説明

中仕切り付段ボール製組立箱

【課題】耐荷重強度と耐圧強度を十分に備え、しかも、箱本体を折り曲げ組み立てる一連の折上げ作業の流れの中で、十字状の中仕切り部をも同時に且つ迅速に組み立て形成することができる中仕切り付組立箱を提供する。
【解決手段】一枚のブランクシートを所要の折線に沿って折り曲げ組み立てることによって、上面開口の有底矩形状で十字状の中仕切り部が形成される中仕切り付組立箱であって、ブランクシートaは、前後左右の外面板1,2、前後左右の上縁板3,4、前後左右の内面板5,6、前後の内面板5から内方に折れ曲がるように連設させた外底板7、この外底板7から上方に折れ曲がるように連設させた仕切り板8、左右の内面板6から内方に折れ曲がるように連設させた内底板9、この内底板9から上方に折れ曲がるように連設させた仕切り板10を有し、要所の折線11〜29に沿って順次に折り曲げ組み立てることによって、周囲側部A-1,A-2と底部A-3とからなる箱本体Aが折り上げられ、箱本体A内には十字状の中仕切り部B-1,B-2が同時に形成されるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イチゴ、サクランボ、キュウイ、ビワその他の果実類、或いはキュウリ、茄子その他の野菜類を収容して搬送する際に用いられる中仕切り付組立箱に係り、特に段ボール紙からなる1枚のブランクシートを、要所の折線に沿って折り曲げ組み立てられることによって、上面開口の有底矩形状に折り上げられてパック詰めされた果実類や野菜類を収容する十字形の中仕切り部を有する組立箱に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の中仕切り付組立箱としては、段ボール紙から裁断加工される一枚のブランクシートを、要所の折線から折り曲げ組み立てることによって、上面開口の有底矩形状に折り上げられ、内部にはパック詰めされた果実類や野菜類を収容する。例えば4パックを収容するために箱本内を十字4区画に仕切るように十字形に交叉させた中仕切り部が設けられているもが知られている。
そして、この様にしてパック詰め果実類や野菜類が収容された組立箱は、スーパー等の各販売代理店に搬送されるに際して、複数箱が数段に積み重ねられた状態でトラック等に積まれ、スーパー等での保管等時においても数段に積み重ねられた状態でパック詰め果実類や野菜類を保管するように使用されるものである。
【0003】
ところで、従来の段ボール製組立箱は、図10に示したように、矩形状の底板100と、この底板100の四辺縁から連設されて上方に折れ曲がる前後左右の外面板101,102と、夫々の外面板101,102の上端から連設されて内側に折り曲がる前後左右の上縁板103,104と、夫々の上縁板103,104の内端から連設されて内側に折り曲がり前記外面板101,102との2枚重ねによって、二重壁構造の側部を形成する前後左右の内面板105,106と、左右の内面板106の前後端側に、左右の外面板102の上端折線を除いて略扇形状の切れ目を施すことで形成されるコーナー補強片板107とを有し、更に、前後何れか一方の内面板の下端からミシン目やその他の連設部を部分的に残す分離線を介して連設されて、製函時において内面板から切り離されて十字状に組み合わせられる仕切り板108,109とを有するブランクシートa-0を、要所の折線に沿って折り曲げ組み立てることによって、上面開口の有底矩形状の箱本体A-0が折り上げられるようになっている(特許文献1参照)。
即ち、段ボール紙からなる従来のブランクシートa-0は、所要の折線に沿って折り曲げ組み立てられることによって、上面開口で有底矩形状の箱本体A-0が折り上げる本体形成シートa-01の1部に、十字状の中仕切り部B-10,B-20を形成する前後左右夫々の仕切り板108,109が、1枚の段ボール紙から本体形成シートa-01と共に打抜き形成されるようになっている。
【0004】
ところが、従来の組立箱は、箱本体の前後左右の周囲側部を形成するブランクシートa-0の前後左右の外面板101,102及び内面板105,106の内、前後の外面板101及び内面板105は、段ボール紙の波形中芯300の縦目方向を高さ方向とすることで、上からの荷重に対する耐荷重強度を備えているものの、左右の外面板102及び内面板106においては、図示例のように、波形中芯300の縦目方向に対して直交する波目方向を高さ方向とすることで、上からの荷重に対して弱い。このことは、波形づけされた中芯と、その両面に貼り合わされたライナーからなる段ボール紙の断面構造から明らかである。
【0005】
そのために、従来では製函時において箱本体の左右側部を形成する外面板と内面板との間に、その折曲げ時において互いに対向し合うように対向端同士を突合せ挿入内在させることで、当該外面板及び内面板の高さ方向の強度を増強する必要がある。つまり、外面板と内面板とによって形成される箱本体の左右側部の高さ方向を補強するための補強片板108,109を、図示のように、前後の外面板と内面板の左右端に連設備えなければならないために、ブランクシート構造が複雑化し、その分、組み立てが面倒で手間が掛かるものとなっていた。
【0006】
また、従来では、一枚のブランクシートを、所要の折線に沿って折り曲げ組み立てることで箱本体を折り上げ、続いて、切り離した2枚の仕切り板を箱本体とは別個に組み合わせて本体内に組み込むと言う2段階の作業が必要となり、しかも、折り上げた箱本体の開口四隅コーナーを補強するコーナー補強片板に設けられている係止爪や仕切り板の両端部に設けられているズレ止め連結部を嵌合させるための小さな嵌合孔等を、要所に設ける等の必要があった。
この様に、従来では、組み立てに手間が掛かるばかりか、嵌合孔等を打抜く小さな打抜き刃が段ボール紙裁断装置に必要となり、その分、装置構造の複雑化を招く。また、裁断屑片が取り除かれずに嵌合孔等に残り、そのために、製函時において裁断屑片を取り除かなければならない等の更に組み立てがやり難く非常に面倒で大変なものとなっていた。
【0007】
【特許文献1】実開平1−164118号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、耐荷重強度と耐圧強度を十分に備え、しかも、箱本体を折り曲げ組み立てる一連の折上げ作業の流れの中で、十字状の中仕切り部をも同時に且つ迅速に組み立て形成することができるように改良された中仕切り付組立箱を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明は、請求項1では、一枚のブランクシートを、所要の折線に沿って折り曲げ組み立てることによって、上面開口の有底矩形状で十字状の中仕切り部が一体に形成される中仕切り付組立箱であって、
上記ブランクシートは、横一列に夫々折線を介して並列状に連設させた前後左右の外面板と、夫々の外面板の上端から折線を介して連設されて内側に折れ曲がる前後左右の上縁板と、夫々の上縁板の内端から折線を介して連設されて下方へ折れ曲がり前記外面板との2枚重ねによって、箱本体の二重壁構造の周囲側部を囲繞状に形成する前後左右の内面板と、前後の内面板の下端から折線を介して連設されて内方へ折れ曲がる外底板と、夫々の外底板から折線を介して連設されて上方に折れ曲がり互いに重なり合うことによって、箱本体内を前後に仕切る中仕切り部を形成する仕切り板と、前記左右の内面板の下端から折線を介して連設されて内方へ折れ曲がり前記外底板との2枚重ねによって、箱本体の二重底構造の底部を形成する内底板)と、夫々の内底板から折線を介して連設されて上方に折れ曲がり互いに重なり合うことによって、前記前後仕切り板に対し十字状に交叉係合せしめて箱本体内を左右に仕切る中仕切り部を形成する仕切り板とを有し、
上記前後左右の外面板を囲繞状に折り曲げ組み立てた後に、前後の上縁板、内面板及び外底板これらを順次に折り曲げると共に、前後の仕切り板を折り曲げ重ね合わせることによって、箱本体の前後側部及び前後仕切り部が組み立て形成され、
次に、上記左右の上縁板、内面板及び内底板これらを順次に折り曲げると共に、左右の仕切り板を上記仕切り板に十字状に交叉係合せしめるように折り曲げ重ね合わせることによって、箱本体の左右側部及び左右仕切り部が組み立て形成され、これにより、十字状の中仕切り部が箱本体の折上げ作業と同時に同本体内に一体に形成されるように構成したことを特徴とする。
【0010】
そして、請求項2では、請求項1記載のブランクシートは、段ボール紙から打抜き裁断されてなり、箱本体の周囲側部を形成する外面板が、その高さ方向を段ボール紙の波形中芯の縦目方向として同中芯の波目方向に並列状に連設させていることを特徴とする。
また、ブランクシートの夫々の内底板の一方又は双方から平行な折線を介して夫々延設させて上方に折り曲げり且つその上端から折線を介して下方に折り返すことによって、前後の仕切り板に対し十字状に交叉係合せしめて箱本体内を左右方向に更に複数に仕切る中仕切り部を形成する仕切り板を延設追加する等によって、箱本体内を、6区画から8区画、更には16区画等の複数に仕切ることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の中仕切り付組立箱によれば、中仕切り部の組み立てが、1枚のブランクシートを要所の折線に沿って箱本体を折り曲げ組み立てる一連の折上げ作業において同時に且つ迅速に行えることで、別々に組み立てる従来の組立箱に比べて、組み立ての手間が大幅に軽減され、実用的且つ利便性の高い中仕切り付組立箱を提供することができる。
【0012】
また、十字状の中仕切り部は、底部を形成する外底板と内底板から連設されて上方に折り曲げ組み立てられる前後左右の仕切り板によって形成されるようにしたことで、側部に設けた嵌合孔等に掛止爪を嵌合させて仕切り板のズレ止め防止を図るようにした従来の組立箱に比べて、確実に箱本体の仕切ることができる。
しかも、嵌合孔等の打抜き加工が不要となることで、厚紙や段ボール紙等を裁断する紙裁断装置の構造の複雑化も解消され、裁断屑片を嵌合孔等から取り除く面倒な手間も一気に解消されるものである。
【0013】
また、箱本体の二重壁構造からなる周囲側部を組み立て形成する前後左右の外面板と内面板とは、その高さ方向が、波形中芯の縦目方向であり、しかも、箱本体内を十字状に仕切る中仕切り部を形成する前後左右の仕切り板は、箱本体の底部を形成する外底板と内底板から連設されて上方に折れ曲がり尚且つ波形中芯の縦目方向を高さ方向として互いに重なり合うことによって、二重壁構造の中仕切り部を形成するようにしたことで、折り上げられた箱本体は、波形中芯の縦目方向を高さ方向とする二重壁構造の周囲側部と中仕切り部とによって耐荷重強度が十分に高められる。
【0014】
そして、前後左右の仕切り板は、従来の段ボール製組立箱のように、ブランクシートから切り離されることなく、外底板と内底板から夫々連設されて上方に折れ曲がり十字状の中仕切り部を一体に形成するようにしてなることで、外力によって崩れるのを防ぐ箱本体の耐圧強度をも十分に高められる。
【0015】
更に、前後左右の内面板から夫々連設させた外底板と内底板とによって、箱本体の底部が二重底構造に形成されるようにしてなることで、箱本体の底部に、果実類や野菜類の重さや多数段に積み重ねられても底抜けする恐れがない耐荷重強度と耐圧強度を付与することができる。
【0016】
従って、段ボール紙の波形中芯の縦目方向を高さ方向として二重壁構造に組み立てられる周囲側部に加えて、同じく二重壁構造に組み立てられる中仕切り部、そして二重底構造に組み立てられる底部とによって、従来の段ボール製組立箱に比べて、耐荷重強度と耐圧強度を十分に備え、しかも、相対する2面側部の強度を上げるために補強片板を、前後の外面板と内面板の左右端に設ける等のブランクシートの複雑化が解消された中仕切り付組立箱を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の最良の実施形態を図1〜図9に基づいて説明する。
【実施例1】
【0018】
図1は、本発明中仕切り付組立箱を折り上げる実施形態の一例を示すブランクシートaの展開斜視図である。
このブランクシートaは、前後左右の外面板1,2と、前後左右の上縁板3,4と、前後左右の内面板5,6と、前後の内面板5から内方に折れ曲がるように連設させた外底板7と、この外底板7から上方に折れ曲がるように連設させた前後の仕切り板8と、左右の内面板6から内方に折れ曲がるように連設させた内底板9と、この内底板9から上方に折れ曲がるように連設させた左右の仕切り板10とを有し、要所の折線11〜29に沿って順次に折り曲げ組み立てることによって、周囲側部A-1,A-2と底部A-3とから上面開口で有底矩形状の箱本体Aが折り上げられると共に、箱本体A内には同内部を十字4区画に仕切る十字状の中仕切り部B-1,B-2が同時に組み立て形成されるように構成されている。
【0019】
ブランクシートaは、厚紙や段ボール紙等の適宜の剛性を有する紙製シート材、本例では段ボール紙から打抜き裁断されて形成されるようになっている。
【0020】
前後左右の外面板1,2は、その高さ方向が、段ボール紙の波形中芯30の剛性を有する縦目方向になるように、同中芯30の波目方向に夫々の折線11〜13を介して横一列の並列状に連設され、前後左右の上縁板3,4を介して連設する前後左右の内面板5,6との2枚重ねによって、箱本体Aの周囲側部A-1,A-2を二重壁構造に組み立て形成するようにしている。
そして、夫々の外面板1,2の内、ブランクシートaの両側(図において右側と左側)に位置する夫々の外面板1,2の端部には互いに掛止連結し合う連結爪片31,32が夫々折れ曲がるように打抜き形成されており、この連結爪片31,32を引掛け連結させることで、前後左右の外面板1,2が囲繞状に枠組み連結されるようにしている。
【0021】
前後左右の上縁板3,4は、前後左右の外面板1,2の上端から折線14〜17を介して連設され、外面板1,2と内面板5,6との双方板厚に相当する幅にて内側に折れ曲がるように形成されている。
【0022】
前後左右の内面板5,6は、前後左右の上縁板3,4の内端から折線18〜21を介して連設され、前述のように、夫々の外面板1,2との2枚重ねによって、二重壁構造の周囲側部A-1,A-2を囲繞状に形成するように下方に折れ曲がるように形成されている。
【0023】
そして、箱本体Aの底部A-3を形成する外底板7と内底板9は、前後左右の内面板5,6の下端から折線22〜25を介して夫々連設され、外底板7は、前後の内面板5の下端から内方へ折り曲げられ、内底板9は、左右の内面板6の下端から内方に折り曲げられることで、外底板7との2枚重ねによって、二重底構造の底部A-3を形成するようにしている。
【0024】
箱本体A内を十字状に仕切る中仕切り部A-4,A-5を形成する仕切り板8,10は、外底板7と内底板9とから折線26〜29を介して夫々連設され、上方に折り曲げられて互いに重なり合うことによって、二重壁構造の中仕切り部A-4,A-5を形成するようにしている。
【0025】
図中33,34は、左右の内面板6、そして内底板9と各仕切り板8,10を折り曲げ組み上げるに際して、各板が互いに干渉する箇所に夫々設けた嵌合用切欠きである。
【0026】
次に、以上のように構成されたブランクシートaによる箱本体Aの折上げ手順について、図2〜図4を参照しながら説明する。
まず、図2に示すように、前後左右の外面板1,2を要所の折線11〜13に沿って折り曲げると共に、両端の掛止爪片31,32を掛止連結せしめて囲繞状に組み上げる。連結させて両係止爪片31,32は内側に内在させる((c)の二点鎖線の状態)。
【0027】
次に、図3に示すように、前後何れか一方の上縁板3、図示例では前側の上縁板3、連設する内面板5、そして外底板7、仕切り板8を夫々要所の折線14,18,22,26に沿って順次に折り曲げる((a)から(b)の状態)。次いで、残る後側の上縁板3、連設する内面板5、そして外底板7、仕切り板8をも夫々要所の折線15,19,23,27に沿って順次に折り曲げるこれらの一連の折上げ作業によって、箱本体Aの二重壁構造の前後側部A-1と中仕切り部B-1とが折り上げられる((b)から(c)の状態)。
尚、この際、前後の上縁板3、内面板5、外底板7、仕切り板8を前後から同時に折り曲げることも勿論可能であることは言うまでもないであろう。
【0028】
そして、図4に示すように、左右何れか一方の上縁板4、図示例では左側の上縁板4、連設する内面板6、そして内底板9、仕切り板10を夫々要所の折線17,21,25,29に沿って順次に折り曲げる((a)から(b)の状態)。次いで、残る右側の上縁板4、連設する内面板6、そして外底板9、仕切り板10をも夫々要所の折線16,20,24,28に沿って順次に折り曲げるこれらの一連の折上げ作業によって、箱本体Aの左右側部A-2と左右に仕切る中仕切り部B-2が折り上げられる((c)の状態)。
尚、この際、左右の上縁板4、内面板6、内底板9、仕切り板10を左右から同時に折り曲げることも勿論可能であることは言うまでもないであろう。
【0029】
而して、本例の段ボール製組立箱によれば、一枚のブランクシートaを要所の折線11〜29に沿って折り曲げ組み立てる一連の折上げ作業によって、箱本体Aが完成すると同時に、箱本体A内には十字状の中仕切り部B-1,B-2が形成されるものである。
また、その折上げ作業において、前後左右の外面板1,2を囲繞状に折り曲げ組み立てる作業、次に前後の上縁板3、内面板5、外底板7、仕切り板8を折り曲げる作業、最後に左右の上縁板4、内面板6、外底板9、仕切り板10を折り曲げる作業の3段階に分けた一連の折上げ作業、つまり、図2に示す折り曲げ作業、図3に示す折り曲げ作業、図4に示す折り曲げ作業これら3段階の一連の折上げ作業によって、箱本体Aが折り上がり、同時に箱本体A内を十字4区画に仕切る中仕切り部B-1,B-2が組み立て形成されるものである。
【実施例2】
【0030】
図6及び図7は、本発明中仕切り付組立箱を折り上げるブランクシートa-1の他の実施形態を示し、実施例1記載の左右何れか一方、図示例では左側の内面板6から連設される内底板9を、更に仕切り高さの2倍分に相当する長さに延設せしめると共にその長さ方向(延設方向)の中央部位に折返し折線35を、そして仕切り高さ相当する間隔をおいて当該折線35を挟むように平行な2本の折線36,37を夫々設けることで、中仕切り部A-6を形成するための新たな仕切り板10-1,10-2を有するシート形状(打抜き構造)としている。
【0031】
尚、斯かる実施例2はこの様に、左側の内面板6から連設される内底板9に新たに仕切り板10-1,10-2を設け、更に右側の内面板6から連設される内底板9の連設長さを、実施例1記載よりも略2/3程度短く形成した以外の構成部分においては実施例1記載と基本的に同じことから同じ構成部分に同じ符号を用いることで重複説明は省略する。
【0032】
即ち、斯かる実施例2においては、図6に示すように、左側の内面板6から内方に折れ曲がるように連設させた内底板9-1と、この内底板9-1から上方に折れ曲がるように折線36を介して連設させた仕切り板10-1と、この仕切り板10-1の上端から下方に折り返すように折返し折線35を介して連設させた仕切り板10-2と、この仕切り板10-2の下端から内方に折れ曲がるように折線37を介して連設させた内底板9-2と、この内底板9-2から上方に折れ曲がるように折線29を介して連設させた実施例1記載の仕切り板10とを有するブランクシートa-1を段ボール紙から打抜き裁断することによって、箱本体A内を十字6区画に仕切る中仕切り部B-1,B-2,B-3が、箱本体Aの折り上げと同時に組み立て形成されるようにしている(図7参照)。
【0033】
図中38,39,40,41は、左側の内面板6、そして内底板9-1,9-2と各仕切り板8,10-1,10-2,10を折り曲げ組み上げるに際して、各板が互いに干渉する箇所に夫々設けた嵌合用切欠きである。
【実施例3】
【0034】
図8及び9は、本発明中仕切り付組立箱を折り上げるブランクシートa-2の更に他の実施形態を示し、実施例1記載の左右の内面板6から連設される両内底板9の長さ方向(連設方向)の中央部位に、平行な2本の折線42,43、44,45を夫々設けると共に、仕切り高さ相当する高さにて当該折線42,43、44,45を介して上方に折れ曲がり且つ上端において折返し折線46、47を介して互いに重なり合うように夫々連設させた仕切り板10-3,10-4を有するシート形状(打抜き構造)としている。
【0035】
尚、斯かる実施例3はこの様に、左右の内面板6から連設される夫々の内底板9に新たに仕切り板10-3,10-4を夫々設けた以外の構成部分においては実施例1、実施例2記載と基本的に同じことから同じ構成部分に同じ符号を用いることで重複説明は省略する。
【0036】
即ち、斯かる実施例3においては、図8に示すように、左右の内面板6から内方に折れ曲がるように連設させた内底板9-1と、この内底板9-1から上方に折れ曲がるように折線36,37を介して連設させた仕切り板10-1、この仕切り板10-1の上端から下方に折り返すように折返し折線35を介して連設させた仕切り板10-2と、この仕切り板10-2の下端から内方に折れ曲がるように折線43,45を介して連設させた内底板9-2と、この内底板9-2から上方に折れ曲がるように折線28,29を介して連設させた実施例1記載の仕切り板10とを有するブランクシートa-2を段ボール紙から打抜き裁断することによって、箱本体A内を十字8区画に仕切る中仕切り部B-1,B-2,B-3,B-4が、箱本体Aの折り上げと同時に組み立て形成されるようにしている(図9参照)。
【0037】
尚、前述の実施例2〜実施例3では、左右何れか一方又は双方の内面板6に連設する内底板9に仕切り板を連設追加する等によって、箱本体A内の区画個数を増やすように構成しているが、勿論前後何れか一方又は双方の内面板5に連設する外底板7に同様に仕切り板を連設追加せしめることによって、箱本体の区画個数を増やすように構成することも可能である。
この様に、一方のみならず双方に仕切り板を連設追加せしめて箱本体A内の区画個数を増して、例えば十字16区画に箱本体Aを仕切り、一ヶ所の区画当たりの大きさを高級な果実類等を個々に収容する大きさとすることで、パック詰めでは起こり易い果実類同士の接触等による打身等の傷発生を防いだ収容状態で搬送することが可能になる等の顕著な効果が期待できるものである。
【0038】
また、本発明の具体的な実施例にあっては、前述実施例1〜3構成に限定されるものではなく、請求項1及び請求項2記載の要旨を免脱しない範囲で種々変更して行うことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明中仕切り付組立箱を折り上げるブランクシートの実施形態の一例を示す展開斜視図
【図2】箱本体の折上げ手順を示す斜視図
【図3】箱本体の折上げ手順を示す斜視図
【図4】箱本体の折上げ手順を示す斜視図
【図5】折り上げられた箱本体の一部破断して示す斜視図
【図6】本発明段ボール製組立箱を折り上げるブランクシートの他の実施形態を示す展開斜視図
【図7】同ブランクシートから折り上げられた箱本体を示す斜視図
【図8】本発明段ボール製組立箱を折り上げるブランクシートの他の実施形態を示す展開斜視図
【図9】同ブランクシートから折り上げられた箱本体を示す斜視図
【図10】従来の中仕切り付組立箱を折り上げるブランクシートと、織り上げれた箱本体を斜視図
【符号の説明】
【0040】
A:箱本体
a,a-1, a-2:ブランクシート
1,2:外面板
3,4:上縁縁
5,6:内面板
7:外底板
8,10,10-1
,10-2:仕切り板
9,9-1,9-2:内底板
11〜29,35〜
37,42〜47:折線
B-1〜B-4:中仕切り部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一枚のブランクシートを、所要の折線に沿って折り曲げ組み立てることによって、上面開口の有底矩形状で十字状の中仕切り部が一体に形成される組立箱であって、
上記ブランクシート(a)は、適宜の高さにて横一列の並列状に連設させた前後左右の外面板(1,2)と、
夫々の外面板(1,2)の上端から連設されて内側に折れ曲がる前後左右の上縁板(3,4)と、
夫々の上縁板(3,4)の内端から連設されて下方へ折れ曲がり前記外面板(1,2)との2枚重ねによって、箱本体(A)の二重壁構造の周囲側部(A-1,A-2)を囲繞状に形成する前後左右の内面板(5,6)と、
前後の内面板(5)の下端から夫々連設されて内方へ折れ曲がる外底板(7)と、
夫々の外底板(7)から連設されて上方に折れ曲がり互いに重なり合うことによって、箱本体A内を前後に仕切る中仕切り部(B-1)を形成する仕切り板(8)と、
前記左右の内面板(6)の下端から連設されて内方へ折れ曲がり前記外底板(1,2)との2枚重ねによって、箱本体(A)の二重底構造の底部(A-3)を形成する内底板(9)と、
夫々の内底板(9)から連設されて上方に折れ曲がり互いに重ね合うことによって、前記前後仕切り板(8)に対し十字状に交叉係合せしめて箱本体A内を左右に仕切る中仕切り部(B-2)を形成する仕切り板(10)とを有し、
上記前後左右の外面板(1,2)を囲繞状に折り曲げ組み立てた後に、前後の上縁板(3)、内面板(5)及び外底板(7)これらを順次に折り曲げると共に、前後の仕切り板(8)を折り曲げ重ね合わせることによって、箱本体(A)の前後側部(A-1)及び前後の中仕切り部(B-1)が組み立て形成され、
次に、上記左右の上縁板(4)、内面板(6)及び内底板(9)これらを順次に折り曲げると共に、左右の仕切り板(10)を上記仕切り板(8)に十字状に交叉係合せしめるように折り曲げ重ね合わせることによって、箱本体(A)の左右側部(A-2)、底部(A-3)及び左右の中仕切り部(B-2)が組み立て形成されるようにしたことを特徴とする中仕切り付組立箱。
【請求項2】
請求項1記載のブランクシート(a)は、段ボール紙から打抜き裁断されてなり、箱本体(A)の周囲側部(A-1,A-2)を形成する外面板(1,2)が、その高さ方向を段ボール紙の波形中芯(30)の縦目方向として同中芯(30)の波目方向に並列状に連設させていることを特徴とする中仕切り付組立箱。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2006−51963(P2006−51963A)
【公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−233388(P2004−233388)
【出願日】平成16年8月10日(2004.8.10)
【出願人】(594164014)株式会社田村工機 (2)
【Fターム(参考)】