説明

中央方向オイルフローおよびピストンピン潤滑供給部を有するピストン、ならびにその構成方法

ピストンは、中心軸に沿って延在するピストン本体を有する。ピストン本体は、上部クラウン部と下部クラウン部とを有する。上部クラウン部は、上部燃焼壁と、上部燃焼壁から開放端まで垂れ下がる少なくとも1つの環状上部リブとを有する。下部クラウン部は、少なくとも1つの上部リブに固定された開放端まで延在する少なくとも1つの環状下部リブと、少なくとも1つの下部リブに対して径方向内側に延在する内側ギャラリーフロアとを有する。上部クラウン部は、中心軸に沿って上部燃焼壁から開放端まで垂れ下がる上部ポストを有する。下部クラウン部は、中心軸に沿って内側ギャラリーフロアから上向きに開放端まで延在する下部ポストを有する。上部ポストと下部ポストはともに、ラビリンス通路を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本願は、2009年2月27日に出願された米国仮出願連続番号第61/155,945号の利益を主張し、この米国仮出願連続番号第61/155,945号は、全文が引用によって本明細書に援用される。
【0002】
発明の背景
1.技術分野
本発明は概して内燃機関用のピストンに関し、特にピストンピン潤滑供給部を有するピストンに関する。
【背景技術】
【0003】
2.関連技術
1つまたは2つ(二重ギャラリー)の一般的に閉じたオイル冷却ギャラリーを有するピストン構成が公知である。二重ギャラリーピストンは、環状の径方向外側ギャラリーと、上部クラウン部と下部クラウン部との間に形成された中央ギャラリーとを有し、中央ギャラリーは典型的に、燃焼ボウル壁の下に開放ギャラリーとして形成される。外側ギャラリーと中央ギャラリーは互いに分離されていてもよいし、オイル通路によって互いに流体連結していてもよい。また、一方または両方のギャラリーからピストンピンに延在するピン潤滑通路を設けることが公知である。潤滑通路は、ピンボスのピストンピンボア内へ、および/または横方向に間隔を空けられたピンボス同士の間の下部内側ギャラリーフロアの開口内に延在し得る。外側ギャラリーは、ピストンの外側リングベルト領域を冷却するのに特に効果的であり、中央ギャラリーは、高温燃焼ガスに直接晒される上部燃焼壁によって部分的に形成される中央クラウン領域を冷却するのに特に効果的である。これらのギャラリー構成はピストンを冷却するのに一般的に効果的であるが、特に中央ギャラリーに関してギャラリー内のオイルフロー力学を向上させることによって、使用時のピストン冷却能力を高めることができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
発明の要約
ピストンは、中心軸を有するピストン本体を含み、中心軸に沿ってピストン本体がシリンダボアの内部で往復運動する。ピストン本体は、上部燃焼壁を有する上部クラウン部を有し、上部燃焼壁に対して燃焼力がシリンダボア内で直接作用し、上部クラウン部はさらに、上部燃焼壁から開放端まで垂れ下がる少なくとも1つの環状上部リブを有する。ピストン本体はさらに、少なくとも1つの上部リブに固定された開放端まで延在する少なくとも1つの環状下部リブを有する下部クラウン部を含む。下部クラウン部はさらに、少なくとも1つの下部リブに対して径方向内側に延在する内側ギャラリーフロアと、内側ギャラリーフロアから全体的に垂れ下がる1対のピンボスとを有し、連接棒の小端部を受けるための間隔がピンボス同士の間に設けられる。上部クラウン部は、中心軸に沿って上部燃焼壁から開放端まで垂れ下がる上部ポストを有する。下部クラウン部は、中心軸に沿って内側ギャラリーフロアから開放端まで上向きに延在する下部ポストを有する。上部ポストの開放端および下部ポストの開放端は、ラビリンス通路を形成する。
【0005】
本発明の別の局面に従って、上部および下部ポストは、軸方向に互いを越えて延在し、互いに完全な隙間を維持する。
【0006】
本発明の別の局面に従って、下部クラウン部は、中心軸に沿って延在するオイルフロー通路を有する。
【0007】
本発明の別の局面に従って、下部クラウンポストは、中心軸を実質的に横切って延在するオイルフロー通路を有する。
【0008】
本発明の別の局面に従って、ピストンを構成する方法が提供される。当該方法は、上部クラウン部を設けるステップを含み、上部クラウン部は、上部燃焼壁を有し、上部燃焼壁に対して燃焼力がシリンダボア内で直接作用し、上部クラウン部はさらに、上部燃焼壁から開放端まで垂れ下がる少なくとも1つの環状上部リブを有し、中心軸に沿って上部燃焼壁から開放端まで垂れ下がる上部ポストが設けられる。さらに、下部クラウン部を設け、下部クラウン部は、開放端まで延在する少なくとも1つの環状下部リブと、少なくとも1つの下部リブに対して径方向内側に延在する内側ギャラリーフロアとを有し、連接棒の小端部を受けるために間隔を空けられた1対のピンボスが設けられ、下部クラウン部はさらに、中心軸に沿って内側ギャラリーフロアから開放端まで上向きに延在する下部ポストを有する。そして、上部クラウン部の少なくとも1つの上部リブを下部クラウン部の少なくとも1つの下部リブに固定し、上部ポストの開放端と下部ポストの開放端との間にラビリンス通路を形成する。
【0009】
本発明の別の局面に従って、当該方法は、上部ポストの開放端および下部ポストの開放端を、軸方向に互いを越えて延在させるステップを含む。
【0010】
本発明の別の局面に従って、当該方法は、上部ポストおよび下部ポストを、互いに間隔を空けられた関係に維持するステップを含む。
【0011】
本発明のこれらおよび他の局面、特徴および利点が、現在の好ましい実施例および最良の形態、添付の請求項および添付の図面の以下の詳細な説明に関連して考慮されるとより容易に認識されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の1つの現在の好ましい局面に従って構成されたピストンの一部断面図である。
【図2】本発明の別の現在の好ましい局面に従って構成されたピストンの中央ギャラリー部分を示す一部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
現在の好ましい実施例の詳細な説明
図面をより詳細に参照して、図1は、本発明の1つの現在の好ましい局面に従って構成されたピストン10を示す。ピストン10は、たとえば鋼で構成され得、かつ中心軸14に沿って延在するピストン本体12を有し、中心軸14に沿ってピストン本体12がシリンダボア(図示せず)の内部で往復運動する。ピストン本体12は、上部燃焼壁18を有する上部クラウン部16を含み、壁18は、ここでは一例として限定されずに、凹型燃焼ボウル20を設けるとして表わされており、ボウル20に対して燃焼力がシリンダボア内で直接作用する。上部クラウン部16は、少なくとも1つの、ここでは1対として示される環状上部リブを有し、これらは以下、上部内側リブ22および上部外側リブ24と称され、上部燃焼壁18からそれぞれの開放端26、28まで全体的に垂れ下がっている。ピストン本体12はさらに、少なくとも1つの、ここでは1対として示される環状下部リブを有する下部クラウン部30を含み、これらリブは以下、下部内側リブ32および下部外側リブ34と称され、円周方向配列に配置されて上部開放端26、28と固定係合しているそれぞれの開放端36、38まで延在している。下部クラウン部30はさらに、下部内側リブ32に対して径方向内側に延在する内側ギャラリーフロア40と、内側ギャラリーフロア40から全体的に垂れ下がる1対のピンボス42、44とを含む。ピンボス42、44は、中心水平ピン軸47に沿って並んでいるそれぞれのピンボア43、45を有し、連接棒(図示せず)の小端部を受けるための空間46がピンボス42と44との間に設けられる。上部および下部クラウン部16、30は相互に作用して、中心軸14に沿って同軸に延在する中央方向オイルフロー制御部材を提供し、これは以下、オイルフロー制御部材48と称され、以下、潤滑供給部50と称される中央ピストンピン潤滑供給部を有する。フロー制御部材48は、ピストン10の中央ギャラリー52とも称される内側ギャラリー内に延在することによって、トロイド構成を有する中央ギャラリー52を提供する。したがって、中央ギャラリー52が受けるオイルは、全体的に矢印53で示される予め定められた動的流路に沿って流れることになる。したがって、オイルは、全体的に連続した均一の経路に沿って中央ギャラリー52全体にわたって流れるように導かれるため、上部燃焼壁18の均一で効率的な冷却を容易にすることができる。また、潤滑供給部50は、中央ギャラリー52内から空間46へ調節または計測されたオイルフローを与えることによって、中央ギャラリー52内部のオイルの過熱(「クッキング」)を回避し、連接棒の小端部におけるピストンピン継手の連続的な潤滑を促進することができる。
【0014】
上部クラウン部16は、内側および外側上部リブ開放端26、28から上向きに、上部燃焼壁18に隣接した上部リングベルト領域60内へ延在する環状外側オイルギャラリーポケット58を有して形成される。上部クラウン部16はさらに、上部内側リブ開放端26から上向きに、燃焼ボウル20の直下に延在する環状内側オイルギャラリーポケット62を有して形成される。さらに、上部クラウン部16は、上部燃焼壁18から中心軸14に沿って同軸に垂れ下がる上部ポスト64を有する。上部ポスト64は、フロー制御部材48の一部を形成し、かつ、開放端65まで延在する予め定められた長さおよび予め定められた外面構成を有して形成される。
【0015】
下部クラウン部30は、内側および外側下部リブ開放端36、38から下向きに、下部リングベルト領域68内へ延在する環状外側オイルギャラリーポケット66を有して構成され、ポケット66は、上部外側オイルギャラリーポケット58と組合されて外側ギャラリー56を形成する。下部クラウン部30はさらに、内側下部リブ開放端36から下向きに延在する環状内側オイルギャラリーポケット70を有し、ポケット70は、上部内側オイルギャラリーポケット62と組合されて中央ギャラリー52を形成する。ピンボア43の1つから上向きに、外側オイルギャラリーポケット66の最底領域内へ延在するオイルフロー通路72が形成される。したがって、オイルはピンボア43から上向きに外側ギャラリー56内に送り出される。さらに、下部クラウン部30はここでは、下部内側リブ32内に延在する1対のオイルフロー通路54を有するとして表わされる。オイルフロー通路54は、一例として限定されずに、中央ギャラリー52の最下領域から径方向外側に、外側ギャラリー56の最下領域まで全体的に下降して形成される。さらに、下部クラウン部30は、フロー制御部材48の一部を形成する下部ポスト74を有する。下部ポスト74は、上部ポスト64と同軸配列され、中心軸14に沿って同軸に内側ギャラリーフロア40から上向きに延在する。下部ポスト74は、開放端75まで延在する予め定められた長さおよび外面構成を有して形成される。この長さおよび外面構成は、上部クラウン部16をたとえば摩擦溶接などによって下部クラウン部30に固定すると、上部ポスト64の開放端65が互いに干渉しないようなものである。図示される実施例では、一例として限定されずに、ポスト64、74の一方にカウンタボア76が形成され、ここでは一例として限定されずに、下部ポスト74に形成されて示されており、内部の隙間ばめにおいて上部ポスト64の開放端65を受ける。カウンタボア76は、上部ポスト64の外径よりも大きい直径と、上部ポスト64と下部ポスト74との間に隙間を提供するのに十分大きな深さとを有する。したがって、上部クラウン部16を下部クラウン部30に固定すると、上部ポスト64と下部ポスト74との間に蛇行流路を有するラビリンス封止77が設けられる。したがって、上部ポスト64と下部ポスト74は、径方向に互いに完全に切離されて間隔を空けられたままであるが、上部ポスト開放端65と下部ポスト開放端75は軸方向に互いを越えて延在する。したがって、上部および下部ポスト64、74は、上部クラウン部16を下部クラウン部30に固定する能力に全く影響を及ぼさない。
【0016】
下部ポスト74はさらに潤滑供給部50を含み、これは、ここでは一例として限定されずに、軸方向の断面で見ると全体的にT字型として示されており、かつ、中心軸14に沿って同軸に延在する、中央オイルフロー通路78とも称される、垂直方向に延在する第1のオイルフロー通路を有する。オイルフロー通路78には、カウンタボア76の下方で、十字開口80とも称される水平方向に延在する第2のオイルフロー通路が交差しており、十字開口80は、下部ポスト50を通って環状中央ギャラリー52の直径方向の両側まで、中心軸14を横切って全体的に延在する。十字開口80の高さは、オイルフロー通路78内のオイルフローの所望の調節を提供するように、かつ、中央ギャラリー52の下部に予め定められた深さまたは溜まりのオイルを設けることを容易にするように、所望通りに製造時に変更され得る。中央ギャラリー52内部のオイルはオイルフロー通路78を通って、連接棒(図示せず)の小端部に形成されたピストンピン継手の潤滑を容易にする。
【0017】
ピストン10の構成方法に従って、上述のように、当該方法は、それぞれの上部および下部クラウン部16、30を形成するステップと、たとえば、内側リブ開放端26、36と外側リブ開放端28、38との間にそれぞれの摩擦溶接継手82、84を形成することによって、上部および下部クラウン部16、30を互いに固定するステップとを含む。摩擦溶接継手82、84を形成する際、上部ポスト64および下部ポスト74は互いに完全に間隔を空けられたままであるが、それぞれの開放端65、75は軸方向に互いを越えて延在するため、上部ポスト64と下部ポスト74との間に延在するラビリンス封止通路77が形成される。したがって、上部ポスト64と下部ポスト74は互いに完全に間隔を空けられているので、これらは摩擦溶接プロセスに全く影響を及ぼさない。
【0018】
図2には、本発明の別の局面に従って構成されたピストン110の一部が示されており、上記と同じ参照番号を100番台にした番号を用いて同様の特徴が示される。ピストン110は、上述のように、摩擦溶接プロセスなどによって下部クラウン部130に固定された上部クラウン部116を有する。ピストン110の注目すべき相違点は、上部ポスト164および下部ポスト174の構成にある。上部ポスト164は、上部燃焼壁118から開放端165まで予め定められた長さだけ中心軸114に沿って同軸に垂れ下がり、中心軸114に沿って開放端165内へ上向きに延在する凹型ポケット90を内部に有する。ポケット90は、貫通していない底面までの予め定められた深さを有して構成され、ここでは一例として限定されずに、上部燃焼壁118まで、または実質的に上部燃焼壁118まで延在するとして示される。さらにポケット90は、内部の隙間ばめに下部ポスト174を受けるための予め定められた直径を有する。したがって、上部ポスト164と下部ポスト174との間にラビリンス封止通路177が設けられる。
【0019】
下部ポスト174は、下部クラウン部130の内側ギャラリーフロア140から開放端175まで、予め定められた距離だけ中心軸114に沿って同軸に上向きに延在する。下部ポストは、中心軸114に沿って同軸に開放端175内に延在する中央貫通通路として形成されるオイルフロー通路178を有する。下部ポスト174は、ポケット90の貫通していない底面から軸方向に間隔を空けられたままであるための予め定められた長さと、上部ポスト164のポケット90内に隙間ばめを維持するための外面構成または直径とを有して構成され、上部ポスト164の開放端165は内側ギャラリーフロア140から軸方向に間隔を空けられたままであるため、蛇行ラビリンス封止通路177が形成される。下部ポスト174の高さは、ポケット90の貫通していない底面に対して所望の隙間を提供することによって、オイルフロー通路178内のオイル流量を調節でき、さらに、中央ギャラリー152の下部に予め定められた深さまたは溜まりのオイルを実質的に維持することができるように、所望通りに製造時に変更可能である。さらに、オイルフロー通路178の直径および径方向の幅は、通路178内の所望のオイル流量を提供することによって、中央ギャラリー152内部のオイルの加熱程度を調節でき、したがってピストン110の冷却を制御できるように、サイズ決め可能である。上記の実施例と同様に、上部ポスト164および下部ポスト174は、摩擦溶接プロセスに全く影響を及ぼさない。
【0020】
明らかに、上述の教示内容に鑑みて本発明の多くの修正および変形が可能である。したがって、添付の請求項の範囲内で、本発明は具体的に記載されたのとは異なる方法でも実践可能であることを理解すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピストンであって、
中心軸を有するピストン本体を備え、前記中心軸に沿って前記ピストン本体がシリンダボアの内部で往復運動し、前記ピストン本体は、上部燃焼壁を有する上部クラウン部を有し、前記上部燃焼壁に対して燃焼力がシリンダボア内で直接作用し、前記上部クラウン部はさらに、上部燃焼壁から開放端まで垂れ下がる少なくとも1つの環状上部リブを有し、前記ピストン本体はさらに、前記少なくとも1つの環状上部リブに固定された開放端まで延在する少なくとも1つの環状下部リブを有する下部クラウン部を含み、前記下部クラウン部は、前記少なくとも1つの環状下部リブに対して径方向内側に延在する内側ギャラリーフロアと、前記内側ギャラリーフロアから全体的に垂れ下がる1対のピンボスとを有し、連接棒の小端部を受けるための間隔が前記ピンボス同士の間に設けられ、
前記上部クラウン部は、前記中心軸に沿って前記上部燃焼壁から開放端まで垂れ下がる上部ポストを有し、
前記下部クラウン部は、前記中心軸に沿って前記内側ギャラリーフロアから開放端まで上向きに延在する下部ポストを有し、
前記上部ポストの前記開放端および前記下部ポストの前記開放端は、ラビリンス通路を形成する、ピストン。
【請求項2】
前記上部ポストの前記開放端および前記下部ポストの前記開放端は、軸方向に互いを越えて延在する、請求項1に記載のピストン。
【請求項3】
前記上部ポストおよび前記下部ポストは、径方向に互いに間隔を空けられている、請求項2に記載のピストン。
【請求項4】
前記上部ポストおよび前記下部ポストは、互いに完全に間隔を空けられている、請求項3に記載のピストン。
【請求項5】
ポケットが前記上部ポストの前記開放端内へ軸方向に延在し、前記下部ポストの前記開放端は、前記ポケット内へ軸方向に延在する、請求項1に記載のピストン。
【請求項6】
オイルフロー貫通通路が、前記中心軸に沿って前記下部ポスト内に延在する、請求項5に記載のピストン。
【請求項7】
前記上部ポストの前記開放端は、前記内側ギャラリーフロアの上部に間隔を空けられている、請求項5に記載のピストン。
【請求項8】
前記下部ポストの前記開放端はカウンタボアを有し、前記上部ポストの前記開放端は前記カウンタボア内へ軸方向に延在する、請求項1に記載のピストン。
【請求項9】
前記下部ポストは、前記カウンタボアの下方で前記中心軸に沿って延在する第1のオイルフロー通路を有する、請求項8に記載のピストン。
【請求項10】
前記下部ポストは、前記中心軸を横切って延在する第2のオイルフロー通路を有し、前記第2のオイルフロー通路は前記第1のオイルフロー通路と交差する、請求項9に記載のピストン。
【請求項11】
前記下部ポストは、前記中心軸に沿って延在する第1のオイルフロー通路を有する、請求項1に記載のピストン。
【請求項12】
前記第1のオイルフロー通路は、前記下部ポストの前記開放端内に延在する、請求項11に記載のピストン。
【請求項13】
前記下部ポストは、前記中心軸を横切って延在する第2のオイルフロー通路を有し、前記第2のオイルフロー通路は前記第1のオイルフロー通路と交差する、請求項11に記載のピストン。
【請求項14】
前記上部クラウン部は、上部燃焼壁から径方向に間隔を空けられた開放端まで垂れ下がる1対の環状上部リブを有し、前記下部クラウン部は、前記1対の環状上部リブの前記径方向に間隔を空けられた開放端に固定された開放端まで延在する1対の環状下部リブを有する、請求項1に記載のピストン。
【請求項15】
ピストンを構成する方法であって、
上部クラウン部を設けるステップを備え、上部クラウン部は、上部燃焼壁を有し、上部燃焼壁に対して燃焼力がシリンダボア内で直接作用し、上部クラウン部はさらに、上部燃焼壁から開放端まで垂れ下がる少なくとも1つの環状上部リブを有し、中心軸に沿って上部燃焼壁から開放端まで垂れ下がる上部ポストが設けられ、前記方法はさらに、
下部クラウン部を設けるステップを備え、下部クラウン部は、開放端まで延在する少なくとも1つの環状下部リブと、少なくとも1つの下部リブに対して径方向内側に延在する内側ギャラリーフロアとを有し、連接棒の小端部を受けるために間隔を空けられた1対のピンボスが設けられ、下部クラウン部はさらに、中心軸に沿って内側ギャラリーフロアから開放端まで上向きに延在する下部ポストを有し、前記方法はさらに、
上部クラウン部の少なくとも1つの上部リブを下部クラウン部の少なくとも1つの下部リブに固定し、上部ポストの開放端と下部ポストの開放端との間にラビリンス通路を形成するステップを備える、方法。
【請求項16】
上部ポストの開放端および下部ポストの開放端を、軸方向に互いを越えて延在させるステップをさらに備える、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
上部ポストおよび下部ポストを、互いに間隔を空けられた関係に維持するステップをさらに備える、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
上部ポストの開放端内へ軸方向に延在するポケットを形成し、下部ポストの開放端を軸方向にポケット内へ延在させるステップをさらに備える、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
中心軸に沿って延在するオイルフロー通路を下部ポスト内に形成するステップをさらに備える、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
下部ポストの開放端にカウンタボアを形成し、上部ポストの開放端をカウンタボア内へ軸方向に延在させるステップをさらに備える、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
前記カウンタボアの下方で中心軸に沿って延在する第1のオイルフロー通路を形成するステップをさらに備える、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
中心軸を横切って延在する第2のオイルフロー通路を形成し、第1のオイルフロー通路を第2のオイルフロー通路と交差させるステップをさらに備える、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
中心軸に沿って延在する第1のオイルフロー通路を下部ポスト内に形成するステップをさらに備える、請求項15に記載の方法。
【請求項24】
第1のオイルフロー通路を、下部ポストの開放端内に延在させるステップをさらに備える、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
中心軸を横切って延在する第2のオイルフロー通路を形成し、第1のオイルフロー通路を第2のオイルフロー通路と交差させるステップをさらに備える、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
開放端まで延在する1対の環状上部リブを有する上部クラウン部を形成し、上部リブの開放端に固定された開放端まで延在する1対の環状下部リブを有する下部クラウン部を形成するステップをさらに備える、請求項15に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−519251(P2012−519251A)
【公表日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−552170(P2011−552170)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【国際出願番号】PCT/US2010/025484
【国際公開番号】WO2010/099372
【国際公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(599058372)フェデラル−モーグル コーポレイション (234)
【Fターム(参考)】