記録手段と、
前記記録手段と対向配置され、被記録媒体を支持するリブを被記録媒体の搬送方向と交差する方向に沿って適宜の間隔で複数備えた被記録媒体案内部材と、
被記録媒体の搬送方向と交差する方向に沿って適宜の間隔を開けて複数設けられる第1ローラー、及び当該第1ローラーとの間で被記録媒体をニップする第2ローラーを備え、前記第1ローラー及び前記第2ローラーの回転によって被記録媒体を前記記録手段による記録位置へと搬送する被記録媒体搬送手段と、
前記記録手段によって記録が行われた被記録媒体の第1面の反対側である第2面が前記記録手段と対向する様に被記録媒体を反転させて、前記被記録媒体搬送手段の側へと送る被記録媒体反転手段と、を備えた、被記録媒体の両面に記録を実行可能な両面記録装置であって、
前記被記録媒体搬送手段において所定位置に配置される少なくとも一組の隣り合う前記第1ローラーによって、被記録媒体の搬送方向が当該一組の第1ローラーの中央位置を境にして両外側方向に斜行する領域が形成され、
前記所定位置は、前記搬送方向と交差する方向において、最も配置間隔の大きい隣り合う2つの前記リブの間に、前記一組の隣り合う第1ローラーの中間位置が配置される位置である、
ことを特徴とする両面記録装置。
【請求項4】
被記録媒体に記録を行う記録手段と、
被記録媒体を第1の方向に搬送する、当該第1の方向と交差する第2の方向に沿って複数設けられる第1ローラー、及び当該第1ローラーとの間で被記録媒体をニップする第2ローラーを備え、前記第1ローラー及び前記第2ローラーの回転によって被記録媒体を前記記録手段による記録位置へと搬送する被記録媒体搬送手段と、
前記記録手段によって記録が行われた被記録媒体の第1面の反対側である第2面が前記記録手段と対向する様に被記録媒体を反転させて、前記被記録媒体搬送手段の側へと送る被記録媒体反転手段と、
前記記録手段と対向配置され、被記録媒体を支持するリブを前記第1の方向と交差する第2の方向に沿って適宜の間隔で複数備えた被記録媒体案内部材と、を備えた、被記録媒体の両面に記録を実行可能な両面記録装置であって、
前記第2の方向における、最も配置間隔の大きい隣り合う2つの前記リブの間において、少なくとも一組の隣り合う前記第1ローラーが、前記被記録媒体に対し、当該一組の第1ローラーの中央位置を境にして前記第2の方向の両外側に向かう力を付与することを特徴とすることを特徴とする両面記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−26047(P2011−26047A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−172027(P2009−172027)
【出願日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】