説明

中枢神経系疾患の予防と治療のための医薬組成物

【課題】医薬組成物、特にアセチルコリンレベルに影響を及ぼすことのできる化合物を含有する医薬組成物の提供。
【解決手段】薬学的に有効な量の少なくとも2成分を含み、該成分の1つがニコチン性コリン作用性受容体と相互作用し得るニコチン性化合物(例えば、ニコチン性アゴニスト、例えばE−メタニコチン)であり、かつ該成分の1つがアセチルコリンエステラーゼ阻害剤(例えばタクリン)である。該医薬組成物は、CNS疾患、例えばアルツハイマー病の治療に有効である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬組成物、特にアセチルコリンレベルに影響を及ぼすことのできる化合物を含有する医薬組成物に関する。より詳細には、本発明は、アセチルコリンエステラーゼを阻害しうる少なくとも一の成分と、ニコチン性コリン作用性受容体と相互作用しうる(例えば、活性化させる)少なくとも一の化合物(例えば、特異的ニコチン性受容体サブタイプの少なくとも一のアゴニスト)とを含有する医薬組成物に関する。本発明は、多種多様の状態及び疾病、特に、中枢及び自律神経系の機能不全を伴う状態及び疾病を治療する方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
中枢神経系(CNS)障害は、神経性障害の1種である。CNS障害は薬剤誘発性である場合もあり、遺伝的素因、感染又は外傷に起因する場合もあり、或いは、未知の病因による場合もある。CNS障害は、神経精神性障害、神経疾患及び精神病を含み、かつ神経変性疾病、行動障害、認識障害及び認識に影響する障害を含む。臨床上の症候がCNS機能不全(即ち、不適切なレベルでの神経伝達物質放出、神経伝達物質受容体の不適切な特性及び/又は神経伝達物質と神経伝達物質受容体との間の不適切な相互作用から生じる障害)に起因する幾つかのCNS障害がある。幾つかのCNS障害は、コリン作用性異常、ドーパミン作用性異常、アドレナリン作用性異常及び/又はセロトニン作用性異常に起因しうる。比較的一般に起こるCNS障害は、早老性痴呆(アルツハイマー病の早期発症)、老人性痴呆(アルツハイマー型の痴呆)、パーキンソン病を含むパーキンソン症候群、レーヴィ小体病(Lewy body disease: LBD)、核上の麻痺(supranuclear palsy:SNP)、ハンチントン舞踏病、遅発性ジスキネジー、運動高進症、躁病、多動症候群(attention deficit disorder)、不安、失読症、精神分裂病及びトゥーレット症候群を含む。
【0003】
ニコチンは、多数の薬学的作用を有すると提唱されている(例えばPullan et al.N.Engl.J.Med.330:811〜815(1994)参照)。それらの作用のある種のものは、神経伝達物質の放出に影響を及ぼすことに関連しうる。例えば、ニコチンの神経保護作用を提唱している、Sjak-shie et al.,Brain Res.624:295(1993)を参照。ニコチン投与時の、ニューロンによるアセチルコリンとドーパミンの放出は、Rowell et al.,J.Neurochem.43:1593(1984);Rapier et al.,J.Neurochem.50:1123(1988);Sandor et al.,Brain Res.567:313(1991)及びVizi,Br.J.Pharmacol.47:765(1973)により報告されている。ニコチン投与時の、ニューロンによるノルエピネフリンの放出は、Hall et al.,Biochem.Pharmacol.21:1829(1972)により報告されている。ニコチン投与時の、ニューロンによるセロトニンの放出は、Hery et al.,Arch.Int.Pharmacodyn.Ther.296:91(1977)により報告されている。ニコチン投与時の、ニューロンによるグルタミン酸塩の放出は、Toth et al.,Neurochem.Res.17:265(1992)により報告されている。更に、ニコチンは、ある種の疾病の治療に使用されるある種の医薬組成物の薬理作用を増強すると報告されている。Sanberg et al.,Pharmacol.Biochem. & Behavior 46:303(1993);Harsing et al.,J.Neurochem.59:48(1993)及びHughes,Proceedings from Intl.Symp.Nic.S 40(1994)を参照。更に、ニコチンの他の種々の有益な薬理作用が提唱されている。Decina et al.,Biol.Psychiatry 28:502(1990);Wagner et al.,Pharmacopsychiatry 21:301(1988);Pomerleau et al.,Addictive Behaviors 9:265(1984);Onaivi et al.,Life Sci.54(3):193(1994);Tripathi et al.,JPET 221:91〜96(1982)及びHamon,Trends in Pharmacol.Res.15:36を参照。
【0004】
種々のニコチン化合物が、種々のCNS障害を含む、多種多様な状態や疾病の治療に有用であることが報告されている。例えばWilliams et al. DN & P7(4):205〜227(1994)、Arneric et al.,CNS Drug Rev.1(1):1〜26(1995)、Arneric et al.,Exp.Opin.Invest.Drug
s 5(1):79〜100(1996)、Bencherif et al.,JPET 279:1413(1996)、Lippiello et al., JPET 279:1422(1996)、Damaj et al.,Neuroscience(1997)、Lin et al., J.Med.Chem. 40:385〜390(1997)、Holladay et al.,J.Med.Chem 40(28):4169〜4194(1997)、Bannon et al.,Science 279:77〜80(1998)、PCT WO 94/08992、 PCT WO 96/31475及び米国特許第5583140号(Bencherif et al.,)、米国特許第5597919号(Dull et al.,)、米国特許第5604231号(Smith et al.,)及び米国特許第5616716号(Dull et al.,)を参照。
【0005】
種々のアセチルコリンエステラーゼ(acetylcholinesterase: AChE)阻害剤は、種々のCNS障害を含む多種多様の状態及び疾病の治療に有用であることが報告されている。AChE阻害剤は、内在性の神経伝達物質のアセチルコリン(ACh)を加水分解する酵素、アセチルコリンエステラーゼの活性を制限する。例えば、AChE阻害剤は、これで治療される患者の体内に存在するAChレベルを保持し、かつCNS内に生じた細胞外AChの増加が、中枢コリン作用性機能低下を回復させ、従って記憶及び認識を改善することが報告されている。市販のAChE阻害剤の1つである、コグネックス(Cognex:Parke-Davis Division of Warner-Lambert Companyから供給されている)は、タクリンヒドロクロリド含有カプセルの形で、アルツハイマー病の治療薬として市販されている。他の市販のAChE阻害剤は、エイザイ(Eisai)のアリセプト(Aricept)であり、これはドネゼピルヒドロクロリド(donezepil hydrochloride)含有カプセルである。他の報告されているAChE阻害剤は、アミリン(Amirine:Nikken Pharmaceuticals社)、SW−10888(Sumitomから)、MF−217(Mediolanum Pharmaceutici-Angeliniから)、Ro 45−5934、HP−290(Hoesht-Russelから)、ENA 713(Sandozから)、イタメリン(Itameline:Hoeshtから)、メトリフォネート(Metrifonate:Bayer-Wiles から)、Tak 177(Takedaから)、CP 118.954(Pfizerから)、ガランタミン(Galanthamine:Naedheim Pharmaceuticalsから)、ONO 1603(Onoから)、ツィフロシロン(Zifrosilone:Marion Merrel Dowから)を含む。例えば、Brufani et al,Alzheimer Disease:From Molecular Biology to Therapy,eds.Becker et al.,pp.171〜177(1996)、Schmidt et al., Alzheimer Disease:From Molecular Biology to
Therapy,eds.Becker et al.,pp.217〜221(1996)、Vargas et al., Alzheimer Disease:From Molecular Biology to Therapy,eds.Becker et al.,pp.251〜255(1996)、Greig et al., Alzheimer Disease:From Molecular Biology to Therapy,eds.Becker et al.,pp.231〜237(1996)及びGiacobini, Alzheimer Disease:From Molecular Biology to Therapy,eds.Becker et al.,pp.187〜204(1996)に記載のAChE阻害剤を参照。このようなAChE阻害剤は、エプタスティグミン(eptastigmine)、メトリホナート及びフェンセリンを含む。しかしながら、ある種のAChE阻害剤は、効力が限定され、滴定しにくく、肝機能に影響し、多くの病状に禁忌されており、かつ副作用(例えば、肝毒性、頭痛、筋痛症、悪心/嘔吐、消化不良、めまい、失調症、食欲不振及び下痢)を生じることもある。
【0006】
そのような状態又は疾病に罹患しやすいか又は罹患している患者に、患者の体内のAChレベルに影響できる治療薬を投与することにより、該状態又は疾病を予防しかつ治療する有効な方法を提供することは、望ましいことであった。特定の疾病(例えばCNS障害)にかかっている各人に、ニコチン薬理作用を有し、かつ(例えばCNSの機能に関し)有効な効果を有するが、いかなる重要な副作用もない、活性成分を含有する医薬組成物を投与することにより、これらの疾患の症状を中断させることは非常に有益であった。ニコチン性受容体と相互作用する化合物を含有する医薬組成物を提供することは非常に望ましいことである。例えば、これは、CNSの機能に影響できるが、CNSの機能に影響するのに十分な量で使用する際には、好ましくない副作用(例えば、骨格筋部位及び神経節部位に感知しうる活性)を誘発しうる受容体サブタイプに、重大な影響を及ぼさない。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、多種多様の状態又は疾病、特に、ニコチン性コリン作用性の神経伝達の機能不全を特徴とする疾患の予防又は治療の方法に関する。本発明は、障害、例えば、神経伝達物質の正常な放出の変異を特徴とする中枢神経系(CNS)障害の予防又は治療の方法にも関する。この方法は、本発明の医薬組成物の有効量をそのような疾病に罹患しやすいか又は罹患している患者に投与することを含む。
(i)ニコチン性コリン作用性受容体と相互作用し得るニコチン性化合物(例えば、α4β2ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)サブタイプを選択するニコチン性アゴニスト及び/又はα4β4nAChRサブタイプを選択するニコチン性アゴニスト)少なくとも1つ、と(ii)アセチルコリンエステラーゼの活性を阻害し得る成分(即ち、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤)とを一緒に投与することを含む方法が特に重要である。本発明の医薬組成物の有効服用量の成分は、(i)ニコチン性コリン作用性受容体と相互作用し得る化合物(例えば、α4β2ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)サブタイプを選択するニコチン性アゴニスト及び/又はα4β4nAChRサブタイプを選択するニコチン性アゴニスト)と(ii)AChE阻害剤との最大下の服用量(submaximal dose)の組み合わせを含むのが有利である。
【0008】
本発明は、他の面では、本発明の化合物の有効量を含む医薬組成物に関する。そのような医薬組成物は、関連ニコチン性受容体部位で相互作用できる化合物(例えばニコチン性アゴニスト)及びAChE阻害剤である化合物を含有する。従って、そのような医薬組成物は、多種多様の状態及び疾病、特に神経伝達物質の正常な放出における異常を特徴とする疾病、の予防又は治療に治療剤として作用することができる。
【0009】
本発明の医薬組成物は、CNS障害の予防と治療に有用である。各医薬組成物は、ある種のCNS障害に罹患し、その臨床的発症を示している各人を有益に治療する。この組成物の少なくとも1成分は、(i)ニコチン薬理作用を示して、CNSでのニコチン性受容体部位に影響し(例えばニコチン性受容体を活性化させる薬理学的アゴニストとして作用する)、(ii)神経伝達物質の分泌を誘発し、従ってこれらの疾病に伴う症状を予防し、抑圧することができ、かつ組成物の少なくとも1成分は、内生の神経伝達物質、アセチルコリン、を加水分解する酵素、AChEを阻害することができる。更に、この化合物は、(i)患者の脳のニコチン性コリン作用性受容体の数を増加させ、(ii)神経保護効果を示し、かつ(iii)ニコチン性アゴニスト又はAChE阻害剤をあるレベルで投与する際に、感知しうる有害な副作用(例えば、心拍数の増加、血圧の変化、肝毒性、頭痛、筋痛症、悪心/嘔吐、消化不良、めまい、失調症、食欲不振及び下痢)を引き起こさないようにできると期待される。本発明の医薬組成物は、CNS障害の予防と治療に関して、安全で効果的であると信じられる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の前記態様及び他の態様は、以下に記載の詳細な説明及び実施例において詳説する。
ニコチン性コリン作用性受容体と相互作用しうる化合物は多様であってよい。そのような化合物は、ニコチン性薬理学を示す。そのような化合物はニコチン性コリン作用性受容体に対し選択性を有し、即ち、この化合物は、関連受容体サブタイプに高い親和力で結合する(例えば、これらの化合物は、1000nm未満の結合定数を示す)。Cheng et al.,Biochem.Pharmacol.22:3099(1973)参照。そのような化合物は、ニコチン性アゴニストであるのが有利である。ニコチン性アゴニストは、受容体を活性化して、受容体の結合部位とリガンドとを相互作用させる(即ち、イオンチャンネルの開放の促進)リガンドである。 Bencherif et al.,JPET279:1413〜1421(1996)参照。本発明を実施するのに有用なニコチン性アゴニストは、多様であってよい。そのようなアゴニストは、ニコチン、その類似体及び誘導体を含む。ニコチン性アゴニストの例は、米国特許第4965074号(Leeson)、米国特許第5242935号(Lippiello et al.)、米国特許第5276043号(Caldwell et al.)
、米国特許第5227391号(Caldwell et al.)、米国特許第5583140号(Bencherif et al.)、米国特許第5516785号(Zoltewicz et al.)、PCT WO 96/31475及びヨーロッパ特許出願第588917号に記載されている。認知力について有益である、存在するニコチン性アゴニストは、α4β2又はα4β4nAChRサブタイプと結合することが観察される。Bencherif et al.,CNS Drug Review,3(4):325〜345(1998)参照。Wilkie et al.,Biochem.Soc.Trans.21:429〜431(1993)及びWonnacott et al.,In:Effects of Nicotine on Biological Systems II:87〜94(1995)も参照。
【0011】
ある種のニコチン性アゴニストは、α4β2nAChRサブタイプの場所でリガンドの役を演じるものである。そのような化合物の例は、PCT WO 94/08992に記載の化合物(例えば、ヘテロ環式エーテル誘導体)及びPCT WO 92/21339に記載の化合物(例えば、イソキサゾール及びイソチアゾール化合物)を含む。特に有利な化合物は、アリール(aryl)置換アミン(例えば、メタニコチン及びメタニコチン類似物並びにその誘導体)、例えば、米国特許第5212188号(Caldwell et al.)、米国特許第5597919号(Dull et al.)、米国特許第5616716号(Dull et al.)、米国特許第5663356号(Ruecrofit et al.)及び米国特許第5726316号(Crooks et al.)及び米国特許出願番号09/054130及び09/098285に記載の化合物のタイプである。これらの開示内容は、全体として参照することにより本明細書中に組み入れられている。
【0012】
ある種のニコチン性アゴニストは、α4β4nAChRサブタイプにおいてリガンドの役を演じるものである。そのような化合物の例は、PCT WO 96/30372に記載の化合物(例えば、ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体)及び米国特許第5242916号(Lippiello et al.)に記載の化合物を含む。そのような化合物の他の例は、シビアのSIB−1553A(Sibia’s SIB-1553A) である。Lloyd et al.,Life Sciences, 62(17〜18):1601〜1606(1998)参照。
【0013】
本発明を実施するのに有用なアセチルコリンエステラーゼ阻害剤は、多様であってよい。代表的なアセチルコリンエステラーゼ阻害剤は、ガランタミン及びその類似物(米国特許第4663318号(Davis)、カナダ特許第2180703号及びPCT WO 8808708参照)及び欧州特許出願第411534号及び米国特許第5231093号(Flanagan et al.)、同第5246947号(Effland
et al.)に記載の化合物を含む。タクリンヒドロクロリド含有カプセルの形でADの治療剤として市販されている、商業的に入手可能なAChR阻害剤の1つ、コグネックスは、ワーナー−ランバート社(Warner-Lambert Company)のパーク−デービス部門(Parke-Davis Division)から販売されている。他のAChE阻害剤は、エイザイ(Eisai)から市販されているアリセプト(Aricept)であり、これは、ドネゼピルヒドロクロリド含有カプセルである。他の報告されたAChE阻害剤は、アミリン(Amirine:Nikken Pharmaceuticals)、SW−10888(Sumitomo)、MF−217(Mediolanum Pharmaceutici-Angelini)、Ro45−5934、HP−290(Hoesht-Russel)、ENA 713(Sandoz)、イタメリン(Itameline:Hoesht)、メトリフォネート(Metrifonate:Bayer-Wiles)、Tak 177(Takeda)、CP 118.954(Pfizer)、ガランタミン(Galanthamine:Naedheim Pharmaceuticals)、ONO1603(Ono)、ジフロシロン(Zifrosilone:Marion Merrel Dow)を含む。例えば、Brufani et al,Alzheimer Disease:From Molecular Biology to Therapy,eds.Becker et al.,pp.171〜177(1996);Schmidt et al.,Alzheimer Disease:From Molecular Biology to Therapy,eds.Becker et al.,pp.217〜221(1996);Vergas et al.,Alzheimer Disease:From Molecular Biology to Therapy,eds.Becker et al.,pp.251〜255(1996);Greig et al.,Alzheimer Disease:From Molecular Biology to Therapy,eds.Becker et al.,pp.231〜237(1996)及びGiacobini,Alzheimer Disease:From Molecular Biology to Therapy eds.Becker et al.,pp.187〜204(1996)に記載のAChE阻害剤を参照。そのようなAChE阻害剤は、エプタスティグミン、メトリホナート及びフェンセリンを含む。代表的なAChE阻害剤は、米国特許第4914102号、
米国特許第5100901号、米国特許第5102891号、米国特許第 5166181号、米国特許第5187165号、米国特許第5288758号、米国特許第5302593号、米国特許第5300517号、米国特許第 5338548号、米国特許第5364864号、米国特許第5389629号、米国特許第5391553号、米国特許第5455245号、米国特許第 5574046号、米国特許第5602176号、米国特許第5622976号、米国特許第5663448号、米国特許第5693668号、米国特許第 5744476号;欧州特許出願第268871号、欧州特許出願第298202号、欧州特許出願第409676号、欧州特許出願第477903号、欧州特許出願第703901号;PCT WO 93/13100、PCT WO 93/16690、PCT WO 96/40682、PCT WO
97/19059、PCT WO 97/38993に記載されている。これらの開示内容は、全体として参照することにより本明細書中に組み入れられている。
【0014】
本発明は、状態又は疾病に罹患しやすい被験者に、そのような状態又は疾病の予防をし、かつ罹患した被験者に治療を施す方法に関する。例えば、この方法は、CNS障害の進行をある程度妨げ(即ち、予防保護効果を提供)、CNS障害の症状を緩和させ、かつCNS障害の再発を減ずるのに有効な量の医薬組成物を、 患者に投与することを含む。本方法は、医薬組成物の有効量を投与することを含む。
【0015】
本発明の医薬組成物は、他の型のニコチン化合物及びAChE阻害剤が治療方法として提案されているタイプの状態及び疾病を治療するのに有用である。例えば、Williams et al.,DN & P7(4):205〜227(1994)、Arneric et al.,CNS Drug Rev.1(1):1〜26(1995) 、Arneric et al.,Exp.Opin.Invest.Drugs 5(1):79〜100(1996)、Bencherif et al.,JPET 279:1413(1996)、Lippiello et al., JPET 279:1422(1996)、Damaj et al.,Neuroscience(1997),Holladay et al.,J.Med.Chem 40(28):4169〜4194(1997)、Bannon et al.,Science 279:77〜80(1998)、PCT WO 94/08992 、PCT WO 96/31475及び米国特許第5583140号(Bencherif et al.)、米国特許第5597919号(Dull et al.)及び米国特許第5604231号(Smith et al.)を参照。本発明により治療できるCNS障害は、早老性痴呆(アルツハイマー病の早期発症)、老人性痴呆(アルツハイマー型の痴呆)、パーキンソン病を含むパーキンソン症候群、ハンチントン舞踏病、遅発性ジスキネジー、運動高進症、躁病、多動症候群、不安、失読症、精神分裂病及びトゥレット症候群を含む。
【0016】
医薬組成物は、種々の他の成分を、添加物又は補助剤として含んでもよい。関連のある状況において使用される、典型的な薬学的認容性成分又は補助剤は、酸化防止剤、フリーラジカル捕捉剤、ペプチド、成長因子、抗生物質、静菌剤、免疫抑制剤、抗凝固剤、緩衝剤、抗炎症剤、解熱薬、特効性結合剤(time release binder)、麻酔剤、ステロイド及びコルチコステロイドを含む。そのような成分は、付加的な治療的利点を提供でき、医薬組成物の治療行為に影響するように作用するか又は医薬組成物の投与の結果として現れうる任意の可能な副作用を防止するように作用することができる。 ある状況において、本発明の医薬組成物は、特定の疾病の予防又は治療を意図とする他の化合物と共に、処方物の1部として使用することができる。
【0017】
医薬組成物を投与する方法は多様であってよい。これらの組成物の成分を吸入により(例えば、鼻へのエアゾールの形で又は米国特許第4922901号(Brooks et al.)に記載されている種類の搬送粒子を使用したエアゾールの形で)、局所的に(例えばローションの形で)、経口で(例えば、水性又は非水性液体などの溶剤内の液体形態で又は固体担体内で)、静脈内に(例えば、デキストロース又は生理食塩水の溶液内で)、浸剤又は注射により(例えば、薬学的認容性の液体又は液体混合物中の懸濁液又はエマルジョンとして)、脊髄内に、脳内に、心室に、経皮で(例えば、経皮パッチを使用して)投与することができる。組成物は、バルク作用化学薬品(bulk active chemical)の形で投与できるが、有効でかつ効果的な投与のために、処方物の形で各組成物を提供することが好ましい。そのような組成物の典型的な投与の方法は、当業者に明らかである。例えば、組成物を薬学的認容性の担体と共に投与することができ、例えば、錠剤、硬質ゼラチンカプセル又は徐放
性(time release)カプセルの形で投与することができる。他の例として、組成物を、Novartis and Alza Corporationから利用できるパッチ技術のタイプを使用して、経皮で施与することができる。本発明の医薬組成物の投与は断続で、徐々に、連続で、一定で又は制御された割合で、温血動物(例えば、哺乳動物、例えば、マウス、ラット、猫、ウサギ、犬、豚、牛又は猿)に施すことができるが、有利には、ヒトに投与するのが好ましい。更に、薬剤処方物が投与される時刻及び1日あたりの回数は多様であってよい。薬剤処方物の活性成分は、CNSの機能に影響する被験者体内の受容体部位と相互作用するように投与するのが好ましい。更に詳細には、CNS障害を治療する際に、投与は、有利には、CNSの機能に影響する関連受容体サブタイプへの影響を最適化するが、他方、筋型受容体サブタイプへの影響は最小にする。本発明の組成物の投与のための他の好適な方法は、その開示内容が全体として参照することによって本明細書に組み入れられている米国特許第5604231号(Smith et al.)に記載されている。
【0018】
医薬組成物の適切な服用量は、患者が罹患している疾病の発症を防ぐか又は疾病の症状を治療するのに有効な量である。「有効量」、「治療量」又は「有効服用量」とは、所望の薬学的又は治療的効果を引き出し、従って、疾病の予防又は治療に効果があるのに十分な量を意味する。有効服用量は、例えば患者の状態、疾病の症状の重症度及び医薬組成物の投与の方法といった因子に依存して、多様であってよい。組成物の有効服用量は、患者毎に異なり得るが、一般に、CNS効果又は他の所望の治療効果が生じるところから始まり、重大な望ましくない副作用が観察される量より下の量である。従って、CNS障害を治療する際に、組成物の有効量は、被験者の血液脳関門を通過するのに十分な量であり、成分の1つに関しては、被験者の脳内の関連受容体部位に結合し、かつ好ましくは関連のあるニコチン性受容体サブタイプを活性化させるのに十分な量であり(例えば、神経伝達物質を分泌させ、従って、疾病の効果的な予防又は治療をする)、しかも組成物の成分に関しては、被験者の脳内のAChEレベルに影響するのに十分な量である。疾病の予防は、疾病の発症を遅延させることにより明示される。疾病の治療は、疾病に伴う症状を軽減するか又は疾病の症状の再発を減ずることにより明示される。
【0019】
本発明は、(i)その組成物の任意の成分又は全成分の有効量、又は(ii)その組成物の任意の成分又は全成分の閾値以下(sub-threshold)又は最大下(sub-maximal)の量を含む医薬組成物の有効量を投与することを含む。最大下の服用量とは、所望の治療効果をもたらすのに有効でない服用量のことである。即ち、活性服用量より少ない服用量である。成分は、最大下の服用量で使用する(例えば、該成分の活性服用量の、一般に100%未満、しばしば75%未満、頻繁に50%未満及び25%未満ですらある)。従って、相乗作用混合物として使用しない場合には、効能のある服用量で、これらの化合物のいずれかに付随の副作用を最小にする可能性がある。しかしながら、組み合わせて使用すると、異なる経路の間で、これらの成分は、これらの化合物の認識機能への有益な効果を最大にする作用を及ぼす。即ち、医薬組成物の各成分は、それぞれ最少有効服用量未満の量で使用するにもかかわらず、成分の組み合わせが治療効果をもたらす。
【0020】
典型的には、医薬組成物の有効服用量は、一般に、関連ニコチン性受容体部位と相互作用し得る化合物(例えばニコチン性アゴニスト)を、患者の体重1kg当たり5mg未満の量で、投与することを必要とする。しばしば、そのような化合物は、患者の体重1kg当たり約1mg未満、さらに度々には、患者の体重1kg当たり約100μg未満、頻繁には、患者の体重1kg当たり約1μg〜約100μg、有利には、患者の体重1kg当たり約5μg〜約50μgの量で投与する。前記有効服用量は、代表的には、単回服用量として投与される量を表すか又は24時間の期間に渡り1回もしくは複数回で投与される服用量を表す。
【0021】
AChE阻害剤は、使用化合物の個々のタイプに依存する。Physicians’Desk Referen
ce参照。典型的には、活性成分がタクリンヒドロクロリドの場合には、医薬組成物の有効服用量は、一般に、患者の体重1kg当たり約2mg未満の量で、AChE阻害剤を投与することを必要とする。他方、活性成分がドネゼピルヒドロクロリドである場合には、その量は、患者の体重1kg当たり約150μg未満である。例えば、タクリンヒドロクロリドについては、そのような量は、患者の体重1kg当たり約1.5mg未満であり、しばしば患者の体重1kg当たり約1mg未満の量であり、頻繁には、患者の体重1kg当たり約200μg〜約800μgであり、通常、患者の体重1kg当たり約300μg〜約600μgである。例えば、ドネゼピルヒドロクロリドについては、そのような量は、患者の体重1kg当たり約100μg未満であり、しばしば患者の体重1kg当たり約75μg未満であり、頻繁には、患者の体重1kg当たり約20μg〜約70μgであり、通常、患者の体重1kg当たり約30μg〜約60μgである。前記有効服用量は、代表的には、単回服用量として投与される服用量を表すか又は24時間の期間に渡り1回もしくは複数回で投与される服用量を表す。
【0022】
本発明の組成物は、本発明の方法により有効量で使用する際に、CNS障害の進行のある程度の防止、CNS障害の症状の軽減、CNS障害の再発のある程度の軽減を行うのに有効である。しかしながら、これらの組成物のそのような有効量は、好ましくは、評価できるいかなる副作用も引き起こすのには十分でなく、そのことは、心臓血管系への効果又は骨格筋への効果を反映すると信じられる、調製への影響が減少することで示される。従って、本発明の組成物の投与は、ある種のCNS障害の治療を有効に提供し、かつ副作用を回避する、広い治療ウインドウを提供する。即ち、本発明の組成物の有効服用量は、CNSに所望の効果を与えるのに十分であるが、有利には、所望でない副作用を起こすには不十分である。好ましくは、CNS障害の治療をもたらす本発明の組成物の効果的な投与は、ある種の副作用を深刻な程度まで引き起こすのに十分な量の半分より少ない投与で行われる。
【実施例】
【0023】
以下の実施例により本発明を説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。実施例中、他に記載がなければ、部はすべて重量部であり、%はすべて重量%である。
例1 nAChRサブタイプに選択性を有するニコチン性アゴニストは、(2S)−(4E)−N−メチル−5−(5−イソプロポキシ−3−ピリジル)−4−ペンテン−2−アミンヘミガラクタレートであり、これは、次の技術により製造された。
【0024】
(2R)−4−ペンテン−2−オール (2R)−4−ペンテン−2−オールは、A.Kalivretenos, J.K.Stille, and L.S.Hegedus, J.Org.Chem. 56:2883(1991)に記載の手順により(R)−(+)−プロピレンオキシドから82.5%の収率で製造された。
【0025】
(2R)−(4E)−5−(5−イソプロポキシ−3−ピリジル)−4−ペンテン−2−オール 5−ブロモ−3−イソプロポキシピリジン(10.26g、47.50mmol)、(2R)−4−ペンテン−2−オール(4.91g、57.00mmol)、酢酸パラジウム(II)(106mg、0.47mmol)、トリ−O−トリルホスフィン(578mg、1.90mmol)、トリエチルアミン(28.46ml、204.25mmol)及びアセトニトリル(30ml)の混合物を、シールされたガラス管中で、140℃で14時間加熱した。反応混合物を周囲温度まで冷却し、水で希釈し、クロロホルム(3×200ml)で抽出した。クロロホルム抽出物を集め、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、回転蒸発器で濃縮して、淡黄色油状物(8.92g、85.0%)が得られた。
【0026】
(2R)−(4E)−5−(5−イソプロポキシ−3−ピリジル)−4−ペンテン−2
−オール−p−トルエンスルホネート ドライピリジン(30ml)中の(2R)−(4E)−5−(5−イソプロポキシ−3−ピリジル)−4−ペンテン−2−オール(8.50g、38.46mmol)の0℃での撹拌溶液に、p−トルエンスルホニルクロリド(14.67g、76.92mmol)を添加した。反応混合物を周囲温度で24時間撹拌した。ピリジンを回転蒸発により除去した。トルエン(50ml)を残分に添加し、かつ回転蒸発により除去した。粗製生成物を重炭酸ナトリウムの飽和溶液(100ml)と撹拌し、クロロホルム(3×100ml)で抽出した。クロロホルム抽出物を集めて、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、回転蒸発により濃縮して、暗茶色の粘性油状物(11.75g、81.5%)が得られた。
【0027】
(2S)−(4E)−N−メチル−5−(5−イソプロポキシ−3−ピリジル)−4−ペンテン−2−アミン (2R)−(4E)−5−(5−イソプロポキシ−3−ピリジル)−4−ペンテン−2−オール−p−トルエンスルホネート(11.00g、29.33mmol)、メチルアミン(40%水溶液、200ml)及びエチルアルコール(10ml)の混合物を周囲温度で18時間撹拌した。生じた溶液をクロロホルム(3×100ml)で抽出した。クロロホルム抽出物を集めて、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、回転蒸発により濃縮した。粗製生成物を溶離液として酢酸エチル−メタノール(7:3、v/v)を用いる酸化アルミニウムのカラムクロマトグラフィにより精製した。選択された画分を集めて、回転蒸発により濃縮して、油状物を生成した。更に、真空蒸留による精製で、0.5mmHgで沸点90〜100℃の無色油状物2.10g(31.0%)が得られた。
【0028】
(2S)−(4E)−N−メチル−5−(5−イソプロポキシ−3−ピリジル)−4−ペンテン−2−アミンヘミガラクタレート (2S)−(4E)−N−メチル−5−(5−イソプロポキシ−3−ピリジル)−4−ペンテン−2−アミン(2.00g、8.55mmol)を、70℃まで加温しながら、エチルアルコール(20ml)に溶解させた。温溶液をガラクタル酸(900mg、4.27mmol)で小量宛(in one portion)で処理し、その後、水(0.5ml)を滴加した。溶液を、熱いうちに濾過し、不溶物を除去した。濾液を周囲温度まで冷却した。生じた結晶を濾過し、無水ジエチルエーテルで洗浄し、真空下に40℃で乾燥させ、融点140〜143℃の白色結晶粉末(750mg、26.0%)が得られた。
【0029】
AChE阻害剤、タクリンは、コグネックスとして市販されている。活性成分40mgを含有するカプレット(Caplets)を本例を実施するのに使用した。
【0030】
ラットで、スコポラミン誘発性健忘症を逆転させる化合物の効力を評価するために企画されたテストが、ステップ−スルー受動忌避範例(step- through passive avoidance paradigm)である。この範例中のプラスの結果は、テスト化合物が潜在認識強化効果、ある種のCNS疾患に関連するエンドポイントを有するという考えを支持する。簡単にいうと、これらの実験のために、ジェミニ・アボイダンス・システム(Gemini Avoidance System:San Diego Instruments)を使用した。順化期間中、ラットに、生理食塩水の皮下注射をした。獲得日(acquisition day)に、部屋内に入れる30分前に、各ラットにスコポラミン(又は賦形剤対照グループの場合には生理食塩水)0.5μmol/kgの皮下注射をした。スコポラミン注射の5分後(あるいは部屋に入れる25分前)、各ラットに、医薬組成物成分要素の4服用量のうちの1つを皮下注射で投与した。スコポラミン又は賦形剤の注射の30分後、各ラットをすべり戸と反対側で、明るく照明した部屋にいれた。10秒後、部屋を区分する戸を開け、暗い部屋に出入りできるようにした。暗い部屋に入った時間を測定した。暗い部屋に入るとすぐに、ラットは足に弱電撃(0.5mA.)を2秒間受けた。訓練後24時間、各ラットは、すべり戸と反対側の、明るい部屋におかれた。30秒後、戸を開けて、各ラットが暗い部屋に入れるようにした。暗い部屋に入ると
、すべり戸を閉め、ラットを装置から取り出した(電撃はあたえない)。ラットが暗い部屋に300秒以内に入らなければ、そのラットについて、300秒の最高限度(ceiling score)を記録し、装置から取り出して、もとの檻に戻した。生理食塩水の皮下注射の後、動物は、認識面で損なわれず、忌避室に入らなかった。潜伏は、スコポラミンで記憶喪失にされた動物(平均で、10秒以下の潜伏)よりも著しく長かった(>70秒、平均)。タクリン、1.2、4及び12μmol/kgでの治療後、タクリン1.2mmol/kgでは潜伏に変化が無く(スコポラミンの場合とは著しく異ならない)、4と12μmol/kgでは、それぞれ30秒と25秒に増加した。(2S)−(4E)−N−メチル−5−(5−イソプロポキシ−3−ピリジル)−4−ペンテン−2−アミンの0.6、1及び3μmol/kgで治療後、潜伏は、それぞれほぼ25、55及び20秒まで増加した。タクリン(1.2μmol/kg)と(2S)−(4E)−N−メチル−5−(5−イソプロポキシ−3−ピリジル)−4−ペンテン−2−アミン(0.6μmol/kg)との組み合わせを同時投与すると、潜伏は、40秒にまで増加し、これは、各成分のみの場合よりも長かった。更に、共投与の組み合わせは、タクリンの最大下の服用量で、潜伏を増加させた。
【0031】
以上のように、本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、前記特許請求の範囲により規定され、それに均等なものも含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬学的に有効な量の少なくとも2成分を含む医薬組成物であって、該成分の1つがニコチン性アゴニストであり、かつ該成分の1つがアセチルコリンエステラーゼ阻害剤である医薬組成物。
【請求項2】
前記ニコチン性アゴニストが、α4β2ニコチン性受容体サブタイプへの選択性を有する請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記ニコチン性アゴニストが、α4β4ニコチン性受容体サブタイプへの選択性を有する請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記ニコチン性アゴニストが、アリル置換アミンである請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記ニコチン性アゴニストが、E−メタニコチンである請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記ニコチン性アゴニストが、(2S)−(4E)−N―メチルー5−(5−イソプロポキシ−3−ピリジル)−4−ペンテン−2―アミンである請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項7】
アセチルコリンエステラーゼ阻害剤が、タクリンである請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項8】
治療剤として用いられる請求項1ないし7に記載の医薬組成物。
【請求項9】
ニコチン性アゴニストおよびアセチルコリンエステラーゼ阻害剤を薬学的に有効な量含む、中枢神経系(CNS)障害の予防または治療のための医薬組成物。
【請求項10】
ニコチン性アゴニストおよびアセチルコリンエステラーゼ阻害剤を含む、中枢神経系(CNS)障害の予防または治療における使用のための医薬組成物。
【請求項11】
前記中枢神経系(CNS)障害が、早老性痴呆(アルツハイマー病の早期発症)、老人性痴呆(アルツハイマー型の痴呆)、パーキンソン病を含むパーキンソン症候群、ハンチントン舞踏病、遅発性ジスキネジー、運動高進症、躁病、失読症、精神分裂病及びトゥーレット症候群からなる群より選択される請求項9または請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記ニコチン性アゴニストが、α4β2ニコチン性受容体サブタイプへの選択性を有する請求項9または請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記ニコチン性アゴニストが、α4β4ニコチン性受容体サブタイプへの選択性を有する請求項9または請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項14】
前記ニコチン性アゴニストが、アリル置換アミンである請求項9または請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項15】
前記ニコチン性アゴニストが、E−メタニコチンである請求項9または請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項16】
前記ニコチン性アゴニストが、(2S)−(4E)−N―メチルー5−(5−イソプロポキシ−3−ピリジル)−4−ペンテン−2―アミンである請求項9または請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項17】
アセチルコリンエステラーゼ阻害剤が、タクリンである請求項9または請求項10に記載の医薬組成物。

【公開番号】特開2011−137027(P2011−137027A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−38189(P2011−38189)
【出願日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【分割の表示】特願2000−563285(P2000−563285)の分割
【原出願日】平成11年6月2日(1999.6.2)
【出願人】(501054735)ターガセプト,インコーポレイテッド (37)
【Fターム(参考)】